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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/906 20190101AFI20240730BHJP
   G06F 16/16 20190101ALI20240730BHJP
   G06F 16/93 20190101ALI20240730BHJP
   G06Q 10/10 20230101ALI20240730BHJP
【FI】
G06F16/906
G06F16/16
G06F16/93
G06Q10/10
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019172297
(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公開番号】P2021051388
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-08-31
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】高山 直弥
(72)【発明者】
【氏名】石塚 美帆
【審査官】成瀬 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-044393(JP,A)
【文献】特開2014-044449(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
電子文書に付与された属性に基づいて、予め定められた格納場所に、当該電子文書を振り分け、
前記属性の変更を受け付け、
変更後の前記属性に基づいて、前記電子文書を再度振り分けたときの格納場所を表示する制御を行うことを特徴とし、
変更後の前記属性の入力を受け付ける第1領域と、変更前の属性に基づく予め定められた格納場所を表示する第2領域と、変更後の前記属性に基づいて再度振り分けたときの格納場所を表示する第3領域を同一画面に表示し、
前記第1領域に変更後の前記属性が入力されることに応じて、入力された変更後の前記属性に基づいて再度振り分けたときの格納場所を前記第3領域に表示する、情報処理装置。
【請求項2】
コンピュータに、
電子文書に付与された属性に基づいて、予め定められた格納場所に、当該電子文書を振り分ける振分機能と、
前記属性の変更を受け付ける受付機能と、
変更後の前記属性に基づいて、前記電子文書を再度振り分けたときの格納場所を表示する制御を行い、
変更後の前記属性の入力を受け付ける第1領域と、変更前の属性に基づく予め定められた格納場所を表示する第2領域と、変更後の前記属性に基づいて再度振り分けたときの格納場所を表示する第3領域を同一画面に表示し、
前記第1領域に変更後の前記属性が入力されることに応じて、入力された変更後の前記属性に基づいて再度振り分けたときの格納場所を前記第3領域に表示する制御を行う表示制御機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子文書を、属性として電子文書に含まれる文字列に基づいて仕分けし、仕分けした属性毎に設けた領域に格納するシステムが存在する。そして、属性が変更になったときには、変更後の属性に基づき電子文書の再振り分けが行われる。
【0003】
特許文献1には、CPUは文書登録に際だって、共通使用する属性(テンプレート)の指示を受けつけ、文書登録を行う際に、1以上の文書について、テンプレートを使用して属性を一括登録するファイル管理システムが記載されている。
また、特許文献2には、ドキュメント管理システムが記載されている。このドキュメント管理システムは、電子化したドキュメントをそのドキュメント属性に基づいて仕分けし、仕分けした属性毎に設けたフォルダに格納する際、属性を定めるデータを複数の副属性のデータに分解して階層付け、それぞれの副属性のデータを入力する入力手段と、階層付けられた複数の副属性のデータ間を連携し、仕分け先フォルダに対応させる編集手段と、入力された複数の副属性のデータを階層化状態で格納する属性データの保持領域と、編集手段によって編集された属性データを格納する保持領域とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-144027号公報
【文献】特開平11-288417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電子文書の再振り分けが行われる際に、電子文書が何れの格納場所に格納されるのかを、ユーザが容易に把握することは困難である。
本発明は、電子文書の属性の変更を行い、電子文書の再振り分けが行われる際に、電子文書の格納場所を表示しない場合に比較して、ユーザが再振り分け後の格納場所を容易に把握することができる情報処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
求項に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、電子文書に付与された属性に基づいて、予め定められた格納場所に、当該電子文書を振り分け、前記属性の変更を受け付け、変更後の前記属性に基づいて、前記電子文書を再度振り分けたときの格納場所を表示する制御を行うことを特徴とし、変更後の前記属性の入力を受け付ける第1領域と、変更前の属性に基づく予め定められた格納場所を表示する第2領域と、変更後の前記属性に基づいて再度振り分けたときの格納場所を表示する第3領域を同一画面に表示し、前記第1領域に変更後の前記属性が入力されることに応じて、入力された変更後の前記属性に基づいて再度振り分けたときの格納場所を前記第3領域に表示する、情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、コンピュータに、電子文書に付与された属性に基づいて、予め定められた格納場所に、当該電子文書を振り分ける振分機能と、前記属性の変更を受け付ける受付機能と、変更後の前記属性に基づいて、前記電子文書を再度振り分けたときの格納場所を表示する制御を行い、変更後の前記属性の入力を受け付ける第1領域と、変更前の属性に基づく予め定められた格納場所を表示する第2領域と、変更後の前記属性に基づいて再度振り分けたときの格納場所を表示する第3領域を同一画面に表示し、前記第1領域に変更後の前記属性が入力されることに応じて、入力された変更後の前記属性に基づいて再度振り分けたときの格納場所を前記第3領域に表示する制御を行う表示制御機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
求項の発明によれば、電子文書の属性の変更を行い、電子文書の再振り分けが行われる際に、電子文書の格納場所を表示しない場合に比較して、ユーザが再振り分け後の格納場所を容易に把握することができる。
請求項2の発明によれば、電子文書の属性の変更を行い、電子文書の再振り分けが行われる際に、電子文書の格納場所を表示しない場合に比較して、ユーザが再振り分け後の格納場所を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理装置にて、電子文書に対し、属性を設定する設定画面を示した図である。
図2】(a)~(b)は、属性を使用したルールおよび電子文書の格納場所について示した図である。
図3】情報処理装置の機能構成例について説明したブロック図である。
図4】振分部が、電子文書を再度振り分けるときに行う処理について説明したフローチャートである。
図5】ユーザが属性の変更の対象となる電子文書を検索するのに使用する検索画面を示した図である。
図6】検索結果について示した図である。
図7】一括変更画面について示した図である。
図8】振分部が、フォルダ階層の表示方法を決定する方法について説明したフローチャートである。
図9】(a)は、図8のステップ204で、表示部に表示される画面を示した図である。(b)は、図8のステップ208で、表示部に表示される画面を示した図である。
図10】(a)は、図8のステップ202で、振分部が、再振り分け先のフォルダを新規に作成する場合の一括変更画面について示した図である。(b)は、図8のステップ203で、再振り分け先のフォルダが既存である場合の一括変更画面について示した図である。
図11】(c)は、図8のステップ207で、再振り分け前の元のフォルダにファイルが残っているときに、振分部が、元のフォルダを残す場合の一括変更画面について示した図である。(d)は、図8のステップ209で、再振り分け前の元のフォルダにファイルが残っていないときに、振分部が、元のフォルダを削除する場合の一括変更画面について示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<情報処理装置10の動作説明>
本実施の形態の情報処理装置10は、例えば、電子文書の管理を行う装置である。
ここで、「電子文書」とは、何らかの情報を電子化したものである。この「電子文書」は、情報処理装置10で扱うことができるものであれば、情報の種類、形式およびデータ構造等について特に限られるものではない。「電子文書」としては、例えば、文字情報、画像情報等の情報、プログラム等のソフトウェア、および設定情報等のソフトウェアに関する情報などを含む。本実施の形態の場合、電子文書は、例えば、見積書、注文書、納品書等の名称で呼ばれる紙文書を印刷するための印刷情報である。また例えば、これらの紙文書をスキャンした画像情報である。
【0010】
情報処理装置10は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータ(PC)、モバイルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット等のコンピュータ装置である。そして、情報処理装置10は、OS(Operating System)による管理下において、各種アプリケーションソフトウェアを動作させることで、電子文書の管理等を行う。
また、これに限られるものではなく、情報処理装置10は、例えば、電子文書を扱うシステム全体の管理をするサーバコンピュータであってもよい。この場合、情報処理装置10は、例えば、情報処理装置10と接続する端末装置を操作するユーザの認証を行い、電子文書の閲覧のために、電子文書を端末装置に対し送信する。また、端末装置で作成した電子文書を受信し、保存する。情報処理装置10がクラウド上に設けられる場合、情報処理装置10は、電子文書の管理等を行うサービスを提供するクラウドサーバであると考えることもできる。
【0011】
情報処理装置10は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)と、記憶手段であるメインメモリ、およびHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等のストレージを備える。ここで、CPUは、プロセッサの一例であり、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアを実行する。また、メインメモリは、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、ストレージは、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
さらに、情報処理装置10および管理サーバ20は、外部との通信を行うための通信インタフェース(以下、「通信I/F」と表記する)と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構と、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスとを備える。
【0012】
情報処理装置10は、電子文書に属性を付与し、この属性に基づき、電子文書を管理する。
図1は、情報処理装置10にて、電子文書に対し、属性を設定する設定画面を示した図である。
図示する設定画面は、ウインドウW1として評される。そして、ウインドウW1の左側に、属性を設定する電子文書のサムネイル画面G1が表示される。ここでは、電子文書として、注文書のサムネイル画面G1が表示されている。そして、ウインドウW1の右側上方に、属性を入力する入力欄R1が、表示される。ユーザは、入力デバイスを使用し、入力欄R1に属性を入力する。
【0013】
情報処理装置10では、この属性を使用したルールを設定することで、電子文書の格納場所を決めることができる。格納場所は、電子文書の保存先であり、例えば、フォルダである。即ち、このルールを設定することで、電子文書を振り分け、希望するフォルダに電子文書を格納することができる。
【0014】
図2(a)~(b)は、属性を使用したルールおよび電子文書の格納場所について示した図である。
このうち、図2(a)は、属性を使用したルールを示している。ここで示すルールは、フォルダ階層とファイル名との関係で示される。フォルダ階層は、電子文書の格納場所のフォルダを示す。そして、このフォルダに電子文書を格納するために必要となる、電子文書のファイル名を示している。つまりここでは、「年度>文書種類>取引先名称」の階層で表されるフォルダに電子文書を格納するためには、ファイル名を、「日付_文書種類_取引先名」とするルールであることを示している。なお、年度、文書種類、取引先名称は、属性の一例である。
このルールは、情報処理装置10の操作や管理を行うユーザが、予め設定することができる。これにより、業務等の実情に合わせて、電子文書の格納場所を決めることができる。
【0015】
図2(b)は、実際に電子文書がフォルダに格納される様子を示している。この場合、電子文書のファイル名は、「20161017_注文書_K社株式会社.xdw」である。つまり、ファイル名が、日付が、「20161017」であり、文書種類が「注文書」であり、取引先名が、「K社株式会社」であることを示している、そして、このとき電子文書が格納されるフォルダは、「2016>注文書>K社」となる。つまり、年度が「2016」であり、文書種類が、「注文書」であり、取引先名が、「K社」であるフォルダに、この電子文書は、格納される。
【0016】
<情報処理装置10の機能構成の説明>
図3は、情報処理装置10の機能構成例について説明したブロック図である。
なお、ここでは、情報処理装置10が有する種々の機能のうち本実施の形態に関係するものを選択して図示している。
【0017】
情報処理装置10は、ユーザによる指示を受け付ける受付部11と、電子文書の属性を設定する設定部12と、電子文書を振り分ける振分部13と、電子文書を保存する保存部14と、表示部16の表示画面を制御する表示制御部15と、電子文書の表示等を行う表示部16とを備える。
【0018】
受付部11は、本実施の形態の場合、図2に示したような画面から属性の設定を受け付ける。また、受付部11は、属性の変更の必要が生じたときは、属性の変更を受け付ける。受付部11は、例えば、CPUや入力デバイスに対応する。
【0019】
設定部12は、属性を設定する。つまり、設定部12は、受付部11が、属性の設定を受け付けたときは、設定された属性を電子文書に付与する。また、設定部12は、属性の変更があったときに、属性の変更の対象となる電子文書について、属性をまとめて変更する。設定部12は、例えば、CPUに対応する。
【0020】
振分部13は、図2に示した画面から属性の設定があったときに、設定された属性に応じ、予め定められた格納場所に電子文書を振り分ける。また、振分部13は、属性の変更があったときに、変更後の属性に基づいて、予め定められた格納場所に、電子文書を振り分ける。つまり、電子文書を再度振り分けする処理を行う。振分部13は、例えば、CPUに対応する。
【0021】
保存部14は、電子文書を保存する。このとき、保存部14は、設定された属性を併せて保存する。またさらに、電子文書に対する作成日時、変更日時、変更履歴等を保存してもよい。保存部14は、例えば、メインメモリやストレージに対応する。
【0022】
表示制御部15は、詳しくは後述するが、変更後の属性に基づいて、電子文書を再度振り分けたときの格納場所を表示する制御を行う。表示制御部15は、例えば、CPUに対応する。
【0023】
表示部16は、電子文書の画像や図2に例示されるような設定画面を表示する。表示部16は、画像を表示する機能を有するものであれば、特に限られるものではなく、液晶パネル、ブラウン管、プラズマパネル等を備えたディスプレイや、プロジェクタなどが含まれる。表示部16は、例えば、表示機構に対応する。
【0024】
<電子文書を再度振り分ける際の動作説明>
上述したように、属性の変更があったときは、振分部13は、電子文書を再度振り分ける処理を行う。以下、この事項について詳述する。
図4は、振分部13が、電子文書を再度振り分けるときに行う処理について説明したフローチャートである。
まず、ユーザは、属性の変更の対象となる電子文書を検索する(ステップ101)。
【0025】
図5は、ユーザが属性の変更の対象となる電子文書を検索するのに使用する検索画面を示した図である。
図示する検索画面は、表示部16にウインドウW2として表示される。そして、ウインドウW2の図中上側に、検索する場所として、入力欄R2が表示される。ユーザは、この入力欄R2に検索したい場所として、ドライブやフォルダを指定することができる。
また、ウインドウW2の図中下側には、属性を入力するための入力欄R3が表示される。ユーザは、この入力欄R3に属性を入力することで、この属性に合致する電子文書を検索できる。ここでは、入力欄R3中のプルダウンメニューP1を使用して、「文書種類」が、注文書である場合を検索しようとしている。また、プルダウンメニューP1の図中下側には、検索を行うための属性が、さらに指定できるようになっている。ここでは、プルダウンメニューP2を使用して、属性として、「部門」を選択し、部門が開発部である場合を検索しようとしている。
そして、ユーザが、検索ボタンBt1を押下すると、ユーザが入力した検索条件に従い、検索がなされる。
【0026】
図4に戻り、表示部16では、ステップ101の検索結果が表示される(ステップ102)。
図6は、検索結果について示した図である。
ここでは、文書種類が注文書であり、部門が開発部である場合の検索結果を示している。検索結果は、表示部16にウインドウW3として表示される。ウインドウW3には、検索結果として、一覧H1が表示される。一覧H1には、ファイル名、文書種類、期限、金額、部門、担当者が表示される。そして、文書種類が注文書であり、部門が開発部である電子文書のファイル名が表示される。また、期限、金額、部門、担当者は属性であり、電子文書にこれらの属性が付与されていた場合は、一覧H1に表示され、付与されていなかった場合は、空欄となる。ここでは、期限、金額については、各電子文書に、この属性が付与されていなかったことを示す。一方、担当者については、この属性が付与されており、担当者A~Cが、表示される。
【0027】
再び図4に戻り、ユーザは、この検索結果から、変更したい属性を選択する(ステップ103)。
この場合、属性として、担当者を変更する場合を、以下に説明する。ユーザは、担当者欄から、変更前の担当者を選択し、変更後の担当者を代わりに入力する。図6では、変更前の担当者として、担当者Aが選択され、その結果、担当者Aの欄が、反転表示された状態を示している。
【0028】
そして、ユーザが、図示しないメニューから「属性一括変更」を選択すると(ステップ104)、次に説明する一括変更画面が表示される(ステップ105)。
図7は、一括変更画面について示した図である。
図示する一括変更画面は、表示部16にウインドウW4として表示される。そして、ウインドウW4の図中上方左側には、変更前の属性を表示する欄R4が表示される。さらに、図中上方右側には、変更後の属性を入力する入力欄R5が表示される。ここでは、変更前の属性として担当者Aが表示され、変更後の属性として、入力欄R5に担当者Xを入力した場合を示している。
【0029】
さらに、ウインドウW4の図中下方左側には、変更前の属性に対応したフォルダ階層F1が表示される。ここでは、ユーザフォルダ内に、担当者A~Cについてのフォルダとして、フォルダA~Cが存在することを示している。つまり、担当者A~Cの電子文書は、それぞれフォルダA~Cに振り分けられて格納される。
【0030】
一方、ウインドウW4の図中下方右側には、変更後の属性に対応したフォルダ階層F2が表示される。このフォルダ階層F2は、入力欄R5に入力を行うと表示される。ここでは、ユーザフォルダ内に、フォルダA~Cの他に、担当者Xについてのフォルダとして、フォルダX表示される。そして、フォルダXは反転表示され、Xのフォルダが追加されることを示している。
【0031】
この場合、図6のウインドウW3の検索結果として、表示された担当者Aの電子文書は、フォルダXに移動することも示している。即ち、属性の変更の結果として、電子文書が再度振り分けられる。このとき、振り分け先フォルダを示す欄R6および欄R7を見ると、担当者Aの電子文書は、フォルダAからフォルダXに再振り分けされることを示している。また、フォルダ階層F1では、フォルダAが着色表示もしくは枠付き文字で表示され、フォルダ階層F2では、フォルダXが、追加されるフォルダとして反転表示される。これにより、ユーザは、再振り分け前のフォルダAと再振り分け先のフォルダXを視覚的に把握することができる。
【0032】
この場合、振分部13は、上述したルールに基づき、再振り分け先を決定する。よって、予めこのルールが定められていることが必要である。よって、実際には、振分部13は、属性の変更に伴い、この属性の変更と連動しているルールが存在するか否かを検索する。そして、存在した場合は、電子文書の再振り分けを行う。
対して、存在しない場合は、電子文書の再振り分けは行わず、属性値の変更だけを行う。この場合、ウインドウW4の下方に表示されていたフォルダ階層F1、F2は、表示されないか、もしくは、双方とも同じ表示を行い、フォルダの着色表示等は行わない。これにより、ユーザは、再振り分けがされないことを把握できる。
【0033】
このように、ユーザが、変更後の属性を入力すると(ステップ106)、これに応じて電子文書の再振り分け先が、逐次表示される。そして、ユーザがOKボタンBt2を押下すると、対象となる電子文書の属性が一括して変更され、電子文書の再振り分けが実行される(ステップ107)。
【0034】
なお、図7のウインドウW4の図中下方に表示されていたフォルダ階層F1、F2の表示方法は、図7の場合に限られるものではない。
図8は、振分部13が、フォルダ階層F1、F2の表示方法を決定する方法について説明したフローチャートである。
まず、振分部13は、変更後の属性に対応する再振り分け先のフォルダが既に存在するか否かを判断する(ステップ201)。図7の例では、振分部13は、フォルダXが既に存在するか否かを判断する。
その結果、存在しない場合(ステップ201でNo)、振分部13は、再振り分け先のフォルダを新規に作成する(ステップ202)。その後は、ステップ205に移行し、電子文書は、再振り分け先のフォルダに移動する。
【0035】
対して、存在する場合(ステップ201でYes)、振分部13は、再振り分け先のフォルダが既存とする(ステップ203)
そして、振分部13は、振り分け先のフォルダに同じファイル名の電子文書が存在したときは、ユーザに上書きするか否かを決定させる。(ステップ204)。
【0036】
図9(a)は、ステップ204で、表示部16に表示される画面を示した図である。
図示する画面は、ダイアログD1として表示される。そして、ラジオボタンRb1およびラジオボタンRb2が表示され、それぞれ上書きおよびファイル名を変更して移動のどちらかを選択できるようになっている。そして、ユーザは、ラジオボタンRb1およびラジオボタンRb2のどちらかを選択してOKボタンBt3を押下すると、選択した処理が実行される。
【0037】
図8に戻り、図9(a)で、ユーザが、上書きをするラジオボタンRb1を選択した場合(ステップ204でYes)、電子文書は、既存の電子文書を上書きして、再振り分け先のフォルダに移動する(ステップ205)。
対して、図9(a)で、ユーザが、ファイル名を変更するラジオボタンRb2を選択した場合(ステップ204でNo)、電子文書は、ファイル名が変更され(ステップ206)、再振り分け先のフォルダに移動する(ステップ205)。
【0038】
次に、振分部13は、電子文書の移動の結果、再振り分け前の元のフォルダにファイルが残っているか否かの判断を行う(ステップ207)。
そして、残っている場合(ステップ207でYes)、一連の処理を終了する。つまり、元のフォルダを残す。
対して、残っていない場合(ステップ207でNo)、元のフォルダを削除するか否かを、ユーザに決定させる。(ステップ208)。
【0039】
図9(b)は、ステップ208で、表示部16に表示される画面を示した図である。
図示する画面は、ダイアログD2として表示される。そして、ラジオボタンRb3およびラジオボタンRb4が表示され、それぞれフォルダを削除する、およびフォルダを削除しないのどちらかを選択できるようになっている。そして、ユーザは、ラジオボタンRb3およびラジオボタンRb4のどちらかを選択してOKボタンBt4を押下すると、選択した処理が実行される。
【0040】
再び図8に戻り、図9(b)で、ユーザが、フォルダを削除しないラジオボタンRb3を選択した場合(ステップ208でNo)、振分部13は、一連の処理を終了する。つまり、元のフォルダを残す。
対して、ユーザが、フォルダを削除するラジオボタンRb4を選択した場合(ステップ208でYes)、元のフォルダを削除する(ステップ209)。
【0041】
図10(a)は、図8のステップ202で、振分部13が、再振り分け先のフォルダを新規に作成する場合の一括変更画面について示した図である。
この場合、図7と同様のウィンドウW4による一括変更画面が表示される。即ち、再振り分け前のフォルダ階層F1には、フォルダXは存在しないため、再振り分け後のフォルダ階層F2では、フォルダXが新規に作成されることを示している。
【0042】
また、図10(b)は、図8のステップ203で、再振り分け先のフォルダが既存である場合の一括変更画面について示した図である。
この場合、再振り分け前のフォルダ階層F1には、フォルダXが存在するため、フォルダ階層F1と、再振り分け後のフォルダ階層F2とでは、同様のフォルダが表示される。即ち、両者ともフォルダA~CおよびフォルダXが表示される。
また、フォルダ階層F1では、フォルダAが、またフォルダ階層F2では、フォルダXが、着色表示もしくは枠付き文字で表示される。これにより、ユーザは、再振り分け前のフォルダAと再振り分け後のフォルダXを視覚的に把握することができる。
【0043】
図11(c)は、図8のステップ207で、再振り分け前の元のフォルダにファイルが残っているときに、振分部13が、元のフォルダを残す場合の一括変更画面について示した図である。
この場合、再振り分け前のフォルダ階層F1には、フォルダXが存在するため、フォルダ階層F1と、再振り分け後のフォルダ階層F2とでは、同様のフォルダが表示される。そして、元のフォルダAには、ファイルが残っているため、フォルダAは、削除されず、残されることを示している。
ここでも、フォルダ階層F1では、フォルダAが、またフォルダ階層F2では、フォルダXが、着色表示もしくは枠付き文字で表示される。これにより、ユーザは、再振り分け前のフォルダAと再振り分け後のフォルダXを視覚的に把握することができる。
【0044】
図11(d)は、図8のステップ209で、再振り分け前の元のフォルダにファイルが残っていないときに、振分部13が、元のフォルダを削除する場合の一括変更画面について示した図である。
この場合、再振り分け後のフォルダ階層F2では、フォルダAが削除されるため、その結果、フォルダAは、表示されない。これにより、ユーザは、フォルダAが削除されることを視覚的に把握することができる。
さらにここでも、フォルダ階層F1では、フォルダAが、またフォルダ階層F2では、フォルダXが、着色表示もしくは枠付き文字で表示される。これにより、ユーザは、再振り分け前のフォルダAと再振り分け後のフォルダXを視覚的に把握することができる。
【0045】
図7の一括変更画面で説明したように、本実施の形態の振分部13は、電子文書に付与された属性を基に、電子文書を検索し、検索された電子文書に対して、属性の変更を受け付ける。そして、振分部13は、変更を受け付けた属性に基づいて電子文書を再度振り分けたときの格納場所を表示する制御を行う。また、振分部13は、電子文書を再度振り分けたときの格納場所に加え、電子文書を再度振り分ける前の格納場所を関連付けて表示する制御を行う。即ち、上述した欄R6、R7やフォルダ階層F1、F2を表示する。これにより、電子文書の属性の変更を行い、電子文書の再振り分けが行われる際に、電子文書の格納場所を表示しない場合に比較して、ユーザが再振り分け後の格納場所を容易に把握することができる。そして、ユーザが再振り分け後の格納場所を確認した上で、対象となる電子文書の属性が一括して変更し、再振り分けを行うことができる。
【0046】
また、図7および図10(a)の一括変更画面で説明したように、本実施の形態の振分部13は、変更後の属性に対応する格納場所がない場合は、新たに格納場所を作成する。そして、表示部16に、電子文書を再度振り分けたときの格納場所として、新たに作成した格納場所を表示する。即ち、図7および図10(a)の場合、担当者Xについての格納場所として、フォルダXを新たに作成する。そして、表示部16に、新たに作成したフォルダXを表示する。これにより、ユーザは、新たに格納場所を作成され、新たに作成された格納場所に再振り分けが行われることを、容易に把握することができる。
【0047】
このとき、振分部13は、予め定められ、属性と格納場所との関係を表すルールに基づき、電子文書を再度振り分けたときの格納場所を決める。これにより、業務等の実情に合わせて、電子文書の格納場所を決めることができる。
また、振分部13は、属性の変更に対応するルールがないときは、電子文書を再度振り分けたときの格納場所を表示せず、電子文書を再度振り分ける処理も行わない。これにより、ルールが決められていないときは、属性の変更だけを行うようにすることができる。
【0048】
さらに、図11(d)の一括変更画面で説明したように、本実施の形態の振分部13は、電子文書を再度振り分けたときに、電子文書が存在しない格納場所が生じたときは、電子文書が存在しない格納場所を削除し、電子文書を再度振り分ける前の格納場所が削除された旨を表示する。即ち、図11(d)の場合、再振り分け前のフォルダ階層F1には、担当者AについてのフォルダAが表示される。一方、再振り分け後は、フォルダAが削除されるので、再振り分け後のフォルダ階層F2には、フォルダAは、表示されない。よって、ユーザは、フォルダAが削除されることを容易に把握することができる。
またこのとき、図9(b)で示したように、振分部13は、ユーザの許可を得た後に、電子文書が存在しない格納場所を削除する。つまり、無条件にフォルダAは削除されるわけではなく、ユーザの同意の後に削除が行われる。
【0049】
<プログラムの説明>
ここで、以上説明を行った本実施の形態の情報処理装置10で行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。そして、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。
【0050】
よって、本実施の形態で、情報処理装置10が行う処理を実行するプログラムは、コンピュータに、電子文書に付与された属性に基づいて、予め定められた格納場所に、電子文書を振り分ける振分機能と、属性の変更を受け付ける受付機能と、変更後の属性に基づいて、電子文書を再度振り分けたときの格納場所を表示する制御を行う表示制御機能と、を実現させるためのプログラムとして捉えることもできる。
【0051】
なお、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0052】
以上、本実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、種々の変更または改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0053】
10…情報処理装置、11…受付部、12…設定部、13…振分部、14…保存部、15…表示制御部、16…表示部
図1
図2
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図9
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図11