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特許7528697情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20240730BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240730BHJP
   G06F 16/90 20190101ALI20240730BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20240730BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20240730BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20240730BHJP
【FI】
G06Q30/015
G06Q50/10
G06F16/90 100
G16Y20/40
G16Y40/20
G16Y40/30
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020168293
(22)【出願日】2020-10-05
(65)【公開番号】P2022060688
(43)【公開日】2022-04-15
【審査請求日】2023-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】原田 将治
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/073037(WO,A1)
【文献】特開2010-262383(JP,A)
【文献】特開2020-087022(JP,A)
【文献】特開2010-067147(JP,A)
【文献】特開2019-139364(JP,A)
【文献】特許第6758582(JP,B1)
【文献】特開2009-140363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 16/90
G16Y 20/40
G16Y 40/20
G16Y 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブサイトを閲覧したユーザが入力した入力情報に基づいて、前記ウェブサイト内のコンテンツのうち、前記入力情報に含まれる単語に関連するコンテンツを特定し、
前記ユーザの前記ウェブサイト内のコンテンツの閲覧履歴に基づいて、前記単語に関連するコンテンツの閲覧状況を示す指標を計算する、
処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【請求項2】
前記単語に関連するコンテンツの閲覧状況を示す指標を計算する処理は、前記単語に関連するコンテンツに対する前記ユーザの閲覧数、閲覧時間、又は読了率を用いて、前記単語に関連するコンテンツの閲覧状況を示す指標を計算する処理を含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記情報処理プログラムは、前記閲覧履歴に基づいて、前記ウェブサイトの閲覧状況を示す指標を計算する処理を、前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記ウェブサイトの閲覧状況を示す指標を計算する処理は、前記ウェブサイト内のコンテンツに対する前記ユーザの閲覧数又は閲覧時間を用いて、前記ウェブサイトの閲覧状況を示す指標を計算する処理を含むことを特徴とする請求項3記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記単語に関連するコンテンツの閲覧状況を示す指標と前記ウェブサイトの閲覧状況を示す指標とを出力する処理を、前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする請求項3又は4記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記単語に関連するコンテンツの閲覧状況を示す指標と前記ウェブサイトの閲覧状況を示す指標とに基づいて、前記入力情報に対する応答方法を決定する処理を、前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする請求項3又は4記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記入力情報に対する応答方法を決定する処理は、前記単語に関連するコンテンツの閲覧状況を示す指標と、前記ウェブサイトの閲覧状況を示す指標と、応答を実行する担当者の状態とに基づいて、前記応答方法を決定する処理を含むことを特徴とする請求項6記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記入力情報に対する応答方法を決定する処理は、前記単語に関連するコンテンツの閲覧状況を示す指標と、前記ウェブサイトの閲覧状況を示す指標と、前記ユーザの属性とに基づいて、前記応答方法を決定する処理を含むことを特徴とする請求項6記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記単語に関連するコンテンツを特定する処理は、前記入力情報から前記単語を抽出する処理と、前記単語と前記ウェブサイト内のコンテンツに含まれるテキストとの間の類似度を計算する処理と、前記類似度に基づいて、前記ウェブサイト内のコンテンツのうち、前記単語に関連するコンテンツを特定する処理とを含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記入力情報は、前記ユーザの質問を示す情報であり、
前記単語に関連するコンテンツを特定する処理は、前記質問に対する回答候補を特定する処理と、前記回答候補と前記ウェブサイト内のコンテンツに含まれるテキストとの間の類似度を計算する処理と、前記類似度に基づいて、前記ウェブサイト内のコンテンツのうち、前記単語に関連するコンテンツを特定する処理とを含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
ウェブサイトを閲覧したユーザの前記ウェブサイト内のコンテンツの閲覧履歴を記憶する記憶部と、
前記ユーザが入力した入力情報に基づいて、前記ウェブサイト内のコンテンツのうち、前記入力情報に含まれる単語に関連するコンテンツを特定する特定部と、
前記閲覧履歴に基づいて、前記単語に関連するコンテンツの閲覧状況を示す指標を計算する計算部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
ウェブサイトを閲覧したユーザが入力した入力情報に基づいて、前記ウェブサイト内のコンテンツのうち、前記入力情報に含まれる単語に関連するコンテンツを特定し、
前記ユーザの前記ウェブサイト内のコンテンツの閲覧履歴に基づいて、前記単語に関連するコンテンツの閲覧状況を示す指標を計算する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理に関する。
【背景技術】
【0002】
質問に対する応答のユーザの満足度を向上させるために、ユーザから入力された質問に対する回答である応答基本情報と、回答と関係性を有する応答付加情報とを、複数の知識情報から抽出する情報処理装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
サイトを利用しているユーザからの問答情報の表示要求に応じて、ユーザのサイト利用の実態に適合した問答情報を表示させる問答情報提供システムも知られている(例えば、特許文献2を参照)。対話相手のユーザの知識の推定精度を向上させる対話装置も知られている(例えば、特許文献3を参照)。文及び文書の分散表現も知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-133047号公報
【文献】特開2017-27208号公報
【文献】特開2019-28604号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】Q. Le et al., “Distributed Representations of Sentences and Documents”, Cornell University, arXiv:1405.4053v2, 2014.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術によれば、ユーザに関する知識情報を活用することで、ユーザからの質問に対して、質問の回答だけでなく付加情報も含めて応答することができる。また、特許文献2の技術によれば、ウェブサイトを利用するユーザの利用実態に適合した問答情報を表示させることができる。
【0007】
しかしながら、ユーザからの質問に対して、質問に関する情報の理解度又は質問の背景のような、ユーザの状況を考慮した回答を行うことは難しい。
【0008】
なお、かかる問題は、ユーザからの質問に対する回答に限らず、ユーザからの様々な入力情報に対する応答を行う場合において生ずるものである。
【0009】
1つの側面において、本発明は、ウェブサイトを利用するユーザが入力した情報に含まれる単語に対する、ユーザの理解度又は興味度を推定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの案では、情報処理プログラムは、以下の処理をコンピュータに実行させる。
【0011】
コンピュータは、ウェブサイトを閲覧したユーザが入力した入力情報に基づいて、ウェブサイト内のコンテンツのうち、入力情報に含まれる単語に関連するコンテンツを特定する。コンピュータは、ユーザのウェブサイト内のコンテンツの閲覧履歴に基づいて、単語に関連するコンテンツの閲覧状況を示す指標を計算する。
【発明の効果】
【0012】
1つの側面によれば、ウェブサイトを利用するユーザが入力した情報に含まれる単語に対する、ユーザの理解度又は興味度を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】情報処理装置の機能的構成図である。
図2】情報処理のフローチャートである。
図3】情報処理システムの構成図である。
図4】サーバの第1の機能的構成図である。
図5】ウェブサイトを示す図である。
図6】指標計算処理のフローチャートである。
図7】サーバの第2の機能的構成図である。
図8】第1の応答方法決定処理のフローチャートである。
図9】サーバの第3の機能的構成図である。
図10】閾値TH1の変更方法を示す図である。
図11】閾値TH2の変更方法を示す図である。
図12】第2の応答方法決定処理のフローチャートである。
図13】サーバの第4の機能的構成図である。
図14】サーバの第5の機能的構成図である。
図15】第3の応答方法決定処理のフローチャートである。
図16】情報処理装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。
【0015】
図1は、実施形態の情報処理装置(コンピュータ)の機能的構成例を示している。図1の情報処理装置101は、記憶部111、特定部112、及び計算部113を含む。記憶部111は、ウェブサイトを閲覧したユーザのウェブサイト内のコンテンツの閲覧履歴121を記憶する。
【0016】
図2は、図1の情報処理装置101が行う情報処理の例を示すフローチャートである。特定部112は、ユーザが入力した入力情報に基づいて、ウェブサイト内のコンテンツのうち、入力情報に含まれる単語に関連するコンテンツを特定する(ステップ201)。計算部113は、閲覧履歴121に基づいて、単語に関連するコンテンツの閲覧状況を示す指標を計算する(ステップ202)。
【0017】
図1の情報処理装置101によれば、ウェブサイトを利用するユーザが入力した情報に含まれる単語に対する、ユーザの理解度又は興味度を推定することができる。
【0018】
図3は、図1の情報処理装置101を含む情報処理システムの構成例を示している。図3の情報処理システムは、サーバ301、端末装置302、端末装置303、及び端末装置304-1~端末装置304-M(Mは1以上の整数)を含む。
【0019】
端末装置302は、ユーザAの端末装置である。端末装置303は、ウェブサイトの所有者の組織に属するオペレータの端末装置であり、端末装置304-i(i=1~M)は、同じ組織に属する担当者の端末装置である。担当者の中には熟練担当者が含まれている。熟練担当者は、専門的な知識を有する担当者又は経験豊富な担当者である。
【0020】
サーバ301は、通信ネットワーク305を介して端末装置302、端末装置303、及び端末装置304-iと通信し、端末装置304-iは、通信ネットワーク305を介してサーバ301及び端末装置302と通信する。サーバ301は、図1の情報処理装置101に対応する。
【0021】
図4は、図3のサーバ301の第1の機能的構成例を示している。図4のサーバ301は、記憶部411、通信部412、特定部413、及び計算部414を含む。記憶部411、特定部413、及び計算部414は、図1の記憶部111、特定部112、及び計算部113にそれぞれ対応する。通信部412は、通信ネットワーク305を介して端末装置302、端末装置303、及び端末装置304-iと通信する。
【0022】
記憶部411は、ウェブサイト内の複数のコンテンツ421と、そのウェブサイトを閲覧した複数のユーザの閲覧履歴422とを記憶する。ユーザAは、端末装置302を用いてサーバ301にアクセスすることで、ウェブサイト内のコンテンツ421を閲覧する。
【0023】
閲覧履歴422は、図1の閲覧履歴121に対応し、複数のユーザそれぞれのユーザIDに対応付けられた閲覧履歴を含む。各ユーザの閲覧履歴は、ユーザによって閲覧されたコンテンツ421の識別情報及び閲覧日時を含む。コンテンツ421の識別情報としては、コンテンツ421のページに表示されるタイトル等が用いられる。
【0024】
各ユーザの閲覧履歴は、コンテンツ421に対する操作履歴を含んでいてもよい。操作履歴は、あるコンテンツ421のページから別のコンテンツ421のページへ移動する移動操作、コンテンツ421のページ内におけるスクロール操作等を表す。
【0025】
ウェブサイトには質問を受け付ける入力欄が設けられており、ユーザAは、端末装置302を用いて入力欄に質問423を入力し、端末装置302は、ユーザAのユーザID及び質問423を含む電子メールを、サーバ301へ送信する。通信部412は、端末装置302から電子メールを受信し、記憶部411は、受信した電子メールに含まれる質問423を記憶する。質問423は、ユーザが入力した入力情報の一例である。
【0026】
ユーザAが質問423を入力する前に多数のコンテンツ421を閲覧していたとしても、質問423に含まれる単語に関連するコンテンツ421の閲覧が不十分である場合、ユーザがその単語を理解している可能性は低い。一方、ユーザAによって閲覧されていたコンテンツ421の個数が多いほど、ユーザAがウェブサイトに対して強い興味を持っている可能性が高い。この場合、ユーザAは、ウェブサイトの所有者にとって重要なユーザであると言える。
【0027】
したがって、閲覧履歴422を用いて、質問423を入力したユーザAの状況を把握することで、質問423に対する適切な応答方法を選択することが可能になる。
【0028】
特定部413は、質問423のテキストから1つ又は複数の単語を抽出し、複数のコンテンツ421それぞれに含まれるテキストから1つ又は複数の単語を抽出し、抽出された単語を用いて、質問423と各コンテンツ421との間の類似度を計算する。そして、特定部413は、類似度に基づいて、複数のコンテンツ421のうち、質問423に含まれる単語に関連するコンテンツ421を特定する。
【0029】
例えば、特定部413は、質問423のテキストを文書とみなして、質問423を文書ベクトルに変換する。また、特定部413は、各コンテンツ421のテキストを文書とみなして、各コンテンツ421を文書ベクトルに変換する。
【0030】
文書ベクトルとしては、例えば、非特許文献1に記載されたBag of Wordsに基づくパラグラフベクトルを用いることができる。Bag of Wordsに基づくパラグラフベクトルの代わりに、TF-IDF(Term Frequency-Inverse Document Frequency)に基づく文書ベクトルを用いてもよい。
【0031】
次に、特定部413は、質問423の文書ベクトルと各コンテンツ421の文書ベクトルとの間のコサイン類似度を計算し、複数のコンテンツ421の中から、類似度の降順にN個(Nは1以上の整数)のコンテンツを選択する。これにより、質問423に含まれる単語に関連するN個のコンテンツ421が特定される。
【0032】
文書ベクトル間のコサイン類似度の代わりに、質問423と各コンテンツ421との間で一致する単語の個数又は割合を、質問423と各コンテンツ421との間の類似度として用いてもよい。質問423と各コンテンツ421との間の類似度を計算することで、質問423に含まれる単語に関連するコンテンツ421を精度良く特定することができる。
【0033】
計算部414は、閲覧履歴422から、ユーザAのユーザIDに対応する閲覧履歴を抽出する。そして、計算部414は、抽出されたユーザAの閲覧履歴を用いて、特定部413により特定されたN個のコンテンツ421の閲覧状況を示す理解度424を計算し、記憶部411に格納する。理解度424は、単語に関連するコンテンツの閲覧状況を示す指標の一例である。
【0034】
計算部414は、N個のコンテンツ421に対するユーザAの閲覧数、閲覧時間、又は読了率を用いて、理解度424を計算する。閲覧数は、ユーザAによって閲覧されていたコンテンツ421の個数を表す。閲覧数は、ページビューであってもよい。閲覧時間は、コンテンツ421のページの閲覧が開始された時刻から、閲覧が終了した時刻までの時間を表す。読了率は、コンテンツ421のページの全領域のうち、ユーザAによって閲覧された領域の割合を表す。ユーザAによって閲覧された領域は、例えば、ページ内におけるスクロール操作の操作履歴から特定される。
【0035】
例えば、閲覧数を用いて理解度424を計算する場合、N個のコンテンツ421のうち、ユーザAによって閲覧されていたコンテンツ421の割合を、理解度424として用いることができる。
【0036】
閲覧時間を用いて理解度424を計算する場合、N個のコンテンツ421のうち、ユーザAの閲覧時間が所定時間以上であるコンテンツ421の割合を、理解度424として用いることができる。読了率を用いて理解度424を計算する場合、N個のコンテンツ421のうち、ユーザAの読了率が所定値以上であるコンテンツ421の割合を、理解度424として用いることができる。
【0037】
ユーザAの閲覧数、閲覧時間、又は読了率を用いて理解度424を計算することで、質問423に含まれる単語に関連するコンテンツ421の閲覧状況を、理解度424に反映させることができる。理解度424が大きいほど、質問423に含まれる単語をユーザAが理解している可能性が高くなる。
【0038】
次に、計算部414は、ウェブサイト内の複数のコンテンツ421に対するユーザAの閲覧数又は閲覧時間を用いて、ウェブサイトの閲覧状況を示す興味度425を計算し、記憶部411に格納する。興味度425は、ウェブサイトの閲覧状況を示す指標の一例である。
【0039】
例えば、閲覧数を用いて興味度425を計算する場合、ウェブサイト内の複数のコンテンツ421のうち、直近の所定期間内にユーザAによって閲覧されていたコンテンツ421の個数を、興味度425として用いることができる。所定期間は、1日、1週間、又は1か月であってもよく、1つのセッション又は所定数のセッションであってもよい。ウェブサイト内の複数のコンテンツ421のうち、直近の所定期間内にユーザAによって閲覧されていたコンテンツ421の割合を、興味度425として用いてもよい。
【0040】
閲覧時間を用いて興味度425を計算する場合、ウェブサイト内の複数のコンテンツ421のうち、直近の所定期間内にユーザAによって閲覧されていたコンテンツ421の閲覧時間の総和を、興味度425として用いることができる。
【0041】
ユーザAの閲覧数又は閲覧時間を用いて興味度425を計算することで、ウェブサイトの閲覧状況を、興味度425に反映させることができる。興味度425は、ユーザAがウェブサイトにアクセスしてから質問423を入力するまでの作業量に対応し、興味度425が大きいほど、ユーザAがウェブサイトに対して興味を持っている可能性が高くなる。
【0042】
通信部412は、ユーザAのユーザIDとともに、質問423、理解度424、及び興味度425を端末装置303へ送信することで、理解度424及び興味度425を端末装置303へ出力する。端末装置303は、ユーザAのユーザIDとともに、質問423、理解度424、及び興味度425を画面上に表示する。
【0043】
オペレータは、表示された理解度424及び興味度425から、質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いと、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いとを推定する。そして、オペレータは、推定結果に基づいて、質問423に適した応答方法を決定する。
【0044】
図5は、ウェブサイトの例を示している。図5のウェブサイト501は、コンテンツC1~コンテンツC10を含む。各コンテンツのページのタイトルは、以下の通りである。
【0045】
C1 サービス-手続き
C2 サービス-料金
C3 サービス-停止
C4 デザイン-遂行手順
C5 デザイン-手続き
C6 デザイン-料金
C7 デザイン-設計
C8 商品-購入手順
C9 商品-性能
C10 商品-料金
【0046】
ユーザAの閲覧履歴502は、コンテンツC2、コンテンツC6、コンテンツC10、コンテンツC9、コンテンツC8、及びコンテンツC1それぞれのタイトル及び閲覧時刻を含む。例えば、コンテンツC2のタイトルは“サービス-料金”であり、閲覧時刻は“13:10”である。ユーザAの質問503は、「デザインを依頼したいのですがどうすればよいですか。」というテキストを含む。
【0047】
特定部413は、例えば、質問503のテキストから「デザイン」という単語を抽出し、「デザイン」を用いて、質問503とウェブサイト501内の各コンテンツとの間の類似度を計算する。そして、特定部413は、類似度に基づいて、「デザイン」に関連するコンテンツC4~コンテンツC7を抽出し、抽出されたコンテンツを含むコンテンツ集合504を生成する。
【0048】
この場合、N=4であり、コンテンツ集合504に含まれる4個のコンテンツのうち、閲覧履歴502に含まれるコンテンツの個数は1個である。したがって、閲覧数を用いて理解度424を計算する場合、理解度424は1/4=25%となり、「デザイン」に対するユーザAの理解の度合いが小さいことが分かる。
【0049】
一方、閲覧履歴502に含まれるコンテンツの総数は6個であるため、コンテンツの閲覧数を興味度425として用いる場合、興味度425は6となる。ウェブサイト501内の10個のコンテンツのうち、閲覧履歴502に含まれるコンテンツの割合を、興味度425として用いる場合、興味度425は6/10=60%となる。したがって、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いが大きいことが分かる。
【0050】
ウェブサイトの所有者が、顧客の新規事業を支援する会社であり、新規事業を提案することはなく、その事業内容の説明がウェブサイトに掲載されている場合であっても、ユーザAが新規事業の提案を依頼してくることがある。この場合、例えば、「○○という背景で、新規事業の提案をして頂けないでしょうか。」のような質問423が送信される。
【0051】
ここで、ユーザAの状況を把握することなく、「弊社はご提案を支援する会社になります。ご提案はあくまでお客様の方でお願い致します。」という回答を送信した場合を想定する。ユーザAが既にウェブサイトを精査して会社の事業内容を理解していた場合、この回答に含まれる冗長な説明がユーザAを不快にする可能性がある。
【0052】
次に、「承知しました。それでは、具体的な要件について打合せをお願い致します。」という回答を送信した場合を想定する。ユーザAがウェブサイトを精査しておらず、会社の事業内容を理解していない場合、この回答では打合せ自体が双方にとって無駄になる可能性がある。
【0053】
そこで、理解度424及び興味度425をオペレータに提示することで、オペレータは、ユーザAの状況を推定して、適切な応答方法を決定することができる。オペレータは、例えば、以下のような判定条件を用いて、理解度424及び興味度425から応答方法を決定する。
【0054】
(A1)理解度424が閾値TH1未満であり、かつ、興味度425が閾値TH2未満である場合
【0055】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは小さく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いも小さい。そこで、オペレータは、ユーザAが顧客になる可能性は低く、ユーザAは所望の情報を見つけていないだけかも知れないと判断し、初心者向けテンプレートによる回答を、応答方法として選択する。
【0056】
この場合、端末装置303は、初心者向けテンプレートに登録されている、「弊社はご提案を支援する会社になります。ご支援の方法は・・・」のような説明文を含む電子メールを、端末装置302へ自動的に送信する。端末装置303は、電子メールの代わりにチャットを用いて、自動的に回答を送信してもよい。
【0057】
(A2)理解度424が閾値TH1以上であり、かつ、興味度425が閾値TH2未満である場合
【0058】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは大きく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いは小さい。そこで、オペレータは、ユーザAが顧客になるかも知れないが、理解度424が大きいので電子メールの回答で十分と判断し、理解者向けテンプレートによる回答を、応答方法として選択する。
【0059】
この場合、端末装置303は、理解者向けテンプレートに登録されている、「承知しました。その前に要件について何点か確認させて下さい。」のような質問文を含む電子メールを、端末装置302へ自動的に送信する。端末装置303は、電子メールの代わりにチャットを用いて、自動的に回答を送信してもよい。
【0060】
(A3)理解度424が閾値TH1未満であり、かつ、興味度425が閾値TH2以上である場合
【0061】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは小さく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いは大きい。そこで、オペレータは、ユーザAが顧客になる可能性があり、担当者による丁寧な対応により好感度が上がると判断し、担当者が質問423を確認して回答する応答方法を選択する。
【0062】
この場合、オペレータは、何れかの担当者に応答方法を通知する。担当者は、端末装置304-iを用いて、「ご提案はあくまでお客様の方でお願いしております。弊社はお客様のご提案を支援する会社ですが、よろしいでしょうか。」のような回答を、端末装置302へ送信する。
【0063】
(A4)理解度424が閾値TH1以上であり、かつ、興味度425が閾値TH2以上である場合
【0064】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは大きく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いも大きい。そこで、オペレータは、ユーザAが顧客になる可能性が高く、理解度424が大きいので、ウェブサイトに含まれていないような知識を持つ担当者による適切な回答が望ましいと判断する。そして、オペレータは、より詳しい知識を持つ熟練担当者による回答を応答方法として選択する。
【0065】
この場合、オペレータは、何れかの熟練担当者に応答方法を通知し、熟練担当者は、端末装置304-iを用いて、「承知しました。それでは、具体的な要件について打合せをお願い致します。」のような回答を、端末装置302へ送信する。
【0066】
例えば、図5のウェブサイト501の場合、理解度424の閾値TH1は、50%~90%の範囲の数値であってもよい。ウェブサイト501内のコンテンツの閲覧数を興味度425として用いる場合、興味度425の閾値TH2は、6~9の範囲の数値であってもよい。閲覧履歴502に含まれるコンテンツの割合を興味度425として用いる場合、閾値TH2は、50%~90%の範囲の数値であってもよい。
【0067】
オペレータは、(A1)~(A4)と同様の判定条件を用いて、以下のような応答方法を選択することもできる。
【0068】
(B1)理解度424が閾値TH1未満であり、かつ、興味度425が閾値TH2未満である場合
【0069】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは小さく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いも小さい。そこで、オペレータは、ユーザAが基本的な事項を認識しておらず、簡単な説明から開始することが望ましいと判断し、担当者による簡単な説明を、応答方法として選択する。
【0070】
この場合、オペレータは、何れかの担当者に応答方法を通知し、担当者は、端末装置304-iを用いて、「弊社はご提案を支援する会社になります。ご支援の方法は・・・」のような回答を、端末装置302へ送信する。
【0071】
(B2)理解度424が閾値TH1以上であり、かつ、興味度425が閾値TH2未満である場合
【0072】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは大きく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いは小さい。そこで、オペレータは、ユーザAに契約の意思があるか否かは分からないが、理解力があるので詳細確認から開始することが望ましいと判断し、担当者による詳細確認を、応答方法として選択する。
【0073】
この場合、オペレータは、何れかの担当者に応答方法を通知し、担当者は、端末装置304-iを用いて、「承知しました。その前に要件について何点か確認させて下さい。」のような回答を、端末装置302へ送信する。
【0074】
(B3)理解度424が閾値TH1未満であり、かつ、興味度425が閾値TH2以上である場合
【0075】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは小さく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いは大きい。そこで、オペレータは、ユーザAは顧客になる可能性があるものの、理解していない可能性も踏まえ、誤解がないように慎重に応対することが望ましいと判断し、担当者による慎重な回答を、応答方法として選択する。
【0076】
この場合、オペレータは、何れかの担当者に応答方法を通知する。担当者は、端末装置304-iを用いて、「ご提案はあくまでお客様の方でお願いしております。弊社はお客様のご提案を支援する会社ですが、よろしいでしょうか。」のような回答を、端末装置302へ送信する。
【0077】
(B4)理解度424が閾値TH1以上であり、かつ、興味度425が閾値TH2以上である場合
【0078】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは大きく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いも大きい。そこで、オペレータは、ユーザAは良い顧客になる可能性が高いので、契約又は購入を前提とした前向きな回答が望ましいと判断し、担当者による前向きな回答を、応答方法として選択する。
【0079】
この場合、オペレータは、何れかの担当者に応答方法を通知し、担当者は、端末装置304-iを用いて、「承知しました。それでは、具体的な要件について打合せをお願い致します。」のような回答を、端末装置302へ送信する。
【0080】
図3の情報処理システムによれば、理解度424及び興味度425をオペレータに提示することで、オペレータは、質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いと、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いとを推定することが可能になる。これにより、オペレータは、適切な応答方法を決定することができ、質問423に対する回答不足の応答又は回答過剰な応答を回避して、回答に対するユーザの満足度を向上させることができる。
【0081】
図6は、図4のサーバ301が行う指標計算処理の例を示すフローチャートである。まず、通信部412は、端末装置302から電子メールを受信する(ステップ601)。そして、特定部413は、電子メールに含まれる質問423と各コンテンツ421との間の類似度を計算し(ステップ602)、類似度に基づいて、質問423に含まれる単語に関連するコンテンツ421を特定する(ステップ603)。
【0082】
次に、計算部414は、閲覧履歴422から、電子メールに含まれるユーザIDに対応する、ユーザAの閲覧履歴を抽出し(ステップ604)、ユーザAの閲覧履歴を用いて、理解度424及び興味度425を計算する(ステップ605)。そして、通信部412は、ユーザAのユーザIDとともに、質問423、理解度424、及び興味度425を端末装置303へ送信する(ステップ606)。
【0083】
なお、オペレータは、理解度424のみに基づいて応答方法を決定することも可能である。この場合、オペレータは、理解度424と閾値TH1との大小関係のみに応じて、(A1)又は(A2)の何れかの応答方法を選択してもよく、(A3)又は(A4)の何れかの応答方法を選択してもよい。オペレータは、理解度424と閾値TH1との大小関係のみに応じて、(B1)又は(B2)の何れかの応答方法を選択してもよく、(B3)又は(B4)の何れかの応答方法を選択してもよい。
【0084】
しかし、理解度424だけでなく興味度425も用いて応答方法を決定することで、理解度424のみを用いて決定される応答方法よりも、応答方法のバリエーションを増加させることができる。
【0085】
図7は、図3のサーバ301の第2の機能的構成例を示している。図7のサーバ301は、図4のサーバ301において、決定部415を追加した構成を有する。決定部415は、理解度424及び興味度425を用いて応答方法を決定する。決定部415は、例えば、(A1)~(A4)と同様の判定条件を用いて、以下のような処理を行う。
【0086】
(D1)理解度424が閾値TH1未満であり、かつ、興味度425が閾値TH2未満である場合
【0087】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは小さく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いも小さい。そこで、決定部415は、初心者向けテンプレートによる回答を、応答方法として選択する。
【0088】
この場合、決定部415は、通信部412を介して、初心者向けテンプレートに登録されている、「弊社はご提案を支援する会社になります。ご支援の方法は・・・」のような説明文を含む電子メールを、端末装置302へ自動的に送信する。決定部415は、電子メールの代わりにチャットを用いて、自動的に回答を送信してもよい。
【0089】
(D2)理解度424が閾値TH1以上であり、かつ、興味度425が閾値TH2未満である場合
【0090】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは大きく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いは小さい。そこで、決定部415は、理解者向けテンプレートによる回答を、応答方法として選択する。
【0091】
この場合、決定部415は、通信部412を介して、理解者向けテンプレートに登録されている、「承知しました。その前に要件について何点か確認させて下さい。」のような質問文を含む電子メールを、端末装置302へ自動的に送信する。決定部415は、電子メールの代わりにチャットを用いて、自動的に回答を送信してもよい。
【0092】
(D3)理解度424が閾値TH1未満であり、かつ、興味度425が閾値TH2以上である場合
【0093】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは小さく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いは大きい。そこで、決定部415は、担当者が質問423を確認して回答する応答方法を選択する。
【0094】
この場合、決定部415は、通信部412を介して、何れかの担当者の端末装置304-iに応答方法を通知する。担当者は、端末装置304-iを用いて、「ご提案はあくまでお客様の方でお願いしております。弊社はお客様のご提案を支援する会社ですが、よろしいでしょうか。」のような回答を、端末装置302へ送信する。
【0095】
(D4)理解度424が閾値TH1以上であり、かつ、興味度425が閾値TH2以上である場合
【0096】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは大きく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いも大きい。そこで、決定部415は、ウェブサイトに含まれていないような知識を持つ担当者による適切な回答が望ましいと判断し、より詳しい知識を持つ熟練担当者による回答を応答方法として選択する。
【0097】
この場合、決定部415は、通信部412を介して、何れかの熟練担当者の端末装置304-iに応答方法を通知する。熟練担当者は、端末装置304-iを用いて、「承知しました。それでは、具体的な要件について打合せをお願い致します。」のような回答を、端末装置302へ送信する。
【0098】
決定部415は、(A1)~(A4)と同様の判定条件を用いて、以下のような応答方法を選択することもできる。
【0099】
(E1)理解度424が閾値TH1未満であり、かつ、興味度425が閾値TH2未満である場合
【0100】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは小さく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いも小さい。そこで、決定部415は、担当者による簡単な説明を、応答方法として選択する。
【0101】
この場合、決定部415は、通信部412を介して、何れかの担当者の端末装置304-iに応答方法を通知する。担当者は、端末装置304-iを用いて、「弊社はご提案を支援する会社になります。ご支援の方法は・・・」のような回答を、端末装置302へ送信する。
【0102】
(E2)理解度424が閾値TH1以上であり、かつ、興味度425が閾値TH2未満である場合
【0103】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは大きく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いは小さい。そこで、決定部415は、担当者による詳細確認を、応答方法として選択する。
【0104】
この場合、決定部415は、通信部412を介して、何れかの担当者の端末装置304-iに応答方法を通知する。担当者は、端末装置304-iを用いて、「承知しました。その前に要件について何点か確認させて下さい。」のような回答を、端末装置302へ送信する。
【0105】
(E3)理解度424が閾値TH1未満であり、かつ、興味度425が閾値TH2以上である場合
【0106】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは小さく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いは大きい。そこで、決定部415は、担当者による慎重な回答を、応答方法として選択する。
【0107】
この場合、決定部415は、何れかの担当者の端末装置304-iに応答方法を通知する。担当者は、端末装置304-iを用いて、「ご提案はあくまでお客様の方でお願いしております。弊社はお客様のご提案を支援する会社ですが、よろしいでしょうか。」のような回答を、端末装置302へ送信する。
【0108】
(E4)理解度424が閾値TH1以上であり、かつ、興味度425が閾値TH2以上である場合
【0109】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは大きく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いも大きい。そこで、決定部415は、担当者による前向きな回答を、応答方法として選択する。
【0110】
この場合、決定部415は、通信部412を介して、何れかの担当者の端末装置304-iに応答方法を通知する。担当者は、端末装置304-iを用いて、「承知しました。それでは、具体的な要件について打合せをお願い致します。」のような回答を、端末装置302へ送信する。
【0111】
図7のサーバ301によれば、理解度424及び興味度425を用いて応答方法が自動的に決定されるため、オペレータが応答方法を決定する必要がなくなり、オペレータの作業負荷が軽減される。この場合、図3の端末装置303を省略することができる。
【0112】
図8は、図7のサーバ301が行う第1の応答方法決定処理の例を示すフローチャートである。ステップ801~ステップ805の処理は、図6のステップ601~ステップ605の処理と同様である。
【0113】
理解度424及び興味度425の計算が終了すると、決定部415は、理解度424及び興味度425を用いて応答方法を決定し(ステップ806)、応答制御処理を行う(ステップ807)。応答制御処理は、端末装置302へ自動的に回答を送信する処理、又は担当者の端末装置304-iに応答方法を通知する処理である。
【0114】
なお、決定部415は、理解度424のみに基づいて応答方法を決定することも可能である。この場合、決定部415は、理解度424と閾値TH1との大小関係のみに応じて、(D1)又は(D2)の何れかの応答方法を選択してもよく、(D3)又は(D4)の何れかの応答方法を選択してもよい。決定部415は、理解度424と閾値TH1との大小関係のみに応じて、(E1)又は(E2)の何れかの応答方法を選択してもよく、(E3)又は(E4)の何れかの応答方法を選択してもよい。
【0115】
しかし、理解度424だけでなく興味度425も用いて応答方法を決定することで、理解度424のみを用いて決定される応答方法よりも、応答方法のバリエーションを増加させることができる。
【0116】
図9は、図3のサーバ301の第3の機能的構成例を示している。図9のサーバ301は、図7のサーバ301と同様の構成を有する。記憶部411は、担当者情報911をさらに記憶する。担当者情報911は、質問423に対する応答を実行する担当者の状態を示す。担当者の状態は、商談中の顧客数、応対可能な顧客数、応対可能な担当者数、応対可能な熟練担当者数等を表す。決定部415は、理解度424、興味度425、及び担当者情報911を用いて応答方法を決定する。
【0117】
例えば、断りに近い文面の回答又は丁寧な説明の文面の回答の何れかを応答方法として選択する場合、決定部415は、担当者情報911が示す担当者の状態に応じて、理解度424の閾値TH1を変更する。担当者の状態が顧客を増やしたい状態であれば、丁寧な説明の文面の回答が選択される可能性が高くなる方向に、閾値TH1が変更される。一方、担当者の状態が顧客を増やしたくない状態であれば、断りに近い文面の回答が選択される可能性が高くなる方向に、閾値TH1が変更される。
【0118】
決定部415は、例えば、(A1)~(A4)と同様の判定条件を用いて、以下のような処理を行う。
【0119】
(F1)理解度424が閾値TH1未満であり、かつ、興味度425が閾値TH2未満である場合
【0120】
決定部415は、断りに近い文面の自動送信を応答方法として選択し、通信部412を介して、断りに近い文面の定型文を含む電子メールを、端末装置302へ自動的に送信する。
【0121】
(F2)理解度424が閾値TH1以上であり、かつ、興味度425が閾値TH2未満である場合
【0122】
決定部415は、丁寧な説明の文面の自動送信を応答方法として選択し、通信部412を介して、丁寧な説明の文面の定型文を含む電子メールを、端末装置302へ自動的に送信する。
【0123】
(F3)理解度424が閾値TH1未満であり、かつ、興味度425が閾値TH2以上である場合
【0124】
決定部415は、担当者による断りに近い文面の回答を応答方法として選択し、通信部412を介して、何れかの担当者の端末装置304-iに応答方法を通知する。担当者は、端末装置304-iを用いて、断りに近い文面の回答を端末装置302へ送信する。
【0125】
(F4)理解度424が閾値TH1以上であり、かつ、興味度425が閾値TH2以上である場合
【0126】
決定部415は、ウェブサイトに含まれていないような知識を持つ担当者による適切な回答が望ましいと判断し、より詳しい知識を持つ熟練担当者による丁寧な説明の文面の回答を応答方法として選択する。そして、決定部415は、通信部412を介して、何れかの熟練担当者の端末装置304-iに応答方法を通知する。熟練担当者は、端末装置304-iを用いて、丁寧な説明の文面の回答を端末装置302へ送信する。
【0127】
図10は、閾値TH1の変更方法の例を示している。図10(a)は、商談中の顧客数に基づく変更方法の例を示している。商談中の顧客数が20人以下である状態は、閑散期に対応し、商談中の顧客数が21人以上100人以下である状態は、通常期に対応し、商談中の顧客数が101人以上である状態は、繁忙期に対応する。
【0128】
決定部415は、商談中の顧客数が20人以下である場合、閾値TH1を40%に設定し、商談中の顧客数が21人以上100人以下である場合、閾値TH1を60%に設定し、商談中の顧客数が101人以上である場合、閾値TH1を80%に設定する。これにより、商談中の顧客数が増加するほど、断りに近い文面の回答が選択される可能性が高くなる。
【0129】
図10(b)は、応対可能な顧客数に基づく変更方法の例を示している。応対可能な顧客数が10人以下である状態は、負荷が大きい状態に対応し、応対可能な顧客数が11人以上50人以下である状態は、通常状態に対応し、応対可能な顧客数が51人以上である状態は、負荷が小さい状態に対応する。
【0130】
決定部415は、応対可能な顧客数が10人以下である場合、閾値TH1を90%に設定し、応対可能な顧客数が11人以上50人以下である場合、閾値TH1を60%に設定し、応対可能な顧客数が51人以上である場合、閾値TH1を30%に設定する。これにより、応対可能な顧客数が増加するほど、丁寧な説明の文面の回答が選択される可能性が高くなる。
【0131】
普通の担当者による回答又は熟練担当者による回答の何れかを応答方法として選択する場合、決定部415は、担当者情報911が示す応対可能な熟練担当者数に応じて、閾値TH1を変更する。応対可能な熟練担当者数が少なければ、普通の担当者による回答が選択される可能性が高くなる方向に、閾値TH1が変更される。一方、応対可能な熟練担当者数が多ければ、熟練担当者による回答が選択される可能性が高くなる方向に、閾値TH1が変更される。
【0132】
決定部415は、応答方法の選択結果に基づいて、担当者情報911を変更することもできる。例えば、決定部415は、直近の所定期間内に応答方法が決定された複数のユーザの質問423のうち、理解度424が閾値TH1以上である質問423の個数Kを求め、所定数Pと比較する。
【0133】
KがP以上である場合、決定部415は、Pに受注率Rを乗算して、更新量Δを計算する。一方、KがP未満である場合、決定部415は、更新量Δに0を設定する。更新量Δは、これから商談を開始すると推定される顧客の人数を表し、毎日変更される。
【0134】
決定部415は、担当者情報911が商談中の顧客数を表す場合、商談中の顧客数に更新量Δを加算し、担当者情報911が応対可能な顧客数を表す場合、応対可能な顧客数から更新量Δを減算する。例えば、P=10、R=0.5、KがP以上である場合、Δ=5となる。
【0135】
そして、決定部415は、変更された担当者情報911を用いて、閾値TH1を決定する。これにより、応答方法の選択結果に基づいて、閾値TH1を動的に変更することが可能になる。
【0136】
回答の自動送信又は担当者による回答の何れかを応答方法として選択する場合、決定部415は、担当者情報911が示す応対可能な担当者数に応じて、興味度425の閾値TH2を変更する。応対可能な担当者数が少なければ、回答の自動送信が選択される可能性が高くなる方向に、閾値TH2が変更される。一方、応対可能な担当者数が多ければ、担当者による回答が選択される可能性が高くなる方向に、閾値TH2が変更される。
【0137】
決定部415は、例えば、(A1)~(A4)と同様の判定条件を用いて、以下のような処理を行う。
【0138】
(G1)理解度424が閾値TH1未満であり、かつ、興味度425が閾値TH2未満である場合
【0139】
決定部415は、簡単な回答の自動送信を応答方法として選択し、通信部412を介して、簡単な回答の定型文を含む電子メールを、端末装置302へ自動的に送信する。
【0140】
(G2)理解度424が閾値TH1以上であり、かつ、興味度425が閾値TH2未満である場合
【0141】
決定部415は、詳細な回答の自動送信を応答方法として選択し、通信部412を介して、詳細な回答の定型文を含む電子メールを、端末装置302へ自動的に送信する。
【0142】
(G3)理解度424が閾値TH1未満であり、かつ、興味度425が閾値TH2以上である場合
【0143】
決定部415は、担当者による回答を応答方法として選択し、通信部412を介して、何れかの担当者の端末装置304-iに応答方法を通知する。担当者は、端末装置304-iを用いて、回答を端末装置302へ送信する。
【0144】
(G4)理解度424が閾値TH1以上であり、かつ、興味度425が閾値TH2以上である場合
【0145】
決定部415は、ウェブサイトに含まれていないような知識を持つ担当者による適切な回答が望ましいと判断し、より詳しい知識を持つ熟練担当者による回答を応答方法として選択する。そして、決定部415は、通信部412を介して、何れかの熟練担当者の端末装置304-iに応答方法を通知する。熟練担当者は、端末装置304-iを用いて、回答を端末装置302へ送信する。
【0146】
図11は、閾値TH2の変更方法の例を示している。応対可能な担当者数が5人以下である状態は、担当者が少ない状態に対応し、応対可能な担当者数が6人以上10人以下である状態は、通常状態に対応し、応対可能な担当者数が11人以上である状態は、担当者が多い状態に対応する。
【0147】
決定部415は、応対可能な担当者数が5人以下である場合、閾値TH2を10に設定し、応対可能な担当者数が6人以上10人以下である場合、閾値TH2を3に設定し、応対可能な担当者数が11人以上である場合、閾値TH2を0に設定する。これにより、応対可能な担当者数が増加するほど、担当者による回答が選択される可能性が高くなる。
【0148】
決定部415は、応答方法の選択結果に基づいて、担当者情報911が示す応対可能な担当者数を変更することもできる。例えば、決定部415は、担当者による回答が応答方法として選択された場合、応対可能な担当者数を1だけデクリメントし、担当者による回答が終了した場合、応対可能な担当者数を1だけインクリメントする。
【0149】
そして、決定部415は、変更された担当者情報911を用いて、閾値TH2を決定する。これにより、応答方法の選択結果に基づいて、閾値TH2を動的に変更することが可能になる。
【0150】
図9のサーバ301によれば、応答を実行する担当者の状態に応じて応答方法を変更することができるため、担当者の作業負荷を適切に調整することが可能になる。
【0151】
図12は、図9のサーバ301が行う第2の応答方法決定処理の例を示すフローチャートである。ステップ1201~ステップ1205の処理は、図6のステップ601~ステップ605の処理と同様である。
【0152】
理解度424及び興味度425の計算が終了すると、決定部415は、理解度424、興味度425、及び担当者情報911を用いて応答方法を決定し(ステップ1206)、応答制御処理を行う(ステップ1207)。応答制御処理は、端末装置302へ自動的に回答を送信する処理、又は担当者の端末装置304-iに応答方法を通知する処理である。そして、決定部415は、応答方法の選択結果に基づいて、担当者情報911を変更する(ステップ1208)。
【0153】
図13は、図3のサーバ301の第4の機能的構成例を示している。図13のサーバ301は、図7のサーバ301と同様の構成を有する。記憶部411は、ユーザ情報1311をさらに記憶する。ユーザ情報1311は、ユーザの属性を示す。ユーザの属性は、例えば、各ユーザが重要顧客であるか否かを示す情報である。決定部415は、理解度424、興味度425、及びユーザ情報1311を用いて応答方法を決定する。
【0154】
決定部415は、例えば、質問423を入力したユーザAが、ウェブサイトの所有者の顧客データベース又は購買データベースに登録されているか否かに基づいて、ユーザAが重要顧客であるか否かを決定し、ユーザ情報1311に登録する。重要顧客ではないユーザは、一般顧客として登録される。
【0155】
ユーザAが顧客データベース又は購買データベースに登録されている既知のユーザである場合、ユーザAは重要顧客であると判定される。一方、ユーザAが顧客データベース又は購買データベースに登録されていない未知のユーザである場合、ユーザAは一般顧客であると判定される。
【0156】
決定部415は、閲覧履歴422に含まれるユーザAの閲覧履歴に基づいて、ユーザAが重要顧客であるか否かを決定してもよい。例えば、ユーザAが直近の所定期間内にウェブサイトを閲覧している場合、ユーザAは重要顧客であると判定され、ユーザAが直近の所定期間内にウェブサイトを閲覧していない場合、ユーザAは一般顧客であると判定される。所定期間は、1つ又は数個の四半期であってもよく、1年又は数年であってもよい。
【0157】
決定部415は、ユーザAが企業内における決裁者であるか否かに基づいて、ユーザAが重要顧客であるか否かを決定してもよい。ユーザAが決裁者である場合、ユーザAは重要顧客であると判定され、ユーザAが決裁者ではない場合、ユーザAは一般顧客であると判定される。
【0158】
決定部415は、ユーザAが既存顧客企業の社員であるか否かに基づいて、ユーザAが重要顧客であるか否かを決定してもよい。ユーザAが既存顧客企業の社員である場合、ユーザAは重要顧客であると判定され、ユーザAが既存顧客企業の社員ではない場合、ユーザAは一般顧客であると判定される。
【0159】
ユーザAが一般顧客である場合、決定部415は、例えば、(D1)~(D4)と同様にして、応答方法を決定する。ユーザAが重要顧客である場合、決定部415は、例えば、(A1)~(A4)と同様の判定条件を用いて、以下のような処理を行う。
【0160】
(H1)理解度424が閾値TH1未満であり、かつ、興味度425が閾値TH2未満である場合
【0161】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは小さく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いも小さい。この場合、ユーザAは見込み客であるが、質問423に含まれる単語について勘違いしているかも知れない。ユーザAは顧客になる可能性があるため、質問423を丁寧に確認して回答することが望ましい。
【0162】
そこで、決定部415は、担当者が質問423の背景を確認して回答する応答方法を選択し、通信部412を介して、何れかの担当者の端末装置304-iに応答方法を通知する。担当者は、端末装置304-iを用いて、質問423の背景を確認する回答を、端末装置302へ送信する。
【0163】
(H2)理解度424が閾値TH1以上であり、かつ、興味度425が閾値TH2未満である場合
【0164】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは大きく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いは小さい。この場合、ユーザAは理解度の高い見込み客であり、普段通りの振る舞いをしている。ユーザAは理解度の高い重要顧客であるため、速やかに商談を進めることが望ましい。
【0165】
そこで、決定部415は、担当者が商談段階に進める応答方法を選択し、通信部412を介して、何れかの担当者の端末装置304-iに応答方法を通知する。担当者は、端末装置304-iを用いて、商談段階に進めるような回答を、端末装置302へ送信する。
【0166】
(H3)理解度424が閾値TH1未満であり、かつ、興味度425が閾値TH2以上である場合
【0167】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは小さく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いは大きい。この場合、ユーザAは相当の見込み客であるが、質問423に含まれる単語について勘違いしているかも知れない。ユーザAは顧客になる可能性が非常に高いため、質問423に含まれる疑問点を解消することが望ましい。
【0168】
そこで、決定部415は、担当者が速やかに回答し、質問423の背景を傾聴する応答方法を選択し、通信部412を介して、何れかの担当者の端末装置304-iに応答方法を通知する。担当者は、端末装置304-iを用いて、質問423の背景を傾聴する回答を、端末装置302へ送信する。
【0169】
(H4)理解度424が閾値TH1以上であり、かつ、興味度425が閾値TH2以上である場合
【0170】
質問423に含まれる単語に対するユーザAの理解の度合いは大きく、ウェブサイトに対するユーザAの興味の度合いも大きい。この場合、ユーザAは相当の見込み客であるが、普段とは異なる振る舞いをしている。ユーザAは重要顧客であるが、やや慎重にユーザAの理解を優先して回答することが望ましい。
【0171】
そこで、決定部415は、ウェブサイトに含まれていないような知識を持つ担当者による適切な回答が望ましいと判断し、より詳しい知識を持つ熟練担当者が質問423の背景を丁寧に傾聴して回答する応答方法を選択する。そして、決定部415は、通信部412を介して、何れかの熟練担当者の端末装置304-iに応答方法を通知する。熟練担当者は、端末装置304-iを用いて、質問423の背景を丁寧に傾聴する回答を、端末装置302へ送信する。
【0172】
図13のサーバ301によれば、ユーザの属性に応じて応答方法を変更することができるため、一般顧客よりも重要顧客への応答を優先させて、応答業務を効率化することが可能になる。
【0173】
図13のサーバ301が行う応答方法決定処理は、図8の応答方法決定処理と同様である。この場合、ステップ806において、決定部415は、理解度424、興味度425、及びユーザ情報1311を用いて応答方法を決定する。
【0174】
図14は、図3のサーバ301の第5の機能的構成例を示している。図14のサーバ301は、図7のサーバ301と同様の構成を有する。記憶部411は、質疑応答情報1411をさらに記憶する。質疑応答情報1411は、ウェブサイト内のコンテンツ421に関するQ&Aデータベース又はFAQ(Frequently Asked Questions)の情報であり、質問と回答の組み合わせを複数個含む。
【0175】
特定部413は、質疑応答情報1411を用いて、質問423に対する回答候補を特定する。例えば、特定部413は、テキストマッチングにより、質問423と類似する質問を質疑応答情報1411から抽出し、抽出された質問に対応付けられた回答を、回答候補として選択する。
【0176】
特定部413は、質問から回答を予測する予測モデルを用いて、回答候補を特定してもよい。この場合、特定部413は、質疑応答情報1411に含まれる質問と回答の組み合わせを学習モデルに学習させることで、予測モデルを生成し、生成された予測モデルを用いて、質問423に対応する回答候補を特定する。
【0177】
次に、特定部413は、回答候補のテキストから1つ又は複数の単語を抽出し、複数のコンテンツ421それぞれに含まれるテキストから1つ又は複数の単語を抽出し、抽出された単語を用いて、回答候補と各コンテンツ421との間の類似度を計算する。そして、特定部413は、計算された類似度を、質問423と各コンテンツ421との間の類似度として用いて、複数のコンテンツ421のうち、質問423に含まれる単語に関連するコンテンツ421を特定する。
【0178】
図14のサーバ301によれば、Q&Aデータベース又はFAQに登録された回答と類似するコンテンツ421を用いて、理解度424が計算されるため、質問423に対して想定される回答に関する理解の度合いが、理解度424に反映される。これにより、理解度424の精度が向上し、より適切な応答方法を選択することが可能になる。
【0179】
図15は、図14のサーバ301が行う第3の応答方法決定処理の例を示すフローチャートである。まず、通信部412は、端末装置302から電子メールを受信する(ステップ1501)。次に、特定部413は、電子メールに含まれる質問423に対する回答候補を特定し(ステップ1502)、特定された回答候補を用いて、質問423と各コンテンツ421との間の類似度を計算する(ステップ1503)。ステップ1504~ステップ1508の処理は、図8のステップ803~ステップ807の処理と同様である。
【0180】
なお、図4図9、又は図13のサーバ301においても、図14のサーバ301と同様に、特定部413は、質疑応答情報1411を用いて回答候補を特定することができる。この場合、特定部413は、回答候補と各コンテンツ421との間の類似度を用いて、質問423に含まれる単語に関連するコンテンツ421を特定する。
【0181】
図1の情報処理装置101の構成は一例に過ぎず、情報処理装置101の用途又は条件に応じて一部の構成要素を省略又は変更してもよい。図3の情報処理システムと図4図7図9図13、及び図14のサーバ301の構成は一例に過ぎず、情報処理システムの用途又は条件に応じて一部の構成要素を省略又は変更してもよい。サーバ301は、質問423の代わりに、ユーザAが入力した別の入力情報を用いて、理解度424及び興味度425を計算してもよい。
【0182】
図2図6図8図12、及び図15のフローチャートは一例に過ぎず、情報処理装置101又は情報処理システムの構成又は条件に応じて、一部の処理を省略又は変更してもよい。
【0183】
図5に示したウェブサイトは一例に過ぎず、ウェブサイト内のコンテンツは、ウェブサイトに応じて変化する。図10に示した閾値TH1の変更方法と図11に示した閾値TH2の変更方法は一例に過ぎず、別の基準に基づいて閾値TH1又は閾値TH2を変更してもよい。
【0184】
(A1)~(H4)に示した応答方法の決定方法は一例にすぎず、オペレータ又は決定部415は、別の決定方法に基づいて応答方法を決定してもよい。
【0185】
図16は、図1の情報処理装置101及び図4図7図9図13、及び図14のサーバ301として用いられる情報処理装置のハードウェア構成例を示している。図16の情報処理装置は、CPU(Central Processing Unit)1601、メモリ1602、入力装置1603、出力装置1604、補助記憶装置1605、媒体駆動装置1606、及びネットワーク接続装置1607を含む。これらの構成要素はハードウェアであり、バス1608により互いに接続されている。
【0186】
メモリ1602は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリであり、処理に用いられるプログラム及びデータを格納する。メモリ1602は、図1の記憶部111又は図4図7図9図13、及び図14の記憶部411として動作してもよい。
【0187】
CPU1601(プロセッサ)は、例えば、メモリ1602を利用してプログラムを実行することにより、図1の特定部112及び計算部113として動作する。CPU1601は、メモリ1602を利用してプログラムを実行することにより、図4図7図9図13、及び図14の特定部413及び計算部414としても動作する。CPU1601は、メモリ1602を利用してプログラムを実行することにより、図7図9図13、及び図14の決定部415としても動作する。
【0188】
入力装置1603は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス等であり、情報処理装置のユーザからの指示又は情報の入力に用いられる。出力装置1604は、例えば、表示装置、プリンタ等であり、情報処理装置のユーザへの問い合わせ又は指示、及び処理結果の出力に用いられる。処理結果は、理解度424及び興味度425であってもよい。
【0189】
補助記憶装置1605は、例えば、磁気ディスク装置、光ディスク装置、光磁気ディスク装置、テープ装置等である。補助記憶装置1605は、ハードディスクドライブ又はフラッシュメモリであってもよい。情報処理装置は、補助記憶装置1605にプログラム及びデータを格納しておき、それらをメモリ1602にロードして使用することができる。補助記憶装置1605は、図1の記憶部111又は図4図7図9図13、及び図14の記憶部411として動作してもよい。
【0190】
媒体駆動装置1606は、可搬型記録媒体1609を駆動し、その記録内容にアクセスする。可搬型記録媒体1609は、メモリデバイス、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク等である。可搬型記録媒体1609は、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等であってもよい。情報処理装置のユーザは、この可搬型記録媒体1609にプログラム及びデータを格納しておき、それらをメモリ1602にロードして使用することができる。
【0191】
このように、処理に用いられるプログラム及びデータを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、メモリ1602、補助記憶装置1605、又は可搬型記録媒体1609のような、物理的な(非一時的な)記録媒体である。
【0192】
ネットワーク接続装置1607は、通信ネットワーク305に接続され、通信に伴うデータ変換を行う通信インタフェース回路である。情報処理装置は、プログラム及びデータを外部の装置からネットワーク接続装置1607を介して受信し、それらをメモリ1602にロードして使用することができる。ネットワーク接続装置1607は、図4図7図9図13、及び図14の通信部412として動作してもよい。
【0193】
なお、情報処理装置が図16のすべての構成要素を含む必要はなく、情報処理装置の用途又は条件に応じて一部の構成要素を省略することも可能である。例えば、ユーザとのインタフェースが不要な場合は、入力装置1603及び出力装置1604を省略してもよい。可搬型記録媒体1609を使用しない場合は、媒体駆動装置1606を省略してもよい。
【0194】
図3の端末装置302、端末装置303、及び端末装置304-1~端末装置304-Mとしては、図16と同様の情報処理装置を用いることができる。
【0195】
開示の実施形態とその利点について詳しく説明したが、当業者は、特許請求の範囲に明確に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、追加、省略をすることができるであろう。
【符号の説明】
【0196】
101 情報処理装置
111、411 記憶部
112、413 特定部
113、414 計算部
121、422、502 閲覧履歴
301 サーバ
302、303、304-1~304-M 端末装置
305 通信ネットワーク
412 通信部
415 決定部
421 コンテンツ
423、503 質問
424 理解度
425 興味度
501 ウェブサイト
504 コンテンツ集合
911 担当者情報
1311 ユーザ情報
1411 質疑応答情報
1601 CPU
1602 メモリ
1603 入力装置
1604 出力装置
1605 補助記憶装置
1606 媒体駆動装置
1607 ネットワーク接続装置
1608 バス
1609 可搬型記録媒体
図1
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