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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20240730BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G03G15/08 340
G03G21/16 176
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020100725
(22)【出願日】2020-06-10
(65)【公開番号】P2021196410
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】谷尾 浩治
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-020375(JP,A)
【文献】特開2011-158507(JP,A)
【文献】特開2018-180362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収容する収容部と前記現像剤の送出口のシャッターを開閉させる外力を受けるシャッター入力部と前記収容部内の内部回転体を回転させる外力を受ける回転入力部とを有する1つ以上の現像剤コンテナーが装着される被装着部を内部に有し、前記被装着部に通じる主開口が形成された装置本体と、
前記装置本体に支持され、前記主開口を開閉可能なカバー部と、
前記装置本体内に前記現像剤コンテナーに対応して設けられ、前記シャッター入力部と係合し、前記シャッター入力部を介して前記シャッターを開かせる開位置と前記シャッター入力部を介して前記シャッターを閉じさせる閉位置との間で変位可能に支持された1つ以上のシャッター出力部と、
前記装置本体内に前記現像剤コンテナーに対応して設けられ、前記回転入力部と係合する係合位置と前記回転入力部から離隔する後退位置との間で変位可能に、かつ、回転可能に支持され、駆動装置により回転駆動される1つ以上の回転出力部と、
前記装置本体内に設けられ、前記カバー部の開閉動作に対して前記シャッター出力部および前記回転出力部を連動させることにより、前記カバー部が閉じたときに前記シャッター出力部を前記開位置へ変位させるとともに前記回転出力部を前記係合位置へ変位させ、前記カバー部が開いたときに前記シャッター出力部を前記閉位置へ変位させるとともに前記回転出力部を前記後退位置へ変位させる主連動機構と、を備え
前記主連動機構は、前記カバー部の閉動作に対する前記シャッター出力部および回転出力部の連動を、予め定められた解除操作に応じて解除し、予め定められた有効化操作に応じて有効にする切替機構を含む、画像形成装置。
【請求項2】
前記主連動機構は、
前記回転出力部を前記現像剤コンテナーへ向かう接近方向へ弾性付勢する押し出し付勢部材と、
前記回転出力部を回転可能に支持し、前記カバー部の開動作に連動して第1回転方向へ回転し、前記カバー部の閉動作に連動して第2回転方向へ回転するホルダーと、
前記ホルダーを回転可能に、かつ、前記被装着部に装着された前記現像剤コンテナーの前記回転入力部に対向する方向に沿って変位可能に支持し、前記ホルダーの前記接近方向への変位範囲を制限する制限支面を有するホルダー支持部と、を備え、
前記制限支面は、前記現像剤コンテナーから離れる離隔方向へ傾斜する傾斜面および前記傾斜面に連なり前記離隔方向の位置が一定の頭頂面を有し、
前記ホルダーは、前記第1回転方向へ回転するときに、前記傾斜面に対して摺動し、さらに前記傾斜面から前記頭頂面へ摺動することにより、前記回転出力部を前記係合位置に支持する係合支持位置から前記回転出力部を前記後退位置に支持する後退支持位置へ変位し、前記第2回転方向へ回転するときに、前記頭頂面から前記傾斜面へ摺動することにより、前記後退支持位置から前記係合支持位置へ変位する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記主連動機構は、
回動可能に支持された前記カバー部の回動軸に連動する第1ピニオンギヤと、
前記第1ピニオンギヤと噛み合い、前記第1ピニオンギヤに連動して直線方向に変位する第1ラックギヤと、
前記第1ラックギヤの変位方向に沿って配置された第2ラックギヤと、
前記第2ラックギヤと噛み合い、前記第2ラックギヤに連動することにより前記シャッター出力部および前記回転出力部を変位させる1つ以上の第2ピニオンギヤと、を備え、
前記切替機構は、
前記被装着部に着脱可能な仮留め部材と、
前記仮留め部材が装着されていないときに、前記カバー部の閉動作に連動する前記第1ラックギヤの変位に前記第2ラックギヤを連動させ、前記仮留め部材が装着されているときに、前記カバー部の閉動作に連動する前記第1ラックギヤの変位に対する前記第2ラックギヤの連動を解除する補助連動機構と、を備え、
前記解除操作は、前記被装着部に前記仮留め部材を取り付ける操作であり、
前記有効化操作は、前記被装着部から前記仮留め部材を取り外す操作である、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤コンテナーが装着される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置は、表面に静電潜像が形成される感光体と、前記静電潜像を現像する現像装置とを備える。前記現像剤は、現像剤コンテナーから前記現像装置へ供給される。
【0003】
前記現像剤コンテナーは、前記現像剤を収容し、装置本体内の被装着部に装着される消耗品である。前記被装着部に通じる開口が前記装置本体に形成されており、前記開口を開閉するカバー部が開かれた状態で、前記現像剤コンテナーが交換される。
【0004】
前記現像剤コンテナーは、交換される際に前記現像剤が漏れることを防ぐため、前記現像剤の送出口のシャッターを開閉可能なシャッターを備える。
【0005】
また、前記画像形成装置が、前記カバー部の開動作に連動して前記シャッターを閉じ、前記カバー部の閉動作に連動して前記シャッターを開く機構を備えることが知られている(例えば、特許文献1参照)。これにより、特別な操作を要することなく、前記カバー部が開かれたときに前記現像剤が飛散することが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2008-191578号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前記現像剤コンテナーは、内部回転体および前記内部回転体を回転させる外力を受ける回転入力部を備える。前記内部回転体は、内部の前記現像剤を撹拌および搬送する搬送スクリューなどである。
【0008】
また、前記被装着部は、前記回転入力部と係合し、前記回転入力部に回転力を伝達する回転出力部を備える。前記回転出力部がモーターによって回転駆動されることにより、前記内部回転体が回転する。
【0009】
前記回転出力部を予め定められた向きで停止させることは難しく、前記回転出力部は、前記現像剤コンテナーの長手方向に沿って前記現像剤コンテナーへ接近することによって前記回転入力部と係合する。
【0010】
前記現像剤コンテナーがその長手方向に交差する方向に沿って前記被装着部に着脱される場合、前記現像剤コンテナーの着脱方向と前記回転出力部が前記回転入力部と係合する方向とが異なる。
【0011】
上記の場合、前記回転出力部が前記回転入力部と係合した状態のまま前記現像剤コンテナーの着脱操作が行われると、前記回転出力部または前記回転入力部が破損するおそれがある。そのため、前記回転出力部を前記回転入力部から離隔させる機構が必要である。
【0012】
さらに、前記現像剤コンテナーが前記被装着部に着脱されるときに、特別な操作を要することなく前記回転出力部が確実に前記回転入力部から離隔することが望ましい。
【0013】
本発明の目的は、画像形成装置において、現像剤の漏れを防止し、現像剤コンテナーが着脱されるときに、前記現像剤コンテナーに回転力を伝達する回転出力部を確実に前記現像剤コンテナーから離隔させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、装置本体と、カバー部と、1つ以上のシャッター出力部と、1つ以上の回転出力部と、主連動機構と、を備える。前記装置本体は、現像剤を収容する収容部と前記現像剤の送出口のシャッターを開閉させる外力を受けるシャッター入力部と前記収容部内の内部回転体を回転させる外力を受ける回転入力部とを有する1つ以上の現像剤コンテナーが装着される被装着部を内部に有し、前記被装着部に通じる主開口が形成されている。前記カバー部は、前記装置本体に支持され、前記主開口を開閉可能である。前記シャッター出力部は、前記装置本体内に前記現像剤コンテナーに対応して設けられ、前記シャッター入力部と係合し、前記シャッター入力部を介して前記シャッターを開かせる開位置と前記シャッター入力部を介して前記シャッターを閉じさせる閉位置との間で変位可能に支持されている。前記回転出力部は、前記装置本体内に前記現像剤コンテナーに対応して設けられ、前記回転入力部と係合する係合位置と前記回転入力部から離隔する後退位置との間で変位可能に、かつ、回転可能に支持され、駆動装置により回転駆動される。前記主連動機構は、前記装置本体内に設けられ、前記カバー部の開閉動作に対して前記シャッター出力部および前記回転出力部を連動させることにより、前記カバー部が閉じたときに前記シャッター出力部を前記開位置へ変位させるとともに前記回転出力部を前記係合位置へ変位させ、前記カバー部が開いたときに前記シャッター出力部を前記閉位置へ変位させるとともに前記回転出力部を前記後退位置へ変位させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画像形成装置において、現像剤の漏れを防止し、現像剤コンテナーが着脱されるときに、前記現像剤コンテナーに回転力を伝達する回転出力部を確実に前記現像剤コンテナーから離隔させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
図2図2は、実施形態に係る画像形成装置における閉状態のカバー部および被装着部の斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る画像形成装置における開状態のカバー部および被装着部の斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る画像形成装置におけるカバー部が閉じられているときの主連動機構の主要部およびカバー状態検出機構の断面図である。
図5図5は、実施形態に係る画像形成装置におけるカバー部が開かれているときの主連動機構の主要部およびカバー状態検出機構の断面図である。
図6図6は、実施形態に係る画像形成装置におけるカバー部が閉状態であるときの主連動機構の斜視図である。
図7図7は、実施形態に係る画像形成装置におけるカバー部が開状態であるときの主連動機構の斜視図である。
図8図8は、現像剤コンテナーの斜視図である。
図9図9は、実施形態に係る画像形成装置における仮留め部材の斜視図である。
図10図10は、実施形態に係る画像形成装置におけるカバー部が閉じられており、かつ、仮留め部材が装着されているときの主連動機構の主要部およびカバー状態検出機構の断面図である。
図11図11は、実施形態に係る画像形成装置におけるカバー部が開かれており、かつ、仮留め部材が装着されているときの主連動機構の主要部およびカバー状態検出機構の断面図である。
図12図12は、実施形態に係る画像形成装置におけるカバー部が半開きのときの主連動機構の主要部およびカバー状態検出機構の断面図である。
図13図13は、実施形態に係る画像形成装置の主連動機構における回転出力部、スライドホルダーおよびホルダー支持部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0018】
[画像形成装置10の構成]
実施形態に係る画像形成装置10は、電子写真方式でプリント処理を実行するプリント装置4を備える。前記プリント処理は、シート9に画像を形成する処理である。シート9は、用紙またはシート状の樹脂部材などの画像形成媒体である。
【0019】
図1に示されるように、画像形成装置10は、シート収容部2と、装置本体1内に設けられたシート搬送装置3およびプリント装置4とを備える。装置本体1は、プリント装置4を収容する主筐体である。
【0020】
シート搬送装置3は、不図示の駆動装置によって駆動されるシート送出装置30および複数組の搬送ローラー対31を備える。シート送出装置30は、シート収容部2に収容されたシート9を装置本体1内の搬送路300へ送り出す。
【0021】
複数組の搬送ローラー対31は、シート9を搬送路300に沿って搬送し、さらにシート9を搬送路300の出口から排出トレイ100aへ排出する。
【0022】
プリント装置4は、搬送路300に沿って搬送されるシート9に画像を形成する。プリント装置4は、作像装置4x、露光装置46、転写装置47および定着装置48を備える。作像装置4xは、ドラム状の感光体41、帯電装置42、現像装置43およびドラムクリーニング装置45などを含む。
【0023】
図1に示される画像形成装置10は、タンデム式のカラー画像形成装置である。そのため、プリント装置4は、イエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの4色のトナー90に対応した4つの作像装置4xを備える。
【0024】
さらに、転写装置47は、中間転写ベルト471と、4つの作像装置4xに対応する4つの第1転写部472と、第2転写部473と、ベルトクリーニング部474とを備える。
【0025】
作像装置4xにおいて、感光体41が回転し、帯電装置42が感光体41の表面を帯電させる。さらに、露光装置46が、感光体41の表面に静電潜像を書き込む。感光体41は、像担持体の一例である。
【0026】
さらに、現像装置43が、感光体41の表面にトナー90を供給することにより、前記静電潜像をトナー像として現像する。なお、トナー90は粒状の現像剤の一例である。
【0027】
転写装置47は、搬送路300において前記トナー像をシート9に転写する。第1転写部472は、感光体41の表面の前記トナー像を中間転写ベルト471の表面へ転写する。これにより、中間転写ベルト471の表面にカラーの前記トナー像が形成される。
【0028】
第2転写部473は、搬送路300において、中間転写ベルト471に形成された前記トナー像をシート9に転写する。
【0029】
なお、画像形成装置10が、モノクロ画像形成装置である場合、第2転写部473が、搬送路300において感光体41上の前記トナー像をシート9へ転写する。
【0030】
ドラムクリーニング装置45は、感光体41の表面に残存する廃トナーを除去する。ベルトクリーニング部474は、中間転写ベルト471に残存する廃トナーを除去する。
【0031】
定着装置48は、シート9に転写された前記トナー像を、加熱および加圧することによってシート9に定着させる。
【0032】
画像形成装置10は、シート搬送装置3およびプリント装置4を制御する制御装置11をさらに備える(図1参照)。制御装置11は、コンピュータープログラムを実行するプロセッサー11xと、前記コンピュータープログラムを記憶する記憶装置11yとを備える。プロセッサー11xが前記コンピュータープログラムを実行することにより、制御装置11は、各種のデータ処理および制御を実行する。
【0033】
トナー90は、トナーコンテナー5から現像装置43へ供給される。トナーコンテナー5は、トナー90を収容し、装置本体1に着脱可能な消耗品である。
【0034】
画像形成装置10は、トナーコンテナー5が装着される被装着部6をさらに備える。被装着部6は、装置本体1内に設けられた被装着部6に対し、取り外し可能に装着される。装置本体1には、被装着部6に通じる主開口1aが形成されている。
【0035】
本実施形態において、主開口1aは装置本体1の上部に形成されている。画像形成装置10は、主開口1aを塞ぐカバー部100をさらに備える。カバー部100は、主開口1aを開閉可能である。カバー部100が開かれた状態で、トナーコンテナー5が交換される。
【0036】
カバー部100は、装置本体1によって上下に回動可能に支持されている。カバー部100の回動軸101が、装置本体1によって回転可能に支持されている。本実施形態において、カバー部100が排出トレイ100aを形成している。
【0037】
図8に示されるように、トナーコンテナー5は、収容部50、シャッター51およびシャッター入力部52を備える。収容部50は、トナー90を収容する容器である。シャッター51は、トナー90の送出口50aを塞ぐ部材である。
【0038】
送出口50aは、収容部50内に連通する開口である。送出口50aは、トナーコンテナー5における長手方向の端部の下部に形成されている。シャッター51は、送出口50aを開閉可能な状態で収容部50に取り付けられている。
【0039】
シャッター入力部52は、シャッター51を開閉させる外力を受ける部分である。即ち、シャッター入力部52が外力を受けて予め定められた開方向へ変位することにより、シャッター51が開く。一方、シャッター入力部52が外力を受けて予め定められた閉方向へ変位することにより、シャッター51が閉じる。
【0040】
シャッター51は、トナーコンテナー5が交換される際にトナー90が送出口50aから漏れ出すことを防ぐために設けられている。
【0041】
さらに、トナーコンテナー5は、収容部50内に配置された内部回転体53と、内部回転体53を回転させる外力を受ける回転入力部54とを備える。内部回転体53は、収容部50内のトナー90を撹拌および搬送する搬送スクリューなどである。内部回転体53は、回転入力部54が回転駆動されることにより、回転入力部54に連動して回転する。
【0042】
後述するように、画像形成装置10の被装着部6は、4つのシャッター出力部6xおよび主連動機構6yを備える(図4~7参照)。さらに、被装着部6は、4つの回転出力部6zも備える(図2,3,6,7参照)。4つのシャッター出力部6xおよび4つの回転出力部6zは、それぞれ4つのトナーコンテナー5に対応している。
【0043】
シャッター出力部6xは、トナーコンテナー5のシャッター入力部52と係合する。回転出力部6zは、トナーコンテナー5の回転入力部54と係合する。
【0044】
シャッター出力部6xは、支持板60によって閉位置と開位置との間で変位可能に支持されている。主連動機構6yは、カバー部100の開閉動作に連動して、シャッター出力部6xを前記閉位置および前記開位置との間で変位させる。
【0045】
図4,6は、シャッター出力部6xが前記開位置に存在する状態を示し、図5,7は、シャッター出力部6xが前記閉位置に存在する状態を示す。シャッター出力部6xは、前記開位置へ変位することによりシャッター入力部52を介してシャッター51を開かせる。また、シャッター出力部6xは、前記閉位置へ変位することによりシャッター入力部52を介してシャッター51を閉じさせる。
【0046】
具体的には、主連動機構6yは、カバー部100の開動作に連動してシャッター出力部6xを前記閉位置へ変位させる。これにより、トナーコンテナー5のシャッター51が閉じる。
【0047】
さらに、主連動機構6yは、カバー部100の閉動作に連動してシャッター出力部6xを前記開位置へ変位させる。これにより、トナーコンテナー5のシャッター51が開く。シャッター出力部6xおよび主連動機構6yの詳細については後述する。
【0048】
シャッター出力部6xおよび主連動機構6yの作用により、特別な操作を要することなく、カバー部100が開かれたときにトナー90が飛散することが防止される。
【0049】
また、被装着部6は、4つのホルダー66を備える。4つのホルダー66は、支持板60に形成された4つの円形の支持孔60aに挿入された状態で、支持板60によって回転可能に支持されている。回転出力部6z各々は、ホルダー66各々によって回転可能に支持されている。
【0050】
また、回転出力部6z各々は、不図示の駆動装置によって回転駆動される。ホルダー66各々は、連結部材67によって主連動機構6yと連結されており、カバー100の閉動作に連動してトナーコンテナー5に近づく方向へ変位する。このとき、回転出力部6z各々は、ホルダー66各々とともにトナーコンテナー5に近づく方向へ変位し、トナーコンテナー5各々の回転入力部54と係合する。
【0051】
即ち、回転出力部6z各々は、カバー100の閉動作に連動して、トナーコンテナー5各々の回転入力部54と係合する位置へ変位する。これにより、回転出力部6zから回転入力部54を介して内部回転体53へ回転力が伝達される。前記駆動装置は、不図示のモーターおよびギヤ機構を含む。
【0052】
ところで、前述したように、トナーコンテナー5は、内部回転体53および回転入力部54を備える。
【0053】
また、被装着部6は、回転入力部54と係合し、回転入力部54に回転力を伝達する回転出力部6zを備える。回転出力部6zが不図示のモーターによって回転駆動されることにより、内部回転体53が回転する。
【0054】
回転出力部6zを予め定められた向きで停止させることは難しく、回転出力部6zは、トナーコンテナー5の長手方向に沿ってトナーコンテナー5へ接近することによって回転入力部54と係合する。
【0055】
本実施形態において、トナーコンテナー5は、その長手方向に交差する方向に沿って被装着部6に着脱される。この場合、トナーコンテナー5の着脱方向と回転出力部6zが回転入力部54と係合する方向とが異なる。
【0056】
上記の場合、回転出力部6zが回転入力部54と係合した状態のままトナーコンテナー5の着脱操作が行われると、回転出力部6zまたは回転入力部54が破損するおそれがある。そのため、回転出力部6zを回転入力部54から離隔させる機構が必要である。
【0057】
さらに、トナーコンテナー5が被装着部6に着脱されるときに、特別な操作を要することなく回転出力部6zが確実に回転入力部54から離隔することが望ましい。
【0058】
画像形成装置10は、トナー90の漏れを防止し、トナーコンテナー5が着脱されるときに、回転出力部6zを確実にトナーコンテナー5の回転入力部54から離隔させる機構を備える。以下、その機構について説明する。
【0059】
図2~7に示されるように、被装着部6は、支持板60と、4つのトナーコンテナー5に対応する4つのシャッター出力部6xと、主連動機構6yとを備える。さらに、被装着部6は、仮留め部材65も備える(図9参照)。
【0060】
支持板60は、装置本体1内における4つのトナーコンテナー5が配置される空間の横に起立して配置され、主連動機構6yを構成する機器を支持する。
【0061】
前述したように、シャッター出力部6xは、トナーコンテナー5に対応して設けられ、トナーコンテナー5のシャッター入力部52と係合する。シャッター出力部6xは、前記開位置と前記閉位置との間で変位可能に支持されている。
【0062】
本実施形態において、主連動機構6yは、第1ピニオンギヤ61と、ラックギヤセット62と、4つのトナーコンテナー5に対応する4つの第2ピニオンギヤ63と、補助連動機構64とを備える。
【0063】
ラックギヤセット62は、第1ラックギヤ621および第2ラックギヤ622を含む。補助連動機構64は、第2ラックギヤ622とともにユニット化された係合部材641および係合バネ642を備える。係合バネ642は、係合部材641に弾性力を付与する。係合バネ642は、係合弾性部材の一例である。
【0064】
第1ピニオンギヤ61は、円弧状のギヤ歯を有する。第1ピニオンギヤ61は、回動可能に支持されたカバー部100の回動軸101と一体に構成されている。従って、第1ピニオンギヤ61は、回動軸101に連動し、回動軸101を中心とする円弧に沿って揺動する。
【0065】
第1ラックギヤ621は、支持板60によって変位可能に支持されている。第1ラックギヤ621は、第1ピニオンギヤ61と噛み合い、第1ピニオンギヤ61に連動して直線方向に変位する。
【0066】
第2ラックギヤ622は、第1ラックギヤ621の変位方向に沿って配置されている。換言すれば、第2ラックギヤ622は、第1ラックギヤ621の長手方向の延長線上に、または、第1ラックギヤ621に対して平行に配置されている。
【0067】
第2ラックギヤ622は、支持板60によって予め定められた第1位置と第2位置との間で変位可能に支持されている。図2,4,6は、第2ラックギヤ622が前記第1位置に存在する状態を示し、図3,5,7,10,11は、第2ラックギヤ622が前記第2位置に存在する状態を示す。第2ラックギヤ622は、第1変位部材の一例である。
【0068】
4つの第2ピニオンギヤ63は、円弧状のギヤ歯を有し、それぞれ支持板60によって回転可能に支持されたギヤ軸630と一体に形成されている(図2参照)。これにより、第2ピニオンギヤ63各々は、ギヤ軸630を中心とする円弧に沿って揺動可能である。
【0069】
4つの第2ピニオンギヤ63は、1つの第2ラックギヤ622と噛み合う。従って、4つの第2ピニオンギヤ63は、第2ラックギヤ622に連動して揺動する。
【0070】
第2ピニオンギヤ63各々は、シャッター出力部6x各々と一体に構成されている(図4~7参照)。4つの第2ピニオンギヤ63は、第2ラックギヤ622に連動することにより、4つのシャッター出力部6xをそれぞれ前記開位置および前記閉位置の間で変位させる。
【0071】
係合部材641は、支持板60に支持された揺動軸6410によって揺動可能に支持されている。係合部材641は、カバー部100の閉動作に連動する第1ラックギヤ621の被係合部621bと係合する突起部641aを有する。
【0072】
係合部材641は、係合姿勢と解除姿勢との間で揺動可能に支持されている。係合部材641が前記係合姿勢である場合、第1ラックギヤ621がカバー部100の閉動作に連動するときに係合部材641の突起部641aが被係合部621bと係合する。係合部材641が前記解除姿勢である場合、突起部641aは被係合部621bと係合しない位置に保持される。
【0073】
即ち、係合部材641が前記係合姿勢であるときに、突起部641aは、第1ラックギヤ621がカバー部100の閉動作によって変位するときの被係合部621bの移動経路内に位置する。一方、係合部材641が前記解除姿勢であるときに、突起部641aは、第1ラックギヤ621がカバー部100の閉動作によって変位するときの被係合部621bの移動経路外に位置する。
【0074】
係合バネ642は、弾性力によって係合部材641を前記係合姿勢に保持する。即ち、係合バネ642は、係合部材641に対し前記解除姿勢から前記係合姿勢へ向かう方向へ弾性付勢する。
【0075】
図2~5は、係合部材641が前記係合姿勢である状態を示し、図10,11は、係合部材641が前記解除姿勢である状態を示す。
【0076】
カバー部100の開動作に連動する第1ラックギヤ621は、その一端621aが第2ラックギヤ622の一端622aに当接することによって第2ラックギヤ622を前記第2位置へ変位させる。さらに、第2ラックギヤ622の前記第2位置への変位に連動して、シャッター出力部6xが前記開位置から前記閉位置へ変位する(図3,5,7参照)。これにより、4つのトナーコンテナー5のシャッター51が閉じる。
【0077】
また、係合部材641が前記係合姿勢である場合に、カバー部100の閉動作に連動する第1ラックギヤ621は、突起部641aが被係合部621bと係合することにより第2ラックギヤ622を前記第1位置へ変位させる。さらに、第2ラックギヤ622の前記第1位置への変位に連動して、シャッター出力部6xが前記閉位置から前記開位置へ変位する(図2,4,6参照)。これにより、4つのトナーコンテナー5のシャッター51が開く。
【0078】
仮留め部材65は、支持板60に着脱可能な部材である。仮留め部材65は、画像形成装置10が運搬されるなどの特定の場合にのみ支持板60に取り付けられ、画像形成装置10が利用される前に支持板60から取り外される。例えば、仮留め部材65は、画像形成装置10が出荷される前に支持板60に取り付けられる。
【0079】
図9に示されるように、仮留め部材65は、第1突起65a、第2突起65bおよび取手部65cを有する。第1突起65aおよび第2突起65bは支持板60の一部を把持する部分である。
【0080】
第1突起65aおよび第2突起65bは、支持板60における予め定められた位置に押し付けられることにより、支持板60の特定の部位を把持する。これにより、仮留め部材65が支持板60に装着される。また、取手部65cが引っ張られることにより、仮留め部材65が支持板60から取り外される。
【0081】
図10,11に示されるように、仮留め部材65が支持板60に装着された状態において、第1突起65aが、係合バネ642の弾性力に抗して係合部材641を前記解除姿勢に係止する。
【0082】
具体的には、係合部材641の被係止部641bが、支持板60に装着された仮留め部材65の第1突起65aによって係止される。これにより、係合部材641が前記解除姿勢に保持される。
【0083】
一方、仮留め部材65が支持板60から取り外されることにより、第1突起65aによる係合部材641の係止が解除される。この場合、係合部材641は、係合バネ642の弾性力によって前記係合姿勢に保持される。
【0084】
図10に示されるように、係合部材641が前記解除姿勢に保持された状態でカバー部100が閉じられた場合、第1ラックギヤ621がカバー部100の閉動作に連動するが、第2ラックギヤ622および4つの第2ピニオンギヤ63は連動しない。これにより、4つシャッター出力部6xが前記閉位置に保持され、4つのトナーコンテナー5のシャッター51が閉じた状態に保持される。
【0085】
図5,11に示されるように、カバー部100が開かれた場合、係合部材641の姿勢に関わらず、カバー部100の閉動作に連動する第1ラックギヤ621の一端621aが第2ラックギヤ622の一端622aに当接する。これにより、4つシャッター出力部6xが前記閉位置に保持され、4つのトナーコンテナー5のシャッター51が閉じた状態に保持される。
【0086】
以上に示されるように、補助連動機構64は、仮留め部材65が装着されていないときに、カバー部100の閉動作に連動する第1ラックギヤ621の変位に第2ラックギヤ622を連動させる。
【0087】
また、補助連動機構64は、仮留め部材65が装着されているときに、カバー部100の閉動作に連動する第1ラックギヤ621の変位に対する第2ラックギヤ622の連動を解除する。
【0088】
主連動機構6yにおいて、第1ピニオンギヤ61、ラックギヤセット62、補助連動機構64および仮留め部材65は、第1連動機構を構成する。前記第1連動機構は、カバー部100の開動作に連動して第2ラックギヤ622を前記第2位置へ変位させ、カバー部100の閉動作に連動して第2ラックギヤ622を前記第1位置へ変位させる。
【0089】
また、主連動機構6yにおいて、第2ピニオンギヤ63は第2連動機構を構成する。前記第2連動機構は、第2ラックギヤ622の前記第2位置への変位に連動してシャッター出力部6xを前記閉位置へ変位させ、第2ラックギヤ622の前記第1位置への変位に連動してシャッター出力部6xを前記開位置へ変位させる。
【0090】
また、主連動機構6yにおいて、補助連動機構64および仮留め部材65は、主連動機構6yの連動の状態を切り替える切替機構の一例である。前記切替機構は、カバー部100の閉動作に対するシャッター出力部6xの連動を、予め定められた解除操作に応じて解除し、予め定められた有効化操作に応じて有効にする機構である。
【0091】
前記切替機構の作用により、シャッター51およびカバー部100の両方を閉じることができ、前記特定の場合にトナー90の漏れを防止することが可能になる。
【0092】
主連動機構6yにおいて、前記解除操作は、被装着部6の支持板60に仮留め部材65を取り付ける操作である。また、前記有効化操作は、支持板60から仮留め部材65を取り外す操作である。
【0093】
従って、主連動機構6yは、仮留め部材65が装着されてない場合に、カバー部100の開閉動作に対してシャッター出力部6xを連動させることにより、カバー部100が閉じたときにシャッター出力部6xを前記開位置へ変位させ、カバー部100が開いたときにシャッター出力部6xを前記閉位置へ変位させる。
【0094】
一方、主連動機構6yは、仮留め部材65が装着されている場合に、カバー部100の開閉動作に対するシャッター出力部6xの連動を解除することにより、シャッター出力部6xを前記閉位置に保持する。
【0095】
従って、画像形成装置10が運搬されるなどの特定の場合に、仮留め部材65が支持板60に装着されるだけで、カバー部100が閉じられたままでトナー90の漏れを防止することが可能である。仮留め部材65の装着はごく簡易な作業である。
【0096】
また、カバー部100が開かれた場合、特別な操作を要することなくトナーコンテナー5のシャッター51が閉じられ、トナー90の漏れが防止される。
【0097】
なお、トナーコンテナー5の送出口50aが、粘着シールなどの閉塞部材で塞がれる場合、前記閉塞部材の取り付けおよび取り外しの作業は、トナーコンテナー5を装置本体1から取り外す操作を伴う煩雑な作業である。
【0098】
また、前記閉塞部材が取り外された後に前記特定の場合が生じた場合、前記閉塞部材が再び取り付けられる際にトナー漏れの問題が生じる。
【0099】
また、本実施形態のように画像形成装置10がカラープリント可能な装置である場合、複数のトナーコンテナー5に対する前記閉塞部材の取り付けおよび取り外しの作業はより煩雑である。
【0100】
一方、画像形成装置10は、以上に示されるように、前記特定の場合に、煩雑な作業を要することなくトナーコンテナー5からのトナー90の漏れを防止できる構造を備える。
【0101】
本実施形態において、主連動機構6yは、カバー部100の開閉動作に連動して回転出力部6zを変位させる機構をさらに備える。以下、その機構について説明する。
【0102】
図13に示されるように、4つのホルダー66は、主連動機構6yの一部を構成している。主連動機構6yは、4つのホルダー66に加え、4つの押し出しバネ68および4つのホルダー支持部601を備える。4つの押し出しバネ68および4つのホルダー支持部601は、それぞれ4つのホルダー66に対応して設けられている。
【0103】
さらに、主連動機構6yは、4つのホルダー66と4つの第2ピニオンギヤ63とを連結する4つの連結部材67をさらに備える(図6,7参照)。
【0104】
図2に示されるように、支持板60における4つのトナーコンテナー5の回転入力部54に対向する部分に円状の4つの支持孔60aが形成されている。図13に示されるように、ホルダー支持部601各々は、支持板60における支持孔60aの縁に、トナーコンテナー5側に対し反対側へ起立して形成されている。
【0105】
ホルダー66各々は、筒状部66a、鍔部66bおよび接続部66cを有する。筒状部66aは、筒状に形成され、支持孔60aに挿入される。また、回転出力部6zが筒状部66a内に挿入される。
【0106】
鍔部66bは、筒状部66aから外側へ張り出して形成されている。接続部66cは、鍔部66bから突出して形成されている。
【0107】
以下の説明において、被装着部6に装着されたトナーコンテナー5の長手方向に沿って回転入力部54と対向する方向のことを対向方向D1と称する(図13参照)。また、対向方向D1に沿ってトナーコンテナー5へ向かう方向のことを接近方向D11と称し、対向方向D1に沿ってトナーコンテナー5から離隔する方向のことを離隔方向D12と称する。
【0108】
ホルダー支持部601各々は、ホルダー66各々を回転可能に、かつ、対向方向D1に沿って変位可能に支持する。ホルダー66各々は、回転出力部6z各々を回転可能に支持する。
【0109】
また、回転出力部6z各々は、ホルダー66各々とともに対向方向D1に沿って変位可能である。即ち、回転出力部6z各々は、ホルダー66各々およびホルダー支持部601各々によって回転可能に、かつ、対向方向D1に沿って変位可能に支持されている。
【0110】
回転出力部6zは、トナーコンテナー5の回転入力部54と係合する係合位置と回転入力部54から離れた後退位置との間で変位可能に支持されている。
【0111】
押し出しバネ68各々は、回転出力部6z各々を接近方向D11へ弾性付勢する。押し出しバネ68は、押し出し付勢部材の一例である。
【0112】
また、ホルダー66各々も、回転出力部6z各々を介して押し出しバネ68の弾性力を受ける。即ち、回転出力部6z各々およびホルダー66各々は、押し出しバネ68によって接近方向D11へ弾性付勢されている。
【0113】
ホルダー支持部601は、トナーコンテナー5側から鍔部66bに接する制限支面601xを有する。制限支面601xは、ホルダー支持部601における離隔方向D12の端面である。
【0114】
鍔部66bは、ホルダー支持部601に係止される部分である。ホルダー支持部601の制限支面601xは、鍔部66bをトナーコンテナー5側から支えることにより、押し出しバネ68の弾性力に抗してホルダー66の接近方向D11への変位範囲を制限する。
【0115】
接続部66cは、連結部材67の一端に接続される部分である。連結部材67の他端は、第2ピニオンギヤ63に接続されている。
【0116】
カバー部100の開閉動作に連動して4つの第2ピニオンギヤ63が揺動することにより、4つの連結部材67が変位し、4つのホルダー66が回転する。
【0117】
ホルダー支持部601の制限支面601xは、傾斜面601aと頭頂面601bとを含む。傾斜面601aは、支持孔60aの外縁に沿って離隔方向D12へ傾斜して形成されている。頭頂面601bは、傾斜面601aに連なり、支持孔60aの外縁に沿って形成されている。頭頂面601bは、離隔方向D12の位置が一定の面である。
【0118】
カバー部100の開動作に連動して第2ピニオンギヤ63が揺動するときに、ホルダー66が第1回転方向R1へ回転する(図13参照)。
【0119】
ホルダー66が第1回転方向R1へ回転すると、鍔部66bがホルダー支持部601の傾斜面601aに対して摺動し、さらに、傾斜面601aから頭頂面601bへ摺動する。これにより、ホルダー66が対向方向D1に沿って予め定められた係合支持位置から後退支持位置へ変位する。
【0120】
前記係合支持位置は、回転出力部6zを前記係合位置に支持するときのホルダー66の位置である。前記後退支持位置は、回転出力部6zを前記後退位置に支持するときのホルダー66の位置である。
【0121】
即ち、ホルダー66は、カバー部100の開動作に連動して前記係合支持位置から前記後退支持位置へ変位する。これにより、回転出力部6zが前記係合位置から前記後退位置へ変位する。なお、前記係合支持位置から前記後退支持位置へ向かう方向、および、前記係合位置から前記後退位置へ向かう方向が離隔方向D12である。
【0122】
一方、カバー部100の閉動作に連動して第2ピニオンギヤ63が揺動するときに、ホルダー66が第2回転方向R2へ回転する(図13参照)。
【0123】
ホルダー66が第2回転方向R2へ回転すると、鍔部66bがホルダー支持部601の頭頂面601bから傾斜面601aへ摺動する。これにより、ホルダー66が対向方向D1に沿って前記後退支持位置から前記係合支持位置へ変位する。
【0124】
即ち、ホルダー66は、カバー部100の閉動作に連動して前記後退支持位置から前記係合支持位置へ変位する。これにより、回転出力部6zが前記後退位置から前記係合位置へ変位する。なお、前記後退支持位置から前記係合支持位置へ向かう方向、および、前記後退位置から前記係合位置へ向かう方向が接近方向D11である。
【0125】
以上に示されるように、主連動機構6yは、仮留め部材65が装着されていない場合に、カバー部100の開閉動作に対してシャッター出力部6xおよび回転出力部6zを連動させる。これにより、主連動機構6yは、カバー部100が閉じたときにシャッター出力部6xを前記開位置へ変位させるとともに回転出力部6zを前記係合位置へ変位させる。さらに、主連動機構6yは、カバー部100が開いたときにシャッター出力部6xを前記閉位置へ変位させるとともに回転出力部6zを前記後退位置へ変位させる。
【0126】
本実施形態によれば、トナーコンテナー5が着脱されるときに、主連動機構6yは、特別な操作を要することなく確実に、回転出力部6zをトナーコンテナー5から離れた前記後退位置へ変位させる。
【0127】
また、画像形成装置10は、カバー状態検出機構7をさらに備える(図4,5,10,11参照)。カバー状態検出機構7は、カバー部100が開状態であるか閉状態であるかを検出する。
【0128】
カバー状態検出機構7は、物体センサー70、検出対象部材71および復帰バネ72を備える。復帰バネ72は、復帰弾性部材の一例である。
【0129】
物体センサー70は、装置本体1内に配置され、予め定められた検出位置に存在する物体を検出する。例えば、リミットスイッチなどの接触式センサーが、物体センサー70として採用されることが考えられる。また、フォトセンサーなどの非接触式センサーが、物体センサー70として採用されてもよい。
【0130】
検出対象部材71は、装置本体1内で変位可能に支持されている。具体的には、検出対象部材71は、支持板60に固定された支持軸710によって上下に変位可能、かつ、支持軸710を中心に揺動可能に支持されている。
【0131】
検出対象部材71は、第1接触部71a、第2接触部71bおよび被検出部71cを有する。本実施形態において、縦長に形成された検出対象部材71の上端部が第1接触部71aであり、検出対象部材71の下端部が第2接触部71bである。
【0132】
第1接触部71aは、カバー部100が閉じられるときにカバー部100に形成された当接部100bに当接される部分である(図4,10参照)。当接部100bは、カバー部100の内側面から突出して形成されている。
【0133】
第2接触部71bは、カバー部100が開かれるときにカバー部100に連動する第2ラックギヤ622に当接される部分である(図5,11参照)。
【0134】
被検出部71cは、前記検出位置に進入可能な部分である。物体センサー70は、前記検出位置に進入した被検出部71cを検出する。
【0135】
検出対象部材71は、予め定められた基準位置と作動位置と退避位置との間で変位可能である。図12は、検出対象部材71が前記基準位置に存在する状態を示し、図4は、検出対象部材71が前記作動位置に存在する状態を示し、図5,10,11は、検出対象部材71が前記退避位置に存在する状態を示す。検出対象部材71は、第2変位部材の一例である。
【0136】
検出対象部材71が前記基準位置に存在する状態は、第1接触部71aがカバー部100の当接部100bと接触可能な位置に存在し、かつ、被検出部71cが前記検出位置から外れた位置に存在する状態である(図12参照)。
【0137】
検出対象部材71が前記作動位置に存在する状態は、被検出部71cが前記検出位置に存在する状態である(図4参照)。
【0138】
検出対象部材71が前記退避位置に存在する状態は、第1接触部71aがカバー部100の当接部100bと接触できない位置に存在し、かつ、被検出部71cが前記検出位置から外れた位置に存在する状態である(図5,10,11参照)。
【0139】
復帰バネ72は、検出対象部材71に弾性力を付与することにより、検出対象部材71を前記基準位置に保持する。これにより、検出対象部材71は、当接部100bおよび第2ラックギヤ622のいずれとも接触していないときに、復帰バネ72の弾性力によって前記基準位置に保持される(図12参照)。
【0140】
カバー部100の当接部100bは、検出対象部材71が前記基準位置に存在する状況下でカバー部100が閉じられるときに、第1接触部71aに当接することにより検出対象部材71を前記基準位置から前記作動位置へ変位させる(図4参照)。
【0141】
検出対象部材71が前記作動位置へ変位することにより、被検出部71cが前記検出位置に進入し、物体センサー70が被検出部71cを検出する。物体センサー70は、被検出部71cを検出することにより、カバー部100が閉じられていることを検出する。
【0142】
制御装置11は、物体センサー70が前記物体を検出していることを条件に前記プリント処理の実行を許容する。ここで、物体センサー70が検出する前記物体は被検出部71cである。
【0143】
即ち、制御装置11は、カバー部100が閉じられていることを条件にプリント装置4による前記プリント処理の実行を許容する。仮留め部材65が支持板60に装着されていない場合、カバー部100が閉じられていることは、トナーコンテナー5のシャッター51が開いていることを意味する。
【0144】
一方、制御装置11は、物体センサー70が前記物体を検出していないときに前記プリント処理の実行を禁止するインターロック制御を行う。即ち、制御装置11は、カバー部100が開かれている場合に、前記プリント処理の実行要求を受けたときに、プリント装置4に前記プリント処理を実行させない。
【0145】
前記インターロック制御は、駆動部が主開口1aを通じて露出したまま動作する危険を回避し、さらに、主開口1aからのトナー90の飛散を防止するために実行される。なお、制御装置11による前記プリント処理に関する制御は、プロセッサー11xにより実行される。
【0146】
仮留め部材65が支持板60に装着されていない場合、カバー部100が開かれていることは、トナーコンテナー5のシャッター51が閉じていることを意味する。即ち、制御装置11は、トナーコンテナー5のシャッター51が閉じているときに、プリント装置4に前記プリント処理を実行させない。
【0147】
第2ラックギヤ622は、検出対象部材71が前記基準位置に存在する状況下でカバー部100の開動作に連動するときに、第2接触部71bに当接することにより検出対象部材71を前記基準位置から前記退避位置へ変位させる(図5参照)。
【0148】
また、仮留め部材65が支持板60に装着されている場合、第2ラックギヤ622は、カバー部100の開閉動作に連動しない。そのため、第2ラックギヤ622は、カバー部100の状態に関わらず、第2接触部71bに当接する位置に保持される(図10,11参照)。
【0149】
即ち、仮留め部材65が支持板60に装着されている場合、第2ラックギヤ622が第2接触部71bに当接する状態が維持され、検出対象部材71が前記退避位置に保持される(図10,11参照)。
【0150】
従って、仮留め部材65が支持板60に装着されている場合、カバー部100が閉じられても当接部100bは第1接触部71aに当接せず、物体センサー70は、被検出部71cを検出しない。
【0151】
即ち、仮留め部材65が支持板60に装着されている場合、カバー部100の開閉に関わらず、制御装置11が前記プリント処理の実行を禁止する状態が維持される。これにより、トナーコンテナー5のシャッター51が閉じたまま前記プリント処理が実行されることが回避される。
【0152】
また、本実施形態によれば、シャッター51の開状態または閉状態を検出するための専用のセンサーを追加する必要がない。
【0153】
なお、画像形成装置10がモノクロ画像形成装置である場合、被装着部6は、1つのトナーコンテナー5のみが装着される構成を備える。この場合、被装着部6は、シャッター出力部6x、第2ピニオンギヤ63、回転出力部6zおよびホルダー66をそれぞれ1つずつ備える。
【0154】
[応用例]
次に、画像形成装置10に適用可能な主連動機構6yの応用例について説明する。
【0155】
本応用例に係る主連動機構は、主連動機構6yの仮留め部材65が、支持板60に取り付けられた切替スイッチに置き換えられた構成を備える。例えば、前記切替スイッチが、スライドスイッチであることが考えられる。この場合、前記切替スイッチは、係合部材641の被係止部641bを係止する位置と係合部材641から離隔した位置との間でスライド変位可能である。
【0156】
前記切替スイッチは、当該切替スイッチに対するON操作に応じて、係合バネ642の弾性力に抗して係合部材641を前記解除姿勢に係止する状態になる。また、前記切替スイッチは、当該切替スイッチに対するOFF操作に応じて、係合部材641から離隔した状態になる。
【0157】
本応用例において、補助連動機構64および前記切替スイッチが前記切替機構の一例である。また、前記切替スイッチに対する前記ON操作が前記解除操作の一例であり、前記切替スイッチに対する前記OFF操作が前記有効化操作の一例である。
【符号の説明】
【0158】
1 :装置本体
1a :主開口
4 :プリント装置
5 :トナーコンテナー
6 :被装着部
6x :シャッター出力部
6y :主連動機構
6z :回転出力部
7 :カバー状態検出機構
10 :画像形成装置
11 :制御装置
50 :収容部
50a :送出口
51 :シャッター
52 :シャッター入力部
53 :内部回転体
54 :回転入力部
60 :支持板
60a :支持孔
61 :第1ピニオンギヤ
62 :ラックギヤセット
63 :第2ピニオンギヤ
64 :補助連動機構
65 :仮留め部材
65a :第1突起
65b :第2突起
65c :取手部
66 :ホルダー
66a :筒状部
66b :鍔部
66c :接続部
67 :連結部材
68 :押し出しバネ(押し出し付勢部材)
70 :物体センサー
71 :検出対象部材
71a :第1接触部
71b :第2接触部
71c :被検出部
72 :復帰バネ(復帰弾性部材)
100 :カバー部
100b :当接部
101 :回動軸
601 :ホルダー支持部
601a :傾斜面
601b :頭頂面
601x :制限支面
621 :第1ラックギヤ
621b :被係合部
622 :第2ラックギヤ
630 :ギヤ軸
641 :係合部材
641a :突起部
641b :被係止部
642 :係合バネ(係合弾性部材)
710 :支持軸
6410 :揺動軸
図1
図2
図3
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図5
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図13