(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】塗料の隠蔽性試験方法
(51)【国際特許分類】
B05D 5/00 20060101AFI20240730BHJP
B05D 1/36 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B05D5/00 Z
B05D1/36 Z
(21)【出願番号】P 2020212358
(22)【出願日】2020-12-22
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水谷 拓未
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 未来
(72)【発明者】
【氏名】東 欣一郎
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-241911(JP,A)
【文献】特開2014-16214(JP,A)
【文献】登録実用新案第3134822(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第109444137(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104345136(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00-7/26
C09J 1/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
白黒模様を有する複数の白黒隠蔽試験部材を用いた塗料の隠蔽性試験方法であって、
前記塗料が付与されていない複数の前記白黒隠蔽試験部材に対し、段階的に異なる狙い膜厚値となるように、それぞれ塗装回数を変えて前記塗料を付与する段階塗装工程と、
複数の前記白黒隠蔽試験部材に付与された前記塗料を硬化させる硬化工程と、
前記硬化工程により得られた複数の前記白黒隠蔽試験部材同士を比較することにより、前記塗料の白黒隠蔽性を評価する評価工程と、
を備える塗料の隠蔽性試験方法。
【請求項2】
前記段階塗装工程は、
複数の前記白黒隠蔽試験部材のうち、前記硬化工程前の前記白黒隠蔽試験部材における前記塗料の厚みである硬化前膜厚値が前記狙い膜厚値に対応する値に達していない前記白黒隠蔽試験部材を対象として、互いに均一な厚さに前記塗料を付与する均一塗装工程と、
前記硬化前膜厚値が前記狙い膜厚値に対応する値に達した前記白黒隠蔽試験部材を、次回の前記均一塗装工程の対象除外とする除外工程と、
を含み、
前記除外工程において前記対象除外とされた前記白黒隠蔽試験部材を除く他の全ての前記白黒隠蔽試験部材の前記硬化前膜厚値が前記狙い膜厚値に対応する値に達するまで、前記均一塗装工程と、前記除外工程とを繰り返す、請求項1に記載の塗料の隠蔽性試験方法。
【請求項3】
前記評価工程は、
前記硬化工程が実行された後の複数の前記白黒隠蔽試験部材のうち、前記狙い膜厚値が隣合う段階の2つの前記白黒隠蔽試験部材同士を比較して、前記白黒模様における白色部と黒色部との境界が見えない限界の前記白黒隠蔽試験部材を特定する工程と、
特定された前記限界の前記白黒隠蔽試験部材における前記塗料の厚みである硬化後膜厚値を取得する膜厚値取得工程と、
取得された前記硬化後膜厚値を、前記白黒隠蔽性の評価値である白黒隠蔽膜厚値として特定する工程と、
を有する請求項1または請求項2に記載の塗料の隠蔽性試験方法。
【請求項4】
前記段階塗装工程は、
複数の前記白黒隠蔽試験部材のうち、前記硬化工程前の前記白黒隠蔽試験部材における前記塗料の厚みである硬化前膜厚値が前記狙い膜厚値に対応する値に達していない前記白黒隠蔽試験部材を対象として、互いに均一な厚さに前記塗料を付与する均一塗装工程と、
前記均一塗装工程が実行された後の前記白黒隠蔽試験部材における前記硬化前膜厚値を測定する膜厚測定工程と、
測定された前記硬化前膜厚値と前記狙い膜厚値に対応する値とを比較し、前記硬化前膜厚値が前記狙い膜厚値に対応する値に達した前記白黒隠蔽試験部材を、次回の前記均一塗装工程の対象除外とする除外工程と、
を含み、
前記除外工程において前記対象除外とされた前記白黒隠蔽試験部材を除く他の全ての前記白黒隠蔽試験部材の前記硬化前膜厚値が前記狙い膜厚値に対応する値に達するまで、前記均一塗装工程と、前記膜厚測定工程と、前記除外工程とを繰り返し、
前記膜厚値取得工程は、
前記膜厚測定工程において測定された前記硬化前膜厚値に、前記塗料を焼き付けた後に塗膜として残る固形分の割合であって事前の試験により予め決定された加熱残分を乗じて前記硬化後膜厚値を算出する工程、
を含む、請求項3に記載の塗料の隠蔽性試験方法。
【請求項5】
前記狙い膜厚値は、複数の前記白黒隠蔽試験部材ごとに等間隔で段階的に異なる請求項1~請求項4のうちいずれか一項に記載の塗料の隠蔽性試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、塗料の隠蔽性試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塗料の持つ特性の一つである下地隠蔽性を表す指標として「白黒隠蔽膜厚値」が知られている。白黒隠蔽膜厚値が大きいほど下地隠蔽性が低く、白黒隠蔽膜厚値が小さいほど下地隠蔽性が高い。この白黒隠蔽膜厚値を求める方法として、例えば、特許文献1に記載されるように、白黒の市松模様の白黒隠蔽試験部材を用い、JIS-K 5600-4-1に規定される隠蔽率試験方法に準じたものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載される方法は、以下の通りである。この方法では、白黒隠蔽試験部材として、ブリキ板の左右方向の中央部に、白黒隠蔽試験紙が両面テープで貼り付けられたものが用いられる。白黒隠蔽試験紙は上下6区画に形成され、上端の1区画以外は塗料がつかないようにマスキング用板で覆い、塗料を所定の乾燥膜厚でスプレー塗装する。次に、白黒隠蔽試験部材を覆っているマスキング用板を白黒隠蔽試験紙の下の次の区画までずらしたのち、最初の区画と新たに現れた区画とに均等に塗装する。すなわち、最初から露出している区画は重ねて塗装されることとなり、その分だけ、新たに現れた区画より膜厚が厚くなる。1区画ずつずらして6区画全てが塗装されるように上記操作を繰り返す。
【0004】
その後、乾燥させ、得られた白黒隠蔽試験部材を人工太陽灯の下で目視する。塗装した膜厚の厚いほうから順に見て、白黒隠蔽試験紙の黒と白との境界がかすかに透けている区画より、膜厚が厚い1区画上の膜厚を測定し、白黒隠蔽膜厚値とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1の方法では、1枚の試験紙を1区画ずつずらして塗装することで生じる段差のある面に順次塗装を繰り返すため、均一に精度良く塗装することが難しく、精度よく品質評価を行うことが困難であった。近年の高隠蔽性塗料では、わずかな膜厚差が評価過程で必要とされるため、上記問題が顕著であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0008】
(1)本開示の一形態によれば、塗料の隠蔽性試験方法が提供される。この塗料の隠蔽性試験方法は、白黒模様を有する複数の白黒隠蔽試験部材を用いた塗料の隠蔽性試験方法であって、前記塗料が付与されていない複数の前記白黒隠蔽試験部材に対し、段階的に異なる狙い膜厚値となるように、それぞれ塗装回数を変えて前記塗料を付与する段階塗装工程と、複数の前記白黒隠蔽試験部材に付与された前記塗料を硬化させる硬化工程と、前記硬化工程により得られた複数の前記白黒隠蔽試験部材同士を比較することにより、前記塗料の白黒隠蔽性を評価する評価工程と、を備える。
上記形態の塗料の隠蔽性試験方法によれば、段階塗装工程において、塗料が付与されていない複数の白黒隠蔽試験部材に対し、段階的に異なる狙い膜厚値となるように、それぞれ段階的に塗装回数を変えて塗料を付与する。このため、1枚の試験紙の単一面に段階的に膜厚の異なる塗膜を形成する形態と比較して塗装精度が安定し、評価精度を向上させることができる。
(2)上記形態において、前記段階塗装工程は、複数の前記白黒隠蔽試験部材のうち、前記硬化工程前の前記白黒隠蔽試験部材における前記塗料の厚みである硬化前膜厚値が前記狙い膜厚値に対応する値に達していない前記白黒隠蔽試験部材を対象として、互いに均一な厚さに前記塗料を付与する均一塗装工程と、前記硬化前膜厚値が前記狙い膜厚値に対応する値に達した前記白黒隠蔽試験部材を、次回の前記均一塗装工程の対象除外とする除外工程と、を含み、前記除外工程において前記対象除外とされた前記白黒隠蔽試験部材を除く他の全ての前記白黒隠蔽試験部材の前記硬化前膜厚値が前記狙い膜厚値に対応する値に達するまで、前記均一塗装工程と、前記除外工程とを繰り返してもよい。
上記形態の塗料の隠蔽性試験方法によれば、段階塗装工程において、均一塗装と除外工程とが繰り返されることで、硬化前膜厚値が狙い膜厚値に対応する値に達した白黒隠蔽試験部材を、狙い膜厚値が小さい方から順次作成することができる。
(3)上記形態において、前記評価工程は、前記硬化工程が実行された後の複数の前記白黒隠蔽試験部材のうち、前記狙い膜厚値が隣合う段階の2つの前記白黒隠蔽試験部材同士を比較して、前記白黒模様における白色部と黒色部との境界が見えない限界の前記白黒隠蔽試験部材を特定する工程と、特定された前記限界の前記白黒隠蔽試験部材における前記塗料の厚みである硬化後膜厚値を取得する膜厚値取得工程と、取得された前記硬化後膜厚値を、前記白黒隠蔽性の評価値である白黒隠蔽膜厚値として特定する工程と、を有してもよい。
この形態によれば、白黒模様における白色部と黒色部との境界が見えない限界の白黒隠蔽試験部材が特定され、特定された白黒隠蔽試験部材の硬化後膜厚値が白黒隠蔽膜厚値とされる。このため、塗料の白黒隠蔽性を数値として的確に評価することができる。
(4)上記形態において、前記段階塗装工程は、複数の前記白黒隠蔽試験部材のうち、前記硬化工程前の前記白黒隠蔽試験部材における前記塗料の厚みである硬化前膜厚値が前記狙い膜厚値に対応する値に達していない前記白黒隠蔽試験部材を対象として、互いに均一な厚さに前記塗料を付与する均一塗装工程と、前記均一塗装工程が実行された後の前記白黒隠蔽試験部材における前記硬化前膜厚値を測定する膜厚測定工程と、測定された前記硬化前膜厚値と前記狙い膜厚値に対応する値とを比較し、前記硬化前膜厚値が前記狙い膜厚値に対応する値に達した前記白黒隠蔽試験部材を、次回の前記均一塗装工程の対象除外とする除外工程と、を含み、前記除外工程において前記対象除外とされた前記白黒隠蔽試験部材を除く他の全ての前記白黒隠蔽試験部材の前記硬化前膜厚値が前記狙い膜厚値に対応する値に達するまで、前記均一塗装工程と、前記膜厚測定工程と、前記除外工程とを繰り返し、前記膜厚値取得工程は、前記膜厚測定工程において測定された前記硬化前膜厚値に、前記塗料を焼き付けた後に塗膜として残る固形分の割合であって事前の試験により予め決定された加熱残分を乗じて前記硬化後膜厚値を算出する工程、を含んでもよい。
この形態によれば、段階塗装工程において、仮に塗装不良で狙い膜厚値と異なってしまった場合に、硬化工程前に知ることができ、すぐに工程のやり直しができる。
(5)上記形態において、前記狙い膜厚値は、前記白黒隠蔽試験部材ごとに等間隔で段階的に異なっていてもよい。この形態によれば、複数の白黒隠蔽試験部材の狙い膜厚値は、等間隔で段階的に異なる。すなわち膜厚段差が一定であり、同程度の間隔で濃淡が異なる塗膜を有する白黒隠蔽試験部材を作成できる。塗膜の厚さ順に連続する白黒隠蔽試験部材において急激に濃淡が変化することがないので、評価工程において、白黒模様が見えない限界の白黒隠蔽試験部材を判定しやすく、評価精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の第1実施形態における塗料の隠蔽性試験方法を説明するメインフローチャートである。
【
図2】段階塗装工程を説明するフローチャートである。
【
図4】段階塗装工程を説明するための模式図である。
【
図5】段階塗装工程を説明するための模式図である。
【
図7】本開示の第2実施形態における塗料の隠蔽性試験方法を説明するメインフローチャートである。
【
図8】段階塗装工程を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
A.第1実施形態:
本開示の第1実施形態における塗料の隠蔽性試験方法について、
図1~
図6を参照して説明する。塗料の持つ特性の一つである下地隠蔽性を表す指標として「白黒隠蔽膜厚値」がある。本実施形態の隠蔽性試験方法では、試験対象となる塗料について白黒隠蔽膜厚値を求め、得られた白黒隠蔽膜厚値、当該塗料に対して予め所定条件のもと規格された白黒隠蔽膜厚値に適合しているかどうかを評価する。白黒隠蔽膜厚値を求める際には、複数の白黒隠蔽試験部材が用いられる。
【0011】
図1は、本開示の第1実施形態における塗料の隠蔽性試験方法を説明するメインフローチャートである。
図2は、段階塗装工程を説明するフローチャートである。
図3~
図6は、塗料の隠蔽性試験方法の各工程を説明するための模式図である。
【0012】
まず、隠蔽性試験方法で用いる白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15について説明する。
図3~
図6に示すように、本実施形態の隠蔽性試験方法で採用する複数(本実施形態では5つ)の白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15は、いずれも同一の構成である。なお、
図3~
図6の各図においては、各白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15の以下詳述する構成要素については、第1白黒隠蔽試験部材11または第
2白黒隠蔽試験部材12にのみ符号を付し、他の白黒隠蔽試験部材13~15の構成要素については符号を省略している。
【0013】
図3に示すように、各白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15は、ブリキ板16と、白黒隠蔽試験紙17とを有している。ブリキ板16は、長方形の平面視形状を有し、長辺が上下方向と一致するように配置される。ブリキ板16の横幅と白黒隠蔽試験紙17の横幅は略同じである。白黒隠蔽試験紙17には、白黒模様として白黒の市松模様が印刷されている。
【0014】
本実施形態の白黒隠蔽試験紙17は、共に正方形をなす白色マス部18と黒色マス部19とが、全体として2マス×2マスとなるように交互に配置されている。各マス部18,19の1辺の長さは略50mmである。明度は白色マス部18でL値90以上、黒色部でL値12以下である。白色マス部18が「白色部」に相当し、黒色マス部19が「黒色部」に相当する。白黒隠蔽試験紙17は、ブリキ板16の上下方向中央部に貼り付けられている。ブリキ板16の上下端部には、白黒隠蔽試験紙17が貼り付けられていない上空きスペース21および下空きスペース22が形成されている。
【0015】
次に、上記説明した白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15を用いた塗料の隠蔽性試験方法について説明する。本実施形態で評価対象とする塗料は、白黒隠蔽膜厚値の規格が1.0±0.2μmのものとする。すなわち、規格の中央値が1.0μmであり、許容下限値が0.8μmであり、許容上限値が1.2μmである。
【0016】
図1に示すように、隠蔽性試験方法は、膜厚決定工程S10と、配置工程S20と、段階塗装工程S30と、硬化工程S40と、評価工程S50と、を備えている。膜厚決定工程S10では、複数の白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15ごとに等間隔に段階的に異なる狙い膜厚値を決定する。本実施形態では、白黒隠蔽膜厚値の規格が1.0±0.2μmであるため、各白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15の狙い膜厚値を0.2μm刻みで設定する。この白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15ごとの狙い膜厚値の差である厚み0.2μmが、所謂「膜厚段差」である。
【0017】
第1白黒隠蔽試験部材11の狙い膜厚値は、許容下限値よりもさらに下方へ膜厚段差分外れた0.6μmとする。第2白黒隠蔽試験部材12の狙い膜厚値は、許容下限値の0.8μmとする。第3白黒隠蔽試験部材13の狙い膜厚値は、中央値の1.0μmとする。第4白黒隠蔽試験部材14の狙い膜厚値は、許容上限値の1.2μmとする。第5白黒隠蔽試験部材15の狙い膜厚値は、許容上限値よりもさらに上方へ膜厚段差分外れた1.4μmとする。
【0018】
図3は、配置工程S20を説明する模式図であり、全ての白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15の配置が完了した状態を正面から見た図である。配置工程S20では、
図3に示すように、複数の白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15を、塗装面が同一平面上に位置するように、平坦なベース板23上に配置する。ベース板23はブリキ等からなる鋼板であって、図示しない架台に磁石で固定されている。5つの白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15は、ベース板23上に一方側(
図3における左側)から順に略等間隔で横並びに配置される。
【0019】
図2は、段階塗装工程S30を説明するフローチャートである。段階塗装工程S30では、塗料が付与されていない複数の白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15ごとに段階的に塗装回数を変えて塗料を付与する。これにより、白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15ごとに塗膜の厚みが等間隔に段階的に異なる膜厚段差を形成する。
【0020】
図2に示すように、段階塗装工程S30は、均一塗装工程S31と、膜厚値取得工程S32と、除外工程S33と、を備えている。後述するように、本実施形態では、均一塗装工程S31は、複数回(本実施形態では7回)実行される。均一塗装工程S31では、硬化工程前の白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15の塗膜の厚みである硬化前膜厚値が、硬化前換算での狙い膜厚値になっていない白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15を塗装対象として均一な厚さに塗装する。「均一」とは、互いに全く誤差がない状態に加え、5%未満の誤差がある状態も含む広い意味を有する。
【0021】
なお、上述の「狙い膜厚値」は、後述する硬化工程S40を経た後の塗料の厚み値を意味する。そして、上述の「硬化前換算での狙い膜厚値」とは、硬化工程S40を経て上述の狙い膜厚値になると推定される硬化前の塗料の厚み値を意味する。以下、白黒隠蔽試験部材の「硬化前膜厚値」と「狙い膜厚値」との比較においては、「狙い膜厚値」は「硬化前換算での狙い膜厚値」を意味する。
【0022】
なお、「狙い膜厚値に対応する値」とは、「狙い膜厚値」を硬化前の値で考えると「狙い膜厚値そのもの」であり、「狙い膜厚値」を硬化後の値で考えると「狙い膜厚値を加熱残分で除して換算された硬化前の膜厚値」である。ここで「狙い膜厚値に対応する」とは、「硬化前膜厚値」と「狙い膜厚値」の数値の厳密な意味での完全一致に限らず、当該技術分野の技術常識に照らして、通常、同一であると判断される範囲の同一性を有していれば、対応しているものと解釈する。
【0023】
図4は、均一塗装工程S31を説明する模式図であって、5つの全ての白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15に対して塗装を行う様子を示している。均一塗装は、周知のスプレーガンにより手動でスプレー塗装される。スプレーガンのエア圧力、吐出量、およびパターン幅(塗料が吹き付けられて形成される塗料の楕円形状の縦幅)は、1回のスプレー噴射による塗装厚みが0.2μmとなるようにそれぞれ所定に設定される。なお、ここでいう0.2μmの数値は、硬化後の膜厚である。スプレー塗布時には、塗料の加熱残分を見越して、塗装時の膜厚値である硬化前膜厚値が設定される。例えば、本実施形態の塗料の加熱残分が3.5%である場合、硬化後膜厚値が0.2μmの塗膜の硬化前膜厚値は約6μm程度である。加熱残分は、塗料を焼き付けた後に塗膜として残る固形分の割合であって、事前の試験により予め決定されている。
【0024】
図4において、スプレーガンによる塗装ルートR1,R2,R3を、破線の矢印で示している。塗装ルートR1,R2,R3で示すように、本実施形態では、各白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15の全面に対して、上部ルートR1、中間部ルートR2、および下部ルートR3の3部に分けて塗装する。より詳細には、上部ルートR1に示すように、作業者は、スプレーガンを、第1白黒隠蔽試験部材11の上空きスペース21を狙い位置にして撃ち、第2白黒隠蔽試験部材12側へ横方向にスライドしていき、各白黒隠蔽試験部材12,13,14,15の上部に対して順次撃ち、塗装していく。この過程で、各白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15の上部、すなわち、主に上空きスペース21と市松模様の上段にまたがって塗装される。
【0025】
第5白黒隠蔽試験部材15の上部まで塗装が完了したら、スプレーガンの狙い位置を約1マス分下方へずらす。そして、中間部ルートR2に示すように、今度は、第5白黒隠蔽試験部材15から第1白黒隠蔽試験部材11側へスプレーガンを横移動させつつスプレー塗装していく。この過程で、各白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15の中間部、すなわち、主に市松模様の上段と下段にまたがって塗装される。
【0026】
最後に、スプレーガンの狙い位置をさらに約1マス分下へずらし、第1白黒隠蔽試験部材11の下空きスペース22を狙い位置にして撃つ。そして、上部ルートR1での塗装と同様に、下部ルートR3に示すように、第2白黒隠蔽試験部材12側へ横方向にスライドしていき、第5白黒隠蔽試験部材15の下空きスペース22まで順次塗装する。この過程で、各白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15の下部、すなわち、主に市松模様の下段と下空きスペース22にまたがって塗装される。なお、パターン幅は、上下で重複するように塗装される。また、塗装面に対して、スプレーガンは常に直角に向けるようにする。以上により、塗装対象の全ての白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15が均一に塗装される。
【0027】
このように、高さ方向の位置が異なる3つの塗装ルートR1,R2,R3を設けているのは、スプレーガンが、噴射領域の端部において、中心部に比べて塗料の噴射量が少ない特性を有しているので、この特性に起因して、白色マス部18および黒色マス部19における膜厚にばらつきが生じることを抑制するためである。
【0028】
再び
図2を参照する。均一塗装工程S31の後に実行される膜厚値取得工程S32は、白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15の硬化前膜厚値を測定する膜厚測定工程を含む。膜厚測定工程では、例えばロータリー型ウェットゲージにより焼き付け前の塗膜の厚さを計測する。このとき、白黒模様に測定痕を残さないために上空きスペース21または下空きスペース22において硬化前の膜厚を測定する。1回の均一塗装工程S31を経たあとは、硬化後膜厚値で0.2μm(硬化前膜厚値で6μm)となっているはずであり、正しくこの厚みとなっているかをウェットゲージの測定値から確認する。
【0029】
この時点で、塗膜の厚みが狙い膜厚値と著しく相違している場合には、塗装をやり直す。例えば、狙った膜厚よりも薄い場合には、もう一度重ねて塗装したり、狙った膜厚より厚い場合には、塗膜をきれいに拭き取った後、再度均一塗装工程S31をやり直したりできる。後に評価で必要となる硬化後膜厚値は、硬化前膜厚値を示すウェットゲージの測定値に、塗料によって予め定められた加熱残分を乗じて算出する。
【0030】
膜厚値取得工程S32に次いで実行される除外工程S33では、硬化前膜厚値が硬化前換算での狙い膜厚値となった白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15を次回の塗装工程の対象除外とする。具体的には、塗膜が狙い膜厚値となった白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15をベース板23から取り外す。ただし、上述のように、白黒隠蔽膜厚の規格に応じて決定した最下限の狙い膜厚値は0.6μmであり、
図2に示すルーチンの1巡目では、0.2μm相当分しか塗装されないので、いずれの白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15の塗膜も狙い膜厚値になっていない。このため、1巡目では、取り外される白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15はない。
【0031】
除外工程S33の完了後、全ての白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15がそれぞれの狙い膜厚値に達した状態になっているか否かが判定される(工程S34)。そして、全ての白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15がそれぞれの狙い膜厚値に達した状態になっていないと判定された場合、換言すると、1つ以上の白黒隠蔽試験部材の膜厚が狙い膜厚値になっていないと判定された場合(工程S34:NO)、処理は工程S31に戻って、再び工程S31~S34が実行される。他方、全ての白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15がそれぞれの狙い膜厚値に達した状態になっていると判定された場合(工程S34:YES)、段階塗装工程S30は終了する。本実施形態では、上述の工程S34は、工程S32により取得された膜厚が狙い膜厚値に一致したか否かを判定することにより実現される。
【0032】
1巡目の除外工程S33の後は、いずれの白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15の塗膜もまだ狙い膜厚値にはなっていないため(S34:NO)、再び2回目の均一塗装工程S31が実行される。上記したような測定値のずれによる塗装のやり直しがなければ、
図2に示すルーチンの3巡目では、全ての白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15の塗膜が、第1白黒隠蔽試験部材11に設定された狙い膜厚値(0.6μm)となる。そこで、膜厚値取得工程S32で取得された実際の膜厚が狙い膜厚値と一致していれば、第1白黒隠蔽試験部材11をベース板23から取り外す。
【0033】
4巡目の均一塗装工程S31では、第1白黒隠蔽試験部材11を除く、他の白黒隠蔽試験部材(第2白黒隠蔽試験部材12~第5白黒隠蔽試験部材15)を塗装対象として塗装を行う。
図5は、第1白黒隠蔽試験部材11をベース板23から取り外して塗装対象から除外したのち、第2白黒隠蔽試験部材12~第5白黒隠蔽試験部材15を塗装対象として4回目の均一塗装を行う様子を示している。均一塗装の方法については、塗装対象を、第2白黒隠蔽試験部材12~第5白黒隠蔽試験部材15とする他は、スプレーガンのルートR1,R2,R3についても1巡目と同様である。
【0034】
以上のように、均一塗装工程S31、膜厚値取得工程S32、および除外工程S33は、全ての白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15の塗膜がそれぞれの狙い膜厚値となるまで、複数回(本実施形態では7回)実行される。すなわち、均一塗装工程S31を経る回数は、第1白黒隠蔽試験部材11は3回、第2白黒隠蔽試験部材12は4回、第3白黒隠蔽試験部材13は5回、第4白黒隠蔽試験部材14は6回、第5白黒隠蔽試験部材15は7回となる。
【0035】
再び
図1を参照する。段階塗装工程S30が終了した後に実行される硬化工程S40では、白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15の塗料を焼き付けて硬化させる。具体的には、常温で10分間セッティングしたのち、80℃で10分間プレヒートし、さらに110℃で15分間乾燥させる。
【0036】
次いで、評価工程S50において、得られた白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15を評価する。評価工程S50では、硬化工程S40により得られた複数の白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15同士を比較することにより、塗料の白黒隠蔽性を評価する。より具体的に説明する。評価工程S50では、膜厚が段階的に異なる複数の白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15を厚さ順に比較し、狙い膜厚値が隣合う段階の2つの白黒隠蔽試験部材同士を比較して、白黒模様の白色マス部18と黒色マス部19の境界が見えない限界の白黒隠蔽試験部材を特定する。そして、特定された白黒隠蔽試験部材の硬化後膜厚値を評価結果とする。具体的には、温度23±2℃、湿度50±5%RH、標準光源装置の明るさ2000~4000ルクスの下で、正面45度の角度で250~300mmの距離から見る。また、「厚さ順に比較」とは、狙い膜厚値の小さい第1白黒隠蔽試験部材11から見てもよいし、逆に、狙い膜厚値の大きい第5白黒隠蔽試験部材15から見てもよい。
【0037】
図6は、評価工程S50を説明するための模式図である。
図6に破線で囲んで示すように、白黒模様が透けて見える第2白黒隠蔽試験部材12と、白黒模様が透けて見えない第3白黒隠蔽試験部材13のペアを選定する。そのペアのうち白黒模様が見えない白黒隠蔽試験部材13の硬化後膜厚値を評価結果とする。すなわち、本実施形態では、第3白黒隠蔽試験部材13が、白色マス部18と黒色マス部19の境界が見えない限界の試験紙である。よって、第3白黒隠蔽試験部材13の硬化後膜厚値である1.0μmを評価結果、すなわち白黒隠蔽性の評価値である「白黒隠蔽膜厚値」とする。本実施形態では、結果として、白黒隠蔽膜厚値が規格内にあり、規格に適合している塗料であると判断できる。なお、上記硬化工程S40および評価工程S50における、詳細な環境条件は、予め定めた規定に応じて適宜変更される。
【0038】
(1)比較例として、例えば、1枚の白黒試験紙を複数区画に分け、マスキング用板を1区画ごと外して塗装を重ね、塗膜の厚い区画から薄い区画までを順次作成することで、膜厚段差を形成する従来方法がある。こうした比較例の方法と比較して、上記第1実施形態の隠蔽性試験方法によれば、段階塗装工程S30において、均一塗装工程S31と除外工程S33とを繰り返しており、均一塗装工程S31では平坦な塗装面全体に均一塗装するようにしている。つまり、段差面に塗装する必要がないため、塗装精度が安定し、評価精度を向上させることができる。
【0039】
(2)また、上記従来方法では、白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15ごとに0.2μm程度の非常に小さな膜厚段差を形成することは技術的に困難であったが、第1実施形態の方法によれば可能であり、白黒隠蔽膜厚値が1.0μmや1.4μm程度(概ね2.0μm以下)の高隠蔽性塗料に対しても評価を実施することができる。
【0040】
(3)上記第1実施形態の隠蔽性試験方法では、硬化工程S40より前に、膜厚値取得工程S32を実行し、硬化前の膜厚をウェットゲージで計測するようにしている。このため、段階塗装工程S30時に、仮に塗装不良で測定値が狙い膜厚値と著しく異なった場合でも、この不具合を硬化工程S40前に知ることができ、すぐに工程をやり直すことができる。すなわち、作業効率を向上させることができる。
【0041】
(4)上記第1実施形態の隠蔽性試験方法では、膜厚段差が0.2μmと一定である。すなわち膜厚段差が一定であり、同程度の間隔で濃淡が異なる塗膜を有する白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15を作成できる。塗膜の厚さ順に連続する白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15において急激に濃淡が変化することがないので、評価工程S50において、白黒模様が見えない限界の白黒隠蔽試験部材を判定しやすく、評価精度を向上させることができる。
【0042】
B.第2実施形態:
次に、本開示の第2実施形態における塗料の隠蔽性試験方法について、
図7,
図8を参照して説明する。
図7は、本開示の第2実施形態における塗料の隠蔽性試験方法を説明するメインフローチャートである。
図8は、段階塗装工程を説明するフローチャートである。第2実施形態において用いる白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15は第1実施形態と同様である。第2実施形態では、ウェットゲージによる硬化前の膜厚測定を行わず、硬化後に膜厚を測定する点が、第1実施形態に対して主に異なっている。第1実施形態と同様の工程については説明を省略し、相違部分についてのみ説明する。なお、
図7、
図8において、第1実施形態と同様のステップについては同じ番号を付している。
【0043】
図7に示すように、硬化工程S40後に、膜厚値取得工程S320が実行される。膜厚値取得工程S320では、電磁膜厚計により、各白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15の硬化後膜厚を測定する。これに伴い、
図8に示す段階塗装工程S30
0において、均一塗装工程S31後には、膜厚値取得工程S32(
図2参照)を行わず、除外工程S33が実行される。第2実施形態では、除外工程S33において硬化前膜厚値が狙い膜厚値になった白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15は、塗装回数によって特定する。S34において、全ての白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15の硬化前膜厚値が狙い膜厚値になったか否かの判定をする際にも同様である。
【0044】
第2実施形態によれば、第1実施形態における上記効果(1)、(2)、(4)と同様の効果を奏することができる。
【0045】
C.他の実施形態:
(C1)上記各実施形態の白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15において、白黒市松模様の一つの正方形の大きさは約50mmとしたが、概ね40~80mm程度であれば、評価工程S50において目視確認しやすく、その数値は適宜変更可能である。また、市松模様の数についても、上記各実施形態では2マス×2マスの2段としたが、2マス1段でもよい。さらに、白黒模様として評価時に白黒の境界の判別が可能であれば、模様の形状や明度、その他の条件等については適宜変更可能である。
【0046】
(C2)上記第1実施形態では、硬化工程S40前の膜厚値取得工程S32において、硬化前膜厚値に加熱残分を積算して硬化後膜厚を取得したが、硬化前にはウェットゲージにより硬化前膜厚値を測定するのみで、評価工程S50において硬化後膜厚を算出してもよい。
【0047】
(C3)上記各実施形態の均一塗装工程S31において、狙い膜厚値の小さい第1白黒隠蔽試験部材11から塗装するようにしたが、狙い膜厚値の大きい方から塗装してもよい。また、塗装対象の白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15に対して均一な厚みに塗装できればよく、塗装ルートR1,R2,R3についても適宜変更可能である。
【0048】
(C4)上記各実施形態の除外工程S33では、除外対象の白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15をベース板23から取り外したが、次の均一塗装工程S31の塗装対象から外せればよく、例えばベース板23に取り付けたままでもよい。この場合、既に膜厚が狙い膜厚値になった白黒隠蔽試験部材に塗料のダストが付着しないように、膜厚が狙い膜厚値になった白黒隠蔽試験部材(例えば第1白黒隠蔽試験部材11)と狙い膜厚値になっていない白黒隠蔽試験部材(例えば第2~第5白黒隠蔽試験部材12,13,14,15)との境界(例えば、第1白黒隠蔽試験部材11と第2白黒隠蔽試験部材12との間)にマスキング板を配置して実施できる。
【0049】
(C5)上記第2実施形態では、評価工程S50前に全ての白黒隠蔽試験部材11,12,13,14,15の膜厚を電磁膜厚計により計測したが、評価工程S50において抽出した該当する白黒隠蔽試験部材(上記第2実施形態の例では第3白黒隠蔽試験部材13)のみの硬化後膜厚を計測してもよい。
【0050】
(C6)上記各実施形態では、狙い膜厚値の値は、硬化後膜厚をベースとして設定したが、硬化前膜厚をベースとして設定してもよい。
【0051】
(C7)上記各実施形態の段階塗装工程においては、手動のスプレーガンによる塗装としたが、ロボットやダイコーターによるものとしてもよい。
【0052】
本開示は、上記各実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する各実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0053】
11…白黒隠蔽試験部材、12…第2白黒隠蔽試験部材、13…第3白黒隠蔽試験部材、14…第4白黒隠蔽試験部材、15…第5白黒隠蔽試験部材、16…ブリキ板、17…白黒隠蔽試験紙、18…白色マス部、19…黒色マス部、21…上空きスペース、22…下空きスペース、23…ベース板、R1,R2,R3…塗装ルート、S10…膜厚決定工程、S20…配置工程、S30…段階塗装工程、S31…均一塗装工程、S32,S320…膜厚値取得工程、S33…除外工程、S40…硬化工程、S50…評価工程