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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】媒体搬送装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/38 20060101AFI20240730BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20240730BHJP
   B65H 5/22 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B65H5/38
G03G21/16 195
B65H5/22 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020058854
(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公開番号】P2021155203
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】岩本 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】金山 清俊
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘一
(72)【発明者】
【氏名】松下 薫
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 響
(72)【発明者】
【氏名】上山 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】柏原 真文
(72)【発明者】
【氏名】田中 大輔
(72)【発明者】
【氏名】保田 健
(72)【発明者】
【氏名】八巻 専元
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-139212(JP,A)
【文献】特開2012-103422(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0114399(US,A1)
【文献】特開2015-004877(JP,A)
【文献】特開平06-255803(JP,A)
【文献】米国特許第05000438(US,A)
【文献】米国特許第05893558(US,A)
【文献】特開2011-241022(JP,A)
【文献】実開昭61-101548(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
G03G 21/16- 21/18
G03G 13/00
B65H 5/38
B65H 5/22
B65H 5/00
B65H 5/04
B65H 5/08- 5/20
B65H 5/24- 5/38
B65H 29/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を支持して搬送する搬送手段と、
前記搬送手段に対して、前記媒体の幅方向にずれた位置に配置されて、媒体を案内する案内手段であって、媒体に接触する接触部を有し、前記接触部が、媒体の搬送方向に対して間隔をあけて配置された前記案内手段と、
を備え
媒体の搬送方向に沿って前記接触部どうしの間の中間部は、下流側に行くにつれて重力方向の高さが高くなる斜面状に形成され、
前記中間部は、重力方向に対して下に凸状に形成されている
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記搬送手段に対して、前記幅方向の外側に配置された前記案内手段、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
媒体の搬送方向に沿って前記案内手段よりも上流側に配置されて媒体を案内する第2の案内手段であって、媒体の搬送方向に沿って延びる凸条を有する前記第2の案内手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記接触部の頂点の高さは、前記搬送手段が媒体を支持する高さ以下である
ことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
表面に媒体を支持して回転する無端状の帯状手段と、前記媒体を前記帯状手段に向けて吸着させる吸着手段と、を有する前記搬送手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
媒体の幅方向に延びる凸形状を有する前記接触部、
を備えたことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
前記凸形状が媒体の幅方向に間隔をあけて複数配置された前記接触部、
を備えたことを特徴とする請求項に記載の媒体搬送装置。
【請求項8】
幅方向外側に行くにつれて搬送方向下流側に傾斜する凸形状の前記接触部、
を備えたことを特徴とする請求項6または7に記載の媒体搬送装置。
【請求項9】
媒体の搬送方向および幅方向に対して間隔をあけて複数配置された前記接触部、
を備えたことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の媒体搬送装置。
【請求項10】
像保持手段と、
前記像保持手段の表面の像を媒体に転写する転写手段と、
像が転写された媒体を搬送する請求項1ないしのいずれかに記載の媒体搬送装置と、
前記媒体搬送装置で搬送された媒体の像を定着させる定着装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置において、紙やOHPシート等の媒体を搬送する媒体搬送装置に関して、以下の特許文献1、2に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開2019-95571号公報には、転写ベルト(24)と定着装置(30)の間の上流側ガイド(41)に、用紙(P)の直進進路(R1)に対して、用紙(P)の裏面側から突出する突出部(44)を設けた構成が記載されている。特許文献1記載の技術では、転写ベルト(24)から搬送されてくる用紙(P)が突出部(44)に乗り上げさせて、突出部(44)の上流側の導入部(43)に用紙(P)が接触しないようにし、用紙(P)が下流側ガイド(42)に到達すると、用紙(P)が下流側ガイド(42)と突出部(44)に接触した状態で搬送している。
【0004】
特許文献2としての特開2012-103422号公報には、幅方向の中央部に用紙(P)を吸着して搬送する回転ベルト(81)が配置され、回転ベルト(81)の幅方向外側に、搬送方向に延びるリブ(82a)を設けて、用紙(P)をリブ(82a)でガイドする構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-95571号公報(「0040」-「0054」、図1図9
【文献】特開2012-103422号公報(「0022」-「0027」、図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、媒体に接触する部位が幅方向または搬送方向の全域に渡って形成された構成に比べて、簡易な構成で搬送性を維持しつつ摩擦帯電や紙への擦過傷を抑制することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の媒体搬送装置は、
媒体を支持して搬送する搬送手段と、
前記搬送手段に対して、前記媒体の幅方向にずれた位置に配置されて、媒体を案内する案内手段であって、媒体に接触する接触部を有し、前記接触部が、媒体の搬送方向に対して間隔をあけて配置された前記案内手段と、
を備え
媒体の搬送方向に沿って前記接触部どうしの間の中間部は、下流側に行くにつれて重力方向の高さが高くなる斜面状に形成され、
前記中間部は、重力方向に対して下に凸状に形成されている
ことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の媒体搬送装置において、
前記搬送手段に対して、前記幅方向の外側に配置された前記案内手段、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の媒体搬送装置において、
媒体の搬送方向に沿って前記案内手段よりも上流側に配置されて媒体を案内する第2の案内手段であって、媒体の搬送方向に沿って延びる凸条を有する前記第2の案内手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の媒体搬送装置において、
前記接触部の頂点の高さは、前記搬送手段が媒体を支持する高さ以下である
ことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の媒体搬送装置において、
表面に媒体を支持して回転する無端状の帯状手段と、前記媒体を前記帯状手段に向けて吸着させる吸着手段と、を有する前記搬送手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の媒体搬送装置において、
媒体の幅方向に延びる凸形状を有する前記接触部、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の媒体搬送装置において、
前記凸形状が媒体の幅方向に間隔をあけて複数配置された前記接触部、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の媒体搬送装置において、
幅方向外側に行くにつれて搬送方向下流側に傾斜する凸形状の前記接触部、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の媒体搬送装置において、
媒体の搬送方向および幅方向に対して間隔をあけて複数配置された前記接触部、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
前記技術的課題を解決するために、請求項10に記載の発明の画像形成装置は、
像保持手段と、
前記像保持手段の表面の像を媒体に転写する転写手段と、
像が転写された媒体を搬送する請求項1ないしのいずれかに記載の媒体搬送装置と、
前記媒体搬送装置で搬送された媒体の像を定着させる定着装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1,10に記載の発明によれば、媒体に接触する部位が幅方向または搬送方向の全域に渡って形成された構成に比べて、簡易な構成で搬送性を維持しつつ摩擦帯電や紙への擦過傷を抑制することができる。
また、請求項1,10に記載の発明によれば、下流側に行くにつれて重力方向の高さが高くならない場合に比べて、媒体が引っ掛かって詰まることを抑制できる。
さらに、請求項1,10に記載の発明によれば、中間部が下に凸状に形成されていない場合に比べて、接触部の手前で媒体が中間部に接触しにくくでき、摩擦帯電を抑制できる。
請求項2に記載の発明によれば、幅方向の外側に搬送手段が配置される場合に比べて、媒体が傾斜して搬送されることを抑制できる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、第2の案内手段を有しない場合に比べて、紙詰まりの発生を抑制できる。
請求項4に記載の発明によれば、接触部の頂点の高さが媒体を支持する高さよりも高い場合に比べて、通過する媒体にかかる接触圧力を低減できる。
請求項5に記載の発明によれば、帯状手段と吸着手段を有しない場合に比べて、媒体を確実に搬送することができる。
請求項6に記載の発明によれば、凸条が搬送方向に延びる構成に比べて、凸条との接触位置が線状に帯電することを抑制できる。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、凸形状が幅方向に連続している場合に比べて、接触面積を低減でき、摩擦帯電を抑制できる。
請求項8に記載の発明によれば、凸形状が幅方向外側に行くにつれて搬送方向下流側に傾斜していない場合に比べて、媒体のしわを抑制できる。
請求項9に記載の発明によれば、幅方向に連続している場合に比べて、さらに接触面積を低減でき、摩擦帯電を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2図2は実施例1の可視像形成装置の拡大説明図である。
図3図3は実施例1の媒体搬送装置の斜視図である。
図4図4図3の矢印IV方向から見た図である。
図5図5図3のV-V線断面図である。
図6図6は実施例1の案内手段の要部説明図である。
図7図7は変形例1,2の説明図であり、図7Aは変形例1の説明図、図7Bは変形例2の説明図である。
図8図8は実施例1の変形例3,4の説明図であり、図8Aは変形例3の説明図、図8Bは変形例4の説明図である。
図9図9は実施例1の変形例5,6の説明図であり、図9Aは変形例5の説明図、図9Bは変形例6の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,-X,Y,-Y,Z,-Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0022】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2は実施例1の可視像形成装置の拡大説明図である。
図1において、画像形成装置の一例としての複写機Uは、操作部の一例としてのユーザインタフェースUI、画像読取装置の一例としてのスキャナ部U1、媒体供給装置の一例としてのフィーダ部U2、画像記録装置の一例としての作像部U3、および媒体処理装置U4を有している。
【0023】
(ユーザインタフェースUIの説明)
ユーザインタフェースUIは、複写開始や複写枚数の設定などに用いられる入力ボタンUIaを有する。また、前記ユーザインタフェースUIは、前記入力ボタンUIaにより入力された内容や、複写機Uの状態が表示される表示部UIbを有する。
【0024】
(フィーダ部U2の説明)
図1において、フィーダ部U2は、媒体収容容器の一例としての複数の給紙トレイTR1,TR2,TR3,TR4を有している。また、前記フィーダ部U2は、前記各給紙トレイTR1~TR4に収容された画像記録用の媒体の一例としての記録用紙Sを取り出して、作像部U3に搬送する媒体供給路SH1等を有している。
【0025】
(作像部U3及び媒体処理装置U4の説明)
図1において、作像部U3は、前記フィーダ部U2から搬送された記録用紙Sにスキャナ部U1により読み取った原稿画像に基づいて画像記録を行う画像記録部U3aを有する。
図1図2において、作像部U3の潜像形成装置の駆動回路Dは、スキャナ部U1から入力された画像情報に基づいて、それに応じた駆動信号を予め設定された時期に、各色Y~Kの潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkに出力する。各潜像形成装置ROSy~ROSkの下方には、像保持体の一例としての感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pkが配置されている。
【0026】
回転する感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pk表面は、それぞれ、帯電器の一例としての帯電ロールCRy,CRm,CRc,CRkにより一様に帯電される。表面が帯電された感光体ドラムPy~Pkの表面には、潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkの出力する潜像書込光の一例としてのレーザビームLy,Lm,Lc,Lkにより静電潜像が形成される。感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pkの表面の静電潜像は、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkによりイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の可視像の一例としてのトナー像に現像される。
なお、現像装置Gy~Gkにおいて、現像により消費された現像剤は、現像剤の収容容器の一例としてのトナーカートリッジKy,Km,Kc,Kkから補給される。トナーカートリッジKy,Km,Kc,Kkは、現像剤補給装置U3bに着脱可能に装着される。
【0027】
感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pk表面上のトナー像は、一次転写器の一例としての1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより、中間転写体の一例としての中間転写ベルトB上に1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで順次重ねて転写され、中間転写ベルトB上に多色可視像の一例としてのカラートナー像が形成される。中間転写ベルトB上に形成されたカラートナー像は、2次転写領域Q4に搬送される。
なお、K色の画像情報のみの場合はK色の感光体ドラムPkおよび現像装置Gkのみが使用され、K色のトナー像のみが形成される。
1次転写後の感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pkは、像保持体の清掃器の一例としてのドラムクリーナCLy,CLm,CLc,CLkにより、表面に付着した残留現像剤や紙粉等の残留物が除去される。
【0028】
実施例1では、感光体ドラムPk、帯電ロールCRk、ドラムクリーナCLkが、像保持体ユニットの一例としてのK色の感光体ユニットUKとして一体化されている。そして、他の色Y,M,Cについても同様に、感光体ドラムPy,Pm,Pc、帯電ロールCRy,CRm,CRc、ドラムクリーナCLy,CLm,CLcにより、感光体ユニットUY,UM,UCが構成されている。
また、K色の感光体ユニットUKと、現像剤保持体の一例としての現像ロールR0kを有する現像装置Gkとにより、K色の可視像形成装置UK+Gkが構成される。同様に、Y,M,C色の感光体ユニットUY,UM,UCと、現像ロールR0y,R0m,R0cを有する現像装置Gy,Gm,Gcとにより、それぞれ、Y,M,C色の可視像形成装置UY+Gy,UM+Gm,UC+Gcが構成される。
【0029】
感光体ドラムPy~Pkの下方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。ベルトモジュールBMは、像保持手段の一例としての中間転写ベルトBと、中間転写体の駆動部材の一例としての駆動ロールRd、張力付与部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としての複数のアイドラロールRfおよび対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kとを有する。中間転写ベルトBは矢印Ya方向に回転移動可能に支持されている。
【0030】
前記バックアップロールT2aの下方には、2次転写ユニットUtが配置されている。前記2次転写ユニットUtは、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bを有する。前記2次転写ロールT2bが中間転写ベルトBと接触する領域により2次転写領域Q4が形成されている。また、2次転写ロールT2bには、中間転写ベルトBを挟んで、対向部材の一例としてのバックアップロールT2aが対向している。バックアップロールT2aには、給電部材の一例としてのコンタクトロールT2cが接触している。コンタクトロールT2cには、トナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。
前記バックアップロールT2a、2次転写ロールT2b及びコンタクトロールT2cにより、転写手段の一例としての2次転写器T2が構成されている。
【0031】
前記ベルトモジュールBMの下方には、媒体の搬送路SH2が配置されている。前記フィーダ部U2の媒体供給路SH1から給紙された記録用紙Sは、媒体の搬送部材の一例としての搬送ロールRaにより、搬送時期の調節部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。レジロールRrは、中間転写ベルトB上に形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送される時期に合わせて、記録用紙Sを下流側に搬送する。レジロールRrにより送り出された記録用紙Sは、レジ側の用紙ガイドSGr、転写前の用紙ガイドSG1で案内されて、2次転写領域Q4に搬送される。
中間転写ベルトB上のトナー像は、2次転写領域Q4を通過する際に、2次転写器T2により記録用紙Sに転写される。なお、カラートナー像の場合は中間転写ベルトB表面に重ねて1次転写されたトナー像が一括して記録用紙Sに2次転写される。
前記1次転写ロールT1y~T1k、前記2次転写器T2、中間転写ベルトBにより、実施例1の転写装置T1y~T1k+T2+Bが構成されている。
【0032】
2次転写後の中間転写ベルトBは、2次転写領域Q4の下流側に配置された中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLBにより清掃される。除去手段の一例としてのベルトクリーナCLBは、2次転写領域Q4において、転写されずに残った現像剤や紙粉などの残留物を、中間転写ベルトBから除去する。
【0033】
トナー像が転写された記録用紙Sは、転写後の用紙ガイドSG2で案内されて、媒体搬送装置の一例としてのベルト搬送装置BHに送られる。ベルト搬送装置BHは、記録用紙Sを定着装置Fに搬送する。
定着装置Fは、加熱部材の一例としての加熱ロールFhと加圧部材の一例としての加圧ロールFpとを有する。記録用紙Sは、加熱ロールFhと加圧ロールFpとが接触する領域である定着領域Q5に搬送される。記録用紙Sのトナー像は、定着領域Q5を通過する際に、定着装置Fにより加熱および加圧されて、定着される。
前記可視像形成装置UY+Gy~UK+Gk、転写装置T1y~T1k+T2+B、定着装置Fにより、実施例1の画像形成手段の一例としての画像記録部U3aが構成されている。
【0034】
前記定着装置Fの下流側には、切替部材の一例としての切替ゲートGT1が設けられている。前記切替ゲートGT1は、定着領域Q5を通過した記録用紙Sを、媒体処理装置U4側の排出路SH3または反転路SH4のいずれかに、選択的に切り替える。排出路SH3に搬送された記録用紙Sは、媒体処理装置U4の用紙搬送路SH5に搬送される。用紙搬送路SH5には、反りの補正部材の一例としてのカール補正部材U4aが配置されている。カール補正部材U4aは、搬入された記録用紙Sの反り、いわゆるカールを補正する。カールが補正された記録用紙Sは、媒体の排出部材の一例としての排出ロールRhにより、媒体の排出部の一例としての排出トレイTH1に、用紙の画像定着面が上向きで排出される。
【0035】
前記切替ゲートGT1により作像部U3の反転路SH4側に搬送された記録用紙Sは、切替部材の一例としての第2のゲートGT2を通って作像部U3の反転路SH4に搬送される。
このとき、記録用紙Sの画像定着面を下向きに排出する場合には、第2のゲートGT2を記録用紙Sの搬送方向後端が通過した後に、記録用紙Sの搬送方向を逆転させる。ここで、実施例1の第2のゲートGT2は、薄膜状の弾性部材により構成されている。したがって、第2のゲートGT2は、反転路SH4に搬送されてきた記録用紙Sをそのまま一旦通過させ、通過した記録用紙Sが反転、いわゆるスイッチバックされてくると、搬送路SH3,SH5側に案内する。そして、スイッチバックされた記録用紙Sは、カール補正部材U4aを通過して、画像定着面が下を向いた状態で排出トレイTH1に排出される。
【0036】
前記作像部U3の反転路SH4には循環路SH6が接続されており、その接続部には、切替部材の一例としての第3のゲートGT3が配置されている。また、反転路SH4の下流端は、媒体処理装置U4の反転路SH7に接続されている。
前記切替ゲートGT1を通って反転路SH4に搬送された記録用紙Sは、第3のゲートGT3により前記媒体処理装置U4の反転路SH7側に搬送される。実施例1の第3のゲートGT3は、第2のゲートGT2と同様に、薄膜状の弾性部材により構成されている。したがって、第3のゲートGT3は、反転路SH4を搬送されてきた記録用紙Sを、一旦通過させ、通過した記録用紙Sがスイッチバックされてくると、循環路SH6側に案内する。
【0037】
前記循環路SH6に搬送された記録用紙Sは、媒体の搬送路SH2を通って2次転写領域Q4に再送され、二面目の印刷が行われる。
前記符号SH1~SH7で示された要素により用紙搬送路SHが構成されている。また、前記符号SH,Ra,Rr,Rh,SGr,SG1,SG2,BH,GT1~GT3で示された要素により、実施例1の用紙搬送装置SUが構成されている。
【0038】
(媒体搬送装置の説明)
図3は実施例1の媒体搬送装置の斜視図である。
図4図3の矢印IV方向から見た図である。
図5図3のV-V線断面図である。
図3図5において、実施例1のベルト搬送装置BHは、搬送手段の一例としての搬送ベルト1を有する。搬送ベルト1は、記録用紙Sの幅方向である前後方向の中央部に配置されている。搬送ベルト1は、搬送手段の本体の一例であって、帯状手段の一例としての無端状のベルト本体2を有する。ベルト本体2には、複数の開口2aが形成されている。
【0039】
ベルト本体2は、駆動手段の一例としての駆動ローラ3と、従動手段の一例としての従動ローラ4とで張架された状態で支持されている。実施例1では、記録用紙Sの搬送方向の下流側に駆動ローラ3が配置され、上流側に従動ローラ4が配置されている。駆動ローラ3は、回転軸3aが後方に延びており、回転軸3aの後端には、駆動伝達手段の一例としてのギア3bが支持されている。したがって、作像部U3に設けられた図示しない駆動源から駆動がギア3bに伝達されると、駆動ローラ3が回転し、ベルト本体2が回転する。
ベルト本体2の内部には、吸着手段の一例としての吸引ダクト6が配置されている。吸引ダクト6の後端部には、気体移送手段の一例としてのファン7が支持されている。ファン7が作動すると、ベルト本体2の開口2aを通じて吸引ダクト6が空気を吸引する。したがって、ベルト本体2の上面に記録用紙Sが存在すると、記録用紙Sがベルト本体2の表面に吸着される。
【0040】
図6は実施例1の案内手段の要部説明図である。
図3図5において、ベルト本体2に対して記録用紙Sの幅方向の外側には、案内手段の一例としてのさざ波ガイド11が配置されている。さざ波ガイド11の上面には、接触部の一例としての波頂部12が形成されている。波頂部12は、記録用紙Sの下面に接触して記録用紙Sを案内可能である。実施例1の波頂部12は、記録用紙Sの搬送方向に沿って間隔をあけて複数配置されている。また、波頂部12は、幅方向である前後方向に沿って延びている。図5図6において、実施例1の波頂部12は、頂点の高さがベルト本体2の表面の高さ以下に設定されている。すなわち、実施例1では、波頂部12の頂点が、ベルト本体2よりも突出しないように構成されている。
【0041】
図6において、実施例1のさざ波ガイド11では、記録用紙Sの搬送方向に沿って、波頂部12どうしの間の中間部13は、下流側に行くにつれて重力方向の高さが高くなる斜面状に形成されている。特に、実施例1では、中間部13は、図6に示すように、重力方向に対して下に凸状の斜面で構成されている。すなわち、図6の破線で示すような平面状の斜面13bではなく、下に凸状の曲面状の湾曲面13aで構成されている。したがって、波頂部12の近傍では、平面状の斜面13bよりも中間部13の湾曲面13aが下方にえぐれたような形状となっており、波長部12の頂点が尖った形状となっている。なお、実施例1の波頂部12どうしの搬送方向の間隔は、剛性の低い薄紙が撓んでも、薄紙が中間部13に貼り付かない程度の間隔に設定されている。
【0042】
図3図5において、記録用紙Sの搬送方向に沿って、さざ波ガイド11の上流側には、第2の案内手段の一例としての導入ガイド16が設けられている。導入ガイド16は、平板状に形成されている。導入ガイド16の上面には、搬送方向に沿って延びる凸条17が複数形成されている。実施例1の凸条17は、A4やB5等の定型の記録用紙Sの幅に対応する位置に配置されており、定型の記録用紙Sの幅方向の端部の下面に接触して案内できるように、定型の幅よりも若干内側となる位置に配置されている。実施例1の導入ガイド16は、転写後の用紙ガイドSG2からの記録用紙Sをさざ波ガイド11に案内するもので、搬送方向の長さは、波頂部12の1ピッチ分程度の長さに形成されている。
【0043】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の複写機Uでは、2次転写領域Q4で像が転写された記録用紙Sは、像が未定着の状態で、転写後の用紙ガイドSG2を案内され、ベルト搬送装置BHに送られる。ベルト搬送装置BHに到達した記録用紙Sは、搬送ベルト1に吸着され、搬送ベルト1の回転に伴って下流側の定着装置Fに向けて送られる。
搬送ベルト1に対して幅方向の外側では、記録用紙Sは、導入ガイド16で案内された後、さざ波ガイド11で案内される。さざ波ガイド11は、記録用紙Sにおいて搬送ベルト1で吸着されていない部分に、波頂部12の頂部近傍が接触して記録用紙Sを下流側にガイドする。
【0044】
従来の案内部材は、特許文献2に記載の構成のように、記録用紙Sとの接触面積を減らして、搬送抵抗や摩擦帯電を抑制するために、導入ガイド16の凸条17のようなガイドリブが搬送方向の全域に渡って形成されていることが多かった。しかしながら、この構成では、記録用紙Sの通過時に、記録用紙Sの幅方向で同じ位置がガイドリブに接触し続けることとなり、接触部分だけが著しく摩擦帯電して、その他の部分が摩擦帯電しない状態となる。よって、帯電状態のばらつきで、摩擦帯電している線状の部分で未定着の現像剤が飛散して、線状の画質欠陥が発生する場合があった。
特許文献1に記載の技術では、搬送方向ではなく、幅方向に延びる突出部(44)が用紙(P)の下面に接触した状態で案内をしている。しかしながら、特許文献1に記載の構成では、用紙(P)が突出部(44)の1か所のみで支持される状態となり、突出部(44)の位置での接触圧が高くなって、摩擦帯電の帯電量が多くなりやすかったり、擦過傷が発生する恐れもある。
【0045】
また、幅方向全域が搬送ベルトで構成され、実施例1のさざ波ガイド11を有しない構成もありうる。しかし、ベルトの幅方向の全域で均質なベルトを作成する必要があったり、ベルトを張架するローラ(実施例1の駆動ローラ3および従動ローラ4に相当するローラ)を軸方向で均一に作成する必要があったり、吸引力を幅方向で均一にする必要がある。したがって、ベルト幅方向の長さが長いほど、精度が厳しくなり、製造費用が上昇したり、精度を確保するために追加の構成が必要になったりして構成が複雑化しやすい問題もある。また、ベルトやローラの経時的な摩耗が幅方向の全域で均一に発生することは現実的にはありえず、偏摩耗で記録用紙が傾斜(スキュー)しやすい。そして、ベルトが幅方向全域に設けられていると、偏摩耗の影響が大きくなりやすく、搬送性(スキュー)が悪化しやすい。
【0046】
これらに対して、実施例1のさざ波ガイド11では波頂部12が搬送方向に間隔をあけて複数設けられている。したがって、記録用紙Sの全面がガイドに接触する構成に比べて、搬送抵抗や摩擦帯電が抑制されると共に、従来の搬送方向に延びるガイドリブの構成に比べて、特定の位置だけが接触し続けることがなく、帯電状態のばらつきが抑制される。また、記録用紙Sは、搬送方向に沿って複数の波頂部12で支持されており、特許文献1の構成に比べて、接触圧が分散され、摩擦帯電の帯電量が抑制され、擦過傷の発生も抑制される。特に、実施例1では、波頂部12が搬送方向ではなく幅方向に延びており、幅方向で特定の位置だけが接触し続けることが抑制される。また、実施例1では幅方向の全域が搬送ベルト1ではなく、両側にさざ波ガイド11が設置されており、構成の複雑化を抑制しつつ搬送性を維持しやすい。
また、実施例1のさざ波ガイド11では、中間部13が下流側に行くにつれて高さが高くなっている。したがって、記録用紙Sの前端が中間部13に接触しても、中間部13の面で波頂部12に向けて案内される。特に、撓みやすく前端が下方に垂れやすい薄紙では、前端が波頂部12の間で面に衝突したり引っ掛かったりすると、紙詰まりや紙しわ等が発生しやすい。これに対して、実施例1の中間部13では紙詰まり等の発生が抑制される。
【0047】
さらに、実施例1では、中間部13の湾曲面13aが平面状の斜面13bではなく下に凸状の湾曲面13aとなっている。平面状の斜面13bでは、記録用紙Sが撓んだりすると、波頂部12よりも手前から中間部13に接触しやすくなり、記録用紙Sとの接触面が大きくなりやすい。したがって、搬送抵抗や摩擦帯電が悪化する恐れがある。これに対して、下に凸状の湾曲面13aでは、平面状の斜面13bに比べて、記録用紙Sの通過軌跡にほぼ一致する搬送ベルト1の上面からの距離が長く、波頂部12の手前で記録用紙Sが接触しにくい。よって、搬送抵抗や摩擦帯電の悪化が抑制される。
また、実施例1では、さざ波ガイド11の上流側に導入ガイド16が設けられている。導入ガイド16が設けられていない構成では、記録用紙Sの前端が、まず中間部13に差し掛かることとなり、薄紙のように前端が下に垂れやすい場合は、紙詰まりの恐れがある。これに対して、転写後の用紙ガイドSG2からの記録用紙Sを、まずは導入ガイド16で案内する実施例1の構成では、記録用紙Sの紙詰まりが抑制される。
【0048】
さらに、実施例1では、波頂部12の高さが搬送ベルト1の上面の高さ以下になっている。波頂部12の高さが搬送ベルト1の上面よりも突出していると、搬送ベルト1に吸着されている記録用紙Sが、幅方向の外側で波頂部12に押し付けられる状態となり接触圧が高くなりやすい。これに対して、波頂部12の高さが搬送ベルト1の上面の高さ以下の実施例1では、接触圧の上昇が抑制される。よって、高い接触圧での摩擦帯電量の上昇や擦過傷、搬送抵抗の増大が抑制される。
また、実施例1では、記録用紙Sは、幅方向の中央部が搬送ベルト1に吸着された状態で搬送される。したがって、特許文献1に記載の構成のように、搬送ベルト1を有しない構成に比べて、未定着の像が転写されている記録用紙Sを安定して搬送可能である。
【0049】
さらに、実施例1では、搬送ベルト1の外側にさざ波ガイド11が配置されている。さざ波ガイド11を幅方向中央部に配置し、搬送ベルト1を幅方向外側の両側に設ける構成とすることも可能であるが、搬送ベルト1を両側に設けると、2つの搬送ベルト1の間で速度差が生じ、記録用紙Sが傾斜(スキュー)する場合がある。これに対して、実施例1のように幅方向中央部に搬送ベルト1を設けた場合の方が、記録用紙Sのスキューが発生しにくく、搬送性が向上する。よって、搬送ベルト1は幅方向の中央部に設けることが望ましい。
【0050】
(変形例1,2)
図7は変形例1,2の説明図であり、図7Aは変形例1の説明図、図7Bは変形例2の説明図である。
実施例1では、中間部13の湾曲面13aが下方に凸状の曲面で構成された場合を例示したが、これに限定されない。例えば、図7Aに示すように波頂部12の下流側は、重力方向下方に延びる垂直面21とし、垂直面21の下端から次の波頂部12まで平面上の傾斜面22が形成された構成とすることも可能である。
また、図7Bに示すように、図6の仮想線13bに沿った形状とすることも可能である。
【0051】
(変形例3-6)
図8は実施例1の変形例3,4の説明図であり、図8Aは変形例3の説明図、図8Bは変形例4の説明図である。
実施例1では、波頂部12が幅方向に延びる形状の構成を例示したが、これに限定されない。例えば、図8A図8Bに示すように、幅方向にも間隔をあけて波頂部31を形成することも可能である。なお、図8Aに示すように、搬送方向に対して隣り合う波頂部31どうしを、幅方向で同じ位置に配置することも可能であるし、図8Bに示すように、幅方向で互いに異なる位置に配置することも可能である。図8A図8Bのように構成した場合、実施例1の場合に比べて、記録用紙Sと波頂部31との接触面積がさらに減り、摩擦帯電がさらに抑制される。また、図8Bの構成とした場合は、記録用紙Sと波頂部31の接触位置が、幅方向で同じ位置になる回数が少なくなりやすく、図8Aの場合に比べて摩擦帯電がさらに抑制される。
【0052】
図9は実施例1の変形例5,6の説明図であり、図9Aは変形例5の説明図、図9Bは変形例6の説明図である。
また、図9Aに示すように、波頂部32の頂点を幅方向に延びる形態とせず、頂点が点状の形態とすることも可能である。すなわち、波頂部32が幅方向にも搬送方向にも間隔をあけて配置された形態とすることも可能である。図9Aのように構成することでさらに接触面積が減り摩擦帯電が抑制される。
さらに、図9Bに示すように、波頂部33が幅方向および搬送方向に対して傾斜した形態とすることが可能である。この構成でも、ガイドリブに比べて、幅方向で同じ位置が接触し続けることが防止され、特定の位置が摩擦帯電することが防止される。特に、図9Bの形態では、波頂部33が、搬送方向下流側に行くにつれて幅方向外側に傾斜している。したがって、波頂部33に接触する記録用紙Sには、下流側に行くにつれて幅方向の外側に広げられる力をうける。したがって、記録用紙Sが展ばされる力が作用することとなり、図9Bの構成を有しない場合に比べて、記録用紙Sにしわが発生することが抑制される。
【0053】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)~(H06)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としての複写機Uを例示したが、これに限定されず、FAXに適用したり、FAXや、プリンタ、複写機などの複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能である。
(H02)前記実施例において、例示した具体的な数は、設計や仕様の変更に応じて適宜変更可能である。例えば、波頂部の数や間隔等は例示した形態に限定されず、目的に応じて変更可能である。
【0054】
(H03)前記実施例において、実施例1や変形例1~6を互いに組み合わせることも可能である。例えば、変形例1と変形例6を組み合わせる等が可能である。
(H04)前記実施例において、導入ガイド16は設けることが望ましいが、設けない構成とすることも可能である。
(H05)前記実施例において、搬送手段の一例として搬送ベルト1を例示したが、これに限定されない。ローラ状の搬送手段を使用することも可能である。また、記録用紙Sを吸着する構成を有することが望ましいが、吸着する機能を有しない構成とすることも可能である。
【0055】
(H06)前記実施例において、波頂部の高さが搬送ベルト1の高さ以下とすることが望ましいが、これに限定されない。接触圧が許容される範囲で、波頂部の高さを搬送ベルト1よりも高くすることも可能である。
【符号の説明】
【0056】
1…搬送手段、
2…帯状手段、
6…吸着手段、
11…案内手段、
12,31,32,33…接触部、
13…中間部、
16…第2の案内手段、
17…凸条、
BH…媒体搬送装置、
F…定着装置、
Py,Pm,Pc,Pk…像保持手段、
S…媒体、
T1+T2+B…転写手段、
U…画像形成装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9