(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】文書管理システム、印刷受付装置、文書管理装置、印刷制御装置、印刷システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240730BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240730BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G06F3/12 371
G06F3/12 303
G06F3/12 373
G06F3/12 374
H04N1/00 127Z
B41J29/38 801
(21)【出願番号】P 2020128470
(22)【出願日】2020-07-29
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】鞠山 大樹
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-065791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00- 29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
一のユーザ
の端末から送られ
た、印刷を行う文書の印刷データを受け付け、
予め定められたグループに属する他のユーザから前記文書の印刷の要求を受け付けたときに、当該文書を特定する情報である文書特定情報を他のユーザ
の端末に送信し、
前記文書特定情報を基に他のユーザが印刷装置により前記文書の印刷を行ったときに当該印刷装置から送られる、当該文書特定情報および他のユーザを特定するユーザ特定情報を基に、当該文書の印刷を行った他のユーザの人数を求める
ことを特徴とする文書管理システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記文書特定情報とともに前記ユーザ特定情報を、他のユーザ
の端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の文書管理システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、一のユーザ
の端末から前記印刷データを受け付けたときに、他のユーザ
の端末に送る前記文書特定情報および前記ユーザ特定情報を予め作成することを特徴とする請求項2に記載の文書管理システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記グループに属さなくなった他のユーザ
の端末に対し、前記文書の印刷に関する情報について通知をすることを特徴とする請求項2に記載の文書管理システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記文書特定情報および前記ユーザ特定情報とともに、他のユーザが設定した前記文書の印刷の設定の情報である印刷設定情報を、他のユーザ
の端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の文書管理システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、他のユーザが印刷装置により前記文書の印刷を行った後に、前記ユーザ特定情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の文書管理システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記ユーザ特定情報を、他のユーザが使用する電子マネーのアカウントとすることを特徴とする請求項6に記載の文書管理システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記文書の印刷を行った他のユーザの人数に関する情報を、一のユーザ
の端末に通知することを特徴とする請求項1に記載の文書管理システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記文書の印刷を行った他のユーザの人数を基に、前記グループに属する他のユーザの全員が前記文書の印刷を行ったときは、一のユーザ
の端末に印刷が完了した旨の通知である印刷完了通知を送ることを特徴とする請求項8に記載の文書管理システム。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記グループに属する他のユーザの人数の増減を加味して、前記印刷完了通知を送ることを特徴とする請求項9に記載の文書管理システム。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記文書を印刷することができる期限があるときに、当該期限に応じ、印刷を行っていない他のユーザ
の端末に対し、印刷を促す通知である催促通知をすることを特徴とする請求項1に記載の文書管理システム。
【請求項12】
前記プロセッサは、
他のユーザから前記期限の延長の要求を受付け、
前記期限の延長が承諾されたときに、当該期限の延長をすることを特徴とする請求項11に記載の文書管理システム。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記催促通知の際に、前記期限に応じて前記文書の削除を行う通知である削除通知を行い、
前記文書の削除を否定する要求を受付けたときは、当該文書を削除しないことを特徴とする請求項11に記載の文書管理システム。
【請求項14】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
一のユーザ
の端末から送られ
た、印刷を行う文書の印刷データを受け付け、
予め定められたグループに属する他のユーザから前記文書の印刷の要求を受け付けたときに、当該文書の印刷を行った他のユーザの人数を求めるための、当該文書を特定する情報である文書特定情報および他のユーザを特定するユーザ特定情報を埋め込んだコードを作成するとともに、他のユーザ
の端末に送信する
ことを特徴とする印刷受付装置。
【請求項15】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
一のユーザ
の端末から送られ
た、印刷を行う文書の印刷データを保存し、
予め定められたグループに属する他のユーザから前記文書の印刷の要求を受け付けたときに、当該文書を特定する情報である文書特定情報を生成し、
前記文書特定情報を基に他のユーザが印刷装置により前記文書の印刷を行ったときに当該印刷装置から送られる、当該文書特定情報および他のユーザを特定するユーザ特定情報を基に、当該文書の印刷を行った他のユーザの人数を求める
ことを特徴とする文書管理装置。
【請求項16】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
印刷を行う文書を特定する情報である文書特定情報、および印刷を行うユーザを特定するユーザ特定情報を
、当該文書特定情報および当該ユーザ特定情報を含むQRコードを読み取ることで取得し、
前記文書特定情報を基に、前記文書の印刷データを、当該印刷データの管理を行う印刷管理装置から取得し、
前記印刷管理装置が前記文書の印刷を行ったユーザの人数を求めるために、前記印刷データを基にユーザが
当該文書の印刷を行ったときに前記文書特定情報および前記ユーザ特定情報を
当該印刷管理装置に送る
ことを特徴とする印刷制御装置。
【請求項17】
文書の印刷を行う印刷装置と、
前記文書の印刷データを管理する文書管理システムと、
を備え、
前記文書管理システムは、プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
一のユーザ
の端末から送られ
た、印刷を行う文書の印刷データを受け付け、
予め定められたグループに属する他のユーザから前記文書の印刷の要求を受け付けたときに、当該文書を特定する情報である文書特定情報を他のユーザ
の端末に送信し、
前記文書特定情報を基に他のユーザが印刷装置により前記文書の印刷を行ったときに当該印刷装置から送られる、当該文書特定情報および他のユーザを特定するユーザ特定情報を基に、当該文書の印刷を行った他のユーザの人数を求める
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項18】
コンピュータに、
一のユーザ
の端末から送られ
た、印刷を行う文書の印刷データを受け付ける受付機能と、
予め定められたグループに属する他のユーザから前記文書の印刷の要求を受け付けたときに、当該文書を特定する情報である文書特定情報を他のユーザ
の端末に送信する送信機能と、
前記文書特定情報を基に他のユーザが印刷装置により前記文書の印刷を行ったときに当該印刷装置から送られる、当該文書特定情報および他のユーザを特定するユーザ特定情報を基に、当該文書の印刷を行った他のユーザの人数を求める算出機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理システム、印刷受付装置、文書管理装置、印刷制御装置、印刷システム、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、QRコード(登録商標)等の文書を識別する情報を基に、文書の印刷ジョブの実行を制御する方法が存在する。
【0003】
特許文献1には、デジタル複合機はジョブ実行に伴って生成したジョブ履歴情報をジョブ履歴情報監査サーバーへ送信する統合セキュリティシステムが開示されている。ここで、ジョブ履歴情報監査サーバーはキーワードフィルタリング処理を行い、ジョブ実行制御情報と一緒に、画像データ特定情報を含むジョブ履歴情報を保存する。デジタル複合機はユーザーによるジョブ実行指示を受けて、画像データから紙媒体埋め込み情報を読み取り、画像データ特定情報を取得する。画像データ特定情報をジョブ履歴情報監査サーバーへ送信し、該当する画像データのジョブ実行制御情報を受信する。そのジョブ実行制御情報に応じて、ジョブの実行を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一のユーザがアップロードした文書ファイルを他のユーザがダウンロードし、印刷する際に、この文書ファイルを印刷した人数を把握したい場合がある。例えば、印刷した人数により、一のユーザは、予め定められたグループに属する他のユーザのうちの何人が既に印刷を行ったかを知ることができる。
しかしながら、印刷履歴を参照することで、この文書ファイルが何回印刷されたかは把握できるものの、印刷履歴から、印刷を行った人数を把握することは困難である。
本発明は、文書ファイルを印刷した人数を把握しない場合に比較して、文書ファイルを印刷した人数を把握し、活用することができる文書管理システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、一のユーザの端末から送られた、印刷を行う文書の印刷データを受け付け、予め定められたグループに属する他のユーザから前記文書の印刷の要求を受け付けたときに、当該文書を特定する情報である文書特定情報を他のユーザの端末に送信し、前記文書特定情報を基に他のユーザが印刷装置により前記文書の印刷を行ったときに当該印刷装置から送られる、当該文書特定情報および他のユーザを特定するユーザ特定情報を基に、当該文書の印刷を行った他のユーザの人数を求めることを特徴とする文書管理システムである。
請求項2に記載の発明は、前記プロセッサは、前記文書特定情報とともに前記ユーザ特定情報を、他のユーザの端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の文書管理システムである。
請求項3に記載の発明は、前記プロセッサは、一のユーザの端末から前記印刷データを受け付けたときに、他のユーザの端末に送る前記文書特定情報および前記ユーザ特定情報を予め作成することを特徴とする請求項2に記載の文書管理システムである。
請求項4に記載の発明は、前記プロセッサは、前記グループに属さなくなった他のユーザの端末に対し、前記文書の印刷に関する情報について通知をすることを特徴とする請求項2に記載の文書管理システムである。
請求項5に記載の発明は、前記プロセッサは、前記文書特定情報および前記ユーザ特定情報とともに、他のユーザが設定した前記文書の印刷の設定の情報である印刷設定情報を、他のユーザの端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の文書管理システムである。
請求項6に記載の発明は、前記プロセッサは、他のユーザが印刷装置により前記文書の印刷を行った後に、前記ユーザ特定情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の文書管理システムである。
請求項7に記載の発明は、前記プロセッサは、前記ユーザ特定情報を、他のユーザが使用する電子マネーのアカウントとすることを特徴とする請求項6に記載の文書管理システムである。
請求項8に記載の発明は、前記プロセッサは、前記文書の印刷を行った他のユーザの人数に関する情報を、一のユーザの端末に通知することを特徴とする請求項1に記載の文書管理システムである。
請求項9に記載の発明は、前記プロセッサは、前記文書の印刷を行った他のユーザの人数を基に、前記グループに属する他のユーザの全員が前記文書の印刷を行ったときは、一のユーザの端末に印刷が完了した旨の通知である印刷完了通知を送ることを特徴とする請求項8に記載の文書管理システムである。
請求項10に記載の発明は、前記プロセッサは、前記グループに属する他のユーザの人数の増減を加味して、前記印刷完了通知を送ることを特徴とする請求項9に記載の文書管理システムである。
請求項11に記載の発明は、前記プロセッサは、前記文書を印刷することができる期限があるときに、当該期限に応じ、印刷を行っていない他のユーザの端末に対し、印刷を促す通知である催促通知をすることを特徴とする請求項1に記載の文書管理システムである。
請求項12に記載の発明は、前記プロセッサは、他のユーザから前記期限の延長の要求を受付け、前記期限の延長が承諾されたときに、当該期限の延長をすることを特徴とする請求項11に記載の文書管理システムである。
請求項13に記載の発明は、前記プロセッサは、前記催促通知の際に、前記期限に応じて前記文書の削除を行う通知である削除通知を行い、前記文書の削除を否定する要求を受付けたときは、当該文書を削除しないことを特徴とする請求項11に記載の文書管理システムである。
請求項14に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、一のユーザの端末から送られた、印刷を行う文書の印刷データを受け付け、予め定められたグループに属する他のユーザから前記文書の印刷の要求を受け付けたときに、当該文書の印刷を行った他のユーザの人数を求めるための、当該文書を特定する情報である文書特定情報および他のユーザを特定するユーザ特定情報を埋め込んだコードを作成するとともに、他のユーザの端末に送信することを特徴とする印刷受付装置である。
請求項15に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、一のユーザの端末から送られた、印刷を行う文書の印刷データを保存し、予め定められたグループに属する他のユーザから前記文書の印刷の要求を受け付けたときに、当該文書を特定する情報である文書特定情報を生成し、前記文書特定情報を基に他のユーザが印刷装置により前記文書の印刷を行ったときに当該印刷装置から送られる、当該文書特定情報および他のユーザを特定するユーザ特定情報を基に、当該文書の印刷を行った他のユーザの人数を求めることを特徴とする文書管理装置である。
請求項16に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、印刷を行う文書を特定する情報である文書特定情報、および印刷を行うユーザを特定するユーザ特定情報を、当該文書特定情報および当該ユーザ特定情報を含むQRコードを読み取ることで取得し、前記文書特定情報を基に、前記文書の印刷データを、当該印刷データの管理を行う印刷管理装置から取得し、前記印刷管理装置が前記文書の印刷を行ったユーザの人数を求めるために、前記印刷データを基にユーザが当該文書の印刷を行ったときに前記文書特定情報および前記ユーザ特定情報を当該印刷管理装置に送ることを特徴とする印刷制御装置である。
請求項17に記載の発明は、文書の印刷を行う印刷装置と、前記文書の印刷データを管理する文書管理システムと、を備え、前記文書管理システムは、プロセッサを備え、前記プロセッサは、一のユーザの端末から送られた、印刷を行う文書の印刷データを受け付け、予め定められたグループに属する他のユーザから前記文書の印刷の要求を受け付けたときに、当該文書を特定する情報である文書特定情報を他のユーザの端末に送信し、前記文書特定情報を基に他のユーザが印刷装置により前記文書の印刷を行ったときに当該印刷装置から送られる、当該文書特定情報および他のユーザを特定するユーザ特定情報を基に、当該文書の印刷を行った他のユーザの人数を求めることを特徴とする印刷システムである。
請求項18に記載の発明は、コンピュータに、一のユーザの端末から送られた、印刷を行う文書の印刷データを受け付ける受付機能と、予め定められたグループに属する他のユーザから前記文書の印刷の要求を受け付けたときに、当該文書を特定する情報である文書特定情報を他のユーザの端末に送信する送信機能と、前記文書特定情報を基に他のユーザが印刷装置により前記文書の印刷を行ったときに当該印刷装置から送られる、当該文書特定情報および他のユーザを特定するユーザ特定情報を基に、当該文書の印刷を行った他のユーザの人数を求める算出機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、文書ファイルを印刷した人数を把握しない場合に比較して、文書ファイルを印刷した人数を把握し、活用することができる文書管理システムを提供することができる。
請求項2の発明によれば、他のユーザの特定がより容易になる。
請求項3の発明によれば、他のユーザが印刷の要求を行ってから、印刷を行うために必要なコードが表示されるまでの時間を短縮できる。
請求項4の発明によれば、グループに属さなくなったユーザにも、印刷ファイルの存在を知らせることができる。
請求項5の発明によれば、他のユーザが印刷装置の印刷設定画面で印刷設定を行う必要がなくなる。
請求項6の発明によれば、印刷を行ったユーザを特定することができる。
請求項7の発明によれば、印刷装置にコードを読み取る機能が不必要になる。
請求項8の発明によれば、印刷を行った他のユーザの人数等を、一のユーザが把握することができる。
請求項9の発明によれば、他のユーザの全員が印刷を行ったことを、一のユーザが確認できる。
請求項10の発明によれば、グループに属するユーザの人数が増減しても印刷完了通知をすることができる。
請求項11の発明によれば、他のユーザの全員が、期限内に印刷を完了させやすくなる。
請求項12の発明によれば、期限内に印刷を行えない他のユーザを救済することができる。
請求項13の発明によれば、文書ファイルを記憶するストレージ等の容量が逼迫することを抑制することができる。
請求項14の発明によれば、文書ファイルを印刷した人数を把握するために必要な文書特定情報およびユーザ特定情報を含むコードを作成できる印刷受付装置を提供することができる。
請求項15の発明によれば、文書ファイルを印刷した人数を把握しない場合に比較して、文書ファイルを印刷した人数を把握し、活用することができる文書管理装置を提供することができる。
請求項16の発明によれば、文書ファイルを印刷した人数を把握するために必要な文書特定情報およびユーザ特定情報を印刷管理装置に送ることができる印刷制御装置を提供することができ、QRコードをコードリーダにかざすだけで、文書特定情報およびユーザ特定情報を受け渡すことができる。
請求項17の発明によれば、文書ファイルを印刷した人数を把握しない場合に比較して、文書ファイルを印刷した人数を把握し、活用することができる印刷システムを提供することができる。
請求項18の発明によれば、文書ファイルを印刷した人数を把握しない場合に比較して、文書ファイルを印刷した人数を把握し、活用することができる機能をコンピュータにより実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態における印刷システムの構成例を示す図である。
【
図2】画像形成装置のハードウェア構成例を示した図である。
【
図4】印刷システムの機能構成例について説明したブロック図である。
【
図5】印刷システムの動作について説明したフローチャートである。
【
図6】印刷システムの動作について説明したシーケンス図である。
【
図7】(a)~(b)は、文書ファイル情報データベースおよび印刷実績データベースに登録されるデータのデータ構造について示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<印刷システム1の全体の説明>
図1は、本実施の形態における印刷システム1の構成例を示す図である。
図示する印刷システム1は、ユーザAの所有する端末装置10と、複数のユーザBが所有する端末装置20a、20b、20cと、文書の管理を行う文書管理システム30と文書の印刷を行う画像形成装置40とが、ネットワーク50を介して接続されることにより構成されている。
なお、
図1では、端末装置20は、3つ示しているが、その数はいくつであってもよい。なお、以下、端末装置20a、20b、20cのそれぞれを区別しない場合は、単に、端末装置20と言うことがある。またここで、「文書」とは、文字情報や画像情報を電子化した電子文書である。この電子文書は、端末装置10、端末装置20、文書管理システム30および画像形成装置40のそれぞれで扱うことができるものであれば、形式およびデータ構造等について特に限られるものではない。
【0010】
端末装置10は、ユーザAの指示により、画像形成装置40で印刷する文書ファイルを、文書管理システム30にアップロードする。
端末装置20は、画像形成装置40で印刷する文書について、ユーザBが印刷の指示を出す装置である。
端末装置10および端末装置20は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータ(PC)、モバイルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット等のコンピュータ装置である。そして、端末装置10および端末装置20は、OS(Operating System)による管理下において、各種アプリケーションソフトウェアを動作させることで、文書のアップロードや印刷の指示を行う。
【0011】
文書管理システム30は、文書の印刷データの一例である文書ファイルを管理する。文書管理システム30は、印刷システム1の全体の管理をするコンピュータシステムである。本実施の形態で、文書管理システム30は、ボットサーバ30aとファイルサーバ30bとを含み構成される。
【0012】
ボットサーバ30aは、ボットが動作するサーバコンピュータである。ボットは、SNS(Social Networking Service)アカウントを有し、このSNSアカウントに対し、文書ファイルを送信すると、この文書ファイルを受信する。即ち、ボットサーバ30aは、文書ファイルを受け付ける印刷受付装置の一例として機能する。
【0013】
ファイルサーバ30bは、文書を保存するサーバコンピュータである。ファイルサーバ30bは、ボットサーバ30aが受信した文書ファイルを保管し管理する。即ち、ファイルサーバ30bは、文書ファイルの管理を行う文書管理装置の一例として機能する。
【0014】
端末装置10、端末装置20および文書管理システム30は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)、記憶手段であるメインメモリ、およびHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等のストレージを備える。ここで、CPUは、プロセッサの一例であり、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアを実行する。また、メインメモリは、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、ストレージは、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
さらに、端末装置10、端末装置20および文書管理システム30は、外部との通信を行うための通信インタフェース(以下、「通信I/F」と表記する)と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構と、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスとを備える。
【0015】
画像形成装置40は、文書の印刷を行う印刷装置の一例であり、紙等の記録媒体に画像を形成し、印刷文書として出力するプリンタ機能を備える装置である。また、画像形成装置40は、プリンタ機能に加えて、例えば、スキャナ機能、ファクシミリ機能等の他の画像処理機能を備えていてもよい。
【0016】
図2は、画像形成装置40のハードウェア構成例を示した図である。
図示するように、画像形成装置40は、CPU41と、RAM(Random Access Memory)42と、ROM(Read Only Memory)43と、ストレージ44と、操作パネル45と、画像読み取り部46と、画像形成部47と、QRコードリーダ48と、通信I/F49とを備える。そして、これらがバスBを介して必要なデータのやりとりを行う。
【0017】
CPU41は、ROM43等に記憶された各種プログラムをRAM42にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。
RAM42は、CPU41の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
ROM43は、CPU41が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
ストレージ44は、HDDやSSDであり、画像読み取り部46が読み取った画像情報や画像形成部47における画像形成にて用いる画像情報等を記憶する。
【0018】
操作パネル45は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う、例えばタッチパネルである。操作パネル45がタッチパネルである場合、予め定められた領域でコンテンツ(情報内容)を画像として表示する液晶パネル等の表示部を備える。また、液晶パネル等に人の指、スタイラスペンに代表される接触物が接触したときに、接触物が液晶パネルに接触した位置を検知する機能を備えている。本実施の形態においてタッチパネルは、特に限定されるものではなく、抵抗膜方式や静電容量方式など種々の方式のものを使用することができる。
【0019】
画像読み取り部46は、原稿に記録された画像を読み取る。画像読み取り部46は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に照射した光に対する反射光を、CIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
【0020】
画像形成部47は、記録媒体に画像を形成する印刷機構の一例である。ここで、画像形成部47は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを用紙等の記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いることができる。
【0021】
QRコードリーダ48は、QRコードをかざすことで、光学的にQRコードを読み取る装置である。QRコードリーダ48は、例えば、LED等の光源と、レンズと、CCD(Charge Coupled Devices:電荷結合素子)イメージセンサとを備える。そして、光源からQRコードに光を照射し、QRコードから反射された反射光を、レンズにて結像し、結像された光学像を、CCDイメージセンサにて光電変換する。そして、CCDイメージセンサから出力されるアナログ画像信号を基に、QRコードを読み取る。
【0022】
通信I/F49は、ネットワーク50を介して他の装置との間で各種情報の送受信を行う。
【0023】
ネットワーク50は、端末装置10、端末装置20、文書管理システム30および画像形成装置40の間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)である。情報通信に用いられる通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用してもよい。また、端末装置10、端末装置20および文書管理システム30は、ゲートウェイ装置やルータ等の中継装置を用い、複数のネットワークや通信回線を介して接続されてもよい。
【0024】
<印刷システム1の動作の概略説明>
図3は、印刷システム1の概略動作を示した図である。
ユーザAとユーザBとは、例えば、同じSNSのグループに属する。そして、ユーザAは、端末装置10を操作し、文書ファイルを、文書管理システム30に向け、アップロードする(1A)。この「グループ」は、ユーザの集まりである。その形態は、特に限られることはない。例えば、企業の一部署をグループとすることができる。また、学校の一学級をグループとすることができる。また、ユーザAは、一のユーザの一例である。そして、ユーザBは、予め定められたグループに属する他のユーザの一例である。ユーザBは、ユーザAと同じグループに属し、このグループ内のユーザA以外のユーザである。なお、同じグループ内で、何れのユーザがユーザAになってもよい。
この文書ファイルは、文書管理システム30のボットサーバ30aが受け付け、ファイルサーバ30bが保管する(1B)。
【0025】
複数のユーザBのそれぞれは、画像形成装置40を使用して、この文書の印刷を行うことができる。この画像形成装置40は、例えば、コンビニエンスストアなどに備えられ、予め設定された料金を支払うことで印刷ができる装置である。
このときユーザBは、端末装置20を操作し、印刷の要求をすると、ファイルサーバ30bから印刷に必要な情報として、ユーザを特定する情報や文書を特定する情報である特定情報が送られる(1C)。
そして、ユーザBは、これらの特定情報を画像形成装置40に受け渡す(1D)。画像形成装置40では、特定情報を基に、ファイルサーバ30bから文書ファイルを取得し(1E)、文書の印刷を行う(1F)。そして、ユーザBは、印刷された文書である印刷文書を受け取る。
これにより、同じSNSのグループ内のユーザ間で、文書ファイルを共有し、文書の印刷を行うことができる。
【0026】
<印刷システム1の機能構成の説明>
図4は、印刷システム1の機能構成例について説明したブロック図である。
なおここでは、印刷システム1が有する種々の機能のうち本実施の形態に関係するものを選択して図示している。
【0027】
図示する印刷システム1の端末装置10は、外部装置と情報の送受信を行う送受信部110と、画像の表示を行う表示部120と、ユーザの指示を入力する入力部130と、端末装置10全体の制御を行う制御部140とを備える。
【0028】
送受信部110は、文書管理システム30に対し、文書ファイルのアップロードを行う。
表示部120は、文書ファイルをアップロードする際の選択画面や文書管理システム30からの通知を表示する。
入力部130は、文書ファイルをアップロードする際に、ユーザAが、文書ファイルの選択やアップロードの指示を入力する機構部である。
なお、表示デバイスおよび入力デバイスは、これらの機能を兼ね備えたタッチパネルなどであってもよい。
制御部140は、端末装置10の全体を制御する。制御部140は、表示部120で表示する画像を作成する。また、制御部140は、入力部130で入力されたユーザの指示に従い、送受信部110から文書ファイルをアップロードする。
【0029】
端末装置20は、端末装置10と同様の構成を有し、送受信部210と、表示部220と、入力部230と、制御部240とを備える。
送受信部210は、文書管理システム30に対し、文書ファイルの印刷の要求を行う。またこの際に、送受信部210は、ユーザBのユーザIDを併せて文書管理システム30に送信する。そして、送受信部210は、その結果、文書管理システム30で生成されたQRコードを受け取る。
表示部220は、文書管理システム30から受け取ったQRコードを表示する。このQRコードは、画像形成装置40で印刷を行う際に、使用される。
入力部230は、文書管理システム30に対し、文書ファイルの印刷の要求を行う際にユーザBが、文書ファイルの選択や印刷の要求の指示を入力する機構部である。
制御部240は、端末装置20の全体を制御する。制御部240は、表示部220で表示する画像を作成する。また、制御部240は、入力部230で入力されたユーザの指示に従い、送受信部210を介し、文書管理システム30に対し、文書ファイルの印刷の要求を行う。
【0030】
送受信部110、210は、例えば、通信I/Fに対応する。また、表示部120、220は、例えば、ディスプレイ等の表示デバイスに対応する。さらに、入力部130、230は、例えば入力デバイスに対応する。またさらに、制御部140、240は、例えば、CPUに対応する。
【0031】
文書管理システム30は、文書ファイル等の送受信を行う送受信部310と、文書ファイルを特定するファイル特定キーを作成する特定キー作成部320と、ファイル特定キーを含むQRコードを作成するQRコード作成部330と、文書ファイルを印刷したユーザBの人数を求める人数算出部340と、文書ファイルを保存する保存部350とを備える。
【0032】
送受信部310は、ネットワーク50を介し、端末装置10、20との間で文書ファイルの送受信を行う。送受信部310は、ユーザAから送られ、印刷を行うための文書ファイルを受け付ける。送受信部310は、例えば、通信I/Fに対応する。
【0033】
特定キー作成部320は、文書ファイルを特定するファイル特定キーを作成する。ファイル特定キーは、文書を特定する情報である文書特定情報の一例である。「ファイル特定情報」は、文書ファイルを特定するための情報である。ファイル特定キーは、例えば、文書ファイルがユーザAからアップロードされたときに、文書ファイルに付与される文書IDなどである。
【0034】
QRコード作成部330は、ユーザBが、画像形成装置40で印刷を行う際に、画像形成装置40のQRコードリーダ48にかざすQRコードを作成する。このQRコードは、特定キー作成部320で作成されたファイル特定キーが含まれる。また、ユーザBのユーザIDが含まれる。ユーザIDは、ユーザBを特定するユーザ特定情報の一例である。「ユーザ特定情報」は、ユーザが誰であるかを特定するための情報である。
【0035】
人数算出部340は、印刷を行ったユーザBの人数を算出する。詳しくは後述するが、人数算出部340は、画像形成装置40により文書の印刷を行ったときに画像形成装置40から送られる、ファイル特定キーおよびユーザIDを基に、印刷を行ったユーザBの人数を求める。特定キー作成部320、QRコード作成部330、人数算出部340は、例えば、CPUに対応する。
【0036】
保存部350は、文書ファイルを保存する。また、保存部350は、ファイル特定キー、ユーザID、ユーザBが印刷を行ったときの印刷設定を保存する。保存部350は、例えば、ストレージに対応する。
また、保存部350は、文書ファイルに関する情報を登録する文書ファイル情報データベース351と、文書ファイルが印刷された実績である印刷実績を登録する印刷実績データベース352とを備える。詳しくは後述するが、文書ファイル情報データベース351は、ユーザAが文書ファイルをアップロードすると、この文書ファイルやユーザAの情報などが登録される。また、詳しくは後述するが、印刷実績データベース352は、印刷実績として、文書の印刷を行ったユーザIDや印刷設定などが登録される。
【0037】
本実施の形態で、送受信部310およびQRコード作成部330は、ボットサーバ30aが備える機能である。また、特定キー作成部320、人数算出部340および保存部350は、ファイルサーバ30bが備える機能である。ただし、送受信部310、特定キー作成部320、QRコード作成部330、人数算出部340および保存部350の各機能部は、ボットサーバ30aおよびファイルサーバ30bの何れが行ってもよい。例えば、人数算出部340は、ファイルサーバ30bが備えるとしたが、ボットサーバ30aが備え、ユーザBの人数を求めてもよい。また、ボットサーバ30aおよびファイルサーバ30bの各機能部を、1つのサーバコンピュータにまとめて内蔵させてもよい。
【0038】
画像形成装置40は、外部機器と情報の送受信を行う送受信部410と、QRコードを読み取る読取部420と、印刷設定画面を表示する表示部430と、画像形成装置40の機能を実現する機構部440と、画像形成装置40の制御を行う制御部450とを備える。
【0039】
送受信部410は、端末装置10からアップロードされた文書ファイルを受け付ける。
送受信部410は、例えば、通信I/F49に対応する。
読取部420は、端末装置20の表示部220に表示されたQRコードを読み取る。読取部420は、例えば、QRコードリーダ48に対応する。
表示部430は、文書の印刷の設定を行う画面である印刷設定画面やユーザへの案内を表示する。ユーザへの案内は、例えば、画像形成装置40の操作方法や印刷に要する料金の案内である。
機構部440は、上述したスキャナ、印刷機構などである。機構部440は、画像読み取り部46、画像形成部47に対応する。
制御部450は、印刷制御装置の一例であり、画像形成装置40全体の制御を行う。制御部450は、例えば、CPU11、RAM12、ROM13に対応する。
【0040】
<印刷システム1の動作の説明>
図5は、印刷システム1の動作について説明したフローチャートである。また、
図6は、印刷システム1の動作について説明したシーケンス図である。以下、
図4~
図6を使用して、印刷システム1の動作について説明する。
【0041】
まず、ユーザAが、端末装置10の表示部120に表示された操作画面から、入力部130を操作して、アップロードする文書ファイルを選択し、選択した文書ファイルをアップロードする指示をする。これにより、制御部140は、送受信部110から、文書ファイルを、文書管理システム30に向け、アップロードする(ステップ101)。
端末装置10からアップロードされた文書ファイルは、ボットサーバ30aの送受信部310が受け付け、ファイルサーバ30bの保存部350が保存する(ステップ102)。このとき、文書ファイル情報データベース351に文書ファイルに関する情報が登録される。
次に、ファイルサーバ30bの特定キー作成部320が、文書を特定する情報であるファイル特定キーを作成し、ボットサーバ30aの送受信部310に送信する(ステップ103)。
【0042】
そして、ユーザBが、この文書ファイルを印刷したい場合、ユーザBは、端末装置20の表示部220に表示された操作画面から、入力部230を操作して、印刷したい文書を選択し、選択した文書の印刷の要求をする。制御部240は、送受信部210から、印刷の要求を、QRコードの表示依頼として、文書管理システム30に向け送る(ステップ104)。またこのとき、制御部240は、ユーザBを特定する情報であるユーザIDを併せて送る。
【0043】
端末装置10からのQRコードの表示依頼は、ボットサーバ30aの送受信部310が受け付け、ボットサーバ30aのQRコード作成部330は、QRコードを作成する(ステップ105)。このQRコードには、文書を特定する情報であるファイル特定キーおよびユーザを特定する情報であるユーザIDの情報が埋め込まれる。
そして、ボットサーバ30aの送受信部310は、QRコードを端末装置20に送り返し、端末装置20では、表示部220にQRコードが表示される(ステップ106)。即ち、送受信部310は、ファイル特定キーとともにユーザIDを、QRコードとして、ユーザBに送信する。
【0044】
次に、ユーザBは、画像形成装置40の読取部420に対し、表示部220に表示されたQRコードをかざす。これにより、読取部420により、QRコードが読み取られる(ステップ107)。
そして、制御部450は、QRコードの解析を行い(ステップ108)、ユーザIDおよびファイル特定キーを取得する(ステップ109)。
次に、制御部450は、取得したファイル特定キーを、送受信部410を介し文書管理システム30に送信する(ステップ110)。
文書管理システム30では、送られたファイル特定キーを基に、ファイルサーバ30bが、対応する文書ファイルを画像形成装置40に送り返す(ステップ111)。
【0045】
画像形成装置40では、制御部450が、表示部430に印刷設定画面を表示する(ステップ112)。
ユーザBは、印刷設定画面を操作し、文書の印刷に必要な印刷設定を入力する(ステップ113)。「印刷設定」は、例えば、印刷文書のサイズの設定、カラー印刷であるか白黒印刷であるかのカラーモードの設定、片面印刷であるか両面印刷であるかの両面設定、部数の設定などである。そして、「印刷設定情報」は、印刷設定を規定した情報である。
そして、ユーザBが、スタートキー等を押下すると、文書の印刷が開始され、ユーザBは、印刷された文書を取得することができる(ステップ114)。
【0046】
画像形成装置40は、印刷が終了すると、ユーザIDおよびファイル特定キーを、印刷実績として、文書管理システム30に送信する(ステップ115)。即ち、この場合、文書管理システム30は、ユーザBが画像形成装置40により文書の印刷を行った後に、ユーザIDを取得する。
文書管理システム30では、ファイルサーバ30bの人数算出部340が、印刷実績を印刷実績データベース352に登録する(ステップ116)。印刷実績データベース352から、人数算出部340は、文書ファイルを印刷したユーザBの人数を算出することができる。即ち、印刷実績から印刷を行ったユーザBのユーザIDがわかるので、ユーザBの中の誰が印刷を行ったかを人数算出部340は、把握することができる。またこれにより、人数算出部340は、文書ファイルを印刷したユーザBの人数を算出できる。
【0047】
そして、人数算出部340は、印刷したユーザBの人数により、ユーザBの全員が印刷を行ったかを判断する(ステップ117)。
その結果、ユーザBの全員が印刷していない場合(ステップ117でNo)、一連の処理を終了する。
対して、ユーザBの全員が印刷した場合(ステップ117でYes)、人数算出部340は、ユーザAに対し、印刷が完了したことを意味する印刷完了通知を送る(ステップ118)。「印刷完了通知」は、ユーザBの全員が印刷を完了したことをユーザAに知らせる通知である。印刷完了通知は、例えば、メッセージとして、ユーザAの端末装置10に表示される。
つまり、人数算出部340は、文書の印刷を行ったユーザBの人数に関する情報を、ユーザAに通知する。ここでは、文書の印刷を行ったユーザBの人数を基に、グループに属するユーザBの全員が文書の印刷を行ったときは、ユーザAに印刷が完了した旨の通知である印刷完了通知を送る。また、人数算出部340は、ユーザBの全員が文書の印刷を行っていなくても、印刷を行ったユーザBの人数やそのユーザの氏名等を、通知してもよい。即ち、ユーザBによる印刷の途中経過を通知してもよい。
【0048】
図7(a)~(b)は、文書ファイル情報データベース351および印刷実績データベース352に登録されるデータのデータ構造について示した図である。
このうち、
図7(a)は、文書ファイル情報データベース351に登録されるデータのデータ構造を示している。
上述したように、文書ファイル情報データベース351は、ユーザAによりアップロードされた文書ファイルに関する情報を登録する。ここでは、文書ファイルに関する情報は、文書ファイルテーブルT1として登録される。そして、文書ファイルテーブルT1は、ファイル特定キー、印刷ファイルの格納場所、グループの人数、ユーザAのユーザIDが登録される。
【0049】
また、
図7(b)は、印刷実績データベース352に登録されるデータのデータ構造を示している。
上述したように、印刷実績データベース352は、印刷実績を登録する。ここでは、印刷実績は、印刷実績テーブルT2として登録される。そして、印刷実績テーブルT2は、ファイル特定キー、印刷日時、記録媒体のサイズである用紙サイズ、カラーモード、両面設定、ユーザBのユーザIDが登録される。
【0050】
<変形例>
以下、本発明の変形例について説明する。
(変形例1)
図5のステップ112~ステップ113では、画像形成装置40が、印刷設定画面を表示し、ユーザBは、印刷設定画面に表示された印刷設定画面を操作し、文書の印刷に必要な印刷設定を入力していた。
一方、変形例1では、ユーザBは、印刷設定を予め端末装置20に入力し、ステップ104で印刷の要求を行う際に、ファイル特定キーおよびユーザIDとともに印刷設定を文書管理システム30に向け送る。そして、ステップ105で、ボットサーバ30aのQRコード作成部330は、QRコードを作成する際に、ファイル特定キーおよびユーザIDとともに印刷設定を埋め込む。さらに、ステップ106で、このQRコードを端末装置20に送り返す。つまりこのとき、ボットサーバ30aは、ファイル特定キーおよびユーザIDとともに、ユーザBが設定した文書の印刷の設定の情報である印刷設定情報を、QRコードとして、ユーザBに送信する。
そして、ステップ107で、画像形成装置40の読取部420により、QRコードが読み取られる際に、印刷設定も併せて読み取ることができる。その結果、ユーザBは、印刷設定画面で印刷設定を行う必要がなくなる。
【0051】
(変形例2)
ファイルサーバ30bは、グループに所属するユーザの出入りを記録することができる。つまり、従来、グループに所属していたユーザが、このグループから離脱したり、新たなユーザが、このグループに加入することがあり、ファイルサーバ30bは、この履歴を記録する。
グループに所属するユーザの出入りが生じることで、ユーザBとなるユーザの人数も増減することになるが、ファイルサーバ30bの人数算出部340は、
図5のステップ117で、グループに属する他のユーザの人数の増減を加味して、ユーザBの全員が印刷を行ったかを判断し、ステップ118の印刷完了通知を送る。
これにより、グループに所属するユーザの出入りがあっても、グループに属するユーザの人数に合わせて、ユーザAに印刷完了通知を送ることができる。
なお、ファイルサーバ30bは、グループに属さなくなったユーザに対し、文書の印刷に関する情報について通知をするようにしてもよい。この場合、ファイルサーバ30bは、例えば、このユーザの個人トークルームへ通知する。
【0052】
(変形例3)
図5のステップ101で、ユーザAが、文書ファイルを文書管理システム30にアップロードした時点で、ステップ105で行っていたQRコードを作成することができる。つまり、文書管理システム30では、グループに属するユーザBを、把握することができるため、この時点で、ボットサーバ30aは、それぞれのユーザBに送るQRコードを作成しておく。この場合、ボットサーバ30aのQRコード作成部330は、ユーザAから文書ファイルを受け付けたときに、ユーザBに送る、ファイル特定キーおよびユーザIDを含むQRコードを予め作成する。
これにより、ユーザBがQRコードの表示依頼を行ってからQRコードを作成する場合に比較して、ユーザBの端末装置20にQRコードが表示されるまでの時間を短縮できる。
【0053】
(変形例4)
ファイルサーバ30bが、文書を印刷することができる期限を設けることができる。例えば、文書ファイルに有効期限を設け、この期限内でないと、
図5のステップ111で、ファイルサーバ30bが、文書ファイルを画像形成装置40に送り返す処理を行わないようにする。
また、期限に応じ、まだ印刷を行っていないユーザBに対し、ファイルサーバ30bから印刷を促す通知である催促通知をすることもできる。「催促通知」は、ユーザBに印刷を促す通知である。催促通知は、例えば、メッセージとして、ユーザBの端末装置20に表示される。この場合、期限から予め定められた時間内になったときに、催促通知を行う。
これにより、ユーザBの全員が、期限内に印刷を完了させやすくなり、ユーザAがユーザBに対し、印刷を促す手間も発生しない。
【0054】
(変形例5)
さらに、ファイルサーバ30bが、期限の延長をすることもできる。この場合、例えば、ファイルサーバ30bは、期限が近づいたにもかかわらず、印刷を行っていないユーザBがいるか否かを判断する。そして、印刷を行っていないユーザBがいた場合、ユーザBに対し延長をするか否かの問い合わせを行う。そして、ファイルサーバ30bが、何れかのユーザから延長を行う旨の返信を受け取った場合、期限の延長を行う。これは、ユーザBから期限の延長の要求を受付け、期限の延長が承諾されたときに、期限の延長をする、と言うこともできる。
期限の延長を行うことで、ユーザAは、文書のアップロードを再度行い、印刷を行っていないユーザBに印刷をさせる手間が生じなくなる。また、期限内に印刷を行えないユーザBを救済することができる。
【0055】
(変形例6)
ファイルサーバ30bは、上記期限の経過後に、文書ファイルの削除をすることができる。このとき、ファイルサーバ30bは、上記催促通知の際に、期限に応じて文書ファイルの削除を行う通知である削除通知を行う。「削除通知」は、ユーザBに文書ファイルの削除を知らせる通知である。削除通知は、例えば、メッセージとして、ユーザBの端末装置20に表示される。そして、何れかのユーザから文書ファイルの削除を否定する要求を受付けたときは、文書ファイルを削除しない。対して、この要求がなかったときは、削除を行う。なお、期限内であっても、ユーザBの全員が印刷を行ったときは、文書ファイルを削除するようにしてもよい。
文書ファイルの削除を行うことで、保存部350の容量が逼迫することを抑制することができる。
【0056】
(変形例7)
上述した例では、ユーザIDを、ユーザBを特定するユーザ特定情報としていたが、これに限られるものではない。例えば、ユーザ特定情報を、ユーザBが使用する電子マネーのアカウントとすることができる。つまり、上述したように、画像形成装置40が、コンビニエンスストアなどに備えられ、予め設定された料金を支払うことで印刷ができる装置である場合、ユーザBは、電子マネーを使用して料金を支払うことができる。そして、このとき使用した電子マネーのアカウントをユーザ特定情報とする。
この場合、画像形成装置40にQRコードリーダ48がなくてもよい利点がある。
【0057】
(変形例8)
ユーザBは、複数回文書の印刷を行ってもよい。また、このとき異なる印刷設定で、印刷してもよい。この場合、例えば、画像形成装置40では、ユーザBが印刷を行った後に、別の印刷設定で印刷を行うか否かを、ユーザBに問い合わせる画面を表示する。その結果、ユーザBは、印刷設定を再度行い、印刷を行うことができる。そしてこのとき、
図5のステップ115の印刷実績は、印刷を行った度にではなく、複数回の印刷について、まとめて送信される。これにより、印刷実績を送信する回数が削減される。
【0058】
(変形例9)
上述した例では、QRコードにファイル特定キーやユーザIDを埋め込んでいたが、これに限られるものではなく、予め定められた方法で作成されたコードであればよい。例えば、バーコードであってもよく、ミストコードなどの電子透かしであってもよい。
【0059】
なお、上述した変形例1~9で、ボットサーバ30aが行っていた処理は、ファイルサーバ30bが行ってもよく、ファイルサーバ30bが行っていた処理は、ボットサーバ30aが行ってもよい。また、1つのサーバコンピュータが、これらの処理をまとめて行ってもよい。
【0060】
以上詳述したように、本実施の形態では、ファイル特定キーおよびユーザIDを利用することで、文書を印刷した人数を把握することができる。また、これを印刷完了通知をするのに活用することができる。さらに、本実施の形態では、ファイル特定キーおよびユーザIDをQRコードに埋め込み、ユーザBが、QRコードを画像形成装置40のQRコードリーダ48にかざすだけで、これらの情報を画像形成装置40に受け渡すことができる。そのため、ユーザBは、画像形成装置40にログインをする必要がなく、文書ファイルの指定などをする必要もない。よってユーザBは、より簡単に印刷を行うことができる。
【0061】
<プログラムの説明>
ここで、以上説明を行った本実施の形態の文書管理システム30で行う処理は、例えば、ソフトウェア等のプログラムとして用意される。そして、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。
【0062】
よって、文書管理システム30が行う処理を実行するプログラムは、コンピュータに、ユーザAから送られ、印刷を行う文書の印刷データを受け付ける受付機能と、予め定められたグループに属するユーザBから文書の印刷の要求を受け付けたときに、文書を特定する情報であるファイル特定キーを他のユーザに送信する送信機能と、ファイル特定キーを基にユーザBが画像形成装置40により文書の印刷を行ったときに画像形成装置40から送られる、ファイル特定キーおよびユーザBを特定するユーザIDを基に、文書の印刷を行ったユーザBの人数を求める算出機能と、を実現させるためのプログラムとして捉えることもできる。
【0063】
なお、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0064】
1…印刷システム、10、20…端末装置、30…文書管理システム、30a…ボットサーバ、30b…ファイルサーバ、40…画像形成装置、310、410…送受信部、320…特定キー作成部、330…QRコード作成部、340…人数算出部、350…保存部、420…読取部、430…表示部、440…機構部、450…制御部