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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】配送用棚及び配送車両
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240730BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20240730BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B65G1/137 G
E05B47/00 R
E05B65/00 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021018487
(22)【出願日】2021-02-08
(65)【公開番号】P2022121235
(43)【公開日】2022-08-19
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】岩本 国大
(72)【発明者】
【氏名】糸澤 祐太
(72)【発明者】
【氏名】古村 博隆
(72)【発明者】
【氏名】高木 裕太郎
(72)【発明者】
【氏名】中本 圭昭
(72)【発明者】
【氏名】太田 順也
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第1378082(KR,B1)
【文献】特開2003-135169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
E05B 47/00
E05B 65/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部において、奥行き方向に延設されると共に、上下方向に等間隔にM(但し、Mは2以上の整数)段並設されたM対の支持体と、
前記M対の支持体のそれぞれに沿って、スライド可能に支持されつつ、収容された通函をロックするロック機構と、を備え、
予め規定された1又は複数のサイズの通函の全てを収容可能な配送用棚であって、
前記筐体が、(N-1)枚の仕切板によってN列に区分けされており、前記N列のそれぞれに前記M対の支持体が設けられており、当該配送用棚は、最大(M×N)個の通函を収容可能であり、
前記N列のそれぞれに、個別に開閉可能なドアが設けられており、
前記ロック機構は、
前記(N-1)枚の仕切板のそれぞれにおいて、当該仕切板を貫通するように段毎に設けられており、
当該仕切板を介して隣接して収容された2つの通函を同時にロックする、
配送用棚であって、
前記支持体の上を、前記通函から幅方向外側に突出した突出部が摺動し、
前記ロック機構は、前記仕切板を貫通して跨ぐU字状のピンを有するソレノイドロックであり、
前記仕切板を介して隣接して収容された2つの通函が同時にロックされる際、当該2つの通函のそれぞれの前記突出部に設けられた穴に前記ピンが嵌合する、配送用棚。
【請求項2】
棚を備えた配送車両であって、
前記棚は、筐体と、前記筐体の内部において、奥行き方向に延設されると共に、上下方向に等間隔にM(但し、Mは2以上の整数)段並設されたM対の支持体と、前記M対の支持体のそれぞれに沿って、スライド可能に支持されつつ、収容された通函をロックするロック機構と、を有し、予め規定された1又は複数のサイズの通函の全てを収容可能な棚であり、
前記筐体が、(N-1)枚の仕切板によってN列に区分けされており、前記N列のそれぞれに前記M対の支持体が設けられており、前記棚は、最大(M×N)個の通函を収容可能であり、
前記N列のそれぞれに、個別に開閉可能なドアが設けられており、
前記ロック機構は、
前記(N-1)枚の仕切板のそれぞれにおいて、当該仕切板を貫通するように段毎に設けられており、
当該仕切板を介して隣接して収容された2つの通函を同時にロックする、
配送車両であって、
前記支持体の上を、前記通函から幅方向外側に突出した突出部が摺動し、
前記ロック機構は、前記仕切板を貫通して跨ぐU字状のピンを有するソレノイドロックであり、
前記仕切板を介して隣接して収容された2つの通函が同時にロックされる際、当該2つの通函のそれぞれの前記突出部に設けられた穴に前記ピンが嵌合する、配送車両。
【請求項3】
自律走行車両である、
請求項に記載の配送車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配送用棚及び配送車両に関する。
【背景技術】
【0002】
物品の配送の自動化、効率化が求められている。また、物品を通函(「通い箱」とも呼ばれる)に収容して配送する手法が広く知られている。特許文献1には、収納部に収納された物品の前方側の端部にロック機構が配置された物品搬送設備が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-145117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者らは、予め規定された1又は複数のサイズの通函を、筐体の内部において奥行き方向に延設されると共に上下方向に等間隔に並設された複数対の支持体のそれぞれに沿ってスライド可能に支持しつつ収容可能な配送用棚及び配送車両を開発してきた。
【0005】
その中で、発明者らは、棚に収容した通函を独立して施錠/開錠可能なロック機構について検討してきた。例えば一対の支持体毎にソレノイドロック等の電気錠を設けることが考えられるが、各電気錠が駆動源(アクチュエータ等)を備えるため、配送用棚及び配送車両の製造コストが増大してしまう問題があった。
【0006】
例えば、特許文献1に記載の物品配送設備は、収納部に収納される物品のそれぞれついてロック機構が設けられる。よって、この物品配送設備において物品のそれぞれに対応する収納部のそれぞれにソレノイドロックを設けた場合、各ソレノイドロックが駆動源を必要とすることから製造コストが増大してしまう。
【0007】
本開示は、このような事情に鑑みなされたものであり、予め規定された1又は複数のサイズの通函の全てを収容可能な棚において、製造コストをできるだけ抑え、各通函を独立して容易に施錠/開錠させることが可能な配送用棚及び配送車両を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る配送用棚は、
筐体と、
前記筐体の内部において、奥行き方向に延設されると共に、上下方向に等間隔にM(但し、Mは2以上の整数)段並設されたM対の支持体と、
前記M対の支持体のそれぞれに沿って、スライド可能に支持されつつ、収容された通函をロックするロック機構と、を備え、
予め規定された1又は複数のサイズの通函の全てを収容可能な配送用棚であって、
前記筐体が、(N-1)枚の仕切板によってN列に区分けされており、前記N列のそれぞれに前記M対の支持体が設けられており、当該配送用棚は、最大(M×N)個の通函を収容可能であり、
前記N列のそれぞれに、個別に開閉可能なドアが設けられており、
前記ロック機構は、
前記(N-1)枚の仕切板のそれぞれにおいて、当該仕切板を貫通するように段毎に設けられており、
当該仕切板を介して隣接して収容された2つの通函を同時にロックする、ものである。
【0009】
また、本開示の一態様に係る配送車両は、
棚を備えた配送車両であって、
前記棚は、筐体と、前記筐体の内部において、奥行き方向に延設されると共に、上下方向に等間隔にM(但し、Mは2以上の整数)段並設されたM対の支持体と、前記M対の支持体のそれぞれに沿って、スライド可能に支持されつつ、収容された通函をロックするロック機構と、を有し、予め規定された1又は複数のサイズの通函の全てを収容可能な棚であり、
前記筐体が、(N-1)枚の仕切板によってN列に区分けされており、前記N列のそれぞれに前記M対の支持体が設けられており、前記棚は、最大(M×N)個の通函を収容可能であり、
前記N列のそれぞれに、個別に開閉可能なドアが設けられており、
前記ロック機構は、
前記(N-1)枚の仕切板のそれぞれにおいて、当該仕切板を貫通するように段毎に設けられており、
当該仕切板を介して隣接して収容された2つの通函を同時にロックする、ものである。
【0010】
上記のように、本開示の一態様では、(N-1)枚の仕切板によって区分けされたN列のそれぞれに、個別に開閉可能なドアが設けられている。そして、ロック機構が、(N-1)枚の仕切板のそれぞれにおいて、当該仕切板を貫通するように段毎に{(N-1)×M}個設けられており、当該仕切板を介して隣接して収容された2つの通函を同時にロックする。よって、このロック機構では、(M×N)対の支持体のそれぞれを動作させるロック機構よりも、動作させる数をM個減らすことができ、棚の製造コストを抑制できる。
【0011】
前記支持体の上を、前記通函から幅方向外側に突出した突出部が摺動し、前記ロック機構は、前記仕切板を貫通して跨ぐU字状のピンを有するソレノイドロックであり、前記仕切板を介して隣接して収容された2つの通函が同時にロックされる際、当該2つの通函のそれぞれの前記突出部に設けられた穴に前記ピンが嵌合するようにしてもよい。
このような構成によって、通函の突出部を利用してロックを行うことができ、また駆動源の数を減らし製造コストを抑えることができる。
【0012】
前記配送車両は、自律走行車両でもよい。このような構成によって、配送コストを低減できる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、予め規定された1又は複数のサイズの通函の全てを収容可能な棚において、製造コストをできるだけ抑え、各通函を独立して容易に施錠/開錠させることが可能な配送用棚及び配送車両を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態に係る配送車両の一例を示す模式側面図である。
図2】第1の実施形態に係る配送車両に収容される通函の一例を示す模式斜視図である。
図3】第1の実施形態に係る配送車両におけるロック機構の一例を示す模式斜視図である。
図4】第1の実施形態に係る配送車両におけるレール及びロック機構の一例を示す模式側面図である。
図5】第1の実施形態に係る配送車両におけるレール及びロック機構の一例を示す模式側面図である。
図6】第2の実施形態に係る配送車両の模式側面図である。
図7】移送ロボットの模式側面図である。
図8】第3の実施形態に係る配送用棚の一例を示す模式側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る配送車両の一例を示す模式側面図である。なお、当然のことながら、図1及びその他の図に示した右手系xyz直交座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。通常、z軸正向きが鉛直上向き、xy平面が水平面であり、図面間で共通である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係る配送車両1は、棚10及び2対の車輪W11,W12を備え、物品を搬送する車両である。2対の車輪W11,W12は棚10の筐体11の下側に回転可能に固定されており、モータ等の駆動源(不図示)によって駆動される。無論、車輪の数は問わず、また車輪を備えずとも高圧空気により浮揚させて移動させる構成など、他の構成を採用することもできる。
【0018】
ここで、配送車両1は、棚10等に関する各種制御を行う制御部(図示せず)を備えることができる。この各種制御には、配送車両1における車輪W11,W12の駆動の制御や、後述するロック機構30によるロック(施錠)/ロック解除(開錠)の制御も含むことができる。この制御部は、それぞれ例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算部と、各種制御プログラムやデータ等が格納されたRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の記憶部と、を備えることができる。すなわち、この制御部はコンピュータとしての機能を有することができる。この制御部は集積回路を含んで構成されることができる。
【0019】
本実施形態に係る配送車両1は、予め規定された複数サイズの通函21,22等の全てを収容可能な棚10を備える。配送対象の物品は、その物品が収容できるサイズの通函に収容されて配送されることになる。通函21,22等の収容される通函は、何ら限定されないが、例えばプラスチック製、段ボール製、木製、金属製等であり、繰り返し利用される。なお、物品は、通函そのものとすることもできるが、通常、通函に収納された状態で配送されることになる。
【0020】
本実施形態に係る配送車両1が備える棚10は、予め規定された複数サイズの通函21,22,23等の全てを収容可能な棚である。なお、図1は側面図であるが、理解を容易にするため、通函21,22をハッチングして示しており、後述する図6図8も同様である。
【0021】
図1に示すように、棚10は、筐体11、及び筐体11の内部において、奥行き方向(x軸方向)に延設されると共に、高さ方向(z軸方向)に等間隔に並設されたM対のレール13を備えている。なお、配送車両1において筐体11は車体の一部を構成する。レール13は支持体の一例であり、ここでは4対のレール13が設けられた例を挙げている。但し、M(但し、Mは2以上の整数)対の支持体が、筐体11の内部において、奥行き方向に延設されると共に高さ方向(上下方向)に等間隔(以下、間隔B)にM段になるように並設されていればよい。
【0022】
本実施形態では、予め規定された複数サイズの通函21,22は、いずれもy軸方向の幅及びx軸方向の奥行きが共通である。他方、通函21と通函22とは、z軸方向の高さが異なる。最もサイズの小さい通函21の高さは、z軸方向において隣接するレール13同士の間隔、つまり間隔Bに合わせて設計されている。当然のことながら、通函21の高さは、当該レール13同士の間隔Bよりも小さい。通函22の高さは、通函21の高さの約2倍になるように設計されている。すなわち、予め規定された複数サイズの通函の高さは、z軸方向において隣接するレール13同士の間隔の約整数倍になるように設計されている。
【0023】
なお、図1に示した本構成例では、通函のサイズが、2種類であるが、3種類以上でもよい。図1の例では、通函21,22の他に、例えば通函21の高さの約3倍や約4倍の高さを有する通函を別途設けてもよい。
【0024】
また、棚10には、補助部14もレール13に対向するように設けられている。ここで、レール13及び補助部14は、筐体11の内面及び仕切板12c,12dから略垂直に立ち上がるように設けられている。
【0025】
また、上記のM対のレール13は、筐体11の幅方向にN(但し、Nは2以上の整数)列並設されているものとする。すなわち、M対のレール13は、N列のそれぞれに設けられている。これにより、棚10は、最大(M×N)個の通函を収容可能となっている。図1に示す構成例では、M=4、N=3である。
【0026】
N列のそれぞれに対し、M対のレール13を配設するため、棚10は列を仕切るための(N-1)枚の仕切板12c,12dを備え、これらの仕切板12c,12dによってN列に区分けされている。図1に示すように、仕切板12c,12dは、筐体11を構成する前面板12b及び背面板12aに平行に(すなわちxz平面に平行に)、かつ、筐体11の一方の側面から他方の側面に至るように、設けられている。ここで、筐体11の前面板12b、仕切板12d、仕切板12c、背面板12aのそれぞれについて隣接する板同士の間隔が等しくなるように仕切板12c,12dが設けられている。
【0027】
このように、棚10において、M対のレール13は、筐体11の内面(前面板12b、背面板12a)及び仕切板12c,12dでなる各列について、奥行き方向(x軸方向)に延設されると共に、高さ方向(z軸方向)に等間隔Bに並設されている。これにより、図1で示す本構成例では、筐体11の内部の幅とほぼ同じ幅で且つ高さ方向の間隔Bのほぼ整数倍数(但し、この例では1倍~4倍)の高さの通函であれば、各レール13,13に沿ってどのようなサイズの通函でも全て収容可能となる。よって、本構成例では、予め規定された複数サイズの通函21,22を用いた配送を効率化できる。
【0028】
次に、本構成例における通函のレール13を用いた収容について具体的に説明する。
まず、筐体11は、z軸正方向側に設けられた天板、z軸負方向側に設けられた底板、y軸正方向側に設けられた前面板12b、y軸負方向側に設けられた背面板12aが一体に形成された構成を有している。すなわち、筐体11の片側面又は両側面は、通函21,22を出し入れ可能なように開放可能となっている。
【0029】
そして、本実施形態では、その特徴の1つとして、開放されている側面側において、筐体11は各列のそれぞれに、各列を個別に開閉可能な扉(ドア)41,42,43が設けられる。なお、上述のように筐体11の一方の側面は扉がなくて閉じられていてもよく、以下ではそのような例を挙げる。
【0030】
また、扉41、42、43は、それぞれ左列51、中央列52、右列53の通函の出し入れを防ぐために設けられることができ、その上下方向に備えたレール(図示せず)に沿って摺動させることができる。なお、図1において扉42は扉43と重なるように移動させて中央列52を開放した状態を示している。扉41~43は、いずれも隣の列にしか移動させることができないようにレールを配することもできるが、いずれの列にもずらして配せるように扉41~43用のレールを設けておくこともできる。
【0031】
なお、N列にレール13が設けられる例では(N-1)個の扉を備えること、つまり本構成例のように3列の場合に2列分の扉のみを設けておくこともできる。これは、開いた列についてはロック機構30で通函の出し入れを制御できるためである。
【0032】
そして、一対のレール13は、筐体11の前面板12b、仕切板12dのそれぞれからあるいは仕切板12c,12dのそれぞれから、あるいは背面板12a、仕切板12cのそれぞれから、略垂直に立ち上がるように設けられている。なお、レール13は、通函21,22を支持できればよいため、奥行き方向(x軸方向)に不連続に延設されていてもよい。あるいは、レール13に代えて、短尺の支持体が、奥行き方向(x軸方向)に整列するように配置されていてもよい。さらに、支持体が磁石から構成されており、通函21,22の一部又は全体を吸引するような構成でもよい。
【0033】
通函21の出し入れは、その通函21が収容される列の扉を開き、且つ、隣接して対向する一対のレール13上を、通函21から幅方向外側に突出した突出部21sa,21sbが摺動することによって可能となる。ここで、通函21の突出部21sa,21sbはレール13に載置された状態で収容されるが、この収容を行うに際し、レール13とでそれぞれ突出部21sa,21sbを挟持できるように押さえる補助部14が設けられている。補助部14は、レール13とz軸方向において対向するように設けられている。突出部21sa,21sbのそれぞれに対応する一対のレール13、一対の補助部14はいずれも、例えば背面板12a、仕切板12c,12d、前面板12bのそれぞれから略垂直に立ち上がるように設けられている。なお、突出部22sa,22sbを有する通函22の出し入れについても同様であり、レール13上を摺動することによりなされる。
【0034】
次に、本実施形態の主たる特徴の一つであるロック機構30について説明する。
本実施形態では、棚10は、M対のレール13のそれぞれに沿ってスライド可能に支持されつつ収容された通函21,22をロックするロック機構30を備える。ロック機構30は、大別すると、例えば、左列51及び中央列52における機構30aと、中央列52及び右列53における機構30bと、を備えることができる。機構30a、機構30bは、概略的に図1の破線で囲まれる領域に配設されることができる。
【0035】
ロック機構30の詳細について説明するに先立ち、まず図2を参照して、ロック機構30に対応した通函21の構成例について説明する。なお、通函22等の他の通函についてもそのサイズ以外は基本的に同様の形状を採用することが、配送作業上、望ましい。図2は、第1の実施形態に係る配送車両1の棚10に収容される通函の一例を示す模式斜視図である。
【0036】
図2でその形状を例示するように、通函21はレール13上の摺動を可能にする突出部21sa,21sbを有することができる。つまり、通函21は、レール13の上を、通函21から幅方向外側に突出した突出部21sa,21sbが摺動するように構成されることができる。
【0037】
さらに、図2に示すように、突出部21sa、突出部21sbにはそれぞれ穴21a、穴21bが設けられている。ロック機構30では、後述するように、このような通函21の突出部21sa,21sbを利用してロックを行う。なお、図示しないが、通函21は、突出部21sa,21sbまで覆うような蓋部を有することができ、そのような蓋部を設ける場合には、蓋部においても、突出部21sa,21sbの穴21a,21bのそれぞれに対応する位置に穴を設けておくとよい。
【0038】
無論、通函22は、通函21と区別なくレール13上に収容されるものであるため、同様に、同じ位置に穴21a,21bが設けられた突出部が設けられることになる。なお、図2では、便宜上、穴21a,21bが設けられる領域の他の例として、それぞれ領域21c,21dやそれぞれ領域21e,21fを図示している。
【0039】
また、通函21,22には、持ち運び用の取っ手が設けられていてもよい。この持ち運び用の取っ手は、通函21,22を引き出しとして用いるための引き出し用の取っ手とは異なる。通函21について説明すると、この取っ手は、例えば突出部21sa,21sbのそれぞれの中央付近(穴21a,21bの間、領域21e,21fの付近)に設けた、手を入れて把持することができる程度の大きさの貫通穴とすることができる。
【0040】
次に、図3を参照しながらロック機構30の詳細について説明する。図3は、配送車両1におけるロック機構30の一例を示す模式斜視図である。
【0041】
ロック機構30は、機構30a,30bのそれぞれにおいて、つまり(N-1)枚の仕切板21c,21dのそれぞれにおいて、当該仕切板を貫通するように段毎に設けられており、当該仕切板を介して隣接して収容された2つの通函を同時にロックする。ここで、本構成例ではN=3である。
【0042】
例えば、機構30aは、仕切板12cを貫通するように4段のロック機構を含む。ここで、上から1段目のロック機構(便宜上、ロック機構32a-1として説明する)は、穴21a,21bのいずれか一方と係合するための枝部32a-11,32a-12を有する。同様に、上から2段目、3段目、4段目にはそれぞれ、枝部32a-21,32a-22を有するロック機構32a-2、枝部32a-31,32a-32を有するロック機構32a-3、枝部32a-41,32a-42を有するロック機構32a-4が設けられている。
【0043】
また、仕切板12cのy軸負方向側には枝部32a-11,32a-21,32a-31,32a-41をそれぞれ上下動可能な状態で貫通させるために、それぞれ開口部12c-11,12c-21,12c-31,12c-41が設けられている。仕切板12cのy軸正方向側には枝部32a-12,32a-22,32a-32,32a-42をそれぞれ上下動可能な状態で貫通させるために、それぞれ開口部12c-12,12c-22,12c-32,12c-42が設けられている。開口部12c-11,12c-21,12c-31,12c-41は、それぞれ開口部12c-12,12c-22,12c-32,12c-42と連通している。
【0044】
ロック機構32a-1,32a-2,32a-3,32a-4はいずれも、仕切板12cを貫通して跨ぐU字状のピンを有するソレノイドロックとし、仕切板12cを介して隣接して収容された2つの通函が同時にロックされる際、当該2つの通函のそれぞれの穴21a,21bに上記ピンが嵌合するように構成することができる。なお、上記ピンは例えば枝部32a-11,32a-12で例示した枝部であり、その形状は穴21a,21bと係合する先端を有するものであればよい。
【0045】
機構30bについても同様に、上から1段目、2段目、3段目、4段目にはそれぞれ、枝部32b-11,32b-12を有するロック機構32b-1、枝部32b-21,32b-22を有するロック機構32b-2、枝部32b-31,32b-32を有するロック機構32b-3、枝部32b-41,32b-42を有するロック機構32b-4が設けられている。
【0046】
また、仕切板12dのy軸負方向側には枝部32b-11,32b-21,32b-31,32b-41をそれぞれ上下動可能な状態で貫通させるために、それぞれ開口部12d-11,12d-21,12d-31,12d-41が設けられている。仕切板12dのy軸正方向側には枝部32b-12,32b-22,32b-32,32b-42をそれぞれ上下動可能な状態で貫通させるために、それぞれ開口部12d-12,12d-22,12d-32,12d-42が設けられている。開口部12d-11,12d-21,12d-31,12d-41は、それぞれ開口部12d-12,12d-22,12d-32,12d-42と連通している。
【0047】
ロック機構32b-1,32b-2,32b-3,32b-4はいずれも、仕切板12dを貫通して跨ぐU字状のピンを有するソレノイドロックとし、仕切板12dを介して隣接して収容された2つの通函が同時にロックされる際、当該2つの通函のそれぞれの穴21a,21bに上記ピンが嵌合するように構成することができる。なお、上記ピンは例えば枝部32b-11,32b-12で例示した枝部であり、その形状は穴21a,21bと係合する先端を有するものであればよい。
【0048】
このような構成によって、通函21の突出部21sa,21sbを利用してロックを行うことができ、また駆動源(アクチュエータ等)の数を減らし製造コストを抑えることができる。
【0049】
次に、図4及び図5を参照しながら、レール13及び補助部14の構造の例と通函21の収容及びロック機構30におけるロック方法について説明する。図4及び図5は、配送車両1におけるレール13及びロック機構30の一例を示す模式側面図である。なお、図4及び図5においては、上段のレール13及び補助部14のみを図示し、他を省略している。
【0050】
図4に示すように、レール13は、ローラレールであって、複数のローラ13rを備えている。ローラ13rは、例えばプラスチック製である。ローラ13rによって、通函21の突出部21saの下面とレール13との摩擦係数を小さくできると共に、突出部21saの摺動に伴う摩耗粉の発生を抑制できる。
【0051】
また、図5に示すように、補助部14は、レール13とで突出部21saを挟持できるように押さえる部位であり、レール13と同様にローラレールとすることができ、例えばプラスチック製の複数のローラ14rを備えることができる。ローラ14rによって、通函21の突出部21saの上面と補助部14との摩擦係数を小さくできると共に、突出部21saの摺動に伴う摩耗粉の発生を抑制できる。なお、通函21の収容時には、突出部21sbも突出部21saと同様に、レール13と補助部14とにより挟持された状態となっている。
【0052】
そして、図5で示すように、枝部32a-11,32a-12を有するロック機構32a-1は上下動が可能な状態で配設されている。枝部32a-11,32a-12はいずれも下向きに折れ曲がった(延伸された)L字状の形状、合わせてU字状の形状となっている。よって、例えば、全体となるロック機構32a-1を下げることで、枝部32a-12と通函21の穴21aとが係合され、隣り合う通函については枝部32a-11と通函の穴21bとが係合されることになり、上げることでそれらの係合が解除されることになる。
【0053】
なお、便宜上、側面図である図4及び図5では、ロック機構が有する2つの枝部32a-11,32a-12のx軸方向の位置が異なるように図示しているが、実際にはそれらの位置は一致する。つまり、図5の下段の状態では、枝部32a-11は図5の通函21とy軸負方向に隣り合う通函の穴21bと係合することになる。
【0054】
なお、穴21a,21bは、貫通穴とすることができるが有底の穴であってもよい。換言すれば、枝部32a-11等は、穴21a,21bに係合される形状を有している。これらの係合は、例えば緩挿されることによる係合とすることができる。
【0055】
以上、図4及び図5を参照しながら、穴21aと枝部32a-12との係合についてのみ説明したが、他の通函、他の列、他の段についての係合についても同様である。また、図2図4、及び図5で例示したように、突出部21sa,21sbの長手方向端部(より好ましくは奥行き方向の端部)に穴21a,21bが設けられているようにしてもよい。このような構成によって、通函21を定位置までスライドさせた状態でロックを行うことができ、途中の状態でロックがなされる懸念を減らすことができる。
【0056】
また、枝部32a-11等の枝部がL字状ではなくI字状(例えば枝部32a-11,32a-12が一直線上になる形状)のものとして、それぞれ突出部21sa,21sbの側面に設けた柱空間(断面積が半円状の柱空間)でなる穴(凹部)に筐体11の幅方向に向かって挿入させるロック機構でもよい。この場合、その凹部を形成するために突出部21sa,21sbの厚みは大きくなる。
【0057】
通函21の筐体11への挿入時のロックの手順について説明する。まず、図4に示す通函21の未挿入状態から、図5の上段に示すように通函21をレール13上で摺動させながら挿入される。通函21は、レール13上を摺動させる間、図5の上段及び中段に示すようにロックが解除された状態となっている。そのため、挿入開始前及び挿入中において、枝部32a-12,32a-12はいずれも上方向に退避した状態となっている。
【0058】
他方、図5の中段に示すように、通函21がレール13上における所定の位置(収容位置)に停止した状態で、ロック機構30を作動させ、図5の下段に示すようにロックさせることができる。具体的には、枝部32a-12が図5の中段の状態から下方向に移動し、通函21の突出部21saに設けられた穴21aに係合することによって、通函21が筐体11に固定される。また、係合時、通函21に蓋部(不図示)を設けていた場合には同時に通函21の蓋部もロックされる。当然のことながら、ロック機構30を通函21について解除すれば、図5の上段に示したように、通函21を再度移動させることができる。
【0059】
以上のように、本実施形態では、(N-1)枚の仕切板によって区分けされたN列のそれぞれに、個別に開閉可能な(つまり個別に出し入れの可/不可の変更が可能な)扉が設けられている。そして、ロック機構が、(N-1)枚の仕切板のそれぞれにおいて、当該仕切板を貫通するように段毎に{(N-1)×M}個設けられており、当該仕切板を介して隣接して収容された2つの通函を同時にロックする。よって、このロック機構では、(M×N)対の支持体のそれぞれを動作させるロック機構よりも、動作させる数をM個減らすことができ、棚の製造コストを抑制できる。
【0060】
例えば、扉41~43のうち通函を取り出す列の扉のみを開き(左列51、中央列52、右列53のうち通函を取り出す列の扉のみを開けた状態にし)、対象の通函を施錠しているロック機構を開錠することによって、当該通函のみを取り出すことができる。なお、本実施形態では、3列である例が最も製造コストの低減の効果があると言える。補足すると、図3の構成から分かるように、例えば、中央列52の通函の取り出しは、中央列52の扉を開けるとともに、両側のロック機構(例えば最上段の場合にはロック機構32a-1,32b-1)を双方開錠することで可能である。一方で、中央列52の通函を取り出し不能にする場合には、中央列52の扉を閉めること、及び/又は、両側のロック機構(例えば最上段の場合にはロック機構32a-1,32b-1)の少なくとも一方を施錠することで可能である。
【0061】
なお、レール(支持体)13が配設される間隔Bは各列で同じとすることが管理上及び配送作業上、好ましいが、間隔Bを各列で異ならせることもできる。また、各列の幅(y軸方向の距離)は異ならせることができるが、揃えることで効率的な配送が可能となる。
【0062】
また、本実施形態において、棚10が予め規定された複数サイズの通函(例えば通函21,22)の全てを収容可能であることを前提として説明したが、無論、棚10は、予め規定された1つのサイズの通函を収容可能な棚であっても、上記1つのサイズの通函を用いた配送を効率化でき、またロック機構による効果も同様に奏する。予め規定された1つのサイズの通函を収容可能な棚を採用する場合、図示しないが、同様にいずれの列についてもM対のレール(支持体)13が高さ方向(z軸方向)に等間隔に並設されるものの、この等間隔が上記1つのサイズの通函の高さとほぼ一致するようになる。
【0063】
なお、駆動源により電気的にロック機構30のそれぞれ(ロック機構32a-1等)が駆動されることを前提として説明したが、本実施形態は、駆動源を有さず手動で施錠/開錠を行うロック機構を採用することもできる。例えば、ロック機構32a-1等は、いずれも機械的に手動で動作させる機構とすることができる。つまり、ロック機構32a-1等は、ソレノイドロックを含む機構に限定されず、通函21等の通函の動作を規制すると共に、通函をロックできるものであればよい。
【0064】
本実施形態では、このような手動施錠/開錠を行う構成を採用した場合でも、複数存在するロック対象に対し、多くてもロック機構32a-1等の数だけの操作部を設けておけば済み、製造コストを抑えることができる。さらに、この場合、複数の通函についての施錠/開錠の操作部を共通の領域にまとめることができるため、操作を行い易くなるといった利点もある。
【0065】
また、配送車両1は、例えば自律走行(無人走行)車両とすることができる。なお、配送車両1における棚10の奥行き方向は、車両の左右方向又は前後方向となるが、車両が自律走行車両でない場合には、一般的に前方に運転席が配設されるため奥行き方向の奥側は、左右方向又は運転席側となる。
【0066】
配送車両1を自律走行車両とすることによって、配送コストを低減できる。配送車両1は、例えば、車道はもちろんのこと、歩道等も走行可能であって、通函21,22を、降ろす場所又は移し替える場所の近傍まで配送できる。なお、例えば自律走行ができなくなった場合等には、配送車両1は遠隔操作されてもよい。また、配送者が、配送車両1を運転すると共に、配送車両1から移し替える場所まで、物品(すなわち通函21,22)を運んで移し替えてもよい。通函21,22を移し替える先は、例えば棚10と同様の棚とすることができる。
【0067】
また、通函21,22には、物品を収容すると共に例えば注文識別情報idを付し、その状態で当該物品を配送することもできる。通函21,22に付される注文識別情報idは、例えば、文字、記号、バーコード、二次元コード、FRID(Radio Frequency IDentifier)等である。配送車両1の棚10又は配送車両1の他の部位には、例えば、通函21,22に付された注文識別情報idを読み取り可能なリーダ(不図示)を備えておくことができる。これにより、配送車両1の制御部は、荷下ろしを行う通函についてのロックを、注文識別情報idを指定して解除させるような制御も可能となる。
【0068】
(第2の実施形態)
次に、図6及び図7を参照して、第2の実施形態に係る配送車両について説明する。図6は第2の実施形態に係る配送車両の模式側面図で、図7は移送ロボットの模式側面図である。
【0069】
図6に示すように、本実施形態では、配送車両1が通函21,22を配送している間、配送車両1の下側に移送ロボット70が収容され、機械的もしくは電磁気的に連結されることができる。移送ロボット70は、配送車両1が棚10と同様の配送用棚の近傍に到着した後、配送車両1からその配送用棚へ通函21,22(すなわち物品)を移送する自律走行車両である。ロック機構30を電動制御としておき且つ扉41~43を開閉可能としておくことで、移送に伴う積み卸しの際に施錠/開錠を通函毎に容易に実行することができる。
【0070】
移送ロボット70は、図7に示すように、車輪W21,W22、本体部71、天板72、支柱73を備えている。2対の車輪W21,W22は本体部71の下側に回転可能に固定されており、モータ等の駆動源(不図示)によって駆動される。
【0071】
図7に示すように、伸縮可能な支柱73を介して、天板72が本体部71に連結されている。天板72は、支柱73の上端に連結されており、移送ロボット70は、天板72に通函21,22を載置して、通函21,22を移送する。支柱73は、例えばテレスコピック型の伸縮機構を有しており、モータ等の駆動源(不図示)によって伸縮される。図7において白抜き矢印で示すように、支柱73の長さを変更することによって、天板72の高さを変更できる。そのため、配送車両1におけるあらゆる収容場所から、配送用棚におけるあらゆる収容場所へ通函21,22を移送できる。
【0072】
ここで、移送ロボット70は、例えばマニピュレータ(不図示)を備えており、当該マニピュレータによって配送車両1から天板72上に通函21,22を移動させ、移送する。そして、当該マニピュレータによって、天板72上の通函21,22を配送用棚に移動させる。
【0073】
なお、図6に示した構成において、移送ロボット70が動力源となって、配送車両1を移動させてもよい。すなわち、配送車両1が、車輪W11、W12を駆動する駆動源を有していなくてもよい。この際、複数(例えば2台)の移送ロボット70がy軸方向に並んで、配送車両1を移動させてもよい。他方、移送ロボット70は、配送車両1に搭載されてもよいし、配送車両1と伴走してもよい。
【0074】
その他の構成は、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。また、本実施形態でも第1の実施形態で説明した様々な応用例が適用できる。
【0075】
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態に係る配送用棚の一例を示す模式正面図である。
図8に示すように、本実施形態に係る配送用棚10aは、図1及び図6の配送車両1に搭載した棚10と同じ構成を採用することができ、その詳細を省略するが、筐体11、仕切板12c,12d、レール13、補助部14、及びロック機構30を備えることができる。
【0076】
本実施形態に係る配送用棚10aは、配送車両1から通函21,22を移す先として設置しておくこと、あるいは配送車両1で配送させる通函21,22を事前に保管する棚として設置しておくことができる。すなわち、配送用棚10aは、通函21,22を用いた物品の配送における受取用としても発送用としても使用できる。なお、配送用棚10aにおいて、物品が取り出されて空になった通函21,22は、配送車両1によって適宜回収されることができる。
【0077】
また、配送用棚10aは、屋外に設けられることができる。屋外の例として、配送用棚10aは、集合住宅の玄関部や廊下などに設置されていてもよい。さらに、配送用棚10aは、家屋に設置されればよく、屋内に設けられていてもよい。なお、家屋は集合住宅やオフィスビル等を含む。
【0078】
なお、配送用棚10aは、家屋の外壁を貫通するように設けてもよい。そのような構成によって、配送された通函21,22を屋外から配送用棚10aに搬入できると共に、居住空間内において配送用棚10aから通函21,22を取り出せる。なお、居住空間はオフィス空間を含む。その場合、例えば、配送用棚10aの屋外側及び屋内側に開閉可能な外扉及び内扉(不図示)を設けると共に、外扉及び内扉が同時に開かないようにするインターロック機構を設けてもよい。これにより、家屋の居住者のプライバシーを保護できる。
【0079】
その他、本実施形態に係る配送用棚は、第1、第2の実施形態で説明した様々な応用例が適用できる。
【0080】
(その他)
上述の例において、各種制御プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0081】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、収容させる通函の高さは、配送の効率化を突き詰めず高さ方向に空間を空けて収容することを許容すれば、間隔Bのほぼ倍数に限ったものではない。図1のように1列につき4対のレール13が設けられる例では、例えば高さがBの0.5倍、1.5倍、2.7倍、3.9倍などの通函であっても収容させることできる。
【符号の説明】
【0082】
1 配送車両
10 棚
10a 配送用棚
11 筐体
12a 背面板
12a-1、12a-2、12a-3、12b-1、12b-2、12b-3、12c-11、12c-12、12c-21、12c-22、12c-31、12c-32 開口部
12b 前面板
12c、12d 仕切板
12c-11、12c-21、12c-31、12c-41、12c-12、12c-22、12c-32、12c-42、12d-11、12d-21、12d-31、12d-41、12d-12、12d-22、12d-32、12d-42 開口部
13 支持体(レール)
13r ローラ
14 補助部
14r ローラ
21、22、23 通函
21a、21b 穴
21c、21d、21e、21f 領域
21sa、21sb、22sa、22sb 突出部
30 ロック機構
30a、30b 機構
32a-11、32a-21、32a-31、32a-41、32a-12、32a-22、32a-32、32a-42、32b-11、32b-21、32b-31、32b-41、32b-12、32b-22、32b-32、32b-42 枝部
21、22 通函
70 移送ロボット
71 本体部
72 天板
73 支柱
W11、W12、W21、W22 車輪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8