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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】測定装置、測定方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/16 20060101AFI20240730BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20240730BHJP
   A61B 5/08 20060101ALI20240730BHJP
   A61B 5/372 20210101ALI20240730BHJP
【FI】
A61B5/16 100
A61B5/02 310Z
A61B5/08
A61B5/372
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020145070
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2022039832
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大段 翔平
(72)【発明者】
【氏名】菅原 隆幸
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-039167(JP,A)
【文献】特開2004-041481(JP,A)
【文献】特開2010-234000(JP,A)
【文献】特開2009-178456(JP,A)
【文献】特開2017-170108(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の脳波信号または脈波信号の少なくとも一方を生体信号として測定する第1生体センサと、
前記生体の単位時間あたりの呼吸数を測定する第2生体センサと、
前記生体信号の周期的特徴の微分値を算出する微分演算部と、
前記生体信号の周期的特徴の微分値に基づいて、前記生体の自立神経の活性度を解析する活性度解析部と、
前記生体の単位時間当たりの呼吸数に基づいて、前記生体の自律神経の活性度に含まれる前記生体の呼吸に起因する成分を除去して前記生体の自律神経の活性度を補正する活性度補正部と、
を備える、測定装置。
【請求項2】
前記活性度補正部は、前記生体の単位時間当たりの呼吸数、及び定常状態の呼吸数を用いて、前記生体の自律神経の活性度を補正する、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記活性度補正部は、前記生体の単位時間当たりの呼吸数と定常状態の呼吸数との比を用いて、前記生体の自律神経の活性度を補正する、
請求項1または2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記第2生体センサは、前記生体の眉間、鼻、口、喉、または胸に装着されるセンサである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項5】
生体の脳波信号または脈波信号の少なくとも一方を生体信号として測定するステップと、
前記生体の単位時間あたりの呼吸数を測定するステップと、
前記生体信号の周期的特徴の微分値を算出するステップと、
前記生体信号の周期的特徴の微分値に基づいて、前記生体の自立神経の活性度を解析するステップと、
前記生体の単位時間当たりの呼吸数に基づいて、前記生体の自律神経の活性度に含まれる前記生体の呼吸に起因する成分を除去して前記生体の自律神経の活性度を補正するステップと、
を含む、測定方法。
【請求項6】
生体の脳波信号または脈波信号の少なくとも一方を生体信号として測定するステップと、
前記生体の単位時間あたりの呼吸数を測定するステップと、
前記生体信号の周期的特徴の微分値を算出するステップと、
前記生体信号の周期的特徴の微分値に基づいて、前記生体の自立神経の活性度を解析するステップと、
前記生体の単位時間当たりの呼吸数に基づいて、前記生体の自律神経の活性度に含まれる前記生体の呼吸に起因する成分を除去して前記生体の自律神経の活性度を補正するステップと、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置、測定方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
生体の自律神経系の活動の様子を計測する技術が知られている。例えば、特許文献1には、生体に電気刺激を与え、電気刺激前後の脈拍信号の比較結果に基づいて、自律神経系の活動の計測を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-178456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
呼吸運動に伴う胸腔の内圧の変化が、脈波の測定結果に影響を与え、脈波の測定結果に誤差が含まれてしまうことが知られている。対象者の呼吸を所定の条件に一致させて、脈波および心電位を測定するなどの工夫が行われているが、測定装置が高価であり、かつ測定に手間がかることがあった。
【0005】
本発明は、自律神経の活性度の測定結果に含まれる誤差を適切に補正することのできる測定装置、測定方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る測定装置は、生体の脳波信号または脈波信号の少なくとも一方を生体信号として測定する第1生体センサと、前記生体の単位時間あたりの呼吸数を測定する第2生体センサと、前記生体信号の周期的特徴の微分値を算出する微分演算部と、前記生体信号の周期的特徴の微分値に基づいて、前記生体の自立神経の活性度を解析する活性度解析部と、前記生体の単位時間当たりの呼吸数に基づいて、前記生体の自律神経の活性度に含まれる前記生体の呼吸に起因する成分を除去して前記生体の自律神経の活性度を補正する活性度補正部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る測定方法は、生体の脳波信号または脈波信号の少なくとも一方を生体信号として測定するステップと、前記生体の単位時間あたりの呼吸数を測定するステップと、前記生体信号の周期的特徴の微分値を算出するステップと、前記生体信号の周期的特徴の微分値に基づいて、前記生体の自立神経の活性度を解析するステップと、前記生体の単位時間当たりの呼吸数に基づいて、前記生体の自律神経の活性度に含まれる前記生体の呼吸に起因する成分を除去して前記生体の自律神経の活性度を補正するステップと、を含む。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、生体の脳波信号または脈波信号の少なくとも一方を生体信号として測定するステップと、前記生体の単位時間あたりの呼吸数を測定するステップと、前記生体信号の周期的特徴の微分値を算出するステップと、前記生体信号の周期的特徴の微分値に基づいて、前記生体の自立神経の活性度を解析するステップと、前記生体の単位時間当たりの呼吸数に基づいて、前記生体の自律神経の活性度に含まれる前記生体の呼吸に起因する成分を除去して前記生体の自律神経の活性度を補正するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自律神経の活性度の測定結果に含まれる誤差を適切に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、生体信号の生理学的な特徴を説明するための図である。
図2図2は、生体信号の生理学的な特徴を説明するための図である。
図3図3は、第1実施形態に係る測定装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、第1実施形態に係る第2生体センサの構成例を示すブロック図である。
図5図5は、R-R間隔の時間幅の変動を説明するための図である。
図6図6は、第1実施形態に係る自律神経の活性度の測定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7図7は、第2実施形態に係る測定装置の構成例を示すブロック図である。
図8図8は、眉間センサの取り付け位置を説明するための図である。
図9図9は、第3実施形態に係る測定装置の構成例を示すブロック図である。
図10図10は、鼻センサの取り付け位置を説明するための図である。
図11図11は、第4実施形態に係る測定装置の構成例を示すブロック図である。
図12図12は、口センサの取り付け位置を説明するための図である。
図13図13は、第5実施形態に係る測定装置の構成例を示すブロック図である。
図14図14は、喉センサの取り付け位置を説明するための図である。
図15図15は、第6実施形態に係る測定装置の構成例を示すブロック図である。
図16A図16Aは、胸センサの取り付け位置を説明するための図である。
図16B図16Bは、胸センサの取り付け位置を説明するための図である。
図16C図16Cは、胸センサの取り付け位置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含む。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0012】
[概要]
実施形態を説明するために、実施形態で測定する生体の生体信号の生理学的な特徴について説明する。図1と、図2とは、生体信号の生理学的な特徴を説明するための図である。図1と、図2とに示す生体信号は、脈波に関する脈波信号であるものとして説明するが、本発明はこれに限定されない。例えば、生体信号は、脳波に関する脳波信号であってもよい。
【0013】
生体の脈拍の拍動は、心臓の洞結節にあるペースメーカ細胞の自動発火で生じる。拍動のリズムは、交感神経と、副交感神経との両方の影響を強く受けている。交感神経は、心臓活動を促進させる方向に作用する。副交感神経は、心臓活動を抑制させる方向に作用する。通常の状態では、交感神経と、副交感神経とが拮抗して作用する。安静な状態または安静に近い状態では、副交感神経が支配的に作用する。
【0014】
図1に示すように、脈波信号を示す波形W1は、P波と、QRS波と、T波と、U波とを含む。心拍変動は、QRS波の頂点であるR波の検出を、1回の拍動として測定する。図2に示すように、脈波信号を示す波形W2において、心電図におけるR波の間隔の変動、すなわちR波間の間隔を示すR-R間隔の時間幅の揺らぎが自律神経に関する情報を示す自律神経指標として用いられている。R-R間隔の時間幅の揺らぎは、安静時には大きく、ストレス時には小さい。本実施形態では、自律神経に関する情報のことを、自律神経の活性度と呼ぶこともある。
【0015】
R-R間隔の時間幅の変動には、いくつかの特徴的な揺らぎある。1つは、0.1Hz付近に出現する低周波成分の揺らぎである。低周波成分の揺らぎは、血管の血圧のフィードバック調節に伴う交感神経系の活動の変調に起因する。もう1つは呼吸に同調した変調、すなわち呼吸性洞性不整脈を反映する高周波成分の揺らぎである。高周波成分の揺らぎは、呼吸中枢による迷走神経前節ニューロンへの直接干渉、肺の伸展受容体、および呼吸による血圧変化の圧受容体反射に起因する。高周波成分の揺らぎは、心臓に影響する副交感神経の活発度を示す副交感神経指標として用いられている。すなわち、脈波のR-R波間の揺らぎを測定して得られた波形成分のうち、低周波成分のパワースペクトルは交感神経の活発度を示し、高周波成分のパワースペクトルは副交感神経の活発度を示しているといえる。
【0016】
本実施形態では、生理学的な知見に基づき、対象者の自律神経の活発度を算出する際に、副交感神経が活発な状態のときに呼吸数が少なくなると、呼吸による影響成分が低周波帯域の近くに反映されることにより低周波成分が増加する傾向を補正する。
【0017】
[第1実施形態]
図3を用いて、第1実施形態に係る測定装置の構成について説明する。図3は、第1実施形態に係る測定装置の構成例を示すブロック図である。
【0018】
図3に示すように、測定装置10は、第1生体センサ11と、第2生体センサ12と、操作部13と、通信部14と、制御部20とを備える。測定装置10は、例えば、ユーザの身体に装着されるウェアラブルデバイスである。ウェアラブルデバイスとしては、例えば、スマートウォッチが挙げられるが、これに限られない。
【0019】
第1生体センサ11は、対象者の第1生体情報を測定する。第1生体センサ11は、例えば、第1生体情報として対象者の脈波を測定する。第1生体センサ11は、例えば、光を発光する発光部と、光を受光する受光部とを備える透過型光電方式の脈拍センサで実現することができる。この場合、第1生体センサ11は、例えば、発光部と受光部とで対象者の指先を挟み込み、指先を透過した発光部から発光された光を受光部で受光することにより対象者の脈拍を測定するように構成されている。具体的には、対象者の脈波の圧力が大きいほど血流が大きくなり、脈波の圧力が小さいほど血流が小さくなる。第1生体センサ11は、例えば、血流の変化による光の透過率の変化を検出することで、対象者の脈波を測定する。第1生体センサ11は、例えば、時々刻々と変化する対象者の脈波を検出し、図示しないA/D(Analog to Digital)変換器を用いて、脈波の検出結果をデジタル信号に変換する。第1生体センサ11は、脈波のデジタル信号を制御部20に出力する。第1生体センサ11は、透過光電型方式の脈拍センサに限定されず、脈拍を測定できるセンサであれば、特に制限はない。
【0020】
第2生体センサ12は、対象者の第2生体情報を測定する。第2生体センサ12は、例えば、第2生体情報として対象者の呼吸の状態を測定する。第2生体センサ12は、例えば、対象者の呼吸が呼気であるかまたは吸気であるかを判定する。第2生体センサ12は、対象者の単位時間当たりの呼吸数を測定する。第2生体センサ12は、呼吸センサで実現することができる。
【0021】
第2生体センサ12は、対象者の口または鼻からの空気の出入りを検出することができれば、特に制限はない。第2生体センサ12は、対象者の呼吸の状態を間接的に検出するセンサであってもよい。対象者の呼吸の状態を間接的に検出する方法としては、例えば、呼吸による体幹部(例えば、胸部または腹部)の周囲長の変化から検出する方法を挙げることができる。この場合、第2生体センサ12は、例えば、伸縮により電気抵抗値が変化する伸縮性可変抵抗素子を用いて構成され得る。第2生体センサ12は、例えば、伸縮性可変抵抗素子を用いて、対象者の体幹部の周囲長の変化を測定することで呼気期間なのか吸気期間なのかを判定してもよい。第2生体センサ12は、例えば、伸縮性可変抵抗素子を用いて、対象者の体幹部の周囲長の変化の回数を測定することで、呼吸数を測定してもよい。
【0022】
操作部13は、測定装置10に対する各種の操作を受け付ける。操作部13は、例えば、対象者の自律神経の活性度の測定を開始するための操作、および対象者の自律神経の活性度の測定を終了するための操作を受け付ける。操作部13は、例えば、タッチパネル、ボタン、スイッチなどで実現することができる。
【0023】
通信部14は、測定装置10と、外部の装置との間で情報の送受信を行う。通信部14は、例えば、測定装置10と、外部のサーバ装置との間で情報の送受信を行う。通信部14は、例えば、測定装置10と、対象者が所有するスマートフォンなどの端末装置との間で情報の送受信を行う。通信部14は、例えば、Bluetooth(登録商標)およびWi-Fi(登録商標)などの通信ユニットで実現される。
【0024】
制御部20は、測定装置10の各部を制御する。制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、図示しない記憶部に記憶されたプログラム(例えば、本発明に係るプログラム)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。制御部20は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部20は、ソフトウェアと、ハードウェア回路との組み合わせで実現されてもよい。
【0025】
制御部20は、生体情報取得部21と、微分演算部22、活性度解析部23と、活性度補正部24と、活性度出力部25と、通信制御部26とを備える。
【0026】
生体情報取得部21は、第1生体センサ11から第1生体情報を取得する。具体的には、生体情報取得部21は、第1生体センサ11から対象者の脈波に関する情報を取得する。生体情報取得部21は、第2生体センサ12から第2生体情報を取得する。具体的には、生体情報取得部21は、第2生体センサ12から対象者の呼吸の状態に関する情報を取得する。
【0027】
微分演算部22は、第1生体情報に基づいて、R波が検出された時刻を特定する。微分演算部22は、R波が検出された時刻に基づいて、あるR波と、隣り合うR波との時間的な間隔を示す脈波のR-R間隔を算出する。微分演算部22は、あるR-R間隔データと、隣り合うR-R間隔データとの間の揺らぎ(微分値)を算出する。微分演算部22は、算出した脈波のR-R間隔値の微分値を活性度解析部23に出力する。
【0028】
活性度解析部23は、脈波のR-R間隔値の微分値の高周波成分と低周波成分とのパワースペクトルを計算する。具体的には、活性度解析部23は、例えば、脈波のR-R間隔値の微分値が時間的に等間隔のデータでない場合、三次スプライン補間などを用いて等間隔な時系列データに変換する。活性度解析部23は、R-R間隔値の微分値を、高速フーリエ変換などで直交変換を行う。すなわち、活性度解析部23は、時系列データを周波数に関するデータに変換する。ここで、十分なサンプリング値を確保するにあたり、低周波成分のパワースペクトルを求める場合においては、周波数帯域として0.1Hz付近を用いることが好ましい。この場合、一般的には、30秒から60秒程度のデータを確保することが好ましい。
【0029】
活性度解析部23は、高速フーリエ変換などで直交変換された脈波のR-R間隔値の微分値の高周波成分および低周波成分のパワースペクトルを計算する。活性度解析部23は、高周波成分のパワースペクトルの総和をRRHFとして出力する。活性度解析部23は、低周波成分のパワースペクトルの総和をRRLFとして出力する。
【0030】
活性度解析部23は、高周波成分のパワースペクトルの総和と、低周波成分のパワースペクトルの総和とに基づいて、自律神経の活性度を算出する。例えば、呼吸数がBVのときの自律神経の活性度をAN(BV)、高周波成分のパワースペクトルの総和をRRHF(BV)、低周波成分のパワースペクトルの総和をBRLF(BV)とすると、AN(BV)は以下の式(1)のように表現される。なお、呼吸数BVは、実際の呼吸数である。
【0031】
【数1】
【0032】
活性度補正部24は、活性度解析部23が式(1)を用いて算出した自律神経の活性度を補正する。具体的には、活性度補正部24は、対象者の呼吸の状態に基づいて、自律神経の活性度を補正する。
【0033】
ここで、呼吸の状態が自律神経の活性度に与える影響について説明する。呼吸中枢は脳幹部にあり、吸気と呼気との周期性リズムを形成している。呼吸中枢は、中枢および末梢の化学受容器からの入力を受け付け、生体に必要な酸素量に応じたインパルスの頻度を調整している。さらに、呼吸中枢は、肺の伸展受容器、呼吸筋または他の筋の筋紡錘、腱、および関節などと数多くの部位からの信号を受け付け、かつ上位の皮質性支配をも受けている。このため、呼吸は、自律性と、随意性とを併せ持つことが知られている。自律性においては、生理心理学では、主にストレスおよび情動変化に対する呼吸の変化が起きる。
【0034】
一般的に、交感神経が活性化されているときには呼吸数は規則的かつ早くなり、副交感神経が活性化されているときには呼吸数は遅くなる。これらは、自律神経との連動性が大きいため可能な限り除去することが好ましい。そこで、活性度補正部24は、第2生体センサ12が測定した対象者の呼吸の状態に基づいて、自律神経の活性度を補正する。対象者の呼吸の状態には、呼気期間、吸気期間、呼吸数、および基準クロックに関する情報が含まれ得る。呼吸数は単位時間あたりの呼吸数として測定するため、「吸気から呼気」または「呼気から吸気」へ切り替わるタイミングを1カウントとして測定する。現時刻から所定時間前まで(例えば過去1分間)の期間における「吸気から呼気」または「呼気から吸気」へ切り替わるタイミングのカウント数を、呼吸数BVとして使用する。具体的には、時間間隔が固定幅の窓をスライドさせる、いわゆるスライディングウィンドウを用いて、窓の時間期間で測定されるカウント数を呼吸数BVとして使用する。
【0035】
活性度補正部24は、式(1)で示される自律神経の活性度を次のように補正する。一般的な定常状態での呼吸数は12から20回/分と言われている。そのため、本実施形態では、そのほぼ中間の値である15回/分に補正することとする。ここで、呼吸数BVの対数値の回帰係数をαとすると、補正式は以下の式(2)のように表すことができる。式(2)における15は、定常状態での1分間(呼吸数BVの測定期間)あたりの呼吸数を示しており、15に限らず、12から20の範囲のいずれかの値(整数に限らない)を用いてもよい。また、対象者の定常状態での1分間あたりの呼吸数を用いてもよく、この場合、12から20の範囲を超えた値を用いてもよい。
【0036】
【数2】
【0037】
式(2)は以下の式(3)のように整理することができる。
【0038】
【数3】
【0039】
式(3)において、(15/BV)αは、補正項である。活性度補正部24は、式(3)を用いることにより呼吸の影響の大半を除去することができる。活性度補正部24は、式(3)により補正された自律神経の活性度に関する情報を活性度出力部25に出力する。
【0040】
なお、回帰係数αは、年齢別、男女別、または生体的特徴の違う群において所定の人数のデータを取得して求めることができる。回帰係数αは、図示しない記憶部に記憶させてもよい。活性度補正部24は、図示しない記憶部に記憶されている回帰係数αを用いることで、自律神経の活性度をより精度よく補正することができる。
【0041】
例えば、回帰係数αを求めるために、20名程度の被験者を対象に、予測式の変数として、年齢および肺活量などの生体情報でグルーピングを行う。予測式の変数としてのパラメータを複数用意して、回帰分析を行うことで回帰係数αを求めることができる。例えば、20名の被験者を条件ごとに5名ずつ4つのグループに分けて回帰分析を行うことで、回帰係数αを求めることができる。なお、各被験者のパラメータによっては、4つのグループに分けた場合に均等に5名ずつになるとは限らない。例えば、各被験者にパラメータによっては、4名、6名、7名、および3名とグルーピングされることもある。
【0042】
例えば、定常状態における1分間当たりの呼吸数を15回として計算すると、α=1.8が得られる。これは、被験者に対する実験から求められる値である。呼吸数は、1分間に限らず、他の単位時間で求めてもよい。αは1.8程度が好ましいが、これに限定されない。例えば、αの範囲を、1.1≦α≦2.5としてもよい。この範囲は、被験者の各パラメータにつき、環境による変動や測定誤差などを考慮して、各パラメータを±10%程度変化させ、回帰係数を算出した例である。
【0043】
呼吸数BVおよび回帰係数αの大きさに応じて、式(3)に示す自律神経の活性度の大きさは変化する。具体的には、補正項が大きくなるほど、自律神経の活性度は小さくなるように補正される。例えば、αの範囲が1.1≦α≦2.5である場合、呼吸数BVが15以下であれば補正項は1以上となり、15を超えていれば補正項は1よりも小さくなる。すなわち、呼吸数BVが15よりも小さくなれば自律神経の活性度は補正前の自律神経活性度よりも小さくなるように算出され、15を超えていれば自律神経の活性度は補正前の自律神経の活性度よりも大きくなるように算出される。
【0044】
活性度出力部25は、外部の表示装置などの所定のマンマシンインターフェースを使って自律神経の活性度を示す数値、特定の時間幅で表示するグラフなどの情報を出力する。
【0045】
通信制御部26は、通信部14を制御して、測定装置10と、外部の装置との間の通信を制御する。通信制御部26は、通信部14を制御して、例えば、外部のコンピュータとの間の通信を制御する。
【0046】
なお、活性度補正部24は、測定された呼吸数が定常状態の呼吸数である場合に、測定された呼吸数に応じて自律神経の活性度を補正する。活性度補正部24は、例えば、第2生体センサ12による対象者の呼吸数の測定結果が11回以下または21回以上である場合には、非定常状態であると判定してもよい。この場合、活性度補正部24は、例えば、活性度解析部23による自律神経の活性度の算出結果を破棄してもよい。そして、活性度補正部24は、例えば、外部の表示装置などに「測定不可」を示すアラームを表示してもよい。なお、非定常状態と判定する呼吸数の範囲は、11回以下または21回以上に限らず、対象者の定常状態の呼吸数に基づいて定めてもよい。
【0047】
また、呼吸影響因子には、呼吸性洞性不整脈に起因する1回の呼吸によって吸気と呼気との間で生じる心拍数の差も存在する。この心拍数の差は、副交感神経の活動指標を算出する際に誤差の原因となり得る。本実施形態では、呼気のときのR波のピークと、吸気のときのR波のピークとを分けて解析することにより、呼吸性洞性不整脈による影響因子を除去することができる。
【0048】
図4を用いて、呼気のときのR波のピークと、吸気のときのR波のピークとを分けて測定できる第2生体センサの構成について説明する。図4は、第1実施形態に係る第2生体センサの構成例を示すブロック図である。
【0049】
図4に示すように、第2生体センサ12は、呼吸判定部121と、第1ピーク検出部122と、第2ピーク検出部123と、基準クロック部124と、同期部125とを備える。
【0050】
呼吸判定部121は、対象者の呼吸が呼気であるか吸気であるかを判定する。呼吸判定部121は、例えば、口または鼻の周辺の空気の流れの方向に従って、呼気であるか吸気であるか否かを判定する。呼吸判定部121は、口または鼻の周辺の空気の流れの方向が対象者に向かう方向である場合には、吸気であると判定する。呼吸判定部121は、口または鼻の周辺の空気の流れの方向が対象者から離れる方向である場合には、呼気であると判定する。
【0051】
第1ピーク検出部122は、吸気期間のR波のピークを検出する。第2ピーク検出部123は、呼気期間のR波のピークを検出する。図5は、R-R間隔の時間幅の変動を説明するための図である。図5には、グラフG1と、グラフG2とが示されている。グラフG1は、吸気期間におけるR-R間隔の時間幅の変動を示すグラフである。グラフG2は、呼気期間におけるR-R間隔の時間幅の変動を示すグラフである。グラフG1と、グラフG2とにおいて、縦軸はR波とその次のR波の時間間隔を示し、横軸は基準クロックを示す。
【0052】
図5において、時刻t1から時刻t2、時刻t2から時刻t3、および時刻t3から時刻t4の時間間隔は同じである。図5において、時刻t1から時刻t2、および時刻t3から時刻t4が吸気期間であり、時刻t2から時刻t4、および時刻t4以降が呼気期間である。
【0053】
具体的には、グラフG1は、吸気期間におけるR波の1波目を基準クロックの時刻として、その次のR波までの期間の時間間隔を測定して得られたグラフである。グラフG1には、7点の測定箇所が示されている。時刻t1から時刻t2の間では、点P1から点P4の4点で測定し、時刻t3から時刻t4の間では、点P5から点P7の3点で測定していることが示されている。すなわち、同じ時間間隔でも測定回数が異なることもあり得る。
【0054】
グラフG2は、呼気期間におけるR波の1波目を基準クロックの時刻として、その次のR波までの期間の時間間隔を測定して得られたグラフである。点P11は、時刻t1以前の呼気期間の測定点である。グラフG2には、時刻t2から時刻t3の間では、点P12から点P15の4点で測定していることが示されている。点P16は、時刻t4以降の呼気期間の測定点である。
【0055】
呼吸は、全期間の約1/2の時間単位で呼気と吸気とを繰り返す。そのため、グラフG1と、グラフG2とに示すように、呼吸はデータが存在する期間が、呼気と吸気との間で約1/2の時間単位で交互に繰り返す。
【0056】
基準クロック部124は、基準クロック時刻を同期部125に出力する。同期部125は、例えば、グラフG1およびグラフG2の横軸の基準クロックに相当する時刻をR波の第1波到来時刻として同期してデータを生成する。同期部125は、生成したデータを制御部20に出力する。同期部125は、吸気期間におけるR-R間隔のデータと、呼気期間におけるR-R間隔のデータとを独立に制御部20に出力する。
【0057】
具体的には、第2生体センサ12は、グラフG1と、グラフG2とに示すように、R-R波間の時間間隔の揺らぎを、呼気の場合と吸気の場合とで独立に測定する。第2生体センサ12は、呼気の場合のR-R波間の時間間隔の揺らぎを示す情報と、吸気の場合のR-R波間の時間間隔の揺らぎを示す情報とを制御部20に出力する。すなわち、第2生体センサ12は、呼気期間のデータと、吸気期間のデータとを独立に制御部20に出力する。
【0058】
生体情報取得部21は、第2生体センサ12から、呼気期間のデータと、吸気期間のデータとを独立に取得する。
【0059】
活性度解析部23は、呼気期間のデータと、吸気期間のデータとが時間的に等間隔のデータでない場合、それぞれ別々にして三次スプライン補間などを用いて等間隔な時系列データに変換する。活性度解析部23は、呼気期間のデータと、吸気期間のデータと、それぞれの時系列データを高速フーリエ変換などで直交変換を行う。すなわち、活性度解析部23は、時系列データを、呼気期間のデータと、吸気期間のデータとを独立に周波数に関するデータに変換する。活性度解析部23は、上述した式(1)を用いて、呼気の期間および吸気の期間の自律神経活性度ANをそれぞれ独立に算出する。活性度解析部23は、呼気の期間および吸気の期間のそれぞれの自律神経活性度ANを活性度補正部24に出力する。
【0060】
活性度補正部24は、上述した式(3)を用いて、呼気の期間および吸気の期間のそれぞれの自律神経活性度ANを補正する。活性度補正部24は、補正後の呼気の期間および吸気の期間のそれぞれの自律神経活性度ANを活性度出力部25に出力する。
【0061】
活性度出力部25は、外部の表示装置などの所定のマンマシンインターフェースを使って、呼気の期間および吸気の期間のそれぞれの自律神経の活性度を示す数値、特定の時間幅で表示するグラフなどの情報を出力する。また、活性度出力部25は、呼気の期間および吸気の期間のそれぞれの自律神経の活性度を示す数値を足して、1/2を乗じた数を出力してもよい。言い換えれば、活性度出力部25は、呼気の期間および吸気の期間のそれぞれの自律神経の活性度の平均値を出力してもよい。このように、脈波のR-R間隔を使って算出する自律神経活性度から、呼吸状態によって発生する呼吸影響因子を除去することにより、自律神経活性度をより精度よく補正することができる。
【0062】
[補正処理]
図6を用いて、第1実施形態に係る自律神経の活性度の測定処理について説明する。図6は、第1実施形態に係る自律神経の活性度の測定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0063】
生体情報取得部21は、対象者の脈波に関する情報を第1生体センサ11から取得する(ステップS10)。生体情報取得部21は、対象者の呼吸状態に関する情報を第2生体センサ12から取得する(ステップS11)。
【0064】
活性度解析部23は、対象者の脈波に関する情報に基づいて、対象者の自律神経の活性度を算出する(ステップS12)。活性度補正部24は、活性度解析部23が算出した対象者の自律神経の活性度を、対象者の呼吸状態に関する情報に基づいて補正する(ステップS13)。活性度出力部25は、対象者の補正後の自律神経の活性度を出力する(ステップS14)。
【0065】
制御部20は、対象者の自律神経の活性度の測定処理を終了するか否かを判定する(ステップS15)。制御部20は、例えば、自律神経の活性度の測定処理を終了させる操作や、測定装置10の電源をオフする操作を受け付けた場合に、対象者の自律神経の活性度の測定処理を終了すると判定する。対象者の自律神経の活性度の測定処理を終了すると判定された場合(ステップS15;Yes)、図6の処理を終了する。対象者の自律神経の活性度の測定処理を終了しないと判定された場合(ステップS15;No)、ステップS10に戻る。
【0066】
上述のとおり、第1実施形態では、対象者の呼吸の状態に基づいて、自律神経の活性度を補正する。これにより、第1実施形態は、対象者の自律神経の活性度を精度よく測定することができる。
【0067】
[第2実施形態]
図7を用いて、第2実施形態に係る測定装置について説明する。図7は、第2実施形態に係る測定装置の構成例を示すブロック図である。
【0068】
図7に示すように、測定装置10Aは、第2生体センサ12の代わりに眉間センサ12Aを備える点で、図3に図示の測定装置10とは異なっている。眉間センサ12Aは、第2生体センサ12の具体的な構成の一例である。図8は、眉間センサ12Aの取り付け位置を説明するための図である。図8に示すように、眉間センサ12Aは、例えば、ユーザUが眼鏡式のウェアラブル端末を装着した際に、鼻あての当たる鼻の上の眉間の部分に設けられ、ユーザUの呼吸の状態を判定する。眉間センサ12Aは、例えば、以下の何れかの構成で実現され得る。
【0069】
眉間センサ12Aは、例えば、音声を収音するマイクロフォンで実現され得る。この場合、眉間センサ12Aは、ユーザUの鼻の中を通る空気の流れの音を検出する。一般的に、空気の流れが止まるときに発生する無音期間は、「吸気」から「呼気」に変わるときの方が、「呼気」から「吸気」に変わるときよりも短い。眉間センサ12Aは、「吸気」の音と、「呼気」の音とのそれぞれを検出する。眉間センサ12Aは、時間間隔がより早く切り替わるタイミングを、呼吸の「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点として検出する。眉間センサ12Aは、音の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、音の変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0070】
眉間センサ12Aは、例えば、気圧を検出する気圧センサで実現され得る。この場合、眉間センサ12Aは、ユーザUの鼻の中の気圧の変化を検出する。鼻の中の気圧は、「呼気」および「吸気」のいずれの場合であっても、気圧は高くなる。一般的に、気圧が下がり次に上がるまでの低圧期間は、「吸気」から「呼気」に変わるときの方が、「呼気」から「吸気」に変わるときよりも短い。眉間センサ12Aは、「吸気」の気圧と、「呼気」の気圧とのそれぞれを検出する。眉間センサ12Aは、時間間隔がより早く切り替わるタイミングを、呼吸の「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点として検出する。眉間センサ12Aは、気圧の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、気圧の変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0071】
眉間センサ12Aは、例えば、温度を検出する温度センサで実現され得る。温度センサとしては、例えば、サーミスタを用いることができる。この場合、眉間センサ12Aは、ユーザUの鼻あての位置の温度の変化を検出する。一般的に、鼻の中を通る空気の気流の圧力は、「吸気」のときの方が「呼気」のときよりも高い。そのため、「吸気」のときの方が「呼気」のときよりも、鼻孔内の水分蒸発による温度の低下がわずかに大きくなる。眉間センサ12Aは、「吸気」の温度変化と、「呼気」の変化とのそれぞれを検出する。眉間センサ12Aは、温度変化がより大きくなるタイミングを、呼吸の「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点として検出する。眉間センサ12Aは、温度の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、温度の変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0072】
眉間センサ12Aは、例えば、眉間の部分に下方に向けて設けられた赤外線カメラで実現されてもよい。この場合、眉間センサ12Aは、鼻の下または口の先の気流の動きで生じる空気の温度変化を検出する。一般的に、鼻の下および口の先の空気の温度は、「吸気」の場合に下がり、「呼気」の場合に上がる。すなわち、鼻の下または口の先の温度が下がったか上がったかに基づいて、呼吸の「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点として検出する。眉間センサ12Aは、温度の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、温度の変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0073】
上述のとおり、第2実施形態では、ユーザUの眉間またはその周辺に設けられる眉間センサ12Aにより、ユーザUの呼吸の状態を測定することができる。これにより、第2実施形態は、眉間センサ12Aにより測定された呼吸の状態に基づいて、ユーザUの自律神経の活性度を補正することができる。
【0074】
[第3実施形態]
図9を用いて、第3実施形態に係る測定装置について説明する。図9は、第3実施形態に係る測定装置の構成例を示すブロック図である。
【0075】
図9に示すように、測定装置10Bは、第2生体センサ12の代わりに鼻センサ12Bを備える点で、図3に図示の測定装置10とは異なっている。鼻センサ12Bは、第2生体センサ12の具体的な構成の一例である。図10は、鼻センサ12Bの取り付け位置を説明するための図である。図10に示すように、鼻センサ12Bは、例えば、ユーザUが眼鏡式のウェアラブル端末を装着した際に、鼻腔の入り口の部分に設けられ、ユーザUの呼吸の状態を判定する。鼻センサ12Bは、例えば、以下の何れかの構成で実現され得る。
【0076】
鼻センサ12Bは、例えば、音声を収音するマイクロフォンで実現され得る。この場合、鼻センサ12Bは、ユーザUの鼻の中を通る空気の流れの音を検出する。鼻センサ12Bは、「吸気」の音と、「呼気」の音とのそれぞれを検出する。鼻センサ12Bは、時間間隔がより早く切り替わるタイミングを、呼吸の「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点として検出する。鼻センサ12Bは、音の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0077】
鼻センサ12Bは、例えば、気圧を検出する気圧センサで実現され得る。この場合、鼻センサ12Bは、ユーザUの鼻の中の気圧の変化を検出する。鼻センサ12Bは、「吸気」の気圧と、「呼気」の気圧とのそれぞれを検出する。鼻センサ12Bは、時間間隔がより早く切り替わるタイミングを、呼吸の「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点として検出する。鼻センサ12Bは、気圧の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0078】
鼻センサ12Bは、例えば、温度を検出する温度センサで実現され得る。温度センサとしては、例えば、サーミスタを用いることができる。この場合、鼻センサ12Bは、ユーザUの鼻あての位置の温度の変化を検出する。一般的に、鼻の中を通る空気の気流の圧力は、「吸気」のときの方が「呼気」のときよりも高い。そのため、「吸気」のときの方が「呼気」のときよりも、鼻孔内の水分蒸発による温度の低下がわずかに大きくなる。鼻センサ12Bは、「吸気」の温度変化と、「呼気」の変化とのそれぞれを検出する。鼻センサ12Bは、温度変化がより大きくなるタイミングを、呼吸の「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点として検出する。鼻センサ12Bは、温度の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0079】
鼻センサ12Bは、例えば、鼻の部分に鼻孔に向けて設けられた赤外線カメラで実現されてもよい。この場合、鼻センサ12Bは、鼻の中の気流の動きで生じる空気の温度変化を検出する。一般的に、鼻の中の温度は、「吸気」の場合に下がり、「呼気」の場合に上がる。すなわち、鼻の下または口の先の温度が下がったか上がったかに基づいて、呼吸の「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点として検出する。鼻センサ12Bは、温度の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0080】
鼻センサ12Bは、例えば、鼻の部分に設置された湿度センサで実現されてもよい。この場合、鼻センサ12Bは、鼻腔内の湿度の変化を検出する。「呼気」、および「吸気」のいずれの場合であっても、その期間の間、鼻腔内の湿度は下がる。一般的に、湿度が上がり次に下がるまでの高湿度期間は、「吸気」から「呼気」に変わるときの方が、「呼気」から「吸気」に変わるときよりも短い。鼻センサ12Bは、「吸気」のときの湿度と、「呼気」のときの湿度のそれぞれを検出する。鼻センサ12Bは、高湿度から低湿度に切り替わるタイミングを、「吸気」から「呼気」に切り替わるタイミングとして検出する。鼻センサ12Bは、湿度の変化点のタイミングに基づいて、呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0081】
鼻センサ12Bは、例えば、鼻の部分に設置された二酸化炭素濃度センサであってもよい。この場合、鼻センサ12Bは、鼻の周辺または口の先の周辺の二酸化炭素濃度を測定する。一般的に、二酸化炭素濃度は、「吸気」の期間に下がり、「呼気」の期間に上がる。鼻センサ12Bは、鼻の周辺または口の先の周辺の二酸化炭素濃度の変化を検出する。鼻センサ12Bは、二酸化炭素濃度が低濃度から高濃度に切り替わるタイミングを、「吸気」から「呼気」に切り替わるタイミングとして検出する。鼻センサ12Bは、二酸化炭素濃度の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0082】
上述のとおり、第3実施形態では、ユーザUの鼻腔の入り口またはその周辺に設けられる鼻センサ12Bにより、ユーザUの呼吸の状態を測定することができる。これにより、第3実施形態は、鼻センサ12Bにより測定された呼吸の状態に基づいて、ユーザUの自律神経の活性度を補正することができる。
【0083】
[第4実施形態]
図11を用いて、第4実施形態に係る測定装置について説明する。図11は、第4実施形態に係る測定装置の構成例を示すブロック図である。
【0084】
図11に示すように、測定装置10Cは、第2生体センサ12の代わりに口センサ12Cを備える点で、図3に図示の測定装置10とは異なっている。口センサ12Cは、第2生体センサ12の具体的な構成の一例である。図12は、口センサ12Cの取り付け位置を説明するための図である。図12に示すように、口センサ12Cは、例えば、ユーザUが頭部装着式のウェアラブル端末を装着した際に、口の周辺に配置され、ユーザUの呼吸の状態を判定する。口センサ12Cは、例えば、以下の何れかの構成で実現され得る。
【0085】
口センサ12Cは、例えば、音声を収音するマイクロフォンで実現され得る。この場合、口センサ12Cは、ユーザUの口の周辺の空気の流れの音を検出する。口センサ12Cは、「吸気」の音と、「呼気」の音とのそれぞれを検出する。口センサ12Cは、音の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0086】
口センサ12Cは、例えば、気圧を検出する気圧センサで実現され得る。この場合、口センサ12Cは、ユーザUの口の中の気圧の変化を検出する。一般的に、口の中において、圧力が下がり次に上がるまでの低圧期間は、「吸気」から「呼気」に変わるときの方が、「呼気」から「吸気」に変わるときよりも短い。口センサ12Cは、「吸気」の気圧と、「呼気」の気圧とのそれぞれを検出する。口センサ12Cは、時間間隔がより早く切り替わるタイミングを、呼吸の「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点として検出する。口センサ12Cは、気圧の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0087】
口センサ12Cは、例えば、温度を検出する温度センサで実現され得る。温度センサとしては、例えば、サーミスタを用いることができる。この場合、口センサ12Cは、ユーザUの口腔の温度の変化を検出する。一般的に、口の中を通る空気の気流の圧力は、「吸気」のときの方が「呼気」のときよりも高い。そのため、「吸気」のときの方が「呼気」のときよりも、口腔内の水分蒸発による温度の低下がわずかに大きくなる。口センサ12Cは、「吸気」の温度変化と、「呼気」の変化とのそれぞれを検出する。口センサ12Cは、温度変化がより大きくなるタイミングを、呼吸の「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点として検出する。口センサ12Cは、温度の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0088】
口センサ12Cは、例えば、口周辺に向けて設けられた赤外線カメラで実現されてもよい。この場合、口センサ12Cは、口周辺の気流の動きで生じる空気の温度変化を検出する。一般的に、口の先の温度は、「吸気」の場合に下がり、「呼気」の場合に上がる。すなわち、口センサ12Cは、口の先の温度が下がったか上がったかに基づいて、呼吸の「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点として検出する。口センサ12Cは、温度の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0089】
口センサ12Cは、例えば、湿度センサで実現されてもよい。この場合、口センサ12Cは、口腔内の湿度の変化を検出する。「呼気」、および「吸気」のいずれの場合であっても、その期間の間、口腔内の湿度は下がる。一般的に、湿度が上がり次に下がるまでの高湿度期間は、「吸気」から「呼気」に変わるときの方が、「呼気」から「吸気」に変わるときよりも短い。口センサ12Cは、「吸気」のときの湿度と、「呼気」のときの湿度のそれぞれを検出する。鼻センサ12Bは、高湿度から低湿度に切り替わるタイミングを、「吸気」から「呼気」に切り替わるタイミングとして検出する。鼻センサ12Bは、湿度の変化点のタイミングに基づいて、呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0090】
口センサ12Cは、例えば、二酸化炭素濃度センサであってもよい。この場合、口センサ12Cは、鼻の周辺または口の先の周辺の二酸化炭素濃度を測定する。一般的に、二酸化炭素濃度は、「吸気」の期間に下がり、「呼気」の期間に上がる。口センサ12Cは、鼻の周辺または口の先の周辺の二酸化炭素濃度の変化を検出する。口センサ12Cは、二酸化炭素濃度が低濃度から高濃度に切り替わるタイミングを、「吸気」から「呼気」に切り替わるタイミングとして検出する。口センサ12Cは、二酸化炭素濃度の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0091】
上述のとおり、第4実施形態では、ユーザUの口の周辺に配置される口センサ12Cにより、ユーザUの呼吸の状態を測定することができる。これにより、第4実施形態は、口センサ12Cにより測定された呼吸の状態に基づいて、ユーザUの自律神経の活性度を補正することができる。
【0092】
[第5実施形態]
図13を用いて、第5実施形態に係る測定装置について説明する。図13は、第5実施形態に係る測定装置の構成例を示すブロック図である。
【0093】
図13に示すように、測定装置10Dは、第2生体センサ12の代わりに喉センサ12Dを備える点で、図3に図示の測定装置10とは異なっている。喉センサ12Dは、第2生体センサ12の具体的な構成の一例である。図14は、喉センサ12Dの取り付け位置を説明するための図である。図14に示すように、喉センサ12Dは、例えば、ユーザUが頭部装着式のウェアラブル端末を装着した際に、喉の周辺に配置され、ユーザUの呼吸の状態を判定する。喉センサ12Dは、例えば、以下の何れかの構成で実現され得る。
【0094】
喉センサ12Dは、例えば、音声を収音するマイクロフォンで実現され得る。この場合、喉センサ12Dは、ユーザUの喉の周辺の空気の流れの音を検出する。喉センサ12Dは、「吸気」の音と、「呼気」の音とのそれぞれを検出する。喉センサ12Dは、音の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0095】
喉センサ12Dは、例えば、温度を検出する温度センサで実現され得る。温度センサとしては、例えば、サーミスタを用いることができる。この場合、喉センサ12Dは、ユーザUの喉の位置での口腔の温度の変化を検出する。喉センサ12Dは、「吸気」の温度変化と、「呼気」の変化とのそれぞれを検出する。喉センサ12Dは、温度変化がより大きくなるタイミングを、呼吸の「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点として検出する。喉センサ12Dは、温度の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0096】
喉センサ12Dは、例えば、口周辺に向けて設けられた赤外線カメラで実現されてもよい。この場合、喉センサ12Dは、口周辺の気流の動きで生じる空気の温度変化を検出する。喉センサ12Dは、口の先の温度が下がったか上がったかに基づいて、呼吸の「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点として検出する。喉センサ12Dは、温度の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0097】
喉センサ12Dは、例えば、二酸化炭素濃度センサであってもよい。この場合、喉センサ12Dは、口の先の周辺の二酸化炭素濃度を測定する。喉センサ12Dは、口の先の周辺の二酸化炭素濃度の変化を検出する。喉センサ12Dは、二酸化炭素濃度が低濃度から高濃度に切り替わるタイミングを、「吸気」から「呼気」に切り替わるタイミングとして検出する。喉センサ12Dは、二酸化炭素濃度の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0098】
上述のとおり、第5実施形態では、ユーザUの喉の周辺に配置される喉センサ12Dにより、ユーザUの呼吸の状態を測定することができる。これにより、第5実施形態は、喉センサ12Dにより測定された呼吸の状態に基づいて、ユーザUの自律神経の活性度を補正することができる。
【0099】
[第6実施形態]
図15を用いて、第6実施形態に係る測定装置について説明する。図15は、第6実施形態に係る測定装置の構成例を示すブロック図である。
【0100】
図15に示すように、測定装置10Eは、第2生体センサ12の代わりに胸センサ12Eを備える点で、図3に図示の測定装置10とは異なっている。胸センサ12Eは、第2生体センサ12の具体的な構成の一例である。図16Aと、図16Bと、図16Cとは、胸センサ12Eの取り付け位置を説明するための図である。図16Aは、第6実施形態の第1の例を説明するための図である。図16Aに示すように、胸センサ12E-1は、ユーザUの心臓のすぐ近くの胸部に近い部分に装着される。図16Bは、第6実施形態の第2の例を説明するための図である。図16Bに示すように、胸センサ12E-2は、ユーザUの胸部に一周巻いて装着される。図16Cは、第6実施形態の第3の例を説明するための図である。図16Cに示すように、胸センサ12E-3は、ユーザUの胸両脇にある筋肉の上に装着される。胸センサ12E-1から胸センサ12E-3を区別する必要のない場合には、胸センサ12Eと総称することもある。図16Aから図16Cに示すように、胸センサ12Eは、例えば、胴体に装着されるウェアラブル端末である。
【0101】
まず、図16Aに示す、胸センサ12E-1について説明する。
【0102】
胸センサ12E-1は、例えば、音声を収音するマイクロフォンで実現され得る。この場合、胸センサ12E-1は、ユーザUの肺を通る空気の流れの音を検出する。胸センサ12E-1は、「吸気」の音と、「呼気」の音とのそれぞれを検出する。口センサ12Cは、音の変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0103】
胸センサ12E-1は、例えば、ユーザUの体幹周囲長の変化を検出する構成であってもよい。この場合、体幹周囲長の長さが増加している期間が「吸気」期間であり、体幹周囲長の長さが減少している期間が「呼気」期間である。一般的に、体幹周囲長の増減が止まる期間は、「吸気」から「呼気」に変わるときの方が、「呼気」から「吸気」に変わるときよりも短い。胸センサ12E-1は、体幹周囲長の増減が切り替わるタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0104】
次に、図16Bに示す、胸センサ12E-2について説明する。
【0105】
胸センサ12E-2は、ユーザUの胴体部に巻かれており、体幹周知長の変化によって生じる張力の変化を測定するように構成されている。胸センサ12E-2は、例えば、伸縮により電気抵抗値が変化する伸縮性の可変抵抗素子を用いて構成される。この場合、張力が増加している期間が「吸気」期間であり、張力が減少している期間が「呼気」期間である。一般的に、張力の増減が止まる期間は、「吸気」から「呼気」に変わるときの方が、「呼気」から「吸気」に変わるときよりも短い。胸センサ12E-2は、張力の増減が切り替わる変化点のタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0106】
次に、図16Cに示す、胸センサ12E-3について説明する。
【0107】
胸センサ12E-3は、例えば、胸の筋肉の筋電位を測定する筋電位センサで構成されている。この場合、胸センサ12E-3は、筋肉の収縮に応じて発生する微弱な電気信号を電極で測定するように構成されている。測定対象となる筋肉は、所謂呼吸筋である。呼吸筋としては、横隔膜、内肋間筋、外肋間筋、胸鎖乳突筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋などが例示される。筋電位は、筋肉が収縮するときに発生する。呼吸筋のうち、横隔膜および外肋間筋は、「吸気」のときに、他の呼吸筋と比べて大きく収縮する。そのため、本実施形態では、収縮の度合いがより大きい、横隔膜および外肋間筋の筋電位を測定することが好ましい。図16Cでは、ユーザUのわきの下付近に胸センサ12E-3を装着するように示しているが、実際には、測定対象となる呼吸筋の存在している場所に対して装着する。具体的には、胸センサ12E-3は、筋電位を測定する筋繊維箇所に沿って2つの電極を貼り付け、電極間の電気信号を測定することで、筋電位を測定する。この場合、より大きな筋電気が発生する期間が「吸気」期間であり、発生する筋電位が微弱または発生していない期間が「吸気」期間である。一般的に、筋電位の下がるタイミングは、「吸気」から「呼気」に変わるタイミングである。胸センサ12E-2は、筋電位の大きさが切り替わるタイミングに基づいて呼吸状態を測定するとともに、「吸気」から「呼気」へと切り替わる変化点を1回の呼吸としてカウントする。
【0108】
上述のとおり、第6実施形態では、ユーザUの胴体に装着される胸センサ12Eにより、ユーザUの呼吸の状態を測定することができる。これにより、第6実施形態は、胸センサ12Eにより測定された呼吸の状態に基づいて、ユーザUの自律神経の活性度を補正することができる。
【0109】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0110】
例えば、本発明の実施形態において、脈波を用いたR-R波間隔情報に代えて、脈を発生させる生体の仕組みに起因する心電情報、および音波または電磁波を用いて心臓の動きを測定した測定情報などを用いてもよい。また、呼吸状態を測定する方法としても、呼気と吸気との差異が判断できるのであれば、生体の動き、空気の流動、それに連動する体温の変化なども用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0111】
10,10A,10B,10C,10D,10E 測定装置
11 第1生体センサ
12 第2生体センサ
12A 眉間センサ
12B 鼻センサ
12C 口センサ
12D 喉センサ
12E 胸センサ
121 呼吸判定部
122 第1ピーク検出部
123 第2ピーク検出部
124 基準クロック部
125 同期部
13 操作部
14 通信部
20 制御部
21 生体情報取得部
22 微分演算部
23 活性度解析部
24 活性度補正部
25 活性度出力部
26 通信制御部
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図16B
図16C