(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】情報読み取りシステム
(51)【国際特許分類】
H04B 1/59 20060101AFI20240730BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20240730BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20240730BHJP
H04B 5/48 20240101ALI20240730BHJP
H01Q 13/20 20060101ALI20240730BHJP
B65G 1/137 20060101ALN20240730BHJP
【FI】
H04B1/59
G06K7/10 224
B64C39/02
H04B5/48
H01Q13/20
B65G1/137 B
(21)【出願番号】P 2020139484
(22)【出願日】2020-08-20
【審査請求日】2023-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】松保 諒
(72)【発明者】
【氏名】宮本 格
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-186641(JP,A)
【文献】特開2007-243821(JP,A)
【文献】特開2018-117285(JP,A)
【文献】特開2020-102165(JP,A)
【文献】国際公開第2020/026481(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/59
G06K 7/10
B64C 39/02
H04B 5/48
H01Q 13/20
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人飛行体と、
地上を移動可能な
構成を具備する移動機と、
一端が前記移動機に取り付けられるとともに他端が開放され、RFIDメディアから情報を読み取るためのワイヤー状の
RFIDアンテナと、
前記
RFIDアンテナの前記他端と前記無人飛行体とを物理的に接続する非導電性の接続部材と、
前記
RFIDアンテナの前記一端に電気的に接続されて前記移動機に搭載され、前記
RFIDアンテナを介して前記RFIDメディアから情報を読み取る読取器とを有
し、
前記無人飛行体は、当該無人飛行体を飛行させるための命令を受信する通信アンテナを具備し、前記接続部材によって前記移動機と電気的に接続されていない状態で飛行する、情報読み取りシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報読み取りシステムにおいて、
前記
RFIDアンテナは、
内部導線と、
前記内部導線の周囲を覆って巻き付けられた第1の絶縁体と、
貫通孔を具備し、前記第1の絶縁体の周囲を覆って巻き付けられた外部導体と、
前記外部導体の周囲を覆って巻き付けられた第2の絶縁体とを有する、情報読み取りシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDメディアを用いて物品の管理を行う場合などにおいてRFIDメディアから情報を読み取る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会の進展に伴って、商品などの物品に添付されるタグに情報を記録し、このタグを用いての物品の管理が行われている。このようなタグを用いた物品管理においては、非接触通信によって情報の書き込みや読み出しを行うことが可能なRFIDタグなどのRFIDメディアがその優れた利便性から急速な普及が進みつつある。RFIDメディアを用いて物品の管理を行う場合は、管理する物品にRFIDメディアを取り付けておき、RFIDメディアから情報を読み取るためのアンテナをRFIDメディアにある程度近接させることで、RFIDメディアから情報を読み取り、読み取った情報を用いて物品の在庫などを管理することになる。その際、管理される物品は、例えば、収納棚などに縦横に並べて収納される場合が多いため、RFIDメディアから情報を読み取るためのアンテナを、管理する物品の収納位置に合わせて移動させる必要が生じる。
【0003】
ここで、ドローンにデジタルカメラを搭載し、ドローンを飛行させることで、収納棚に縦横に収納された物品に印刷されたバーコードを撮影し、撮影したバーコードによる情報を用いて物品の管理を行う技術が、特許文献1に開示されている。
【0004】
そこで、上述したように、管理する物品にRFIDメディアを取り付けて物品を管理する場合でも、RFIDメディアから情報を読み取るためのアンテナをドローンに搭載してドローンを飛行させることで、RFIDメディアから情報を読み取ることができ、物品を管理することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、RFIDメディアから情報を読み取るためのアンテナをドローンに搭載した場合、搭載箇所の制限などから情報を読取可能な範囲が狭くなってしまう虞がある。
【0007】
情報を読取可能な範囲を広げるためには、板状のアンテナを用いることが考えられるが、板状のアンテナをドローンに搭載したり吊り下げたりした場合、アンテナによって風の流れが変わってしまってドローンの正常な制御が困難になってしまうという問題点がある。
【0008】
また、アンテナを介してRFIDメディアから情報を読み取るためには、アンテナを介してRFIDメディアから情報を読み取る読取器を用いることになるが、読取器がドローンに搭載されることでドローンの重量が重くなり、ドローンの飛行消費電力が増大して飛行時間の減少につながってしまうという問題点がある。
【0009】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、RFIDメディアを用いて物品の管理を行う場合などに無人飛行体を用いてRFIDメディアから情報を読み取る情報読み取りシステムにおいて、情報の読み取りや無人飛行体の飛行に支障を生じさせることなく、RFIDメディアから情報を読み取ることができる情報読み取りシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、
無人飛行体と、
地上を移動可能な構成を具備する移動機と、
一端が前記移動機に取り付けられるとともに他端が開放され、RFIDメディアから情報を読み取るためのワイヤー状のRFIDアンテナと、
前記RFIDアンテナの前記他端と前記無人飛行体とを物理的に接続する非導電性の接続部材と、
前記RFIDアンテナの前記一端に電気的に接続されて前記移動機に搭載され、前記RFIDアンテナを介して前記RFIDメディアから情報を読み取る読取器とを有し、
前記無人飛行体は、当該無人飛行体を飛行させるための命令を受信する通信アンテナを具備し、前記接続部材によって前記移動機と電気的に接続されていない状態で飛行する。
【0011】
上記のように構成された本発明においては、無人飛行体を用いてRFIDメディアから情報を読み取る場合、アンテナを介してRFIDメディアから情報が読み取られることになる。その際、アンテナが、地上を移動可能な移動機に一端が取り付けられるとともに、他端が非導電性の接続部材を介して無人飛行体と物理的に接続されていることにより、無人飛行体にアンテナが搭載されている場合と比べて読取範囲が広くなるとともに、アンテナがワイヤー状であることで、アンテナによって風の流れが変わって無人飛行体の正常な制御が困難になってしまうということがない。また、アンテナを介してRFIDメディアから情報を読み取る読取器が、アンテナの一端に接続されて移動機に搭載されていることで、無人飛行体の重量が重くなって無人飛行体の飛行消費電力が増大して飛行時間が減少してしまうことが回避される。
【0012】
また、RFIDアンテナが、内部導線と、内部導線の周囲を覆って巻き付けられた第1の絶縁体と、貫通孔を具備して第1の絶縁体の周囲を覆って巻き付けられた外部導体と、外部導体の周囲を覆って巻き付けられた第2の絶縁体とを有する構成とすれば、外部導体の貫通孔の形状やピッチ、角度などよって、RFIDメディアから情報を読み取るための電波の強さや周波数を容易に調整することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、RFIDメディアを用いて物品の管理を行う場合などに無人飛行体を用いてRFIDメディアから情報を読み取る情報読み取りシステムにおいて、RFIDメディアから情報を読み取るためのアンテナが、地上を移動可能な移動機に一端が取り付けられるとともに、他端が非導電性の接続部材を介して無人飛行体と物理的に接続されていることにより、RFIDメディアからの読取範囲が広がるとともに、無人飛行体の正常な制御が困難になってしまうということがなく、また、アンテナを介してRFIDメディアから情報を読み取る読取器が、アンテナの一端に接続されて移動機に搭載されていることで、無人飛行体の重量が重くなって無人飛行体の飛行消費電力が増大して飛行時間が減少してしまうことが回避され、それにより、それにより、情報の読み取りや無人飛行体の飛行に支障を生じさせることなく、RFIDメディアから情報を読み取ることができる。
【0014】
また、アンテナが、内部導線と、内部導線の周囲を覆って巻き付けられた第1の絶縁体と、貫通孔を具備して第1の絶縁体の周囲を覆って巻き付けられた外部導体と、外部導体の周囲を覆って巻き付けられた第2の絶縁体とを有するものにおいては、外部導体の貫通孔の形状やピッチ、角度などよって、RFIDメディアから情報を読み取るための電波の強さや周波数を容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の情報読み取りシステムの実施の一形態を示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)に示す矢印A方向から見た側面図である。
【
図2】
図1に示した情報読み取りシステムの機能ブロック図である。
【
図3】
図1に示したRFIDアンテナ及び接続ケーブルの詳細な構成を示す図であり、(a)は全体の構成を示す図、(b)はRFIDアンテナを軸方向から見た積層構成を示す図、(b)はRFIDアンテナを側方から見た積層構成を示す図である。
【
図4】
図1~
図3に示した情報読み取りシステムを用いて情報が読み取られる形態の一例を示す図である。
【
図5】
図1~
図3に示した情報読み取りシステムを用いて、
図4に示したように収納棚に収納された物品を管理する方法を説明するための図である。
【
図6】
図5に示すようにして
図1~
図3に示した情報読み取りシステムによって情報を読み取る際のRFIDアンテナと物品との関係を側方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の情報読み取りシステムの実施の一形態を示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)に示す矢印A方向から見た側面図である。
【0018】
本形態における情報読み取りシステムは
図1に示すように、ドローンユニット1とベースユニット40とが、RFIDアンテナ20及び接続部材となる接続ケーブル50を介して接続されて構成されている。ドローンユニット1は、ドローン10と、それに取り付けられたガード部材30とを有している。
【0019】
ドローン10は、本願発明にて無人飛行体となるものである。ドローン10は、その中心部から4本の脚部が互いに異なる方向に延びて構成されたボディ部11と、4本の脚部のそれぞれの先端近傍に取り付けられたプロペラ12a~12dとを有している。ガード部材30は、ドローン10全体を4方向から取り囲んでドローン10に取り付けられ、ドローン10を外部からの接触から保護する。ガード部材30は、例えば、ドローン10のボディ部11の4つの脚部の先端と取付部13a~13dによって取り付けられている。
【0020】
ベースユニット40は、本願発明にて移動機となるものである。ベースユニット40は、下面に車輪43が取り付けられており、地上を移動可能に構成されている。
【0021】
RFIDアンテナ20及び接続ケーブル50は、ワイヤー状のものであり、RFIDアンテナ20の一端がベースユニット40に取り付けられるとともに、接続ケーブル50の一端がドローン10のボディ部11に取り付けられ、RFIDアンテナ20及び接続ケーブル50の他端どうしが接続されて構成されている。これにより、RFIDアンテナ20が、その一端がベースユニット40に取り付けられ、他端が電気的に開放されているものの接続ケーブル50によってドローン10に物理的に接続されている。RFIDアンテナ20及び接続ケーブル50の詳細な形状については後述する。
【0022】
図2は、
図1に示した情報読み取りシステムの機能ブロック図である。
【0023】
図1に示した情報読み取りシステムは
図2に示すように、通信アンテナ14と、プロペラ12と、プロペラ駆動部15と、RFID読取器41と、RFIDアンテナ20と、接続ケーブル50と、電源部17,42とをその機能として有している。
【0024】
通信アンテナ14と、プロペラ12と、プロペラ駆動部15と、電源部17とは、ドローンユニット1に搭載されている。
【0025】
通信アンテナ14は、ドローンユニット1を飛行させるための命令を受信するためのものである。
【0026】
プロペラ12は、
図1に示した4つのプロペラ12a~12dに相当する。
【0027】
プロペラ駆動部15は、通信アンテナ14を介して受信した命令に従ってプロペラ12を回転駆動させ、ドローンユニット1を飛行させる。
【0028】
電源部17は、プロペラ駆動部15に電源を供給する。
【0029】
RFID読取器41と、電源部42とは、ベースユニット40に搭載されている。
【0030】
RFID読取器41は、RFIDアンテナ20の一端に接続され、RFIDメディアから情報を読み取るための信号をRFIDアンテナ20に伝送することで、RFIDアンテナ20を介してRFIDメディアから情報を読み取る。
【0031】
電源部42は、RFID読取器41に電源を供給する。
【0032】
RFIDアンテナ20は、RFIDタグなどのRFIDメディアから非接触で情報を読み取るためのものである。
【0033】
図3は、
図1に示したRFIDアンテナ20及び接続ケーブル50の詳細な構成を示す図であり、(a)は全体の構成を示す図、(b)はRFIDアンテナ20を軸方向から見た積層構成を示す図、(b)はRFIDアンテナ20を側方から見た積層構成を示す図である。
【0034】
図1に示したRFIDアンテナ20及び接続ケーブル50は
図3(a)に示すように、RFIDアンテナ20の両端に接続コネクタ61,62が取り付けられており、一方の接続コネクタ61を介してRFIDアンテナ20がベースユニット40の読取器41に接続され、他方の接続コネクタ62を介してRFIDアンテナ20と接続ケーブル50とが接続されている。
【0035】
接続ケーブル50は、非導電性の材料からなり、接続コネクタ62を介してRFIDアンテナ20と接続されていない側の端部が、ドローン10のボディ部11に取り付けられている。
【0036】
RFIDアンテナ20としては
図3(b),(c)に示すように、内部導線22と、絶縁体23と、外部導体24と、絶縁被覆25とから構成された同軸ワイヤーケーブルを用いることができる。
【0037】
図3に示したRFIDアンテナ20は、内部導線22の周囲に第1の絶縁体23が内部導線22を覆って巻き付けられ、絶縁体23の周囲に外部導体24が絶縁体23を覆って巻き付けられ、さらに外部導体24の周囲に第2の絶縁体となる絶縁被覆25が外部導体24を覆って巻き付けられることで絶縁被覆25によって被覆されて構成されている。
【0038】
このように構成されたRFIDアンテナ20に対して、内部導線22に電流を流すと、流れる電流により発生した電波は、外部導体24によって遮断されて外部に放射されることが回避される。ところが、外部導体24には、外部導体24を表裏貫通した貫通孔となるスリット24aが形成されており、それにより、内部導線22を流れる電流により発生した電波がこのスリット24aを介して外部に放射されることになる。
【0039】
このような作用を利用して、RFID読取器41から内部導線22に対して、RFIDメディアから情報を読み取るための信号を伝送することで、RFIDアンテナ20からその信号を電波として放射してRFIDメディアから情報を読み取る。その際、スリット24aのピッチや長さ、角度などを変えることで、スリット24aを介して放射する電波の強さや周波数を容易に調整することができる。
【0040】
このように、外部導体24に形成されたスリット24aを介して、RFIDメディアに対する情報の読み取りのための電波を放射することになるため、電波を安定して放射できるとともに、電波の放射量を任意の量に設定することができる。
【0041】
以下に、上記のように構成された情報読み取りシステムを用いて、RFIDメディアから情報を読み取る情報読み取り方法について説明する。
【0042】
図4は、
図1~
図3に示した情報読み取りシステムを用いて情報が読み取られる形態の一例を示す図である。
【0043】
図1~
図3に示した情報読み取りシステムを用いて情報が読み取られる形態としては、
図4に示すように、収納棚2の縦横に並べて収納された物品3を管理する形態が考えられる。物品3のそれぞれにはRFIDメディアとなるRFIDタグ4が同一方向を向いて取り付けられており、ドローンユニット1を用いてRFIDタグ4から情報を読み取ることで、物品3を管理することができる。
【0044】
図5は、
図1~
図3に示した情報読み取りシステムを用いて、
図4に示したように収納棚2に収納された物品3を管理する方法を説明するための図であり、RFIDアンテナ20を介して情報を読み取る際の全体の外観図を示す。
図6は、
図5に示すようにして
図1~
図3に示した情報読み取りシステムによって情報を読み取る際のRFIDアンテナ20と物品3との関係を側方から見た図である。
【0045】
図1~
図3に示した情報読み取りシステムを用いて、
図4に示したように収納棚2に収納された物品3を管理する場合は、
図5に示すように、収納棚2に収納された物品3のうちRFIDタグ4が取り付けられた面側にてドローンユニット1を飛行させる。これは、ドローンユニット1を飛行させるための命令をドローンユニット1に送信し、この命令がドローンユニット1の通信アンテナ14を介してプロペラ駆動部15にて受信され、プロペラ駆動部15の制御によってプロペラ12が回転駆動することで実現される。ドローンユニット1は縦横自在に飛行可能であるため、
図4に示したように縦横に並べて収納棚2に収納された物品3のそれぞれに対向するように飛行させることができる。この際、ドローンユニット1とベースユニット40とは、RFIDアンテナ20及び接続ケーブル50を介して接続されているものの、接続ケーブル50が非導電性の材料から構成されているものであることで、ドローンユニット1は、ベースユニット40と電気的に接続されていない状態で飛行することになる。また、ドローン10には、ドローン10を外部からの接触から保護するガード部材30が取り付けられているので、物品3に取り付けられたRFIDタグ4から情報を読み取ることで物品3を管理するためにドローンユニット1を物品3のそれぞれに近接させるように飛行させたとしても、ドローン10のプロペラ12a~12dなどが物品3に接触してしまうことが回避される。
【0046】
ドローンユニット1が飛行中において、上述したようにベースユニット40のRFID読取器41から、RFIDタグ4から情報を読み取るための信号がRFIDアンテナ20に伝送されると、RFIDアンテナ20からその信号による電波が放射され、その電波による通信距離の範囲にある(例えば対向している)RFIDタグ4から情報が読み取られる。
【0047】
その際、RFIDアンテナ20が、地上を移動可能なベースユニット40に一端が取り付けられるとともに、他端が非導電性の接続ケーブル50を介してドローン10と物理的に接続されていることにより、
図6に示すように、RFIDアンテナ20には一度に多くのRFIDタグ4が対向することとなり、それにより、ドローン10にRFIDアンテナが搭載されている場合と比べて読取範囲が広くなる。
【0048】
また、RFIDタグ4から情報を読み取るためのアンテナは一般的に板状のものであり、読み取り可能な距離を長くするためにはその面積を大きくする必要がある。そのため、ドローン10が飛行する際にアンテナによって風の流れが変わってしまい、ドローン10の正常な制御が困難になってしまうが、RFIDアンテナ20が同軸ワイヤーケーブルからなるワイヤー状であることで、ドローン10が飛行する際にRFIDタグ4から情報を読み取るRFIDアンテナ20によって風の流れが変わってしまってドローン10の正常な制御が困難になってしまうことが回避される。
【0049】
このように本形態においては、RFIDタグ4から情報を読み取るためのRFIDアンテナ20が、地上を移動可能なベースユニット40に一端が取り付けられるとともに、他端が非導電性の接続ケーブル50を介してドローン10と物理的に接続されていることにより、RFIDタグ4からの読取範囲が広がるとともに、ドローン10の正常な制御が困難になってしまうということがなく、それにより、情報の読み取りやドローン10の飛行に支障を生じさせることなく、RFIDタグ4から情報を読み取ることができる。
【0050】
また、RFIDアンテナ20を介してRFIDタグ4から情報を読み取るRFID読取器41がドローンユニット1ではなく、ベースユニット40に搭載されていることで、ドローンユニット1の軽量化を図ることができ、それにより、ドローン10の重量が重くなってドローン10の飛行消費電力が増大して飛行時間が減少してしまうことを回避できる。
【0051】
また、RFIDアンテナ20が、非導電性の接続ケーブル50を介してドローン10に接続されていることで、ドローンユニット1は、ベースユニット40と電気的に接続されておらず、それにより、相互にノイズの影響を受けることがない。
【0052】
なお、本形態においては、RFIDアンテナ20として、
図3に示したような同軸ワイヤーケーブルを用いたものを例に挙げて説明したが、RFIDメディアから情報を読み取るための信号を伝送可能であって、その際に伝送する信号によって電波を放射できるワイヤー状のものであればこれに限らない。
【0053】
また、本形態においては、無人飛行体としてドローンを例に挙げて説明したが、無人飛行体としては、ジェット気流や磁場などを利用して飛行できるものであってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 ドローンユニット
2 収納棚
3 物品
4 RFIDタグ
10 ドローン
11 ボディ部
12,12a~12d プロペラ
13a~13d 取付部
14 通信アンテナ
15 プロペラ駆動部
17,42 電源部
20 RFIDアンテナ
22 内部導線
23 絶縁体
24 外部導体
24a スリット
25 絶縁被覆
30 ガード部材
40 ベースユニット
41 RFID読取器
43 車輪
50 接続ケーブル
61,62 接続コネクタ