(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】制御プログラム、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 16/13 20190101AFI20240730BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240730BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G06F16/13 200
H04N1/00 127B
G06F3/12 324
G06F3/12 303
(21)【出願番号】P 2020113269
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 丈史
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-159118(JP,A)
【文献】特開2012-186559(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F16/00-16/958
G06F3/12
H04N1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力インタフェースと、記憶部と、表示部と、を備える情報処理装置のコンピュータが読取り可能な制御プログラムであって、
前記記憶部には、前記入力インタフェースを介した操作によりアクセス可能な、ディレクトリ、又は画像ファイルを前記表示部に表示させるブラウザプログラムが記憶されており、
前記コンピュータに、
画像処理装置により作成された画像データを示す画像ファイルを取得する取得処理と、
取得した前記画像ファイルを、関連情報に関連づけて記憶する記憶処理と、
前記画像ファイルに関するファイルパスであって、前記関連情報に基づく複数の仮想ディレクトリを要素とするファイルパスを作成するパス作成処理を実行させ、前記複数の仮想ディレクトリは、それぞれ異なる階層に属し、前記ファイルパスは、最下層に属する前記仮想ディレクトリとして、前記画像ファイルの識別情報を含み、
前記ブラウザプログラムは、前記コンピュータに対して、
最上位層に属する前記仮想ディレクトリを表示させ、
表示された前記仮想ディレクトリから、前記ファイルパスに含まれる前記仮想ディレクトリを特定する操作を受付けると、前記最上位層の一つ下の階層である第1の階層に属する前記仮想ディレクトリを前記制御プログラムに要求させ、
前記制御プログラムは、前記コンピュータに対して、
前記要求された仮想ディレクトリを検索して、前記ブラウザプログラムに送信させる表示制御処理を実行させ、
前記ブラウザプログラムは、前記コンピュータに対して、送信された仮想ディレクトリに応じて前記第1の階層に属する仮想ディレクトリを表示さ
せ、
前記記憶処理では、前記画像ファイルに複数の前記関連情報を関連付けて記憶可能であり、
前記パス作成処理では、同一の前記画像ファイルに対して、前記仮想ディレクトリが異なる複数の前記ファイルパスを作成可能である、
制御プログラム。
【請求項2】
前記パス作成処理では、前記関連情報を名称に含む前記仮想ディレクトリを要素とするファイルパスを作成する請求項1に記載の制御プログラム。
【請求項3】
前記ブラウザプログラムは、前記入力インタフェースを介した操作により前記仮想ディレクトリが指定された場合に、前記コンピュータに対して、前記指定された仮想ディレクトリに含まれる項目を前記制御プログラムに要求させ、
前記制御プログラムは、前記指定された仮想ディレクトリに含まれる項目の要求を受けた場合に、前記コンピュータに対して、前記ファイルパス上で、前記指定された仮想ディレクトリの1つ下の階層に属する前記仮想ディレクトリの名称、又は画像ファイルの名称を前記ブラウザプログラムに返信させる請求項1
又は2に記載の制御プログラム。
【請求項4】
前記パス作成処理では、前記仮想ディレクトリの名称として、一意な情報を含んだ名称を作成する請求項1~
3のいずれか一項に記載の制御プログラム。
【請求項5】
前記記憶処理では、前記入力インタフェースを介して受け付けた操作に応じて、前記画像ファイルに対して、所定のカテゴリに属することを示すカテゴリ情報を前記関連情報として記憶させ、
前記パス作成処理では、前記カテゴリ情報に基づく名称の前記
画像ファイルを要素とする前記ファイルパスを作成することを含む請求項1~
4のいずれか一項に記載の制御プログラム。
【請求項6】
前記記憶処理では、前記画像ファイルに対して、前記画像処理装置を識別する情報を前記関連情報として記憶し、
前記パス作成処理では、前記画像処理装置を識別する情報に基づく名称の前記仮想ディレクトリを要素
とする前記ファイルパスを作成することを含む請求項1~
5のいずれか一項に記載の制御プログラム。
【請求項7】
前記画像処理装置は、原稿に記録された画像を読取る読取り部を備え、
前記取得処理では、前記読取り部にスキャン動作を実行させ、前記スキャン動作により作成されたスキャン結果を、前記画像ファイルとして取得する請求項1~
6のいずれか一項に記載の制御プログラム。
【請求項8】
前記記憶処理では、前記関連情報として、前記画像ファイルの作成日時を示す情報を記憶させることを含み、
前記パス作成処理では、前記画像ファイルが作成された期間を示す名称の前記仮想ディレクトリを作成可能であり、
前記ブラウザプログラムは、前記入力インタフェースを介した操作に応じて、前記期間に作成されたことを示す名称の前記仮想ディレクトリが指定された場合に、前記コンピュータに対して、前記期間内の前記作成日時を示す前記関連情報が記憶された前記画像ファイルを前記制御プログラムに要求させる請求項1~
7のいずれか一項に記載の制御プログラム。
【請求項9】
前記ブラウザプログラムは、前記コンピュータに対して、
前記第1の階層が最下層である場合に、表示されている前記最下層に属する1つ以上の前記仮想ディレクトリから、前記識別情報を指定する操作を受付けると、指定された前記識別情報で識別される画像ファイルを前記制御プログラムに要求させ、
前記第1の階層が最下層でない場合に、表示されている前記第1の階層に属する1つ以上の前記仮想ディレクトリから、画像ファイルのファイルパスの前記仮想ディレクトリを指定する操作を受付けると、前記第1の階層に属する指定された前記仮想ディレクトリの1つ下の階層にある第2の階層に属する1以上の前記仮想ディレクトリを前記制御プログラムに要求させ、
前記表示制御処理では、
前記第1の階層が最下層である場合に、指定された識別情報で識別される画像ファイルの要求に応じて、要求された画像ファイルを検索して、要求された画像ファイルを前記ブラウザプログラムに送信させ、前記ブラウザプログラムは送信された前記画像ファイルを前記コンピュータに表示させ、
前記第1の階層が最下層でない場合に、前記第2の階層に属する1以上の仮想ディレクトリの要求に応じて、要求された1以上の前記仮想ディレクトリを検索して、要求された1以上の仮想ディレクトリを前記ブラウザプログラムに送信し、前記ブラウザプログラムは送信された前記第2の階層に属する1以上の仮想ディレクトリを前記コンピュータに表示させる請求項1に記載の制御プログラム。
【請求項10】
入力インタフェースと、記憶部と、表示部と、コンピュータとを備える情報処理装置であって、
前記記憶部には、前記入力インタフェースを介した操作によりアクセス可能な、ディレクトリ、又は画像ファイルを前記表示部に表示させるブラウザプログラムが記憶されており、
画像処理装置により作成された画像データを示す画像ファイルを取得する取得処理部と、
取得した前記画像ファイルを、関連情報に関連づけて記憶する記憶処理部と、
前記画像ファイルに関するファイルパスであって、前記関連情報に基づく複数の仮想ディレクトリを要素とするファイルパスを作成するパス作成処理部とを備え、前記複数の仮想ディレクトリは、それぞれ異なる階層に属し、前記ファイルパスは、最下層に属する仮想ディレクトリとして、前記画像ファイルの識別情報を含み、
前記ブラウザプログラムは、前記コンピュータに、
最上位層に属する前記仮想ディレクトリを表示させ、
表示された前記仮想ディレクトリから、前記ファイルパスに含まれる前記仮想ディレクトリを特定する操作を受付けると、前記最上位層の一つ下の階層である第1の階層に属する仮想ディレクトリ
を要求させ、
更に、要求された仮想ディレクトリを検索して、前記ブラウザプログラムに送信させる表示制御処理部を備え、
前記ブラウザプログラムは、前記コンピュータに、送信された仮想ディレクトリに応じて前記第1の階層に属する仮想ディレクトリを表示さ
せ、
前記記憶処理では、前記画像ファイルに複数の前記関連情報を関連付けて記憶可能であり、
前記パス作成処理では、同一の前記画像ファイルに対して、前記仮想ディレクトリが異なる複数の前記ファイルパスを作成可能である、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像ファイルを、探索するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置において、記憶された画像ファイルを表示させるための機能として、ファイルブラウジングが知られている。特許文献1には、外部プログラムが提供するファイルブラウジングにより、ユーザに、所望の画像ファイルを表示させる情報処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、画像処理装置に画像ファイルを作成させるアプリケーションプログラムでは、このアプリケーションプログラムにより、作成された画像ファイルを表示させる機能を備えている。一方で、アプリケーションプログラムを介して作成された画像ファイルを、外部プログラムにより提供されるファイルブラウジングを利用して表示させる場合がある。この場合、外部プログラムにより提供されるファイルブラウジングでは、アプリケーションプログラムに特化した機能を備えておらず、アプリケーションプログラムにより表示される場合に比べて、使い勝手が悪い場合がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みたものであり、画像ファイルを外部プログラムにより提供される機能により表示させる場合に、ユーザの利便性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明では、入力インタフェースと、記憶部と、表示部と、を備える情報処理装置のコンピュータが読取り可能な制御プログラムに関する。情報処理装置の記憶部には、入力インタフェースを介した操作によりアクセス可能な、ディレクトリ、又は画像ファイルを表示部に表示させるブラウザプログラムが記憶されている。コンピュータは、制御プログラムを実行することで、画像処理装置により作成された画像データを示す画像ファイルを取得する取得処理と、取得した画像ファイルを、関連情報に関連づけて記憶する記憶処理と、画像ファイルに関するファイルパスであって、関連情報に基づく複数の仮想ディレクトリを要素とするファイルパスを作成するパス作成処理とを実行させる。複数の仮想ディレクトリは、それぞれ異なる階層に属し、ファイルパスは、最下層に属する仮想ディレクトリとして、画像ファイルの識別情報を含んでいる。ブラウザプログラムは、コンピュータに対して、最上位層に属する仮想ディレクトリを表示させ、表示された仮想ディレクトリから、ファイルパスに含まれる仮想ディレクトリを特定する操作を受付けると、最上位層の一つ下の階層である第1の階層に属する仮想ディレクトリを制御プログラムに要求させる。制御プログラムは、コンピュータに対して、要求された仮想ディレクトリを検索して、ブラウザプログラムに送信させる表示制御処理を実行させる。ブラウザプログラムは、コンピュータに対して、送信された仮想ディレクトリに応じて第1の階層に属する仮想ディレクトリを表示させる。
【0007】
上記構成では、情報処理装置のコンピュータは、画像処理装置により作成された画像ファイルと、関連情報とを関連づけて記憶部に記憶する。コンピュータは、記憶部に記憶された画像ファイルに関するファイルパスであって、関連情報に基づく名称の仮想ディレクトリを要素とするファイルパスを作成し、入力インタフェースを介した操作に応じて、パス作成処理により作成されたファイルパスに含まれる仮想ディレクトリを表示部に表示させる。このとき、コンピュータは、入力インタフェースを介して、仮想ディレクトリの名称に対する指定を受付けた場合に、ブラウザプログラムに、ファイルパスにおいて指定された仮想ディレクトリに含まれる仮想ディレクトリ、又は画像ファイルを表示させる。これにより、ブラウザプログラムは、画像ファイルの関連情報をディレクトリの名称とする階層的なファイルパスにより、仮想ディレクトリ又は画像ファイルを表示させることができるため、ユーザは、表示された仮想ディレクトリの名称をたどりながら、仮想ディレクトリ又は画像ファイルを表示させて、画像ファイルの探索を行うことができる。その結果、画像ファイルを外部プログラムにより提供されるファイルブラウジングを利用して表示させる場合に、ユーザの利便性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】画像ファイルと関連情報との関係を説明する図。
【
図3】関連情報の記憶及びファイルパスの作成の手順を説明するフローチャート。
【
図9】ブラウザ画面を表示する手順を説明するタイミングチャート。
【
図10】変形例で示すディレクトリ構造を説明する図。
【
図11】第2実施形態に係るディレクトリ構造を説明する図。
【
図12】ブラウザ画面を表示する手順を説明するタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
本実施形態係に係るスキャンシステムを、図面を参照しつつ説明する。
【0010】
図1に示すスキャンシステム100は、情報処理装置10と、MFP(Multifunction Peripheral/Printer/Product)30とを備えている。情報処理装置10と、MFP30とはネットワーク200に接続されている。本実施形態では、ネットワーク200は、インターネットであってもよいし、ローカルエリアネットワーク(LAN)であってもよいし、LANとインターネットとの組み合わせであってもよい。また、ネットワーク200は、有線の他、無線でもよいし有線と無線の組み合わせにより構成されていてもよい。具体的には、情報処理装置10とMFP30とは、ネットワークの一部を構成する不図示のルータとの間で無線により接続されている。本実施形態では、MFP30が画像処理装置の一例である。
【0011】
MFP30のハードウェア構成について説明する。MFP30は、バス31、通信インタフェース32、プリンタ部33、読取部34、FAX部35、操作部36、ディスプレイ37、コントローラ38及びメモリ39を備えている。MFP30を構成する各部は、バス31を介して通信可能に接続されている。以下では、インタフェースを単にIF(Interface)とも称す。
【0012】
通信IF32は、所定の通信プロトコルに準拠して、MFP30をネットワーク200に接続する。操作部36は、ユーザによる操作を受付けるための操作アイコンを表示し、操作アイコンが受付けた操作に応じた入力をコントローラ38に行うインタフェースである。コントローラ38は、プリンタ部33、読取部34、FAX部35、ディスプレイ37の各動作を制御する。
【0013】
プリンタ部33は、シートやディスクなどの被記録媒体に画像を印刷するプリント動作を実行する。具体的には、コントローラ38は、情報処理装置10から送信されたジョブデータを解析し、被記録媒体に対してインクを吐出することにより画像を印刷する。プリンタ部33の記録方式としては、記録媒体としてのインクを被記録媒体に吐出するインクジェット方式や、感光体にトナー像を形成し、形成されたトナー像を被記録媒体に転写する電子写真方式などを採用することができる。読取部34は、原稿に記録されている画像を読み取って画像ファイルFDを生成するスキャン動作を実行する。コントローラ38は、読取部34に、ADF(Auto Document Feeder)又は読取り台にセットされた原稿を読み取らせることで、画像ファイルFDを作成させ、作成された画像ファイルFDを、通信IF32を介して情報処理装置10に送信することができる。スキャン動作により作成された画像ファイルFDは、メモリ39に一時記憶される。FAX部35は、FAXプロトコルに準拠した方式で画像データを送受信する。また、MFP30は、複数の動作を組み合わせた複合動作を実行可能であってもよい。プリンタ部33によるプリント動作と、読取部34によるスキャン動作とを組み合わせたコピー動作は、複合動作の一例である。
【0014】
操作部36は、ユーザによる操作に応じた信号を、コントローラ38に送信する。コントローラ38は、CPUや、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により構成されており、MFP30を構成する各部を制御する。メモリ39は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリーが組み合わされて構成されており、コントローラ38が実行する各種プログラムを保存している。
【0015】
次に、情報処理装置10の構成について説明する。情報処理装置10は、スマートフォンやタブレット端末である。情報処理装置10は、バス11と、CPU(Central Processing Unit)12と、ディスプレイ13と、タッチパネル14と、通信インタフェース15と、メモリ16とを備えている。これらの構成要素は、バス11を介して互いに通信可能にされている。
【0016】
ディスプレイ13は、画面を表示する表示面を備えている。タッチパネル14は、タッチセンサを有し、ディスプレイ13の表示面を覆うように配置されている。タッチパネル14は、ユーザによるタッチ操作を検出し、検出に応じて電気信号を出力する。なお、本実施形態における「タッチ」とは、入力媒体を表示画面に接触させる操作全般を含む。具体的には、タッチした入力媒体を所定時間内にタッチパネル14から離間させるタップ操作をタッチの一例として説明するが、ロングタッチ操作、スライド操作、フリック操作、ピンチイン操作、ピンチアウト操作等であってもよい。また、入力媒体をタッチパネル14との間の距離がごく僅かな位置まで入力媒体を近接させることを、前述の「タッチ」の概念に含めてもよい。さらに入力媒体とは、ユーザの指であってもよいし、タッチペン等であってもよい。本実施形態では、タッチパネル14が入力インタフェースの一例である。情報処理装置10は、入力インタフェースとして、物理的に設けられた操作キーを有していてもよい。
【0017】
通信IF15は、例えば、IEEEの802.11の規格およびそれに準ずる規格に基づいて、Wi-Fi(R)(登録商標)方式の無線通信を行うことが可能とされている。また、通信IF15は、MFP30との間でBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信を行うものであってもよいし、基地局を介した移動通信システムを利用した無線通信を行うものであってもよい。
【0018】
CPU12は、メモリ16に記憶されたプログラムを実行することで、情報処理装置10の各部を制御する。メモリ16は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリーが組み合わされて構成されている。また、メモリ16は、コンピュータであるCPUが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。CPUが読み取り可能なストレージ媒体とは、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。本実施形態では、CPU12が、コンピュータの一例である。
【0019】
メモリ16には、OS20(Operating System)と、ブラウザプログラム21と、制御プログラム22と、が記憶されている。制御プログラム22は、例えば、MFP30のベンダーにより作成され、不図示のアプリ提供サーバから情報処理装置10にネットワーク200を介してインストールされる。以下では、プログラムを実行するCPU12のことを、単にプログラム名でも記載する場合がある。例えば、「制御プログラム22が」という記載は、「制御プログラム22を実行するCPU12が」ということを意味する場合がある。なお、ブラウザプログラム21及び制御プログラム22の機能には、OS20の機能を利用して実現するものも含む。
【0020】
なお、本実施形態では、主に、プログラムに記述された命令に従ったCPUの処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」等の処理は、CPUやコントローラの処理を表している。CPUによる処理は、OS20を介したハードウェア制御も含む。なお「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、制御プログラム22が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPUがデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能な形式で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。
【0021】
OS20は、制御プログラム22に対して、OS20が備える機能の利用、及びブラウザプログラム21との間の通信を可能にするAPI(Application Programming Interface)を備えている。OS20は、例えば、Android(登録商標)や、iOS(登録商標)を用いることができる。
【0022】
ブラウザプログラム21は、ユーザによるタッチ操作によりアクセス可能なディレクトリ及びファイルを表示する、所謂ファイルブラウザプログラムである。具体的には、OS20としてAndroid(登録商標)を用いる場合、ブラウザプログラムは、Documents Providerを用いることができる。また、OS20としてiOSを用いる場合、ブラウザプログラムは、File Provider Extensionを用いることができる。
【0023】
制御プログラム22は、通信IF15を介して接続可能なMFP30に対して、プリント動作、スキャン動作、FAX動作等を実行させるプログラムである。本実施形態では、MFP30に、プリント動作、スキャン動作、FAX動作を実行させる場合、ユーザは、ディスプレイ13に表示された起動アイコンをタッチ操作することにより、制御プログラム22が起動される。
【0024】
制御プログラム22は、MFP30のスキャン動作により生成された画像ファイルFDを、ディスプレイ13に表示する機能である『Scan結果表示』の機能を備えている。この機能では、スキャン動作に伴い、メモリ16に記憶された画像ファイルFDを、ファイル名や、作成日時とともにディスプレイ13に表示させることができる。言い換えると、情報処理装置10は、制御プログラム22の『Scan結果表示』の機能により、画像ファイルFDを表示させることも、ブラウザプログラム21のブラウジングにより画像ファイルFDを表示させることもできる。
【0025】
メモリ16には、MFP30から送信された画像ファイルFDと、この画像ファイルFDに関連付けられた関連情報RIとが記憶されている。関連情報RIは、画像ファイルFDに関係する項目を示す情報である。
図2では、関連情報RIには、『デバイス名』、『ラベル』、『作成日時』、『お気に入り設定』の各項目を含んでいる。『デバイス名』は、画像ファイルFDを作成したデバイスを示す情報であり、例えば、MFP30のデバイス名である『MFC1』が記録される。『ラベル』は、画像ファイルFDを識別する情報であり、本実施形態では、画像ファイルFDの名称である。『作成日時』は、画像ファイルFDが情報処理装置10により保存された日時を示す情報である。『お気に入り設定』は、ユーザが、画像ファイルFDをお気に入り設定に登録した場合に、お気に入り設定が登録されていることを示す情報である。
【0026】
制御プログラム22は、メモリ16に記憶された画像ファイルFDに対して、関連情報RIに含まれる各項目を仮想ディレクトリとするファイルパスを作成する。そして、制御プログラム22は、ブラウザプログラム21に対して、後述する
図5~
図8に示すように、作成されたファイルパスに含まれる仮想ディレクトリを名称とともにディスプレイ13に表示させることができる。これにより、ユーザは、ディスプレイ13に表示された仮想ディレクトリをタッチ操作することで、画像ファイルFDを検索することが可能となる。
【0027】
まずは、制御プログラム22が、画像ファイルFDに対して、関連情報RI及びファイルパスを作成する手順を、
図3を用いて説明する。
図3に示す各処理は、制御プログラム22により実行される処理であり、より具体的には、MFP30にスキャン動作を実行させる指示を、タッチパネル14を介して受付けた場合に、制御プログラム22により実行される処理である。
【0028】
ステップS10(以下、単に、S10と称す。)では、MFP30に対してスキャンジョブを指定する。スキャンジョブには、MFP30にスキャン動作を実行させる際の設定情報が含まれている。設定情報は、例えば、原稿の読取り方式(両面,片面)、原稿の読取範囲(A4,A3)、解像度、カラー設定(カラー,モノクロ)を設定する情報である。MFP30のコントローラ38は、ネットワーク200を介して、情報処理装置10から送信されたスキャンジョブを受信すると、スキャンジョブに含まれる設定に従い、スキャン動作を開始する。コントローラ38は、スキャン動作により生成された画像ファイルFDを、ネットワーク200を介して情報処理装置10に送信する。
【0029】
S11では、MFP30から送信された画像ファイルFDを取得する。S12では、タッチパネル14を介して、ユーザからの画像ファイルFDの保存指示を受付けたか否かを判断する。ユーザによる保存指示を受付けない場合、S12を否定判定し、
図3の処理を一旦終了する。この場合、画像ファイルFDは保存されないため、関連情報RIも作成されない。一方、ユーザからの画像ファイルFDの保存指示を受付けると、S12を肯定判定し、S13に進む。
【0030】
S13では、画像ファイルFDの保存とともに、この画像ファイルFDに関連付けて、関連情報RIに含まれる、『デバイス名』、『ラベル』、『作成日時』の各項目を記憶する。具体的には、デバイス名として、MFP30のデバイス名である『MFC1』を記憶する。ラベルとして、画像ファイルの保存時にユーザにより指定された保存名称を記憶する。作成日時として、画像ファイルを保存した日時を記憶する。
【0031】
S14では、タッチパネル14を介して、ユーザからのお気に入り設定への登録指示を受付けたか否かを判断する。お気に入り設定への登録指示を受付けない場合、S16に進む。この場合、関連情報RIには、お気に入り設定が有ることを示す項目が記憶されない。一方、お気に入り設定の登録指示を受付けた場合、S15に進み、関連情報RIに、お気に入り設定が有ることを記録する。
【0032】
S16では、S13及びS15で作成した関連情報RIを用いて、保存対象となる画像ファイルFDに対するファイルパスを作成する。ファイルパスは、メモリ16内における画像ファイルFDの所在を仮想的に示す情報であり、複数の仮想ディレクトリを要素とする。S16の処理を終了すると、
図3の処理を一旦終了する。なお、S16の処理の詳細は、後述する。
図3において、CPU12により実行される、S10,S11の処理が取得処理の一例であり、S13,S15の処理が記憶処理の一例であり、S16の処理が、パス作成処理の一例である。
【0033】
図4は、制御プログラム22がS16で作成するファイルパスの一例を説明する図である。
図4では、メモリ16に記憶された全ての画像ファイルにおけるファイルパスを含むディレクトリ構造を示している。例えば、ディレクトリ構造のうち、破線で囲むものが、画像ファイルFD(ScanJob1_1)に対して作成されたファイルパスである。
図4に示すディレクトリ構造では、ルートディレクトリDrを頂点として、第1ディレクトリD1、第2ディレクトリD2、ファイルディレクトリD3から構成される多層的なツリー構造となっている。以下では、同じ階層に属するディレクトリ及び画像ファイルを区別する場合、符号の末尾にアルファベット『a,b,c…』を付して区別する。
【0034】
制御プログラム22は、S16で作成するファイルパスにおいて、ルートディレクトリDrに、制御プログラム22により提供される機能名をディレクトリ名として設定する。本実施形態では、制御プログラム22は、ルートディレクトリDrに対して、ディスプレイ13に画像ファイルを表示させる『Scan結果表示』の機能名に対応する『Scan結果』をディレクトリ名として設定する。
【0035】
制御プログラム22は、S16で作成するファイルパスにおいて、ルートディレクトリDrの1つ下の階層である第1ディレクトリD1に、画像ファイルFDを作成したデバイスのデバイス名をディレクトリ名として設定する。具体的には、制御プログラム22は、第1ディレクトリD1に対して、関連情報RIに含まれるデバイス名をディレクトリ名として設定する。
図4では、関連情報RIに含まれるデバイス名である『MFC1』、『MFC2』をディレクトリ名とする第1ディレクトリD1a,D1bが作成されている。
【0036】
制御プログラム22は、S16で作成するファイルパスにおいて、第1ディレクトリD1の1つ下の階層である第2ディレクトリD2に、画像ファイルFDのジョブ名称をディレクトリ名として設定する。具体的には、制御プログラム22は、第2ディレクトリD2に対して、画像ファイルFDの関連情報RIに含まれるタグに作成日時を加えたジョブ名称を、ディレクトリ名に設定する。
図4では、ジョブ名称である『ScanJob1_20200122』、『ScanJob3_20200211』、『ScanJob2_20200122』をディレクトリ名とする第2ディレクトリD2a,D2b,D2cが作成されている。これにより、同じ画像処理装置により作成され、かつ作成日時が同じ画像ファイルFDは、同じ第2ディレクトリD2に属するため、ユーザは、一意な情報である作成日時により第2ディレクトリD2を識別することができる。
【0037】
制御プログラム22は、S16で作成するファイルパスにおいて、第2ディレクトリD2の1つ下の階層であるファイルディレクトリD3に、画像ファイルFDのファイル名をディレクトリ名として設定する。具体的には、制御プログラム22は、ファイルディレクトリD3に対して、画像ファイルFDの関連情報RIに含まれるタグに連番を加えた名称を、ファイル名に設定する。
図4では、ファイル名である『ScanJob1_1』、『ScanJob1_2』、『ScanJob1_3』をディレクトリ名とするファイルディレクトリD3a,D3b,D3cが作成されている。これにより、ユーザは、一意な情報である連番によりファイルディレクトリD3を識別することができる。
【0038】
次に、
図5~
図7を用いて、ブラウザプログラム21が、制御プログラム22により作成されたファイルパスに従って、ディレクトリをディスプレイ13に表示するブラウザ画面を説明する。
図5に表示されるブラウザ画面は、ディスプレイ13上で、ブラウザプログラム21を起動させるアイコンが操作されたことを契機に、ブラウザプログラム21により表示される画面である。
【0039】
図5に示すブラウザ画面40は、検索ボックス41と、指定領域43とを含んでいる。例えば、ユーザが、ドロップダウンアイコン42をタッチ操作することで、ブラウザ画面40内に指定領域43がドロップダウン表示される。指定領域43には、画像ファイルFDが管理されるアプリケーションの指定を受付けるルートディレクトリ画像44,45,46がその名称とともに表示されている。
【0040】
ルートディレクトリ画像44,45は、不図示のクラウドサーバ上で管理される画像ファイルFDを表示させる場合に、ユーザによるタッチ操作を受付けるアイコンである。具体的には、ユーザがルートディレクトリ画像44をタッチ操作した場合、ブラウザプログラム21は、OS20のAPIにより、不図示のアプリケーションプログラムとの間で通信を開始する。アプリケーションプログラムは、クラウドサーバとの間で通信IF15を介した通信を行い、クラウドサーバから、このクラウドサーバにより管理される画像ファイルのサムネイル画像を取得し、ブラウザプログラム21に送信する。そして、ブラウザプログラム21は、取得したサムネイル画像をディスプレイ13に一覧表示する。なお、ルートディレクトリ画像45についても、ルートディレクトリ画像44と同様であるため、説明を省略する。
【0041】
ルートディレクトリ画像46は、制御プログラム22の『Scan結果表示』機能によりメモリ16上で管理される画像ファイルFDを表示する場合に、ユーザによるタッチ操作を受付けるアイコンである。
図5では、指定領域43において、ルートディレクトリ画像46の近くには、デバイス内(即ち、メモリ16上)で管理される画像ファイルFDを表示することを示すテキスト47が表示されている。ルートディレクトリ画像46は、
図4で示したディレクトリ構造において、ルートディレクトリDrに対応するアイコンである。そのため、ユーザがルートディレクトリ画像46をタッチ操作した場合、ブラウザプログラム21は、制御プログラム22による指示に従い、
図4で示したルートディレクトリDrの1つ下の階層に属する第1ディレクトリD1をディスプレイ13に表示する。
【0042】
図6は、
図5のブラウザ画面40において、ルートディレクトリ画像46がタッチ操作されたことを契機に、ブラウザプログラム21により、ディスプレイ13に表示される画面である。ブラウザ画面50には、ユーザにより指定されたルートディレクトリDrのディレクトリ名を示すディレクトリ表示領域51と、指定されたルートディレクトリDrの1つ下の階層に属する第1ディレクトリD1の指定を受付ける第1ディレクトリ画像52,53とを含んでいる。
図6では、ディレクトリ表示領域51には、ユーザにより指定されたルートディレクトリDrのディレクトリ名である『Scan結果』が表示されている。第1ディレクトリ画像52,53は、
図4に示したディレクトリ構造において、第1ディレクトリD1a,D1bに対応している。具体的には、第1ディレクトリ画像52,53には、
図4に示したディレクトリ構造において、対応する第1ディレクトリD1a,D1bのディレクトリ名である『MFC1』,『MFC2』がそれぞれ表示さている。
【0043】
ユーザが第1ディレクトリ画像52,53のいずれかをタッチ操作したことを契機に、ブラウザプログラム21は、ユーザにより指定された第1ディレクトリD1の1つ下の階層に属する第2ディレクトリD2の指定を受付けるためのブラウザ画面をディスプレイ13に表示させる。
【0044】
図7は、
図6のブラウザ画面50において、第1ディレクトリ画像52がタッチ操作されたことを契機に、ブラウザプログラム21によりディスプレイ13に表示されるブラウザ画面である。ブラウザ画面60には、ユーザにより指定された第1ディレクトリD1のディレクトリ名称(デバイス名)を示すディレクトリ表示領域61と、第1ディレクトリD1の1つ下の階層に属する第2ディレクトリD2の指定を受付ける第2ディレクトリ画像62,63とを含んでいる。
図7では、ディレクトリ表示領域61には、ユーザにより指定された第1ディレクトリのディレクトリ名称(MFC1)が表示されている。第2ディレクトリ画像62,63は、
図4に示すディレクトリ構造において第1ディレクトリD1aに属する第2ディレクトリD2に対応しており、各第2ディレクトリ画像62,63には、対応する第2ディレクトリD2のディレクトリ名であるジョブ名称が表示されている。具体的には、第2ディレクトリ画像62,63には、
図4に示したディレクトリ構造において、対応する第2ディレクトリD2のディレクトリ名称である『ScanJob1_20200122』,『ScanJob2_20200211』がそれぞれ表示さている。
【0045】
ユーザが第2ディレクトリ画像62,63のいずれかをタッチ操作したことを契機に、ブラウザプログラム21は、ユーザにより指定された第2ディレクトリD2の1つ下の階層に属するファイルディレクトリD3の指定を受付けるためのブラウザ画面をディスプレイ13に表示させる。
【0046】
図8は、
図7のブラウザ画面60において、第2ディレクトリ画像62がタッチ操作されたことを契機に、ブラウザプログラム21によりディスプレイ13に表示される画面である。ブラウザ画面70には、ユーザにより指定された第2ディレクトリD2のディレクトリ名称(ScanJob1_20200122)を示すディレクトリ表示領域71と、指定された第2ディレクトリD2の1つ下の階層に属するファイルディレクトリD3の指定を受付けるファイルディレクトリ画像72,73,74とを含んでいる。
図8では、ディレクトリ表示領域71には、ユーザにより指定された第2ディレクトリのディレクトリ名称『ScanJob1_20200122』が表示されている。ファイルディレクトリ画像72~74それぞれには、
図4に示すディレクトリ構造において、ユーザに指定された第2ディレクトリに属するファイルディレクトリD3に対応しており、各ファイルディレクトリ画像72~74には、対応するファイルディレクトリD3のファイル名が表示されている。具体的には、ファイルディレクトリ画像72~74には、『ScanJob1_1』,『ScanJob1_2』,『ScanJob1_3』がそれぞれ表示さている。
【0047】
ユーザがファイルディレクトリ画像72~74のいずれかをタッチ操作したことを契機に、ブラウザプログラム21は、ユーザにより指定されたファイルディレクトリD3に対応する画像ファイルをディスプレイ13に表示させる。
【0048】
次に、
図9を用いて、上述した各ブラウザ画面40~70を表示する手順を説明する。
図9に示す各処理は、CPU12が、ブラウザプログラム21と、制御プログラム22とを実行することにより行われる。
図9において、制御プログラム22により実行される各処理が、表示制御処理の一例である。
【0049】
S20では、ブラウザプログラム21は、ブラウザ画面40を表示し、ユーザによるルートディレクトリDrの指定操作を受付ける。ユーザによるルートディレクトリ画像46のタッチ操作を受付けると、S21では、ブラウザプログラム21は、制御プログラム22を宛先として、タッチ操作に伴い指定されたルートディレクトリDrに含まれる項目をOS20に要求する。S22では、OS20は、ブラウザプログラム21からの要求を受信すると、制御プログラム22に対して、ルートディレクトリDrに含まれる項目を要求する。
【0050】
S23では、制御プログラム22は、OS20からの要求を受信すると、ルートディレクトリDrの1つ下の階層に属する第1ディレクトリD1のディレクトリ名を検索する。本実施形態では、制御プログラム22は、ディレクトリ構造上で、各ディレクトリD1~D3と、設定された名称(デバイス名)との関係を定めるテーブルをメモリ16に記憶している。そのため、テーブルを参照することで、ディレクトリ名を検索する。
【0051】
S24では、制御プログラム22は、S23で検索した第1ディレクトリD1の名称であるデバイス名の一覧を、OS20に返信する。S25では、OS20は、制御プログラム22から第1ディレクトリD1のディレクトリ名として設定されているデバイス名の一覧を受信すると、ブラウザプログラム21に、受信したデバイス名の一覧を送信する。S26では、ブラウザプログラム21は、OS20からデバイス名の一覧を受信すると、受信したデバイス名を、第1ディレクトリ画像52,53の名称とするブラウザ画面50を表示する(
図6)。
【0052】
ユーザによる第1ディレクトリ画像に対するタッチ操作により、第1ディレクトリD1の指定を受付けると、S27では、ブラウザプログラム21は、制御プログラム22を宛先として、指定された第1ディレクトリD1に含まれる項目をOS20に要求する。S28では、OS20は、ブラウザプログラム21からの要求を受信すると、制御プログラム22に対して、指定された第1ディレクトリD1に含まれる項目を要求する。
【0053】
S29では、制御プログラム22は、OS20からの要求を受信すると、指定された第1ディレクトリD1の1つ下の階層に属する第2ディレクトリD2のディレクトリ名(ジョブ名称)を検索する。S29においても、制御プログラム22は、S23と同様、テーブルを参照して第2ディレクトリD2のディレクトリ名を検索する。
【0054】
S30では、制御プログラム22は、S29で検索したジョブ名称の一覧を、第2ディレクトリの名称として返信する。S31では、OS20は、制御プログラム22からジョブ名称の一覧を受信すると、ブラウザプログラム21に、受信したジョブ名称の一覧を送信する。S32では、ブラウザプログラム21は、OS20からジョブ名称の一覧を受信すると、受信したジョブ名称をディレクトリ名とする第2ディレクトリ画像62,63を含むブラウザ画面60(
図7)を表示する。
【0055】
ユーザによる第2ディレクトリ画像62,63いずれかのタッチ操作により、第2ディレクトリD2の指定を受付けると、S33では、ブラウザプログラム21は、制御プログラム22を宛先として、指定された第2ディレクトリD2に含まれる項目をOS20に要求する。S34では、OS20は、ブラウザプログラム21からの要求を受信すると、制御プログラム22に対して、指定された第2ディレクトリD2に含まれる項目を要求する。S35では、制御プログラム22は、OS20からの要求を受信すると、指定された第2ディレクトリD2に含まれるファイルディレクトリD3のディレクトリ名(ファイル名)を検索する。S35においても、制御プログラム22は、S23と同様、テーブルを参照してファイルディレクトリD3のディレクトリ名を検索する。
【0056】
S36では、制御プログラム22は、S35で検索したファイル名の一覧を、返信する。S37では、OS20は、制御プログラム22からファイル名の一覧を受信すると、ブラウザプログラム21に、受信したファイル名の一覧を送信する。S38では、ブラウザプログラム21は、OS20からファイル名の一覧を受信すると、受信したファイル名を、ファイルディレクトリ画像72~74の名称とするブラウザ画面70(
図8)を表示する。
【0057】
ブラウザ画面70上で、ユーザによるファイルディレクトリ画像のタッチ操作により、ファイルディレクトリD3(即ち、画像ファイルFD)の指定を受付けると、S39では、ブラウザプログラム21は、制御プログラム22を宛先として、指定された画像ファイルFDをOS20に要求する。S40では、OS20は、ブラウザプログラム21からの要求を受信すると、制御プログラム22に対して、指定された画像ファイルFDを要求する。S41では、制御プログラム22は、OS20からの要求を受信すると、指定された画像ファイルFDをメモリ16から検索する。
【0058】
S42では、制御プログラム22は、S41で検索した画像ファイルFDを、OS20に返信する。S43では、OS20は、制御プログラム22から画像ファイルFDを受信すると、ブラウザプログラム21に、受信した画像ファイルFDを送信する。S44では、ブラウザプログラム21は、OS20から画像ファイルFDを受信すると、受信した画像ファイルFDを用いて、スキャン結果を示すプレビュー画面を表示する。
【0059】
以上説明した本実施形態では、以下の効果を奏することができる。
CPU12は、メモリ16に記憶された画像ファイルFDに関するファイルパスであって、関連情報RIに基づく名称の仮想ディレクトリを要素とするファイルパスを作成し、タッチパネル14を介した操作に応じて、ブラウザプログラム21に、作成されたファイルパスに含まれる仮想ディレクトリをディスプレイ13に表示させる。このとき、CPU12は、タッチパネル14を介して、仮想ディレクトリに対する指定を受付けた場合に、ブラウザプログラム21に、ファイルパスにおいて指定された仮想ディレクトリに含まれる仮想ディレクトリ、又は画像ファイルを表示させる。これにより、ブラウザプログラム21は、画像ファイルFDの関連情報RIをディレクトリ名とする階層的なファイルパスに従って画像ファイルを表示させることができるため、ユーザは、表示された仮想ディレクトリの名称をたどりながら、仮想ディレクトリ又は画像ファイルFDを表示させて、画像ファイルの探索を行うことができる。その結果、画像ファイルをブラウザプログラム21により提供されるファイルブラウジングを利用して表示させる場合に、ユーザの利便性の低下を抑制することができる。
【0060】
・CPU12は、関連情報RIの項目を名称に含む仮想ディレクトリを要素とするファイルパスを作成する。これにより、ディスプレイ13に表示される仮想ディレクトリの名称に関連情報が含まれるため、ユーザは、仮想ディレクトリと画像ファイルとの関係性を想像し易くなり、ユーザに画像ファイルを検索させ易くすることができる。
【0061】
・ブラウザプログラム21は、タッチパネル14を介した操作により仮想ディレクトリの指定を受付けた場合に、指定された仮想ディレクトリに含まれる項目を制御プログラム22に要求し、制御プログラム22は、ブラウザプログラム21から、指定された仮想ディレクトリに含まれる項目の要求を受けた場合に、ファイルパス上で、指定された仮想ディレクトリの1つ下の階層に属する仮想ディレクトリの名称、又は画像ファイルの名称をブラウザプログラム21に返信する。これにより、ユーザは、ファイルパスの要素である仮想ディレクトリを逐次たどりながら、画像ファイルを探索することができる。
【0062】
・制御プログラム22は、仮想ディレクトリの名称として、一意な情報である日付や連番を含んだ名称を作成する。これにより、仮想ディレクトリは関連情報とともに一意な情報を含む名称となるため、ユーザは、同じ階層に属する仮想ディレクトリを区別し易くなる。その結果、ユーザは仮想ディレクトリをたどることで、画像ファイルにアクセスし易くなる。
【0063】
・制御プログラム22は、画像ファイルFDに対して、MFP30を識別する情報であるデバイス名を関連情報RIとして記憶し、MFP30のデバイス名に基づく名称をディレクトリ名とする第1ディレクトリD1とするファイルパスを作成する。これにより、ユーザは、MFP30を識別する情報に基づくディレクトリ名の第1ディレクトリD1をたどりながら、画像ファイルFDの探索を行うことができるため、画像ファイルFDにアクセスし易くなる。
【0064】
(第1実施形態の変形例)
制御プログラム22が作成するファイルパスは、
図4に示す構造に限定されず、また、同一の画像ファイルFDに対して複数のファイルパスを作成するものであってもよい。
図10は、変形例としてのファイルパスを説明する図である。
【0065】
図10に示すブラウザ構造は、ルートディレクトリDrを頂点として、第1ディレクトリD11、ファイルディレクトリD13から構成される多層的なツリー構造となっている。本実施形態では、制御プログラム22は、
図3のS16で、
図4に示すディレクトリ構造に含まれるファイルパスに加えて、
図10に示すディレクトリ構造に含まれるファイルパスを作成する。第1実施形態同様、ルートディレクトリDrは、制御プログラム22により提供される『Scan結果表示』の機能名をディレクトリ名としている。
【0066】
ルートディレクトリDrの1つ下の階層である第1ディレクトリD11aは、関連情報RIに含まれる『お気に入り設定』の有無を、ディレクトリ名としている。即ち、
図10では、第1ディレクトリD11aの1つ下の階層には、関連情報RIにおいてお気に入り設定に登録されている画像ファイルFDのファイルディレクトリD3が含まれている。具体的には、第1ディレクトリD11aの1つ下の階層に属するファイルディレクトリD13a,13b,13cである『ScanJob1_1』、『ScanJob1_2』、『ScanJob2_1』のいずれも、ユーザによりお気に入り設定に登録された画像ファイルFDに対応するファイルディレクトリである。ここで、ファイルディレクトリ『ScanJob1_1』、『ScanJob1_2』は、
図4に示すディレクトリ構造において、第2ディレクトリD2aの1つ下の階層に属するファイルディレクトリであるとともに、
図10に示すディレクトリ構造において、第1ディレクトリD11aの1つ下の階層に属する画像ファイルでもある。そのため、ファイルディレクトリD13aは、
図4,
図10に示されるいずれのファイルパスをたどっても検索することができる。
【0067】
本実施形態では、関連情報RIに含まれるお気に入り設定の有無が、カテゴリ情報の一例である。なお、カテゴリ情報は、画像ファイルFDをカテゴリ分けできる項目であればよく、例えば、特定ユーザにのみ画像ファイルFDの閲覧を公開することを示す項目や、認証の成功等、の条件が成立した場合に画像ファイルFDの閲覧を公開することを示す項目であってもよい。
【0068】
本実施形態では、
図9のS26では、ブラウザプログラム21は、『お気に入り設定』を名称とする第1ディレクトリD11の指定を受付ける第1ディレクトリ画像を表示させる。そして、ユーザが、『お気に入り設定』を名称とする第1ディレクトリ画像をタッチ操作した場合、ブラウザプログラム21は、『ScanJob1_1』、『ScanJob1_2』、『ScanJob2_1』をブラウザ名称とするファイルディレクトリ画像を含むブラウザ画面を表示させる。
【0069】
以上説明した本実施形態では、CPU12は、画像ファイルFDに複数の関連情報RIを関連付けて記憶可能であり、同一の画像ファイルFDに対して、仮想ディレクトリが異なる複数のファイルパスを作成可能である。これにより、同一の画像ファイルに対して、要素となる仮想ディレクトリの異なる複数のファイルパスが作成さるため、ユーザは、様々な関連情報の経路から画像ファイルを探索することができる。
【0070】
・制御プログラム22は、タッチパネル14を介して受け付けた操作に応じて、画像ファイルに対して、お気に入り設定に登録されたことを示す情報を関連情報RIとして記憶させ、お気に入り設定を名称とする仮想ディレクトリを要素とするファイルパスを作成する。これにより、画像ファイルFDに対して指定されるカテゴリ情報の有無により、ブラウザプログラム21により検索される画像ファイルを異ならせることができる。その結果、画像ファイルに対する検索範囲をユーザの好みに合わせて柔軟に変更することができる。
【0071】
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態と異なる構成を主に説明を行う。第1実施形態と同一の箇所には、同じ符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0072】
第1実施形態では、関連情報RIに含まれる項目を、仮想ディレクトリのディレクトリ名に用いた。これに代えて、本実施形態では、画像ファイルFDが作成された期間を示す名称を、仮想ディレクトリのディレクトリ名に用いる。
図11は、本実施形態に係るディレクトリ構造を説明する図である。
【0073】
図11に示すディレクトリ構造では、ルートディレクトリDrと、第1ディレクトリD21と、ファイルディレクトリD23とにより構成される多層的なツリー構造となっている。ルートディレクトリDrの1つ下の階層である第1ディレクトリD21aは、ディレクトリ名として『直近』が設定されている。第1ディレクトリD21aの1つ下の階層に属するファイルディレクトリD23に対応する画像ファイルFDのいずれも、現在から所定期間前にMFP30により作成された画像ファイルFDである。本実施形態では、各画像ファイルFDは、現在から1週間前の期間において、MFP30により作成されたファイルである。このため、ファイルディレクトリD23に属する画像ファイルFDにおける関連情報RIの作成日時は、現在から1週間前の期間内の日時が記憶されている。なお、第1ディレクトリD21bは、ディレクトリ名に『お気に入り』が設定されている。
【0074】
本実施形態では、現在から1週間前の期間内に作成されたことを示す作成日時を第1ディレクトリD21aに属する画像ファイルFDとしたが、これに限定されない。例えば、
図3のS16において、ユーザによる操作に応じて、その期間の長さを設定するものであってもよい。また、第1ディレクトリD21aのディレクトリ名は、『直近』に限定されず、画像ファイルFDが作成された日時を間接的に示す名称であればどのような名称であってもよい。
【0075】
次に、
図12を用いて、ブラウザプログラム21により、各ブラウザ画面が表示される手順を説明する。
図12に示す各処理は、CPU12が、ブラウザプログラム21と、制御プログラム22とを実行することにより行われる。
【0076】
ユーザによるルートディレクトリ画像46のタッチ操作を受付けると、S51では、ブラウザプログラム21は、制御プログラム22を宛先として、ルートディレクトリDrに含まれる項目をOS20に要求する。S52では、OS20は、ブラウザプログラム21からの要求を受信すると、制御プログラム22に対して、ルートディレクトリDrに含まれる項目を要求する。S53では、制御プログラム22は、OS20からの要求を受信すると、ルートディレクトリDrの1つ下の階層に属する第1ディレクトリD1のディレクトリ名を検索する。本実施形態では、検索結果は、
図11に示した『直近』及び『お気に入り設定』のディレクトリ名となる。
【0077】
S54では、制御プログラム22は、S23で検索した第1ディレクトリD1のディレクトリ名の一覧を、返信する。本実施形態では、『直近』及び『お気に入り設定』のディレクトリ名を返信する。S55では、OS20は、制御プログラム22から第1ディレクトリD1のディレクトリ名一覧を受信すると、ブラウザプログラム21に、受信したディレクトリ名一覧を送信する。
【0078】
S56では、ブラウザプログラム21は、OS20からディレクトリ名一覧を受信すると、受信したディレクトリ名を、第1ディレクトリ画像52,53の名称とするブラウザ画面50を表示する。ブラウザ画面50上で、ユーザにより、『直近』の名称が付された第1ディレクトリD1の指定を受付けると、S57では、ブラウザプログラム21は、制御プログラム22を宛先として、指定された第1ディレクトリD21(『直近』)に含まれる項目をOS20に要求する。S58では、OS20は、ブラウザプログラム21からの要求を受信すると、制御プログラム22に対して、指定された第1ディレクトリD21(『直近』)に含まれる項目を要求する。
【0079】
S59では、制御プログラム22は、OS20からの要求を受信すると、作成日時が現在から1週間前までの期間である画像ファイルFDを検索する。具体的には、制御プログラム22は、メモリ16に記憶されている画像ファイルFDに対して、関連情報RIの作成日時を参照することで、作成日時が現在から1週間前までの期間である画像ファイルFDを検索する。
【0080】
S60では、制御プログラム22は、S59で検索した画像ファイルFDのファイル名の一覧を、返信する。S61では、OS20は、制御プログラム22からファイル名の一覧を受信すると、ブラウザプログラム21に、受信したファイル名の一覧を送信する。S62では、ブラウザプログラム21は、OS20からファイル名一覧を受信すると、受信したファイル名を名称とするファイルディレクトリ画像を含むブラウザ画面を表示する。
図11の例では、ブラウザ画面には、『ScanJob3_1』、『ScanJob3_2』、『ScanJob3_1』をディレクトリ名とするファイルディレクトリ画像が表示される。
【0081】
ブラウザ画面70上で、ユーザによるファイルディレクトリ画像の指定により、画像ファイルFDの指定を受付けると、S63では、ブラウザプログラム21は、制御プログラム22を宛先として、指定された画像ファイルFDをOS20に要求する。以下、S64~S67の処理は、
図9のS40~S43の処理と同様であるため説明を省略する。S68では、ブラウザプログラム21は、OS20から画像ファイルFDを受信すると、受信した画像ファイルFDを用いて、スキャン結果を示すプレビュー画面を表示する。
【0082】
以上説明した本実施形態では、制御プログラム22は、タッチパネル14を介した操作に応じて、直近の名称の仮想ディレクトリが指定された場合に、関連情報RIに記憶された作成日時が現在から所定期間だけ過去の日時を示す画像ファイルFDを表示させる。これにより、ユーザは、作成日時を示すキーワードを用いて、現在から所定期間内に作成された画像ファイルFDを、探索することができるため、ユーザが画像ファイルFDを検索する際の利便性を高めることができる。
また、本実施形態では、以下の構成を開始している。入力インタフェースと、記憶部と、表示部と、を備える情報処理装置のコンピュータが読取り可能な制御プログラムであって、前記記憶部には、前記入力インタフェースを介した操作によりアクセス可能な、ディレクトリ、又は画像ファイルを前記表示部に表示させるブラウザプログラムが記憶されている。制御プログラムは、前記コンピュータに、画像処理装置により作成された画像データを示す画像ファイルを取得する取得処理と、取得した前記画像ファイルを、関連情報に関連づけて記憶する記憶処理と、前記画像ファイルに関するファイルパスであって、前記関連情報に基づく名称の仮想ディレクトリを要素とするファイルパスを作成するパス作成処理と、前記ブラウザプログラムに、前記仮想ディレクトリを名称とともに前記表示部に表示させ、前記入力インタフェースを介した操作により前記仮想ディレクトリが指定された場合に、前記ブラウザプログラムに、前記ファイルパスにおいて、前記指定された仮想ディレクトリに含まれる前記仮想ディレクトリ、又は前記画像ファイルを表示させる表示制御処理と、を実行させる。
【0083】
(その他の実施形態)
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
・仮想ディレクトリのディレクトリ名は、関連情報RIに基づく名称であればよく、上述した、画像ファイルFDをカテゴリ分けする情報や、作成日を間接的に示す情報以外の、関連情報RIを間接的に示す情報であってもよい。
【0084】
・制御プログラム22により作成されるファイルパスの階層数は、上述した各実施形態に示したものに限定されず、ルートディレクトリを含めて2階層以上であれば、何階層であってもよい。
【0085】
・上述した各実施形態では、情報処理装置10は、画像ファイルFDをメモリ16上で管理したが、これに代えて、画像ファイルFDをネットワーク200に接続されたサーバ上で管理してもよい。
【0086】
・上述した各実施形態では、画像処理装置としてMFP30を例に説明を行ったが、これに代えて、画像処理装置は、画像ファイルFDを作成し、作成した画像ファイルFDを、ネットワーク200を介して送信できる装置であればよく、例えば、プリンタ部33を備えないスキャナ装置であってもよい。
【符号の説明】
【0087】
10…情報処理装置、12…CPU、13…ディスプレイ、14…タッチパネル、21…ブラウザプログラム、22…制御プログラム、30…MFP、RI…関連情報