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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】圧電素子、圧電素子応用デバイス
(51)【国際特許分類】
   H10N 30/853 20230101AFI20240730BHJP
   H10N 30/077 20230101ALI20240730BHJP
   H10N 30/20 20230101ALI20240730BHJP
   B41J 2/14 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H10N30/853
H10N30/077
H10N30/20
B41J2/14 301
B41J2/14 613
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020104349
(22)【出願日】2020-06-17
(65)【公開番号】P2021197494
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】酒井 朋裕
(72)【発明者】
【氏名】▲浜▼田 泰彰
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-035370(JP,A)
【文献】特開2013-149922(JP,A)
【文献】特開2017-050353(JP,A)
【文献】特開2009-049355(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10N 30/853
H10N 30/077
H10N 30/20
B41J 2/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた圧電体層と、
を備えた圧電素子であって、
前記圧電体層は、カリウムとナトリウムとニオブとを含むペロブスカイト型構造の複合酸
化物からなり、θ-2θ測定によるX線回折パターンにおいて、(100)面に由来する
第1ピークと、(010)面に由来する第2ピークと、(001)面に由来する第3ピー
クと、を有し、
前記第2ピークのX線回折強度が、前記第3ピークのX線回折強度に比べて大きく、前記
第1ピークのX線回折強度が、前記第2ピークのX線回折強度に比べて大きい、圧電素子
【請求項2】
前記圧電体層が、溶液法によって形成される請求項1に記載の圧電素子。
【請求項3】
前記圧電体層が、Mnを含む請求項1又は2に記載の圧電素子。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の圧電素子を具備する圧電素子応用デバイス
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子および該圧電素子を用いた圧電素子応用デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、圧電素子の1つとして、ニオブ酸カリウムナトリウムを圧電体層の材料として用いた圧電薄膜素子が記載されている。また、この特許文献では、(K1-xNax)NbO3(0<x<1)で表される圧電薄膜の結晶構造が擬立方晶と斜方晶の相境界状態であることが好ましいとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-035370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の圧電薄膜素子では、圧電薄膜の結晶構造が擬立方晶に近い場合、強誘電性を示さない立方晶に近い形状であるため、構造的に大きな変位を示すことが難しい。つまり、ニオブ酸カリウムナトリウムを圧電体層の材料として用いた圧電素子としては、更なる圧電特性の向上が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の圧電素子は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた圧電体層と、を備えた圧電素子であって、前記圧電体層は、カリウムとナトリウムとニオブとを含むペロブスカイト型構造の複合酸化物からなり、θ-2θ測定によるX線回折パターンにおいて、(100)面に由来する第1ピークと、(010)面に由来する第2ピークと、(001)面に由来する第3ピークと、を有する。
【0006】
本発明の圧電素子応用デバイスは、上記圧電素子を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態にかかる圧電素子を模式的に示す断面図である。
図2】本発明の実施形態にかかる圧電素子の変形例を模式的に示す断面図である。
図3】本発明の実施形態にかかる圧電素子のθ-2θ測定によるX線回析結果を示すグラフである。
図4】(100)面に対応する結晶状態を模式的に示す斜視図である。
図5】(010)面に対応する結晶状態を模式的に示す斜視図である。
図6】(001)面に対応する結晶状態を模式的に示す斜視図である。
図7】本発明の実施形態にかかる圧電素子応用デバイスが用いられたインクジェット式印刷ヘッドの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態に係る圧電素子1の構成について、図1を参照して説明する。
圧電素子1は、基体10と、基体10上に形成された第1電極20と、第1電極20上に形成された圧電体層30と、圧電体層30上に形成された第2電極40とを含んで構成されている。すなわち、圧電素子1は、第1電極20と、第2電極40と、第1電極20と第2電極40との間に設けられた圧電体層30と、を備えている。
なお、説明において、上方向とは、基体10に対して層を積層させる方向を示している。つまり、圧電素子1が用いられる際の向きを規定するものではない。
【0009】
基体10は、圧電素子1の用途によって選択され、その材料、構成は特に限定されない。基体10としては、絶縁性基板、半導体基板等を用いることができる。絶縁性基板としては、例えばサファイア基板、STO基板、プラスチック基板、ガラス基板などを用いることができ、半導体基板としてはシリコン基板などを用いることができる。また、基体10は、基板単体あるいは基板上に他の層が積層された積層体であってもよい。なお、STOは、SrTiO3を意味する。
【0010】
第1電極20は、白金族などの金属層と導電性複合酸化物層とが積層された多層構造を有する導電層を用いることができる。第1電極20の最上層は、その上層となる圧電体層30の結晶配向性を制御するシード層として機能するように構成する。あるいは、図2に示すように、第1電極20上に配向制御層50を設けてもよい。この場合、第1電極20は、金属層または導電性複合酸化物層の単層体でもよい。
第1電極20の最上層、また、配向制御層50は、圧電体層30と同様の結晶構造を有する構造として設け、圧電体層30を、これらシード層の結晶構造を引き継いだ結晶構造になるようにする。
配向制御層50としては、例えば、ランタン酸ニッケル(LaNiO3)などの50ないし100nmの膜厚を有するペロブスカイト型酸化物を用いることができる。
【0011】
圧電体層30は、カリウム(K)とナトリウム(Na)とニオブ(Nb)とを含むペロブスカイト型構造の複合酸化物からなる。また、圧電体層30は、マンガン(Mn)を含むことが好ましい。
具体的には、圧電体層30は、例えば、その組成が、K/Na/Nb/Mn=50.2/50.2/99.5/0.5で、厚さ30nmの薄膜を11層積層させて構成している。
また、圧電体層30は、θ-2θ測定によるX線回折パターンにおいて、(100)面に由来する第1ピークと、(010)面に由来する第2ピークと、(001)面に由来する第3ピークと、を有している。
【0012】
第2電極40は、金属層または導電性複合酸化物層から構成できる。第2電極40は、金属層と導電性複合酸化物層の積層体でもよい。第2電極40の材料としては、白金、イリジウム、アルミニウムなどの金属層あるいは酸化イリジウムなどの導電性複合酸化物層を用いることができる。
【0013】
次に圧電素子1の形成方法の例について説明する。
まず、基体10を準備する。基体10は、上述したように圧電素子1の用途で選択される。基体10としては、例えばSTO基板、NbドープSTO基板、サファイア基板を用いることができる。
【0014】
図2に示すように、第1電極20上に配向制御層50を設ける場合には、第1電極20上に配向制御層50を形成する。配向制御層50として、例えば、ランタン酸ニッケルを用いる場合には、スパッタ法を用いることができる。
【0015】
次に、図1に示すように、第1電極20上に、あるいは、配向制御層50上に、上述した組成式で示される圧電体層30を形成する。
具体的には、まず、圧電体層30の形成材料である前駆体溶液を前記組成式の組成となるように準備する。
前駆体溶液は、圧電体層30となる圧電材料の構成金属をそれぞれ含んでなる有機金属化合物を各金属が所望のモル比となるように混合し、さらにアルコールなどの有機溶媒を用いてこれらを溶解、または分散させることにより作製することができる。圧電材料の構成金属をそれぞれ含んでなる有機金属化合物としては、金属アルコキシドや有機酸塩、βジケトン錯体といった有機金属化合物を用いることができる。
【0016】
前駆体溶液には、必要に応じて安定化剤等の各種添加剤を添加することができる。さらに、前駆体溶液に加水分解・重縮合を起こさせる場合には、前駆体溶液に適当な量の水とともに、触媒として酸あるいは塩基を添加することができる。
【0017】
次に、圧電体層30が所望の組成比となるように調製された1層分の前駆体溶液を第1電極20上にスピンコート法により塗布する。
次に、熱処理を加えて塗布された前駆体溶液を結晶化させる。具体的には、熱処理工程として、180℃の乾燥処理、380℃の脱脂処理を行った後に、キュリー温度を越える700℃の焼成処理を行う。その後、常温に戻して1層目の結晶化を完了する。
次に、2層目以降11層目まで、同様に、前駆体溶液をスピンコート法により塗布する工程から熱処理を加えて塗層を結晶化させ、常温に戻す工程を繰り返し、圧電体層30を形成する。このように、圧電体層30は、溶液法によって形成される。
【0018】
次に、図1に示すように、圧電体層30上に、第2電極40を形成する。第2電極40を構成する金属層あるいは導電性複合酸化物層は、例えば公知のスパッタリングなどによって形成する。
次に、必要に応じて、ポストアニール処理を行い、第2電極40と圧電体層30との界面、および圧電体層30の結晶性を改善する。
以上の工程により、圧電素子1を形成することができる。
【0019】
カリウム(K)とナトリウム(Na)とニオブ(Nb)とを含むペロブスカイト型構造の複合酸化物からなる圧電体層は、(100)面に配向し易いが、本実施形態の圧電体層30は、θ-2θ測定によるX線回折パターンにおいて、(100)面に由来する第1ピークと、(010)面に由来する第2ピークと、(001)面に由来する第3ピークと、を有している。つまり、圧電体層30は、(100)面に対応する結晶状態と、(010)面に対応する結晶状態と、(001)面に対応する結晶状態との3状態を含んで形成されている。上述した溶液法によって形成された圧電体層30は、形成段階で発生する応力により、これらの3状態が含まれる構造体が形成される。これら3状態はキュリー温度以上の温度域の場合は立方晶で存在しており、降温し、キュリー点以下となった場合に、降温時における応力バランスの状態によりこれら3状態の何れかの状態となる。つまり、キュリー温度近傍で応力が不均一である状態を作り出すことでこれら3状態を作り出すことが可能となる。応力が不均一な状態を作り出す方法としては、例えば、圧電体層や電極の膜厚に分布をもつようにしたり、圧電体の粒形状をコントロールしたりする方法が挙げられる。従って、圧電体の作製方法で規定されることはないが、これら3状態を作り出すための製造仕様については、充分な評価に基づいて決定することが望ましい。
【0020】
図3は、圧電体層30のθ-2θ測定によるX線回析結果を示すグラフである。図3において、横軸は2θの値を、縦軸はX線回析強度を示している。
図3に示すように、22°<2θ<23°の範囲内において、(100)面に由来する第1ピークP1と、(010)面に由来する第2ピークP2と、(001)面に由来する第3ピークP3とが認められる。
また、第1ピークP1のX線回折強度が、第3ピークP3のX線回折強度に比べて大きい。つまり、圧電体層30には、(100)面に対応する結晶状態が、(001)面に対応する結晶状態より多く含まれる。
【0021】
以下、(100)面に対応する結晶状態を第1結晶状態S1、(010)面に対応する結晶状態を第2結晶状態S2、(001)面に対応する結晶状態を第3結晶状態S3と言う。図4から図6には、ペロブスカイト構造を呈する結晶の配向の状態を模式的に示している。
a、b、cを格子定数とし、a<b<cの場合、図4に示す(100)面に対応する第1結晶状態S1は、圧電体層30の厚み方向の単位格子の高さがaである。また、図5に示す(010)面に対応する第2結晶状態S2は、圧電体層30の厚み方向の単位格子の高さがbであり、図6に示す(001)面に対応する第3結晶状態S3は、圧電体層30の厚み方向の単位格子の高さがcである。
ここで、厚み方向とは、基体10に対して層が積層する方向であり、図4から図6にtで示す方向である。
【0022】
なお、第2ピークのX線回折強度が、第3ピークのX線回折強度に比べて大きく、第1ピークのX線回折強度が、第2ピークのX線回折強度に比べて大きくてもよい。つまり、圧電体層30には、(010)面に対応する第2結晶状態S2が、(001)面に対応する第3結晶状態S3より多く含まれ、(100)面に対応する第1結晶状態S1が、(010)面に対応する第2結晶状態S2より多く含まれてもよい。
【0023】
次に、圧電素子1を用いた圧電素子応用デバイスの例としての圧電アクチュエーター100について説明する。
圧電アクチュエーター100は、例えば、インクジェット式プリンターのインクジェット式印刷ヘッドに用いられる。以下、インクジェット式印刷ヘッドの例としてのヘッド110について説明する。
【0024】
図7は、ヘッド110の要部断面図であり、ヘッド110が有する複数のノズルの内の1つのノズルに着目し、その周辺構造を概念的に示している。
ヘッド110は、インクを吐出するノズル111およびノズル111に対応するように設けられた圧力発生部120を備えている。
圧力発生部120は、圧力発生室として作用するキャビティ121、振動板122、圧電アクチュエーター100などから構成されている。
【0025】
キャビティ121は、ノズル111に連通し、内部にインクが充填される。
振動板122は、キャビティ121の天井面を構成しており、振動板122の撓みによりキャビティ121の容積、つまりは内部圧力が増減する。
圧電アクチュエーター100は、圧電薄膜101、圧電薄膜101の下面を覆うように設けられた電極102、圧電薄膜101の上面を覆うように設けられた電極103などによって構成されている。圧電アクチュエーター100は、キャビティ121との間に振動板122を挟むように、振動板122に積層して設けられており、電極102と電極103との間に電圧を印加して圧電薄膜101を変形させることにより、振動板122を撓ませることができる。
【0026】
ノズル111はノズルプレート112に形成されている。また、ノズルプレート112と振動板122とによって挟まれるように位置するキャビティ基板113に、キャビティ121およびこれにインク供給口114を介して連通するリザーバ115とが形成されている。リザーバ115は、インク供給路を介してインクタンクに連通している。インクタンクについては、図示を省略している。
【0027】
圧電アクチュエーター100において、圧電素子1の第1電極20が電極102に、圧電体層30が圧電薄膜101に、第2電極40が電極103に該当する。なお、圧電素子1の基体10は、振動板122がそれを兼ねることにより省略されている。
このような構成からなる圧力発生部120において、電極102,103との間の電圧レベルを変化させる駆動信号を印加することにより、図7に矢印で示すように振動板122を撓み振動させることで、キャビティ121内部の圧力を変化させ、キャビティ121内部のインクを振動させたり、ノズル111からインク滴を吐出させたりすることができる。
【0028】
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
圧電素子1によれば、圧電体層30は、θ-2θ測定によるX線回折パターンにおいて、(100)面に由来する第1ピークと、(010)面に由来する第2ピークと、(001)面に由来する第3ピークと、を有する。つまり、圧電体層30は、(100)面に対応する第1結晶状態S1と、(010)面に対応する第2結晶状態S2と、(001)面に対応する第3結晶状態S3とを有する。そのため、第1電極20と第2電極40とにより、圧電体層30の厚み方向に電界をかけることにより、第2結晶状態S2から第3結晶状態S3への変位に加え、第1結晶状態S1から第2結晶状態S2を経て第3結晶状態S3への変位を行わせることができる。すなわち、本圧電素子1によれば、圧電特性としてより大きな変位特性を得ることができる。
【0029】
また、圧電体層30を溶液法によって形成することにより、形成段階で発生する応力を活用することで、容易に、θ-2θ測定によるX線回折パターンにおいて、第1から第3ピークの3つのピークを示す結晶状態の圧電体層30を得ることができる。つまり、本圧電素子1によれば、より容易に圧電特性が改善された圧電素子1を得ることができる。
【0030】
また、圧電素子1によれば、(100)面に由来する第1ピークのX線回折強度が、(001)面に由来する第3ピークのX線回折強度に比べて大きい。つまり、圧電体層30には、(100)面に対応する第1結晶状態S1が、(001)面に対応する第3結晶状態S3より多く含まれる。第1結晶状態S1から第2結晶状態S2を経て第3結晶状態S3へ変位する結晶の量が比較的多く含まれるため、圧電特性としてより大きな変位特性を得ることができる。
【0031】
また、圧電素子1は、(010)面に由来する第2ピークのX線回折強度が、(001)面に由来する第3ピークのX線回折強度に比べて大きく、(100)面に由来する第1ピークのX線回折強度が、(010)面に由来する第2ピークのX線回折強度に比べて大きくてもよい。つまり、圧電体層30には、(010)面に対応する第2結晶状態S2が、(001)面に対応する第3結晶状態S3より多く含まれ、(100)面に対応する第1結晶状態S1が、(010)面に対応する第2結晶状態S2より多く含まれてもよい。第2結晶状態S2から第3結晶状態S3へ変位する結晶の量が比較的多く含まれ、更に、第1結晶状態S1から第2結晶状態S2を経て第3結晶状態S3へ変位する結晶の量が多く含まれる場合、圧電特性としてより大きな変位特性を得ることができる。
【0032】
また、圧電素子1によれば、圧電体層30が、Mnを含むため、圧電体層30における結晶欠陥に起因する耐圧の低下が抑制される。その結果、より圧電特性に優れた圧電素子1を得ることができる。
【0033】
また、圧電アクチュエーター100は、圧電素子1を具備することにより、より特性が改善された圧電素子応用デバイスとすることができる。つまり、圧電アクチュエーター100は、圧電特性としてより大きな変位特性を得ることができる。
【符号の説明】
【0034】
1…圧電素子、10…基体、20…第1電極、30…圧電体層、40…第2電極、50…配向制御層、100…圧電アクチュエーター、101…圧電薄膜、102…電極、103…電極、110…ヘッド、111…ノズル、112…ノズルプレート、113…キャビティ基板、114…インク供給口、115…リザーバ、120…圧力発生部、121…キャビティ、122…振動板、P1…第1ピーク、P2…第2ピーク、P3…第3ピーク、S1…第1結晶状態、S2…第2結晶状態、S3…第3結晶状態。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7