(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】回路構成体
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20240730BHJP
H05K 1/14 20060101ALI20240730BHJP
H05K 7/06 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H05K1/02 N
H05K1/02 A
H05K1/14 E
H05K7/06 C
(21)【出願番号】P 2020114250
(22)【出願日】2020-07-01
【審査請求日】2022-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100103229
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】原口 章
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110446333(CN,A)
【文献】特開2016-025228(JP,A)
【文献】国際公開第2014/038066(WO,A1)
【文献】特開2020-022273(JP,A)
【文献】特開2017-112196(JP,A)
【文献】特開2019-053851(JP,A)
【文献】国際公開第2015/033541(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 1/14
H05K 3/20
H05K 7/06
H02G 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1バスバーと、
第2バスバーと、
前記第1バスバー及び前記第2バスバーの間に位置する絶縁部分を含む絶縁部材と、
前記第1バスバーの一方の主面、前記第2バスバーの一方の主面及び前記絶縁部分の上に設けられた第1配線基板と、
前記第1配線基板上に設けられた第1電子部品と
、
前記第1バスバーの他方の主面、前記第2バスバーの他方の主面及び前記絶縁部分の上に設けられた第2配線基板と、
前記第2配線基板上に設けられた第2電子部品と
を備え、
前記第1電子部品は、
前記第1バスバーに電気的に接続され、前記第1配線基板に接合された第1接続端子と、
前記第2バスバーに電気的に接続され、前記第1配線基板に接合された第2接続端子と
を有
し、
前記第2電子部品は、
前記第1バスバーに電気的に接続され、前記第2配線基板に接合された第3接続端子と、
前記第2バスバーに電気的に接続され、前記第2配線基板に接合された第4接続端子と
を有する、回路構成体。
【請求項2】
請求項1に記載の回路構成体であって、
前記第1配線基板は、第1貫通孔を有し、
前記第1バスバーから前記第1貫通孔内に突出する導電性の第1突起部を備え、
前記第1接続端子は、前記第1貫通孔内の前記第1突起部と電気的に接続されている、回路構成体。
【請求項3】
請求項2に記載の回路構成体であって、
前記第1突起部は前記第1バスバーの一部で構成されている、回路構成体。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の回路構成体であって、
前記第1接続端子は前記第1突起部に接合されている、回路構成体。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回路構成体であって、
前記第1配線基板は、第2貫通孔を有し、
前記第2バスバーから前記第2貫通孔内に突出する導電性の第2突起部を備え、
前記第2接続端子は、前記第2貫通孔内の前記第2突起部と電気的に接続されている、回路構成体。
【請求項6】
請求項5に記載の回路構成体であって、
前記第1配線基板は、
前記第2接続端子が接合されたランドと、
前記ランドから拡張され、前記第2貫通孔の周囲に位置する導電性の拡張領域と
を有し、
前記第2貫通孔内の前記第2突起部の端面と前記拡張領域とに接合された導電片をさらに備える、回路構成体。
【請求項7】
請求項
1から請求項6のいずれか1項に記載の回路構成体であって、
前記第1バスバーの前記他方の主面上において、前記第2配線基板が設けられた領域を避けて設けられた放熱部材をさらに備える、回路構成体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回路構成体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子部品が搭載された放熱基板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のバスバーの間に絶縁部材が配置され、電子部品が当該絶縁部材を跨ぐように当該複数のバスバーの上に設けられることがある。そして、電子部品の接続端子がバスバーに接合されることがある。一方で、バスバーの線膨張係数は、樹脂等の絶縁部材の線膨張係数と異なることがある。このため、周囲温度の変化に応じてバスバー及び絶縁部材が変形する場合、電子部品の接続端子とバスバーとの接合部分に熱応力が発生し、当該接合部分にクラックが入る可能性がある。その結果、当該接合部分の信頼性が低下する可能性がある。電子部品のパッケージがリードレス型である場合、この問題はさらに顕著になる。
【0005】
そこで、電子部品の接続端子の接合部分の信頼性を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の回路構成体は、第1バスバーと、第2バスバーと、前記第1バスバー及び前記第2バスバーの間に位置する絶縁部分を含む絶縁部材と、前記第1バスバーの一方の主面、前記第2バスバーの一方の主面及び前記絶縁部分の上に設けられた第1配線基板と、前記第1配線基板上に設けられた第1電子部品とを備え、前記第1電子部品は、前記第1バスバーに電気的に接続され、前記第1配線基板に接合された第1接続端子と、前記第2バスバーに電気的に接続され、前記第1配線基板に接合された第2接続端子とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電子部品の接続端子の接合部分の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は回路構成体の一例を示す概略斜視図である。
【
図2】
図2は回路構成体の一例を示す概略斜視図である。
【
図3】
図3は回路構成体の一部の構成の一例を示す概略斜視図である。
【
図4】
図4は回路構成体の一例を示す概略上面図である。
【
図5】
図5は回路構成体の一例を示す概略上面図である。
【
図6】
図6は回路構成体の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図7】
図7は回路構成体の一部の構成の一例を示す概略下面図である。
【
図8】
図8は回路構成体の一部の構成の一例を示す概略下面図である。
【
図9】
図9は回路構成体の一部の構成の一例を示す概略斜視図である。
【
図10】
図10は回路構成体の一部の構成の一例を示す概略斜視図である。
【
図11】
図11は回路構成体の一部の構成の一例を示す概略上面図である。
【
図12】
図12は回路構成体の一部の構成の一例を示す概略斜視図である。
【
図13】
図13は回路構成体の一部の構成の一例を示す概略斜視図である。
【
図14】
図14は回路構成体の一部の構成の一例を示す概略下面図である。
【
図18】
図18は回路構成体の一部の構成の一例を示す概略斜視図である。
【
図19】
図19は回路構成体の一部の構成の一例を示す概略斜視図である。
【
図20】
図20は回路構成体の製造方法の一例を説明するための概略斜視図である。
【
図21】
図21は回路構成体の製造方法の一例を説明するための概略斜視図である。
【
図22】
図22は回路構成体の製造方法の一例を説明するための概略斜視図である。
【
図23】
図23は回路構成体の製造方法の一例を説明するための概略斜視図である。
【
図24】
図24は回路構成体の製造方法の一例を説明するための概略斜視図である。
【
図25】
図25は回路構成体の製造方法の一例を説明するための概略斜視図である。
【
図26】
図26は回路構成体の製造方法の一例を説明するための概略斜視図である。
【
図27】
図27は回路構成体の製造方法の一例を説明するための概略斜視図である。
【
図28】
図28は回路構成体の製造方法の一例を説明するための概略斜視図である。
【
図29】
図29は回路構成体の製造方法の一例を説明するための概略斜視図である。
【
図30】
図30は回路構成体の製造方法の一例を説明するための概略斜視図である。
【
図31】
図31は回路構成体の製造方法の一例を説明するための概略斜視図である。
【
図32】
図32は回路構成体の製造方法の一例を説明するための概略斜視図である。
【
図33】
図33は回路構成体の製造方法の一例を説明するための概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
本開示の回路構成体は、次の通りである。
【0011】
(1)第1バスバーと、第2バスバーと、前記第1バスバー及び前記第2バスバーの間に位置する絶縁部分を含む絶縁部材と、前記第1バスバーの一方の主面、前記第2バスバーの一方の主面及び前記絶縁部分の上に設けられた第1配線基板と、前記第1配線基板上に設けられた第1電子部品とを備え、前記第1電子部品は、前記第1バスバーに電気的に接続され、前記第1配線基板に接合された第1接続端子と、前記第2バスバーに電気的に接続され、前記第1配線基板に接合された第2接続端子とを有する。本開示によると、第1バスバーに電気的に接続された第1接続端子と、第2バスバーに電気的に接続された第2接続端子とがともに第1配線基板に接合されている。これにより、周囲温度の変化により第1バスバー、第2バスバー及びそれらの間の絶縁部分が変形した場合であっても、第1接続端子及び第2接続端子の接合部分は、第1バスバー、第2バスバー及び絶縁部分の変形の影響を受けにくくなる。よって、第1接続端子及び第2接続端子の接合部分に応力が発生しにくくなる。その結果、電子部品の接続端子の接合部分の信頼性を向上させることができる。
【0012】
(2)前記第1配線基板は、第1貫通孔を有し、前記第1バスバーから前記第1貫通孔内に突出する導電性の第1突起部を備え、前記第1接続端子は、前記第1貫通孔内の前記第1突起部と電気的に接続されていてもよい。この場合、導電性の第1突起部が、第1バスバーから第1配線基板の第1貫通孔内に突出している。このため、第1配線基板上の第1接続端子を、第1貫通孔内の第1突起部に電気的に接続することによって、第1接続端子を第1バスバーと電気的に簡単に接続することができる。
【0013】
(3)前記第1突起部は前記第1バスバーの一部で構成されていてもよい。この場合、第1接続端子と第1バスバーとの間の電気抵抗を低減することができる。
【0014】
(4)前記第1接続端子は前記第1突起部に接合されていてもよい。この場合、第1接続端子と第1バスバーとの間の電気抵抗を低減することができる。
【0015】
(5)前記第1配線基板は、第2貫通孔を有し、前記第2バスバーから前記第2貫通孔内に突出する導電性の第2突起部を備え、前記第2接続端子は、前記第2貫通孔内の前記第2突起部と電気的に接続されていてもよい。この場合、導電性の第2突起部が、第2バスバーから第1配線基板の第2貫通孔内に突出している。このため、第1配線基板上の第2接続端子を、第2貫通孔内の第2突起部に電気的に接続することによって、第2接続端子を第2バスバーと電気的に簡単に接続することができる。
【0016】
(6)前記第1配線基板は、前記第2接続端子が接合されたランドと、前記ランドから拡張され、前記第2貫通孔の周囲に位置する導電性の拡張領域とを有し、前記第2貫通孔内の前記第2突起部の端面と前記拡張領域とに接合された導電片をさらに備えてもよい。この場合、第2接続端子が接合されたランドから拡張されて第2貫通孔の周囲に位置する拡張領域と、当該第2貫通孔内の第2突起部の端面とに接合された導電片が設けられている。この導電片によって、第2接続端子と第2バスバーとの間の電気抵抗を低減することができる。また、第1電子部品で発生した熱を導電片によって第2バスバーに伝えやすくなることから、局所的な温度上昇が発生しにくくなる。
【0017】
(7)前記第1バスバーの他方の主面、前記第2バスバーの他方の主面及び前記絶縁部分の上に設けられた第2配線基板と、前記第2配線基板上に設けられた第2電子部品とを備え、前記第2電子部品は、前記第1バスバーに電気的に接続され、前記第2配線基板に接合された第3接続端子と、前記第2バスバーに電気的に接続され、前記第2配線基板に接合された第4接続端子とを有してもよい。この場合、第1バスバーに電気的に接続された第3接続端子と、第2バスバーに電気的に接続された第4接続端子とがともに第2配線基板に接合されている。これにより、周囲温度の変化により第1バスバー、第2バスバー及びそれらの間の絶縁部分が変形した場合であっても、第3接続端子及び第4接続端子の接合部分は、第1バスバー、第2バスバー及び絶縁部分の変形の影響を受けにくくなる。よって、第3接続端子及び第4接続端子の接合部分に応力が発生しにくくなる。さらに、バスバーの両主面上に電子部品が位置することから、回路構成体の平面サイズを小さくすることができる。
【0018】
(8)前記第1バスバーの前記他方の主面上において、前記第2配線基板が設けられた領域を避けて設けられた放熱部材をさらに備えてもよい。この場合、放熱部材は、第1バスバーの他方の主面上において、第2配線基板が設けられた領域を避けて設けられていることから、回路構成体の放熱性を向上しつつ、回路構成体の厚みを抑えることができる。
【0019】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の回路構成体の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されず、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内におけるすべての変更が含まれることが意図される。
【0020】
<回路構成体の概略説明>
図1及び2は回路構成体1の一例を示す概略斜視図である。
図2には、
図1とは反対側から見た回路構成体1が示されている。
図3は、
図2に示される回路構成体1においてモールド樹脂11が取り外された様子の一例を示す概略図である。以後、説明の便宜上、
図1に示される側を回路構成体1の上面側あるいは上側とし、
図2に示される側を回路構成体1の下面側あるいは下側とする。
【0021】
回路構成体1は、例えば、電気接続箱1000(後述の
図34参照)に組み込まれる。電気接続箱1000は、例えば、自動車において、バッテリと各種電装部品との間の電力供給路に設けられる。電気接続箱1000の用途はこれに限られない。
【0022】
図1~3に示されるように、回路構成体1は、入力側バスバー2と、出力側バスバー3と、中継バスバー4(後述の
図6及び9等参照)と、入力側バスバー2、出力側バスバー3及び中継バスバー4を互いに絶縁するための絶縁部材5とを備える。また、回路構成体1は、複数の電子部品6と、複数のコネクタ7と、複数の導電片8と、配線基板9と、配線基板19と、複数の放熱部材10と、モールド樹脂11とを備える。
【0023】
入力側バスバー2(単にバスバー2という)、出力側バスバー3(単にバスバー3という)及び中継バスバー4(単にバスバー4という)のそれぞれは導電部材である。各電子部品6は例えばスイッチング素子である。電子部品6は例えばMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)である。MOSFETは、半導体スイッチング素子の一種である。電子部品6は、例えば、ドレイン端子と、ソース端子と、ゲート端子とを備える。ドレイン端子、ソース端子及びゲート端子のそれぞれは接続端子ともいえる。以後、電子部品6をMOSFET6と呼ぶことがある。電子部品6はMOSFET以外のスイッチング素子であってもよい。また、電子部品6は、スイッチング素子以外の電子部品であってもよい。
【0024】
複数の電子部品6は、配線基板9上の複数の電子部品16と、配線基板19上の複数の電子部品26とを含む。複数の電子部品16は、複数の電子部品16aと、複数の電子部品16bとを含む。複数の電子部品26は、複数の電子部品26aと、複数の電子部品26bとを含む。以後、電子部品16,16a,16b,26,26a,26bを、それぞれ、MOSFET16,16a,16b,26,26a,26bと呼ぶことがある。
【0025】
複数のMOSFET16aのドレイン端子は、例えば互いに電気的に接続されている。複数のMOSFET16bのドレイン端子は、例えば互いに電気的に接続されている。複数のMOSFET16aのソース端子は、例えば互いに電気的に接続されている。複数のMOSFET16bのソース端子は、例えば互いに電気的に接続されている。
【0026】
複数のMOSFET26aのドレイン端子は、例えば互いに電気的に接続されている。複数のMOSFET26bのドレイン端子は、例えば互いに電気的に接続されている。複数のMOSFET26aのソース端子は、例えば互いに電気的に接続されている。複数のMOSFET26bのソース端子は、例えば互いに電気的に接続されている。
【0027】
MOSFET16a及び16bのドレイン端子は、例えば互いに電気的に接続されている。MOSFET26a及び26bのドレイン端子は、例えば互いに電気的に接続されている。MOSFET16a,16b,26a,26bのソース端子は、例えば電気的に接続されている。
【0028】
MOSFET16a,26aのドレイン端子は入力側バスバー2に電気的に接続されている。MOSFET16b,26bのドレイン端子は出力側バスバー3に電気的に接続されている。MOSFET16a,16b,26a,26bのソース端子は中継バスバー4に電気的に接続されている。本例では、回路構成体1は、16個のMOSFET6を備えているが、回路構成体1が備えるMOSFET6の数はこの限りではない。
【0029】
入力側バスバー2は、金属部材であって、例えば、本体部20と当該本体部20から突出する入力端子部21とを備える。入力端子部21は、その厚み方向に貫通する貫通孔21aを有する。入力端子部21には、例えば、バッテリから延びる配線部材が、貫通孔21aが利用されて接続される。入力端子部21には、配線部材を通じてバッテリの出力電圧が与えられる。入力端子部21に与えられたバッテリの出力電圧は、本体部20を通じてMOSFET16a及び26aのドレイン端子に与えられる。
【0030】
出力側バスバー3は、金属部材であって、例えば、本体部30と当該本体部30から突出する出力端子部31とを備える。出力端子部31は、その厚み方向に貫通する貫通孔31aを有する。出力端子部31には、例えば、電装部品から延びる配線部材が、貫通孔31aが利用されて接続される。出力端子部31には、MOSFET16b及び26bのドレイン端子から出力される電圧が与えられる。出力端子部31に与えられた電圧は、配線部材を通じて電装部品に対して例えば電源として与えられる。
【0031】
中継バスバー4は金属部材である。中継バスバー4は、バスバー2の本体部20とバスバー3の本体部30との間に位置する。中継バスバー4は、本体部20と本体部30とで挟まれていると言える。
【0032】
複数の放熱部材10のそれぞれは、例えば板状金属部材である。複数の放熱部材10は、バスバー2上の放熱部材10aと、バスバー3上の放熱部材10bとを含む。放熱部材10aは、バスバー2の下側の主面上に設けられている。放熱部材10bは、バスバー3の下側の主面上に設けられている。放熱部材10aは、バスバー2を通じて伝わる、MOSFET16a及び26aが発する熱を外部に放出する。放熱部材10bは、バスバー3を通じて伝わる、MOSFET16b及び26bが発する熱を外部に放出する。
【0033】
絶縁部材5は、バスバー2,3,4を互いに電気絶縁しつつ、バスバー2,3,4及び複数の放熱部材10を保持する。絶縁部材5は、例えば、バスバー2,3,4及び複数の放熱部材10と一体成形されている。絶縁部材5は、例えばインサート成形によって、バスバー2,3,4及び複数の放熱部材10と一体成形されている。
【0034】
配線基板9は、例えば、一方向に長い板状部材である。配線基板9は、バスバー2,3,4の上側の主面上に設けられている。配線基板9は、例えばリジッド基板である。配線基板9は、シート状のフレキシブル基板であってもよいし、リジッド基板とフレキシブル基板が一体化された複合基板であってもよい。配線基板9は導電層を有している。各MOSFET16のゲート端子は、配線基板9の導電層に電気的に接続されている。
【0035】
配線基板19は、例えば、一方向に長い板状部材である。配線基板19は、バスバー2,3,4の下側の主面上に設けられている。配線基板19は、例えばリジッド基板である。配線基板19は、シート状のフレキシブル基板であってもよいし、リジッド基板とフレキシブル基板が一体化された複合基板であってもよい。配線基板19は導電層を有している。各MOSFET26のゲート端子は、配線基板19の導電層に電気的に接続されている。
【0036】
複数のコネクタ7のそれぞれは複数の接続端子70を備える。各接続端子70は、例えば金属で構成されている。複数のコネクタ7は、コネクタ7a及び7bを含む。コネクタ7aは配線基板9の上側の主面上に設けられている。コネクタ7aが備える複数の接続端子70には、複数のMOSFET16のゲート端子が、配線基板9の導電層を通じて電気的に接続されている。各MOSFET16は、コネクタ7aを通じて外部からスイッチング制御される。
【0037】
コネクタ7bは配線基板19の上側の主面上に設けられている。中継バスバー4及び配線基板9には開口部が設けられている。配線基板19のうち当該開口部から露出する部分にコネクタ7bが設けられている。コネクタ7bが備える複数の接続端子70には、複数のMOSFET26のゲート端子が、配線基板19の導電層を通じて電気的に接続されている。各MOSFET26は、コネクタ7bを通じて外部からスイッチング制御される。
【0038】
複数の導電片8は、配線基板9上の複数の導電片18と、配線基板19上の複数の導電片28とを含む。複数の導電片18は、複数のMOSFET16aにそれぞれ対応している。各導電片18は、それに対応するMOSFET16aのソース端子とバスバー4との間の電気抵抗を低減するための部材である。また、複数の導電片18は、複数のMOSFET16bにもそれぞれ対応している。各導電片18は、それに対応するMOSFET16bのソース端子とバスバー4との間の電気抵抗を低減するための部材でもある。
【0039】
複数の導電片28は、複数のMOSFET26aにそれぞれ対応している。各導電片28は、それに対応するMOSFET26aのソース端子とバスバー4との間の電気抵抗を低減するための部材である。また、複数の導電片28は、複数のMOSFET26bにもそれぞれ対応している。各導電片28は、それに対応するMOSFET26bのソース端子とバスバー4との間の電気抵抗を低減するための部材でもある。
【0040】
モールド樹脂11は、配線基板19と、配線基板19上の複数のMOSFET26及び複数の導電片28とを覆っている。これにより、回路構成体1の内部が保護される。
【0041】
<回路構成体の詳細説明>
図4は回路構成体1の一例を示す概略上面図である。
図5は
図4に示される回路構成体1の一部を拡大して示す概略上面図である。
図6は
図4及び5の矢視A-Aの断面構造の一例を示す概略図である。
図7は、モールド樹脂11取り外された状態の回路構成体1の一例を示す概略下面図である。
図8は
図7に示される構造の一部を拡大して示す概略下面図である。
図9は、回路構成体1から複数のMOSFET16、複数のコネクタ7及び複数の導電片18が取り外されて得られる構造から配線基板9が引き離された様子の一例を上面側から示す概略斜視図である。
図10は、バスバー2,3,4及び絶縁部材5を上面側から見た様子の一例を示す概略斜視図である。
図11は、バスバー2,3,4及び絶縁部材5の一例を示す概略上面図である。
図12は、回路構成体1からモールド樹脂11、複数のMOSFET26及び複数の導電片28が取り外されて得られる構造から配線基板19が引き離された様子の一例を下面側から示す概略斜視図である。
図13は、バスバー2,3,4、絶縁部材5及び複数の放熱部材10を下面側から見た様子の一例を示す概略斜視図である。
図14は、バスバー2,3,4、絶縁部材5及び複数の放熱部材10の一例を示す概略下面図である。
【0042】
<バスバーの構成例>
入力側バスバー2は、例えば銅で構成される。バスバー2は、例えば無酸素銅で構成されてもよい。この無酸素銅は、例えば、日本工業規格(JIS:Japanese Industrial Standards)で定められているC1020の無酸素銅が採用される。無酸素銅で構成されたバスバー2の線膨張係数は、例えば17ppm/℃である。線膨張係数は熱膨張係数と呼ばれることがある。バスバー2は、銅以外の金属で構成されてもよい。
【0043】
図10,11,13,14等に示されるように、バスバー2は、例えば、一方向に長い板状金属部材である。バスバー2の本体部20は、例えば長方形の板状部分である。バスバー2の入力端子部21は、本体部20の長手方向の一端から突出する。
【0044】
バスバー2は、主面200と、当該主面200とは反対側の主面210とを有する。主面200は上側に位置し、主面210は下側に位置する。以後、主面200を上側主面200と呼び、主面210を下側主面210と呼ぶことがある。
【0045】
図10及び11等に示されるように、上側主面200は、他の領域よりも1段低くなった領域201を有している。この領域201は、配線基板9が載置される基板載置領域201となっている。基板載置領域201は、例えば本体部20に設けられている。
【0046】
基板載置領域201には、複数の導電性の突起部202が設けられている。複数の突起部202は、例えば、バスバー2の一部で構成されている。各突起部202は、バスバー2と一体成形されていると言える。本例では、突起部202は、バスバー2の一部であることから、例えば銅で構成されている。複数の突起部202は、バスバー2の長手方向に沿って並んでいる。
【0047】
各突起部202は、例えば円板状を成している。基板載置領域201に配線基板9が載置される場合には、複数の突起部202は、配線基板9に設けられた後述の複数の貫通孔92aにそれぞれ挿入される。突起部202の円形の端面は、例えば、上側主面200のうちの基板載置領域201以外の領域と同一平面上に位置する。突起部202の役割については後で詳細に説明する。
【0048】
図13及び14等に示されるように、下側主面210は、他の領域よりも1段低くなった領域211を有している。この領域211は、配線基板19が載置される基板載置領域211となっている。基板載置領域211は、例えば本体部20に設けられている。
【0049】
基板載置領域211には、複数の導電性の突起部212が設けられている。複数の突起部212は、例えば、バスバー2の一部で構成されている。本例では、突起部212は、バスバー2の一部であることから、例えば銅で構成されている。複数の突起部212は、バスバー2の長手方向に沿って並んでいる。
【0050】
各突起部212は、例えば円板状を成している。基板載置領域211に配線基板19が載置される場合には、複数の突起部212は、配線基板19に設けられた後述の複数の貫通孔92bにそれぞれ挿入される。突起部212の円形の端面は、例えば、下側主面210のうちの基板載置領域211以外の領域と同一平面上に位置する。突起部212の役割については後で詳細に説明する。
【0051】
出力側バスバー3は、例えば銅で構成される。バスバー3は、例えば無酸素銅で構成されてもよい。この無酸素銅は、例えば、JISで定められているC1020の無酸素銅が採用される。バスバー3は、銅以外の金属で構成されてもよい。
【0052】
図10,11,13,14等に示されるように、バスバー3は、例えば、一方向に長い板状金属部材である。バスバー3の本体部30は、例えば長方形の板状部分である。バスバー3の出力端子部31は、本体部30の長手方向の一端から突出する。
【0053】
バスバー3は、主面300と、当該主面300とは反対側の主面310とを有する。主面300は上側に位置し、主面310は下側に位置する。以後、主面300を上側主面300と呼び、主面310を下側主面310と呼ぶことがある。
【0054】
図10及び11等に示されるように、上側主面300は、他の領域よりも1段低くなった領域301を有している。この領域301は、配線基板9が載置される基板載置領域301となっている。基板載置領域301は、例えば本体部30に設けられている。
【0055】
基板載置領域301には、複数の導電性の突起部302が設けられている。複数の突起部302は、例えば、バスバー3の一部で構成されている。本例では、突起部302は、バスバー3の一部であることから、例えば銅で構成されている。複数の突起部302は、バスバー3の長手方向に沿って並んでいる。
【0056】
各突起部302は、例えば円板状を成している。基板載置領域301に配線基板9が載置される場合には、複数の突起部302は、配線基板9に設けられた複数の貫通孔92bにそれぞれ挿入される。突起部302の端面は、例えば、上側主面300のうちの基板載置領域301以外の領域と同一平面上に位置する。突起部302の役割については後で詳細に説明する。
【0057】
図13及び14等に示されるように、下側主面310は、他の領域よりも1段低くなった領域311を有している。この領域311は、配線基板19が載置される基板載置領域311となっている。基板載置領域311は、例えば本体部30に設けられている。
【0058】
基板載置領域311には、複数の導電性の突起部312が設けられている。複数の突起部312は、例えば、バスバー3の一部で構成されている。本例では、突起部312は、バスバー3の一部であることから、例えば銅で構成されている。複数の突起部312は、バスバー3の長手方向に沿って並んでいる。
【0059】
各突起部312は、例えば円板状を成している。基板載置領域311に配線基板19が載置される場合には、複数の突起部312は、配線基板19に設けられた後述の複数の貫通孔92aにそれぞれ挿入される。突起部312の端面は、例えば、下側主面310のうちの基板載置領域311以外の領域と同一平面上に位置する。突起部312の役割については後で詳細に説明する。
【0060】
中継バスバー4は、例えば銅で構成される。バスバー4は、例えば無酸素銅で構成されてもよい。この無酸素銅は、例えば、JISで定められているC1020の無酸素銅が採用される。バスバー4は、銅以外の金属で構成されてもよい。
【0061】
図10,11,13,14等に示されるように、バスバー4は、例えば、長方形の板状金属部材である。バスバー2,3,4は、例えば同一平面上に位置する。バスバー2及び3は、それらの長手方向が互いに平行となるように隙間を空けて対向配置されている。バスバー4は、その長手方向が、バスバー2及び3の長手方向と平行となるように、バスバー2及び3の間に位置する。バスバー4は、バスバー2の本体部20とバスバー3の本体部30との間に位置する。
【0062】
バスバー4は、主面400と、当該主面400とは反対側の主面410とを有する。主面400は上側に位置し、主面410は下側に位置する。主面400には配線基板9が載置され、主面410には配線基板19が載置される。以後、主面400を上側主面400と呼び、主面410を下側主面410と呼ぶことがある。
【0063】
図10及び11等に示されるように、上側主面400には、複数の導電性の突起部402が設けられている。複数の突起部402は、例えば、バスバー4の一部で構成されている。本例では、突起部402は、バスバー4の一部であることから、例えば銅で構成されている。複数の突起部402は、バスバー4の長手方向に沿って並んでいる。複数の突起部402は、バスバー2の複数の突起部202と、バスバー3の複数の突起部302との間に位置する。
【0064】
各突起部402は、例えば円板状を成している。上側主面400に配線基板9が載置される場合には、複数の突起部402は、配線基板9に設けられた後述の複数の貫通孔92cにそれぞれ挿入される。突起部402の端面は、例えば、バスバー2の突起部202の端面及びバスバー3の突起部302の端面と同一平面上に位置する。
【0065】
バスバー4の上側主面400のうち突起部402が存在しない領域は、例えば、バスバー2の基板載置領域201のうち突起部202が存在しない領域と同一平面上に位置する。また、バスバー4の上側主面400のうち突起部402が存在しない領域は、例えば、バスバー3の基板載置領域301のうち突起部302が存在しない領域と同一平面上に位置する。突起部402の役割については後で詳細に説明する。
【0066】
図13及び14等に示されるように、下側主面410には、複数の導電性の突起部412が設けられている。複数の突起部412は、例えば、バスバー4の一部で構成されている。本例では、突起部412は、バスバー4の一部であることから、例えば銅で構成されている。複数の突起部412は、バスバー4の長手方向に沿って並んでいる。複数の突起部412は、バスバー2の複数の突起部212と、バスバー3の複数の突起部312との間に位置する。
【0067】
各突起部412は、例えば円板状を成している。下側主面410に配線基板19が載置される場合には、複数の突起部412は、配線基板19に設けられた後述の複数の貫通孔92cにそれぞれ挿入される。突起部412の端面は、例えば、バスバー2の突起部212の端面及びバスバー3の突起部312の端面と同一平面上に位置する。
【0068】
バスバー4の下側主面410のうち突起部412が存在しない領域は、例えば、バスバー2の基板載置領域211のうち突起部212が存在しない領域と同一平面上に位置する。また、バスバー4の下側主面410のうち突起部412が存在しない領域は、例えば、バスバー3の基板載置領域311のうち突起部312が存在しない領域と同一平面上に位置する。突起部412の役割については後で詳細に説明する。
【0069】
バスバー4の長手方向の一方の端部には開口部420が設けられている。開口部420は、バスバー4の厚み方向においてバスバー4を貫通している。この開口部420には、後述するように、コネクタ7bが配置される。
【0070】
バスバー2において最も厚みのある部分の厚みは例えば3mmに設定される。また、バスバー3において最も厚みのある部分の厚みは例えば3mmに設定される。また、バスバー4において最も厚みのある部分の厚みは例えば3mmに設定される。バスバー2,3,4の厚みはこの限りではない。
【0071】
<放熱部材の構成例>
各放熱部材10は、例えばアルミニウムで構成されている。板状の放熱部材10は、放熱板であるとも言える。各放熱部材10は、純アルミニウムで構成されてもよい。この純アルミニウムは、例えば、JISで定められているA1050の純アルミニウムが採用される。放熱部材10は、アルミニウム以外の金属で構成されてもよい。放熱部材10の厚みは、例えば1.5mmに設定される。放熱部材10の厚みはこの限りではない。
【0072】
図6,12,13等に示されるように、放熱部材10aは、バスバー2の下側主面210上に設けられている。放熱部材10aは、例えば、バスバー2の本体部20の下側の主面に設けられている。放熱部材10aは、例えば、本体部20の下側の主面のうち基板載置領域
211以外の領域上に設けられている。放熱部材10aは、バスバー2に対して、例えば、加圧処理及び熱処理が用いられて拡散接合されている。放熱部材10aにおける、バスバー2と接合されている主面とは反対側の主面(言い換えれば露出している主面)は、例えばアルマイト処理されている。これにより、放熱部材10aと、回路構成体1以外の部材との間の電気絶縁性を高めることができる。
【0073】
放熱部材10bは、バスバー3の下側主面310上に設けられている。放熱部材10bは、例えば、バスバー3の本体部30の下側の主面に設けられている。放熱部材10bは、例えば、本体部30の下側の主面のうち基板載置領域311以外の領域上に設けられている。放熱部材10bは、バスバー3に対して、例えば、加圧処理及び熱処理が用いられて拡散接合されている。放熱部材10bにおける、バスバー3と接合されている主面とは反対側の主面(言い換えれば露出している主面)は、例えばアルマイト処理されている。これにより、放熱部材10bと、回路構成体1以外の部材との間の電気絶縁性を高めることができる。
【0074】
<絶縁部材の構成例>
絶縁部材5は、例えば絶縁性樹脂で構成されている。絶縁部材5は、例えばPPS(Poly Phenylene Sulfide Resin)で構成されている。絶縁部材5は、例えば、バスバー2,3,4及び複数の放熱部材10と一体成形されている。PPSで構成された絶縁部材5の線膨張係数は、例えば40ppm/℃である。
【0075】
図11及び14等に示されるように、絶縁部材5は、枠状の絶縁部分50と、当該絶縁部分50に繋がる直線状の絶縁部分51及び52とを備える。枠状の絶縁部分50は、バスバー2の本体部20と、本体部20上の放熱部材10aと、バスバー4と、バスバー3の本体部30と、本体部30上の放熱部材10bとの周囲を取り囲むように、本体部20、放熱部材10a、バスバー4、本体部30及び放熱部材10bに取り付けられている。絶縁部分51は、本体部20とバスバー4との間に位置する。バスバー2及び4は、絶縁部分51によって電気絶縁されている。絶縁部分52は、本体部30とバスバー4との間に位置する。バスバー3及び4は、絶縁部分52によって電気絶縁されている。
【0076】
図11等に示されるように、バスバー2の上側の基板載置領域201と、バスバー4の上側主面400とは、絶縁部分51を介して互いに隣り合っている。バスバー3の上側の基板載置領域301と、バスバー4の上側主面400とは、絶縁部分52を介して互いに隣り合っている。
【0077】
図14等に示されるように、バスバー2の下側の基板載置領域211と、バスバー4の下側主面410とは、絶縁部分51を介して互いに隣り合っている。バスバー3の下側の基板載置領域311と、バスバー4の下側主面410とは、絶縁部分52を介して互いに隣り合っている。
【0078】
<MOSFETの構成例>
図15は、MOSFET6の一例を示す概略裏面図である。ここでは、説明の便宜上、
図15の右側及び左側をそれぞれMOSFET6の右側及び左側とし、
図15の上下方向をMOSFET6の上下方向として、MOSFET6の構成を説明する。
【0079】
MOSFET6は、例えば表面実装部品である。
図15に示されるように、MOSFET6は、半導体素子等が収容されたパッケージ60を備える。パッケージ60は、例えば、リードレス型のパッケージある。パッケージ60は、本体部65と、ゲート端子61と、複数のソース端子62と、ドレイン端子63とを備える。ゲート端子61と、複数のソース端子62と、ドレイン端子63は、本体部65の裏面に設けられている。
【0080】
本体部65は、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂で構成されている。複数のソース端子62は、本体部65の内部で互いに電気的に接続されている。ゲート端子61、ソース端子62及びドレイン端子63は、例えば金属で構成されている。ゲート端子61、ソース端子62及びドレイン端子63は、例えば無酸素銅で構成されてもよい。この無酸素銅は、例えば、JISで定められているC1020の無酸素銅が採用される。また、ゲート端子61、ソース端子62及びドレイン端子63は銅合金で構成されてもよい。ゲート端子61、ソース端子62及びドレイン端子63は、例えば平板状を成している。
【0081】
本体部65の裏面の右側端部では、ゲート端子61及び複数のソース端子62が上下方向に沿って一列に並べられている。ゲート端子61及び複数のソース端子62は、本体部65の裏面の右側端から少し外側に突出している。ドレイン端子63の左側端は凹凸状となっており、当該左側端に上下方向に並ぶ複数の凸部63aが設けられている。複数の凸部63aは、本体部65の裏面の左側端から少し外側に突出している。
【0082】
なお、パッケージ60の形状は上記の例に限られない。例えば、ドレイン端子63の形状は、
図15の形状以外であってもよい。また、パッケージ60が備えるソース端子62の数は3個以外であってもよい。また、パッケージ60はリード型のパッケージであってもよい。
【0083】
<配線基板の構成例>
図16は配線基板9の一例を示す概略斜視図である。
図9及び16等に示されるように、配線基板9は、例えば、絶縁基板90と、当該絶縁基板90に設けられた導電層95とを有する。絶縁基板90は、例えば、セラミック基板であってもよいし、樹脂を含む基板であってもよい。後者の場合、絶縁基板90は、ガラスエポキシ基板であってもよいし、樹脂を含む他の基板であってもよい。絶縁基板90の厚さは、例えば、0.4mm以上0.6mm以下に設定されてもよい。導電層95は、銅で構成されてもよいし、他の金属で構成されてもよい。導電層95は、例えば、絶縁基板90の一方の主面上に設けられている。配線基板9は、その一方の主面に導電層95を有する。以後、説明の便宜上、配線基板9及び絶縁基板90の導電層95側の主面を表側主面と呼び、その反対側の主面を裏側主面と呼ぶ。
【0084】
配線基板9は、単層基板であってもよいし、多層基板であってもよい。配線基板9は、表側主面だけではなく、裏側主面に導電層を有してもよいし、内層に導電層を有してもよい。なお、
図6では、導電層95の図示は省略されている。
【0085】
配線基板9は、MOSFET6及び導電片8が搭載される第1部分9aと、当該第1部分9aから突出する第2部分9b及び第3部分9cとを備える。第1部分9aの外形は、例えば略長方形である。第2部分9b及び第3部分9cの外形は、例えば略正方形である。第2部分9bは、第1部分9aの長手方向の一端から突出している。第3部分9cは、第1部分9aの長手方向の他端から突出している。
【0086】
第1部分9aは、その厚み方向に貫通する複数の貫通孔92を備える。複数の貫通孔92は、配線基板9の長手方向に沿うように、第1部分9aの短手方向の一方端部に設けられた複数の貫通孔92aを含む。また、複数の貫通孔92は、配線基板9の長手方向に沿うように、第1部分9aの短手方向の他方端部に設けられた複数の貫通孔92bを含む。そして、複数の貫通孔92は、配線基板9の長手方向に沿うように、第1部分9aの短手方向の中央部に設けられた複数の貫通孔92cを含む。複数の貫通孔92cは、複数の貫通孔92aと複数の貫通孔92bとの間に位置する。
【0087】
配線基板9の導電層95は、
図9及び16等に示されるように、複数の導電領域96を備える。複数の導電領域96は、複数のMOSFET16にそれぞれ対応している。さらに、導電層95は、複数の拡張領域98と導電領域99とを含む。導電領域99は、コネクタ
7aに対応している。
【0088】
導電領域96は、それに対応するMOSFET16のゲート端子61が接合されるランド960を有する。導電領域96は、それに対応するMOSFET16の複数のソース端子62がそれぞれ接合される複数のランド961を有する。導電領域96は、それに対応するMOSFET16のドレイン端子63が接合されるランド962を有する。ランド962は、ドレイン端子63の複数の凸部63aがそれぞれ接合される複数の凸部962aを有する。端子等が接合されるランドは、パッドとも呼ばれる。
【0089】
複数の導電領域96は、複数の導電領域96aと複数の導電領域96bとを含む。複数の導電領域96aは複数のMOSFET16aにそれぞれ対応する。複数の導電領域96bは複数のMOSFET16bにそれぞれ対応する。
【0090】
本例では、
図1等に示されるように、1個のMOSFET16aと1個のMOSFET16bとが互いに対向するように配置されている。そして、互いに対向配置されたMOSFET16a及び16bが第1FET対を構成している。回路構成体1は、上側に複数の第1FET対を備えている。
【0091】
複数の拡張領域98は、複数の第1FET対にそれぞれ対応している。拡張領域98は、それに対応する第1FET対に含まれるMOSFET16aの複数のソース端子62が接合される複数のランド961から拡張された領域である。また、拡張領域98は、それに対応する第1FET対に含まれるMOSFET16bの複数のソース端子62が接合される複数のランド961から拡張された領域でもある。第1FET対に含まれるMOSFET16aの複数のソース端子62が接合される複数のランド961と、当該第1FET対に含まれるMOSFET16bの複数のソース端子62が接合される複数のランド961とは、当該第1FET対に対応する拡張領域98によって接続されている。各ランド961は、拡張領域98から突出する凸部であるとも言える。
【0092】
複数の導電領域96aは、複数の貫通孔92aにそれぞれ対応している。また、複数の導電領域96bは、複数の貫通孔92bにそれぞれ対応している。導電領域96aのランド962は、当該導電領域96aに対応する貫通孔92aの周囲に位置する。導電領域96bのランド962は、当該導電領域96bに対応する貫通孔92bの周囲に位置する。ランド962は、貫通孔92の開口縁(詳細には配線基板9の導電層95側の主面の開口縁)を取り囲むように設けられている。ランド962には、貫通孔92が設けられているとも言える。
【0093】
複数の拡張領域98は、複数の貫通孔92cにそれぞれ対応している。拡張領域98は、それに対応する貫通孔92cの周囲に位置する。拡張領域98は、貫通孔92cの開口縁(詳細には配線基板9の導電層95側の主面の開口縁)を取り囲むように設けられている。拡張領域98には貫通孔92cが設けられているとも言える。
【0094】
本例では、貫通孔92は、例えば、その内周面に導電領域が形成されたスルーホールである。貫通孔92の内周面の導電領域は、例えば、金属で構成されている。貫通孔92の内周面の導電領域は、導電層95と同じ材料で構成されてもよいし、異なる材料で構成されてもよい。貫通孔92aの内周面の導電領域は、当該貫通孔92aの周囲のランド962と繋がっている。貫通孔92bの内周面の導電領域は、当該貫通孔92bの周囲のランド962と繋がっている。貫通孔92cの内周面の導電領域は、当該貫通孔92cの周囲の拡張領域98と繋がっている。なお、貫通孔92の内周面には導電領域が形成されていなくてもよい。
【0095】
コネクタ7aに対応する導電領域99は、コネクタ7aが備える複数の接続端子70がそれぞれ接合される複数のランド990を備える。複数のランド990に対して、コネクタ7aの複数の接続端子70が、例えば、はんだで接合される。はんだは、すずを主成分としている。
【0096】
導電層95には、複数のMOSFET16のゲート端子61にそれぞれ電気的に接続される複数の第1配線が含まれる、複数の第1配線の一端は、複数のMOSFET16のゲート端子61が接合される複数のランド960にそれぞれ繋がっている。複数の第1配線の他端は、コネクタ7aの複数の接続端子70が接合される複数のランド990にそれぞれ繋がっている。ゲート端子61は、第1配線を通じて、コネクタ7aの接続端子70に電気的に接続されている。
【0097】
図17は配線基板19の一例を示す概略斜視図である。配線基板19は、配線基板9とほぼ同様の構造を有している。
図12及び17等に示されるように、配線基板19は、配線基板9と同様に、絶縁基板90及び導電層95を有する。また、配線基板19は、MOSFET6及び導電片8が搭載される第1部分19aと、当該第1部分19aから突出する第2部分19b及び第3部分19cとを備える。第1部分19aは、配線基板9の第1部分9aと同様の構造を有している。第1部分19aは、複数の貫通孔92と、複数の導電領域96と、複数の拡張領域98とを有する。以後、説明の便宜上、配線基板19の導電領域96側の主面を表側主面と呼び、その反対側の主面を裏側主面と呼ぶ。
【0098】
第2部分19b及び第3部分19cの外形は、例えば略正方形である。第2部分19bは、第1部分9aの長手方向の一端から突出している。第3部分19cは、第1部分9aの長手方向の他端から突出している。第2部分9bとは異なり、第2部分19bには、導電領域が設けられていない。第3部分19cにおける、配線基板19の裏側主面側の主面には、コネクタ7bに対応する導電領域93が設けられている(
図9等参照)。
【0099】
配線基板19では、複数の導電領域96は、複数のMOSFET26にそれぞれ対応している。複数の導電領域96aは複数のMOSFET26bにそれぞれ対応し、複数の導電領域96bは複数のMOSFET26aにそれぞれ対応している。導電領域96のランド960には、当該導電領域96が対応するMOSFET26のゲート端子61が接合される。導電領域96の複数のランド961には、当該導電領域96が対応するMOSFET26の複数のソース端子62がそれぞれ接合される。導電領域96のランド962には、当該導電領域96が対応するMOSFET26のドレイン端子63が接合される。
【0100】
本例では、
図3等に示されるように、1個のMOSFET26aと1個のMOSFET26bとが互いに対向するように配置されている。そして、互いに対向配置されたMOSFET26a及び26bが第2FET対を構成している。回路構成体1は、下側に複数の第2FET対を備えている。
【0101】
配線基板19の複数の拡張領域98は、複数の第2FET対にそれぞれ対応している。拡張領域98は、それに対応する第2FET対に含まれるMOSFET26aの複数のソース端子62が接合される複数のランド961から拡張された領域である。また、拡張領域98は、それに対応する第2FET対に含まれるMOSFET26bの複数のソース端子62が接合される複数のランド961から拡張された領域でもある。第2FET対に含まれるMOSFET26aの複数のソース端子62が接合される複数のランド961と、当該第2FET対に含まれるMOSFET26bの複数のソース端子62が接合される複数のランド961とは、当該第2FET対に対応する拡張領域98によって接続されている。
【0102】
第3部分19cに設けられた導電領域93は、コネクタ7aに対応する導電領域99と同様の形状を有している。導電領域93は、コネクタ7bが備える複数の接続端子70がそれぞれ接合される複数のランド930を備える。複数のランド930に対して、コネクタ7bの複数の接続端子70が、例えば、はんだで接合される。
【0103】
配線基板19の導電層95は、複数の第1配線の替わりに、複数のMOSFET26のゲート端子61にそれぞれ電気的に接続される複数の第2配線を有する。複数の第2配線の一端は、複数のMOSFET26のゲート端子61が接合される複数のランド960にそれぞれ繋がっている。複数の第2配線の他端は、コネクタ7bの複数の接続端子70が接合される複数のランド930にそれぞれ繋がっている。MOSFET26のゲート端子61は、第2配線を通じて、コネクタ7bの接続端子70に電気的に接続されている。
【0104】
以上のような構成を有する配線基板9は、バスバー2の基板載置領域201と、バスバー2とバスバー4の間の絶縁部分51と、バスバー4の上側主面400と、バスバー4とバスバー3の間の絶縁部分52と、バスバー3の基板載置領域301との上に載置される。以後、配線基板9が載置される、基板載置領域201、絶縁部分51、バスバー4の上側主面400、絶縁部分52及び基板載置領域301をまとめて上側基板載置領域と呼ぶことがある。また、基板載置領域201上の突起部202、基板載置領域301上の突起部302及びバスバー4の上側主面400上の突起部402のそれぞれを、上側突起部と呼ぶことがある。
【0105】
配線基板19は、バスバー2の基板載置領域211と、バスバー2とバスバー4の間の絶縁部分51と、バスバー4の下側主面410と、バスバー4とバスバー3の間の絶縁部分52と、バスバー3の基板載置領域311との上に載置される。以後、配線基板19が載置される、基板載置領域211、絶縁部分51、バスバー4の下側主面410、絶縁部分52及び基板載置領域311をまとめて下側基板載置領域と呼ぶことがある。また、基板載置領域211上の突起部212、基板載置領域311上の突起部312及びバスバー4の下側主面410上の突起部412のそれぞれを、下側突起部と呼ぶことがある。
【0106】
図18は、配線基板9が、上側基板載置領域上に載置された様子の一例を示す図である。
図19は、配線基板19が、下側基板載置領域上に載置された様子の一例を示す図である。
【0107】
図18等に示されるように、配線基板9は、その裏側主面が上側基板載置領域と対向するように、上側基板載置領域上に設けられる。配線基板9は、例えば、接合材12a(
図6参照)が使用されて、上側基板載置領域に固定される。接合材12aは、粘着シートであってもよいし、他の部材であってもよい。
【0108】
配線基板9が上側基板載置領域上に載置されるとき、複数の上側突起部が、配線基板9の複数の貫通孔92にそれぞれ挿入される。具体的には、バスバー2の複数の突起部202が配線基板9の複数の貫通孔92aにそれぞれ挿入される。また、バスバー3の複数の突起部302が配線基板9の複数の貫通孔92bにそれぞれ挿入される。そして、バスバー4の複数の突起部402が配線基板9の複数の貫通孔92cにそれぞれ挿入される。
【0109】
配線基板9が上側基板載置領域上に載置された状態では、突起部202はバスバー2から貫通孔92a内に突出し、突起部302はバスバー3から貫通孔92b内に突出し、突起部402はバスバー4から貫通孔92c内に突出する。上側突起部の直径は、貫通孔92の直径よりも若干小さく設定されている。上側突起部は貫通孔92に嵌合するとも言える。
【0110】
上側基板載置領域に載置された配線基板9の絶縁基板90の表側主面は、バスバー2の上側主面200における基板載置領域201以外の領域と、バスバー3の上側主面300における基板載置領域301以外の領域と面一となっている。なお、絶縁基板90上の導電層95の表面が、バスバー2の上側主面200における基板載置領域201以外の領域と、バスバー3の上側主面300における基板載置領域301以外の領域と同一平面上に位置してもよい。
【0111】
貫通孔92内の上側突起部の円形の端面は、例えば、絶縁基板90上の導電層95の平坦な表面と同一平面上に位置する。したがって、貫通孔92a内の突起部202の端面は、当該貫通孔92aの周囲の導電領域96aの表面と面一になる。また、貫通孔92b内の突起部302の端面は、当該貫通孔92bの周囲の導電領域96bの表面と面一になる。そして、貫通孔92c内の突起部402の端面は、当該貫通孔92cの周囲の拡張領域98の表面と面一になる。なお、上側突起部の端面は、絶縁基板90の表側主面と同一平面上に位置してもよい。
【0112】
また、配線基板9は、第3部分9cに設けられた開口部91が、バスバー4の端部に設けられた開口部420と対向するように上側基板載置領域に設けられる。これにより、開口部91及び開口部420は連通して一つの開口部を構成する。
【0113】
配線基板19は、
図19等に示されるように、その裏側主面が下側基板載置領域と対向するように、下側基板載置領域上に設けられる。配線基板19は、例えば、接合材12b(
図6参照)が使用されて、下側基板載置領域に固定される。接合材12bは、粘着シートであってもよいし、他の部材であってもよい。
【0114】
配線基板19が下側基板載置領域上に載置されるとき、複数の下側突起部が、配線基板19の複数の貫通孔92にそれぞれ挿入される。具体的には、バスバー2の複数の突起部212が配線基板19の複数の貫通孔92bにそれぞれ挿入される。また、バスバー3の複数の突起部312が配線基板19の複数の貫通孔92aにそれぞれ挿入される。そして、バスバー4の複数の突起部412が配線基板19の複数の貫通孔92cにそれぞれ挿入される。下側突起部の直径は、貫通孔92の直径よりも若干小さく設定されている。
【0115】
下側基板載置領域に載置された配線基板19の絶縁基板90の表側主面は、バスバー2の下側主面210における基板載置領域211以外の領域と、バスバー3の下側主面310における基板載置領域311以外の領域と面一となっている。なお、配線基板19の導電層95の表面が、バスバー2の下側主面210における基板載置領域211以外の領域と、バスバー3の下側主面310における基板載置領域311以外の領域と同一平面上に位置してもよい。
【0116】
貫通孔92内の下側突起部の端面は、例えば、導電層95の表面と同一平面上に位置する。したがって、貫通孔92b内の突起部212の端面は、当該貫通孔92bの周囲の導電領域96bの表面と面一になる。また、貫通孔92a内の突起部312の端面は、当該貫通孔92aの周囲の導電領域96aの表面と面一になる。そして、貫通孔92c内の突起部412の端面は、当該貫通孔92cの周囲の拡張領域98の表面と面一になる。なお、下側突起部の端面は、絶縁基板90の表側主面と同一平面上に位置してもよい。
【0117】
下側基板載置領域に載置された配線基板19の表側主面は、放熱部材10a及び10bの露出している主面よりも少し低くなっている。
図19に示される構造の配線基板19側の面には、絶縁部材5の枠状の絶縁部分50と放熱部材10a及び10bとで囲まれた窪みが生じている。この窪みに、複数のMOSFET26及び複数の導電片28が配置される。
【0118】
また、配線基板19は、第3部分19cに設けられた導電領域93が、バスバー4の開口部420と対向するように下側基板載置領域に設けられる。これにより、配線基板9及び19が搭載されたバスバー2,3,4及び絶縁部材5を配線基板9側から見た場合に、
図9及び18等に示されるように、配線基板19の導電領域93が、開口部91及び420から露出する。
【0119】
<導電片について>
図1,4,5,6等に示されるように、配線基板9上の複数の導電片18は、配線基板9の表側主面から露出する複数の突起部402にそれぞれ接合されている。また、複数の導電片18は、配線基板9の複数の拡張領域98にそれぞれ接合されている。導電片18は、配線基板9の貫通孔92c内の突起部402の端面と、当該貫通孔92cの周縁部とを覆うように配線基板9上に設けられている。導電片18は貫通孔92cの開口縁(詳細には配線基板9の表側主面側の開口縁)を覆っている。導電片18の厚みは、例えば、0.2mm以上0.5mm以下に設定されてもよい。
【0120】
導電片18は、貫通孔92c内の突起部402の端面と、当該貫通孔92cの周囲の拡張領域98とに対して、導電性接合材101で接合されている(
図6参照)。導電性接合材101としては、例えばはんだが採用される。導電性接合材101は、導電片18の裏面を突起部402の端面及び拡張領域98の表面に接合し、導電片18の周端面を拡張領域98の表面に接合する。導電性接合材101は、突起部402及び拡張領域98と導電片18との間に位置する部分を含む。また、導電性接合材101は、例えば、貫通孔92c内に入り込んでいる。この場合、スルーホールである貫通孔92cの内周面の導電領域と、当該貫通孔92c内の突起部402とが導電性接合材101で接合されている。
【0121】
複数の導電片18は、複数の第1FET対にそれぞれ対応して設けられている。各導電片18は、それに対応する第1FET対を構成するMOSFET16a及び16bのソース端子62とバスバー4との間の電気抵抗を低減するために設けられている。
【0122】
図3,6,7,8等に示されるように、配線基板19上の複数の導電片28は、配線基板19の表側主面から露出する複数の突起部412にそれぞれ接合されている。また、複数の導電片28は、配線基板19の複数の拡張領域98にそれぞれ接合されている。導電片28は、配線基板19の貫通孔92c内の突起部412の端面と、当該貫通孔92cの周縁部とを覆うように配線基板19上に設けられている。導電片28は貫通孔92cの開口縁(詳細には配線基板19の表側主面側の開口縁)を覆っている。導電片28の厚みは、例えば、0.2mm以上0.5mm以下に設定されてもよい。
【0123】
導電片28は、貫通孔92c内の突起部412の端面と、当該貫通孔92cの周囲の拡張領域98とに対して、導電性接合材102で接合されている(
図6参照)。導電性接合材102としては、例えばはんだが採用される。例えば、導電片18が導電性接合材101で突起部402及び拡張領域98に対して接合される場合と同様に、導電片28が導電性接合材102で突起部412及び拡張領域98に接合される。
【0124】
複数の導電片28は、複数の第2FET対にそれぞれ対応して設けられている。各導電片28は、それに対応する第2FET対を構成するMOSFET26a及び26bのソース端子62とバスバー4との間の電気抵抗を低減するために設けられている。
【0125】
<電子部品の実装例>
図6等に示されるように、上側の各MOSFET16aは、例えば、バスバー2とバスバー4との両方に跨るように、配線基板9上に設けられている。バスバー2とバスバー4との間には絶縁部分51が位置することから、各MOSFET16aは、絶縁部分51を跨ぐようにバスバー2及び4の上に位置する。
【0126】
複数のMOSFET16aのドレイン端子63は、複数の導電領域96aのランド962にそれぞれ接合されている。MOSFET16aのドレイン端子63の複数の凸部63aは、ランド962の複数の凸部962aにそれぞれ接合されている。
【0127】
また、MOSFET16aのドレイン端子63は、それが接合されるランド962から露出する突起部202にも接合されている。MOSFET16aのドレイン端子63は、配線基板9の貫通孔92a内の突起部202の端面と、当該貫通孔92aの周縁部とを覆っている。MOSFET16aのドレイン端子63は、貫通孔92aの開口縁(詳細には配線基板9の表側主面側の開口縁)を覆っている。
【0128】
MOSFET16aのドレイン端子63は、ランド962と、当該ランド962から露出する突起部202の端面とに対して、導電性接合材111で接合されている(
図6参照)。導電性接合材111としては、例えばはんだが採用される。導電性接合材111は、ドレイン端子63の裏面をランド962の表面及び突起部202の端面に接合し、ドレイン端子63の端面をランド962の表面に接合する。導電性接合材111は、突起部202及びランド962とドレイン端子63との間に位置する部分を含む。また、導電性接合材111は、例えば、貫通孔92a内に入り込んでいる。スルーホールである貫通孔92aの内周面の導電領域と、当該貫通孔92a内の突起部202とが導電性接合材111で接合されている。MOSFET16aのドレイン端子63が突起部202に接合されることによって、MOSFET16aのドレイン端子63はバスバー2に電気的に接続される。バスバー2の入力端子部21に入力される電圧は、バスバー2を通じてMOSFET16bのドレイン端子63に入力される。
【0129】
複数のMOSFET16aのゲート端子61は、複数の導電領域96aのランド960に対して、導電性接合材でそれぞれ接合されている。導電性接合材としては、例えばはんだが採用される。導電性接合材は、例えば、ゲート端子61の裏面及び端面とランド960とを接合する。導電性接合材は、ゲート端子61とランド960との間に位置する部分を含む。MOSFET16aのゲート端子61は、導電領域96aのランド960と、当該ランド960に繋がる第1配線と、当該第1配線に繋がる導電領域99のランド990とを通じて、コネクタ7aの接続端子70に電気的に接続されている。各MOSFET16aは、コネクタ7aを通じて外部からスイッチング制御される。
【0130】
MOSFET16aの複数のソース端子62は、当該MOSFET16aに対応する導電領域96aの複数のランド961に対して、それぞれ導電性接合材112(
図6参照)で接合されている。導電性接合材112としては、例えばはんだが採用される。導電性接合材112は、例えば、ソース端子62の裏面及び端面とランド961とを接合する。導電性接合材112は、ソース端子62とランド961との間に位置する部分を含む。ソース端子62は、ランド961と、当該ランド961に繋がる拡張領域98と、当該拡張領域98に接合された導電片18と、当該導電片18が接合された導電性の突起部402とを通じて、中継バスバー4に電気的に接続されている。導電片18は、MOSFET16aのソース端子62と突起部402とを電気的に接続する中継端子として機能する。
【0131】
また、上側の各MOSFET16bは、
図6等に示されるように、例えば、バスバー3とバスバー4との両方に跨るように、配線基板9上に設けられている。バスバー3とバスバー4との間には絶縁部分52が位置することから、各MOSFET16bは、絶縁部分52を跨ぐようにバスバー3及び4の上に位置する。
【0132】
複数のMOSFET16bのドレイン端子63は、複数の導電領域96bのランド962にそれぞれ接合されている。また、MOSFET16bのドレイン端子63は、それが接合されるランド962から露出する突起部302にも接合されている。MOSFET16bのドレイン端子63は、ランド962と、当該ランド962から露出する突起部302の端面とに対して、導電性接合材113で接合されている(
図6参照)。導電性接合材113としては、例えばはんだが採用される。例えば、MOSFET16aのドレイン端子63が導電性接合材111で突起部202及びランド962に接合される場合と同様にして、MOSFET16bのドレイン端子63は導電性接合材113で突起部302及びランド962に接合される。
【0133】
複数のMOSFET16bのゲート端子61は、複数の導電領域96bのランド960に対して、導電性接合材でそれぞれ接合されている。導電性接合材としては、例えばはんだが採用される。MOSFET16bのゲート端子61は、導電領域96bのランド960と、当該ランド960に繋がる第1配線と、当該第1配線に繋がる導電領域99のランド990とを通じて、コネクタ7aの接続端子70に電気的に接続されている。各MOSFET16bは、コネクタ7aを通じて外部からスイッチング制御される。例えば、MOSFET16aのゲート端子61がランド960に接合される場合と同様にして、MOSFET16bのゲート端子61はランド960に接合される。
【0134】
MOSFET16bの複数のソース端子62は、当該MOSFET16bに対応する導電領域96bの複数のランド961に対して、それぞれ導電性接合材114(
図6参照)で接合されている。導電性接合材114としては、例えばはんだが採用される。MOSFET16bのソース端子62は、ランド961と、当該ランド961に繋がる拡張領域98と、当該拡張領域98に接合された導電片18と、当該導電片18が接合された導電性の突起部402とを通じて、中継バスバー4に電気的に接続されている。導電片18は、MOSFET16bのソース端子62と突起部402とを電気的に接続する中継端子として機能する。MOSFET16bのソース端子62は、中継バスバー4を通じて、MOS
FET16aのソース端子
62と電気的に接続されている。例えば、MOSFET16aのソース端子62が導電性接合材112でランド961に接合される場合と同様にして、MOSFET16bのソース端子62は導電性接合材
114でランド961に接合される。
【0135】
下側の各MOSFET26aは、上側のMOSFET16aと同様に、例えば、バスバー2とバスバー4との両方に跨るように、配線基板19上に設けられている。
【0136】
複数のMOSFET26aのドレイン端子63は、配線基板19の複数の導電領域96bのランド962にそれぞれ接合されている。また、MOSFET26aのドレイン端子63は、それが接合されるランド962から露出する突起部212にも接合されている。MOSFET26aのドレイン端子63は、ランド962と、当該ランド962から露出する突起部212の端面とに対して、導電性接合材115で接合されている(
図6参照)。導電性接合材115としては、例えばはんだが採用される。MOSFET26aのドレイン端子63が突起部212に接合されることによって、MOSFET26aのドレイン端子63はバスバー2に電気的に接続される。バスバー2の入力端子部21に入力される電圧は、バスバー2を通じてMOSFET
26aのドレイン端子63に入力される。例えば、MOSFET16aのドレイン端子63が導電性接合材111で突起部202及びランド962に接合される場合と同様にして、MOSFET
26aのドレイン端子63は、導電性接合材115で突起部212及びランド962に接合される。
【0137】
複数のMOSFET26aのゲート端子61は、配線基板19の複数の導電領域96bのランド960に対して、導電性接合材でそれぞれ接合されている。導電性接合材としては、例えばはんだが採用される。MOSFET26aのゲート端子61は、導電領域96bのランド960と、当該ランド960に繋がる第2配線と、当該第2配線に繋がる導電領域93のランド930とを通じて、コネクタ7bの接続端子70に電気的に接続されている。各MOSFET26aは、コネクタ7bを通じて外部からスイッチング制御される。例えば、MOSFET16aのゲート端子61がランド960に接合される場合と同様にして、MOSFET26aのゲート端子61はランド960に接合される。
【0138】
MOSFET26aの複数のソース端子62は、当該MOSFET26aに対応する導電領域
96bの複数のランド961に対して、それぞれ導電性接合材116(
図6参照)で接合されている。導電性接合材116としては、例えばはんだが採用される。MOSFET26aのソース端子62は、ランド961と、当該ランド961に繋がる拡張領域98と、当該拡張領域98に接合された導電片28と、当該導電片28が接合された導電性の突起部412とを通じて、中継バスバー4に電気的に接続されている。導電片28は、MOSFET26aのソース端子62と突起部412とを電気的に接続する中継端子として機能する。例えば、MOSFET16aのソース端子62が導電性接合材112でランド961に接合される場合と同様にして、MOSFET26aのソース端子62は導電性接合材116でランド961に接合される。
【0139】
各MOSFET26bは、
図6等に示されるように、例えば、バスバー3とバスバー4との両方に跨るように、配線基板19上に設けられている。複数のMOSFET26bのドレイン端子63は、複数の導電領域96aのランド962にそれぞれ接合されている。また、MOSFET
26bのドレイン端子63は、それが接合されるランド962から露出する突起部312にも接合されている。MOSFET
26bのドレイン端子63は、ランド962と、当該ランド962から露出する突起部312の端面とに対して、導電性接合材117で接合されている(
図6参照)。導電性接合材117としては、例えばはんだが採用される。MOSFET26bのドレイン端子63が突起部312に接合されることによって、MOSFET26bのドレイン端子63はバスバー3に電気的に接続される。MOSFET26bのドレイン端子63の出力電圧は、バスバー3の出力端子部31から外部に出力される。例えば、MOSFET16aのドレイン端子63が導電性接合材111で突起部202及びランド962に接合される場合と同様にして、MOSFET26bのドレイン端子63は、導電性接合材117で突起部312及びランド962に接合される。
【0140】
複数のMOSFET26bのゲート端子61は、複数の導電領域96aのランド960に対して、導電性接合材でそれぞれ接合されている。導電性接合材としては、例えばはんだが採用される。MOSFET16bのゲート端子61は、導電領域96aのランド960と、当該ランド960に繋がる第2配線と、当該第2配線に繋がる導電領域93のランド930とを通じて、コネクタ7bの接続端子70に電気的に接続されている。各MOSFET26bは、コネクタ7bを通じて外部からスイッチング制御される。例えば、MOSFET16aのゲート端子61がランド960に接合される場合と同様にして、MOSFET26bのゲート端子61はランド960に接合される。
【0141】
MOSFET26bの複数のソース端子62は、当該MOSFET26bに対応する導電領域96aの複数のランド961に対して、それぞれ導電性接合材118(
図6参照)で接合されている。導電性接合材118としては、例えばはんだが採用される。ソース端子62は、ランド961と、当該ランド961に繋がる拡張領域98と、当該拡張領域98に接合された導電片28と、当該導電片28が接合された導電性の突起部412とを通じて、中継バスバー4に電気的に接続されている。導電片28は、MOSFET26bのソース端子62と突起部412とを電気的に接続する中継端子として機能する。MOSFET26bのソース端子62は、中継バスバー4を通じて、MOS
FET26aのソース端子
62と電気的に接続されている。例えば、MOSFET16aのソース端子62が導電性接合材112でランド961に接合される場合と同様にして、MOSFET26bのソース端子62は導電性接合材118でランド961に接合される。
【0142】
<モールド樹脂の構成例>
モールド樹脂11は、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂で構成されている。モールド樹脂11の線膨張係数は、例えば、絶縁部材5の線膨張係数よりも小さく設定されている。エポキシ樹脂で構成されたモールド樹脂11の線膨張係数は、例えば30ppm/℃であり、PPSで構成された絶縁部材5の線形膨張係数(例えば40ppm/℃)よりも小さい。
【0143】
図2,3等に示されるように、モールド樹脂11は、各MOSFET26と各導電片28とを覆うように配線基板19の表側主面上に設けられている。モールド樹脂11は配線基板19の表側主面を覆っている。モールド樹脂11の露出面は、例えば、各放熱部材10の露出面と面一かつ連続している。モールド樹脂11により、回路構成体1の内部が保護され、例えば、回路構成体1の内部が被水する可能性が低減する。
【0144】
<回路構成体の製造方法の一例>
以上のような構成を備える回路構成体1が製造される場合には、まず、バスバー4を作製するための金属板600と、バスバー2及び3を作製するための金属板610とが準備される。
図20は金属板600の一例を示す概略斜視図である。
図21は金属板610の一例を示す概略斜視図である。
【0145】
次に、金属板600が、例えば、冷間圧造あるいは切削加工されて所定の形状に成形される。そして、成形後の金属板600において、一方主面に複数の突起部402が設けられ、他方主面に複数の突起部412が設けられる。そして、成形後の金属板600に開口部420が設けられる。これにより、
図22~24に示される中継バスバー4が完成する。
図22及び23は中継バスバー4を示す概略斜視図である。
図24は、中継バスバー4の長手方向に沿った断面構造を示す概略図である。
【0146】
また、金属板610が、例えば、冷間圧造あるいは切削加工されて所定の形状に成形されて、バスバー2の元になる成形された金属板と、バスバー3の元になる成形された金属板とが作製される。次に、バスバー2の元になる金属板に貫通孔21aが設けられる。また、バスバー2の元になる金属板の一方主面に複数の突起部202が設けられ、他方主面に複数の突起部212が設けられる。これにより、
図25及び
図26に示されるバスバー2が完成する。同様に、バスバー3の元になる金属板に貫通孔31aが設けられる。また、バスバー3の元になる金属板の一方主面に複数の突起部302が設けられ、他方主面に複数の突起部312が設けられる。これにより、
図25及び
図26に示されるバスバー3が完成する。
【0147】
次に、
図27に示されるように、放熱部材10a及び10bが準備される。次に、放熱部材10aがバスバー2の主面210に対して、例えば、加圧処理及び熱処理が用いられて拡散接合される。また、放熱部材10bがバスバー3の主面310に対して、例えば、加圧処理及び熱処理が用いられて拡散接合される。これにより、
図28及び29に示される構造が得られる。
【0148】
次に、
図30及び31に示されるように、インサート成形用金型内にバスバー2,3,4及び放熱部材10a及び10bが配置される。
図30及び31では、インサート成形用金型の図示が省略されている。そして、PPS等の耐熱性に優れた熱可塑性樹脂が射出成形機からインサート成形用金型に射出されて、バスバー2,3,4及び放熱部材10a,10bと樹脂とが一体成形される。これにより、上述の
図10,11,13,14に示されるように、バスバー2,3,4及び放熱部材10a,10bと絶縁部材5とが一体成形された一体成形品が得られる。
【0149】
次に、作製された一体成形品が備える上側基板載置領域に対して配線基板9が接合材12aによって固定される。また、作製された一体成形品が備える下側基板載置領域に対して配線基板19が接合材12bによって固定される。これにより、上述の
図18及び19に示される構造が得られる。
【0150】
次に、
図32に示されるように、配線基板19の表側主面の所定領域にはんだペースト13が塗布される。
図32では、はんだペースト13が斜線で示されている。そして、はんだペースト13が塗布された領域に対して、複数のMOSFET26及び複数の導電片28がリフロー方式ではんだ付けされる。これにより、上述の
図3及び7に示される構造が得られる。
【0151】
次に、
図3及び7に示される構造の配線基板19側の面に形成された、枠状の絶縁部分50と放熱部材10a及び10bとで囲まれた窪みに対して、例えば熱可塑性樹脂が充填されて熱硬化される。これにより、配線基板19、各MOSFET26及び各導電片28を覆うモールド樹脂11が形成される(
図2参照)。
【0152】
次に、
図33に示されるように、配線基板9の表側主面の所定領域にはんだペースト14が塗布される。また、配線基板9の
開口部91及びバスバー4の開口部420から露出する、配線基板19の導電領域93に対してもはんだペースト14が塗布される。
図33では、はんだペースト14が斜線で示されている。そして、はんだペースト14が塗布された領域に対して、複数のMOSFET16と、複数の導電片18と、コネクタ7a及び7bとがリフロー方式ではんだ付けされる。これにより、上述の
図1及び2に示される回路構成体1が完成する。MOSFET16等がリフロー方式ではんだ付けされる場合、MOSFET26及び導電片28がモールド樹脂11によって覆われていることから、MOSFET26及び導電片28の脱落を防ぐことができる。
【0153】
その後、回路構成体1に対して、各MOSFET6を制御する制御基板が取り付けられる。そして、バスバー2及び3に対して、配線基板9、複数のMOSFET16、複数のコネクタ7及び複数の導電片18を覆うケース999が取り付けられる。これにより、
図34に示されるように、電気接続箱1000が完成する。
【0154】
以上のように、本実施の形態では、バスバー2に電気的に接続されたドレイン端子63と、バスバー4に電気的に接続されたソース端子62とがともに配線基板9あるいは配線基板19に接合されている。一方で、バスバー2及び4と、それらの間の絶縁部分51との間の線膨張係数の相違に起因して、バスバー2、バスバー4及び絶縁部分51が周囲温度の変化により変形する可能性がある。本例では、ドレイン端子63及びソース端子62はともに配線基板9あるいは配線基板19に接合されていることから、ドレイン端子63及びソース端子62の接合部分は、バスバー2、バスバー4及び絶縁部分51の変形の影響を受けにくくなる。よって、ドレイン端子63及びソース端子62の接合部分に応力が発生しにくくなる。その結果、ドレイン端子63及びソース端子62の接合部分の信頼性を向上させることができる。
【0155】
また、本実施の形態では、導電性の突起部202が、バスバー2から配線基板9の貫通孔92内に突出している。このため、配線基板9上のドレイン端子63を、貫通孔92内の突起部202に電気的に接続することによって、ドレイン端子63をバスバー2と電気的に簡単に接続することができる。つまり、突起部202を利用して、配線基板9上のドレイン端子63をバスバー2と電気的に簡単に接続することができる。また、配線基板9上のMOSFET6で発熱した熱をバスバー2に伝えることができるため、局所的な温度上昇が発生しにくくなる。同様に、導電性の突起部212が、バスバー2から配線基板19の貫通孔92内に突出していることから、突起部212を利用して、配線基板19上のドレイン端子63をバスバー2と電気的に簡単に接続することができる。
【0156】
また、本実施の形態では、導電性の突起部302が、バスバー3から配線基板9の貫通孔92内に突出していることから、突起部302を利用して、配線基板9上のドレイン端子63をバスバー3と電気的に簡単に接続することができる。また、配線基板9上のMOSFET6で発熱した熱をバスバー3に伝えることができるため、局所的な温度上昇が発生しにくくなる。同様に、導電性の突起部312が、バスバー3から配線基板19の貫通孔92内に突出していることから、突起部312を利用して、配線基板19上のドレイン端子63をバスバー3と電気的に簡単に接続することができる。
【0157】
また、本実施の形態では、導電性の突起部402が、バスバー4から配線基板9の貫通孔92内に突出しているため、突起部402を利用して、配線基板9上のソース端子62をバスバー4と電気的に簡単に接続することができる。また、配線基板9上のMOSFET6で発熱した熱をバスバー4に伝えることができるため、局所的な温度上昇が発生しにくくなる。同様に、導電性の突起部412が、バスバー4から配線基板19の貫通孔92内に突出していることから、突起部412を利用して、配線基板19上のソース端子62をバスバー4と電気的に簡単に接続することができる。
【0158】
また、本実施の形態では、突起部202及び212はバスバー2の一部で構成されていることから、ドレイン端子63とバスバー2との間の電気抵抗を低減することができる。また、突起部302及び312はバスバー3の一部で構成されていることから、ドレイン端子63とバスバー3との間の電気抵抗を低減することができる。また、突起部402及び412はバスバー4の一部で構成されていることから、ソース端子62とバスバー4との間の電気抵抗を低減することができる。
【0159】
また、本実施の形態では、
図6に示されるように、バスバー2上のドレイン端子63は、突起部202あるいは突起部212に接合されていることから、当該ドレイン端子63とバスバー2との間の電気抵抗を低減することができる。また、バスバー3上のドレイン端子63は、突起部302あるいは突起部312に接合されていることから、当該ドレイン端子63とバスバー3との間の電気抵抗を低減することができる。
【0160】
また、本実施の形態では、上側のMOSFET16のソース端子62が接合されたランド961から拡張されて貫通孔92の周囲に位置する拡張領域98と、当該貫通孔92内の突起部402の端面とに接合された導電片18が設けられている。この導電片18によって、ソース端子62とバスバー4との間の電気抵抗を低減することができる。また、MOSFET16で発生した熱を導電片18によってバスバー4に伝えやすくなることから、局所的な温度上昇が発生しにくくなる。
【0161】
また、下側のMOSFET26のソース端子62が接合されたランド961から拡張されて貫通孔92の周囲に位置する拡張領域98と、当該貫通孔92内の突起部412の端面とに接合された導電片28が設けられている。この導電片28によって、ソース端子62とバスバー4との間の電気抵抗を低減することができる。また、MOSFET26で発生した熱を導電片28によってバスバー4に伝えやすくなることから、局所的な温度上昇が発生しにくくなる。
【0162】
また、本実施の形態では、上側の拡張領域98が貫通孔92の周囲を取り囲み、導電片18が貫通孔92の開口縁を覆っている。これにより、拡張領域98及び突起部402と導電片18との接合面積を大きくすることができる。その結果、ソース端子62とバスバー4との間の電気抵抗をさらに低減することができる。
【0163】
また、下側の拡張領域98が貫通孔92の周囲を取り囲み、導電片28が貫通孔92の開口縁を覆っている。これにより、拡張領域98及び突起部412と導電片28との接合面積を大きくすることができる。その結果、ソース端子62とバスバー4との間の電気抵抗をさらに低減することができる。
【0164】
また、本実施の形態では、バスバー2,3,4の両主面上にMOSFET6が位置することから、回路構成体1の平面サイズを小さくすることができる。
【0165】
また、本実施の形態では、バスバー2の下側主面210に放熱部材10aが設けられていることから、回路構成体1の許容発熱量が増加する。また、バスバー3の下側主面310に放熱部材10bが設けられていることから、回路構成体1の許容発熱量が増加する。よって、例えば、複数のMOSFET6を高密度実装することが可能となる。
【0166】
また、本実施の形態では、放熱部材10aは、バスバー2の下側主面210上において、配線基板19が設けられた領域を避けて設けられていることから、回路構成体1の放熱性を向上しつつ、回路構成体1の厚みを抑えることができる。同様に、放熱部材10bは、バスバー3の下側主面310上において、配線基板19が設けられた領域を避けて設けられていることから、回路構成体1の放熱性を向上しつつ、回路構成体1の厚みを抑えることができる。
【0167】
また、本実施の形態では、MOSFET16のゲート端子61及びソース端子62は、配線基板9上で絶縁されていることから、ゲート端子61及びソース端子62の間隔が小さくなったとしても、ゲート端子61及びソース端子62を適切に絶縁することができる。よって、MOSFET16のパッケージ60として、端子間隔が狭い狭ピッチのパッケージを採用することができる。同様に、MOSFET26のゲート端子61及びソース端子62は、配線基板19上で絶縁されていることから、ゲート端子61及びソース端子62の間隔が小さくなったとしても、ゲート端子61及びソース端子62を適切に絶縁することができる。よって、MOSFET26のパッケージ60として、端子間隔が狭い狭ピッチのパッケージを採用することができる。
【0168】
また、本実施の形態では、導電片18が接合される拡張領域98は、MOSFET16aのソース端子62が接合されるランド961と、MOSFET16bのソース端子62が接合されるランド961の両方から拡張されて、貫通孔92cの周囲に位置することから、拡張領域98をMOSFET16a及び16bで共用することができる。これにより、MOSFET16aのソース端子62とバスバー4との間の電気抵抗と、MOSFET16bのソース端子62とバスバー4との間の電気抵抗とを簡単な構成で低減することができる。
【0169】
<回路構成体の他の例>
回路構成体1の構造は上記の例に限られない。例えば、突起部202及び212の少なくとも一方は、バスバー2の一部で構成されるのではなく、バスバー2と別体で構成されてもよい。この場合、突起部202及び212の少なくとも一方は、はんだ等の導電性接合材でバスバー2の主面に接合されてもよい。同様に、突起部302及び312の少なくとも一方は、バスバー3と別体で構成されてもよい。また、突起部402及び412の少なくとも一方は、バスバー4と別体で構成されてもよい。
【0170】
また、回路構成体1は導電片18を備えなくてもよい。この場合、貫通孔92内の突起部402と、当該貫通孔92の周囲の拡張領域98とがはんだ等で接合されてもよい。また、回路構成体1は導電片28を備えなくてもよい。この場合、貫通孔92内の突起部412と、当該貫通孔92の周囲の拡張領域98とがはんだ等で接合されてもよい。
【0171】
また、回路構成体1は放熱部材10を備えなくてもよい。また、バスバー2,3,4の一方の主面上にはMOSFET6及び導電片8が設けらなくてもよい。
【0172】
バスバー2,3,4に対して端子等をはんだ接合しやすくするため、配線部材と入力端子部21との接触抵抗を低減するため、及び配線部材と出力端子部31との接触抵抗を低減するために、バスバー2,3,4は、両主面に、ニッケルめっきなどの金属めっきを有してもよい。この場合、バスバー2,3,4は、金属めっきが表面に施された銅板であってもよい。
【0173】
以上のように、回路構成体1は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0174】
1 回路構成体
2 入力側バスバー
3 出力側バスバー
4 中継バスバー
5 絶縁部材
6,16,16a,16b,26,26a,26b 電子部品
7,7a,7b コネクタ
8,18,28 導電片
9,19 配線基板
9a,19a 第1部分
9b,19b 第2部分
9c,19c 第3部分
10,10a,10b 放熱部材
11 モールド樹脂
12a,12b 接合材
13,14 はんだペースト
20,30,65 本体部
21 入力端子部
21a,31a,92,92a,92b,92c 貫通孔
31 出力端子部
50,51,52 絶縁部分
60 パッケージ
61 ゲート端子
62 ソース端子
63 ドレイン端子
63a,962a 凸部
70 接続端子
90 絶縁基板
91,420 開口部
93,96,96a,96b,99 導電領域
95 導電層
98 拡張領域
101,102,111,112,113,114,115,116,117,118 導電性接合材
200,210,300,310,400,410 主面
201,211,301,311 基板載置領域
202,212,302,312,402,412 突起部
600,610 金属板
930,960,961,962,990 ランド
1000 電気接続箱