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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】洗米装置
(51)【国際特許分類】
   B02B 1/06 20060101AFI20240730BHJP
   B02B 1/04 20060101ALI20240730BHJP
   A47J 27/14 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B02B1/06 Z
B02B1/06 D
B02B1/04 101
A47J27/14 N
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020213667
(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公開番号】P2022099706
(43)【公開日】2022-07-05
【審査請求日】2023-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】宮川 沙千
(72)【発明者】
【氏名】川端 英臣
(72)【発明者】
【氏名】山本 和彦
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-071065(JP,A)
【文献】特開2020-043947(JP,A)
【文献】特開2005-103364(JP,A)
【文献】特開平07-124052(JP,A)
【文献】特開平07-327818(JP,A)
【文献】米国特許第04184775(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02B 1/00 - 7/02
A47J 27/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗米タンク(5)の排米口を開閉できる排米弁(39)と排米弁(39)を連動する上下移動軸(38)を備えた洗米装置において、上下移動軸38と排米弁(39)との間に、フック(40a)及び該フック(40a)を係合しうる係合環(40b)とからなるフック係合部(40)を設けたことを特徴とする洗米装置。
【請求項2】
排米弁(39)中心線(X)が水平姿勢における洗米タンク(5)の上下移動軸(38)の軸芯(Y)に対しその下方延長線上となるように設けてなる請求項1に記載の洗米装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯前の洗米装置に関し、特に、洗米タンクから洗米後の米と水加減水を下方の炊飯釜に供給するための投下バルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
下移動軸に対して排米弁が下方へ外れるのを止めるロック部材と、ロック部材の上下移動軸に対する嵌合を解除するのに、ロック解除部材の押し上げ操作によって行う構成が公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5514786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によると排米弁の取り外しが容易となる効果があるが、ロック解除部材の押し上げ操作を要するから片手操作はなし難い。
【0005】
この発明は、片手でも簡単に排米弁を上下移動軸から取り外し操作し易くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
【0007】
請求項1に記載の発明は、洗米タンク5の排米口を開閉できる排米弁39と排米弁39を連動する上下移動軸38を備えた洗米装置において、上下移動軸38と排米弁39との間に、フック40a及び該フック40aを係合しうる係合環40bとからなるフック係合部40を設ける。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、排米弁39中心線Xが水平姿勢における洗米タンク5の上下移動軸38の軸芯Yに対しその下方延長線上となるように設けてなる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によると、排米弁39を上下移動軸38の下端への着脱はフック40aに対する係合環40bの係脱によるもので、片手で簡単に行うことができ、また構成が簡単である。
【0010】
請求項2に記載の発明によると、請求項1に記載の効果に加え、排米弁39の上下移動による排米口の開閉作動が円滑である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】洗米炊飯装置の正面図である。
図2】洗米炊飯装置の側面図である。
図3】洗米炊飯装置の正断面図である。
図4】貯米タンクと洗米タンクの斜視図である。
図5】貯米タンクと洗米タンクの平面図である。
図6】計量部の側断面図である。
図7】ドラムケースの断面図である。
図8】洗米炊飯装置の斜視図である。
図9】仕切り部材及び周辺配置機器の平面図である。
図10】仕切り部材及び周辺配置機器の斜視図である。
図11】洗米炊飯機の全体の制御フローチャートである。
図12】(A)排米弁と上下移動軸の間のフック係合部の側面図、(B)同正面図である。
図13】フック係合部の別例を示す正面図である。
図14】フック係合部の更に他の例を示す正面須である。
図15】(A)洗米炊飯装置の側面図、(B)その一部の斜視図、(C)その一部の平面図、(D)その一部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態について、以下図面に基づいて詳細に説明する。
コ型又は角筒材を縦横に枠組みする支持部材1は、下部にキャスタを備えた長方形状の台枠1aと、所定幅及び所定高さの左右支柱1b,1bと、左右支柱1b,1b間に支架した複数の横桟1c,1c…により構成されている。
【0013】
上記横桟1cには各機材を装着すべく平板状の仕切り部材3を設け、その上部に貯米タンク4を設け、この貯米タンク4の下方には洗米タンク5を設け、洗米タンク5の下方には、間隔をおいて炊飯装置6を配置する。この炊飯装置6は炊飯釜7、釜加熱用ガス台8と引出式の架台9等から構成されている。図1における架台9引出側を前側、奥側を後側とする。
【0014】
貯米タンク4は、断面方形状の上部の主タンク4aと、下部の漏斗状ホッパ部4bとからなり、このホッパ部4bの下端部に計量ドラムケース10が取り付けられている。該計量ドラムケース10内には、円筒状で切欠き部11を形成したドラム部11aと、前後の側壁部12a,12bとからなる計量ドラム13を設け、該前後の側壁部12a,12bを貫通すべく横軸14によって回転自在にドラムケース10に支持している。またこの軸14を直接連動すべくドラムケース10の後面側にモータ15を装着し、貯米タンク4から切欠き部11を介して計量ドラム13に一定量ずつ流下した米が充填され、回転によって切欠き部11位置が下方に反転してドラムケース10に形成した排出口16に至ると計量ドラム13から流下排出される構成である。
【0015】
前記仕切り部材3には排出口16に対応する開口17を備え、上記計量ドラム13を所定回転数だけ回転させることで、所定量の米を貯米タンク4から洗米タンク5に繰り出すよう構成されている。又、その繰り出し回数をカウントする回転センサ(図示せず)の検出によって所定量を供給できる構成としている。
【0016】
上記ドラムケース10と漏斗状ホッパ4bとは、一体的に構成され、上部の主タンク4aを取り外した後、このホッパ4bとドラムケース10との一体物は、仕切り部材3から外すことができるよう構成される。即ち、後方側は仕切り部材3に形成したフック状部18にドラムケース10の係合凸状部19を係脱可能に係合部20を設け、前方側にはこれら仕切り部材3とドラムケース10との間に螺子で着脱固定自在の着脱係合ステー21を設け、螺子22を緩めてステー21を螺子部中心に回動することにより、ドラムケース10との係合を解く構成である。ドラムケース10はその下端縁が仕切り部材3の長方形状の開口に嵌合すべく形成されるが、上記の係合ステー21の係合を外してその側を上方にやや持ち上げて上記下端縁の仕切り部材3からの嵌合を解き、前方から手前方向斜めに引き抜くことによって後方側の下端縁の嵌合を解きつつ係合部20の係合から解放できる。
【0017】
前記貯米タンク2及び計量部は、外方をカバー部材23で覆う構成で、左右側壁及び後側壁は適宜前記仕切り部材3等に固定して設けられ、前側壁下半部23aは例えば正面視右側部を支点として開閉可能な扉形態に構成される。なお、前側壁上半部23bは左右側壁に連結されて固定壁形態に構成される。従って、前記貯米タンク2やドラムケース10の点検着脱はこの前側壁下半部23aを解放した状態で行える。なお、24は主タンク4aを上方から着脱自在に施蓋する方形の覆板である。
【0018】
25は、漏斗状ホッパ部4bの一側(図例では前側)に設けた排米用の排出シャッタで、起立姿勢で排米を遮断し、軸支部回りに回動することによって傾斜案内シュート状になり内部の米を排出できる構成としている。
【0019】
図7は計量ドラム13部の断面図を示し、漏斗状の下部ホッパ4bとドラムケース10との間に米を傾斜案内するガスケット26a,26bを斜設し、計量ドラム13外周とドラムケース10内周との間隔を米の浸入によってもこれを圧砕しない程度の隙間t(例えば約1mm)を有する構成としている。
【0020】
前記計量ドラム13はモータ15によって一定方向イに回転、停止を繰り返すが、計量ドラム13の停止位置は図7にて示す位置としている。即ち、漏斗状ホッパ4bの側壁に加振手段(図例では後記空気供給用のポンプ66としている)を回転後方側ガスケット26bの存在側近傍の傾斜壁に装着して内部の米流動の促進を図る構成とし、併せて計量ドラム13はその開口端縁が当該加振側ガスケット26bの回転後位にて停止し、他方の開口端縁は非加振側ガスケット26aの前位にて停止するようになして、上記加振手段の振動によって入り込もうとする米を計量ドラム13をもって遮蔽する一方、非加振側では自然に計量ドラム13内に米を送り込むことにより供給量の精度を安定できる。
【0021】
洗米タンク5は、図3に示すように、天井部に上記ドラムケース10から供給される米を案内する受け筒部31を備え、中間部に円筒状の胴部と、下部にホッパ状部を持つ構成である、洗米タンク3のホッパ状部の下方にジャケット部32を接続し、ホッパ状部とジャケット部32との境界部に米粒を漏下させない程度の開口を持つ網状体からなるフィルタ33を設けている。
【0022】
洗米タンク5の中心部には鉛直方向の回転軸34を設け、この回転軸34には棒状体を逆L型に折り曲げ成形した複数の攪拌棒35,35…を、これらの上側端部を軸34に溶接等によって取り付ける。回転軸34は洗米モータ36によりベベルギヤ機構37を介して回転され、回転によってタンク内の米と水とを撹拌すべく構成する。
【0023】
上記回転軸34は中空軸であり、内側の軸38は外側の中空軸34の内部に上下摺動自在に遊嵌されていて、下方に延出する。この上下移動軸38の下端に着脱自在に円錐形状の排米弁39を設ける。該上下移動軸38の上端を排米弁駆動用モータ40で駆動するカム41、後記投下アーム等の連動機構により上下動させて、排米弁39の開閉制御がなされる構成である。排米弁39が開くと、洗米タンク5内の米は下方の排米口から炊飯装置6の内釜内に落下するよう構成する。
【0024】
次に、排米弁39の上下移動軸38に対する着脱構成について詳述する。樹脂製で円錐に成形され該円錐部で排米口を覆うことができる大きさの弁本体39aと、この弁本体39aの下方開口部に重錘39bを備え、上下移動軸38と弁本体39a頂部との間に、フック40a及び該フック40aを係合しうる係合環40bとからなるフック係合部40を設ける。図12において、上下移動軸38下端にフック40aを一体成形し、一方弁本体39a頂部に形成する貫通孔39cに係合環40bの脚部40cを嵌合固定している。したがって、排米弁39を上下移動軸38の下端への取付け、又は取り外しはフック40aに対する係合環40bの係脱によるもので、片手で簡単に行うことができる。また構成が簡単である。
【0025】
そして、排米弁39中心線X、すなわち排米弁39(弁本体39a)の仮想円錐頂部と排米弁39の重心Gを通る鉛直線、が水平姿勢における洗米タンク5の上下移動軸38の軸芯Yに対しその下方延長線上となるように設ける。このように構成すると、上下移動軸38の上下動による排米弁の開閉作動が円滑となる。つまり、上下移動軸38の軸芯Yの延長線と排米弁39中心線Xがずれて偏倚すると上下移動軸38の上下動に追随する排米弁39は洗米タンク5の排米口に全周が均等に密着し得ず、弁開閉作動が円滑でないが、前記中心線Xと軸芯Yが一致するとこれを解消して開閉作動が円滑になる。
【0026】
図13においては、上下移動軸38の下端に形成するフック40aは楕円状に形成している。このように構成すると、不測に外れることがなく安定して排米弁39開閉作動を行うことができる。
【0027】
また、図14においては、上下移動軸38の下端側を係合環40bとし、排米弁39側にフック40aを構成している。このように構成しても、上記と同様に片手で簡単に着脱できる。
【0028】
なお、フック係合部40として、上例では上下移動軸38と排米弁38のいずれか一方にフック40aを形成しいずれか他方に係合環40bを形成する構成としたが、上下移動軸38と排米弁39共にフックに構成してもよい。
【0029】
洗米タンク5への水の供給は水道蛇口に連通する主配水管46、上側給水弁47及び2連の可撓性の上給水管48,48、洗米タンク5の天井部の上部給水口49,49を経由する上側給水ルートと、上記主配水管46から分岐して下側給水弁50、配水管51、下部給水口52からジャケット部32を経由する下側給水ルートの2系統で行われる。なお各給水ルートには流量センサを備えている。
【0030】
即ち、前記ドラムケース10近傍で仕切り部材3をベースにして、主配水管46に通じる2本の上給水管48,48を配設すると共に、仕切り部材3を貫通状に設ける配水管51には下給水管53を接続している。
【0031】
55は前記電動モータ15と連繋して排出口16を開閉動するシャッタで、モータ15の回転でリンク機構56,57を介してシャッタ支軸58部に連結したドラム開口部が排出口16に一致するときシャッタ55開状態となるよう連動構成している。このため、常時はシャッタ55が閉じ姿勢にあり、洗米タンク5における洗米途中での拡散水の飛散を防いで計量ドラム13内の水の浸入を防止している。
【0032】
なお、上記の上給水管48,48は平面視において、左右中央線上に位置すべく配置され、この位置は後記の洗米タンク5の平面視左右中央線上に当たるものである。また、この上給水管48,48の配置される位置よりも左側にドラムケース10が位置し、右側には後記の排米弁39用モータ40及び撹拌棒35,35…駆動用洗米モータ36を配置している。
【0033】
洗米タンク5の下部後方には排水箱60が設けられる。排水口61を有した排水箱60は、上端が洗米タンク5の上部側面に開口するオーバーフロー管62の下端部と、一端部が前記ジャケット部32に連通するジャケット部32の他端部とが接続されている。ジャケット部32からの排水は排水弁64の開閉で行われ、水位弁65で排水しながら洗米タンク5内の水位を調整する。
【0034】
常時、排水箱60は排水弁64及び水位弁65で閉鎖されているが、洗米タンク5内の水を排水する場合には、ジャケット部32のフィルタ33から、排水弁64及び/または水位弁65、排水箱60及び排水口61を経て排水される。排水弁64及び水位弁65は適宜の開閉出力によって開閉する。また、洗米タンク3内上部には洗米タンク5内の水量を検出する水位センサ68を備えている。
【0035】
ところで、前記オーバーフロー管62は、洗米タンク3の上端部付近に接続する水平管部62aとこの水平管部62aに接続する垂直管部62bとを有し、垂直管部62bの下端が前記排水箱60に連結されるものである。そして垂直管部62bの上端を上方に延長しこの延長管部62cは前記仕切り部材3を貫通する状態で、仕切り部材3の下面に設ける装着ホルダ69に適宜に固定支持されている。
【0036】
前記カバー部材23内であって、貯米タンク4の下方と仕切り部材3との間の略閉鎖された空間部Aには前記した計量部10、各種駆動部、配管類等を収容するものであるが、水蒸気の籠りを防止するために通気性を確保している。すなわち、カバー部材23の一側壁に送風ファン70を配置し、装置運転中常時通電して駆動され外部空気を空間部A内に供給できる構成としている。なお、空間部Aに入った空気は適宜に空間部Aを流通し後述の網目孔部等から機外に排気されるものである。したがって、炊飯中に立ち上る水蒸気を受けた空間部A内を外部空気の流通によって湿度低下が図れる。送風ファン70に対向する側のカバー部材23内面にはコントローラ71を配置しているが、このコンロローラ71にも通気作用を与えることで湿気を除去できる。なお、コントローラ71の近傍、例えばコントローラ71の前部下方に延長管部62c上端開口をのぞませると適正な空気流れを生じてコントローラ71に作用した空気は効率的に延長管部62cに導入され得る。
【0037】
ところで、前記のようにオーバーフロー管62の延長部62cに仕切り部材3を貫通させることで、上端開口部が空間部Aにのぞむこととなり、送風ファン70からの通気がオーバーフロー管62を通して洗米タンク5内に供給されることとなる。つまり、オーバーフロー管62の延長管部62c上端から入った空気が、延長部62c、水平管部62aを経て洗米タンク5内に入るものとなる。したがって洗米タンク5内を乾燥させる効果がある。このように、空間部Aと洗米タンク5との間に、オーバーフロー管62の延長管部62cのような通気部Bを構成することで、送風ファン70による流通空気を洗米タンク5内に導入でき、洗米タンク5内を乾燥させることができる。
【0038】
なお、通気部Bとしてオーバーフロー管62の延長管部62cを設ける構成とすると、空間部Aの塵埃が空気によって搬送されても、この塵埃はオーバーフロー管62の垂直管部62bを経て落下し排水箱60に至り、洗米タンク5内に入る恐れが少ない。
【0039】
延長管部62c(通気部B)の上端部には通気網又はパンチングメタルからなる網状体73を装着して異物進入を防止してもよい。
【0040】
前記カバー部材23と仕切り部材3等で囲われる空間部Aの底面下部には、空洞部Cを設けて、各種ハーネス(図示せず)を収容している。詳述すると、仕切り部材3は絞り形成して側壁を一体成形してなり、その下方に施蓋状に底板72を設け、空洞部Cとしている。なお、仕切り部材3の適所には空洞部Cに連通すべく通気網又はパンチングメタルからなる網状体74を装着している。この場合、延長管部62c(通気部B)の上端部の前記網状体73の目合いは、仕切り部材3の適所に配設する上記網状体74の目合いよりも小さなものとして、異物、特に微小サイズの昆虫類の進入防止効果を高めている。
【0041】
次いで、前記水位センサ68について説明する。水位センサ68は、洗米タンク5水量がオーバーフロー状態に達する直前乃至オーバーフロー状態に至っている水位であることを検出するために設けられ、所定水位に達することを検出電極68a(水位検出部)を備えて水位の有無に基づく静電容量の変化を検出して当該所定水位に達したことを検知できる公知の構成である。そして水位センサ68を前記仕切り部材3に着脱自在に支持するものである。検出電極68aは支持するベース部材68bに連結固定される。すなわち前記仕切り部材3の上面においてカバー部材23の前記前側壁下半部23aに接近した箇所に位置してベース部材68bに連結固定されている。なお、水位センサ68のベース部材68bの固定は、左右2箇所に配設された回動ロック片75をそれぞれ蝶ボルト76で締結・弛緩する構成であり、蝶ボルト76の回動操作は手指で実施できるものとし所謂工具レスに設けている。ベース部材68bを取り外すと、仕切り部材3に形成した大型の開口部77を開放できる。したがって、作業員は、カバー部材23の前記前側壁下半部23aを開くことで、手前側に開口する開口部77を通して洗米タンク5内を目視できる。
【0042】
水位センサ68の水位検出部として上記実施例では静電容量の有無を検出しうる電極形態としたが、所謂フロートの上昇に伴って電気的接点をON,OFFしうるフロート形態など種々の構成とすることができる。 次に、炊飯装置の操作について説明する。
【0043】
まず、図外コンピュータの制御部に、炊飯量、洗米時間(攪拌棒35の回転時間)、研米時間(攪拌棒35の回転時間)、洗米タンク乃至釜内での浸漬時間などの炊飯装置稼働に必要な条件を前記カバー部材23の前側壁下半部23aに配設した操作パネル(操作表示装置)80により設定するよう構成する。液晶表示画面81を備え、周囲のスイッチ群82操作の機能や操作手順等を表示案内しながら洗米炊飯に必要な上記条件を設定できる。
【0044】
上例の作用について説明する。
【0045】
電源スイッチをオンにし、操作パネル80の各操作に従って炊飯条件の設定を行ない、各種の炊飯条件を設定の後、スタートスイッチをオンすると、図11で示す炊飯フローのように運転開始される。
【0046】
即ち、まず電源スイッチをオン(ステップ1)後、炊飯条件の設定入力を行い(ステップ2)、スタートスイッチ75を押すと(ステップ3)、ステップ4で貯米タンク4の米を計量ドラムで計量し、洗米タンク5に設定量の米を供給し、ステップ5で洗米する。
【0047】
ステップ5の洗米工程は、水をたれ流しながら米を攪拌する糠抜き工程、一旦給水した後水切りし米を湿潤状態で攪拌する研米工程、所定水位で米を攪拌する荒ゆすぎ工程、水をタンクよりオーバーフローしながら攪拌する仕上げゆすぎ工程からなる。
【0048】
上記ステップ5の洗米工程の次は、ステップ6の水加減処理工程に進む。 ステップ7では、洗米タンク5内の洗米済の米とステップ3の水加減の計量された水が、排米弁139の開閉により炊飯釜7に投下される。
【0049】
ステップ8では、炊飯釜7内の米は規定時間にわたり水に浸漬される。規定時間経過後に、ステップ9で点火、ステップ10で炊飯、ステップ11で蒸らしを行い、ステップ12で炊き上り、所定の米飯ができあがる。
【0050】
尚、スタートスイッチをオンする前に、予約スイッチ操作によって予約画面を出力し、炊き上がり時刻等を予約設定することにより予定の時刻に炊きあげることができる。
【0051】
また上記実施例では、水加減を洗米タンクの満量状態から水位弁65の開放によって順次減じながら所定水量を確保する形態としたが、この形態に限らず例えば、流量センサを設けて給水量を管理する構成でもよい。
【0052】
次いで前記貯米タンク2への米の投入の容易化構成について説明する。図15において、前記カバー部材23の前側壁上半部23bを取り外して米袋80載置台として利用するものである。取り外された前側壁上半部23bは、半開き状態とした前側壁下半部23a上に位置させて、適宜にピン止めする。図例では、3か所ピン止めするもので、支持枠1乃至貯米タンク2に左右2か所、半開きの前側壁下半部23aに1か所である。このように構成すると、米袋80載置台が簡単容易に組み立てられ、利用者に便利である。
【0053】
なお、前側壁上半部23bを取り外すと貯米タンク2内収容量を表示できる透明窓81を設けている。
【符号の説明】
【0054】
5 洗米タンク
38 上下移動軸
39 排米弁
40 フック係合部
40a フック
40b 係合環
X (排米弁)中心線
Y (上下移動軸)軸芯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15