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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】プログラムおよび電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240730BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240730BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20240730BHJP
【FI】
G06F3/12 343
G06F3/01 570
G06F3/04842
G06F3/12 303
G06F3/12 351
G06F3/12 378
G06F3/12 392
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020064486
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021163228
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 純
【審査官】漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-135226(JP,A)
【文献】特開2018-067875(JP,A)
【文献】特開2019-140652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
G06F 3/01
G06F 3/04842
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーションセンサを備える電子デバイスのコンピュータによって実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータに、
ジェスチャを示す情報であるジェスチャ情報を取得するジェスチャ取得処理と、
テンプレート画像を取得する画像取得処理と、
前記ジェスチャ取得処理にて取得した前記ジェスチャ情報と、前記画像取得処理にて取得した前記テンプレート画像と、を対応付けて登録する登録処理と、を実行させ、
さらに前記コンピュータに、
前記モーションセンサからの出力結果に基づいて、前記ジェスチャを検出する検出処理と、
前記検出処理にて前記ジェスチャが検出された場合、検出された前記ジェスチャに基づいて,前記登録処理にて登録された前記ジェスチャ情報に対応付けられた前記テンプレート画像を選択する第1画像選択処理と、
前記テンプレート画像が選択された状態で印刷指示を受け付ける印刷受付処理と、
前記印刷指示を受け付けた場合に、選択された前記テンプレート画像に基づく画像を、プリンタに印刷させるためのジョブを生成する生成処理と、を実行させ、
前記テンプレート画像には、特定の属性を有していない第1のテンプレート画像と、前記特定の属性を有している第2のテンプレート画像とを含み、
前記登録処理では、前記第1のテンプレート画像であっても、前記第2のテンプレート画像であっても、前記ジェスチャ情報と対応付けて登録可能であり、
前記コンピュータに、
前記第1のテンプレート画像を、前記電子デバイスの表示器に表示させ、前記第2のテンプレート画像を表示させず、表示された前記第1のテンプレート画像の中からテンプレート画像の選択を前記電子デバイスの入力インタフェースを介して受け付ける第2画像選択処理を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
認証情報の入力を受け付け、入力された前記認証情報を用いてユーザ認証を行う認証処理を実行させ、
前記第1画像選択処理では、前記認証処理によって認証された場合に、検出された前記ジェスチャに対応付けられた前記テンプレート画像を選択する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記検出処理を実行させる前に前記認証処理を実行させ、前記認証処理での前記ユーザ認証が成功した場合に、前記検出処理を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載するプログラムにおいて、
前記登録処理では、
1つのジェスチャに対して1ないし複数の前記テンプレート画像を対応付けて登録することが可能であり、
前記第1画像選択処理では、
前記検出処理にて前記ジェスチャが検出された場合、検出された前記ジェスチャを示す前記ジェスチャ情報に対応付けられた全ての前記テンプレート画像を選択する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記ジェスチャの記録を受け付けるジェスチャ記録モードを開始する記録開始指示を受け付ける記録受付処理と、
前記記録開始指示を受け付けた後であって前記ジェスチャ記録モードを終了する前に、前記モーションセンサからの出力結果に基づいて特定されるジェスチャを示す前記ジェスチャ情報を、前記電子デバイスのメモリに記憶する記憶処理を実行させ、
前記登録処理では、前記メモリに記憶された前記ジェスチャ情報を、前記テンプレート画像と対応付けて登録する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記テンプレート画像に基づく画像を印刷させるプリンタを選択するプリンタ選択処理を実行させ、
前記画像取得処理では、前記プリンタ選択処理にて選択されたプリンタに対応する前記テンプレート画像を取得する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記テンプレート画像に付加する付加情報を取得する情報取得処理を実行させ、
前記生成処理では、前記印刷指示を受け付けた場合に、前記情報取得処理にて取得した前記付加情報を、選択された前記テンプレート画像に付加した画像を、前記プリンタに印刷させるジョブを生成する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記第1画像選択処理にて前記テンプレート画像が選択された後に、前記検出処理にてキャンセルを示す特定のジェスチャが検出された場合、選択された前記テンプレート画像の選択をキャンセルするキャンセル処理を実行させ、前記特定のジェスチャを示すジェスチャ情報は、前記登録処理の対象外とする、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載するプログラムにおいて、
前記第1画像選択処理では、
前記第1画像選択処理にてテンプレート画像が選択された後に、前記検出処理にて別のジェスチャが検出された場合、選択される前記テンプレート画像を、検出された前記別のジェスチャを示す前記ジェスチャ情報に対応付けられた前記テンプレート画像に切り替える、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1つに記載するプログラムにおいて、
前記モーションセンサは、波長がミリメートル単位あるいはミリメートルよりも小さい単位の電磁波を受信し、受信した電磁波に基づく波形信号を出力するセンサであり、
前記検出処理では、
前記モーションセンサから出力される前記波形信号を前記出力結果として取得し、取得した前記波形信号に基づいて、前記ジェスチャを検出する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
モーションセンサと、
コンピュータと、
表示器と、
入力インタフェースと、
を備え、
前記コンピュータは、
ジェスチャを示す情報であるジェスチャ情報を取得するジェスチャ取得処理と、
テンプレート画像を取得する画像取得処理と、
前記ジェスチャ取得処理にて取得した前記ジェスチャ情報と、前記画像取得処理にて取得した前記テンプレート画像と、を対応付けて登録する登録処理と、を実行し、
さらに前記コンピュータは、
前記モーションセンサからの出力結果に基づいて、前記ジェスチャを検出する検出処理と、
前記検出処理にて前記ジェスチャが検出された場合、検出された前記ジェスチャに基づいて,前記登録処理にて登録された前記ジェスチャ情報に対応付けられた前記テンプレート画像を選択する第1画像選択処理と、
前記テンプレート画像が選択された状態で印刷指示を受け付ける印刷受付処理と、
前記印刷指示を受け付けた場合に、選択された前記テンプレート画像に基づく画像を、プリンタに印刷させるためのジョブを生成する生成処理と、を実行し、
前記テンプレート画像には、特定の属性を有していない第1のテンプレート画像と、前記特定の属性を有している第2のテンプレート画像とを含み、
前記登録処理では、前記第1のテンプレート画像であっても、前記第2のテンプレート画像であっても、前記ジェスチャ情報と対応付けて登録可能であり、
前記コンピュータは、
前記第1のテンプレート画像を、前記表示器に表示させ、前記第2のテンプレート画像を表示させず、表示された前記第1のテンプレート画像の中からテンプレート画像の選択を前記入力インタフェースを介して受け付ける第2画像選択処理を実行する、
ことを特徴とする電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術分野は、テンプレート画像を選択可能なプログラムおよび電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
あらかじめ1ないし複数のテンプレート画像を用意し、テンプレート画像を選択して印刷する技術が知られている。例えば、特許文献1には、ラベルプリンタと接続するコンピュータに、書式等の条件の入力を受け付け、その入力された条件に対応するテンプレート画像を抽出して表示し、表示したテンプレート画像の中から印刷対象のテンプレート画像の選択を受け付ける構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-78886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている構成では、テンプレート画像を選択する際、表示されたテンプレート画像の中から所望のテンプレート画像を探して選択操作を行う必要であり、手間がかかる。また、抽出された全てのテンプレート画像を表示して選択させることから、印刷対象ではないテンプレート画像も表示することになる。そのため、秘匿性が高い画像をテンプレート画像として用意し難いという問題がある。
【0005】
本明細書は、テンプレート画像を選択可能な電子デバイスにおいて、選択の際の手間が少なく、テンプレート画像の安全性が高い技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題の解決を目的としてなされたプログラムは、モーションセンサを備える電子デバイスのコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記コンピュータに、ジェスチャを示す情報であるジェスチャ情報を取得するジェスチャ取得処理と、テンプレート画像を取得する画像取得処理と、前記ジェスチャ取得処理にて取得した前記ジェスチャ情報と、前記画像取得処理にて取得した前記テンプレート画像と、を対応付けて登録する登録処理と、を実行させ、さらに前記コンピュータに、前記モーションセンサからの出力結果に基づいて、前記ジェスチャを検出する検出処理と、前記検出処理にて前記ジェスチャが検出された場合、検出された前記ジェスチャに基づいて,前記登録処理にて登録された前記ジェスチャ情報に対応付けられた前記テンプレート画像を選択する第1画像選択処理と、前記テンプレート画像が選択された状態で印刷指示を受け付ける印刷受付処理と、前記印刷指示を受け付けた場合に、選択された前記テンプレート画像に基づく画像を、プリンタに印刷させるためのジョブを生成する生成処理と、を実行させる、ことを特徴とする。
【0007】
上記構成のプログラムでは、あらかじめジェスチャとテンプレート画像とを対応付けて記憶する。プログラムは、モーションセンサを用いて、その記憶したジェスチャの入力を検出した場合に、検出したジェスチャに対応付けられたテンプレート画像を選択する。その後、印刷指示を受け付けると、プログラムは、選択されたテンプレート画像に基づく画像を含む印刷用のジョブを生成する。このように、ユーザは、印刷対象となるテンプレート画像を選択する際、電子デバイスの前でジェスチャを行うことでテンプレート画像を選択することができ、テンプレート画像を選択する際の手間が少ない。また、テンプレート画像を選択する際、ジェスチャに対応付けられていないテンプレート画像は表示されないため、あらかじめジェスチャに対応付けて記憶しておくテンプレート画像の秘匿性が高い。
【0008】
上記装置の機能を実現するための電子デバイス、制御方法、および当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に開示される技術によれば、テンプレート画像を選択可能な電子デバイスにおいて、選択の際の手間が少なく、テンプレート画像の安全性が高い技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係るプログラムが組み込まれた電子デバイスの電気的構成を示すブロック図である。
図2】登録DBの構造を示す図である。
図3】制御処理の制御手順を説明するフローチャートである。
図4】初期画面の一例である。
図5】登録処理の制御手順を説明するフローチャートである。
図6】ジェスチャ印刷処理の制御手順を説明するフローチャートである。
図7】(a)はテンプレート確認画面の一例を示す図である。(b)はテンプレート選択画面の一例を示す図である。
図8】手動印刷処理の制御手順を説明するフローチャートである。
図9】ジェスチャ記録処理の制御手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、電子デバイスに組み込まれたプログラムを具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は、タブレットおよびスマートフォンなどの携帯可能であって画像を表示できる電子デバイスに組み込まれたアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」とする)を開示するものである。本形態の電子デバイスは、例えば、会社の受付にプリンタ2と共に設置され、ネームプレート等を印刷する際に用いられる。
【0012】
本形態の印刷システムは、図1に示すように、電子デバイス1がプリンタ2に通信可能に接続される。本形態のプリンタ2は、例えば、熱転写方式の印刷ヘッドを備え、ロール状に巻き取られたラベル紙を収容し、ラベル紙を巻き出しつつ印刷を行う、いわゆるラベルプリンタである。プリンタ2は、例えば、電子デバイス1から受信した印刷ジョブに基づいて、収容されているラベル紙への画像の印刷とラベル紙の搬送とを行い、印刷済みの部分を機外へ搬出させる。また、電子デバイス1は、プリンタ3にも通信可能に接続される。プリンタ3は、プリンタ2とモデルが異なるプリンタである。
【0013】
本形態の電子デバイス1は、CPU11と、メモリ12と、を含むコントローラ10を備える。さらに、電子デバイス1は、ディスプレイ20と、入力インタフェース(以下、「入力I/F」とする)30と、通信インタフェース(以下、「通信I/F」とする)40と、ミリ波レーダ50と、認証情報入力部60と、を備え、これらがコントローラ10に電気的に接続されている。電子デバイス1は、例えば、プリンタ2やプリンタ3に印刷させるための各種のアプリを実行可能な装置である。なお、図1中のコントローラ10は、電子デバイス1の制御に利用されるハードウェアやソフトウェアを纏めた総称であって、実際に電子デバイス1に存在する単一のハードウェアを表すとは限らない。
【0014】
電子デバイス1は、電子デバイスの一例であり、例えば、タブレット、スマートフォンなどの携帯端末である。電子デバイス1は、モーションセンサを備えれば、パーソナルコンピュータなどの設置型の電子デバイスでもよい。プリンタ2とプリンタ3はプリンタの一例である。
【0015】
CPU11は、メモリ12から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。CPU11は、コンピュータの一例である。メモリ12は、ROM、RAMを含み、さらにHDD、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含み、各種のプログラムやデータを記憶する。
【0016】
ディスプレイ20は、電子デバイス1の各種機能を表示する表示面を備える。ディスプレイ20は表示器の一例である。入力I/F30は、電子デバイス1の各機能を実行するためのキーであり、ディスプレイ20の表面上に一体的に設けられた透過型タッチパネルで構成される。電子デバイス1は、ディスプレイ20上に表示されたアイコンを、入力I/F30上からユーザがタッチすることで、アイコンの選択操作を受け付ける。
【0017】
通信I/F40は、プリンタ2等の外部装置との通信を行うためのハードウェアを含む。通信I/F40の通信方式は、無線でも有線でもよく、また、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、有線LAN等でもよい。なお、本形態の電子デバイス1は、通信I/F40を介して、インターネットに接続する機能を有していても良い。
【0018】
ミリ波レーダ50は、例えば、Soil(登録商標)などの電磁波の波長をミリメートル単位(周波数が30GHzから300GHz)で表現できるミリ波センサである。本形態のミリ波レーダ50は、60GHz前後のミリ波を測定物、例えば、手に向けて送信可能であり、また、測定物からの反射波を受信可能に構成されている。そして、ミリ波レーダ50は、受信した反射波に基づいて、波形状の出力信号(波形信号の一例)を出力可能である。これにより、ミリ波レーダ50は、電子デバイス1の周囲にある測定物の動きを検出することができる。
【0019】
ミリ波レーダ50は、測定物の細かな動作の検出には、広帯域のレーダ周波数を用いることが望ましい。本形態では、57GHz~64GHz帯のレーザ周波数の帯域を用いているが、レーダ周波数の帯域は、57GHz~64GHz帯の周波数に限定されるものではなく、もっと広い帯域のレーダ周波数を用いても差し支えない。レーダ周波数は、例えば、波長がミリメートル単位あるいはミリメートルよりも短い単位のレーダ周波数を用いても差し支えない。
【0020】
なお、本形態では、ミリ波レーダ50がモーションセンサの一例であるが、物体の加速度・傾き・方向などを検出する他の装置を、モーションセンサの一例にしてもよい。例えば、光センサや赤外線センサをミリ波レーダ50に代えて利用してもよい。また、モーションセンサはカメラでもよい。
【0021】
認証情報入力部60は、認証情報の入力を受け付ける。認証情報入力部60は、例えば、カメラ、指紋センサ、カードリーダである。認証情報は、例えば、顔情報、指紋情報、2次元バーコード情報である。なお、ミリ波レーダ50が認証情報入力部60を兼ね、認証用のジェスチャを認証情報として受け付けてもよい。
【0022】
本形態の電子デバイス1のメモリ12には、図1に示すように、オペレーティングシステム(以下、「OS」とする)41と、印刷画像作成用のアプリケーションプログラム(以下「ラベル作成アプリ」とする)42と、画像データベース(以下、「画像DB」とする)43と、ジェスチャデータベース(以下「ジェスチャDB」とする)44と、登録データベース(以下「登録DB」とする)45と、認証データベース(以下「認証DB」とする)46と、フィギュア解析用のアプリケーションプログラム(以下「フィギュア解析アプリ」とする)47と、が組み込まれている。ラベル作成アプリ42は、プログラムの一例である。
【0023】
OS41は、複数のタスクを管理して切り換えることにより複数のタスクを並行して処理できるマルチタスクOSであり、例えば、iOS(登録商標)、Android(登録商標)、Windows(登録商標)、macOS(登録商標)、Linux(登録商標)のいずれかである。
【0024】
本形態のラベル作成アプリ42は、印刷画像の編集と、プリンタの制御とを行うプログラムである。ラベル作成アプリ42は、プリンタ2やプリンタ3など、複数のモデルに対応している。ラベル作成アプリ42は、例えば、ディスプレイ20上に表示されたラベル作成アプリ起動用のアイコン(図示せず)をユーザがタッチすることで起動することができる。ラベル作成アプリ42は、プリンタ2に印刷させる画像の作成や編集の指示を受け付け、指示を受け付けた画像をディスプレイ20に表示させる。
【0025】
また、ラベル作成アプリ42は、ディスプレイ20上に表示中の画像の印刷実行の指示を受け付け、表示中の画像に基づく印刷ジョブを生成して、プリンタ2に送信する。なお、本形態のラベル作成アプリ42は、ユーザの実行指示に基づいて独立して実行可能なプログラムでも良いし、他のプログラムの実行中にそのプログラムから呼び出されて実行されるプログラムでも良い。
【0026】
画像DB43は、ラベル作成アプリ42用の各種の画像の画像データを記憶する記憶領域である。ラベル作成アプリ42は、ユーザの指示に基づいて、画像DB43に記憶される画像データの画像をディスプレイ20に表示させる。なお、画像DB43に記憶される画像データは、常時記憶されていても良いし、必要に応じてサーバ等から取得しても良い。また、画像データは、ユーザが作成して画像DB43に登録した画像データでもよい。
【0027】
本形態では、画像DB43に、例えば、ラベル作成アプリ42にて選択可能な複数のテンプレートと、各テンプレートに対応して、それぞれの使用例を示す複数の使用例画像の画像データと、が記憶される。ラベル作成アプリ42にて使用されるテンプレートは、ラベル作成用のひな形の画像データであり、テキスト列、コード画像、枠画像などのサンプルを含む。
【0028】
ユーザは、例えば、複数の使用例画像を参照して、複数のテンプレートから作成したいラベルと似たテンプレートを選択し、選択したテンプレートを編集して印刷させることができる。ユーザは、例えば、テンプレートの文字列を希望の文字列に変更して印刷させたり、画像を選択して印刷させたり、文字列に3次元画像を挿入して印刷させたりすることで、容易に希望のラベル紙を作成することができる。
【0029】
ここで、プリンタは、モデルによって性能が異なり、異なるモデルに対応するテンプレートの画像(以下「テンプレート画像」とする)を印刷できない場合がある。そのため、画像DB43には、プリンタのモデルに関連付けて、テンプレートが記憶されている。また、テンプレートが多数ある場合、用途に応じてテンプレートを抽出できれば便利である。そのため、テンプレートは、用途に関連付けて記憶されている。用途は、例えば、ネームプレート、飲食店メニュー、チケット、言語翻訳、報告書などである。
【0030】
図1に示すラベル作成アプリ42は、ジェスチャを検出してテンプレート画像を選択し、印刷を行うことができる。ここで、ジェスチャとは、ミリ波レーダ50の検出範囲内に差し出された手の動きをいう。また、ラベル作成アプリ42は、手動でテンプレート画像を選択して、印刷を行うことができる。
【0031】
ジェスチャDB44は、ジェスチャを示す情報であるジェスチャ情報を記憶する記憶領域である。ジェスチャDB44には、テンプレート画像を選択するための選択用のジェスチャや、テンプレート画像の選択をキャンセルするためのキャンセル用のジェスチャが登録される。キャンセル用のジェスチャは選択用のジェスチャの対象外となるジェスチャである。ジェスチャ情報は、例えば、ラベル作成アプリ42に予め記憶されていてもよいし、サーバ等から取得されてもよい。ジェスチャ情報は、常時記憶されていてもよいし、必要に応じてサーバ等から取得してもよい。また、ジェスチャ情報は、ユーザがミリ波レーダ50を用いて登録されてもよい。キャンセル用のジェスチャは、予め決められていてもよいし、ユーザによって設定可能であってもよい。
【0032】
登録DB45は、例えば図2に示すように、ジェスチャ情報とテンプレート画像とを対応付けて登録する記憶領域である。ジェスチャ情報には、1あるいは複数のテンプレート画像が対応付けられる。複数のテンプレート画像をジェスチャに関連付けることで、1回のジェスチャで選択可能な複数のテンプレート画像を纏めて読み出せるようになり、選択の際の操作の手間がより少なくなる。なお、登録DB45に登録された情報は、電子デバイス1のメモリ12ではなく、サーバ等のように電子デバイス1外部のメモリに記憶してもよい。
【0033】
登録DB45に登録されたテンプレート画像には、それぞれ、対応するジェスチャ情報のジェスチャが検出された場合のみ表示するか否かを設定する隠しフラグが、登録されている。隠しフラグに「ON」が登録されたテンプレート画像は、ジェスチャが検出された場合には、ディスプレイ20に表示されるが、対応するジェスチャが検出されない場合には、ディスプレイ20に表示されない。一方、隠しフラグに「OFF」が登録されたテンプレート画像は、対応するジェスチャが検出されても、検出されなくても、ディスプレイ20に常に表示される。なお、隠しフラグが「ON」であることは「特定の属性を有する」ことの一例であり、隠しフラグが「OFF」であることは「特定の属性を有していない」ことの一例である。そして、隠しフラグに「OFF」が登録されたテンプレート画像は第1のテンプレート画像の一例であり、隠しフラグに「ON」が登録されたテンプレートは第2のテンプレート画像の一例である。
【0034】
認証DB46は、ユーザ認証に用いられる認証情報を記憶する記憶領域である。本形態のラベル作成アプリ42は、ジェスチャを検出する前にユーザ認証する前認証と、テンプレート画像を選択した後にユーザ認証する後認証とを行う。前認証は、テンプレート画像に関係なく、ジェスチャ印刷モードを実行する権限の認証を行う包括的な認証処理である。一方、後認証は、各テンプレート画像について選択する権限の認証を行う個別的な認証処理である。認証情報には、前認証に使用する認証情報と、後認証に使用する認証情報とが含まれている。認証情報は、例えば、顔情報、指紋、社員番号、ジェスチャである。
【0035】
フィギュア解析アプリ47は、一種のアプリケーションソフトである。フィギュア解析アプリ47は、例えば、ミリ波レーダ50から出力される出力波形を解析してフィギュア情報を提供するプログラムである。「フィギュア情報」は、写真のように手の一時的な状態を示す情報である。フィギュア解析アプリ47は、例えば、定期的な解析要求に応じて、連続写真のように一定間隔でフィギュア情報の提供を行う。
【0036】
フィギュア解析アプリ47は、ラベル作成アプリ42がユーザによって起動されると、同様に起動される。ラベル作成アプリ42は、フィギュア解析アプリ47から提供されるフィギュア情報を取得し、取得したフィギュア情報に基づいてジェスチャを検出することができる。ラベル作成アプリ42は、ジェスチャを検出した場合に、その検出したジェスチャを登録DB45に登録されたジェスチャ情報に照合し、ジェスチャ情報に対応するテンプレート画像を取得してディスプレイ20に選択可能に表示する。
【0037】
続いて、ラベル作成アプリ42を用いてラベルを作成する場合の制御手順について説明する。電子デバイス1は、ディスプレイ20に表示されるラベル作成アプリ42の起動用アイコンがタップされると、CPU11が、図3に示す制御処理を実行する。なお、CPU11は、ラベル作成アプリ42の起動と同時に、フィギュア解析アプリ47を起動させる。なお、以下の説明において、「○○アプリは××処理を行う」と言うことがあるが、これは、CPUが××処理を行うことを意味する。
【0038】
CPU11は、まず、初期画面を表示する(S1)。例えば図4に示す初期画面100は、手動印刷ボタン111や、ジェスチャ印刷ボタン112や、登録ボタン113や、ジェスチャ記録ボタン114などの入力ボタンが含まれる。手動印刷ボタン111は、手動でラベル印刷を行う手動印刷モードを実行する指示を受け付けるためのボタンである。ジェスチャ印刷ボタン112は、ジェスチャを用いてラベル印刷を行うジェスチャ印刷モードを実行する指示を受け付けるためのボタンである。登録ボタン113は、ジェスチャ情報をテンプレート画像に関連付けて登録DB45に登録する登録モードの実行を指示する登録指示を受け付けるためのボタンである。ジェスチャ記録ボタン114は、ジェスチャをジェスチャDB44に記録するジェスチャ記録モードの実行を指示するジェスチャ記録指示(記録開始指示の一例)を受け付けるためのボタンである。登録ボタン113とジェスチャ記録ボタン114は、管理者のみが操作できるボタンであり、操作時に管理者認証を行う必要がある。なお、登録ボタン113とジェスチャ記録ボタン114は、管理者認証に成功した場合には初期画面100に操作可能に表示され、管理者認証に失敗した場合には、非表示にされてもよい。
【0039】
図3に示すように、初期画面100を表示したCPU11は、モードの選択を受け付けたか否かを判断する(S3)。CPU11は、図4に示す手動印刷ボタン111又はジェスチャ印刷ボタン112がタップされた場合、入力I/F30を用いて、モードの選択を受け付けたと判断する(S3:YES)。この場合、CPU11は、手動印刷モードとジェスチャ印刷モードの何れか選択されたか判断する(S5)。
【0040】
CPU11は、図4に示す手動印刷ボタン111がタップされた場合、手動印刷モードが選択されたと判断する(S5:手動印刷モード)。この場合、CPU11は、手動印刷処理を実行し(S9)、S1の処理に戻る。手動印刷処理については、後述する。
【0041】
一方、CPU11は、図4に示すジェスチャ印刷ボタン112がタップされた場合、ジェスチャ印刷モードが選択されたと判断する(S5:ジェスチャ印刷モード)。この場合、CPU11は、ジェスチャ印刷処理を実行し(S7)、S1の処理に戻る。ジェスチャ印刷処理については、後述する。
【0042】
上記に対して、CPU11は、図4に初期画面100にて、手動印刷ボタン111およびジェスチャ印刷ボタン112がタップされずに、登録ボタン113又はジェスチャ記録ボタン114がタップされた場合、モードの選択を受け付けていないと判断する(S3:NO)。この場合、CPU11は、入力I/F30を用いて、登録処理の実行を指示する登録指示を受け付けたか否かを判断する(S11)。CPU11は、登録ボタン113がタップされた場合、登録指示を受け付けたと判断する(S11:YES)。この場合、CPU11は、登録処理を実行し(S13)、S1の処理に戻る。登録処理は、ジェスチャ情報とテンプレート画像とを対応付けて登録DB45に登録する処理である。登録処理については後述する。
【0043】
CPU11は、登録指示を受け付けていないと判断する場合(S11:NO)、入力I/F30を用いて、ジェスチャ記録指示を受け付けたか否かを判断する(S15)。CPU11は、ジェスチャ記録ボタン114がタップされた場合、ジェスチャ記録指示を受け付けたと判断する(S15:YES)。この場合、CPU11は、ジェスチャ記録処理を実行し(S17)、S1の処理に戻る。S15の処理は、記録受付処理の一例である。S17の処理は記憶処理の一例である。ジェスチャ記録処理は、ミリ波レーダ50を用いて検出したジェスチャをジェスチャDB44に記録する処理である。ジェスチャ記録処理については後述する。CPU11は、ジェスチャ記録指示を受け付けていない場合(S15:NO)、S1の処理に戻る。
【0044】
続いて、登録処理について図5のフローチャートを参照して説明する。CPU11は、まず、管理者認証を要求し(S201)、管理者認証が成功したか否かを判断する(S202)。例えば、CPU11は、認証情報入力部60を用いて認証情報を取得し、認証DB46と照合することで、認証するか否かを判断する。CPU11は、管理者認証に失敗した場合には(S202:NO)、登録処理を終了する。一方、CPU11は、管理者認証に成功した場合には(S202:YES)、対象プリンタを検索し、プリンタの選択を受け付ける(S203)。例えば、CPU11は、電子デバイス1に接続可能なプリンタ2,3を検索し、ディスプレイ20に表示する。CPU11は、入力I/F30を用いて、プリンタの選択を受け付ける。
【0045】
対象プリンタが設定されたCPU11は、用途の設定を受け付ける(S204)。例えば、CPU11は、S201にて選択されたプリンタが対応可能な用途を画像DB43から取得し、ディスプレイ20に表示する。そして、CPU11は、入力I/F30を用いて、表示する用途の中の1つを選択する選択操作を受け付ける。
【0046】
用途の設定を受け付けたCPU11は、ジェスチャ情報を取得する(S205)。S205の処理はジェスチャ取得処理の一例である。例えば、CPU11は、ジェスチャDB44からジェスチャを読み出してディスプレイ20に表示する。そして、CPU11は、入力I/F30を用いて、表示するジェスチャの中の1つを選択する選択操作を受け付ける。なお、S205の処理を行う際に、後述するジェスチャ記録処理を実行し、登録を受け付けたジェスチャを示すジェスチャ情報をS205の処理にて取得してもよい。
【0047】
ジェスチャ情報を取得したCPU11は、S204にて選択された用途に対応するテンプレート画像を画像DB43から抽出して、ディスプレイ20に表示する(S207)。そして、CPU11は、ディスプレイ20に表示されるテンプレート画像の中から、ジェスチャに関連付けるテンプレート画像の選択を受け付ける(S209)。選択するテンプレート画像の数は、1つでも複数でもよい。S207、S209の処理は画像取得処理の一例である。
【0048】
テンプレート画像の選択を受け付けたCPU11は、S205にて取得したジェスチャ情報と、S209にて選択されたテンプレート画像とを関連付け、登録DB45に登録する(S211)。S211の処理は登録処理の一例である。このとき、CPU11は、S203にて選択されたプリンタのモデル名や、S204にて選択された用途も、ジェスチャに関連付けて記憶する。
【0049】
その後、CPU11は、隠しテンプレートの指定を受け付ける(S213)。CPU11は、S211にて登録した各テンプレート画像について、ジェスチャを検出した場合のみ表示するテンプレート(以下「隠しテンプレート」とする)に指定するか否かの設定を、入力I/F30を用いて受け付ける。CPU11は、隠しテンプレートに指定されたテンプレート画像については、図2に示す登録DB45の隠しフラグに「ON」を登録する。一方、CPU11は、隠しテンプレートに指定されないテンプレート画像については、図2に示す登録DB45の隠しフラグに「OFF」を登録する。これにより、CPU11は、隠しフラグの内容によって、テンプレート画像のテンプレートが隠しテンプレートに該当するか否かを判断できるようになる。
【0050】
そして、CPU11は、要認証テンプレートの指定を受け付ける(S215)。CPU11は、S211にて登録した1のジェスチャに対して、後認証が必要なテンプレート(以下「要認証テンプレート」とする)に指定するか否かの設定を、入力I/F30を用いて受け付ける。つまり、1のジェスチャに対して1の認証要否が設定される。CPU11は、要認証テンプレートの指定を受け付けたジェスチャに関連付けられたテンプレート画像については、図2に示す登録DB45の認証要否に「要」をまとめて登録する。一方、CPU11は、要認証テンプレートの指定を受け付けていないジェスチャに関連付けられたテンプレート画像については、図2に示す登録DB45の認証要否に「不要」をまとめて登録する。これにより、CPU11は、認証要否の内容によって、テンプレート画像が要認証テンプレートに該当するか否かを判断できるようになる。尚、本形態では、1のジェスチャに対して1の認証要否を登録したが、認証要否はテンプレート画像毎に登録してもよい。
【0051】
その後、CPU11は、登録完了指示を受け付けたか否かを判断する(S217)。例えば、CPU11は、ディスプレイ20に表示される登録内容を確定させる確定ボタンがタップされた場合、入力I/F30を用いて登録完了指示を受け付ける(S217:YES)。この場合、CPU11は、登録処理を終了する。これにより、登録DB45の内容が確定される。一方、CPU11は、確定ボタンがタップされない場合、入力I/F30を用いて登録完了指示を受け付けないので(S217:NO)、S203の処理に戻る。これにより、別のジェスチャのジェスチャ情報をテンプレート画像に関連付けて登録DB45に登録できるようになる。
【0052】
このような登録処理では、例えば、社員向けのテンプレートのテンプレート画像に対しては隠しフラグに「ON」を登録し、社員と来客の両方に向けたテンプレートのテンプレート画像に対して隠しフラグに「OFF」を登録する。これにより、ジェスチャを検出しない状態で用途が選択され、テンプレート画像をディスプレイ20に表示する場合に、社員向けのテンプレート画像が表示されなくなる。よって、社員向けのテンプレート画像が来客に見られることを回避できるようになる。
【0053】
続いて、ジェスチャ印刷処理について図6のフローチャートを参照して説明する。ジェスチャ印刷処理では、まず、CPU11が前認証を要求する(S101)。前認証は、ジェスチャ印刷処理を実行する権限を認証する処理である。例えば、CPU11は、ディスプレイ20を用いて、「社員証をリーダにかざして下さい。」など、認証情報の入力を促すメッセージを表示する。ユーザは、社員証を認証情報入力部60にかざし、社員番号を電子デバイス1に読み取らせる。CPU11は、認証情報入力部60を用いて取得した社員番号を認証DB46に照合し、権限認証を行う。なお、社員番号は仮想キーボードを介して入力されてもよい。また、認証情報は、顔情報、指紋情報、ジェスチャなど、社員番号以外の情報でも差し支えない。
【0054】
前認証を要求したCPU11は、前認証に成功したか否かを判断する(S103)。S101,S103の処理は認証処理の一例である。前認証に失敗した場合(S103:NO)、CPU11は、認証失敗を報知し(S131)、処理を終了する。例えば、CPU11は、ディスプレイ20を用いて、「認証に失敗しました。手動印刷モードで印刷を実行して下さい。」などのエラーメッセージを表示する。
【0055】
一方、CPU11は、前認証に成功した場合(S103:YES)、フィギュア解析アプリ47からフィギュア情報を取得し始め、ジェスチャの検出を開始する(S105)。例えば、ミリ波レーダ50は、電子デバイス1が起動する間、ミリ波を出力している。ミリ波レーダ50は、検出範囲内に手が差し出された場合、手から反射する反射波を受信して出力信号を出力する。フィギュア解析アプリ47は、ミリ波レーダ50から出力される出力信号を取得して解析し、フィギュア情報をラベル作成アプリ42に渡す。ラベル作成アプリ42は、フィギュア解析アプリ47から渡されたフィギュア情報を登録DB45に登録された各ジェスチャと照合するすることで、ジェスチャの検出を行う。
【0056】
なお、前認証の成功は、ジェスチャでの入力を受け付けるジェスチャ入力モードを開始する入力開始指示の受け付ける入力開始受付処理の一例である。
【0057】
ジェスチャの検出を開始したCPU11は、ジェスチャを検出したか否かを判断する(S107)。CPU11は、ジェスチャを検出しない場合(S107:NO)、処理を終了する。
【0058】
CPU11は、ジェスチャを検出した場合(S107:YES)、ディスプレイ20を用いて、検出したジェスチャに対応付けられたテンプレートを全て表示する(S109)。例えば、CPU11は、図2に示すジェスチャJ11を検出した場合、登録DB45からジェスチャJ11に関連付けられたテンプレート画像X11~X14を読み出す。そして、CPU11は、例えば図7(a)に示すように、ディスプレイ20を用いて、テンプレート確認画面200を表示する。テンプレート確認画面200には、読み出したテンプレート画像X11~X14が含まれる。つまり、CPU11は、隠しフラグに「OFF」が登録されたテンプレート画像も、隠しフラグに「ON」が登録されたテンプレート画像も、表示する。なお、隠しフラグに「ON」が登録されたテンプレート画像X11は、画像の内容の代わりに、隠しテンプレート画像であることを示す文字列が表示されてもよい。S105、S107の処理は検出処理の一例である。S109の処理は第1画像選択処理の一例である。その他、テンプレート確認画面200には、上スクロールボタン205と、下スクロールボタン206と、決定ボタン201とが含まれる。
【0059】
CPU11は、キャンセル指示を受け付けたか否かを判断する(S112)。例えば、CPU11は、検出したジェスチャがジェスチャDB44に登録されたキャンセル用のジェスチャ(例えば、手を払うジェスチャ、手を左右に繰り返し振るジェスチャ)である場合、キャンセル指示を受け付けたと判断する(S112:YES)。この場合、CPU11は、S109によって表示されたテンプレート画像の選択をキャンセルし(S113)、S114の処理に進む。キャンセル用のジェスチャは特定のジェスチャの一例である。S113の処理は、キャンセル処理の一例である。なお、CPU11は、キャンセル指示を受け付けない場合(S112:NO)、S113の処理をスキップし、S114の処理に進む。
【0060】
S114に進んだCPU11は、別のジェスチャを検出したか否かを判断する。CPU11は、別のジェスチャを検出したと判断する場合(S114:YES)、ディスプレイ20に表示されているテンプレートの画像を、別のジェスチャに対応付けられたテンプレートの画像に切り替える(S115)。例えば、CPU11は、図2に示すジェスチャJ11を検出し、テンプレート画像X11~X14を選択してディスプレイ20に表示した後、ジェスチャJ12を検出したとする。この場合、CPU11は、図2に示すジェスチャJ12に関連付けられたテンプレート画像X21~X25を選択し、テンプレート画像X11~X14に代えて、テンプレート画像X21~X25をディスプレイ20に表示させる。その後、CPU11は、S116の処理に進む。なお、CPU11は、別のジェスチャを検出しない場合(S114:NO)、S115の処理をスキップしてS116の処理に進む。
【0061】
S116の処理に進んだCPU11は、図7(a)に示すテンプレート確認画面200に表示される決定ボタン201が押下されたか否かを判断する。CPU11は、決定ボタン201が押下されない場合には(S116:NO)、S107の処理に戻る。一方、CPU11は、決定ボタン201が押下された場合には(S116:YES)、フィギュア情報の取得と、ジェスチャの検出とを終了する(S117)。
【0062】
それから、CPU11は、選択されたテンプレート画像が、要認証テンプレートであるか否かを判断する(S118)。例えば、CPU11は、ジェスチャJ21を検出して、入力I/F30を用いて、ディスプレイ20にテンプレート画像X21~X25を表示し、テンプレート画像X21が選択されたとする。図2に示すように、テンプレート画像X21は、認証要否に「不要」が登録されている。この場合、CPU11は、選択されたテンプレート画像X21が、要認証テンプレートでないと判断し(S118:NO)、S121の処理に進む。
【0063】
一方、例えば、CPU11が、ジェスチャJ11を検出して、入力I/F30を用いて、ディスプレイ30にテンプレート画像X11~X14を表示し、テンプレート画像X11が選択されたとする。図2に示すように、テンプレート画像X11は、認証要否に「要」が登録されている。この場合、CPU11は、選択されたテンプレート画像X11が要認証テンプレートであると判断し(S118:YES)、後認証を要求する(S119)。そして、CPU11は、後認証に成功したか否かを判断する(S120)。S119,S120の処理は認証処理の一例である。
【0064】
例えば、CPU11は、ディスプレイ20を用いて、「顔情報を入力して下さい。」などのメッセージを表示し、後認証に用いる認証情報の入力を促す。認証情報入力部60を用いて顔情報が入力されると、CPU11は、入力された顔情報を認証DB46に照合し、後認証を行う。なお、認証情報は、社員番号、指紋情報など、顔情報以外の情報でも差し支えない。また、後認証は、認証用ジェスチャを検出することにより行ってもよい。この場合、フィギュア情報の取得とジェスチャの検出を再開し、後認証終了後にフィギュア情報の取得とジェスチャの検出を終了する。後認証に失敗した場合(S120:NO)、CPU11は、認証失敗を報知してから(S131)、ジェスチャ印刷処理を終了する。
【0065】
CPU11は、後認証に成功した場合(S120:YES)、ディスプレイ20を用いて、テンプレート画像の編集を行う編集画面を表示し(S121)、付加情報をテンプレートに設定する付加情報設定指示を受け付けたか否かを判断する(S123)。
【0066】
例えば、CPU11は、編集画面を介して文字列の入力を受け付け、印刷用の画像を生成する。編集画面には、例えば、付加情報をテンプレートに設定する付加情報設定指示を受け付けるための付加情報設定ボタンが設けられている。CPU11は、付加情報設定ボタンがタップされた場合、入力I/F30を用いて付加情報設定指示を受け付けたと判断する(S123:YES)。この場合、CPU11は、付加情報をテンプレート画像に入力し(S125)、S127の処理に進む。なお、付加情報の入力は、手入力でもよいし、カメラやカードリーダなどの読取器による読み取りであってもよい。例えば、社員IDを付加情報とすれば、社員IDを記憶した社員証を読取器で読み取り、テンプレート画像に社員IDを付加した画像を印刷できるようになる。また、S109にて複数のテンプレート画像が表示されている場合、テンプレート画像それぞれに対して個別に付加情報を入力してもよいし、複数のテンプレート全てに対して付加情報を入力してもよい。S125の処理は情報取得処理の一例である。
【0067】
付加情報は、例えば、写真やアイコンである。選択されたテンプレート画像がネームプレート用のテンプレートである場合、顔写真を付加情報として入力する。また例えば、社員用のネームプレートについては部門名やユニークIDを付加情報として入力し、来客用のネームプレートについてはワンタイムのIDを付加情報として入力する。例えば、選択されたテンプレート画像が飲食店メニュー(例えば、食品やドリンクの容器に貼るラベル)のテンプレートである場合、メニューの名称や写真を、付加情報として入力する。付加情報は、テンプレート画像の属性に応じて印刷態様を変える情報でもよい。例えば、選択されたテンプレート画像が子供用のネームプレートやチケットのテンプレートである場合、一般料金を子供料金に変更したり、漢字を含む文字列を平仮名に変更したりする情報を、付加情報として入力してもよい。また、選択されたテンプレート画像が老人用のネームプレートやチケットのテンプレートである場合、文字列のフォントサイズを大きくする付加情報を入力してもよい。
【0068】
なお、CPU11は、付加情報設定指示を受け付けないと判断する場合(S123:NO)、S125の処理をスキップして、S127の処理に進む。
【0069】
S127の処理に進んだCPU11は、印刷指示を受け付けたか否かを判断する。例えば、編集画面には、印刷指示を受け付けるための印刷ボタンが表示されている。CPU11は、その印刷ボタンがタップされない場合、印刷指示を受け付けないと判断し(S127:NO)、S121の処理に戻る。一方、CPU11は、その印刷ボタンがタップされた場合、入力I/F30を用いて印刷指示を受け付けたと判断し(S127:YES)、選択されたテンプレートの画像や入力された付加情報を含む印刷データを含むジョブを生成し、プリンタ2に送信する(S129)。その後、CPU11は、処理を終了する。なお、S127の処理は印刷受付処理の一例である。S129の処理は生成処理の一例である。
【0070】
本形態のジェスチャ印刷処理では、ジェスチャの入力を条件に、入力されたジェスチャに対応付けられたテンプレートのテンプレート画像を、隠しテンプレートを含めて選択し、ディスプレイ20に表示する。よって、ユーザは、プリンタや用途を設定しなくても、ジェスチャを行うだけでテンプレートを選択することができる。
【0071】
また、ジェスチャを行ってテンプレートを選択した後に、キャンセル用のジェスチャを行うことで、テンプレートの選択を簡単にキャンセルできる。よって、テンプレートの選択の操作性がよい。
【0072】
また、フィギュア情報を取得する間であれば、ジェスチャを検出してテンプレートを選択した後、別のジェスチャを検出した場合、テンプレートの画像をジェスチャの変更に応じて切り替えることができる。よって、テンプレートの画像変更をジェスチャで簡単に切り替えることができ、テンプレートの選択の操作性がよい。
【0073】
また、前認証の成功を条件にジェスチャを検出するので、ジェスチャを検出する処理負荷が軽減される。また、後認証の成功を条件に選択したテンプレートの印刷を行うので、秘匿性の高いテンプレート画像が権限なき第三者(例えば来客者等)によって印刷されることを回避できる。
【0074】
続いて、手動印刷処理について図8のフローチャートを参照して説明する。手動印刷処理は、従来のラベル印刷に適用される印刷処理であるので、ここでは簡単に説明する。手動印刷処理では、CPU11は、プリンタの選択を受け付ける(S51)。例えば、CPU11は、ディスプレイ20を用いて、印刷を実行するプリンタを選択するためのプリンタ選択画面を表示する。そして、CPU11は、入力I/F30を用いて、表示されているプリンタの中から、印刷を実行するプリンタの選択を受け付ける。なお、ラベル作成アプリ42あるいはOS41に登録されたプリンタに印刷させる場合には、S51,S53の処理を省略し、S55の処理から始めてもよい。
【0075】
プリンタの選択を受け付けたCPU11は、用途の選択を受け付ける(S53)。例えば、CPU11は、登録DB45から、S51にて選択されたプリンタに関連付けられた用途を取得し、ディスプレイ20を用いて取得した用途を選択可能に表示する。CPU11は、ディスプレイ20に表示された用途の中から、用途の選択を受け付ける。
【0076】
用途が選択されたCPU11は、S51にて選択されたプリンタとS53にて選択を受け付けた用途とに関連付けられたテンプレート画像を、登録DB45から読み出す(S55)。そして、CPU11は、読み出したテンプレートに隠しテンプレートがあるか否かを判断する(S57)。CPU11は、隠しテンプレートがあると判断する場合には(S57:YES)、S55にて読み出したテンプレートのうち、隠しテンプレート以外のテンプレートを含むテンプレート選択画面300をディスプレイ20に表示し(S59)、S61に進む。
【0077】
一方、CPU11は、隠しテンプレートがないと判断する場合には(S57:NO)、読み出したテンプレートを全て含むテンプレート選択画面300を、ディスプレイ20に表示し(S63)、S61の処理に進む。
【0078】
例えば、CPU11は、S51にて、プリンタ2のモデル名「M01」が選択された状態で、S53にて、「ネームプレート」が用途として選択された場合、図2に示す登録DB45からそれらに関連付けられたテンプレート画像X11~X14を読み出す。読み出したテンプレート画像X11の隠しフラグには「ON」が登録され、テンプレート画像X12~X14の隠しフラグには「OFF」が登録されている。つまり、テンプレート画像X12~X14は隠しテンプレートではないが、テンプレート画像X11は隠しテンプレートである。そこで、CPU11は、図7(b)に示すように、テンプレート画像X12~X14をディスプレイ20を用いて選択可能に表示し、隠しテンプレートのテンプレート画像X11は表示しない。
【0079】
一方、例えば、CPU11は、S51にて、プリンタ2のモデル名「M01」が選択された状態で、S53にて、「飲食メニュー」が用途として選択された場合、図2に示す登録DB45からそれらに関連付けられたテンプレート画像X21~X25を読み出す。読み出したテンプレート画像X21~X25の隠しフラグには、全て、「OFF」が登録されている。つまり、読み出したテンプレート画像X21~X25には隠しテンプレートが含まれていない。この場合、CPU11は、読み出したテンプレート画像X21~X25を全て、ディスプレイ20を用いて選択可能に表示する。
【0080】
S61に進んだCPU11は、入力I/F30を用いて、テンプレート画像の選択を受け付け、S123の処理に進む。S123以降の処理は、ジェスチャ印刷処理と同様なので、説明を省略する。なお、S57,S59、S61の処理は、第2画像選択処理の一例である。
【0081】
このように、本形態の手動印刷処理では、手動でプリンタ、用途を選択しなければ、テンプレート画像を選択できないので、ジェスチャ印刷処理より印刷に手間がかかる。また、手動印刷処理では、例えば図7(b)に示すように、隠しテンプレートのテンプレート画像X11以外のテンプレート画像X12~X14がディスプレイ20に選択可能に表示される。そのため、例えば、ジェスチャを知らない来客は、手動印刷モードを選択することで、テンプレート画像X12~X14の中からしかテンプレート画像を選択できず、テンプレート画像X11の秘匿性が高められる。
【0082】
続いて、ジェスチャ記録処理について図9のフローチャートを参照して説明する。CPU11は、まず、管理者認証を要求し(S77)、管理者認証が成功したか否かを判断する(S79)。S77、S79の処理は、図5のS201,S202の処理と同様なので、説明を割愛する。管理者認証に成功したCPU11は、フィギュア情報の取得と、ジェスチャの検出を開始する(S81)。S81の処理は図6のS105の処理と同様なので説明を省略する。
【0083】
CPU11は、取得したジェスチャを検出したか否かを判断する(S83)。CPU11は、ジェスチャ解析アプリ47からフィギュア情報に基づいて手の動きを検出した場合、ジェスチャを検出したと判断する(S83:YES)。この場合、CPU11は、検出したジェスチャをジェスチャDB44に記憶し(S85)、S87の処理に進む。一方、CPU11は、ジェスチャを検出しない場合(S83:NO)、S85の処理をスキップして、S87の処理に進む。
【0084】
S87の処理に進んだCPU11は、記録終了条件を充足するか否かを判断する。記録終了条件は、例えば、ジェスチャ記録処理を開始してから一定時間が経過することである。記録終了条件を充足しない場合(S87:NO)、CPU11は、S83の処理に戻る。一方、記録終了条件を充足する場合(S87:YES)、CPU11は、フィギュア情報の取得およびジェスチャの検出を終了し(S89)、ジェスチャ記録処理を終了する。
【0085】
本形態のジェスチャ記録処理を行うことで、ユーザが直感的に理解しやすいジェスチャを登録し、そのジェスチャをテンプレート画像に関連付けて登録DB45に登録し、さらに、ジェスチャ印刷処理に利用できるようになる。よって、ユーザが使い易いジェスチャでテンプレート画像が選択できるようになり、利便性が向上する。
【0086】
以上詳細に説明したように、本形態のラベル作成アプリ42では、あらかじめジェスチャとテンプレート画像とを対応付けて記憶する。ラベル作成アプリ42は、ミリ波レーダ50を用いて、その記憶したジェスチャの入力を検出した場合に、検出したジェスチャに対応付けられたテンプレート画像を選択する。その後、印刷指示を受け付けると、ラベル作成アプリ42は、選択されたテンプレート画像に基づく画像を含む印刷用のジョブを生成する。このように、ユーザは、印刷対象となるテンプレート画像を選択する際、電子デバイス1の前でジェスチャを行うことでテンプレート画像を選択することができ、テンプレート画像を選択する際の手間が少ない。また、テンプレート画像を選択する際、ジェスチャに対応付けられていないテンプレート画像は表示されないため、あらかじめジェスチャに対応付けて記憶しておくテンプレート画像の秘匿性が高い。
【0087】
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。
【0088】
プリンタ2は、複合機や印刷装置など、ラベルプリンタ以外の装置でもよい。また、印刷媒体は、カット紙など、ラベル紙以外の印刷媒体でもよい。
【0089】
上記形態では、隠しフラグに「ON」が設定されるテンプレート画像は、ジェスチャ印刷モードでジェスチャを検出した場合に選択できるが、手動印刷モードで印刷する場合には、選択できないようにした。これに対して、テンプレート画像の選択は、これと異なる方法で行ってもよい。例えば、来客用のテンプレート画像と、社員用のテンプレート画像とを別々のデータベースで管理する。この場合、社員向けのテンプレート画像は、来客用のデータベースに登録せず、社員用のデータベースに登録する。そして、ジェスチャを検出した場合には、社員用のデータベースに登録されたテンプレート画像をディスプレイ20に表示し、ジェスチャを検出しない場合には、来客用のデータベースに登録されたテンプレート画像をディスプレイ20に表示して選択できるようにする。これによれば、ジェスチャを知らない来客は、ジェスチャを行わずに手動で来客用のテンプレート画像を表示させるので、社員向けのテンプレート画像が来客に見られ、秘匿性が害されることを回避できる。
【0090】
図5のS213の処理は省略してもよい。但し、S213の処理を実行して、隠しテンプレートの指定を受け付けることで、複数のテンプレート画像の中から印刷対象となるテンプレート画像を手動で選択するようになり、利便性を高めることができる。それと共に、手動でテンプレート画像を選択する場合も、隠し設定に「ON」が登録されている、すなわち、特定の属性を有している隠しテンプレート画像(第2のテンプレート画像の一例)は表示しないようにすることができる。これにより、隠しテンプレートに指定したテンプレート画像の秘匿性を高めることができる。
【0091】
図6のS101,S103の前認証と、S119,S120の後認証は、両方、或いは、何れか一方を省略してもよい。但し、前認証あるいは後認証を行い、ジェスチャでのテンプレート画像の選択にユーザ認証を条件とすることで、テンプレート画像の安全性をより高めることができる。また、ジェスチャを検出するための検出処理は処理負荷が高い。そのため、図6に示すように、S107のジェスチャ検出の前に、S101,S103の前認証を行い、テンプレート画像の選択にユーザ認証を条件とすることで、テンプレート画像の安全性をより高めることができる。一方、前認証を省略し、後認証を行う場合には、テンプレート画像毎の認証が可能になる。
【0092】
図9に示すジェスチャ記録処理は省略してもよい。但し、図9に示すジェスチャ記録処理を実行し、ジェスチャのレコーディング機能を設けることで、ユーザが使い易いジェスチャでテンプレート画像を選択することができ、利便性が向上する。
【0093】
図6のS123,S125の処理は省略してもよい。但し、図6のS123,S125の処理を実行し、取得した付加情報を選択されたテンプレート画像を自動的に付加できることで、印刷対象のテンプレート画像に付加価値を付与できる。
【0094】
図6のS112,S113の処理は省略してもよい。但し、あらかじめキャンセルを示す特定のジェスチャを用意し、S112,S113の処理を行うことで、より選択の際の操作性が高まる。
【0095】
図6のS114,S115の処理は省略してもよい。但し、S114の処理を実行し、ジェスチャによって選択されるテンプレート画像が切り替えられることで、より選択の際の操作性が高まる。
【0096】
図6では、決定ボタン201の押下をトリガとして、フィギュア情報の取得と、ジェスチャの検出を終了する。しかし、フィギュア情報の取得と、ジェスチャの検出の終了は、決定ボタン201の押下以外をトリガにして行っても差し支えない。例えば、テンプレート画像の選択を受け付けると同時に終了してもよい。また例えば、フィギュア情報の取得と、ジェスチャの検出を開始してから一定時間経過した場合に終了してもよい。
【0097】
前認証や、後認証や、管理者認証は、外部サーバに行わせてもよい。
【0098】
また、本実施の形態では、ラベル作成アプリ42とフィギュア解析アプリ47とを、それぞれ独立したモジュールとして構成したが、ラベル作成アプリ42が、フィギュア解析アプリ47の機能を備えるように構成しても差し支えない。なお、フィギュア解析アプリ47の機能はOS41の機能の一部として提供され、ラベル作成アプリ42がOS41の機能をAPIで呼び出すことにより機能を実行するように構成されてもよい。
【0099】
また、本実施の形態では、ラベル作成アプリ42が起動されると自動的にフィギュア解析アプリ47が起動されるように構成したが、両アプリが独立して起動されるように構成しても差し支えない。この場合、ラベル作成アプリ42起動用のアイコンと、フィギュア解析アプリ47起動用のアイコンをそれぞれディスプレイ20に表示するようにしても差し支えない。
【0100】
上記形態では、フィギュア解析アプリ47がミリ波レーダ50からの信号を受信してフィギュア情報を生成し、そのフィギュア情報をラベル作成アプリ42が取得している。これに対して、ラベル作成アプリ42がミリ波レーダ50からの信号を受信してフィギュア解析アプリ47に渡し、フィギュア情報をフィギュア解析アプリ47から取得してもよい。
【0101】
また、ラベル作成アプリ42がジェスチャの検出を行っているが、フィギュア解析アプリ47がジェスチャの検出を行い、その検出結果をラベル作成アプリ42が取得する構成であってもよい。
【0102】
また、実施の形態に開示されている任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
【0103】
また、実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0104】
1 電子デバイス
42 ラベル作成アプリ
50 ミリ波レーダ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9