(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】無線通信システム、及び通信設定方法
(51)【国際特許分類】
H04M 1/00 20060101AFI20240730BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H04M1/00 U
G06F3/12 336
G06F3/12 392
G06F3/12 302
(21)【出願番号】P 2020047709
(22)【出願日】2020-03-18
【審査請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 淳
【審査官】永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-195151(JP,A)
【文献】特開2019-083487(JP,A)
【文献】特開2019-106030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/09-3/12
H04B7/24-7/26
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ルーターと、前記無線ルーターと接続される印刷装置と、第1無線通信方式で無線ルーターと接続し、前記無線ルーター、及び前記無線ルーターと無線通信する第1端末装置と、前記無線ルーターと無線通信する第2端末装置とを備える無線通信システムであって、
前記第1端末装置は、
オペレーティングシステム、及び、前記オペレーティングシステム上で動作する前記印刷装置に係るアプリケーションプログラムを実行する制御部と、
前記オペレーティングシステムにより制御され、前記無線ルーターの接続情報を記憶する第1記憶領域、及び、前記アプリケーションプログラムがアクセス可能な第2記憶領域を有する記憶部と、
前記無線ルーターと前記第1無線通信方式で通信する第1通信部、及び、前記印刷装置と第2無線通信方式で通信する第2通信部を有する通信部と、を備え、
前記制御部は、前記アプリケーションプログラムの動作によって前記第2記憶領域に前記接続情報を記憶し、前記第2記憶領域に記憶した前記接続情報を前記第2通信部によって前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、前記第2記憶領域に前記接続情報を記憶しているか否かを問い合わせる問合せ情報を前記第2端末装置に送信し、
前記第2端末装置は、前記第1記憶領域と前記第2記憶領域とを有し、
前記問合せ情報を受信すると、前記第2記憶領域に前記接続情報を記憶しているか否かを判別し、前記接続情報を前記第2記憶領域に記憶していると判別した場合、前記接続情報を受信せず、前記接続情報を前記第2記憶領域に記憶していない
と判別した場合、前記接続情報を記憶していない旨を示す情報を前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、前記接続情報を記憶していない旨を示す情報を前記第2端末装置から受信した場合、前記第1端末装置から受信した前記接続情報を前記第2端末装置に送信し、
前記第2端末装置は、前記印刷装置から受信した前記接続情報を前記第2記憶領域に記憶する、
無線通信システム。
【請求項2】
前記接続情報は、前記無線ルーターのSSIDとパスワードとを含む、
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記パスワードの入力を受け付け、受け付けた前記パスワードを含む前記接続情報を、前記アプリケーションプログラムの動作によって前記第2記憶領域に記憶する、
請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記制御部は、
送信した前記接続情報に基づいて前記印刷装置が前記無線ルーターと通信接続できた場合に、前記アプリケーションプログラムの動作によって前記第2記憶領域に前記接続情報を記憶する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記アプリケーションプログラムの動作によって前記接続情報を前記印刷装置に送信する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記印刷装置は、読取機能を有し、
前記アプリケーションプログラムは、前記印刷装置に読取を実行させる機能を有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項7】
第1無線通信方式で無線ルーターと接続し、前記無線ルーター、及び前記無線ルーターと接続される印刷装置と無線通信する第1端末装置が、
オペレーティングシステムにより制御され前記無線ルーターの接続情報を記憶する第1記憶領域と異なる記憶領域であって、前記オペレーティングシステム上で動作する前記印刷装置に係るアプリケーションプログラムがアクセス可能な第2記憶領域に、前記接続情報を記憶し、
前記アプリケーションプログラムの動作によって、前記第2記憶領域に記憶した前記接続情報を前記第1無線通信方式とは異なる第2無線通信方式で前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置が、前記第2記憶領域に前記接続情報を記憶しているか否かを問い合わせる問合せ情報を、前記無線ルーターと無線通信する第2端末装置に送信し、
前記
第2端末装置が、
前記問合せ情報を受信すると、前記第2記憶領域に前記接続情報を記憶しているか否かを判別し、
前記接続情報を具備する前記第2記憶領域に記憶していると判別した場合、前記接続情報を受信せず、
前記接続情報
を具備する前記第2記憶領域に記憶していない
と判別した場合、前記接続情報を記憶していない旨を示す情報を前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置が、
前記接続情報を記憶していない旨を示す情報を前記第2端末装置から受信した場合、前記第1端末装置から受信した前記接続情報を前記第2端末装置に送信し、
前記第2端末装置が、
前記印刷装置から受信した前記接続情報を前記第2記憶領域に記憶する、
通信設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、及び通信設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線ルーターに対して他の装置を通信接続させる端末装置が知られている。例えば、特許文献1は、無線LANアクセスポイントルーターにインターネットラジオを通信接続させる際、アプリケーションプログラムの機能によって、PCがインターネットラジオと通信接続し、無線LANアクセスポイントルーターへの接続情報をPCがインターネットラジオに送信する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなアプリケーションプログラムによる通信接続の手法は、無線ルーターに対して印刷装置を通信接続させる場合でも行われる。しかしながら、端末装置のオペレーティングシステムによっては、端末装置が接続している無線ルーターの接続情報をアプリケーションプログラムがオペレーティングシステムから取得できないため、接続情報を送信することが容易でない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する一態様の端末装置は、第1無線通信方式で無線ルーターと接続し、前記無線ルーター、及び前記無線ルーターと接続される印刷装置と無線通信する端末装置であって、オペレーティングシステム、及び、前記オペレーティングシステム上で動作する前記印刷装置に係るアプリケーションプログラムを実行する制御部と、前記オペレーティングシステムにより制御され、前記無線ルーターの接続情報を記憶する第1記憶領域、及び、前記アプリケーションプログラムがアクセス可能な第2記憶領域を有する記憶部と、前記無線ルーターと前記第1無線通信方式で通信する第1通信部、及び、前記印刷装置と第2無線通信方式で通信する第2通信部を有する通信部と、を備え、前記制御部は、前記アプリケーションプログラムの動作によって、前記第2記憶領域に前記接続情報を記憶し、前記第2記憶領域に記憶した前記接続情報を前記第2通信部によって前記印刷装置に送信する。
【0006】
上記課題を解決する別の一態様の端末装置の通信設定方法は、第1無線通信方式で無線ルーターと接続し、前記無線ルーター、及び無線ルーターに接続される印刷装置と無線通信する端末装置による通信設定方法であって、前記オペレーティングシステムにより制御され前記無線ルーターの接続情報を記憶する第1記憶領域と異なる記憶領域であって、前記オペレーティングシステム上で動作する前記印刷装置に係るアプリケーションプログラムがアクセス可能な第2記憶領域に、前記接続情報を記憶し、前記アプリケーションプログラムの動作によって、前記第2記憶領域に記憶した前記接続情報を前記第1無線通信方式とは異なる第2無線通信方式で前記印刷装置に送信する。
【0007】
上記課題を解決するさらに別の一態様のプログラムは、第1無線通信方式で無線ルーター、及び無線ルーターに接続される印刷装置と無線通信する端末装置の制御部が実行可能な前記印刷装置に係るプログラムあって、前記制御部に、オペレーティングシステムにより制御され前記無線ルーターの接続情報を記憶する第1記憶領域と異なる第2記憶領域に、前記接続情報を記憶させ、前記第2記憶領域に記憶した前記接続情報を前記第1無線通信方式とは異なる第2無線通信方式で前記印刷装置に送信させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】スマートデバイス、及び、複合機の機能的構成を示す図。
【
図3】スマートデバイスの動作を示すフローチャート。
【
図4】スマートデバイスの動作を示すフローチャート。
【
図5】無線通信システムの動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、無線通信システム100の構成を示す図である。
図1に示すように、無線通信システム100は、無線ルーター1、スマートデバイス2、及び、複合機3を備える。
スマートデバイス2、2Bは、端末装置の一例に対応する。また、複合機3、3Bは、印刷装置の一例に対応する。
【0010】
無線ルーター1は、アクセスポイント機能を有する装置である。無線ルーター1は、無線ネットワークNWを構築し、無線ネットワークNWに接続する機器間のデータ通信を中継する。また、無線ルーター1は、グローバルネットワークに接続し、グローバルネットワークに接続する装置と、無線ネットワークNWに接続する装置とのデータ通信を中継する。
【0011】
スマートデバイス2は、ユーザーが持ち運び可能な端末装置であり、例えばスマートフォンやタブレット型端末等である。
【0012】
複合機3は、MFP(Multi Function Peripherals)と呼ばれ、印刷や読取等の種々の機能を有する装置である。複合機3は、スマートデバイス2から受信した制御データに基づいて各種機能に対応する処理を実行する。また、複合機3は、複合機3に設けられた操作スイッチやタッチパネル等の入力手段に対するユーザーの操作に基づいて各種の処理を実行する。
【0013】
無線通信システム100において、スマートデバイス2と複合機3とは、BLE(Bluetooth Low Energy)規格に準拠した通信方式、及び、無線LAN規格に準拠した通信方式によって通信可能である。なお、Bluetoothは登録商標である。また、Wi-Fiは登録商標である。
以下の説明において、BLE規格に準拠した通信方式を単純に「BLE通信方式」といい、無線LAN規格に準拠した通信方式を「無線LAN通信方式」という。BLE通信方式は、第2無線通信方式の一例に対応し、無線LAN通信方式は、第1無線通信方式の一例に対応する。
【0014】
無線通信システム100において、スマートデバイス2と複合機3とがBLE通信方式で通信する場合、スマートデバイス2と複合機3とは、無線ルーター1を介さずに通信する。また、無線通信システム100において、スマートデバイス2と複合機3とが無線LAN通信方式で通信する場合、スマートデバイス2と複合機3とは、無線ルーター1が構築する無線ネットワークNWに接続し、無線ルーター1を介して通信する。
【0015】
図2は、スマートデバイス2と複合機3との機能的構成を示す図である。なお、スマートデバイス2B、及び、複合機3Bは、スマートデバイス2、及び、複合機3と同じ構成である。
【0016】
図2に示すように、スマートデバイス2は、端末制御部20、端末通信部21、及び、タッチパネル22を備える。
端末制御部20は、制御部の一例に対応する。端末通信部21は、通信部の一例に対応する。
【0017】
端末制御部20は、CPUやMPU等のプログラムを実行するプロセッサーである端末プロセッサー210、及び、端末記憶部220を備え、スマートデバイス2の各部を制御する。端末記憶部220は、記憶部の一例に対応する。端末制御部20は、端末プロセッサー210が、端末記憶部220に記憶されたプログラムを読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアにより各種処理を実行する。
【0018】
スマートデバイス2には、複合機3に印刷を実行させる機能や、複合機3に読取を実行させる機能等の複合機3を制御する各種機能を有するアプリケーションプログラムが事前にインストールされる。以下の説明において、このアプリケーションプログラムを「複合機制御アプリ」といい「220B」の符号を付す。複合機制御アプリ220Bは、プログラム、及び、印刷装置に係るアプリケーションプログラムの一例に対応する。複合機制御アプリ220Bは、基本制御プログラムとしてのオペレーティングシステム220A上で動作する。以下の説明では、オペレーティングシステムを「OS」と略記する。複合機制御アプリ220Bは、端末プロセッサー210によって端末記憶部220から読み出されて実行されることで、端末制御部20をアプリ実行部2110として機能させる。
【0019】
なお、OS220Aは、汎用のオペレーティングシステムである。この種のオペレーティングシステムとしては、iOSや、Android、Mac OS等が例として挙げられる。iOS、Android、及び、Mac OSは、登録商標である。
【0020】
端末記憶部220は、端末プロセッサー210が実行するプログラムや、端末プロセッサー210により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。端末記憶部220は、OS220A、複合機制御アプリ220B、端末設定ファイル220C、その他の各種データを記憶する。端末設定ファイル220Cは、スマートデバイス2に係る設定項目、及び、設定項目に対応する設定値との組み合わせが記憶される。端末記憶部220は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、端末記憶部220は、揮発性記憶領域を備え、端末プロセッサー210が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。
【0021】
端末記憶部220は、第1記憶領域MA1と第2記憶領域MA2とを有する。
第1記憶領域MA1は、OS220Aが制御する記憶領域であり、複合機制御アプリ220Bを含むOS220A以外のプログラムがアクセス不可能な記憶領域である。第2記憶領域MA2は、複合機制御アプリ220Bがアクセス可能な記憶領域である。端末制御部20は、スマートデバイス2が無線ルーター1に通信接続すると、OS220Aの動作によって、端末設定ファイル220Cに設定された無線ルーター1の接続情報1Aを第1記憶領域MA1に記憶する。接続情報1Aは、無線ルーター1が構築する無線ネットワークNWのSSID(Service Set Identifier)と、この無線ネットワークNWに接続するためのパスワードとを含む。
【0022】
端末通信部21は、第1端末通信部211と、第2端末通信部212とを備える。第1端末通信部211は、第1通信部の一例に対応する。第2端末通信部212は、第2通信部の一例に対応する。
第1端末通信部211は、無線LAN規格に従った通信ハードウェアにより構成され、端末制御部20の制御で、無線LAN通信方式で無線通信する。
第2端末通信部212は、BLE規格に従った通信ハードウェアにより構成され、端末制御部20の制御で、BLE通信方式で無線通信する。
【0023】
タッチパネル22は、液晶表示パネル等の表示パネルと、表示パネルに重ねて或いは一体に設けられたタッチセンサーとを備える。表示パネルは、端末制御部20の制御で、各種画像を表示する。タッチセンサーは、タッチ操作を検出し、端末制御部20に出力する。端末制御部20は、タッチセンサーからの入力に基づいて、タッチパネル22に対するタッチ操作に対応した処理を実行する。
【0024】
次に、複合機3の機能ブロックについて説明する。
複合機3は、複合機制御部30、複合機通信部31、複合機操作部32、複合機表示部33、印刷部34、及び、読取部35を備える。
【0025】
複合機制御部30は、CPUやMPU等のプログラムを実行するプロセッサーである複合機プロセッサー310、及び、複合機記憶部320を備え、複合機3の各部を制御する。複合機制御部30は、複合機プロセッサー310が、複合機記憶部320に記憶されたプログラムを読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。
【0026】
複合機記憶部320は、複合機プロセッサー310が実行するプログラムや、複合機プロセッサー310により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。複合機記憶部320は、複合機プロセッサー310が実行するプログラム、複合機設定ファイル320A、その他の各種データを記憶する。複合機設定ファイル320Aは、複合機3に係る設定項目、及び、設定項目に対応する設定値との組み合わせが記憶される。複合機記憶部320は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、複合機記憶部320は、揮発性記憶領域を備え、複合機プロセッサー310が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。
【0027】
複合機通信部31は、第1複合機通信部311と、第2複合機通信部312とを有する。
第1複合機通信部311は、無線LAN規格に従った通信ハードウェアにより構成され、複合機制御部30の制御で、無線LAN通信方式で無線通信する。
第2複合機通信部312は、BLE規格に従った通信ハードウェアにより構成され、複合機制御部30の制御で、BLE通信方式で無線通信する。
【0028】
複合機操作部32は、複合機3に設けられた操作ボタンを備え、ユーザーの操作手段に対する操作を検出し、検出結果を複合機制御部30に出力する。複合機操作部32は、操作ボタンと共に或いは代えてタッチパネルを備えてもよい。複合機制御部30は、複合機操作部32からの入力に基づいて、操作手段に対する操作に対応する処理を実行する。
【0029】
複合機表示部33は、複数のLEDや表示パネル等を備え、複合機制御部30の制御に従って、LEDは所定の態様で点灯/消灯/点滅を実行し、表示パネルは情報の表示等を実行する。複合機表示部33が備える表示パネルは、複合機操作部32がタッチパネルを備える場合、タッチパネルを表示パネルとして機能させてもよい。
【0030】
印刷部34は、印刷媒体にインクを吐出してドットを形成するインクジェットヘッドや、インクジェットヘッドを走査方向に操作させるキャリッジ、キャリッジを駆動させるキャリッジ駆動モーター、印刷媒体を搬送する搬送ユニット、インクジェットヘッドにインクを供給するインク供給ユニット等の印刷に係る構成を備える。印刷部34は、複合機制御部30の制御に従って、インクジェットヘッドのノズルからインクを吐出して搬送される印刷媒体の印刷面にドットを形成することで、印刷媒体に印刷を行う。
【0031】
読取部35は、原稿に記録された文字や画像を読み取るスキャナー等の読み取りに係る構成を備える。読取部35は、例えば、光源が発する光を原稿に当てて記録された文字や画像を読み取り、読み取りにより得られた画像データを複合機制御部30に出力する。複合機制御部30は、読取部35から入力された画像データに対してRGB変換や圧縮処理等のデータ処理を行い、所定形式のデータを生成する。そして、複合機制御部30は、生成した所定形式のデータを複合機記憶部320に記憶させる。
【0032】
本実施形態の無線通信システム100では、スマートデバイス2が複合機制御アプリ220Bの機能によって複合機3を制御する場合、スマートデバイス2と複合機3とが無線ルーター1が構築する無線ネットワークNWに接続し、無線ルーター1を介して通信する。これは、BLE通信方式より無線LAN通信方式の方が、通信速度が速く、また、通信可能範囲が広いためである。そのため、スマートデバイス2は、以下の動作を行って、複合機3を無線ルーター1に通信接続させる。
【0033】
図3は、スマートデバイス2の動作を示すフローチャートFAである。また、
図4は、スマートデバイス2の動作を示すフローチャートFBである。
図3に示すスマートデバイス2の動作は、スマートデバイス2が無線ルーター1と通信接続した後、初めて複合機3に接続情報1Aを送信する場合の動作を示す。
図4に示すスマートデバイス2の動作は、スマートデバイス2が無線ルーター1と通信接続した後、2回目以降、複合機3に接続情報1Aを送信する場合の動作を示す。なお、2回目以降、接続情報1Aを送信する複合機3は、同一の複合機3でもよいし、他の複合機3Bでもよい。他の複合機3Bは、複合機3と同様に複合機制御アプリ220Bで制御可能な装置である。
【0034】
まず、
図3に示すスマートデバイス2の動作について説明する。
図3に示すスマートデバイス2の動作開始時点では、第1記憶領域MA1に記憶された接続情報1Aに基づいて、OS220Aにより、無線ルーター1とスマートデバイス2とが通信接続していることを前提する。また、
図3に示すスマートデバイス2の動作開始時点では、ユーザーによって複合機制御アプリ220Bが立ちあげられ、端末制御部20がアプリ実行部2110として機能しているとする。
【0035】
スマートデバイス2のアプリ実行部2110は、複合機3を無線ルーター1に通信接続させるか否かを判別する(ステップSA1)。
【0036】
例えば、アプリ実行部2110は、タッチパネル22が検出した操作が、複合機3を無線ルーター1に通信接続させることを指示する操作である場合、ステップSA1において複合機3を無線ルーター1に通信接続させると判別する。
【0037】
アプリ実行部2110は、複合機3を無線ルーター1に通信接続させると判別した場合(ステップSA1:YES)、スマートデバイス2が通信接続している無線ルーター1が構築する無線ネットワークNWのSSID(Service Set Identifier)を取得する(ステップSA2)。
【0038】
次いで、アプリ実行部2110は、無線ルーター1の無線ネットワークNWに接続するためのパスワードのユーザーによる入力の受け付けを開始する(ステップSA3)。
【0039】
ステップSA3において、アプリ実行部2110は、無線ルーター1の無線ネットワークNWに接続するためのパスワードを入力するユーザーインターフェースをタッチパネル22に表示することで、当該パスワードの入力の受け付けを開始する。
【0040】
次いで、アプリ実行部2110は、タッチパネル22の検出結果に基づいて、無線ルーター1の無線ネットワークNWに接続するためのパスワードの入力を受け付けたか否かを判別する(ステップSA4)。
【0041】
アプリ実行部2110は、無線ルーター1の無線ネットワークNWに接続するためのパスワードの入力を受け付けていないと判別した場合(ステップSA4:NO)、複合機3を無線ルーター1に通信接続させる処理を終了するか否かを判別する(ステップSA5)。
【0042】
例えば、アプリ実行部2110は、タッチパネル22が検出した操作が、複合機3を無線ルーター1に通信接続させる処理を終了することを指示する操作である場合、ステップSA5で複合機3を無線ルーター1に通信接続させる処理を終了すると判別し、そうでない場合はステップSA5で複合機3を無線ルーター1に通信接続させる処理を終了しないと判別する。
【0043】
アプリ実行部2110は、複合機3を無線ルーター1に通信接続させる処理を終了すると判別した場合(ステップSA5:YES)、本処理を終了する。一方、アプリ実行部2110は、複合機3を無線ルーター1に通信接続させる処理を終了しないと判別した場合(ステップSA5:NO)、処理をステップSA4に戻す。
【0044】
ステップSA4の説明に戻り、アプリ実行部2110は、無線ルーター1の無線ネットワークNWに接続するためのパスワードの入力を受け付けたと判別した場合(ステップSA4:YES)、第2端末通信部212によって、複合機3とBLE通信方式による通信接続を確立する(ステップSA6)。
なお、ステップSA6の処理前にスマートデバイス2と複合機3とがBLE通信方式による通信接続を確立している場合、アプリ実行部2110は、ステップSA6の処理をスキップしてよい。
【0045】
次いで、アプリ実行部2110は、無線ルーター1の接続情報1Aとして、ステップSA2で取得したSSIDと受け付けたパスワードとの組み合わせを、第2端末通信部212によって複合機3に送信する(ステップSA7)。
【0046】
複合機3の複合機制御部30は、第2複合機通信部312によって無線ルーター1の接続情報1Aを受信すると、受信した接続情報1Aが含むSSID及びパスワードを複合機設定ファイル320Aに設定することで、無線ルーター1への通信接続を行う。詳細には、複合機設定ファイル320Aの複合機3に係る設定項目は、SSID及びパスワードの無線通信設定に係る設定項目を含む。複合機制御部30は、受信した接続情報1Aが含むSSIDを示す設定値を、SSIDに係る設定項目にセットし、受信した接続情報1Aが含むパスワードを示す設定値を、パスワードに係る設定項目にセットする。これにより、複合機制御部30は、無線ルーター1への通信接続を行う。複合機制御部30は、複合機設定ファイル320Aに接続情報1Aを設定すると、設定した接続情報1Aを複合機記憶部320に記憶する。
【0047】
図3のフローチャートFAの説明に戻り、アプリ実行部2110は、第2端末通信部212によって無線ルーター1の接続情報1Aを複合機3に送信すると、第1端末通信部211によって複合機3に応答要求を送信する(ステップSA8)。すなわち、アプリ実行部2110は、無線ルーター1を経由して、複合機3に応答要求を送信する。
【0048】
次いで、アプリ実行部2110は、複合機3が無線ルーター1と通信接続できたか否かを判別する(ステップSA9)。
【0049】
アプリ実行部2110は、ステップSA8で応答要求を送信してから所定時間内に、この応答要求に対する応答を複合機3から第1端末通信部211によって受信した場合、ステップSA9で複合機3が無線ルーター1と通線接続できたと判別する。一方、アプリ実行部2110は、ステップSA8において応答要求を送信してから所定時間内に、この応答要求に対する応答を複合機3から第1端末通信部211によって受信しなかった場合、ステップSA9で複合機3が無線ルーター1と通線接続できていないと判別する。
【0050】
アプリ実行部2110は、複合機3が無線ルーター1と通信接続できていないと判別した場合(ステップSA9:NO)、対応する処理を実行する(ステップSA10)。対応する処理としては、入力したパスワードが間違っていることの報知等が一例として挙げられる。
【0051】
一方、アプリ実行部2110は、複合機3が無線ルーター1と通信接続できたと判別した場合(ステップSA9:YES)、ステップSA8で送信した接続情報1Aと同じ内容の接続情報1Aを、第2記憶領域MA2に記憶する(ステップSA11)。これにより、第2記憶領域MA2には、無線ルーター1に接続可能な接続情報1Aが記憶される。
【0052】
次に、
図4に示すスマートデバイス2の動作について説明する。
図4に示すスマートデバイス2の動作開始時点では、第1記憶領域MA1に記憶された接続情報1Aに基づいて、OS221Aにより無線ルーター1が構築する無線ネットワークNWにスマートデバイス2が接続していることを前提する。また、
図4に示すスマートデバイス2の動作開始時点では、ユーザーによって複合機制御アプリ220Bが立ちあげられ、端末制御部20がアプリ実行部2110として機能しているとする。
【0053】
スマートデバイス2のアプリ実行部2110は、複合機3を無線ルーター1に通信接続させるか否かを判別する(ステップSB1)。
【0054】
アプリ実行部2110は、複合機3を無線ルーター1に通信接続させると判別した場合(ステップSB1:YES)、第2記憶領域MA2から接続情報1Aを取得する(ステップSB2)。
【0055】
次いで、アプリ実行部2110は、ステップSB2で取得した接続情報1Aを、第2端末通信部212によって複合機3に送信する(ステップSB3)。
【0056】
複合機3の複合機制御部30は、第2複合機通信部312によって無線ルーター1の接続情報1Aを受信すると、受信した接続情報1Aが含むSSID及びパスワードを複合機設定ファイル320Aに設定することで、無線ルーター1と通信接続する。
【0057】
上述した通り、第1記憶領域MA1には、スマートデバイス2と無線ルーター1とが接続した際に端末設定ファイル220Cに設定された接続情報1Aが記憶される。しかしながら、第1記憶領域MA1がOS220Aの制御下にあるため、アプリ実行部2110は、第1記憶領域MA1から接続情報1Aを取得できない。そのため、従来、OS220Aによっては、スマートデバイス2が複合機3に接続情報1Aを送信する度に、ユーザーがパスワードを入力する必要があった。そこで、上述のように、アプリ実行部2110は、2回目以降、複合機3への接続情報1Aの送信において、第2記憶領域MA2に記憶された接続情報1Aを複合機3に送信する。これにより、2回目以降、複合機3に接続情報1Aを送信する際、その都度ユーザーがパスワードを入力する必要がない。よって、例えば、無線ルーター1との接続設定がリセットされた同一の複合機3に対して無線ルーター1への通信接続設定を再度行う場合、もしくは無線ルーター1に通信接続する他の複合機3Bを増やす場合、または、無線ルーター1に通信接続する複合機3を他の複合機3Bと交換する場合等において、ユーザーは、操作するスマートデバイス2のOS220Aに依ることなく、容易に複合機3を無線ルーター1に通信接続させることができる。
【0058】
また、2回目以降に送信する接続情報1Aが、初回の送信時に無線ルーター1と通信接続できた接続情報1Aであるため、無線ルーター1が構築する無線ネットワークNWのSSID及びパスワードが同じであれば、確実に、複合機3は、受信した接続情報1Aによって無線ルーター1と通信接続できる。そのため、アプリ実行部2110は、2回目以降、複合機3が無線ルーター1に通信接続できたか否かの判別に係る処理を行う必要がない。
【0059】
次に、無線ルーター1に複合機3が通信接続した後、既に無線ルーター1に通信接続しているスマートデバイス2と異なる他のスマートデバイス2Bが、既に無線ルーター1に通信接続しているスマートデバイス2に加えて或いは代わって、無線ルーター1と通信接続した場合の動作を説明する。
【0060】
図5は、無線通信システム100の動作を示すフローチャートである。
図5において、フローチャートFCは、複合機3の動作を示し、フローチャートFDは、新たに無線ルーター1と通信接続した他のスマートデバイス2Bの動作を示す。
【0061】
フローチャートFCで示すように、複合機3の複合機制御部30は、第1記憶領域MA1に記憶された接続情報1Aに基づいて、OS221Aにより無線ルーター1と通信接続する他のスマートデバイス2Bに対して、第1複合機通信部311により接続情報1Aを第2記憶領域MA2に記憶しているか否かを問い合わせる問合せ情報を送信する(ステップSC1)。
【0062】
フローチャートFDで示すように、他のスマートデバイス2Bのアプリ実行部2110は、第1端末通信部211によって複合機3から問合せ情報を受信すると(ステップSD1)、第2記憶領域MA2にアクセスして接続情報1Aを記憶しているか否かを判別する(ステップSD2)。
【0063】
アプリ実行部2110は、第2記憶領域MA2に接続情報1Aを記憶していると判別した場合(ステップSD2:YES)、本処理を終了する。
【0064】
一方、アプリ実行部2110は、第2記憶領域MA2に接続情報1Aを記憶していないと判別した場合(ステップSD2:NO)、その旨を示す情報を第1端末通信部211によって複合機3に送信する(ステップSD3)。
【0065】
フローチャートFCで示すように、複合機制御部30は、第2記憶領域MA2に接続情報1Aを記憶していないことを示す情報を受信すると(ステップSC2)、複合機記憶部320が記憶する接続情報1Aを、他のスマートデバイス2Bに送信する(ステップSC3)。
【0066】
フローチャートFDで示すように、アプリ実行部2110は、複合機3から接続情報1Aを受信すると(ステップSD4)、第2記憶領域MA2に受信した接続情報1Aを記憶する(ステップSD5)。
【0067】
このように、無線ルーター1に複合機3が通信接続した後、既に無線ルーター1と通信接続しているスマートデバイス2と異なる他のスマートデバイス2Bが、既に無線ルーター1と通信接続しているスマートデバイス2に加えて或いは代わって、無線ルーター1と通信接続した場合、新たに通信接続した他のスマートデバイス2Bの第2記憶領域MA2には、自動で接続情報1Aが記憶される。そのため、新たに通信接続した他のスマートデバイス2Bによって、複合機3に対する無線ルーター1への通信接続設定を行う際も、ユーザーがパスワードを入力する必要がない。そのため、無線ルーター1に新たな他のスマートデバイス2Bが通信接続し、この他のスマートデバイス2Bによって複合機3を無線ルーター1に通信接続する場合でも、ユーザーは、操作するスマートデバイス2のOS220Aに依ることなく、容易に複合機3を無線ルーター1に通信接続させることができる。
【0068】
以上、説明したように、無線ルーター1と接続し、無線ルーター1と無線通信するスマートデバイス2は、OS220A、及び、OS220A上で動作する複合機制御アプリ220Bを実行する端末制御部20と、OS220Aにより制御され、無線ルーター1の接続情報1Aを記憶する第1記憶領域MA1、及び、複合機制御アプリ220Bがアクセス可能な第2記憶領域MA2を有する端末記憶部220と、無線ルーター1と無線LAN通信方式で通信する第1端末通信部211、及び、BLE通信方式で通信する第2端末通信部212を有する端末通信部21と、を備える。端末制御部20は、複合機制御アプリ220Bの動作によって、第2記憶領域MA2に接続情報1Aを記憶し、第2記憶領域MA2に記憶した接続情報1Aを第2端末通信部212によって複合機3に送信する。
【0069】
また、スマートデバイス2の通信設定方法では、OS220Aにより制御され無線ルーター1の接続情報1Aを記憶する第1記憶領域MA1と異なる記憶領域であって、OS220A上で動作する複合機制御アプリ220Bがアクセス可能な第2記憶領域MA2に、接続情報1Aを記憶し、複合機制御アプリ220Bの動作によって、第2記憶領域MA2に記憶した接続情報1Aを複合機3に送信する。
【0070】
また、複合機制御アプリ220Bは、端末制御部20に、OS220Aにより制御され無線ルーター1の接続情報1Aを記憶する第1記憶領域MA1と異なる第2記憶領域MA2に、接続情報1Aを記憶させ、第2記憶領域MA2に記憶した接続情報1Aを複合機3に送信させる。
【0071】
スマートデバイス2、スマートデバイス2の通信設定方法、及び、複合機制御アプリ220Bの構成によれば、第2記憶領域MA2に記憶した接続情報1Aを送信するため、スマートデバイス2のOS220Aに依ることなく、容易に複合機3に接続情報1Aを送信できる。また、容易に複合機3に接続情報1Aを送信できるため、同一の複合機3に対して無線ルーター1への通信接続設定を再度行う場合や、無線ルーター1に通信接続する複合機3を増やす場合、無線ルーター1に通信接続する複合機3を交換する場合等において、スマートデバイス2は、OS220Aに依ることなく、容易に複合機3を無線ルーター1に通信接続させることができる。
【0072】
接続情報1Aは、無線ルーター1のSSIDとパスワードとを含む。
【0073】
この構成によれば、スマートデバイス2は、OS220Aに依ることなく、無線LAN規格で通信可能な無線ルーター1に複合機3を容易に通信接続させることができる。
【0074】
端末制御部20は、パスワードの入力を受け付け、受け付けたパスワードを含む接続情報1Aを、複合機制御アプリ220Bの動作によって第2記憶領域MA2に記憶する。
【0075】
この構成によれば、複合機3を無線ルーター1に通信接続させる際、その都度ユーザーがパスワードを入力する必要がない。そのため、同一の複合機3に対して無線ルーター1への通信接続設定を再度行う場合や、無線ルーター1に通信接続する複合機3を増やす場合、無線ルーター1に通信接続する複合機3を交換する場合等において、ユーザーは、スマートデバイス2のOS220Aに依ることなく、容易に複合機3を無線ルーター1に通信接続させることができる。
【0076】
端末制御部20は、送信した接続情報1Aに基づいて複合機3が無線ルーター1と通信接続できた場合に、複合機制御アプリ220Bの動作によって第2記憶領域MA2に接続情報1Aを記憶する。
【0077】
この構成によれば、送信する接続情報1Aが、無線ルーター1と通信接続できた接続情報1Aであるため、スマートデバイス2は、確実に、複合機3を無線ルーター1に通信接続させることができる。
【0078】
端末制御部20は、複合機制御アプリ220Bの動作によって接続情報1Aを複合機3に送信する。
【0079】
この構成によれば、複合機制御アプリ220Bの動作によって接続情報1Aを複合機3に送信するため、複合機制御アプリ220Bの動作によって、スマートデバイス2は、容易に複合機3を無線ルーター1に通信接続させることができる。
【0080】
複合機3は、読取機能を有する。複合機制御アプリ220Bは、複合機3に読取を実行させる機能を有する。
【0081】
この構成によれば、複合機3に読取を実行させることが可能な複合機制御アプリ220Bの動作によって、スマートデバイス2は、容易に複合機3を無線ルーター1に通信接続させることができる。
【0082】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
【0083】
例えば、端末装置は、デスクトップ型でもラップトップ型でもよい。
【0084】
例えば、上述した実施形態では、第1無線通信方式として、BLE通信方式を例示したが、第1無線通信方式は、BLE通信方式に限定されず、BLE規格以外のBluetooth規格に準拠した通信方式や、Bluetooth規格以外の近距離無線通信規格に準拠した通信方式でもよい。また、上述した実施形態では、第2無線通信方式として、Wi-Fi Direct通信方式を例示したが、第2無線通信方式は、他の無線通信方式でもよい。但し、第2無線通信方式は、第1無線通信方式より通信速度が速く且つ通信可能範囲が広い無線通信方式であることが好ましい。
【0085】
例えば、上述した実施形態では、シリアル型の印刷ヘッドを有する複合機3を例示したが、複合機は、ライン型の印刷ヘッドを有してもよい。また、複合機3の印刷方式は、インクジェット式に限定されず、他の印刷方式でもよい。
【0086】
例えば、上述した実施形態では、印刷装置として複合機3を例示したが、印刷装置は、読取機能を有さないプリンターとしてもよい。また、スマートデバイス2が無線ルーター1へ通信接続させる対象は、スキャナーやプロジェクター等の複合機3以外の情報処理装置でもよい。
【0087】
また、端末制御部20、及び、複合機制御部30の機能は、複数のプロセッサー、又は、半導体チップにより実現してもよい。
【0088】
また、
図2に示した各部は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、スマートデバイス2、及び、複合機3の他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0089】
また、例えば、
図3、
図4、及び、
図5に示す動作のステップ単位は、無線通信システム100の各装置の動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本発明の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1…無線ルーター、1A…接続情報、2…スマートデバイス(端末装置)、3…複合機(印刷装置)、20…端末制御部(制御部)、21…端末通信部(通信部)、22…タッチパネル、30…複合機制御部、31…複合機通信部、32…複合機操作部、33…複合機表示部、34…印刷部、35…読取部、100…無線通信システム、210…端末プロセッサー、211…第1端末通信部(第1通信部)、212…第2端末通信部(第2通信部)、220…端末記憶部、220A…OS、220B…複合機制御アプリ(プログラム、印刷装置に係るアプリケーションプログラム)、220C…端末設定ファイル、310…複合機プロセッサー、311…第1複合機通信部、312…第2複合機通信部、320…複合機記憶部、320A…複合機設定ファイル、2110…アプリ実行部、MA1…第1記憶領域、MA2…第2記憶領域。