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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】電極組立体およびそれを含む二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/659 20140101AFI20240730BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240730BHJP
   H01M 10/643 20140101ALI20240730BHJP
   H01M 10/654 20140101ALI20240730BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20240730BHJP
   H01M 10/052 20100101ALN20240730BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALN20240730BHJP
【FI】
H01M10/659
H01M10/613
H01M10/643
H01M10/654
H01M10/04 W
H01M10/052
H01M10/0587
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022570420
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(86)【国際出願番号】 KR2021006925
(87)【国際公開番号】W WO2021251682
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】10-2020-0069294
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ミン ギ
(72)【発明者】
【氏名】リュ、ドゥク ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジン スー
(72)【発明者】
【氏名】キム、スー ジュン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ハン セム
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-241267(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0129449(KR,A)
【文献】特開2013-041741(JP,A)
【文献】特表2018-514052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/659
H01M 10/613
H01M 10/643
H01M 10/654
H01M 10/04
H01M 10/052
H01M 10/0587
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極およびセパレータが交互に積層されて巻き取られた電極積層体と、
前記電極積層体の巻き取り中心部に位置し、前記電極積層体の巻き取り外側部と巻き取り中心部との間の温度差が減少するように補正する温度差補正部材と、
を含み、
前記温度差補正部材は、相変化物質を含み、
前記温度差補正部材は、前記電極の無地部に付着される、電極組立体。
【請求項2】
電極およびセパレータが交互に積層されて巻き取られた電極積層体と、
前記電極積層体の巻き取り中心部に位置し、前記電極積層体の巻き取り外側部と巻き取り中心部との間の温度差が減少するように補正する温度差補正部材と、
を含み、
前記温度差補正部材は、相変化物質を含み、
前記電極は、正極および負極を含み、
前記温度差補正部材は、前記正極と前記負極との間に位置する、電極組立体。
【請求項3】
前記温度差補正部材は、
前記電極積層体において前記巻き取り中心部の他に、残りの領域の前記正極と前記負極との間にさらに位置する、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記温度差補正部材は、
前記セパレータを間に置き、前記正極および前記負極の互いに対向する面に位置する、請求項2または3に記載の電極組立体。
【請求項5】
電極およびセパレータが交互に積層されて巻き取られた電極積層体と、
前記電極積層体の巻き取り中心部に位置し、前記電極積層体の巻き取り外側部と巻き取り中心部との間の温度差が減少するように補正する温度差補正部材と、
を含み、
前記温度差補正部材は、相変化物質を含み、
前記温度差補正部材は、織物形態からなる、電極組立体。
【請求項6】
前記相変化物質は、一定温度以上で固体から液体に相変化し、周辺の熱を吸収する、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記相変化物質は、0~100℃以上で動作する、請求項に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記相変化物質は、35~80℃以上で動作する素材からなる、請求項に記載の電極組立体。
【請求項9】
前記相変化物質は、水和無機塩、多価アルコール、PET-PEG共重合体、PEG(ポリエチレングリコール、poly ethylene glycol)、PTMG(ポリテトラメチレングリコール、Polytetramethylene glycol)、または直鎖状炭化水素のうちいずれか1つ以上からなる、請求項1~のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項10】
前記温度差補正部材は、前記電極の有地部および無地部に位置する、請求項に記載の電極組立体。
【請求項11】
前記温度差補正部材は、マイクロカプセル形態に形成される、請求項1~のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の電極組立体を含む二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年06月08日付けの韓国特許出願第10-2020-0069294号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
本発明は、電極組立体およびそれを含む二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、一次電池とは異なって再充電が可能であり、また、小型および大容量化の可能性により、近年多く研究開発されている。モバイル機器に対する技術開発と需要が増加するにつれ、エネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加している。
【0003】
二次電池は、電池ケースの形状に応じて、コイン型電池、円筒型電池、角型電池、およびパウチ型電池に分類される。二次電池において、電池ケースの内部に取り付けられる電極組立体は、電極およびセパレータの積層構造からなる充放電可能な発電素子である。
【0004】
電極組立体は、活物質が塗布されたシート状の正極と負極との間にセパレータを介在して巻き取ったゼリーロール(Jelly-roll)型、複数の正極と負極をセパレータが介在された状態で順次積層したスタック型、およびスタック型の単位セルを長さの長い分離フィルムで巻き取ったスタック/フォールディング型に概ね分類することができる。
中でも、ゼリーロール型電極組立体は、製造が容易でありながらも、重量当たりにエネルギー密度が高いという長所を有しているため広く用いられている。
【0005】
ゼリーロール型電極組立体を含む円筒型セルの場合、正極、負極、およびセパレータを重ねて巻き取りによりゼリーロールを形成し、缶の内部に挿入してセルを作製するが、この際、セルが充電および放電を繰り返すことで、内部的にセルの中心部とセルの外側部との温度差が発生することになる。これは、充電および放電を繰り返すことで発生した熱がセルの中心部に集まることで発生するが、セルの内部的な温度差は、セルの中心部と外側部との反応速度差が発生することになり、よって、セル性能の劣化の原因になるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0010121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の1つの観点は、電極積層体の巻き取り外側部と巻き取り中心部との間の温度差が減少することができる電極組立体およびそれを含む二次電池を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係る電極組立体は、電極およびセパレータが交互に積層されて巻き取られた電極積層体と、前記電極積層体の巻き取り中心部に位置し、前記電極積層体の巻き取り外側部と巻き取り中心部との間の温度差が減少するように補正する温度差補正部材と、を含み、前記温度差補正部材は、相変化物質を含むことができる。
一方、本発明の実施形態に係る二次電池は、前記本発明の実施形態に係る電極組立体を含むことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、電池の充放電時、電極積層体の巻き取り中心部の温度が一定温度以上に上がる際に、相変化物質を含む温度差補正部材が電極積層体の巻き取り中心部に位置して相変化し、巻き取り中心部の熱を吸収することで、電極積層体の巻き取り外側部と巻き取り中心部との間の温度差が減少するように補正することができ、これにより、電池性能の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る電極組立体およびそれを含む二次電池を示した斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る電極組立体が巻き取られる前の展開された状態を示した平面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る電極組立体が巻き取られる前の展開された状態を示した正面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る電極組立体が巻き取られる前の展開された状態を示した平面図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る電極組立体が巻き取られる前の展開された状態を示した正面図である。
図6】本発明の第3実施形態に係る電極組立体が巻き取られる前の展開された状態を示した平面図である。
図7】本発明の第3実施形態に係る電極組立体が巻き取られる前の展開された状態を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の目的、特定の長所、および新規な特徴は、添付図面と関連付けられる以下の詳細な説明および好ましい実施形態からさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付するにおいて、同一の構成要素に限っては、他の図面上に表示される際にも、可能な限り同一の番号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明は、種々の異なる形態で実現されてもよく、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、本発明を説明するにおいて、本発明の要旨を不要に濁す恐れのある関連の公知技術に関する詳細な説明は省略することにする。
【0012】
第1実施形態に係る電極組立体
図1は、本発明の実施形態に係る電極組立体およびそれを含む二次電池を示した斜視図であり、図2は、本発明の第1実施形態に係る電極組立体が巻き取られる前の展開された状態を示した平面図であり、図3は、本発明の第1実施形態に係る電極組立体が巻き取られる前の展開された状態を示した正面図である。
【0013】
図1図3を参照すると、本発明の第1実施形態に係る電極組立体100は、電極130およびセパレータ160が交互に積層されて巻き取られた電極積層体Sと、電極積層体Sの巻き取り中心部Iに位置する温度差補正部材180、190と、を含み、温度差補正部材180、190は、相変化物質を含む。
【0014】
以下、図1図3を参照して、本発明の第1実施形態に係る電極組立体についてさらに詳しく説明することにする。
図1図3を参照すると、電極積層体Sは、充放電が可能な発電素子であり、電極130とセパレータ160が結集して交互に積層された構造を形成する。ここで、電極積層体Sは、電極130およびセパレータ160が交互に結集して巻き取られた形態に形成されることができる。この際、電極積層体Sは、中心軸Cを中心に巻き取られた円柱形状に巻き取られることができる。
【0015】
電極130は、正極110および負極120を含むことができる。そして、セパレータ160は、正極110と負極120を分離して電気的に絶縁させる。
正極110は、正極集電体111と、正極集電体111上に正極活物質が積層されて形成される領域である正極活物質部112と、正極活物質が積層されていない領域である正極無地部113、114と、を含むことができる。この際、正極活物質部112は、正極有地部を形成することができる。
【0016】
正極集電体111は、例えば、アルミニウム材質の箔(Foil)からなることができる。
正極活物質は、リチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムリン酸鉄、またはこの中の1種以上が含まれた化合物および混合物などからなることができる。
正極無地部113、114は、巻き取り中心部Iに位置する正極無地部113と、巻き取り外側部Oに位置する正極無地部114と、を含むことができる。
【0017】
負極120は、負極集電体121と、負極集電体121上に負極活物質が積層されて形成される領域である負極活物質部122と、負極活物質が積層されていない領域である負極無地部123、124と、を含むことができる。この際、負極活物質部122は、負極有地部を形成することができる。
【0018】
負極集電体121は、例えば、銅(Cu)またはニッケル(Ni)材質の箔(foil)からなることができる。
負極活物質は、例えば、人造黒鉛、リチウム金属、リチウム合金、カーボン、石油コークス、活性化カーボン、グラファイト、シリコン化合物、スズ化合物、チタン化合物、またはこれらの合金からなることができる。この際、負極活物質は、例えば、非黒鉛系のSiO(silica、シリカ)またはSiC(silicon carbide、シリコンカーバイド)などをさらに含んでなることができる。
【0019】
負極無地部123、124は、負極120において巻き取り中心部Iに位置する負極無地部123と、負極120において巻き取り外郭部Oに位置する負極無地部124と、を含むことができる。
【0020】
セパレータ160は、絶縁材質からなり、正極110と負極120との間を絶縁することができる。
また、セパレータ160は、例えば、微多孔性を有するポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの組み合わせにより製造される多層フィルムや、ポリビニリデンフルオライド、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、またはポリビニリデンフルオライドヘキサフルオロプロピレン共重合体のような固体高分子電解質用またはゲル状高分子電解質用高分子フィルムであってもよい。
【0021】
そして、セパレータ160は、第1セパレータ140および第2セパレータ150を含むことができる。
この際、電極積層体Sは、正極110、第1セパレータ140、負極120、および第2セパレータ150の順に積層されることができる。
【0022】
電極タブ170は、電極130に付着され、電極130と電気的に連結される。
電極タブ170は、正極110に付着された正極タブ172と、負極120に付着された負極タブ171と、を含むことができる。
【0023】
一方、正極タブ172は、図1を参照すると、上部方向であるキャップ30が位置した方向に形成され、負極タブ171は、下部方向である電池ケース20の収容部21の底面に向かって位置することができる。
【0024】
温度差補正部材180、190は、電極積層体Sの巻き取り中心部Iに位置し、電極積層体Sの巻き取り外側部と巻き取り中心部Iとの間の温度差が減少するように補正することができる。
【0025】
温度差補正部材180、190は、相変化物質を含むことができる。
相変化物質は、一定温度以上で固体から液体に相変化し、周辺の熱を吸収することができる。これにより、相変化物質は、周辺の温度が一定温度以上に上がらないようにすることができる。したがって、相変化物質を含む温度差補正部材180、190が電極積層体Sの巻き取り中心部Iに位置し、巻き取り中心部Iの温度が一定温度以上に上がる際に、相変化物質が相変化し、巻き取り中心部Iの熱を吸収することになり、電極積層体Sの巻き取り外側部Oと巻き取り中心部Iとの間の温度差を減少させることができる。
【0026】
相変化物質は、例えば0~100℃以上で動作することができる。ここで、相変化物質は、具体的に、例えば35~80℃以上で動作する素材からなることができる。この際、相変化物質は、より具体的に、例えば35℃以上で動作する素材からなることができる。したがって、相変化物質が少なくとも35℃以上で動作する素材からなっており、電池性能の劣化の原因になる電極積層体Sの巻き取り中心部Iと巻き取り外側部Oとの反応速度差が超えないようにすることができる。
【0027】
相変化物質は、水和無機塩、多価アルコール、PET-PEG共重合体、PEG(ポリエチレングリコール、poly ethylene glycol)、PTMG(ポリテトラメチレングリコール、Polytetramethylene glycol)、または直鎖状炭化水素のうちいずれか1つ以上からなることができる。
【0028】
また、温度差補正部材180、190は、電極130の有地部または無地部のうち少なくともいずれか1つ以上に位置することができる。ここで、温度差補正部材180、190は、例えば、電極積層体Sの巻き取り中心部Iにおいて、電極130の有地部および無地部にかけて位置することができる。すなわち、温度差補正部材180、190は、電極積層体Sの巻き取り中心部Iにおいて、正極110の有地部および無地部113、および負極120の有地部および無地部123にかけて位置することができる。
【0029】
さらに、温度差補正部材180、190は、マイクロカプセル(micro capsule)形態に形成されることができる。
ここで、温度差補正部材180、190は、一例として、相変化物質がカプセル形態に形成されることができる。
【0030】
一方、温度差補正部材180、190は、他例として、相変化物質がカプセルコーティング物質に収容された形態に形成されることができる。この際、温度差補正部材180、190は、例えば、相変化物質の外面にカプセルコーティング物質であるゼラチンがコーティングされた形態であってもよいが、本発明のカプセルコーティング物質が必ずしもこれに限定されるものではない。
【0031】
上記のように構成された本発明の第1実施形態に係る電極組立体100は、相変化物質を含む温度差補正部材180、190が電極積層体Sの巻き取り中心部Iに位置し、二次電池10の充放電時、電極積層体Sの巻き取り中心部Iの温度が一定温度以上に上がる際に、相変化物質が相変化し、周辺の熱を吸収することになる。これにより、電極積層体Sの巻き取り外側部Oと巻き取り中心部Iとの間の温度差が減少し、電池性能の劣化を防止することができる。
【0032】
第2実施形態に係る電極組立体
図4は、本発明の第2実施形態に係る電極組立体が巻き取られる前の展開された状態を示した平面図であり、図5は、本発明の第2実施形態に係る電極組立体が巻き取られる前の展開された状態を示した正面図である。
【0033】
以下、第2実施形態に係る電極組立体200を説明することにする。
図1図4、および図5を参照すると、本発明の第2実施形態に係る電極組立体200は、電極130およびセパレータ160が交互に積層されて巻き取られた電極積層体Sと、電極積層体Sの巻き取り中心部Iに位置する温度差補正部材280、290と、を含み、温度差補正部材280、290は、相変化物質を含む。
【0034】
本発明の第2実施形態に係る電極組立体200は、前述した第1実施形態に係る電極組立体と比較する際に、温度差補正部材280、290の実施形態に差がある。したがって、本実施形態は、第1実施形態と重複する内容は省略するか簡略に記述し、相違点を中心に記述することにする。
【0035】
より詳細には、電極積層体Sは、電極130とセパレータ160が結集して交互に積層された構造を形成する。ここで、電極積層体Sは、電極130およびセパレータ160が交互に結集して巻き取られた形態に形成されることができる。この際、電極積層体Sは、中心軸Cを中心に巻き取られた円柱形状に巻き取られることができる。
【0036】
電極130は、正極110および負極120を含むことができる。そして、セパレータ160は、正極110と負極120を分離して電気的に絶縁させる。
電極タブ170は、電極130に付着され、電極130と電気的に連結される。
電極タブ170は、正極110に付着された正極タブ172と、負極120に付着された負極タブ171と、を含むことができる。
【0037】
温度差補正部材280、290は、電極積層体Sの巻き取り中心部Iに位置し、電極積層体Sの巻き取り外側部と巻き取り中心部Iとの間の温度差が減少するように補正することができる。
【0038】
温度差補正部材280、290は、相変化物質を含むことができる。
相変化物質は、一定温度以上で固体から液体に相変化し、周辺の熱を吸収することができる。
【0039】
相変化物質は、例えば0~100℃以上で動作することができる。ここで、相変化物質は、具体的に、例えば35~80℃以上で動作する素材からなることができる。ここで、相変化物質は、より具体的に、例えば35℃以上で動作する素材からなることができる。
【0040】
相変化物質は、水和無機塩、多価アルコール、PET-PEG共重合体、PEG(ポリエチレングリコール、poly ethylene glycol)、PTMG(ポリテトラメチレングリコール、Polytetramethylene glycol)、または直鎖状炭化水素のうちいずれか1つ以上からなることができる。
【0041】
また、温度差補正部材280、290は、電極積層体Sの巻き取り中心部Iにおいて、電極130の無地部に位置することができる。ここで、温度差補正部材280、290は、巻き取り中心部Iに位置する正極無地部113または負極無地部123のうち少なくともいずれか1つ以上の部分に位置することができる。この際、温度差補正部材280、290は、例えば、巻き取り中心部Iに位置する正極無地部113および負極無地部123に付着されることができる。
【0042】
さらに、温度差補正部材280、290は、織物形態に形成されることができる。そして、温度差補正部材280、290は、織物状基材に相変化物質が塗布された形態であってもよい。ここで、織物状基材は、織物形態の繊維であってもよい。この際、織物形態の繊維材質は、例えばナイロンであってもよいが、本発明の織物状基材がナイロンに必ずしも限定されるものではない。一方、温度差補正部材280、290は、織物状基材に相変化物質が塗布される際に粘着剤を含んで塗布され、電極130の無地部に付着されることができる。
【0043】
したがって、温度差補正部材280、290は、織物形態に形成され、電極積層体Sにおいて巻き取り中心部Iの付着部位から離脱せず、巻き取り中心部Iと巻き取り外側部Oとの間の温度差を補正することができる。
【0044】
第3実施形態に係る電極組立体
図6は、本発明の第3実施形態に係る電極組立体が巻き取られる前の展開された状態を示した平面図であり、図7は、本発明の第3実施形態に係る電極組立体が巻き取られる前の展開された状態を示した正面図である。
【0045】
以下、第3実施形態に係る電極組立体300を説明することにする。
図6および図7を参照すると、本発明の第3実施形態に係る電極組立体300は、電極130およびセパレータ160が交互に積層されて巻き取られた電極積層体Sと、電極積層体Sの巻き取り中心部Iに位置する温度差補正部材380、390と、を含み、温度差補正部材380、390は、相変化物質を含む。
【0046】
本発明の第3実施形態に係る電極組立体300は、前述した第1実施形態および第2実施形態に係る電極組立体と比較する際に、温度差補正部材380、390の実施形態に差がある。したがって、本実施形態は、前述した実施形態と重複する内容は省略するか簡略に記述し、相違点を中心に記述することにする。
【0047】
図1図6、および図7を参照すると、電極積層体Sは、充放電が可能な発電素子であり、電極130とセパレータ160が結集して交互に積層された構造を形成する。ここで、電極積層体Sは、電極130およびセパレータ160が交互に結集して巻き取られた形態に形成されることができる。この際、電極積層体Sは、中心軸Cを中心に巻き取られた円柱形状に巻き取られることができる。
【0048】
電極130は、正極110および負極120を含むことができる。そして、セパレータ160は、正極110と負極120を分離して電気的に絶縁させる。
電極タブ170は、電極130に付着され、電極130と電気的に連結される。
電極タブ170は、正極110に付着された正極タブ172と、負極120に付着された負極タブ171と、を含むことができる。
【0049】
温度差補正部材380、390は、電極積層体Sの巻き取り中心部Iに位置し、電極積層体Sの巻き取り外側部Oと巻き取り中心部Iとの間の温度差が減少するように補正することができる。
【0050】
温度差補正部材380、390は、相変化物質を含むことができる。
相変化物質は、一定温度以上で固体から液体に相変化し、周辺の熱を吸収することができる。
【0051】
相変化物質は、例えば0~100℃以上で動作することができる。ここで、相変化物質は、具体的に、例えば35~80℃以上で動作する素材からなることができる。ここで、相変化物質は、より具体的に、例えば35℃以上で動作する素材からなることができる。
【0052】
相変化物質は、水和無機塩、多価アルコール、PET-PEG共重合体、PEG(ポリエチレングリコール、poly ethylene glycol)、PTMG(ポリテトラメチレングリコール、Polytetramethylene glycol)、または直鎖状炭化水素のうちいずれか1つ以上からなることができる。
【0053】
また、温度差補正部材380、390は、一例として、電極積層体Sの巻き取り中心部Iにおいて、正極110と負極120との間に位置することができる。ここで、温度差補正部材380、390は、正極110および負極120において、セパレータ160を間に置き、互いに対向する面に位置することができる。一方、温度差補正部材380、390は、他例として、巻き取り中心部Iにおいて正極110と負極120との間に位置し、電極積層体Sにおいて巻き取り中心部Iの他に、残りの領域の正極110と負極120との間にさらに位置することができる。すなわち、温度差補正部材380、390は、正極110と負極120との間の全体領域に位置することができる。
【0054】
温度差補正部材380、390は、マイクロカプセル(micro capsule)形態に形成されることができる。
ここで、温度差補正部材380、390は、一例として、相変化物質がカプセル形態に形成されることができる。
【0055】
一方、温度差補正部材380、390は、他例として、相変化物質がカプセルコーティング物質に収容された形態に形成されることができる。この際、温度差補正部材380、390は、例えば、相変化物質の外面にカプセルコーティング物質であるゼラチンがコーティングされた形態であってもよいが、本発明のカプセルコーティング物質が必ずしもこれに限定されるものではない。
【0056】
上記のように構成された本発明の第3実施形態に係る電極組立体300は、相変化物質を含む温度差補正部材380、390が電極積層体Sの巻き取り中心部Iおよび巻き取り外側部Oを含む正極110と負極120との間の全体領域に位置し、二次電池10の充放電時、電極積層体Sの一部分の温度が一定温度以上に上がる際に、相変化物質が相変化し、電極積層体Sの一部分の熱を吸収することになる。これにより、電極積層体Sの一部分と他部分との間の温度差が減少し、電池性能の劣化を防止することができる。
【0057】
二次電池
以下、実施形態に係る二次電池を説明することにする。
図1および図2を参照すると、本発明の実施形態に係る二次電池10は、電極組立体100および電池ケース20を含み、電極組立体100は、電極130およびセパレータ160が交互に積層されて巻き取られた電極積層体Sと、電極積層体Sの巻き取り中心部Iに位置する温度差補正部材180、190と、を含み、温度差補正部材180、190は、相変化物質を含む。
【0058】
本発明の実施形態に係る二次電池10は、前述した第1実施形態~第3実施形態に係る電極組立体を含む二次電池に関する。したがって、本実施形態は、前述した実施形態と重複する内容は省略するか簡略に記述し、相違点を中心に記述することにする。
【0059】
より具体的に、本発明の実施形態に係る二次電池10は、電極組立体100と、電極組立体100が収容される電池ケース20と、を含む。この際、本発明の実施形態に係る二次電池10は、電池ケース20の内部に収容される電解液をさらに含むことができる。
【0060】
電池ケース20は、電極組立体100が収容される、上部に開口された収容部21が形成されることができる。この際、電池ケース20は、例えば、円筒形状に形成されることができる。
【0061】
本発明の実施形態に係る二次電池10は、電池ケース20の開口された収容部21を覆うキャップ(Cap)30をさらに含むことができる。
電極タブ170は、電極130に付着され、電極130と電気的に連結される。
電極タブ170は、正極110に付着された正極タブ172と、負極120に付着された負極タブ171と、を含むことができる。
【0062】
一方、正極タブ172は、図1を参照すると、上部方向であるキャップ30が位置した方向に形成され、負極タブ171は、下部方向である電池ケース20の収容部21の底面に向かって位置することができる。この際、正極タブ172と連結されたキャップ30は正極端子を形成し、負極タブ171と連結された電池ケース20の下部は負極端子を形成することができる。ここで、キャップ30と電池ケース20との間は絶縁されることができる。
【0063】
以上、本発明を具体的な実施形態により詳しく説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されない。本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有する者により多様な実施が可能であるといえる。
また、発明の具体的な保護範囲は、添付された特許請求の範囲により明らかになるであろう。
【符号の説明】
【0064】
10:二次電池
20:電池ケース
21:収容部
30:キャップ
100、200、300:電極組立体
110:正極
111:正極集電体
112:正極活物質部
113、114:正極無地部
120:負極
121:負極集電体
122:負極活物質部
123、124:負極無地部
130:電極
140:第1セパレータ
150:第2セパレータ
160:セパレータ
170:電極タブ
171:負極タブ
172:正極タブ
180、190、280、290、380、390:温度差補正部材
C:中心軸
I:巻き取り中心部
O:巻き取り外郭部
S:電極積層体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7