(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】レンズ、光学系、プロジェクター、および撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 7/02 20210101AFI20240730BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20240730BHJP
G02B 17/08 20060101ALI20240730BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20240730BHJP
G03B 21/28 20060101ALI20240730BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G02B7/02 B
G02B3/00
G02B17/08
G02B13/18
G03B21/28
G03B21/00 E
(21)【出願番号】P 2020145440
(22)【出願日】2020-08-31
【審査請求日】2023-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】守国 栄時
(72)【発明者】
【氏名】伏見 拓朗
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/146292(WO,A1)
【文献】特開昭62-011814(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0163096(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02 - 7/16
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
G02B 1/00 - 1/08
G02B 3/00 - 3/14
G03B 21/00 - 21/10
G03B 21/12 - 21/13
G03B 21/134 - 21/30
G03B 33/00 - 33/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、
前記第1面に対向する第2面と、
前記第1面の外周側に設けられた第1外周部と、
前記第2面の外周側に設けられた第2外周部と、
前記第1外周部に設けられた3以上の複数の第1基準部と、
前記第2外周部に設けられた3以上の複数の第2基準部と、
前記第1外周部および前記第2外周部の外周側に設けられた基準面と、を有し、
前記第1面および前記第2面は、共通の設計軸を備え、
複数の前記第1基準部を含む第1仮想面、および複数の前記第2基準部を含む第2仮想面を規定したときに、前記第1仮想面および前記第2仮想面は、前記設計軸と直交し、
前記基準面は、前記設計軸と平行に延び
、
前記基準面として、第1基準面と、前記第1基準面と垂直な第2基準面と、を備えることを特徴とするレンズ。
【請求項2】
複数の前記第1基準部は、それぞれ前記第1外周部に設けられた第1突起であり、
前記第1仮想面は、各第1突起の先端を含み、
複数の前記第2基準部は、それぞれ前記第2外周部に設けられた第2突起であり、
前記第2仮想面は、各第1突起の先端を含む面であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項3】
各第1突起は、半球形状であり、
各第2突起は、半球形状であることを特徴とする請求項2に記載のレンズ。
【請求項4】
前記設計軸から各第1突起の先端までの第1距離は、同一であり、
前記設計軸から各第2突起の先端までの第2距離は、同一であり、
前記第1距離と前記第2距離とは同一であることを特徴とする請求項3に記載のレンズ。
【請求項5】
各第1突起は、先端に平坦な第1平面を備え、
前記第1平面には、半球面の全部または一部分を転写した形状の第1凹部が一つ設けられており、
各第2突起は、先端に平坦な第2平面を備え、
前記第2平面には、半球面の全部または一部分を転写した形状の第2凹部が一つ設けられていることを特徴とする請求項2に記載のレンズ。
【請求項6】
前記設計軸から各第1凹部の中心までの第1距離は、同一であり、
前記設計軸から各第2凹部の中心までの第2距離は、同一であり、
前記第1距離と前記第2距離とは同一であることを特徴とする請求項5に記載のレンズ。
【請求項7】
前記第1基準部は、3つ設けられており、前記設計軸回りで互いに等角度間隔で離間し、
前記第2基準部は、3つ設けられており、前記設計軸回りを互いに等角度間隔で離間することを特徴とする請求項1から6のうちのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項8】
前記第1面は、凸形状を備え、
前記第2面は、凸形状を備え、
前記第1面は、前記設計軸上に第1変曲点を備え、
前記第2面は、前記設計軸上に第2変曲点を備えることを特徴とする請求項1から
7のうちのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項9】
前記第1面または前記第2面は、非球面であることを特徴とする請求項1から
8のうちのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項10】
前記第2面には、反射コーティング層が設けられており、
前記反射コーティング層は、前記第2面の表面形状が転写された凹形状の反射面であることを特徴とする請求項1から
9のうちのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項11】
請求項1
0に記載のレンズを備える光学系において、
前記レンズを通過する光線は、前記第1面の一部分である第1領域、前記反射面、および前記第1面において前記第1領域とは異なる第2領域を、この順に経由することを特徴とする光学系。
【請求項12】
請求項1
1に記載の光学系と、前記光学系の縮小側結像面に投写画像を形成する画像形成部と、を有することを特徴とするプロジェクター。
【請求項13】
請求項1
1に記載の光学系と、前記光学系の縮小側結像面に配置された撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ、光学系、プロジェクター、および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元測定機のプローブを光学素子の被検面に沿って走査させて立体形状を測定する光学素子の形状測定方法は、特許文献1に記載されている。同文献では、測定対象の光学素子は、当該光学素子を固定するための取付け基準面と、被検面における光路外の領域に設けた複数の測定基準マークと、を備える。取付け基準面は、被検面と交差する光学素子の厚み方向に延びる。表面形状を測定する際に、取付け基準面は測定治具によって把持される。これにより、光学素子は、被検面がプローブと対向する所定の姿勢となる。表面形状の測定では、プローブによって測定基準マークが検出され、測定基準マークの位置が基準座標とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、光学素子の厚み方向で対向する第1面と第2面のそれぞれを被検面として表面形状を測定したときに、第1面に発生しているチルト、および第2面に発生しているチルトを精度よく検出する技術は、開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のレンズは、第1面と、前記第1面に対向する第2面と、前記第1面の外周側に設けられた第1外周部と、前記第2面の外周側に設けられた第2外周部と、前記第1外周部に設けられた3以上の複数の第1基準部と、前記第2外周部に設けられた3以上の複数の第2基準部と、前記第1外周部および前記第2外周部の外周側に設けられた基準面と、を有し、前記第1面および前記第2面は、共通の設計軸を備え、複数の前記第1基準部を含む第1仮想面、および複数の前記第2基準部を含む第2仮想面を規定したときに、前記第1仮想面および前記第2仮想面は、前記設計軸と直交し、前記基準面は、前記設計軸と平行に延びることを特徴とする。
また、本発明のレンズは、第1面と、前記第1面に対向する第2面と、前記第1面の外周側に設けられた第1外周部と、前記第2面の外周側に設けられた第2外周部と、前記第1外周部に設けられた3以上の複数の第1基準部と、前記第2外周部に設けられた3以上の複数の第2基準部と、前記第1外周部および前記第2外周部の外周側に設けられた基準面と、を有し、前記第1面および前記第2面は、共通の設計軸を備え、複数の前記第1基準部を含む第1仮想面、および複数の前記第2基準部を含む第2仮想面を規定したときに、前記第1仮想面および前記第2仮想面は、前記設計軸と直交し、前記基準面は、前記設計軸と平行に延び、前記基準面として、第1基準面と、前記第1基準面と垂直な第2基準面と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明のレンズを第1面の側から見た場合の斜視図である。
【
図2】
図1のレンズを第2面の側から見た場合の斜視図である。
【
図3】
図1のレンズを設計軸に沿って切断した場合の断面図である。
【
図4】レンズの製造に用いられる金型の説明図である。
【
図5】レンズを支持する測定治具の概略斜視図である。
【
図6】第1面を測定する場合のレンズおよび測定治具の概略平面図である。
【
図7】第1面を測定する場合のレンズおよび測定治具の概略断面図である。
【
図8】第2面を測定する場合のレンズおよび測定治具の概略平面図である。
【
図9】第2面を測定する場合のレンズおよび測定治具の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に図面を参照して、本発明の実施形態に係るレンズ、およびレンズの形状測定方法を説明する。また、かかるレンズを有する光学系、プロジェクター、および撮像装置を説明する。
【0008】
(レンズ)
図1は、本発明を適用したレンズをおもて面の側から見た場合の斜視図である。
図2は、
図1のレンズをうら面の側から見た場合の斜視図である。
図3は、
図1のレンズを設計軸に沿って切断した場合の断面図である。
【0009】
本例のレンズ1は、樹脂製である。
図1、
図2に示すように、レンズ1は、レンズ本体部2と、レンズ本体部2の外周側に設けられた環状の鍔部3と、を備える。鍔部3はレンズ本体部2を囲む。レンズ本体部2は、第1面5と、第1面5に対応する第2面6と、を備える。鍔部3は、第1面5の外周側に設けられた第1外周部7と、第2面6の外周側に設けられた第2外周部8と、を備える。また、鍔部3は、第1外周部7の外周端と第2外周部8の外周端とを接続する環状の外周面9を備える。第1面5と第2面6とは、共通の設計軸Lを有する。本例において、設計軸Lは、レンズ1の光軸である。
【0010】
図1に示すように、第1面5、および第1外周部7は、レンズ1のおもて面11に設けられている。
図2に示すように、第2面6、および第2外周部8は、レンズ1のうら面12に設けられている。なお、おもて面11とうら面12とは、便宜的に定めたものであり、第2面6の側をレンズ1のおもて面11とし、第1面5の側をレンズ1のうら面12ということもできる。
【0011】
図3に示すように、第1面5は、凸形状を備える。また、第1面5は、設計軸L上に第1変曲点13を備える。本例では第1面5は、非球面形状を備える。第2面6は、凸形状を備える。また、第2面6は、設計軸L上に第2変曲点14を備える。本例では、第2面6は、非球面形状を備える。第2面6には、反射コーティング層15が設けられている。反射コーティング層15は、第2面6の表面形状が転写された凹形状である。従って、レンズ1は、第2面6に凹形状の反射面16を備える。
【0012】
レンズ1に第1面5から入射した光線は、反射面16により折り返されて、第1面5の側に向かう。より具体的には、レンズ1を通過する光線は、第1面5の第1領域5a、反射面16、および第1面5において第1領域5aとは異なる第2領域5bを、この順に経由する。
図1に示すように、第1面5の第1領域5aは、設計軸Lの一方側に位置し、第2領域5bは、設計軸Lの他方側に位置する。また、反射面16は、第1領域5aから入射した光線を設計軸Lの一方側において反射して、設計軸Lの他方側に位置する第2領域5bに向かわせる。第1面5において、第1領域5aと第2領域5bとは、重ならない。
【0013】
第1外周部7は、第1面5の外周端から外周側に広がる環状の平面である。第1外周部7には、3つの第1基準部21が設けられている。各第1基準部21は、それぞれ第1外周部7から設計軸L方向に突出する半球形状の第1突起22である。3つの第1基準部21は、設計軸L回りで、互いに等角度間隔で離間する。言い換えれば、各第1突起22の先端は、設計軸L回りで、互いに120°離間する。
図3に示すように、設計軸Lから各第1突起22の先端までの第1距離D1は、同一である。
【0014】
図
3に示すように、第2外周部8は、第2面6の外周端から外周側に向かって第1面5とは反対側に延びる環状のテーパー面部分8aと、テーパー面部分8aの外周端から外周側に広がる環状の平面部分8bと、を備える。平面部分8bには、3つの第2基準部24が設けられている。各第2基準部24は、それぞれ第2外周部8から設計軸L方向に突出する半球形状の第2突起25である。3つの第2基準部24は、設計軸L回りで、互いに等角度間隔で離間する。言い換えれば、各第2突起25の先端は、設計軸L回りで、互いに120°離間する。
図3に示すように、設計軸Lから各第2突起25の先端までの第2距離D2は、同一である。また、設計軸Lから各第1突起22の先端までの第1距離D1と、設計軸Lから各第
2突起2
5の先端までの第2距離D2とは、同一である。
【0015】
図1、
図2に示すように、鍔部3の外周面9には、設計軸Lと平行に延びる基準面26が設けられている。本例では、基準面26として、鍔部3の外周面9の周方向で離間する2か所に第1基準面27と第2基準面28とを備える。第1基準面27および第2基準面28は、いずれも設計軸Lと平行である。第1基準面27に対して、第2基準面28は垂直である。
【0016】
(レンズの製造方法)
図4は、レンズ1の製造に用いられる金型の説明図である。金型30は、固定側金型31と、固定側金型31に対して所定の方向に移動する可動側金型32とを備える。固定側金型31と可動側金型32とが型締めされたときに、固定側金型31と可動側金型32との間には、レンズ1の形状に対応するキャビティ33が形成される。固定側金型31において可動側金型32と対向する面31aには、レンズ1のおもて面11を転写した転写形状が形成されている。可動側金型32において固定側金型31と対向する面32aには、レンズ1のうら面12を転写した転写形状が形成されている。固定側金型31と可動側金型32のパーティングライン34は、可動側金型32の移動方向Mと垂直である。可動側金型32の移動方向Mは、金型30により成形されるレンズ1の設計軸Lに沿った方向である。
【0017】
固定側金型31は、キャビティ33の外周側にスプルー35を備える。スプルー35は可動側金型32の移動方向Mに延びる。また、固定側金型31は、スプルー35からキャビティ33に延びるランナー36を備える。ランナー36は、キャビティ33の周壁面33aに連通する。周壁面33aは、レンズ1の外周面9を成形する部位である。従って、ゲート37は、レンズ1の外周面9を成形する部位に設けられる。
【0018】
レンズ1を成形する際には、固定側金型31と可動側金型32とを型締めした状態とする。その後に、射出成型機38をスプルー35に接続し、射出成型機38から樹脂を射出する。射出成型機38からの樹脂は、スプルー35から、ランナー36およびゲート37を介して、キャビティ33に充填される。これにより、キャビティ33内には、キャビティ33の形状が転写されたレンズ1が形成される。
【0019】
かかる製造方法によれば、金型30のパーティングライン34は、レンズ1のおもて面11、およびうら面12と干渉しない位置に設けられる。また、ゲート37も、レンズ1のおもて面11、およびうら面12と干渉しない位置に設けられる。従って、レンズ1のおもて面11、およびうら面12を精度よく成型できる。
【0020】
(レンズの形状測定方法)
次に、レンズ1の形状測定方法を説明する。
図5は、レンズ1を支持する測定治具の概略斜視図である。
図6は、レンズ1の第1面5の形状測定を行う場合のレンズ1および測定治具の概略平面図である。
図7は、レンズ1の第1面5の形状測定を行う場合のレンズ1および測定治具の概略断面図である。
図8は、レンズ1の第2面6の形状測定を行う場合のレンズ1および測定治具の概略平面図である。
図9は、レンズ1の第2面6の形状測定を行う場合のレンズ1および測定治具の概略断面図である。なお、以下の例では、レンズ1の第2面6に反射コーティング層15を設ける前の状態で、レンズ1の形状測定を行う。
【0021】
(測定治具)
図5に示すように、測定治具41は、矩形板状のステージ42と、ステージ42の表面42aに固定された基準部材43と、を備える。ステージ42は、中央に円形の開口部42bを備える。以下の説明では、互いに直交する3軸をX軸、Y軸、Z軸とする。ステージ42の表面42aは、X軸およびY軸を含むXY平面である。Z軸は、上下方向であり、ステージ42の表面42aからの高さ方向である。
【0022】
基準部材43は、開口部42bのY軸方向の一方側でX軸方向に延びる第1延設部44と、開口部42bのX軸方向の一方側でY軸方向に延びる第2延設部45と、を備える。第1延設部44の開口部42bの側の面には、ステージ42の表面42aからZ軸方向に垂直に延びる治具側第1基準部44aが設けられている。治具側第1基準部44aは、X軸およびZ軸を含むXZ平面である。第2延設部45の開口部42bの側の面には、ステージ42の表面42aからZ軸方向に垂直に延びる治具側第2基準部45aが設けられている。治具側第2基準部45aは、Y軸およびZ軸を含むYZ平面である。
【0023】
第1延設部44と第2延設部45とが交わる角部の入隅部分には、円形の凹部46が設けられている。X軸とY軸とは、凹部46の中心で交わる。凹部46の中心は、レンズ1の形状測定を行うための座標系の原点となる。
【0024】
(形状測定の手順)
レンズ1の第1面5の形状測定を行う際には、
図6、
図7に示すように、レンズ1の第2面6を下にして、レンズ1をステージ42に載置する。また、レンズ1の第1基準面27を基準部材43の治具側第1基準部44aに当接させ、かつ、レンズ1の第2基準面28を基準部材43の治具側第2基準部45aに当接させる。しかる後に、不図示の付勢機構により、レンズ1を、治具側第1基準部44a、および治具側第2基準部45aに押し付ける。レンズ1が治具側第1基準部44a、および治具側第2基準部45aに押し付けられた状態をZ軸方向から見た場合には、第1面5および第2面6は、開口部42bの内側に位置する。また、第1外周部7の各第1突起22および第2外周部8の各第2基準部24は、開口部42bの外側に位置する。
【0025】
ここで、レンズ1が設計どおりの理想の形状を備えている場合には、レンズ1の3つの第2突起25は、それらの先端がステージ42の表面42aに接触する。また、レンズ1が設計どおりの理想の形状を備えている場合には、Z軸方向から見た場合に、3つの第1突起22のそれぞれは、3つの第2突起25のそれぞれと重なる。
【0026】
次に、3次元測定機のプローブPを、Z軸方向の上方からレンズ1に接触させて、レンズ1のおもて面11に沿って、X軸方向およびY軸方向に走査させる。プローブPの走査範囲には、レンズ1の第1面5および第1外周部7が含まれる。
【0027】
形状測定では、まず、プローブPを第1突起22に接触させて、各第1突起22の先端の3次元座標を取得する。そして、
図7に示すように、これら3つの3次元座標から、各第1突起22の先端を含む第1仮想面S1を算出する。また、第1仮想面S1、第1基準面27、および第2基準面28の位置関係に基づいて、レンズ1のおもて面11のチルト量を取得する。
【0028】
その後、プローブPを第1面5に沿って走査させて、第1面5の表面形状の3次元座標を取得する。これにより、第1面5の表面形状の計測が完了する。ここで、第1面5の計測結果と、第1面5の設計式の面形状との差が最小となるようにフィッチングを行い、フィッチングの後の面形状と設計式の面形状との差を算出する。第1面5の光学面精度は、フィッチングの後の面形状と設計式の面形状との差に基づいて、評価する。
【0029】
また、第1面5の表面形状の3次元座標を結んだ曲線を求め、その曲線を微分して、微分値がゼロとなる点を求める。これにより、設計軸Lと第1面5とが交差する第1変曲点13を取得する。次に、Z軸方向において、第1変曲点13を第1仮想面S1に投写した第1投写点48の座標を算出する。また、第1仮想面S1上において、3つの第1突起22の先端の中心に位置する第1中心点49の座標を算出する。しかる後に、第1投写点48の座標と、第1中心点49の座標との差を算出する。第1投写点48の座標と、第1中心点49の座標との差は、第1面5の偏芯量である。
【0030】
次に、レンズ1の第2面6の形状測定を行う。第2面6の形状測定は、第1面5の形状測定と同様に行うことができる。すなわち、
図7、
図8に示すように、第1面5を下にしてレンズ1をステージ42に載置する。また、レンズ1の第1基準面27を基準部材43の治具側第1基準部44a治具側第2基準部45aに当接させ、かつ、レンズ1の第2基準面28を基準部材43の治具側第1基準部44aに当接させる。しかる後に、不図示の付勢機構により、レンズ1を、治具側第1基準部44a、および治具側第2基準部45aに押し付ける。ここで、レンズ1が設計どおりの理想の形状を備えている場合には、レンズ1の3つの第1突起22は、それらの先端がステージ42の表面42aに接触する。また、レンズ1が設計どおりの理想の形状を備えている場合には、Z軸方向から見た場合に、3つの第1突起22のそれぞれは、3つの第2突起25のそれぞれと重なる。
【0031】
次に、3次元測定機のプローブPを、Z軸方向の上方からレンズ1に接触させて、レンズ1のうら面12に沿って、X軸方向およびY軸方向に走査させる。形状測定では、まず、プローブPを各第2突起25に接触させて、各第2突起25の先端の3次元座標を取得する。そして、これら3つの3次元座標から、各第2突起25の先端を含む第2仮想面S2を算出する。また、第2仮想面S2、第1基準面27、および第2基準面28との位置関係に基づいて、レンズ1のうら面12のチルト量を取得する。ここで、第1仮想面S1と第2仮想面S2とを比較して、レンズ1のおもて面11と、うら面12との相対的なチルト量を取得することもできる。
【0032】
その後、プローブPを第2面6に沿って走査させて、第2面6の表面形状の3次元座標を取得する。これにより、第2面6の表面形状の計測が完了する。ここで、第2面6の計測結果と、第2面6の設計式の面形状との差が最小となるようにフィッチングを行い、フィッチングの後の面形状と設計式の面形状との差を算出する。第2面6の光学面精度は、ここで、フィッチングの後の面形状と設計式の面形状との差に基づいて、評価する。
【0033】
また、第2面6の表面形状の3次元座標を結んだ曲線を求め、その曲線を微分して、微分値がゼロとなる点を求める。これにより、設計軸Lと第2面6とが交差する第2変曲点14を取得する。次に、Z軸方向において、第2変曲点14を第2仮想面S2に投写した第2投写点51の座標を算出する。また、第2仮想面S2上において、3つの第2突起25の先端の中心に位置する第2中心点52の座標を算出する。しかる後に、第2投写点51の座標と、第2中心点52の座標との差を算出する。第2投写点51の座標と、第2中心点52の座標との差異は、第2面6の偏芯量である。
【0034】
(理想のレンズ)
ここで、レンズ1が設計どおりの理想の形状を備える理想のレンズである場合には、第1基準面27、および第2基準面28は、設計軸Lと平行である。また、第1仮想面S1と、第1基準面27および第2基準面28とは、垂直である。すなわち、理想のレンズでは、第1仮想面S1基づいて取得したレンズ1のおもて面11のチルト量はゼロである。従って、第1仮想面S1は、設計軸Lと直交する。また、第2仮想面S2と、第1基準面27および第2基準面28とは、垂直である。すなわち、理想のレンズでは、第2仮想面S2に基づいて取得したレンズ1のうら面12のチルト量はゼロである。従って、第1仮想面S1と第2仮想面S2とは、平行である。よって、第1仮想面S1および第2仮想面S2は、設計軸Lと直交する。
【0035】
また、第1面5の第1変曲点13を第1仮想面S1に投写した第1投写点48の座標と、3つの第1基準部21の先端の中心に位置する第1中心点49の座標とは、一致する。すなわち、理想のレンズでは、第1面5の偏芯量はゼロである。同様に、第2面6の第2変曲点14を第2仮想面S2に投写した第2投写点51の座標と、3つの第2基準部24の先端の中心に位置する第2中心点52の座標とは、一致する。すなわち、理想のレンズでは、第2面6の偏芯量はゼロである。
【0036】
(作用効果)
本例のレンズ1は、第1面5と、第1面5に対向する第2面6と、第1面5の外周側に設けられた第1外周部7と、第2面6の外周側に設けられた第2外周部8と、を有する。また、レンズ1は、第1外周部7に設けられた3つの複数の第1基準部21と、第2外周部8に設けられた3つの複数の第2基準部24と、第1外周部7および第2外周部8の外周側に設けられた基準面26と、を有する。第1面5および第2面6は、共通の設計軸Lを備える。複数の第1基準部21を含む第1仮想面S1、および複数の第2基準部24を含む第2仮想面S2を規定したときに、第1仮想面S1および第2仮想面S2は、設計軸Lと直交する。基準面26は、設計軸Lと平行に延びる。
【0037】
本例によれば、レンズ1が備える3つ第1基準部21は、それぞれ第1面5の外周側に設けられる。従って、レンズ1の成型時に、各第1基準部21は、第1面5と同等の精度で形成される。同様に、レンズ1が備える3つ第2基準部24は、第2面6の外周側に設けられる。よって、レンズ1の成型時に、各第2基準部24は、第2面6と同等の精度で形成される。また、基準面26である第1基準面27と第2基準面28は、レンズ1の設計軸Lと平行である。従って、基準面26は、レンズ1に精度よく設けることができる。よって、基準面26を測定治具41の基準部材43に当接させた状態で、レンズ1のおもて面11を測定して複数の第1基準部21を含む第1仮想面S1を規定すれば、基準面26と第1仮想面S1との位置関係から第1面5のチルト量を精度よく取得できる。また、基準面26を測定治具41の基準部材43に当接させた状態で、レンズ1のうら面12を測定して複数の第2基準部24を含む第2仮想面S2を規定すれば、基準面26と第2仮想面S2との位置関係から第2面6のチルト量を精度よく取得できる。
【0038】
ここで、第1面5にチルトが発生している場合には、基準面26に対して第1仮想面S1が傾斜する。また、第2面6にチルトが発生している場合には、基準面26に対して第2仮想面S2が傾斜する。この一方で、第1面5および第2面6にチルトが発生していない場合には、基準面26に対して第1仮想面S1および第2仮想面S2が垂直となる。言い替えれば、第1仮想面S1および第2仮想面S2は、互いに平行となる。従って、第1仮想面S1および第2仮想面S2は、いずれも設計軸Lと直交する。よって、本例のレンズ1によれば、第1面5および第2面6にチルトが発生しているか否かを、高い精度で検出できる。
【0039】
なお、3つ第1基準部21は、それぞれ第1面5の外周側に設けられる。従って、3つ第1基準部21が、第1面5を通過する光線と干渉することがない。また、3つ第2基準部24は、それぞれ第2面6の外周側に設けられる。従って、3つ第2基準部24が、第2面6を通過する光線と干渉することがない。
【0040】
また、基準面26は、設計軸Lと平行である。従って、第1面5および第2面6のそれぞれを被検面として表面形状の測定を行う場合に、基準面26を測定治具41の基準部材43に当接させることにより、レンズ1の設計軸LをプローブPの進退方向と平行な方向に向けることができる。よって、第1面5および第2面6のそれぞれの表面形状を高精度に測定できる。
【0041】
ここで、本例のレンズ1では、基準面26は、設計軸Lと平行に延びており、第1仮想面S1および第2仮想面S2が設計軸Lと直交する。従って、第1面5および第2面6に、チルトは発生していない。
【0042】
次に、本例において、複数の第1基準部21は、それぞれ第1外周部7に設けられた第1突起22である。第1仮想面S1は、各第1突起22の先端を含む。複数の第2基準部24は、それぞれ第2外周部8に設けられた第2突起25である。第2仮想面S2は、各第2突起25の先端を含む。従って、第1仮想面S1および第2仮想面S2を規定しやすい。
【0043】
また、本例において、第1基準部21は、3つ設けられており、設計軸L回りを互いに等角度間隔で離間する。第2基準部24は、3つ設けられており、設計軸L回りを互いに等角度間隔で離間する。各第1基準部21は、等角度間隔に設けられているので、各第1基準部21の座標を取得する際の測定誤差を抑制しやすい。従って、第1仮想面S1を精度よく規定できる。同様に、各第2基準部24は、等角度間隔に設けられているので、各第2基準部24の座標を取得する際の測定誤差を抑制しやすい。従って、第2仮想面S2を精度よく規定できる。
【0044】
また、各第1突起22は、半球形状である。従って、プローブPにより第1面5の第1外周部7を走査したときに、第1突起22の先端を検出できる。よって、各第1突起22の座標を正確に取得できる。また、各第2突起25は、半球形状である。従って、プローブPにより第2面6の第2外周部8を走査したときに、第2突起25の先端を検出できる。よって、各第2突起25の座標を正確に取得できる。これにより、各第1突起22の座標から第1仮想面S1を正確に規定できる。また、各第2突起25の座標から第2仮想面S2を正確に規定できる。
【0045】
本例において、第1面5は、凸形状を備える。第2面6は、凸形状を備える。また、第1面5は、設計軸L上に第1変曲点13を備える。第2面6は、設計軸L上に第2変曲点14を備える。従って、プローブPにより第1面5を走査したときに、第1変曲点13を検出できる。また、プローブPにより第2面6を走査したときに、第2変曲点14を検出できる。よって、第1変曲点13の座標および第2変曲点14の座標に基づいて、設計軸Lの座標を取得できる。
【0046】
ここで、本例において、設計軸Lから各第1突起22の先端までの第1距離D1は、同一である。設計軸Lから各第2突起25の先端までの第2距離D2は、同一である。また、第1距離D1と第2距離D2とは同一である。従って、各第1突起22の先端の座標から、第1仮想面S1上において3つの第1突起22の第1中心点49の座標を取得しやすい。また、各第2突起25の先端の座標から、第2仮想面S2上において3つの第2突起25の第2中心点52の座標を取得しやすい。従って、第1面5の第1変曲点13をZ軸方向で第1仮想面S1に投写した第1投写点48の座標と第1中心点49の座標に基づいて第1面5の偏芯量を取得することが容易である。また、第2面6の第2変曲点14をZ軸方向で第2仮想面S2に投写した第2投写点51の座標と、第2中心点52の座標とに基づいて第2面6の偏芯量を取得することが容易である。
【0047】
また、本例では、基準面26として、第1基準面27と、第1基準面27と垂直な第2基準面28と、を備える。従って、これら第1基準面27および第2基準面28を測定治具41に互いに垂直に設けられた治具側第1基準部44aおよび治具側第2基準部45aを当接させることにより、設計軸Lと直交する2軸方向でレンズ1を位置決めできる。従って、被検面の表面形状を精度よく計測できる。ここで、基準面26は、第1基準面27および第2基準面28の一方のみとしてもよい。
【0048】
なお、上記のレンズ1において、第1基準部21を、4つ以上設けてもよい。同様に、第2基準部24を4つ以上設けてもよい。これらの場合にも、各第1基準部21は、設計軸L回りで互いに等角度間隔で離間させることが望ましい。また、第2基準部24も、設計軸L回りで互いに等角度間隔で離間させることが望ましい。
【0049】
(変形例)
図10は、変形例1のレンズの第1基準部21の断面図である。本例のレンズ1Bは、第1基準部21および第2基準部24を除き、他の構成は上記のレンズ1と同一である。従って、以下では、第1基準部21および第2基準部24を説明して、他の説明は省略する。
【0050】
各第1基準部21は、それぞれ第1外周部7に設けられた第1突起22である。各第1突起22は、先端に平坦な第1平面22aを備える。第1平面22aには、半球面の全部または一部分を転写した形状の第1凹部22bが一つ設けられている。本例において、設計軸Lから各第1凹部22bの中心までの第1距離D1は、同一である。各第2基準部24は、それぞれ第2外周部8に設けられた第2突起25である。各第2突起25は、先端に平坦な第2平面25aを備える。第2平面25aには、半球面の全部または一部分を転写した形状の第2凹部25bが一つ設けられている。
図3に示す場合と同様に、設計軸Lから各第2凹部25bの中心までの第2距離D2は、同一である。また、第1距離D1と第2距離D2とは同一である。
【0051】
本例において、各第1基準部21を含む第1仮想面S1は、各第1突起22の先端である第1平面22aを含むものとなる。各第2基準部24を含む第2仮想面S2は、各第2突起25の先端である第2平面25aを含むものとなる。
【0052】
ここで、第1平面22aに設けられた第1凹部22bは半球形状の全部または一部分を転写した形状である。従って、プローブPにより第1面5の第1外周部7を走査したときに、第1凹部22bの中心を検出できる。よって、各第1突起22の座標を正確に取得できる。また、第2平面25aに設けられた第2凹部25bは半球形状の全部または一部分を転写した形状である。従って、プローブPにより第2面6の第2外周部8を走査したときに、第2凹部25bの中心を検出できる。よって、各第2突起25の座標を正確に取得できる。
【0053】
また、レンズ1Bが樹脂製の射出成形品である場合には、レンズ成型用の金型30のキャビティ33の内壁面に凸部を形成することにより、レンズ1Bに第1凹部22b、第2凹部25bを形成できる。ここで、キャビティ33の内壁面に凸部を設ける加工精度は、一般的に、キャビティ33の内壁面に凹部を設ける加工精度よりも高い。従って、本例によれば、各第1凹部22bおよび各第2凹部25bを精度よく形成できる。よって、各第1突起22の座標の精度、および各第2突起25の座標の精度が、高くなる。従って、第1仮想面S1および第2仮想面S2を精度よく取得できる。
【0054】
図11は、変形例2のレンズをおもて面11から見た場合の斜視図である。本例のレンズ1Cは、第1面5、第2面6、および基準面26の形状が上記のレンズ1とは相違するが、他の構成は上記のレンズ1と同一である。従って、以下では、上記のレンズ1に対応する構成には、同一の符号を付す。また、第1面5、第2面6、および基準面26を説明して、他の説明は省略する。
【0055】
本例では、第1面5および第2面6は、設計軸L回りで回転対称である。設計軸Lに平行に設けられた基準面26は、設計軸Lを中心とする円弧面である。基準面26は一つである。本例では、測定治具41に設けられた円弧形状の治具側基準部に基準面26を当接させることにより、レンズ1Cを位置決めする。
【0056】
(光学系)
ここで、プロジェクターの投写光学系を構成するレンズとして、本例のレンズ1を採用できる。また、撮像装置の撮像光学系を構成するレンズとして、本例のレンズ1を採用できる。
【0057】
(プロジェクター)
図12は、本例のレンズ1を採用した投写光学系の備えるプロジェクターの説明図である。
図12に示すように、本例の光学系60は、複数枚のレンズからなるレンズ群61を備える屈折光学系と、レンズ群61の光軸N上に配置された本例のレンズ1と、を備える。レンズ1には、レンズ群61からの光線O1が、第1面5における光軸Nの一方側の第1領域5aに入射する。レンズ1に入射した光線は、反射面16で光軸Nと交差する方向に向かって折り返される。反射面16で折り返された光線O2は、第1面5における光軸Nの他方側の第2領域5bから射出される。ここで、光学系60は、レンズ群61のレンズ1とは反対側に縮小側結像面Eを備える。また、光学系60は、光軸Nの他方側であって、第2領域5bの前方に、縮小側結像面Eと共役の拡大側結像面Fを備える。
【0058】
プロジェクター70は、光学系60の縮小側結像面Eに投写画像を形成する画像形成部71を備える。画像形成部71は、光源72と、光源72からの光線を変調させる光変調素子73と、を備える。光変調素子73は、例えば、液晶ライトバルブである。光変調素子73は、投写画像を形成するための画像信号に基づいて、光源72からの光線を変調させる。縮小側結像面Eに形成された投写画像は、光学系60の拡大側結像面Fに設置されたスクリーンに投写される。なお、光学系60は、レンズ1のみを備えるものとすることもできる。
【0059】
図13は、本例のレンズ1を採用した撮像光学系を備える撮像装置の説明図である。本例の光学系60は、プロジェクターに用いた光学系60と同一である。すなわち、光学系60複数枚のレンズからなるレンズ群61を備える屈折光学系と、レンズ群61の光軸N上に配置された本例のレンズ1と、を備える。撮像装置75では、光学系60の縮小側結像面Eに撮像素子76を配置する。
【0060】
本例では、レンズ1には、拡大側結像面Fからの光線Q1が、第1面5における光軸Nの他方側の第2領域5bに入射する。レンズ1に入射した光線は、光軸Nの一方側に位置する反射面16で折り返される。反射面16で折り返された光線Q2は、第1面5における光軸Nの他方側の第1領域5aから射出されて、レンズ群61に向かう。レンズ群61に入射した光線は、縮小側結像面Eに配置された撮像素子76上で結像する。
【0061】
本例のレンズ1は、第1面5および第2面6にチルトが発生していない。従って、投写画像をスクリーンに投写したときに、拡大側結像面Fに形成される像にゆがみが発生することを防止或いは抑制できる。
【0062】
また、本例のレンズ1は、第1面5および第2面6にチルトが発生していない。従って、本例のレンズ1を備える光学系60を撮像装置75に採用した場合には、撮像素子76上の像に、ゆがみが発生することを防止或いは抑制できる。
【符号の説明】
【0063】
1,1B,1C…レンズ、2…レンズ本体部、3…鍔部、5…第1面、5a…第1領域、5b…第2領域、6…第2面、7…第1外周部、8…第2外周部、8a…テーパー面部分、8b…平面部分、9…外周面、11…おもて面、12…うら面、13…第1変曲点、14…第2変曲点、15…反射コーティング層、16…反射面、21…第1基準部、22…第1突起、22a…第1平面、22b…第1凹部、24…第2基準部、25…第2突起、25a…第2平面、25b…第2凹部、26…基準面、27…第1基準面、28…第2基準面、30…金型、31…固定側金型、31a…固定側金型の側の面、32…可動側金型、32a…可動側金型の側の面、33…キャビティ、33a…キャビティの周壁面、34…パーティングライン、35…スプルー、36…ランナー、37…ゲート、38…射出成型機、41…測定治具、42…ステージ、42a…表面、42b…開口部、43…基準部材、44…第1延設部、44a…治具側第1基準部、45…第2延設部、45a…治具側第2基準部、46…凹部、48…第1投写点、49…第1中心点、51…第2投写点、52…第2中心点、60…光学系、61…レンズ群、70…プロジェクター、71…画像形成部、72…光源、73…光変調素子、75…撮像装置、76…撮像素子、D1…第1距離、D2…第2距離、S1…第1仮想面、S2…第2仮想面。