(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】ロボット監視システム、データサーバー及びデータサーバーの処理方法
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20240730BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20240730BHJP
B25J 19/06 20060101ALI20240730BHJP
G05B 19/18 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q50/04
B25J19/06
G05B19/18 X
(21)【出願番号】P 2020139193
(22)【出願日】2020-08-20
【審査請求日】2023-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】成澤 敦
【審査官】齋藤 健児
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-192657(JP,A)
【文献】特開2003-272064(JP,A)
【文献】特開2019-032611(JP,A)
【文献】特開2008-027201(JP,A)
【文献】特開2018-132800(JP,A)
【文献】特開2019-145076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
G06Q 50/04
B25J 19/06
G05B 19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのロボットを制御するロボットコントローラーと、データサーバーと、
データ表示端末と、を備えるロボット監視システムであって、
前記ロボットコントローラーは、
前記ロボットコントローラ
ーの識別情報、稼働
情報、設定情報を含むコントローラー生
成稼働情報を生成するコントローラー情報生成部と、
生成された前記コントローラー生成稼働情報を前記データサーバーに送信するコントロ
ーラー情報送信部と、を備え、
前記データサーバーは、
前記ロボットコントローラーより送信される前記コントローラー生成稼働情報を受信し
、保存するコントローラー情報保存部と、
所定の時刻において、前記コントローラー情報保存部に保存されている前記コントロー
ラー生成稼働情報を、前記所定の時刻より後に前記ロボットコントローラーから送付され
た前記コントローラー生成稼働情報によって更新する第1更新部と、
更新前後の前記コントローラー生成稼働情報から、稼働情報差分データを生成する差分
データ生成部と、
前記差分データ生成部で生成された前記稼働情報差分データを保存する差分データ保存
部と、
前記コントローラー情報保存部に保存されている前記コントローラー生成稼働情報から
、サーバー生成稼働情報を生成するサーバー情報生成部と、
前記サーバー生成稼働情報を保存する第1サーバー情報保存部と、
前記データ表示端末ごと
の識別情報と送信時間情報との対を保存する端末情報保存部と
、
前記第1サーバー情報保存部に保存されている前記サーバー生成稼働情報の送信、並び
に、前記端末情報保存部に記憶されている各前記データ表示端末の前記送信時間情報に基
づいて、前記差分データ保存部に保存された前記稼働情報差分データの送信、を前記デー
タ表示端末に対して行うサーバー情報送信部と、を備え、
前記データ表示端末は、
前記
データ表示端末ごとの識別情報に基づいて、前記データサーバーから前記サーバー
生成稼働情報を受信し、前記サーバー生成稼働情報を保存する第2サーバー情報保存部と
、
前記
データ表示端末ごとの識別情報に基づいて、前記データサーバーより受信した前記
コントローラー生成稼働情報に含まれる前記稼働情報差分データに基づき、前記第2サー
バー情報保存部に保存された
前記サーバー
生成稼働情報を更新する第2更新部と、
前記第2サーバー情報保存部に保存される前記サーバー生成稼働情報を表示する表示部
と、を備え、
前記コントローラー生成稼働情報には送信優先度情報が付与されて紐づけられており、
前記データサーバーは、前記ロボットコントローラーから受信した前記コントローラー
生成稼働情報の送信優先度情報が高の場合、前記差分データ生成部における前記稼働情報
差分データの生成に続いて、前記サーバー情報送信部による前記稼働情報差分データの送
信を、即時に行うことを特徴とするロボット監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載のロボット監視システムであって、
前記ロボットコントローラーは、ロボット生成稼働情報を一時保存しておく一時保存部
をさらに有し、
前記ロボットから前記ロボット生成稼働情報を収集した際、前記一時保存部にある前記
ロボット生成稼働情報と比較を行い、変化があった前記ロボット生成稼働情報のみを
ロボ
ット生成稼働情報差分データとして前記データサーバーに送信し、
前記データサーバーは、受信した前記
ロボット生成稼働情報差分データを基に前記コン
トローラー情報保存部の前記コントローラー生成稼働情報を更新することを特徴とするロ
ボット監視システム。
【請求項3】
少なくとも1つのロボットを制御するロボットコントローラーと、データサーバーと、
データ表示端末からなるロボット監視システムにおける前記データサーバーであって、
前記ロボットコントローラーより送信されるコントローラー生成稼働情報を受信し、保
存するコントローラー情報保存部と、
所定の時刻において、前記コントローラー情報保存部に保存されている前記コントロー
ラー生成稼働情報を、前記所定の時刻より後に前記ロボットコントローラーから送付され
た前記コントローラー生成稼働情報によって更新する第1更新部と、
更新前後の前記コントローラー生成稼働情報から、稼働情報差分データを生成する差分
データ生成部と、
前記差分データ生成部で生成された前記稼働情報差分データを保存する差分データ保存
部と、
前記コントローラー情報保存部に保存されている前記コントローラー生成稼働情報から
、サーバー生成稼働情報を生成するサーバー情報生成部と、
前記サーバー生成稼働情報を保存する第1サーバー情報保存部と、
前記データ表示端末ごとの識別情報と送信時間情報との対を保存する端末情報保存部と
、
前記端末情報保存部に記憶されている各前記データ表示端末の前記送信時間情報に基づ
いて、前記第1サーバー情報保存部に保存されている前記サーバー生成稼働情報の送信、
または、前記差分データ保存部に保存された前記稼働情報差分データの送信、を前記デー
タ表示端末に対して行うサーバー情報送信部と、を備え、
前記コントローラー生成稼働情報には送信優先度情報が付与されており、
前記ロボットコントローラーから受信した前記コントローラー生成稼働情報の送信優先
度情報が高の場合、前記差分データ生成部における前記稼働情報差分データの生成に続い
て、前記サーバー情報送信部による前記稼働情報差分データの送信を、即時に行うことを
特徴とするデータサーバー。
【請求項4】
請求項3に記載のデータサーバーであって、
前記データサーバーの前記コントローラー情報保存部は、受信した時刻の情報も含めて
保存することを特徴とするデータサーバー。
【請求項5】
請求項3または4に記載のデータサーバーであって、
前記データサーバーの前記端末情報保存部は、保存されている前記データ表示端末の前
記識別情報と前記送信時間情報との対に加えて、送信済み回数も保存し、
前記サーバー情報送信部は、前記送信済み回数に基づいて前記データ表示端末へ前記サ
ーバー生成稼働情報か前記稼働情報差分データのいずれかを送信することを特徴とするデ
ータサーバー。
【請求項6】
請求項3~5のいずれか一項に記載のデータサーバーであって、
前記データサーバーはさらに、前記端末情報保存部に保存される前記データ表示端末の
前記識別情報と前記送信時間情報との対を編集する編集機能を有し、
前記編集機能は前記データ表示端末の登録や削除を含み、
前記データサーバーの受付部は、Webサーバーを介してWebブラウザーから前記編
集機能の入力を受け付けることを特徴とするデータサーバー。
【請求項7】
請求項3~6のいずれか一項に記載のデータサーバーであって、
前記差分データ生成部による前記稼働情報差分データの生成は、一定時間間隔で行なう
か、前記ロボットコントローラーからの前記コントローラー生成稼働情報を受信完了した
時点で行うことを特徴とするデータサーバー。
【請求項8】
請求項3~7のいずれか一項に記載のデータサーバーであって、
前記データ表示端末が前記サーバー生成稼働情報を保存できなかった場合、前記サーバ
ー情報送信部が一定時間後に前記サーバー生成稼働情報を再送し、
前記データ表示端末が前記稼働情報差分データを保存できなかった場合、前記サーバー
情報送信部が一定時間後に前記稼働情報差分データを再送することを特徴とするデータサ
ーバー。
【請求項9】
少なくとも1つのロボットを制御するロボットコントローラーと、データサーバーと、
データ表示端末からなるロボット監視システムにおける前記データサーバーにおいて、前
記データサーバーがコントローラー情報保存部と、第1更新部と、差分データ生成部と、
差分データ保存部と、サーバー情報生成部と、第1サーバー情報保存部と、端末情報保存
部と、サーバー情報送信部と
、を備えるデータサーバーの処理方法であって、
前記コントローラー情報保存部が前記ロボットコントローラーより送信されるコントロ
ーラー生成稼働情報を受信し、保存し、
前記第1更新部が所定の時刻において、前記コントローラー情報保存部に保存されてい
る前記コントローラー生成稼働情報を、前記所定の時刻より後に前記ロボットコントロー
ラーから送付された前記コントローラー生成稼働情報によって更新し、
前記差分データ生成部が更新前後の前記コントローラー生成稼働情報から、稼働情報差
分データを生成し、
前記差分データ保存部が前記差分データ生成部で生成された前記稼働情報差分データを
保存し、
前記サーバー情報生成部が前記コントローラー情報保存部に保存されている前記コント
ローラー生成稼働情報から、サーバー生成稼働情報を生成し、
前記第1サーバー情報保存部が前記サーバー生成稼働情報を保存し、
前記端末情報保存部が前記データ表示端末ごとの識別情報と送信時間情報との対を抽出
し、
前記端末情報保存部に記憶されている各前記データ表示端末の前記送信時間情報に基づ
いて、前記サーバー情報送信部が前記第1サーバー情報保存部に保存されている前記サー
バー生成稼働情報の送信、または、前記差分データ保存部に保存された前記稼働情報差分
データの送信、を前記データ表示端末に対して行い、
前記コントローラー生成稼働情報には送信優先度情報が付与されており、
前記データサーバーは、前記ロボットコントローラーから受信した前記コントローラー
生成稼働情報の送信優先度情報が高の場合、前記差分データ生成部における前記稼働情報
差分データの生成に続いて、前記サーバー情報送信部による前記稼働情報差分データの送
信を、即時に行うことを特徴とするデータサーバーの処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット監視システム、データサーバー及びデータサーバーの処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製造工場では複数の作業用のロボットが稼働する。ロボットはワークの欠品や故障により停止することがある。例えば、特許文献1には、ロボットの稼働状態を監視するシステムが開示されている。それによると、データ収集装置が各ロボットからデータを収集し、バッファー内に記憶する。バッファー内のデータは、所定のタイミングでデータ表示端末に送信される、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のロボット監視システムでは、緊急を要する情報をタイムリーに知らしめることが困難であるという課題があった。また、通信回線が混雑している場合、さらにその問題は顕著となった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ロボット監視システムは、少なくとも1つのロボットを制御するロボットコントローラーと、データサーバーと、データ表示端末と、を備えるロボット監視システムであって、前記ロボットコントローラーは、前記ロボットコントローラー、及び、前記ロボットの識別情報、稼働状態、設定情報を含むコントローラー生成稼働情報を生成するコントローラー情報生成部と、生成された前記コントローラー生成稼働情報を前記データサーバーに送信するコントローラー情報送信部と、を備え、前記データサーバーは、前記ロボットコントローラーより送信される前記コントローラー生成稼働情報を受信し、保存するコントローラー情報保存部と、所定の時刻において、前記コントローラー情報保存部に保存されている前記コントローラー生成稼働情報を、前記所定の時刻より後に前記ロボットコントローラーから送付された前記コントローラー生成稼働情報によって更新する第1更新部と、更新前後の前記コントローラー生成稼働情報から、稼働情報差分データを生成する差分データ生成部と、前記差分データ生成部で生成された前記稼働情報差分データを保存する差分データ保存部と、前記コントローラー情報保存部に保存されている前記コントローラー生成稼働情報から、サーバー生成稼働情報を生成するサーバー情報生成部と、前記サーバー生成稼働情報を保存する第1サーバー情報保存部と、前記データ表示端末ごとの前記識別情報と送信時間情報との対を保存する端末情報保存部と、前記第1サーバー情報保存部に保存されている前記サーバー生成稼働情報の送信、並びに、前記端末情報保存部に記憶されている各前記データ表示端末の前記送信時間情報に基づいて、前記差分データ保存部に保存された前記稼働情報差分データの送信、を前記データ表示端末に対して行うサーバー情報送信部と、を備え、前記データ表示端末は、前記識別情報に基づいて、前記データサーバーから前記サーバー生成稼働情報を受信し、前記サーバー生成稼働情報を保存する第2サーバー情報保存部と、前記識別情報に基づいて、前記データサーバーより受信した前記サーバー生成稼働情報に含まれる前記稼働情報差分データに基づき、前記第2サーバー情報保存部に保存されたサーバー情報を更新する第2更新部と、前記第2サーバー情報保存部に保存される前記サーバー生成稼働情報を表示する表示部と、を備え、前記コントローラー生成稼働情報には送信優先度情報が付与されており、前記データサーバーは、前記ロボットコントローラーから受信した前記コントローラー生成稼働情報の送信優先度情報が高の場合、前記差分データ生成部における前記稼働情報差分データの生成に続いて、前記サーバー情報送信部による前記稼働情報差分データの送信を、即時に行う。
【0006】
データサーバーは、少なくとも1つのロボットを制御するロボットコントローラーと、データサーバーと、データ表示端末からなるロボット監視システムにおける前記データサーバーであって、前記ロボットコントローラーより送信されるコントローラー生成稼働情報を受信し、保存するコントローラー情報保存部と、所定の時刻において、前記コントローラー情報保存部に保存されている前記コントローラー生成稼働情報を、前記所定の時刻より後に前記ロボットコントローラーから送付された前記コントローラー生成稼働情報によって更新する第1更新部と、更新前後の前記コントローラー生成稼働情報から、稼働情報差分データを生成する差分データ生成部と、前記差分データ生成部で生成された前記稼働情報差分データを保存する差分データ保存部と、前記コントローラー情報保存部に保存されている前記コントローラー生成稼働情報から、サーバー生成稼働情報を生成するサーバー情報生成部と、前記サーバー生成稼働情報を保存する第1サーバー情報保存部と、前記データ表示端末ごとの識別情報と送信時間情報との対を保存する端末情報保存部と、前記端末情報保存部に記憶されている各前記データ表示端末の前記送信時間情報に基づいて、前記第1サーバー情報保存部に保存されている前記サーバー生成稼働情報の送信、または、前記差分データ保存部に保存された稼働情報差分データの送信、を前記データ表示端末に対して行うサーバー情報送信部と、を備え、前記コントローラー生成稼働情報には送信優先度情報が付与されており、前記ロボットコントローラーから受信した前記コントローラー生成稼働情報の送信優先度情報が高の場合、前記差分データ生成部における前記稼働情報差分データの生成に続いて、前記サーバー情報送信部による前記稼働情報差分データの送信を、即時に行う。
【0007】
データサーバーの処理方法は、少なくとも1つのロボットを制御するロボットコントローラーと、データサーバーと、データ表示端末からなるロボット監視システムにおける前記データサーバーにおいて、前記データサーバーがコントローラー情報保存部と、第1更新部と、差分データ生成部と、差分データ保存部と、サーバー情報生成部と、第1サーバー情報保存部と、端末情報保存部と、サーバー情報送信部と、制御部と、を備えるデータサーバーの処理方法であって、前記コントローラー情報保存部が前記ロボットコントローラーより送信されるコントローラー生成稼働情報を受信し、保存し、前記第1更新部が所定の時刻において、前記コントローラー情報保存部に保存されている前記コントローラー生成稼働情報を、前記所定の時刻より後に前記ロボットコントローラーから送付された前記コントローラー生成稼働情報によって更新し、前記差分データ生成部が更新前後の前記コントローラー生成稼働情報から、稼働情報差分データを生成し、前記差分データ保存部が前記差分データ生成部で生成された前記稼働情報差分データを保存し、前記サーバー情報生成部が前記コントローラー情報保存部に保存されている前記コントローラー生成稼働情報から、サーバー生成稼働情報を生成し、前記第1サーバー情報保存部が前記サーバー生成稼働情報を保存し、前記端末情報保存部が前記データ表示端末ごとの識別情報と送信時間情報との対を抽出し、前記端末情報保存部に記憶されている各前記データ表示端末の前記送信時間情報に基づいて、前記サーバー情報送信部が前記第1サーバー情報保存部に保存されている前記サーバー生成稼働情報の送信、または、前記差分データ保存部に保存された前記稼働情報差分データの送信、を前記データ表示端末に対して行い、前記コントローラー生成稼働情報には送信優先度情報が付与されており、前記データサーバーは、前記ロボットコントローラーから受信した前記コントローラー生成稼働情報の送信優先度情報が高の場合、前記差分データ生成部における前記稼働情報差分データの生成に続いて、前記サーバー情報送信部による前記稼働情報差分データの送信を、即時に行う。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】ロボット監視システムの構成を示すブロック図。
【
図3】第1ロボットコントローラーの構成を示すブロック図。
【
図5】第1データ表示端末の構成を示すブロック図。
【
図6】ロボット生成稼働情報及びコントローラー生成稼働情報を説明するための図。
【
図8】データ表示端末ごとの識別情報と送信時間情報を説明するための図。
【
図9】データ種別ごとの優先度を説明するための図。
【
図10】優先度と処理方法の関係を説明するための図。
【
図12】稼働情報差分データにより更新された稼働情報リストを説明するための図。
【
図14】表示部に表示される表示例を説明するための図。
【
図15】第1ロボットコントローラーの動作を示すフローチャート。
【
図16】データサーバーの動作を示すフローチャート。
【
図17】データサーバーの動作を示すフローチャート。
【
図18】第1データ表示端末の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態
本実施形態では、ロボット監視システムの特徴的な例について、図に従って説明する。
図1に示すように、ロボット監視システム1は第1ロボットグループ2及び第2ロボットグループ3を備える。第1ロボットグループ2はロボットとしての第1ロボット4、ロボットとしての第2ロボット5及びロボットコントローラーとしての第1ロボットコントローラー6を備える。第1ロボットコントローラー6は第1ロボット4及び第2ロボット5を制御する。第1ロボットコントローラー6は第1ロボット4及び第2ロボット5と通信を行い、第1ロボット4及び第2ロボット5の稼働情報を収集する。稼働情報は稼働中か停止中かの情報を含む。
【0010】
第2ロボットグループ3はロボットとしての第11ロボット7及びロボットコントローラーとしての第2ロボットコントローラー8を備える。第2ロボットコントローラー8は第11ロボット7を制御する。第2ロボットコントローラー8は第11ロボット7と通信を行い、第11ロボット7の稼働情報を収集する。尚、第1ロボットコントローラー6及び第2ロボットコントローラー8は3台以上のロボットを制御しても良い。
【0011】
ロボット監視システム1はデータサーバー9を備える。データサーバー9は第1ロボットコントローラー6及び第2ロボットコントローラー8と通信を行い、第1ロボット4、第2ロボット5及び第11ロボット7の稼働情報を収集する。
【0012】
ロボット監視システム1はデータ表示端末としての第1データ表示端末11及びデータ表示端末としての第2データ表示端末12を備える。第1データ表示端末11及び第2データ表示端末12はデータサーバー9と通信を行い、第1ロボット4、第2ロボット5及び第11ロボット7の稼働情報を入手する。第1データ表示端末11及び第2データ表示端末12は第1ロボット4、第2ロボット5及び第11ロボット7の稼働情報を表示する。データサーバー9はインターネットと接続される。データサーバー9はWebサーバー13を介してWebブラウザー14から操作可能になっている。尚、ロボットグループの数、ロボットの数、データ表示端末の数は特に限定されない。
【0013】
第1データ表示端末11及び第2データ表示端末12はインターネット上にあり、ユーザーが持ち運びできるようになっている。すなわち、夜、家に持って帰ったりもできる。それであるがゆえに、緊急事態が発生した時には即時に知らせられるようになっている必要があるし、インターネットの回線が混んでいる状況も踏まえて、差分情報にして容量を減らせるようになっている。
【0014】
次に、ロボット監視システムにかかわるロボットの構成を示す。第1ロボット4、第2ロボット5及び第11ロボット7は同じ構成である。第1ロボット4について説明し、第2ロボット5及び第11ロボット7の説明は省略する。
【0015】
図2に示すように、第1ロボット4はロボット情報生成部15及びロボット情報送信部16を備える。ロボット情報生成部15はロボット生成稼働情報を生成する。ロボット生成稼働情報はロボットが生成する稼働情報を示す。ロボット生成稼働情報にはロボットのモーターが稼働中か停止中かの情報が含まれる。他にも、第1ロボット4に問題が生じているときには問題の内容を示すエラーコードがロボット生成稼働情報に含まれる。ロボット情報送信部16はロボット生成稼働情報を第1ロボットコントローラー6に送付する。
【0016】
次に、ロボット監視システムにかかわるロボットコントローラーの構成を示す。第1ロボットコントローラー6及び第2ロボットコントローラー8は同じ構成である。第1ロボットコントローラー6について説明し、第2ロボットコントローラー8の説明は省略する。
【0017】
図3に示すように、第1ロボットコントローラー6は第1受信部17、一時保存部としてのロボット情報一時保存部18、第1記憶部19、差分演算部20、コントローラー情報生成部21及びコントローラー情報送信部22を備える。
【0018】
第1受信部17は第1ロボット4が送信するロボット生成稼働情報を受信する。第1受信部17は受信するロボット生成稼働情報をロボット情報一時保存部18に一時保存する。コントローラー情報生成部21は第1ロボットコントローラー6及び第1ロボット4、第2ロボット5の識別情報、稼働状態、設定情報を含むコントローラー生成稼働情報を生成する。コントローラー生成稼働情報には送信優先度情報が付与されている。送信優先度情報は即時に送信するか否かの情報である。
【0019】
第1ロボットコントローラー6は、ロボット生成稼働情報をロボット情報一時保存部18に一時保存しておく。第1ロボット4及び第2ロボット5からロボット生成稼働情報を収集した際、差分演算部20はロボット情報一時保存部18にあるロボット生成稼働情報と比較を行い、変化があったロボット生成稼働情報であるコントローラー生成稼働情報差分データとしての更新稼働情報をデータサーバー9に送信する。コントローラー生成稼働情報差分データはコントローラー生成稼働情報の一部分である。第1ロボットコントローラー6が最初にデータサーバー9にデータを送るときはコントローラー生成稼働情報を送信する。第1ロボットコントローラー6が2回目以降にデータサーバー9にデータを送るときはコントローラー生成稼働情報差分データを送信する。更新稼働情報はコントローラー生成稼働情報及びコントローラー生成稼働情報差分データを含む。
【0020】
コントローラー情報生成部21はロボット情報一時保存部18に保存されたロボット生成稼働情報のうちデータサーバー9に送信するコントローラー生成稼働情報を選択して第1記憶部19に記憶する。第1ロボットコントローラー6は、ロボット生成稼働情報を一時保存しておくロボット情報一時保存部18を有する。コントローラー生成稼働情報はコントローラーが生成する稼働情報を示す。コントローラー情報送信部22は生成されたコントローラー生成稼働情報をデータサーバー9に送信する。
【0021】
次に、ロボット監視システムにかかわるデータサーバー9の構成を示す。
図4に示すように、データサーバー9はコントローラー情報保存部23、第1更新部24、差分データ生成部25、差分データ保存部26、サーバー情報生成部27、第1サーバー情報保存部28を備える。さらに、データサーバー9は端末情報保存部29、稼働情報リスト保存部30、サーバー情報送信部31、受付部32、制御部33、第2記憶部34を備える。
【0022】
コントローラー情報保存部23は第2受信部35を備える。第2受信部35は第1ロボットコントローラー6及び第2ロボットコントローラー8より送信されるコントローラー生成稼働情報を受信する。コントローラー情報保存部23はコントローラー生成稼働情報を保存する。データサーバー9は、受信した更新稼働情報を基にコントローラー情報保存部23の更新稼働情報を更新する。
【0023】
データサーバー9のコントローラー情報保存部23は、受信した時刻の情報も含めて保存する。この構成によれば、コントローラー情報保存部23は受信した時刻を保存する。データサーバー9は送信時間情報と受信した時刻とを比較して、受信したデータのうち送信済のデータは第1データ表示端末11及び第2データ表示端末12に送信しない。従って、第1データ表示端末11及び第2データ表示端末12に送信するデータ量を減らすことができる。
【0024】
第1更新部24は所定の時刻において、コントローラー情報保存部23に保存されているコントローラー生成稼働情報を、所定の時刻より後に第1ロボットコントローラー6及び第2ロボットコントローラー8から送付されたコントローラー生成稼働情報によって更新する。
【0025】
差分データ生成部25は更新前後のコントローラー生成稼働情報から、稼働情報差分データを生成する。差分データ保存部26は差分データ生成部25で生成された稼働情報差分データを保存する。
【0026】
差分データ生成部25による稼働情報差分データの生成は、一定時間間隔で行なうか、ロボットコントローラーからのコントローラー生成稼働情報を受信完了した時点で行う。
【0027】
この構成によれば、一定時間間隔で稼働情報差分データの生成を行うときは、随時稼働情報差分データの生成を行うときに比べて、稼働情報差分データの生成と通信とを省略できる。更新稼働情報を受信完了する時間間隔が一定時間間隔より長いときには、さらに、稼働情報差分データの生成と通信とを省略できる。
【0028】
サーバー情報生成部27はコントローラー情報保存部23に保存されているコントローラー生成稼働情報から、サーバー生成稼働情報としての稼働情報リストを生成する。第1サーバー情報保存部28は稼働情報リストを保存する。
【0029】
端末情報保存部29はデータ表示端末ごとの識別情報と送信時間情報との対を保存する。サーバー情報送信部31は第1サーバー情報保存部28に保存されている稼働情報リストの送信を行う。並びに、サーバー情報送信部31は端末情報保存部29に記憶されている各データ表示端末の送信時間情報に基づいて、差分データ保存部26に保存された稼働情報差分データの送信、を各データ表示端末に対して行う。
【0030】
稼働情報リスト保存部30は稼働情報リストを保存する。稼働情報リストはすべての稼働情報が記載されたリストである。稼働情報差分データは稼働情報リストの一部分のデータである。
【0031】
受付部32はWebブラウザー14から送信される情報を受け付ける。制御部33は各機能部を統括する。他にも、制御部33はWebブラウザー14から送信される情報に対応して各種情報の編集を行う。
【0032】
データサーバー9は、端末情報保存部29に保存されるデータ表示端末の識別情報と送信時間情報の対を編集する編集機能を有する。編集機能はデータ表示端末の登録や削除を含み、データサーバー9の受付部32は、Webサーバー13を介してWebブラウザー14から編集機能の入力を受け付ける。
【0033】
この構成によれば、ユーザーはWebブラウザー14から、データ表示端末の登録や削除を行うことができる。ユーザーはWebブラウザー14から、データ表示端末の識別情報と送信時間情報の対を編集できる。従って、データ表示端末の設定を容易に行うことができる。
【0034】
第2記憶部34には制御部33や各機能部が行う制御手順が記憶されたプログラムソフトや各機能を実施するための情報が記憶される。他にも、第2記憶部34には稼働情報リストが保存される。稼働情報リストは稼働状態、モーター状態、エラー番号のリストである。
【0035】
次に、ロボット監視システムにかかわる第1データ表示端末11の構成を示す。第1データ表示端末11及び第2データ表示端末12は同じ構成である。第1データ表示端末11について説明し、第2データ表示端末12の説明は省略する。
【0036】
図5に示すように、第1データ表示端末11は第2サーバー情報保存部36、第2更新部37及び表示部38を備える。第2サーバー情報保存部36は第3受信部39を備える。第3受信部39は識別情報に基づいて、データサーバー9から稼働情報リストを受信する。第2サーバー情報保存部36は稼働情報リストを保存する。
【0037】
第2更新部37は識別情報に基づいて、データサーバー9より受信した稼働情報リストに含まれる稼働情報差分データに基づき、第2サーバー情報保存部36に保存されたサーバー情報を更新する。表示部38は第2サーバー情報保存部36に保存される稼働情報リストを表示する。
【0038】
図6に示すデータの表はロボット生成稼働情報及びコントローラー生成稼働情報の例である。識別番号のIDRC01は第1ロボットコントローラー6を示す。識別番号のIDRB01は第1ロボット4を示す。識別番号のIDRB02は第2ロボット5を示す。識別番号がIDRB01及びIDRB02のデータはロボット生成稼働情報である。識別番号のIDRC01のデータはコントローラー生成稼働情報である。
【0039】
コントローラー生成稼働情報には識別番号、種別、IP(Internet Protocol)アドレス、ロボット接続台数、稼働状態、エラー番号が示される。稼働状態は第1ロボットコントローラー6の状態を示す。エラー番号の0000は“エラー無し”を示す。識別番号は識別情報である。種別、IPアドレス、ロボット接続台数は設定情報である。稼働状態、エラー番号は稼働情報である。
【0040】
ロボット生成稼働情報には識別番号、種別、接続コントローラー、モーター状態、エラー番号が示される。モーター状態にはロボットの稼働状態が示される。種別、接続コントローラーは設定情報である。モーター状態、エラー番号は稼働情報である。第1ロボットコントローラー6に第1ロボット4及び第2ロボット5のデータが送信されることが示されている。第1ロボットコントローラー6、第1ロボット4及び第2ロボット5が正常動作していることが示されている。
【0041】
図7に示すデータの表は稼働情報リストの例である。稼働情報差分データも稼働情報リストと同じ項目のデータである。データサーバー識別番号のIDDS01はデータサーバー9を示す。識別番号のIDRC02は第2ロボットコントローラー8を示す。識別番号のIDRB11は第11ロボット7を示す。ロボット生成稼働情報及びコントローラー生成稼働情報は稼働情報リストの一部になっている。
【0042】
データサーバー9の情報にはデータサーバー識別情報、種別、IPアドレス、コントローラー接続台数、タイムスタンプが示される。タイムスタンプはデータを更新した年月日時刻を示す。稼働情報リストにはデータサーバー9に第1ロボットコントローラー6及び第2ロボットコントローラー8のデータが送信されることが示されている。第2ロボットコントローラー8に第11ロボット7のデータが送信されることが示されている。第1ロボットコントローラー6、第2ロボットコントローラー8、第1ロボット4、第2ロボット5及び第11ロボット7が正常動作していることが示されている。
【0043】
図8に示すデータの表はデータ表示端末ごとの識別情報と送信時間情報の例である。送信端末ID(Identification)にはIPアドレスが記載される。例えば、第1データ表示端末11のIPアドレスがxxx.xxx.xxx.xxxであり、第2データ表示端末12のIPアドレスがyyy.yyy.yyy.yyyである。
【0044】
送信時間帯開始及び送信時間帯終了にはデータサーバー9が第1データ表示端末11及び第2データ表示端末12に稼働情報差分データを送信する時間帯の開始時刻と終了時刻が記載される。例えば、稼働情報差分データを送信する時間帯が8:00~22:00に設定される。
【0045】
送信済み回数はデータサーバー9からデータ表示端末に稼働情報リストを送信した回数である。第1データ表示端末11はデータサーバー9から稼働情報リストを1回受信した。第2データ表示端末12はデータサーバー9から稼働情報リストを受信したことがないことが示されている。
【0046】
図9に示すデータの表はデータ種別ごとの優先度を示す例である。優先度が“0”のデータは定期的にデータが更新される。優先度が“1”のデータは即時にデータが更新される。稼働状態、モーター状態、エラー番号の優先度は“1”なので、データは即時に変更される。
【0047】
図10は優先度と処理方法の関係を示す。
図10に示すように、優先度が“0”のときは即時処理が不要である。優先度が“1”のときは即時処理が必要である。
【0048】
図11は稼働情報差分データの例を示す。
図11に示すように、稼働情報差分データにはデータサーバー識別情報とタイムスタンプを有する。タイムスタンプはデータサーバー9が第1データ表示端末11に送信した年月日時刻を示す。稼働情報差分データの例には第1ロボットコントローラー6が停止し、エラー番号が“1234“であることが示されている。さらに、稼働情報差分データの例には第2ロボット5にエラーが生じ、エラー番号が“2234“であることが示されている。エラー番号が示す内容はエラーコード表により参照可能になっている。
【0049】
図12は稼働情報差分データにより更新された稼働情報リストの例を示す。
図12に示すように、データサーバー9のタイムスタンプの値が更新データの値に変更される。他にも、第1ロボットコントローラー6の稼働状態のデータが“停止”に変更される。他にも、第2ロボット5のエラー番号が“2234“に変更される。
図7に示す稼働情報リストが
図11に示す稼働情報差分データにより変更されて
図12に示す稼働情報リストになる。
【0050】
図13はエラーコードの例を示す。
図13に示すように、4桁の数字で示されるエラーコードにはそれぞれエラーの内容が関係づけられている。
図13には6個のエラーコードが示されているが、示されたエラーコードは全体の一部である。
【0051】
図14は表示部38に表示される表示の例を示す。
図14に示すように、表示部38には稼働情報差分データにより更新された稼働情報リストが表示される。最上段に第1ロボットコントローラー6の情報が表示される。第1ロボットコントローラー6が停止していることが表示される。上から2段目には第1ロボット4の情報が表示される。第1ロボット4が稼働していることが表示される。上から3段目には第2ロボット5の情報が表示される。第2ロボット5は稼働しているが、エラー番号が表示されている。第2ロボット5に異常が生じていることがわかる。
【0052】
上から4段目には第2ロボットコントローラー8の情報が表示される。第2ロボットコントローラー8が稼働していることが表示される。上から5段目には第11ロボット7の情報が表示される。第11ロボット7が稼働していることが表示される。
【0053】
次に、
図15~
図18を用いてロボット監視システム1の動作を説明する。
図15のフローチャートには第1ロボットコントローラー6が動作する手順が示される。ステップS1では第1ロボットコントローラー6が第1ロボット4からロボット生成稼働情報を受信する。ロボット情報生成部15がロボット生成稼働情報を生成する。次に、ロボット情報送信部16が第1ロボットコントローラー6にロボット生成稼働情報を送信する。第1ロボットコントローラー6では第1受信部17がロボット生成稼働情報を受信してロボット情報一時保存部18に保存する。第2ロボットコントローラー8に対しても同様の内容を行う。次にステップS2に移行する。
【0054】
第1ロボットコントローラー6は、複数のロボットを制御するためそれらの情報を持っている。したがって、第1ロボットコントローラー6配下のロボット情報に関しては一括で第1ロボットコントローラー6が情報を作成し、データサーバー9に送信する。
【0055】
ステップS2では更新情報を第1記憶部19に記憶する。差分演算部20がロボット生成稼働情報から更新情報を抽出する。差分演算部20は更新情報を第1記憶部19に記憶する。次にステップS3に移行する。
【0056】
ステップS3では更新稼働情報を送信する。更新情報に基づき、コントローラー情報生成部21が識別情報、稼働状態、設定情報を含むコントローラー生成稼働情報を生成する。コントローラー情報送信部22がコントローラー生成稼働情報をデータサーバー9に送信する。つまり、第1ロボット4からロボット生成稼働情報を収集した際、ロボット情報一時保存部18にあるロボット生成稼働情報と比較を行い、変化があったロボット生成稼働情報のみを更新稼働情報としてデータサーバー9に送信する。従って、コントローラー生成稼働情報は更新稼働情報になっている。次にステップS4に移行する。
【0057】
図16、
図17を用いてデータサーバーの処理方法を説明する。
図16のフローチャートにはデータサーバー9における動作手順が示される。
ステップS4では送信データの受信が行われる。第2受信部35が更新稼働情報を受信する。コントローラー情報保存部23が更新稼働情報を保存する。換言すれば、コントローラー情報保存部23が第1ロボットコントローラー6より送信される更新稼働情報を受信し、保存する。
【0058】
データサーバー9は第1ロボットコントローラー6及び第2ロボットコントローラー8から受信する。データサーバー9は複数のロボットをリモートで監視する。こうすることで、ロボットコントローラーの情報送信先は一か所だけで済み、データ表示端末もデータの取得先が一か所だけで済むため、システムの構築が単純になる。データサーバー9は複数のロボットコントローラーからの情報を受信する。それらをまとめて蓄積することができるため、複数のロボットの情報を一括で処理することができる。
【0059】
データサーバー9は、受信した更新稼働情報を基にコントローラー情報保存部23のコントローラー生成稼働情報を更新する。
【0060】
この構成によれば、第1ロボットコントローラー6とデータサーバー9間においても稼働情報差分データによる送信を行うことによって、第1ロボットコントローラー6とデータサーバー9間のネットワーク通信負荷が軽減される。例えば、第1ロボット4が自走式のとき、第1ロボット4と第1ロボットコントローラー6との通信が不定期となるときにも稼働情報差分データを送信するので、通信頻度を下げることができる。次にステップS5に移行する。
【0061】
ステップS5ではコントローラー情報保存部23が更新稼働情報を取得したか否かを判定する。ロボット監視システム1を最初に駆動するとき、コントローラー情報保存部23に稼働情報リストが保存されていないので、稼働情報リストを保存する必要である。コントローラー情報保存部23が稼働情報リストを取得してないとき、次にステップS6に移行する。コントローラー情報保存部23が稼働情報リストを取得してあるとき、次にステップS7に移行する。
【0062】
ステップS6ではコントローラー情報保存部23が稼働情報リスト保存部30より稼働情報リストを取得し、稼働情報リストの複製を保存する。次にステップS7に移行する。
【0063】
ステップS7ではコントローラー情報保存部23が受信した更新稼働情報の各項目に対し稼働情報リストの該当部分のデータを更新する。更新された稼働情報リストを更新稼働情報リストとする。稼働情報リスト保存部30に保存されている稼働情報リストは前回第1データ表示端末11に送信されたデータである。コントローラー情報保存部23に保存されている更新稼働情報リストは更新稼働情報により随時更新されて最新の状態になっているデータである。
【0064】
第1更新部24が所定の時刻において、コントローラー情報保存部23に保存されている更新稼働情報を、所定の時刻より後に第1ロボットコントローラー6から送付された更新稼働情報によって更新する。この所定の時刻はサーバー情報送信部31が第1データ表示端末11に稼働情報差分データを送信した時刻である。次にステップS8に移行する。
【0065】
ステップS8では更新稼働情報リストと稼働情報リストとを比較する。差分データ生成部25が更新前後の更新稼働情報から、稼働情報差分データを生成する。次にステップS9に移行する。
【0066】
ステップS9では第1更新部24が稼働情報差分データに優先度が“1”のデータがあるかを判定する。稼働情報差分データに優先度が“1”のデータがなく、緊急性が低いとき、次にステップS10に移行する。稼働情報差分データに優先度が“1”のデータがあり、緊急性があるとき、次にステップS12に移行する。
【0067】
ステップS10では第1更新部24が現在時刻を取得する。次にステップS11に移行する。
【0068】
ステップS11では第1更新部24が前回送信処理した時刻に更新確認間隔時間を加算した時刻と現在時刻とを比較する。前回送信処理した時刻に更新確認間隔時間を加算した時刻に現在時刻が達していないとき、次にステップS4に移行する。前回送信処理した時刻に更新確認間隔時間を加算した時刻を現在時刻が超えているとき、次にステップS12に移行する。つまり、第1更新部24は緊急性のないデータを送信するタイミングであるか否かの判定を行っている。
【0069】
ステップS12では第1更新部24が稼働情報差分データを送信データと決定する。次にステップS13に移行する。
【0070】
ステップS13では第1更新部24が前回送信処理時刻のデータを現在時刻に更新する。前回送信処理時刻はデータサーバー9が第1データ表示端末11に稼働情報差分データまたは稼働情報リストのデータを送信した時刻である。次にステップS14に移行する。
【0071】
ステップS14では稼働情報リストを更新稼働情報リストに置き換える。稼働情報リストは最新の状態を示す情報になる。差分データ保存部26が差分データ生成部25で生成された稼働情報差分データを保存する。サーバー情報生成部27がコントローラー情報保存部23に保存されている更新稼働情報から、稼働情報リストを生成する。第1サーバー情報保存部28が稼働情報リスト及び稼働情報差分データを保存する。次にステップS15に移行する。
【0072】
図17のフローチャートにはデータサーバー9における動作手順の続きが示される。
ステップS15では端末情報保存部29が第1データ表示端末11及び第2データ表示端末12の識別情報と送信時間情報との対を抽出する。端末情報保存部29は複数のデータ表示端末の送信時間情報を保存する。端末情報保存部29は保存するデータの中から第1データ表示端末11のデータを抽出する。次にステップS16に移行する。
【0073】
ステップS16ではサーバー情報送信部31が現在時刻を取得する。次にステップS17に移行する。
【0074】
ステップS17では送信端末情報のIDごとに、現在の時刻が送信時間帯開始以降、送信時間帯終了以前に合致するかチェックし、合致している端末を抽出する。
【0075】
データ表示端末とデータサーバー9との送信可能時間を設定することで必要のない時間はデータ送信処理と通信を省略することができ、サーバー処理負荷低減と通信負荷の低減になる。次にステップS18に移行する。
【0076】
ステップS18では送信済み回数=0であるか否かを判定する。送信済み回数が1回以上のとき次にステップS19に移行する。“No”に相当する。送信済み回数が0回のとき次にステップS20に移行する。“Yes”に相当する。“送信済み回数が0回“は初めてデータを送信するデータ表示端末であることを示す。
【0077】
ステップS19ではサーバー情報送信部31が稼働情報差分データを第1サーバー情報保存部28に保存して対象送信端末に送信する。このときは稼働情報差分データがサーバー生成稼働情報に相当する。データ表示端末には1度、稼働情報リストが送信されているので、稼働情報差分データを送信する。稼働情報リストを送信するときに比べて送信データ容量を減らすことができる。
【0078】
ステップS19において、送信対象のデータ表示端末が稼働情報差分データを保存できなかった場合、サーバー情報送信部31が一定時間後に稼働情報差分データを再送する。
【0079】
この構成によれば、データ表示端末が稼働情報差分データを保存できなかったとき、データ表示端末は稼働情報差分データを再入手できる。従って、データ表示端末は稼働情報リストを確実に表示できる。次にステップS21に移行する。
【0080】
ステップS20では稼働情報リストを第1サーバー情報保存部28に保存して対象送信端末に送信する。このときは稼働情報リストがサーバー生成稼働情報に相当する。データ表示端末には1度も稼働情報リストが送信されていないので、稼働情報リストを送信する。
【0081】
ステップS20において、送信対象のデータ表示端末が稼働情報リストを保存できなかった場合、サーバー情報送信部31が一定時間後に稼働情報リストを再送する。
【0082】
この構成によれば、データ表示端末が稼働情報リストを保存できなかったとき、データ表示端末は稼働情報リストを再入手できる。従って、データ表示端末は稼働情報リストを確実に表示できる。次にステップS21に移行する。
【0083】
ステップS21では送信端末情報の該当IDに対応する送信済み回数に1を加える。データサーバー9の端末情報保存部29は、保存されているデータ表示端末の識別情報と送信時間情報の対に加えて、送信済み回数も保存する。サーバー情報送信部31は、送信済み回数に基づいて第1データ表示端末11及び第2データ表示端末12へ稼働情報リストか稼働情報差分データのいずれかを送信する。
【0084】
この構成によれば、データサーバー9は送信済み回数が0回のとき、稼働情報リストを送信対象のデータ表示端末に送信する。データサーバー9は送信済み回数が1回以上のとき、稼働情報差分データを送信対象のデータ表示端末に送信する。稼働情報差分データは稼働情報リストよりデータ量が小さい。従って、毎回稼働情報リストを送信するときに比べて送信対象のデータ表示端末に送信するデータ量を減らすことができる。次にステップS22に移行する。
【0085】
ステップS15~ステップS21において、端末情報保存部29に記憶されている各データ表示端末の送信時間情報に基づいて、サーバー情報送信部31が第1サーバー情報保存部28に保存されているサーバー生成稼働情報の送信、または、差分データ保存部26に保存された稼働情報差分データの送信をデータ表示端末に対して行っている。
【0086】
更新稼働情報には送信優先度情報が付与されており、データサーバー9は、第1ロボットコントローラー6から受信した更新稼働情報の送信優先度情報が高の場合、差分データ生成部25における稼働情報差分データの生成に続いて、サーバー情報送信部31による稼働情報差分データの送信を、端末情報保存部29に記憶されている各データ表示端末の送信時間情報に基づくことなく、即時に行う。送信優先度情報が高とは優先度が“1”の場合を示す。
【0087】
ロボット監視システム1の構成、データサーバー9の構成及びデータサーバー9の処理方法によれば、送信優先度情報が高の緊急を要する情報をデータサーバー9が受け取った場合、データサーバー9は緊急を要する情報を即時に第1データ表示端末11及び第2データ表示端末12へと伝えることができる。例えば、第1ロボット4が意図に反した動作をしている場合、第1データ表示端末11または第2データ表示端末12を介して即座に緊急を要する情報をユーザーに伝えることが可能となり、より迅速な対応をすることができる。稼働情報差分データを送ることで通信回線のデータ量を減らしている為、さらに即時性を高めることができる。
【0088】
ステップS22では次の送信端末情報が存在するかを制御部33が判定する。送信していない情報端末があるとき、つまりYesのとき、ステップS17に移行する。送信していない情報端末がないとき、つまりNoのとき、ステップS23に移行する。
【0089】
図18のフローチャートには第1データ表示端末11における動作手順の続きが示される。
ステップS23では第1データ表示端末11がデータサーバー9より、稼働情報差分データまたは稼働情報リストを取得する。データの取得が成功しないときには、データの送信を請求する。次にステップS24に移行する。
【0090】
ステップS24では第2更新部37は第2サーバー情報保存部36に稼働情報リストがあるかの判定をする。データサーバー9からのデータ受信が初めてのときには第2サーバー情報保存部36にはまだ稼働情報リストがない、つまりNoのとき、ステップS25に移行する。データサーバー9からのデータ受信が初めてではないときには第2サーバー情報保存部36に稼働情報リストがある、つまりYesのとき、次にステップS26に移行する。
【0091】
ステップS25ではデータサーバー9から取得した稼働情報リストを、第2サーバー情報保存部36に保存する。次にステップS28に移行する。
【0092】
ステップS26では第2更新部37が差分データの各項目に対し、稼働情報リストの該当部分のデータを更新する。これによって、差分情報からでも全体の稼働情報リストを最新の状態にすることができる。差分情報だけを操作するので、すべての稼働情報リストを保存するときより短時間に操作を行える。次にステップS27に移行する。
【0093】
ステップS27では第2更新部37が更新した稼働情報リストを第2サーバー情報保存部36に保存する。次にステップS28に移行する。
【0094】
ステップS28では表示部38が稼働情報リストを表示する。表示部38は複数のロボットの稼働情報を一括で表示できる。以上の工程によりロボット監視システム1の動作が終了する。
【符号の説明】
【0095】
1…ロボット監視システム、4…ロボットとしての第1ロボット、5…ロボットとしての第2ロボット、6…ロボットコントローラーとしての第1ロボットコントローラー、7…ロボットとしての第11ロボット、8…ロボットコントローラーとしての第2ロボットコントローラー、9…データサーバー、11…データ表示端末としての第1データ表示端末、12…データ表示端末としての第2データ表示端末、13…Webサーバー、14…Webブラウザー、18…一時保存部としてのロボット情報一時保存部、21…コントローラー情報生成部、22…コントローラー情報送信部、23…コントローラー情報保存部、24…第1更新部、25…差分データ生成部、26…差分データ保存部、27…サーバー情報生成部、28…第1サーバー情報保存部、29…端末情報保存部、31…サーバー情報送信部、32…受付部、36…第2サーバー情報保存部、37…第2更新部、38…表示部。