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特許7528319太陽光発電アセンブリ及び太陽光発電アセンブリの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】太陽光発電アセンブリ及び太陽光発電アセンブリの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20240729BHJP
   H01L 31/0224 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
H01L31/04 570
H01L31/04 262
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023110736
(22)【出願日】2023-07-05
【審査請求日】2023-07-05
(31)【優先権主張番号】202310651015.3
(32)【優先日】2023-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512083920
【氏名又は名称】晶科能源股分有限公司
【氏名又は名称原語表記】JINKO SOLAR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1,Jinko Road, Shangrao Economic Development Zone Jiangxi 334100 CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】陶 武松
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼ 均
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ 恒
【審査官】小林 幹
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第213026144(CN,U)
【文献】中国実用新案第213583810(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第115639214(CN,A)
【文献】中国実用新案第213519992(CN,U)
【文献】特開2023-033050(JP,A)
【文献】特開2016-213460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02-31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電アセンブリであって、
電池セルと、溶接ストリップと、パッドと、固着物と、接着フィルムと、透光部材と、バックシートとを含み、
前記パッドは、前記電池セルの面に設けられ、前記パッドは、第1部分と、第2部分と、第3部分とを有し、前記第1部分が、前記第2部分によって前記第3部分に接続され、前記溶接ストリップの長さ方向に沿って、前記第2部分の幅寸法が、前記第1部分の幅寸法及び前記第3部分の幅寸法よりも小さく、
前記固着物は、前記第1部分における前記電池セルから離反する面と、前記第3部分における前記電池セルから離反する面とに設けられ、前記第1部分に位置する前記固着物と前記第3部分に位置する前記固着物との間に前記溶接ストリップが設けられ、かつ前記溶接ストリップが前記固着物によって前記パッドに接続されて、電池ストリングを形成し、
前記接着フィルムは、前記電池ストリングにおける自身の厚さ方向に沿った両側に設けられ、
前記透光部材は、そのうちの一方の前記接着フィルムにおける前記電池ストリングから離反する側に設けられ、
前記バックシートは、他方の前記接着フィルムにおける前記電池ストリングから離反する側に設けられ
前記溶接ストリップの側壁は、前記第2部分における前記電池セルから離反する面に当接する、ことを特徴とする太陽光発電アセンブリ。
【請求項2】
太陽光発電アセンブリであって、
電池セルと、溶接ストリップと、パッドと、固着物と、接着フィルムと、透光部材と、バックシートとを含み、
前記パッドは、前記電池セルの面に設けられ、前記パッドは、第1部分と、第2部分と、第3部分とを有し、前記第1部分が、前記第2部分によって前記第3部分に接続され、前記溶接ストリップの長さ方向に沿って、前記第2部分の幅寸法が、前記第1部分の幅寸法及び前記第3部分の幅寸法よりも小さく、
前記固着物は、前記第1部分における前記電池セルから離反する面と、前記第3部分における前記電池セルから離反する面とに設けられ、前記第1部分に位置する前記固着物と前記第3部分に位置する前記固着物との間に前記溶接ストリップが設けられ、かつ前記溶接ストリップが前記固着物によって前記パッドに接続されて、電池ストリングを形成し、
前記接着フィルムは、前記電池ストリングにおける自身の厚さ方向に沿った両側に設けられ、
前記透光部材は、そのうちの一方の前記接着フィルムにおける前記電池ストリングから離反する側に設けられ、
前記バックシートは、他方の前記接着フィルムにおける前記電池ストリングから離反する側に設けられ、
前記パッドの構造は、ダンベル状、瓢箪状、砂時計状又は∞字状である、ことを特徴とする太陽光発電アセンブリ。
【請求項3】
前記固着物は、設定された高さH1を有し、前記溶接ストリップは、設定された高さH2を有し、0<H1≦0.5×H2を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電アセンブリ。
【請求項4】
前記固着物は、前記溶接ストリップの長さ方向に沿って設定された幅W1を有し、0.10mm≦W1≦0.20mmを満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電アセンブリ。
【請求項5】
前記固着物前記溶接ストリップの長さ方向に沿って投影した投影形状は、三角形、扇形又はスロープ状である、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電アセンブリ。
【請求項6】
前記溶接ストリップの軸に垂直な断面形状は、円形であり、前記溶接ストリップの側壁における前記パッドに向かう少なくとも一部は、前記固着物によって前記パッドに接続されるか、
又は、前記溶接ストリップの軸に垂直な断面形状は、三角形、矩形又は楕円形である、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電アセンブリ。
【請求項7】
前記第1部分における前記電池セルに垂直な側壁の少なくとも一部及び/又は前記第3部分における前記電池セルに垂直な側壁の少なくとも一部は、円弧面である、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電アセンブリ。
【請求項8】
前記太陽光発電アセンブリは、前記電池セルに設けられる細グリッド及びメイングリッドをさらに含み、前記第1部分及び前記第3部分は、それぞれ前記細グリッドに接続され、前記細グリッドは、前記溶接ストリップの長さ方向に交差する方向に沿って設けられ、
前記メイングリッドは、前記第2部分に接続され、前記メイングリッドは、前記溶接ストリップの長さ方向に沿って設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電アセンブリ。
【請求項9】
前記固着物の材料は、スズ、半田ペースト、導電性銀ペースト又は導電性接着剤である、ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の太陽光発電アセンブリ。
【請求項10】
太陽光発電アセンブリの製造方法であって、
パッドが、第1部分と、第2部分と、第3部分とを有し、前記第1部分は、前記第2部分によって前記第3部分に接続され、溶接ストリップの長さ方向に沿って、前記第2部分の幅寸法が前記第1部分の幅寸法及び前記第3部分の幅寸法よりも小さく、前記製造方法は、
電池セルに設けられた前記パッドの第1部分と第3部分にそれぞれ固着物を設置することと、
前記固着物によって溶接ストリップを前記電池セルに設けられた前記パッドに接続することと、
前記電池セルの正面に接続された前記溶接ストリップを別の前記電池セルの背面に接続して、電池ストリングを形成することと、
バックシート、接着フィルム、前記電池ストリング及び透光部材を積層して、積層体を形成することと、
前記積層体をラミネートしてラミネート体を形成することと、
前記ラミネート体にフレーム及び接続箱を取り付けて、太陽光発電アセンブリを形成することと、を含み、
前記溶接ストリップを前記固着物によって前記電池セルに設けられた前記パッドに接続することは、
溶接ストリップを前記第2部分における前記電池セルから離反する面に当接させ、かつ前記溶接ストリップを前記第1部分における前記電池セルから離反する面に位置する前記固着物と前記第3部分における前記電池セルから離反する面に位置する前記固着物との間に配置することを含む、ことを特徴とする太陽光発電アセンブリの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電アセンブリの技術分野に関し、特に太陽光発電アセンブリ及び太陽光発電アセンブリの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電アセンブリは、クリーンエネルギーを利用して発電する装置として、大きな応用市場を有する。
太陽光発電アセンブリ内には、電気的に接続されたパッド及び溶接ストリップが含まれ、パッド及び溶接ストリップは、電流を導通するために用いられる。
しかしながら、従来技術において、太陽光発電アセンブリのパッドと溶接ストリップとの接続信頼性が悪く、パッドと溶接ストリップとのコールドはんだ接合が発生することが多いため、太陽光発電アセンブリの動作信頼性レベルが悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願は、パッドと溶接ストリップとのコールドはんだ接合の可能性を低減して、太陽光発電アセンブリの動作信頼性レベルを向上させることができる太陽光発電アセンブリ及び太陽光発電アセンブリの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の第1態様は、太陽光発電アセンブリを提供し、当該太陽光発電アセンブリは、電池セルと、溶接ストリップと、パッドと、固着物と、接着フィルムと、透光部材と、バックシートとを含む。パッドは、電池セルの面に設けられ、パッドは、第1部分と、第2部分と、第3部分とを有し、第1部分は、第2部分によって第3部分に接続され、溶接ストリップの長さ方向に沿って、第2部分の幅寸法が、第1部分の幅寸法及び第3部分の幅寸法よりも小さい。第1部分における電池セルから離反する面と、第3部分における電池セルから離反する面とに固着物が設けられ、第1部分に位置する固着物と第3部分に位置する固着物との間に溶接ストリップが設けられ、かつ溶接ストリップが固着物によってパッドに接続されて、電池ストリングを形成する。接着フィルムは、電池ストリングにおける自身の厚さ方向に沿った両側に設けられる。透光部材は、そのうちの一方の接着フィルムにおける電池ストリングから離反する側に設けられる。バックシートは、他方の接着フィルムにおける電池ストリングから離反する側に設けられる。
【0005】
一可能な設計において、溶接ストリップの側壁は、第2部分における電池セルから離反する面に当接する。
【0006】
一可能な設計において、固着物は、設定された高さH1を有し、溶接ストリップは、設定された高さH2を有し、0<H1≦0.5×H2を満たす。
【0007】
一可能な設計において、固着物は、溶接ストリップの長さ方向に沿って設定された幅W1を有し、0.10mm≦W1≦0.20mmを満たす。
【0008】
一可能な設計において、固着物が溶接ストリップの長さ方向に沿って投影した投影形状は、三角形、扇形又はスロープ状である。
【0009】
一可能な設計において、溶接ストリップの軸に垂直な断面形状は、円形であり、溶接ストリップの側壁におけるパッドに向かう少なくとも一部は、固着物によってパッドに接続されるか、又は、溶接ストリップの軸に垂直な断面形状は、三角形、矩形又は楕円形である。
【0010】
一可能な設計において、パッドの構造は、ダンベル状、瓢箪状、砂時計状又は∞字状である。
【0011】
一可能な設計において、第1部分における電池セルに垂直な側壁の少なくとも一部及び/又は第3部分における電池セルに垂直な側壁の少なくとも一部は、円弧面である。
【0012】
一可能な設計において、太陽光発電アセンブリは、電池セルに設けられる細グリッド及びメイングリッドをさらに含み、第1部分及び第3部分は、それぞれ細グリッドに接続され、細グリッドは、溶接ストリップの長さ方向に交差する方向に沿って設けられ、メイングリッドは、第2部分に接続され、メイングリッドは、溶接ストリップの長さ方向に沿って設けられる。
【0013】
一可能な設計において、固着物の材料は、スズ、半田ペースト、導電性銀ペースト又は導電性接着剤である。
【0014】
従来技術における太陽光発電アセンブリに比べて、本願の太陽光発電アセンブリでは、溶接ストリップとパッドとの固定接続位置が多く、溶接ストリップとパッドとの接続信頼性レベルが高く、それに応じて、太陽光発電アセンブリの動作信頼性レベルが高く、使用寿命が長い。次に、パッドの第1部分が第2部分によって第3部分に接続され、すなわち、第1部分と第3部分とが間隔をあけて設けられ、且つ溶接ストリップが第1部分と第3部分との間に位置し、これによって推察できるように、溶接ストリップの側壁における自身の長さ方向に垂直な方向に沿った両側がそれぞれ固着物によって第1部分、第3部分に接続され、且つ溶接ストリップが第1部分に固定接続される位置と溶接ストリップが第3部分に固定接続される位置とが溶接ストリップの長さ方向に対して対称であり、溶接ストリップとパッドとの接続構造の安定性をさらに向上させることができる。さらに、溶接ストリップの長さ方向に沿って、第2部分の幅寸法が第1部分の幅寸法及び第3部分の幅寸法よりも小さいため、パッドを製造するための材料を節約することができ、また、幅寸法がより大きい第1部分及び第3部分により多くの固着物を配置することが可能となり、パッドと溶接ストリップとの接続信頼性レベルを向上させることができる。
【0015】
本願の第2態様は、太陽光発電アセンブリの製造方法を提供し、当該製造方法は、電池セルに設けられたパッドの第1部分と第3部分にそれぞれ固着物を設置するステップS1と、固着物によって溶接ストリップを電池セルに設けられたパッドに接続するステップS2と、電池セルの正面に接続された溶接ストリップを別の電池セルの背面に接続して電池ストリングを形成するステップS3と、バックシート、接着フィルム、電池ストリング及び透光部材を積層して積層体を形成するステップS4と、積層体をラミネートしてラミネート体を形成するステップS5と、ラミネート体にフレーム及び接続箱を取り付けて太陽光発電アセンブリを形成するステップS6と、を含む。
【0016】
一可能な方法において、固着物によって溶接ストリップを電池セルに設けられたパッドに接続することは、溶接ストリップを第2部分における電池セルから離反する面に当接させ、かつ溶接ストリップを第1部分における電池セルから離反する面に位置する固着物と第3部分における電池セルから離反する面に位置する固着物との間に配置することを含む。
【発明の効果】
【0017】
本願の製造方法によれば、溶接ストリップとパッドとの固定接続位置を多くすることで、溶接ストリップとパッドとの接続信頼性レベルを向上させることができ、それに応じて、太陽光発電アセンブリの動作信頼性レベル及び使用寿命を向上させることができる。次に、上記方法のステップS1において、電池セルをフル電池セルとし、フル電池セルに設けられたパッドに固着物を配置し、その後このフル電池セルをスライスする。従来技術の方法においてスライスされた各電池セルに対していずれも取り付け、位置決め、固着物の配置及び取り外しの操作を行う必要があることに比べて、本願の方法においては、フル電池セルに対して1回の取り付け、1回の位置決め及び1回の取り外しの操作を行うだけでよく、本願の方法では、大量の生産時間を節約でき、生産効率が高い。
【0018】
以上の一般的な説明及び後の詳細な説明は、例示的なものに過ぎず、本願を限定するものではないと理解されるべきである。
ここでの図面は、明細書に組み込まれて明細書の一部を構成し、本願に適合する実施例を示し、明細書とともに本願の原理を説明するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本願に係る太陽光発電アセンブリの一具体的な実施例における構造模式図である。
図2図1における部分Aの部分拡大図である。
図3】電池セル、パッド、固着物及び溶接ストリップの立体視における接続構造の模式図である。
図4】電池セル、パッド、細グリッド及びメイングリッドの平面視における接続構造の模式図である。
図5】本願に係る太陽光発電アセンブリの別の具体的な実施例における構造模式図である。
図6】電池セル、パッド及び固着物の立体視における接続構造の模式図である。
図7】本願に係る太陽光発電アセンブリの製造方法の一具体的な実施例におけるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願の技術案をよりよく理解するために、以下、添付の図面を参照しながら、本願の実施例を詳細に説明する。
【0021】
説明される実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではないことを明確にすべきである。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに取得し得る他の全ての実施例は、本願の保護範囲に属するものとする。
【0022】
本願の実施例で使用される用語は、特定の実施例を説明するためのものに過ぎず、本願を限定するものではない。本願の実施例及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形の「1種」や「1つ」、「前記」及び「当該」や「該」は、文脈が他の意味を明確に示さない限り、複数形も含むことを意図する。
【0023】
本明細書において使用される用語「及び/又は」は、関連対象を説明する関連関係に過ぎず、3つの関係が存在し得ることを示し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在すること、AとBが同時に存在すること、Bが単独で存在するという3つの状況を示しうることを理解すべきである。また、本文において文字「/」は、一般的に、前後の関連対象が「又は」の関係にあることを示す。
【0024】
なお、本願の実施例に記述される「上」、「下」、「左」、「右」などの方位語は、図面に示す角度で記述されるものであり、本願の実施例を限定するものではないと理解されるべきである。また、文脈において、1つの素子が別の素子の「上」又は「下」に接続されると言及した場合、他の素子の「上」又は「下」に直接接続されるだけでなく、中間素子を介して他の素子の「上」又は「下」に間接的に接続されてもよいことを理解すべきである。
【0025】
本願の実施例の第1態様は、太陽光発電アセンブリを提供し、図1に示すように、太陽光発電アセンブリ10は、電池セル1と、パッド2と、固着物3と、溶接ストリップ4とを含む。図2図3に示すように、パッド2は、電池セル1の面に設けられ、図4に示すように、パッド2は、第1部分21と、第2部分22と、第3部分23とを有し、第1部分21は、第2部分22によって第3部分23に接続され、図4における破線は、構造の境界線を示し、図3図4に示すように、溶接ストリップ4の長さ方向Xに沿って、第2部分22の幅寸法は、第1部分21の幅寸法及び第3部分23の幅寸法よりも小さい。図2図3に示すように、固着物3は、第1部分21における電池セル1から離反する面と、第3部分23における電池セル1から離反する面とに設けられ、第1部分21に位置する固着物3と第3部分23に位置する固着物3との間には溶接ストリップ4が設けられ、かつ、溶接ストリップ4は、固着物3によってパッド2に接続されて、電池ストリングを形成する。
【0026】
本実施例において、図1図4に示すように、電池セル1は、太陽エネルギーを受けた後、半導体光電効果を利用して電気エネルギーを生成し、電池セル1の電気エネルギーは、電池セル1に電気的に接続されたパッド2、パッド2に電気的に接続された固着物3、固着物3に電気的に接続された溶接ストリップ4を順に介して伝導することができ、太陽光発電アセンブリ10における溶接ストリップ4に電気的に接続された電気部品(図示せず)は、当該電気エネルギーを太陽光発電アセンブリ10の外部の電気機器に伝導することができる。パッド2の第1部分21が1つの固着物3によって溶接ストリップ4に接続され、パッド2の第3部分23が別の固着物3によって溶接ストリップ4に接続されるため、従来技術における太陽光発電アセンブリに比べて、本願の実施例の太陽光発電アセンブリ10では、溶接ストリップ4とパッド2との固定接続位置が多く、溶接ストリップ4とパッド2との接続信頼性レベルが高く、それに応じて、太陽光発電アセンブリ10の動作信頼性レベルが高く、使用寿命が長い。次に、パッド2の第1部分21が第2部分22によって第3部分23に接続され、すなわち、第1部分21と第3部分23とが間隔をあけて設けられ、且つ溶接ストリップ4が第1部分21と第3部分23との間に位置し、これによって推察できるように、溶接ストリップ4の側壁における自身の長さ方向Xに垂直な方向に沿った両側がそれぞれ固着物3によって第1部分21、第3部分23に接続され、且つ溶接ストリップ4が第1部分21に固定接続される位置と溶接ストリップ4が第3部分23に固定接続される位置とが溶接ストリップ4の長さ方向Xに対して対称であり、溶接ストリップ4とパッド2との接続構造の安定性レベルをさらに向上させることができる。さらに、溶接ストリップ4の長さ方向Xに沿って、第2部分22の幅寸法は、第1部分21の幅寸法及び第3部分23の幅寸法よりも小さいため、パッド2を製造するための材料を節約することができ、また、幅寸法がより大きい第1部分21及び第3部分23により多くの固着物3を配置することが可能となるため、パッド2と溶接ストリップ4との接続信頼性レベルを向上させることができる。
【0027】
ここで、固着物3によって電池セル1に設けられたパッド2に接続される溶接ストリップ4は、別の固着物3によって別の電池セル1に設けられた別のパッド2に接続されて、電池ストリングを形成してもよい。電池ストリングに接続される電池セル1の数は、ユーザの発電電力に対する要求に応じて設定することができ、太陽光発電アセンブリ10に含まれる電池ストリングの数は、ユーザの発電電力に対する要求に応じて設定することができる。
【0028】
また、図1に示すように、太陽光発電アセンブリ10は、接着フィルム7と、透光部材8と、バックシート9とをさらに含み、接着フィルム7は、電池ストリングにおける自身の厚さ方向に沿った両側に設けられ、透光部材8は、そのうちの一方の接着フィルム7における電池ストリングから離反する側に設けられ、バックシート9は、他方の接着フィルム7における電池ストリングから離反する側に設けられる。電池ストリング、接着フィルム7、透光部材8及びバックシート9は、積層及びラミネートを経過した後にラミネート体を形成し、太陽光発電アセンブリ10は、フレーム(図示せず)をさらに含み、フレームは、ラミネート体のエッジに設けられる。接着フィルム7の材質は、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリオレフィンエラストマー(POE)、ポリビニルブチラール(PVB)であってもよく、電池セル1を封止保護するために用いられる。同一の太陽光発電アセンブリ10内で異なる接着フィルム7は、同じ材質の接着フィルム7又は異なる材質の接着フィルム7を選択し、又は、同一の接着フィルム7内で異なる材質で接合され、例えばPOE接着フィルムの両側にEVA接着フィルムを接合し、又は、同一の接着フィルム7内で異なる材質で共押出しされ、例えばEVA-POE-EVA共押出接着フィルムとEVA-POE共押出接着フィルムとすることができる。透光部材8は、ガラス板などの光透過性材質部材であってもよく、具体的には、低鉄強化エンボスガラスであってもよく、透光部材8の厚さは、1.6mm~4mmであってもよく、スペクトル波長範囲(380nm~1100nm)の光に対する光透過率は、少なくとも92%であり、1200nmよりも大きい赤外光に対して高い反射率を有する。バックシート9は、光透過性材質又は非光透過性材質であってもよく、バックシート9が光透過性材質(例えばガラス)である場合、本願の実施例の太陽光発電アセンブリ10は、二重ガラスアセンブリとなり、太陽光発電アセンブリ10の正面及び背面は、いずれも太陽エネルギーを受光するために用いられ、発電電力が高く、バックシート9が非光透過性材質である場合、本願の実施例の太陽光発電アセンブリ10は、単一ガラスアセンブリとなり、ここで、バックシート9は、多層の高分子フィルムから構成されてもよく、具体的には、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、接着層、及びポリフッ化ビニルフィルム(PVF)を含み、そのうち、ポリエチレンテレフタレートフィルムが基層とされ、ポリエチレンテレフタレートフィルムの両側が接着層によってポリフッ化ビニルフィルムに接着されることによって、バックシート9が良好な電気絶縁性、低い水蒸気透過率、高い動作信頼性という利点を有する。もちろん、バックシート9は、TPT(Tedlar、PET、Tedlarの複合)、TPE(熱可塑性エラストマー)、KPK(フッ素フィルム、ポリエステルフィルム、フッ素フィルムの複合)、KPE(フッ素フィルム、ポリエステルフィルム、EVAの複合)、AAA(変性ポリアミド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PET-PET、PPE(ポリフェニレンエーテル)、FPF(フェノールフォーム)、FPE(発泡ポリエチレン)であってもよい。
【0029】
選択可能的には、図2に示すように、溶接ストリップ4の側壁は、第2部分22における電池セル1から離反する面に当接する。このような設置の場合、従来技術においてパッドが固着物を介して溶接ストリップを支持することに比べて、本願の実施例において、溶接ストリップ4、パッド2及び電池セル1の総厚さが小さく、形成された電池ストリングの総厚さが小さいため、太陽光発電アセンブリ10の総厚さが小さくなり、太陽光発電アセンブリ10を組み立てるためのフレームの材料を節約することができる。次に、パッド2が電池セル1の面に設けられ、溶接ストリップ4がパッド2における電池セル1から離反する面に設けられることにより、電池ストリングが非平坦表面アセンブリとなり、溶接ストリップ4の側壁が第2部分22における電池セル1から離反する面に当接するとき、従来技術においてパッドが固着物を介して溶接ストリップを支持することに比べて、本願の実施例において溶接ストリップ4の電池セル1に対する隆起高さが小さくなり、接着フィルム7が圧力を受けて溶接ストリップ4に当接するときに、接着フィルム7の局所変形程度が少なく、接着フィルム7に裂けや破損などの問題が発生しにくく、接着フィルム7の耐用年数が長い。また、溶接ストリップ4の側壁は、第2部分22における電池セル1から離反する面に当接し、従来技術においてパッドが固着物を介して溶接ストリップを支持する信頼性レベルが固着物の構造強度(固着物の構造強度に影響を与える要素が多く、例えば、固着物がラミネート過程において溶接ストリップとパッドに押圧されることにより固着物の構造強度が低下すること、および、固着物のプロセスが悪くなることにより固着物の構造強度が低下すること)に依存することに比べて、本願の実施例によれば、第2部分22に溶接ストリップ4を直接的に支持させるという技術案は、固着物3自体の要素の影響を受ける程度が少なく、すなわち、第2部分22が溶接ストリップ4を直接的に支持する信頼性レベルが高くなる。
【0030】
選択可能的には、図2に示すように、固着物3は、設定された高さH1を有し、溶接ストリップ4は、設定された高さH2を有し、0<H1≦0.5×H2を満たす。具体的には、H1=0.1×H2、H1=0.15×H2、H1=0.2×H2、H1=0.25×H2、H1=0.3×H2、H1=0.35×H2、H1=0.4×H2、H1=0.45×H2、又はH1=0.5×H2を満たすことができる。
【0031】
本実施例において、図2に示すように、溶接ストリップ4の高さH2に対して固着物3の高さH1が大きすぎる(H1>0.5×H2)と、必要となる固着物3の材料が多すぎて、材料の消耗程度が大きい。したがって、0<H1≦0.5×H2の範囲内において、溶接ストリップ4とパッド2との接続強度を好適に満たすことができる。
【0032】
ここで、H2の数値範囲は、0.2mm~0.4mmであり、H2の数値は、具体的に、0.2mm、0.22mm、0.25mm、0.27mm、0.3mm、0.32mm、0.35mm、0.37mm、0.4mmであってもよい。
【0033】
選択可能的には、図3に示すように、固着物3は、溶接ストリップ4の長さ方向Xに沿って設定された幅W1を有し、0.1mm≦W1≦0.2mmを満たす。ここで、幅W1は、具体的に、0.1mm、0.12mm、0.13mm、0.14mm、0.15mm、0.16mm、0.17mm、0.18mm、0.19mm、0.20mmであってもよい。
【0034】
本実施例において、図3に示すように、固着物3の幅が小さすぎる(W1<0.1mm)と、固着物3の構造強度が低く、溶接ストリップ4とパッド2とを確実に接続することが困難である。固着物3の幅が大きすぎる(W1>0.2m)と、必要となる固着物3の材料が多すぎて、材料の消耗が大きいため、固着物3の幅W1は、0.1mm~0.2mmの範囲内であることが好ましい。
【0035】
選択可能的には、図2に示すように、固着物3が溶接ストリップ4の長さ方向Xに沿って投影した投影形状は、三角形、扇形又はスロープ状であり、上記形状の固着物3は、いずれも信頼性のある構造強度を有し、固着物3の材料を過多に消耗しない条件で溶接ストリップ4と溶接パッド2とを確実に接続することができる。
【0036】
ここで、溶接ストリップ4が固着物3によってパッド2に接続される過程において、固着物3に変形過程が存在するため、接続が安定した後、固着物3が溶接ストリップ4の長さ方向Xに沿って投影した投影形状は、三角形、扇形又はスロープ状であってもよい。図2に示すように、巨視的な観点から見ると、固着物3の断面形状は、略三角形であり、微視的な観点から見ると、固着物3の断面形状は、パッド2における電池セル1から離反する面に接続されるストレート底辺と、パッド2に当接されず且つ溶接ストリップ4に当接されない長斜辺と、溶接ストリップ4に接続される短斜辺という3つの辺で囲まれて構成される。ここで、溶接方式を採用して溶接ストリップ4を固着物3によってパッド2に接続した後、長斜辺の面は、うろこ状(図3に示すように)を呈し、溶接ストリップ4の断面形状が円形を呈する場合、短斜辺は、溶接ストリップ4の側壁に密着する円弧状を呈し、ストレート底辺の長さL3は、0.1mm~0.2mmであり、長さL3は、具体的に、0.1mm、0.11mm、0.12mm、0.13mm、0.14mm、0.15mm、0.16mm、0.17mm、0.18mm、0.19mm、0.2mmであってもよい。図3に示すように、固着物3における溶接ストリップ4から離反する一端は、平面視でU字形状を呈する。
【0037】
また、第1部分21には、間隔をあけて設けられ且ついずれも溶接ストリップ4と接続するための少なくとも2つの固着物3が設けられてもよく、同様に、第3部分23には、間隔をあけて設けられ且ついずれも溶接ストリップ4と接続するための少なくとも2つの固着物3が設けられてもよい。
【0038】
選択可能的には、図2に示すように、溶接ストリップ4の軸に垂直な断面形状は、円形であり、溶接ストリップ4の側壁におけるパッド2に向かう少なくとも一部は、固着物3によってパッド2に接続され、このような設置の場合、溶接ストリップ4の側壁におけるパッド2に向かう少なくとも一部とパッド2との間に挟角空間が形成され、当該挟角空間は、固着物3の少なくとも一部を配置するために用いられてもよく、このような設置では、構造のコンパクト性が高く、接着フィルム7の変形に対する固着物3の影響度を低減し、接着フィルム7の使用寿命を向上させる一方で、固着物3によって、円形の溶接ストリップ4がパッド2に対して転動することを確実に制限することができるため、溶接ストリップ4とパッド2との接続信頼性レベルが高くなる。
【0039】
ここで、図2に示すように、円形の溶接ストリップ4の側壁は、曲面であり、太陽光を反射することによって、反射された太陽光の一部を電池セル1の面に反射させることができ、そして、円形の溶接ストリップ4の電池セル1に対する遮蔽面積がより少なくなるため、電池セル1が受光可能な太陽エネルギーを増加させることができ、単位時間当たりの電池セル1の発電電力が高い。
【0040】
また、円形の溶接ストリップ4の直径Dは、0.2mm~0.4mmの範囲内にあり、直径Dは、具体的に、0.2mm、0.22mm、0.25mm、0.27mm、0.3mm、0.32mm、0.35mm、0.37mm、0.4mmであってもよい。
【0041】
他の実施例(図示せず)において、溶接ストリップ4の軸に垂直な断面形状は、矩形であってもよく、溶接ストリップ4の高さが低くてもよく、接着フィルム7の変形に対する溶接ストリップ4の影響程度を低減し、接着フィルム7の使用寿命を向上させ、必要となる接着フィルム7の厚さも少なくてもよく、材料が節約される。または、溶接ストリップ4の軸に垂直な断面形状は、三角形又は楕円形であってもよい。さらにまたは、溶接ストリップ4は、複数の断面形状が異なる部分を組み合わせて構成され、組み合わせ方式は、円形、矩形、三角形、楕円形から少なくとも2つの形状を選択することができる。
【0042】
本明細書の以下において、主に円形の溶接ストリップ4を例として説明する。
【0043】
選択可能的には、図4に示すように、パッド2の構造は、ダンベル状、瓢箪状、砂時計状又は∞字状を呈し、上記形状は、いずれも第2部分22の幅寸法が第1部分21の幅寸法及び第3部分23の幅寸法よりも小さいという構造要求を満たすことができ、これによってパッド2を製造するための材料を節約する効果、および、幅寸法が大きい第1部分21及び第3部分23により多くの固着物3を配置することにより、パッド2と溶接ストリップ4との接続信頼性レベルを向上させる効果を実現することができる。
【0044】
本明細書の以下において、パッド2の構造は、主に∞字状を例として説明される。
【0045】
選択可能的には、図3に示すように、第1部分21における光電池セル1に垂直な側壁の少なくとも一部及び/又は第3部分23における光電池セル1に垂直な側壁の少なくとも一部は、円弧面であり、このような設置の場合、パッド2を製造するための材料を節約することができる。
【0046】
ここで、図2に示すように、パッド2の厚さH3は、0.01mm~0.03mmであり、具体的には、厚さH3は、0.01mm、0.015mm、0.02mm、0.025mm、0.03mmであってもよい。第1部分21、第2部分22及び第3部分23の高さが同じであってもよく、または、第1部分21の高さ及び第3部分23の高さが同じで、且つ第1部分21の高さ及び第3部分23の高さが第2部分22の高さよりも大きくてもよく、さらにまたは、パッド2における電池セル1から離反する面を溶接ストリップ4の長さ方向Xに沿って投影した投影形状が凹形状であってもよい。図4に示すように、第1部分21の形状は、円盤の一部を呈し、第3部分23の形状も、円盤の一部を呈し、第2部分22における溶接ストリップ4の長さ方向Xに沿って対向して設けられる両端に三角形の切欠き又はU形の切欠きが設けられている。第1部分21の半径R1及び第3部分23の半径R1は、いずれも0.1mm~0.2mmであり、半径R1は、具体的に、0.1mm、0.11mm、0.12mm、0.13mm、0.14mm、0.15mm、0.16mm、0.17mm、0.18mm、0.19mm、0.2mmであってもよい。第1部分21の円心と第3部分23の円心との間の距離L1は、0.25mm~0.35mmであり、距離L1は、具体的に、0.25mm、0.26mm、0.27mm、0.28mm、0.29mm、0.30mm、0.31mm、0.32mm、0.33mm、0.34mm、0.35mmであってもよい。第2部分22の幅W2は、0.05mm~0.15mmであり、幅W2は、具体的に、0.05mm、0.06mm、0.07mm、0.08mm、0.09mm、0.1mm、0.11mm、0.12mm、0.13mm、0.14mm、0.15mmであってもよい。第2部分22における溶接ストリップ4の長さ方向Xに沿って対向して設けられた両端の間の最短の長さL2は、0.1mm~0.2mmであり、長さL2は、具体的に、0.1mm、0.11mm、0.12mm、0.13mm、0.14mm、0.15mm、0.16mm、0.17mm、0.18mm、0.19mm、0.20mmであってもよい。第2部分22における溶接ストリップ4の長さ方向Xに沿って対向して設けられる両端の三角形切欠きの挟角αは、120°~125°であり、挟角αは、具体的に、120°、121°、122°、123°、124°、125°であってもよい。
【0047】
選択可能的には、図4に示すように、太陽光発電アセンブリ10は、電池セル1に設けられる細グリッド5及びメイングリッド6をさらに含み、第1部分21及び第3部分23は、細グリッド5にそれぞれ接続され、細グリッド5は、溶接ストリップ4の長さ方向Xに交差する方向に沿って設けられる。メイングリッド6は、第2部分22に接続され、溶接ストリップ4の長さ方向Xに沿って設けられる。
【0048】
本実施例では、図4に示すように、細グリッド5は、電池セル1の電流を収集するために用いられ、細グリッド5の一部は、電流をパッド2の第1部分21及び第3部分23に伝導することができる。細グリッド5の他の一部は、メイングリッド6に接続されて電流をメイングリッド6に伝導することができ、メイングリッド6の電流は、パッド2の第2部分22に伝導可能である。最終的に、パッド2の電流は、固着物3を介して溶接ストリップ4に伝導することができる。
【0049】
ここで、一部の細グリッド5の設置方向は、溶接ストリップ4の長さ方向Xに対して垂直であってもよく、他の一部の細グリッド5の設置方向は、溶接ストリップ4の長さ方向Xに対して傾斜してもよい。
【0050】
選択可能的には、図4に示すように、固着物3の材料は、スズ、半田ペースト、導電性銀ペースト又は導電性接着剤であり、上記材料は、いずれも導電性材料であり、導電性能及び接続性能を良好に満たすことができる。
【0051】
ここで、スズは、純スズ金属であり、半田ペーストは、半田粉末、フラックス、界面活性剤、チクソ剤を含むペースト状の混合物であり、導電性銀ペーストは、ポリマー銀導電ペースト(有機ポリマーを接着相とする乾燥又は硬化成膜)であり、導電性接着剤は、硬化又は乾燥後に一定の導電性を有する接着剤である。
【0052】
また、固着物3の材料が錫、半田ペースト又は導電性銀ペーストである場合に、溶接の方法によって、溶接ストリップ4を固着物3によってランド2に溶接する。固着物3の材料が導電性接着剤である場合、接着剤塗布方式を利用して溶接ストリップ4を固着物3によってパッド2に硬化接着する。一可能な実施例において、溶接方式及び接着剤塗布方式の両方を採用して、溶接ストリップ4を固着物3によってパッド2に硬化接続し、当該実施例の接続信頼性レベルがより高くなる。
【0053】
上記実施例において、パッド2の材料は、焼結型銀導電性ペースト(焼結成膜、焼結温度>500℃、ガラス粉末又は酸化物を接着相とする)であってもよい。
【0054】
他の実施例において、図5に示すように、電池セル1の両側には、いずれもパッド2が設けられてもよく、電池セル1の両側に位置するパッド2は、いずれも対応する固着物3によって対応する溶接ストリップ4に接続することができる。
【0055】
上記実施例の太陽光発電アセンブリ10の電池セル1は、インターデジタルバックコンタクト(Interdigital Back Contact、IBC)電池セル、エミッタ背面パッシベーション(Passivated Emitter Rear Cell、PECR)電池セル、又はトンネル酸化層パッシベーションコンタクト(Tunnel Oxide Passivated Contact、TOPcon)電池セルであってもよい。
【0056】
本願の実施例の第2態様は、太陽光発電アセンブリの製造方法を提供し、図6に示すように、太陽光発電アセンブリ10のパッド2は、第1部分21と、第2部分22と、第3部分23とを有し、第1部分21は、第2部分22によって第3部分23に接続され、太陽光発電アセンブリ10の溶接ストリップ4の長さ方向Xに沿って、第2部分22の幅寸法は、第1部分21の幅寸法及び第3部分23の幅寸法よりも小さく、図7に示すように、当該製造方法は、次のステップを含む。
【0057】
S1では、電池セル1に設けられたパッド2の第1部分21及び第3部分23に固着物3を配置する。
【0058】
S2では、溶接ストリップ4を固着物3によって電池セル1に設けられたパッド2に接続する。
【0059】
S3では、電池セル1の正面に接続された溶接ストリップ4を別の電池セル1の背面に接続して、電池ストリングを形成する。
【0060】
S4では、バックシート9、接着フィルム7、電池ストリング及び透光部材8を積層して、積層体を形成する。
【0061】
S5では、積層体をラミネートしてラミネート体を形成する。
【0062】
S6では、ラミネート体にフレーム(図示せず)及び接続箱(図示せず)を取り付けて、太陽光発電アセンブリ10を形成する。
【0063】
本実施例では、図7に示すように、ステップS1において、電池セル1に設けられたパッド2の第1部分21及び第3部分23に固着物3を配置して、図6に示す構造を形成し、ステップS2において、固着物3によって溶接ストリップ4を電池セル1に設けられたパッド2に接続して、図3に示す構造を形成し、従来技術における太陽光発電アセンブリの製造方法に比べて、本願の実施例の製造方法では、溶接ストリップ4とパッド2との固定接続位置が多く、溶接ストリップ4とパッド2との接続信頼性レベルが高く、それに応じて、太陽光発電アセンブリ10の動作信頼性レベルが高く、使用寿命が長い。ステップS3において、電池セル1の正面に接続された溶接ストリップ4を別の電池セル1の背面に接続して電池ストリングを形成し、これによって、電池セル1が太陽エネルギーを受けた後に半導体光電効果を利用して電気エネルギーを発生させ、電池セル1の電気エネルギーが、電池セル1に電気的に接続されたパッド2、パッド2に電気的に接続された固着物3、固着物3に電気的に接続された溶接ストリップ4を順に介して伝導できるという過程を実現することができる。ステップS4において、積層機を用いてバックシート9、接着フィルム7、電池ストリング及び透光部材8を積層して、積層体を形成し、そのうち、電池ストリングの両側にいずれも接着フィルム7が設けられ、透光部材8が一方の接着フィルム7における電池ストリングから離反する側に設けられ、バックシート9が他方の接着フィルム7における電池ストリングから離反する側に設けられる。ステップS5において、ラミネート機を用いて積層体をラミネートして、ラミネート体を形成し、ステップS6において、ラミネート体にフレーム(図示せず)と接続箱(図示せず)を取り付けて、太陽光発電アセンブリ10を形成し、フレームがラミネート体の縁部を保護するために用いられ、接続箱が電池ストリングの電流を受けるために用いられる。
【0064】
ここで、ステップS1における電池セル1は、フル電池セルであり、フル電池セルに設けられたパッド2に固着物3を配置し、ステップS1とステップS2との間において、フル電池セルをハーフカットセル、1/3カットセル又は1/4カットセルなどの2より大きい自然数のカットセルにスライスする。従来技術の方法においてスライスされた各電池セルに対していずれも取り付け、位置決め、固着物3の配置及び取り外しの操作を行う必要があることに比べて、本願の実施例の方法では、フル電池セルに対して1回の取り付け、1回の位置決め及び1回の取り外しの操作を行うだけでよく、本願の実施例の方法では、大量の生産時間を節約でき、生産効率が高い。フル電池セルをスライスしてスライス電池セルとした後、電気性能からスライス電池セルを選別して、異なる性能パラメータを有する太陽光発電アセンブリ10を製造することができる。ステップS5とステップS6との間において、ラミネート体をトリミングして、ラミネート体から露出した接着フィルム7の部分をカットしてもよい。ステップS6の後に、太陽光発電アセンブリ10のフレームに位置するシリカゲル(図示せず)を硬化させ、太陽光発電アセンブリ10を洗浄し、太陽光発電アセンブリ10の構造性能及び電気性能を試験する。
【0065】
選択可能的には、ステップS2において、溶接ストリップ4を固着物3によって電池セル1に設けられたパッド2に接続することは、溶接ストリップ4を第2部分22における電池セル1から離反する面に当接させ、かつ、溶接ストリップ4を第1部分21における電池セル1から離反する面に位置する固着物3と第3部分23における電池セル1から離反する面に位置する固着物3との間に配置することを含む。従来技術においてパッドが固着物を介して溶接ストリップを支持することに比べて、本願の実施例の方法は、溶接ストリップ4を第2部分22における電池セル1から離反する面に当接させることで、溶接ストリップ4、パッド2及び電池セル1の総厚さを小さくし、形成される電池ストリングの総厚さを小さくすることにより、太陽光発電アセンブリ10の総厚さを小さくし、太陽光発電アセンブリ10を組み立てるためのフレームの材料を節約することができる。次に、パッド2が電池セル1の面に設けられ、溶接ストリップ4がパッド2における電池セル1から離反する面に設けられることにより、電池ストリングが非平坦な表面アセンブリとなり、溶接ストリップ4の側壁が第2部分22における電池セル1から離反する面に当接するとき、従来技術においてパッドが固着物を介して溶接ストリップを支持することに比べて、本願の実施例の方法では、溶接ストリップ4の電池セル1に対する隆起高さが小さくなり、接着フィルム7が圧力を受けて溶接ストリップ4に当接するときに、接着フィルム7の局所変形程度が少なく、接着フィルム7に裂けや破損などの問題が発生しにくく、接着フィルム7の耐用年数が長い。また、溶接ストリップ4の側壁は、第2部分22における電池セル1から離反する面に当接し、従来技術においてパッドが固着物を介して溶接ストリップを支持する信頼性レベルが固着物の構造強度(固着物の構造強度に影響を与える要素が多く、例えば、固着物がラミネート過程において溶接ストリップとパッドに押圧されることにより固着物の構造強度が低下すること、および、固着物のプロセスが悪くなることにより固着物の構造強度が低下すること)に依存することに比べて、本願の実施例の方法によれば、第2部分22に溶接ストリップ4を直接的に支持させるという技術案は、固着物3自体の要素の影響を受ける程度が少なく、すなわち、第2部分22が溶接ストリップ4を直接的に支持する信頼性レベルが高くなる。本願の実施例の方法によれば、溶接ストリップ4と第1部分21との固定接続位置と、溶接ストリップ4と第3部分23との固定接続位置とは、溶接ストリップ4の長さ方向Xに対して対称となり、溶接ストリップ4とパッド2との接続構造の安定性をさらに向上させることができる。
【0066】
上記したのは、本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、当業者にとって、本願は、様々な変更及び変化が可能である。本発明の趣旨及び原則内で行われたいかなる修正、同等置換、改良なども本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0067】
10-太陽光発電アセンブリ
1-電池セル
2-パッド
21-第1部分
22-第2部分
23-第3部分
3-固着物
4-溶接ストリップ
5-細グリッド
6-メイングリッド
7-接着フィルム
8-透光部材
9-バックシート

【要約】      (修正有)
【課題】パッドと溶接ストリップとのコールドはんだ接合が発生する可能性が低く、動作信頼性レベルが高い太陽光発電アセンブリ及び太陽光発電アセンブリの製造方法を提供する。
【解決手段】電池セル1と、パッド2と、固着物3と、溶接ストリップ4とを含む。パッド2は電池セル1の面に設けられ、パッド2は、第1部分21と、第2部分と、第3部分23とを有し、第1部分21は第2部分によって第3部分23に接続され、溶接ストリップ4の長さ方向に沿って第2部分の幅寸法が第1部分21の幅寸法及び第3部分23の幅寸法よりも小さい。第1部分21における電池セル1から離反する面と第3部分23における電池セル1から離反する面とに固着物3が設けられ、第1部分21に位置する固着物3と第3部分23に位置する固着物3との間に溶接ストリップ4が設けられ、かつ溶接ストリップ4が固着物3によってパッド2に接続されて、電池ストリングを形成する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7