(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】サーバ、サーバのためのコンピュータプログラム、通信装置、及び、通信システム
(51)【国際特許分類】
H04L 51/212 20220101AFI20240730BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240730BHJP
H04N 1/32 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H04L51/212
H04N1/00 127A
H04N1/32 400
H04N1/32 609
(21)【出願番号】P 2020077711
(22)【出願日】2020-04-24
【審査請求日】2023-04-11
(31)【優先権主張番号】P 2019120345
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 健
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-297506(JP,A)
【文献】特開2002-278881(JP,A)
【文献】特開2004-086236(JP,A)
【文献】特開2003-273933(JP,A)
【文献】特開2014-093664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/00
H04N 1/00
H04N 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバであって、
第1の装置を識別する第1の装置識別情報と、第1のメールアドレスと、を関連付けて記憶するメモリと、
前記第1の装置から、第1の電子メールを送信するための情報である第1の送信情報を受信する第1の送信情報受信部であって、前記第1の電子メールは、第1の画像データの送信に関する電子メールである、前記第1の送信情報受信部と、
前記第1の装置から前記第1の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報に関連付けて記憶されている前記第1のメールアドレスを宛先として、前記第1の電子メールを送信する第1のメール送信部と、
前記第1の装置から前記第1の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報と、前記第1の電子メールを識別するメール識別情報と、を関連付けて前記メモリに記憶する第1の記憶制御部と、
前記第1の電子メールが送信された後に、前記メール識別情報を含むアラート情報が受信される場合に、前記メール識別情報に関連付けられている前記第1の装置識別情報と、電子メールの送信を制限することを示す制限情報と、を関連付けて前記メモリに記憶する第2の記憶制御部と、
前記第1の装置から、第2の電子メールを送信するための情報である第2の送信情報を受信する第2の送信情報受信部であって、前記第2の電子メールは、第2の画像データの送信に関する電子メールである、前記第2の送信情報受信部と、
前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されていない状態において、前記第1の装置から前記第2の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報に関連付けて記憶されている前記第1のメールアドレスを宛先として、前記第2の電子メールを送信する第2のメール送信部であって、前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されている状態において、前記第1の装置から前記第2の送信情報が受信される場合に、前記第2の電子メールの送信は制限される、前記第2のメール送信部と、
を備える、サーバ。
【請求項2】
前記メモリは、さらに、前記第1の装置とは異なる第2の装置を識別する第2の装置識別情報と、前記第1のメールアドレスと、を関連付けて記憶し、
前記サーバは、さらに、
前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶され
、かつ、前記第2の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されていない状態において、前記第2の装置から、第3の電子メールを送信するための情報である第3の送信情報を受信する第3の送信情報受信部であって、前記第3の電子メールは、第3の画像データの送信に関する電子メールである、前記第3の送信情報受信部と、
前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶され
、かつ、前記第2の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されていない状態において、前記第2の装置から前記第3の送信情報が受信される場合に、前記第2の装置を識別する前記第2の装置識別情報に関連付けて記憶されている前記第1のメールアドレスを宛先として、前記第3の電子メールを送信する第3のメール送信部と、
を備える、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記サーバは、さらに、
前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されている場合に、前記第1のメールアドレスを宛先とした電子メールの送信が制限されていることを示す通知画面を前記第1の装置に表示させるための制限通知情報を前記第1の装置に送信する制限通知送信部を備える、請求項1又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記制限通知送信部は、前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されている状態において、前記第1の装置から前記第2の送信情報が受信される場合に、前記制限通知情報を前記第1の装置に送信する、請求項3に記載のサーバ。
【請求項5】
前記第2の送信情報は、スキャンデータである前記第2の画像データを生成するためのスキャン実行操作が前記第1の装置に実行されることに起因して前記第1の装置から送信される情報、及び、FAXデータである前記第2の画像データが前記第1の装置によって受信されることに起因して前記第1の装置から送信される情報のうちのいずれかである、請求項4に記載のサーバ。
【請求項6】
前記第2の送信情報が、前記スキャン実行操作が前記第1の装置に実行されることに起因して前記第1の装置から送信される情報である場合に、前記通知画面は、前記通知画面内のボタンが操作されることに応じて、前記第1の装置から消去され、
前記第2の送信情報が、前記FAXデータである前記第2の画像データが前記第1の装置によって受信されることに起因して前記第1の装置から送信される情報である場合に、前記通知画面は、前記通知画面内の前記ボタンが操作されなくても、前記第1の装置から消去される、請求項5に記載のサーバ。
【請求項7】
前記制限通知送信部は、前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されている状態において、前記第1の装置から、前記第1の装置識別情報を含むアクセス要求が受信される場合に、前記制限通知情報を前記第1の装置に送信し、
前記アクセス要求は、前記サーバにアクセスするための所定操作が前記第1の装置に実行される場合に、前記第1の装置から送信される情報である、請求項3から6のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項8】
前記第1の装置は、所定のプログラムを記憶しており、
前記所定のプログラムは、
スキャンデータである前記第2の画像データの送信に関する前記第2の電子メールを送信するための前記第2の送信情報を前記サーバに送信する処理と、
FAXデータである前記第2の画像データの送信に関する前記第2の電子メールを送信するための前記第2の送信情報を前記サーバに送信する処理と、
を含む複数の処理を前記第1の装置に実行させるためのプログラムであり、
前記所定操作は、前記所定のプログラムを利用するための操作である、請求項7に記載のサーバ。
【請求項9】
前記第1のメールアドレスは、前記FAXデータの送信に関する電子メールの宛先を示し、
前記第2の記憶制御部は、前記アラート情報が受信される場合に、前記第1の装置識別情報と、前記制限情報と、前記第1のメールアドレスと、を関連付けて前記メモリに記憶し、
前記制限通知送信部は、前記第1の装置から前記アクセス要求が受信され、かつ、前記第1の装置識別情報と前記制限情報と前記第1のメールアドレスとが関連付けて記憶されている場合に、前記制限通知情報を前記第1の装置に送信する、請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記メモリは、さらに、前記第1の装置識別情報と、前記第1のメールアドレスとは異なる第2のメールアドレスと、を関連付けて記憶しており、
前記第2の送信情報は、前記第1の装置において前記第1のメールアドレスと前記第2のメールアドレスとの中から前記第1のメールアドレスを選択するための選択操作が前記第1の装置に実行される場合に、前記サーバに送信される情報であり、
前記第2の送信情報は、前記第1の装置識別情報と前記第1のメールアドレスとを含む、請求項4に記載のサーバ。
【請求項11】
前記第2の記憶制御部は、前記第1の装置識別情報と、前記制限情報と、前記アラート情報によって示されるアラートの原因を示す原因情報と、を関連付けて前記メモリに記憶し、
前記制限通知情報は、前記第1の装置識別情報に関連付けて記憶されている前記原因情報によって示される前記原因を示す前記通知画面を前記第1の装置に表示させるための情報である、請求項3から10のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項12】
前記第2の送信情報は、前記第1の装置識別情報を含み、
前記サーバは、さらに、
前記第1の装置識別情報と前記制限情報と前記原因情報とが関連付けて記憶されている状態において、前記第1の装置から前記第2の送信情報が受信され、かつ、前記第1の装置識別情報に関連付けられている前記原因情報が、前記第1の電子メールが前記宛先に一時的に送信できなかったことを示す場合に、前記第1の装置識別情報に関連付けられている前記制限情報を前記メモリから削除する第1の削除部を備える、請求項11に記載のサーバ。
【請求項13】
前記第1の電子メールの本文は、前記アラート情報の送信指示を受け付けるための第1のURL(Uniform Resource Locatorの略)を含み、
前記第1のURLは、前記メール識別情報を含み、
前記アラート情報は、前記第1の電子メールの前記本文に含まれる前記第1のURLが選択されることに起因して、前記第1の電子メールが表示されている端末装置から受信される情報である、請求項1から12のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項14】
前記第1の電子メールの前記本文は、前記第1のURLと、前記制限情報の削除指示を受け付けるための第2のURLと、を含み、
前記第2のURLは、前記メール識別情報を含み、
前記サーバは、さらに、
前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されている状態において、前記第1の電子メールの前記本文に含まれる前記第2のURLが選択されることに起因して、前記端末装置から前記メール識別情報を含む削除要求が受信される場合に、前記メール識別情報に関連付けられている前記制限情報を前記メモリから削除する第2の削除部を備える、請求項13に記載のサーバ。
【請求項15】
前記サーバは、さらに、
前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されていない状態において、前記第1の電子メールが送信されてから所定時間が経過する場合に、前記メール識別情報を前記メモリから削除する第3の削除部を備える請求項1から14のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項16】
通信システムであって、
前記通信システムは、サーバと、第1の装置と、を備え、
前記サーバは、
前記第1の装置を識別する第1の装置識別情報と、第1のメールアドレスと、を関連付けて記憶するメモリと、
前記第1の装置から、第1の電子メールを送信するための情報である第1の送信情報を受信する第1の送信情報受信部であって、前記第1の電子メールは、第1の画像データの送信に関する電子メールである、前記第1の送信情報受信部と、
前記第1の装置から前記第1の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報に関連付けて記憶されている前記第1のメールアドレスを宛先として、前記第1の電子メールを送信する第1のメール送信部と、
前記第1の装置から前記第1の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報と、前記第1の電子メールを識別するメール識別情報と、を関連付けて前記メモリに記憶する第1の記憶制御部と、
前記第1の電子メールが送信された後に、前記メール識別情報を含むアラート情報が受信される場合に、前記メール識別情報に関連付けられている前記第1の装置識別情報と、電子メールの送信を制限することを示す制限情報と、を関連付けて前記メモリに記憶する第2の記憶制御部と、
前記第1の装置から、第2の電子メールを送信するための情報である第2の送信情報を受信する第2の送信情報受信部であって、前記第2の電子メールは、第2の画像データの送信に関する電子メールである、前記第2の送信情報受信部と、
前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されていない状態において、前記第1の装置から前記第2の送信情報が受信される場合に、前記第1のメールアドレスを宛先として、前記第2の電子メールを送信する第2のメール送信部であって、前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されている状態において、前記第1の装置から前記第2の送信情報が受信される場合に、前記第2の電子メールの送信は制限される、前記第2のメール送信部と、
を備え、
前記第1の装置は、
前記第1の装置において前記第1の画像データに関する特定の指示が入力される場合に、前記第1の送信情報を前記サーバに送信する第1の送信情報送信部と、
前記第1の装置において前記第2の画像データに関する前記特定の指示が入力される場合に、前記第2の送信情報を前記サーバに送信する第2の送信情報送信部と、
を備える、通信システム。
【請求項17】
サーバのためのコンピュータプログラムであって、
前記サーバは、第1の装置を識別する第1の装置識別情報と、第1のメールアドレスと、を関連付けて記憶するメモリを備え、
前記コンピュータプログラムは、前記サーバのコンピュータを、以下の各部、即ち、
前記第1の装置から、第1の電子メールを送信するための情報である第1の送信情報を受信する第1の送信情報受信部であって、前記第1の電子メールは、第1の画像データの送信に関する電子メールである、前記第1の送信情報受信部と、
前記第1の装置から前記第1の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報に関連付けて記憶されている前記第1のメールアドレスを宛先として、前記第1の電子メールを送信する第1のメール送信部と、
前記第1の装置から前記第1の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報と、前記第1の電子メールを識別するメール識別情報と、を関連付けて前記メモリに記憶する第1の記憶制御部と、
前記第1の電子メールが送信された後に、前記メール識別情報を含むアラート情報が受信される場合に、前記メール識別情報に関連付けられている前記第1の装置識別情報と、電子メールの送信を制限することを示す制限情報と、を関連付けて前記メモリに記憶する第2の記憶制御部と、
前記第1の装置から、第2の電子メールを送信するための情報である第2の送信情報を受信する第2の送信情報受信部であって、前記第2の電子メールは、第2の画像データの送信に関する電子メールである、前記第2の送信情報受信部と、
前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されていない状態において、前記第1の装置から前記第2の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報に関連付けて記憶されている前記第1のメールアドレスを宛先として、前記第2の電子メールを送信する第2のメール送信部であって、前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されている状態において、前記第1の装置から前記第2の送信情報が受信される場合に、前記第2の電子メールの送信は制限される、前記第2のメール送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項18】
通信装置であって、
第1の電子メールを送信するための第1の指示が受け付けられる場合に、前記第1の電子メールの送信を要求する第1のメール送信要求をサーバに送信する第1のメール送信要求送信部であって、前記第1の電子メールは、第1の画像データの送信に関する電子メールである、前記第1のメール送信要求送信部と、
前記サーバが前記第1のメール送信要求に従って前記第1の電子メールを送信した後に、前記サーバが前記第1の電子メールを識別するメール識別情報を含むアラート情報を受信する場合に、前記サーバから記憶要求を受信する記憶要求受信部であって、前記記憶要求は、前記第1の電子メールの宛先を示すメールアドレスに関連付けて、電子メールの送信を制限することを示す制限情報をメモリに記憶することを要求するコマンドである、前記記憶要求受信部と、
前記制限情報が前記メモリに記憶されていない状態において、前記メモリ内の前記メールアドレスを宛先とする第2の電子メールを送信するための第2の指示が受け付けられる場合に、前記第2の電子メールの送信を要求する第2のメール送信要求を前記サーバに送信する第2のメール送信要求送信部であって、前記第2の電子メールは、第2の画像データの送信に関する電子メールであり、前記メールアドレスに関連付けて、前記制限情報が前記メモリに記憶されている状態において、前記第2の指示が受け付けられる場合に、前記第2のメール送信要求の前記サーバへの送信は制限される、前記第2のメール送信要求送信部と、
を備える、通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、電子メールを送信する機能を備える装置に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像データを添付した電子メールを送信する多機能機が開示されている。多機能機は、内部に記憶されている複数個の送信先の中から特定の送信先がユーザによって指定される場合に、スキャナ部によって生成された画像データを添付した電子メールを指定された送信先に送信する。ここで、電子メールには、固有のメッセージIDが含まれる。多機能機は、電子メールの送信後に上記のメッセージIDを含むエラーメールを受信する場合に、メッセージIDを利用して、エラーが発生した電子メールの送信先アドレスを特定する。そして、多機能機は、特定済みの送信先アドレスに対応付けてエラー情報を登録する。その後、多機能機は、当該送信先アドレスがユーザによって新たな電子メールの送信先アドレスとして指定される場合に、エラー情報に基づく表示を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術では、多機能機は電子メールを送信する機能を備える必要がある。例えば、多機能機に代えて、多機能機と通信可能なサーバが電子メールを送信する構成が想定される。上記の技術は、このような構成を何ら想定していない。
【0005】
本明細書では、サーバが電子メールを送信する構成において、電子メールに関するアラートに応じた適切な処理を実行可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示されるサーバは、第1の装置を識別する第1の装置識別情報と、第1のメールアドレスと、を関連付けて記憶するメモリと、前記第1の装置から、第1の電子メールを送信するための情報である第1の送信情報を受信する第1の送信情報受信部であって、前記第1の電子メールは、第1の画像データの送信に関する電子メールである、前記第1の送信情報受信部と、前記第1の装置から前記第1の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報に関連付けて記憶されている前記第1のメールアドレスを宛先として、前記第1の電子メールを送信する第1のメール送信部と、前記第1の装置から前記第1の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報と、前記第1の電子メールを識別するメール識別情報と、を関連付けて前記メモリに記憶する第1の記憶制御部と、前記第1の電子メールが送信された後に、前記メール識別情報を含むアラート情報が受信される場合に、前記メール識別情報に関連付けられている前記第1の装置識別情報と、電子メールの送信を制限することを示す制限情報と、を関連付けて前記メモリに記憶する第2の記憶制御部と、前記第1の装置から、第2の電子メールを送信するための情報である第2の送信情報を受信する第2の送信情報受信部であって、前記第2の電子メールは、第2の画像データの送信に関する電子メールである、前記第2の送信情報受信部と、前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されていない状態において、前記第1の装置から前記第2の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報に関連付けて記憶されている前記第1のメールアドレスを宛先として、前記第2の電子メールを送信する第2のメール送信部であって、前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されている状態において、前記第1の装置から前記第2の送信情報が受信される場合に、前記第2の電子メールの送信は制限される、前記第2のメール送信部と、を備えてもよい。
【0007】
上記の構成によれば、サーバは、第1の装置から第1の送信情報を受信する場合に、第1のメール識別情報を含む第1の電子メールを送信するとともに、第1の装置識別情報と第1のメール識別情報とを関連付けてメモリに記憶する。そして、サーバは、第1のメール識別情報を含むアラート情報をする場合に、第1のメール識別情報に関連付けられている第1の装置識別情報と制限情報とを関連付けてメモリに記憶する。これにより、サーバは、第1の装置から第2の送信情報を受信する場合に、第2の電子メールの送信を制限することができる。この結果、サーバは、第2の電子メールを不必要に送信することを抑制できる。サーバが電子メールを送信する構成において、電子メールに関するアラートに応じた適切な処理を実行することができる。
【0008】
本明細書によって開示される通信装置は、第1の電子メールを送信するための第1の指示が受け付けられる場合に、前記第1の電子メールの送信を要求する第1のメール送信要求をサーバに送信する第1のメール送信要求送信部であって、前記第1の電子メールは、第1の画像データの送信に関する電子メールである、前記第1のメール送信要求送信部と、前記サーバが前記第1のメール送信要求に従って前記第1の電子メールを送信した後に、前記サーバが前記第1の電子メールを識別するメール識別情報を含むアラート情報を受信する場合に、前記サーバから記憶要求を受信する記憶要求受信部であって、前記記憶要求は、前記第1の電子メールの宛先を示すメールアドレスに関連付けて、電子メールの送信を制限することを示す制限情報をメモリに記憶することを要求するコマンドである、前記記憶要求受信部と、前記制限情報が前記メモリに記憶されていない状態において、前記メモリ内の前記メールアドレスを宛先とする第2の電子メールを送信するための第2の指示が受け付けられる場合に、前記第2の電子メールの送信を要求する第2のメール送信要求を前記サーバに送信する第2のメール送信要求送信部であって、前記第2の電子メールは、第2の画像データの送信に関する電子メールであり、前記メールアドレスに関連付けて、前記制限情報が前記メモリに記憶されている状態において、前記第2の指示が受け付けられる場合に、前記第2のメール送信要求の前記サーバへの送信は制限される、前記第2のメール送信要求送信部と、を備える。
【0009】
上記の構成によれば、通信装置は、第1の指示を受け付ける場合に、第1の電子メールの送信を要求する第1のメール送信要求をサーバに送信する。これにより、サーバは、第1の電子メールを送信する。そして、サーバが第1の電子メールを識別するメール識別情報を含むアラート情報を受信する場合に、通信装置は、サーバから記憶要求を受信し、メールアドレスに関連付けて、制限情報をメモリに記憶する。これにより、通信装置は、第2の指示を受け付ける場合に、第2の電子メールの送信を要求する第2のメール送信要求のサーバへの送信を制限することができる。この結果、サーバは、第2の電子メールを不必要に送信することを抑制できる。サーバが電子メールを送信する構成において、電子メールに関するアラートに応じた適切な処理を実行することができる。
【0010】
上記のサーバを実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。また、上記のサーバと他の装置(例えば、第1の装置)とを備える通信システムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図9】Scan to Emailにおける具体的なケースを示す。
【
図12】FAX to Emailにおける具体的なケースを示す。
【
図14】第2実施例に係るScan to Emailの具体的なケースを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施例)
(通信システム2の構成;
図1)
図1に示されるように、通信システム2は、サーバ10と、2個の多機能機100、200と、端末装置500と、Cloudサーバ600と、を備える。各装置10、100、200、500、600は、インターネット6に接続されている。サーバ10は、インターネット6を介して、各装置100、200、500、600と通信可能である。なお、以下では、多機能機のことを「MFP(Multi-Function Peripheralの略)」と呼ぶ。端末装置500は、デスクトップPC、タブレットPC,スマートフォン等の端末である。Cloudサーバ600は、他の装置(例えばMFP100)から受信される画像データを記憶するサービスを提供するサーバである。Cloudサーバ600は、例えば、「Evernote(登録商標)」、「Dropbox(登録商標)」、「Google(登録商標) Drive」、「FACEBOOK(登録商標)」等の公知のサードパーティサーバである。
【0013】
(サーバ10の構成)
サーバ10は、MFP100からの指示に従って電子メールを送信するためのサーバである。サーバ10は、各MFP100等のベンダによってインターネット6上に設置される。なお、変形例では、サーバ10は、当該ベンダとは異なる事業者によってインターネット6上に設置されてもよい。
【0014】
サーバ10は、ネットワークインターフェイス12と、制御部20と、を備える。各部12、20は、バス線(符号省略)に接続されている。なお、以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。ネットワークI/F12は、インターネット6を介した通信を実行するためのインターフェースであり、インターネット6に接続されている。制御部20は、CPU22と、メモリ24と、を備える。CPU22は、メモリ24に記憶されているプログラム26に従って、様々な処理を実行する。メモリ24は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ24は、上記のプログラム26の他に、メールテーブル30、送信テーブル32、制限テーブル34、Cloud URL(Uniform Resource Locatorの略)36と、を記憶する。Cloud URL36は、Cloudサーバ600の位置を示すURLである。なお、変形例では、各テーブル30等は、サーバ10と通信可能に接続されている外部のメモリに記憶されてもよい。本変形例では、サーバ10と外部のメモリとを含むシステムが、「サーバ」の一例である。
【0015】
メールテーブル30は、メールアドレスを管理するテーブルである。メールテーブル30は、複数個のMFPのそれぞれについて、当該MFPを識別する装置ID(Identifierの略)と、「Scan to Email」用アドレスと、「FAX to Email」用アドレスと、「FAX to Cloud」用アドレスと、を関連付けて記憶する。「Scan to Email」用アドレスは、「Scan to Email」機能に関する電子メールの宛先を示すメールアドレスである。「FAX to Email」用アドレスは、「FAX to Email」機能に関する電子メールの宛先を示すメールアドレスである。「FAX to Cloud」用アドレスは、「FAX to Cloud」機能に関する電子メールの宛先を示すメールアドレスである。以下では、「Scan to Email」機能、「FAX to Email」機能、及び、「FAX to Cloud」機能を合わせて、「メール機能」と呼ぶ。メール機能については、
図2で後述する。
【0016】
送信テーブル32は、サーバ10が送信した電子メール(以下、「サーバメール」と呼ぶ)に関する情報を管理するテーブルである。送信テーブル32は、複数個のサーバメールのそれぞれについて、当該サーバメールの送信を指示したMFPを識別する装置IDと、当該サーバメールの宛先を示すメールアドレスと、当該サーバメールを識別するメールIDと、当該サーバメールの本文に含まれるURLを識別するURLIDと、当該サーバメールが送信された日時を示すタイムスタンプと、当該サーバメールに関する原因情報と、を関連付けて記憶する。上記のURLは、制限URL及び削除URLである。制限URLは、ユーザがサーバメールの受信を拒否する場合にユーザによってクリックされるURLである。削除URLは、ユーザがサーバメールの受信を拒否した後にユーザがサーバメールの受信を許容する場合にユーザによってクリックされるURLである。
【0017】
原因情報は、サーバメールに関するアラートの原因を示す情報である。原因情報は、「一時不通」、「アドレス無し」、「ブロック」、「制限要求」を含む複数個の原因のうちのいずれかを示す。ここで、「一時不通」とは、サーバメールがその宛先に送信できない一時的なエラーを示す。一時的なエラーは、例えば、サーバメールの宛先を示すメールアドレスのドメイン名に対応するメールサーバがインターネット6から一時的に切断されている場合に発生する。また、「アドレス無し」とは、サーバメールの宛先を示すメールアドレスが存在しないことに起因してサーバメールがその宛先に送信できなきエラーを示す。また、「ブロック」とは、サーバメールがその宛先に送信されるものの、当該宛先(例えば、メールサーバ、メーラ)によってサーバメールがブロックされることを示す。例えば、サーバメールが迷惑メールであると判断される場合に、サーバメールはブロックされる。サーバメールがブロックされると、サーバメールは当該宛先に送信できなくなる。また、「制限要求」は、後述する制限URLがユーザによってクリックされ、サーバメールの受信が拒否されたことを示す。
【0018】
制限テーブル34は、制限フラグを管理するテーブルである。制限フラグは、電子メールの送信を制限することを示す「ON」と、電子メールの送信を制限しないことを示す「OFF」と、のうちのいずれかの値を示す。制限テーブル34は、複数個の制限フラグのそれぞれについて、装置IDと、メールアドレスと、当該制限フラグと、を関連付けて記憶する。
【0019】
(MFP100、200の構成)
MFP100は、印刷機能、スキャン機能、及び、FAX機能を含む多機能を実行可能な周辺装置(即ち端末装置500の周辺装置)である。MFP100は、ネットワークI/F112と、操作部114と、表示部116と、PSTN(Public Switched Telephone Networkの略)I/F118と、スキャン実行部119と、制御部120と、を含む。各部112~120は、バス線(符号省略)に接続されている。ネットワークI/F112は、インターネット6に接続されている。操作部114は、数のキーを備える。ユーザは、操作部114を操作することによって、様々な指示をMFP100に入力することができる。表示部116は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部116は、いわゆるタッチパネルであり、操作部としても機能する。PSTNI/F118は、FAX通信を実行するためのI/Fである。
【0020】
制御部120は、CPU122と、メモリ124と、を備える。CPU122は、メモリ124に記憶されているプログラム126、128に従って、様々な処理を実行する。メモリ124は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ124は、基本的な処理を実現するためのOS(Operating Systemの略)プログラム126と、サーバ10にアクセスするためのサーバプログラム128と、FAX設定情報130と、を記憶する。FAX設定情報130は、「FAX to Email」機能を利用することを示す「FAX to Email」と、「FAX to Cloud」機能を利用することを示す「FAX to Cloud」と、当該両機能を利用しないことを示す「通常FAX」と、のうちのいずれかの値を示す。FAX設定情報130は、ユーザが操作部114を操作することによって入力される。FAX設定情報130は、デフォルトで「通常FAX」に設定される。
【0021】
MFP100には、装置ID「d01」が割り当てられている。また、MFP200は、MFP100と同様の構成を備える。そして、MFP200には、装置ID「d02」が割り当てられている。
【0022】
(概要;
図2)
図2を参照して、メール機能の概要を説明する。
図2の処理は、後述する
図3~
図8の処理によって実現される。メール機能の概要を説明する前に、ユーザの事前準備を説明する。ユーザは、MFP100の操作部114を操作して、「Scan to Email」用アドレスMA1、MA2を入力する。各メールアドレスMA1、MA2が入力されると、MFP100は、各メールアドレスMA1、MA2とMFP100の装置ID「d01」とを含む記憶要求をサーバ10に送信する。これにより、サーバ10は、各メールアドレスMA1、MA2と装置ID「d01」とをメールテーブル30に記憶する。さらに、サーバ10は、各メールアドレスMA1、MA2と装置ID「d01」と制限フラグ「OFF」を制限テーブル34に記憶する。「FAX to Email」用アドレスMA3及び「FAX to Cloud」用アドレスMA3も、同様に、メールテーブル30と制限テーブル34に記憶される。
【0023】
(Scan to Email)
ユーザは、T0において、MFP100の操作部114を操作して、「Scan to Email」操作を実行する。「Scan to Email」操作は、「Scan to Email」用アドレスMA1、MA2の中から「Scan to Email」用アドレスMA1を選択する操作と、スキャン機能の実行を指示する操作と、を含む。
【0024】
MFP100は、T0において、「Scan to Email」操作を受け付けると、原稿をスキャンしてスキャンデータ(即ち画像データ)を生成する。そして、MFP100は、T1において、生成済みのスキャンデータと「Scan to Email」用アドレスMA1とをサーバ10に送信する。
【0025】
サーバ10は、T1において、MFP100からスキャンデータと「Scan to Email」用アドレスMA1とを受信すると、T2において、「Scan to Email」用アドレスMA1を宛先として、スキャンデータが添付された電子メールを送信する。
【0026】
(FAX to Email)
MFP100は、T3において、PSTNI/F118を介して、FAXデータを受信すると、T4において、FAXデータをサーバ10に送信する。FAXデータは、MFP100とは異なるFAX装置からMFP100にFAX通信を介して送信される画像データである。FAXデータは、当該FAX装置によって原稿がスキャンされることによって生成される。
【0027】
サーバ10は、T4において、MFP100からFAXデータを受信すると、T5において、「FAX to Email」用アドレスMA3を宛先として、FAXデータが添付された電子メールを送信する。
【0028】
(FAX to Cloud)
MFP100は、T6において、PSTNI/F118を介して、FAXデータを受信すると、T7において、Cloud URL36を要求するCloud URL要求をサーバ10に送信する。これにより、MFP100は、T8において、サーバ10からCloud URL36を受信する。
【0029】
T9では、MFP100は、T6で受信したFAXデータをT8で受信したCloud URL36によって示されるCloudサーバ600に送信する。これにより、FAXデータが、Cloudサーバ600に記憶される。
【0030】
T10では、MFP100は、FAXデータのCloudサーバ600への送信が完了したことを示す完了通知をサーバ10に送信する。
【0031】
サーバ10は、T10において、MFP100から完了通知を受信すると、T11において、「FAX to Cloud」用アドレスMA3を宛先として、FAXデータのCloudサーバ600への送信が完了したことを示す完了メッセージを含む電子メールを送信する。
【0032】
(第1のサーバ処理;
図3)
図3を参照して、サーバ10のCPU22によって実行される第1のサーバ処理を説明する。第1のサーバ処理は、主に「Scan to Email」機能を実行するための処理である。第1のサーバ処理は、サーバ10の電源が投入されることをトリガとして開始される。
【0033】
S2では、CPU22は、ネットワークI/F12を介して、特定のMFP(例えば100)からアクセス要求を受信することを監視する。アクセス要求は、サーバプログラム128を利用するためのプログラム利用操作が特定のMFPに実行される場合に、特定のMFPから送信される情報である。アクセス要求は、特定のMFPの装置ID(例えば「d01」)を含む。CPU22は、特定のMFPからアクセス要求を受信する場合(S2でYES)に、S4に進む。
【0034】
S4では、CPU22は、メールテーブル30からアクセス要求に含まれる装置IDに関連付けられて記憶されているFAXのメールアドレスを特定する。ここで、「FAXのメールアドレス」は、「FAX to Email」用アドレス及び「FAX to Cloud」用アドレスを示す。CPU22は、制限テーブル34から、アクセス要求に含まれる装置IDと特定済みのFAXのメールアドレスとの双方に関連付けて記憶されている制限フラグを特定する。そしてCPU22は、特定済みの制限フラグが「ON」を示すのか否かを判断する。CPU22は、特定済みの制限フラグが「ON」を示すと判断する場合(S4でYES)に、S6に進む。一方、CPU22は、特定済みの制限フラグが「OFF」を示すと判断する場合(S4でNO)に、S6をスキップして、S8に進む。
【0035】
S6では、CPU22は、ネットワークI/F12を介して、第1のFAX制限画面を特定のMFPに表示させるため第1のFAX制限画面データを特定のMFPに送信する。第1のFAX制限画面は、FAXのメールアドレスを宛先とした電子メールの送信が制限されていることを示す。
【0036】
S8では、CPU22は、ネットワークI/F12を介して、メニュー画面を特定のMFPに表示させるためメニュー画面データを特定のMFPに送信する。メニュー画面は、メール機能を利用するための画面である。メニュー画面は、「Scan to Email」機能に従ったスキャンを実行するための「Scan to Email」ボタンと、メール機能を利用するための情報(例えば「FAX to Email」用アドレス、FAX設定情報130)を入力するための設定ボタンと、を含む。
【0037】
S10では、CPU22は、ネットワークI/F12を介して、特定のMFPから「Scan to Email」選択情報を受信するのか否かを判断する。「Scan to Email」選択情報は、メニュー画面において「Scan to Email」ボタンが選択されたことを示す情報である。CPU22は、特定のMFPから「Scan to Email」選択情報を受信したと判断する場合(S10でYES)に、S12に進む。一方、CPU22は、メニュー画面において設定ボタンが選択され、例えば、「FAX to Email」用アドレスを含む記憶要求が受信される場合に(S10でNO)、S16に進む。S16では、CPU22は、例えば、上記の記憶要求に従って、記憶要求に含まれる「FAX to Email」用アドレスをメールテーブル30に記憶する。S16が終了すると、
図3の処理が終了する。
【0038】
S12では、CPU22は、ネットワークI/F12を介して、スキャン画面を特定のMFPに表示させるためスキャン画面データを特定のMFPに送信する。スキャン画面データは、特定のMFPの装置IDに関連付けて記憶されている1個以上の「Scan to Email」用アドレスを含む。スキャン画面は、スキャン設定(例えばデータ形式、サイズ、解像度等)を入力するための入力欄と、上記の1個以上の「Scan to Email」用アドレスの中から1個のメールアドレスを選択するための選択欄と、スキャン機能の実行を指示するためのScanボタンと、を含む。
【0039】
S14では、CPU22は、ネットワークI/F12を介して、特定のMFPからメール送信要求を受信する。メール送信要求は、メール送信要求内の情報に従った電子メールの送信を要求するためのコマンドである。メール送信要求は、スキャン画面内の選択欄において選択されたメールアドレスと、スキャン画面内のScanボタンが選択されることに応じて、スキャン画面内の入力欄に入力されたスキャン設定に従って生成されたスキャンデータと、特定のMFPの装置IDと、を含む。なお、
図2のT1の処理は、S14の処理によって実現される。
【0040】
S20では、CPU22は、制限テーブル34から、メール送信要求に含まれる情報、即ち、装置IDとメールアドレスとの双方に関連付けられて記憶されている制限フラグを特定する。
【0041】
S22では、CPU22は、特定済みの制限フラグが「ON」を示すのか否かを判断する。CPU22は、特定済みの制限フラグが「OFF」を示すと判断する場合(S22でNO)に、S24において、後述するメール送信処理(
図4参照)を実行する。一方、CPU22は、特定済みの制限フラグが「ON」を示すと判断する場合(S22でYES)に、後述する制限処理(
図5を参照)を実行する。S24又はS26が終了すると、
図3の処理が終了する。
【0042】
(メール送信処理;
図4)
図4を参照して、サーバ10のCPU22によって実行されるメール送信処理を説明する。S30では、CPU22は、ユニークなメールIDと、ユニークなURLIDと、を生成する。
【0043】
S32では、CPU22は、S30で生成したメールIDが記述されたヘッダと所定の本文とを含むとともに、
図3のS14で受信したメール送信要求内のスキャンデータが添付された電子メールを生成する。所定の本文は、S30で生成されたURLIDを含む制限URLと、S30で生成されたURLIDを含む削除URLと、を含む。そして、CPU22は、メール送信要求内のメールアドレスを宛先として、生成済みの電子メールを送信する。さらに、CPU22は、メール送信要求内の装置IDと、メール送信要求内のメールアドレスと、S30で生成したメールIDと、S30で生成されたURLIDと、上記の電子メールが送信された日時を示すタイムスタンプと、を関連付けて送信テーブル32に記憶する。
【0044】
S34では、CPU22は、S32で送信された電子メール(即ちサーバメール)に対する未送信通知を受信したのか否かを判断する。未送信通知は、サーバメールがその宛先に送信できないエラーを通知するための情報である。未送信通知は、サーバメールがその宛先に送信できないエラーの原因を示すエラーコードを含む。未送信通知は、メールサーバ(図示省略)を介して受信される。例えば、サーバメールが原因「一時不通」によってその宛先に送信できない場合には、未送信通知は、エラーコードEC1を含み。また、例えば、サーバメールが原因「アドレス無し」によってその宛先に送信できない場合には、未送信通知は、エラーコードEC1とは異なるエラーコードEC2を含む。また、未送信通知は、サーバメールのヘッダに含まれているメールIDを含む。CPU22は、未送信通知を受信したと判断する場合(S34でYES)に、S36に進む。
【0045】
S36では、CPU22は、未送信通知に含まれるエラーコードによって示される原因情報(例えば「一時不通」)を未送信通知に含まれるメールIDに関連付けて送信テーブル32に記憶する。
【0046】
S38では、CPU22は、送信テーブル32から未送信通知に含まれるメールIDに関連付けて記憶されている情報を特定する。そして、CPU22は、制限テーブル34において、特定済みの情報のうち、装置IDとメールアドレスとの双方に関連付けて記憶されている制限フラグを「OFF」から「ON」に変更する。S38が終了すると、
図4の処理が終了する。
【0047】
また、CPU22は、未送信通知を受信しないと判断する場合(S34でNO)に、S40において、サーバメールに対するブロック通知を受信するのか否かを判断する。ブロック通知は、サーバメールの宛先によってサーバメールがブロックされたことを示す。ブロック通知は、サーバメールのヘッダに含まれているメールIDを含む。ブロック通知は、メールサーバ(図示省略)を介して受信される。CPU22は、ブロック通知を受信したと判断する場合(S40でYES)に、S42に進む。
【0048】
S42では、CPU22は、ブロック通知によって示される原因情報(即ち「ブロック」)をブロック通知に含まれるメールIDに関連付けて送信テーブル32に記憶する。S42が終了すると、S38に進む。S42の後に実行されるS38では、CPU22は、ブロック通知に含まれるメールIDを利用して、送信テーブル32から情報と特定し、特定済みの情報に関連付けられて記憶されている制限フラグを「OFF」から「ON」に変更する。
【0049】
また、CPU22は、ブロック通知を受信しないと判断する場合(S40でNO)に、S44において、サーバメールに対する制限要求を受信するのか否かを判断する。制限要求は、サーバメールの本文内の制限URLがクリックされる場合に、メールサーバを介さずに、サーバメールが表示されている端末装置(例えば500)から受信される情報である。制限要求は、サーバメールの宛先に関連付けて記憶されている制限フラグを「OFF」から「ON」に変更する要求である。制限要求は、制限URLに含まれているURLIDを含む。CPU22は、制限要求を受信したと判断する場合(S44でYES)に、S46に進む。
【0050】
S46では、CPU22は、制限要求によって示される原因情報(即ち「制限要求」)を制限要求に含まれるURLIDに関連付けて送信テーブル32に記憶する。S46が終了すると、S38に進む。S46の後に実行されるS38では、CPU22は、制限要求に含まれるURLIDを利用して、送信テーブル32から情報と特定し、特定済みの情報に関連付けられて記憶されている制限フラグを「OFF」から「ON」に変更する。
【0051】
また、CPU22は、制限要求を受信しないと判断する場合(S44でNO)に、S38をスキップして、
図4の処理を終了する。
【0052】
(制限処理;
図5)
図5を参照して、サーバ10のCPU22によって実行される制限処理を説明する。S50では、CPU22は、送信テーブル32から、
図3のS14で受信されたメール送信要求に含まれる情報(即ち、装置IDとメールアドレス)に関連付けて記憶されている原因情報を特定する。そして、CPU22は、特定済みの原因情報が「一時不通」を示すのか否かを判断する。CPU22は、特定済みの原因情報が「一時不通」を示すと判断する場合(S50でYES)に、S52において、
図3のS20で特定された制限フラグを「ON」から「OFF」に変更する。一方、CPU22は、特定済みの原因情報が「一時不通」を示さないと判断する場合(S50でNO)に、S52をスキップして、S53に進む。原因情報が「一時不通」を示すことは、一時的なエラーが発生したことを意味する。この場合には、一時的なエラーが解消して、電子メールがその宛先に送信できるようになる可能性がある。原因情報が「一時不通」を示す場合に制限フラグを「OFF」に変更することによって、一時的なエラーが解消する場合に電子メールを適切に送信することができる。
【0053】
S53では、CPU22は、
図3の第1のサーバ処理(即ち「Scan to Email」機能のための処理)において制限処理が実行されているのか否かを判断する。詳しくは、後述するが、
図5の制限処理は、第2のサーバ処理(
図6参照)でも実行される。CPU22は、第1のサーバ処理において制限処理が実行されていると判断する場合(S53でYES)に、S54Aに進む。
【0054】
S54Aでは、CPU22は、ネットワークI/F12を介して、Scan制限画面を特定のMFPに表示させるためのScan制限画面データを特定のMFPに送信する。Scan制限画面は、「Scan to Email」用アドレスを宛先とした電子メールの送信が制限されていることを示す。Scan制限画面は、電子メールの送信が制限されている原因を示す原因メッセージと、メールアドレスの削除を指示するための削除ボタンと、NOボタンと、を含む。削除ボタンは、
図3のS14で受信されたメール送信要求に含まれる情報(即ち、装置IDとメールアドレス)と関連付けられている。削除ボタン又はNOボタンが選択される場合に、Scan制限画面は特定のMFPの表示部から消去される。
【0055】
原因メッセージは、S50で特定された原因情報によって示される原因を示すメッセージである。即ち、
図5に示すように、Scan制限画面には、電子メールの送信が制限されている原因に応じて様々な原因メッセージが含まれる。これにより、ユーザは、電子メールの送信が制限されている原因を知ることができる。
【0056】
CPU22は、後述する第2のサーバ処理(即ち「FAX to Email」機能及び「FAX to Cloud」機能のための処理)において制限処理が実行されていると判断する場合(S53でNO)に、S54Bに進む。S54Bでは、CPU22は、ネットワークI/F12を介して、第2のFAX制限画面を特定のMFPに表示させるため第2のFAX制限画面データを特定のMFPに送信する。第2のFAX制限画面は、FAXのメールアドレスを宛先とした電子メールの送信が制限されていることを示す。第2のFAX制限画面は、
図3のS6の第1のFAX制限画面とは異なる。第2のFAX制限画面は、Scan制限画面と同様の原因メッセージと、削除ボタンと、NOボタンと、を含む。一方、第1のFAX制限画面は、削除ボタンを含まない。また、第2のFAX制限画面は、第2の制限画面内のボタンが選択されなくても特定のMFPの表示部から自動的に消去される。一方、第1のFAX制限画面は、第1のFAX制限画面内のOKボタンが選択されることに応じて特定のMFPの表示部から消去される。別言すれば、第1のFAX制限画面は、第1のFAX制限画面内のOKボタンが選択されるまで表示され続ける。S54A又はS54Bが終了すると、S56に進む。
【0057】
S56では、CPU22は、ネットワークI/F12を介して、特定のMFPから削除選択情報を受信するのか否かを判断する。削除選択情報は、Scan制限画面又は第2のFAX制限画面において、削除ボタンが選択されたことを示す情報である。削除選択情報は、削除ボタンに関連付けられている情報(即ち装置IDとメールアドレス)を含む。CPU22は、特定のMFPから削除選択情報を受信したと判断する場合(S56でYES)に、S58に進み、特定のMFPから削除選択情報を受信しないと判断する場合(S56でNO)に、S58の処理をスキップして、
図5の処理を終了する。
【0058】
S58では、CPU22は、メールテーブル30において削除選択情報内の装置IDに関連付けて記憶されているメールアドレスのうち、削除選択情報内のメールアドレスと一致するメールアドレスをメールテーブル30から削除する。さらに、CPU22は、削除選択情報内の装置IDに関連付けて記憶されている同じメールアドレスを制限テーブル34からも削除する。S58の処理が終了すると、
図5の処理が終了する。
【0059】
(第2のサーバ処理)
図6を参照して、サーバ10のCPU22によって実行される第2のサーバ処理を説明する。第2のサーバ処理は、「FAX to Email」機能及び「FAX to Cloud」機能を実行するための処理である。第2のサーバ処理は、サーバ10の電源が投入されることをトリガとして開始される。
【0060】
S60では、CPU22は、ネットワークI/F12を介して、特定のMFPから「FAX to Email」要求を受信することを監視する。「FAX to Email」要求は、特定のMFPがFAXデータを受信する場合に、特定のMFPから送信される情報である。「FAX to Email」要求は、FAXデータと、特定のMFPの装置IDと、を含む。なお、
図2のT4は、S60の処理によって実現される。CPU22は、特定のMFPから「FAX to Email」要求を受信する場合(S60でYES)に、S62に進む。
【0061】
S62では、CPU22は、メールテーブル30から、「FAX to Email」要求に含まれる装置IDに関連付けて記憶されている「FAX to Email」用アドレスを特定する。CPU22は、S62の処理が終了すると、S80に進む。
【0062】
また、CPU22は、S60の監視に加えて、S64において、ネットワークI/F12を介して、特定のMFPからCloud URL要求を受信することを監視する。CPU22は、特定のMFPからCloud URL要求を受信する場合(S64でYES)に、S66において、ネットワークI/F12を介して、メモリ24内のCloud URL36を特定のMFPに送信する。続けて、S68では、CPU22は、ネットワークI/F12を介して、特定のMFPからFAXデータのCloudサーバ600への送信が完了したことを示す完了通知を受信する。完了通知は、特定のMFPの装置IDを含む。ここで、
図2のT7、T8、T10の処理は、S64~S68の処理によって実現される。
【0063】
S70では、CPU22は、メールテーブル30から、完了通知に含まれる装置IDに関連付けて記憶されている「FAX to Cloud」用アドレスを特定する。CPU22は、S70の処理が終了すると、S80に進む。
【0064】
S80では、CPU22は、制限テーブル34から制限フラグを特定する。具体的には、S62の後に実行されるS80では、CPU22は、制限テーブル34から、「FAX to Email」要求に含まれる装置IDとS62で特定された「FAX to Email」用アドレスとの双方に関連付けて記憶されている制限フラグを特定する。また、S70の後に実行されるS80では、CPU22は、制限テーブル34から、完了通知に含まれる装置IDとS70で特定された「FAX to Cloud」用アドレスとの双方に関連付けて記憶されている制限フラグを特定する。
【0065】
S82~S86は、
図3のS22~S26と同様である。S84又はS86が終了すると、
図6の処理が終了する。
【0066】
(第1のMFP処理;
図7)
図7を参照して、MFP100のCPU122によって実行される第1のMFP処理を説明する。第1のMFP処理は、主に「Scan to Email」機能を実行するための処理である。第1のMFP処理は、MFP100の電源が投入されることをトリガとして開始される。
【0067】
S100では、CPU122は、操作部114においてプログラム利用操作が実行されること監視する。CPU122は、プログラム利用操作が実行される場合(S100でYES)に、サーバプログラム128に従って、S102に進む。
【0068】
S102では、CPU122は、ネットワークI/F112を介して、アクセス要求をサーバ10に送信する(
図3のS2参照)。
【0069】
S104では、CPU122は、ネットワークI/F112を介して、サーバ10から第1のFAX制限画面データを受信するのか否かを判断する(
図3のS6参照)。CPU122は、サーバ10から第1のFAX制限画面データを受信すると判断する場合(S104でYES)に、S105において、第1のFAX制限画面データに従って、第1のFAX制限画面を表示部116に表示する。そして、CPU122は、ネットワークI/F112を介して、サーバ10からメニュー画面データを受信する。一方、CPU122は、サーバ10から第1のFAX制限画面データを受信することなく、サーバ10からメニュー画面データを受信する場合(S104でNO)に、S105の処理をスキップして、S106に進む。
【0070】
S106では、CPU122は、メニュー画面データに従って、メニュー画面を表示部116に表示する。
【0071】
S108では、CPU122は、メニュー画面内の「Scan to Email」ボタンが選択されるのか否かを判断する。CPU122は、「Scan to Email」ボタンが選択されたと判断する場合(S108でYES)に、S110に進み、メニュー画面内の設定ボタンが選択されたと判断する場合(S108でNO)に、S116に進む。S116では、CPU122は、例えば、メール機能を利用するための情報(例えば「FAX to Email」用アドレス)を入力するための入力画面を表示する。S116の処理が終了すると、
図7の処理が終了する。
【0072】
S110では、CPU122は、ネットワークI/F112を介して、「Scan to Email」選択情報をサーバ10に送信する(
図3のS10参照)。
【0073】
S112では、CPU122は、ネットワークI/F112を介して、サーバ10からスキャン画面データを受信する(
図3のS12参照)。
【0074】
S114では、CPU122は、スキャン画面データに従って、スキャン画面を表示部116に表示する。CPU122は、スキャン画面において、スキャン設定の入力とメールアドレスの選択とScanボタンの選択とが実行される場合に、入力済みのスキャン設定に従ったスキャンをスキャン実行部119に実行させる。そして、CPU122は、選択済みのメールアドレスと、スキャン実行部119によって生成されたスキャンデータと、MFP100の装置ID「d01」と、を含むメール送信要求をサーバ10に送信する(
図3のS14参照)。
【0075】
S120では、CPU122は、ネットワークI/F112を介して、サーバ10からScan制限画面データを受信するのか否かを判断する(
図5のS54A参照)。CPU122は、サーバ10からScan制限画面データを受信したと判断する場合(S120でYES)に、S122に進む。また、CPU122は、サーバ10からScan制限画面データを受信しないと判断する場合(S122でNO)に、S122以降の処理をスキップして、
図7の処理を終了する。
【0076】
S122では、CPU122は、Scan制限画面データに従って、Scan制限画面を表示部116に表示する。
【0077】
S124では、CPU122は、Scan制限画面内の削除ボタンが選択されたのか否かを判断する。CPU122は、削除ボタンが選択されたと判断する場合(S124でYES)に、S126において、ネットワークI/F112を介して、削除選択情報をサーバ10に送信する(
図5のS56参照)。S126の処理が終了すると、
図7の処理が終了する。一方、CPU122は、NOボタンが選択されたと判断する場合(S124でNO)に、S126の処理をスキップして、
図7の処理を終了する。なお、削除ボタン又はNOボタンが選択される場合に、Scan制限画面は消去される。
【0078】
(第2のMFP処理;
図8)
図8を参照して、MFP100のCPU122によって実行される第2のMFP処理を説明する。第2のMFP処理は、「FAX to Email」機能及び「FAX to Cloud」機能を実行するための処理である。第2のMFP処理は、MFP100の電源が投入されることをトリガとして開始される。
【0079】
S150では、CPU122は、PSTNI/F118を介して、FAXデータを受信することを監視する。なお、
図2のT3及びT6の処理は、S150の処理によって実現される。CPU122は、FAXデータを受信する場合(S150でYES)に、S152に進む。
【0080】
S152では、CPU122は、メモリ124内のFAX設定情報130が「FAX to Email」を示すのか否かを判断する。CPU122は、FAX設定情報130が「FAX to Email」を示すと判断する場合(S152でYES)に、S154に進む。
【0081】
S154では、CPU122は、ネットワークI/F112を介して、FAXデータとMFP100の装置ID「d01」とを含む「FAX to Email」要求をサーバ10に送信する(
図6のS60参照)。CPU122は、S154S164の処理が終了すると、S170に進む。
【0082】
また、CPU122は、FAX設定情報130が「FAX to Email」を示さないと判断する場合(S152でNO)に、S156において、FAX設定情報130が「FAX to Cloud」を示すのか否かを判断する。CPU122は、FAX設定情報130が「FAX to Cloud」を示すと判断する場合(S156でYES)に、S158に進む。
【0083】
S158では、CPU122は、ネットワークI/F112を介して、Cloud URL要求をサーバ10に送信する(
図6のS66参照)。S160では、CPU122は、ネットワークI/F112を介して、サーバ10からCloud URL36を受信する(S68参照)。
【0084】
S162では、CPU122は、FAXデータをCloud URL36によって示されるCloudサーバ600に送信する(即ちアップロードする)。なお、
図2のT9の処理は、S162の処理によって実現される。
【0085】
S164では、CPU122は、ネットワークI/F112を介して、装置ID「d01」を含む完了通知をサーバ10に送信する(
図6のS68を参照)。CPU122は、S164の処理が終了すると、S170に進む。
【0086】
また、FAX設定情報130が「通常FAX」を示すと判断する場合(S156でNO)に、S168に進む。S168では、CPU122は、FAXデータに対応する画像の印刷をMFP100の印刷実行部(図示省略)に実行させる。S168の処理が終了すると、
図8の処理が終了する。
【0087】
S170では、CPU122は、ネットワークI/F112を介して、サーバ10から第2のFAX制限画面データを受信したのか否かを判断する(
図5のS54B参照)。CPU122は、サーバ10から第2のFAX制限画面データを受信したと判断する場合(S170でYES)に、S172に進み、サーバ10から第2のFAX制限画面データを受信しないと判断する場合(S170でNO)に、S172以降の処理をスキップして、
図8の処理を終了する。
【0088】
S172では、CPU122は、第2のFAX制限画面データに従って、第2のFAX制限画面を表示部116に表示する。
【0089】
S174では、CPU122は、第2のFAX制限画面内の削除ボタンが選択されたのか否かを判断する。CPU122は、削除ボタンが選択されたと判断する場合(S174でYES)に、S176に進む。S176は、
図7のS126と同様である。そして、CPU122は、S180において、表示部116から第2のFAX制限画面を消去する。なお、CPU122は、第2のFAX制限画面内のNOボタンが選択される場合にも、S180において、表示部116から第2のFAX制限画面を消去する。S180が終了すると、
図8の処理が終了する。
【0090】
また、CPU122は、第2のFAX制限画面内のいずれのボタンも選択されていないと判断する場合(S174でNO)に、S178において、第2のFAX制限画面の表示から所定時間(例えば30秒)が経過したのか否かを判断する。CPU122は、所定時間が経過したと判断する場合(S178でYES)に、S180に進む。即ち、第2のFAX制限画面は、表示部116から自動的に消去される。一方、CPU122は、所定時間が経過していないと判断する場合(S178でNO)に、S174に戻る。
【0091】
(Scan to Emailにおける具体的なケース;
図9~
図11)
図9~
図11を参照して、Scan to Emailにおける具体的なケースを説明する。本ケースでは、「Scan to Email」用アドレスとして2個のメールアドレスMA1、MA2が記憶され、FAXのメールアドレスとしてメールアドレスMA3が記憶されている。そして、制限テーブル34において、MFP100の装置ID「d01」に関連付けて、3個のメールアドレスMA1~MA3が記憶されており、メールアドレスMA1~MA3のそれぞれに関連付けて、制限フラグ「OFF」が記憶されている。
【0092】
MFP100は、T20において、ユーザからプログラム利用操作を受け付ける(
図7のS100でYES)。T22では、MFP100は、装置ID「d01」を含むアクセス要求をサーバ10に送信する(S102)。
【0093】
サーバ10は、T22において、MFP100からアクセス要求を受信すると(
図3のS2でYES)、T24において、制限テーブル34から装置ID「d01」とFAXのメールアドレスMA3との双方に関連付けて記憶されている制限フラグ「OFF」を特定する。そして、サーバ10は、特定済みの制限フラグが「OFF」を示すと判断する(S4でNO)。T26では、サーバ10は、メニュー画面データをMFP100に送信する(S8)。
【0094】
MFP100は、T26において、サーバ10からメニュー画面データを受信すると、T28において、メニュー画面を表示する(
図7のS106)。T30では、MFP100は、メニュー画面内の「Scan to Email」ボタンの選択を受け付ける(S108でYES)。T32では、MFP100は、「Scan to Email」選択情報をサーバ10に送信する(S110)。
【0095】
サーバ10は、T32において、MFP100から「Scan to Email」選択情報を受信すると(
図3のS10でYES)、T34において、装置ID「d01」に関連付けて記憶されている2個「Scan to Email」用アドレスMA1、MA2を含むスキャン画面データをMFP100に送信する(S12)。
【0096】
MFP100は、T34において、サーバ10からスキャン画面データを受信すると(
図7のS112)、T36において、スキャン画面を表示する(S114)。
【0097】
T38では、MFP100は、スキャン画面において、スキャン設定の入力と「Scan to Email」用アドレスMA1の選択とScanボタンの選択とを受け付ける。T40では、MFP100は、入力済みのスキャン設定に従ってスキャンデータSD1を生成する。
【0098】
T42では、MFP100は、「Scan to Email」用アドレスMA1とスキャンデータSD1と装置ID「d01」とを含むメール送信要求をサーバ10に送信する(114)。
【0099】
サーバ10は、T42において、MFP100からメール送信要求を受信すると(
図3のS14)、装置ID「d01」と「Scan to Email」用アドレスMA1との双方に関連付けられて記憶されている制限フラグ「OFF」を特定する(S20)。T44では、サーバ10は、特定済みの制限フラグが「OFF」であると判断する(S22でNO)。
【0100】
続けて、
図10のT50では、サーバ10は、メールID「m01」とURLID「u01」とを生成する(
図4のS30)。
【0101】
T52では、サーバ10は、「Scan to Email」用アドレスMA1を宛先として、電子メールEM1を送信する(S32)。電子メールEM1は、メールID「m01」が記述されたヘッダと、URLID「u01」を含む制限URLと、URLID「u01」を含む削除URLと、を含む本文と、を含む。電子メールEM1には、スキャンデータSD1が添付されている。
【0102】
また、サーバ10は、装置ID「d01」と、「Scan to Email」用アドレスMA1と、メールID「m01」と、URLID「u01」と、電子メールEM1のタイムスタンプ「2019.5.20.12:00」と、を関連付けて送信テーブル32に記憶する。
【0103】
(ケースA1~A3)
続けて、電子メールEM1に関するアラートの具体的なケースA1~A3について説明する。ケースA1は、アラートの原因が「一時不通」又は「アドレス無し」であるケースを示す。T54では、サーバ10は、電子メールEM1に対する未送信通知を受信したと判断する(
図4のS34でYES)。当該未送信通知は、メールID「m01」と、エラーコードEC1(又はEC2)を含む。
【0104】
T56では、サーバ10は、未送信通知に含まれるエラーコードEC1(又はEC2)によって示される原因情報「一時不通」(又は「アドレス無し」)をメールID「m01」に関連付けて送信テーブル32に記憶する(S36)。
【0105】
T58では、サーバ10は、メールID「m01」に関連付けられて記憶されている装置ID「d01」と電子メールEM1の宛先である「Scan to Email」用アドレスMA1との双方に関連付けて記憶されている制限フラグを「OFF」から「ON」に変更する(S38)。
【0106】
ケースA2は、アラートの原因が「ブロック」であるケースを示す。T74では、サーバ10は、例えば、電子メールEM1を受信したメーラによってブロックのための処理が実行されることに起因して、電子メールEM1に対するブロック通知を受信する(
図4のS40でYES)。当該ブロック通知は、メールID「m01」を含む。
【0107】
T76では、サーバ10は、原因情報「ブロック」をメールID「m01」に関連付けて送信テーブル32に記憶する(S42)。T78は、T58と同様である。
【0108】
ケースA3は、アラートの原因が「制限要求」であるケースを示す。T80では、電子メールEM1が表示されている端末装置500において、ユーザは、電子メールEM1内の制限URLをクリックする。これにより、サーバ10は、T84において、端末装置500からURLID「u01」を含む制限要求を受信する(S44でYES)。
【0109】
T86では、サーバ10は、原因情報「制限要求」をメールID「m01」に関連付けて送信テーブル32に記憶する(S46)。T88は、T58と同様である。このような構成によれば、ユーザは電子メールEM1内の制限URLをクリックするだけで電子メールの送信を制限することができる。ユーザの利便性が向上する。
【0110】
また、ケースA3では、ユーザは、さらに、電子メールEM1内の削除URLをクリックする。これにより、サーバ10は、T94において、メールサーバを介さずに、端末装置500から削除要求を受信する。削除要求は、電子メールEM1の宛先に関連付けて記憶されている制限フラグを「ON」から「OFF」に変更する要求である。削除要求は、URLID「u01」を含む。
【0111】
T96では、サーバ10は、削除要求に含まれるURLID「u01」に関連付けて記憶されている情報、即ち、装置ID「d01」と「Scan to Email」用アドレスMA1を特定する。そして、サーバ10は、装置ID「d01」と「Scan to Email」用アドレスMA1の双方に関連付けて記憶されている原因情報「制限要求」を削除する。
【0112】
T98では、サーバ10は、装置ID「d01」と「Scan to Email」用アドレスMA1との双方に関連付けて記憶されている制限フラグを「ON」から「OFF」に変更する。このような構成によれば、ユーザが誤って制限URLをクリックした場合であっても、電子メールEM1内の削除URLをクリックすることによって、制限フラグ「ON」を削除することができる。電子メールの送信が誤って制限されることを抑制することができる。
【0113】
(ケースA2の続き)
続けて、
図11を参照して、ケースA2の続きを説明する。ケースA2の続きでは、ユーザは、「Scan to Email」用アドレスMA1を宛先とした電子メールを送信するために、「Scan to Email」機能を再び利用する。このため、
図9のT20~T38と同様の処理が実行される。T140では、MFP100は、スキャン画面において入力されたスキャン設定に従ってスキャンデータSD2を生成する。T142は、スキャンデータSD2がメール送信要求に含まれ点を除いて、
図9のT42と同様である。
【0114】
サーバ10は、T142において、MFP100からメール送信要求を受信すると(
図3のS14)、装置ID「d01」と「Scan to Email」用アドレスMA1との双方に関連付けられて記憶されている制限フラグ「ON」を特定する(S20)。T144では、サーバ10は、特定済みの制限フラグが「ON」であると判断する(S22でYES)。
【0115】
T146では、サーバ10は、装置ID「d01」と「Scan to Email」用アドレスMA1との双方に関連付けられて記憶されている原因情報が「ブロック」であると判断する(
図5のS50でNO)。そして、T148では、サーバ10は、原因「ブロック」を示す原因メッセージを含むScan制限画面をMFP100に表示させるためのScan制限画面データをMFP100に送信する(S54A)。
【0116】
MFP100は、T148において、サーバ10からScan制限画面データを受信すると(
図7のS120でYES)、T150において、Scan制限画面を表示する(S122)。これにより、ユーザは、「Scan to Email」用アドレスMA1を宛先とした電子メールの送信が制限されていることを知ることができる。
【0117】
また、仮に、スキャン画面において「Scan to Email」用アドレスMA2が選択される場合には、「Scan to Email」用アドレスMA2に関連付けて記憶されている制限フラグが「OFF」を示すので(S22でNO)、Scan制限画面は表示されない。即ち、「Scan to Email」用アドレスMA1が選択される場合には、Scan制限画面が表示されるものの、「Scan to Email」用アドレスMA2が選択される場合には、Scan制限画面は表示されない。本ケースの構成によれば、ユーザによって選択された「Scan to Email」用アドレスに応じてScan制限画面を適切に表示することができる。
【0118】
T152では、MFP100は、Scan制限画面内の削除ボタンの選択を受け付ける(S124でYES)。T154では、MFP100は、削除ボタンに関連付けられている情報(即ち装置ID「d01」と「Scan to Email」用アドレスMA1)を含む削除選択情報をサーバ10に送信する(S126)。
【0119】
サーバ10は、T154において、MFP100から削除選択情報を受信すると(
図5のS56でYES)、T156において、メールテーブル30から装置ID「d01」に関連付けて記憶されている「Scan to Email」用アドレスMA1を削除する(S58)。これにより、メーラによってブロックされたメールアドレスMA1を削除することができる。
【0120】
また、本ケースでは、制限テーブル34において、MFP200の装置ID「d02」に関連付けて、「Scan to Email」用アドレスMA1が記憶されており、装置ID「d02」と「Scan to Email」用アドレスMA1とに関連付けて、制限フラグ「OFF」が記憶されている。
【0121】
T220は、MFP200がプログラム利用操作を受け付ける点を除いて、
図9のT20と同様である。T222~T232は、MFP100の代わりにMFP200が利用される点を除いて、
図9のT22~T32と同様である。T234は、スキャン画面データが「Scan to Email」用アドレスMA1のみを含む点を除いて、
図9のT34と同様である。T236、T238は、MFP100の代わりにMFP200が利用される点を除いて、
図9のT36、T38と同様である。T240は、スキャンデータSD3がMFP200によって生成される点を除いて、
図9のT40と同様である。
【0122】
T242では、MFP200は、「Scan to Email」用アドレスMA1とスキャンデータSD3と装置ID「d02」とを含むメール送信要求をサーバ10に送信する(
図7のS114)。
【0123】
サーバ10は、T242において、MFP200からメール送信要求を受信すると(
図3のS14)、装置ID「d02」と「Scan to Email」用アドレスMA1との双方に関連付けられて記憶されている制限フラグ「OFF」を特定する(S20)。T244では、サーバ10は、特定済みの制限フラグが「OFF」であると判断する(S22でNO)。T252では、サーバ10は、「Scan to Email」用アドレスMA1を宛先として、スキャンデータSD3が添付された電子メールEM2を送信する(S32)。
【0124】
例えば、
図10のケースA2のT78において、装置ID「d01」と関連付けることなく、「Scan to Email」用アドレスMA1と関連付けて、制限フラグ「ON」を制限テーブル34に記憶する比較例が想定される。この比較例では、MFP100とは異なるMFP200から「Scan to Email」用アドレスMA1を含むメール送信要求が受信される場合に、サーバ10は、「Scan to Email」用アドレスMA1に関連付けて記憶されている制限フラグが「ON」を示すと判断して、
図5の制限処理を実行する。例えば、MFP100のユーザがメールアドレスMA1をブロックすることを望む場合であっても、MFP200のユーザが同じメールアドレスMA1をブロックすることを望まない場合がある。比較例の構成では、MFP200のユーザがメールアドレスMA1をブロックすることを望まない場合であっても、メールアドレスMA1を宛先とした電子メールの送信が不必要に制限される場合がある。これに対して、本ケースの構成によれば、サーバ10は、装置ID「d01」、「d02」のそれぞれに関連付けて、制限フラグを制限テーブル34に記憶する。そして、サーバ10は、装置ID「d01」に関連付けて記憶されている制限フラグを「OFF」から「ON」に変更する場合(
図10のT78)に、装置ID「d02」に関連付けて記憶されている制限フラグを「OFF」に維持する。このため、サーバ10は、MFP200から装置ID「d02」を含むメール送信要求を受信する場合(
図11のT242)に、制限処理を実行することなく、電子メールEM2を送信する(T252)。本ケースの構成によれば、MFP200のユーザがメールアドレスMA1をブロックすることを望まない場合に、メールアドレスMA1を宛先とした電子メールの送信が不必要に制限されることを抑制することができる。
【0125】
(FAX to Emailにおける具体的なケース;
図12)
図12を参照して、FAX to Emailにおける具体的なケースを説明する。本ケースでは、メールテーブル30において、MFP100の装置ID「d01」に関連付けて、「FAX to Email」用アドレスMA3が記憶されている。また、制限テーブル34において、装置ID「d01」と「FAX to Email」用アドレスMA3との双方に関連付けて、制限フラグ「OFF」が記憶されている。また、本ケースでは、MFP100は、「FAX to Email」を示すFAX設定情報130を記憶する。
【0126】
MFP100は、T310において、PSTNI/F118を介して、FAXデータFD1を受信する(
図8のS150)。
【0127】
T312では、MFP100は、FAX設定情報130が「FAX to Email」を示すと判断する(S152でYES)。T314では、MFP100は、FAXデータFD1と装置ID「d01」とを含む「FAX to Email」要求をサーバ10に送信する(S154)。
【0128】
サーバ10は、T314において、MFP100から「FAX to Email」要求を受信すると(
図6のS60でYES)、メールテーブル30から、装置ID「d01」に関連付けて記憶されている「FAX to Email」用アドレスMA3を特定する(S62)。
【0129】
T316では、サーバ10は、制限テーブル34において装置ID「d01」と「FAX to Email」用アドレスMA3との双方に関連付けて記憶されている制限フラグが「OFF」を示すと判断する(S82でNO)。
【0130】
T350は、メールID「m03」とURLID「u03」が生成される点を除いて、
図10のT50と同様である。T352では、サーバ10は、「FAX to Email」用アドレスMA3を宛先として、電子メールEM3を送信する(S32)。電子メールEM3は、メールID「m03」が記述されたヘッダと、URLID「u03」を含む制限URLと、URLID「u03」を含む削除URLと、を含む本文と、を含む。電子メールEM3には、FAXデータFD1が添付されている。
【0131】
また、サーバ10は、装置ID「d01」と、「FAX to Email」用アドレスMA3と、メールID「m03」と、URLID「u03」と、電子メールEM3のタイムスタンプ「2019.5.20.12:00」と、を関連付けて送信テーブル32に記憶する。
【0132】
本ケースでは、
図10のケースA2と同様に、電子メールEM3を受信したメーラによってブロックのための処理が実行される。T374では、サーバ10は、電子メールEM3に対するブロック通知を受信する(
図4のS40でYES)。当該ブロック通知は、メールID「m03」を含む。
【0133】
T376は、メールID「m03」が利用される点を除いて、
図10のT76と同様である。T378では、サーバ10は、メールID「m03」に関連付けられて記憶されている装置ID「d01」と電子メールEM3の宛先である「FAX to Email」用アドレスMA3との双方に関連付けて記憶されている制限フラグを「OFF」から「ON」に変更する(S38)。
【0134】
続けて、MFP100は、T380において、PSTNI/F118を介して、FAXデータFD2を受信する(
図8のS150)。T384は、「FAX to Email」要求がFAXデータFD2を含む点を除いて、T314と同様である。
【0135】
T386では、サーバ10は、制限テーブル34において装置ID「d01」と「FAX to Email」用アドレスMA3との双方に関連付けて記憶されている制限フラグが「ON」を示すと判断する(
図6のS82でYES)。
【0136】
T384では、サーバ10は、原因「ブロック」を示す原因メッセージを含む第2のFAX制限画面をMFP100に表示させるための第2のFAX制限画面データをMFP100に送信する(S54B)。
【0137】
T386は、第2のFAX制限画面が表示される点を除いて、
図11のT150と同様である。本ケースでは、第2のFAX制限画面内のいずれのボタンもユーザによって選択されない。このため、T388では、MFP100は、所定時間の経過後に、第2のFAX制限画面を自動的に消去する(
図8のS178でYES、S180)。ここで、「Scan to Email」機能では、ユーザがMFP100に表示されるスキャン画面内のスキャンボタンを選択することをトリガとして(
図9のT36)、メール送信要求がサーバ10に送信される(
図11のT142)。このため、Scan制限画面がMFP100に表示される場合(T150)に、ユーザがScan制限画面を見る可能性が高い。これに対して、「FAX to Email」機能では、FAXデータFD2が受信されることをトリガとして(
図12のT380)、「FAX to Email」要求がサーバ10に送信される(T384)。このため、第2のFAX制限画面がMFP100に表示される場合(T392)に、ユーザが第2のFAX制限画面を見る可能性が低い。上記のように、第2のFAX制限画面を自動的に消去することによって、第2のFAX制限画面が不必要に表示され続けることを抑制することができる。
【0138】
続けて、MFP100は、T410において、ユーザからプログラム利用操作を受け付ける(
図7のS100でYES)。T412は、
図9のT22と同様である。
【0139】
サーバ10は、T412において、MFP100からアクセス要求を受信すると(
図3のS2でYES)、T414において、制限テーブル34から装置ID「d01」とFAXのメールアドレスMA3との双方に関連付けて記憶されている制限フラグ「ON」を特定する。そして、サーバ10は、特定済みの制限フラグが「ON」を示すと判断する(S4でYES)。
【0140】
T416では、サーバ10は、第1のFAX制限画面データをMFP100に送信する(
図3のS6)。これにより、MFP100は、T420において、第1のFAX制限画面を表示する(
図7のS105)。第1のFAX制限画面は、MFP100においてプログラム利用操作が実行されることをトリガとして表示される。このため、ユーザは、第1のFAX制限画面を見る可能性が高い。本ケースの構成によれば、ユーザが第2のFAX制限画面を見ない場合であっても、「FAX to Email」用アドレスを宛先とした電子メールの送信が制限されていることをユーザに知らせることができる。特に、プログラム利用操作は、「Scan to Email」機能だけでなく、「FAX to Email」機能に関係する処理(例えば、S3のS16)を実行するためのトリガである。このため、「FAX to Email」用アドレスを宛先とした電子メールの送信が制限されていることを「FAX to Email」機能を利用しているユーザに知らせることができる。
【0141】
(削除処理;
図13)
図13を参照して、サーバ10のCPU22によって実行される削除処理を説明する。削除処理は、サーバ10の電源が投入された後に定期的に実行される。
【0142】
S200では、CPU22は、原因情報が関連付けられていないメールID(以下では、「対象メールID」と呼ぶ)が送信テーブル32に存在するのか否かを判断する。CPU22は、対象メールIDが存在すると判断する場合(S200でYES)に、S202に進む。一方、CPU22は、対象メールIDが送信テーブル32に存在しないと判断する場合(S200でNO)に、S202以降の処理をスキップして、
図13の処理を終了する。
【0143】
S202では、CPU22は、対象メールIDに関連付けて記憶されているタイムスタンプによって示される日時から所定の有効時間(例えば、1日)が経過しているのか否かを判断する。CPU22は、当該日時から有効時間が経過していると判断する場合(S202でYES)に、S204に進む。一方、CPU22は、当該日時から有効時間が経過していないと判断する場合(S202でNO)に、S204をスキップして、
図13の処理を終了する。
【0144】
S204では、CPU22は、送信テーブル32から対象メールID及び当該対象メールIDに関連付けて記憶されているURLIDを削除する。なお、複数個の対象メールIDが存在する場合には、複数個の対象メールIDのそれぞれについて、S202及びS204の処理が実行される。S204が終了すると、
図13の処理が終了する。
【0145】
対象メールIDが存在することは、サーバメールを送信してから有効時間が経過するまでの間に未送信通知等が受信さなかったことを意味する。即ち、対象メールIDは、エラー等のアラートが発生しなかったサーバメールのメールIDを示す。上記の構成によれば、不必要なメールIDを削除することができる。
【0146】
(本実施例の効果)
本実施例の構成によれば、サーバ10は、MFP100からメール送信要求を受信する場合(
図9のT42)に、メールID「m01」を含む電子メールEM1を送信するとともに、装置ID「d01」とメールID「m01」とを関連付けて送信テーブル32に記憶する(
図10のT52)。そして、サーバは、メールID「m01」を含むブロック通知を受信する場合(T74)に、メールID「m01」に関連付けられている装置ID「d01」と制限フラグ「ON」とを関連付けて制限テーブル34に記憶する(T78)。これにより、サーバ10は、MFP100からメール送信要求を再び受信する場合(
図11のT142)に、電子メールの送信を制限することができる(T144)。この結果、サーバ10は、「Scan to Email」機能において、電子メールを不必要に送信することを抑制できる。
【0147】
また、サーバ10は、MFP100から「FAX to Email」要求を受信する場合(
図12のT314)に、メールID「m03」を含む電子メールEM3を送信するとともに、装置ID「d01」とメールID「m03」とを関連付けて送信テーブル32に記憶する(
図12のT352)。そして、サーバは、メールID「m03」を含むブロック通知を受信する場合(T374)に、メールID「m03」に関連付けられている装置ID「d01」と制限フラグ「ON」とを関連付けて制限テーブル34に記憶する(T378)。これにより、サーバ10は、MFP100から「FAX to Email」要求を再び受信する場合(T384)に、電子メールの送信を制限することができる(T386)。この結果、サーバ10は、「FAX to Email」機能において、電子メールを不必要に送信することを抑制できる。また、本実施例の構成によれば、「FAX to Cloud」機能においても、同様に、電子メールを不必要に送信することを抑制できる。
【0148】
(対応関係)
サーバ10、メモリ24、MFP100、MFP200、端末装置500が、それぞれ、「サーバ」、「メモリ」、「第1の装置」、「第2の装置」、「端末装置」の一例である。装置ID「d01」、装置ID「d02」が、それぞれ、「第1の装置識別情報」、「第2の装置識別情報」の一例である。メールID又はURLIDが、「メール識別情報」の一例である。未送信通知、ブロック通知、及び、制限要求のいずれかが、「アラート情報」の一例である。制限フラグ「ON」が、「制限情報」の一例である。メニュー画面内のScanボタンを選択する操作、メニュー画面においてメールアドレスを選択する操作が、それぞれ、「スキャン実行操作」、「選択操作」の一例である。プログラム利用操作、サーバプログラム128が、それぞれ、「所定操作」、「所定のプログラム」の一例である。制限URL、削除URLが、それぞれ、「第1のURL」、「第2のURL」の一例である。有効時間が、「所定時間」の一例である。
【0149】
「Scan to Email」機能において、「Scan to Email」用アドレスMA1、「Scan to Email」用アドレスMA2が、それぞれ、「第1のメールアドレス」、「第2のメールアドレス」の一例である。スキャンデータSD1、SD2、SD3が、それぞれ、「第1の画像データ」、「第2の画像データ」、「第3の画像データ」の一例である。
図9のT42のメール送信要求、
図11のT142のメール送信要求、T242のメール送信要求が、それぞれ、「第1の送信情報」、「第2の送信情報」、「第3の送信情報」の一例である。Scan制限画面、Scan制限画面データが、それぞれ、「通知画面」、「制限通知情報」の一例である。メニュー画面内のScanボタンを選択することが、「特定の指示」の一例である。
【0150】
「FAX to Email」機能において、「FAX to Email」用アドレスMA3が、「第1のメールアドレス」の一例である。FAXデータFD1、FD2が、それぞれ、「第1の画像データ」、「第2の画像データ」の一例である。
図12のT314の「FAX to Email」要求、T384の「FAX to Email」要求が、それぞれ、「第1の送信情報」、「第2の送信情報」の一例である。第1及び第2のFAX制限画面、第1及び第2のFAX制限画面データが、それぞれ、「通知画面」、「制限通知情報」の一例である。FAXデータを受信することが、「特定の指示」の一例である。
【0151】
「FAX to Cloud」機能において、「FAX to Cloud」用アドレスMA3が、「第1のメールアドレス」の一例である。FAXデータが、「第1の画像データ及び第2の画像データ」の一例である。
図2のT10の完了通知が、「第1の送信情報及び第2の送信情報」の一例である。第1及び第2のFAX制限画面、第1及び第2のFAX制限画面データが、それぞれ、「通知画面」、「制限通知情報」の一例である。FAXデータを受信することが、「特定の指示」の一例である。
【0152】
図4のS32が、「第1のメール送信部及び第2のメール送信部」によって実現される処理の一例である。S32、S38が、それぞれ、「第1の記憶制御部」、「第2の記憶制御部」によって実現される処理の一例である。
【0153】
「Scan to Email」機能において、
図3のS14が、「第1の送信情報受信部及び第2の送信情報受信部」によって実現される処理の一例である。
図7のS114が、「第1の送信情報送信部及び第2の送信情報送信部」によって実現される処理の一例である。
【0154】
「FAX to Email」機能において、
図6のS60が、「第1の送信情報受信部及び第2の送信情報受信部」によって実現される処理の一例である。
図8のS154が、「第1の送信情報送信部及び第2の送信情報送信部」によって実現される処理の一例である。
【0155】
「FAX to Cloud」機能において、
図6のS68が、「第1の送信情報受信部及び第2の送信情報受信部」によって実現される処理の一例である。
図8のS164が、「第1の送信情報送信部及び第2の送信情報送信部」によって実現される処理の一例である。
【0156】
(第2実施例)
本実施例では、メールテーブル30と制限テーブル34がMFP100のメモリ124に記憶される。そして、メールテーブル30と制限テーブル34は、装置IDを含まない。また、本実施例では、メールテーブル30と制限テーブル34を利用する処理が、MFP100のCPU122によって実行される。
【0157】
(Scan to Emailにおける具体的なケース;
図14、
図15)
図14、
図15を参照して、Scan to Emailにおける具体的なケースを説明する。本ケースの初期状態では、
図9のケースと同様に、3個のメールアドレスMA1、MA2、MA3がメールテーブル30に記憶され、メールアドレスMA1~MA3のそれぞれに関連付けて、制限フラグ「OFF」が制限テーブル34に記憶されている。
【0158】
T520は、
図9のT20と同様である。T521では、MFP100は、制限テーブル34からFAXのメールアドレスMA3に関連付けて記憶されている制限フラグを特定する。
【0159】
本ケースでは、MFP100は、特定済みの制限フラグが「OFF」を示すと判断し、T522において、アクセス要求をサーバ10に送信する。そして、MFP100は、T526において、サーバ10からメニュー画面データを受信して、T528において、メニュー画面を表示する(
図7のS102、S106参照)。仮に、特定済みの制限フラグが「ON」を示すと判断される場合には、MFP100は、第1のFAX制限画面を表示部116に表示して(
図7のS105参照)、アクセス要求をサーバ10に送信する。
【0160】
T530~T538は、T534のスキャン画面データがメールアドレスMA1、MA2を含まない点を除いて、
図9のT30~T38と同様である。
【0161】
T539では、MFP100は、メモリ124内の制限テーブル34から、T538で選択された「Scan to Email」用アドレスMA1に関連付けられて記憶されている制限フラグを特定する。本ケースでは、MFP100は、特定済みの制限フラグが「OFF」であると判断して、T540以降の処理を実行する。なお、仮に、特定済みの制限フラグが「ON」であると判断される場合については、
図15のT644以降で後述する。
【0162】
T540、T542、及び、
図15のT550、T552、T574、T576は、
図9のT40、T42、及び、
図10のT50、T52、T74、T76と同様である。即ち、本ケースは、アラートの原因が「ブロック」のケースである。サーバ10は、T576において、原因情報「ブロック」をメールID「m01」に関連付けて送信テーブル32に記憶する。
【0163】
続けて、ユーザは、「Scan to Email」用アドレスMA1を宛先とした電子メールを送信するために、「Scan to Email」機能を再び利用する。このため、
図14のT520、T521と同様の処理が実行される。そして、MFP100は、T582において、アクセス要求をサーバ10に送信する。
【0164】
サーバ10は、T582において、MFP100からアクセス要求を受信すると、送信テーブル32において、アクセス要求内の装置ID「d01」に関連付けて原因情報が記憶されているのか否かを判断する。本ケースでは、装置ID「d01」に関連付けて原因情報「ブロック」が記憶されているので、サーバ10は、T584において、MFP100内の制限フラグを「OFF」から「ON」に変更するための制限フラグON要求をMFP100に送信する。制限フラグON要求は、アクセス要求内の装置ID「d01」に関連付けて記憶されているメールアドレスMA1を含む。なお、仮に、アクセス要求内の装置ID「d01」に関連付けて原因情報が記憶されていない場合には、サーバ10は、T584の処理をスキップして、メニュー画面データをMFP100に送信する(
図14のT526参照)。
【0165】
MFP100は、T584において、サーバ10から制限フラグON要求を受信すると、T586において、制限フラグON要求内のメールアドレスMA1に関連付けて制限テーブル34に記憶されている制限フラグを「OFF」から「ON」に変更する。
【0166】
続けて、
図14のT522~T538と同様の処理が実行される。即ち、MFP100は、サーバ10にアクセス要求を再び送信する。
【0167】
T644では、MFP100は、メモリ124内の制限テーブル34から、ユーザによって選択された「Scan to Email」用アドレスMA1に関連付けられて記憶されている制限フラグを特定する。本ケースでは、MFP100は、特定済みの制限フラグが「ON」であると判断する。なお、仮に、特定済みの制限フラグが「OFF」であると判断される場合については、
図14のT539と同様である。
【0168】
T646では、MFP100は、メールアドレスMA1をサーバ10に送信して、原因情報をサーバ10に問い合わせる。そして、MFP100は、T648において、サーバ10から、メールアドレスMA1に関連付けて送信テーブル32に記憶されている原因情報「ブロック」を受信する。
【0169】
T650では、MFP100は、原因「ブロック」を示す原因メッセージを含むScan制限画面を表示部116に表示する(
図7のS122参照)。
【0170】
T652では、MFP100は、Scan制限画面内の削除ボタンの選択を受け付ける。T656では、MFP100は、メモリ124内のメールテーブル30からメールアドレスMA1を削除する。
【0171】
(本実施例の効果)
本実施例の構成によれば、MFP100は、スキャン画面においてメールアドレスMA1の選択を受け付ける場合に、メールアドレスMA1を含むメール送信要求をサーバ10に送信する(
図14のT542)。これにより、サーバ10は、電子メールEM1を送信する(
図15のT552)。そして、サーバ10が電子メールEM1を識別するメールID「m01」を含むブロック通知を受信する場合(T574)に、MFP100は、サーバ10から制限フラグON要求を受信し、メールアドレスMA1と制限フラグ「ON」とを関連付けて制限テーブル34に記憶する(T586)。これにより、MFP100は、スキャン画面においてメールアドレスMA1の選択を受け付ける場合に、スキャン制限画面を表示して、メール送信要求のサーバへの送信を制限することができる(T650)。この結果、サーバ10は、「Scan to Email」機能において、電子メールを不必要に送信することを抑制できる。
【0172】
図14、
図15では、アラートの原因が「ブロック」である場合に、電子メールの送信が制限されるケースを説明した。本実施例では、アラートの原因が「一時不通」、「アドレス無し」及び「制限URL」のいずれかである場合でも、
図14、
図15のケースと同様に、電子メールの送信を制限することができる。
【0173】
また、
図14、
図15では、「Scan to Email」機能において電子メールの送信が制限されるケースを説明した。本実施例では、「FAX to Email」機能及び「FAX to Cloud」機能のいずれでも、
図14、
図15のケースと同様に、電子メールの送信を制限することができる。
【0174】
(対応関係)
MFP100、メモリ124が、「通信装置」、「メモリ」の一例である。
図14のT542、T584が、それぞれ、「第1のメール送信要求送信部」、「記憶要求受信部」によって実現される処理の一例である。
図15のT644において、仮に、特定済みの制限フラグが「OFF」であると判断される場合において、MFP100がメール送信要求をサーバ10に送信することが、「第2のメール送信要求送信部」によって実現される処理の一例である。
【0175】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0176】
(変形例1)「第1の装置(及び通信装置)」は、MFP100に限らず、例えば、スキャン機能のみを実行可能なスキャナや、FAX機能のみを実行可能なFAX装置でもよい。
【0177】
(変形例2)第1実施例では、MFP100は、PSTNI/F118を介して、FAXデータを受信する。これに代えて、MFP100は、インターネットFAX機能を実行可能な端末装置から、ネットワークI/F112を介して、FAXデータを受信してもよい。この場合、FAXデータは、例えば、端末装置に記憶されている画像データであってもよい。本変形例では、ネットワークI/F112を介して受信されるFAXデータが、「第1の画像データ」の一例である。
【0178】
(変形例3)送信テーブル32は、URLIDを記憶しなくてもよい。この場合、制限URL及び削除URLには、メールIDが含まれてもよい。本変形例では、メールIDが、「メール識別情報」の一例である。
【0179】
(変形例4)Scan制限画面には、電子メールを送信することを指示するための送信ボタンが含まれていてもよい。そして、Scan制限画面内の送信ボタンが選択される場合に、サーバ10は、制限フラグが「ON」を示しているにも関わらず、電子メールを送信してもよい。一般的に言えば、「第2の電子メールの送信は制限される」は、Scan制限画面内の送信ボタンが選択されることを条件として第2の電子メールを送信することを含む。
【0180】
(変形例5)第1実施例では、第2のサーバ処理(即ち「FAX to Email」機能等の処理)において、制限処理が実行される(
図6のS86)。これに代えて、サーバ10は、制限フラグが「ON」を示すと判断する場合(S82でNO)に、制限処理を実行することなく、
図6の処理を終了してもよい。即ち、サーバ10は、第2のFAX制限画面データをMFP100に送信しなくてもよい。一般的に言えば、「第2の電子メールの送信は制限される」は、第2の電子メールの送信をしないことと、制限通知情報(例えば第2のFAX制限画面データ)を送信しないことと、を含む。
【0181】
(変形例6)第1実施例では、サーバ10は、Scan制限画面データをMFP100に送信する(
図5のS54A)。これに代えて、サーバ10は、原因メッセージを示すテキストデータをMFP100に送信してもよい。本変形例では、テキストデータが、「制限通知情報」の一例である。
【0182】
(変形例7)「所定操作」は、プログラム利用操作に限らず、メニュー画面内の設定ボタンを選択する操作であってもよい。
【0183】
(変形例8)第1実施例では、サーバ10は、アクセス要求を受信する場合に、FAXのメールアドレスに関連付けて記憶されている制限フラグが「ON」を示すのか否かを判断する(
図3のS4)。これに代えて、サーバ10は、アクセス要求を受信する場合に、「Scan to Email」アドレスに関連付けて記憶されている制限フラグが「ON」を示すのか否かを判断してもよい。そして、サーバ10は、「Scan to Email」アドレスに関連付けて記憶されている制限フラグが「ON」を示すと判断する場合に、Scan制限画面データを特定のMFPに送信してもよい。一般的に言えば、「第1のメールアドレス」は、スキャンデータの送信に関する電子メールの宛先を示してもよい。
【0184】
(変形例9)
図3のS6、S26、
図6のS86の処理は実行されなくてもよい。本変形例では、「制限通知送信部」を省略可能である。また、S26、S28の処理を実行し、S6の処理を実行しなくてもよい。本変形例では、「アクセス要求」を省略可能である。
【0185】
(変形例10)第2のFAX制限画面は、自動的に消去されなくてもよい。一般的に言えば、通知画面は、通知画面内のボタンが操作されることに応じて、第1の装置の表示部から消去される。また、第2のFAX制限画面は、第1のFAX制限画面と同じであってもよい。また、第1のFAX制限画面は、SCAN制限画面と同じであってもよい。
【0186】
(変形例11)送信テーブル32は、原因情報を記憶しなくてもよい。本変形例では、「原因情報」を省略可能である。
【0187】
(変形例12)
図5のS50の処理は実行されなくてもよい。本変形例では、「第1の削除部」を省略可能である。
【0188】
(変形例13)サーバメールは、制限URL及び削除URLを含まなくてもよい。本変形例では、「第1のURL」及び「第2のURL」を省略可能である。
【0189】
(変形例14)
図13の削除処理は実行されなくてもよい。本変形例では、「第3の削除部」を省略可能である。
【0190】
(変形例15)上記の各実施例では、
図2~
図13の各処理がソフトウェア(例えばプログラム26、126、128)によって実現されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0191】
(変形例16)第2実施例では、メールテーブル30と制限テーブル34がMFP100のメモリ124に記憶される。これに代えて、制限テーブル34がMFP100のメモリ124に記憶され、メールテーブル30がサーバ10のメモリ24に記憶されていてもよい。この場合、
図14のメール送信要求は、メールアドレスMA1に代えて、サーバ10がメールアドレスMA1を特定するための情報を含んでいてもよい。
【0192】
(変形例17)第2実施例では、制限テーブル34等は、MFP100のメモリ124に記憶される。これに代えて、制限テーブル34等は、MFP100とは別体に設けられているメモリに記憶されてもよい。本変形例では、MFP100とは別体に設けられているメモリが、「メモリ」の一例である。
【0193】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
以下、本明細書で開示する技術の特徴を列挙する。
(項目1)
サーバであって、
第1の装置を識別する第1の装置識別情報と、第1のメールアドレスと、を関連付けて記憶するメモリと、
前記第1の装置から、第1の電子メールを送信するための情報である第1の送信情報を受信する第1の送信情報受信部であって、前記第1の電子メールは、第1の画像データの送信に関する電子メールである、前記第1の送信情報受信部と、
前記第1の装置から前記第1の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報に関連付けて記憶されている前記第1のメールアドレスを宛先として、前記第1の電子メールを送信する第1のメール送信部と、
前記第1の装置から前記第1の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報と、前記第1の電子メールを識別するメール識別情報と、を関連付けて前記メモリに記憶する第1の記憶制御部と、
前記第1の電子メールが送信された後に、前記メール識別情報を含むアラート情報が受信される場合に、前記メール識別情報に関連付けられている前記第1の装置識別情報と、電子メールの送信を制限することを示す制限情報と、を関連付けて前記メモリに記憶する第2の記憶制御部と、
前記第1の装置から、第2の電子メールを送信するための情報である第2の送信情報を受信する第2の送信情報受信部であって、前記第2の電子メールは、第2の画像データの送信に関する電子メールである、前記第2の送信情報受信部と、
前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されていない状態において、前記第1の装置から前記第2の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報に関連付けて記憶されている前記第1のメールアドレスを宛先として、前記第2の電子メールを送信する第2のメール送信部であって、前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されている状態において、前記第1の装置から前記第2の送信情報が受信される場合に、前記第2の電子メールの送信は制限される、前記第2のメール送信部と、
を備える、サーバ。
(項目2)
前記メモリは、さらに、前記第1の装置とは異なる第2の装置を識別する第2の装置識別情報と、前記第1のメールアドレスと、を関連付けて記憶し、
前記サーバは、さらに、
前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されている状態において、前記第2の装置から、第3の電子メールを送信するための情報である第3の送信情報を受信する第3の送信情報受信部であって、前記第3の電子メールは、第3の画像データの送信に関する電子メールである、前記第3の送信情報受信部と、
前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されている状態において、前記第2の装置から前記第3の送信情報が受信される場合に、前記第2の装置を識別する前記第2の装置識別情報に関連付けて記憶されている前記第1のメールアドレスを宛先として、前記第3の電子メールを送信する第3のメール送信部と、
を備える、項目1に記載のサーバ。
(項目3)
前記サーバは、さらに、
前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されている場合に、前記第1のメールアドレスを宛先とした電子メールの送信が制限されていることを示す通知画面を前記第1の装置に表示させるための制限通知情報を前記第1の装置に送信する制限通知送信部を備える、項目1又は2に記載のサーバ。
(項目4)
前記制限通知送信部は、前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されている状態において、前記第1の装置から前記第2の送信情報が受信される場合に、前記制限通知情報を前記第1の装置に送信する、項目3に記載のサーバ。
(項目5)
前記第2の送信情報は、スキャンデータである前記第2の画像データを生成するためのスキャン実行操作が前記第1の装置に実行されることに起因して前記第1の装置から送信される情報、及び、FAXデータである前記第2の画像データが前記第1の装置によって受信されることに起因して前記第1の装置から送信される情報のうちのいずれかである、項目4に記載のサーバ。
(項目6)
前記第2の送信情報が、前記スキャン実行操作が前記第1の装置に実行されることに起因して前記第1の装置から送信される情報である場合に、前記通知画面は、前記通知画面内のボタンが操作されることに応じて、前記第1の装置から消去され、
前記第2の送信情報が、前記FAXデータである前記第2の画像データが前記第1の装置によって受信されることに起因して前記第1の装置から送信される情報である場合に、前記通知画面は、前記通知画面内の前記ボタンが操作されなくても、前記第1の装置から消去される、項目5に記載のサーバ。
(項目7)
前記制限通知送信部は、前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されている状態において、前記第1の装置から、前記第1の装置識別情報を含むアクセス要求が受信される場合に、前記制限通知情報を前記第1の装置に送信し、
前記アクセス要求は、前記サーバにアクセスするための所定操作が前記第1の装置に実行される場合に、前記第1の装置から送信される情報である、項目3から6のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目8)
前記第1の装置は、所定のプログラムを記憶しており、
前記所定のプログラムは、
スキャンデータである前記第2の画像データの送信に関する前記第2の電子メールを送信するための前記第2の送信情報を前記サーバに送信する処理と、
FAXデータである前記第2の画像データの送信に関する前記第2の電子メールを送信するための前記第2の送信情報を前記サーバに送信する処理と、
を含む複数の処理を前記第1の装置に実行させるためのプログラムであり、
前記所定操作は、前記所定のプログラムを利用するための操作である、項目7に記載のサーバ。
(項目9)
前記第1のメールアドレスは、前記FAXデータの送信に関する電子メールの宛先を示し、
前記第2の記憶制御部は、前記アラート情報が受信される場合に、前記第1の装置識別情報と、前記制限情報と、前記第1のメールアドレスと、を関連付けて前記メモリに記憶し、
前記制限通知送信部は、前記第1の装置から前記アクセス要求が受信され、かつ、前記第1の装置識別情報と前記制限情報と前記第1のメールアドレスとが関連付けて記憶されている場合に、前記制限通知情報を前記第1の装置に送信する、項目8に記載のサーバ。
(項目10)
前記メモリは、さらに、前記第1の装置識別情報と、前記第1のメールアドレスとは異なる第2のメールアドレスと、を関連付けて記憶しており、
前記第2の送信情報は、前記第1の装置において前記第1のメールアドレスと前記第2のメールアドレスとの中から前記第1のメールアドレスを選択するための選択操作が前記第1の装置に実行される場合に、前記サーバに送信される情報であり、
前記第2の送信情報は、前記第1の装置識別情報と前記第1のメールアドレスとを含む、項目4に記載のサーバ。
(項目11)
前記第2の記憶制御部は、前記第1の装置識別情報と、前記制限情報と、前記アラート情報によって示されるアラートの原因を示す原因情報と、を関連付けて前記メモリに記憶し、
前記制限通知情報は、前記第1の装置識別情報に関連付けて記憶されている前記原因情報によって示される前記原因を示す前記通知画面を前記第1の装置に表示させるための情報である、項目3から10のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目12)
前記第2の送信情報は、前記第1の装置識別情報を含み、
前記サーバは、さらに、
前記第1の装置識別情報と前記制限情報と前記原因情報とが関連付けて記憶されている状態において、前記第1の装置から前記第2の送信情報が受信され、かつ、前記第1の装置識別情報に関連付けられている前記原因情報が、前記第1の電子メールが前記宛先に一時的に送信できなかったことを示す場合に、前記第1の装置識別情報に関連付けられている前記制限情報を前記メモリから削除する第1の削除部を備える、項目11に記載のサーバ。
(項目13)
前記第1の電子メールの本文は、前記アラート情報の送信指示を受け付けるための第1のURL(Uniform Resource Locatorの略)を含み、
前記第1のURLは、前記メール識別情報を含み、
前記アラート情報は、前記第1の電子メールの前記本文に含まれる前記第1のURLが選択されることに起因して、前記第1の電子メールが表示されている端末装置から受信される情報である、項目1から12のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目14)
前記第1の電子メールの前記本文は、前記第1のURLと、前記制限情報の削除指示を受け付けるための第2のURLと、を含み、
前記第2のURLは、前記メール識別情報を含み、
前記サーバは、さらに、
前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されている状態において、前記第1の電子メールの前記本文に含まれる前記第2のURLが選択されることに起因して、前記端末装置から前記メール識別情報を含む削除要求が受信される場合に、前記メール識別情報に関連付けられている前記制限情報を前記メモリから削除する第2の削除部を備える、項目13に記載のサーバ。
(項目15)
前記サーバは、さらに、
前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されていない状態において、前記第1の電子メールが送信されてから所定時間が経過する場合に、前記メール識別情報を前記メモリから削除する第3の削除部を備える項目1から14のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目16)
通信システムであって、
前記通信システムは、サーバと、第1の装置と、を備え、
前記サーバは、
前記第1の装置を識別する第1の装置識別情報と、第1のメールアドレスと、を関連付けて記憶するメモリと、
前記第1の装置から、第1の電子メールを送信するための情報である第1の送信情報を受信する第1の送信情報受信部であって、前記第1の電子メールは、第1の画像データの送信に関する電子メールである、前記第1の送信情報受信部と、
前記第1の装置から前記第1の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報に関連付けて記憶されている前記第1のメールアドレスを宛先として、前記第1の電子メールを送信する第1のメール送信部と、
前記第1の装置から前記第1の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報と、前記第1の電子メールを識別するメール識別情報と、を関連付けて前記メモリに記憶する第1の記憶制御部と、
前記第1の電子メールが送信された後に、前記メール識別情報を含むアラート情報が受信される場合に、前記メール識別情報に関連付けられている前記第1の装置識別情報と、電子メールの送信を制限することを示す制限情報と、を関連付けて前記メモリに記憶する第2の記憶制御部と、
前記第1の装置から、第2の電子メールを送信するための情報である第2の送信情報を受信する第2の送信情報受信部であって、前記第2の電子メールは、第2の画像データの送信に関する電子メールである、前記第2の送信情報受信部と、
前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されていない状態において、前記第1の装置から前記第2の送信情報が受信される場合に、前記第1のメールアドレスを宛先として、前記第2の電子メールを送信する第2のメール送信部であって、前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されている状態において、前記第1の装置から前記第2の送信情報が受信される場合に、前記第2の電子メールの送信は制限される、前記第2のメール送信部と、
を備え、
前記第1の装置は、
前記第1の装置において前記第1の画像データに関する特定の指示が入力される場合に、前記第1の送信情報を前記サーバに送信する第1の送信情報送信部と、
前記第1の装置において前記第2の画像データに関する前記特定の指示が入力される場合に、前記第2の送信情報を前記サーバに送信する第2の送信情報送信部と、
を備える、通信システム。
(項目17)
サーバのためのコンピュータプログラムであって、
前記サーバは、第1の装置を識別する第1の装置識別情報と、第1のメールアドレスと、を関連付けて記憶するメモリを備え、
前記コンピュータプログラムは、前記サーバのコンピュータを、以下の各部、即ち、
前記第1の装置から、第1の電子メールを送信するための情報である第1の送信情報を受信する第1の送信情報受信部であって、前記第1の電子メールは、第1の画像データの送信に関する電子メールである、前記第1の送信情報受信部と、
前記第1の装置から前記第1の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報に関連付けて記憶されている前記第1のメールアドレスを宛先として、前記第1の電子メールを送信する第1のメール送信部と、
前記第1の装置から前記第1の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報と、前記第1の電子メールを識別するメール識別情報と、を関連付けて前記メモリに記憶する第1の記憶制御部と、
前記第1の電子メールが送信された後に、前記メール識別情報を含むアラート情報が受信される場合に、前記メール識別情報に関連付けられている前記第1の装置識別情報と、電子メールの送信を制限することを示す制限情報と、を関連付けて前記メモリに記憶する第2の記憶制御部と、
前記第1の装置から、第2の電子メールを送信するための情報である第2の送信情報を受信する第2の送信情報受信部であって、前記第2の電子メールは、第2の画像データの送信に関する電子メールである、前記第2の送信情報受信部と、
前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されていない状態において、前記第1の装置から前記第2の送信情報が受信される場合に、前記第1の装置を識別する前記第1の装置識別情報に関連付けて記憶されている前記第1のメールアドレスを宛先として、前記第2の電子メールを送信する第2のメール送信部であって、前記第1の装置識別情報と前記制限情報とが関連付けて記憶されている状態において、前記第1の装置から前記第2の送信情報が受信される場合に、前記第2の電子メールの送信は制限される、前記第2のメール送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
(項目18)
通信装置であって、
第1の電子メールを送信するための第1の指示が受け付けられる場合に、前記第1の電子メールの送信を要求する第1のメール送信要求をサーバに送信する第1のメール送信要求送信部であって、前記第1の電子メールは、第1の画像データの送信に関する電子メールである、前記第1のメール送信要求送信部と、
前記サーバが前記第1のメール送信要求に従って前記第1の電子メールを送信した後に、前記サーバが前記第1の電子メールを識別するメール識別情報を含むアラート情報を受信する場合に、前記サーバから記憶要求を受信する記憶要求受信部であって、前記記憶要求は、前記第1の電子メールの宛先を示すメールアドレスに関連付けて、電子メールの送信を制限することを示す制限情報をメモリに記憶することを要求するコマンドである、前記記憶要求受信部と、
前記制限情報が前記メモリに記憶されていない状態において、前記メモリ内の前記メールアドレスを宛先とする第2の電子メールを送信するための第2の指示が受け付けられる場合に、前記第2の電子メールの送信を要求する第2のメール送信要求を前記サーバに送信する第2のメール送信要求送信部であって、前記第2の電子メールは、第2の画像データの送信に関する電子メールであり、前記メールアドレスに関連付けて、前記制限情報が前記メモリに記憶されている状態において、前記第2の指示が受け付けられる場合に、前記第2のメール送信要求の前記サーバへの送信は制限される、前記第2のメール送信要求送信部と、
を備える、通信装置。
【符号の説明】
【0194】
2:通信システム、6:インターネット、10:サーバ、12:ネットワークI/F、20:制御部、22:CPU、24:メモリ、26:プログラム、30:メールテーブル、32:送信テーブル、34:制限テーブル、36:Cloud URL、100:MFP、112:ネットワークI/F、114:操作部、116:表示部、118:PSTNI/F、119:スキャン実行部、120:制御部、122:CPU、124:メモリ、126:OSプログラム、128:サーバプログラム、130:FAX設定情報、200:MFP、500:端末装置、600:Cloudサーバ、EC1、EC2:エラーコード、EM1~EM3:電子メール、MA1~MA3:メールアドレス、SD1~SD3:スキャンデータ、FD1、FD2:FAXデータ