(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】支持装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20240730BHJP
G06F 1/20 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H05K7/20 G
G06F1/20 B
G06F1/20 C
(21)【出願番号】P 2020146478
(22)【出願日】2020-09-01
【審査請求日】2023-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】高槻 真仁
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-146660(JP,A)
【文献】特開2018-113093(JP,A)
【文献】特開2018-116982(JP,A)
【文献】特開2015-032721(JP,A)
【文献】特開昭63-164399(JP,A)
【文献】特開2011-134979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
G06F 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持している複数の機器の冷却用の流体が供給されて通過する供給流路と、
前記複数の機器のそれぞれに応じて、前記供給流路から分流された流体が通過する複数の分流路と、
前記供給流路に、前記複数の分流路のそれぞれに応じて設けられ、前記流体の供給元方向と各分流路に向かう前記流体の供給先方向とを曲面で接続する分流手段とを備え
、
前記供給流路は、前記流体を供給する供給手段を備え、
前記供給手段は、前記供給流路における前記流体の前記供給元方向から前記供給手段を投影した場合に、前記分流手段と干渉しない位置に設けられる
ことを特徴とする支持装置。
【請求項2】
前記供給流路
の内周壁に、前記分流手段
を前記供給流路内で固定するための複数の固定穴を更に備え、
前記分流手段は、
複数の前記固定穴
のうちのいずれか1つと、当該いずれか1つの固定穴に正対する固定穴とに挿入され
て固定され、
前記分流手段
を挿入する固定穴は変更可能
であり、
前記固定穴は、前記供給流路における前記流体の前記供給先方向へ前記固定穴に固定された前記分流手段を投影した場合に、前記固定穴に固定された前記分流手段が前記分流路の開口部と干渉しない位置に形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項3】
前記分流手段は、長手方向に沿う面のうち少なくとも一つの面が曲面の柱体である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の支持装置。
【請求項4】
前記供給手段は、前記供給流路における前記流体の前記供給元方向から前記供給手段を投影した場合に、前記分流手段と干渉せず、かつ、前記分流手段から離れた領域を前記流体が通過するような位置に設けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の支持装置。
【請求項5】
前記分流路から流出した前記流体が通過して排出される排出流路をさらに備え、
前記排出流路に、前記複数の分流路のそれぞれに応じて設けられ、各分流路から排出される前記流体の排出元方向と前記流体の排出先方向とを曲面で接続する整流手段とをさらに備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の支持装置。
【請求項6】
前記整流手段は、長手方向に沿う面のうち少なくとも一つの面が曲面の柱体である
ことを特徴とする請求項5に記載の支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器等の発熱体を収容して支持するとともに当該発熱体を冷却する支持装置がある。特許文献1には、複数の排出先から排出される気体の排出量をバランスよく制御するために、整流部材を設けることが記載されている。この方法では、整流部材に気体を衝突させることにより、それぞれの排出先から排出される気体の排出量が制御される。
【0003】
また、特許文献2には、高温の流体の流量と低温の流体の流量とをそれぞれ制御してそれぞれの流体を混合し、発熱体の近傍を通過させることが記載されている。この方法では、高温の流体の流量と低温の流体の流量とを制御する弁を調節することにより、それぞれの流体の流量が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-074958号公報
【文献】国際公開第2018/203472号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の方法では、気体が整流部材に衝突すると圧力損失が生じる。したがって、気体を排出先に効率よく供給することができない。
【0006】
また、特許文献2に記載の方法では、高温の流体の流路と低温の流体の流路のうち、少なくとも一方の流路の開口部を弁が狭めることにより流体の流量が制御されるため、圧力損失が生じる。このように、流体を発熱体に効率よく供給することができない。
【0007】
本発明の目的は、機器の冷却用に流体を効率よく供給することを可能にする、当該機器の支持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様において、支持装置は、支持している複数の機器の冷却用の流体が供給されて通過する供給流路と、複数の機器のそれぞれに応じて、供給流路から分流された流体が通過する複数の分流路と、供給流路に、複数の分流路のそれぞれに応じて設けられ、流体の供給元方向と各分流路に向かう流体の供給先方向とを曲面で接続する分流手段とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の支持装置により、機器の冷却用に流体を効率よく供給することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第一の実施形態の支持装置の構成例を示す透過斜視図である。
【
図2】本発明の第一の実施形態の支持装置の構成例を示す断面図である。
【
図3】本発明の第二の実施形態の支持装置の構成例を示す透過斜視図である。
【
図4】本発明の第二の実施形態の支持装置の構成例を示す断面図である。
【
図5】本発明の第二の実施形態の支持装置の構成例を示す斜視図である。
【
図6】本発明の第二の実施形態の支持装置の分流手段の構成例を示す斜視図である。
【
図7】本発明の第二の実施形態の支持装置の変形例の構成例を示す斜視図である。
【
図8】本発明の第二の実施形態の支持装置の変形例の構成例を示す斜視図である。
【
図9】本発明の第二の実施形態の支持装置の分流手段の変形例の構成例を示す斜視図である。
【
図10】本発明の第二の実施形態の支持装置の分流手段の変形例の構成例を示す斜視図である。
【
図11】本発明の第三の実施形態の支持装置の構成例を示す透過斜視図である。
【
図12】本発明の第三の実施形態の支持装置の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第一の実施形態]
本発明の第一の実施形態について説明する。
【0012】
図1は、本実施形態の支持装置10の構成例を示す透過斜視図である。
図2は、本実施形態の支持装置10の構成例を示す断面図である。なお、
図2は、
図1におけるA-A線に沿う断面図である。
図1および
図2に示すように、本実施形態の支持装置10は、供給流路200と、分流手段300(300a,300b,・・・,300n)と、分流路400(400a,400b,・・・,400n)とを含む。なお、
図2の矢印は、流体が流れる方向を模式的に示したものである。
【0013】
供給流路200は、支持している複数の機器100(100a,100b,・・・,100n)の冷却用の流体が供給されて通過する。たとえば、機器100は、電子機器等の発熱体が相当する。たとえば、図示されない送風機によって外部から供給された気体が移動可能に形成されたダクトが供給流路200に相当する。
【0014】
分流路400は、複数の機器100のそれぞれに応じて、供給流路200から分流された流体が通過する。
【0015】
分流手段300は、供給流路200に、複数の分流路400のそれぞれに応じて設けられ、流体の供給元方向と各分流路400に向かう流体の供給先方向とを曲面で接続する。
【0016】
以上で説明したように、本発明の第一の実施形態では、支持装置10は、支持している複数の機器100の冷却用の流体が供給されて通過する供給流路200と、複数の機器100のそれぞれに応じて、供給流路200から分流された流体が通過する複数の分流路400とを備える。さらに、支持装置10は、供給流路200に、複数の分流路400のそれぞれに応じて設けられ、流体の供給元方向と各分流路400に向かう流体の供給先方向とを曲面で接続する分流手段300とを備える。これにより、機器100の冷却用に流体を効率よく供給することが可能になる。
【0017】
[第二の実施形態]
次に、本発明の第二の実施形態における支持装置11について
図3から
図6を用いて説明する。
【0018】
図3は、本実施形態の支持装置11の構成例を示す透過斜視図である。
図4は、本実施形態の支持装置11の構成例を示す断面図である。なお、
図4は、
図3におけるA-A線に沿う断面図である。そして、
図4の矢印は、流体が流れる方向を模式的に示したものである。
図5は、本実施形態の支持装置11の構成例を示す斜視図である。なお、
図5は、支持装置11の壁面の構成例を示す。
図6は、本実施形態の支持装置11の分流手段300の構成例を示す斜視図である。
【0019】
第二の実施形態の支持装置11は、
図3および
図4に示すように、供給流路201に、流体を供給する供給手段211を備え、
図5に示すように、供給流路201に、固定穴221a,221b,・・・,221nと、固定穴222a,222b,・・・,222nと、固定穴223a,223b,・・・,223nと、固定穴224a,224b,・・・,224nとを備える点で、
図1および
図2に示す第一の実施形態の支持装置10と異なる。固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nは、分流手段300a~300nの位置を供給流路201において変更可能なように供給流路201の少なくとも内周壁に形成される。なお、
図3には、固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nは、図示されていない。
【0020】
まず、
図3と、
図4と、
図5とを用いて本実施形態の支持装置11の構成例について説明する。本実施形態の支持装置11は、
図3および
図4に示すように、供給流路201と、分流手段300a~300nと、分流路400a,400b,・・・,400nとを含む。
図5に示す供給流路201の少なくとも内周壁に形成される固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nと、支持装置11の分流手段300a~300nの詳細については、後述する。また、
図3および
図4には、分流路400a~400nに接続され、分流路400a~400nから流出した流体が通過して排出される排出流路500と、支持装置11に支持されている機器100a,100b,・・・,100nが示されている。
【0021】
本実施形態の支持装置11における構成について、
図1および
図2に示す第一の実施形態における支持装置10の構成と同様であり、また、対応する要素には、同一の構成を区別するためのアルファベットを除き、
図1および
図2と同じ符号を付す。
【0022】
供給流路201は、
図3および
図4に示すように、供給手段211を備え、
図5に示すように、固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nとを備える。
【0023】
図4に示すように、供給流路201は、支持している複数の機器100a~100nの冷却用の流体が供給されて通過する。流体は、気体であってもよいし、液体であってもよい。本実施形態では、流体は、空気などの気体であるとする。たとえば、供給手段211によって外部から供給された気体が移動可能に形成されたダクトが供給流路201に相当する。
【0024】
図3および
図4に示すように、供給手段211は、流体を供給する。
図4に示すように、本実施形態の供給手段211は、供給流路201における流体の供給元方向から供給手段211を投影した場合に、分流手段300a~300nと干渉しない位置に設けられている。また、供給手段211は、分流手段300a~300nおよび、分流路400a~400nのそれぞれから離れた領域を流体が通過するように流体を供給することが望ましい。たとえば、外部から気体を供給流路201に供給する送風機が供給手段211に相当する。
【0025】
図5に示すように、固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nは、供給流路の201の少なくとも内周壁に形成された穴である。また、本実施形態の固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nは、貫通孔である。また、固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nは、いずれかの固定穴221a~221nと、当該固定穴221a~221nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴223a~223nとに、または、いずれかの固定穴222a~222nと、当該固定穴222a~222nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴224a~224nとに、挿入され、固定されたそれぞれの分流手段300a~300nの位置を、供給流路201において変更可能なように形成される。
【0026】
図3および
図4に示すように、機器100a~100nは、支持装置11に支持され、上方から下方に所定の間隔で積層される。機器100a~100nは、映像や音声等の信号を増幅する機器や、それらの信号を送信する送信機や、サーバ等のコンピュータや、通信機器を含む発熱体が機器100a~100nに相当する。機器100a~100nの数は、一つ又は二以上の複数の任意である。また、機器100a~100nは、支持装置11に任意の方法で支持される。本実施形態の機器100a~100nは、
図3および
図4に示すように支持装置11に固定される。支持装置11は、供給流路側の留め具110a,110b,・・・,110nと、排出流路側の留め具120a,120b,・・・,120nとを備える。それぞれの機器100a~100nは、一方の側面を、いずれかの供給流路側の留め具110a~110nで固定される。さらに、それぞれの機器100a~100nは、前述の一方の側面に向かい合う機器100a~100nの他方の側面を、いずれかの排出流路側の留め具120a~120nで固定されることにより、支持装置11に支持される。
【0027】
図3および
図4に示すように、分流手段300a~300nは、供給流路201に、複数の分流路400a~400nのそれぞれに応じて設けられ、流体の供給元方向と各分流路400a~400nに向かう流体の供給先方向とを曲面で接続する。また、分流手段300a~300nは、長手方向に沿う面のうち少なくとも一つの面が曲面の柱体である。分流手段300a~300nは、使用者の所望の位置の、供給流路201のいずれかの固定穴221a~221nと、当該固定穴221a~221nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴223a~223nとに、または、いずれかの固定穴222a~222nと、当該固定穴222a~222nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴224a~224nとに、それぞれ挿入され、固定される。いずれかの分流手段300a~300nの供給流路201における位置が変えられることにより、位置が変えられた、いずれかの分流手段300a~300nの流体に対する影響が変化する。
【0028】
図3および
図4に示すように、分流路400a~400nは、複数の機器100a~100nのそれぞれに応じて、供給流路201から分流された流体が通過する。
図4に示すように、分流路400a~400nは、供給流路側の開口部410a,410b,・・・,410nと、排出流路側の開口部420a,420b,・・・,420nと備える。
図4に示すように、供給流路側の開口部410a~410nから、供給流路201から供給された流体が分流路400a~400nに流入する。また、排出流路側の開口部420a~420nから、分流路400~400nを通過した流体が排出流路500に流出する。
【0029】
流体は、供給流路201から、いずれかの分流手段300a~300nにより分流される。さらに、分流された流体は、いずれかの分流路400a~400nの供給流路側の開口部410a~410nから分流路400a~400nのいずれかに流入する。そして、分流路400a~400nのいずれかに流入した流体は、分流路400a~400nのいずれかを通過し、いずれかの分流路400a~400nの排出流路側の開口部420a~420nから排出流路500に流出する。
【0030】
たとえば、
図4の例では、分流手段300aにより分流された流体は、分流路400aの供給流路側の開口部410aから分流路400aに流入し、分流路400aを通過し、分流路400aの排出流路側の開口部420aから排出流路500に流出する。
【0031】
機器100a~100nの近傍を通過した流体に、機器100a~100nが発した熱が伝わることにより、機器100a~100nが発した熱は放熱される。分流路400a~400nの数は、一つ又は二以上の複数の任意である。
【0032】
図3および
図4に示すように、排出流路500は、分流路400a~400nに接続され、分流路400a~400nのそれぞれから流出した流体が通過して排出される。たとえば、内部を気体が移動可能に形成されたダクトが排出流路500に相当する。
図3および
図4の例では、分流路400a~400nのそれぞれから排出流路500に流出した流体は、排出流路500の内部を下方から上方に向かって通過する。さらに、流体は、排出流路500の上部に設けられた図示されない排出口(以降、単に排出口と称する)から排出流路500の外部に排出される。
【0033】
次に、
図3と、
図4と、
図6とを用いて、本実施形態の支持装置11の分流手段300の構成について詳細に説明する。
図3は、本実施形態の支持装置11の構成例を示す透過斜視図である。
図4は、本実施形態の支持装置11の構成例を示す断面図である。
図6は、本実施形態の支持装置11の分流手段300の構成例を示す斜視図である。
【0034】
図3と、
図4と、
図6に示すように、分流手段300は、長手方向に沿う面のうち少なくとも一つの面が曲面の柱体である。
図6に示すように、本実施形態の分流手段300は、互いに平行な二つの面が円形であり、柱面が曲面で構成された円柱である。分流手段300の内部は空洞であってもよく、分流手段300は、管状であってもよい。限定されるものではないが、供給流路201の幅に対し、分流手段300の平行な二つの面の幅が3割から7割の長さであるものが、コアンダ効果により流体を分流するために好ましい。
【0035】
また、分流手段300の曲面により、分流手段300により分流される流体の流量が変化する。たとえば、分流手段300により分流される流体の流量を変化させる場合に、使用者は、分流手段300を、短手方向の断面の幅や形状が異なる他の分流手段300に交換することにより、流体の流量を調節してもよい。
【0036】
本実施形態の分流手段300a~300nは、
図5に示す、いずれかの固定穴221a~221nと、当該固定穴221a~221nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴223a~223nとに、または、いずれかの固定穴222a~222nと、当該固定穴222a~222nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴224a~224nとにそれぞれ挿入され、固定される。また、各分流手段300a~300nの位置は、挿入先のいずれかの固定穴221a~221nと、挿入先の当該固定穴221a~221nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴223a~223nとが、または、挿入先のいずれかの固定穴222a~222nと、挿入先の当該固定穴222a~222nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴224a~224nとが変更されることによって、変更可能である。限定されるものではないが、分流手段300a~300nは、
図3および
図4に示すように分流路400a~400nの供給流路側の開口部410a~410nを遮らない位置に固定されることが望ましい。
【0037】
図4に示すように、分流手段300a~300nのいずれかの影響を受けた流体の流れる方向は、コアンダ効果により分流手段300a~300nの曲面に沿って変化する。いずれかの分流手段300a~300nによる影響を受けた、供給流路201を通過する流体は、供給元方向から、各分流手段300a~300nの曲面に沿うように分流され、各分流路400a~400nに向かう。
【0038】
具体的には、
図4に示すように、コアンダ効果により分流手段300aの曲面に沿って流れ、分流された流体は、分流路400aに向かう。また、分流手段300aの曲面に沿って流れない流体は、供給流路201内を通過する。また、コアンダ効果により分流手段300bの曲面に沿って流れ、分流された流体は、分流路400bに向かう。
【0039】
次に、
図3と、
図4と、
図5とを用いて、本実施形態の支持装置11の固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nの構成について詳細に説明する。
図3は、本実施形態の支持装置11の構成例を示す透過斜視図である。
図4は、本実施形態の支持装置11の構成例を示す断面図である。
図5は、実施形態の支持装置11の構成例を示す斜視図である。
【0040】
図5に示すように、本実施形態の供給流路201は、少なくとも内周壁に、分流手段300a~300nの位置を変更可能なように形成された、固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nとを備える。
【0041】
本実施形態の固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nは、
図5に示すように供給流路201の互いに向かい合う面のそれぞれに設けられた、供給流路201の外部から分流手段300a~300nを挿入することが可能な貫通孔である。固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nの開孔部分の形状と、分流手段300a~300nの短手方向の断面の形状及び大きさとが、一致しているとする。
図6に示す分流手段300を用いる場合、固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nの開孔部分の形状は円形である。固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nは、分流手段300a~300nが挿入されている、いずれかの固定穴221a~221nと、当該固定穴221a~221nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴223a~223nとの、または、いずれかの固定穴222a~222nと、当該固定穴222a~222nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴224a~224nとの周縁をなす断面で、分流手段300a~300nのそれぞれを支える。
【0042】
なお、分流手段300a~300nが固定されている、いずれかの固定穴221a~221nと、当該固定穴221a~221nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴223a~223nと、または、いずれかの固定穴222a~222nと、当該固定穴222a~222nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴224a~224nと、固定された分流手段300a~300nとの間にすきまがある場合、所定の方法ですきまを塞ぐ。たとえば、固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nの開孔部分の内壁は、周囲が螺設された分流手段300a~300nに螺合するように設計されていてもよい。
【0043】
また、固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nは、供給流路201においていずれか少なくとも一つの方向に、分流手段300a~300nが固定される位置を変更可能なように形成される。
図5は、上方から下方を長手方向とする供給流路201の短手方向に分流手段300a~300nの位置を変更可能なように固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nとを形成した場合の例である。また、本実施形態の固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nは、予め決められた間隔で設けられている。
【0044】
また、それぞれの固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nは、固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nとを密閉することが可能な、図示されない蓋(以降、単に蓋と称する)を備える。分流手段300a~300nが固定されていない固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nは、蓋により密閉される。また、次に説明するように、本実施形態の固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nは形成される。供給流路201における流体の供給先方向へ、いずれかの固定穴221a~221nと、当該固定穴221a~221nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴223a~223nとに、または、いずれかの固定穴222a~222nと、当該固定穴222a~222nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴224a~224nとに固定された分流手段300a~300nのそれぞれを投影する。この場合に、分流手段300a~300nのそれぞれが、分流路400a~400nのいずれかの供給流路側の開口部410a~410nと干渉しない位置に固定されるように、固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nは形成される。
【0045】
なお、固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nの開孔部分の形状は、楕円形であってもよい。固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nの開孔部分の形状が楕円形である場合については、後述の変形例で説明する。
【0046】
分流手段300a~300nにより分流される流体の流量を変化させる場合、使用者は、供給流路201の外部から、いずれかの固定穴221a~221nと、当該固定穴221a~221nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴223a~223nとに、または、いずれかの固定穴222a~222nと、当該固定穴222a~222nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴224a~224nとに固定されているいずれかの分流手段300a~300nを取り外す。さらに、使用者は、所望の位置の他の、いずれかの固定穴221a~221nと、当該固定穴221a~221nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴223a~223nとに、または、いずれかの固定穴222a~222nと、当該固定穴222a~222nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴224a~224nに、取り外した分流手段300a~300nを固定する。このように、いずれかの分流手段300a~300nが固定されている位置が変わり、位置を変えられたいずれかの分流手段300a~300nの流体に対する影響が変化する。
【0047】
たとえば、
図5に示す固定穴222aと固定穴224aに、
図3および
図4に示す分流手段300aが固定されているとする。使用者が、分流手段300aを固定する位置として
図5に示す固定穴221aと固定穴223aとを選択した場合、使用者は、固定穴222aと固定穴224aから分流手段300aを取りはずし、固定穴221aと固定穴223aに分流手段300aを挿入し、分流手段300aを固定する。これにより、分流手段300aの位置が変わり、分流手段300aの流体に対する影響が変化し、分流路400aに流入する流体の流量が調節される。
【0048】
以上で説明したように、本発明の第二の実施形態では、支持装置11は、支持している複数の機器100a~100nの冷却用の流体が供給されて通過する供給流路201と、複数の機器100a~100nのそれぞれに応じて、供給流路201から分流された流体が通過する複数の分流路400a~400nとを備える。さらに、支持装置11は、供給流路201に、複数の分流路400a~400nのそれぞれに応じて設けられ、流体の供給元方向と各分流路400a~400nに向かう流体の供給先方向とを曲面で接続する分流手段300a~300nとを備える。これにより、機器100a~100nの冷却用に流体を効率よく供給することが可能になる。
【0049】
また、本実施形態の支持装置11は、流体の供給元方向と各分流路に向かう流体の供給先方向とを曲面で接続する分流手段300a~300nを用いて流体を分流する。いずれかの分流手段300a~300nの影響を受けた流体が、コアンダ効果により分流手段300a~300nの曲面に沿って流れ、分流されるため、圧力損失を低減することが可能になる。このように、支持装置11は、流体を効率よく機器100a~100nに供給することが可能になる。
【0050】
また、上述のように、本実施形態の支持装置11の供給手段211は、供給流路201における流体の供給元方向から供給手段211を投影した場合に、分流手段300aと干渉しない位置に設けられている。供給手段211は、供給流路201の、分流手段300a~300n及び分流路400a~400nのそれぞれから離れた領域を流体が通過するように流体を供給する。これにより、分流手段300a~300nの曲面により、分流路400a~400nに向かう流れとは異なる複数の方向に流体が流れる可能性を低減することが可能になる。また、分流手段300a~300nに供給流路201を通過する流体が衝突する可能性を低減することが可能になる。このように、支持装置11は、流体を効率よく機器100a~100nに供給することが可能になる。
【0051】
また、支持装置11は、
図5に示すように供給流路201に固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nとを備える。いずれかの固定穴221a~221nと、当該固定穴221a~221nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴223a~223nとに、または、いずれかの固定穴222a~222nと、当該固定穴222a~222nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴224a~224nに挿入されたそれぞれの分流手段300a~300nは、供給流路201において位置を変更可能なように固定される。これにより、分流手段300a~300nのそれぞれの位置を容易に変更することが可能になる。これにより、分流手段300a~300nにより分流される流体の流量を分流路400a~400nごとに容易に調節することができる。
【0052】
[変形例]
上述した実施形態の変形例について述べる。本発明は、上述した実施形態と異なる形態でも実施可能である。例えば、本発明に対しては、以下の変形例を適用することが可能である。
【0053】
(1)本実施形態における変形例の支持装置12について
図7を用いて説明する。
【0054】
図7は、本実施形態の支持装置11の変形例の構成例を示す斜視図である。なお、
図7は、支持装置12の壁面の構成例を示す。本変形例における供給流路202及び固定穴225a,225b,・・・,225nと固定穴226a,226b,・・・,226nのその他の構成は、
図3および
図4に示す第二の実施形態における支持装置11の構成と同様である。そのため、対応する要素の説明を省略する。
【0055】
なお、
図7は、上方から下方を長手方向とする供給流路202の短手方向を、開孔部分の長手方向とする楕円形の固定穴225a~225nと固定穴226a~226nとを備える場合の例である。また、固定穴225a~225nと固定穴226a~226nは、供給流路202の短手方向に分流手段300a~300nの位置を変更可能なように形成されている。
【0056】
本変形例では、いずれかの固定穴225a~225nと、当該固定穴225a~225nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴226a~226nとの開孔部分の、使用者の所望の位置に分流手段300a~300nのそれぞれが固定されることにより、分流手段300a~300nのそれぞれの位置が供給流路202において短手方向に変更される。本変形例では、固定穴225a~225nと固定穴226a~226nの開孔部分の形状と、分流手段300a~300nの短手方向の断面の形状及び大きさとが、一致していない。分流手段300a~300nのそれぞれを挿入した後に、いずれかの固定穴225a~225nと、当該固定穴225a~225nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴226a~226nの、それぞれの分流手段300a~300nとの間のすきまを所定の方法で塞ぎ、それぞれの分流手段300a~300nを固定する。これにより、供給流路202は密閉される。たとえば、固定された分流手段300a~300nを取り外し可能なように、いずれかの固定穴225a~225nと、当該固定穴225a~225nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴226a~226nの、それぞれの分流手段300a~300nとの間のすきまを充てん剤を用いて塞ぐことにより、供給流路202は密閉されてもよい。
【0057】
なお、固定穴225a~225nと固定穴226a~226nは、供給流路202の短手方向及び長手方向に分流手段300a~300nのそれぞれの位置を変更可能なように形成されてもよい。たとえば、固定穴225a~225nと固定穴226a~226nの開孔部分の形状は、十字型であってもよい。
【0058】
これにより、いずれかの固定穴225a~225nと、当該固定穴225a~225nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴226a~226nに挿入された分流手段300a~300nのそれぞれの位置を、供給流路202において、供給流路202の短手方向の所望の位置に調節することができる。
【0059】
(2)本変形例における支持装置13について
図8を用いて説明する。
【0060】
図8は、本実施形態の支持装置11の変形例の構成例を示す斜視図である。なお、
図8は、支持装置13の壁面の構成例を示す。本変形例における供給流路203及び固定穴227a,・・・,227nと固定穴228a,・・・,228nのその他の構成は、
図3および
図4に示す第二の実施形態における支持装置11の構成と同様であるので、対応する要素の説明を省略する。
【0061】
なお、
図8は、上方から下方を長手方向とする供給流路203の短手方向を、開孔部分の短手方向とする楕円形の固定穴227a~227nと固定穴228a~228nを備える場合の例である。また、固定穴227a~227nと固定穴228a~228nは、供給流路203の長手方向及び短手方向に、分流手段300a~300nの位置を変更可能なように形成されている。
【0062】
本変形例では、使用者が、分流手段300a~300nを、固定穴227aおよび固定穴228a、または固定穴227nおよび228nにそれぞれ挿入する。これにより、分流手段300a~300nのそれぞれの位置は、供給流路203において、供給流路203の短手方向に変更される。また、固定穴227aおよび固定穴228a、または固定穴227nおよび228nの開孔部分の、使用者の所望の位置に分流手段300a~300nのそれぞれが固定されることにより、分流手段300a~300nのそれぞれの位置が、供給流路203において、供給流路203の長手方向に変更される。
【0063】
本変形例では、固定穴227a~227nと固定穴228a~228nの開孔部分の形状と、分流手段300a~300nの短手方向の断面の形状及び大きさとが、一致していない。分流手段300a~300nのそれぞれを挿入した後に、いずれかの固定穴227a~227nと、当該固定穴227a~227nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴228a~228nの、それぞれの分流手段300a~300nとの間のすきまを所定の方法で塞ぎ、それぞれの分流手段300a~300nを固定する。これにより、供給流路203は密閉される。たとえば、固定された分流手段300a~300nを取り外し可能なように、いずれかの固定穴227a~227nと、当該固定穴227a~227nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴228a~228nの、それぞれの分流手段300a~300nとの間のすきまを充てん剤を用いて塞ぐことにより、供給流路202は密閉されてもよい。
【0064】
これにより、固定穴227a~227nと固定穴228a~228nに挿入された分流手段300a~300nのそれぞれの位置を、供給流路203において、供給流路203の長手方向と短手方向の所望の位置に調節することができる。
【0065】
(3)本変形例における分流手段301について
図9を用いて説明する。
【0066】
図9は、第二の実施形態の支持装置11の分流手段300の変形例の構成例を示す斜視図である。
【0067】
図9に示すように、分流手段301は、互いに並行な二つの面が扇形であり、柱面のうち二面が方形であり、柱面のうち一面が曲面で構成された柱体である。
図9に示す分流手段301を用いる場合、供給流路に設けられた固定穴の開孔部分の形状と、分流手段301の短手方向の断面の形状及び大きさとが、一致しているものとする。また、固定された分流手段301と、固定穴との間にすきまがある場合、所定の方法ですきまを塞ぐ。たとえば、固定された分流手段301を取り外し可能なように、分流手段301と固定穴との間のすきまを充てん剤を用いて塞いでもよい。
【0068】
図9に示す分流手段301を用いる場合、分流手段301は、
図6に示す分流手段300よりも回転しにくいため、使用者は、分流手段301を容易に固定穴に固定することが可能になる。
(4)変形例における分流手段302について
図10を用いて説明する。
【0069】
図10は、第二の実施形態の支持装置11の分流手段300の変形例の構成例を示す斜視図である。
【0070】
図10に示すように、分流手段302は、互いに平行な二つの面が楕円形であり、柱面が曲面で構成された柱体である。
図10に示す分流手段302を用いる場合、供給流路に設けられた固定穴の開孔部分の形状と、分流手段302の短手方向の断面の形状及び大きさとが、一致していてもよい。
【0071】
また、
図10に示す分流手段302を用いる場合、供給流路に設けられた固定穴の開孔部分の形状と、分流手段302の短手方向の断面の形状および大きさとが、一致していなくてもよい。たとえば、
図7に示す供給流路202の固定穴225a~225nと固定穴226a~226nのように、固定穴は形成されてもよい。
【0072】
具体的には、
図10に示す分流手段302の短手方向の断面の、短手方向の長さと、
図7に示す固定穴225a~225nと固定穴226a~226nの開孔部分の短手方向の長さが一致するように固定穴225a~225nと固定穴226a~226nは形成されているものとする。さらに、分流手段302の短手方向の断面の、長手方向の長さより、固定穴225a~225nと固定穴226a~226nの開孔部分の長手方向の長さが、長くなるように固定穴225a~225nと固定穴226a~226nが形成されているものとする。この場合、供給流路202のいずれかの固定穴225a~225nと、当該固定穴225a~225nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴226a~226nとの短手方向の所望の位置に、使用者は分流手段302を固定する。また、たとえば、固定された分流手段302を取り外し可能なように、いずれかの固定穴225a~225nと、当該固定穴225a~225nのいずれか1つに正対したいずれかの固定穴226a~226nの、分流手段302との間のすきまを充てん剤を用いて塞ぐことにより、供給流路202は密閉される。
【0073】
図10に示す分流手段302を用いる場合、分流手段302は、
図6に示す分流手段300よりも回転しにくいため、使用者は、分流手段302を容易に固定することが可能になる。
【0074】
[第三の実施形態]
本発明の第三の実施形態における支持装置14について
図11および
図12とを用いて説明する。
【0075】
図11は、本実施形態の支持装置14の構成例を示す透過斜視図である。
図12は、本実施形態の支持装置14の構成例を示す断面図である。なお、
図12は、
図11におけるA-A線に沿う断面図である。そして、
図12の矢印は、流体が流れる方向を模式的に示したものである。
【0076】
図11および
図12に示すように、第三の実施形態の支持装置14は、排出流路501に、整流手段511a,511b,・・・,511nを備える点で、
図3および
図4に示す第二の実施形態の支持装置11と異なる。整流手段511a~511nは、各分流路から排出される流体の排出元方向と流体の排出先方向とを曲面で接続する。本実施形態における排出流路501および整流手段511a~511nのその他の構成は、
図3および
図4に示す第二の実施形態における支持装置11の構成と同様であるので、対応する要素には
図3および
図4と同じ符号を付して説明を省略する。なお、
図11には、固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224nは、図示されていない。
【0077】
排出流路501は、整流手段511a~511nを備える。
【0078】
排出流路501は、分流路400a~400nに接続され、分流路400a~400nのそれぞれから流出した流体が通過して排出される。たとえば、内部を気体が移動可能に形成されたダクトが排出流路501に相当する。分流路400a~400nのそれぞれから排出流路501に流出した流体は、排出流路501の内部を下方から上方に向かって通過し、排出流路501の上部に設けられた図示されない排出口(以降、単に排出口と称する)から排出流路501の外部に排出される。
【0079】
整流手段511a~511nは、排出流路501に、複数の分流路400a~400nのそれぞれに応じて設けられ、各分流路400a~400nから排出される流体の排出元方向と流体の排出先方向とを曲面で接続する。また、整流手段511a~511nは、長手方向に沿う面のうち少なくとも一つの面が曲面の柱体である。整流手段511a~511nは、分流手段300a~300nと同様の構成であって良い。
【0080】
本実施形態の整流手段511a~511nは、
図6に示す分流手段300のように、互いに平行な二つの面が円形であり、柱面が曲面で構成された円柱である。なお、整流手段511a~511nは、
図9に示す分流手段301のように、互いに並行な二つの面が扇形であり、柱面のうち二面が方形であり、柱面のうち一面が曲面で構成された柱体でもよい。また、
図10に示す分流手段302のように、整流手段511a~511nは、互いに平行な二つの面が楕円形であり、柱面が曲面で構成された柱体であってもよい。整流手段511a~511nの内部は空洞であってもよく、整流手段511a~511nは、管状であってもよい。
【0081】
また、限定されるものではないが、整流手段511a~511nは、
図12に示す分流路400a~400nの排出流路側の開口部420a~420nを遮らない位置に固定されることが望ましい。また、本実施形態の整流手段511a~511nは、
図11および
図12に示すように、固定される。具体的には、整流手段511a~511nは、排出流路501における流体の排出元方向へ各整流手段511a~511nを投影した場合に、分流路400a~400nのいずれかの排出流路側の開口部420a~420nと干渉しない位置に固定される。なお、排出流路501は、少なくとも内周壁に、整流手段511a~511nの位置を排出流路501において変更可能なように形成された、整流手段511a~511nを固定する固定穴を備えてもよい。また、整流手段511a~511nを固定する固定穴の構成は、
図5に示す固定穴221a~221nと、固定穴222a~222nと、固定穴223a~223nと、固定穴224a~224n、または
図7に示す固定穴225a~225nと固定穴226a~226n、または
図8に示す固定穴227a~227nと固定穴228a~228nの構成と同様であってもよい。
【0082】
図12に示すように、各分流路400a~400nから排出された流体は、整流手段511a~511nのいずれかによる影響を受け、コアンダ効果により、いずれかの整流手段511a~511nの曲面に沿って流れ、排出元方向から排出先方向に向かう。
【0083】
たとえば、
図12に示すように、分流路400aを通過し、分流路400aから排出された流体は、コアンダ効果により整流手段511aの曲面に沿って流れ、排出流路501の排出口に向かう。また、分流路400bを通過し、分流路400bから排出された流体は、コアンダ効果により整流手段511bの曲面に沿って流れ、排出流路501の排出口に向かう。
【0084】
以上で説明したように、本発明の第三の実施形態では、支持装置14は、支持している複数の機器100a~100nの冷却用の流体が供給されて通過する供給流路201と、複数の機器100a~100nのそれぞれに応じて、供給流路201から分流された流体が通過する複数の分流路400a~400nとを備える。さらに、支持装置14は、供給流路201に、複数の分流路400a~400nのそれぞれに応じて設けられ、流体の供給元方向と各分流路400a~400nに向かう流体の供給先方向とを曲面で接続する分流手段300a~300nとを備える。これにより、機器100a~100nの冷却用に流体を効率よく供給することが可能になる。
【0085】
また、本実施形態の支持装置14は、排出流路501に、複数の分流路400a~400nのそれぞれに応じて設けられ、各分流路400a~400nから排出される流体の排出元方向と流体の排出先方向とを曲面で接続する整流手段511a~511nを備える。各分流路400a~400nから排出された流体は、コアンダ効果により整流手段511a~511nのいずれかの曲面に沿って流れ、排出元方向から排出先方向に向かうため、効率よく流体を排出することが可能になる。
【0086】
なお、上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。
【符号の説明】
【0087】
10、11、12、13、14 支持装置
100 機器
110、120 留め具
200、201、202、203 供給流路
211 供給手段
221、222、223、224、225、226、227、228 固定穴
300、301、302 分流手段
400 分流路
500、501 排出流路
511 整流手段