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特許7528487再生制御方法、再生制御システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】再生制御方法、再生制御システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G10H 1/00 20060101AFI20240730BHJP
   G10H 1/043 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G10H1/00 Z
G10H1/043 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020050817
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021149026
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125689
【弁理士】
【氏名又は名称】大林 章
(74)【代理人】
【識別番号】100128598
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 聖一
(74)【代理人】
【識別番号】100121108
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 太朗
(72)【発明者】
【氏名】入山 達也
【審査官】山下 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-532903(JP,A)
【文献】特開平1-293395(JP,A)
【文献】特開平11-133955(JP,A)
【文献】特開平10-240250(JP,A)
【文献】特開平5-323965(JP,A)
【文献】特開2016-180795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10H 1/00-7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体が操作面から所定の距離だけ離間する第1状態、および、前記物体が前記操作面に接触する第2状態を検出し、
前記物体が前記操作面に接近する過程において当該物体が前記第1状態となる第1時点において音の再生を開始し、前記第1時点から、当該過程において前記物体が前記第2状態となる第2時点の経過後の第3時点まで、前記音の再生を継続し、
前記第1時点から前記第2時点までの第1期間内において前記音の特徴量の時間的な変化を制御する
コンピュータにより実現される再生制御方法。
【請求項2】
前記第2時点において目標値に到達するように前記第1期間内において前記音の特徴量を変化させる
請求項1の再生制御方法。
【請求項3】
前記第2時点から前記第3時点までの第2期間内において前記音の特徴量を前記目標値に維持する
請求項2の再生制御方法。
【請求項4】
前記第1期間内において、前記物体の位置に関するパラメータに応じて前記音の特徴量を変化させる
請求項1から請求項3の何れかの再生制御方法。
【請求項5】
前記パラメータは、前記物体が移動する速度である
請求項4の再生制御方法。
【請求項6】
前記パラメータは、前記操作面に対する前記物体の距離である
請求項4の再生制御方法。
【請求項7】
前記パラメータは、前記物体の移動の方向である
請求項4の再生制御方法。
【請求項8】
前記音の特徴量は、音高である
請求項1から請求項7の何れかの再生制御方法。
【請求項9】
前記物体が前記操作面から離間する過程において、前記物体が移動する速度に応じた速度で前記音の特徴量を変化させる
請求項1から請求項8の何れかの再生制御方法。
【請求項10】
物体が操作面から所定の距離だけ離間する第1状態、および、前記物体が前記操作面に接触する第2状態を検出する状態検出部と、
前記物体が前記操作面に接近する過程において当該物体が前記第1状態となる第1時点において音の再生を開始し、前記第1時点から、当該過程において前記物体が前記第2状態となる第2時点の経過後の第3時点まで、前記音の再生を継続し、前記第1時点から前記第2時点までの第1期間内において前記音の特徴量を変化させる再生制御部と
を具備する再生制御システム。
【請求項11】
物体が操作面から所定の距離だけ離間する第1状態、および、前記物体が前記操作面に接触する第2状態を検出する状態検出部、および、
前記物体が前記操作面に接近する過程において当該物体が前記第1状態となる第1時点において音の再生を開始し、前記第1時点から、当該過程において前記物体が前記第2状態となる第2時点の経過後の第3時点まで、前記音の再生を継続し、前記第1時点から前記第2時点までの第1期間内において前記音の特徴量を変化させる再生制御部
としてコンピュータを機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、音を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば利用者からの指示に応じて再生される音の特徴量を変化させる各種の技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、利用者による押鍵に応じて再生される音の音高を、ピッチベンドホイールに対する利用者からの操作に応じて変化(ピッチベンド)させる電子楽器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-161699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の構成において、利用者は、押鍵による発音の指示とは個別に、ピッチベンドホイールの操作によりピッチベンドを指示する必要がある。したがって、音の再生のために利用者が実行すべき操作の負荷が大きいという問題がある。以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様は、音の再生に関する利用者の指示の負荷を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様に係る再生制御方法は、物体が操作面から所定の距離だけ離間する第1状態、または、前記物体が前記操作面に接触する第2状態を検出し、前記物体が前記操作面に接近する過程において当該物体が前記第1状態となる第1時点において音の再生を開始し、前記第1時点から、当該過程において前記物体が前記第2状態となる第2時点の経過後の第3時点まで、前記音の再生を継続し、前記第1時点から前記第2時点までの第1期間内において前記音の特徴量の変化を制御する。
【0006】
本開示のひとつの態様に係る再生制御方法は、物体が操作面に接触する状態において音を再生させ、前記物体が前記操作面から離間する過程において、前記物体が移動する速度に応じた速度で前記音の特徴量を変化させる。
【0007】
本開示のひとつの態様に係る再生制御システムは、物体が操作面から所定の距離だけ離間する第1状態、または、前記物体が前記操作面に接触する第2状態を検出する状態検出部と、前記物体が前記操作面に接近する過程において当該物体が前記第1状態となる第1時点において音の再生を開始し、前記第1時点から、当該過程において前記物体が前記第2状態となる第2時点の経過後の第3時点まで、前記音の再生を継続し、前記第1時点から前記第2時点までの第1期間内において前記音の特徴量の時間変化を制御する再生制御部とを具備する。
【0008】
本開示のひとつの態様に係るプログラムは、物体が操作面から所定の距離だけ離間する第1状態、または、前記物体が前記操作面に接触する第2状態を検出する状態検出部、および、前記物体が前記操作面に接近する過程において当該物体が前記第1状態となる第1時点において音の再生を開始し、前記第1時点から、当該過程において前記物体が前記第2状態となる第2時点の経過後の第3時点まで、前記音の再生を継続し、前記第1時点から前記第2時点までの第1期間内において前記音の特徴量の時間変化を制御する再生制御部、としてコンピュータを機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】再生制御システムの構成を例示するブロック図である。
図2】検出ユニットの構成を例示する模式図である。
図3】制御システムの機能的な構成を例示するブロック図である。
図4】利用者の手の状態に関する説明図である。
図5】制御処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図6】第3実施形態における手の状態に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
A:第1実施形態
図1は、本開示の第1実施形態に係る再生制御システム100の構成を例示するブロック図である。再生制御システム100は、利用者の操作に応じた音(以下「目標音」という)を再生するコンピュータシステムである。再生制御システム100は、制御システム1と複数の検出ユニット2とを具備する。複数の検出ユニット2は、利用者による操作を検出する。制御システム1は、検出ユニット2が検出した操作に応じた目標音を再生する。制御システム1が再生する目標音は、例えば鍵盤楽器等の楽器の演奏音である。ただし、歌唱音または発話音等の音声が目標音として再生されてもよい。
【0011】
制御システム1は、制御装置10と記憶装置11と放音装置13とを具備する。制御システム1は、例えばスマートフォン,タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等の情報端末により実現される。なお、制御システム1は、単体の装置で実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0012】
制御装置10は、制御システム1の各要素を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、SPU(Sound Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置10が構成される。制御装置10は、利用者の操作に応じた目標音の波形を表す音響信号Xを生成する。
【0013】
放音装置13は、制御装置10が生成する音響信号Xが表す目標音を再生する。放音装置13は、例えばスピーカまたはヘッドホンである。なお、音響信号Xをデジタルからアナログに変換するD/A変換器と、音響信号Xを増幅する増幅器とは、便宜的に図示が省略されている。また、図1においては、放音装置13を制御システム1に搭載した構成を例示したが、制御システム1とは別体の放音装置13が有線または無線により制御システム1に接続されてもよい。
【0014】
記憶装置11は、制御装置10が実行するプログラムと制御装置10が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置11は、例えば磁気記録媒体もしくは半導体記録媒体等の公知の記録媒体、または、複数種の記録媒体の組合せで構成される。なお、制御システム1とは別体の記憶装置11(例えばクラウドストレージ)を用意し、例えば移動体通信網またはインターネット等の通信網を介して、制御装置10が記憶装置11に対する書込および読出を実行してもよい。すなわち、記憶装置11は制御システム1から省略されてもよい。
【0015】
再生制御システム100は、相異なる音高(以下「標準音高」という)Psに対応する複数の検出ユニット2を具備する。複数の検出ユニット2の各々は、当該検出ユニット2に対応する標準音高Psの目標音の再生を利用者が指示するための操作子である。複数の検出ユニット2のうち所望の標準音高Psに対応する検出ユニット2を利用者が操作することで、当該標準音高Psの目標音が再生される。各検出ユニット2は、例えば鍵盤楽器の鍵を構成する。すなわち、複数の検出ユニット2の配列により鍵盤が構成され、再生制御システム100は鍵盤楽器として実現される。
【0016】
図2は、任意の1個の検出ユニット2の構成を例示する模式図である。検出ユニット2は、収容体20と第1検出器21と第2検出器22とを具備する。図2の収容体20は、第1検出器21と第2検出器22とを収容する中空の構造体である。具体的には、収容体20は、筐体部20aと透光部20bとを具備する。筐体部20aは、上方が開口した中空箱形の構造体である。透光部20bは、筐体部20aの開口を閉塞する板状部材である。透光部20bは、第1検出器21が検出可能な波長域の光を透過させる。利用者は、透光部20bのうち筐体部20aとは反対側の表面(以下「操作面」という)Fに対して自身の手Hを接近および離間させ、当該操作面Fを手Hで打撃することが可能である。なお、利用者の手Hは「物体」の一例である。
【0017】
第1検出器21は、利用者の手Hの状態を検出する光学センサである。第1検出器21は、筐体部20aの底面における中点の近傍に設置される。具体的には、被写体と受光面との距離を測定する測距センサが第1検出器21として利用される。例えば、第1検出器21は、透光部20bを透過する手Hからの反射光を受光することで、操作面Fに垂直な方向における手Hの位置(具体的には受光面から手Hまでの距離)を時系列に表す検出信号Q1を生成する。検出信号Q1は、有線通信または無線通信により制御システム1に送信される。なお、第1検出器21が検出する光は可視光に限定されない。例えば赤外光等の非可視光を第1検出器21が受光してもよい。
【0018】
第2検出器22は、操作面Fに対する手Hの接触を検出するためのセンサである。例えば周囲の音を収音する収音装置が第2検出器22として利用される。第2検出器22は、利用者の手Hが操作面Fを打撃したときに発生する打撃音を収音する。第2検出器22は、打撃音を含む周囲の音を表す検出信号Q2を生成する。検出信号Q2は、有線通信または無線通信により制御システム1に送信される。なお、第2検出器22を収容体20の外側に設置してもよい。
【0019】
図3は、制御システム1の機能的な構成を例示するブロック図である。制御システム1の制御装置10は、記憶装置11に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(状態検出部30および再生制御部31)を実現する。
【0020】
状態検出部30は、複数の検出ユニット2の各々による検出の結果(検出信号Q1および検出信号Q2)に応じて利用者の手Hの状態を検出する。具体的には、状態検出部30は、第1状態または第2状態を手Hの状態として検出する。図2に例示される通り、第1状態は、1個の検出ユニット2における操作面Fから手Hが所定の距離(以下「基準値」という)Drefだけ離間する状態である。第2状態は、手Hが操作面Fに接触する状態である。
【0021】
図4は、手Hの状態に関する説明図である。状態検出部30は、第1検出器21が生成する検出信号Q1を解析することで、手Hが第1状態にあることを検出する。具体的には、状態検出部30は、検出信号Q1を解析することで操作面Fと手Hとの距離Dを算定する。距離Dの算定は所定の周期で反復される。すなわち、距離Dの時系列が生成される。距離Dの算定には公知の技術が任意に採用される。図4には、距離Dの時間的な変化が図示されている。状態検出部30は、操作面Fと手Hとの距離Dが基準値Drefに一致した場合に、手Hが第1状態にあると判定する。なお、基準値Drefを含む所定の許容範囲内に距離Dが含まれる場合に、手Hが第1状態にあると状態検出部30が判定してもよい。なお、基準値Drefは、事前に設定された固定値である。ただし、利用者からの指示に応じて基準値Drefが変更されてもよい。
【0022】
また、状態検出部30は、第2検出器22が生成する検出信号Q2を解析することで、手Hが第2状態にあることを検出する。具体的には、状態検出部30は、検出信号Q2が表す音の音量Vを算定する。音量Vの算定は所定の周期で反復される。すなわち、音量Vの時系列が生成される。音量Vの算定には公知の技術が任意に採用される。図4には、音量Vの時間的な変化が図示されている。操作面Fの打撃により打撃音が発生することで音量Vは急峻に増加する。状態検出部30は、音量Vが所定の数値(以下「基準値」という)Vrefを上回る場合(すなわち打撃音が収音された場合)に、手Hが第2状態にあると判定する。なお、基準値Vrefは、事前に設定された固定値である。ただし、利用者からの指示に応じて基準値Vrefが変更されてもよい。
【0023】
利用者は、複数の検出ユニット2のうち所望の標準音高Psに対応する1個の検出ユニット2の操作面Fに手Hを接近させることで、当該標準音高Psの目標音の再生を指示することが可能である。利用者の手Hは、1個の検出ユニット2の操作面Fに接近する一連の過程において順次に第1状態および第2状態となる。具体的には、操作面Fに手Hが接近する過程の特定の時点(以下「第1時点」という)t1において当該手Hは第1状態となり、第1時点t1の経過後の時点(以下「第2時点」という)t2において手Hは第2状態となる。
【0024】
第1時点t1と第2時点t2とは時間軸上で間隔をあけて前後する。図4には、第2時点t2の経過後の時点(以下「第3時点」という)t3が図示されている。第3時点t3は、第2時点t2から所定の時間長が経過した時点である。また、図4には、第1期間T1と第2期間T2とが図示されている。第1期間T1は、第1時点t1から第2時点t2までの期間であり、第2期間T2は、第2時点t2から第3時点t3までの期間である。第1期間T1の時間長(第1時点t1と第2時点t2との間隔)は、利用者が手Hを移動させる速度に応じて変化する。また、第2期間T2の時間長(第2時点t2と第3時点t3との間隔)は、例えば利用者からの指示に応じて変更されてもよい。
【0025】
図3の再生制御部31は、各検出ユニット2の操作面Fに対する手Hの状態に応じて、当該検出ユニット2に対応する目標音を放音装置13に再生させる。複数の検出ユニット2のうち利用者の手Hが接近する検出ユニット2に対応する標準音高Psの目標音が再生される。具体的には、再生制御部31は、目標音を表す音響信号Xを生成する。例えば、記憶装置11には、相異なる標準音高Psの音の波形を表す複数の波形データが記憶される。再生制御部31は、複数の検出ユニット2のうち利用者の手Hが接近する検出ユニット2に対応する標準音高Psの波形データを記憶装置11から読出し、当該波形データを加工することで音響信号Xを生成する。音響信号Xが放音装置13に供給されることで目標音が再生される。
【0026】
図4に例示される通り、複数の検出ユニット2の何れかの操作面Fに利用者の手Hが接近する場合に、第1時点t1において目標音の再生が開始され、かつ、第1時点t1から第2時点t2の経過後の第3時点t3まで目標音の再生が継続されるように、再生制御部31は音響信号Xを生成する。すなわち、操作面Fに対する手Hの接触前の第1時点t1から接触後の第3時点t3まで目標音の発音が継続される。
【0027】
再生制御部31は、第1時点t1から第2時点t2までの第1期間T1内において、目標音の音高Pを経時的に変化させる。再生制御部31は、第1期間T1内において音高Pの時間変化(すなわち時間軸に対する音高Pの変化の軌跡)を制御する。具体的には、再生制御部31は、第1期間T1内において目標音の音高Pを第1音高P1から標準音高Psまで直線的または曲線的に変化させる。第1音高P1は、標準音高Psに対して所定値だけ低い音高である。したがって、第1音高P1は検出ユニット2毎に相違する。具体的には、再生制御部31は、目標音の音高Pが、第1時点t1において第1音高P1となり、かつ、第2時点t2において標準音高Psに到達するように、第1期間T1の全体にわたり目標音の音高Pを変化させる。第1期間T1における音高Pの変化は、目標音のピッチベンドに相当する。なお、音高Pは、目標音の「特徴量」の一例である。また、標準音高Psは「目標値」の一例である。
【0028】
以上に説明した音高Pの変化を実現するために、再生制御部31は、第1期間T1内において利用者の手Hが移動する速度(以下「移動速度」という)に応じた速度で目標音の音高Pを変化させる。移動速度は、状態検出部30が算定する距離Dの単位時間毎の変化量である。状態検出部30は、画像信号Q1を解析することで移動速度を算定する。具体的には、再生制御部31は、移動速度が大きいほど音高Pの変化の速度が大きくなるように、第1期間T1内において音高Pを変化させる。以上の構成によれば、利用者は、手Hの移動速度に応じて、第1期間T1内における音高Pの変化の速度を調整することが可能である。第1実施形態においては、第1音高P1と標準音高Psとは事前に決定されている。再生制御部31は、第1期間T1内における第1音高P1から標準音高Psまでの音高Pの軌跡(変化速度)を、利用者の手Hの移動速度に応じて制御する。なお、第1期間T1内における移動速度と音高Pの変化速度との関係を、利用者からの指示に応じて変更できる構成も想定される。
【0029】
また、再生制御部31は、第2時点t2から第3時点t3までの第2期間T2内において、目標音の音高Pを標準音高Psに維持する。具体的には、第2期間T2の全体にわたり目標音の音高Pは標準音高Psに固定される。
【0030】
図5は、制御装置10が実行する処理(以下「制御処理」という)Saの具体的な手順を例示するフローチャートである。例えば、複数の検出ユニット2の各々について制御処理Saが並列または順次に実行される。利用者の手Hが操作面Fに対して接近および離間する周期よりも充分に短い周期で制御処理Saは反復される。
【0031】
制御処理Saが開始されると、状態検出部30は、検出ユニット2から供給される検出信号Q1および検出信号Q2を解析することで利用者の手Hの状態を検出する(Sa1)。再生制御部31は、手Hが第1状態にあることを状態検出部30が検出したか否かを判定する(Sa2)。第1状態が検出された場合(Sa2:YES)、再生制御部31は、当該検出ユニット2の標準音高Psに対応する第1音高P1の目標音の再生を放音装置13に開始させる(Sa3)。第1状態が検出されない場合(Sa2:NO)、再生制御部31は制御処理Saを終了する。
【0032】
目標音の再生が開始されると、再生制御部31は、目標音の音高Pを標準音高Psに向けて変化させる(Sa4)。具体的には、制御装置10は、利用者の手Hの移動速度に応じた変化量だけ目標音の音高Pを標準音高Psに近付ける。再生制御部31は、手Hが第2状態にあることを状態検出部30が検出したか否かを判定する(Sa5)。第2状態が検出されない場合(Sa5:NO)、再生制御部31は、処理をステップSa4に移行する。すなわち、第2状態が検出される第2時点t2までの第1期間T1内において、目標音の音高Pが標準音高Psに向けて経時的に変化する。以上の処理により、第2状態が検出される第2時点t2において目標音の音高Pは標準音高Psに到達する。
【0033】
第2状態が検出された場合(Sa5:YES)、再生制御部31は、目標音の音高Pを標準音高Psに維持する(Sa6)。再生制御部31は、第3時点t3が到来したか否かを判定する(Sa7)。目標音の音高Pは、第3時点t3が到来するまで標準音高Psに維持される(Sa7:NO)。すなわち、第2期間T2内において目標音の音高Pは標準音高Psに維持される。第3時点t3が到来すると(Sa7:YES)、再生制御部31は目標音の再生を停止する(Sa8)。
【0034】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、手Hが第1状態となる第1時点t1から第2状態となる第2時点t2の経過後の第3時点t3まで目標音の再生が継続される一方、第1時点t1から第2時点t2までの第1期間T1内においては目標音の音高Pが変化する。したがって、利用者が手Hを操作面Fに接近させる簡便な操作により、第1期間T1内において目標音の音高Pを変化させることが可能である。すなわち、目標音の再生と音高Pの変化とを利用者が個別に指示する必要がある構成と比較して、利用者の負荷を軽減できる。
【0035】
また、第1実施形態においては、利用者の手Hが操作面Fに接触する第2状態となる第2時点t2において目標音の音高Pが標準音高Psに到達するから、音高Pが標準音高Psに到達する時点を利用者が指示し易いという利点がある。また、第2時点t2から第3時点t3までの第2期間T2内においては目標音の音高Pが標準音高Psに維持されるから、標準音高Psの目標音の再生を利用者が簡便に指示できるという利点もある。
【0036】
B:第2実施形態
第2実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各形態において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0037】
第2実施形態の再生制御システム100は、操作面Fに接触した手Hが当該操作面Fから離間し始めた状態(以下「第3状態」という)を検出する。具体的には、状態検出部30は、操作面Fと手Hとの距離Dがゼロから増加し始める状態を第3状態として検出する。
【0038】
第1実施形態においては、第2時点t2から所定の時間長が経過した時点を第3時点t3として目標音の再生を停止した。第2実施形態においては、状態検出部30が第3状態を検出した時点を第3時点t3として目標音の再生を停止する。すなわち、利用者の手Hが操作面Fに接触している期間内には、標準音高Psの目標音の再生が維持され、操作面Fから手Hが離間した場合に目標音の再生が停止される。
【0039】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態においては、操作面Fから手Hを離間させることで利用者が目標音の再生の停止を簡便に指示できるという利点がある。
【0040】
C:第3実施形態
図6は、第3実施形態における目標音の再生の説明図である。第3実施形態の状態検出部30は、第2実施形態と同様に、操作面Fから手Hが離間する第3状態を検出する。
【0041】
図6には、第3状態が検出された時点t3の経過後の時点(以下「第4時点」という)t4が図示されている。第4時点t4は、第3時点t3から所定の時間長が経過した時点である。図6の第3期間T3は、第3時点t3から第4時点t4までの期間である。第3期間T3は、手Hが操作面Fから離間する過程(距離Dが増加する過程)に相当する。なお、第3期間T3の時間長(第3時点t3と第4時点t4との間隔)は、例えば利用者からの指示に応じて変更されてもよい。
【0042】
第3実施形態の再生制御部31は、第1実施形態と同様に、第1時点t1において再生が開始された目標音の音高Pを第2期間T2内において標準音高Psに維持するほか、当該目標音の音高Pを第3期間T3内において経時的に変化させる。具体的には、再生制御部31は、第3期間T3内において目標音の音高Pを標準音高Psから第2音高P2まで直線的または曲線的に変化させる。第2音高P2は、標準音高Psに対して所定値だけ低い音高である。したがって、第2音高P2は検出ユニット2毎に相違する。具体的には、再生制御部31は、第3時点t3において標準音高Psにある目標音の音高Pが、第4時点t4において第2音高P2に到達するように、第3期間T3の全体にわたり目標音の音高Pを変化させる。なお、第1音高P1と第2音高P2との異同および高低は任意である。
【0043】
以上に説明した第3期間T3内の音高Pの変化を実現するために、再生制御部31は、第3期間T3内において手Hの移動速度に応じた速度で目標音の音高Pを変化させる。具体的には、再生制御部31は、移動速度が大きいほど音高Pの変化の速度が大きくなるように、第3期間T3内において音高Pを変化させる。以上の構成によれば、利用者は、手Hの移動速度に応じて、第3期間T3内における音高Pの変化の速度を調整することが可能である。なお、第3期間T3内における移動速度と音高Pの変化速度との関係を、利用者からの指示に応じて変更できる構成も想定される。
【0044】
D:変形例
以上に例示した各態様に付加される具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
【0045】
(1)前述の各形態においては、測距センサを第1検出器21として例示したが、第1検出器21の種類は以上の例示に限定されない。例えば、利用者の手Hを撮像する画像センサを第1検出器21として利用してもよい。状態検出部30は、第1検出器21が撮像した手Hの画像を解析することで距離Dを算定し、当該距離Dに応じて第1状態を検出する。また、赤外光を出射および受光する赤外線センサを第1検出器21として利用してもよい。状態検出部30は、手Hの表面で反射した赤外光の受光強度から距離Dを算定する。また、第1検出器21が設置される位置は任意である。例えば、第1検出器21が手Hを側方から撮像してもよい。
【0046】
(2)前述の各形態においては、打撃音を含む音を表す検出信号Q2を解析することで第2状態を検出したが、操作面Fに対する手Hの接触を検出するための構成および方法は以上の例示に限定されない。例えば、第1検出器21が生成する検出信号Q1を解析することで操作面Fに対する手Hの接触(すなわち第2状態)を検出してもよい。例えば、状態検出部30は、検出信号Q1から特定される距離Dがゼロに到達した場合に、利用者の手Hが第2状態にあると判定する。第2状態の検出に検出信号Q1を利用する構成では、第2検出器22は省略される。また、操作面F(透光部20b)に対する手Hの接触を検出する接触センサ(例えば静電容量式センサ)、操作面F(透光部20b)の振動を検出する振動センサ、または、操作面Fに手Hから作用する圧力を検出する圧力センサを、第2検出器22として利用してもよい。
【0047】
(3)前述の各形態においては、利用者の手Hが操作面Fに接触する構成を例示したが、操作面Fに接触する物体は手Hに限定されない。例えば、打楽器用のスティック等の打撃部材により利用者が操作面Fを打撃してもよい。以上の例示から理解される通り、操作面Fに接触する物体は、利用者の身体の一部(典型的には手H)と、利用者が操作する打撃部材との双方が包含される。なお、打撃部材が操作面Fを打撃する構成においては、打撃部材に第1検出器21または第2検出器22を搭載してもよい。
【0048】
(4)検出ユニット2の収容体20の構成は任意である。また、第1検出器21および第2検出器22が収容体20に収容される構造は必須ではない。すなわち、利用者の手H等の物体が接触する操作面Fを検出ユニット2が含む構成であれば、収容体20の具体的な構造および有無は不問である。
【0049】
(5)前述の各形態においては、第1期間T1の全体にわたり目標音の音高Pを変化させたが、第1期間T1のうち一部の期間において目標音の音高Pを変化させ、残余の期間においては音高Pを維持してもよい。すなわち、目標音の音高Pは、第2時点t2の到来前に標準音高Psに到達してもよい。以上の説明から理解される通り、「第1期間T1内において音高Pを変化させる」とは、第1期間T1の一部または全部において音高Pを変化させることを意味する。同様に、「第3期間T3内において音高Pを変化させる」とは、第3期間T3の一部または全部において音高Pを変化させることを意味する。
【0050】
(6)前述の各形態においては、利用者の手Hの移動速度に応じた速度で目標音の音高Pを変化させたが、利用者の手Hの移動に音高Pを連動させる方法は以上の例示に限定されない。例えば、操作面Fに対する手Hの距離Dに応じて目標音の音高Pを変化させてもよい。再生制御部31は、例えば、距離Dが減少するほど音高Pが上昇し、かつ、距離Dがゼロとなる時点で音高Pが標準音高Psに到達するように、目標音の音高Pを時間的に変化させる。第1期間T1内において、距離Dが増加するほど音高Pを低下させてもよい。
【0051】
また、再生制御部31は、利用者の手Hが移動する方向(以下「移動方向」という)に応じて目標音の音高Pを変化させてもよい。状態検出部30は、画像信号Q1を解析することで、操作面Fに対する手Hの移動方向を特定する。再生制御部31は、時間軸に対する音高Pの変化の関係(すなわち時間の経過に対する音高Pの軌跡)を手Hの移動方向に応じて制御する。具体的には、操作面Fに対する移動方向の角度が第1範囲内にある場合、再生制御部31は、時間の経過に対して第1軌跡に沿うように音高Pを変化させる。他方、操作面Fに対する移動方向の角度が第2範囲内にある場合、再生制御部31は、時間の経過に対して第1軌跡とは異なる第2軌跡に沿うように音高Pを変化させる。例えば、移動方向と操作面Fとの角度が所定の閾値を上回る場合、再生制御部31は、時間の経過に対して急峻に音高Pを変化させる(第1軌跡)。他方、移動方向と操作面Fとの角度が閾値を下回る場合、再生制御部31は、時間の経過に対して緩やかに音高Pを変化させる(第2軌跡)。
【0052】
以上の例示から理解される通り、再生制御部31は、利用者の手Hの位置に関するパラメータに応じて目標音の音高Pを変化させる。前述の移動速度、距離Dおよび移動方向は、手Hの位置に関するパラメータの具体例である。なお、利用者の手Hの位置自体もパラメータとして利用される。例えば、操作面Fに垂直な方向における手Hの位置(例えば距離D)のほか、操作面Fに平行な平面内における手Hの位置も、手Hの位置に関するパラメータには包含される。手Hの位置に関するパラメータは、前述の各形態における例示の通り、例えば画像信号Q1の解析により特定される。
【0053】
(7)前述の各形態においては、第1音高P1が標準音高Psを下回る構成を例示したが、第1音高P1が標準音高Psを上回る構成も想定される。すなわち、第1期間T1内において、目標音の音高Pは、第1音高P1から標準音高Psまで経時的に低下する。また、第1音高P1は、利用者からの指示に応じて設定されてもよい。
【0054】
第3実施形態においては第2音高P2が標準音高Psを下回る構成を例示したが、第2音高P2が標準音高Psを上回る構成も想定される。すなわち、第3期間T3内において、目標音の音高Pは、第2音高P2から標準音高Psまで経時的に上昇する。また、第2音高P2は、利用者からの指示に応じて設定されてもよい。
【0055】
(8)前述の各形態においては、目標音の音高Pを手Hの状態に応じて制御したが、再生制御部31が制御する目標音の特徴量は音高Pに限定されない。例えば、目標音の音量を利用者の手Hの状態に応じて制御してもよい。また、目標音の音色を利用者の手Hの状態に応じて制御してもよい。例えば、再生制御部31は、第1音色の音を表す第1波形データと第2音色の音を表す第2波形データとを混合することで、第1音色と第2音色との中間的な音色の目標音を表す音響信号Xを生成する。再生制御部31は、第1波形データと第2波形データとの混合比を、前述の各形態における音高Pと同様に、利用者の手Hの状態に応じて変化させる。以上の構成により、例えば第1期間T1内または第3期間T3内において、目標音の音色を第1音色および第2音色の一方から他方に近付けることが可能である。
【0056】
(9)前述の各形態においては、利用者の手Hが操作面Fに実際に接触する構成を例示したが、例えば触覚フィードバックを利用した触覚技術(ハプティクス)を利用して仮想的な操作面Fを利用者が接触する構成も採用される。利用者は、仮想空間内に存在する擬似的な手を操作することで、当該仮想空間内に設置された操作面Fに接触する。仮想空間内の操作面Fに接触したときに振動する振動体を利用することで、利用者は操作面Fに実際に接触しているように知覚する。以上の説明から理解される通り、操作面Fは仮想空間内における仮想的な面でもよい。同様に、操作面Fに接触する物体(例えば手H)は、仮想空間内における仮想的な物体でもよい。
【0057】
(10)以上に例示した再生制御システム100の機能(特に制御システム1の機能)は、前述の通り、制御装置10を構成する単数または複数のプロセッサと記憶装置11に記憶されたプログラムとの協働により実現される。本開示に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記憶装置が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
【0058】
E:付記
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
【0059】
本開示のひとつの態様(態様1)に係る再生制御方法は、物体が操作面から所定の距離だけ離間する第1状態、または、前記物体が前記操作面に接触する第2状態を検出し、前記物体が前記操作面に接近する過程において当該物体が前記第1状態となる第1時点において音の再生を開始し、前記第1時点から、当該過程において前記物体が前記第2状態となる第2時点の経過後の第3時点まで、前記音の再生を継続し、前記第1時点から前記第2時点までの第1期間内において前記音の特徴量の時間変化を制御する。
【0060】
以上の態様によれば、利用者が物体を操作面に接近させる簡便な操作により、物体が第1状態となる第1時点から第2状態となる第2時点の経過後の第3時点まで音の再生が継続され、第1時点から第2時点までの第1期間内において当該音の特徴量が変化する。したがって、音の再生と特徴量の変化とを利用者が個別に指示する必要がある構成と比較して、利用者の負荷を軽減できる。なお、音の特徴量は、例えば音高、音量または音色である。
【0061】
態様1の具体例(態様2)において、前記第2時点において目標値に到達するように前記第1期間内において前記音の特徴量を変化させる。以上の態様によれば、物体が操作面に接触する第2状態となる第2時点において音の特徴量が目標値に到達するから、音の特徴量が目標値に到達する時点を利用者が指示し易いという利点がある。
【0062】
態様2の具体例(態様3)において、前記第2時点から前記第3時点までの第2期間内において前記音の特徴量を前記目標値に維持する。以上の態様によれば、第2時点から第3時点までの第2期間内においては音の特徴量が目標値に維持されるから、特徴量が目標値である音の再生を利用者が簡便に指示できるという利点がある。
【0063】
態様1から態様3の何れかの具体例(態様4)において、前記第1期間内において、前記物体の位置に関するパラメータに応じて前記音の特徴量を変化させる。以上の態様によれば、利用者は、物体の位置に応じて、第1期間内における特徴量の変化の軌跡を調整することが可能である。物体の位置に関するパラメータとしては、例えば、前記物体が移動する速度(態様5)、前記操作面に対する前記物体の距離(態様6)、または、前記物体の移動の方向(態様7)が例示される。
【0064】
態様1から態様7の何れかの具体例(態様8)において、前記音の特徴量は、音高である。以上の構成によれば、音の再生が開始される当初(第1期間内)における音高の変化(ピッチベンド)を制御できる。
【0065】
本発明のひとつの態様(態様9)に係る再生制御方法は、物体が操作面に接触する状態において音を再生させ、前記物体が前記操作面から離間する過程において、前記物体が移動する速度に応じた速度で前記音の特徴量を変化させる。
【0066】
本発明のひとつの態様(態様10)に係る再生制御システムは、物体が操作面から所定の距離だけ離間する第1状態、または、前記物体が前記操作面に接触する第2状態を検出する状態検出部と、前記物体が前記操作面に接近する過程において当該物体が前記第1状態となる第1時点において音の再生を開始し、前記第1時点から、当該過程において前記物体が前記第2状態となる第2時点の経過後の第3時点まで、前記音の再生を継続し、前記第1時点から前記第2時点までの第1期間内において前記音の特徴量の時間変化を制御する再生制御部とを具備する。
【0067】
本発明のひとつの態様(態様11)に係るプログラムは、物体が操作面から所定の距離だけ離間する第1状態、または、前記物体が前記操作面に接触する第2状態を検出する状態検出部、および、前記物体が前記操作面に接近する過程において当該物体が前記第1状態となる第1時点において音の再生を開始し、前記第1時点から、当該過程において前記物体が前記第2状態となる第2時点の経過後の第3時点まで、前記音の再生を継続し、前記第1時点から前記第2時点までの第1期間内において前記音の特徴量の時間変化を制御する再生制御部としてコンピュータを機能させる。
【符号の説明】
【0068】
100…再生制御システム、1…制御システム、10…制御装置、11…記憶装置、13…放音装置、2…検出ユニット、20…収容体、20a…筐体部、20b…透光部、21…第1検出器、22…第2検出器、30…状態検出部、31…再生制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6