(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】量子デバイス及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20240730BHJP
H01L 23/00 20060101ALI20240730BHJP
H10N 60/80 20230101ALI20240730BHJP
H10N 60/00 20230101ALI20240730BHJP
【FI】
H01L23/12 Q
H01L23/00 C
H10N60/80 A
H10N60/00 S
(21)【出願番号】P 2020111954
(22)【出願日】2020-06-29
【審査請求日】2023-05-12
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発/次世代コンピューティング技術の開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】難波 兼二
(72)【発明者】
【氏名】山口 彩未
(72)【発明者】
【氏名】宮田 明
(72)【発明者】
【氏名】菊池 克
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 秀
(72)【発明者】
【氏名】西 教徳
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 英行
【審査官】安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/039848(WO,A1)
【文献】特表2020-511794(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0044047(US,A1)
【文献】特開2006-157257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12-23/15
H01L 23/00-23/10
H10N 60/80-60/85
H10N 60/00
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターポーザと、
前記インターポーザに搭載された量子チップと、
前記インターポーザと前記量子チップとの間に設けられ、且つ、前記インターポーザ
と前記量子チップ
との
間の領域のうち、前記量子チップに設けられた量子回路の形成領域である量子回路領域
、を囲むように設けられたシールド部と、
凹部を有する試料台と、
接着剤と、
を備え
、
前記シールド部、前記量子チップ、及び、前記インターポーザは、前記量子回路領域を密閉するように設けられ、
前記インターポーザは、前記量子チップが前記試料台の前記凹部に収容されるように、且つ、当該インターポーザの主面が前記凹部の開口部を覆うように、配置され、
前記接着剤は、前記試料台の前記凹部と前記インターポーザとによって前記量子チップを囲む領域に設けられている、
量子デバイス。
【請求項2】
前記量子回路領域
において前記インターポーザと前記量子チップと
が電気的に接続
されるように、前記インターポーザから前記量子チップに向けて突出するように形成された金属製の接続部をさらに備えた、
請求項1に記載の量子デバイス。
【請求項3】
前記シールド部及び前記接続部は、少なくとも一部が超電導材料によって構成されている、
請求項2に記載の量子デバイス。
【請求項4】
前記シールド部は、グランドに接続されている、
請求項1~3の何れか一項に記載の量子デバイス。
【請求項5】
前記シールド部は、
上面視して前記量子チップの外周辺に沿って
延在するように、且つ、前記インターポーザから前記量子チップに向けて突出するようにして設けられている、
請求項1~4の何れか一項に記載の量子デバイス。
【請求項6】
前記シールド部は、
上面視して前記量子チップの外周辺に沿って
延在するように設けられた波形状の側辺部を有する、
請求項5に記載の量子デバイス。
【請求項7】
前記シールド部は、R形状、面取り形状、又は、
上面視して前記量子チップの外周辺に沿って
延在するように設けられた側辺部よりも太い幅、の角部を有する、
請求項5又は6に記載の量子デバイス。
【請求項8】
インターポーザ
にシールド部を
形成するステップと、
量子チップに設けられた量子回路の形成領域である量子回路領域が前記インターポーザと前記量子チップとの間において前記シールド部によって囲まれるように、且つ、前記シールド部、前記量子チップ、及び、前記インターポーザによって前記量子回路領域を密閉するように、前記インターポーザに
前記量子チップを配置するステップと、
凹部を有する試料台の前記凹部に前記量子チップが収容されるように、且つ、前記インターポーザの主面が前記凹部の開口部を覆うように、前記インターポーザを前記試料台に配置するステップと、
前記試料台の前記凹部と前記インターポーザとによって前記量子チップを囲む領域に、接着剤を設けるステップと、
を備えた、量子デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量子デバイス及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
量子コンピュータ装置では、超電導材料を用いて構成された量子デバイスが搭載されている。この量子デバイスは、極低温の環境下に置かれることで、超電導現象を利用した動作を実現することができる。なお、極低温とは、例えば、ニオブ(Nb)の場合には9K程度、アルミニウム(Al)の場合には1.2K程度である。
【0003】
量子デバイスに関連する技術は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された電子部品(量子デバイス)では、絶縁性基板とデバイスチップとがバンプを介してフリップチップ接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構成では、デバイスチップ(量子チップ)と絶縁性基板(インターポーザ)との間に電磁波等の外来ノイズが侵入して動作領域(量子回路)に影響を及ぼし、処理上の誤差を引き起こす、という課題があった。
【0006】
本開示の目的は、上述した課題を解決する量子デバイス及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施の形態によれば、量子デバイスは、インターポーザと、前記インターポーザに搭載された量子チップと、前記インターポーザ及び前記量子チップの量子回路領域を囲むように設けられたシールド部と、を備える。
【0008】
一実施の形態によれば、量子デバイスの製造方法は、インターポーザ及び量子チップの量子回路領域を囲むようにシールド部を設けるステップと、前記インターポーザに前記シールド部を介して量子チップを配置するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
前記一実施の形態によれば、外来ノイズの量子回路への干渉を防ぐことにより、量子コヒーレンスなどの品質を向上させることが可能な量子デバイス及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る量子デバイスの断面模式図である。
【
図2】
図1に示す量子デバイスの概略平面図である。
【
図3】シールド部のいくつかの変形例を示す概略平面図である。
【
図4】シールド部のその他の変形例を示す概略平面図である。
【
図5】シールド部のその他の変形例を示す概略平面図である。
【
図6】シールド部のその他の変形例を示す概略平面図である。
【
図7】シールド部のその他の変形例を示す概略平面図である。
【
図8】実施の形態2に係る量子デバイスの断面模式図である。
【
図9】
図8に示す量子デバイスの概略平面図である。
【
図10】
図8に示す量子デバイスの第1の変形例の概略断面図である。
【
図11】
図8に示す量子デバイスの第2の変形例の概略断面図である。
【
図12】構想段階の量子デバイスの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について説明する。なお、図面は簡略的なものであるから、この図面の記載を根拠として実施の形態の技術的範囲を狭く解釈してはならない。また、同一の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明する。ただし、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、応用例、詳細説明、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。例えば、量子チップ、インターポーザがそれぞれ複数構成されることも含む。
【0013】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(動作ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数等(個数、数値、量、範囲等を含む)についても同様である。
【0014】
以下、量子コンピューティングとは、量子力学的な現象(量子ビット)を用いてデータを操作する領域のことである。量子力学的な現象とは、複数の状態の重ね合わせ(量子変数が複数の異なる状態を同時にとること)、もつれ(複数の量子変数が空間または時間に関わらず関係する状態)などとなる。量子チップには、量子ビットを生成する量子回路が設けられている。
【0015】
<発明者らによる事前検討>
実施の形態1に係る量子デバイス100について説明する前に、発明者らが事前検討した内容について説明する。
【0016】
図12は、実施の形態1に至る前の構想段階の量子デバイス500の概略断面図である。量子デバイス500は、量子コンピュータ装置に搭載されており、極低温の環境下に置かれることで、超電導現象を利用した動作を実現している。
【0017】
具体的には、量子デバイス500は、量子チップ511と、インターポーザ512と、接続部530と、試料台516と、ベース基板528と、ボンディングワイヤ526と、を備える。
【0018】
試料台516の主面には、インターポーザ512及びベース基板528が近接配置されている。なお、試料台516は、冷却機能を有している。
【0019】
インターポーザ512は、インターポーザ基板512aと、配線層512bと、金属膜512cと、を備える。インターポーザ基板512a(以下、単にインターポーザ512とも称す)の一方の主面(試料台516に接する面とは逆の面)には、配線層512bが形成され、さらにその表面には、金属膜512cが配線層512bの一部として形成されている。
【0020】
なお、配線層512bは、超電導材料及び常電導材料の何れかによって構成されている。超電導材料とは、例えば、ニオブ(Nb)、ニオブ窒化物(NbN)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、鉛(Pb)、スズ(Sn)、レニウム(Re)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、チタン窒化物(TiN)、タンタル(Ta)、及び、これらの何れかを含む合金等の金属材料のことである。常電導材料とは、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、及び、これらの何れかを含む合金等の金属材料のことである。本例では、配線層512bが常電導材料のCuによって構成されている場合について説明する。
【0021】
また、金属膜512cは、超電導材料によって構成されている。超電導材料とは、例えば、ニオブ(Nb)、ニオブ窒化物(NbN)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、鉛(Pb)、スズ(Sn)、レニウム(Re)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、チタン窒化物(TiN)、タンタル(Ta)、及び、これらの何れかを含む合金等の金属材料のことである。本例では、金属膜512cが、Nbによって構成されている場合について説明する。
【0022】
量子チップ511は、量子チップ本体511aと、配線層511bと、を備える。配線層511bは、量子チップ本体511a(以下、単に量子チップ511とも称す)の一方の主面に形成されている。なお、量子チップ511の配線層511bは、超電導材料によって構成されている。本例では、配線層511bが、Nbによって構成されている場合について説明する。
【0023】
量子チップ511とインターポーザ512とは、互いの配線層511b,512bが対向するように配置されている。
【0024】
接続部530は、量子チップ511とインターポーザ512との間に設けられ、量子チップ511の配線層511bと、インターポーザ512の配線層512bと、を電気的に接続している。それにより、量子チップ511及びインターポーザ512間の信号の受け渡しが可能となる。なお、量子チップ511及びインターポーザ512間では非接触の信号の受け渡しが行われる場合もある。
【0025】
具体的には、接続部530は、複数のピラー531と、金属膜532と、を備える。複数のピラー531は、インターポーザ512の一方の主面から突出するようにして形成されている。金属膜532は、複数のピラー531の表面に形成されている。ここで、金属膜532は、インターポーザ512の配線層512bの表面に形成された金属膜512cに連なるようにして、複数のピラー531の表面に形成されている。
【0026】
なお、複数のピラー531は、超電導材料及び常電導材料の何れかによって構成されている。本例では、複数のピラー531が、常電導材料のCuによって構成されている場合について説明する。また、金属膜532は、金属膜512cと同じく超電導材料によって構成されている。本例では、金属膜532が、Nbによって構成されている場合について説明する。
【0027】
インターポーザ512の配線層512b(金属膜512cを含む)と、ベース基板528の配線層527とは、ボンディングワイヤ526によって接続されている。それにより、量子チップ511の信号線(端子)は、インターポーザ512、及び、ボンディングワイヤ526を介して外部に引き出される。
【0028】
また、量子チップ511の熱は、インターポーザ512を介して、冷却機能を有する試料台516に放熱される。それにより、量子デバイス500は、超電導現象を利用可能な極低温の状態に保たれる。
【0029】
ここで、
図12を参照すると、量子デバイス500では、量子チップ511とインターポーザ512との間に電磁波等の外来ノイズが侵入して量子回路に影響を及ぼし、処理上の誤差を引き起こしてしまう。
【0030】
そこで、外来ノイズの量子回路への干渉を防ぐことにより、量子コヒーレンスなどの品質を向上させることが可能な、実施の形態1にかかる量子デバイス100が見いだされた。
【0031】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1に係る量子デバイス100の概略断面図である。また、
図2は、量子デバイス100の概略断面図のX-X’部分を切り出して平面視した概略平面図である。量子デバイス100は、量子コンピュータ装置に搭載されており、極低温の環境下に置かれることで、超電導現象を利用した動作を実現している。
【0032】
具体的には、量子デバイス100は、量子チップ111と、インターポーザ112と、接続部130と、シールド部150と、試料台116と、ベース基板128と、ボンディングワイヤ126と、を備える。
【0033】
試料台116の主面には、インターポーザ112及びベース基板128が近接配置されている。なお、試料台116は、冷却機能を有している。具体的には、試料台116は、熱伝導の関係から銅(Cu)、銅を含む合金、又は、アルミニウム(Al)によって構成されることが好ましい。試料台116がアルミニウムによって構成される場合、アルマイト処理による絶縁化が施されてもよい。
【0034】
インターポーザ112は、インターポーザ基板112aと、配線層112bと、金属膜112cと、を備える。インターポーザ基板112a(以下、単にインターポーザ112とも称す)の一方の主面(試料台116に接する面とは逆の面)には、配線層112bが形成され、さらにその表面には、金属膜112cが配線層112bの一部として形成されている。インターポーザ112は、例えば、シリコン(Si)を含んでいる。なお、インターポーザ112は、量子チップ111を実装することができるのであれば、シリコンを含むものに限らず、サファイア、化合物半導体材料(IV族、III-V族、II-VI族)、ガラス、セラミック等の他の電子材料を含んでもよい。インターポーザ基板112aの表面は、シリコン酸化膜(SiO2、TEOS膜等)で覆われていることが好ましい。
【0035】
なお、配線層112bは、超電導材料及び常電導材料の何れかによって構成されている。超電導材料とは、例えば、ニオブ(Nb)、ニオブ窒化物(NbN)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、鉛(Pb)、スズ(Sn)、レニウム(Re)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、チタン窒化物(TiN)、タンタル(Ta)、及び、これらの何れかを含む合金等の金属材料のことである。常電導材料とは、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、及び、これらの何れかを含む合金等の金属材料のことである。本例では、配線層112bが常電導材料のCuによって構成されている場合について説明する。
【0036】
また、金属膜112cは、超電導材料によって構成されている。超電導材料とは、例えば、ニオブ(Nb)、ニオブ窒化物(NbN)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、鉛(Pb)、スズ(Sn)、レニウム(Re)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、チタン窒化物(TiN)、タンタル(Ta)、及び、これらの何れかを含む合金等の金属材料のことである。本例では、金属膜112cが、Nbによって構成されている場合について説明する。
【0037】
量子チップ111は、量子チップ本体111aと、配線層111bと、を備える。配線層111bは、量子チップ本体111a(以下、単に量子チップ111とも称す)の一方の主面に形成されている。量子チップ111は、例えば、シリコン(Si)を含んでいる。なお、量子チップ111は、当該量子チップ111が量子ビットを構成することができるのであれば、シリコンを含むものに限らず、サファイアや化合物半導体材料(IV族、III-V族、II-VI族)等の他の電子材料を含んでもよい。また、量子チップ111は、単結晶である方が望ましいが、多結晶やアモルファスでも構わない。さらに、量子チップ111の配線層111bは、超電導材料によって構成されている。本例では、配線層111bが、Nbによって構成されている場合について説明する。
【0038】
量子チップ111とインターポーザ112とは、互いの配線層111b,112bが対向するように配置されている。
【0039】
接続部130は、量子チップ111とインターポーザ112との間に設けられ、量子チップ111の配線層111bと、インターポーザ112の配線層112bと、を電気的に接続している。それにより、量子チップ111及びインターポーザ112間の信号の受け渡しが可能となる。なお、量子チップ111及びインターポーザ112間では非接触の信号の受け渡しが行われる場合もある。
【0040】
具体的には、接続部130は、複数のピラー131と、金属膜132と、を備える。複数のピラー131は、インターポーザ112の一方の主面から突出するようにして形成されている。金属膜132は、複数のピラー131の表面に形成されている。ここで、金属膜132は、インターポーザ112の配線層112bの表面に形成された金属膜112cに連なるようにして、複数のピラー131の表面に形成されている。
【0041】
なお、複数のピラー131は、超電導材料及び常電導材料の何れかによって構成されている。例えば、冷却性能を高める場合には、常電導材料によって構成されることが好ましい。本例では、複数のピラー131が、常電導材料のCuによって構成されている場合について説明する。また、金属膜132は、金属膜112cと同じく超電導材料によって構成されている。即ち、本例では、金属膜132が、Nbによって構成されている場合について説明する。
【0042】
インターポーザ112の配線層112b(金属膜112cを含む)と、ベース基板128の配線層127とは、ボンディングワイヤ126によって接続されている。それにより、量子チップ111の信号線(端子)は、インターポーザ112、及び、ボンディングワイヤ126を介して外部に引き出される。
【0043】
また、量子チップ111の熱は、インターポーザ112を介して、冷却機能を有する試料台116に放熱される。それにより、量子デバイス100は、超電導現象を利用可能な極低温の状態に保たれる。
【0044】
シールド部150は、インターポーザ112及び量子チップ111の量子回路領域(接続部130を含む)を囲むように形成されている。また、シールド部150は、グランドに接続された金属材料によって構成されている。それにより、シールド部150は、外来ノイズの量子回路への干渉を防ぐことができる。その結果、量子回路における処理上の誤差が防止され、量子デバイス100は品質(量子コヒーレンスなど)を向上させることができる。
【0045】
本例では、シールド部150が、量子チップ111の外周辺に沿って配置された4本の角柱形状の部材(側辺部;角部と角部を連結する連結部とも称す)によって、インターポーザ112及び量子チップ111間の量子回路領域(接続部130を含む)を囲むように形成されている。また、本例では、シールド部150が、接続部130と同じ金属材料によって構成されている。具体的には、シールド部150は、突起部151と、突起部151の表面に形成された金属膜152と、を有する。突起部151は、超電導材料及び常電導材料の何れかによって構成され、金属膜152は、超電導材料によって構成されている。本例では、突起部151が、接続部130のピラー131と同じくCuによって構成され、金属膜152が、接続部130の金属膜132と同じくNbによって構成されている。
【0046】
続いて、量子デバイス100の製造方法の一部を説明する。まず、インターポーザ112の一方の主面に、配線層112bを形成し、その後、インターポーザ112の一方の主面から突出するように複数のピラー131を形成する。その後、配線層112bの表面に金属膜112cを形成するのに合わせて、複数のピラー131の表面に金属膜132を形成する。それにより、接続部130が形成される。また、このとき、接続部130を含む量子回路領域を囲むようにしてシールド部150を形成する。具体的には、まず、複数のピラー131を囲むようにして、突起部151を形成し、その後、突起部151の表面に、金属膜152を形成する。それにより、シールド部150が形成される。なお、金属膜132,152は、配線層112bの表面に形成される金属膜112cに連なるようにして形成される。その後、量子チップ111の配線層111bと接続部130とが接するように、インターポーザ112の一方の主面に量子チップ111を配置する。そのような工程を経て、量子デバイス100が形成される。
【0047】
このように、本実施の形態に係る量子デバイス100では、シールド部150が、インターポーザ112及び量子チップ111の量子回路領域(接続部130を含む)を囲むように形成されている。それにより、量子デバイス100は、外来ノイズによる量子回路への干渉を防ぐことができる。その結果、量子回路における処理上の誤差が防止され、量子デバイス100は品質(量子コヒーレンスなど)を向上させることができる。
【0048】
なお、本実施の形態では、インターポーザ112の配線層112bが常電導材料によって構成され、その表面に形成された金属膜112cが超電導材料によって構成された場合を例に説明したが、これに限られない。インターポーザ112の配線層112bは、Nb等の超電導材料によって構成されてもよい。この場合、配線層112bの表面に金属膜112cが形成される必要は無い。またこの場合、例えば、インターポーザ112の配線層112bと、接続部130に形成された金属膜132と、シールド部150に形成された金属膜152とは、連なるようにして形成(一体形成)される。
【0049】
また、シールド部150を構成する4本の角柱部材(側辺部)の外周辺は、
図3の領域Aの第1例A_1に示すように直線形状であっても良いし、
図3の領域Aの第2例A_2に示すように波形状であってもよい。また、シールド部150を構成する4本の角柱部材(側辺部)の交点に形成される4つの角部は、
図3の領域Bの第1例B_1に示すように、単に直角形状を有するもので良いが、以下に示すように特別な処理が施されていてもよい。例えば、各角部は、
図3の領域Bの第2例B_2に示すように、角部以外の部分(即ち、側辺部)よりも太い幅となるように形成されてもよいし、第3例B_3に示すように、面取り加工されていてもよいし、第4例B_4に示すように、R形状を有していてもよい。
【0050】
また、シールド部150、量子チップ111、及び、インターポーザ112によって囲まれる空間領域は、密閉されている場合、真空状態に設定されることにより、インターポーザ112と量子チップ111との間の断熱性を向上させることができる。
【0051】
但し、当該空間領域が密閉されていなくても、量子回路領域に対する外来ノイズによる影響を抑制することは可能である。例えば、
図4に示すように、シールド部150の4つの側辺部のうち対向する2つの側辺部の中央部分に隙間が設けられてもよい。或いは、
図5に示すように、シールド部150の4つの側辺部のそれぞれの中央部分に隙間が設けられてもよい。なお、隙間は、側辺部の中央部分以外の部分に形成されても良い。
【0052】
或いは、
図6及び
図7に示すように、シールド部150の隙間部分は、当該シールド部150によって囲まれる領域の外側から内側を直接視認できないように形成されても良い。具体的には、
図6に示すように、各隙間部分におけるシールド部の一方の端部が、シールド部によって囲まれる領域内に入り込むように延在して形成されていても良い。或いは、
図7に示すように、各隙間部分におけるシールド部の両方の端部が、シールド部によって囲まれる領域内に入り込むように形成されるとともに、隙間部分を遮蔽するようにして遮蔽部(シールド部の一部)がさらに形成されていても良い。それにより、量子回路への外来ノイズの干渉を、効果的に抑制することができる。
【0053】
<実施の形態2>
図8は、実施の形態2に係る量子デバイス200の概略断面図である。また、
図9は、量子デバイス200の概略断面図のY-Y’部分を切り出して平面視した概略平面図である。量子デバイス200は、量子デバイス100と異なるデバイス構造を有している。
【0054】
具体的には、量子デバイス200は、量子チップ211と、インターポーザ212と、接続部230と、シールド部250と、試料台216と、プローブヘッド218と、プローブピン219と、プローブカード220と、固定ネジ221と、プラグ222と、を備える。
【0055】
試料台216は、主面(上面)の中央部に凹部を有し、量子チップ211が隙間を空けて凹部の内部に配置されている。なお、量子チップ211は当該凹部に嵌入可能に構成されてもよい。また、試料台216の主面には、量子チップ211を試料台216の凹部の内部に配置する際の位置決め用の孔216aが設けられている。それにより、量子チップ211を正確に試料台216の凹部の内部に配置することができる。さらに、試料台216の主面には、プローブヘッド218に設けられた孔218cに対応する位置決めピン216cが設けられている。それにより、プローブヘッド218を正確に試料台216に配置することができる。なお、試料台216は、熱伝導の関係から銅(Cu)、銅を含む合金、又は、アルミニウム(Al)によって構成されることが好ましい。試料台216がアルミニウムによって構成される場合、アルマイト処理による絶縁化が施されてもよい。
【0056】
インターポーザ212は、インターポーザ基板212aと、配線層212bと、配線層212cと、TV(Through Via)212dと、を備える。インターポーザ基板212a(以下、単にインターポーザ212とも称す)の一方の主面(量子チップ211が設置される面)には、配線層212bが形成され、さらにその表面には、金属膜212eが配線層212bの一部として形成されている。インターポーザ基板212aの他方の主面には、配線層212cが形成されている。配線層212b,212cは、インターポーザ基板212aの内部に形成されたTV212dを介して電気的に接続されている。インターポーザ212は、例えば、シリコン(Si)を含んでいる。なお、インターポーザ212は、量子チップ211を実装することができるのであれば、シリコンを含むものに限らず、サファイア、化合物半導体材料(IV族、III-V族、II-VI族)、ガラス、セラミック等の他の電子材料を含んでもよい。インターポーザ基板212aの表面は、シリコン酸化膜(SiO2、TEOS膜等)で覆われていることが好ましい。また、シリコンを用いた場合、TV212dはTSV(Through Sillicon Via)を用いる。
【0057】
なお、配線層212b,212c及びTV212dは、何れも超電導材料及び常電導材料の何れかによって構成されている。超電導材料とは、例えば、ニオブ(Nb)、ニオブ窒化物(NbN)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、鉛(Pb)、スズ(Sn)、レニウム(Re)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、チタン窒化物(TiN)、タンタル(Ta)、及び、これらの何れかを含む合金等の金属材料のことである。常電導材料とは、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、及び、これらの何れかを含む合金等の金属材料のことである。本例では、配線層212b,212c及びTV212dが何れも常電導材料のCuによって構成されている場合について説明する。
【0058】
また、金属膜212eは、超電導材料によって構成されている。超電導材料とは、例えば、ニオブ(Nb)、ニオブ窒化物(NbN)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、鉛(Pb)、スズ(Sn)、レニウム(Re)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、チタン窒化物(TiN)、タンタル(Ta)、及び、これらの何れかを含む合金等の金属材料のことである。本例では、金属膜212eが、Nbによって構成されている場合について説明する。
【0059】
量子チップ211は、量子チップ本体211aと、配線層211bと、を備える。配線層211bは、量子チップ本体211a(以下、単に量子チップ211とも称す)の一方の主面に形成されている。量子チップ211は、例えば、シリコン(Si)を含んでいる。なお、量子チップ211は、当該量子チップ211が量子ビットを構成することができるのであれば、シリコンを含むものに限らず、サファイアや化合物半導体材料(IV族、III-V族、II-VI族)等の他の電子材料を含んでもよい。また、量子チップ211は、単結晶である方が望ましいが、多結晶やアモルファスでも構わない。さらに、量子チップ211の配線層211bは、超電導材料によって構成されている。本例では、配線層211bが、Nbによって構成されている場合について説明する。
【0060】
量子チップ211とインターポーザ212とは、互いの配線層211b,212bが対向するように配置されている。
【0061】
接続部230は、量子チップ211とインターポーザ212との間に設けられ、量子チップ211の配線層211bと、インターポーザ212の配線層212bと、を電気的に接続している。それにより、量子チップ211及びインターポーザ212間の信号の受け渡しが可能となる。なお、量子チップ211及びインターポーザ212間では、非接触の信号の受け渡しが行われる場合もある。
【0062】
具体的には、接続部230は、複数のピラー231と、金属膜232と、を備える。複数のピラー231は、インターポーザ212の一方の主面(量子チップ211が設置される面)から量子チップ211の実装領域に突出するようにして形成(配置)されている。金属膜232は、インターポーザ212の配線層212bの表面に形成された金属膜212eに連なるようにして、複数のピラー231の表面に形成(配置)されている。
【0063】
なお、複数のピラー231は、超電導材料及び常電導材料の何れかによって構成されている。例えば、冷却性能を高める場合には、常電導材料によって構成されることが好ましい。本例では、複数のピラー231が、常電導材料のCuによって構成されている場合について説明する。また、金属膜232は、金属膜212eと同じく超電導材料によって構成されている。即ち、本例では、金属膜232が、Nbによって構成されている場合について説明する。
【0064】
試料台216上にはプローブヘッド218が配置され、さらにプローブヘッド218上にはプローブカード220が配置されている。ここで、プローブヘッド218には孔218cが具備されており、試料台216には孔218cに対応する位置決めピン216cが設けられている。それにより、プローブヘッド218を精度よく試料台216に配置することができる。またこれらは、固定ネジ221によって試料台216に固定されている。そのため、インターポーザ212の配線層212cの所望の位置に正確にプローブピン219を当てることができる。さらに、プローブカード220上には、プラグ222が配置されている。
【0065】
プローブヘッド218は底面に凹部を有し、その凹部にインターポーザ212が配置される。つまり、量子チップ211及びインターポーザ212は、プローブヘッド218の凹部及び試料台216の凹部によって形成された空間領域に配置される。この空間領域は、真空状態であることが好ましい。それにより、断熱性が向上するため、例えばインターポーザ212から量子チップ211への熱の伝達を防ぐことができる。
【0066】
複数のプローブピン219は、インターポーザ212とプローブカード220との間に設けられ、インターポーザ212の他方の面(量子チップ211が設置される面とは逆の面)に形成された配線層212cと、プローブカード220と、を電気的に接続している。それにより、量子チップ211の信号線(端子)は、インターポーザ212、プローブピン219、プローブカード220、及び、プラグ222を介して、外部に引き出される。
【0067】
また、量子チップ211の熱は、インターポーザ212を介して、冷却機能を有する試料台216に放熱される。それにより、量子デバイス200は、超電導現象を利用可能な極低温の状態に保たれる。
【0068】
シールド部250は、インターポーザ212及び量子チップ211の量子回路領域(接続部230を含む)を囲むように形成されている。また、シールド部250は、グランドに接続された金属材料によって構成されている。それにより、シールド部250は、外来ノイズの量子回路への干渉を防ぐことができる。その結果、量子回路における処理上の誤差が防止され、量子デバイス200は品質(量子コヒーレンスなど)を向上させることができる。シールド部250の詳細については、量子デバイス100に設けられたシールド部150と基本的には同様であるため、その説明を省略する。
【0069】
続いて、量子デバイス200の製造方法の一部を説明する。まず、インターポーザ212の一方の主面に、配線層212bを形成し、その後、インターポーザ112の一方の主面から突出するように複数のピラー231を形成する。その後、配線層212bの表面に金属膜212eを形成するのに合わせて、複数のピラー231の表面に金属膜232を形成する。それにより、接続部230が形成される。また、このとき、接続部230を含む量子回路領域を囲むようにしてシールド部250を形成する。具体的には、まず、複数のピラー231を囲むようにして、突起部251を形成し、その後、突起部251の表面に、金属膜252を形成する。それにより、シールド部250が形成される。なお、金属膜232,252は、配線層212bの表面に形成される金属膜212eに連なるようにして形成される。その後、量子チップ211の配線層211bと接続部230とが接するように、インターポーザ212の一方の主面に量子チップ211を配置する。そのような工程を経て、量子デバイス100が形成される。
【0070】
このように、本実施の形態に係る量子デバイス200では、シールド部250が、インターポーザ212及び量子チップ211の量子回路領域(接続部230を含む)を囲むように形成されている。それにより、量子デバイス200は、外来ノイズによる量子回路への干渉を防ぐことができる。その結果、量子回路における処理上の誤差が防止され、量子デバイス200は品質(量子コヒーレンスなど)を向上させることができる。
【0071】
なお、本実施の形態では、インターポーザ212の配線層212bが常電導材料によって構成され、その表面に形成された金属膜212eが超電導材料によって構成された場合を例に説明したが、これに限られない。インターポーザ212の配線層212bは、Nb等の超電導材料によって構成されてもよい。この場合、配線層212bの表面に金属膜212eが形成される必要は無い。またこの場合、例えば、インターポーザ112の配線層212bと、接続部230に形成された金属膜232と、シールド部250に形成された金属膜252とは、連なるようにして形成(一体形成)される。
【0072】
<量子デバイス200の第1の変形例>
図10は、量子デバイス200の第1の変形例を量子デバイス201として示す概略断面図である。量子デバイス201は、量子デバイス200の場合と比較して、プローブヘッド218及びプローブピン219の代わりにボンディングワイヤ226を備える。
【0073】
具体的には、
図10に示すように試料台216上にプローブカード220が直接配置されている。プローブカード220は、固定ネジ221によって試料台216に固定されている。プローブカード220上に形成された端子と、インターポーザ212の他方の主面(量子チップ211が設置される面とは逆の面)に形成された端子とは、ボンディングワイヤ226によって接続されている。それにより、量子チップ211の信号線(端子)は、インターポーザ212、ボンディングワイヤ226、プローブカード220、及び、プラグ222を介して、外部に引き出される。
【0074】
なお、試料台216の主面には、プローブカード220の底面に設けられた孔220cに対応する位置決めピン216cが設けられている。それにより、プローブカード220を正確に試料台216に配置することができる。量子デバイス201のその他の構成については、量子デバイス200の場合と同様であるため、その説明を省略する。
【0075】
量子デバイス201は、量子デバイス200の場合と同等程度の効果を奏することができる。
【0076】
<量子デバイス200の第2の変形例>
図11は、量子デバイス200の第2の変形例を量子デバイス202として示す概略断面図である。量子デバイス202は、量子デバイス201の場合と比較して、ワニスやグリスなどの接着剤229をさらに備える。
【0077】
接着剤229は、試料台216の凹部、インターポーザ212、量子チップ211、及び、シールド部250によって囲まれた空間領域に配置されている。それにより、試料台216、インターポーザ212、及び、量子チップ211が固定される。また、量子チップ211の熱が、接着剤229を介して、試料台216に放熱されるため、放熱性はさらに向上する。
【0078】
なお、このとき、量子チップ211、インターポーザ212、及び、シールド部250によって囲まれた空間領域(即ち、量子回路領域を含む空間領域)は、密閉されることが好ましい。それにより、接着剤229が量子回路領域に侵入するのを防ぐことができる。また、この空間領域(即ち、量子回路領域を含む空間領域)は、真空状態であることが好ましい。それにより、断熱性が向上するため、例えばインターポーザ212から量子チップ211への熱の伝達を防ぐことができる。
【0079】
以上、図面を参照して、本開示の実施の形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等が可能である。
【0080】
上記実施の形態1,2では、量子チップの配線層がNbによって構成され、シールド部や接続部の金属膜が、Nbからなる単層構造を有する場合を例に説明したが、これに限られない。シールド部や接続部の金属膜は、単層又は多層構造を有し、少なくとも一層が超電導材料によって構成されていれば良い。
【0081】
具体的には、例えば、量子チップの配線層は、Nbによって構成され、シールド部や接続部の金属膜は、二層構造を有し、最下位層がNbによって構成され、最上位層がInによって構成されても良い。なお、Nb層とIn層との間には、接着性を向上させるため、Ti層又はTiN層がさらに設けられても良い。これは、インターポーザの配線層の表面に形成された金属膜についても同様である。
【0082】
或いは、量子チップの配線層は、Alによって構成され、シールド部や接続部が配置される部位には、Ti又はTiNからなる層がさらに配置されてもよい。また、シールド部や接続部の金属膜は、三層構造を有し、最下位層から最上位層にかけて順にAl、Ti(又はTiN)、In又はこれを含む合金によって構成されてもよい。なお、In又はこれを含む合金の代わりに、Sn、Pb、又は、これらの何れかを含む合金が用いられても良い。Ti層又はTiN層は、AlとInとの合金化を防ぐために設けられている。これは、インターポーザの配線層の表面に形成された金属膜についても同様である。
【0083】
或いは、量子チップの配線層は、Taによって構成され、シールド部や接続部の金属膜は、二層構造を有し、最下位層がTaによって構成され、最上位層がIn、Sn、Pb又はこれらの何れかを含む合金によって構成されてもよい。これは、インターポーザの配線層の表面に形成された金属膜についても同様である。
【符号の説明】
【0084】
100 量子デバイス
111 量子チップ
111a 量子チップ本体
111b 配線層
112 インターポーザ
112a インターポーザ基板
112b 配線層
112c 金属膜
116 試料台
126 ボンディングワイヤ
127 配線層
128 ベース基板
130 接続部
131 ピラー
132 金属膜
150 シールド部
151 突起部
152 金属膜
200 量子デバイス
201 量子デバイス
202 量子デバイス
211 量子チップ
211a 量子チップ本体
211b 配線層
212 インターポーザ
212a インターポーザ基板
212b 配線層
212c 配線層
212d TV
212e 金属膜
216 試料台
216a 孔
216c 位置決めピン
218 プローブヘッド
218c 孔
219 プローブピン
220 プローブカード
220c 孔
221 固定ネジ
222 プラグ
226 ボンディングワイヤ
229 接着剤
230 接続部
231 ピラー
232 金属膜
250 シールド部
251 突起部
252 金属膜
500 量子デバイス
511 量子チップ
511a 量子チップ本体
511b 配線層
512 インターポーザ
512a インターポーザ基板
512b 配線層
512c 金属膜
516 試料台
526 ボンディングワイヤ
527 配線層
528 ベース基板
530 接続部
531 ピラー
532 金属膜