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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】アリ類用誘引剤およびアリ類毒餌剤
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/78 20060101AFI20240730BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20240730BHJP
   A01N 43/40 20060101ALI20240730BHJP
   A01M 1/02 20060101ALI20240730BHJP
   A01N 55/02 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A01N43/78 A
A01P7/04
A01N43/40 101L
A01M1/02 B
A01N55/02 150
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023176182
(22)【出願日】2023-10-11
(62)【分割の表示】P 2019031362の分割
【原出願日】2019-02-25
(65)【公開番号】P2023178353
(43)【公開日】2023-12-14
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】390000527
【氏名又は名称】住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田中 康頼
(72)【発明者】
【氏名】加藤 義晃
【審査官】松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-67015(JP,A)
【文献】特開昭63-196502(JP,A)
【文献】特開2017-8015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A01P
A01M
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘引性成分、チアベンダゾール、亜鉛ピリチオンおよびを含有するアリ類用誘引剤であって、チアベンダゾールと亜鉛ピリチオンの含有比率が、亜鉛ピリチオン1重量部に対してチアベンダゾールが4~8重量部であるアリ類用誘引剤
【請求項2】
請求項1に記載のアリ類用誘引剤および害虫防除剤を含有するアリ類用毒餌剤であって、前記誘引剤の含有量は、前記毒餌剤全体量に対し70~99.999重量%であることを特徴とするアリ類用毒餌剤
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、匍匐害虫防除用毒餌剤に関する。
【背景技術】
【0002】
アリ等の匍匐害虫を防除するため、匍匐害虫防除用毒餌剤が開発され実用に供されている。例えば特許文献1にはアリ防除用毒餌剤の処方として、蛹粉、砂糖、デンプン、および水等の匍匐害虫を誘引するための誘引成分、および害虫防除剤を含有する処方が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-8015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したように、匍匐害虫用毒餌剤にはタンパク質、糖類、炭水化物等の誘引成分および水が含有されていることから保管時または使用時にカビが発生することがある一方、カビの発生を防ぐために防カビ剤を使用すると、あらたに匍匐害虫に対する喫食性が低下との問題を生ずることがあった。
【0005】
本発明は、長期に亘りカビの発生がなく、かつ匍匐害虫への喫食性が高い匍匐害虫防除用毒餌剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意検討した結果本発明に至った。すなわち、本発明は
〔1〕匍匐害虫用誘引性成分、チアベンダゾール、金属ピリチオンおよび匍匐害虫用防除剤を含有することを特徴とする匍匐害虫用毒餌剤。
〔2〕金属ピリチオンが亜鉛ピリチオンである上記の匍匐害虫用毒餌剤。
〔3〕チアベンダゾールと金属ピリチオンの含有比率が、金属ピリチオン1重量部に対してチアベンダゾールが1.25~25重量部である上記の匍匐害虫用毒餌剤。
〔4〕チアベンダゾールと金属ピリチオンの含有比率が、金属ピリチオン1重量部に対してチアベンダゾールが4~8重量部である上記の匍匐害虫用毒餌剤。
を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カビの発生を伴うことなく長期間保管が可能で、さらには匍匐害虫に対して優れた喫食性を有する匍匐害虫用毒餌剤を提供することができ、これを使用することにより効果的に匍匐害虫を防除することが可能となる。
【発明の実施するための形態】
【0008】
本発明の匍匐害虫用毒餌剤に使用される誘引性成分としては、動物性タンパク質粉、穀物粉、澱粉、糖類、植物性油などが挙げられ、通常、これらを単独、または2種以上を、チアベンダゾールおよび金属ピリチオンと水の存在下に混練して得られる製剤(以下、誘引剤と記す)として使用される。前記誘引剤の含有量は、前記匍匐害虫用毒餌剤全体量に対し70~99.999量%の範囲とする。
【0009】
前記動物性タンパク質粉としては、例えば、蛹粉、魚粉、オキアミ粉、エビ粉、ミミズ粉、昆虫の成虫の粉などが挙げられる。前記穀物粉としては、トウモロコシ粉、ジャガイモ粉、サツマイモ粉、タピオカ粉、小麦粉、大麦粉、米粉などが挙げられる。前記澱粉としては、バレイショ澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチなどが挙げられる。前記糖類としては、ブドウ糖、果糖などの単糖類、ショ糖、麦芽糖などの二糖類、水あめ、デキストリン、ソルビトール、糖蜜などが挙げられる。植物性油としては、ゴマ油、落花生油、オリーブ油、ヤシ油、ゴマ油、大豆油、ベニハナ油、なたね油などが挙げられる。
【0010】
前記誘引剤において、各成分の含有量は防除対象とする匍匐害虫に応じて適宜設計すればよいが、通常、誘引剤全体量に対し動物性タンパク質粉を10~25重量%、穀物粉を10~30重量%、澱粉を10~30重量%、糖類を5~30重量%、植物性油を1~15重量%、水を15~50重量%の範囲とする。
【0011】
本発明の匍匐害虫用毒餌剤に使用されるチアベンダゾールは、前記匍匐害虫用毒餌剤全体量に対し0.05~0.5重量%、好ましくは0.1~0.3重量%の範囲とする。
【0012】
本発明の匍匐害虫用毒餌剤に使用される金属ピリチオンとしては、亜鉛ピリチオン、銅ピリチオン、鉄ピリチオン、マグネシウムピリチオンなどが挙げられ、これらを単独、または2種以上使用することができる。前記金属ピリチオンの含有量は、前記匍匐害虫用毒餌剤全体量に対し0.01~0.5重量%、好ましくは0.01~0.2重量の範囲とする。
【0013】
前記チアベンダゾールと前記金属ピリチオンの合計の含有量は、前記匍匐害虫用毒餌剤の全体量に対し0.1重量%以上である。また前記金属ピリチオンと前記チアベンダゾールの含有比率は、通常、前記金属ピリチオン1重量部に対し前記チアベンダゾール1.25~25重量部の範囲であるが、匍匐害虫への喫食性の面で好ましくは4~8重量部である。
【0014】
本発明の害虫防除用毒餌剤に使用される害虫防除剤としては、フェニルピラゾール系化合物、ネオニコチノイド系化合物、アミジノヒドラ化合物、カーバメート系化合物、有機リン系化合物、ホウ酸、および昆虫成長制御物質が挙げられる。
【0015】
前記フェニルピラゾール系化合物としては、アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、ピリプロールなどが挙げられる。前記ネオニコチノイド系化合物としては、クロチアニジン、ニテンピラム、イミダクロプリド、チアクロプリド、チアメトキサム、アセタミプリド、ジノテフランなどが挙げられる。前記アミジノヒドラ化合物としては、ヒドラメチルノンが挙げられる。前記カーバメート系化合物としては、フェノブカルブ、メトキサジアゾン、イソプロカルブ、キシリルカルブ、メトルカルブ、カルバリル、プロポクスルなどが挙げられる。前記有機リン系化合物としては、アセフェート、ブタチオホス、キャドサホス、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、シアノホス、DCIP、ジクロフェンチオン、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジスルホトン、EPN、エトプロホス、エトリムホス、フェンチオン、フェニトロチオンなどが挙げられる。前記昆虫成長制御物質としては、ピリプロキシフェン、ジフルベンズロン、フェノキシカルブなどが挙げられる。前記害虫防除剤は単独、または2種以上使用することができ、2種以上の例としては、フィプロニルとピリプロキシフェンの組合せが挙げられる。
【0016】
前記害虫防除剤の含有量は、害虫防除剤の種類によって適宜設計されるが、害虫防除剤が有機化合物の場合は、通常、匍匐害虫用毒餌剤全体量に対し0.001~1重量%、またホウ酸の場合は、通常、匍匐害虫用毒餌剤全体量に対し1~30重量%とする。
【0017】
本発明の匍匐害虫防除用毒餌剤には、さらに他の成分を含有させてもよく、そのような他の成分としては、増粘剤、酸化防止剤、乳化剤、香料、誤食防止剤、粘度調整剤、防腐剤などが挙げられる。前記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロースまたはその金属塩、キサンタンガム、カラギーナン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチンなどが挙げられる。前記酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、アスコルビン酸などが挙げられる。前記乳化剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。前記誤食防止剤としては、安息香酸デナトニウム、アマランス、エリスロシンなどが挙げられる。前記粘度調整剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、分子量150~2000のポリエチレングリコールなどが挙げられる。前記防腐剤とは細菌の発生を防ぐために使用され、安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸メチル、1,2-ベンゾイソチアゾール-3(2H)-オン(以下、BITと称す)などが挙げられる。
【0018】
本発明の匍匐害虫防除用毒餌剤は、前記のようにして調製された誘引剤と害虫防除剤とを公知の混錬機械により混練し、その後、前記混錬物を押出機によって所定の形状に押出すか刃物などで切断するなどすることにより、例えば、顆粒状、塊状の匍匐害虫防除用毒餌剤として得ることができる。あるいは、前記混練物を公知の打錠機を使用して錠剤状の匍匐害虫防除用毒餌剤とすることもできる。
【0019】
本発明の毒餌剤が防除対象とする匍匐害虫としては、トビイロシワアリ、トビイロケアリ、イエヒメアリ、アミメアリ、オオズアリ、クロヤマアリ、アルゼンチンアリ、ヒアリ、アカカミアリ等のアリ類、ワモンゴキブリ、クロゴキブリ、チャバネゴキブリ等のゴキブリ類、ワラジムシ類、ダンゴムシ類、ムカデ類などが挙げられる。このうち、特にアリ類対しては、優れた喫食性が得られる。
【0020】
本発明の匍匐害虫防除用毒餌剤は、例えば、側面に開口部を有する容器に収容して、匍匐害虫が生息する場所に設置して使用することができる。
【実施例
【0021】
以下に実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
〔害虫防除用誘引剤の調整〕
【0022】
カルボキシメチルセルロースナトリウム(関東化学社製)3重量部、砂糖(三井製糖社製)21.75重量部、バレイショデンプン(関東化学社製)20重量部、サナギ粉(マルキュー社製)15重量部、およびチアベンダゾール(関東化学社製、以下TBZと称す)0.25重量部、落花生油(関東化学社製)5重量部、グリセリン(関東化学社製)5重量部、BIT20%液剤(製品名:プロキセルGXL、ロンザ社製)0.25重量部、ソルビタンモノ脂肪酸エステル(関東化学社製)0.5重量部を混合して得た混合物を8個用意し、各々に亜鉛ピリチオン(東京化成工業社製。以下、ZPTと称す)を0.01、0.02、0.03、0.04、0.06、0.1、0.2重量部加えて混合し、さらに夫々の混合物に全体量が100部となるように水を加えて混練し7種の誘引剤を得た。(夫々、順に製剤例1、2・・・7と称す。)
【0023】
カルボキシメチルセルロースナトリウム(関東化学社製)3重量部、砂糖(三井製糖社製)21.75重量部、バレイショデンプン(関東化学社製)20重量部、サナギ粉(マルキュー社製)15重量部、落花生油(関東化学社製)5重量部、グリセリン(関東化学社製)5重量部、BIT20%液剤(製品名:プロキセルGXL、ロンザ社製)0.25重量部およびソルビタンモノ脂肪酸エステル(関東化学社製)0.5重量部を混合した混合物、さらに混合物の全体量が100部となるように水を加えて混練し誘引剤を得た(以下、製剤例Aと称す)。
【0024】
カルボキシメチルセルロースナトリウム(関東化学社製)3重量部、砂糖(三井製糖社製)21.75重量部、バレイショデンプン(関東化学社製)20重量部、サナギ粉(マルキュー社製)15重量部、およびTBZ(関東化学社製)0.25重量部、落花生油(関東化学社製)5重量部、グリセリン(関東化学社製)5重量部、BIT20%液剤(製品名:プロキセルGXL、ロンザ社製)0.25重量部およびソルビタンモノ脂肪酸エステル(関東化学社製)0.5重量部を混合した混合物に、さらに混合物の全体量が100部となるように水を加えて混練し誘引剤を得た(以下、製剤例Bと称す)。
【0025】
製剤例1において、TBZ0.25重量%を2-ベンツイミダゾリルカルバミン酸メチル(東京化成工業社製。以下BCMと称す)0.25重量%に代えた以外は同様にして誘引剤を得た(以下製剤例Cと称す)。
【0026】
製剤例1において、ZPT0.01重量部を2、4、5、6-テトラクロロイソフタロニトニル(東京化成工業社製。以下TPNと称す)0.01重量部に代えた以外は同様にして誘引剤を得た(以下製剤例Dと称す)。
【0027】
製剤例1において、ZPT0.01重量部を2-(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール(メルク社製。以下TCMTBと称す)0.01重量部に代えた以外は同様にして誘引剤を得た(以下製剤例Eと称す)。
【0028】
製剤例1において、ZPT0.01重量部を2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(東京化成工業社製。以下OITと称す)0.01重量部に代えた以外は同様にして誘引剤を得た(以下製剤例Fと称す)。
【0029】
〔表1〕
〔防カビ試験〕
【0030】
製剤例Aの誘引剤をポリプロピレン製袋に入れ25℃の室内で6カ月保管した。誘引剤にカビを発生させた。カビの発生が認められて顕微鏡で同定したところ、Eurotium sp.およびAspergillus sp.であった。
【0031】
JIS Z2911に準じて前記カビをイオン交換水で懸濁した後、胞子数10~10個/mLの胞子数懸濁液を調整した。
そして、製剤例1~4および製剤例Bの誘引剤25gをそれぞれ個々のシャーレに入れ、前記胞子懸濁液0.5mLを各誘引剤に滴下して作成した夫々の検体を、26℃・相対湿度95%の恒温恒湿機内で2週間インキュベートした。
その後、夫々のシャーレに再度、前記胞子懸濁液0.5mLを滴下し、26℃・相対湿度95%の恒温恒湿機内でさらに2週間インキュベートした。このような操作を3回繰り返し、各回毎に各検体のカビの発生の有無を顕微鏡で確認した。評価方法としては、カビの発生が認められなかった検体を○、カビの発生が認められた検体を×とした。
【0032】
〔表2〕

〔喫食性試験〕
【0033】
製剤例2~7ならびに製剤例A、B、C、D、EおよびFの誘引剤1gを夫々、側面が開放した容器に入れ、トビイロシワアリとアルゼンチンアリの生息地に設置、4時間後に回収し、該アリによる喫食量(重量減少度)を測定した。製剤例Aの誘引剤の喫食量を100とし、各誘引剤の喫食量を相対値で求めた。
【0034】
〔表3〕

〔毒餌剤の作成〕
【0035】
製剤例2の誘引剤において、該誘引剤に対して、害虫防除剤としてフィプロニル(東京化成工業社製)を0.02重量%、ピリプロキシフェン(住友化学社製)を0.1重量%添加混練し、本発明の匍匐害虫用毒餌剤1を得た。
【0036】
製剤例2の誘引剤において、該誘引剤に対して、害虫防除剤としてジノテフラン(東京化成工業社製)を0.1重量%、ピリプロキシフェン(住友化学社製)を0.1重量%添加し、本発明の匍匐害虫用毒餌剤2を得た。
【0037】
製剤例2の誘引剤において、該誘引剤に対して、害虫防除剤としてヒドラメチルノン(富士フィルム和光純薬社製)を0.4重量%、ピリプロキシフェン(住友化学社製)を0.1重量%添加し、本発明の匍匐害虫用毒餌剤3を得た。
【0038】
〔毒餌剤試験1〕
クロヤマアリ10頭をポリカップ(φ10cm、高さ10cm)に放し、10%砂糖水を含ませた脱脂綿を設置した。そして1.0gの前記匍匐害虫用毒餌剤1をカップ内に設置し、25℃条件下に置き、24時間経過後の死虫数を観察した。試験は3反復実施した。いずれの試験においてもクロヤマアリが全頭致死していることを確認した。
一方、クロヤマアリ10頭をポリカップ(φ10cm、高さ10cm)に放し、10%砂糖水を含ませた脱脂綿のみを設置した試験については、24時間後でも致死していなかった。
【0039】
〔毒餌剤試験2〕
イエヒメアリ10頭をポリカップ(φ10cm、高さ10cm)に放し、10%砂糖水を含ませた脱脂綿を設置した。そして1.0gの前記匍匐害虫用毒餌剤1をカップ内に設置し、25℃条件下に置き、24時間経過後の死虫数を観察した。試験は3反復実施した。3反復の試験結果をまとめるとイエヒメアリが97%致死していることを確認した。
一方、イエヒメアリ10頭をポリカップ(φ10cm、高さ10cm)に放し、10%砂糖水を含ませた脱脂綿のみを設置した試験については、24時間後でも致死していなかった。
【0040】
〔毒餌剤試験3〕
トビイロケアリ6頭をポリカップ(φ10cm、高さ10cm)に放し、10%砂糖水を含ませた脱脂綿を設置した。そして1.0gの前記匍匐害虫用毒餌剤1をカップ内に設置し、25℃条件下に置き、48時間経過後の死虫数を観察した。試験は3反復実施した。いずれの試験においてもトビイロケアリが全頭致死していることを確認した。
一方、トビイロケアリ6頭をポリカップ(φ10cm、高さ10cm)に放し、10%砂糖水を含ませた脱脂綿のみを設置した試験については、48時間後でも致死していなかった。
【0041】
〔毒餌剤試験4〕
ダンゴムシ5頭をポリカップ(φ10cm、高さ10cm)に放し、水を含ませた脱脂綿を設置した。そして1.0gの前記匍匐害虫用毒餌剤1をカップ内に設置し、25℃条件下に置き、24時間経過後の死虫数を観察した。試験は3反復実施した。いずれの試験においてもダンゴムシが全頭致死していることを確認した。
一方、ダンゴムシ5頭をポリカップ(φ10cm、高さ10cm)に放し、水を含ませた脱脂綿のみを設置した試験については、24時間後でも致死していなかった。
【0042】
〔毒餌剤試験5〕
チャバネゴキブリ雄成虫5頭をポリカップ(φ10cm、高さ10cm)に放し、水を含ませた脱脂綿を設置した。そして1.0gの前記匍匐害虫用毒餌剤1をカップ内に設置し、25℃条件下に置き、48時間経過後の死虫数を観察した。試験は3反復実施した。いずれの試験においてもチャバネゴキブリが全頭致死していることを確認した。
一方、チャバネゴキブリ雄成虫5頭をポリカップ(φ10cm、高さ10cm)に放し、水を含ませた脱脂綿のみを設置した試験については、24時間後でも致死していなかった。