(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20240730BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F3/01 510
(21)【出願番号】P 2020133265
(22)【出願日】2020-08-05
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉浜 太郎
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/203792(WO,A1)
【文献】特開2019-028603(JP,A)
【文献】特開2018-041201(JP,A)
【文献】特開2015-153169(JP,A)
【文献】特開2017-032870(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0040716(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0083011(US,A1)
【文献】特開2020-080154(JP,A)
【文献】特表2014-514652(JP,A)
【文献】特表2019-532382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
現実空間での対象物の空き領域を検知し、
複数の仮想対象物の配置を取得し、
前記空き領域に、前記複数の仮想対象物を、取得した配置で表示させ、
ユーザが、前記対象物の空き領域から、前記複数の仮想対象物のうち1つ以上の仮想対象物を取り上げる身振りを行った際に表示される仮想対象物に対する操作は、前記空き領域に表示されている仮想対象物に対する操作よりも制限させる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
ユーザに近い位置に配置されている前記仮想対象物ほど、前記仮想対象物の大きさを大きく表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記対象物において、障害物が存在しない領域を、空き領域として検知する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記対象物の空き領域を可視化した、仮想空間での補助目印を表示させる、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
ユーザが、前記対象物の空き領域に対して、前記複数の仮想対象物の手前への移動指示を行った場合、前記複数の仮想対象物の全てを、手前方向に移動させ、
移動させた仮想対象物が前記空き領域外に位置する場合は、前記移動させた仮想対象物を表示させない、
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記空き領域に表示されない仮想対象物を、前記空き領域の外側に位置する外側領域に表示させる、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記外側領域に、前記仮想対象物を表示する際は、前記仮想対象物の重要度が大きいものほど、前記外側領域において、ユーザに近い位置に表示させる、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
ユーザが、前記空き領域のうち手前の領域を見ているとき、前記複数の仮想対象物のうち、前記手前の領域に位置する1つ以上の仮想対象物の大きさを拡大して表示させる、
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
ユーザが、前記空き領域のうち奥の領域を見ているとき、前記複数の仮想対象物のうち、前記奥の領域に位置する1つ以上の仮想対象物の大きさを縮小して表示させる、
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記ユーザが前記1つ以上の仮想対象物を見ている時間の長さに応じて、前記1つ以上の仮想対象物の大きさを拡大または縮小して表示させる、
請求項8又は請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータに、
現実空間での対象物の空き領域を検知し、
複数の仮想対象物の配置を取得し、
前記空き領域に、前記複数の仮想対象物を、取得した配置で表示させ、
ユーザが、前記対象物の空き領域から、前記複数の仮想対象物のうち1つ以上の仮想対象物を取り上げる身振りを行った際に表示される仮想対象物に対する操作は、前記空き領域に表示されている仮想対象物に対する操作よりも制限させる、
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、オブジェクト検証方法を開示する。特許文献1のオブジェクト検証方法は、撮像手段が所定領域を撮像して得た画像データに基づいて拡張現実感ディスプレイシステムのビュー平面内に投影された画像に、システムのインタフェースツールとして用いることができる予め選択されたオブジェクトが存在するか否かを検証する方法である。
【0003】
前記オブジェクト検証方法は、識別ステップと、計算ステップと、検証ステップとを有する。識別ステップでは、前記ビュー平面に投影された画像内に存在すると予想される前記オブジェクトの候補である候補オブジェクトの予め定められた複数の特徴点の前記画像上の位置を識別する。計算ステップでは、前記撮像手段の前記撮像の基準となる位置を、前記ビュー平面を見る者の視点に位置させ、該視点の位置と前記識別された前記候補オブジェクトの前記複数の特徴点の前記位置とに基づいて、前記候補オブジェクトの前記所定領域内の現実の位置を計算する。検証ステップでは、前記計算された前記候補オブジェクトの前記所定領域内の現実の位置と、前記候補オブジェクトが前記オブジェクトであれば前記候補オブジェクトの前記計算された現実の位置が満たすべき予め定められた幾何学的条件と、に基づいて、前記候補オブジェクトが前記オブジェクトか否かを検証する。
【0004】
前記オブジェクト検証方法は、更に、検出ステップと、判断ステップと、変更ステップとを備える。検出ステップでは、前記投影された投影画像を別の投影画像に変更するコマンドに対応して、前記ビュー平面を見る者の手または指の動きと音声とが予め定められ、音声検出手段が、前記ビュー平面を見る者の音声を検出する。判断ステップでは、前記撮像手段により撮像して得られた画像データと前記音声検出手段により検出された音声とに基づいて、前記ビュー平面を見る者の手または指の動きと音声とが前記コマンドに対応して予め定められた前記動きと前記音声とであるか否かを判断する。変更ステップでは、前記ビュー平面を見る者の手または指の動きと音声とが前記コマンドに対応して予め定められた前記動きと前記音声とであると判断された場合、前記投影された投影画像を別の投影画像に変更する。
【0005】
特許文献2は、情報処理装置を開示する。特許文献2の情報処理装置は、画像情報取得手段と、作成手段と、を備える。画像情報取得手段は、情報の入力を行なう入力手段を撮影する撮影装置から当該入力手段の画像情報を取得する。作成手段は、前記画像情報を基に前記入力手段の画像を表示する表示装置に対する表示情報を作成し、前記表示装置で表示された前記入力手段を使用して入力した情報に応じて、当該表示装置に対する表示情報を更新する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第4663077号
【文献】特開2019-101796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現実空間の特定の場所(例えば、机の上)に、仮想的な文書を表示する際、該特定の場所に物理的な物体があり、該物体の存在を無視して、該文書を表示してしまうことがある。そのような場合、該文書を表示した状態で、該文書を操作しようとすると、物体が邪魔になってしまう。そこで、特定の場所において、文書の表示が可能な領域である空き領域に、文書を表示することが望まれている。
【0008】
ところで、文書を操作する際は、複数の文書を表示させて、ユーザが複数の文書を操作することがある。その際ユーザは、複数の文書の配列に意味をもたせて作業をすることがあり、その場合に、複数の文書の配置が崩されて表示されてしまうと、ユーザにとって不便になってしまうことがある。
【0009】
本発明の目的は、現実空間の特定の場所における空き領域に、複数の仮想対象物を表示させる際において、複数の仮想対象物の配置を維持して表示することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した課題を解決すべく、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、現実空間での対象物の空き領域を検知し、複数の仮想対象物の配置を取得し、前記空き領域に、前記複数の仮想対象物を、取得した配置で表示させる。
【0011】
第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、ユーザに近い位置に配置されている前記仮想対象物ほど、前記仮想対象物を大きく表示させる。
【0012】
第3態様に係る情報処理装置は、第1態様または第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、 前記対象物において、障害物が存在しない領域を、空き領域として検知する。
【0013】
第4態様に係る情報処理装置は、第1態様から第3態様までのいずれかの態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記対象物の空き領域を可視化した、仮想空間での補助目印を表示させる。
【0014】
第5態様に係る情報処理装置は、第1態様から第4態様までのいずれかの態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、ユーザが、前記対象物の空き領域に対して、前記複数の仮想対象物の手前への移動指示を行った場合、前記複数の仮想対象物の全てを、手前方向に移動させ、移動させた仮想対象物が前記空き領域外に位置する場合は、前記移動させた仮想対象物を表示させない。
【0015】
第6態様に係る情報処理装置は、第5態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記空き領域に表示されない仮想対象物を、前記空き領域の外側に位置する外側領域に表示させる。
【0016】
第7態様に係る情報処理装置は、第6態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記外側領域に、前記仮想対象物を表示する際は、前記仮想対象物の重要度が大きいものほど、前記外側領域において、ユーザに近い位置に表示させる。
【0017】
第8態様に係る情報処理装置は、第1態様から第7態様までのいずれかの態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、ユーザが、前記空き領域のうち手前の領域を見ているとき、前記複数の仮想対象物のうち、前記手前の領域に位置する1つ以上の仮想対象物の大きさを拡大して表示させる。
【0018】
第9態様に係る情報処理装置は、第1態様にから第8態様までのいずれかの態様係る情報処理装置において、前記プロセッサは、ユーザが、前記空き領域のうち奥の領域を見ているとき、前記複数の仮想対象物のうち、前記奥の領域に位置する1つ以上の仮想対象物の大きさを縮小して表示させる。
【0019】
第10態様に係る情報処理装置は、第8態様又は第9態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記ユーザが前記1つ以上の仮想対象物を見ている時間の長さに応じて、前記1つ以上の仮想対象物の大きさを拡大または縮小して表示させる。
【0020】
第11態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、ユーザが、前記対象物の空き領域から、前記複数の仮想対象物のうち1つ以上の仮想対象物を取り上げる身振りを行った際に表示される仮想対象物に対する操作は、前記空き領域に表示されている仮想対象物よりも制限させる。
【0021】
第12態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、現実空間での対象物の空き領域を検知し、複数の仮想対象物の配置を取得し、前記空き領域に、前記複数の仮想対象物を、取得した配置で表示させる、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0022】
第1態様に係る情報処理装置、及び第12態様に係る情報処理プログラムによれば、現実空間の空き領域に、複数の仮想対象物を表示させる際において、複数の仮想対象物の配置を維持して表示することができる。
【0023】
第2態様に係る情報処理装置によれば、前記仮想対象物の配置がユーザに近い位置であるほど、前記仮想対象物を大きく視認することができる。
【0024】
第3態様に係る情報処理装置によれば、前記障害物が存在しない空き領域で、前記障害物の存在によって前記複数の仮想対象物への視認を妨げられることなく、前記複数の仮想対象物を視認することができる。
【0025】
第4態様に係る情報処理装置によれば、前記補助目印が無い場合に比して、前記複数の仮想対象物をより容易に視認することができる。
【0026】
第5態様に係る情報処理装置によれば、前記移動指示を行った場合に、前記移動指示を行う前に比して、前記複数の仮想対象物の全てを前記ユーザにより近い位置で視認することができる共に、移動させた仮想対象物が、前記空き領域外に位置するとき、前記移動させた仮想対象物を視認しないようにすることができる。
【0027】
第6態様に係る情報処理装置によれば、前記空き領域に表示されない仮想対象物を、前記外側領域で、視認することができる。
【0028】
第7態様に係る情報処理装置によれば、前記外側領域で、前記仮想対象物の重要度が大きいほど、前記仮想対象物を前記ユーザにより近い位置で視認することができる。
【0029】
第8態様に係る情報処理装置によれば、前記空き領域のうち手前の領域に位置する1つ以上の仮想対象物を拡大して視認することができる。
【0030】
第9態様に係る情報処理装置によれば、前記空き領域のうち奥の領域に位置する1つ以上の仮想対象物を縮小して視認することができる。
【0031】
第10態様に係る情報処理装置によれば、前記ユーザが前記1つ以上の仮想対象物を見ている時間の長さに応じて、前記1つ以上の仮想対象物をより拡大し、又は、より縮小して視認することができる。
【0032】
第11態様に係る情報処理装置によれば、前記ユーザが前記1つ以上の仮想対象物を取り上げる身振りに応答して表示される仮想対象物に対する操作が、前記空き領域に表示されている仮想対象物に対する操作と同様に行われるとの事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】実施形態1の情報処理装置JSの構成を示す。
【
図2】実施形態1の情報処理装置JSの機能ブロック図である。
【
図6】実施形態1の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態1の現実空間GKでの空き領域ARを示す。
【
図9】実施形態1の仮想空間KKでのメニューMNを示す。
【
図10】実施形態1の複合空間FKでの机TK及びメニューMNを示す。
【
図11】実施形態1の仮想空間KKでの文書BS1~BS25の配置を示す。
【
図12】実施形態1の複合空間FKでの机TK、空き領域AR、文書BS1~BS25の表示を示す。
【
図13】実施形態2の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。
【
図14】実施形態2の現実空間GKでの机TK、コンピュータPC、書類PA、筆記用具PE、及び、空き領域ARを示す。
【
図15】実施形態2の仮想空間KKでの文書BS1~BS25の配置を示す。
【
図16】実施形態2の複合空間FKでの机TK、空き領域AR、文書BS1~BS25の表示を示す。
【
図17】実施形態2の変型例の仮想空間KKでの文書BS1~BS25の配置を示す。
【
図18】実施形態2の変型例の複合空間FKでの机TK、空き領域AR、文書BS1~BS25の表示を示す。
【
図19】実施形態3の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。
【
図20】実施形態3の複合空間FKでのメニューMNを示す。
【
図22】実施形態3の仮想空間KKでの文書BS1~BS4、BS6~BS9の配置を示す。
【
図23】実施形態3の複合空間FKでの机TK、空き領域AR、文書BS1~BS4、BS6~BS9の表示を示す。
【
図24】実施形態4の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。
【
図25】実施形態4の仮想空間KKでの補助目印HMの配置を示す。
【
図26】実施形態4の複合空間FKでの机TK、空き領域AR、文書BS1~BS15、補助目印HMの表示を示す。
【
図27】実施形態5の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。
【
図29】実施形態5の仮想空間KKでの今回の文書BS1、BS2、...の配置を示す。
【
図30】実施形態5の複合空間FKでの今回の机TK、空き領域AR、文書BS1、BS2、...の表示を示す。
【
図31】実施形態6の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。
【
図33】実施形態6の仮想空間KKでの文書BS1、BS2、...の配置を示す。
【
図34】実施形態6の複合空間FKでの机TK、空き領域AR、文書BS1、BS2、...の表示を示す。
【
図35】実施形態7の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。
【
図36】実施形態7の複合空間FKでの移動前の文書BS1、BS2、...を示す。
【
図37】実施形態7の仮想空間KKでの文書BS1、BS2、...の配置を示す。
【
図38】実施形態7の複合空間FKでの机TK、空き領域AR、移動後の文書BS1、BS2、...の表示を示す。
【
図39】実施形態8の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。
【
図40】実施形態8の複合空間FKでの文書BS1、BS2、...を示す。
【
図41】実施形態8の仮想空間KKでの外側領域SR1、SR2内の文書BS1、BS2、...の配置を示す。
【
図42】実施形態8の複合空間FKでの机TK、空き領域AR、文書BS1、BS2、...の表示を示す。
【
図43】実施形態9の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。
【
図44】実施形態9の複合空間FKでの文書BS1、BS2、...を示す。
【
図45】実施形態9の複合空間FKの手前側領域RY2での眼MEを示す。
【
図46】実施形態9の複合空間FKでの、机TK、空き領域AR、拡大された文書BS1、BS2、...の表示を示す。
【
図47】実施形態9の複合空間FKでの、机TK、空き領域AR、更に拡大された文書BS1、BS2、...の表示を示す。
【
図48】実施形態9の複合空間FKの奥側領域RY1での眼MEを示す。
【
図49】実施形態9の複合空間FKでの、机TK、空き領域AR、縮小された文書BS1、BS2、...の表示を示す。
【
図50】実施形態9の複合空間FKでの、机TK、空き領域AR、更に縮小された文書BS1、BS2、...の表示を示す。
【
図51】実施形態10の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。
【
図52】実施形態10の複合空間FKでの文書BS1、BS2、...を示す。
【
図53】実施形態10の複合空間FKでの文書BS3の移動を示す。
【
図54】実施形態10の複合空間FKでの机TK、空き領域AR、文書BS1、BS2、...、移動後の文書BS3を示す。
【
図55】実施形態11の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。
【
図56】実施形態11の複合空間FKでの文書BS3を取り上げる身振りを示す。
【
図57】実施形態11の複合空間FKでの拡大された文書BS3の表示を示す。
【
図58】実施形態11の複合空間FKでの文書BS1を取り上げる身振りを示す。
【
図59】実施形態11の複合空間FKでの拡大された文書BS1の表示を示す。
【
図60】実施形態11の複合空間FKでの文書BS1を戻す身振りを示す。
【
図61】実施形態11の複合空間FKでの元の大きさの文書BS1の表示を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
〈実施形態1〉
本発明に係る情報処理装置JSの実施形態1について説明する。
【0035】
実施形態1の情報処理装置JSは、例えば、ヘッドマウントディスプレイであり、現実空間GK(例えば、
図7に図示。)に、仮想空間KK(例えば、
図11に図示。)を重ね合わせることにより、複合空間FK(例えば、
図12に図示。)をユーザに提供する。
【0036】
ここで、「複合空間」とは、現実の世界である現実空間内に存在する物に、コンピュータの処理により生成される仮想空間内の映像を重ね合わせることによって形成される空間をいう。以下では、説明の便宜上、例えば、「現実空間と仮想空間とを重ね合わせることにより、複合空間に表示させる。」等の表現を用いる。
【0037】
〈実施形態1の構成〉
図1は、実施形態1の情報処理装置JSの構成を示す。以下、実施形態1の情報処理装置JSの構成について、
図1を参照して説明する。
【0038】
実施形態1の情報処理装置JSは、
図1に示されるように、入力部1と、CPU2(Central Processing Unit)と、出力部3と、記憶媒体4と、メモリ5と、を含む。
【0039】
入力部1は、例えば、センサ、カメラ、キーボード、マウス、タッチパネルから構成される。CPU2は、プロセッサの一例であり、ソフトウェアに従ってハードウェアを動作させる、よく知られたコンピュータの中核である。出力部3は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイから構成される。記憶媒体4は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)から構成される。メモリ5は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)から構成される。
【0040】
記憶媒体4は、プログラムPR、文書群情報BJ、書誌情報SJ、及び文書配置
図BHを記憶する。
【0041】
プログラムPRは、CPU2が実行すべき処理の内容を規定する命令群である。
【0042】
文書群情報BJ、書誌情報SJ、及び文書配置
図BHについては、後述する。
【0043】
図2は、実施形態1の情報処理装置JSの機能ブロック図である。
【0044】
情報処理装置JSは、
図2に示されるように、検知部11と、表示部12と、受付部13と、配置部14と、重ね合わせ部15と、取得部16と、形成部17と、制御部18と、記憶部19を含む。
【0045】
情報処理装置JSにおける、ハードウェアの構成と機能的構成との関係については、ハードウェア上で、CPU2が、記憶媒体4(記憶部19の一部の機能を実現する。)に記憶されたプログラムPRを、メモリ5(記憶部19の他の一部の機能を実現する。)を用いつつ実行すると共に、制御部18として、必要に応じて、入力部1及び出力部3の動作を制御することにより、検知部11、表示部12、受付部13、配置部14、重ね合わせ部15、取得部16、及び形成部17の各部の機能を実現する。各部の機能については、後述する。
【0046】
〈文書群情報BJ〉
図3は、実施形態1の文書群情報BJを示す。
【0047】
実施形態1の文書群情報BJは、文書群の名称と、文書群を構成する複数の文書との対応関係を示す。文書群情報BJは、
図3に示されるように、「文書群の名称」及び「文書群の構成」を含む。より詳しくは、例えば、文書群の名称「文書群1」(例えば、設計開発に関する文書群)は、文書BS1~BS25から構成されている。また、例えば、文書群の名称「文書群2」(例えば、製造に関する文書群)は、文書BS30~BS60から構成されている。
【0048】
〈書誌情報SJ〉
図4は、実施形態1の書誌情報SJを示す。
【0049】
実施形態1の書誌情報SJは、文書、例えば、文書BS1、BS2、...(
図3に図示。)が有する書誌事項を示す。書誌情報SJは、
図4に示されるように、「文書の名称」、「文書の重要度」、「文書のサイズ」、「文書の位置」を含む。
【0050】
より詳しくは、例えば、文書の名称「文書BS1」は、文書の重要度「やや高い」であり、文書のサイズ「A4」であり、文書の位置(x1、y1)である。また、例えば、文書の名称「文書BS2」は、文書の重要度「高い」であり、文書のサイズ「A4」であり、文書の位置(x2、y1)である。更に、例えば、文書の名称「文書BS3」は、文書の重要度「極めて高い」であり、文書のサイズ「A4」であり、文書の位置(x3、y1)である。
【0051】
「文書の位置」は、文書配置
図BH(
図5を参照して後述。)内における位置である。
【0052】
「文書の位置」は、また、空き領域ARにおける相対的な位置である。例えば、文書BS1は、広い空き領域AR(例えば、
図11に図示。)では、前記広い空き領域AR内で左下の隅に配置されており、かつ、文書BS2、BS6、BS7に隣接して配置されており、他方で、狭い空き領域AR(例えば、
図16に図示。)内でも、前記狭い空き領域ARの左下の隅に配置されており、かつ、文書BS2、BS6、BS7に隣接して配置されている。
【0053】
「文書の位置」は、ユーザにより自由に配置でき、更に、その位置により上記した「文書の重要度」が定められる。
【0054】
【0055】
実施形態1の文書配置
図BHは、文書BS1、BS2、...(
図3に図示。)の配置を示す。文書配置
図BHは、例えば、文書BS1が、位置(x1、y1)に配置され、文書BS2が、位置(x2、y1)に配置され、文書BS3が、位置(x3、y1)に配置されることを示す。
【0056】
ここで、文書BS1、BS2、...の「文書の重要度」は、文書BS1、BS2、...の書誌情報SJである位置に応じて定まる。具体的には、文書BS1、BS2、...は、文書BS1、BS2、...がユーザに近い(y軸座標の値が小さい)位置に配置されているほど、「文書の重要度」がより大きい。より詳細には、文書BS1、BS2、...は、文書BS1、BS2、...がユーザの手前の位置(x1、y1)~(x5、y1)により近い位置に配置され、また、ユーザにとっての中央の位置(x3、y1)~(x3、y5)により近い位置に配置されているほど、「文書の重要度」がより大きい。
【0057】
〈実施形態1の動作〉
図6は、実施形態1の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。以下、実施形態1の情報処理装置JSの動作について、
図6のフローチャートを参照して説明する。
【0058】
以下では、説明及び理解を容易にすべく、机TKが存在する現実空間GKと、文書群1を構成する文書BS1~BS25が配置される仮想空間KKとを重ね合わせることにより、複合空間FKを生成することを想定する。ここで、「机TK」は、『現実空間での対象物』の一例である。また、「文書BS1、BS2、...」は、『複数の仮想対象物』の一例である。「文書BS1、BS2、...」は、例えば、紙媒体である書類、書籍に限られず、例えば、紙媒体でないCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)を含み、また、文字で表現されたものに限られず、例えば、文字以外の画像、写真で表現されたものを含む。
【0059】
ステップS11:情報処理装置JSでは、CPU2(
図1に図示。)は、検知部11(
図2に図示。)として、
図7に示されるように、現実空間GK内の机TKを検知し、かつ、
図8に示されるように、机TKの空き領域ARを検知する。
【0060】
ここで、CPU2は、机TKの検知及び空き領域ARの検知を、入力部1(
図1に図示。)であるカメラにより撮像された画像に、画像処理、例えば、従来知られたR-CNN(Regions with Convolutional Neural Networks)、YOLO(You Only Look Once)、SSD(Single Shot MultiBox Detector)等を施すことにより行う。
【0061】
ここで、「空き領域AR」とは、机TKの表面(例えば、天板)における、文書B1、BS2、...のうちの少なくとも1つを載置することが可能であると推認される範囲をいう。
【0062】
ステップS12:CPU2は、表示部12(
図2に図示。)として、
図9に示されるように、仮想空間KKに、ユーザ(図示せず。)に、文書群1、文書群2、...を選択させるためのメニューMNを表示させる。
【0063】
ステップS13:CPU2は、重ね合わせ部15(
図2に図示。)として、現実空間GK内の机TK、及び、仮想空間KK内のメニューMNを重ね合わせることにより、表示部12(
図2に図示。)として、
図10に示されるように、複合空間FKに、机TK及びメニューMNを表示させる。ここで、CPU2は、受付部13(
図2に図示。)として、ユーザから、「文書群1」の選択を受け付けたことを想定する。
【0064】
ステップS14:CPU2は、取得部16(
図2に図示。)として、
図11に示されるように、ステップS13で選択された「文書群1」に基づき、文書群情報BJ(
図3に図示。)を参照することにより、「文書群1」が文書BS1~BS25(
図3に図示。)により構成されていることを取得する。CPU2は、また、取得部として、書誌情報SJ(
図4に図示。)及び文書配置
図BH(
図5に図示。)を参照することにより、文書BS1~BS25の「文書の位置」を取得する。
【0065】
ステップS15:CPU2は、配置部14(
図2に図示。)として、
図11に示されるように、仮想空間KKで、空き領域AR内(
図8に図示。)における、前記取得された文書BS1~BS25の「文書の位置」に、文書BS1~BS25を配置する。
【0066】
ステップS16:CPU2は、重ね合わせ部15(
図2に図示。)として、現実空間GK内の机TK(
図8に図示。)、並びに、仮想空間KK内の空き領域AR、及び文書BS1~BS25(
図11に図示。)を重ね合わせる。これにより、CPU2は、表示部12(
図2に図示。)として、
図12に示されるように、複合空間FKに、机TK、空き領域AR、及び、文書BS1~BS25を表示させる。
【0067】
ここで、CPU2は、
図12に示されるように、文書BS1、BS2、...の文書配置
図BHに含まれる「文書の位置」(
図5に図示。)がユーザにより近いほど、文書BS1、BS2、...をより大きく表示させる。
【0068】
ここで、「ユーザにより近い」とは、ユーザが空き領域に対して中央にいる場合は、空き領域の中央や手前に位置していることを意味している。この場合、空き領域の中央に位置している文書は、空き領域の左右に位置している文書よりも大きく表示し、ユーザに対して手前に位置している文書は、ユーザに対して奥に位置している文書よりも大きく表示することになる。
【0069】
複合空間FKでの空き領域AR(
図12に図示。)は、ユーザに視認することができても、視認することができなくても、いずれでも良い。
【0070】
〈実施形態2〉
実施形態2の情報処理装置JSについて説明する。
【0071】
〈実施形態2の構成〉
実施形態2の情報処理装置JSは、実施形態1の情報処理装置JSの構成(
図1に図示。)及び機能(
図2に図示。)と同様の構成及び機能を有する。
【0072】
〈実施形態2の動作〉
図13は、実施形態2の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。以下、実施形態2の情報処理装置JSの動作について、
図13のフローチャートを参照して説明する。
【0073】
実施形態2では、現実空間GKでの机TK上に何も存在しない実施形態1と相違して、
図14に示されるように、コンピュータPC、書類PA、及び筆記用具PEが存在する。ここで、コンピュータPC、書類PA、及び筆記用具PEは、それぞれ、『障害物』の一例である。
【0074】
以下では、説明を簡潔化すべく、ユーザが、予め、文書群1、即ち文書BS1~BS25を選択していることを想定する。
【0075】
ステップS21:情報処理装置JSでは、CPU2(
図1に図示。)は、検知部11(
図2に図示。)として、
図14に示されるように、現実空間GK内の机TKを検知し、かつ、コンピュータPC、書類PA、及び筆記用具PEが存在しない空き領域ARを検知する。
【0076】
ここで、CPU2は、コンピュータPC、書類PA、及び筆記用具PEが存在しない空き領域ARの検知を以下のように行う。CPU2は、実施形態1で説明した、R-CNN等の従来知られた画像処理を用いて机TK、コンピュータPC、書類PA、及び筆記用具PEの存在を検知する。CPU2は、前記検知の後に、机TKの表面、例えば、天板の領域から、コンピュータPC、書類PA、及び筆記用具PEが存在する領域を減算する。これにより、CPU2は、コンピュータPC、書類PA、及び筆記用具PEが存在しない空き領域ARを取得する。
【0077】
ステップS22:CPU2は、配置部14(
図2に図示。)として、
図15に示されるように、仮想空間KKでの空き領域AR内に、「文書群1」を構成する文書BS1~BS25(
図3に図示。)を配置する。
【0078】
ステップS23:CPU2は、重ね合わせ部15(
図2に図示。)として、現実空間GK内の机TK(
図8に図示。)、並びに、仮想空間KK内の空き領域AR、及び文書BS1~BS25(
図15に図示。)を重ね合わせる。これにより、CPU2は、表示部12(
図2に図示。)として、
図16に示されるように、複合空間FKに、机TK、空き領域AR、及び、文書BS1~BS25を表示させる。
【0079】
なお、空き領域の形状は、矩形である必要はなく、障害物を除いた領域であればよいため、空き領域の形状は、多角形や円形、楕円等でも構わない。
【0080】
〈実施形態2の変形例〉
CPU2は、上記したステップS22、S23に代えて、配置部14として、例えば、ユーザによる操作に応じて、
図17に示されるように、仮想空間KKで、文書BS1~BS25のうち、その一部である、例えば、文書BS2~BS5、BS7~BS10、BS12~BS15、BS17~BS20を拡大して配置する。これにより、CPU2は、表示部12として、
図18に示されるように、複合空間FKに、机TK、空き領域AR、拡大された文書BS2~BS5、BS7~BS10、BS12~BS15、BS17~BS20を表示させても良い。
【0081】
〈実施形態3〉
実施形態3の情報処理装置JSについて説明する。
【0082】
〈実施形態3の構成〉
実施形態3の情報処理装置JSは、実施形態1の情報処理装置JSの構成(
図1に図示。)及び機能(
図2に図示。)と同様の構成及び機能を有する。
【0083】
〈実施形態3の動作〉
図19は、実施形態3の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。以下、実施形態3の情報処理装置JSの動作について、
図19のフローチャートを参照して説明する。
【0084】
実施形態3では、文書BS1~BS25の全てを表示する実施形態1と相違して、文書BS1~BS25のうち、ユーザにより選択された一部の文書を表示する。
【0085】
ステップS31:情報処理装置JSでは、CPU2(
図1に図示。)は、表示部12(
図2に図示。)として、
図20に示されるように、複合空間FKに、メニューMNを表示する。メニューMNは、
図20に示されるように、ユーザによって、文書BS1~BS25のうち、ユーザが表示することを希望する文書を選択可能である。ここでは、CPU2は、受付部13(
図2に図示。)として、ユーザから、文書BS1、BS4、BS7の選択を受け付けたことを想定する。
【0086】
ステップS32:CPU2は、形成部17(
図2に図示。)として、
図21に示されるように、文書配置
図BH上で、ステップS31で選択された文書BS1、BS4、BS7により特定される閉領域HRを形成する。ここで、閉領域HR内には、
図21に示されるように、文書BS1~BS4、BS6~BS9が存在する。
【0087】
ここで、「閉領域」とは、より詳しくは、選択された文書BS1、BS4、BS7の全てを含む矩形の領域であって、面積が最小であるものをいう。
【0088】
ステップS33:CPU2は、配置部14(
図2に図示。)として、
図22に示されるように、仮想空間KKで、机TKの空き領域AR内に、閉領域HR(
図21に図示。)に存在するBS1~BS4、BS6~BS9を配置する。
【0089】
ステップS34:CPU2は、重ね合わせ部15(
図2に図示。)として、現実空間GK内の机TK(
図8に図示。)、並びに、仮想空間KK内の空き領域AR、及び文書BS1~BS4、BS6~BS9(
図22に図示。)を重ね合わせる。これにより、CPU2は、表示部12(
図2に図示。)として、
図23に示されるように、複合空間FKに、机TK、空き領域AR、及び、文書BS1~BS4、BS6~BS9を表示させる。
【0090】
ここで、CPU2は、空き領域ARに、文書BS1~BS25の全てを表示する必要が無い。その結果、CPU2は、例えば、実施形態1の複合空間FKでの文書BS1~BS25(
図12に図示。)の大きさと比較して、文書BS1~BS4、BS6~BS9を拡大して表示させる。
【0091】
〈実施形態4〉
実施形態4の情報処理装置JSについて説明する。
【0092】
〈実施形態4の構成〉
実施形態4の情報処理装置JSは、実施形態1の情報処理装置JSの構成(
図1に図示。)及び機能(
図2に図示。)と同様の構成及び機能を有する。
【0093】
〈実施形態4の動作〉
図24は、実施形態4の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。以下、実施形態4の情報処理装置JSの動作について、
図24のフローチャートを参照して説明する。
【0094】
実施形態4では、実施形態1と相違して、遠近法の下で、文書BS1~BS25の視認を補助するための補助目印を表示する。
【0095】
ステップS41:情報処理装置JSでは、CPU2(
図1に図示。)は、表示部12(
図2に図示。)として、例えば、
図25に示されるように、文書BS1~BS15が拡大して配置されている空き領域ARの範囲を可視化した補助目印HMを追加的に配置する。文書BS1~BS15は遠近法に基づいて表示されるため、文書BS1~BS15が配置される空き領域も、遠近法に基づいて台形に変形している。文書BS1~BS15が配置されている範囲を可視化することによって、ユーザは、どの範囲で文書BS1~BS15を取り扱うことが可能なのかを認識することができる。
【0096】
ステップS42:CPU2は、重ね合わせ部15(
図2に図示。)として、現実空間GK内の机TK(
図8に図示。)、並びに、仮想空間KK内の空き領域AR、文書BS1~BS15、及び補助目印HM(
図25に図示。)を重ね合わせる。これにより、CPU2は、表示部12(
図2に図示。)として、
図26に示されるように、複合空間FKに、机TK、空き領域AR、文書BS1~15、及び、補助目印HMを表示させる。
【0097】
〈実施形態5〉
実施形態5の情報処理装置JSについて説明する。
【0098】
〈実施形態5の構成〉
実施形態5の情報処理装置JSは、実施形態1の情報処理装置JSの構成(
図1に図示。)及び機能(
図2に図示。)と同様の構成及び機能を有する。
【0099】
〈実施形態5の動作〉
図27は、実施形態5の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。以下、実施形態5の情報処理装置JSの動作について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
【0100】
実施形態5では、文書BS1、BS2、...が、今回に先立つ前回に表示されていた位置が、文書配置
図BH(
図28に図示。)に記憶されていることを想定する。
【0101】
ここで、
図28に図示の文書配置
図BHに示されるように、前回、例えば、文書BS4、BS8、BS10、...は、存在しておらず、即ち、所々の文書BS4等が抜けているという歯抜けの状態である。
【0102】
ステップS51:情報処理装置JSでは、CPU2(
図1に図示。)は、取得部16(
図2に図示。)として、
図28に示されるように、文書BS1、BS2、...が、前回、表示されていた位置を示す文書配置
図BHを参照することにより、文書BS1、BS2、...を、今回、いずれの位置に配置すべきかを取得する。
【0103】
CPU2は、より詳しくは、
図28に示されるように、文書BS1~BS25のうち、前回のときに存在していた文書である、文書BS1、BS2、BS3、BS5、BS6、BS7、BS9、...が配置されていた位置を取得する。
【0104】
ステップS52:CPU2は、配置部14(
図2に図示。)として、
図29に示されるように、仮想空間KKの空き領域AR内における、文書BS1、BS2、BS3、BS5、BS6、BS7、BS9、...が、前回、配置されていた位置に、今回、文書BS1、BS2、BS3、BS5、BS6、BS7、BS9、...を配置する。
【0105】
ステップS53:CPU2は、重ね合わせ部15(
図2に図示。)として、現実空間GK内の机TK(
図8に図示。)、並びに、仮想空間KK内の空き領域AR、及び文書BS1、BS2、...(
図29に図示。)を重ね合わせる。これにより、CPU2は、表示部12として、
図30に示されるように、複合空間FKに、机TK、空き領域AR、及び、文書BS1、BS2、...を表示させる。
【0106】
〈実施形態6〉
実施形態6の情報処理装置JSについて説明する。
【0107】
〈実施形態6の構成〉
実施形態6の情報処理装置JSは、実施形態1の情報処理装置JSの構成(
図1に図示。)及び機能(
図2に図示。)と同様の構成及び機能を有する。
【0108】
〈実施形態6の動作〉
図31は、実施形態6の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。以下、実施形態6の情報処理装置JSの動作について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
【0109】
実施形態6では、実施形態1と相違して、文書BS1、BS2、...を、文書BS1、BS2、...の書誌情報SJである「文書のサイズ」に対応する大きさで表示する。
【0110】
以下では、説明及び理解を容易にすべく、
図32に示されるように、文書BS1、BS2、...の書誌情報SJに含まれる「文書のサイズ」(
図4に図示。)が、文書配置
図BHにも含まれていることを想定する。ここで、
図32に示されるように、「A3」、「A4」、「A5」は、「文書のサイズ」である。
【0111】
ステップS61:情報処理装置JSでは、CPU2(
図1に図示。)は、取得部16(
図2に図示。)として、文書配置
図BH(
図32に図示。)から、文書BS1、BS2、...の「文書のサイズ」を取得する。
【0112】
CPU2は、例えば、文書BS1が、文書のサイズ「A5」であり、文書BS2が、文書のサイズ「A4」であることを取得する。
【0113】
ステップS62:CPU2は、配置部14(
図2に図示。)として、
図33に示されるように、仮想空間KKで、空き領域AR内に、文書BS1、BS2、...の「文書のサイズ」に対応する大きさで、文書BS1、BS2、...を配置する。
【0114】
ステップS63:CPU2は、重ね合わせ部15(
図2に図示。)として、現実空間GK内の机TK(
図8に図示。)、並びに、仮想空間KK内の空き領域AR、及び文書BS1、BS2、...(
図33に図示。)を重ね合わせる。これにより、CPU2は、表示部12(
図2に図示。)として、
図34に示されるように、複合空間FKに、机TK、空き領域AR、及び、文書BS1、BS2、...を表示させる。
【0115】
〈実施形態7〉
実施形態7の情報処理装置JSについて説明する。
【0116】
〈実施形態7の構成〉
実施形態7の情報処理装置JSは、実施形態1の情報処理装置JSの構成(
図1に図示。)及び機能(
図2に図示。)と同様の構成及び機能を有する。
【0117】
〈実施形態7の動作〉
図35は、実施形態7の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。以下、実施形態7の情報処理装置JSの動作について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
【0118】
実施形態7では、文書BS1、BS2、...の位置が固定である実施形態1と相違して、ユーザの操作に対応して、文書BS1、BS2、...の位置が変更される。
【0119】
以下では、説明及び理解を容易にすべく、
図36に示されるように、複合空間FKで、机TKの空き領域AR内に、文書BS1、BS2、...が、予め、表示されていることを想定する。
【0120】
ステップS71:情報処理装置JSでは、CPU2(
図1に図示。)は、検知部11(
図2に図示。)として、
図36の矢印YJに示されるように、ユーザの手TE1、TE2が、空き領域AR内で、文書BS1、BS2、...を、ユーザの手前方向へ移動させようとする移動指示を検知する。
【0121】
ここで、CPU2は、ユーザの手TE1、TE2の移動の検知を、入力部1(
図1に図示。)であるカメラにより撮像した画像に、従来知られた画像処理、例えば、マッチング法、勾配法等を施すことにより行う。
【0122】
ステップS72:CPU2は、配置部14(
図2に図示。)として、
図37に示されるように、仮想空間KKで、空き領域AR内に、
図36の矢印YJの長さ(手TE1、TE2が移動した距離)に対応する位置に、文書BS1、BS2、...の全てを移動させて配置する。
【0123】
ステップS73:CPU2は、重ね合わせ部15(
図2に図示。)として、現実空間GK内の机TK(
図8に図示。)、並びに、仮想空間KK内の空き領域AR、及び文書BS1、BS2、...(
図37に図示。)を重ね合わせる。これにより、CPU2は、表示部12(
図2に図示。)として、
図38に示されるように、複合空間FKに、机TK、空き領域AR、及び、文書BS1、BS2、...の全てを表示させる。
【0124】
上記したステップS71~73とは対照的に、CPU2は、ユーザの手TE1、TE2が、空き領域AR内で、文書BS1、BS2、...を、ユーザの手前方向とは反対方向(ユーザから離れる方向)へ移動させようとする移動指示を検知したとき、文書BS1、BS2、...の全てを前記反対方向に移動させて配置した後に、表示させても良い。
【0125】
なお、上記した、ユーザの手前方向への移動、及び、ユーザから離れる方向への移動により、文書BS1、BS2、...のいずれかが、例えば、文書BS1が、空き領域ARの外に位置するときには、文書BS1を表示させないようにしてもよい。
【0126】
〈実施形態8〉
実施形態8の情報処理装置JSについて説明する。
【0127】
〈実施形態8の構成〉
実施形態8の情報処理装置JSは、実施形態1の情報処理装置JSの構成(
図1に図示。)及び機能(
図2に図示。)と同様の構成及び機能を有する。
【0128】
〈実施形態8の動作〉
図39は、実施形態8の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。以下、実施形態8の情報処理装置JSの動作について、
図39のフローチャートを参照して説明する。
【0129】
実施形態8では、文書BS1、BS2、...を空き領域AR内に配置し表示する実施形態1と相違して、文書BS1、BS2、...を空き領域AR内だけでなく、空き領域ARの外側に位置する外側領域SR1、SR2(例えば、
図41に図示。)にも配置し表示する。
【0130】
以下では、説明及び理解を容易にすべく、複合空間FKで、ユーザによる文書の操作(例えば、文書の拡大、文書の移動)に対応して、空き領域ARに、例えば、文書BS1~BS25のうちの一部の文書である文書BS1、BS2、...が、予め配置されていることを想定する。
【0131】
ステップS81:情報処理装置JSでは、CPU2(
図1に図示。)は、検知部11(
図2に図示。)として、
図40に示されるように、複合空間FKで、空き領域AR内に存在する文書BS1、BS2、...のうちの一部の文書である文書BS1~BS4、BS17~BS20が、空き領域AR内に完全には表示されていないこと、即ち、文書BS1~BS4、BS17~BS20の一部分が、空き領域ARに表示されていないことを検知する。
【0132】
ステップS82:CPU2は、形成部17(
図2に図示。)として、
図41に示されるように、仮想空間KKで、空き領域AR(
図40に図示。)の外側に、例えば、手前方向についての外側、間口方向についての外側、奥行き方向についての外側のうち、間口方向についての外側に、外側領域SR1、SR2を形成する。
【0133】
CPU2は、更に、配置部14(
図2に図示。)として、
図41に示されるように、外側領域SR1、SR2に、空き領域AR内に完全には表示されていない文書BS1~BS4、BS17~BS20のうち、いくつかの文書を配置する。より詳しくは、CPU2は、文書BS1~BS4、BS17~BS20の書誌情報SJの「文書の重要度」(
図4に図示。)、及び、複合空間FKにおける、空き領域ARでの文書BS1~BS4、BS17~BS20の位置(
図40に図示。)を考慮して、重要度が大きい文書ほど、ユーザに近い位置に配置されるように、例えば、左側の外側領域SR1に、手前から奥への方向に、文書BS2(または文書BS3)、文書BS3(または文書BS2)、文書BS1の順序で配置し、同様に、右側の外側領域SR2に、手間から奥への方向に、文書BS4、BS18、BS19の順序で配置する。
【0134】
なお、文書の重要度や文書が空き領域において表示されていた際の位置を考慮せずに、単に文書が表示されなくなった場合に、外側領域に表示するようにしてもよい。
【0135】
ステップS83:CPU2は、重ね合わせ部15(
図2に図示。)として、現実空間GK内の机TK(
図8に図示。)、並びに、仮想空間KK内の空き領域AR、外側領域SR1、SR2、及び、文書BS1、BS2、...(
図41に図示。)を重ね合わせる。これにより、CPU2は、表示部12(
図2に図示。)として、
図42に示されるように、複合空間FKに、机TK、空き領域AR、外側領域SR1、SR2、及び、文書BS1、BS2、...を表示させる。
【0136】
〈実施形態9〉
実施形態9の情報処理装置JSについて説明する。
【0137】
〈実施形態9の構成〉
実施形態9の情報処理装置JSは、実施形態1の情報処理装置JSの構成(
図1に図示。)及び機能(
図2に図示。)と同様の構成及び機能を有する。
【0138】
〈実施形態9の動作〉
図43は、実施形態9の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。以下、実施形態9の情報処理装置JSの動作について、
図43のフローチャートを参照して説明する。
【0139】
実施形態9では、文書BS1、BS2、...の大きさが何ら変更されない実施形態1と相違して、ユーザの眼が見ている位置、及び、見ている時間の長さに応じて、文書BS1、BS2、...の大きさが変更される。
【0140】
以下では、説明及び理解を容易にすべく、
図44に示されるように、複合空間FKで、空き領域AR内の奥側領域RY1、及び、手前側領域RY2に、文書BS1、BS2、...が、予め配置されていることを想定する。
【0141】
ここで、「奥側領域RY1」は、ユーザにとって、空き領域ARにおける奥に位置する領域(ユーザから相対的に遠い領域)であり、また、「手前側領域RY2」は、ユーザにとって、空き領域ARにおける手前に位置する領域(ユーザから相対的に近い領域)である。「奥側領域RY1」は、『奥の領域』の一例であり、「手前側領域RY2」は、『手前の領域』の一例である。
【0142】
なお、手前領域と奥の領域の境界は、予め特定の位置を定めても良いし、ユーザが任意で指定してもよい。
【0143】
ステップS91:情報処理装置JSでは、CPU2(
図1に図示。)は、検知部11(
図2に図示。)として、
図45に示されるように、複合空間FKで、ユーザの眼MEが、空き領域AR内の手前側領域RY2を見ていることを検知する。
【0144】
ここで、CPU2は、ユーザの眼MEが、手前側領域RY2を見ていることの検知を、入力部1(
図1に図示。)であるカメラにより撮像した画像に、画像処理方法、例えば、従来知られた「基準点を目頭にし、動点を虹彩にした位置関係を用いる方法」、「基準点を角膜反射にし、動点を瞳孔にした位置関係を用いる方法」を適用することにより行う。
【0145】
ステップS92:CPU2は、配置部14(
図2に図示。)として、仮想空間KKで、空き領域AR内に、手前側領域RY2内の文書BS1、BS2、...を拡大して配置する(図示せず。)。ここで、CPU2は、前記拡大した配置に併せて、奥側領域RY1内の文書BS10、BS11、...を拡大して配置しても良い。
【0146】
ステップS93:CPU2は、重ね合わせ部15(
図2に図示。)として、現実空間GK内の机TK(
図8に図示。)、並びに、仮想空間KK内の空き領域AR、奥側領域RY1、手前側領域RY2、及び、ステップS92で拡大された文書BS1、BS2、...を重ね合わせる。これにより、CPU2は、表示部12(
図2に図示。)として、
図46に示されるように、複合空間FKに、机TK、空き領域AR、奥側領域RY1、手前側領域RY2、及び、拡大された文書BS1、BS2、...を表示させる。
【0147】
CPU2は、ステップS92の配置を行うときに、ユーザの眼が、手前側領域RY2を見ている時間がより長いほど、文書BS1、BS2、...をより拡大して配置しても良い。これにより、ステップS93で、CPU2は、表示部12として、
図47に示されるように、複合空間FKに、机TK、空き領域AR、奥側領域RY1、手前側領域RY2、及び、更に拡大された文書BS1、BS2、...を表示させる。
【0148】
ステップS94:上記したステップS91とは対照的に、CPU2は、検知部11として、
図48に示されるように、複合空間FKで、ユーザの眼MEが、空き領域AR内の奥側領域RY1を見ていることを検知する。
【0149】
ここで、CPU2は、ユーザの眼MEが、奥側領域RY1を見ていることの検知を、例えば、ステップS91で説明した画像処理方法を用いて行う。
【0150】
ステップS95:上記したステップS92とは対照的に、CPU2は、配置部14として、仮想空間KKで、空き領域AR内に、奥側領域RY1の文書BS10、BS11、...を縮小して配置する(図示せず。)。ここで、CPU2は、前記縮小した配置に併せて、手前側領域RY2内の文書BS1、BS2、...を縮小して配置しても良い。
【0151】
ステップS96:CPU2は、更に、重ね合わせ部15として、現実空間GK内の机TK(
図8に図示。)、並びに、仮想空間KK内の空き領域AR、奥側領域RY1、手前側領域RY2、及び、ステップS95で縮小された文書BS10、BS11、...を重ね合わせる。これにより、CPU2は、表示部12として、
図49に示されるように、複合空間FKに、机TK、空き領域AR、奥側領域RY1、手前側領域RY2、及び、縮小された文書BS10、BS11、...を表示させる。
【0152】
CPU2は、ステップS95の配置を行うときに、ユーザの眼が、奥側領域RY1を見ている時間がより長いほど、文書BS10、BS11、...をより縮小して配置しても良い。これにより、ステップS96で、CPU2は、表示部12として、
図50に示されるように、複合空間FKに、机TK、空き領域AR、奥側領域RY1、手前側領域RY2、及び、更に縮小された文書BS10、BS11、...を表示させる。
【0153】
なお、実施形態9では、ユーザの眼が見ている位置、及び、見ている時間の長さに応じて、文書BS1、BS2、...の大きさを変更させたが、ユーザの目が見ている位置、および、ユーザのジェスチャを行っている時間に応じて、文書BS1、BS2、...の大きさを変更してもよい。例えば、ユーザが手前側領域を見つつ、手元で、2本の指の距離を広げる動作をしている場合、文書を拡大させ、ユーザが奥側領域を見つつ、手元で2本の指の距離を狭める動作をしている場合、文書を縮小させて表示させるようにしてもよい。
【0154】
〈実施形態10〉
実施形態10の情報処理装置JSについて説明する。
【0155】
〈実施形態10の構成〉
実施形態10の情報処理装置JSは、実施形態1の情報処理装置JSの構成(
図1に図示。)及び機能(
図2に図示。)と同様の構成及び機能を有する。
【0156】
〈実施形態10の動作〉
図51は、実施形態10の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。以下、実施形態10の情報処理装置JSの動作について、
図51のフローチャートを参照して説明する。
【0157】
実施形態10では、文書BS1、BS2、...のいずれもが移動しない実施形態1と相違して、文書BS1、BS2、...のうちの1つが、移動する。
【0158】
以下では、説明及び理解を容易にすべく、
図52に示されるように、複合空間FKで、空き領域ARに、文書BS1、BS2、...が予め表示されていることを想定する。
【0159】
ステップS101:情報処理装置JSでは、CPU2(
図1に図示。)は、検知部11(
図2に図示。)として、
図52、
図53に示されるように、複合空間FKで、机TKの空き領域AR内でユーザの手TEが接触する位置(例えば、ユーザの手TEが近付くことにより表示が開始されるボタンBTの位置)が、
図53の矢印YJの方向へ移動することを検知する。CPU2は、換言すれば、手TEが接触する位置に存在する文書BS3を手TEが移動させようとする動き(移動指示)を検知する。
【0160】
ステップS102:CPU2は、配置部14(
図2に図示。)として、仮想空間KKでの空き領域AR内で、文書BS3以外の文書BS1、BS2、BS4、...を、
図52に示される、BS1、BS2、BS4、...の位置と同じ位置に配置し、即ち、移動させることなく配置し、かつ、文書BS3を、
図53の矢印YJに示される移動後の位置に配置し、即ち、移動させて配置する(図示せず。)。
【0161】
ステップS103:CPU2は、重ね合わせ部15(
図2に図示。)として、現実空間GK内の机TK(
図8に図示。)、並びに、仮想空間KK内の空き領域AR、及び文書BS1、BS2、...を重ね合わせる。これにより、CPU2は、表示部12(
図2に図示。)として、
図54に示されるように、複合空間FKに、机TK、空き領域AR、文書BS1、BS2、...を表示させる。
図54で、点線は、文書BS3の移動前の位置を示す。
【0162】
〈実施形態11〉
実施形態11の情報処理装置JSについて説明する。
【0163】
〈実施形態11の構成〉
実施形態11の情報処理装置JSは、実施形態1の情報処理装置JSの構成(
図1に図示。)及び機能(
図2に図示。)と同様の構成及び機能を有する。
【0164】
〈実施形態11の動作〉
図55は、実施形態11の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。以下、実施形態11の情報処理装置JSの動作について、
図55のフローチャートを参照して説明する。
【0165】
実施形態11では、ユーザの操作とは何ら関係無く、文書BS1、BS2、...を表示させる実施形態1と相違して、ユーザの操作に応答して、文書BS1、BS2、...を拡大し、または、縮小して表示させる。
【0166】
以下では、説明及び理解を容易にすべく、
図56に示されるように、複合空間FKで、空き領域AR内に、文書BS1、BS2、...が、予め表示されていることを想定する。
【0167】
ステップS111:情報処理装置JSでは、CPU2(
図1に図示。)は、検知部11(
図2に図示。)として、
図56に示されるように、現実空間GKで、ユーザが、右手TE1の指を矢印YJ1、YJ2の方向に動かすことにより、文書BS3をユーザの方向へ取り上げようとする身振りを検知する。
【0168】
ステップS112:CPU2は、配置部14(
図2に図示。)として、仮想空間KKで、ユーザが取り上げようとする文書BS3を拡大して配置する(図示せず。)。
【0169】
ステップS113:CPU2は、重ね合わせ部15(
図2に図示。)として、現実空間GK内の机TK(
図8に図示。)、並びに、仮想空間KK内の空き領域AR、文書BS1、BS2、...、及び、ステップS112で拡大された文書BS3を重ね合わせる。これにより、CPU2は、表示部12(
図2に図示。)して、
図57に示されるように、複合空間FKに、机TK、空き領域AR、文書BS1、BS2、...、及び、拡大された文書BS3を表示させる。
【0170】
ステップS114:ステップS111と同様にして、CPU2は、検知部11として、
図58に示されるように、現実空間GKで、ユーザが、左手TE2の指を矢印YJ3、YJ4の方向に動かすことにより、文書BS1をユーザの方向へ取り上げようとする身振りを検知する。
【0171】
ステップS115:ステップS112と同様にして、CPU2は、配置部14として、仮想空間KKで、ユーザが既に取り上げた文書BS3、及び、ユーザが取り上げようとする文書BS1を拡大して配置する(図示せず。)。
【0172】
ステップS116:ステップS113と同様にして、CPU2は、重ね合わせ部15として、現実空間GK内の机TK(
図8に図示。)、並びに、仮想空間KK内の空き領域AR、文書BS2、...、既に拡大された文書BS3、及び、新たに拡大された文書BS1を重ね合わせる。これにより、CPU2は、表示部12として、
図59に示されるように、複合空間FKに、机TK、空き領域AR、文書BS2、...、並びに、拡大された文書BS3、BS1を表示させる。
【0173】
ユーザの方向へ取り上げようとする身振りによって拡大されて表示された文書に対する操作は、空き領域に表示されている際の文書に対して行える操作よりも制限されてもよい。
【0174】
取り上げようとする身振りによって文書を取り上げる場合は、文書を単に閲覧したい場合であることが多いため、例えば、取り上げようとする身振りによって拡大されて表示された文書は、閲覧のみ可能として、該文書に対して書き込み等の編集操作を行えないようにする。
【0175】
一方、空き領域に表示されている文書は、現実空間の机上に表示されており、書き込み等の編集操作を行いやすいため、ユーザの方向へ取り上げようとする身振りによって拡大されて表示された文書よりも、実施できる機能を拡張してもよい。
【0176】
上記したステップS111~116とは対照的に、例えば、複合空間FKで、
図60に示されるように、ユーザの左手TE2が、文書BS1を戻そうとする身振り(左手TE2の奥行方向への移動)が検知されたときには、CPU2は、仮想空間KKで、文書BS1を縮小して配置した後、
図61に示されるように、複合空間FKで、机TK、空き領域AR、拡大された文書BS3、元の大きさ(
図56に図示された大きさ)である文書BS1を表示させても良い。
【0177】
〈実施形態の組み合わせ〉
上述した実施形態1~実施形態11の情報処理装置JSは、各々、単独で構成されかつ動作することに代えて、2つ以上の実施形態の情報処理装置JSが組み合わされて構成されかつ動作することも可能である。
【0178】
〈プロセッサ、プログラムの補足説明〉
上記した実施形態において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指す。汎用的なプロセッサ(例えば、CPU: Central Processing Unit等)に加えて、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含む。
【0179】
上記した実施形態において、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって実現されてもよく、また、複数のプロセッサの協働によって実現されてもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記した実施形態における順序に限定されず、適宜変更してもよい。
【0180】
上記した実施形態において、プログラムPRは、記憶媒体4に予め記憶(インストール)されていることに代えて、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録されて提供されてもよく、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされてもよい。
【符号の説明】
【0181】
JS 情報処理装置
1 入力部
2 CPU
3 出力部
4 記憶媒体
5 メモリ
PR プログラム
BJ 文書群情報
SJ 書誌情報
BH 文書配置図
11 検知部
12 表示部
13 受付部
14 配置部
15 重ね合わせ部
16 取得部
17 形成部
18 制御部
19 記憶部