(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】電子機器、及び半導体集積回路装置
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20240730BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H01L23/12 501W
(21)【出願番号】P 2020149103
(22)【出願日】2020-09-04
【審査請求日】2023-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100148323
【氏名又は名称】川▲崎▼ 通
(74)【代理人】
【識別番号】100168860
【氏名又は名称】松本 充史
(72)【発明者】
【氏名】竹内 加津郎
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-056961(JP,A)
【文献】特開2009-043786(JP,A)
【文献】特開2001-203470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1辺と、前記第1辺と向かい合う第2辺とを有し、第1回路ブロック及び第2回路ブロックが設けられた集積回路基板と、
第1外部回路及び第2外部回路と電気的に接続されるプリント基板と、
前記集積回路基板と前記プリント基板とを電気的に接続する複数のボールグリッドを含むボールグリッドアレイと、
を備え、
前記ボールグリッドアレイは、前記複数のボールグリッドの内の複数の第1ボールグリッドを含む第1ボールグリッド群と、前記複数のボールグリッドの内の複数の第2ボールグリッドを含む第2ボールグリッド群とを含み、
前記第1ボールグリッド群は、前記第1回路ブロックと前記第1外部回路とを電気的に接続し、
前記第2ボールグリッド群は、前記第2回路ブロックと前記第2外部回路とを電気的に接続し、
前記複数の第1ボールグリッドの数は、前記複数の第2ボールグリッドの数よりも多く、
前記第1ボールグリッド群と前記第1辺との最短距離は、前記第2ボールグリッド群と前記第1辺との最短距離よりも短く、
前記第1ボールグリッド群と前記第1辺との最短距離は、前記第2ボールグリッド群と前記第2辺との最短距離よりも短
く、
前記集積回路基板は、前記第1辺及び前記第2辺と交差する第3辺を有し、
前記ボールグリッドアレイは、前記複数のボールグリッドの内の複数のメモリーボールグリッドを含むメモリーボールグリッド群を含み、
前記複数のメモリーボールグリッドは、メモリー群と電気的に接続し、
前記複数のメモリーボールグリッドの数は、前記複数の第1ボールグリッドの数、及び前記複数の第2ボールグリッドの数よりも多く、
前記メモリーボールグリッド群と前記第3辺との最短距離は、前記第1ボールグリッド群と前記第3辺との最短距離よりも短く、
前記メモリーボールグリッド群と前記第3辺との最短距離は、前記第2ボールグリッド
群と前記第3辺との最短距離よりも短い、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記ボールグリッドアレイは、前記複数のボールグリッドの内の第3ボールグリッドを含み、
前記第3ボールグリッドは、前記集積回路基板の基準電位の信号を伝搬し、
前記第3ボールグリッドは、前記第1ボールグリッド群と前記第2ボールグリッド群との間に位置している、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1辺から前記第2辺に向かう方向において、前記第1ボールグリッド群は、前記第2ボールグリッド群と重なって位置している、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1辺から前記第2辺に向かう方向において、前記第2ボールグリッド群は、前記第1ボールグリッド群と重なって位置している、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記複数の第1ボールグリッドで伝搬する信号の周波数は、前記複数の第2ボールグリッドで伝搬する信号の周波数よりも高い、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
第1外部回路、及び第2外部回路と電気的に接続されるプリント基板と電気的に接続される半導体集積回路装置であって、
第1辺と、前記第1辺と向かい合う第2辺とを有し、第1回路ブロック及び第2回路ブロックが設けられた集積回路基板と、
前記集積回路基板と前記プリント基板とを電気的に接続する複数のボールグリッドを含むボールグリッドアレイと、
を備え、
前記ボールグリッドアレイは、前記複数のボールグリッドの内の複数の第1ボールグリッドを含む第1ボールグリッド群と、前記複数のボールグリッドの内の複数の第2ボールグリッドを含む第2ボールグリッド群とを含み、
前記第1ボールグリッド群は、前記第1回路ブロックと前記第1外部回路とを電気的に接続し、
前記第2ボールグリッド群は、前記第2回路ブロックと前記第2外部回路とを電気的に接続し、
前記複数の第1ボールグリッドの数は、前記複数の第2ボールグリッドの数よりも多く、
前記第1ボールグリッド群と前記第1辺との最短距離は、前記第2ボールグリッド群と前記第1辺との最短距離よりも短く、
前記第1ボールグリッド群と前記第1辺との最短距離は、前記第2ボールグリッド群と前記第2辺との最短距離よりも短
く、
前記集積回路基板は、前記第1辺及び前記第2辺と交差する第3辺を有し、
前記ボールグリッドアレイは、前記複数のボールグリッドの内の複数のメモリーボールグリッドを含むメモリーボールグリッド群を含み、
前記複数のメモリーボールグリッドは、メモリー群と電気的に接続し、
前記複数のメモリーボールグリッドの数は、前記複数の第1ボールグリッドの数、及び前記複数の第2ボールグリッドの数よりも多く、
前記メモリーボールグリッド群と前記第3辺との最短距離は、前記第1ボールグリッド群と前記第3辺との最短距離よりも短く、
前記メモリーボールグリッド群と前記第3辺との最短距離は、前記第2ボールグリッド群と前記第3辺との最短距離よりも短い、
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、及び半導体集積回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の高集積化及び高機能化が進むにつれ、多くの機能が1つの半導体装置内に内蔵されたSoC(System on Chip)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の多くの機能を備えた半導体集積回路装置、及び当該半導体集積回路装置を搭載した電子機器が普及している。このような多くの機能を備えた半導体集積回路装置では、機能に応じた信号を入出力するための多くの端子が必要となる。そのため、複数の端子(ボールグリッド)を格子状に配置することで、より多くの端子の配置を可能とした所謂ボールグリッドアレイ(BGA:Ball Grid Array)が広く普及している。
【0003】
しかしながら、BGAが採用された半導体集積回路装置では、複数の端子が狭ピッチで配置されるが故に、当該端子間にエレキクロストーク等が生じるおそれが高く、その結果、半導体集積回路装置に誤作動が生じるおそれがあった。
【0004】
係る弊害に対して、特許文献1には、BGAを有する半導体集積回路及び電子機器であって、周辺の回路部品を多層基板の片面に実装しても、クロストークを低減することが可能な半導体集積回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、半導体集積回路装置の多機能化の要求は依然として高く、そのため、半導体集積回路装置は、外部との間で信号を伝搬するためのより多くの端子を必要とする。このような半導体集積回路装置が外部との間で信号を伝搬するための端子数が増加した場合、半導体集積回路装置が大型化するおそれを低減しつつ、半導体集積回路装置と外部との間で伝搬する信号にクロストークなどが生じるおそれを低減するとの観点において、特許文献1に記載の技術では十分でなく、依然として改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電子機器の一態様は、
第1辺と、前記第1辺と向かい合う第2辺とを有し、第1回路ブロック及び第2回路ブロックが設けられた集積回路基板と、
第1外部回路及び第2外部回路と電気的に接続されるプリント基板と、
前記集積回路基板と前記プリント基板とを電気的に接続する複数のボールグリッドを含むボールグリッドアレイと、
を備え、
前記ボールグリッドアレイは、前記複数のボールグリッドの内の複数の第1ボールグリッドを含む第1ボールグリッド群と、前記複数のボールグリッドの内の複数の第2ボールグリッドを含む第2ボールグリッド群とを含み、
前記第1ボールグリッド群は、前記第1回路ブロックと前記第1外部回路とを電気的に接続し、
前記第2ボールグリッド群は、前記第2回路ブロックと前記第2外部回路とを電気的に
接続し、
前記複数の第1ボールグリッドの数は、前記複数の第2ボールグリッドの数よりも多く、
前記第1ボールグリッド群と前記第1辺との最短距離は、前記第2ボールグリッド群と前記第1辺との最短距離よりも短く、
前記第1ボールグリッド群と前記第1辺との最短距離は、前記第2ボールグリッド群と前記第2辺との最短距離よりも短い。
【0008】
本発明に係る半導体集積回路装置の一態様は、
第1外部回路、及び第2外部回路と電気的に接続されるプリント基板と電気的に接続される半導体集積回路装置であって、
第1辺と、前記第1辺と向かい合う第2辺とを有し、第1回路ブロック及び第2回路ブロックが設けられた集積回路基板と、
前記集積回路基板と前記プリント基板とを電気的に接続する複数のボールグリッドを含むボールグリッドアレイと、
を備え、
前記ボールグリッドアレイは、前記複数のボールグリッドの内の複数の第1ボールグリッドを含む第1ボールグリッド群と、前記複数のボールグリッドの内の複数の第2ボールグリッドを含む第2ボールグリッド群とを含み、
前記第1ボールグリッド群は、前記第1回路ブロックと前記第1外部回路とを電気的に接続し、
前記第2ボールグリッド群は、前記第2回路ブロックと前記第2外部回路とを電気的に接続し、
前記複数の第1ボールグリッドの数は、前記複数の第2ボールグリッドの数よりも多く、
前記第1ボールグリッド群と前記第1辺との最短距離は、前記第2ボールグリッド群と前記第1辺との最短距離よりも短く、
前記第1ボールグリッド群と前記第1辺との最短距離は、前記第2ボールグリッド群と前記第2辺との最短距離よりも短い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】印刷装置のカバーが開いている場合に、印刷装置を+Y側から見た斜視図である。
【
図4】印刷装置を
図2に示すE-e線で切断した場合における断面図である。
【
図5】印刷装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】制御回路の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】半導体集積回路装置の構造を示す断面図である。
【
図8】端子実装面に設けられている複数の端子の配置の一例を示す図である。
【
図9】端子実装面に設けられている複数の端子と、ICチップに設けられる各種回路との関係を説明するための図である。
【
図10】変形例における端子実装面に設けられている複数の端子の配置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。本実施形態では、本発明の電子機器の一例として印刷装
置を例に説明を行うが、本発明に係る電子機器は印刷装置に限るものではなく、例えば、パーソナルコンピューター、プロジェクター、テレビ等の各種電子機器であってもよい。
【0011】
1.印刷装置の構造
図1~
図3を用いて、電子機器の一例である印刷装置1の外部構造について説明する。以下では、互いに直交するX方向、Y方向、及びZ方向を用いて説明を行う。また、X方向を示す矢印の起点側を-X側、先端側を+X側と称し、Y方向を示す矢印の起点側を-Y側、先端側を+Y側と称し、Z方向を示す矢印の起点側を-Z側、先端側を+Z側と称する場合がある。なお、X方向、Y方向、及びZ方向は、互いに直交している方向であるとして説明を行うが、印刷装置1が備える各構成が互いに直交していることに限るものではない。
【0012】
図1は、印刷装置1を+Y側から見た斜視図である。
図2は、印刷装置1のカバー20が開いている場合に、印刷装置1を+Y側から見た斜視図である。
図3は、印刷装置1を-Y側から見た斜視図である。
図1に示すように、印刷装置1は、筐体10と、筐体10の+Z側に位置し、開閉可能に設けられたカバー20とを有する。
【0013】
図2及び
図3に示すように、筐体10は、+Y側に位置する壁部11、+X側に位置する壁部12、+Z側に位置する壁部13、-Y側に位置する壁部14、-X側に位置する壁部15、-Z側に位置する壁部16を含み、内部に収容空間を有する略直方体形状である。そして、印刷装置1は、壁部16が下方となるように設置された状態で使用される。すなわち、筐体10の壁部16が印刷装置1の底部であって、設置面に相当する。
【0014】
壁部13には、表示ユニット40、及び操作部41が位置している。表示ユニット40は、例えば、液晶パネル、電子ペーパーパネル、又は有機エレクトロルミネッセンスパネル等の表示パネルで構成されている。このような表示ユニット40には、印刷装置1の動作及び状態に基づく各種情報が表示される。また、表示ユニット40としては、上述した表示パネルの他に、印刷装置1の通電状態や印刷装置1に伝送される各種データの伝送状態を示すLED等の表示灯を備えてもよい。操作部41は、印刷装置1を使用する使用者による各種操作を受け付ける。すなわち、印刷装置1は、使用者による操作部41の操作に基づき、各種処理を実行することができる。なお、印刷装置1は、表示ユニット40と操作部41とが一体に構成されたタッチパネルを備えてもよい。
【0015】
図2に示すように、壁部11には、印刷装置1の外部に設けられた各種機器と通信を行うためのUSB(Universal Serial Bus)接続端子21が位置し、
図3に示すように、壁部15には、印刷装置1の外部と通信を行うためのUSB接続端子22が位置している。ここで、USB接続端子21,22に接続される機器としては、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ等の外部機器や、画像データが記憶された外部記憶媒体などが挙げられる。なお、以下の説明では、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ等の外部機器と、画像データが記憶された外部記憶媒体とを区別する必要がない場合、外部機器等と称する場合がある。また、USB接続端子21,22は、USB通信を行うケーブルが接続可能なコネクターであって、USBコネクター、miniUSBコネクター、MicroUSBコネクター等のいずれであってもよい。
【0016】
さらに、
図3に示すように、壁部15には、商用電源である交流電圧ACが入力される例えばインレットソケットとして構成される電源端子23が位置している。ここで、電源端子23は、交流電圧ACが入力されるインレットソケットに限られるものではなく、例えば、外部に設けられたACアダプターが接続されるDCプラグであってもよい。この場合、電源端子23には、当該ACアダプターによって直流電圧に変換された直流電圧が供給されてもよい。
【0017】
壁部13の-Y側には、筐体10の内部に媒体を供給するための供給口31が位置している。また、壁部11には、筐体10の内部に供給された媒体を排出する排出口32が位置している。そして、供給口31から供給された媒体は、筐体10の内部で搬送されるとともに、媒体の搬送タイミングに同期して、インクが吐出されることで、媒体に当該インクが着弾し、画像が形成される。そして、画像が形成された媒体は、排出口32から排出される。
【0018】
図4を用いて媒体が搬送される筐体10の内部の構造について説明する。
図4は、印刷装置1を
図2に示すE-e線で切断した場合における断面図である。
図4に示すように、印刷装置1は、筐体10の内部にヘッドユニット50、搬送ユニット60、及びプリント基板100を有する。
【0019】
ヘッドユニット50は、吐出ヘッド51、キャリッジ52、及び液体貯留部53を含む。キャリッジ52は-Y側において、キャリッジガイド軸54に往復移動可能に支持されている。そして、キャリッジ52は、キャリッジガイド軸54に支持された状態で、X方向に沿った主走査方向に沿って往復移動する。
【0020】
液体貯留部53は、キャリッジ52の+Z側に位置している。この液体貯留部53には、吐出ヘッド51が有するノズルから吐出されるインクが貯留されている。吐出ヘッド51は、キャリッジ52の-Z側に取り付けられている。そして、液体貯留部53と吐出ヘッド51とは、不図示の液体流路により接続されている。これにより、液体貯留部53に貯留されているインクが、吐出ヘッド51に供給される。また、吐出ヘッド51の-Z側には、媒体に対してインクを吐出する複数のノズルが設けられた吐出面55が位置している。
【0021】
搬送ユニット60は、媒体支持部61,62と、搬送ローラー対63,64と、を含む。媒体支持部61と媒体支持部62とは、供給口31から供給された媒体を排出口32まで搬送するための搬送経路HKを形成する。そして、搬送ローラー対63,64が駆動することで、供給口31から供給された媒体が搬送経路HKに沿って排出口32に向かい搬送される。具体的には、供給口31から供給された媒体は、搬送ローラー対63の駆動に伴い、媒体支持部61から媒体支持部62に向かい搬送される。媒体支持部62は、キャリッジ52に取り付けられた吐出ヘッド51の-Z側に位置する。すなわち、媒体支持部62は、キャリッジ52に取り付けられた吐出ヘッド51の吐出面55とZ方向に沿って向かい合って位置する。そして、媒体が搬送経路HKに沿って搬送され、媒体支持部62で支持されている状態において、吐出ヘッド51の吐出面55に設けられたノズルからインクが吐出されることにより、媒体にインクが着弾し、画像が形成される。
【0022】
プリント基板100は、搬送経路HKの-Z側であって、筐体10の壁部14に設けられている。プリント基板100は、壁部14に沿って延在する板状の部材である。また、プリント基板100には、半導体集積回路装置200を含む複数の回路が実装されている。そして、プリント基板100に実装された半導体集積回路装置200を含む複数の回路により、印刷装置1の各部の動作が制御される。
【0023】
2.印刷装置の機能構成
次に印刷装置1の機能構成について説明する。
図5は、印刷装置1の機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように印刷装置1は、制御回路201、電源回路202、吐出信号出力回路203、ヘッドユニット50、搬送ユニット60、及び表示ユニット40を備える。
【0024】
電源回路202には、印刷装置1の外部から商用電源等の交流電圧ACが入力される。そして、電源回路202は、入力される交流電圧ACを所定の電圧値の直流電圧に変換し、電圧VDDとして制御回路201に出力する。このような電源回路202は、交流電圧ACを直流電圧である電圧VDDに変換するAC/DCコンバーターであって、例えば、フライバック回路等で構成される。ここで、電源回路202において生成された電圧VDDは、印刷装置1が備える各種構成の電源電圧として供給される。そのため、電源回路202は、電圧VDDを降圧する降圧回路や、電圧VDDを昇圧する昇圧回路を含んで構成されてもよい。すなわち、電源回路202は、交流電圧ACに基づいて、電圧VDDを含む印刷装置1で使用される様々な電圧値の信号を生成し、対応する構成に供給してもよい。
【0025】
制御回路201は、印刷装置1の外部に設けられた外部機器等からUSB接続端子21を介して入力される画像情報信号IMG1、及びUSB接続端子22を介して入力される画像情報信号IMG2の少なくとも一方に基づいて、印刷装置1の動作を制御する各種の制御信号を生成し、対応する構成に出力する。これにより、制御回路201は、印刷装置1の動作を制御する。ここで、以下の説明において、画像情報信号IMG1と画像情報信号IMG2とを区別する必要がない場合、単に画像情報信号IMGと称する場合がある。
【0026】
具体的には、制御回路201は、吐出信号出力回路203から出力される吐出信号COMの波形を規定するためのデジタル信号の波形規定信号dCOMを生成し、吐出信号出力回路203に出力する。吐出信号出力回路203は、入力される波形規定信号dCOMをアナログ信号に変換した後、当該アナログ信号をD級増幅することで、吐出信号COMを生成する。そして、吐出信号出力回路203で生成された吐出信号COMは、ヘッドユニット50に供給される。ここで、波形規定信号dCOMは、吐出信号COMの波形を規定することができる信号であればよく、アナログ信号であってもよい。また、吐出信号出力回路203は、波形規定信号dCOMで規定される波形を所定の電圧値に増幅できればよく、A級増幅回路、B級増幅回路、AB級増幅回路等で構成されてもよい。
【0027】
また、制御回路201は、ヘッドユニット50に含まれる吐出ヘッド51からのインクの吐出を制御するための吐出制御信号DATAを生成し、ヘッドユニット50に出力する。具体的には、吐出ヘッド51は、不図示のノズルと、当該ノズルからインクを吐出させるための不図示の駆動素子とを含む。そして、吐出ヘッド51は、制御回路201から供給される吐出制御信号DATAに基づくタイミングで、吐出信号出力回路203から供給される吐出信号COMを駆動素子に供給する。これにより、駆動素子が駆動し、駆動素子の駆動に応じた量のインクが吐出ヘッド51が有するノズルから吐出される。
【0028】
また、制御回路201は、搬送ユニット60を制御するための搬送制御信号SKを生成し、搬送ユニット60に供給する。搬送ユニット60は、入力される搬送制御信号SKに従って、前述した搬送ローラー対63,64の駆動を制御することで、搬送経路HKに沿って媒体を搬送する。そして、搬送制御信号SKに基づいて搬送ユニット60が媒体を搬送するタイミングに同期して、吐出ヘッド51からインクが吐出されことで、媒体の所望の位置にインクが着弾し、媒体に所望の画像が形成される。
【0029】
また、制御回路201は、表示ユニット40における各種情報の表示を制御するための表示制御信号SHを生成し、表示ユニット40に供給する。表示ユニット40は、表示制御信号SHに従って、印刷装置1の動作情報や状態情報等の各種情報を表示する。これにより、印刷装置1の動作状況等が使用者に報知される。
【0030】
以上のように構成された印刷装置1において、制御回路201、電源回路202、及び吐出信号出力回路203が前述したプリント基板100に実装される。ここで、印刷装置
1の動作を制御する制御回路201は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成される。なお、制御回路201は、CPUの代わりに又はCPUに加えて、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Array)の少なくともいずれかを含んでもよい。このような制御回路201の少なくとも一部は、例えば、SoC(System on a Chip)であって、前述した半導体集積回路装置200で構成される。
【0031】
3.制御回路の構成
3.1 制御回路の機能構成
ここで、半導体集積回路装置200を含む制御回路201の機能構成について
図6を用いて説明する。
図6は、制御回路201の機能構成を示すブロック図である。
図6に示すように、制御回路201は、半導体集積回路装置200、メモリー群250、制御信号生成回路260、搬送ドライバー270、及び点灯ドライバー280を含む。
【0032】
半導体集積回路装置200は、CPU210、USB信号通信コントローラー220、メモリーコントローラー230、制御信号通信コントローラー240、搬送信号通信コントローラー242、LED制御通信コントローラー244、及びバス配線211を含む。そして、半導体集積回路装置200は、電源回路202が出力する電圧VDDと、基準電位となる電圧VSSとの電位差により生じた電圧を電源電圧として動作する。
【0033】
バス配線211は、CPU210と、USB信号通信コントローラー220、メモリーコントローラー230、制御信号通信コントローラー240、搬送信号通信コントローラー242、及びLED制御通信コントローラー244とを通信可能に接続する。
【0034】
USB信号通信コントローラー220は、USB接続端子21と電気的に接続されている。そして、USB接続端子21に外部機器2が接続されることで、USB信号通信コントローラー220には、外部機器2に保持されている画像情報信号IMG1が入力される。また、USB信号通信コントローラー220は、USB接続端子22と電気的に接続している。そして、USB接続端子22に外部記憶メモリー3が接続されることで、USB信号通信コントローラー220には、外部記憶メモリー3から画像情報信号IMG2が入力される。なお、USB接続端子21に外部記憶メモリー3が通信可能に接続され、USB接続端子22に外部機器2が通信可能に接続されてもよい。
【0035】
ここで、画像情報信号IMG1,IMG2のそれぞれは、5GHz以上の高い周波数でのデータ転送な可能な通信方式に準拠した通信方式であって、例えば、USB3.0以降の通信方式に準拠した差動信号である。すなわち、USB信号通信コントローラー220は、5GHz以上の高い周波数でのデータ転送な可能な通信方式に対応した回路ブロックであって、換言すれば、USB信号通信コントローラー220は、5Gbps以上の通信速度に対応した回路ブロックである。
【0036】
また、半導体集積回路装置200において、USB信号通信コントローラー220は、USB接続端子21,22から入力される画像情報信号IMG1,IMG2を処理する1つの回路ブロックであってもよく、USB接続端子21から入力される画像情報信号IMG1を処理する回路ブロックと、USB接続端子22から入力される画像情報信号IMG2を処理する回路ブロックとの2つ以上の回路ブロックを含む構成であってもよい。
【0037】
USB信号通信コントローラー220に入力された画像情報信号IMG1,IMG2は、バス配線211を介してCPU210に入力される。CPU210は、入力される画像情報信号IMG1,IMG2に基づいて、対応する情報をメモリー群250から読み出す
ため制御信号を生成し、バス配線211を介してメモリーコントローラー230に出力する。
【0038】
メモリーコントローラー230は、CPU210から入力される制御信号に基づいて、対応する情報が保持されているメモリー群250に含まれるメモリセルにアクセスするためのメモリー制御信号MCSを生成し、メモリー群250に出力する。これにより、メモリーコントローラー230は、メモリー群250に保持されている所望の情報を読み出し、読み出した情報をCPU210に出力する。その結果、メモリー群250に記憶されている所望の情報がCPU210に供給されることとなる。ここで、メモリー群250は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access
Memory)等を含んで構成されてもよい。
【0039】
CPU210は、USB接続端子21,22を介して入力される画像情報信号IMG1,IMG2と、メモリーコントローラー230によって読み出されたメモリー群250に保持されている情報とに基づき印刷装置1の動作を制御するための制御信号を生成する。そして、CPU210は生成した制御信号を、バス配線211を介して制御信号通信コントローラー240、搬送信号通信コントローラー242に入力する。
【0040】
制御信号通信コントローラー240は、CPU210から入力される制御信号に基づいて印刷装置1の動作を制御するための各種情報を含む印刷制御信号PCSを生成し、制御信号生成回路260に出力する。制御信号生成回路260は、半導体集積回路装置200から入力される印刷制御信号PCSに基づいて印刷装置1の動作を制御する吐出制御信号DATAを生成し、ヘッドユニット50に出力する。このような制御信号生成回路260は、1又は複数の集積回路を含む複数の電子部品で構成される。ここで、制御信号通信コントローラー240が出力する印刷制御信号PCSは、例えば、数100kHz~数MHzの周波数でのデータ転送が可能なI2C(Inter-Integrated Circuit)通信の規格に準拠した信号であってもよい。
【0041】
また、搬送信号通信コントローラー242は、CPU210から入力される制御信号に基づいて媒体の搬送を制御するための各種情報を含む搬送制御信号SKSを生成し、搬送ドライバー270に出力する。搬送ドライバー270は、半導体集積回路装置200から入力される搬送制御信号SKSに基づいて媒体を搬送する搬送ローラー対63,64を駆動するためのモーターを駆動する搬送制御信号SKを生成し、搬送ユニット60に出力する。
【0042】
CPU210は、電圧VDDと電圧VSSとの電位差による電源電圧が供給されることで、通電を示すLEDを点灯させるための情報を含む制御信号を生成する。また、CPU210は、外部機器2又は外部記憶メモリー3から画像情報信号IMG1,IMG2が入力されている場合に、印刷装置1においてデータ転送が実行されている旨を示すLEDを点灯させるための制御信号を生成する。そして、CPU210は生成した制御信号を、バス配線211を介してLED制御通信コントローラー244に入力する。
【0043】
LED制御通信コントローラー244は、CPU210から入力される制御信号に基づいて対応するLEDの点灯を制御するための各種情報を含む点灯制御信号SHSを生成し、点灯ドライバー280に出力する。点灯ドライバー280は、半導体集積回路装置200から入力される点灯制御信号SHSに基づいて表示ユニット40に含まれる対応するLEDを点灯するための表示制御信号SHを生成し、表示ユニット40に含まれるLEDに出力する。
【0044】
3.2 半導体集積化路装置の構造
次に半導体集積回路装置200の構造について説明する。
図7は、半導体集積回路装置200の構造を示す断面図である。なお、以下では、
図1~
図4に示すX方向、Y方向、及びZ方向とは独立した方向であって、互いに直交するx方向、y方向、及びz方向を用いて説明を行う。また、x方向を示す矢印の起点側を-x側、先端側を+y側と称し、y方向を示す矢印の起点側を-y側、先端側を+y側と称し、z方向を示す矢印の起点側を-z側、先端側を+z側と称する場合がある。なお、x方向、y方向、及びz方向は、互いに直交している方向であるとして説明を行うが、半導体集積回路装置200が備える各構成が互いに直交していることに限るものではない。
【0045】
図7に示すように、半導体集積回路装置200は、ベース基板300、ICチップ360及び筐体350を備える。
【0046】
ICチップ360には、上述したCPU210、USB信号通信コントローラー220、メモリーコントローラー230、制御信号通信コントローラー240、搬送信号通信コントローラー242、及びLED制御通信コントローラー244が実装されている。
【0047】
ICチップ360の-z側には、ベース基板300が位置している。そして、ICチップ360は、接着剤などの接合部材370によりベース基板300に実装されている。また、ベース基板300とICチップ360とは、ボンディングワイヤー380を介して電気的に接続される。すなわち、ベース基板300には、CPU210、USB信号通信コントローラー220、メモリーコントローラー230、制御信号通信コントローラー240、搬送信号通信コントローラー242、及びLED制御通信コントローラー244が設けられている。
【0048】
ベース基板300には、不図示の複数の配線パターンと、不図示の複数の電極とが設けられている。そして、ボンディングワイヤー380は、ベース基板300の+z側の面に形成された不図示の電極と電気的に接続している。また、ベース基板300の-z側の面に形成された不図示の複数の電極のそれぞれには、端子310が設けられている。この複数の端子310のそれぞれは、例えば、はんだボールを含む。そして、当該はんだボールを含み構成された端子310によりベース基板300は、プリント基板100と電気的に接続される。この半導体集積回路装置200とプリント基板100とを電気的に接続する複数の端子310は、ベース基板300とプリント基板100とを電気的、且つ機械的に接続する所謂ボールグリッドアレイ(BGA:Ball Grid Array)を構成する。すなわち、本実施形態における半導体集積回路装置200に含まれるベース基板300と印刷装置1が備えるプリント基板100とは、はんだボールを含む複数の端子310により構成されたBGAにより電気的に接続されている。なお、以下の説明では、複数の端子310によりBGAが構成されたベース基板300の-z側の面を端子実装面301と称する。ここで、ベース基板300と印刷装置1が備えるプリント基板100とを電気的に接続するはんだボールを含む複数の端子310が複数のボールグリッドの一例である。
【0049】
以上のように構成された半導体集積回路装置200では、端子実装面301に設けられた複数の端子310を介して半導体集積回路装置200に入力された信号は、ベース基板300に設けられた不図示の電極及び配線パターンと、ボンディングワイヤー380とを介して伝搬し、ICチップ360に入力される。また、ICチップ360から出力された信号は、ボンディングワイヤー380と、ベース基板300に設けられた不図示の電極及び配線パターンと、複数の端子310とを介して、プリント基板100に出力される。ここで、CPU210、USB信号通信コントローラー220、メモリーコントローラー230、制御信号通信コントローラー240、搬送信号通信コントローラー242、及びLED制御通信コントローラー244が実装されたICチップ360が設けられたベース基板300が集積回路基板の一例である。また、複数の端子310が、ベース基板300を
介してICチップ360とプリント基板100とを電気的に接続しているが故に、ICチップ360もまた広義の上での集積回路基板の一例であり、さらに、CPU210、USB信号通信コントローラー220、メモリーコントローラー230、制御信号通信コントローラー240、搬送信号通信コントローラー242、及びLED制御通信コントローラー244が実装されたICチップ360とベース基板300とを一体とした構成もまた広義の上での集積回路基板の一例である。
【0050】
筐体350は、ICチップ360の+z側に位置し、ICチップ360を覆うようにベース基板300に接合される。この筐体350は、エポキシ樹脂などを含み、ICチップ360を保護する。
【0051】
3.3 端子実装面における端子配置
以上のように構成された半導体集積回路装置200では、複数の端子310が高密度に配されるが故に、複数の端子310のそれぞれで伝搬する信号が相互に干渉するおそれがある。特に、本実施形態に示すように複数の端子310がBGAを構成している場合、複数の端子310が互いに露出しているが故に、信号の相互干渉による影響が顕著であるとともに、複数の端子310が高密度に配されるが故にプリント基板100やベース基板300に相互干渉を低減するための回路素子等を設けることが困難となる。さらに、半導体集積回路装置200の多機能化の要求は依然として高く、そのため、半導体集積回路装置200が外部との間で信号を伝搬する端子310の数も増加している。このような半導体集積回路装置200の多機能化に伴う端子310の数の増加は、半導体集積回路装置200が大型化するおそれがあるとともに、半導体集積回路装置200が有する機能の増加に伴い、複数の端子310のそれぞれで伝搬する信号が相互に干渉するおそれが高まる。
【0052】
本実施形態における印刷装置1が備える半導体集積回路装置200では、端子実装面301において、複数の端子310で伝搬される信号の割り当てをより適した割り当てとすることにより、半導体集積回路装置200の多機能化に伴い、端子310の数が増加した場合であっても、半導体集積回路装置200が大型化するおそれを低減しつつ、複数の端子310のそれぞれで伝搬する信号が相互に干渉するおそれを低減することができる。
【0053】
本実施形態における半導体集積回路装置200の端子実装面301に設けられている複数の端子310で伝搬する信号の割り当ての具体例をするにあたり、まず、端子実装面301に設けられている複数の端子310の配置について説明する。
【0054】
図8は、端子実装面301に設けられている複数の端子310の配置の一例を示す図である。
図8に示すように、端子実装面301は、x方向に沿った方向に延在しy方向に沿った方向で向かい合って位置する辺302,303と、y方向に沿った方向に延在しx方向に沿った方向で向かい合って位置する辺304,305とを含む。そして、辺304は、辺302,303の双方と交差し、辺305は、辺302,303の双方と交差している。すなわち、ベース基板300は、辺302~305を外周として構成された略矩形状である。
【0055】
そして、
図8に示すように、複数の端子310は、x方向に沿ってP個並設されているとともに、並設されたP個の端子310は、y方向に沿ってQ列で設けられている。すなわち、端子実装面301には、合計P×Q個の端子310が格子状に並んで設けられている。ここで、以下の説明において、端子実装面301に設けられているP×Q個の端子310の内、x方向に沿って辺304側からi番目であって、y方向に沿って辺302側からj番目に位置する端子310を、端子310[i,j](iは、1~P、jは1~Qのいずれか)と称する。
【0056】
図9は、端子実装面301に設けられている複数の端子310と、ICチップ360に設けられる各種回路との関係を説明するための図である。
図9に示すように、端子実装面301には、複数の端子310を含む端子領域321~328が位置している。ここで、
図9に示すi1~i4は、1<i1<i2<i3<i4<Pの関係となるx方向に沿った位置を示し、j1~j2は、1<j1<j2<Qの関係とy方向に沿った位置を示す。
【0057】
端子領域321は、端子実装面301の辺304に沿って位置し、辺304から辺305に向かう方向において、端子領域322と重なって位置している。具体的には、端子領域321は、端子310[1,j1+1],310[i1,j1+1],310[1,j2],310[i1,j2]で囲まれた領域に位置する複数の端子310を有する。そして、端子領域321に含まれる複数の端子310は、USB信号通信コントローラー220と電気的に接続され、画像情報信号IMG1、及び画像情報信号IMG2を伝搬する。すなわち、端子領域321に含まれる複数の端子310は、半導体集積回路装置200が有するUSB信号通信コントローラー220と、プリント基板100と電気的に接続するUSB接続端子21,22とを電気的に接続する。
【0058】
端子領域322は、端子実装面301において、端子領域321の辺305側に位置し、辺304から辺305に向かう方向において、端子領域321と重なって位置している。具体的には、端子領域322は、端子310[i1+1,j1+1],310[i2,j1+1],310[i1+1,j2],310[i2,j2]で囲まれた領域に位置する複数の端子310を有する。そして、端子領域322に含まれる複数の端子310は、制御信号通信コントローラー240と電気的に接続され、印刷制御信号PCSを伝搬する。すなわち、端子領域322に含まれる複数の端子310は、半導体集積回路装置200が有する制御信号通信コントローラー240と、プリント基板100と電気的に接続する制御信号生成回路260とを電気的に接続する。
【0059】
端子領域323は、端子実装面301において、端子領域322の辺305側に位置している。具体的には、端子領域323は、端子310[i2+1,j1+1],310[i3,j1+1],310[i2+1,j2],310[i3,j2]で囲まれた領域に位置する複数の端子310を有する。そして、端子領域323に含まれる複数の端子310は、半導体集積回路装置200の電源として機能する電圧VDD,VSSを伝搬する。
【0060】
端子領域324は、端子実装面301において、端子領域323の辺305側に位置し、辺304から辺305に向かう方向において、端子領域326と重なって位置している。具体的には、端子領域324は、端子310[i3+1,j1+1],310[i4,j1+1],310[i3+1,j2],310[i4,j2]で囲まれた領域に位置する複数の端子310を有する。そして、端子領域324に含まれる複数の端子310は、LED制御通信コントローラー244と電気的に接続され、半導体集積回路装置200の通電状態や各種データの伝送状態を示すLED等の表示灯を制御するための点灯制御信号SHSを伝搬する。すなわち、端子領域324に含まれる複数の端子310は、半導体集積回路装置200が有するLED制御通信コントローラー244と、プリント基板100と電気的に接続する点灯ドライバー280とを電気的に接続する。
【0061】
端子領域326は、端子実装面301において、端子領域324の辺305側に位置し、辺304から辺305に向かう方向において、端子領域324と重なって位置している。具体的には、端子領域326は、端子310[i4+2,j1+1],310[P,j1+1],310[i4+2,j2],310[P,j2]で囲まれた領域に位置する複数の端子310を有する。そして、端子領域326に含まれる複数の端子310は、搬送信号通信コントローラー242と電気的に接続され、搬送制御信号SKSを伝搬する。すなわち、端子領域326に含まれる複数の端子310は、半導体集積回路装置200が有
する搬送信号通信コントローラー242と、プリント基板100と電気的に接続する搬送ドライバー270とを電気的に接続する。
【0062】
以上のように、端子実装面301には、辺304から辺305に向かい、USB信号通信コントローラー220とUSB接続端子21,22とを電気的に接続する複数の端子310を含む端子領域321、制御信号通信コントローラー240と制御信号生成回路260とを電気的に接続する複数の端子310を含む端子領域322、半導体集積回路装置200の電源として機能する電圧VDD,VSSを伝搬する複数の端子310を含む端子領域323、LED制御通信コントローラー244と点灯ドライバー280とを電気的に接続する複数の端子310を含む端子領域324、搬送信号通信コントローラー242と搬送ドライバー270とを電気的に接続する複数の端子310を含む端子領域326の順に並んで位置している。
【0063】
すなわち、端子領域322に含まれる複数の端子310は、端子領域321に含まれる複数の端子310よりも端子実装面301の中央部に位置している。換言すれば、端子領域322に含まれる複数の端子310と辺304との最短距離は、端子領域323に含まれる複数の端子310と辺304との最短距離よりも短く、端子領域322に含まれる複数の端子310と辺304との最短距離は、端子領域323に含まれる複数の端子310と辺305との最短距離よりも短い。
【0064】
ここで、端子領域321に含まれる複数の端子310の数は、USB接続端子21,22から入力されるUSB通信の規格に準拠した画像情報信号IMG1,IMG2が伝搬するが故に、I2C通信の規格に準拠した印刷制御信号PCSが伝搬する端子領域322に含まれる複数の端子310の数よりも多く、端子領域321に含まれる複数の端子310で伝搬する信号の周波数は、端子領域322に含まれる複数の端子310で伝搬する信号の周波数よりも高い。
【0065】
また、端子領域324に含まれる複数の端子310は、端子領域326に含まれる複数の端子310よりも、端子実装面301の中央部に位置している。換言すれば、端子領域326に含まれる複数の端子310と辺305との最短距離は、端子領域324に含まれる複数の端子310と辺305との最短距離よりも短く、端子領域326に含まれる複数の端子310と辺305との最短距離は、端子領域324に含まれる複数の端子310と辺304との最短距離よりも短い。
【0066】
ここで、搬送制御信号SKSは、搬送ユニット60が有するモーターを駆動するための信号をパラレルに含むが故に、端子領域326に含まれる複数の端子310の数は、表示ユニット40に含まれるLEDを点灯するか否かを切り替える点灯制御信号SHSが伝搬する端子領域324に含まれる複数の端子310数よりも多く、さらに、端子領域326に含まれる複数の端子310で伝搬する信号の周波数は、端子領域324に含まれる複数の端子310で伝搬する信号の周波数よりも高い。
【0067】
端子領域327は、辺304から辺305に向かい並んで位置する端子領域321、端子領域322、端子領域323、端子領域324、及び端子領域326の辺303側に位置している。具体的には、端子領域327は、端子310[1,j2+2],310[P,j2+2],310[1,Q],310[P,Q]で囲まれた領域に位置する複数の端子310を有する。そして、端子領域327に含まれる複数の端子310は、メモリーコントローラー230と電気的に接続され、メモリー制御信号MCSを伝搬する。すなわち、端子領域327に含まれる複数の端子310は、半導体集積回路装置200が有するメモリーコントローラー230と、プリント基板100と電気的に接続するメモリー群250とを電気的に接続する。
【0068】
端子領域325は、辺304から辺305に向かい並んで位置する端子領域324と端子領域326との間に位置している。具体的には、端子領域325は、端子310[i4+1,j1+1]~310[i4+1,j2]の領域に位置する複数の端子310を有する。そして、端子領域323に含まれる複数の端子310は、半導体集積回路装置200の基準電位を示すVSSを伝搬する。この端子領域325に含まれる複数の端子310は、半導体集積回路装置200の基準電位となる電圧VSSを伝搬することで、端子領域324と端子領域326との間における信号の相互干渉が生じるおそれを低減するためのシールド端子として機能する。
【0069】
また、端子領域328は、辺304から辺305に向かい並んで位置する端子領域321、端子領域322、端子領域323、端子領域324、及び端子領域326と、端子領域327との間に位置している。具体的には、端子領域328は、端子310[1,j2+1]~310[P,j2+1]の領域に位置する複数の端子310を有する。そして、端子領域328に含まれる複数の端子310は、半導体集積回路装置200の基準電位を示すVSSを伝搬する。この端子領域328に含まれる複数の端子310が、半導体集積回路装置200の基準電位となる電圧VSSを伝搬することで、端子領域328と、端子領域328と隣り合って位置する端子領域321~326と間で信号の相互干渉が生じるおそれを低減するためのシールド端子として機能する。
【0070】
なお、辺304から辺305に向かい並んで位置する端子領域321と端子領域322との間にも、半導体集積回路装置200の基準電位を示すVSSを伝搬する複数の端子310が位置してもよい。
【0071】
ここで、辺304が第1辺の一例であり、辺305が第2辺の一例である。また、ベース基板300に設けられるICチップ360に実装されているUSB信号通信コントローラー220が第1回路ブロックの一例であり、制御信号通信コントローラー240が第2回路ブロックの一例である。そして、USB信号通信コントローラー220と電気的に接続する端子領域321に位置する複数の端子310が複数の第1ボールグリッドの一例であり、端子領域321に含まれる複数の端子310が第1ボールグリッド群の一例である。また、制御信号通信コントローラー240と電気的に接続する端子領域322に位置する複数の端子310が複数の第2ボールグリッドの一例であり、端子領域322に含まれる複数の端子310が第2ボールグリッド群の一例である。そして、端子領域321に位置する複数の端子310を介してUSB信号通信コントローラー220と電気的に接続するUSB接続端子21,22が第1外部回路の一例であり、端子領域322に位置する複数の端子310を介して制御信号通信コントローラー240と電気的に接続する制御信号生成回路260が第2外部回路の一例である。
【0072】
また、辺305が第1辺の他の一例であり、辺304が第2辺の他の一例である。そして、ベース基板300に設けられるICチップ360に実装されている搬送信号通信コントローラー242が第1回路ブロックの他の一例であり、LED制御通信コントローラー244が第2回路ブロックの他の一例である。そして、搬送信号通信コントローラー242と電気的に接続する端子領域326に位置する複数の端子310が複数の第1ボールグリッドの他の一例であり、端子領域326に含まれる複数の端子310が第2ボールグリッド群の他の一例である。また、LED制御通信コントローラー244と電気的に接続する端子領域324に位置する複数の端子310が複数の第2ボールグリッドの他の一例であり、端子領域324に含まれる複数の端子310が第2ボールグリッド群の他の一例である。そして、端子領域326に位置する複数の端子310を介して搬送信号通信コントローラー242と電気的に接続する搬送ドライバー270が第1外部回路の他の一例であり、端子領域324に位置する複数の端子310を介してLED制御通信コントローラー
244と電気的に接続する点灯ドライバー280が第2外部回路の他の一例である。さらに、端子領域326と端子領域324との間に位置し、半導体集積回路装置200の基準電位である電圧VSSを伝搬する端子領域325に含まれる複数の端子310の少なくともいずれかが第3ボールグリッドの一例である。
【0073】
4.作用効果
従来、端子実装面301において複数の端子310がBGAを構成する半導体集積回路装置200では、半導体集積回路装置200と、半導体集積回路装置200の外部に設けられた外部回路との間で伝搬する信号を生成する回路ブロックとを電気的に接続する複数の端子310の少なくともいくつかが、端子実装面301の外周と隣り合うように位置している。これにより、半導体集積回路装置200と、外部回路との間で伝搬する信号の少なくともいくつかを、ビア等を介さずに伝搬するが可能となり、エレキクロストークが生じるおそれを低減していた。
【0074】
しかしながら、半導体集積回路装置200の多機能化が進む中で、半導体集積回路装置200が有する回路ブロックが増加し、それ故に、半導体集積回路装置200が有する回路ブロックのすべてに対して、半導体集積回路装置200と、半導体集積回路装置200の外部に設けられた外部回路との間で伝搬する信号を生成する回路ブロックとを電気的に接続する複数の端子310の少なくともいくつかを、端子実装面301の外周と隣り合うように位置した場合、半導体集積回路装置200の外周を大きくする必要があり、その結果、半導体集積回路装置200の小型化が困難になるという問題がある。
【0075】
このような問題に対して、本実施形態における半導体集積回路装置200では、半導体集積回路装置200が有する複数の回路ブロックの内、半導体集積回路装置200と外部回路との間で信号が伝搬する端子310の数が少ない回路ブロックと電気的に接続される複数の端子310を端子実装面301の内側に配置することで、ビア等を介して外部回路に伝搬される信号の数を低減することができる。これにより、半導体集積回路装置200が大型化するおそれを低減しつつ、ビア等に起因して伝搬する信号にクロストークなどが生じるおそれを低減することができる。
【0076】
さらに、出力する信号の周波数が低い回路ブロックと電気的に接続される複数の端子310を端子実装面301の内側に配置し、出力する信号の周波数が高い回路ブロックと電気的に接続される複数の端子310を端子実装面301の外側に配置することで、端子実装面301の内側に配置された信号にクロストークなどが生じるおそれをさらに低減することができる。
【0077】
5.変形例
以上に説明した本実施形態における半導体集積回路装置200では、端子実装面301において、複数の端子310は、x方向に沿ってP個並設されているとともに、並設されたP個の端子310は、y方向に沿ってQ列で設けられているとして説明を行ったが、
図10の変形例における端子実装面301に設けられている複数の端子310の配置の一例を示す図に示すように、端子実装面301に設けられる複数の端子310が、y方向に沿って偶数列に配される配置と、y方向に沿って奇数列に配されている配置とが異なる、所謂千鳥状に配置されていてもよい。この場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。
【0078】
以上、実施形態及び変形例について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0079】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0080】
上述した実施形態及び変形例から以下の内容が導き出される。
【0081】
電子機器の一態様は、
第1辺と、前記第1辺と向かい合う第2辺とを有し、第1回路ブロック及び第2回路ブロックが設けられた集積回路基板と、
第1外部回路及び第2外部回路と電気的に接続されるプリント基板と、
前記集積回路基板と前記プリント基板とを電気的に接続する複数のボールグリッドを含むボールグリッドアレイと、
を備え、
前記ボールグリッドアレイは、前記複数のボールグリッドの内の複数の第1ボールグリッドを含む第1ボールグリッド群と、前記複数のボールグリッドの内の複数の第2ボールグリッドを含む第2ボールグリッド群とを含み、
前記第1ボールグリッド群は、前記第1回路ブロックと前記第1外部回路とを電気的に接続し、
前記第2ボールグリッド群は、前記第2回路ブロックと前記第2外部回路とを電気的に接続し、
前記複数の第1ボールグリッドの数は、前記複数の第2ボールグリッドの数よりも多く、
前記第1ボールグリッド群と前記第1辺との最短距離は、前記第2ボールグリッド群と前記第1辺との最短距離よりも短く、
前記第1ボールグリッド群と前記第1辺との最短距離は、前記第2ボールグリッド群と前記第2辺との最短距離よりも短い。
【0082】
この電子機器によれば、第1回路ブロックと第1外部回路とを電気的に接続する複数の第1ボールグリッドを含む第1ボールグリッド群よりも内側に第2回路ブロックと第2外部回路とを電気的に接続する複数の第2ボールグリッドを含む第2ボールグリッド群が位置することで、集積回路基板とボールグリッドアレイとを備える半導体集積回路装置の機能が増加した場合であっても、ボールグリッドアレイが有する複数のボールグリッドを有効に活用することが可能となり、その結果、集積回路基板とボールグリッドアレイとを備える半導体集積回路装置が大型化するおそれを低減できる。
【0083】
さらに、この電子機器によれば、内側に位置する第2回路ブロックと第2外部回路とを電気的に接続する第2ボールグリッド群に含まれる複数の第2ボールグリッドの数は、外側に位置する第1回路ブロックと第1外部回路とを電気的に接続する第1ボールグリッド群に含まれる複数の第1ボールグリッドの数よりも少ないが故に、複数の第2ボールグリッドが接続されるプリント基板に設けるビアの数を少なくすることができ、その結果、複数の第2ボールグリッドで伝搬する信号に、ビアを介することに起因するエレキクロストーク等のノイズが重畳するおそれを低減することができる。
【0084】
すなわち、この電子機器によれば、電子機器に用いられる半導体集積回路装置が大型化するおそれを低減しつつ、当該半導体集積回路装置と外部との間で伝搬する信号にクロストークなどが生じるおそれを低減することができる。
【0085】
上記電子機器の一態様において、
前記ボールグリッドアレイは、前記複数のボールグリッドの内の第3ボールグリッドを含み、
前記第3ボールグリッドは、前記集積回路基板の基準電位の信号を伝搬し、
前記第3ボールグリッドは、前記第1ボールグリッド群と前記第2ボールグリッド群との間に位置していてもよい。
【0086】
この電子機器によれば、内側に位置する第2回路ブロックと第2外部回路とを電気的に接続する第2ボールグリッド群と、外側に位置する第1回路ブロックと第1外部回路とを電気的に接続する第1ボールグリッド群との間に、集積回路基板の基準電位の信号を伝搬する第3ボールグリッドが位置することで、内側に位置する第2回路ブロックと第2外部回路とを電気的に接続する第2ボールグリッド群で伝搬する信号と、外側に位置する第1回路ブロックと第1外部回路とを電気的に接続する第1ボールグリッド群で伝搬する信号との間で相互干渉が生じるおそれが低減される。
【0087】
上記電子機器の一態様において、
前記第1辺から前記第2辺に向かう方向において、前記第1ボールグリッド群は、前記第2ボールグリッド群と重なって位置していてもよい。
【0088】
上記電子機器の一態様において、
前記第1辺から前記第2辺に向かう方向において、前記第2ボールグリッド群は、前記第1ボールグリッド群と重なって位置していてもよい。
【0089】
上記電子機器の一態様において、
前記複数の第1ボールグリッドで伝搬する信号の周波数は、前記複数の第2ボールグリッドで伝搬する信号の周波数よりも高くてもよい。
【0090】
この電子機器によれば、周波数が高い信号を外側に位置する第1回路ブロックと第1外部回路とを電気的に接続する第1ボールグリッド群で伝搬し、周波数が低い信号を内側に位置する第2回路ブロックと第2外部回路とを電気的に接続する第2ボールグリッド群で伝搬することで、複数の第2ボールグリッドで伝搬する信号に、ビアを介することに起因するエレキクロストーク等のノイズが重畳するおそれをさらに低減することができる。
【0091】
この半導体集積回路装置によれば、
第1外部回路、及び第2外部回路と電気的に接続されるプリント基板と電気的に接続される半導体集積回路装置であって、
第1辺と、前記第1辺と向かい合う第2辺とを有し、第1回路ブロック及び第2回路ブロックが設けられた集積回路基板と、
前記集積回路基板と前記プリント基板とを電気的に接続する複数のボールグリッドを含むボールグリッドアレイと、
を備え、
前記ボールグリッドアレイは、前記複数のボールグリッドの内の複数の第1ボールグリッドを含む第1ボールグリッド群と、前記複数のボールグリッドの内の複数の第2ボールグリッドを含む第2ボールグリッド群とを含み、
前記第1ボールグリッド群は、前記第1回路ブロックと前記第1外部回路とを電気的に接続し、
前記第2ボールグリッド群は、前記第2回路ブロックと前記第2外部回路とを電気的に接続し、
前記複数の第1ボールグリッドの数は、前記複数の第2ボールグリッドの数よりも多く、
前記第1ボールグリッド群と前記第1辺との最短距離は、前記第2ボールグリッド群と前記第1辺との最短距離よりも短く、
前記第1ボールグリッド群と前記第1辺との最短距離は、前記第2ボールグリッド群と前記第2辺との最短距離よりも短い。
【0092】
上記半導体集積回路装置の一態様において、第1回路ブロックと第1外部回路とを電気的に接続する複数の第1ボールグリッドを含む第1ボールグリッド群よりも内側に第2回路ブロックと第2外部回路とを電気的に接続する複数の第2ボールグリッドを含む第2ボールグリッド群が位置することで、集積回路基板とボールグリッドアレイとを備える半導体集積回路装置の機能が増加した場合であっても、ボールグリッドアレイが有する複数のボールグリッドを有効に活用することが可能となり、その結果、集積回路基板とボールグリッドアレイとを備える半導体集積回路装置が大型化するおそれを低減できる。
【0093】
さらに、この半導体集積回路装置によれば、内側に位置する第2回路ブロックと第2外部回路とを電気的に接続する第2ボールグリッド群に含まれる複数の第2ボールグリッドの数は、外側に位置する第1回路ブロックと第1外部回路とを電気的に接続する第1ボールグリッド群に含まれる複数の第1ボールグリッドの数よりも少ないが故に、複数の第2ボールグリッドが接続されるプリント基板に設けるビアの数を少なくすることができ、その結果、複数の第2ボールグリッドで伝搬する信号に、ビアを介することに起因するエレキクロストーク等のノイズが重畳するおそれを低減することができる。
【0094】
すなわち、この半導体集積回路装置によれば、当該半導体集積回路装置が大型化するおそれを低減しつつ、当該半導体集積回路装置と外部との間で伝搬する信号にクロストークなどが生じるおそれを低減することができる。
【符号の説明】
【0095】
1…印刷装置、2…外部機器、3…外部記憶メモリー、10…筐体、11,12,13,14,15,16…壁部、20…カバー、21,22…USB接続端子、23…電源端子、31…供給口、32…排出口、40…表示ユニット、41…操作部、50…ヘッドユニット、51…吐出ヘッド、52…キャリッジ、53…液体貯留部、54…キャリッジガイド軸、55…吐出面、60…搬送ユニット、61,62…媒体支持部、63,64…搬送ローラー対、100…プリント基板、200…半導体集積回路装置、201…制御回路、202…電源回路、203…吐出信号出力回路、210…CPU、211…バス配線、220…USB信号通信コントローラー、230…メモリーコントローラー、240…制御信号通信コントローラー、242…搬送信号通信コントローラー、244…LED制御通信コントローラー、250…メモリー群、260…制御信号生成回路、270…搬送ドライバー、280…点灯ドライバー、300…ベース基板、301…端子実装面、302,303,304,305…辺、310…端子、321,322,323,324,325,326,327,328…端子領域、350…筐体、360…ICチップ、370…接合部材、380…ボンディングワイヤー