(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】コンダクションデバイス及び記憶装置
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20240729BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
H01R13/52 302Z
G06K19/077 164
(21)【出願番号】P 2023199410
(22)【出願日】2023-11-24
【審査請求日】2023-12-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】393010318
【氏名又は名称】エレコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 健登
(72)【発明者】
【氏名】窪田 義洋
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-066289(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0160803(US,A1)
【文献】中国実用新案第207818981(CN,U)
【文献】米国特許第08292640(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0042433(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0171846(US,A1)
【文献】特開2022-087953(JP,A)
【文献】登録実用新案第3124842(JP,U)
【文献】実開昭58-178940(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40-13/533
G06K 19/00-19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケース内に収納されたコネクタと、
前記ケースに設けられた開口と、
前記開口を開放する開放状態と前記開口を閉鎖する閉鎖状態とに切替可能なシャッタと、
スライド操作されることで前記コネクタを動作させる操作部と、を備え、
前記コネクタが前記ケース内に収納された状態で前記操作部が操作されることにより、前記シャッタが前記閉鎖状態から前記開放状態に切替り、前記コネクタが前記開口を介して前記ケースから突出し、
前記コネクタが前記ケースから突出した状態で前記操作部が操作されることにより、前記コネクタが前記開口を介して前記ケース内に後退して、前記シャッタが前記開放状態から前記閉鎖状態に切替り、
前記ケースが、第1側壁と、前記第1側壁に対向する第2側壁と、前記第1側壁及び前記第2側壁に隣接する第3側壁と、前記第1側壁及び前記第2側壁に隣接し且つ前記第3側壁に対向する第4側壁とを有し、
前記第1側壁の長手方向に沿って前記操作部をガイドするガイド穴部が形成され、
前記第3側壁の内面に沿って前記ガイド穴部に対向する内壁が形成され、
前記第2側壁と前記内壁とにより前記コネクタが収納されるコネクタ収納空間が区画され、
前記内壁と前記第4側壁との間に隙間が設けられ、
前記ガイド穴部及び前記隙間を介して、前記操作部が前記第1側壁の外側と前記コネクタ収納空間とに亘って設けられているコンダクションデバイス。
【請求項2】
前記操作部に、前記内壁が入り込む溝部が形成され、前記操作部が前記内壁に沿ってスライド移動する請求項
1に記載のコンダクションデバイス。
【請求項3】
前記操作部が、
前記第1側壁の外側において人為操作される人為操作部と、
前記コネクタ収納空間において前記コネクタに接続され、前記人為操作部に対する操作に伴って前記コネクタを動作させるコネクタ操作部と、を有する請求項
1に記載のコンダクションデバイス。
【請求項4】
前記第3側壁の内面における前記コネクタ収納空間に位置する部分の長手方向に沿ってリブが形成され、前記第4側壁の内面における前記コネクタ収納空間に位置する部分の長手方向に沿ってリブが形成され、
前記コネクタ操作部が前記リブに沿ってスライド移動する請求項
3に記載のコンダクションデバイス。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか1項に記載のコンダクションデバイスと、記憶部と、を備え、
前記コンダクションデバイスを介して、前記記憶部への情報の記憶及び前記記憶部に記憶された情報の出力を行う記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機器に接続することで外部機器と電気的接続が可能なコンダクションデバイス及び当該コンダクションデバイスを備えた記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンダクションデバイスとして、特許文献1に記載されているように、コンダクションデバイスを備えたUSBメモリがある。このようなUSBメモリとして、コネクタをUSBメモリ本体に収納可能なものがある(
図8参照)。
【0003】
また、従来のコンダクションデバイスを備えたUSBメモリとして、特許文献2に記載されているように、コネクタを覆い、取り外し可能なキャップを備えるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-072613号公報
【文献】特開2009-146318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されているようなUSBメモリでは、コネクタが格納されている状態であっても、コネクタが挿通する開口(特許文献1では「開口部」)によって、コネクタが露出している状態であった。
【0006】
このようなコンダクションデバイスでは、コネクタを塵埃等から保護することができないだけでなく、常にコネクタが開口から露出していることから、使用者によっては不快に感じることがあった。
【0007】
また、特許文献2に記載されているようなUSBメモリでは、キャップによってコネクタが覆われているが、使用時にはキャップを外すため、キャップを紛失してしまう恐れがあった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、キャップ等の部品の紛失を回避することができ、かつ、使用しないときはコネクタを粉塵等から保護することを可能とするコンダクションデバイスと当該コンダクションデバイスを備えた記憶装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のコンダクションデバイスは、ケースと、前記ケース内に収納されたコネクタと、前記ケースに設けられた開口と、前記開口を開放する開放状態と前記開口を閉鎖する閉鎖状態とに切替可能なシャッタと、スライド操作されることで前記コネクタを動作させる操作部と、を備え、前記コネクタが前記ケース内に収納された状態で前記操作部が操作されることにより、前記シャッタが前記閉鎖状態から前記開放状態に切替り、前記コネクタが前記開口を介して前記ケースから突出し、前記コネクタが前記ケースから突出した状態で前記操作部が操作されることにより、前記コネクタが前記開口を介して前記ケース内に後退して、前記シャッタが前記開放状態から前記閉鎖状態に切替り、前記ケースが、第1側壁と、前記第1側壁に対向する第2側壁と、前記第1側壁及び前記第2側壁に隣接する第3側壁と、前記第1側壁及び前記第2側壁に隣接し且つ前記第3側壁に対向する第4側壁とを有し、前記第1側壁の長手方向に沿って前記操作部をガイドするガイド穴部が形成され、前記第3側壁の内面に沿って前記ガイド穴部に対向する内壁が形成され、前記第2側壁と前記内壁とにより前記コネクタが収納されるコネクタ収納空間が区画され、前記内壁と前記第4側壁との間に隙間が設けられ、前記ガイド穴部及び前記隙間を介して、前記操作部が前記第1側壁の外側と前記コネクタ収納空間とに亘って設けられている。
【0010】
この発明によれば、コネクタが開口を介して突出している使用状態では、シャッタは開口を開放する開放状態となり、コネクタがケース内に後退している収納状態では、シャッタは開口を閉鎖する閉鎖状態となる。したがって、収納状態つまり使用しないときは、コネクタは露出せず、シャッタやケースに覆われている状態となる。その結果、コネクタを粉塵等から保護することが可能となる。
また、この発明によれば、ガイド穴部とコネクタ収納空間との間に内壁が配置される構成となる。その結果、ガイド穴部から塵埃等が入り込んだとしても、内壁によりコネクタ収納空間へ塵埃等が入り込むことを防ぐことが可能となる。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
本発明においては、前記操作部に、前記内壁が入り込む溝部が形成され、前記操作部が前記内壁に沿ってスライド移動すると好適である。
【0019】
この構成によれば、操作部は、内壁にガイドされた状態でスライド移動することから、操作部のスムーズなスライド移動が可能となる。
【0020】
本発明においては、前記操作部が、前記第1側壁の外側において人為操作される人為操作部と、前記コネクタ収納空間において前記コネクタに接続され、前記人為操作部に対する操作に伴って前記コネクタを動作させるコネクタ操作部と、を有すると好適である。
【0021】
この構成によれば、第1側壁の外側で人為操作部がされると、コネクタは、コネクタ収納空間に位置するコネクタ操作部を介して人為操作される構成となる。つまり、人為操作される部位とは異なる区画に位置するコネクタ操作部によって、コネクタを動作させる構成となる。その結果、使用者の指等でコネクタを直接スライド操作する必要がないことから、コネクタが指等との接触により汚れてしまうことを軽減することが可能となる。
【0022】
本発明においては、前記第3側壁の内面における前記コネクタ収納空間に位置する部分の長手方向に沿ってリブが形成され、前記第4側壁の内面における前記コネクタ収納空間に位置する部分の長手方向に沿ってリブが形成され、前記コネクタ操作部が前記リブに沿ってスライド移動すると好適である。
【0023】
この構成によれば、コネクタ操作部がリブに接した状態で、スライド移動する構成となる。リブが無い場合と比べ、コネクタ操作部に接する面積が少なくなり、摩擦が軽減されることから、コネクタ操作部及びコネクタをスムーズにスライド移動させることが可能となる。
【0024】
本発明の記憶装置は、上記発明のコンダクションデバイスと、記憶部と、を備え、前記コンダクションデバイスを介して、前記記憶部への情報の記憶及び前記記憶部に記憶された情報の出力を行う。
【0025】
この発明によれば、上述の効果を有するコンダクションデバイスと、記憶部と、を備えた、例えばUSBメモリのような記憶装置を構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図2】USBメモリのケースの内部の構造を示す厚み方向視図である。
【
図3】USBメモリのケースの内部の構造を示す斜視図である。
【
図5】収納状態から使用状態への切替操作時のシャッタ機構の動作を示す図である。
【
図6】使用状態から収納状態への切替操作時のシャッタ機構の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
〔USBメモリの全体構成〕
以下では、外部機器に接続することで外部機器と電気的接続が可能なコンダクションデバイスを備えた記憶装置の一例であるUSBメモリについて説明する。
図1に示すように、USBメモリは、所定の厚さを有する直方体形状で形成されている。なお、以下の説明においては、特に断りがない限り、図中の矢印Lの方向を「長手方向」、矢印Wの方向を「幅方向」及び「短手方向」、矢印Tの方向を「厚み方向」とする。また、長手方向のうち矢印Fの方向を「前」及び「前側」、長手方向のうち矢印Bの方向を「後」及び「後側」とする。
【0028】
図1に示すように、USBメモリは、本体部1と、本体部1を覆うケース2と、を備える。
【0029】
図2に示すように、本体部1は、データを記憶可能な記憶部11と、外部機器(図示せず)に接続されるコネクタ12と、を備える。ここで、外部機器とは、USB接続用ポートを有するパーソナルコンピュータやタブレット等である。記憶部11と外部機器とは、コネクタ12を介して電気的に接続される。
【0030】
記憶部11は、半導体チップ等から構成されており、外部機器からコネクタ12を介して、外部機器から記憶部11への情報の記憶、及び、記憶部11に記憶された情報を外部機器へ出力を行う。
【0031】
図1及び
図2に示すように、ケース2は、幅方向で対向する第1側壁SW1及び第2側壁SW2と、厚み方向で対向し、それぞれ、第1側壁SW1及び第2側壁SW2に隣接する第3側壁SW3及び第4側壁SW4と、を有する直方体形状に形成されている。ケース2には、長手方向のうち一方側(前側)に、コネクタ12が出入り可能な開口20が形成されている。また、ケース2には、長手方向のうち他方側(後側)に、後壁BWが形成されている。
【0032】
ケース2は、厚み方向の一方側を構成する第1部材2Aと、厚み方向の他方側を構成する第2部材2Bと、から構成されている。第3側壁SW3は、ケース2のうち第1部材2A側に構成され、第4側壁SW4は、第2部材2B側に構成されている。第1側壁SW1及び第2側壁SW2は、それぞれ、第1部材2Aの側壁と第2部材2Bの側壁とによって構成されている。
【0033】
USBメモリは、コネクタ12が開口20を介してケース2から突出し、コネクタ12を外部機器に差し込み可能な使用状態と、コネクタ12がケース2内に収納される収納状態とに、人為操作で切替可能に構成されている。USBメモリは、本体部1をスライド移動することで、使用状態と収納状態とに切替ることができる。
【0034】
〔スライドガイド機構について〕
USBメモリは、本体部1(コネクタ12)を、ケース2に対して相対的なスライド移動をガイドするスライドガイド機構を備える。
【0035】
図2に示すように、ケース2は、スライドガイド機構として、本体部1を収納状態及び使用状態にスライド動作をガイドする第1内壁21(本発明の「内壁」に相当)と第2内壁22とを備える。
【0036】
図3及び
図4に示すように、第1内壁21は、本体部1の第1側壁SW1側の側面に接するように、かつ、第3側壁SW3の内面に沿って延びるように設けられている。第1内壁21は、第1部材2Aと一体的に形成されており、ケース2の第1側壁SW1の内面から第4側壁SW4に向けて延びるように形成されている。第1内壁21と第4側壁SW4との間には、隙間Gが形成されている。本実施形態では、第2側壁SW2と第1内壁21とにより、コネクタ12が収納されるコネクタ収納空間Sが区画されている。
【0037】
図2及び
図4に示すように、第2内壁22は、本体部1の第2側壁SW2側の側面に接するように、かつ、第2側壁SW2の内面に沿って延びるように設けられている。第2内壁22は、ケース2の第1側壁SW1から第4側壁SW4に亘って形成されている。つまり、第1部材2Aと第2部材2Bとによって構成されている。
【0038】
また、スライドガイド機構として、ケース2の第3側壁SW3の内面におけるコネクタ収納空間Sに位置する部分に、長手方向に沿って延びる3つのリブ23が形成されている。第3側壁SW3の内面に形成されたリブ23は、ケース2の第1部材2Aと一体に形成されている。同様に、ケース2の第4側壁SW4の内面におけるコネクタ収納空間Sに位置する部分に、長手方向に沿って延びる3つのリブ23が形成されている。第4側壁SW4の内面に形成されたリブ23は、ケース2の第2部材2Bと一体に形成されている。
【0039】
さらに、スライドガイド機構として、後述する操作部3の基礎部31のうち、第3側壁SW3に対向する面、及び、ケース2の第4側壁SW4に対向する面に、それぞれ、2つ突起部34が形成されている。これらの突起部34は、幅方向において、第3側壁SW3の内面及び第4側壁SW4の内面に形成されたリブ23の間に位置するように配置されている。
【0040】
上述の構成により、スライドガイド機構によって、本体部1(コネクタ12)は、第1内壁21と第2内壁22とにガイドされた状態で、リブ23に沿ってスライド移動するように構成されている。
【0041】
〔操作部について〕
図2及び
図3に示すように、USBメモリは、人為操作にて本体部1(コネクタ12)をスライド操作するための操作部3を備える。
【0042】
操作部3は、本体部1の後壁BW側の方向(後方)に、本体部1と隣り合うように、コネクタ収納空間Sに配置された基礎部31と、基礎部31とは別体で構成され、ケース2の第1側壁SW1の外側において人為操作される人為操作部32とを備える。基礎部31は、基礎部31と一体に構成され、人為操作部32に付勢力を与える付勢部33を備える。基礎部31及び付勢部33は、可撓性および弾性を有する樹脂等によって構成されている。
【0043】
図1から
図4に示すように、ケース2の第1側壁SW1には、長手方向に沿って延びる長穴であるガイド穴部24が形成されている。ガイド穴部24は、第1部材2Aと第2部材2Bとの第1側壁SW1を構成するそれぞれの側壁の縁に形成されており、第1部材2Aと第2部材2Bとが組み合わさることで、長穴形状のガイド穴部24が構成される。
【0044】
人為操作部32の横外側部分は、ガイド穴部24を介して、ケース2の外側に位置するように配置されている。人為操作部32は、ガイド穴部24によって第1側壁SW1の長手方向に沿ってガイドされ、第1内壁21に沿ってスライド移動するように構成されている。
【0045】
図3及び
図4に示すように、操作部3の基礎部31及び人為操作部32に、第1内壁21が入り込む溝部Dが形成されている。溝部Dに第1内壁21が入り込むことで、操作部3は、隙間Gを介して第1内壁21を跨ぐように配置される構成となる。この構成により、操作部3は、ガイド穴部24及び隙間Gを介して、第1側壁SW1の外側とコネクタ収納空間Sとに亘って設けられている。第1内壁21は、ガイド穴部24に対向するように形成されている。操作部3は、第1内壁21を跨いだ状態で第1内壁21に沿ってスライド移動する。
【0046】
本実施形態では、基礎部31の前側端部に、本体部1が接続されている。ここで、基礎部31は、人為操作部32が、長手方向に沿って操作されると、人為操作部32とともに長手方向に動作する。したがって、基礎部31に接続されている本体部1は、人為操作部32が、長手方向に沿って操作されると、基礎部31とともに長手方向に動作される。
【0047】
上述の構成により、操作部3は、ケース2の側面(第1側壁SW1)に沿ってスライド操作可能に構成されている。本実施形態では、基礎部31は、人為操作部32に対する操作に伴って、コネクタ収納空間Sにおいてコネクタ12を動作させるコネクタ操作部として機能する。これらの構成によって、USBメモリは、操作部3が開口20側にスライド操作されることにより、コネクタ12がケース2から突出する使用状態に切替操作され、操作部3が開口20とは反対側にスライド操作されることにより、コネクタ12がケース2内に後退する収納状態に切替操作される。
【0048】
〔ロック機構について〕
USBメモリは、意図せず本体部1がスライド移動してしまうことを防ぐことを可能にするロック機構を備える。
【0049】
図3に示すように、基礎部31のうちの人為操作部32の前方(開口20側)の面に接する面には、幅方向に延びるレール31aが形成されている。レール31aは、人為操作部32に形成された溝32aに嵌り込み、人為操作部32は、レール31aが延びる方向に沿った幅方向に移動可能に構成されている。
【0050】
付勢部33は、基礎部31の後壁BW側(後側)に位置する壁から開口20側(前方)に向かって延びる板状に形成されている。付勢部33の前端部分は、人為操作部32に当接している。人為操作部32が第2側壁SW2側に向けて押し操作されると、付勢部33が第2側壁SW2側に向けて押され、可撓性及び弾性によって撓む。撓んだ付勢部33が元の形に戻ろうとする力によって、人為操作部32に対し第1側壁SW1側に向けて付勢力が生ずる。
【0051】
上述の構成により、使用者が、指等で、付勢部33の付勢力に抗して人為操作部32を押し操作すると、人為操作部32は、第2側壁SW2側に向けて移動し、使用者が、人為操作部32から指等を離すと、付勢部33の付勢力により、元の位置に戻る。
【0052】
図2から
図4に示すように、人為操作部32には、厚み方向及び幅方向に突出して形成された凸部35が形成されている。また、ケース2の第1側壁SW1の内面に、凸部35が嵌り込み可能に形成された複数の凹部25が形成されている。
【0053】
複数の凹部25は、使用状態のときに凸部35が位置する箇所に対応した位置と、収納状態のときに凸部35が位置する箇所に対応した位置と、に形成されている。
【0054】
人為操作部32が押し操作されることで、凸部35は、凹部25から離れる方向に移動し、凹部25から離脱する。使用状態又は収納状態の位置において、人為操作部32が、付勢部33の付勢力により凹部25に向かって移動し、凹部25に嵌り込む。この構成により、本体部1は、使用状態又は収納状態において位置固定される。その結果、意図せず本体部1がスライド移動してしまうことを防ぐことが可能となる。本実施形態では、ロック機構は、人為操作部32と付勢部33と凸部35とを有する操作部3及び凹部25により構成される。
【0055】
〔シャッタ機構について〕
USBメモリは、開口20を開放する開放状態と、開口20を閉鎖する閉鎖状態とに切替可能なシャッタ機構を備える。
【0056】
図1から
図3に示すように、USBメモリは、シャッタ機構を構成するシャッタ部材40を備える。シャッタ部材40は、板状部材で構成され、当該板状部材は可撓性および弾性を有する樹脂等によって構成されている。
【0057】
図2及び
図3に示すように、ケース2の内側のうちの開口20と反対側部分には、第2内壁22と連結して構成された内側後内壁26と、内側後内壁26よりも外側に位置する外側後内壁27とが形成されている。シャッタ機構として、内側後内壁26と外側後内壁27との間に構成され、シャッタ部材40が配置可能な旋回路CRが備えられている。旋回路CRは、U字形状に形成されている。
【0058】
さらに、シャッタ機構として、ケース2の第2側壁SW2と第2内壁22との間に構成され、シャッタ部材40が配置可能な直線路SRが備えられている。直線路SRは、旋回路CRに接続されている。
【0059】
シャッタ部材40は、開口20を開放状態と閉鎖状態とに切替えるシャッタ部41(本発明の「シャッタ」に相当)と、シャッタ部41と操作部3とを連結する連結部42とを備える。
【0060】
連結部42は、シャッタ部41から第2側壁SW2の内面に沿って延びる。さらに、連結部42の操作部3側の端部が、第1側壁SW1側において、操作部3の基礎部31の開口20側とは反対側に連結されている。シャッタ部材40のうちの連結部42は、旋回路CRと直線路SRとを通るように配置されている。
【0061】
〔収納状態から使用状態への切替操作時のシャッタ機構の動作について〕
図5に示すように、USBメモリが、収納状態から使用状態に切替操作されるとき、操作部3は、
図5において矢印で示すように開口20側に操作される。このとき、連結部42のうちの操作部3に連結されている側の部分は、操作部3により開口20側に向けて引き操作される。ここで、連結部42のうちの旋回路CR(
図2参照)に位置する部分は、U字形状に湾曲して配置されている。連結部42が開口20側に向けて引き操作されると、連結部42のうちの直線路SR(
図2参照)に位置する部分は開口20とは反対側に向けて移動する。その結果、シャッタ部41は、
図5において矢印で示すように連結部42により開口20とは反対側に引き操作される。
【0062】
つまり、閉鎖状態においては、シャッタ部41の連結部42とは反対側の端部41aが、開口20における第1側壁SW1の側に位置するが、操作部3が開口20側に操作されると、シャッタ部41の連結部42とは反対側の端部41aが開口20における第1側壁SW1側から第2側壁SW2側に移動して、シャッタ部41が開放状態となる。
【0063】
上述の構成により、コネクタ12がケース2内に収納された収納状態のとき、操作部3が開口20側に向けて操作されることにより、シャッタ部41が閉鎖状態から開放状態に切替わり、コネクタ12が開口20を介してケース2から突出する使用状態に切替わる。
【0064】
〔使用状態から収納状態への切替操作時のシャッタ機構の動作について〕
図6に示すように、USBメモリが、使用状態から収納状態に切替操作されるとき、
図6において矢印で示すように操作部3は開口20とは反対側に操作される。このとき、連結部42のうちの操作部3に連結されている側の部分は、操作部3により開口20とは反対側に向けて押し操作される。ここで、連結部42のうちの旋回路CR(
図2参照)に位置する部分は、U字形状に湾曲して配置されている。連結部42が開口20とは反対側に向けて押し操作されると、連結部42のうちの直線路SR(
図2参照)に位置する部分は開口20側に向けて移動する。その結果、シャッタ部41は、
図6において矢印で示すように連結部42により開口20側に押し操作される。
【0065】
つまり、操作部3が開口20とは反対側に操作されると、シャッタ部41の連結部42とは反対側の端部41aが、開口20における第2側壁SW2側から第1側壁SW1側に移動して、シャッタ部41が閉鎖状態となる。
【0066】
上述の構成により、コネクタ12がケース2から突出した使用状態のとき、操作部3が開口20とは反対側に向けて操作されることにより、コネクタ12が開口20を介してケース2内に後退して、シャッタ部41が開放状態から閉鎖状態に切替る。
【0067】
〔別実施形態〕
以下、上記実施形態に変更を加えた別実施形態を例示する。
【0068】
(1)上記実施形態では、操作部3が開口20側にスライド操作されることにより、使用状態と収納状態とに切替る構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、ケース2の後壁BWを貫通するように設けられ、収納状態時に開口20側へ押し操作することで使用状態となり、使用状態時に開口20側へ押し操作することで収納状態に戻るノック式の操作部が備えられた構成としてもよい。
【0069】
(2)上記実施形態では、人為操作部32は、第1側壁SW1に沿ってスライド移動可能に構成された構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、人為操作部32は、第2側壁SW2、第3側壁SW3、又は第4側壁SW4に沿ってスライド移動可能に構成されていてもよい。
【0070】
(3)上記実施形態では、連結部42は、シャッタ部41から第2側壁SW2の内面に沿って延びる構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、連結部42は、第3側壁SW3又は第4側壁SW4に沿って延びる構成としてもよい。
【0071】
(4)上記実施形態では、第1部材2Aと第2部材2Bとが組み合わさることで、ガイド穴部24が形成される構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、第1部材2A又は第2部材2Bのいずれか一方にガイド穴部24が形成されている構成としてもよい。
【0072】
(5)上記実施形態では、第3側壁SW3に沿って延びる第1内壁21が備えられている構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、第1内壁21が備えられていない構成としてもよい。このとき、操作部3に溝部Dが形成されていない構成としてもよい。
【0073】
(6)上記実施形態では、第3側壁SW3の内面及び第4側壁SW4の内面にリブ23が備えられ、操作部3の基礎部31に突起部34が備えられている構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、リブ23及び突起部34のいずれか一方及び両方が備えられていない構成としてもよい。
【0074】
(7)上記実施形態では、基礎部31がコネクタ操作部として機能する構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、基礎部31とは別に人為操作部32に対する操作に伴って、コネクタ収納空間Sにおいてコネクタ12を動作させる構成を備える構成としてもよい。
【0075】
(8)上記実施形態では、コンダクションデバイスを備えた記憶装置であるUSBメモリを例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、記憶装置の代わりに、例えば、ハードディスクドライブ等の記憶装置や、Wifi等の無線装置や、キーボードやマウス等の入力装置等であってもよい。
【0076】
尚、上記の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、外部機器に接続することで外部機器と電気的接続が可能なコンダクションデバイス及び当該コンダクションデバイスを備えた記憶装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0078】
2 :ケース
3 :操作部
11 :記憶部
12 :コネクタ
20 :開口
21 :第1内壁(内壁)
23 :リブ
24 :ガイド穴部
31 :基礎部(コネクタ操作部)
32 :人為操作部
D :溝部
G :隙間
S :コネクタ収納空間
SW1 :第1側壁
SW2 :第2側壁
SW3 :第3側壁
SW4 :第4側壁
【要約】
【課題】キャップ等の部品の紛失を回避することができ、かつ、使用しないときはコネクタを粉塵等から保護することを可能とするコンダクションデバイスと当該コンダクションデバイスを備えた記憶装置を提供する。
【解決手段】ケース2と、ケース2内に収納されたコネクタ12と、ケース2に設けられた開口20と、開口20を開放する開放状態と開口を閉鎖する閉鎖状態とに切替可能なシャッタ41と、コネクタ12を動作させる操作部3と、を備え、コネクタ12がケース2内に収納された状態で操作部3が操作されることにより、シャッタ41が閉鎖状態から開放状態に切替り、コネクタ12が開口20を介してケース2から突出し、コネクタ12がケース2から突出した状態で操作部3が操作されることにより、コネクタ12が開口20を介してケース2内に後退して、シャッタ41が開放状態から閉鎖状態に切替る。
【選択図】
図2