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特許7528414ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20240730BHJP
   A63F 13/48 20140101ALI20240730BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240730BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20240730BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20240730BHJP
【FI】
A63F13/79 510
A63F13/48
A63F13/69
A63F13/58
A63F13/792
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022011312
(22)【出願日】2022-01-27
(62)【分割の表示】P 2020170493の分割
【原出願日】2020-10-08
(65)【公開番号】P2022062726
(43)【公開日】2022-04-20
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-103421(JP,A)
【文献】特開2019-076312(JP,A)
【文献】特開2016-106988(JP,A)
【文献】今すぐはじめる!モンスターストライク,株式会社宝島社 蓮見 清一,2019年02月11日,p.7, 34-35
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ゲームに含まれるゲームパートを開始させる際に消費されるパラメータを、時間の経過に応じて上限値まで回復させるとともに前記ゲームの進行に応じて前記上限値を超えて所定量回復させる回復手段
ユーザによる入力によらずに前記ゲームパートを開始させるゲーム実行手段、として機能させ、
前記ゲーム実行手段は、前記パラメータが前記上限値を超えた場合、前記ゲームパートを実行させることなく前記パラメータを消費させ、その後、前記パラメータの消費に応じた特典を前記ユーザに関連付ける、
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記ゲーム実行手段は、前記パラメータが前記上限値を超えた場合、前記ゲームパートを実行させることなくクリアしたこととするためのゲーム媒体を使用して、前記パラメータを消費させる、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記特典は、前記パラメータを消費させることなく前記ゲームパートを実行する権利である、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記ゲーム実行手段は、前記パラメータが前記上限値を超えていない場合には、前記ゲームパートの実行環境を構築して前記ゲームパートを開始させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記ゲーム実行手段は、前記パラメータが前記上限値を超えた場合に、前記パラメータが前記上限値を下回るまで、前記ゲームパートを実行させずに前記パラメータを消費させる、
請求項1から4のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記ゲーム実行手段は、前記ユーザを前記ゲームからログアウトした際に前記実行環境による前記ゲームパートを実行させ、前記ユーザがその後ログインした際に前記ゲームパートの実行に基づく所定報酬を前記ユーザに関連付ける、
請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記ゲーム実行手段は、前記ユーザが前記所定報酬を受け取るための報酬期限を設定する、請求項6に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記ゲーム実行手段は、前記報酬期限を超えた場合、前記ユーザから、課金して前記所定報酬を受け取る指示を受け付け可能にし、前記課金が実行された場合、前記所定報酬を前記ユーザに関連付ける、請求項7に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
ゲームに含まれるゲームパートを開始させる際に消費されるパラメータを、時間の経過に応じて上限値まで回復させるとともに前記ゲームの進行に応じて前記上限値を超えて所定量回復させる回復部と、
ユーザによる入力によらずに前記ゲームパートを開始させるゲーム実行部と、を備え、
前記ゲーム実行部は、前記パラメータが前記上限値を超えた場合、前記ゲームパートを実行させることなく前記パラメータを消費させ、その後、前記パラメータの消費に応じた特典を前記ユーザに関連付ける、
サーバ装置。
【請求項10】
ゲームに含まれるゲームパートを開始させる際に消費されるパラメータを、時間の経過に応じて上限値まで回復させるとともに前記ゲームの進行に応じて前記上限値を超えて所定量回復させる回復部と、
ユーザによる入力によらずに前記ゲームパートを開始させるゲーム実行部と、を備え、
前記ゲーム実行部は、前記パラメータが前記上限値を超えた場合、前記ゲームパートを実行させることなく前記パラメータを消費させ、その後、前記パラメータの消費に応じた特典を前記ユーザに関連付ける、
ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンなどの端末装置でプレイされるゲームでは、ゲームの開始などに応じて消費される、様々なパラメータが使用される。例えば、特許文献1には、時間経過に応じて回復し、回復後に消費させることでゲームステージを開始させるゲームポイントが開示されている。特許文献1には、予め登録されたゲームステージに対して設定されたゲームポイントまで回復したことを条件として、自動的に、この設定されたゲームポイントを消費させて、ゲームステージを開始させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-106988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、ゲームステージに対して設定されたゲームポイントまで回復すると、設定されたゲームポイントを消費させてゲームステージを自動的に開始させてしまう。このため、例えば、ゲームポイントの回復後にプレイヤが別のゲームステージのゲームを手動で開始しようとした際、ゲームポイントがプレイヤの手元には残っておらずこの別のゲームステージを開始させることができないという事態が発生しうる。このように従来技術では、時間の経過に応じて回復するパラメータの利用にあたって利便性の改善の余地がある。
【0005】
本開示は、時間の経過に応じて回復するパラメータの利用にあたって利便性を改善できるゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、コンピュータを、
ゲームに含まれるゲームパートを開始させる際に消費されるパラメータを、時間の経過に応じて上限値まで回復させる、または前記ゲームの進行に応じて所定量回復させる回復手段、
前記パラメータの下限値を特定する特定手段、および、
前記パラメータの現在値から前記ゲームパートを開始させる際に消費される値を減算した値が前記下限値以上であること、を含む所定条件を満たした場合、ユーザによる入力によらずに前記ゲームパートを開始させるゲーム実行手段、として機能させる、ゲームプログラムである。
【0007】
また、第1の側面において、前記所定条件は、さらに、前記パラメータが所定値まで回復したことを含むことができる。
【0008】
また、第1の側面において、前記コンピュータを、
前記ゲームパートを開始させる際に、前記ユーザの前記ゲームパートの実行環境を構築する構築手段と、
前記ゲーム実行手段が前記ゲームパートを開始させる前に、前記ユーザから、前記実行環境を構築することによって前記ゲームパートを実行させるか、または前記実行環境を構築することなく前記ゲームパートをクリアさせるかの選択を受け付ける受付手段と、としてさらに機能させ、
前記ゲーム実行手段は、前記選択の結果に応じて、前記ゲームパートを実行させることができる。
【0009】
また、第1の側面において、前記受付手段は、前記ユーザから、前記ゲームパートを実行させることなくクリアしたこととするために使用するゲーム媒体の指定を受け付け、
前記ゲーム実行手段は、前記所定条件を満たした場合、前記実行環境による前記ゲームパートを実行させ、さらに前記ゲーム媒体の指定を前記受付手段が受け付けた場合には、前記実行環境による前記ゲームパートを実行させずに、前記ゲーム媒体を使用して前記パラメータを消費させて、前記ゲームパートをクリアさせることができる。
【0010】
また、第1の側面において、前記受付手段は、前記ユーザから、前記ゲームパートの予約を受け付け、
前記ゲーム実行手段は、前記所定条件を満たした場合、かつ前記ゲームパートの予約を前記受付手段が受け付けた場合には、前記実行環境による前記ゲームパートを実行させずに前記パラメータを消費させ、その後、前記パラメータを消費させることなく前記ゲームパートを実行する権利を前記ユーザに関連付けることができる。
【0011】
また、第1の側面において、前記構築手段は、前記受付手段がゲームパートの予約を受け付けた場合、または前記ゲーム媒体の指定を受け付けた場合、前記実行環境を構築しないことができる。
【0012】
また、第1の側面において、前記ゲーム実行手段は、さらに前記パラメータが回復して前記上限値を超えた場合、前記実行環境による前記ゲームパートを実行させることよりも、前記実行環境による前記ゲームパートを実行させずに前記ゲームパートをクリアさせることを優先する優先モードにすることができる。
【0013】
また、第1の側面において、前記ゲーム実行手段は、前記上限値を超えた後に消費されたことで前記パラメータが前記上限値を下回った場合、前記優先モードを解除することができる。
【0014】
また、第1の側面において、前記ゲーム実行手段は、前記ユーザを前記ゲームから前記ログアウトした際に前記実行環境による前記ゲームパートを実行させ、前記ユーザがその後ログインした際に前記ゲームパートの実行に基づく所定報酬を前記ユーザに関連付けることができる。
【0015】
また、第1の側面において、前記ゲーム実行手段は、前記ユーザが前記所定報酬を受け取るための報酬期限を設定し、
前記受付手段は、前記報酬期限を超えた場合、前記ユーザから、課金して前記所定報酬を受け取る指示を受け付け可能にし、
前記ゲーム実行手段は、前記課金が実行された場合、前記所定報酬を前記ユーザに関連付けることができる。
【0016】
第2の側面は、
ゲームに含まれるゲームパートを開始させる際に消費されるパラメータを、時間の経過に応じて上限値まで回復させる、または前記ゲームの進行に応じて所定量回復させる回復部と、
前記パラメータの下限値を特定する特定部と、
前記パラメータの現在値から前記ゲームパートを開始させる際に消費される値を減算した値が前記下限値以上であること、を含む所定条件を満たした場合、前記ゲームパートを自動で開始させるゲーム実行部、と、を備える、サーバ装置である。
【0017】
第3の側面は、
ゲームに含まれるゲームパートを開始させる際に消費されるパラメータを、時間の経過に応じて上限値まで回復させる、または前記ゲームの進行に応じて所定量回復させる回復部と、
前記パラメータの下限値を特定する特定部と、
前記パラメータの現在値から前記ゲームパートを開始させる際に消費される値を減算した値が前記下限値以上であること、を含む所定条件を満たした場合、前記ゲームパートを自動で開始させるゲーム実行部、と、を備える、
ゲームシステムである。
【0018】
本開示によれば、時間の経過に応じて回復するパラメータの利用にあたって利便性を改善できるゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態におけるゲームシステムの構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態におけるゲームシステムのパラメータの回復および消費を時系列で表す模式図である。
図3】ゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
図4】ゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
図5】第1実施形態におけるゲームシステムの一連の動作を表すシーケンス図である。
図6】第1実施形態におけるゲームシステムのパラメータの回復および消費を時系列で表す模式図である。
図7】第2実施形態におけるゲームシステムのパラメータの回復および消費を時系列で表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
本開示の実施形態にかかるゲームシステム1について、図面を参照して説明する。
【0021】
<ゲームの説明>
図1に示すゲームシステム1では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置5においてゲームが実行される。
【0022】
本実施形態にかかるゲームは、ゲームシステム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置5のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタ(オブジェクトに相当)を仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。
【0023】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置5、を用いて実行される。以下では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示する。
【0024】
<ゲームシステム1の概要>
ゲームシステム1は、サーバ装置2および複数のゲーム装置5にて構成される。サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置5の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。
【0025】
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介して、サーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置5に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0026】
ユーザ認証を経て、サーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)をサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ61およびスピーカ62に出力しながら、ゲームを進行させる。
【0027】
<ゲームシステム1の構成>
以下、図1を参照して、サーバ装置2およびゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。なお、複数のゲーム装置5それぞれは、互いに同じ構成を有する。
【0028】
<サーバ装置2の構成>
図1に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0029】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して各ゲーム装置5と通信可能接続されている。
【0030】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB221、抽選リスト222などの各種データなどが記憶されている。
【0031】
ユーザDB221には、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関する情報(ステータスなど)、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータに関する情報などが、対応づけられて記憶されている。以降、これらの情報を総称して「ユーザ情報」ともいう。
【0032】
「消費媒体」とは、仮想ゲーム空間内で使用可能な通貨やポイントなどであって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、クエストのクリア報酬として、また、現実社会での課金により、ユーザに付与される。
【0033】
「パラメータに関する情報」とは、例えば、スタミナに関する情報である。スタミナに関する情報とは、例えば、スタミナの現在値、上限値、もしくは上限値に対応するプレイヤランク、単位時間(例えば、スタミナの値を「1」回復させるために必要な時間の単位)、回復速度(例えば、1分あたりのスタミナの値が回復する量(以下、「回復量」ともいう))、またはスタミナが回復してから経過した時間などを含む。なお本実施形態では、スタミナの上限値を時間の経過に応じた回復における上限値とする例を用いるが、これに限定されない。
【0034】
「スタミナ」とは、ゲームに含まれるゲームパートを開始しプレイするために消費されるパラメータである。スタミナは、例えば、クエストを開始しプレイするために消費される。スタミナは、クエストの進行によらず、現実の時間の経過に応じて回復する。また、スタミナは、消費媒体や各種ゲーム内アイテムの消費等のユーザの指示に応じて回復することができる。また、スタミナは、クエストの進行によるプレイヤランクのランクアップ等により、ユーザの指示に応じることなく回復される場合もある。
【0035】
「ゲームパート」とは、ゲーム内でユーザがプレイ可能なコンテンツであって、例えば、クエスト(ゲーム上の課題や目標)、ミニゲーム、ミッション(ゲーム上の任務)、またはイベントなどを含む。クエストには、例えば、クリア条件(以下、「第1クリア条件」ともいう)が設定されている。また、クエストには、各クエストに付随する0~複数のミッション(以下、「クエストミッション」ともいう)が設定されている。クエストミッションには、第1クリア条件とは別のクリア条件(以下、「第2クリア条件」ともいう)が設定されている。例えば、クエストが「敵キャラクタとの対戦」であり第1クリア条件が「対戦する敵キャラクタの全滅」と設定されている場合、クエストミッションの第2クリア条件は「対戦で所定のアイテムを使わない」や「所定の攻撃手段(例えば、魔法)でフィニッシュをさせる(敵キャラクタを全滅しきる)」などが設定される。すなわち、クエストを実行する中で、第1クリア条件のみ達成する場合もあれば、第2クリア条件のみ達成する場合もある。また、第1クリア条件および第2クリア条件それぞれ達成した場合、それぞれについてユーザに所定報酬が付与される。
【0036】
抽選リスト222は、一般にガチャと呼ばれる抽選処理を抽選実行手段233(後述)が行う際に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。図2に示すように、抽選リスト222には、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータ、レアリティ、レベルなど)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。またパラメータとは、例えば、ゲーム媒体がプレイヤキャラクタの場合、戦力、HP、攻撃力、防御力、賢さ、または速さなどを含む。
【0037】
「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDB221に記憶され管理される。
【0038】
「ガチャ」とは、サーバ装置2にて、抽選リスト222の中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置5に付与される。“ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する”とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0039】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する。
【0040】
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232、抽選実行手段233、回復手段234、特定手段235、ゲーム実行手段236、および構築手段237として機能する。
【0041】
―情報処理手段―
情報処理手段231は、各ゲーム装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータなどが挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0042】
情報処理手段231は、ネットワークインターフェース21を介してゲーム装置5から受信する要求であってパラメータを所定量回復するための課金の要求(以下、単に「課金の要求」ともいう)に基づき、当該課金を決済するための処理を実行する。
【0043】
-照合手段―
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0044】
―抽選実行手段―
抽選実行手段233は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リスト222の中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する。抽選実行手段233は、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とを、ユーザDB221にて関連付ける。これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0045】
―回復手段―
回復手段234は、ゲームに含まれるゲームパートを開始させる際に消費されるパラメータを、時間の経過に応じて上限値まで回復(以下、「経時回復」ともいう)させる。なお、本実施形態では、このパラメータを「スタミナ」とする例を用いて説明するが、これに限定されない。
【0046】
回復手段234は、スタミナを、ゲームの進行に応じて所定量回復させる。回復手段234は、例えば、スタミナを、ゲームパート(クエスト)の進行によるプレイヤランクのランクアップなどに応じて所定量回復させる。また、他の例として、回復手段234は、この「ゲームの進行」をユーザからの課金の要求として、スタミナを、当該課金の要求に応じて所定量回復させてもよい。また、他の例として、回復手段234は、スタミナを回復させるゲーム媒体(以下、「回復ゲーム媒体」ともいう)の使用をこの「ゲームの進行」として、この回復ゲーム媒体の使用に応じて、スタミナを、所定量回復させてもよい。
【0047】
―特定手段―
特定手段235は、スタミナの下限値(以下、単に「下限値」ともいう)を特定する。この「下限値」とは、ゲームパートの実行などによる消費でスタミナの値がこれ以上下回らないようにするための下限の閾値である。下限値は、現在値からゲームパートの実行などにより消費される値を減算した際にスタミナがこの値を下回らないようにするために設定される。下限値は、言い換えると、ゲームパートの実行などによりスタミナを消費させた後でもユーザに対して最低でも残しておくべきスタミナの値でもある。特定手段235は、例えば、ユーザがプレイ可能なクエストのうち最もスタミナの消費値が大きいクエストの消費値を下限値として特定する。
【0048】
―ゲーム実行手段-
ゲーム実行手段236は、ゲーム装置5のユーザによるタッチパッド63の操作によらずに、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトなどのデータを記憶部22から読み出して、後述の構築手段237が構築したゲームの実行環境(以下、単に「実行環境」ともいう)などでゲームを実行する。このゲームデータは、実行環境を構築するためのデータでもあり、例えば、ユーザが操作するプレイヤキャラクタや、その他の仮想ゲーム空間オブジェクト(ゲーム空間の地形、フィールドを構成するオブジェクトや、敵キャラクタ等のNPC(non player character)オブジェクト)や、敵キャラクタを自動的に操作させるための操作データなどを含む。
【0049】
ゲーム実行手段236は、例えば、パラメータに基づいて、ゲームの進行状況を判定する。次に、ゲーム実行手段236は、ゲームの進行状況に応じて仮想ゲーム空間におけるキャラクタの行動を選択する。そして、ゲーム実行手段236は、選択したキャラクタの行動によりキャラクタの行動を制御する。例えば、ゲーム実行手段236は、ユーザによる入力によらずに、実行環境により、ゲームにおいてクエストを実行させる。ゲーム実行手段236は、例えば、実行環境により、プレイヤキャラクタに特定のゲーム媒体を使用させる。以下、ユーザによる入力によらずに、ゲーム実行手段236で実行環境によりゲームパートを実行することを、「オートプレイ」ともいう。
【0050】
ゲーム実行手段236は、所定条件を満たした場合、ユーザによる入力によらずにゲームパートを開始させる。ここで「所定条件」とは、スタミナの現在値からゲームパートを開始させる際に消費される値(以下、「消費値」ともいう)を減算した値が下限値以上であること、を含む。
【0051】
上記構成によれば、ゲーム実行手段236は、スタミナを回復させてゲームパートを自動で開始させる際に、特定した下限値のスタミナを残してゲームパートを開始させることができる。このため、上記構成によれば、スタミナの回復後にゲームパートを自動で開始させても、ユーザは、別のゲームパートを手動で開始させることができる。したがって、上記構成によれば、ゲーム実行手段236は、経時回復するスタミナの利用にあたって利便性を改善できる。
【0052】
上記構成によれば、サーバ装置2側でゲームパートをオートプレイさせるので、ユーザはゲーム装置5でゲームプログラムを立ち上げたままにしなくてもよい。
【0053】
ゲーム実行手段236は、例えば、後述の受付手段238が受け付けた実行環境を構築することなくゲームパートをクリアさせるか、または構築してゲームパートを実行させるかの選択の結果に応じて、ゲームパートを実行させる。
【0054】
上記構成によれば、ゲーム実行手段236は、ゲームパートの実行にあたって実行環境を構築するか否かのユーザの意向を反映することができる。
【0055】
ゲーム実行手段236は、例えば、所定条件を満たした場合、実行環境によるゲームパートを実行させ、さらにクリアゲーム媒体の指定を受付手段238が受け付けた場合には、実行環境によるゲームパートを実行させずに、このクリアゲーム媒体を使用してスタミナを消費させてゲームパートをクリアさせる。
【0056】
「クリアゲーム媒体」とは、ゲームパートを実行させることなくクリアしたことにするために使用するゲーム媒体である。また、この「ゲームパートを実行させることなくクリアしたことにするために使用するゲーム媒体」とは、例えば、スキップチケットである。ここで「スキップチケット」とは、例えば、ゲームパートで行われるキャラクタの行動などを全て省略してゲームパートの第1達成条件を達成したこととするゲーム媒体である。スキップチケットを使用すると、スタミナを消費させてゲームパートを即時にクリアすることができる。
【0057】
上記構成によれば、ゲーム実行手段236は、クリアゲーム媒体の使用により実行環境によるゲームパートの実行を省いて、ゲームパートをクリアさせることができる。このため、上記構成によれば、ゲーム実行手段236は、効率よくゲームパートをクリアさせることができる。
【0058】
ゲーム実行手段236は、例えば、所定条件を満たした場合、かつゲームパートの予約を受付手段238が受け付けた場合には、実行環境によるゲームパートを実行させずにスタミナを消費させ、その後、スタミナを消費させることなくゲームパートを実行する権利をユーザに関連付ける。この権利を利用して、ユーザは、ゲームに再度ログイン後にゲーム装置5でゲームパートを手動で実行することができる。
【0059】
上記構成によれば、ゲーム実行手段236は、ゲームパートを予約させることで、当該ゲームパートの実行に必要な分スタミナが経時回復したら、下限値を下回らないことを条件にスタミナを消費させて当該ゲームパートを実行する権利をユーザに付与することができる。
【0060】
ゲーム実行手段236は、例えば、ユーザをゲームからログアウトした際に実行環境によるゲームパートを実行させ、ユーザがその後ログインした際にゲームパートの実行に基づく所定報酬をユーザに関連付ける。「ゲームパートの実行に基づく所定報酬」とは、例えば、クエストの第1クリア条件、またはクエストミッションの第2クリア条件の少なくともいずれかを達成したことによりユーザに関連付けられる報酬である。
【0061】
「ゲームからログアウトした際に実行環境によるゲームパートを実行させ」るとは、例えば、以下の(a)~(c)を含む。ゲーム実行手段236は、これら(a)~(c)の少なくともいずれかが満たされると、ユーザがゲームに再度ログインした後に所定報酬をユーザに付与する。
(a)ゲームからログアウトした後にゲームパートを実行させること。
(b)ログアウト中にゲームパートがクリアされること。
(c)ログアウト中に所定報酬が発生すること。
【0062】
上記(a)は、例えば、ゲーム実行手段236がゲームパートを開始させるのはログイン中でもよく、ゲームパートの少なくとも一部をログアウト中に実行させることを含む。
【0063】
上記構成によれば、ゲーム実行手段236は、ユーザがログアウトしているときに実行環境によるゲームパートを実行させ、再度ログインした際に所定報酬を付与することができる。このため、上記構成によれば、ゲーム実行手段236は、所定報酬の付与により、ユーザにゲームに再度ログインすることを促すことができる。
【0064】
ゲーム実行手段236は、例えば、報酬期限を設定する。ここで「報酬期限」とは、ユーザが所定報酬を特段の対価を必要とすることなく受け取るための期限である。報酬期限の起算点は、例えば、所定報酬の発生時でもよいし、ゲームからユーザをログアウトしたタイミングでもよいし、その後に再度ログインしたタイミングでもよい。また、この「所定報酬発生時」とは、例えば、ゲームパートの実行に基づく所定報酬が複数ある場合、そのうち少なくとも2つの報酬に関する報酬期限については、最も早い所定報酬の発生時で統一してもよいし、その後の所定報酬の発生時に統一してもよい。
【0065】
ゲーム実行手段236は、報酬期限を徒過した後であっても、所定報酬を受け取る指示を受け付け可能にするための対価の支払い、課金が実行された場合、所定報酬をユーザに関連付けるようにしてもよい。
【0066】
例えば、サーバ装置2のゲーム実行手段236でゲームパートを実行させ所定報酬をできる機能を利用して、ゲーム実行手段236で延々とゲームパートを実行させて所定報酬を蓄積させてユーザ自らはゲームに一向にログインしないような事態が発生しうることが考えられる。上記構成によれば、ゲーム実行手段236は、このような事態を抑止することができる。また、上記構成によれば、ゲーム実行手段236は、その救済手段として、報酬期限が過ぎてもユーザから対価が支払われれば所定報酬を当該ユーザに付与することができる。
【0067】
<回復手段およびゲーム実行手段>
ここで図2を用いて、回復手段234およびゲーム実行手段236の処理の例について説明する。本例では、ゲームパートを「クエスト」として、設定した終了条件までクエストを繰り返しオートプレイする(周回させる)例を説明する。また、このクエストの実行に必要なスタミナの値を「40」とし、下限値を「30」とする。また、ここで「終了条件」とは、例えば、設定されたクエストの実行の繰り返し数やユーザがゲームにログインしたときなどである。
【0068】
(1)図2に示すように、回復手段234は、スタミナを、クエスト実行による消費で下限値(30)を下回らない値(30+40=70)まで経時回復させる。(2)ゲーム実行手段236は、この下限値を下回らない値(70)までスタミナを経時回復させると、スタミナを消費させて実行環境によるクエストを実行させる。回復手段234とゲーム実行手段236とは、終了条件を満たすまで、この(1)・(2)の処理を繰り返す。
【0069】
―構築手段-
図1に戻って説明を続ける。構築手段237は、ユーザのゲームパートを開始させる際に、当該ユーザのゲームパートの実行環境(以下、単に「実行環境」ともいう)を構築する。構築手段237は、例えば、ゲームデータとユーザ情報とに基づいて、実行環境を構築する。構築手段237は、言い換えれば、ユーザからオートプレイを要求された際の当該ユーザのゲーム装置5でのゲームの実行環境を、ユーザ情報に基づいて、サーバ装置2上でオートプレイするために再現する。
【0070】
構築手段237は、例えば、受付手段238がゲームパートの予約を受け付けた場合、実行環境を構築しない。また、構築手段237は、例えば、受付手段238がクリアゲーム媒体の指定を受け付けた場合、実行環境を構築しない。
【0071】
上記構成によれば、構築手段237は、実行環境を使用しないでゲームパートをクリアさせる場合には、実行環境の構築を省くことができる。このため、上記構成によれば、構築手段237は、冗長な構築を省くことができ、効率的に実行環境を構築することができる。
【0072】
―受付手段-
受付手段238は、ユーザから、サーバ装置2のゲーム実行手段236によるゲームパートの実行の要求を受け付ける。この「ゲームパートの実行の要求」とは、例えば、クエストを繰り返しオートプレイ(自動周回)させる要求を含む。受付手段238は、ユーザから、オートプレイに関する設定を受け付ける。
【0073】
「オートプレイに関する設定」とは、例えば、以下の(ア)~(カ)を含む。
(ア)実行環境を構築してオートプレイを実行させるか、または実行環境を構築しないでオートプレイを実行させるかの設定。
(イ)上記(ア)の後者におけるクリアゲーム媒体(スキップチケット)の使用の設定。
(ウ)上記(ア)の後者におけるゲームパートの予約の指定。
(エ)スタミナの下限値の設定。
(オ)回復ゲーム媒体(スタミナ回復薬)の使用の設定。
(カ)オートプレイ中にプレイヤキャラクタが全滅するなどゲームオーバーとなってしまった場合の処理の設定(同じクエストに再プレイさせるか、再プレイさせずにそこで繰り返しをストップするかなど)。
【0074】
受付手段238は、サーバ装置2のゲーム実行手段236がゲームパートを開始させる前に、ユーザから、実行環境を構築することによってゲームパートを実行させるか、または実行環境を構築することなくゲームパートをクリアさせるかの選択を受け付ける。「実行環境を構築することなくゲームパートをクリアさせる」とは、例えば、受付手段238は、例えば、クリアゲーム媒体の使用によりゲームパートをクリアさせることやゲームパートの予約によりこのゲームパートをゲーム装置5で実行することクリアさせることを含む。ゲーム装置5の入力受付手段565が上記の選択の入力をユーザから受け付けた場合、ネットワークインターフェース21を介して、当該選択を受け付ける。
【0075】
受付手段238は、例えば、ユーザから、ゲームパートを実行させることなくクリアしたこととするために使用するクリアゲーム媒体(スキップチケット)の指定を受け付ける。
【0076】
受付手段238は、例えば、ユーザから、ゲームパートの予約を受け付ける。
【0077】
受付手段238は、例えば、報酬期限を超えた場合、ユーザから、課金して所定報酬を受け取る指示を受け付け可能にする。
【0078】
受付手段238は、例えば、ユーザから、スタミナの下限値を受け付ける。
【0079】
<ゲーム装置5の構成>
ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびタッチパッド63が外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0080】
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0081】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0082】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続され、制御部56の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ62から出力させる。
【0083】
操作部54は、タッチパッド63と接続され、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0084】
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置5のアカウント情報などが格納されている。
【0085】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。
【0086】
記憶部55は、ユーザ情報を記憶する。ユーザ情報は、サーバ装置2の記憶部22で記憶するユーザDB221の少なくとも一部の情報である。ユーザDB221でユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置5の記憶部55は、このマスタの少なくとも一部の情報をサーバ装置2から配信されて記憶する。
【0087】
制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム実行手段562、音声制御手段563、表示制御手段564、および入力受付手段565として機能する。
【0088】
―通信手段561―
通信手段561は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。
【0089】
通信手段561は、操作部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に応じて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段561は、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求などを、サーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報などを、サーバ装置2から受信する。
【0090】
―ゲーム実行手段-
ゲーム実行手段562は、自装置5のユーザによるタッチパッド63の操作に従って、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0091】
そして、ゲーム実行手段562は、ゲーム画像上に、自装置5のユーザの操作に従ってキャラクタを配置させ、そのユーザの操作およびゲームの進行状況に応じて仮想ゲーム空間におけるキャラクタの行動を制御する。例えば、ゲーム実行手段562は、ユーザのタッチパッド63を介した操作(以下、単に「ユーザ操作」という)に応じて、ゲームにおいてクエストを実行させる。また、ゲーム実行手段562は、ユーザ操作に応じて、ユーザにより選択されたゲーム媒体をプレイヤキャラクタに使用させる。
【0092】
ゲーム実行手段562は、例えば、オートプレイとして、ユーザによる入力によらずに、ゲームデータ(操作データ)に基づいて、キャラクタを配置させたり、キャラクタの行動を制御させたりする。
【0093】
ゲーム実行手段562は、スタミナを、ゲーム開始させるために消費させ、また、経時回復させる。
【0094】
ゲーム実行手段562は、入力受付手段565がオートプレイの実行の要求を受け付けると、ユーザをゲームからログアウトさせる。
【0095】
―音声制御手段-
音声制御手段563は、ゲームの実行にあたり、自装置5のユーザの操作などに応じてスピーカ62の音声出力制御を行う。
【0096】
―表示制御手段-
表示制御手段564は、ゲームの実行にあたり、自装置5のユーザの操作などに応じてディスプレイ61の表示出力制御を行う。表示制御手段564は、提示手段5641を備える。表示制御手段564は、例えば、後述のクエスト選択画面610やオートプレイ設定画面620を表示させる。
【0097】
―入力受付手段-
入力受付手段565は、ユーザから、ゲームに対する各種の入力を受け付ける。入力受付手段565は、ユーザから受け付けた各種の入力について、ネットワークインターフェース51を介して、サーバ装置2の受付手段238に連携する。
【0098】
入力受付手段565は、例えば、サーバ装置2のゲーム実行手段236がゲームパートを開始させる前に、ユーザから、実行環境を構築することによってゲームパートを実行させるか、または実行環境を構築することなくゲームパートを実行させるかの選択の入力を受け付ける。
【0099】
入力受付手段565は、例えば、ユーザから、オートプレイに関する設定の入力を受け付ける。また、入力受付手段565は、例えば、ユーザから、オートプレイの実行の要求の入力を受け付ける。
【0100】
<表示制御手段および入力受付手段>
ここで図3~4を用いて、表示制御手段564、および入力受付手段565の処理の例について説明する。
【0101】
図3に示すように、表示制御手段564は、クエスト選択画面610をディスプレイ61に表示させる。クエスト選択画面610は、実行するクエストをユーザが選択するための画面である。クエスト選択画面610は、クエスト選択領域611と、デッキ選択領域612と、手動選択ボタン613と、オートプレイ選択ボタン614(図3では、「自動周回設定」と表記)と、を含む。
【0102】
クエスト選択領域611は、複数のクエストから実行するクエストを選択するための領域である。また、クエスト選択領域611は、選択したクエストに関する情報(例えば、クエスト名(クエストA)、クエストのボス、第1クリア条件、第1クリア条件の達成による所定報酬の内容、クエストの実行に必要なスタミナ(消費スタミナ)、クエストミッションなど)を表示する。
【0103】
デッキ選択領域612は、クエスト選択領域611で選択したクエストで利用するデッキの構成を選択するための領域である。ユーザは、デッキ選択領域612で、当該ユーザが所有するキャラクタから1以上のキャラクタを選択してデッキを構成する。
【0104】
手動選択ボタン613は、ユーザが手動でクエストを実行させるためのボタンである。手動選択ボタン613がユーザにより押下されると、ユーザの入力によりゲーム装置5のゲーム実行手段562でクエストが実行される。
【0105】
オートプレイ選択ボタン614は、クエストを繰り返しオートプレイ(自動周回)させるためのボタンである。オートプレイ選択ボタン614がユーザにより押下されると、入力受付手段565は、このオートプレイの実行要求の入力をユーザから受け付ける。そして、表示制御手段564は、図4のオートプレイに関する設定をするためのオートプレイ設定画面620に遷移させる。
【0106】
図4に示すように、表示制御手段564は、オートプレイ設定画面620(図4では、「自動周回設定画面」と表記)をディスプレイ61に表示させる。オートプレイ設定画面620は、実行するクエストをユーザが選択するための画面である。オートプレイ設定画面620は、設定領域621と、決定ボタン626と、を含む。
【0107】
設定領域621は、オートプレイに関する各種設定をするための領域である。設定領域621は、クエスト表示領域6211と、下限値設定領域6212、スキップチケット設定領域6213と、クエスト予約設定領域6214(図4では、「クエストストック」と表記)と、スタミナ回復薬設定領域6215と、を含む。入力受付手段565は、設定領域621におけるこれらの領域に対する設定の入力を受け付ける。
【0108】
クエスト表示領域6211は、クエスト選択画面610で選択したクエスト(クエストA)と当該クエストに関する情報を表示する。
【0109】
下限値設定領域6212は、スタミナの下限値を設定するための領域である。
【0110】
スキップチケット設定領域623は、オートプレイにおいて使用するスキップチケットの枚数をチケットの種類(通常チケット/特別チケット)ごとに設定するための領域である。
【0111】
クエスト予約設定領域6214は、経時回復するスタミナを消費してクエストを予約するための領域である。例えば、クエスト予約設定領域6214でクエストAを5回分予約するようユーザにより設定された場合には、ゲーム実行手段562は、5回分のスタミナ(5×40=200)を消費させて、クエストAを実行する権利をユーザに付与する。
【0112】
スタミナ回復薬選択領域625は、オートプレイにおいて使用するスタミナ回復薬の個数をスタミナ回復薬の種類(30回復/50回復)ごとに設定するための領域である。
【0113】
決定ボタン622は、設定領域621で設定された内容に応じて、オートプレイをサーバ装置2で実行させるためのボタンである。入力受付手段565は、決定ボタン622がユーザにより押下されると、設定領域621に入力された設定内容を含むオートプレイの実行の要求を、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2に送信する。サーバ装置2がこの要求を受信すると、受付手段238は、上記設定内容を含むこのオートプレイの要求を受け付ける。ゲーム実行手段236は、受付手段238が受け付けたオートプレイの要求に応じて、ゲームパートを繰り返し実行させる。
【0114】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
図5を参照して、ユーザのオートプレイ指示の受け付け処理から当該ユーザへの所定報酬の関連付け処理までの流れ・相互作用について説明する。図5は、当該処理の流れ・相互作用を示すシーケンス図である。なお、これらの処理と並行して、回復手段234によるスタミナの経時回復の処理は常に行われているものとする。
【0115】
図5に示すように、まず、ゲーム装置5の入力受付手段565は、ユーザから、クエストのオートプレイの実行要求の入力を受け付ける(ステップst1)。
【0116】
次いで、入力受付手段565は、オートプレイに関する設定の入力を受け付ける(ステップst2)。この「オートプレイに関する設定」において、本例では、サーバ装置2側で実行環境を構築してゲームパートを実行する設定がなされたとする。
【0117】
次いで、ゲーム実行手段236は、複合フラグメントLoop1が示すエリア内の処理を、終了条件(本例では、ユーザがログアウトするまで)を満たすまでオートプレイを実行する。
【0118】
次いで、ゲーム実行手段562は、スタミナの現在値からクエストを開始させる際に消費される値を減算した値が下限値以上であること、を含む所定条件を満たした場合、複合フラグメントopt1(Option1)が示すエリア内の処理を実行する。具体的には、ゲーム実行手段562は、所定条件を満たした場合、オートプレイとして、ユーザによる入力によらずにスタミナを消費してクエストを開始させる(ステップst3)。
【0119】
次いで、ゲーム実行手段562は、ゲームからユーザをログアウトさせる(ステップst3)。
【0120】
次いで、入力受付手段565は、サーバ装置2側でオートプレイを引き継ぐために、オートプレイに関する設定およびゲームデータを含むオートプレイの実行の要求をサーバ装置2に送信し、サーバ装置2は、このオートプレイの実行の要求を受信する(ステップst4)。
【0121】
次いで、受付手段238は、ゲーム装置5から送信されたオートプレイの実行の要求を受け付ける(ステップst6)。
【0122】
次いで、構築手段237は、ユーザのゲームパートの実行環境を構築する(ステップst7)。
【0123】
次いで、ゲーム実行手段236は、複合フラグメントLoop2が示すエリア内の処理を、終了条件(本例では、ユーザが再度ログインするまで)を満たすまでオートプレイを実行する。
【0124】
まず、ゲーム実行手段236は、スタミナの現在値からクエストを開始させる際に消費される値を減算した値が下限値以上であること、を含む所定条件を満たした場合、複合フラグメントopt2(Option2)が示すエリア内の処理を実行する。具体的には、ゲーム実行手段236は、所定条件を満たした場合、オートプレイとして、ユーザによる入力によらずにスタミナを消費してクエストを開始させる(ステップst8)。
【0125】
次いで、ゲーム実行手段236は、クエストとクエストミッションとにおいて、第1クリア条件および/または第2クリア条件を達成した場合、複合フラグメントopt3(Option3)が示すエリア内の処理を実行する。具体的には、ゲーム実行手段236は、第1クリア条件および/または第2クリア条件を達成した場合、ユーザに関連付ける所定報酬を蓄積する(ステップst9)。
【0126】
ゲーム装置5の入力受付手段565は、ユーザから、ログインの入力を受け付ける(ステップst10)。入力受付手段565は、オートプレイの終了の要求をサーバ装置2に送信し、サーバ装置2は、このオートプレイの終了の要求を受信して、サーバ側2でのオートプレイを終了させる(ステップst11)。
【0127】
次いで、ゲーム実行手段236は、蓄積していた所定報酬をユーザに関連付ける(ステップst12)。
【0128】
次いで、ゲーム実行手段236は、ゲーム装置5側にゲームのプレイを引き継ぐために、ゲームデータをゲーム装置5に送信する(ステップst13)。
【0129】
以上をまとめると、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、ゲームに含まれるゲームパートを開始させる際に消費されるパラメータを、時間の経過に応じて上限値まで回復させる、またはゲームの進行に応じて所定量回復させる回復手段234、パラメータの下限値を特定する特定手段235、および、パラメータの現在値からゲームパートを開始させる際に消費される値を減算した値が下限値以上であること、を含む所定条件を満たした場合、ユーザによる入力によらずにゲームパートを開始させるゲーム実行手段236として機能させるものである。
【0130】
<効果>
本実施形態によれば、パラメータを回復させてゲームパートを自動で開始させる際に、特定した下限値のパラメータを残してゲームパートを開始させることができる。このため、本実施形態によれば、パラメータの回復後にゲームパートを自動で開始させても、ユーザは、別のゲームパートを手動で開始させることができる。したがって、本実施形態によれば、経時回復するパラメータの利用にあたって利便性を改善できる。
【0131】
[変形例]
なお、本発明を上記実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されない。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0132】
[第1変形例]
上記実施形態では示していないが、所定条件は、さらに、パラメータが所定値まで回復したことを含んでもよい。この「所定値」とは、ゲームパートを開始させるための閾値である。ゲーム実行手段236は、例えば、下限値を超えただけではゲームパートを開始させずに、さらにこの所定値まで回復させたことを条件に開始させてもよい。
【0133】
<回復手段234およびゲーム実行手段>
ここで図6を用いて、本例における回復手段234およびゲーム実行手段236の処理について説明する。本例では、ゲームパートを「クエスト」として、設定した終了条件までクエストをオートプレイする例を説明する。また、このクエストの実行に必要なスタミナの値を「40」とし、下限値を「30」とし、所定値を「80」とする。
【0134】
(1)図6に示すように、回復手段234は、スタミナを、クエスト実行による消費で下限値(30)を下回らないことを前提に所定値(80)まで経時回復させる。(2)ゲーム実行手段236は、回復手段234が所定値までスタミナを経時回復させると、スタミナを消費させて実行環境によるクエストを実行させる。回復手段234とゲーム実行手段236とは、終了条件を満たすまで、この(1)・(2)の処理を繰り返す。
【0135】
上記構成によれば、ユーザは、クエストによる消費でスタミナが下限値を下回らないことを前提に、別途ゲームパートの開始条件としてスタミナの所定値を設定することができる。
【0136】
[第2変形例]
ゲームパートを開始させるための所定条件は、上記実施形態で示した例の他に、例えば、(a)実行対象のクエストを過去に一度手動でクリアしたことがある、(b)実行対象のクエストに付随するクエストミッションを全て手動でクリアしたことがある、(c)自動実行でクリア可能なクエストであること(クエストで利用するデッキの総合力などで判定)などを含んでもよい。
【0137】
[第3変形例]
ゲーム実行手段236は、例えば、クリアゲーム媒体の指定を受付手段238が受け付けた場合、かつ所定条件より厳しい条件(以下、「使用条件」ともいう)を満たした場合、実行環境によるゲームパートを実行させずに、このクリアゲーム媒体を使用してスタミナを消費させてゲームパートをクリアさせてもよい。例えば、所定条件が「現在値から消費値を減算した値が下限値を下回らないこと」とした場合、使用条件はそれに加え「実行対象のクエストを過去に一度手動でクリアしたことがある」として所定条件よりも使用条件のほうが条件を多くしてもよい。
【0138】
[第4変形例]
上記実施形態では示していないが、クリアゲーム媒体は、様々な種類があってもよい。例えば、(a)スタミナが上限値に達しているなどの条件を満たした場合のみ使用できるクリアゲーム媒体、(b)繰り返しオートプレイ(自動周回)専用のクリアゲーム媒体、(c)通常より消費量が少なくても済むクリアゲーム媒体、(d)通常より報酬が多くなるクリアゲーム媒体、などがあってもよい。この「通常」とは、ユーザがゲーム装置5において手動でゲームをプレイすることをいう。
【0139】
[第5変形例]
特定手段235は、上記実施形態で示した例の他に、例えば、受付手段238が受け付けたユーザから指定された値で下限値を特定してもよい。また、特定手段235は、他の例として、ユーザ共通に設定された値(例えば、初期値など)によって下限値を特定してもよい。
【0140】
[第6変形例]
オートプレイ中にゲームオーバーなどによりゲームパートの進行がストップした場合、ゲーム実行手段236は、ゲーム装置5に、ネットワークインターフェース21を介してこのゲーム進行がストップした旨を知らせるプッシュ通知をしてもよい。ゲーム装置5ではこのプッシュ通知を表示することで、ユーザにゲームへのログインを促してもよい。
【0141】
[第7変形例]
上記実施形態ではゲームパートの予約の際にスタミナを消費させる例を説明したが、これに限る趣旨ではない。予約の際にはスタミナを消費させずに、例えば、特定手段235が、下限値にこの予約したゲームパートの実行に必要なスタミナを含めた値を特定してもよい。予約により関連付けられたゲームパートを実行する権利をユーザが利用する際に、ゲーム実行手段562が、下限値として保存しておいたスタミナを消費させてゲームパートを開始させてもよい。
【0142】
[第2実施形態]
【0143】
本開示の第2実施形態(以下、「本実施形態」という)にかかるゲームシステム1について、図面を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態と比較して、スタミナが回復して上限値を超えた場合に優先モードが適用される例を説明する。ここで「優先モード」とは、実行環境でゲームパートを実行させることよりも、実行環境でゲームパートを実行させずにゲームパートをクリアさせることを優先する制御モードである。「制御モード」とは、ゲームの進行の制御に関するモードである。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0144】
ゲーム実行手段236は、例えば、さらにスタミナが回復して上限値を超えた場合、優先モードにしてもよい。
【0145】
ゲーム実行手段236は、例えば、上限値を超えた後に消費されたことでスタミナが上限値を下回った場合、優先モードを解除してもよい。
【0146】
<回復手段およびゲーム実行手段>
ここで図7を用いて、本実施形態における回復手段234およびゲーム実行手段236の処理について説明する。本例では、ゲームパートを「クエスト」として、設定した終了条件までクエストをオートプレイする例を説明する。また、このクエストの実行に必要なスタミナの値を「40」とし、下限値を「30」とする。
【0147】
(1)図7に示すように、回復手段234は、スタミナ回復薬などの回復ゲーム媒体の使用に応じてスタミナを所定量回復させる。この際、スタミナが上限値(100)を超えて回復したとする。
【0148】
(2)ゲーム実行手段236は、さらにスタミナが回復して上限値を超えた場合、優先モードにして、実行環境によるゲームパートを実行させずにゲームパートをクリアさせる。具体的には、ゲーム実行手段236は、スキップチケットの使用やクエストの予約などの実行環境でゲームパートを実行させないでスタミナを消費させることを優先する。
【0149】
(3)スタミナの消費により上限値を下回ったら優先モードを解除して、実行環境でゲームパートを実行させてスタミナを消費させる。
【0150】
上記の(1)~(3)を回復ゲーム媒体やクリアゲーム媒体を使いきるまで繰り返す。
【0151】
(4)回復ゲーム媒体やクリアゲーム媒体を使いきったら、(1)図6に示すように、回復手段234は、スタミナを、クエスト実行による消費で下限値(30)を下回らないところ(70)まで経時回復させる。(5)ゲーム実行手段236は、下回らないところまでスタミナを経時回復させると、スタミナを消費させて実行環境によるクエストを実行させる。ゲーム実行手段236は、終了条件を満たすまで、この(4)・(5)の処理を繰り返す。
【0152】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0153】
上記実施形態では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示したが、ゲーム装置5は、ゲームセンターなどに提供されるアミューズメント機器であってもよい。
【0154】
ゲームは、アクションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなどであってもよく、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0155】
上記実施形態では、オブジェクトがプレイヤキャラクタである場合を例示したが、これに限定されない。例えば、オブジェクトは、仮想ゲーム空間内で使用されるカードやアイテム(武器、防具などの装備品)などであることができる。
【0156】
上記実施形態では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が一体となってゲームプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。ゲームプログラムのすべての手段、すなわち、回復手段、特定手段、構築手段、ゲーム実行手段、および受付手段などが、サーバ装置2単体、ゲーム装置5単体、サーバ装置およびゲーム装置5とは別の通信端末単体、これらのうち組み合わせられる2つの装置(例えば、サーバ装置2とゲーム装置5での分散処理など)、に備えられていてもよい。また、サーバ装置、ゲーム装置、通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。例えば、上記実施形態で例示したサーバ装置2の回復手段234、特定手段235、ゲーム実行手段236、および受付手段238について、ゲーム装置5の制御部56が、各種プログラムを実行することにより、これらの手段として機能してもよい。
【0157】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0158】
1 ゲームシステム
2 サーバ装置
23 制御部
234 回復手段
235 特定手段
236 ゲーム実行手段
237 構築手段
238 受付手段
5 ゲーム装置
56 制御部
562 ゲーム実行手段
564 表示制御手段
565 入力受付手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7