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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20240729BHJP
   G09G 3/3233 20160101ALI20240729BHJP
   G09G 3/3266 20160101ALI20240729BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240729BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
G09G3/20 621M
G09G3/20 680G
G09G3/20 641E
G09G3/20 612R
G09G3/20 612E
G09G3/20 622D
G09G3/20 612K
G09G3/20 621A
G09G3/20 622C
G09G3/20 670L
G09G3/20 670M
G09G3/20 670E
G09G3/20 611G
G09G3/20 611A
G09G3/3233
G09G3/3266
G09G3/20 622G
G09F9/30 330
G09F9/00 346
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023101774
(22)【出願日】2023-06-21
(62)【分割の表示】P 2021205578の分割
【原出願日】2021-12-17
(65)【公開番号】P2023123634
(43)【公開日】2023-09-05
【審査請求日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0183514
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム, ドンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ドンジュン
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0058029(US,A1)
【文献】特開2020-021072(JP,A)
【文献】国際公開第2013/098899(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20-3/38
G09F 9/30
G09F 9/00
G11C 19/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の面上に配置されたドライバICと、
前記基板の面上に配置されたゲート駆動部と
を備える表示装置であって、
前記ゲート駆動部は、
ノードQおよびキャパシタCQに電気的に連結されたゲート電極を含むトランジスタT1であって、ゲートロー電圧VGLの入力端と出力ノードとの間に電気的に連結されたトランジスタT1と、
ノードQBおよびキャパシタCBに電気的に連結されたゲート電極を含むトランジスタT2であって、ゲートハイ電圧VGHの入力端と前記出力ノードとの間に電気的に連結されたトランジスタT2と、
クロック信号の入力端に電気的に連結されたゲート電極を含むトランジスタT3であって、スタート信号の入力端とノードQとの間に電気的に連結されたトランジスタT3と、
前記スタート信号の入力端に電気的に連結されたゲート電極を含むトランジスタT4であって、前記ゲートハイ電圧VGHの前記入力端と前記クロック信号の前記入力端との間に電気的に連結されたトランジスタT4と、
ノードQ1に電気的に連結されたゲート電極を含むトランジスタT5であって、前記クロック信号の前記入力端と前記トランジスタT2との間に電気的に連結されたトランジスタT5と、
前記ノードQ2に電気的に連結されたゲート電極を含むトランジスタT6であって、前記ゲートハイ電圧VGHの前記入力端と前記トランジスタT2との間に電気的に連結されたトランジスタT6と、
前記ゲートロー電圧VGLの入力端に電気的に連結されたゲート電極を含むトランジスタTAであって、前記トランジスタT3と前記トランジスタT1との間に電気的に連結されたトランジスタTAと
を含み、
前記クロック信号が前記トランジスタT2の前記ゲート電極に印加され、
前記スタート信号が前記トランジスタT1の前記ゲート電極に印加される、表示装置。
【請求項2】
前記ゲート駆動部が、
前記トランジスタT3を含むQ2制御部であって、前記クロック信号に応答して前記ノードQ2を活性化させるQ2制御部と、
前記クロック信号に応答して前記ノードQBを前記ノードQ2と反対に活性化させるQB制御部であって、前記トランジスタT5、前記トランジスタT4、前記トランジスタT6および前記キャパシタCBを含むQB制御部と、
プルダウン素子として働く前記トランジスタT1、プルアップ素子として働く前記トランジスタT2、および前記キャパシタCQを含む、出力ユニットと、
前記トランジスタTAを含む安定化ユニットであって、前記ノードQがブートストラッピングされるときに、前記ノードQ2と前記ノードQとの間の電気的連結を遮断する、安定化ユニットと
を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記トランジスタT3の第1電極が、前記スタート信号の前記入力端に連結され、
前記トランジスタT3の第2電極が、前記トランジスタTAの第1電極に連結され、
前記トランジスタTAの第2電極が、前記トランジスタT1の前記ゲート電極に連結されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記ドライバICの左側および右側に配置される低電位電源配線と、
前記ドライバICの左側、右側および下側に配置される高電位電源配線と
をさらに備え、
前記低電位電源配線及び前記高電位電源配線は、連結インターフェースと接続される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記ドライバICの前記左側および前記右側のそれぞれにおいて、前記低電位電源配線よりも前記高電位電源配線の方が、前記ドライバICの近くに配置されている、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記ゲート駆動部は、酸化物トランジスタを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記基板上の酸化物トランジスタを含むピクセル回路をさらに備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記ゲート駆動部は、60Hz未満の走査率で駆動される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記基板上の表示領域に配置されたピクセルと、
前記基板の面上に配置されたサブフレーム制御部と
をさらに備え、
前記サブフレーム制御部は、前記ピクセルと前記ゲート駆動部との間に配置されており、
前記ドライバICは、前記ゲート駆動部と連結されたゲートロー電圧パッドを含み、
前記ゲートロー電圧パッドは、前記サブフレーム制御部のソース電極と連結されている、請求項4に記載の表示装置。
【請求項10】
前記ドライバICは、
前記サブフレーム制御部のゲート電極と連結されたサブフレーム制御パッドと、
前記ゲート駆動部と連結された、クロック信号パッド、スタート信号パッドおよびゲートハイ電圧パッドと
を含む、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記ドライバICは、前記ゲート駆動部と連結されたゲートハイ電圧パッドを含む、請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記サブフレーム制御部のドレイン電極は、前記ゲート駆動部の出力端に電気的に連結され、前記ゲート駆動部の前記出力端は、前記ピクセルに連結されている、請求項9に記載の表示装置。
【請求項13】
前記サブフレーム制御部は、前記ピクセルのメインフレーム期間にはターンオフ状態であり、前記ピクセルのサブフレーム期間にはターンオン状態である、請求項9に記載の表示装置。
【請求項14】
前記サブフレーム制御部がターンオン状態のとき、前記サブフレーム制御部のドレイン電極は、-9vの出力電圧を出力する、請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記サブフレーム制御部のドレイン電極は、前記ゲート駆動部から前記ピクセルまで延びる配線に連結される、請求項9に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、ゲート駆動回路及びそれを用いた表示装置であって、より具体的には、ゲート駆動回路に連結された追加のトランジスタをさらに構成して意図しない出力電流の上昇を防止する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化時代に入るにつれ、電気的情報信号を視覚的に表現するディスプレイ分野が急速に発展してきており、これに応えて薄型化、軽量化、低消費電力化の優れた性能を有する種々の多様な表示装置が開発されている。
【0003】
このような表示装置の具体的な例としては、液晶表示装置(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)表示装置、量子ドット表示装置等が挙げられる。
【0004】
表示装置は、映像が表示されるピクセルアレイと、ピクセルアレイの信号ラインを駆動するパネル駆動回路を含む。パネル駆動回路は、ピクセルアレイのデータラインにデータ信号を供給するデータ駆動回路と、ピクセルアレイのゲートライン(またはスキャンライン)にデータ信号に同期されるゲートパルス(またはスキャンパルス)を順次に供給するゲート駆動回路(またはスキャン駆動回路)と、データ駆動回路とゲート駆動回路を制御するタイミングコントローラ等を含む。
【0005】
近年では、ゲート駆動回路をピクセルアレイと共に表示パネルに内蔵する技術が適用されている。表示パネルに内蔵されたゲート駆動回路は、「GIP(Gate In Panel)回路」と知られている。GIP回路は、表示パネルのベゼル領域に形成されるシフトレジスタを含む。シフトレジスタは、従属的に接続された多数のGIP素子を含む。GIP素子は、スタートパルスまたはキャリー信号に応答してゲート出力を発生し、そのゲート出力をシフトクロックによってシフトさせる。従って、シフトレジスタには、スタートパルス、シフトクロック、駆動電圧等が供給される。
【0006】
近年、技術がさらに発展し、低速(Hz)駆動を通した効率の向上のために、低温ポリ(LTPS)トランジスタと酸化物トランジスタをそれぞれ発光駆動トランジスタとスイッチングトランジスタとして活用するようになった。このような異種のトランジスタを共に配置して駆動時の電力消耗が顕著に減る長所があるが、高温環境でトランジスタの漏れ電流が発生してゲート駆動部で画素に出力される出力電圧が上昇する現象が発生した。
【0007】
このような異常出力電圧上昇は、酸化物トランジスタの低速駆動時、画面異常を招くことがある。
【0008】
上述した問題点を解決するために、近年では、ゲート駆動部が内蔵された異型表示パネルの非表示領域を縮小するための多様な方法が模索されている。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、ゲート駆動部を内蔵した表示装置において、高温状態でストレスによりトランジスタで異常出力電圧上昇が発生することを、防止することを目的とする。
【0010】
本発明の課題は、以上において言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は、下記の記載から通常の技術者に明確に理解され得るだろう。
【0011】
本発明の1つの実施例に係る表示装置は、表示領域、表示領域を囲む非表示領域、表示領域に配置されたピクセルを備え、非表示領域は、ドライバIC、ゲート駆動部、低電位電源配線、高電位電源配線、及びサブフレーム制御部を含み、サブフレーム制御部は、ピクセルとゲート駆動部との間に配置され得る。
【0012】
本発明の他の実施形態に係る表示装置は、表示領域、表示領域を囲む非表示領域、表示領域に配置されたピクセルを備え、非表示領域は、ドライバIC、ゲート駆動部、低電位電源配線、高電位電源配線、及びサブフレーム制御部を含み、ゲート駆動部は、低速駆動をすることができる。
【0013】
その他の実施例の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
本発明の実施例に係る表示装置は、ゲート駆動部の出力端に別途の制御部を構成し、低速駆動によるゲート出力上昇を相殺して表示領域のピクセルが正常駆動する表示装置を提供することができる。
【0014】
本発明の実施例に係る表示装置は、1Hzの低速駆動のために酸化物半導体が配置されたゲート駆動部の出力上昇現象が発生した時に、サブフレーム制御部をターンオンしてゲート駆動部のゲートロー信号をゲート出力端に出力して出力上昇分を相殺できる。
【0015】
本発明の効果は、以上において言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は、下記の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【0016】
以上において解決しようとする課題、課題を解決するための手段、発明の効果に記載した発明の内容が請求項の必須な特徴を特定するものではないので、請求項の権利範囲は、発明を実施するための形態の内容に記載された事項によって制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本明細書の実施例に係る表示パネルの前面を示す図である。
図2図1の切断線I-I’に沿って切った表示領域の断面図である。
図3a】ゲート駆動部の回路構成を示した回路図である。
図3b】温度によるトランジスタの出力変化を示す電圧-電流グラフである。
図3c】ゲート駆動部の駆動速度別のフレーム構成とその時のゲート駆動部の出力変化を示した概念図である。
図4a図1の表示パネルにおいて本実施例での表示領域と非表示領域の構成を示した図である。
図4b図4aの実施例でのゲート駆動部の低速フレーム構成とその時のゲート駆動部の出力変化を示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると、明確になるだろう。しかし、本発明は、以下において開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形状に具現され、単に、本実施例は、本発明の開示が完全なものとなるようにし、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、特許請求の範囲の記載によってのみ定義される。
【0019】
本発明の実施例を説明するための図面に開示された形状、大きさ、比率、角度、個数等は、例示的なものであるので、本発明は、図示された事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって、同じ参照符号は、同じ構成要素を指す。また、本発明を説明するにあたって、関連した公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。本明細書上において言及した「含む」、「有する」、「なされる」等が使用される場合、「~だけ」が使用されない以上、他の部分が加えられ得る。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0020】
構成要素を解釈するにあたって、別途の明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0021】
位置関係についての説明である場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~隣に」等と二部分の位置関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されない以上、二部分の間に一つ以上の他の部分が位置してもよい。
【0022】
時間関係についての説明である場合、例えば、「~後に」、「~に続いて」、「~次に」、「~前に」等と時間的先後関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されない以上、連続的ではない場合も含むことができる。
【0023】
第1、第2等が多様な構成要素を述べるために使用されるが、これらの構成要素は、これらの用語により制限されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。従って、以下において言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であってもよい。
【0024】
本明細書の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するだけの目的のものであり、その用語により該当構成要素の本質、順番、順序または個数等が限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接的に連結または接続され得るが、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」されるか、各構成要素が他の構成要素を通して「連結」、「結合」または「接続」されてもよいと理解されるべきである。
【0025】
本明細書において、「表示装置」は、表示パネルと表示パネルを駆動するための駆動部を含む液晶モジュール(Liquid Crystal Module;LCM)、有機発光ダイオード(OLED)モジュール、量子ドット(QD)モジュールのような狭義の表示装置を含むことができる。そして、LCM、OLEDモジュール、QDモジュール等を含む完成品であるノートパソコン、テレビ、コンピュータモニタ、自動車用表示装置または他の形態の車両(vehicle)のための表示装置、スマートフォンまたは電子パッド等のモバイル電子装置等のようなセット電子装置(set electronic device)またはセット装置(set deviceまたはset apparatus)も含むことができる。
【0026】
従って、本明細書における表示装置は、LCM、OLEDモジュール、QDモジュール等のような狭義のディスプレイ装置そのもの、及びLCM、OLEDモジュール、QDモジュール等を含む応用製品または最終消費者装置であるセット装置まで含むことができる。
【0027】
そして、場合によっては、表示パネルと駆動部等で構成されるLCM、OLEDモジュール、QDモジュールを狭義の「表示装置」と表現し、LCM、OLEDモジュール、QDモジュールを含む完成品としての電子装置を「セット装置」と区別して表現してもよい。例えば、狭義の表示装置は、液晶(LCD)、有機発光(OLED)または量子ドット(QD)の表示パネルと、表示パネルを駆動するための制御部であるソースPCBを含み、セット装置は、ソースPCBに電気的に連結されてセット装置全体を制御するセット制御部であるセットPCBをさらに含む概念であってよい。
【0028】
本実施例に使用される表示パネルは、液晶表示パネル、有機電界発光または有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)表示パネル、量子ドット(QD:Quantum Dot)表示パネル及び電界発光表示パネル(electroluminescent display panel)等の全ての形態の表示パネルが使用され得、本実施例の有機電界発光(OLED)表示パネル用フレキシブル基板と下部のバックプレート支持構造でベゼルベンディングができる特定の表示パネルに限定されるものではない。そして、本明細書の実施例に係る表示装置に使用される表示パネルは、表示パネルの形態や大きさに限定されない。
【0029】
より具体的に、表示パネルが有機電界発光(OLED)表示パネルである場合は、多数のゲートラインとデータライン、及びゲートラインとデータラインの交差領域に形成されるピクセル(Pixel、PXL)(図4a参照)を含むことができる。そして、各ピクセルに選択的に電圧を印加するための素子である薄膜トランジスタを含むアレイと、アレイ上の有機発光素子(OLED)層、及び有機発光素子層を覆うようにアレイ上に配置される封止基板または封止層(Encapsulation)等を含んで構成され得る。封止層は、外部の衝撃から薄膜トランジスタ及び有機発光素子層等を保護し、有機発光素子層に水分や酸素が浸透することを防止できる。そして、アレイ上に形成される層は、無機発光層、例えば、ナノサイズの材料層(nano-sized material layer)または量子ドット等を含むことができる。
【0030】
本明細書において、図1は、表示装置内に統合されてもよい例示的な有機電界発光(OLED)表示パネルを例示する。
【0031】
図1は、電子装置に含まれ得る例示的な表示装置を示した平面図である。
図1を参照すると、前記表示装置100は、少なくとも一つの表示領域(active area)を含み、表示領域には、画素のアレイが形成される。一つ以上の非表示領域(inactive area)が表示領域の周囲に配置され得る。即ち、非表示領域は、表示領域の一つ以上の側面に隣接し得る。図1において、非表示領域は、四角形状の表示領域を囲んでいる。しかし、表示領域の形態及び表示領域に隣接した非表示領域の形態/配置は、図1に示された例に限定されない。表示領域及び非表示領域は、表示装置100を搭載した電子装置のデザインに適した形態であってよい。表示領域の例示的な形態は、五角形、六角形、円形、楕円形等である。
【0032】
表示領域内の各画素は、画素回路と関連し得る。画素回路は、基板101上の一つ以上のスイッチングトランジスタ及び一つ以上の駆動トランジスタを含むことができる。各画素回路は、非表示領域に位置したゲート駆動部及びデータドライバのような一つ以上の駆動回路と通信するために、ゲートライン及びデータラインと電気的に連結され得る。画素は、有機発光素子を含むことができる。
【0033】
駆動回路は、図1に示されたような非表示領域において、TFT(thin film transistor)に具現され得る。このような駆動回路は、ゲート駆動部(gate-in panel)GIPと称され得る。また、データドライバICのようないくつかの部品は、分離された印刷回路基板に搭載され、FPCB(flexible printed circuit board)、COF(chipon-film)、TCP(tape-carrier-package)等のような回路フィルムを利用して非表示領域に配置された連結インターフェース(パッド/バンプ、ピン等)と結合され得る。非表示領域は、連結インターフェースと共に曲げられて、印刷回路(COF、PCB等)は表示装置100の後側に位置され得る。
【0034】
表示装置100は、ピクセル回路、データドライバ、ゲート駆動部GIP等に各種の電圧または電流を供給するか、またはその供給を制御する電源コントローラをさらに含むことができる。このような電源コントローラは、電源管理集積回路(PMIC:Power Management IC)とも呼ばれる。また、表示装置100は、図示された例のように、ピクセル回路の駆動と関連した高準位電圧VDD(即ち、高電位電源配線)、低電位電圧VSS(即ち、低電位電源配線)、基準電圧VREFを供給する電圧ラインも備えることができる。
【0035】
表示装置100が小型化されるにつれ、電力消費に効率的な低速駆動に有利な酸化物半導体をゲート駆動部GIPに適用できる。酸化物半導体は、ゲート駆動部GIPに限定されず、表示領域のピクセル駆動のためのトランジスタとしても使用可能である。低速駆動と高速駆動は、60Hz未満の走査率を低速駆動と呼ぶことができ、具体的に1Hz~5Hz程度が使用され得る。高速駆動は、60Hzからそれ以上、120Hz~240Hzの走査率を高速駆動と呼び得る。
【0036】
一方、表示装置100は、多様な信号を生成するか、表示領域内の有機発光素子を駆動するための、多様な付加要素をさらに含むことができる。有機発光素子を駆動するための付加要素は、インバータ回路、マルチプレクサ、静電気放電回路等であってよい。表示装置100は、有機発光素子駆動以外の機能と関連した付加要素も含むことができる。例えば、表示装置100は、タッチ感知機能、ユーザ認証機能(例:指紋認識)、マルチレベル圧力感知機能、触覚フィードバック(tactile feedback)機能等を提供する付加要素を含むことができる。
【0037】
前記言及された付加要素は、前記非表示領域および/または前記連結インターフェースと連結された外部回路に位置し得る。
【0038】
低電位電源配線VSSは、表示装置100の外郭非表示領域I/Aに表示領域A/Aを囲むように配置され得る。このように配置する理由は、表示領域A/Aに配置された全ての有機発光素子のカソード電極に低電位電圧を最も短い距離を有するようにして電気抵抗を最小化して供給しやすくするためである。
【0039】
図2は、図1の表示装置の表示領域A/Aのうち切断線I-I’を示した断面図である。表示装置100において、基板101上に層102、103、104、105、106ならびに108を含む薄膜トランジスタ、有機発光素子112、114、116及び各種の機能層が位置している。
【0040】
基板101は、ガラスまたはプラスチック基板であってよい。プラスチック基板である場合、ポリイミド系列またはポリカーボネート系列の材料が使用されて可撓性を有することができる。特に、ポリイミドは、高温の工程に適用され得、コーティングが可能な材料であるのでプラスチック基板として多く使用される。
【0041】
バッファ層130は、基板101または下部の層から流出されるアルカリイオン等のような不純物から電極/電線を保護するための機能層である。バッファ層は、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)またはこれらの多層からなり得る。バッファ層130は、マルチバッファ131および/またはアクティブバッファ132を含むことができる。マルチバッファ131は、窒化シリコン(SiNx)及び酸化シリコン(SiOx)が交互に積層されてなされ得、基板101に浸透した水分および/または酸素が拡散することを遅延させることができる。アクティブバッファ132は、トランジスタの半導体層102を保護し、基板101から流入する多様な種類の欠陥を遮断する機能を果たす。アクティブバッファ132は、非晶質シリコン(a-Si)等で形成され得る。
【0042】
薄膜トランジスタは、半導体層102、ゲート絶縁膜103、ゲート電極104、層間絶縁膜105、ソース及びドレイン電極106、108が順次に配置された形態であってよい。半導体層102は、前記バッファ層130上に位置する。半導体層102は、ポリシリコン(p-Si)で作られ得、この場合、所定の領域が不純物でドーピングされることもある。また、半導体層102は、アモルファスシリコン(a-Si)で作られてもよく、ペンタセン等のような多様な有機半導体材料で作られてもよい。さらに、半導体層102は、酸化物で作られてもよい。ゲート絶縁膜103は、シリコン酸化物(SiOx)またはシリコン窒化物(SiNx)等のような絶縁性無機物で形成され得、その他にも絶縁性有機物等で形成されてもよい。ゲート電極104は、多様な導電性材料、例えば、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、金(Au)、またはこれらの合金等で形成され得る。
【0043】
層間絶縁膜105は、シリコン酸化物(SiOx)またはシリコン窒化物(SiNx)等のような絶縁性材料で形成され得、その他にも絶縁性有機物等で形成されてもよい。層間絶縁膜105とゲート絶縁膜103の選択的除去でソース及びドレイン領域が露出されるコンタクトホールが形成され得る。
ソース及びドレイン電極106、108は、層間絶縁膜105上に電極用材料で単一層または多層の形状に形成される。必要に応じて、無機絶縁材料で構成された保護層(passivation layer)がソース及びドレイン電極106、108を覆ってもよい。
【0044】
第1平坦化層107-1が薄膜トランジスタ上に位置し得る。第1平坦化層107-1は、薄膜トランジスタ等を保護し、その上部を平坦化する。第1平坦化層107-1は、多様な形態に構成され得、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂、ポリフェニレンスルファイド系樹脂のうち一つ以上で形成され得るが、これに制限されない。
【0045】
第1平坦化層107-1の上部には、電線/電極の役割を果たす多様な金属層が配置され得る。
【0046】
第2平坦化層107-2が第1平坦化層107-1の上部に位置する。平坦化層が2つであることは、表示装置100が高解像度に進化することで各種の信号配線が増加するようになったことに起因する。そこで、全ての配線を最小間隔を確保しながら一層に配置しにくく、追加の層を作ったのである。このような追加の層(第2平坦化層)により配線配置に余裕が生じて、電線/電極配置設計がさらに容易になる。また、平坦化層107-1、107-2として誘電材料が使用されると、平坦化層107-1、107-2は、金属層の間で静電容量を形成する用途に活用することもできる。
【0047】
有機発光素子は、アノード電極112、有機発光層114、カソード電極116が順次に配置された形態であってよい。即ち、有機発光素子は、平坦化層107-1、107-2上に形成されたアノード電極112、アノード電極112上に位置した有機発光層114、及び有機発光層114上に位置したカソード電極116で構成され得る。
【0048】
アノード電極112は、連結電極108-2を通して駆動薄膜トランジスタのドレイン電極108と電気的に連結され得る。有機発光表示装置100が上部発光(top emission)方式である場合、このようなアノード電極112は、反射率の高い不透明な導電材料で作られ得る。例えば、アノード電極112は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、またはこれらの合金等で形成され得る。前記連結電極108-2は、前記ソース及びドレイン電極106、108と同じ材料で作られ得る。
【0049】
バンク110は、発光領域を除く残りの領域に形成される。これによって、バンク110は、発光領域と対応するアノード電極112を露出させるバンクホールを有する。バンク110は、シリコン窒化膜(SiNx)、シリコン酸化膜(SiOx)のような無機絶縁材料またはBCB、アクリル系樹脂またはイミド系樹脂のような有機絶縁材料で作られ得る。
【0050】
有機発光層114がバンク110により露出されたアノード電極112上に位置する。有機発光層114は、発光層、電子注入層、電子輸送層、正孔輸送層、正孔注入層等を含むことができる。
【0051】
カソード電極116が有機発光層114上に位置する。表示装置100が上部発光(top emission)方式である場合、カソード電極116は、インジウムティンオキサイド(Indium Tin Oxide;ITO)またはインジウムジンクオキサイド(Induim Zinc Oxide;IZO)等のような透明な導電材料で形成されることで、有機発光層114で生成した光をカソード電極116の上部に放出させる。
【0052】
封止層120がカソード電極116上に位置する。前記封止層120は、発光材料と電極材料の酸化を防止するために、外部からの酸素及び水分の浸透を防ぐ。有機発光素子が水分や酸素に露出されると、発光領域が縮小される画素収縮(pixel shrinkage)現象が現れるか、発光領域内に黒点(dark spot)が生じ得る。封止層(encapsulation layer)は、ガラス、金属、酸化アルミニウム(AlOx)またはシリコン(Si)系列の材料からなる無機膜で構成されるか、または有機膜と無機膜が交互に積層された構造であってもよい。無機膜は、水分や酸素の浸透を遮断する役割を果たし、有機膜は、無機膜の表面を平坦化する役割を果たす。封止層を多重の薄膜層で形成する理由は、単一層に比して水分や酸素の移動経路を長く複雑にして、有機発光素子にまで水分/酸素の浸透を難しくするためである。
【0053】
具体的に、封止層120は、第1無機絶縁膜121、有機絶縁膜122、第2無機絶縁膜123を含むことができ、第1無機絶縁膜121、有機絶縁膜122、第2無機絶縁膜123を順次に配置し得る。
【0054】
バリアフィルム140が封止層120上に位置して有機発光素子を含む基板101全体を封止する。バリアフィルム140は、位相差フィルムまたは光等方性フィルムであってよい。バリアフィルムが光等方性の性質を有すると、バリアフィルムに入射した光を位相遅延なしにそのまま透過させる。また、バリアフィルムの上部または下部面には、有機膜または無機膜がさらに位置し得る。バリアフィルムの上部または下部面に形成される有機膜または無機膜は、外部の水分や酸素の浸透を遮断する役割を果たす。
【0055】
接着層145がバリアフィルム140と封止層120との間に位置し得る。接着層145は、封止層120とバリアフィルム140を接着させる。接着層145は、熱硬化型または自然硬化型の接着剤であってよい。例えば、接着層145は、B-PSA(Barrier pressure sensitive adhesive)のような材料で構成され得る。バリアフィルム140上には、タッチパネル(フィルム)、偏光フィルム、上面カバー等がさらに位置してもよい。
【0056】
図3aは、表示装置に適用されたゲート駆動部の構成を示した。
図3aを参照すると、ゲート駆動部GIPは、ノードQ2がゲートハイ電圧VGHに非活性化され、ノードQBがゲートロー電圧VGLに活性化される間に、ゲートハイ電圧VGHの出力信号SN(n)を出力する。次いで、ゲート駆動部GIPは、ノードQ2がゲートロー電圧VGLに活性化され、ノードQBがゲートハイ電圧VGHに非活性化される間に、ゲートロー電圧VGLの出力信号SN(n)を出力する。言い換えれば、ゲート駆動部GIPは、ノードQ2が活性化されるタイミングに同期してノードQがブートストラッピングされる時からゲートロー電圧VGLの出力信号SN(n)を出力する。
【0057】
このために、ゲート駆動部GIPは、Q2制御部、QB制御部、出力部及び第1安定化部を含むことができる。
【0058】
Q2制御部は、トランジスタT3に具現され得る。トランジスタT3は、クロック信号CLKによってノードQ2にゲートロー電圧VGLのスタート信号VSTを印加して前記ノードQ2を活性化させる。トランジスタT3のゲート電極はクロック信号CLKの入力端に接続され、トランジスタT3の第1電極と第2電極はそれぞれスタート信号VSTの入力端とノードQ2に接続される。
【0059】
QB制御部は、クロック信号CLK、スタート信号VST、及びノードQ2の電位によってノードQBをノードQ2と反対に活性化させる。QB制御部は、キャパシタC_ON、トランジスタT5、トランジスタT4、トランジスタT6、及びキャパシタCBに具現され得る。
【0060】
キャパシタC_ONは、クロック信号CLKの入力端とノードQ1との間に接続される。トランジスタT5は、ノードQ1の電位によってクロック信号CLKをノードQBに供給する。トランジスタT5のゲート電極はノードQ1に接続され、トランジスタT5の第1電極と第2電極はそれぞれクロック信号CLKの入力端とノードQBに接続される。トランジスタT4は、スタート信号VSTによってノードQ1にゲートハイ電圧VGHを供給する。トランジスタT4のゲート電極はスタート信号VSTの入力端に接続され、トランジスタT4の第1電極と第2電極はそれぞれノードQ1とゲートハイ電圧VGHの入力端に接続される。このような構成により、ノードQ1の電位は、スタート信号VSTがゲートハイ電圧VGHに維持される間に、クロック信号CLKに同期されて変わる。また、ノードQ1の電位は、スタート信号VSTがゲートロー電圧VGLに維持される間に、ゲートハイ電圧VGHとなる。
【0061】
トランジスタT6は、ノードQ2の電位によってノードQBにゲートハイ電圧VGHを供給する。トランジスタT6のゲート電極はノードQ2に接続され、トランジスタT6の第1電極と第2電極はそれぞれノードQBとゲートハイ電圧VGHの入力端に接続される。キャパシタCBは、ノードQBとゲートハイ電圧VGHとの間に連結されてノードQBの電位を安定化させる。
出力部は、プルダウン素子であるトランジスタT1、プルアップ素子であるトランジスタT2、及びキャパシタCQを含む。
【0062】
トランジスタT1は、ノードQ2が活性化されるタイミングに同期してノードQがブートストラッピングされる時からゲートロー電圧VGLの出力信号SN(n)を出力ノードに供給する。トランジスタT1のゲート電極はノードQに接続され、トランジスタT1の第1電極と第2電極はそれぞれゲートロー電圧VGLの入力端と出力ノードに接続される。キャパシタCQは、ノードQと出力ノードとの間に接続される。キャパシタCQは、出力信号SN(n)がゲートハイ電圧VGHからゲートロー電圧VGLに変わるとき、出力ノードの電位変化をノードQの電位に反映してノードQをブートストラッピングさせる役割を果たす。トランジスタT2は、ノードQ2に先立ちノードQBが活性化される間、ゲートハイ電圧VGHの出力信号SN(n)を出力ノードに供給する。トランジスタT2のゲート電極はノードQBに接続され、トランジスタT2の第1電極と第2電極はそれぞれ出力ノードとゲートハイ電圧VGHの入力端に接続される。
【0063】
第1安定化部は、トランジスタTAに具現され得る。トランジスタTAのゲート電極はゲートロー電圧VGLの入力端に接続され、トランジスタTAの第1電極と第2電極はそれぞれノードQ2とノードQに接続される。トランジスタTAの第1及び第2電極間のチャネル電流は、ノードQがブートストラッピングされる時にゼロとなる。言い換えれば、トランジスタTAは、ノードQがブートストラッピングされる時にターンオフされることで、ノードQ2とノードQ間の電気的連結を遮断する。一方、ノードQがブートストラッピングされない間は、トランジスタTAはターンオン状態を維持する。
【0064】
トランジスタTAは、ターンオン状態を維持して、ノードQがブートストラッピングされる時にのみターンオフされてノードQ2とノードQとの間の電流流れを遮断する。従って、ノードQがブートストラッピングされるとき、ノードQ2の電位はノードQの電位とは異なる電位となる。ブートストラッピングの瞬間にノードQの電位が変わってもノードQ2の電位は変わらないため、ノードQ2に連結されたトランジスタT3、T6には、ブートストラッピングの瞬間に過負荷がかからないようになる。仮に、トランジスタTAがなければ、トランジスタT3のドレイン-ソース間電圧、及びトランジスタT6のゲート-ソース間電圧Vgsは、ブートストラッピングによって閾値以上に増加し得、このような過負荷現象が持続されると、素子破壊現象、いわゆるブレークダウン現象が生じ得る。トランジスタTAは、ノードQのブートストラッピングの瞬間にノードQ2に連結されたトランジスタT3、T6がブレークダウンされないようにする。
【0065】
図3aのトランジスタT2の場合、出力ノードの電位がゲートロー電圧VGLを維持するとき、ドレイン-ソース電圧VGH-VGLが大きく、このような状態が長時間持続されると劣化しやすい。劣化によってトランジスタT2に漏れ電流I leakが流れると、正常な出力信号SN(n)が出力され得ない。
【0066】
図3bは、図3aと関連の常温と高温でトランジスタの出力変化を示したグラフである。図3bを参照すると、トランジスタの温度による電圧と出力電流Ioutを確認できる。グラフのx軸はゲート-ソース電圧Vgsであり、約-2v以下では常温と高温の出力電流値に差がないが、約-1vから+に逆転されるにつれ、出力電流値に差が発生し得る。図3bを参照すると、ゲート-ソース電圧Vgsが0vである状況で常温のトランジスタと高温のトランジスタとの間に出力電流値の差が発生し、高温で出力される電流の方が大きいことが分かる。表示装置100が高温にある場合、ゲート駆動部の漏れ電流がさらに大きくなり得る。
【0067】
図3cは、高速駆動と低速駆動時のフレーム図と低速駆動時のゲート駆動部の出力を示した。
【0068】
表示装置100は、高速駆動と低速駆動を混用して適用でき、低速駆動を通して消費電力低減の効果を奏することができる。これに対して、図3cを参照すると、120Hzの高速駆動時、約8.3msでメインフレームをリフレッシュさせて正常動作をすることができる。そのとき、ゲート駆動部GIPの出力電圧は、約-9vの水準であってよい。これに対して、1Hzで低速駆動時、1秒に1回リフレッシュさせなければならないので、メインフレームが出力される約8.3ms以後のサブフレーム区間はメインフレームの出力値を維持(holding)しなければならないが、維持時間(holding time)が増加するほどゲート駆動部GIPの出力値が上昇する現象が発生し得る。ゲート駆動部GIPは、サブフレーム区間で約-7v乃至それ以上の電圧に上昇して出力され得る。
【0069】
このような現象は、図3a乃至図3cをまとめて、図3aのゲート駆動部の構成図においてトランジスタT3からトランジスタT1とQノードに達する通路を通した漏れ電流でQ2ノードの電位が上昇し、トランジスタT1の出力が減少すると、トランジスタT2を通して漏れ電流が出力される現象が高温で容易に発生し得る。
【0070】
図4aは、図1の表示装置の本発明の実施例と関連した特徴を示した図である。図4aを参照すると、基板101の上側にドライバIC200が配置され得、ドライバICの左右側面に低電位電源VSS用パッドと高電位電源VDD用パッドが配置され得る。ドライバIC200の領域にゲート駆動部GIPを制御する信号のパッドが配置され得る。具体的に、クロック信号CLK、スタート信号VST、ゲートハイ電圧VGH、及びゲートロー電圧VGLのためのパッドが配置され得る。クロック信号CLK、スタート信号VST、ゲートハイ電圧VGH、及びゲートロー電圧VGLのためのパッドで延びた配線がゲート駆動部GIPに連結され、表示領域A/Aの画素回路に必要な発光信号とスキャン信号等をゲート駆動部GIPで生成できる。
【0071】
図4aを参照すると、本明細書の実施例において、サブフレーム制御部300のためのサブフレーム制御パッドSFCが、ドライバIC200領域にさらに配置され得る。サブフレーム制御部300は、ゲート駆動部GIPと表示領域A/AのピクセルPXLとの間に配置され得る。サブフレーム制御部300は、ゲート電極がサブフレーム制御パッドSFCに連結され、ソース電極はゲートロー電圧VGLと連結され得る。サブフレーム制御部300のドレイン電極は、ゲート駆動部GIPで出力されて表示領域A/AのピクセルPXLに向かう配線と連結され得る。例えば、サブフレーム制御部300のドレイン電極とゲート駆動部GIPの出力端が電気的に連結され、ゲート駆動部GIPの出力端は、ピクセルPXLに連結される。サブフレーム制御部300のためにドライバIC200で信号を追加してメインフレームが終了し、サブフレームが始まる時点でサブフレーム制御パッドSFCに信号を出力してサブフレーム制御部300をターンオン(turn-on)させることができる。サブフレーム制御部300がターンオンされると、ゲートロー電圧VGLの電圧がゲート駆動部GIPの出力信号に印加され得る。ゲートロー電圧VGLの場合、約-9vの電圧が常時印加されている。ターンオンされたサブフレーム制御部300を通してゲートロー電圧VGLがゲート駆動部GIPの出力信号に印加されると、ゲート駆動部GIPのサブフレーム区間の出力上昇を相殺できる。
【0072】
図4bは、図4aの実施例におけるゲート駆動部GIPの出力値を示したグラフである。
【0073】
図4bを参照すると、1Hzの低速駆動で、メインフレーム区間である8.3ms以後、ゲート駆動部GIPの出力を維持(holding)しなければならないサブフレーム区間の始まりの時点でサブフレーム制御部300がターンオン(turn-on)され得る。即ち、サブフレーム制御部300は、ピクセルのメインフレーム期間にはターンオフ状態であり、ピクセルのサブフレーム期間にはターンオン状態とされ得る。サブフレーム制御部300がターンオフ(turn-off)状態からターンオンされると、ゲートロー電圧VGLの-9vがゲート駆動部GIPの出力端に印加されて図3cのゲート駆動部GIPの出力上昇を相殺させることができる。これによって、ゲート駆動部GIPの出力異常による画面異常現象を防止できる。
【0074】
本明細書の実施例に係る表示装置は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display device:LCD)、電界放出表示装置(Field Emission Display device:FED)、有機発光ダイオード(OLED)表示装置、量子ドット表示装置を含む。
【0075】
本明細書の実施例に係る表示装置は、LCM、OLEDモジュール等を含む完成品であるノートパソコン、テレビ、コンピュータモニタ、自動車用表示装置または他の形態の車両(vehicle)のための表示装置、スマートフォンまたは電子パッド等のモバイル電子装置等のようなセット電子装置(set electronic device apparatus)またはセット装置(set deviceまたはset apparatus)も含むことができる。
【0076】
本明細書の実施例に係る表示装置は、下記のように説明され得る。
本明細書の実施例に係る表示装置は、表示領域及び前記表示領域を囲む非表示領域、表示領域に配置されたピクセル、及び非表示領域に配置されたドライバIC、ゲート駆動部、低電位電源配線、高電位電源配線、及びサブフレーム制御部を含み、サブフレーム制御部は、ピクセルとゲート駆動部との間に配置され得る。
【0077】
本明細書の実施例に係る表示装置において、ドライバICは、サブフレーム制御部のゲート電極と連結されたサブフレーム制御パッドを含むことができる。
【0078】
本明細書の実施例に係る表示装置において、ドライバICは、ゲート駆動部と連結されるゲートロー電圧パッドとゲートハイ電圧パッドを含むことができ、ゲートロー電圧パッドは、サブフレーム制御部のソース電極と連結され得る。
【0079】
本明細書の実施例に係る表示装置において、ゲートロー電圧は、-9vであってよい。
【0080】
本明細書の実施例に係る表示装置において、ゲート駆動部は、酸化物トランジスタを含むことができる。
【0081】
本明細書の実施例に係る表示装置において、サブフレーム制御部のドレイン電極とゲート駆動部の出力端が電気的に連結され、ゲート駆動部の出力端は、ピクセルに連結され得る。
【0082】
本明細書の実施例に係る表示装置において、ゲート駆動部は、1Hzの低速駆動で駆動できる。
【0083】
本明細書の実施例に係る表示装置において、サブフレーム制御部は、ピクセルのメインフレーム期間にはターンオフ状態であり、ピクセルのサブフレーム期間にはターンオン状態であってよい。
【0084】
本明細書の実施例に係る表示装置において、サブフレーム制御部がターンオン状態のとき、サブフレーム制御部のドレインは、約-9vの出力電圧を出力できる。
【0085】
本明細書の実施例に係る表示装置は、表示領域、前記表示領域を囲む非表示領域、表示領域に配置されたピクセル、及び非表示領域に配置されたドライバIC、ゲート駆動部、低電位電源配線、高電位電源配線、及びサブフレーム制御部を含み、ゲート駆動部は、低速駆動をすることができる。
【0086】
本明細書の実施例に係る表示装置において、ゲート駆動部は、酸化物半導体を含むことができる。
【0087】
本明細書の実施例に係る表示装置において、サブフレーム制御部は、前記ピクセルと前記ゲート駆動部との間に配置され得る。
【0088】
本明細書の実施例に係る表示装置において、ドライバICは、サブフレーム制御部のゲート電極と連結されたサブフレーム制御パッドを含むことができる。
【0089】
上述した本出願の例に説明された特徴、構造、効果等は、本出願の少なくとも一つの例に含まれ、必ずしも一つの例にのみ限定されるものではない。さらに、本出願の少なくとも一つの例において例示された特徴、構造、効果等は、本出願の属する分野における通常の知識を有する者によって他の例に対しても組み合わせまたは変形されて実施可能である。従って、このような組み合わせと変形に関連した内容は、本出願の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0090】
以上において説明した本出願は、前述した実施例及び添付の図面に限定されるものではなく、本出願の技術的範囲を外れない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であるということが本出願の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって明らかであるだろう。それゆえ、本出願の範囲は、後述する特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導出される全ての変更または変形された形態が本出願の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b