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特許7528333ダイヘッドおよび該ダイヘッドを備える塗工装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】ダイヘッドおよび該ダイヘッドを備える塗工装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/02 20060101AFI20240729BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20240729BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
B05C5/02
B05C11/00
B05C11/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023178424
(22)【出願日】2023-10-16
【審査請求日】2023-10-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129791
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 真由美
(74)【代理人】
【識別番号】100144200
【弁理士】
【氏名又は名称】奥西 祐之
(72)【発明者】
【氏名】福井 慎也
(72)【発明者】
【氏名】岩成 賢治
(72)【発明者】
【氏名】福田 恒平
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-87572(JP,A)
【文献】登録実用新案第3244037(JP,U)
【文献】特開2009-273997(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2022-0114733(KR,A)
【文献】特開2006-175415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/02
B05C 11/00
B05C 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリット状の吐出口から塗工液を吐出するダイヘッドであって、
前記塗工液を貯留する貯留部を有する第1ダイと、
前記貯留部と前記吐出口とをつなぐとともに入口および出口を有する流路が、長さ方向に複数設けられたシム板と、
前記第1ダイに対向配置されて、前記第1ダイと協働して前記シム板を挟持する第2ダイと、
前記流路の前記入口を閉塞するシールと、
前記シールを閉塞位置または開放位置に移動させるアクチュエータと、を備え、
前記アクチュエータを用いて前記流路の開状態または閉状態を切り替えることによって、前記吐出口から吐出される前記塗工液の吐出幅を変化させる、ダイヘッド。
【請求項2】
前記流路は、前記シム板の中央部に位置するとともに前記入口から前記出口に向けて前記長さ方向に交差する高さ方向に延在する中央流路と、前記中央流路に対して前記長さ方向の外側に位置する外側流路と、を有し、
前記中央流路は常に前記開状態であるとともに、前記外側流路は、前記中央流路の近くに位置する前記外側流路から順に前記開状態にするかまたは前記中央流路から遠くに位置する前記外側流路から順に前記閉状態にする、請求項1に記載のダイヘッド。
【請求項3】
前記外側流路の前記入口の側が前記中央流路から遠ざかるとともに前記外側流路の前記出口の側が前記中央流路に近づくように、前記外側流路は前記高さ方向に対して傾斜して延在している、請求項2に記載のダイヘッド。
【請求項4】
前記シム板は、隣に位置する2つの前記流路における一方の前記流路の前記出口と、他方の前記流路の前記出口とが合流する合流部をさらに有する、請求項1に記載のダイヘッド。
【請求項5】
前記シム板は、前記シールの当接によって前記外側流路の前記入口を前記閉状態にする被シール部をさらに有し、
前記被シール部は前記貯留部の底部よりも突出している、請求項2に記載のダイヘッド。
【請求項6】
前記アクチュエータは、前記シールに接続されるロッドと、前記ロッドを駆動する駆動部と、を有し、
前記ロッドは、前記駆動部の側が前記第2ダイから遠ざかるとともに前記シールの側が前記第2ダイに近づくように、前記長さ方向に交差する厚み方向に対して傾斜して延在している、請求項1に記載のダイヘッド。
【請求項7】
前記ロッドと前記駆動部とは、分離可能に構成される、請求項6に記載のダイヘッド。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載のダイヘッドを備えることを特徴とする、塗工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ダイヘッドおよび該ダイヘッドを備える塗工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
塗工幅を変更するダイヘッドの従来技術として、例えば、特許文献1は、ノズルブロックの分解・組立とシム板の交換とによって、異なる塗工幅に対応する塗工ヘッドを開示する。特許文献2は、線状ノズルの入口長を狭めたり拡げたりすることによって、線状ノズルの吐出幅(塗工幅)が変化する塗工ヘッドを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-55208号公報
【文献】特開2018-69230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の塗工ヘッドでは、ノズルブロックの分解・組立およびシム板の交換に係る作業が、非常に手間の掛かるとともに熟練を要するという問題がある。特許文献2の塗工ヘッドでは、シール部材の移動によって線状ノズルの吐出幅が規定されるので、塗工液がスリット内で広がり、基材への塗工幅が定まりにくいという問題がある。
【0005】
この発明の課題は、塗工液の吐出幅を容易に変更できるダイヘッドおよび塗工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、この発明の一態様に係るダイヘッドは、
スリット状の吐出口から塗工液を吐出するダイヘッドであって、
前記塗工液を貯留する貯留部を有する第1ダイと、
前記貯留部と前記吐出口とをつなぐとともに入口および出口を有する流路が、長さ方向に複数設けられたシム板と、
前記第1ダイに対向配置されて、前記第1ダイと協働して前記シム板を挟持する第2ダイと、
前記流路の前記入口を閉塞するシールと、
前記シールを閉塞位置または開放位置に移動させるアクチュエータと、を備え、
前記アクチュエータを用いて前記流路の開状態または閉状態を切り替えることによって、前記吐出口から吐出される前記塗工液の吐出幅を変化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、アクチュエータで駆動されるシールが複数の流路の入口を開状態または閉状態にすることによって、塗工液の吐出幅(塗工パターンの塗工幅)を、所定の幅に定めることができるとともに容易に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係るダイヘッドであって第2ダイを省略したダイヘッドを含む塗工装置を模式的に説明する図である。
図2】実施の形態1に係るダイヘッドを説明する断面図である。
図3】実施の形態1に係るダイヘッドの第1ダイの正面図である。
図4図3に示した第1ダイのIV-IV線の断面図である。
図5】実施の形態1に係るダイヘッドの第2ダイの正面図である。
図6図5に示した第2ダイの断面図である。
図7】実施の形態1に係るダイヘッドのシム板の正面図である。
図8図7に示したシム板のVIII-VIII線の断面図である。
図9】実施の形態1に係るダイヘッドのシール構造を説明する断面図である。
図10】ダイヘッドにおける塗工前の洗浄工程を説明する図である。
図11】洗浄工程におけるダイヘッドの動作を説明する図である。
図12】洗浄工程におけるダイヘッドの動作を説明する図である。
図13】中央流路を用いる塗工工程を説明する図である。
図14】第1流路をさらに用いる塗工工程を説明する図である。
図15】第2流路をさらに用いる塗工工程を説明する図である。
図16】第3流路をさらに用いる塗工工程を説明する図である。
図17】実施の形態2に係るダイヘッドのシム板を説明する図である。
図18】実施の形態3に係るダイヘッドを説明する図である。
図19図18に示したダイヘッドを説明する断面図である。
図20】実施の形態4に係るダイヘッドを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、この発明に係るダイヘッド10および塗工装置1の実施の形態を説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向あるいは位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は、図面を参照した本開示の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本開示の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0010】
〔塗工装置の全体構成〕
図1は、実施の形態1に係るダイヘッド10を含む塗工装置1を模式的に説明する図である。図1を参照しながら、塗工装置1の全体構成を説明する。なお、図1において、弁の開いた状態を白抜きで示し、弁の閉じた状態を黒塗りで示す。
【0011】
図1に示すように、塗工装置1は、塗工液供給装置3とダイヘッド10とを備える。塗工液供給装置3は、配管6を介して、ダイヘッド10に接続される。塗工液供給装置3に貯留された塗工液Pは、加圧装置4および駆動装置5によって加圧されている。塗工液Pは、液供給弁7を開にすることによって配管6を通じてダイヘッド10に供給される。塗工液Pは、水状の液体、ペースト状の高粘度液状物、高濃度のスラリー物などのような、流動性を有する液状物の総称である。ダイヘッド10は、スリット状の吐出口18から塗工液Pを吐出する。塗工液供給装置3に貯留された塗工液Pが減少すれば、液補充弁8を開き、液供給弁7を閉じることによって塗工液Pが外部から補充される。
【0012】
〔実施の形態1〕
図2図16を参照しながら、実施の形態1に係るダイヘッド10の構成を説明する。
【0013】
図2に示すように、ダイヘッド10は、第1ダイ20と第2ダイ30とシム板40とを有する。第1ダイ20と第2ダイ30とシム板40とは、厚み方向Aに重ね合わさるように構成されている。シム板40は、第1ダイ20および第2ダイ30によって挟持されている。
【0014】
図3および図4に示すように、第1ダイ20は、その内部空間に形成された貯留部25と、供給路22とを有する。貯留部25は、シム板40に対面する側が開口した凹部である。供給路22は、例えば第1ダイ20の中央部に形成されて、配管6の終端部と貯留部25とを連通する。塗工液供給装置3から供給された塗工液Pは、供給路22を通じて貯留部25に貯留される。第1ダイ20は、ロッド53,63,73を挿通するための複数のロッド穴24を有する。複数のロッド穴24は、供給路22を挟んで第1ダイ20の長さ方向Bの両側に形成されている。
【0015】
図2に示すように、第2ダイ30は、シム板40を介して第1ダイ20に対向配置される。第2ダイ30は、第1ダイ20と協働してシム板40を挟持するように構成される。図5および図6に示すように、第2ダイ30は略平板形状を有し、第2ダイ30における第1ダイ20およびシム板40に対面する内面31は、平坦面である。
【0016】
図7および図8に示すように、シム板40は、連通部42と、複数の流路45,46,47,48とを有する平板である。連通部42は、シム板40の長さ方向Bに延在するとともに、シム板40の厚み方向Aに貫通するように形成された貫通穴である。連通部42は、貯留部25と連通している。そして、第1ダイ20の貯留部25と、シム板40の連通部42とによって、貯留空間15が形成される。
【0017】
複数の流路45,46,47,48のそれぞれは、貯留空間15と吐出口18とをつなぐとともに、貯留空間15に貯留された塗工液Pの入口および出口を有する。複数の流路45,46,47,48は、長さ方向Bに配設されて、隔壁部44によって隔てられている。隔壁部44の表面は、彫刻面41と面一であり、シム板40の厚み方向Aから見て、例えば逆三角形状を有する。
【0018】
シム板40における複数の流路45,46,47,48は、中央流路45、一対の第1流路46,46と、一対の第2流路47,47と、一対の第3流路48,48とを含む。中央流路45、一対の第1流路46,46と、一対の第2流路47,47と、一対の第3流路48,48とは、彫刻面41において所定の深さで彫刻された凹部である。
【0019】
中央流路45は、シム板40の長さ方向Bの中央部に位置する。中央流路45は、入口43aから出口43bに向けて長さ方向Bに交差する(例えば直交する)高さ方向Cに延在する矩形状を有する。
【0020】
一対の第1流路46,46は、隔壁部44を挟んで中央流路45に対して長さ方向Bの外側に位置する外側流路である。一対の第2流路47,47は、隔壁部44を挟んで第1流路46に対して長さ方向Bの外側に位置する外側流路である。一対の第3流路48,48は、隔壁部44を挟んで第2流路47に対して長さ方向Bの外側に位置する外側流路である。
【0021】
図1に示すように、ダイヘッド10は、中央流路45においてシールを有しておらず、常に開状態にある。第1流路46と第2流路47と第3流路48とを含む複数の外側流路は、後述するアクチュエータ50,60,70によって駆動されるシール55,65,75によって開状態または閉状態に切り替えられる。これにより、中央流路45から流出する塗工液Pの吐出幅を最小塗工幅にして、中央流路45に対して長さ方向Bの外側に位置する外側流路のうち中央流路45に最も近くに位置する外側流路から順に(すなわち、第1流路46、第2流路47、第3流路48の順で)開状態にすること、または中央流路45に対して長さ方向Bの外側に位置する外側流路のうち中央流路45から最も離れて位置する外側流路から順に(すなわち、第3流路48、第2流路47、第1流路46の順で)閉状態にすることによって、塗工液Pの吐出幅を変化させることができる。
【0022】
第1流路46は、入口43aから出口43bに向けて高さ方向Cに対して斜めに延在する。すなわち、第1流路46は、その入口43aが中央流路45から遠ざかるとともにその出口43bが中央流路45に近づくように、高さ方向Cに対して傾斜して延在する平行四辺形状を有する。
【0023】
第2流路47は、入口43aから出口43bに向けて高さ方向Cに対して斜めに延在する。第2流路47は、その入口43aが第1流路46から遠ざかるとともにその出口43bが第1流路46に近づくように、高さ方向Cに対して傾斜して延在する平行四辺形状を有する。
【0024】
第3流路48は、入口43aから出口43bに向けて高さ方向Cに対して斜めに延在する。第3流路48は、その入口43aが第2流路47から遠ざかるとともにその出口43bが第2流路47に近づくように、高さ方向Cに対して傾斜して延在する平行四辺形状を有する。
【0025】
このように、第1流路46、第2流路47および第3流路48のそれぞれは、高さ方向Cに対して傾斜して延在する平行四辺形状を有する。中央流路45から遠ざかるに従って、第1流路46、第2流路47および第3流路48の傾斜角度が大きくなる。すなわち、第1流路46の傾斜角度<第2流路47の傾斜角度<第3流路48の傾斜角度である。
【0026】
入口43aの側では、第1流路46、第2流路47および第3流路48のそれぞれが長さ方向Bに離間している。出口43bの側では、第1流路46、第2流路47および第3流路48のそれぞれが近づいて、隣り合う外側流路46,47,48の長さ方向Bの離間距離が短くなっている。これにより、入口43aの側では、シール55,65,75による入口43aに対する十分なシール代を確保できるとともに、出口43bの側では、流路45,46,47,48の離間に関係した縦スジが塗工パターンに発生することを抑制できる。
【0027】
図9では、シール55,65,75を貯留空間15に組み込んだ状態を拡大して、丸で囲んで示している。シール55,65,75は、貯留部25と連通部42とによって形成される貯留空間15の内に位置して、入口43aを閉塞する。シム板40は、シールの当接によって外側流路46,47,48の各入口43aを閉状態にする被シール部43cを有する。被シール部43cは、わずかな高さで貯留部25の底部よりも突出している。これにより、シール55,65,75の底面が被シール部43cに当接することによって、シール55,65,75が入口43aを確実に閉塞できるので、塗工液Pの漏れを防止できる。そして、シール55,65,75は、その側面が第2ダイ30の内面31に当接するように構成される。これにより、塗工液Pが第2ダイ30の内面31の側から漏れることを防止できる。
【0028】
図13から図16に示すように、ダイヘッド10は、複数のシール55,65,75を閉塞位置または開放位置に移動させるための複数のアクチュエータ50,60,70を備える。第1アクチュエータ50は、第1シリンダ51と第1ロッド53とを有し、第1シリンダ51で駆動される第1ロッド53の先端には第1シール55が取り付けられている。第2アクチュエータ60は、第2シリンダ61と第2ロッド63とを有し、第2シリンダ61で駆動される第2ロッド63の先端には第2シール65が取り付けられている。第3アクチュエータ70は、第3シリンダ71と第3ロッド73とを有し、第3シリンダ71で駆動される第3ロッド73の先端には第3シール75が取り付けられている。なお、ロッド53,63,73は、対応するロッド穴24の中に挿入されて、図示しないパッキンによってシールされている。
【0029】
図9において、ロッド53,63,73が高さ方向Cの上方に駆動されると、シール55,65,75が被シール部43cから離れて開放位置に位置する。そして、ロッド53,63,73が高さ方向Cの下方に駆動されると、シール55,65,75が被シール部43cに当接して閉塞位置に位置する。このとき、シール55,65,75における第2ダイ30の側の側面が第2ダイ30の内面31に摺接しながら、シール55,65,75が高さ方向Cに移動する。シール55,65,75の開放位置では、対応する外側流路46,47,48に塗工液Pが供給される。他方、シール55,65,75の閉塞位置では、対応する外側流路46,47,48への塗工液Pの供給が遮断される。
【0030】
図10図16を参照しながら、ダイヘッド10の使用形態を説明する。
【0031】
塗工工程の先だって、図10から図12に示すような塗工前洗浄工程が行われる。図10に示すように、塗工装置1は、基材80を載置するステージ81と、ステージ81を支持する架台82と、ステージ81上に載置された基材80に塗工液Pを吐出するダイヘッド10と、を備える。ステージ81の搬送方向の前方には、プライミングローラ83が設けられている。
【0032】
上述したように、ダイヘッド10は、中央流路45においてシールを有しておらず、常に開状態にある。したがって、図11に示すように、適切な流量の塗工液Pが中央流路45の出口43bから継続的に流出する。しかしながら、シール55,65,75によって各入口43aを閉塞した場合、当該閉塞状態が長時間にわたると、出口43bの近傍に滞留した塗工液Pが乾燥して固化することもある。そこで、図12に示すように、ダイヘッド10は、基材80に塗工液Pを塗布する前の塗工前洗浄工程では、全てのシール55,65,75を開放位置にして、プライミングローラ83に対して塗工液Pを吐出することが行われる。これにより、出口43bの近傍で滞留した塗工液Pによる液詰まりが調整され、塗工液Pの流れが最適化される。このような塗工前洗浄工程に続いて、基材80への塗工工程が行われる。塗工工程が終了すると、次の塗工工程の先だって、さらなる塗工前洗浄工程が行われる。したがって、塗工前洗浄工程と塗工工程とが繰り返し行われる。
【0033】
図13から図16を参照しながら、塗工工程を説明する。
【0034】
図13は、中央流路45を用いる塗工工程を説明する図である。加圧装置4の加圧力の制御により、適切な流量の塗工液Pが中央流路45の出口43bから継続的に流出する。そして、中央流路45の出口43bの開口幅に対応した長さ方向Bの塗工幅を有する塗工パターンが基材80に形成される。
【0035】
図14は、一対の第1流路46,46をさらに用いる塗工工程を説明する図である。第1アクチュエータ50を用いて第1流路46に対する第1シール55を開放位置にすることにより、中央流路45と一対の第1流路46,46とにおける各出口43bから塗工液Pが流出する。そして、中央流路45と一対の第1流路46,46とにおける各出口43bの開口幅を足し合わせたトータル開口幅に対応した長さ方向Bの塗工幅を有する塗工パターンが基材80に形成される。
【0036】
図15は、一対の第2流路47,47をさらに用いる塗工工程を説明する図である。第2アクチュエータ60を用いて第2流路47に対する第2シール65をさらに開放位置にすることにより、中央流路45と一対の第1流路46,46と一対の第2流路47,47とにおける各出口43bから塗工液Pが流出する。そして、中央流路45と一対の第1流路46,46と一対の第2流路47,47とにおける各出口43bの開口幅を足し合わせたトータル開口幅に対応した長さ方向Bの塗工幅を有する塗工パターンが基材80に形成される。
【0037】
図16は、一対の第3流路48,48をさらに用いる塗工工程を説明する図である。第3アクチュエータ70で第3流路48に対する第3シール75をさらに開放位置にすることにより、中央流路45と一対の第1流路46,46と一対の第2流路47,47と一対の第3流路48,48とにおける各出口43bら塗工液Pが流出する。そして、中央流路45と一対の第1流路46,46と一対の第2流路47,47と一対の第3流路48,48とにおける各出口43bの開口幅を足し合わせたトータル開口幅に対応した長さ方向Bの塗工幅を有する塗工パターンが基材80に形成される。
【0038】
アクチュエータで駆動される複数のシール55,65,75が複数の外側流路46,47,48の入口43aを開閉することによって、吐出口18の開口幅、すなわち塗工幅を所望のものに容易に変更できる。これにより、塗工幅は、中央流路45だけを用いた最小塗工幅から、流路45,46を用いた塗工幅、流路45,46,47を用いた塗工幅、および、全ての流路45,46,47,48を用いた最大塗工幅まで変化させることができる。
【0039】
〔実施の形態2〕
図17を参照しながら、実施の形態2に係るダイヘッド10を説明する。
【0040】
図17に示すように、シム板40は、隣に位置する2つの流路45,46:46,47:47,48において、一方の流路の出口43bと他方の流路の出口43bとが合流する合流部49をさらに有することを特徴とする。上述した実施の形態1に係るダイヘッド10との相違点を中心に説明する。
【0041】
シム板40において、例えば、第1流路46の出口43bと、第1流路46の隣に位置する第2流路47の出口43bとは、隔壁部44で仕切られているが、隔壁部44は、高さ方向Cにおいて、シム板40の下端の手前まで延在する。言い換えると、隔壁部44は、シム板40の下端に至る手前で、合流高さTを残して終端している。隔壁部44の終端部とシム板40の下端との間の領域は、合流部49として働く。第1流路46から供給される塗工液Pと第2流路47から供給される塗工液Pとは、合流部49において事前に合流できる。これにより、事前に合流した塗工液Pが吐出口18から吐出されるので、縦スジが塗工パターンに発生することを防止できる。なお、合流部49は、隔壁部44における出口43bの側に設けられるので、中央流路45と第1流路46との間、および、第2流路47と第3流路48との間にも設けられる。
【0042】
〔実施の形態3〕
図18を参照しながら、実施の形態3に係るダイヘッド10を説明する。
【0043】
図18に示すように、アクチュエータ50,60,70は、ロッド53,63,73と、ロッド53,63,73を駆動する駆動部51,61,71との間で分離可能に構成されることを特徴とする。上述した実施の形態1に係るダイヘッド10との相違点を中心に説明する。
【0044】
ダイヘッド10は、例えばボルト止めによって、ダイホルダー12に対して取り付けられる。図18に示すように、ダイホルダー12は、長さ方向Bおよび高さ方向Cに延在する板形状を有する。図19に示すように、ダイホルダー12は、厚み方向Aに延在するステー14を有する。アクチュエータ50,60,70の一部(駆動部)は、ステー14の側に配設される。アクチュエータ50,60,70の残部(被駆動部)は、ダイヘッド10の側に配設される。
【0045】
第1アクチュエータ50は、第1シリンダ51と第1ピストンロッド52と第1ロッド53とを有する。駆動部として働く第1シリンダ51および第1ピストンロッド52は、ステー14の側に配設される。被駆動部として働く第1ロッド53は、ダイヘッド10の側に配設される。第1ピストンロッド52と第1ロッド53とは、分離して構成されている。第1ロッド53の一端には、第1シール55が取り付けられ、第1ロッド53の他端には、第1上ストッパー56(図19に図示)が配設され、貫通穴を有する第1台座57(図19に図示)が第1ダイ20の上面に固定されている。第1上ストッパー56と第1台座57との間で挟持された第1バネ54は、第1シール55を開放位置に向けて付勢し、第1下ストッパー58は第1ロッド53の上方移動量を規制している。第1ピストンロッド52が第1上ストッパー56を介して第1ロッド53を押圧することによって、第1シール55が閉塞位置に移動して、第1流路46の入口43aを閉塞する。第1ピストンロッド52による第1ロッド53の押圧を止めることによって、第1シール55が開放位置に移動して、第1流路46の入口43aが開放される。
【0046】
第2アクチュエータ60は、第2シリンダ61と第2ピストンロッド62と第2ロッド63とを有する。駆動部として働く第2シリンダ61および第2ピストンロッド62は、ステー14の側に配設される。被駆動部として働く第2ロッド63は、ダイヘッド10の側に配設される。第2ピストンロッド62と第2ロッド63とは、分離して構成されている。第2ロッド63の一端には、第2シール65が取り付けられ、第2ロッド63の他端には、第2上ストッパー66(図19に図示)が配設され、貫通穴を有する第2台座67(図19に図示)が第1ダイ20の上面に固定されている。第2上ストッパー66と第2台座67との間で挟持された第2バネ64は、第2シール65を開放位置に向けて付勢して、第2下ストッパー68は第2ロッド63の上方移動量を規制している。第2ピストンロッド62が第2上ストッパー66を介して第2ロッド63を押圧することによって、第2シール65が閉塞位置に移動して、第2流路47の入口43aを閉塞する。第2ピストンロッド62による第2ロッド63の押圧を止めることによって、第2シール65が開放位置に移動して、第2流路47の入口43aが開放される。
【0047】
第3アクチュエータ70は、第3シリンダ71と第3ピストンロッド72と第3ロッド73とを有する。駆動部として働く第3シリンダ71および第3ピストンロッド72は、ステー14の側に配設される。被駆動部として働く第3ロッド73は、ダイヘッド10の側に配設される。第3ピストンロッド72と第3ロッド73とは、分離して構成されている。第3ロッド73の一端には、第3シール75が取り付けられ、第3ロッド73の他端には、第3上ストッパー76(図19に図示)が配設され、貫通穴を有する第3台座77(図19に図示)が第1ダイ20の上面に固定されている。第3上ストッパー76と第3台座77との間で挟持された第3バネ74は、第3シール75を開放位置に向けて付勢して、第3下ストッパー78は第3ロッド73の上方移動量を規制している。第3ピストンロッド72が第3上ストッパー76を介して第3ロッド73を押圧することによって、第3シール75が閉塞位置に移動して、第3流路48の入口43aを閉塞する。第3ピストンロッド72による第3ロッド73の押圧を止めることによって、第3シール75が開放位置に移動して、第3流路48の入口43aが開放される。
【0048】
そして、例えば、ダイヘッド10をダイホルダー12に固定しているボルトを緩めることによって、ダイヘッド10をダイホルダー12から取り外すことができる。このとき、アクチュエータ50,60,70は、ロッド53,63,73と、ロッド53,63,73を駆動する駆動部51,61,71との間で容易に分離できる。
【0049】
したがって、ダイヘッド10のアクチュエータ50,60,70において、シリンダ51,61,71のピストンロッド52,62,72とロッド53,63,73とが、分離可能に構成されることによって、ダイヘッド10の分解・組立およびシム板40の交換に係る作業が容易になる。
【0050】
〔実施の形態4〕
図20を参照しながら、実施の形態4に係るダイヘッド10を説明する。
【0051】
図20に示すように、大きな圧力損失を有する流路においては、その流路長が短くなるように構成されることを特徴とする。上述した実施の形態1に係るダイヘッド10との相違点を中心に説明する。
【0052】
図20において、中央流路45、第1流路46および第2流路47の順で、入口43aの長さ方向Bにおける開口幅が広くなっている。流路長が長いと、圧力損失によって塗工液Pが流れにくくなる。同じタイミングで第1シール55および第2シール65を開放位置にしても、圧力損失の大きい流路ほど塗工液Pの流速が遅くなるため、中央流路45、第1流路46および第2流路47の間で、塗工液Pの吐出にタイムラグが生じる。そこで、圧力損失の大きい流路ほど、流路長ができるだけ短くなるように構成され、図20においては、第2流路47、第1流路46および中央流路45の順で各流路の高さが低く構成されている。言い換えると、中央流路45の流路長lと第1流路46の流路長mと第2流路47の流路長nとが等しくなるように構成されている。これにより、中央流路45、第1流路46および第2流路47の間で、塗工液Pの吐出にタイムラグが生じることを抑制できる。
【0053】
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
【0054】
この発明を限定するものではないが、実施の形態2における合流部49の合流高さTは、例えば、0mmよりも大きく、5mm以下である。
【0055】
図18に示すように、分散突起27が、流路45,46,47,48の各出口43bの近傍に配設される態様であってもよい。これにより、出口43bの近傍での塗工液Pが分散して流れることによって、縦スジが塗工パターンに発生することを防止できる。
【0056】
図19に示すように、台座57,67,77の貫通穴を僅かに傾斜させ、ロッド53,63,73は、アクチュエータ50,60,70の側が第2ダイ30から遠ざかるとともにシール55,65,75の側が第2ダイ30に近づくように、長さ方向Bに交差する(例えば直交する)厚み方向Aに対して傾斜して延在する態様であってもよい。これにより、シール55,65,75が開閉動作を行うときに、第2ダイ30の内面31との摺接によってシール55,65,75が摩耗することを抑制できる。また、シール55,65,75を斜め方向に押圧させる力が作用することにより、シール55,65,75が第2ダイ30の内面31と被シール部43cとの両方に押し付けられるシール構造を形成できる。
【0057】
この発明および実施形態をまとめると、次のようになる。
【0058】
本実施の形態に係るダイヘッド10は、
スリット状の吐出口18から塗工液Pを吐出するダイヘッド10であって、
塗工液Pを貯留する貯留部25を有する第1ダイ20と、
貯留部25と吐出口18とをつなぐとともに入口43aおよび出口43bを有する流路45,46,47,48が、長さ方向Bに複数設けられたシム板40と、
第1ダイ20に対向配置されて、第1ダイ20と協働してシム板40を挟持する第2ダイ30と、
流路45,46,47,48の入口43aを閉塞するシール55,65,75と、
シール55,65,75を閉塞位置または開放位置に移動させるアクチュエータ50,60,70と、を備え、
アクチュエータ50,60,70を用いて流路46,47,48の開状態または閉状態を切り替えることによって、吐出口18から吐出される塗工液Pの吐出幅を変化させる。
【0059】
これにより、アクチュエータ50,60,70で駆動されるシール55,65,75が複数の流路46,47,48の入口43aを開状態または閉状態にすることによって、塗工液Pの吐出幅(塗工パターンの塗工幅)を容易に変更できる。
【0060】
本実施の形態のように、シム板40は、入口43aから出口43bに向けて長さ方向Bに交差する高さ方向Cに延在する中央流路45と、中央流路45に対して長さ方向Bの外側に位置する外側流路46,47,48と、を有し、中央流路45は常に開状態であるとともに、外側流路46,47,48は、中央流路45に対して長さ方向Bの外側に位置する外側流路のうち中央流路45に最も近くに位置する外側流路46,47,48から順に開状態にするか、または中央流路45に対して長さ方向Bの外側に位置する外側流路のうち中央流路45から最も離れて位置する外側流路46,47,48から順に閉状態にしてもよい。
【0061】
これにより、中央流路45から流出する塗工液Pの吐出幅を最小塗工幅にして、中央流路45に対して長さ方向Bの外側に位置する外側流路のうち中央流路45に最も近くに位置する外側流路46,47,48から順に開状態にするかまた中央流路45に対して長さ方向Bの外側に位置する外側流路のうち中央流路45から最も離れて位置する外側流路48,47,46から順に閉状態にすることによって、塗工液Pの吐出幅を変化させることができる。
【0062】
外側流路46,47,48の入口43aの側が中央流路45から遠ざかるとともに外側流路46,47,48の出口43bの側が中央流路45に近づくように、外側流路46,47,48は高さ方向Cに対して傾斜して延在してもよい。
【0063】
これにより、入口43aの側では、シール55,65,75による入口43aに対する十分なシール代を確保できるとともに、出口43bの側では、流路45,46,47,48の離間に関係した縦スジが塗工パターンに発生することを抑制できる。
【0064】
本実施の形態のように、シム板40は、隣に位置する2つの流路における一方の流路の出口43bと、他方の流路の出口43bとが合流する合流部49をさらに有してもよい。
【0065】
これにより、事前に合流した塗工液Pが吐出口18から吐出されるので、縦スジが塗工パターンに発生することをさらに防止できる。
【0066】
本実施の形態のように、シム板40は、シール55,65,75の当接によって外側流路46,47,48の入口43aを閉状態にする被シール部43cをさらに有し、被シール部43cは貯留部25の底部よりも突出していてもよい。
【0067】
これにより、シール55,65,75の底面が被シール部43cに当接するので、シール55,65,75が入口43aを確実に閉塞して塗工液Pの漏れを防止できる。
【0068】
本実施の形態のように、アクチュエータ50,60,70は、シール55,65,75に接続されるロッド53,63,73と、ロッド53,63,73を駆動する駆動部51,61,71と、を有し、ロッド53,63,73は、アクチュエータ50,60,70の側が第2ダイ30から遠ざかるとともにシール55,65,75の側が第2ダイ30に近づくように、長さ方向Bに交差する厚み方向Aに対して傾斜して延在してもよい。
【0069】
これにより、シール55,65,75が開閉動作を行うときに、第2ダイ30の内面31との摺接によってシール55,65,75が摩耗することを抑制でき、シール55,65,75が第2ダイ30の内面31と被シール部43cとの両方に押し付けられるシール構造を形成できる。
【0070】
本実施の形態のように、ロッド53,63,73と駆動部51,61,71とは、分離可能に構成されてもよい。
【0071】
これにより、ダイヘッド10の分解・組立およびシム板40の交換に係る作業が容易になる。
【0072】
別の局面では、塗工装置1は、上記実施の形態のいずれか1つのダイヘッド10を備える。
【0073】
これにより、アクチュエータ50,60,70で駆動される複数のシール55,65,75が複数の流路46,47,48の入口43aを開閉することによって、吐出口18の吐出幅を所望とする吐出幅に容易に変更できる。
【符号の説明】
【0074】
1…塗工装置
3…塗工液供給装置
4…加圧装置
5…駆動装置
6…配管
7…液供給弁
8…液補充弁
10…ダイヘッド
12…ダイホルダー
14…ステー
15…貯留空間
18…吐出口
20…第1ダイ
22…供給路
24…ロッド穴
25…貯留部
27…分散突起
30…第2ダイ
31…内面
40…シム板
41…彫刻面
42…連通部
43a…入口
43b…出口
43c…被シール部
44…隔壁部
45…中央流路(流路)
46…第1流路(外側流路、流路)
47…第2流路(外側流路、流路)
48…第3流路(外側流路、流路)
49…合流部
50…第1アクチュエータ(アクチュエータ)
51…第1シリンダ(駆動部)
52…第1ピストンロッド(ピストンロッド、駆動部)
53…第1ロッド(ロッド、被駆動部)
54…第1バネ
55…第1シール(シール)
56…第1上ストッパー
57…第1台座
58…第1下ストッパー
60…第2アクチュエータ(アクチュエータ)
61…第2シリンダ(駆動部)
62…第2ピストンロッド(ピストンロッド、駆動部)
63…第2ロッド(ロッド、被駆動部)
64…第2バネ
65…第2シール(シール)
66…第2上ストッパー
67…第2台座
68…第2下ストッパー
70…第3アクチュエータ(アクチュエータ)
71…第3シリンダ(駆動部)
72…第3ピストンロッド(ピストンロッド、駆動部)
73…第3ロッド(ロッド、被駆動部)
74…第3バネ
75…第3シール(シール)
76…第3上ストッパー
77…第3台座
78…第3下ストッパー
80…基材
81…ステージ
82…架台
83…プライミングローラ
A…厚み方向
B…長さ方向
C…高さ方向
P…塗工液
T…合流高さ
l…中央流路の流路長
m…第1流路の流路長
n…第2流路の流路長
【要約】
【課題】吐出口の吐出幅を所望とする吐出幅に容易に変更できるダイヘッドおよび塗工装置を提供する。
【解決手段】スリット状の吐出口18から塗工液Pを吐出するダイヘッド10であって、 塗工液を貯留する貯留部25を有する第1ダイ20と、貯留部と吐出口とをつなぐとともに入口43aおよび出口43bを有する流路45,46,47,48が、長さ方向Bに複数設けられたシム板40と、第1ダイに対向配置されて、第1ダイと協働してシム板を挟持する第2ダイ30と、流路の入口を閉塞するシール55,65,75と、シールを閉塞位置または開放位置に移動させるアクチュエータ50,60,70と、を備え、アクチュエータを用いて流路の開状態または閉状態を切り替えることによって、吐出口から吐出される塗工液の吐出幅を変化させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20