(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】クレジットカードの即時発番システムおよびその方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20240729BHJP
G06Q 20/24 20120101ALI20240729BHJP
【FI】
G06Q20/40
G06Q20/24
(21)【出願番号】P 2023125138
(22)【出願日】2023-07-31
【審査請求日】2023-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】594103301
【氏名又は名称】三井住友カード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥墨 梨沙
(72)【発明者】
【氏名】長久保 亜美
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-199325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレジットカードの即時発番システムであって、
前記クレジットカードに関連する申込者の申込情報を情報機器から受信する申込情報受信手段と、
前記クレジットカードに関連する前記申込者のネガティブ情報を計画的に格納するネガティブ情報記憶手段と、
外部信用情報機関に対する照会が不可である場合に、前記ネガティブ情報に基づいて、前記クレジットカードの入会審査を前記申込者に対して即時に実行する即時審査手段と、
前記外部信用情報機関に対する照会が可能である場合に、前記外部信用情報機関から受信された照会結果に基づいて、前記クレジットカードの入会審査を前記申込者に対して実行する本審査手段と、
前記即時審査手段によって前記クレジットカードの入会審査が承認された前記申込者に対して、前記クレジットカードのカード番号を発番する番号発番手段と、
前記申込情報および前記カード番号に基づいて、前記申込者の会員情報を生成する会員情報生成手段と、
前記会員情報に含まれる利用枠として、買物枠、割賦枠、および貸金枠の各上限額
と、前記買物枠の加入日、ならびに前記割賦枠および
前記貸金枠の各付帯日
とをそれぞれ設定する利用枠設定手段と、
前記情報機器から受信された照会要求に応じて、前記会員情報を提供する会員情報提供手段
と
を備え、
前記利用枠設定手段は、前記即時審査手段によって前記入会審査が第一の日付で承認された前記会員情報に対して、割賦販売法または貸金業法上の規制を受けない契約類型であるマンスリー契約に基づく少額与信枠である第一の与信枠として、前記利用枠の内で前記買物枠のみを発行し、前記買物枠の上限額および
加入日を、前記第一の与信枠に該当する金額、前記第一の日付にそれぞれ設定し、
前記利用枠設定手段は、前記本審査手段によって前記入会審査が第二の日付で承認された前記会員情報に対して、前記本審査手段による審査内容を反映した割賦販売法および貸金業法に基づく第二の与信枠として前記買物枠、前記割賦枠、および前記貸金枠をそれぞれ発行し、前記買物枠、前記割賦枠、および前記貸金枠の各上限額
、前記買物枠の加入日、ならびに前記割賦枠および
前記貸金枠の各付帯日を、前記第二の与信枠に該当する各金額、前記第二の日付にそれぞれ設定する
ことを特徴とする、クレジットカードの即時発番システム。
【請求項2】
前記本審査手段は、前記即時審査手段によって前記クレジットカードの入会審査が承認された前記会員情報に関して、前記入会審査の後に前記貸金枠に対する増枠審査をさらに実行し、
前記利用枠設定手段は、前記本審査手段によって前記増枠審査が承認された前記会員情報に対して、前記第二の与信枠における前記貸金枠の上限額を、前記増枠審査の結果を反映した金額に設定する
ことを特徴とする、請求項1記載のクレジットカードの即時発番システム。
【請求項3】
前記即時審査手段または前記本審査手段によって実行された前記申込者に対する審査結果を前記申込者に通知する審査結果通知手段であって、前記審査結果が、前記会員情報に含まれる前記利用枠の変更内容を含む、審査結果通知手段をさらに備え、
前記審査結果通知手段は、前記本審査手段によって前記増枠審査が承認された前記会員情報に関して、前記利用枠の増枠が実施済みであることを示す増枠完了通知を前記情報機器に送信する
ことを特徴とする、請求項2記載のクレジットカードの即時発番システム。
【請求項4】
各種の属性情報が含まれる情報ファイルの形式で前記会員情報を格納する会員情報記憶手段をさらに備え、
前記会員情報記憶手段は、前記申込情報を前記情報機器から受信する以前に、無効状態で一括作成された複数の仮会員情報ファイルを予め格納し、
会員情報生成手段は、前記即時審査手段または前記本審査手段によって実行された審査結果が承認である前記申込者について、前記複数の仮会員情報ファイルのうちの一つを有効状態として前記申込情報の反映先として編成する
ことを特徴とする、請求項1に記載のクレジットカードの即時発番システム。
【請求項5】
前記会員情報記憶手段は、前記会員情報に含まれる前記属性情報の一つとして、前記即時審査手段によって審査されたか否かを折衝内容として示す、折衝履歴用の情報を有することを特徴とする、請求項4に記載のクレジットカードの即時発番システム。
【請求項6】
前記本審査手段によって前記クレジットカードの入会審査が承認された前記会員情報に関して、前記クレジットカードの作成および発送をカード印刷組織に指示するカード発行指示手段であって、前記番号発番手段によって発番された前記カード番号と同一の値を前記クレジットカードに付与する、カード発行指示手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のクレジットカードの即時発番システム。
【請求項7】
前記即時審査手段によって審査されていない前記申込者に対して、前記外部信用情報機関から受信された照会結果および前記ネガティブ情報に基づいて、前記入会審査を即時に実行する日中審査手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のクレジットカードの即時発番システム。
【請求項8】
前記即時審査手段によって承認された前記クレジットカードの入会審査が前記本審査手段によって非承認にされた場合、前記会員情報生成手段は、前記カード番号を無効状態に変更することを特徴とする、請求項1に記載のクレジットカードの即時発番システム。
【請求項9】
クレジットカードの即時発番システムにおけるクレジットカードの即時発番方法であって、
申込情報受信手段によって、前記クレジットカードに関連する申込者の申込情報を情報機器から受信するステップと、
即時審査手段によって、外部信用情報機関に対する照会が不可である場合に、ネガティブ情報記憶手段に計画的に格納された前記クレジットカードに関連する前記申込者のネガティブ情報に基づいて、前記クレジットカードの入会審査を前記申込者に対して即時に実行するステップと、
番号発番手段によって、前記即時審査手段によって前記クレジットカードの入会審査が承認された前記申込者に対して、前記クレジットカードのカード番号を発番するステップと、
会員情報生成手段によって、前記申込情報および前記カード番号に基づいて、前記申込者の会員情報を生成するステップと、
利用枠設定手段によって、前記会員情報に含まれる利用枠として、買物枠、割賦枠、および貸金枠の各上限額
と、前記買物枠の加入日、ならびに前記割賦枠および
前記貸金枠の各付帯日
とをそれぞれ設定するステップであって、前記利用枠設定手段は、前記即時審査手段によって前記入会審査が第一の日付で承認された前記会員情報に対して、割賦販売法または貸金業法上の規制を受けない契約類型であるマンスリー契約に基づく少額与信枠である第一の与信枠として、前記利用枠の内で前記買物枠のみを発行し、前記買物枠の上限額および
加入日を、前記第一の与信枠に該当する金額、前記第一の日付にそれぞれ設定する、ステップと、
会員情報提供手段によって、前記情報機器から受信された照会要求に応じて、前記会員情報を提供するステップと、
本審査手段によって、前記外部信用情報機関に対する照会が可能である場合に、前記外部信用情報機関から受信された照会結果に基づいて、前記クレジットカードの入会審査を前記申込者に対して実行するステップと、
前記利用枠設定手段によって、前記利用枠の設定を更新するステップであって、前記利用枠設定手段は、前記本審査手段によって前記入会審査が第二の日付で承認された前記会員情報に対して、前記本審査手段による審査内容を反映した割賦販売法および貸金業法に基づく第二の与信枠として前記買物枠、前記割賦枠、および前記貸金枠をそれぞれ発行し、前記買物枠、前記割賦枠、および前記貸金枠の各上限額
、前記買物枠の加入日、ならびに前記割賦枠および
前記貸金枠の各付帯日を、前記第二の与信枠に該当する各金額、前記第二の日付にそれぞれ設定する、ステップと
を備えることを特徴とする、クレジットカードの即時発番方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商取引の後払い決済をサポートし、カード発行時に入会申込者に対する与信審査が必要となる、キャッシュレス決済カードの発行処理に関連する。より詳細には、そのようなクレジットカード(後払いキャッシュレス決済対応のカード)におけるカード番号の発番を常時かつ短時間に可能とする、クレジットカードの即時発番システムおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
後払い決済をサポートするキャッシュレス決済のカード(例えば、クレジットカードなど)の利用は、対面取引等による従来の商取引に加えて、インターネット等を利用する電子商取引(Electronic Commerce:EC)においても、一般に広く普及している。特に、電子商取引に関しては、商品またはサービスなどを売買するECサイトにおいて、商品等を購入する顧客が、キャッシュレス決済として、保有を前提とするクレジットカードの情報を使用することが多くなっている。
【0003】
このような場景において、商品購入を希望する顧客が決済時に使用可能なクレジットカードを保持しない事態であっても、クレジットカードのカード番号を即時に発番して顧客に提供することが可能となる場合が既にある。例えば、特許文献1には、顧客端末からクレジットカードの入会要求を受けると、顧客に対する与信審査が承認されることを前提に、カード番号を即時に発番することにより、このカード番号を決済時に顧客端末上で利用することができる、クレジットカードの即時発番システムおよび方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたクレジットカードの即時発番システムおよび方法では、当該カードの発行組織が夜間帯のような外部信用情報機関の閉局時に顧客に対する与信審査を実施する場合、外部信用情報機関に対する信用情報照会(すなわち、外信照会)の結果に基づく審査を即時に実施することができず、当該組織の内部に保有済みの信用情報に基づいて審査を実施することから、カード番号の即時発番時にカード発行組織および顧客の間で貸金割賦契約を締結することが困難であるため、実際にはカードの即時発番自体を行うことができないという問題があった。
【0006】
というのは、貸金契約または割賦契約は外信照会の結果に基づく与信審査の実施を前提とするからである。そのため、夜間帯のような外部信用情報機関の閉局時にクレジットカードに関するカード番号の即時発番を行うには、クレジットカードの発行に伴う貸金割賦契約に関連して解決すべき問題が残っていた。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、クレジットカード入会の申込者側にある情報端末からクレジットカードの入会要求を受けると、外部信用情報機関の閉局または開局の各時間帯に関わらず、クレジットカードの発行組織が、クレジットカードのカード番号を常時に即時発行することを可能とし、かつ、当該カード番号に基づいて入会申込者(カード会員)に対する貸金または割賦などに関する各種契約を締結することを可能にする、クレジットカードの即時発番システムおよびその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様として、クレジットカードの即時発番システムは、以下の構成要素を備える。すなわち、
(1)クレジットカードに関連する申込者の申込情報を情報機器から受信する申込情報受信手段、
(2)クレジットカードに関連する申込者のネガティブ情報を計画的に格納するネガティブ情報記憶手段、
(3)外部信用情報機関に対する照会が不可である場合に、ネガティブ情報に基づいて、クレジットカードの入会審査を申込者に対して即時に実行する即時審査手段、
(4)外部信用情報機関に対する照会が可能である場合に、外部信用情報機関から受信された照会結果に基づいて、クレジットカードの入会審査を申込者に対して実行する本審査手段、
(5)即時審査手段によってクレジットカードの入会審査が承認された申込者に対して、クレジットカードのカード番号を発番する番号発番手段、
(6)申込情報およびカード番号に基づいて、申込者の会員情報を生成する会員情報生成手段、
(7)会員情報に含まれる利用枠として、買物枠、割賦枠、および貸金枠の各上限額および各付帯日をそれぞれ設定する利用枠設定手段、および
(8)情報機器から受信された照会要求に応じて、会員情報を提供する会員情報提供手段。
【0009】
ここで、利用枠設定手段は、即時審査手段によって入会審査が第一の日付で承認された会員情報に対して、割賦販売法または貸金業法上の規制を受けない契約類型であるマンスリー契約に基づく少額与信枠である第一の与信枠として、利用枠の内で買物枠のみを発行し、買物枠の上限額および付帯日を、第一の与信枠に該当する金額、第一の日付にそれぞれ設定する。
【0010】
また、利用枠設定手段は、本審査手段によって入会審査が第二の日付で承認された会員情報に対して、本審査手段による審査内容を反映した割賦販売法および貸金業法に基づく第二の与信枠として買物枠、割賦枠、および貸金枠をそれぞれ発行し、買物枠、割賦枠、および貸金枠の各上限額および各付帯日を、第二の与信枠に該当する各金額、第二の日付にそれぞれ設定する。
【0011】
なお、本審査手段は、即時審査手段によってクレジットカードの入会審査が承認された会員情報に関して、入会審査の後に貸金枠に対する増枠審査をさらに実行し、利用枠設定手段は、本審査手段によって増枠審査が承認された会員情報に対して、第二の与信枠における貸金枠の上限額を、前記増枠審査の結果を反映した金額に設定し得る。
【0012】
この場合、本システムが、即時審査手段または本審査手段によって実行された前記申込者に対する審査結果を申込者に通知する審査結果通知手段であって、審査結果が、会員情報に含まれる利用枠の変更内容を含む、審査結果通知手段をさらに備えると、審査結果通知手段は、本審査手段によって増枠審査が承認された前記会員情報に関して、利用枠の増枠が実施済みであることを示す増枠完了通知を情報機器に送信し得る。
【0013】
さらに、本発明の別の態様として、上記のようなクレジットカードの即時発番システムにおけるクレジットカードの即時発番方法は、以下の構成要素を備える。すなわち、
(1)申込情報受信手段によって、クレジットカードに関連する申込者の申込情報を情報機器から受信するステップ、
(2)即時審査手段によって、外部信用情報機関に対する照会が不可である場合に、ネガティブ情報記憶手段に計画的に格納されたクレジットカードに関連する申込者のネガティブ情報に基づいて、クレジットカードの入会審査を申込者に対して即時に実行するステップ、
(3)番号発番手段によって、即時審査手段によってクレジットカードの入会審査が承認された申込者に対して、クレジットカードのカード番号を発番するステップ、
(4)会員情報生成手段によって、申込情報およびカード番号に基づいて、会員情報を生成するステップであって、即時審査手段によって入会審査が第一の日付で承認された会員情報に対して、会員情報生成手段によって、買物枠、割賦枠、および貸金枠からなる各利用枠の上限額を第一の正の値、ゼロ値、およびゼロ値にそれぞれ設定するとともに、各利用枠すべての付帯日を第一の日付に設定する、ステップ、
(5)会員情報生成手段によって、申込情報およびカード番号に基づいて、申込者の会員情報を生成するステップ、
(6)利用枠設定手段によって、会員情報に含まれる利用枠として、買物枠、割賦枠、および貸金枠の各上限額および各付帯日をそれぞれ設定するステップであって、利用枠設定手段は、即時審査手段によって入会審査が第一の日付で承認された会員情報に対して、利用枠の内で買物枠のみを割賦販売法または貸金業法上の規制を受けない契約類型であるマンスリー契約に基づく少額与信枠である第一の与信枠として発行し、買物枠の上限額および付帯日を、第一の与信枠に該当する金額、第一の日付にそれぞれ設定する、ステップ、
(7)会員情報提供手段によって、情報機器から受信された照会要求に応じて、会員情報を提供するステップ、
(8)本審査手段によって、外部信用情報機関に対する照会が可能である場合に、外部信用情報機関から受信された照会結果に基づいて、クレジットカードの入会審査を申込者に対して実行するステップ、
(9)利用枠設定手段によって、利用枠の設定を更新するステップであって、利用枠設定手段は、本審査手段によって入会審査が第二の日付で承認された会員情報に対して、本審査手段による審査内容を反映した割賦販売法および貸金業法に基づく第二の与信枠として買物枠、割賦枠、および貸金枠をそれぞれ発行し、買物枠、割賦枠、および貸金枠の各上限額および各付帯日を、第二の与信枠に該当する各金額、第二の日付にそれぞれ設定する、ステップ。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、カード入会申込者側の情報機器からクレジットカードの入会要求を受けると、外部信用情報機関の閉局または開局の各時間帯に関わらず、クレジットカードを発行する組織が、クレジットカードのカード番号を常時に即時発行することができる。また、当該組織が、カード番号の発番が外部信用情報機関の閉局時であっても、当該カード番号を不変のままに、外部信用情報機関の再開局後において、入会申込者(カード会員)に対する貸金または割賦に関する各種契約を締結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本明細書において開示される実施形態の詳細な理解は、添付図面に関連して例示される以下の説明から得ることができる。
【
図1】本発明の実施形態に係るクレジットカード即時発番システムに関連する各種システムの接続形態を示す構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るクレジットカード即時発番システムの内部構成を示す構成図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るクレジットカード即時発番システムにおける、カード発行プロセスを概略的に示すフローチャートである。
【
図4】
図3に示されるカード発行の各プロセスの結果として、利用枠の設定状況を示す表である。
【
図5A】本発明の実施形態に係るクレジットカード即時発番システムによる、外信閉局の時間帯における夜間即時発行プロセスをより詳細に示すフローチャートである。
【
図5B】本発明の実施形態に係るクレジットカード即時発番システムによる、外信閉局の時間帯における夜間即時発行プロセスをより詳細に示すフローチャートである。
【
図6A】
図5Aおよび5Bに示される夜間即時発番プロセスにおける、
図2に示されるクレジットカード即時発番システムの内部コンポーネント間の処理連携を示す図である。
【
図6B】
図5Aおよび5Bに示される夜間即時発番プロセスにおける、
図2に示されるクレジットカード即時発番システムの内部コンポーネント間の処理連携を示す図である。
【
図7A】
図5Aおよび5Bに示される夜間即時発番プロセス内に含まれる、各種システム間に亘る様々なデータまたはモノの各フローを示す図である。
【
図7B】
図5Aおよび5Bに示される夜間即時発番プロセス内に含まれる、各種システム間に亘る様々なデータまたはモノの各フローを示す図である。
【
図8A】本発明の実施形態に係るクレジットカード即時発番システムによる、外信開局の時間帯における日中即時発番プロセスをより詳細に示すフローチャートである。
【
図8B】本発明の実施形態に係るクレジットカード即時発番システムによる、外信開局の時間帯における日中即時発番プロセスをより詳細に示すフローチャートである。
【
図9A】
図8Aおよび8Bに示される日中即時発番プロセスにおける、
図2に示されるクレジットカード即時発番システムの内部コンポーネント間の処理連携を示す図である。
【
図9B】
図8Aおよび8Bに示される日中即時発番プロセスにおける、
図2に示されるクレジットカード即時発番システムの内部コンポーネント間の処理連携を示す図である。
【
図10A】
図8Aおよび8Bに示される日中即時発番プロセス内に含まれる、各種システム間に亘る様々なデータまたはモノの各フローを示す図である。
【
図10B】
図8Aおよび8Bに示される日中即時発番プロセス内に含まれる、各種システム間に亘る様々なデータまたはモノの各フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、複数の図面において、同一の符号は同一の構成要素を表し、その説明を繰り返すことを省略する。
【0017】
[各種システムの接続形態]
図1は、本発明の一実施形態に係るクレジットカード即時発番システムに関連する各種システムの接続形態を示す構成図である。
図1においては、入会申込者110が、情報機器112上に導入されたWebアプリケーション114を使用して、通信回線100上で公開されたECサイトシステム120にアクセスするという場景が想定されている。ここで、入会申込者110は、ECサイトシステム120にて販売される商品等の購入にクレジットカード情報の提示が必要となることを認識し、カード発行会社システム130を利用して当該カード情報を照会した後に、商品購入のための電子決済に当該カード情報を使用するという事態がさらに想定されている。
【0018】
図1に示されるように、カード発行会社システム130は、クレジットカード即時発番システムを含んで構成されており、通信回線100を経由してそれぞれ通信可能に接続された、外部信用情報機関システム140、ネガティブ情報機関システム150、およびカード印刷会社システム160などから構成される外部システムと連携して、クレジットカードの発行に必要な処理を実施する。なお、通信回線100は、例えば、電話通信およびデータ通信などを実現する公衆回線型ネットワークであってよく、あるいは、特定のシステム間のみを限定的に通信可能に接続する専用回線型ネットワークを一部として含むものであってもよい。
【0019】
入会申込者110側に存在する情報機器112は、時間的制約が課されることなく使用可能な情報機器であり、Webアプリケーション114を使用して、カード発行会社システム130にてクレジットカード発行のためのカード入会申込を経て、キャッシュレス決済に必要なカード情報を照会した上で、ECサイトシステム120にて商品購入等の電子決済に当該カード情報を適用するために使用される。
【0020】
ここで、情報機器112には、汎用的に使用されるPC(personal computer)、タブレット端末(tablet computer)、スマートフォン(smartphone)等が含まれる。また、Webアプリケーション114には、一般的に利用可能であるエンドユーザ向けのWebブラウザ、あるいは、ECサイトシステム120またはカード発行会社システム130に対する個別アクセスに特化してそれぞれ機能する専用アプリケーションが含まれる。また、情報機器112には、通信回線100を経由して電子メールまたはショートメッセージ(short message)を送受信することができるメーラー(Mailer)またはSMS(short message service)サービス等を取り扱う各種アプリケーションも導入されている。
【0021】
ECサイトシステム120は、例えば、オンラインショッピングモール型等のWebサイトとして、一般公衆に対して通信回線100上で公開運営されている。ECサイトシステム120は、Webアプリケーション114が作動する情報機器112から商品・サービス等の購入要求を受信すると、入会申込者(カード会員)110から提供されたクレジットカード情報に基づいてカード発行会社システム130にキャッシュレス決済を要求し、カード発行会社システム130から受信された決済結果を情報機器112に送信する。
【0022】
カード発行会社システム130は、イシュアー(Issuer)としてクレジットカードを入会申込者110に発行し、決済代行サービスを入会申込者(カード会員)110に提供するシステムである。カード発行会社システム130は、Webアプリケーション114が作動する情報機器112からクレジットカード入会の申込要求を受信すると、入会申込者110に対する与信審査の方法を判定した後に、外部信用情報機関システム140またはネガティブ情報機関システム150からそれぞれ取得された照会結果に基づいて、与信審査の結果を情報機器112に送信する。審査結果が承認である場合、カード発行会社システム130にて発行対象のクレジットカード情報としてカード番号が即時に発番され、入会申込者(カード会員)110はこのカード番号を照会することが可能となる。
【0023】
外部信用情報機関システム140は、利用者のカード取引状況(例えば、クレジット、ローン、および割賦など)等について、外部信用情報機関に加盟する各カード発行会社が客観的事実として登録する、利用者に関する個人信用情報等を集積・管理する、一つまたは複数のシステムである。外部信用情報機関システム140は、所定の受付時間(開局の時間帯)内において、カード発行会社システム130から入会申込者(カード会員)110に関する照会要求を受信すると、入会申込者(カード会員)110の信用情報等をカード発行会社システム130に対して随時に送信する。
【0024】
ネガティブ情報機関システム150は、カード発行会社または外部信用情報機関などが保有する個人信用情報等の中で、延滞発生、代位弁済、貸倒れ等を含むネガティブ情報(すなわち、ブラック情報、およびブラックリストなど)等を集積・管理する、一つまたは複数のシステムである。ネガティブ情報機関システム150は、ネガティブ情報機関と契約するカード発行会社について、所定の計画に基づいて、カード利用者のネガティブ情報等をカード発行会社システム130に対して定期的に送信する。
【0025】
カード印刷会社システム160は、入会申込者(カード会員)110のためのクレジットカードおよびカード台紙などを製造印刷し、これらの制作物を入会申込者(カード会員)110に提供するシステムである。カード印刷会社システム160は、カード印刷会社と契約するカード発行会社について、カード発行会社システム130からカード発行指示の要求を受信すると、クレジットカードおよびカード台紙等を入会申込者(カード会員)110宛ての郵送として発送し、その発行結果をカード発行会社システム130に送信する。
【0026】
[クレジットカード即時発番システムの内部構成]
図2は、カード発行会社システム130に含まれるクレジットカード即時発番システムの内部構成を示す構成図である。
図2に示されるように、カード発行会社システム130は、一般的なサーバ用途向けのコンピュータと同様に構成され、制御部210、主記憶部220、インターフェース部230、出力部240および補助記憶部250を備えて、これらがシステムバス200を介して相互に通信可能に接続されている。
【0027】
補助記憶部250の内部には、各種データの処理を取り扱うアプリケーションプログラムがそれぞれ構築された申込手続部252、審査方法決定部254、夜間審査部256、通常審査部258、審査結果通知部260、利用手続部261、番号発番部262、会員情報生成部264、利用枠設定部266、外信日次登録部268、会員情報照会・設定部270、外信照会部272、カード解約部274、およびカード発行指示部276が含まれている。これらのコンポーネントに保持されるプログラムが、制御部210からの呼出し指示に基づいて主記憶部220にロードされて、各種演算の処理を実行する。
【0028】
さらに、補助記憶部250の内部には、ファイル/データベースの形式でデータおよびプログラムなどをそれぞれ管理するネガティブ情報記憶部280および会員情報記憶部282が含まれている。これらのコンポーネントに保存されるデータおよびプログラムが、制御部210の呼出し指示に基づいて主記憶部220にロードされて、各種演算の処理に使用される。
【0029】
制御部210は、中央演算処理装置(CPU)として機能し、個別のシステム構成要素に対して動作の制御やデータの演算を実行し、特に補助記憶部250に格納されたデータおよびプログラムを主記憶部220にロードして各種演算を実行する。主記憶部220は、メインメモリとして機能し、制御部210の指示に基づいてインターフェース部230および補助記憶部250から入力された各種データおよびプログラム、ならびに、コンピュータ実行可能な命令などを格納し、これらに対して演算処理された後のデータを保存する。
【0030】
インターフェース部230は、外部信用情報機関システム140、ネガティブ情報機関システム150、およびカード印刷会社システム160、ならびに内部の他システムおよび装置などとの間で各種データを送受信する際にインターフェースとして機能するとともに、システムオペレータから入力された各種コマンドおよびデータ(例えば、各種マスタおよびテーブルのデータなど)を受け付けるインターフェースを提供する。出力部240は、各種処理済みのデータをオペレータに表示するための出力データや当該データを印刷するための出力データなどを生成する。
【0031】
ここで、クレジットカード即時発番システムの内部構成としての実施形態は、一つのシステム構成体として機能するものであればよい。そのため、実施形態の例として、単体のサーバコンピュータの内部に配置され得るし、各システム構成要素を複数組のユニットとして並列分散化して構成され得るし、または、複数のサーバコンピュータを組み合わせてデータおよびプログラムを共有するように構成され得る。
【0032】
申込手続部252は、申込情報受信手段として、クレジットカードの入会申込を受信し、申込受付手続きに関する各種処理を実行する。より具体的には、申込手続部252は、情報機器112から入会申込者110の入会申込に関する要求を受信すると、カード入会に必要な情報(例えば、氏名、生年月日、性別、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレス、および勤務先情報など)の入力を求める入力フォームを入会申込者(カード会員)側の情報機器112に送信し、Webアプリケーション114に表示された入力フォームから入会申込者によって入力された入会申込者110の申込者情報を受信する。
【0033】
審査方法決定部254は、現在時刻等に基づいて外部信用情報機関システム140に対する照会の可否を判定した結果に応じて、もしくは、外部信用情報機関システム140に対する問合結果に応じて、または、入会申込者110の意志内容に応じて、審査方法を決定する。外部信用情報機関システム140に対して照会可能でない(すなわち、外部信用情報機関が閉局済みの時間帯である)場合に夜間審査(即発扱い)が、外部信用情報機関システム140に対して照会可能である(すなわち、外部信用情報機関が開局中の時間帯である)場合に本審査(夜間審査の補完)、日中審査(即発扱い)、または通常審査(即発無し)が、審査方法としてそれぞれ決定される。なお、後述されるように、夜間審査が実施される場合でも、本審査は、審査に関する質の確保を担保するために、後続して実施されることになる。また、カード発行会社システム130に関連する組織の諸事情または入会申込者110の各種属性に対応して入会申込者110の資格が判定された結果として、夜間審査が適用対象外とされ、通常審査(即発無し)のみが許容される場合もある。
【0034】
夜間審査部256は、即時審査手段として、外部信用情報機関が閉局済みの時間帯(受付時間外)である場合等、外部信用情報機関システム140に対する外信照会が不可である場合に、主にネガティブ情報記憶部280に格納済みのネガティブ情報の参照等を含む内部プロセスに基づいて、入会申込者110に対してクレジットカード入会に関する夜間審査を実行する。なお、夜間審査部256によって夜間審査に要する時間は、後述される通常審査部258によって通常審査(即発無し)に要する時間の約10分間に比較して相応に短縮され、例えば、最短として10秒程度となる。
【0035】
通常審査部258は、本審査手段、日中審査手段、または通常審査手段として、外部信用情報機関が開局中の時間帯(受付時間内)である場合等、外部信用情報機関システム140に対する外信照会が可能である場合に、主に外部信用情報機関システム140から受信された照会結果に基づいて、その他にネガティブ情報記憶部280に格納済みのネガティブ情報の参照に基づいて、入会申込者110に対してクレジットカード入会に関する本審査、日中審査、または通常審査を実行する。
【0036】
ここで、通常審査部258によって実施される与信審査は、次の3種類に分類される。(1)夜間審査が実施済みであり、外信照会が可能である場合、夜間審査実施済みの申込者情報に対して、外信照会に基づく本審査(夜間審査の補完)がさらに実施される。(2)夜間審査が未実施であり、外信照会が可能である場合に、夜間審査未実施の申込者情報に対して、外信照会に基づく日中審査(即発扱い)が実施される。(3)日中審査が実施済みであるが、申込者情報または外信照会結果などに不備があった場合、日中審査実施済みの申込者情報に対して、外信照会に基づく通常審査(即発無し)がさらに実施される。
【0037】
審査結果通知部260は、審査結果通知手段として、外部信用情報機関システム140に対する外信照会が不可である場合に夜間審査部256によって実施された夜間審査の審査結果を、あるいは、外部信用情報機関システム140に対する外信照会が可能である場合に通常審査部258によって実施された本審査、日中審査、または通常審査の審査結果を、審査結果の承認または非承認に関わらず、Webアプリケーション114の表示画面上に通知し、あるいは、電子メールとして情報機器112へ送信する。
【0038】
利用手続部261は、夜間審査、または本審査、もしくは日中審査の結果が承認である場合、申込者に対して本人認証、利用枠案内、および会員Webサービス登録などの各種手続きを実施する。なお、本人認証には、例えば、電話番号認証などを利用する二段階認証が含まれる。
【0039】
番号発番部262は、番号発番手段として、夜間審査、または本審査、日中審査、もしくは通常審査の結果が承認である場合、入会申込者110のクレジットカード番号を発番する。なお、番号発番部262によって発番されるクレジットカード番号は、後述されるカード発行指示部276によって発行されるクレジットカードに付与されるカード番号と同一の値を有する。
【0040】
会員情報生成部264は、会員情報生成手段として、申込手続部252によって受信された入会申込者110の申込者情報に、番号発番部262によって発番されたカード番号を含むカード情報などを加えて、会員情報記憶部282に作成済みの仮会員情報に対して反映することにより、入会申込者(カード会員)の会員情報を生成する。なお、カード情報には、クレジットカードによる決済に必要とされる情報、例えば、クレジットカードのカード番号、有効期限、およびセキュリティコードなども含まれる。
【0041】
利用枠設定部266は、利用枠設定手段として、会員情報が会員情報記憶部282に新規登録された際に、与信審査の結果内容に基づいてカード会員およびカード発行会社間における契約内容として、カード会員(入会申込者)110によって申請可能となる複数種類の利用枠の各上限額を所定の値にそれぞれ設定し、会員情報記憶部282に格納する。この利用枠には、カード加入契約に基づく買物枠、割賦契約に基づく割賦枠、および貸金契約に基づく貸金枠などが含まれる。
【0042】
外信日次登録部268は、会員情報記憶部282に格納された会員情報に含まれる、利用枠の各上限額(設定可能な利用限度額)が更新される度に、外部信用情報機関の開局日毎に会員情報の変更内容を日次登録内容として外部信用情報機関システム140に送信する。
【0043】
会員情報照会・設定部270は、会員情報提供手段として機能し、会員情報が会員情報記憶部282に登録された後に、クレジットカードのカード番号、有効期限、およびセキュリティコードなどを含むカード情報を、カード会員(入会申込者)110側にあるWebアプリケーション114の表示画面上に通知する。また、カード会員(入会申込者)110がカード発行会社システム130に会員情報を照会する場合、会員情報照会・設定部270は、カード会員およびカード発行会社間における契約内容をWebアプリケーション114の表示画面上に提示する。
【0044】
外信照会部272は、外部信用情報機関システム140に対する外信照会が可能である場合に、与信照会として入会申込者110に関する個人信用情報の照会要求を外部信用情報機関システム140に送信し、外部信用情報機関システム140から照会結果を受信する。
【0045】
カード解約部274は、夜間審査の結果が承認であり、かつ後続して実施された本審査の結果が非承認である場合、入会申込者110に関するクレジットカード解約の手続きを実行する。より具体的には、カード解約部274は、入会申込者110に関して、番号発番部262によって発番されたクレジットカードのカード番号を無効に設定する。
【0046】
カード発行指示部276は、カード発行指示手段として、会員情報記憶部282に格納された、利用枠の各設定内容を含む会員情報に基づいて、クレジットカードの作成および発送を含む発行指示をカード印刷会社システム160に送信し、カード印刷会社システム160から発行結果を受信する。
【0047】
ネガティブ情報記憶部280は、ネガティブ情報記憶手段として、個人信用情報等の中で延滞発生、破産手続開始等を含む支払条件、および総額変更などに関する情報をネガティブ情報として格納する。このネガティブ情報は、外部機関である複数のネガティブ情報機関システム150の少なくとも一つから計画的に提供されるネガティブ情報に基づいて、定期的に更新される。なお、時間的な制約が課されることなく、ネガティブ情報に対してアクセスすることが可能である場合、ネガティブ情報記憶部280は、カード発行会社システム130の内部に限定することなく、カード発行会社システム130の外部に設置してもよい。
【0048】
会員情報記憶部282は、会員情報記憶手段として、会員情報生成部264から入力された会員情報を格納・管理し、会員情報照会・設定部270によって照会された会員情報を照会結果として出力する。
【0049】
[クレジットカード即時発番システムのプロセスフロー概要]
図3は、カード発行会社システム130に含まれるクレジットカード即時発番システムにおける、日中即時発番および夜間即時発番に関するクレジットカード発行プロセスを概略的にそれぞれ示すフローチャートである。
図4は、
図3に示されるカード発行の各プロセスの結果として、利用枠の設定状況を示す表である。
【0050】
図3に示されるように、カード発行会社システム130では、ステップ300において、入会申込者110から入会申込に関する要求が受信されると、現在時刻等(昼間帯または夜間帯)に応じて日中即時発番プロセスまたは夜間即時発番プロセスがそれぞれ開始される。なお、カード発行会社システム130に関連する組織の諸事情または入会申込者110の各種属性に対応して入会申込者110の資格が判定された結果として、夜間審査が適用対象外とされ、本審査のみが許容される場合もある。
【0051】
この現在時刻に外部信用情報機関システム140に対する外信照会が可能である(すなわち、外部信用情報機関が開局中の時間帯(昼間帯)である)場合、日中即時発番プロセスが開始される。一方、この現在時刻に外部信用情報機関システム140に対する外信照会が不可である(すなわち、外部信用情報機関が閉局済みの時間帯(夜間帯)である)場合、日中即時発番プロセスが開始される。なお、昼間帯として、例えば、当日9時0分以降かつ同日19時30分以前が想定され、夜間帯として、例えば、当日19時30分超過かつ翌日9時0分未満が想定される。
【0052】
クレジットカード日中即時発番プロセスでは、入会申込当日(N日)の昼間帯に、ステップ302において入会申込者110に関する外信照会が初期与信として実行された後に、ステップ304において入会申込者110に対する与信審査が日中審査(即発扱い)の形式で実行され、審査結果が承認である場合、ステップ306において入会承認手続きが実施される。続いて、ステップ308において会員情報に含まれる利用枠内の変更として、買物枠、割賦枠、および貸金枠を含む設定処理が実施される。
【0053】
図4に示されるように、このとき、カード発行時の契約内容を反映する新規入会申込者(カード会員)の会員情報に含まれる利用枠として、買物枠(カード加入日:N日)、割賦枠(割賦付帯日:N日)、および貸金枠(貸金付帯日:N日)には、所定の各上限額、例えば、30万円、30万円、および10万円がそれぞれ設定される。なお、これらの上限額は、例えば、日中審査手段による審査内容を反映した割賦販売法および貸金業法に基づく与信枠として設定される。
【0054】
図3に示されるように、一方のクレジットカード夜間即時発番では、カード入会申込当日(N日)の夜間帯に、ステップ310において入会申込者110に対する与信審査が夜間審査の形式で実行され、審査結果が承認である場合、ステップ312において入会承認手続きが実施される。
【0055】
図4に示されるように、このとき、カード発行時の契約内容を反映する新規入会申込者(カード会員)の会員情報に含まれる利用枠として、買物枠(カード加入日:N日)、割賦枠(割賦付帯日:付帯無し)、および貸金枠(貸金付帯日:付帯無し)には、所定の各上限額、例えば、5万円、0円、および0円がそれぞれ設定される。なお、これらの上限額は、例えば、割賦販売法および貸金業法の適用外となるマンスリー契約、またはショッピング一回払少額利用契約などに基づく与信枠のように、割賦販売法または貸金業法上の規制を受けない契約類型であるマンスリー契約に基づく少額与信枠として設定される。
【0056】
図3に示されるように、クレジットカード夜間即時発番では、入会申込の翌日(N+1日)に、ステップ330において外信照会が初期与信として実行された後に、ステップ332において与信審査が本審査(夜間審査の補完)の形式で実行され、審査結果が承認である場合、ステップ334において会員情報に含まれる利用枠内の変更として、買物枠の増枠、ならびに貸金枠および割賦枠の更新設定が実施される。
【0057】
図4に示されるように、このとき、カード発行時の契約内容を反映する既存カード会員の会員情報に含まれる利用枠として、買物枠(カード加入日:N日)、割賦枠(割賦付帯日:N+1日)、および貸金枠(貸金付帯日:N+1日)は、所定の各上限額、例えば、30万円、30万円、および10万円にそれぞれ更新される。ただし、後述されるように、カード加入日に関して、クレジットカードのカード台紙に印字される際の内容としては、「N+1日」に設定されることになる。なお、これらの上限額は、例えば、本審査手段による審査内容を反映した割賦販売法および貸金業法に基づく与信枠として設定される。
【0058】
[クレジットカード即時発番システムの詳細プロセスフロー]
(夜間即時発番の詳細プロセス)
図5Aおよび5Bは、カード発行会社システム130に含まれるクレジットカード即時発番システムによる、外信閉局の時間帯における夜間即時発番プロセスを詳細に示すフローチャートである。
図6Aおよび6Bは、
図5Aおよび5Bに示される夜間即時発番プロセスにおける、
図2に示されるクレジットカード即時発番システムの内部コンポーネント間の処理連携を示す図である。
図7Aおよび7Bは、
図5Aおよび5Bに示される夜間即時発番プロセス内に含まれる、各種システム間に亘る様々なデータまたはモノの各フローを示す図である。
【0059】
(仮会員情報ファイルの作成)
図5Aに示されるように、カード発行会社システム130のクレジットカード夜間即時発番プロセスでは、ステップ500において、カード発行会社システム130に含まれるクレジットカード基幹業務システムによって事前に一括作成された所定件数分の仮会員情報ファイルが会員情報記憶部282に無効状態で格納される。なお、仮会員情報には、ダミー会員の属性情報(例えば、氏名:ダミー氏名、勤務先:ブランク、有効期限:処理日前月末日、買物枠上限額:5万円など)が設定される。また、仮会員情報のカード番号には、ハウスカードではなく国際ブランドカードを示す銀行識別番号(Bank Identifier Number:BIN)または発行者識別番号(Issuer Identifier Number:INN)(6桁)と、所定のカードコード(8~10桁等)とが含まれる。さらに、仮会員情報の外信登録対象外コードは、事前作成時点で外信登録の対象外となるようにオン状態に設定されている。
【0060】
(入会申込の受付)
図5A、6A、および7Aに示されるように、カード入会申込当日(N日)の夜間帯に、カード発行会社システム130では、ステップ510において、入会申込者110が、情報機器112上に導入済みのWebアプリケーション114に表示された入会規約に対する同意入力を介して、入会申込手続きを実行した後に、申込手続部252は、情報機器112からカード入会申込要求700を受信すると、申込者情報設定フォームをWebアプリケーション114上に表示するために、申込者情報設定データ702を情報機器112へ送信する。
【0061】
続いて、申込手続部252は、情報機器112から申込者情報入力データ704を受信すると、申込者情報受付の完了結果として、申込書番号通知が含まれる申込完了通知メール706を情報機器112へ送信する。なお、会員情報生成部264は、会員情報記憶部282に作成済みの仮会員情報ファイルのうちの一つを有効状態に編成し、この仮会員情報ファイルに対して申込者情報入力データ704に基づいて編成された申込者情報を格納する。
【0062】
次に、ステップ512において、申込手続部252は、クレジットカードの引落口座設定フォームをWebアプリケーション114上に表示するために、口座振替設定データ708を情報機器112へ送信し、情報機器112から口座振替入力データ710を受信すると、口座振替設定の完了結果を情報機器112へ送信する。
【0063】
次に、ステップ514において、申込手続部252は、入会申込者110からの申し出に基づく現金借入等の利用枠設定が含まれるキャッシング事前書面をWebアプリケーション114上に表示するために、事前書面表示データ712を情報機器112へ送信し、情報機器112から事前書面承諾データ714を受信すると、事前書面受付の完了結果を情報機器112へ送信する。なお、
図4を参照して上述されたように、事前書面には、顧客希望額に応じた契約内容が表示される。例えば、入会申込者110の仮会員情報に含まれる利用枠として、買物枠(カード加入日:記載無し、上限額:5万円)、割賦枠(割賦付帯日:付帯無し、上限額:0円)、および貸金枠(貸金付帯日:付帯無し、上限額:0円)がそれぞれ表示される。
【0064】
次に、ステップ516において、審査方法決定部254は、現在時刻(夜間帯)等に応じて外部信用情報機関システム140に対する外信照会が不可であると判定し、与信審査方法を夜間審査に決定する。なお、審査方法決定部254は、外部信用情報機関システム140に対する問合結果として、外信照会不可の実行結果に基づいて、審査方法を夜間審査に決定してもよい。また、カード発行会社システム130に関連する組織の諸事情または入会申込者110の各種属性に対応して入会申込者110の資格が判定された結果として、夜間審査が適用対象外とされ、本審査のみが許容される場合、ステップ524に移行する。
【0065】
(夜間審査の実施)
次に、ステップ520において、夜間審査部256は、ネガティブ情報記憶部280から入会申込者110のネガティブ情報を参照し、クレジットカード入会に関する与信審査を夜間審査の形式で実行する。ここで、審査結果がOK(承認)の場合、ステップ526に移行するが、検証結果がNG(非承認)または不備(情報不備)である場合、ステップ522、または524にそれぞれ移行する。
【0066】
図5A、6A、および7Aに示されるように、ステップ522において、夜間審査部256は、夜間審査の結果が非承認となった申込者情報について、カード番号内のダミーカードコードに基づいて、申込者情報(仮会員情報)をエントリ連動対象として自動取下げのステータスに設定する。続いて、審査結果通知部260は、夜間審査結果(非承認)が含まれる夜間審査完了通知メール716を情報機器112へ送信するとともに、夜間審査結果をWebアプリケーション114上に表示するために、夜間審査完了データ718を情報機器112へ送信する。
【0067】
ステップ524において、夜間審査部256は、夜間審査の結果が申込者情報等の不備となった申込者情報について、翌日(N+1日)の昼間帯に実施予定の通常審査(即発無し)に対して、申込者情報(仮会員情報)をエントリ連動対象として設定する。続いて、審査結果通知部260は、夜間審査結果(不備)が含まれる夜間審査完了通知メール716を情報機器112へ送信するとともに、夜間審査結果をWebアプリケーション114上に表示するために、夜間審査完了データ718を情報機器112へ送信する。この後、ステップ540に移行する。
【0068】
ステップ526において、夜間審査部256は、夜間審査の結果が承認となった申込者情報について、カード番号内のダミーカードコードに基づいて、申込者情報(仮会員情報)をエントリ連動対象として設定する。続いて、審査結果通知部260は、夜間審査結果(承認)が含まれる夜間審査完了通知メール716を情報機器112へ送信するとともに、夜間審査結果をWebアプリケーション114上に表示するために、夜間審査完了データ718を情報機器112へ送信する。なお、夜間審査完了通知メール716のメール本文には、本人承認プロセスに誘導するためのリソースを特定するURL(Uniform Resource Locator)が含まれている。
【0069】
続いて、利用手続部261は、夜間審査完了通知メール716に記載されたURLに対する入会申込者110からのアクセスに基づいて、情報機器112から本人認証要求720としてカード発行会社システム130が指定する電話番号に入会申込者110が電話を架けると、本人確認の実施にともなって申込者情報の電話番号が利用可能であることも検証する。ここで、検証結果がOKの場合、ステップ528に移行するが、検証結果がNGである場合、ステップ524に移行する。
【0070】
(カード情報の生成)
次に、ステップ528において、利用手続部261は、夜間審査の結果が承認となった申込者情報について、利用手続表示フォームをWebアプリケーション114上に表示するために、利用枠案内が含まれる利用手続表示データ726を情報機器112へ送信する。
図4を参照して上述されたように、このとき、入会申込者110の利用枠として、買物枠(カード加入日:N日、上限額:5万円)、割賦枠(割賦付帯日:付帯無し、上限額:0円)、および貸金枠(貸金付帯日:付帯無し、上限額:0円)が、Webアプリケーション114上にそれぞれ表示される。
【0071】
続いて、利用手続部261は、夜間審査の結果が承認となった申込者情報について、Web会員サービス登録フォームをWebアプリケーション114に表示するために、サービス登録データ728を情報機器112へ送信し、情報機器112から登録情報入力データ730を受信し、申込者情報をWeb会員サービスの登録対象として設定する。
【0072】
次に、ステップ530において、番号発番部262は、夜間審査の結果が承認となった申込者情報について、新規クレジットカードのカード番号(国際ブランドカードを示すBINまたはINN(6桁)、ならびに本カードコード(会員口座番号およびチェックデジット)(8~10桁等)を含む)を発番する。続いて、会員情報生成部264は、夜間審査の結果が承認となった申込者情報に対応する、会員情報記憶部282に作成済みの仮会員情報ファイルに対して、申込手続部252によって取得された申込者情報に加えて、番号発番部262によって発番されたカード番号を反映することにより、仮会員情報の属性データを変更する。
【0073】
続いて、利用枠設定部266は、夜間審査の結果が承認となった申込者情報について、会員情報記憶部282に作成済みの仮会員情報ファイルに対して、利用枠の設定(例えば、付帯日および上限額など)を反映することにより、仮会員情報の属性情報を変更する。
図4を参照して上述されたように、このとき、カード会員(入会申込者)110の本会員情報に含まれる利用枠として、買物枠(カード加入日:N日、上限額:30万円)、割賦枠(割賦付帯日:N+1日、上限額:30万円)、および貸金枠(貸金付帯日:N+1日、上限額:10万円)がそれぞれ変更される。ただし、後述されるように、カード加入日に関して、クレジットカードのカード台紙に印字される際の内容としては、「N+1日」に設定されることになる。また、各上限額には、入会申込者110の資格内容に基づいて異なる値が設定され得る。
【0074】
(カード情報の照会)
次に、ステップ532において、会員情報照会・設定部270は、仮カード会員(入会申込者)110によって情報機器112からカード情報照会要求732を受信すると、会員情報記憶部282から仮会員情報を参照し、カード情報照会フォームをWebアプリケーション114上に表示するために、カード番号、カード有効期限、およびセキュリティコードなどが含まれるカード情報照会データ734を情報機器112へ送信する。
【0075】
ここで、仮カード会員(入会申込者)110が、商品・サービス等を購入する電子商取引を実施することが可能となる。すなわち、ECサイトシステム120は、入会申込者(カード会員)110によって情報機器112から送信された商品購入要求740を受信すると、購入決済要求742をECサイトシステム120へ送信する。続いて、ECサイトシステム120は、カード発行会社システム130から送信された決済結果データ744を受信すると、購入結果データ746を情報機器112へ送信する。
【0076】
(本審査の実施)
図5B、6B、および7Bに示されるように、カード入会申込翌日(N+1日)の昼間帯に、カード発行会社システム130では、ステップ540において、前日(N日)の夜間帯に会員情報記憶部282で編成された仮会員情報に関する名寄せとして、カード発行会社システム130に含まれるクレジットカード基幹業務システムによって、クレジットカード基幹業務システム内における複数のデータベースに分散して存在する同一人の会員データが最新状態に統合される。
【0077】
続いて、外信照会部272は、前日(N日)の夜間帯に編成された仮会員情報を会員情報記憶部282から抽出し、一つまたは複数の外部信用情報機関システム140に対する外信照会(初期与信)として、外信照会要求750を外部信用情報機関システム140に送信し、外部信用情報機関システム140から信用情報データ752を外信照会結果として受信する。
【0078】
次に、ステップ542において、通常審査部258は、仮会員情報について、外信照会部272によって収集された各信用情報を参照し、クレジットカード入会に関する与信審査を本審査の形式で実行する。ここで、審査結果がOK(承認)の場合、ステップ550に移行するが、検証結果がNG(非承認)または不備(情報不備)である場合、ステップ544、または546にそれぞれ移行する。
【0079】
次に、ステップ544において、審査結果通知部260は、本審査の結果が非承認となった仮会員情報について、本審査結果(非承認)が含まれる本審査完了通知メール754を情報機器112へ送信する。この後、カード入会申込翌日(N+1日)の夜間帯に、ステップ560に移行する。
【0080】
次に、ステップ546において、通常審査部258は、本審査の結果が情報不備となった仮会員情報について、通常審査(即発無し)においても実施されている申込者情報または外信照会結果などの不備を改善するための対応処理が実行された後に、ステップ540に移行する。
【0081】
次に、ステップ550において、審査結果通知部260は、本審査の結果が承認となった仮会員情報について、本審査結果(承認)が含まれる本審査完了通知メール754を情報機器112へ送信する。なお、本審査完了通知メール754のメール本文には、本人承認プロセスに誘導するためのリソースを特定するURLが含まれている。
【0082】
続いて、利用手続部261は、本審査完了通知メール754に記載されたURLに対する入会申込者110からのアクセスに基づいて、情報機器112から本人認証要求756としてカード発行会社システム130が指定する電話番号に入会申込者110が電話を架けると、本人確認の実施にともなって申込者情報の電話番号が利用可能であることも検証する。ここで、検証結果がOKの場合、ステップ552に移行するが、検証結果がNGである場合、ステップ546に移行する。
【0083】
次に、ステップ552において、利用手続部261は、本審査の結果が承認となった仮会員情報について、法定書面(例えば、PDFファイルなど)をWebアプリケーション114上に表示するために、法定書面表示データ762を情報機器112へ送信し、情報機器112から法定書面承諾データ764を受信すると、法定書面受付の完了結果を情報機器112へ送信する。なお、
図4を参照して上述されたように、法定書面には、新規入会申込者(カード会員)の本会員情報に含まれる利用枠として、買物枠(カード加入日:N日、上限額:30万円)、割賦枠(割賦付帯日:N+1日、上限額:30万円)、および貸金枠(貸金付帯日:N+1日、上限額:10万円)がそれぞれ表示される。ただし、後述されるように、カード加入日に関して、クレジットカードのカード台紙に印字される際の内容としては、「N+1日」に設定されることになる。また、各上限額には、入会申込者110の資格内容に基づいて異なる値が設定され得る。
【0084】
(カード解約の実施)
図5B、6B、および7Bに示されるように、カード入会申込翌日(N+1日)の夜間帯に、カード発行会社システム130では、ステップ560において、カード解約部274は、本審査の結果が非承認となった仮会員情報について、会員情報記憶部282に格納済みの仮会員情報ファイルに対して、カード解約の処理を実行する。このとき、会員情報記憶部282に格納済みの仮会員情報ファイルに対して、カード番号は無効状態に更新されるとともに、外信登録対象外コードはオフ状態に更新される。
【0085】
(カード情報の更新)
図5B、6B、および7Bに示されるように、カード入会申込翌日(N+1日)の夜間帯に、カード発行会社システム130では、ステップ572において、利用枠設定部266は、本審査の結果が承認となった本会員情報について、会員情報記憶部282に作成済みの仮会員情報ファイルに対して、本会員情報ファイルとして利用枠の設定(例えば、上限額など)を更新する。
図4を参照して上述されたように、このとき、カード会員(入会申込者)110の本会員情報に含まれる利用枠として、買物枠(カード加入日:N日、上限額:30万円)、割賦枠(割賦付帯日:N+1日、上限額:30万円)、および貸金枠(貸金付帯日:N+1日、上限額:10万円)がそれぞれ変更される。
【0086】
次に、ステップ574において、会員情報生成部264は、本審査の結果が承認となった本会員情報について、会員情報記憶部282に作成済みの本会員情報ファイルに基づいて、クレジットカード基幹業務システム内における複数のデータベース内に存在する同一人の会員データに対して、本審査完了時点の最新属性情報を反映させる。
【0087】
次に、ステップ576において、利用枠設定部266は、本審査の結果が承認となった本会員情報について、会員情報記憶部282に作成済みの本会員情報ファイルに対して、利用枠の設定(例えば、カード加入日および付帯日など)を更新する。このとき、新規入会申込者(カード会員)の本会員情報に含まれる利用枠として、買物枠(カード加入日:N日、上限額:30万円)、割賦枠(割賦付帯日:N+1日、上限額:30万円)、および貸金枠(貸金付帯日:N+1日、上限額:10万円)が、法定書面にも表示された内容としてそれぞれ変更される。また、会員情報記憶部282に格納済みの本会員情報ファイルに対して、本会員情報に関する外信登録対象外コードは、オフ状態に更新される。
【0088】
次に、ステップ578において、会員情報生成部264は、本審査の結果が承認となった本会員情報について、会員情報記憶部282に作成済みの本会員情報ファイルに対して、夜間即時発番の対象であることを示す折衝内容コードの設定を折衝履歴用として登録する。なお、折衝内容コードは、外部債権回収機関システム(図示されない)に対して、夜間即時発番日付をカード加入日とする折衝内容をデータ連携するために使用される。
【0089】
続いて、外信日次登録部268は、本審査の結果が承認となった本会員情報について、本会員情報の利用枠の設定に基づいて、一つまたは複数の外部信用情報機関システム140に対する日次登録として、外信登録要求770を外部信用情報機関システム140に送信し、外部信用情報機関システム140から登録結果データ772を受信する。なお、本審査の結果が不承認となった本会員情報に関して、外信登録対象外コードがオフ状態に設定されている場合、外部信用情報機関システム140に対する日次登録の対象に含まれる。
【0090】
(増枠完了通知の送信)
図5B、6B、および7Bに示されるように、カード入会申込の翌々日(N+2日)に、カード発行会社システム130では、ステップ580において、審査結果通知部260は、本審査の結果が承認となった本会員情報について、利用枠(例えば、買物枠、割賦枠、および貸金枠など)の増枠(上限額の引上げ)が実施済みであることを示す増枠完了通知メール780を情報機器112へ送信する。
【0091】
(カード発行の指示)
ステップ582において、カード発行指示部276は、本審査の結果が承認となった本会員情報について、クレジットカード発行を指示するために、カード発行要求782をカード印刷会社システム160に送信し、カード印刷会社システム160から発行結果データ784を受信する。
【0092】
図6Bおよび7Bに示されるように、カード入会申込の翌々日の翌日(N+3日)以降に、カード印刷会社システム160は、カード発行の指示が受信された本会員情報について、発行対象のクレジットカードおよびカード台紙などが含まれる発送物790をカード会員(入会申込者)110宛ての郵送として発送し、入会申込者(カード会員)110は、申込対象のクレジットカードおよびカード台紙等が含まれる発送物790を郵送物として受領する。なお、カード台紙には、カード加入日、割賦付帯日、および貸金付帯日として、カード入会申込の翌日(N+1日)に更新された状態の利用枠が表示されている。
【0093】
[クレジットカード日中即時発番の詳細プロセスフロー]
(日中即時発番の詳細プロセス)
図8Aおよび8Bは、カード発行会社システム130に含まれるクレジットカード即時発番システムによる、外信開局の時間帯における日中即時発番プロセスを詳細に示すフローチャートである。
図9Aおよび9Bは、
図8Aおよび8Bに示される日中即時発番プロセスにおける、
図2に示されるクレジットカード即時発番システムの内部コンポーネント間の処理連携を示す図である。
図10Aおよび10Bは、
図8Aおよび8Bに示される日中即時発番プロセス内に含まれる、各種システム間に亘る様々なデータまたはモノの各フローを示す図である。なお、この場合、夜間即時発番の詳細プロセスとは異なり、事前作成の仮会員情報ファイルを使用することなく、本会員情報ファイルを随時生成して使用する。
【0094】
(入会申込の受付)
図8A、9A、および10Aに示されるように、カード入会申込当日(N日)の昼間帯に、カード発行会社システム130では、ステップ510において、入会申込者110が、情報機器112上に導入済みのWebアプリケーション114に表示された入会申込規約に対する同意入力を介して、カード入会申込を実行した後に、申込手続部252は、情報機器112からカード入会申込要求700を受信すると、申込者情報設定フォームをWebアプリケーション114上に表示するために、申込者情報設定データ702を情報機器112へ送信する。なお、このステップの内容は、上述されたクレジットカード夜間即時発番プロセス内における同一符号のステップと同様である。
【0095】
次に、ステップ512において、申込手続部252は、クレジットカードの引落口座設定フォームをWebアプリケーション114に表示するために、口座振替設定データ708を情報機器112へ送信し、情報機器112から口座振替入力データ710を受信すると、口座振替設定の完了結果を情報機器112へ送信する。
【0096】
次に、ステップ514において、申込手続部252は、入会申込者110からの申し出に基づく現金借入等の利用枠設定が含まれるキャッシング事前書面をWebアプリケーション114上に表示するために、事前書面表示データ712を情報機器112へ送信し、情報機器112から事前書面承諾データ714を受信すると、事前書面受付の完了結果を情報機器112へ送信する。なお、
図4を参照して上述されたように、事前書面には、入会申込者が申込を希望した金額が表示される。例えば、入会申込者110の本会員情報に含まれる利用枠として、買物枠(カード加入日:N日、上限額:商品性次第)、割賦枠(割賦付帯日:N日、上限額:商品性次第)、および貸金枠(貸金付帯日:N日、上限額:商品性次第)がそれぞれ表示される。
【0097】
次に、ステップ516において、審査方法決定部254は、現在時刻(昼間帯)等に応じて外部信用情報機関システム140に対する外信照会が可能であると判定し、与信審査方法を日中審査(即発扱い、すなわち日中即時発行)に決定する。なお、審査方法決定部254は、外部信用情報機関システム140に対する問合結果として、外信照会可能の実行結果に基づいて、審査方法を日中審査に決定してもよい。
【0098】
(日中審査の実施)
次に、ステップ540において、審査対象の申込者情報に関する名寄せとして、カード発行会社システム130に含まれるクレジットカード基幹業務システムによって、クレジットカード基幹業務システム内における複数のデータベースに分散して存在する同一人の会員データが最新状態に統合される。
【0099】
続いて、外信照会部272は、審査対象の申込者情報について、一つまたは複数の外部信用情報機関システム140に対する外信照会(初期与信)として、外信照会要求750を外部信用情報機関システム140に送信し、外部信用情報機関システム140から信用情報データ752を受信する。
【0100】
次に、ステップ542において、通常審査部258は、審査対象の申込者情報について、外信照会部272によって収集された各信用情報を参照するとともに、ネガティブ情報機関システム150から定期更新を受けるネガティブ情報記憶部280から抽出されたネガティブ情報も参照し、クレジットカード入会に関する与信審査を日中審査(即発扱い)の形式で実行する。ここで、審査結果がOK(承認)の場合、ステップ550に移行するが、検証結果がNG(非承認)または不備(情報不備)である場合、ステップ544、または546にそれぞれ移行する。
【0101】
次に、ステップ544において、審査結果通知部260は、日中審査の結果が非承認となった申込者情報について、日中審査結果(非承認)が含まれる日中審査完了通知メール755を情報機器112へ送信する。
【0102】
次に、ステップ546において、通常審査部258は、日中審査の結果が情報不備となった申込者情報について、通常審査(即発無し)においても実施されている申込者情報または外信照会結果などの不備を改善するための対応処理が実行された後に、ステップ540に移行する。
【0103】
次に、ステップ550において、審査結果通知部260は、日中審査の結果が承認となった申込者情報について、日中審査結果(承認)が含まれる日中審査完了通知メール755を情報機器112へ送信する。なお、日中審査完了通知メール755のメール本文には、本人承認プロセスに誘導するためのリソースを特定するURLが含まれている。
【0104】
続いて、利用手続部261は、本審査完了通知メール754に記載されたURLに対する入会申込者110からのアクセスに基づいて、情報機器112から本人認証要求756としてカード発行会社システム130が指定する電話番号に入会申込者110が電話を架けると、本人確認の実施にともなって申込者情報の電話番号が利用可能であることも検証する。ここで、検証結果がOKの場合、ステップ552に移行するが、検証結果がNGである場合、ステップ546に移行する。なお、電話認証のプロセスをSMS(Short Message Service)認証に代替することも可能である。
【0105】
(カード情報の生成)
次に、ステップ552において、利用手続部261は、日中審査の結果が承認となった申込者情報について、法定書面(例えば、PDFファイルなど)をWebアプリケーション114上に表示するために、法定書面表示データ762を情報機器112へ送信し、情報機器112から法定書面承諾データ764を受信すると、法定書面受付の完了結果を情報機器112へ送信する。なお、
図4を参照して上述されたように、法定書面には、入会申込者110の本会員情報に含まれる利用枠として、買物枠(カード加入日:N+1日、上限額:30万円)、割賦枠(割賦付帯日:N+1日、上限額:30万円)、および貸金枠(貸金付帯日:N+1日、上限額:10万円)がそれぞれ表示される。これらの金額は、入会申込者110の申込内容または資格によって異なる値が設定される。
【0106】
続いて、利用手続部261は、日中審査の結果が承認となった申込者情報について、Web会員サービス登録フォームをWebアプリケーション114上に表示するために、サービス登録データ728を情報機器112へ送信し、情報機器112から登録情報入力データ730を受信し、申込者情報をWeb会員サービスの登録対象として設定する。
【0107】
次に、ステップ534において、番号発番部262は、日中審査の結果が承認となった申込者情報について、新規クレジットカードのカード番号を発番する。続いて、会員情報生成部264は、日中審査の結果が承認となった申込者情報に対応する本会員情報ファイルを会員情報記憶部282に作成した後に、申込手続部252によって取得された申込者情報に加えて、番号発番部262によって発番されたカード番号を反映することにより、本会員情報の属性データを変更する。続いて、利用枠設定部266は、会員情報記憶部282に作成済みの本会員情報ファイルに対して、利用枠の設定(例えば、付帯日および上限額など)を反映することにより、本会員情報の属性データを変更する。
【0108】
(カード情報の照会)
次に、ステップ532において、会員情報照会・設定部270は、カード会員(入会申込者)110によって情報機器112からカード情報照会要求732を受信すると、会員情報記憶部282からカード会員(入会申込者)110の会員情報を参照し、カード情報照会フォームをWebアプリケーション114上に表示するために、カード番号、カード有効期限、およびセキュリティコードなどが含まれるカード情報照会データ734を情報機器112へ送信する。ここで、入会申込者(カード会員)110が、商品・サービス等を購入する電子商取引を実施することが可能となる。なお、このステップの内容は、上述されたクレジットカード夜間即時発番プロセス内における同一符号のステップと同様である。
【0109】
(貸金申込の受付)
図8B、9B、および10Bに示されるように、カード入会申込当日(N日)の昼間帯に、カード発行会社システム130では、ステップ900において、カード会員110が、情報機器112上に導入済みのWebアプリケーション114上に表示された貸金申込フォームから貸金申込を実行していた場合に、申込手続部252は、情報機器112から貸金申込要求800を受信していると、受付結果を情報機器112へ送信する。
【0110】
次に、ステップ904において、通常審査部258は、審査対象の本会員情報について、外信照会部272によって収集された各信用情報を参照するとともに、ネガティブ情報機関システム150から定期更新を受けるネガティブ情報記憶部280から抽出されたネガティブ情報も参照し、貸金に関する与信審査を貸金審査(増枠審査)の形式で実行する。ここで、審査結果がOK(承認)の場合、ステップ906に移行するが、検証結果がNG(非承認)の場合、ステップ908に移行する。
【0111】
次に、ステップ906において、審査結果通知部260は、貸金審査の結果が非承認となった本会員情報について、貸金審査結果(非承認)が含まれる貸金審査完了通知メール802を情報機器112へ送信する。
【0112】
次に、ステップ908において、利用枠設定部266は、貸金審査の結果が承認となった本会員情報について、会員情報記憶部282に作成済みの会員情報ファイルに対して、利用枠の設定(例えば、上限額など)を更新する。
図4に示されるように、このとき、既存入会申込者(カード会員)の会員情報に含まれる利用枠として、買物枠(カード加入日:N日、上限額:30万円)、割賦枠(割賦付帯日:N日、上限額:30万円)、および貸金枠(貸金付帯日:N日、上限額:10万円)がそれぞれ更新される。これらの金額は、入会申込者110の申込内容または資格によって異なる値が設定される。
【0113】
続いて、外信日次登録部268は、貸金審査の結果が承認となった本会員情報について、本会員情報の利用枠の設定に基づいて、一つまたは複数の外部信用情報機関システム140に対する日次登録として、外信登録要求770を外部信用情報機関システム140に送信し、外部信用情報機関システム140から登録結果データ772を受信する。さらに、審査結果通知部260は、貸金審査の結果が承認となった本会員情報について、貸金審査結果(承認)が含まれる貸金審査完了通知メール802を情報機器112へ送信する。
【0114】
(カード発行の指示)
次に、ステップ910において、カード発行指示部276は、日中審査(即発扱い)の結果が承認となった申込者情報について、クレジットカード発行を指示するために、カード発行要求782をカード印刷会社システム160に送信し、カード印刷会社システム160から発行結果データ784を受信する。
【0115】
次に、カード印刷会社システム160は、カード発行の指示が受信された本会員情報について、発行対象のクレジットカードおよびカード台紙などが含まれる発送物790をカード会員(入会申込者)110宛ての郵送として発送すると、入会申込者(カード会員)110は、申込対象のクレジットカードおよびカード台紙などが含まれる発送物790を郵送物として受領する。なお、カード台紙には、カード加入日、割賦付帯日、および貸金付帯日として、カード入会申込当日(N日)に設定された状態の利用枠が表示されている。
【0116】
このように、本発明の実施形態によれば、クレジットカード即時発番システムおよびその方法は、クレジットカードの入会申込者側にある情報機器からクレジットカードの入会要求を受けると、外部信用情報機関の閉局または開局の各時間帯に関わらず、クレジットカードの発行組織が、クレジットカードのカード番号を常時に即時発番することができる。また、当該組織が、カード番号の発番が外部信用情報機関の閉局時であっても、当該カード番号を不変のままに、外部信用情報機関の再開局後において、入会申込者(カード会員)に対する貸金または割賦などに関する各種契約を締結することができる。
【0117】
以上において、例示的な実施形態を参照しつつ本発明の原理を説明しているが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、構成および細部において変更を受ける様々な実施形態を実現することが可能であることを、当業者は理解する必要がある。すなわち、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム、もしくは記憶媒体などとしての種々の実施態様を取ることが可能である。
【符号の説明】
【0118】
100 通信回線
110 入会申込者(カード会員)
112 情報機器
114 Webアプリケーション
120 ECサイトシステム
130 カード発行会社システム
140 外部信用情報機関システム
150 ネガティブ情報機関システム
160 カード印刷会社システム
210 制御部
220 主記憶部
230 インターフェース部
240 出力部
250 補助記憶部
252 申込手続部
254 審査方法決定部
256 夜間審査部
258 通常審査部
260 審査結果通知部
261 利用手続部
262 番号発番部
264 会員情報生成部
266 利用枠設定部
268 外信日次登録部
270 会員情報照会・設定部
272 外信照会部
274 カード解約部
276 カード発行指示部
280 ネガティブ情報記憶部
282 会員情報記憶部
【要約】
【課題】入会要求を受けると、カード番号を常時に即時発番し、カード番号を不変のままに外信照会結果に基づく貸金または割賦等に関する契約の締結を可能にする。
【解決手段】申込情報の受信を契機として、内部保有情報に基づいて入会審査が第一の日付の夜間に実行され、新規発番のカード番号を含む会員情報が即時生成された後、外信照会結果に基づく入会審査が第二の日付の昼間に実行される。夜間承認の会員情報には、買物枠のみが少額与信枠として発行され、買物枠の上限額および付帯日は、マンスリー契約に基づく少額与信枠に該当する金額、第一の日付にそれぞれ設定される。昼間承認の会員情報には、買物枠、割賦枠、および貸金枠が与信審査の内容を反映した割賦販売法および貸金業法に基づく与信枠としてそれぞれ発行され、買物枠、割賦枠、および貸金枠の各上限額および各付帯日は、当該与信枠に該当する各金額、第二の日付にそれぞれ設定される。
【選択図】
図6A