IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図1
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図2
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図3
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図4
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図5
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図6
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図7
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図8
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図9
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図10
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図11
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図12
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図13
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図14
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図15
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図16
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図17
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図18
  • 特許-液体受容装置および液体吐出装置 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】液体受容装置および液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/17 20060101AFI20240730BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240730BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20240730BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B41J2/17 207
B41J2/01 123
B05C5/00 101
B05C11/10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020182879
(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2022073101
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】川谷 康二
(72)【発明者】
【氏名】有村 敏男
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-143921(JP,A)
【文献】特開2020-032620(JP,A)
【文献】特開2020-078885(JP,A)
【文献】特開2015-020398(JP,A)
【文献】特開2007-008023(JP,A)
【文献】特開2015-143017(JP,A)
【文献】特開2007-021758(JP,A)
【文献】特開2017-087597(JP,A)
【文献】特開2019-104133(JP,A)
【文献】特開2009-202522(JP,A)
【文献】特開2015-208991(JP,A)
【文献】特開2015-000517(JP,A)
【文献】特開2006-247472(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0307265(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/17
B41J 2/01
B05C 5/00
B05C 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体吐出部から吐出された液体を開口部から受容可能な液体受容部と、
前記液体受容部内の液体を排出可能な第1排出流路と、
前記液体受容部内の液体を排出可能な第2排出流路と、を備え、
前記液体受容部は、
前記液体受容部内に設けられ、液体を吸収可能な吸収部材と、
前記液体受容部内に開口する第1排出口を有し、前記第1排出流路と連通する第1連
通部と、
前記液体受容部内に開口する第2排出口を有し、前記第2排出流路と連通する第2連
通部と、を有し、
前記第1連通部は、前記第1排出口が前記吸収部材と接する位置に設けられ、
前記第2連通部は、前記第2排出口が前記吸収部材と接しない位置に設けられ
前記吸収部材は、前記吸収部材の一端に切欠き部が設けられ、
前記第2排出口は、前記切欠き部から上方に向けて露出されることを特徴とする液体受
容装置。
【請求項2】
前記液体吐出部から吐出される液体は、水を含む液体であり、
前記液体受容部内に水を含む液体を供給可能な液体供給部を備えることを特徴とする請
求項1に記載の液体受容装置。
【請求項3】
前記液体受容部は、前記吸収部材の下方に空間を有することを特徴とする請求項1また
は請求項2に記載の液体受容装置。
【請求項4】
前記吸収部材は、前記液体受容部内を満たす液体が前記第2排出口から排出されたとき
に前記液体受容部内に残る液体の液面と重なる位置に設けられることを特徴とする請求項
1から請求項3のうち何れか一項に記載の液体受容装置。
【請求項5】
前記液体受容部は、前記第2排出口の周囲に、前記吸収部材の端部と係止する凸部を有
することを特徴とする請求項1から請求項4のうち何れか一項に記載の液体受容装置。
【請求項6】
前記第2排出口は、鉛直方向において、前記吸収部材の上面と下面との間に設けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうち何れか一項に記載の液体受容装置。
【請求項7】
前記第1排出流路または前記第2排出流路を介して前記液体受容部内の液体を吸引する
吸引部と、
前記第1排出流路および前記第2排出流路のうち、前記吸引部と連通する排出流路を切
替可能な流路切替部と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のうち何れか一
項に記載の液体受容装置。
【請求項8】
液体吐出部から吐出された液体を開口部から受容可能な液体受容部と、
前記液体受容部内の液体を排出可能な第1排出流路と、
前記液体受容部内の液体を排出可能な第2排出流路と、を備え、
前記液体受容部は、
前記液体受容部内に設けられ、液体を吸収可能な吸収部材と、
前記液体受容部内に開口する第1排出口を有し、前記第1排出流路と連通する第1連
通部と、
前記液体受容部内に開口する第2排出口を有し、前記第2排出流路と連通する第2連
通部と、を有し、
前記第1連通部は、前記第1排出口が前記吸収部材と接する位置に設けられ、
前記第2連通部は、前記第2排出口が前記吸収部材と接しない位置に設けられ、
前記第1排出流路または前記第2排出流路を介して前記液体受容部内の液体を吸引する
吸引部と、
前記第1排出流路および前記第2排出流路のうち、前記吸引部と連通する排出流路を切
替可能な流路切替部と、
第1の液体を受容可能な1の前記液体受容部と、
第2の液体を受容可能な2の前記液体受容部と、を備え、
前記流路切替部は、
1の前記液体受容部に連通する前記第1排出流路と、2の前記液体受容部に連通する前
記第1排出流路と、が前記吸引部と連通する状態と、
1の前記液体受容部に連通する前記第2排出流路と、2の前記液体受容部に連通する前
記第2排出流路と、が前記吸引部と連通する状態と、の間で切替可能であることを特徴と
する体受容装置。
【請求項9】
液体吐出部から吐出された液体を開口部から受容可能な液体受容部と、
前記液体受容部内の液体を排出可能な第1排出流路と、
前記液体受容部内の液体を排出可能な第2排出流路と、を備え、
前記液体受容部は、
前記液体受容部内に設けられ、液体を吸収可能な吸収部材と、
前記液体受容部内に開口する第1排出口を有し、前記第1排出流路と連通する第1連
通部と、
前記液体受容部内に開口する第2排出口を有し、前記第2排出流路と連通する第2連
通部と、を有し、
前記第1連通部は、前記第1排出口が前記吸収部材と接する位置に設けられ、
前記第2連通部は、前記第2排出口が前記吸収部材と接しない位置に設けられ、
前記第1排出流路または前記第2排出流路を介して前記液体受容部内の液体を吸引する
吸引部と、
前記第1排出流路および前記第2排出流路のうち、前記吸引部と連通する排出流路を切
替可能な流路切替部と、
第1の液体を受容可能な1の前記液体受容部と、
第2の液体を受容可能な2の前記液体受容部と、を備え、
前記流路切替部は、
1の前記液体受容部に連通する前記第1排出流路と、2の前記液体受容部に連通する前
記第2排出流路と、が前記吸引部と連通する状態と、
1の前記液体受容部に連通する前記第2排出流路と、2の前記液体受容部に連通する前
記第1排出流路と、が前記吸引部と連通する状態と、
の間で切替可能であることを特徴とする体受容装置。
【請求項10】
液体吐出部から吐出された液体を開口部から受容可能な液体受容部と、
前記液体受容部内の液体を排出可能な第1排出流路と、
前記液体受容部内の液体を排出可能な第2排出流路と、を備え、
前記液体受容部は、
前記液体受容部内に設けられ、液体を吸収可能な吸収部材と、
前記液体受容部内に開口する第1排出口を有し、前記第1排出流路と連通する第1連
通部と、
前記液体受容部内に開口する第2排出口を有し、前記第2排出流路と連通する第2連
通部と、を有し、
前記第1連通部は、前記第1排出口が前記吸収部材と接する位置に設けられ、
前記第2連通部は、前記第2排出口が前記吸収部材と接しない位置に設けられ、
前記第1排出流路または前記第2排出流路を介して前記液体受容部内の液体を吸引する
吸引部と、
前記第1排出流路および前記第2排出流路のうち、前記吸引部と連通する排出流路を切
替可能な流路切替部と、
第1の液体を受容可能な1の前記液体受容部と、
第2の液体を受容可能な2の前記液体受容部と、を備え、
前記流路切替部は、
1の前記液体受容部に連通する前記第1排出流路と前記吸引部とが連通する状態と、
1の前記液体受容部に連通する前記第2排出流路と前記吸引部とが連通する状態と、
2の前記液体受容部に連通する前記第1排出流路と前記吸引部とが連通する状態と、
2の前記液体受容部に連通する前記第2排出流路と前記吸引部とが連通する状態と、
の間で切替可能であることを特徴とする体受容装置。
【請求項11】
前記第1排出口は、前記液体受容部の長手方向における一端側に設けられ、
前記第2排出口は、前記液体受容部の長手方向における他端側に設けられることを特徴
とする請求項8から請求項10のうちいずれか一項に記載の液体受容装置。
【請求項12】
1の前記液体受容部の前記開口部を覆うように構成される第1カバーと、
2の前記液体受容部の前記開口部を覆うように構成される第2カバーと、
前記第1カバーおよび前記第2カバーを同時に移動可能な1の駆動機構と、を備えるこ
とを特徴とする請求項8から請求項11のうちいずれか一項に記載の液体受容装置。
【請求項13】
1の前記液体受容部および2の前記液体受容部はそれぞれ、
前記第1カバーおよび前記第2カバーと接触可能であるとともに弾性変形可能な変形部
を、前記開口部を囲む状態に有し、
前記変形部の表面には撥水処理が施されていることを特徴とする請求項12に記載の液
体受容装置。
【請求項14】
液体を吐出する液体吐出部と、
請求項1から請求項13のうちいずれか一項に記載の液体受容装置と、を備える液体吐
出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出された液体を受容する液体受容装置、および媒体に液体を吐出する液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された塗布装置は液受け部を備える。液受け部は、ボックス部と、多孔質材料と、を備える。塗布装置は液体吐出装置の一例であり、液受け部は液体受容装置の一例であり、ボックス部は液体受容部の一例である。また、多孔質材料は、塗布装置が有するノズルから吐出された液体を受容する吸収部材の一例である。ボックス部の上面には開口部が形成され、開口部には多孔質材料が配置される。多孔質材料の下面はボックス部下方の空間に接する。多孔質材料に受容された液体は、ボックス部下方の空間に滴下し、空間の下部に連通された排出部から排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-167655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液体吐出装置の使用状況に応じて、液体受容装置が吸収部材で受容する液体の量は変化する。特許文献1に記載された液体受容装置においては、吸収部材に受容される液体の量が多いときは、吸収部材が液体を吸収して下方の空間に液体を滴下させる速度が、吸収部材が液体を受容する速度に追いつかず、吸収部材上に吐出された液体が吸収部材上に溜まる場合がある。これにより、液体受容部の開口部から液体が溢れ出る虞がある。また、吸収部材に受容される液体の量が少ないときは、吸収部材が吸収した液体が乾いて増粘または固化する場合がある。これにより、受容した液体の吸収部材内部への吸収が妨げられて、吸収部材の受容面に液体の固化物が堆積し、ノズル面を汚す虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する液体受容装置は、液体吐出部から吐出された液体を開口部から受容可能な液体受容部と、前記液体受容部内の液体を排出可能な第1排出流路と、前記液体受容部内の液体を排出可能な第2排出流路と、を備え、前記液体受容部は、前記液体受容部内に設けられ、液体を吸収可能な吸収部材と、前記液体受容部内に開口する第1排出口を有し、前記第1排出流路と連通する第1連通部と、前記液体受容部内に開口する第2排出口を有し、前記第2排出流路と連通する第2連通部と、を有し、前記第1連通部は、前記第1排出口が前記吸収部材と接する位置に設けられ、前記第2連通部は、前記第2排出口が前記吸収部材と接しない位置に設けられる。
【0006】
上記課題を解決する液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出部と、上記の液体受容装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1~第3実施形態における液体吐出装置を示す斜視図。
図2図1の液体吐出装置のメンテナンスユニットを示す模式平面図。
図3図2における液体受容装置が有する液体受容部を示す斜視図。
図4図3の液体受容部が有するボックス部を示す斜視図。
図5図3の液体受容部が有する吸収部材を示す斜視図。
図6図3の液体受容部が有する規制部材を示す斜視図。
図7図3の液体受容部の側断面図。
図8図7における第1連通部周辺の側断面図。
図9図7における第2連通部周辺の側断面図。
図10】液体収容部内に水が供給されたときの図3の液体受容部の側断面図。
図11図2における液体受容装置が有する駆動機構を示す斜視図。
図12図2における液体受容装置が有する昇降機構を示す側断面図。
図13】第1実施形態の液体受容装置が有する流路構成を示す模式図。
図14】液体供給部を示す模式図。
図15図14において液体供給部が水を供給するときの模式図。
図16図14において液体収容部内に水が供給されたときの模式図。
図17図3の液体受容部の重量変化の一例を示すグラフ。
図18】第2実施形態の液体受容装置が有する流路構成を示す模式図。
図19】第3実施形態の液体受容装置が有する流路構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、液体受容装置および液体吐出装置の第1~第3実施形態について図を参照しながら説明する。液体吐出装置は、例えば、用紙等の媒体に液体の一例であるレジンインクと反応液とを吐出して印刷するインクジェット式のプリンターである。
【0009】
図面では、液体吐出装置11が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。以下の説明では、X軸に沿う方向を幅方向X、Y軸に沿う方向を奥行方向Y、Z軸に沿う方向を鉛直方向Zともいう。
【0010】
(第1実施形態)
<液体吐出装置の構成について>
図1に示すように、液体吐出装置11は、一対の脚部12と、脚部12上に組み付けられる筐体13と、を備えてもよい。液体吐出装置11は、ロール状に巻き重ねた媒体14を巻き解いて繰り出す繰出部15と、筐体13から排出される媒体14を案内する案内部16と、媒体14を巻き取って回収する回収部17と、を備えてもよい。液体吐出装置11は、回収部17に回収される媒体14にテンションを付与するテンション付与機構18を備えてもよい。
【0011】
液体吐出装置11は、液体を吐出可能な液体吐出部20と、液体吐出部20を移動させるキャリッジ21と、液体吐出部20のメンテナンスを行うメンテナンスユニット22と、を備える。液体吐出装置11は、液体吐出部20に液体を供給する液体供給装置23と、ユーザーによって操作される操作パネル24と、を備える。キャリッジ21は、液体吐出部20をX軸に沿って往復移動させる。液体吐出部20は移動しながら、液体供給装置23を通じて供給された液体を吐出し、媒体14に印刷する。
【0012】
液体供給装置23は、液体を収容する複数の液体収容体25が着脱可能に装着される装着部26と、装着部26に装着させる液体収容体25から液体吐出部20に液体を供給する液体供給流路27と、を備える。
【0013】
液体吐出装置11は、液体吐出装置11の動作を制御する制御部29を備える。制御部29は、例えばCPU、メモリーなどを含んで構成される。制御部29は、メモリーに記憶されるプログラムをCPUが実行することにより、液体吐出部20、液体供給装置23、およびメンテナンスユニット22などの液体吐出装置11の構成要素を制御する。
【0014】
<メンテナンスユニットの構成について>
図2に示すように、メンテナンスユニット22は、幅方向Xに並ぶ液体受容装置42、液体収集装置43、吸引装置44、およびキャッピング装置45を有する。キャッピング装置45の上方は、液体吐出部20のホームポジションHPとなる。ホームポジションHPは、液体吐出部20の移動の基準位置となる。液体収集装置43の上方は、液体吐出部20のクリーニング位置CPとなる。図2において、クリーニング位置CPに位置する液体吐出部20を二点鎖線で示す。
【0015】
液体吐出部20には、液体を吐出するノズル36の開口が一方向に一定の間隔で多数並ぶ。複数のノズル36はノズル列を構成する。ノズル36の開口は、奥行方向Yに並び、第1ノズル列N1~第12ノズル列N12を構成する。1つのノズル列を構成するノズル36は、同じ種類の液体を吐出する。1つのノズル列を構成するノズル36のうち、奥行方向Yにおける奥に位置するノズル36と、奥行方向Yにおける前に位置するノズル36は、幅方向Xに位置をずらして形成されている。
【0016】
第1ノズル列N1~第12ノズル列N12は、2列ずつ幅方向Xに接近して並ぶ。互いに接近して並ぶ2つのノズル列をノズル群という。液体吐出部20には、第1ノズル群G1~第6ノズル群G6が幅方向Xに一定の間隔で配置される。
【0017】
第1ノズル群G1は、マゼンタインクを吐出する第1ノズル列N1と、イエローインクを吐出する第2ノズル列N2とを含む。第2ノズル群G2は、シアンインクを吐出する第3ノズル列N3と、ブラックインクを吐出する第4ノズル列N4とを含む。第3ノズル群G3は、ライトシアンインクを吐出する第5ノズル列N5と、ライトマゼンタインクを吐出する第6ノズル列N6とを含む。第4ノズル群G4は、反応液を吐出する第7ノズル列N7および第8ノズル列N8を含む。第5ノズル群G5は、ブラックインクを吐出する第9ノズル列N9と、シアンインクを吐出する第10ノズル列N10とを含む。第6ノズル群G6は、イエローインクを吐出する第11ノズル列N11と、マゼンタインクを吐出する第12ノズル列N12とを含む。マゼンタインク、イエローインク、シアンインク、ブラックインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインクの6種類のインクをレジンインクという。すなわち、本実施形態における液体吐出部20から吐出される液体は、レジンインクと反応液である。
【0018】
液体吐出部20が反応液を吐出して媒体14上に反応液層を形成し、その反応液層の上に液体吐出部20がレジンインクを吐出して、媒体14上に印刷画像を形成する。反応液は、レジンインクが含む色材と凝集反応可能な凝集剤を含むため、印刷後の乾燥時間が長くなることを抑制できる。なお、液体吐出部20は、媒体14上にレジンインクを吐出して印刷画像を形成した上に、反応液を吐出してもよい。
【0019】
液体受容装置42は、フラッシングにより液体吐出部20から吐出された液体を液体受容部47の開口部75で受容する。すなわち、液体受容装置42は、液体吐出部20から吐出された液体を液体受容部47の開口部75から受容可能に構成される。フラッシングとは、ノズル36の目詰まりを予防および解消する目的で、液体を廃液として吐出するメンテナンスである。
【0020】
液体受容装置42は、液体吐出部20がフラッシングにより吐出された液体を受容する2つの液体受容部47と、液体受容部47の開口部75を覆うための2つのカバー48と、2つのカバー48を移動させるカバー用モーター49と、を備える。液体受容部47は、第1液体受容部47fと、第2液体受容部47sと、で構成される。第1液体受容部47fは、第1の液体Lfを受容し、第2液体受容部47sは、第2の液体Lsを受容する。カバー48は、第1カバー48fと第2カバー48sと、で構成される。第1カバー4
8fは、第1液体受容部47fの開口部75を覆うように構成され、第2カバー48sは、第2液体受容部47sの開口部75を覆うように構成される。
【0021】
本実施形態においては、レジンインクと反応液とは、同じ液体受容部47で受容されると、凝集反応により固化するため、制御部29は、液体の種類によって液体受容部47を選択する。第1の液体Lfは6種類のレジンインクであり、第2の液体Lsは反応液である。すなわち、第1液体受容部47fは、液体吐出部20からフラッシングにより吐出されるレジンインクを受容し、第2液体受容部47sは、液体吐出部20からフラッシングにより吐出される反応液を受容する。なお、レジンインクの種類の数は限定しない。4種類であってもよいし、1種類だけであってもよい。また、反応液の種類の数も限定しない。本実施形態のように1種類であってもよいし、使用されるレジンインクによって適した複数の種類の反応液が使用されてもよい。
【0022】
複数の液体が使用される液体吐出装置11において、ある液体に含まれる成分の再利用や廃棄のために、その液体だけが異なる液体受容部47で受容されて、その他の液体が回収される場所とは別の場所に回収されるようにしてもよい。そのような場合にも、制御部29は、液体の種類によって液体受容部47を選択する。すなわち、第1液体受容部47fは、別の場所に回収される第1の液体Lfを受容し、第2液体受容部47sは、その他の液体である第2の液体Lsを受容する。
【0023】
カバー用モーター49の駆動により、液体受容部47の開口部75を露出させる図2に示す開位置と、液体受容部47の開口部75を覆う不図示の閉位置と、の間で、2つのカバー48を同時に移動可能に構成される。フラッシングを行わない時には、2つのカバー48が閉位置に移動することにより、2つの液体受容部47が受容した液体や収容する水の乾燥を抑制する。このように、カバー用モーター49の駆動により2つのカバー48を開閉させる駆動機構の詳細については後述する。
【0024】
吸引装置44は、吸引キャップ51と、吸引用保持体52と、吸引用保持体52をZ軸に沿って往復移動させる吸引用モーター53と、吸引キャップ51内を減圧する減圧機構54と、を備える。吸引用モーター53は、吸引キャップ51を接触位置と退避位置との間で移動させる。接触位置は、吸引キャップ51が液体吐出部20に接触してノズル36を囲む位置である。退避位置は、吸引キャップ51が液体吐出部20から離れる位置である。吸引キャップ51は、全てのノズル36をまとめて囲む構成としてもよいし、少なくとも1つのノズル群を囲む構成としてもよいし、ノズル群を構成するノズル36のうち一部のノズル36を囲む構成としてもよい。本実施形態の吸引装置44は、2つの吸引キャップ51により第1ノズル群G1~第6ノズル群G6のうち1つのノズル群を囲む。
【0025】
液体吐出装置11は、液体吐出部20を吸引装置44の上方に位置させると共に、吸引キャップ51を接触位置に位置させて1つのノズル群を囲み、吸引キャップ51内を減圧してノズル36から液体を排出させる吸引クリーニングを行ってもよい。すなわち、吸引装置44は、吸引クリーニングにより排出される液体を受容してもよい。
【0026】
キャッピング装置45は、放置キャップ56と、放置用保持体57と、放置用保持体57をZ軸に沿って往復移動させる放置用モーター58と、を有する。放置用モーター58の駆動により放置用保持体57および放置キャップ56が上方もしくは下方に移動する。放置キャップ56は、下方の位置である離隔位置から上方の位置であるキャッピング位置に移動し、ホームポジションHPで停止している液体吐出部20に接触する。
【0027】
キャッピング位置に位置する放置キャップ56は、第1ノズル群G1~第6ノズル群G6を構成するノズル36の開口を囲う。このように、放置キャップ56がノズル36の開
口を囲うメンテナンスを放置キャッピングという。放置キャッピングは、キャッピングの一種である。放置キャッピングにより、ノズル36の乾燥が抑制される。
【0028】
放置キャップ56は、全てのノズル36をまとめて囲む構成としてもよいし、少なくとも1つのノズル群を囲む構成としてもよいし、ノズル群を構成するノズル36のうち一部のノズル36を囲む構成としてもよい。
【0029】
液体収集装置43は、液体を吸収可能な帯状部材60を備える。液体収集装置43は、帯状部材60を収容するケース61と、Y軸に沿って延びる一対のレール62と、払拭用モーター63と、巻取用モーター64と、巻取用モーター64の動力を伝達する動力伝達機構65と、を備えてもよい。
【0030】
ケース61は、払拭用モーター63の動力によりレール62上をY軸に沿って往復移動する。具体的には、ケース61は、不図示の待機位置と、図2に示す受容位置と、の間で移動する。払拭用モーター63が正転駆動すると、待機位置に位置するケース61は、Y軸に平行な第1払拭方向W1に移動して受容位置に向かう。払拭用モーター63が逆転駆動すると、受容位置に位置するケース61は、第1払拭方向W1とは反対の第2払拭方向W2に移動して待機位置に向かう。
【0031】
液体吐出装置11は、ケース61が待機位置から受容位置に移動する過程と、ケース61が受容位置から待機位置に移動する過程と、のうち少なくとも一方の過程で液体吐出部20をワイピングしてもよい。ワイピングとは、帯状部材60によって液体吐出部20のノズル面を払拭するメンテナンスである。
【0032】
<液体受容部の構成について>
図3に示すように、液体受容部47は高さの低い略直方体形状を呈する。液体受容部47は、ボックス部70と、吸収部材76と、規制部材77と、を有する。ボックス部70の略長方形状の上面には、変形部70aが枠状に形成される。液体受容部47は、変形部70aの枠で囲まれる開口部75を有し、開口部75には、吸収部材76と、吸収部材76の位置を規制する規制部材77と、が配置される。液体受容部47は、鉛直方向Zにおいて下側から順に、ボックス部70、吸収部材76、規制部材77が積み重なる構成を有する。液体吐出部20がフラッシングで吐出した液体は、開口部75で受容され、開口部75に配置された吸収部材76によって吸収される。
【0033】
変形部70aに用いられる材料は、例えば、ゴム材料やエラストマー等の可撓性を有する材料であるため、弾性変形が可能である。液体受容部47内に収容する液体の乾燥を抑制するために、後述する駆動機構によって図2に示すカバー48が閉位置に移動したときに、液体受容部47は上昇して、変形部70aをカバー48に押し付ける。そして、変形部70aが弾性変形することにより、変形部70aがカバー48に密着する。
【0034】
変形部70aがカバー48に密着したときに、吸収部材76内に吸収されている液体が、毛細管力により開口部75の内側面を上昇することを抑制するために、変形部70aは、表面に撥水処理が施される。例えば、変形部70aの材料は、液体吐出部20から吐出された液体をはじく撥水エラストマー材であってもよい。
【0035】
図4に示すように、ボックス部70は、開口部75の長手方向の一端側の中央に第1排出口71aを、開口部75の長手方向の他端側の中央に第2排出口72aを有する。すなわち、第1排出口71aは、液体受容部47の長手方向における一端側に設けられ、第2排出口72aは、液体受容部47の長手方向における他端側に設けられる。また、ボックス部70は、開口部75内の底部75aの略中央に、液体供給口73aを有する。第1排
出口71aと、第2排出口72aと、液体供給口73aとは、液体受容部47内に開口する。
【0036】
ボックス部70は、略直方体形状の長手方向の一端側の中央に第1連通部71を、略直方体形状の長手方向の他端側の中央に第2連通部72を有する。液体受容部47内から液体を排出する流路を接続するために、第1連通部71と第2連通部72とは管形状を有する。第1連通部71は第1排出口71aと連通し、第2連通部72は第2排出口72aと連通する。
【0037】
第2排出口72aの周囲には、第2排出口72aを囲うように、2つの凸部としての柵柱74eが設けられる。凸部としての柵柱74eは、配置された吸収部材76が第2排出口72aの方向に移動または体積が増すように変位したときに、吸収部材76の端部と係止する位置に配置される。これにより、凸部としての柵柱74eは、吸収部材76と第2排出口72aとが接することを抑制するとともに、吸収部材76によって第2排出口72aが閉塞されることを抑制する。
【0038】
液体受容部47の開口部75において、ボックス部70は、開口部75の底部75aに、吸収部材76を支える複数の座柱74aと、位置決め係合部74c,74dを有する。座柱74aは、開口部75に配置される吸収部材76が液体を吸収したときに、液体を吸収した部分が、その液体の重みで鉛直方向Zに撓まないように、吸収部材76の下面76eを支える平面をその上面に有する。座柱74aは底部75aの複数箇所に配置される。これにより、複数の座柱74aは吸収部材76の鉛直方向Zにおける下方への移動を規制する。
【0039】
位置決め係合部74c,74dは、吸収部材76と係合し、吸収部材76のXY平面における位置を規制する。また、ボックス部70は、開口部75の内側部75bを構成する長手方向の2つの面に、各々2つの係合部74bを有する。係合部74bは凸形状を有し、規制部材77と係合する。
【0040】
図5に示すように、吸収部材76は、XY平面に広がる略長方形の上面としての受容面76aを有し、薄板状に形成される。受容面76aは、吸収部材76において、液体を受容する面である。吸収部材76における受容面76aの長手方向の一端側の中央には、切欠き部76bが設けられる。図3に示す液体受容部47の状態において、吸収部材76は、ボックス部70が有する第2排出口72aと、第2排出口72aの周囲に設けられた2つの凸部としての柵柱74eと、を切欠き部76bから上方に向けて露出させる。さらに、吸収部材76は、受容面76aの反対側の面である下面76eと、吸収部材76の周囲を形成する面である複数の側面76fと、を有する。
【0041】
吸収部材76は、位置決め被係合部76c,76dを有する。位置決め被係合部76cは、ボックス部70の位置決め係合部74cと係合され、位置決め被係合部76dは、ボックス部70の位置決め係合部74dと係合されることにより、吸収部材76において、ボックス部70に対してのXY平面に対する位置が保持される。
【0042】
吸収部材76は、液体受容部47内に設けられ、液体を吸収可能に構成される。そのため、吸収部材76は、液体を吸収することによって、その体積が増すように変位すること、すなわち膨潤することがある。
【0043】
図6に示すように、規制部材77は、吸収部材76が有する受容面76aの鉛直方向Zにおける上方への移動を規制するための規制面77aを有する。規制部材77は、規制面77aにおいて、長手方向に延びる2つの端部が下方側に曲げられていることにより、規
制面77aの平面性と強度とを確保する。規制部材77に用いられる材料は、例えば、ステンレス材等の金属の薄板である。
【0044】
規制部材77は、吸収部材76の受容面76aを広く露出させつつ、その受容面76aと液体吐出部20のノズル面との距離を一定にするために、吸収部材76の受容面76aの周囲を、規制面77aで所定の位置に規制する。
【0045】
規制部材77は、下方側に曲げられた長手方向に延びる2つの端部に、各々2つの被係合部77bが設けられる。それぞれの被係合部77bが、ボックス部70のそれぞれ対応する係合部74bと係合することにより、規制部材77がボックス部70に対して固定される。
【0046】
図7に示すように、液体受容部47は、ボックス部70の外側かつ液体供給口73aに対応する位置に、その液体供給口73aを通じて液体受容部47の内部と連通する第3連通部73を有する。液体受容部47内に水を含む液体を供給する液体供給流路91を接続するために、第3連通部73は管形状を有する。第3連通部73には、液体供給流路91が接続される。例えば、液体供給流路91はチューブである。これにより、液体受容部47と液体供給流路91とが連通し、液体供給流路91が液体受容部47内に水を含む液体を供給可能に構成される。
【0047】
液体受容部47内に供給される水を含む液体は、吸収部材76に吸収された液体を加湿するための液体である。また、液体受容部47内に供給される水を含む液体は、液面が吸収部材76と接触して、吸収部材76が水を含む液体に浸されることにより、吸収部材76に吸収された液体を、水を含む液体内に流出させるための液体でもある。水を含む液体は、純水と少量の防腐剤を含む液体である。なお、第1液体受容部47f内には、水を含む液体ではなく、液体吐出部20から吐出されるレジンインクを溜めるようにしてもよい。これにより、吸収部材76が液体受容部47内に溜められたレジンインクまたはそのレジンインクから蒸発する水分を吸収することにより、吸収部材76内の水分が少なくなったレジンインクを加湿することができる。
【0048】
前述したように、底部75aの複数箇所に配置される柱状を呈する座柱74aは、吸収部材76の下面76eの複数箇所を支える。これにより、吸収部材76の下面76eと、開口部75内の底部75aとの間に、空間78が形成される。すなわち、液体受容部47は、吸収部材76の下方に空間78を有する。そして、液体受容部47は、開口部75内の底部75aに開口する液体供給口73aより液体受容部47内に水を含む液体が供給されるにつれて、吸収部材76が下面76e側より浸されていく。
【0049】
液体受容装置42は、液体受容部47内の液体を排出する第1排出流路81を有する。液体受容部47内に開口する第1排出口71aを有する第1連通部71には、第1排出流路81が接続される。例えば、第1排出流路81はチューブである。これにより、液体受容部47の内部と第1排出流路81とが連通し、第1排出流路81が液体受容部47内の液体を排出可能に構成される。
【0050】
液体受容装置42は、液体受容部47内の液体を排出する第2排出流路82を有する。液体受容部47内に開口する第2排出口72aを有する第2連通部72には、第2排出流路82が接続される。例えば、第2排出流路82はチューブである。これにより、液体受容部47の内部と第2排出流路82とが連通し、第2排出流路82が液体受容部47内の液体を排出可能に構成される。
【0051】
図8に示すように、第1連通部71は、第1排出口71aが吸収部材76と接する位置
に設けられる。なお、第1排出口71aが吸収部材76と接するとは、第1排出口71aから吸収部材76に吸収されている液体を吸引可能な位置に、第1排出口71aが設けられることをいう。
【0052】
本実施形態においては、第1排出口71aが吸収部材76の下面76eと接する位置に設けられる。より詳しくは、第1連通部71における第1排出口71aの周囲の部分である孔縁部71bが吸収部材76の下面76eに接する。これにより、液体受容装置42は、第1連通部71内が、後述する廃液回収部80が有する吸引ポンプによって吸引されたときに、吸収部材76に吸収されている液体が、吸引されて第1排出流路81から廃液回収部80側に排出可能に構成される。
【0053】
孔縁部71bの全体が、吸収部材76に接していなくても、孔縁部71bの一部が吸収部材76に接していてもよい。また、吸収部材76に吸収されている液体が吸引されていないときに、孔縁部71bが吸収部材76の下面76eに接しておらず、孔縁部71bが吸収部材76の下面76eに非常に近い位置にあって、吸収部材76が吸引されるときに、吸収部材76が孔縁部71bに引き寄せられて、孔縁部71bが吸収部材76に接するような場合も接すると同義とする。また、孔縁部71bの外側が、吸収部材76に接していてもよい。吸収部材76に吸収されている液体が吸引されて、吸収部材76に吸収されている液体の量が少なくなればよい。
【0054】
第1排出口71aは、吸収部材76の側面76fと接する位置に設けられてもよいし、吸収部材76の受容面76aと接する位置に設けられてもよい。すなわち、下面76e以外の吸収部材76が有する面と接する位置に設けられてもよい。このとき、第1排出口71aが開口する方向は、上方でなくてもよい。すなわち、第1排出口71aが開口する方向は、XY平面が直交する方向でなくてもよい。吸収部材76が有する面に合わせて、第1排出口71aが吸収部材76と接する位置に設けられればよい。また、吸収部材76の下面76eが、XY平面に対して傾いた状態で配置されるときも、吸収部材76の下面76eに合わせて、第1排出口71aが吸収部材76と接する位置に設けられればよい。
【0055】
いずれの位置に第1排出口71aが設けられたときも、第1排出口71aが吸収部材76と接する位置に設けられていれば、液体受容装置42は、吸収部材76に吸収されている液体を、第1排出流路81から廃液回収部80側に排出することができる。吸収部材76に吸収された液体は、重力により吸収部材76の下面76eに集まる傾向にあるため、第1排出口71aは、吸収部材76の下面76eと接する位置に設けられることが望ましい。
【0056】
図9に示すように、第2連通部72は、第2排出口72aが吸収部材76と接しない位置に設けられる。なお、第2排出口72aが吸収部材76と接しないとは、第2排出口72aから吸収部材76に吸収されている液体を吸引できない位置に、第2排出口72aが設けられることをいう。凸部としての柵柱74eは、第2排出口72aが吸収部材76と接することを抑制する。これにより、第2連通部72内が吸引部85によって吸引されたときに、吸収部材76に吸収されている液体が吸引されて第2排出流路82から廃液回収部80側に排出されることを抑制できる。換言すれば、液体受容装置42は、液体受容部47内の液体のうち、吸収部材76に吸収されている液体を除き、第2排出口72aよりも上側にある液体が、第2排出口72aから吸引されて第2排出流路82から廃液回収部80側に排出することができる。すなわち、液体受容装置42は、液体受容部47内を液体が満たしているときに、吸収部材76に吸収されている液体を排出することなく、液体受容部47内を満たしている液体を排出することができる。これにより、液体受容部47内を満たしている液体の液面の高さが、第2排出口72aの高さとほぼ同じ高さになる。より詳しくは、液体受容部47内を満たしている液体の液面の高さが、第2排出口72a
の孔縁部72bの下限の高さとほぼ同じ高さになる。
【0057】
第2排出口72aが開口する方向は、XY平面に直交する方向であってもよいし、XY平面が広がる方向であってもよい。第2排出口72aは、XY平面に対して傾いた状態で開口してもよい。第2連通部72は、第2排出口72aが吸収部材76と接しない位置に設けられればよい。本実施形態においては、前述したように、第2排出口72aは、吸収部材76の切欠き部76bから上方に向けて露出されるため、吸収部材76と接しない位置に設けられる。
【0058】
図10に示すように、吸収部材76は、液体受容部47内を満たす液体が第2排出口72aから排出されたときに液体受容部47内に残る液体の液面と重なる位置に設けられる。第2排出口72aは、鉛直方向Zにおいて、吸収部材76の上面としての受容面76aと下面76eとの間に設けられてもよい。液体供給口73aより液体受容部47内に水を含む液体Lwが供給されるにつれて、液体受容部47内を空間78の下方側より水を含む液体Lwが満たしていき、吸収部材76が下面76e側より水を含む液体Lwに浸されていく。吸収部材76が十分に水を含む液体Lwに浸ったところで、液体供給口73aからの水を含む液体Lwの供給が停止される。そして、吸収部材76に吸収された液体のうち水を含む液体Lw内へ流出可能な液体の流出が終了したタイミングで、第2連通部72内が吸引部85によって吸引されたときに、第2排出口72aよりも上側にある液体が、第2排出口72aから吸引されて排出される。水を含む液体Lw内へ流出可能な液体とは、例えば、増粘していないレジンインクや、固化しても水に再溶解する反応液である。なお、例えば、増粘が進行または固化したレジンインクは、水を含む液体Lw内へ流出することができなくなる。
【0059】
本実施形態においては、第2排出口72aから液体が排出されたときに、吸収部材76が、その体積の略20%が水を含む液体Lwに浸った状態であり、かつその下面76eの全面が水を含む液体Lwに浸った状態になる。第2排出口72aから液体が排出されたときに、吸収部材76がそのような状態になる高さに、第2排出口72aが設けられる。吸収部材76は、吸収部材76の全てが水を含む液体Lwに浸った状態であってもよいし、吸収部材76の下面76eの一部が水を含む液体Lwに浸った状態であってもよい。また、吸収部材76が下面76eに凸部を有し、その凸部のみが水を含む液体Lwに浸った状態であってもよい。すなわち、吸収部材76が少しでも水を含む液体Lwに浸っていれば、水を含む液体Lwに浸っている部分から吸収部材76が継続的に水を含む液体Lwを吸収する。また、水を含む液体Lwに浸っている部分から水を含む液体Lw内に継続的に吸収部材76内の液体が流出する。本実施形態においては、第1排出口71aは、吸収部材76の下面76eと接する位置に設けられ、第2排出口72aは第1排出口71aよりも高い位置に設けられる。これにより、第2排出口72aから液体が排出されたときに、吸収部材76の下面76eが水を含む液体Lwに浸った状態になる。
【0060】
第2排出口72aから液体が排出されたときに、吸収部材76が全く水を含む液体Lwに浸っておらず、空間78内に水を含む液体Lwが残るようにしてもよい。空間78内に少しでも水を含む液体Lwが残っていれば、その水を含む液体Lwから蒸発する水分によって、空間78の上方に位置する吸収部材76が継続的に加湿される。
【0061】
<カバーを開閉させる駆動機構について>
図11に示すように、液体受容装置42は、第1カバー48fおよび第2カバー48sを同時に移動可能な1つの駆動機構30を備える。本実施形態における駆動機構30は、ラック・アンド・ピニオンによる機構である。駆動機構30は、カバー用モーター49と、ギア列30aと、2つのピニオンギア31f,31sと、ピニオン軸32と、2つのラックギア33f,33sとで構成される。
【0062】
ラックギア33fは第1カバー48fと一体成型され、ラックギア33sは第2カバー48sと一体成型される。なお、ラックギア33f,33sは、それぞれが単体の部品として構成されて、それぞれが、第1カバー48f、第2カバー48sのそれぞれに固定されてもよい。
【0063】
カバー用モーター49の回転軸が回転すると、その回転がギア列30aによって減速されて、ピニオンギア31fが回転する。2つのピニオンギア31f,31sは、共通のピニオン軸32に固定されているため、一方のピニオンギア31fが回転すると、もう一方のピニオンギア31sも同期して回転する。ピニオンギア31fが回転することにより、ピニオンギア31fと噛み合うラックギア33fが直線運動するため、ラックギア33fと一体の第1カバー48fが移動する。また、ピニオンギア31sが回転することにより、ピニオンギア31sと噛み合うラックギア33sが直線運動するため、ラックギア33sと一体の第2カバー48sが移動する。これにより、駆動機構30は、ラックギア33fを有する第1カバー48fと、ラックギア33sを有する第2カバー48sと、のそれぞれを移動させる。
【0064】
第1液体受容部47fの第1カバー48fが開口部75を露出させる図11の二点鎖線で示す開位置に位置するとき、第2液体受容部47sの第2カバー48sが開口部75を露出させる図11の実線で示す開位置に位置する。カバー用モーター49が回転を開始すると、第1カバー48fと、第2カバー48sとは、閉方向D1に同時に移動する。そして、第1液体受容部47fの第1カバー48fが開口部75を覆う図11の実線で示す閉位置に移動したときに、カバー用モーター49が回転を停止する。一方のピニオンギア31fが回転すると、もう一方のピニオンギア31sも同期して回転するため、このとき、第2液体受容部47sの第2カバー48sも開口部75を覆う図11の二点鎖線で示す閉位置に位置する。すなわち、液体受容装置42は、1つの駆動機構30により、液体受容部47の開口部75を露出させる開位置と、液体受容部47の開口部75を覆う閉位置と、の間で、2つのカバー48を同時に移動可能に構成される。
【0065】
図12に示すように、液体受容装置42は、液体受容部47を昇降可能な昇降機構46を備える。本実施形態における昇降機構46は、リンクを平行四辺形に構成する平行リンク機構である。これにより、昇降機構46は液体受容部47を平行移動させる。図12に示す昇降機構46は、図11に示す駆動機構30の動作に連動する。
【0066】
液体受容装置42は、2つのリンク46aを介して液体受容部47を保持するベース部34を有する。昇降機構46を構成する同形状の2つのリンク46aは、一端をベース部34に対して回動可能に接続され、他端を液体受容部47のボックス部70に対して回動可能に接続される。なお、2つのリンク46aが平行になるように、昇降機構46が構成される。これにより、2つのリンク46aと、ベース部34と、ボックス部70とにより平行四辺形が構成されて、ボックス部70がXY平面に対してその傾きを変えることなく、ボックス部70がベース部34に対して昇降可能に構成される。
【0067】
カバー48が液体受容部47の開口部75を露出させる図12に示す開位置にあるとき、図11に示す駆動機構30の動作が開始されて、カバー48が閉方向D1に移動する。カバー48の閉方向D1への移動に伴い、カバー48がボックス部70の一部を押し下げると、昇降機構46により、液体受容部47がその傾きを変えることなく下方かつ右方に移動する。すなわち、液体受容部47が、下降方向D3と開方向D2との間の方向に、図12に示す実線の位置から図12に示す二点鎖線の位置まで平行移動する。これにより、液体受容部47の開口部75の周囲に枠状に形成される変形部70aの高さがカバー48の裏面48aの高さよりも低くなるため、カバー48は変形部70aに接触することなく
、開口部75の上方まで移動が可能になる。
【0068】
カバー48が閉方向D1に移動して、開口部75の上方に到達するときに、カバー48の閉方向D1への移動に伴い、カバー48によるボックス部70の押し下げが解除されて、昇降機構46により、液体受容部47がその傾きを変えることなく左上方に移動する。すなわち、液体受容部47が、上昇方向D4と閉方向D1の間の方向に、図12に示す二点鎖線の位置から、図12に示す実線の位置まで平行移動する。これにより、液体受容部47の開口部75の周囲に枠状に形成される変形部70aがカバー48の裏面48aに押し付けられる。このとき、変形部70aが弾性変形することにより、変形部70aとカバー48の裏面48aとが密着する。すなわち、第1液体受容部47fおよび第2液体受容部47sはそれぞれ、第1カバー48fおよび第2カバー48sと接触可能であるとともに、弾性変形可能な変形部70aを、開口部75を囲む状態に有する。これにより、液体受容部47が収容する液体の乾燥を抑制する。
【0069】
例えば、カバー48が板カムを有し、ボックス部70がフォロワーローラーを有し、板カムのプロファイルに応じて、板カムがフォロワーローラーを押し下げる。これにより、液体受容装置42は、カバー48がボックス部70の一部を押し下げる動作と、その押し下げを解除する動作とが、駆動機構30の動作と連動可能に構成される。
【0070】
カバー48が液体受容部47の開口部75を覆う不図示の閉位置にあるとき、図11に示す駆動機構30の動作が開始されて、カバー48が開方向D2に移動する。カバー48の開方向D2への移動に伴い、カバー48がボックス部70の一部を押し下げると、昇降機構46により、液体受容部47が、下降方向D3と開方向D2の間の方向に、平行移動する。これにより、カバー48が開方向D2に移動しながら、液体受容部47を下降方向D3に移動させることが可能に構成される。
【0071】
さらにカバー48が開方向D2に移動して、開口部75を露出させるときに、カバー48の開方向D2への移動に伴い、カバー48によるボックス部70の押し下げが解除されるため、昇降機構46により、液体受容部47が、上昇方向D4と閉方向D1との間の方向に、平行移動する。
【0072】
<廃液回収部について>
図13に示すように、液体受容装置42は、液体受容部47に水を含む液体Lwを供給する液体供給部90と、液体受容部47が開口部75から受容した液体を回収する廃液回収部80とを備える。本実施形態においては、液体受容装置42は、第1の液体Lfを受容可能に構成される第1液体受容部47fと、第2の液体Lsを受容可能に構成される第2液体受容部47sと、を有する。そして、液体供給部90は、第1液体受容部47fと第2液体受容部47sとに水を含む液体Lwを供給し、廃液回収部80は、第1液体受容部47fから第1の液体Lfを、第2液体受容部47sから第2の液体Lsを回収する。
【0073】
廃液回収部80は、第1排出流路81、第2排出流路82、廃液タンク83、回収流路84、吸引部85、流路切替部86を備える。第1排出流路81は、第1排出流路81fと第1排出流路81sとで構成され、第2排出流路82は、第2排出流路82fと第2排出流路82sとで構成される。第1排出流路81fは、第1液体受容部47fが有する第1排出口71aを通じて、第1液体受容部47fに連通する。第1排出流路81sは、第2液体受容部47sが有する第1排出口71aを通じて、第2液体受容部47sに連通する。第2排出流路82fは、第1液体受容部47fが有する第2排出口72aを通じて、第1液体受容部47fに連通する。第2排出流路82sは、第2液体受容部47sが有する第2排出口72aを通じて、第2液体受容部47sに連通する。
【0074】
廃液タンク83は、液体受容部47から回収された液体を収容する。より詳しくは、第1液体受容部47fが受容した第1の液体Lfの一例であるレジンインクは廃液タンク83fに収容され、第2液体受容部47sが受容した第2の液体Lsの一例である反応液は廃液タンク83fに収容される。
【0075】
液体供給部90が供給する水を含む液体Lwは、第1液体受容部47f内に供給されて、第1の液体Lfと混合される。液体吐出部20から吐出される第1の液体Lfの一例であるレジンインクは水を含む液体Lwを含む。そのため、レジンインクと水を含む液体Lwとの混合液もレジンインクであり、廃液タンク83fに収容されるレジンインクは、水分が少なくなったレジンインク、あるいは水を含む液体Lwを多く含むレジンインクである。すなわち、第1の液体Lfと水を含む液体Lwとの混合液も第1の液体Lfという。なお、吸収部材76内のレジンインクが増粘して水を含む液体Lw内に流出できないときは、水を含む液体Lwそのものが収容されるときもある。
【0076】
液体供給部90が供給する水を含む液体Lwは、第2液体受容部47s内に供給されて、第2の液体Lsと混合される。液体吐出部20から吐出される第2の液体Lsの一例である反応液は水を含む液体Lwを含む。そのため、反応液と水を含む液体Lwとの混合液も反応液であり、廃液タンク83sに収容される反応液は、水分が少なくなった反応液や、水を含む液体Lwに少量の反応液が溶解した反応液であり、水を含む液体Lwを含む。すなわち、第2の液体Lsと水を含む液体Lwとの混合液も第2の液体Lsという。
【0077】
回収流路84は、液体受容部47から排出された液体を廃液タンク83に収容する流路である。より詳しくは、回収流路84fは、第1液体受容部47fから排出された第1の液体Lfの一例であるレジンインクを廃液タンク83fに収容し、回収流路84sは、第2液体受容部47sから排出された第2の液体Lsの一例である反応液を廃液タンク83sに収容する。なお、第1の液体Lfおよび第2の液体Lsは、液体受容部47から廃液タンク83に向かって流動するため、廃液回収部80において、液体受容部47側を上流、廃液タンク83側を下流という。
【0078】
吸引部85は、回収流路84fを流動する第1の液体Lfと、回収流路84sを流動する第2の液体Lsとを、同時に吸引して、下流側に流動させる。吸引部85は、例えば、チューブポンプである。チューブポンプが2本のチューブを収容することにより、2本のチューブ内に流動する異なる液体が同時に吸引されて流動される。
【0079】
流路切替部86は、第1排出流路81fと、第1排出流路81sと、が吸引部85と連通する状態と、第2排出流路82fと、第2排出流路82sと、が吸引部85と連通する状態と、の間で切替可能である。
【0080】
本実施形態においては、流路切替部86は、カムを駆動させることにより、複数の接続流路を同時に閉塞可能に構成される。流路切替部86は、4つの接続流路を有する。第1の接続流路は、第1排出流路81fと回収流路84fとを接続する。第2の接続流路は、第2排出流路82fと回収流路84fとを接続する。第3の接続流路は、第1排出流路81sと回収流路84sとを接続する。第4の接続流路は、第2排出流路82sと回収流路84sとを接続する。
【0081】
第1液体受容部47fに連通する第1排出流路81fと、第2液体受容部47sに連通する第1排出流路81sと、が吸引部85と連通する状態においては、流路切替部86は、第2の接続流路と第4の接続流路を同時に閉塞させる。これにより、第1排出流路81fが回収流路84fと連通し、第1排出流路81sが回収流路84sと連通する。そして、吸引部85は、第1排出流路81fから第1の液体Lfを吸引して、廃液タンク83f
に収容し、第1排出流路81sから第2の液体Lsを吸引して、廃液タンク83sに収容する。
【0082】
第1液体受容部47fに連通する第2排出流路82fと、第2液体受容部47sに連通する第2排出流路82sと、が吸引部85と連通する状態においては、流路切替部86は、第1の接続流路と第3の接続流路を同時に閉塞させる。これにより、第2排出流路82fが回収流路84fと連通し、第2排出流路82sが回収流路84sと連通する。そして、吸引部85は、第2排出流路82fから第1の液体Lfを吸引して、廃液タンク83fに収容し、第2排出流路82sから第2の液体Lsを吸引して、廃液タンク83sに収容する。
【0083】
廃液回収部80は、流路切替部86の代わりに、第1の切替弁と第2の切替弁とを備えてもよい。第1の切替弁は、回収流路84fと、第1排出流路81fと第2排出流路82fとのいずれかと、を連通する。第2の切替弁は、回収流路84sと、第1排出流路81sと第2排出流路82sとのいずれかと、を連通する。そして、廃液回収部80は、回収流路84fを吸引する第1の吸引部と、回収流路84sを吸引する第2の吸引部と、を備えてもよい。すなわち、廃液回収部80は、第1排出流路81fまたは第2排出流路82fを介して第1液体受容部47f内の液体を吸引する第1の吸引部である吸引部85と、第1排出流路81fおよび第2排出流路82fのうち、第1の吸引部である吸引部85と連通する排出流路を切替可能な第1の切替弁である流路切替部86と、を備えてもよい。そして、廃液回収部80は、第1排出流路81sまたは第2排出流路82sを介して第2液体受容部47s内の液体を吸引する第2の吸引部である吸引部85と、第1排出流路81sおよび第2排出流路82sのうち、第2の吸引部である吸引部85と連通する排出流路を切替可能な第2の切替弁である流路切替部86と、を備えてもよい。
【0084】
<液体供給部について>
図13に示すように、液体供給部90は、液体供給流路91、液体タンク92、液体送出流路93、切替弁94、送出部95を有する。液体供給流路91は、液体供給流路91fと液体供給流路91sとで構成される。液体供給流路91fは、第1液体受容部47fが有する液体供給口73aを通じて、第1液体受容部47fに連通する。液体供給流路91sは、第2液体受容部47sが有する液体供給口73aを通じて、第2液体受容部47sに連通する。
【0085】
液体タンク92は、液体受容部47に供給する水を含む液体Lwを収容する。液体タンク92に貯蔵される水を含む液体Lwは、第1液体受容部47f内の吸収部材76に吸収された第1の液体Lfの一例であるレジンインクから蒸発した水分を補充するための液体である。水を含む液体Lwはレジンインクの蒸発成分であり、レジンインクから蒸発成分が蒸発すると増粘が進行する。また、液体タンク92に貯蔵される水を含む液体Lwは、第2液体受容部47s内の吸収部材76に吸収された第2の液体Lsの一例である反応液を再溶解させるための液体である。水を含む液体Lwは反応液の蒸発成分であり、反応液から蒸発成分が蒸発すると固化が進行する。前述したように、水を含む液体Lwは、純水と少量の防腐剤を含む。なお、液体吐出部20から吐出された液体の蒸発成分が水分ではないときは、液体タンク92は、その蒸発成分を含む液体を収容してもよい。そして、その蒸発成分を含む液体が、液体タンク92から液体受容部47に供給されてもよい。
【0086】
液体送出流路93は、液体タンク92に収容される水を含む液体Lwを液体タンク92から液体受容部47に向けて送出する流路である。なお、水を含む液体Lwは、液体タンク92から液体受容部47に向かって流動するため、液体供給部90において、液体タンク92側を上流、液体受容部47側を下流という。
【0087】
切替弁94は、液体送出流路93と、液体供給流路91fと液体供給流路91sとのいずれかと、を連通する。すなわち、切替弁94は、液体送出流路93の接続先を、液体供給流路91fと液体供給流路91sとの二者択一で切り換える。液体送出流路93の接続先が液体供給流路91fのときは、液体タンク92と第1液体受容部47fとが連通する。液体送出流路93の接続先が液体供給流路91sのときは、液体タンク92と第2液体受容部47sとが連通する。
【0088】
送出部95は、液体送出流路93を通じて、水を含む液体Lwを上流側から下流側へ送出する。送出部95は、例えば、チューブポンプである。液体送出流路93の接続先が液体供給流路91fのときに、送出部95が駆動されると、液体タンク92内の水を含む液体Lwが第1液体受容部47f内に供給される。また、液体送出流路93の接続先が液体供給流路91sのときに、送出部95が駆動されると、液体タンク92内の水を含む液体Lwが第2液体受容部47s内に供給される。
【0089】
液体吐出部20から、図13に示す液体受容部47内に水を含む液体Lwが供給されてもよい。すなわち、液体受容装置42は、図13に示す液体供給部90の代わりに、図14に示す液体供給部90を備えてもよい。このとき、図7に示す第3連通部73と液体供給口73aとはなくてもよい。
【0090】
図14に示すように、液体吐出部20は、水を含む液体Lwを吐出する液体吐出部20wを備える。液体供給部90は、水を含む液体Lwを吐出する液体吐出部20wと、装着部26に装着されて水を含む液体Lwを収容する液体収容体25wと、液体収容体25から液体吐出部20に水を含む液体Lwを供給する液体供給流路27wと、を有する。水を含む液体Lwは、純水と少量の防腐剤で構成される。
【0091】
装着部26には、水を含む液体Lwを収容する液体収容体25wの他に、第1の液体Lfを収容する複数の液体収容体25fと、第2の液体Lsを収容する液体収容体25sと、が装着される。液体供給流路27fによって、複数の液体収容体25fから液体吐出部20に、第1の液体Lfが供給される。液体供給流路27sによって、液体収容体25sから液体吐出部20に、第2の液体Lsが供給される。これにより、液体吐出部20は、第1の液体Lfと、第2の液体Lsと、水を含む液体Lwと、をノズル36から吐出する。
【0092】
第1の液体Lfは4種類のレジンインクであり、第2の液体Lsは反応液である。液体吐出部20が、第1の液体Lfと、第2の液体Lsと、水を含む液体Lwと、を吐出するときも、レジンインクの種類の数は限定しない。6種類であってもよいし、1種類だけであってもよい。また、反応液の種類の数も限定しない。1種類であってもよいし、使用されるレジンインクによって適した複数の種類の反応液が使用されてもよい。
【0093】
図15に示すように、液体受容装置42は、フラッシングにより液体吐出部20から吐出された水を含む液体Lwを液体受容部47の開口部75で受容する。すなわち、液体受容装置42は、液体吐出部20から吐出された水を含む液体Lwを開口部75から受容可能に構成される。制御部29は、開口部75で水を含む液体Lwを受容させる液体受容部47を選択する。第1液体受容部47fの開口部75で水を含む液体Lwが受容されるときは、水を含む液体Lwが吐出されるノズル36の位置が第1液体受容部47fの開口部75の上方となる位置に液体吐出部20が移動して、液体吐出部20wが水を含む液体Lwを吐出する。これにより、第1の液体Lfを受容する第1液体受容部47fは、第1液体受容部47fの開口部75で、液体吐出部20から吐出された水を含む液体Lwを受容する。そして、第2液体受容部47sの開口部75で水を含む液体Lwが受容されるときは、水を含む液体Lwが吐出されるノズル36の位置が第2液体受容部47sの開口部7
5の上方となる位置に液体吐出部20が移動して、液体吐出部20wが水を含む液体Lwを吐出する。これにより、第2の液体Lsを受容する第2液体受容部47sは、第2液体受容部47sの開口部75で、液体吐出部20から吐出された水を含む液体Lwを受容する。このようにして、液体供給部90は、第1液体受容部47fと第2液体受容部47sとの両方に水を含む液体Lwを供給する。
【0094】
図16に示すように、液体受容部47が受容した水を含む液体Lwは、開口部75内に位置する吸収部材76が吸収する。すなわち、液体受容部47内に吐出される水を含む液体Lwは、吸収部材76に吸収される。また、液体受容部47内に吸収部材76が吸収できない程の量の水を含む液体Lwが吐出されて、吸収部材76の下方の空間78にその水を含む液体Lwが溜められたときは、吸収部材76と水を含む液体Lwの液面とが接触して、吸収部材76が水を含む液体Lwに浸される。これにより、吸収部材76に吸収された第1の液体Lfと第2の液体Lsとが増粘または固化しないように吸収部材76に水を含む液体Lwが供給され続けるとともに、吸収部材76に吸収された液体が水を含む液体Lw内に流出される。また、吸収部材76の下方の空間78に溜められた水を含む液体Lwは、水分が蒸発して吸収部材76と水を含む液体Lwの液面とが接触しなくなった後も、下方より水分を蒸発させて吸収部材76に吸収された第1の液体Lfと第2の液体Lsとを継続的に加湿する。
【0095】
<液体受容装置の動作について>
図17に示すように、液体受容装置42は、開口部75内への液体の受容と、開口部75内からの液体の排出と、開口部75内への水を含む液体Lwの供給を行う。図17は、液体受容装置42が動作したときの、液体受容部47の重量変化の一例を示す。液体や水を含む液体Lwが受容または供給されたときは、液体受容部47の重量は重くなり、液体や水を含む液体Lwが排出されたときは、液体受容部47の重量は軽くなる。
【0096】
第1排出口から排出される期間Tfにおいては、フラッシングにより開口部75で液体が受容された後に、液体受容装置42は第1排出口71aで吸収部材76に吸収された液体を吸引して、その液体が第1排出口71aから排出される。例えば、1グラムの液体の受容と、第1排出口71aを吸引する吸引ポンプによる9000ステップの吸引を複数回繰り返す。これにより、液体受容装置42は、フラッシングにより開口部75で液体が受容された分に相当する液体の量を排出して、開口部75から液体が溢れないようにする。
【0097】
第2排出口から排出される期間Tsにおいては、液体供給口73aより空間78を含む液体受容部47内に水を含む液体Lwが供給された後に、液体受容装置42は第2排出口72aで液体受容部47内の液体を吸引して、第2排出口72aよりも上側に位置する液体が第2排出口72aから排出される。例えば、3グラムの水を含む液体Lwが供給されて1グラムの液体が受容されて、第2排出口72aを吸引する吸引ポンプによる23000ステップの吸引が実行される。これにより、液体受容装置42は、吸収部材76を液体受容部47内に供給された水を含む液体Lwに浸して、吸収部材76が吸収した液体をその水を含む液体Lw内に流出させるとともに、供給された水を含む液体Lwの液面高さを所定の高さに維持する。
【0098】
このように、第1排出口から排出される期間Tfの動作と、第2排出口から排出される期間Tsの動作とが繰り返されることにより、液体受容部47内の吸収部材76に吸収された液体の状態変化が抑制される。
【0099】
本実施形態の作用について説明する。
工場から出荷された液体吐出装置11が、ユーザーによって設置されて、液体吐出装置11の使用が開始される。印刷のときは、最初に液体吐出部20が第2の液体Lsの一例
である反応液を吐出して媒体14上に反応液層を形成し、その反応液層の上に液体吐出部20が第1の液体Lfの一例であるレジンインクを吐出して、媒体14上に印刷画像を形成する。反応液は、レジンインクが含む色材と凝集反応可能な凝集剤を含むため、印刷後の乾燥時間が長くなることを抑制できる。
【0100】
ノズル36の目詰まりを予防および解消する目的で、レジンインクおよび反応液を廃液として吐出するメンテナンスであるフラッシングが定期的に行われる。また、液体吐出部20のノズル36に目詰まりが発生したときには、ユーザーによる操作パネル24からの操作によって、複数回のフラッシングが行われる場合がある。
【0101】
レジンインクのフラッシングが行われるときは、駆動機構30が第1カバー48fを開位置に移動させる。第1カバー48fが開位置に移動したことにより、第1液体受容部47fの開口部75の上部が開放される。そして、フラッシングにより液体吐出部20から吐出されたレジンインクを、第1液体受容部47fの開口部75で受容することができる。そして、そのレジンインクを、第1液体受容部47fの開口部75内に配置された吸収部材76で吸収することができる。
【0102】
レジンインクのフラッシングが終了すると、駆動機構30が第1カバー48fを閉位置に移動させる。第1カバー48fが閉位置に移動したことにより、開口部75の上部が第1カバー48fによって覆われる。そして、開口部75の上部が第1カバー48fによって覆われる動作に連動して第1液体受容部47fが上昇して、第1液体受容部47fの開口部75の周囲に枠状に形成される変形部70aが第1カバー48fの裏面48aに押し付けられる。そして、変形部70aが弾性変形することにより、第1液体受容部47fと第1カバー48fとの密着性が向上し、第1液体受容部47fが開口部75内に受容したレジンインクの乾燥を抑制できる。また、表面に撥水処理が施される変形部70aが第1カバー48fに密着するため、吸収部材76内に吸収されているレジンインクが、毛細管力により開口部75の内側面を上昇することを抑制できる。
【0103】
反応液のフラッシングが行われるときは、駆動機構30が第2カバー48sを開位置に移動させる。第2カバー48sが開位置に移動したことにより、第2液体受容部47sの開口部75の上部が開放される。そして、フラッシングにより液体吐出部20から吐出された反応液を、第2液体受容部47sの開口部75で受容することができる。そして、その反応液を、第2液体受容部47sの開口部75内に配置された吸収部材76で吸収することができる。
【0104】
反応液のフラッシングが終了すると、駆動機構30が第2カバー48sを閉位置に移動させる。第2カバー48sが閉位置に移動したことにより、開口部75の上部が第2カバー48sによって覆われる。そして、開口部75の上部が第2カバー48sによって覆われる動作に連動して第2液体受容部47sが上昇して、第2液体受容部47sの開口部75の周囲に枠状に形成される変形部70aが第2カバー48sの裏面48aに押し付けられる。そして、変形部70aが弾性変形することにより、第2液体受容部47sと第2カバー48sとの密着性が向上し、第2液体受容部47sが開口部75内に受容した反応液の乾燥を抑制できる。また、表面に撥水処理が施される変形部70aが第2カバー48sに密着するため、吸収部材76内に吸収されている反応液が、毛細管力により開口部75の内側面を上昇することを抑制できる。
【0105】
駆動機構30は、第1カバー48fと、第2カバー48sと、を同時に移動可能に構成される。そのため、1つの駆動機構30によって、第1カバー48fの開動作と、第1カバー48fの閉動作と、第2カバー48sの開動作と、第2カバー48sの閉動作と、を行うことができる。
【0106】
第1液体受容部47fにおいて、第1排出流路81fと連通する第1排出口71aは、液体受容部47の長手方向における一端側に設けられ、第2排出流路82fと連通する第2排出口72aは、液体受容部47の長手方向における他端側に設けられる。第2液体受容部47sにおいて、第1排出流路81sと連通する第1排出口71aは、第1液体受容部47fの長手方向における一端側に設けられ、第2排出流路82sと連通する第2排出口72aは、第2液体受容部47sの長手方向における他端側に設けられる。これにより、第1液体受容部47fと、第2液体受容部47sと、を短手方向に近づけて配置する事が出来るため、液体受容装置42の幅方向を小さくすることができる。
【0107】
吸収部材76が吸収するレジンインクの量が多いとき、例えば、印刷が継続して行なわれて定期的にフラッシングが行われるときは、レジンインクを吐出するノズル36からのフラッシング回数が多くなる。また、レジンインクを吐出するノズル36に目詰まりが発生したときは、目詰まりが解消されるために、レジンインクを吐出するノズル36からのフラッシング回数が多くなる。すなわち、第1液体受容部47fの開口部75内に配置された吸収部材76が吸収するレジンインクの量が多くなる。このようなときは、第1液体受容部47f内の吸収部材76が、液体吐出部20から吐出されたレジンインクをこれ以上吸収できなくなって、第1液体受容部47fの開口部75からレジンインクが溢れ出る虞がある。そのため、レジンインクのフラッシング回数に応じて、第1液体受容部47f内の吸収部材76に吸収されたレジンインクの量が減らされることが望ましい。
【0108】
図13に示すように、吸収部材76が吸収するレジンインクの量が多いときは、流路切替部86は、第1液体受容部47fに連通する第1排出流路81fと、第2液体受容部47sに連通する第1排出流路81sと、が吸引部85と連通する状態に切り替える。これにより、第1液体受容部47fに連通する第1排出流路81fを、吸引部85と連通する状態に切り替えることができる。
【0109】
吸引部85は、第1排出流路81fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクと、第1排出流路81sを介して第2液体受容部47s内の反応液と、の吸引を行う。第1排出流路81fは第1連通部71と連通し、第1連通部71は第1排出口71aが吸収部材76と接する位置に設けられるため、第1液体受容部47f内の吸収部材76が吸収したレジンインクを第1排出口71aより排出することができる。これにより、吸引部85によって、第1排出流路81fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクを吸引することができる。そして、第1液体受容部47f内の吸収部材76に吸収されたレジンインクの量を減らすことができる。レジンインクのフラッシング回数が増えると、吸収部材76が吸収するレジンインクの量が多くなるため、この動作が、レジンインクのフラッシング回数に応じて、定期的に行われる。
【0110】
吸収部材76が吸収する反応液の量が多いとき、例えば、印刷が継続して行なわれて定期的にフラッシングが行われるときは、反応液を吐出するノズル36からのフラッシング回数が多くなる。また、反応液を吐出するノズル36に目詰まりが発生したときは、目詰まりが解消されるために、反応液を吐出するノズル36からのフラッシング回数が多くなる。すなわち、第2液体受容部47sの開口部75内に配置された吸収部材76が吸収する反応液の量が多くなる。このようなときは、第2液体受容部47s内の吸収部材76が、液体吐出部20から吐出された反応液をこれ以上吸収できなくなって、第2液体受容部47sの開口部75から反応液が溢れ出る虞がある。そのため、反応液のフラッシング回数に応じて、第2液体受容部47s内の吸収部材76に吸収された反応液の量が減らされることが望ましい。
【0111】
図13に示すように、吸収部材76が吸収する反応液の量が多いときは、流路切替部8
6は、第1液体受容部47fに連通する第1排出流路81fと、第2液体受容部47sに連通する第1排出流路81sと、が吸引部85と連通する状態に切り替える。これにより、第2液体受容部47sに連通する第1排出流路81sを、吸引部85と連通する状態に切り替えることができる。
【0112】
吸引部85は、第1排出流路81fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクと、第1排出流路81sを介して第2液体受容部47s内の反応液と、の吸引を行う。第1排出流路81sは第1連通部71と連通し、第1連通部71は第1排出口71aが吸収部材76と接する位置に設けられるため、第2液体受容部47s内の吸収部材76が吸収した反応液を第1排出口71aより排出することができる。これにより、吸引部85によって、第1排出流路81sを介して第2液体受容部47s内の反応液を吸引することができる。そして、第2液体受容部47s内の吸収部材76に吸収された反応液の量を減らすことができる。反応液のフラッシング回数が増えると、吸収部材76が吸収する反応液の量が多くなるため、この動作が、反応液のフラッシング回数に応じて、定期的に行われる。
【0113】
レジンインクを吐出するノズル36からのフラッシング回数と、反応液を吐出するノズル36からのフラッシング回数と、が多くなる場合がある。すなわち、第1液体受容部47fの開口部75内に配置された吸収部材76が吸収するレジンインクの量と、第2液体受容部47sの開口部75内に配置された吸収部材76が吸収する反応液の量と、が多くなる場合がある。
【0114】
図13に示すように、吸収部材76が吸収するレジンインクの量と、吸収部材76が吸収する反応液の量と、が多いときは、流路切替部86は、第1液体受容部47fに連通する第1排出流路81fと、第2液体受容部47sに連通する第1排出流路81sと、が吸引部85と連通する状態に切り替える。これにより、1つの吸引部85で、第1液体受容部47fに連通する第1排出流路81fと、第2液体受容部47sに連通する第1排出流路81sと、を吸引部85と連通する状態に切り替えることができる。
【0115】
吸引部85は、第1排出流路81fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクと、第1排出流路81sを介して第2液体受容部47s内の反応液と、の吸引を行う。第1排出流路81fは第1連通部71と連通し、第1連通部71は第1排出口71aが吸収部材76と接する位置に設けられるため、第1液体受容部47f内の吸収部材76が吸収したレジンインクを第1排出口71aより排出することができる。これにより、吸引部85によって、第1排出流路81fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクを吸引することができる。そして、第1液体受容部47f内の吸収部材76に吸収されたレジンインクの量を減らすことができる。第1排出流路81sは第1連通部71と連通し、第1連通部71は第1排出口71aが吸収部材76と接する位置に設けられるため、第2液体受容部47s内の吸収部材76が吸収した反応液を第1排出口71aより排出することができる。これにより、吸引部85によって、第1排出流路81sを介して第2液体受容部47s内の反応液を吸引することができる。そして、第2液体受容部47s内の吸収部材76に吸収された反応液の量を減らすことができる。
【0116】
吸収部材76が吸収するレジンインクの量が少ないとき、例えば、レジンインクのフラッシング回数が少ないときは、新たに供給されるレジンインクが少なく、時間が経過するとともに、吸収部材76に吸収されたレジンインクから水分が蒸発するため、吸収部材76に吸収されたレジンインクは徐々に増粘する。このようなときは、吸収部材76が目詰まりによって液体吐出部20から吐出されたレジンインクを吸収できなくなり、開口部75から受容したレジンインクの吸収部材76内部への吸収が妨げられる。そして、吸収部材76の受容面76aにレジンインクの固化物が堆積し、液体吐出部20のノズル面を汚す虞がある。レジンインクは水を含む液体Lwに再溶解しないため、吸収部材76が目詰
まりしないように、吸収部材76が吸収したレジンインクに対して定期的に水を含む液体Lwが供給されて、レジンインクの増粘が抑制される、または増粘していないレジンインクが水を含む液体Lw内に流出されることが望ましい。
【0117】
図13に示すように、吸収部材76が吸収するレジンインクの量が少ないときは、流路切替部86は、第1液体受容部47fに連通する第2排出流路82fと、第2液体受容部47sに連通する第2排出流路82sと、が吸引部85と連通する状態に切り替える。これにより、第1液体受容部47fに連通する第2排出流路82fを吸引部85と連通する状態に切り替えることができる。
【0118】
液体受容装置42は、液体受容部47内に水を含む液体Lwを第1液体受容部47f内に供給可能な液体供給部90を備える。より詳しくは、切替弁94が液体送出流路93と液体供給流路91fとを連通し、送出部95によって、液体タンク92内の水を含む液体Lwが第1液体受容部47f内に供給される。これにより、第1液体受容部47f内に水を含む液体Lwを供給することができる。
【0119】
第1液体受容部47f内に液体供給口73aより水を含む液体Lwが供給されると、第1液体受容部47f内に供給されて溜められた水を含む液体Lwに、吸収部材76が浸された状態になる。また、吸収部材76を浸すまで水を含む液体Lwが供給されないときも、水を含む液体Lwから蒸発する水分によって、吸収部材76を継続的に加湿することができる。これにより、吸収部材76がその水を含む液体Lwを吸収するため、吸収部材76内の水分が少なくなったレジンインクの水分を、多くすることができる。また、吸収部材76内の増粘していないレジンインクが水を含む液体Lw内に流出するため、吸収部材76内のレジンインクの量を少なくすることができる。
【0120】
吸引部85は、第2排出流路82fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクと、第2排出流路82sを介して第2液体受容部47s内の反応液と、の吸引を行う。実際には、このとき第1液体受容部47f内から吸引される液体は、水を含む液体Lwに少量のレジンインクが混合したレジンインクである。吸収部材76は、第1液体受容部47f内を満たす水を含む液体Lwが吸収部材76と接しない位置に設けられた第2排出口72aから排出されたときに、第1液体受容部47f内に残る水を含む液体Lwの液面と重なる位置に設けられる。第2排出口72aは、鉛直方向Zにおいて、吸収部材76の上面としての受容面76aと下面76eとの間に設けられてもよい。これにより、水を含む液体Lwの液面の高さが第2排出口72aの高さとなり、第1液体受容部47f内に供給されて溜められた水を含む液体Lwに、吸収部材76を第2排出口72aの高さまで浸すことができる。これにより、吸収部材76から水分が蒸発しても、吸収部材76が第1液体受容部47f内に溜められた水を含む液体Lwを吸収するため、吸収部材76内のレジンインクの乾燥を抑制することができる。なお、時間が経過するとともに、吸収部材76に吸収されたレジンインクから水分が蒸発し、吸収部材76に吸収されたレジンインクは徐々に増粘するため、この動作は定期的に行われる。
【0121】
吸収部材76の下方に空間78を有することにより、液体受容部47は、吸収部材76内だけでなく、吸収部材76の下方の空間にも、水を含む液体Lwを収容することができる。これにより、吸収部材76がその水を含む液体Lwを多く吸収するため、吸収部材76内の水分が少なくなったレジンインクの水分を、より多くすることができる。
【0122】
吸収部材76が吸収する反応液の量が少ないとき、例えば、反応液のフラッシング回数が少ないときは、新たに供給される反応液が少なく、時間が経過するとともに、吸収部材76に吸収された反応液から水分が蒸発するため、吸収部材76に吸収された反応液は徐々に固化する。このようなときは、吸収部材76が目詰まりによって液体吐出部20から
吐出された反応液を吸収できなくなり、開口部75から受容した反応液の吸収部材76内部への吸収が妨げられる。そして、吸収部材76の受容面76aに反応液の固化物が堆積し、液体吐出部20のノズル面を汚す虞がある。反応液は水分が蒸発しやすく固化しやすいため、吸収部材76が目詰まりしないように、吸収部材76が吸収した反応液に対して定期的に水を含む液体Lwが供給されて、反応液が水を含む液体Lw内に再溶解されることが望ましい。
【0123】
図13に示すように、吸収部材76が吸収する反応液の量が少ないときは、流路切替部86は、第1液体受容部47fに連通する第2排出流路82fと、第2液体受容部47sに連通する第2排出流路82sと、が吸引部85と連通する状態に切り替える。これにより、第2液体受容部47sに連通する第2排出流路82sを吸引部85と連通する状態に切り替えることができる。
【0124】
液体受容装置42は、液体受容部47内に水を含む液体Lwを第2液体受容部47s内に供給可能な液体供給部90を備える。より詳しくは、切替弁94が液体送出流路93と液体供給流路91sとを連通し、送出部95によって、液体タンク92内の水を含む液体Lwが第1液体受容部47f内に供給される。これにより、第2液体受容部47s内に水を含む液体Lwを供給することができる。
【0125】
第2液体受容部47s内に液体供給口73aより水を含む液体Lwが供給されると、第2液体受容部47s内に供給されて溜められた水を含む液体Lwに、吸収部材76が浸された状態になる。これにより、吸収部材76内の反応液が水を含む液体Lw内に再溶解して流出するため、吸収部材76内の反応液の量を少なくすることができる。
【0126】
吸引部85は、第2排出流路82fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクと、第2排出流路82sを介して第2液体受容部47s内の反応液と、の吸引を行う。このとき吸引される反応液は、水を含む液体Lwに少量の反応液が混合した反応液である。吸収部材76は、第2液体受容部47s内を満たす水を含む液体Lwが吸収部材76と接しない位置に設けられた第2排出口72aから排出されたときに、第2液体受容部47s内に残る水を含む液体Lwの液面と重なる位置に設けられる。第2排出口72aは、鉛直方向Zにおいて、吸収部材76の上面としての受容面76aと下面76eとの間に設けられてもよい。これにより、水を含む液体Lwの液面の高さが第2排出口72aの高さとなり、第2液体受容部47s内に供給されて溜められた水を含む液体Lwに、吸収部材76を第2排出口72aの高さまで浸すことができる。第2排出口72aの高さまで溜められた水を含む液体Lwによって、吸収部材76内の反応液のその後の乾燥を抑制することができる。なお、時間が経過するとともに、吸収部材76に吸収された反応液から水分が蒸発し、吸収部材76に吸収された反応液は徐々に固化するため、この動作は定期的に行われる。
【0127】
吸収部材76の下方に空間78を有することにより、液体受容部47は、吸収部材76内だけでなく、吸収部材76の下方の空間にも、水を含む液体Lwを収容することができる。これにより、吸収部材76に吸収された反応液を第2液体受容部47s内に溜められた多くの水を含む液体Lwに再溶解させて吸収部材76内から多くの反応液を流出させることができる。
【0128】
レジンインクを吐出するノズル36からのフラッシング回数と、反応液を吐出するノズル36からのフラッシング回数と、が少なくなる場合がある。すなわち、第1液体受容部47fの開口部75内に配置された吸収部材76が吸収するレジンインクの量と、第2液体受容部47sの開口部75内に配置された吸収部材76が吸収する反応液の量と、が少なくなる。
【0129】
図13に示すように、吸収部材76が吸収するレジンインクの量と、吸収部材76が吸収する反応液の量と、が少ないときは、流路切替部86は、第1液体受容部47fに連通する第2排出流路82fと、第2液体受容部47sに連通する第2排出流路82sと、が吸引部85と連通する状態に切り替える。これにより、1つの吸引部85で、第1液体受容部47fに連通する第2排出流路82fと、第2液体受容部47sに連通する第2排出流路82sと、を吸引部85と連通する状態に切り替えることができる。
【0130】
第1液体受容部47f内に液体供給口73aより水を含む液体Lwが供給されると、第1液体受容部47f内に供給されて溜められた水を含む液体Lwに、吸収部材76が浸された状態になる。これにより、吸収部材76がその水を含む液体Lwを吸収するため、吸収部材76内の水分が少なくなったレジンインクの水分を、多くすることができる。また、吸収部材76内の増粘していないレジンインクが水を含む液体Lw内に流出するため、吸収部材76内のレジンインクの量を少なくすることができる。
【0131】
第2液体受容部47s内に液体供給口73aより水を含む液体Lwが供給されると、第2液体受容部47s内に供給されて溜められた水を含む液体Lwに、吸収部材76を浸すことができる。これにより、吸収部材76内の反応液が水を含む液体Lw内に再溶解して流出するため、吸収部材76内の反応液の量を少なくすることができる。
【0132】
吸引部85は、第2排出流路82fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクと、第2排出流路82sを介して第2液体受容部47s内の反応液と、の吸引を行う。第1液体受容部47f内の吸収部材76が第1液体受容部47f内に溜められた水を含む液体Lwに浸された状態になる。そして、第2液体受容部47s内の吸収部材76が第2液体受容部47s内に溜められた水を含む液体Lwに浸された状態になる。これにより、吸収部材76から水分が蒸発しても、吸収部材76が第1液体受容部47f内に溜められた水を含む液体Lwを吸収するため、吸収部材76内のレジンインクの乾燥を抑制することができる。また、第2液体受容部47s内の吸収部材76に吸収された反応液を第2液体受容部47s内に溜められた水を含む液体Lwに再溶解させて吸収部材76内から流出させることができる。そして、第2排出口72aの高さまで溜められた水を含む液体Lwによって、吸収部材76内の反応液のその後の乾燥を抑制することができる。
【0133】
本実施形態の効果について説明する。
本実施形態の液体受容装置42および液体吐出装置11においては、下記の効果が得られる。
【0134】
(1)第1連通部71は、第1排出口71aが吸収部材76と接する位置に設けられる。これにより、吸収部材76が吸収したレジンインクまたは反応液を第1排出口71aより排出することができる。そして、吸収部材76に受容されるレジンインクまたは反応液の量が多いときに、吸収部材76に吸収されたレジンインクまたは反応液の量を減らすことができる。すなわち、液体吐出部20から吐出されたレジンインクまたは反応液が、液体受容部47の開口部75から溢れ出ることを抑制できる。
【0135】
第2連通部72は、第2排出口72aが吸収部材76と接しない位置に設けられる。これにより、吸収部材76内の水分が少なくなったレジンインクが、液体受容部47内に溜められた水を含む液体Lwまたはレジンインクから、水分を吸収する。これにより、吸収部材76に吸収されたレジンインクが吸収部材76内で乾いて増粘することを抑制できる。すなわち、吸収部材76が目詰まりすることにより、開口部75から受容したレジンインクの吸収部材76内部への吸収が妨げられることを抑制できる。その結果、吸収部材76の受容面76aにレジンインクの固化物が堆積し、ノズル面を汚すことを抑制できる。
【0136】
レジンインクにおいては、液体吐出装置11の使用状況に応じて、液体受容装置42が吸収部材76で受容するレジンインクの量が変化しても、吸収部材76が液体吐出部20から吐出されたレジンインクを吸収できなくなって発生する液体受容装置42の不具合を抑制できる。
【0137】
(2)液体吐出部20から吐出される液体は、水を含む液体であり、液体受容装置42は、液体受容部47内に水を含む液体Lwを供給可能な液体供給部90を備える。液体供給部90が液体受容部47内に水を含む液体Lwを供給することによって、吸収部材76が液体受容部47内に供給されて溜められた水を含む液体Lwに浸されてその水を含む液体Lwを吸収する、または溜められた水を含む液体Lwから蒸発する水分を吸収するため、吸収部材76内の水分が少なくなったレジンインクの水分を多くすることができる。また、吸収部材76内の増粘していないレジンインクが水を含む液体Lw内に流出するため、吸収部材76内のレジンインクの量を少なくすることができる。水に再溶解する反応液のときは、吸収部材76に吸収された反応液を液体受容部47内に溜められた水を含む液体Lwに再溶解させて吸収部材76内から流出させることができる。吸収部材76に吸収された反応液が水を含む液体Lw内に流出すると、吸収部材76を、反応液が吸収される前の状態に近づけることができる。これにより、吸収部材76に吸収されたレジンインクまたは反応液が吸収部材76内で乾いて増粘または固化することを抑制できる。すなわち、吸収部材76が目詰まりすることによって、開口部75から受容したレジンインクまたは反応液の吸収部材76内部への吸収が妨げられることを抑制できる。その結果、吸収部材76の受容面76aにレジンインクまたは反応液の固化物が堆積し、ノズル面を汚すことを抑制できる。
【0138】
(3)液体受容部47は、吸収部材76の下方に空間78を有する。これにより、液体受容部47は、吸収部材76内だけでなく、吸収部材76の下方の空間にも、水を含む液体Lwを収容することができる。そのため、吸収部材で吸収したレジンインクまたは反応液を多くの水を含む液体Lwで継続的に加湿することができる。これにより、吸収部材76に吸収されたレジンインクまたは反応液が吸収部材76内で乾いて増粘または固化することをより抑制できる。
【0139】
(4)吸収部材76は、液体受容部47内を満たす水を含む液体Lwが第2排出口72aから排出されたときに液体受容部47内に残る水を含む液体Lwの液面と重なる位置に設けられる。第2排出口72aは、鉛直方向Zにおいて、吸収部材76の上面としての受容面76aと下面76eとの間に設けられてもよい。液体受容部47内が水を含む液体Lwで満たされた後に、第2排出口72aから液体受容部47内の水を含む液体Lwを排出することにより、液体受容部47内の水を含む液体Lwの液面の高さを吸収部材76と重なる位置に容易に設定することができる。これにより、吸収部材76から水分が蒸発しても、吸収部材76が、第1液体受容部47f内に溜められた水を含む液体Lwを、液体受容部47内に溜められた水を含む液体Lwと重なる部分から吸収するため、吸収部材76内のレジンインクの乾燥を抑制することができる。水に再溶解する反応液のときは、吸収部材76に吸収された反応液を液体受容部47内に溜められた水を含む液体Lwに再溶解させて吸収部材76内から多くの反応液を流出させることができる。吸収部材76に吸収された反応液が水を含む液体Lw内に流出すると、吸収部材76を反応液が吸収される前の状態に近づけることができる。また、吸収部材76は、第2排出口72aの高さまで溜められた水を含む液体Lwによって、湿った状態に保持される。これにより、吸収部材76に吸収されたレジンインクまたは反応液が吸収部材76内で乾いて増粘または固化することをより抑制できる。
【0140】
(5)液体受容装置42は、液体受容部47が、第2排出口72aの周囲に、吸収部材
76の端部と係止する凸部としての柵柱74eを有する。これにより、吸収部材76と第2排出口72aとが接することを抑制するとともに、吸収部材76によって第2排出口72aが閉塞されることを抑制できる。
【0141】
(6)液体受容装置42は、第1排出流路81または第2排出流路82を介して液体受容部47内のレジンインクまたは反応液を吸引する吸引部85と、第1排出流路81および第2排出流路82のうち、吸引部85と連通する排出流路を切替可能な流路切替部86と、を備える。そのため、1つの吸引部85で、第1排出流路81と第2排出流路82とのそれぞれを介して液体受容部47内のレジンインクまたは反応液の吸引を可能とすることができる。
【0142】
よって、1つの吸引部85で、液体吐出装置11の使用状況に応じて、液体受容装置42が2つの液体受容部47内の吸収部材76で受容するレジンインクまたは反応液の量が変化しても、吸収部材76が液体吐出部20から吐出されたレジンインクまたは反応液を吸収できなくなって発生する液体受容装置42の不具合を抑制できる。
【0143】
(7)流路切替部86により、1つの吸引部85で、第1排出流路81fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクと、第1排出流路81sを介して第2液体受容部47s内の反応液と、の吸引を可能とすることができる。そして、その1つの吸引部85で、第2排出流路82fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクと、第2排出流路82sを介して第2液体受容部47s内の反応液と、の吸引を可能とすることができる。すなわち、1つの吸引部85で、2つの液体受容部47に対して同じ排出制御を可能とすることができる。
【0144】
よって、液体吐出装置11の使用状況に応じて、液体受容装置42が、2つの液体受容部47内の吸収部材76で受容するレジンインクと反応液の量が変化しても、吸収部材76が液体吐出部20から吐出されたレジンインクと反応液を吸収できなくなって発生する液体受容装置42の不具合を抑制できる。
【0145】
(8)第1排出口71aは、液体受容部47の長手方向における一端側に設けられ、第2排出口72aは、液体受容部47の長手方向における他端側に設けられる。これにより、第1液体受容部47fと、第2液体受容部47sと、を短手方向に近づけて配置することが出来るため、液体受容装置42の幅方向を小さくすることができる。すなわち、液体受容装置42が大きくなることを抑制できる。
【0146】
(9)液体受容装置42は、第1液体受容部47fの開口部75を覆うように構成される第1カバー48fと、第2液体受容部47sの開口部75を覆うように構成される第2カバー48sと、第1カバー48fおよび第2カバー48sを同時に移動可能な1つの駆動機構30と、を備える。これにより、第1液体受容部47f内に受容したレジンインクの乾燥を抑制するための第1カバー48fと、第2液体受容部47s内に受容した反応液の乾燥を抑制するための第2カバー48sと、を1つの駆動機構30で駆動することができる。すなわち、液体受容装置42が大きくなることを抑制できる。
【0147】
(10)液体受容装置42は、第1液体受容部47fおよび第2液体受容部47sはそれぞれ、弾性変形可能であるとともに第1カバー48fおよび第2カバー48sと接触可能な変形部70aを、開口部75を囲む状態に有し、変形部70aの表面には撥水処理が施される。これにより、変形部70aが弾性変形することにより、第1液体受容部47fと第1カバー48fとの密着性と、第2液体受容部47sと第2カバー48sとの密着性と、を向上できる。そして、変形部70aが第1カバー48fに密着したときに、吸収部材76内に吸収されているレジンインクが、毛細管力により開口部75の内側面を上昇す
ることを抑制できるため、レジンインクが開口部75の外側面に垂れることを抑制できる。また、変形部70aが第2カバー48sに密着したときに、吸収部材76内に吸収されている反応液が、毛細管力により開口部75の内側面を上昇することを抑制できるため、反応液が開口部75の外側面に垂れることを抑制できる。
【0148】
(第2実施形態)
以下、液体吐出装置11の第2実施形態について図面を参照して説明する。第2実施形態は第1実施形態とほぼ同じであるため、同一の構成については同一符号を付すことによって重複した説明は省略する。
【0149】
<廃液回収部について>
図18に示すように、流路切替部86は、第1排出流路81fと、第2排出流路82sと、が吸引部85と連通する状態と、第2排出流路82fと、第1排出流路81sと、が吸引部85と連通する状態と、の間で切替可能である。
【0150】
第1液体受容部47fに連通する第1排出流路81fと、第2液体受容部47sに連通する第2排出流路82sと、が吸引部85と連通する状態においては、流路切替部86は、第2の接続流路と第3の接続流路を同時に閉塞させる。これにより、第1排出流路81fが回収流路84fと連通し、第2排出流路82sが回収流路84sと連通する。そして、吸引部85は、第1排出流路81fから第1の液体Lfを吸引して、廃液タンク83fに収容し、第2排出流路82sから第2の液体Lsを吸引して、廃液タンク83sに収容する。
【0151】
第1液体受容部47fに連通する第2排出流路82fと、第2液体受容部47sに連通する第1排出流路81sと、が吸引部85と連通する状態においては、流路切替部86は、第1の接続流路と第4の接続流路を同時に閉塞させる。これにより、第2排出流路82fが回収流路84fと連通し、第1排出流路81sが回収流路84sと連通する。そして、吸引部85は、第2排出流路82fから第1の液体Lfを吸引して、廃液タンク83fに収容し、第1排出流路81sから第2の液体Lsを吸引して、廃液タンク83sに収容する。
【0152】
本実施形態の作用について説明する。
第2実施形態の作用においても、第1実施形態の作用と重複した説明は省略する。
図18に示すように、吸収部材76が吸収するレジンインクの量が多いときは、流路切替部86は、第1液体受容部47fに連通する第1排出流路81fと、第2液体受容部47sに連通する第2排出流路82sとが、吸引部85と連通する状態に切り替える。これにより、第1液体受容部47fに連通する第1排出流路81fを、吸引部85と連通する状態に切り替えることができる。
【0153】
吸引部85は、第1排出流路81fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクと、第2排出流路82sを介して第2液体受容部47s内の反応液と、の吸引を行う。第1排出流路81fは第1連通部71と連通し、第1連通部71は第1排出口71aが吸収部材76と接する位置に設けられるため、第1液体受容部47f内の吸収部材76が吸収したレジンインクを第1排出口71aより排出することができる。これにより、吸引部85によって、第1排出流路81fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクを吸引することができる。そして、第1液体受容部47f内の吸収部材76に吸収されたレジンインクの量を減らすことができる。
【0154】
図18に示すように、吸収部材76が吸収する反応液の量が少ないときは、流路切替部86は、第1液体受容部47fに連通する第1排出流路81fと、第2液体受容部47s
に連通する第2排出流路82sと、が吸引部85と連通する状態に切り替える。これにより、第2液体受容部47sに連通する第2排出流路82sを吸引部85と連通する状態に切り替えることができる。
【0155】
第2液体受容部47s内に液体供給口73aより水を含む液体Lwが供給されると、第2液体受容部47s内に供給されて溜められた水を含む液体Lwに、吸収部材76が浸された状態になる。これにより、吸収部材76内の反応液が水を含む液体Lw内に再溶解して流出するため、吸収部材76内の反応液の量を少なくすることができる。
【0156】
吸引部85は、第1排出流路81fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクと、第2排出流路82sを介して第2液体受容部47s内の反応液と、の吸引を行う。このとき吸引される反応液は、水を含む液体Lwに少量の反応液が混合した反応液である。吸収部材76は、第2液体受容部47s内を満たす水を含む液体Lwが吸収部材76と接しない位置に設けられた第2排出口72aから排出されたときに、第2液体受容部47s内に残る水を含む液体Lwの液面と重なる位置に設けられる。第2排出口72aは、鉛直方向Zにおいて、吸収部材76の上面としての受容面76aと下面76eとの間に設けられてもよい。これにより、水を含む液体Lwの液面の高さが第2排出口72aの高さとなり、第2液体受容部47s内に供給されて溜められた水を含む液体Lwに、吸収部材76を第2排出口72aの高さまで浸すことができる。これにより、第2排出口72aの高さまで溜められた水を含む液体Lwによって、吸収部材76内の反応液のその後の乾燥を抑制することができる。
【0157】
図18に示すように、吸収部材76が吸収するレジンインクの量が多く、吸収部材76が吸収する反応液の量が少ないときは、流路切替部86は、第1液体受容部47fに連通する第1排出流路81fと、第2液体受容部47sに連通する第2排出流路82sと、が吸引部85と連通する状態に切り替える。これにより、1つの吸引部85で、第1液体受容部47fに連通する第1排出流路81fと、第2液体受容部47sに連通する第2排出流路82sと、を吸引部85と連通する状態に切り替えることができる。
【0158】
第2液体受容部47s内に液体供給口73aより水を含む液体Lwが供給されると、第2液体受容部47s内に供給されて溜められた水を含む液体Lwに、吸収部材76を浸すことができる。これにより、吸収部材76内の反応液が水を含む液体Lw内に再溶解して流出するため、吸収部材76内の反応液の量を少なくすることができる。
【0159】
吸引部85は、第1排出流路81fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクと、第2排出流路82sを介して第2液体受容部47s内の反応液と、の吸引を行う。第1排出流路81fは第1連通部71と連通し、第1連通部71は第1排出口71aが吸収部材76と接する位置に設けられるため、第1液体受容部47f内の吸収部材76が吸収したレジンインクを第1排出口71aより排出することができる。これにより、吸引部85によって、第1排出流路81fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクを吸引することができる。そして、第1液体受容部47f内の吸収部材76に吸収されたレジンインクの量を減らすことができる。このとき吸引される反応液は、水を含む液体Lwに少量の反応液が混合した反応液である。吸収部材76は、第2液体受容部47s内を満たす水を含む液体Lwが吸収部材76と接しない位置に設けられた第2排出口72aから排出されたときに、第2液体受容部47s内に残る水を含む液体Lwの液面と重なる位置に設けられる。第2排出口72aは、鉛直方向Zにおいて、吸収部材76の上面としての受容面76aと下面76eとの間に設けられてもよい。これにより、水を含む液体Lwの液面の高さが第2排出口72aの高さとなり、第1液体受容部47f内に供給されて溜められた水を含む液体Lwに、吸収部材76を第2排出口72aの高さまで浸すことができる。これにより、第2排出口72aの高さまで溜められた水を含む液体Lwによって、吸収部材
76内の反応液のその後の乾燥を抑制することができる。
【0160】
図18に示すように、吸収部材76が吸収する反応液の量が多いときは、流路切替部86は、第1液体受容部47fに連通する第2排出流路82fと、第2液体受容部47sに連通する第1排出流路81sと、が吸引部85と連通する状態に切り替える。これにより、第2液体受容部47sに連通する第1排出流路81sを、吸引部85と連通する状態に切り替えることができる。
【0161】
吸引部85は、第2排出流路82fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクと、第1排出流路81sを介して第2液体受容部47s内の反応液と、の吸引を行う。第1排出流路81sは第1連通部71と連通し、第1連通部71は第1排出口71aが吸収部材76と接する位置に設けられるため、第2液体受容部47s内の吸収部材76が吸収した反応液を第1排出口71aより排出することができる。これにより、吸引部85によって、第1排出流路81sを介して第2液体受容部47s内の反応液を吸引することができる。そして、第2液体受容部47s内の吸収部材76に吸収された反応液の量を減らすことができる。
【0162】
図18に示すように、吸収部材76が吸収するレジンインクの量が少ないときは、流路切替部86は、第1液体受容部47fに連通する第2排出流路82fと、第2液体受容部47sに連通する第1排出流路81sと、が吸引部85と連通する状態に切り替える。これにより、第1液体受容部47fに連通する第2排出流路82fを吸引部85と連通する状態に切り替えることができる。
【0163】
第1液体受容部47f内に液体供給口73aより水を含む液体Lwが供給されると、第1液体受容部47f内に供給されて溜められた水を含む液体Lwに、吸収部材76が浸された状態になる。これにより、吸収部材76がその水を含む液体Lwを吸収するため、吸収部材76内の水分が少なくなったレジンインクの水分を、多くすることができる。また、吸収部材76内の増粘していないレジンインクが水を含む液体Lw内に流出するため、吸収部材76内のレジンインクの量を少なくすることができる。
【0164】
吸引部85は、第2排出流路82fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクと、第1排出流路81sを介して第2液体受容部47s内の反応液と、の吸引を行う。実際には、このとき第1液体受容部47f内から吸引される液体は、水を含む液体Lwに少量のレジンインクが混合したレジンインクである。吸収部材76は、第1液体受容部47f内を満たす水を含む液体Lwが吸収部材76と接しない位置に設けられた第2排出口72aから排出されたときに、第1液体受容部47f内に残る水を含む液体Lwの液面と重なる位置に設けられる。第2排出口72aは、鉛直方向Zにおいて、吸収部材76の上面としての受容面76aと下面76eとの間に設けられてもよい。これにより、水を含む液体Lwの液面の高さが第2排出口72aの高さとなり、第1液体受容部47f内に供給されて溜められた水を含む液体Lwに、吸収部材76を第2排出口72aの高さまで浸すことができる。これにより、吸収部材76から水分が蒸発しても、吸収部材76が第1液体受容部47f内に溜められた水を含む液体Lwを吸収するため、吸収部材76内のレジンインクの乾燥を抑制することができる。
【0165】
図18に示すように、吸収部材76が吸収する反応液の量が多く、吸収部材76が吸収するレジンインクの量が少ないときは、流路切替部86は、第1液体受容部47fに連通する第2排出流路82fと、第2液体受容部47sに連通する第1排出流路81sと、が吸引部85と連通する状態に切り替える。これにより、1つの吸引部85で、第1液体受容部47fに連通する第2排出流路82fと、第2液体受容部47sに連通する第1排出流路81sと、を吸引部85と連通する状態に切り替えることができる。
【0166】
第1液体受容部47f内に液体供給口73aより水を含む液体Lwが供給されると、第1液体受容部47f内に供給されて溜められた水を含む液体Lwに、吸収部材76が浸された状態になる。これにより、吸収部材76がその水を含む液体Lwを吸収するため、吸収部材76内の水分が少なくなったレジンインクの水分を、多くすることができる。また、吸収部材76内の増粘していないレジンインクが水を含む液体Lw内に流出するため、吸収部材76内のレジンインクの量を少なくすることができる。
【0167】
吸引部85は、第2排出流路82fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクと、第1排出流路81sを介して第2液体受容部47s内の反応液と、の吸引を行う。実際には、このとき第1液体受容部47f内から吸引される液体は、水を含む液体Lwに少量のレジンインクが混合したレジンインクである。吸収部材76は、第1液体受容部47f内を満たす水を含む液体Lwが吸収部材76と接しない位置に設けられた第2排出口72aから排出されたときに、第1液体受容部47f内に残る水を含む液体Lwの液面と重なる位置に設けられる。第2排出口72aは、鉛直方向Zにおいて、吸収部材76の上面としての受容面76aと下面76eとの間に設けられてもよい。これにより、水を含む液体Lwの液面の高さが第2排出口72aの高さとなり、第1液体受容部47f内に供給されて溜められた水を含む液体Lwに、吸収部材76を第2排出口72aの高さまで浸すことができる。これにより、吸収部材76から水分が蒸発しても、吸収部材76が第1液体受容部47f内に溜められた水を含む液体Lwを吸収するため、吸収部材76内のレジンインクの乾燥を抑制することができる。また、第1排出流路81sは第1連通部71と連通し、第1連通部71は第1排出口71aが吸収部材76と接する位置に設けられるため、第2液体受容部47s内の吸収部材76が吸収した反応液を第1排出口71aより排出することができる。これにより、吸引部85によって、第1排出流路81sを介して第2液体受容部47s内の反応液を吸引することができる。そして、第2液体受容部47s内の吸収部材76に吸収された反応液の量を減らすことができる。
【0168】
本実施形態の効果について説明する。
本実施形態の液体受容装置42および液体吐出装置11においては、第1実施形態における(1)~(6)および(8)~(10)と同じ効果が得られる。
【0169】
(11)流路切替部86により、1つの吸引部85で、第1排出流路81fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクと、第2排出流路82sを介して第2液体受容部47s内の反応液と、の吸引を可能とすることができる。そして、その1つの吸引部85で、第2排出流路82fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクと、第1排出流路81sを介して第2液体受容部47s内の反応液と、の吸引を可能とすることができる。すなわち、1つの吸引部85で、2つの液体受容部47に対して反対の排出制御を可能とすることができる。
【0170】
よって、1つの吸引部85で、液体吐出装置11の使用状況に応じて、液体受容装置42が、2つの液体受容部47内の吸収部材76で受容するレジンインクと反応液の量が変化しても、吸収部材76が液体吐出部20から吐出されたレジンインクと反応液を吸収できなくなって発生する液体受容装置42の不具合を抑制できる。
【0171】
(第3実施形態)
以下、液体吐出装置11の第3実施形態について図面を参照して説明する。第3実施形態は第1実施形態とほぼ同じであるため、同一の構成については同一符号を付すことによって重複した説明は省略する。
【0172】
<廃液回収部について>
図19に示すように、廃液回収部80は、第1排出流路81、第2排出流路82、廃液タンク83、回収流路84、吸引部85、流路切替部86、大気開放路87を備える。
【0173】
大気開放路87は、大気に開放された流路である。大気開放路87は、回収流路84fを大気に開放するための大気開放路87fと、回収流路84sを大気に開放するための大気開放路87sとで構成される。
【0174】
流路切替部86は、第1排出流路81fが吸引部85と連通する状態と、第1排出流路81sが吸引部85と連通する状態と、第2排出流路82fが吸引部85と連通する状態と、第2排出流路82sが吸引部85と連通する状態と、の間で切替可能である。
【0175】
本実施形態においては、流路切替部86は、カムを駆動させることにより、複数の接続流路を同時に閉塞可能に構成される。流路切替部86は、6つの接続流路を有する。第1の接続流路は、第1排出流路81fと回収流路84fとを接続する。第2の接続流路は、第2排出流路82fと回収流路84fとを接続する。第3の接続流路は、第1排出流路81sと回収流路84sとを接続する。第4の接続流路は、第2排出流路82sと回収流路84sとを接続する。第5の接続流路は、大気開放路87fと回収流路84fとを接続する。第6の接続流路は、大気開放路87sと回収流路84sとを接続する。
【0176】
第1液体受容部47fに連通する第1排出流路81fが吸引部85と連通する状態においては、流路切替部86は、第2~第5の接続流路を同時に閉塞させる。これにより、第1排出流路81fが回収流路84fと連通し、大気開放路87sが回収流路84sと連通する。そして、吸引部85は、第1排出流路81fから第1の液体Lfを吸引して、廃液タンク83fに収容し、大気開放路87sから大気を吸引して、廃液タンク83sに送出する。すなわち、吸引部85は、第1排出流路81fから第1の液体Lfを吸引して、廃液タンク83fに収容する。
【0177】
第1液体受容部47fに連通する第2排出流路82fが吸引部85と連通する状態においては、流路切替部86は、第1の接続流路と第3~第5の接続流路を同時に閉塞させる。これにより、第2排出流路82fが回収流路84fと連通し、大気開放路87sが回収流路84sと連通する。そして、吸引部85は、第2排出流路82fから第1の液体Lfを吸引して、廃液タンク83fに収容し、大気開放路87sから大気を吸引して、廃液タンク83sに送出する。すなわち、吸引部85は、第2排出流路82fから第1の液体Lfを吸引して、廃液タンク83fに収容する。
【0178】
第2液体受容部47sに連通する第1排出流路81sが吸引部85と連通する状態においては、流路切替部86は、第1~第2の接続流路と第4の接続流路と第6の接続流路とを同時に閉塞させる。これにより、第1排出流路81sが回収流路84sと連通し、大気開放路87sが回収流路84sと連通する。そして、吸引部85は、第1排出流路81sから第2の液体Lsを吸引して、廃液タンク83sに収容し、大気開放路87fから大気を吸引して、廃液タンク83fに送出する。すなわち、吸引部85は、第1排出流路81sから第2の液体Lsを吸引して、廃液タンク83sに収容する。
【0179】
第2液体受容部47sに連通する第2排出流路82sが吸引部85と連通する状態においては、流路切替部86は、第1~第3の接続流路と第6の接続流路とを同時に閉塞させる。これにより、第2排出流路82sが回収流路84sと連通し、大気開放路87fが回収流路84fと連通する。そして、吸引部85は、第2排出流路82sから第2の液体Lsを吸引して、廃液タンク83sに収容し、大気開放路87fから大気を吸引して、廃液タンク83fに送出する。すなわち、吸引部85は、第2排出流路82sから第2の液体Lsを吸引して、廃液タンク83sに収容する。
【0180】
本実施形態の作用について説明する。
第3実施形態の作用においても、第1実施形態の作用と重複した説明は省略する。
図19に示すように、第1液体受容部47f内の吸収部材76に受容されるレジンインクの量が多いときは、流路切替部86は、第1液体受容部47fに連通する第1排出流路81fが吸引部85と連通する状態に切り替える。第1排出流路81fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクの吸引が行なわれる。これにより、第1液体受容部47f内の吸収部材76に吸収されたレジンインクの量を減らすことができる。
【0181】
図19に示すように、第2液体受容部47s内の吸収部材76に受容される反応液の量が多いときは、流路切替部86は、第2液体受容部47sに連通する第1排出流路81sが吸引部85と連通する状態に切り替える。第1排出流路81sを介して第2液体受容部47s内の反応液の吸引が行なわれる。これにより、第2液体受容部47s内の吸収部材76に吸収された反応液の量を減らすことができる。
【0182】
図19に示すように、第1液体受容部47f内の吸収部材76に受容されるレジンインクの量が少ないときは、流路切替部86は、第1液体受容部47fに連通する第2排出流路82sが吸引部85と連通する状態に切り替える。第1液体受容部47f内に水を含む液体Lwが溜められて、第2排出流路82fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクの吸引が行なわれる。第1液体受容部47f内の吸収部材76が第1液体受容部47f内に溜められた水を含む液体Lwに浸された状態になる。これにより、第1液体受容部47f内の吸収部材76がその水を含む液体Lwを吸収することにより、第1液体受容部47f内の吸収部材76内の水分が少なくなったレジンインクの水分を、多くすることができる。また、吸収部材76内の増粘していないレジンインクが水を含む液体Lw内に流出するため、吸収部材76内のレジンインクの量を少なくすることができる。そして、吸収部材76から水分が蒸発しても、吸収部材76が第1液体受容部47f内に溜められた水を含む液体Lwを吸収するため、吸収部材76内のレジンインクの乾燥を抑制することができる。
【0183】
図19に示すように、第2液体受容部47s内の吸収部材76に受容される反応液の量が少ないときは、流路切替部86は、第2液体受容部47sに連通する第2排出流路82sが吸引部85と連通する状態に切り替える。第2液体受容部47s内に水を含む液体Lwが溜められて、第2排出流路82sを介して第2液体受容部47s内の水を含む液体Lwの吸引が行なわれる。第2液体受容部47s内の吸収部材76が第2液体受容部47s内に溜められた水を含む液体Lwに浸された状態になる。これにより、吸収部材76に吸収された反応液を第2液体受容部47s内に溜められた水を含む液体Lwに再溶解させて吸収部材76内から流出させることができる。吸収部材76に吸収された反応液が水を含む液体Lw内に流出すると、吸収部材76を反応液が吸収される前の状態に近づけることができる。そして、第2排出口72aの高さまで溜められた水を含む液体Lwによって、吸収部材76内の反応液のその後の乾燥を抑制することができる。
【0184】
このようにして、1つの吸引部85で、液体吐出装置11の使用状況に応じて、液体受容装置42が、2つの液体受容部47内の吸収部材76で受容するレジンインクと反応液の量が変化しても、吸収部材76が液体吐出部20から吐出されたレジンインクと反応液を吸収できなくなって発生する液体受容装置42の不具合を抑制できる。
【0185】
本実施形態の効果について説明する。
本実施形態の液体受容装置42および液体吐出装置11においては、第1実施形態における(1)~(6)および(8)~(10)と同じ効果が得られる。
【0186】
(12)流路切替部86により、1つの吸引部85で、第1排出流路81fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクの吸引と、第2排出流路82fを介して第1液体受容部47f内のレジンインクの吸引と、をそれぞれ可能とすることができる。そして、その1つの吸引部85でさらに、第1排出流路81sを介して第2液体受容部47s内の反応液の吸引と、第2排出流路82sを介して第2液体受容部47s内の反応液の吸引と、をそれぞれ可能とすることができる。すなわち、1つの吸引部85で、2つの液体受容部47に対してそれぞれ異なる排出制御を可能とすることができる。
【0187】
よって、1つの吸引部85で、液体吐出装置11の使用状況に応じて、液体受容装置42が、2つの液体受容部47内の吸収部材76で受容するレジンインクと反応液の量が変化しても、吸収部材76が液体吐出部20から吐出されたレジンインクと反応液を吸収できなくなって発生する液体受容装置42の不具合を抑制できる。
【0188】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・液体受容部47内の開口部75内に水分以外の蒸発成分が供給されてもよい。液体吐出部から吐出された液体から水分ではない蒸発成分が蒸発する場合、その蒸発成分の蒸発によって、液体の増粘や固化が進行するときは、その蒸発成分が供給されることによって、液体の増粘や固化を抑制することができる。
【0189】
・ユーザーやサービスマンによって、液体受容部47内の開口部75内に蒸発成分や水を含む液体Lwが供給されてもよい。ユーザーやサービスマンが、操作パネル24の操作によりカバー48を開位置に移動させて、液体受容部47の開口部75内に定期的に、または必要に応じて蒸発成分や水を含む液体Lwを供給してもよい。
【0190】
・液体受容装置42は、第3の液体を受容可能な第3の液体受容部47を備えてもよい。複数の液体が使用される液体吐出装置11において、その複数の液体に含まれる成分の再利用や廃棄のために、その複数の液体が、それぞれ別の液体受容部47で受容されるようにしてもよい。例えば、各々の液体に含まれる成分の再利用や廃棄のために、第1の液体Lfと、第2の液体Lsと、第3の液体と、が別々の液体受容部47で受容されるようにしてもよい。
【0191】
・液体受容装置42は、第1の液体受容部47と第2の液体受容部47との組合せよりなる群を、複数群備えた構成でもよい。また、上記変更例において、液体受容装置42は、第1の液体受容部47と第2の液体受容部47と第3の液体受容部47との組合せよりなる群を、複数群備えた構成でもよい。
【0192】
・液体吐出装置11は、インクおよび反応液以外の他の液体を吐出する液体吐出装置11であってもよい。液体吐出装置11から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。ここでいう液体は、液体吐出装置11から吐出させることができるような材料であればよい。例えば、液体は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体吐出装置11の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は
溶解のかたちで含む液体を吐出する装置がある。液体吐出装置11は、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。液体吐出装置11は、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する装置であってもよい。液体吐出装置11は、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する装置であってもよい。
【0193】
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
(A)液体受容装置は、液体吐出部から吐出された液体を開口部から受容可能な液体受容部と、前記液体受容部内の液体を排出可能な第1排出流路と、前記液体受容部内の液体を排出可能な第2排出流路と、を備え、前記液体受容部は、前記液体受容部内に設けられ、液体を吸収可能な吸収部材と、前記液体受容部内に開口する第1排出口を有し、前記第1排出流路と連通する第1連通部と、前記液体受容部内に開口する第2排出口を有し、前記第2排出流路と連通する第2連通部と、を有し、前記第1連通部は、前記第1排出口が前記吸収部材と接する位置に設けられ、前記第2連通部は、前記第2排出口が前記吸収部材と接しない位置に設けられる。
【0194】
この構成によれば、第1連通部は、第1排出口が吸収部材と接する位置に設けられることにより、吸収部材が吸収した液体を第1排出口より排出することができる。そして、吸収部材に受容される液体の量が多いときに、吸収部材に吸収された液体の量を減らすことができる。すなわち、液体吐出部から吐出された液体が、液体受容部の開口部から溢れ出ることを抑制できる。
【0195】
また、吸収部材内の蒸発成分が少なくなった液体を加湿するために、吸収部材と接しない位置に設けられた第2排出口の高さまで液体受容部内に液体を溜めて、当該液体から蒸発する蒸発成分により継続的に加湿することができる。もしくは、吸収部材が液体受容部内に溜められた蒸発成分が多い液体に浸されて、吸収部材がその蒸発成分が多い液体を吸収する。これにより、吸収部材に受容される液体の量が少ないときに、吸収部材に吸収された液体が吸収部材内で乾いて増粘することを抑制できる。その結果、吸収部材が目詰まりすることにより、開口部から受容した液体の吸収部材内部への吸収が妨げられて、吸収部材の受容面に液体の固化物が堆積し、ノズル面を汚すことを抑制できる。
【0196】
液体吐出装置の使用状況に応じて、液体受容装置が吸収部材で受容する液体の量が変化しても、吸収部材が液体吐出部から吐出された液体を吸収できなくなって発生する液体受容装置の不具合を抑制できる。
【0197】
(B)上記液体受容装置において、前記液体吐出部から吐出される液体は、水を含む液体であり、前記液体受容部内に水を含む液体を供給可能な液体供給部を備えてもよい。
この構成によれば、液体供給部が液体受容部内に水を含む液体を供給することによって、吸収部材に吸収された液体を液体受容部内に溜められた水を含む液体から蒸発する水分で継続的に加湿することができる。もしくは、液体供給部が液体受容部内に水を含む液体を供給することによって、吸収部材が、液体受容部内に供給されて溜められた水を含む液体に浸されてその水を含む液体を吸収するため、吸収部材内の水分が少なくなった液体の水分を、多くすることができる。また、吸収部材内の液体が水を含む液体内に流出するため、吸収部材内の液体の量を少なくすることができる。吸収部材に吸収された液体が水を含む液体内に流出すると、吸収部材を液体が吸収される前の状態に近づけることができる。これにより、吸収部材に吸収された液体が吸収部材内で乾いて増粘または固化することを抑制できる。その結果、吸収部材が目詰まりすることによって、開口部から受容した液
体の吸収部材内部への吸収が妨げられて、吸収部材の受容面に液体の固化物が堆積し、ノズル面を汚すことを抑制できる。
【0198】
(C)上記液体受容装置において、前記液体受容部は、前記吸収部材の下方に空間を有してもよい。
この構成によれば、液体受容部は、吸収部材内だけでなく、吸収部材の下方の空間にも、液体または水を含む液体を収容することができる。そして、吸収部材で吸収した液体を多くの液体または水を含む液体から蒸発する多くの水分や蒸発成分で継続的に加湿することができる。よって、吸収部材に吸収された液体が吸収部材内で乾いて増粘または固化することをより抑制できる。
【0199】
(D)上記液体受容装置において、前記吸収部材は、前記液体受容部内を満たす液体が前記第2排出口から排出されたときに前記液体受容部内に残る液体の液面と重なる位置に設けられてもよい。
【0200】
この構成によれば、液体受容部内が液体や水を含む液体で満たされた後に、第2排出口から液体受容部内の液体や水を含む液体を排出することにより、液体受容部内の液体や水を含む液体の液面の高さを吸収部材と重なる位置に容易に設定することができる。これにより、吸収部材から水分や蒸発成分が蒸発しても、吸収部材が、液体受容部内に溜められた液体や水を含む液体を、液体受容部内に溜められた液体や水を含む液体と重なる部分から吸収するため、吸収部材内の液体の乾燥を抑制することができる。また、吸収部材に吸収された液体を液体受容部内に溜められた水を含む液体と重なる部分から、吸収部材内から流出させることができる。これにより、吸収部材に吸収された液体が吸収部材内で乾いて増粘または固化することをより抑制できる。
【0201】
(E)上記液体受容装置において、前記液体受容部は、前記第2排出口の周囲に、前記吸収部材の端部と係止する凸部を有してもよい。
この構成によれば、吸収部材と第2排出口とが接することを抑制するとともに、吸収部材によって第2排出口が閉塞されることが抑制できる。
【0202】
(F)上記液体受容装置において、前記第2排出口は、鉛直方向において、前記吸収部材の上面と下面との間に設けられてもよい。
この構成によれば、液体受容部内が液体や水を含む液体で満たされた後に、第2排出口から液体受容部内の液体や水を含む液体を排出することにより、液体受容部内の液体や水を含む液体の液面の高さを吸収部材と重なる位置に容易に設定することができる。これにより、吸収部材から水分や蒸発成分が蒸発しても、吸収部材が、液体受容部内に溜められた液体や水を含む液体を、液体受容部内に溜められた液体や水を含む液体と重なる部分から吸収するため、吸収部材内の液体の乾燥を抑制することができる。また、吸収部材に吸収された液体を液体受容部内に溜められた水を含む液体と重なる部分から、吸収部材内から流出させることができる。これにより、吸収部材に吸収された液体が吸収部材内で乾いて増粘または固化することをより抑制できる。
【0203】
(G)上記液体受容装置において、前記第1排出流路または前記第2排出流路を介して前記液体受容部内の液体を吸引する吸引部と、前記第1排出流路および前記第2排出流路のうち、前記吸引部と連通する排出流路を切替可能な流路切替部と、を備えてもよい。
【0204】
この構成によれば、1つの吸引部で、第1排出流路と第2排出流路とのそれぞれを介して液体受容部内の液体の吸引を可能とすることができる。
よって、1つの吸引部で、液体吐出装置の使用状況に応じて、液体受容装置が2つの液体受容部内の吸収部材で受容する液体の量が変化しても、吸収部材が液体吐出部から吐出
された液体を吸収できなくなって発生する液体受容装置の不具合を抑制できる。
【0205】
(H)上記液体受容装置において、第1の液体を受容可能な1の前記液体受容部と、第2の液体を受容可能な2の前記液体受容部と、を備え、前記流路切替部は、1の前記液体受容部に連通する前記第1排出流路と、2の前記液体受容部に連通する前記第1排出流路と、が前記吸引部と連通する状態と、1の前記液体受容部に連通する前記第2排出流路と、2の前記液体受容部に連通する前記第2排出流路と、が前記吸引部と連通する状態と、の間で切替可能であってもよい。
【0206】
この構成によれば、第1排出流路を介して1の液体受容部内の液体と、第1排出流路を介して2の液体受容部内の液体と、の吸引と、第2排出流路を介して1の液体受容部内の液体と、第2排出流路を介して2の液体受容部内の液体と、の吸引との両方を、1つの吸引部で可能とすることができる。すなわち、1つの吸引部で、2つの液体受容部に対して同じ排出制御を可能とすることができる。
【0207】
よって、1つの吸引部で、液体吐出装置の使用状況に応じて、液体受容装置が2つの液体受容部内の吸収部材で受容する液体の量が変化しても、吸収部材が液体吐出部から吐出された液体を吸収できなくなって発生する液体受容装置の不具合を抑制できる。
【0208】
(I)上記液体受容装置において、第1の液体を受容可能な1の前記液体受容部と、第2の液体を受容可能な2の前記液体受容部と、を備え、前記流路切替部は、1の前記液体受容部に連通する前記第1排出流路と、2の前記液体受容部に連通する前記第2排出流路と、が前記吸引部と連通する状態と、1の前記液体受容部に連通する前記第2排出流路と、2の前記液体受容部に連通する前記第1排出流路と、が前記吸引部と連通する状態と、の間で切替可能であってもよい。
【0209】
この構成によれば、第1排出流路を介して1の液体受容部内の液体と、第2排出流路を介して2の液体受容部内の液体と、の吸引と、第2排出流路を介して1の液体受容部内の液体と、第1排出流路を介して2の液体受容部内の液体と、の吸引との両方を、1つの吸引部で可能とすることができる。すなわち、1つの吸引部で、2つの液体受容部に対して反対の排出制御を可能とすることができる。
【0210】
よって、1つの吸引部で、液体吐出装置の使用状況に応じて、液体受容装置が2つの液体受容部内の吸収部材で受容する液体の量が変化しても、吸収部材が液体吐出部から吐出された液体を吸収できなくなって発生する液体受容装置の不具合を抑制できる。
【0211】
(J)上記液体受容装置において、第1の液体を受容可能な1の前記液体受容部と、第2の液体を受容可能な2の前記液体受容部と、を備え、前記流路切替部は、1の前記液体受容部に連通する前記第1排出流路と前記吸引部とが連通する状態と、1の前記液体受容部に連通する前記第2排出流路と前記吸引部とが連通する状態と、2の前記液体受容部に連通する前記第1排出流路と前記吸引部とが連通する状態と、2の前記液体受容部に連通する前記第2排出流路と前記吸引部とが連通する状態と、の間で切替可能であってもよい。
【0212】
この構成によれば、第1排出流路を介して1の液体受容部内の液体の吸引と、第2排出流路を介して1の液体受容部内の液体の吸引と、第1排出流路を介して2の液体受容部内の液体の吸引と、第2排出流路を介して2の液体受容部内の液体の吸引と、のそれぞれを1つの吸引部で可能とすることができる。すなわち、1つの吸引部で、2つの液体受容部に対してそれぞれ異なる排出制御を可能とすることができる。
【0213】
よって、1つの吸引部で、液体吐出装置の使用状況に応じて、液体受容装置が2つの液体受容部内の吸収部材で受容する液体の量が変化しても、吸収部材が液体吐出部から吐出された液体を吸収できなくなって発生する液体受容装置の不具合を抑制できる。
【0214】
(K)上記液体受容装置において、前記第1排出口は、前記液体受容部の長手方向における一端側に設けられ、前記第2排出口は、前記液体受容部の長手方向における他端側に設けられてもよい。
【0215】
この構成によれば、2つの液体受容部を短手方向に近づけて配置する事が出来るため、液体受容装置の幅方向を小さくすることができる。すなわち、液体受容装置が大きくなることを抑制できる。
【0216】
(L)上記液体受容装置において、1の前記液体受容部の前記開口部を覆うように構成される第1カバーと、2の前記液体受容部の前記開口部を覆うように構成される第2カバーと、前記第1カバーおよび前記第2カバーを同時に移動可能な1の駆動機構と、を備えてもよい。
【0217】
この構成によれば、2つの液体受容部内に受容した液体や収容する水の乾燥を抑制するための2つのカバーを、1つの駆動機構で駆動することができる。すなわち、液体受容装置が大きくなることを抑制できる。
【0218】
(M)上記液体受容装置において、1の前記液体受容部および2の前記液体受容部はそれぞれ、前記第1カバーおよび前記第2カバーと接触可能であるとともに弾性変形可能な変形部を、前記開口部を囲む状態に有し、前記変形部の表面には撥水処理が施されてもよい。
【0219】
この構成によれば、変形部が弾性変形することにより、液体受容部とカバーとの密着性を向上できるとともに、変形部がカバーに密着したときに、吸収部材内に吸収されている液体が、毛細管力により開口部の内側面を上昇することを抑制できる。そして、液体が開口部の外側面に垂れることを抑制できる。
【0220】
(N)液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出部と、上記液体受容装置と、を備えてもよい。
この構成によれば、上述した液体受容装置が奏する作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0221】
11…液体吐出装置、12…脚部、13…筐体、14…媒体、15…繰出部、16…案内部、17…回収部、18…テンション付与機構、20…液体吐出部、20w…液体吐出部、21…キャリッジ、22…メンテナンスユニット、23…液体供給装置、24…操作パネル、25…液体収容体、25f…液体収容体、25s…液体収容体、25w…液体収容体、26…装着部、27…液体供給流路、27f…液体供給流路、27s…液体供給流路、27w…液体供給流路、29…制御部、30…駆動機構、30a…ギア列、31s…ピニオンギア、31f…ピニオンギア、32…ピニオン軸、33f…ラックギア、33s…ラックギア、34…ベース部、34f…ベース部、34s…ベース部、42…液体受容装置、43…液体収集装置、44…吸引装置、45…キャッピング装置、46…昇降機構、46a…リンク、47…液体受容部、47f…第1液体受容部、47s…第2液体受容部、48…カバー、48a…裏面、48f…第1カバー、48s…第2カバー、49…カバー用モーター、51…吸引キャップ、52…吸引用保持体、53…吸引用モーター、54…減圧機構、56…放置キャップ、57…放置用保持体、58…放置用モーター、60
…帯状部材、61…ケース、62…レール、63…払拭用モーター、64…巻取用モーター、65…動力伝達機構、70…ボックス部、70a…変形部、71…第1連通部、71a…第1排出口、71b…孔縁部、72…第2連通部、72a…第2排出口、72b…孔縁部、73…第3連通部、73a…液体供給口、74a…座柱、74b…係合部、74c…位置決め係合部、74d…位置決め係合部、74e…凸部としての柵柱、75…開口部、75a…底部、75b…内側部、76…吸収部材、76a…上面としての受容面、76b…切欠き部、76c…位置決め被係合部、76d…位置決め被係合部、76e…下面、76f…側面、77…規制部材、77a…規制面、77b…被係合部、78…空間、80…廃液回収部、81…第1排出流路、81f…第1排出流路、81s…第1排出流路、82…第2排出流路、82f…第2排出流路、82s…第2排出流路、83…廃液タンク、83f…廃液タンク、83s…廃液タンク、84…回収流路、84f…回収流路、84s…回収流路、85…吸引部、86…流路切替部、87…大気開放路、87f…大気開放路、87s…大気開放路、90…液体供給部、91…液体供給流路、91f…液体供給流路、91s…液体供給流路、92…液体タンク、93…液体送出流路、94…切替弁、95…送出部、CP…クリーニング位置、D1…閉方向、D2…開方向、D3…下降方向、D4…上昇方向、G1…第1ノズル群、G2…第2ノズル群、G3…第3ノズル群、G4…第4ノズル群、G5…第5ノズル群、G6…第6ノズル群、HP…ホームポジション、Lf…第1の液体、Ls…第2の液体、Lw…水を含む液体、N1…第1ノズル列、N2…第2ノズル列、N3…第3ノズル列、N4…第4ノズル列、N5…第5ノズル列、N6…第6ノズル列、N7…第7ノズル列、N8…第8ノズル列、N9…第9ノズル列、N10…第10ノズル列、N11…第11ノズル列、N12…第12ノズル列、Tf…第1排出口から排出される期間、Ts…第2排出口から排出される期間、W1…第1払拭方向、W2…第2払拭方向、X…幅方向、Y…奥行方向、Z…鉛直方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19