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特許7528849第1コネクタ、第2コネクタ、及びコネクタアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】第1コネクタ、第2コネクタ、及びコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/44 20060101AFI20240730BHJP
   H01R 13/629 20060101ALN20240730BHJP
【FI】
H01R13/44 A
H01R13/629
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021066987
(22)【出願日】2021-04-12
(65)【公開番号】P2022086973
(43)【公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】P 2020198237
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】坂井 宏基
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-162583(JP,A)
【文献】特開平03-029280(JP,A)
【文献】国際公開第2012/067066(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40-13/533
H01R 13/629
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側が第1方向に向かって延びる第1端子部材と、
前記第1端子部材を保持する第1コネクタハウジングと、
前記第1コネクタハウジングに保持されるスライド部材と、
を備える第1コネクタであって
前記第1コネクタハウジングは、
前記第1端子部材における前記第1方向と直交する方向の周囲の内の第2方向を除く部位を覆う保護部と、
前記保護部において前記第1方向に開口する第1開口部と、
前記保護部において前記第2方向に開口する第2開口部と、を有し、
前記スライド部材は、前記第2開口部を塞ぐ閉位置から前記第1方向とは反対方向である第1反対方向の開位置までの間でスライド移動可能であり、
前記スライド部材は、前記第1コネクタに第2コネクタが嵌着される際に前記第2コネクタに設けられた押圧部に押圧される被押圧部を有し、前記被押圧部が前記押圧部に押圧されることで前記開位置までスライド移動し、
前記スライド部材は、前記第1コネクタから前記第2コネクタが外される際に前記第2コネクタに設けられた係合部に引っ張られる被係合部を有し、前記被係合部が前記係合部に引っ張られることで前記閉位置までスライド移動し、
前記被押圧部と前記被係合部とは、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの着脱方向に並んでいる、
第1コネクタ。
【請求項2】
前記スライド部材は、スライド側抑制部を有し、
前記第1コネクタハウジングは、前記スライド部材が前記閉位置にある状態で前記スライド側抑制部と係合することで、前記スライド部材の前記第1反対方向への移動を抑制するコネクタ側抑制部を有する、
請求項1に記載の第1コネクタ。
【請求項3】
前記スライド部材は、スライド側規制部を有し、
前記第1コネクタハウジングは、前記スライド部材が前記閉位置にある状態で前記スライド側規制部と係合することで、前記スライド部材の前記第1方向への移動を規制するコネクタ側規制部を有する、
請求項1または請求項2に記載の第1コネクタ。
【請求項4】
前記スライド部材は、複数の前記被押圧部を有する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の第1コネクタ。
【請求項5】
前記スライド部材は、複数の前記被係合部を有する、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の第1コネクタ。
【請求項6】
前記被係合部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの着脱方向と直交する平面に対して傾斜した第1傾斜面を有し、
前記第1傾斜面は、前記第1コネクタから前記第2コネクタが外される際に、前記スライド部材が前記閉位置にある状態で前記係合部と前記被係合部とを非係合となるように案内する、
請求項から請求項のいずれか1項に記載の第1コネクタ。
【請求項7】
前記スライド部材は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの着脱方向と直交する平面に対して傾斜した第2傾斜面を有し、
前記第2傾斜面は、前記第1コネクタに前記第2コネクタが嵌着される際に前記係合部を前記被係合部と係合可能な位置に案内する、
請求項から請求項のいずれか1項に記載の第1コネクタ。
【請求項8】
前記スライド部材は、前記第1方向に延びて前記第1方向と直交する方向に可撓性を有する可撓片を有し、
前記被係合部は、前記可撓片に設けられる、
請求項から請求項のいずれか1項に記載の第1コネクタ。
【請求項9】
前記可撓片は、基端部と、前記基端部と前記第1方向において反対側に設けられる先端部とを有し、
前記被係合部は、前記可撓片の前記先端部に設けられており、
前記可撓片の前記基端部は、前記第1方向と交差する方向に凹む凹部を有する、
請求項に記載の第1コネクタ。
【請求項10】
前記スライド部材は、前記可撓片よりも厚い肉厚部を有し、
前記肉厚部は、前記第1コネクタに前記第2コネクタが嵌着される際に前記可撓片が撓む方向に突出している、
請求項または請求項に記載の第1コネクタ。
【請求項11】
前記第1コネクタハウジングは、前記第2開口部を構成する一対の側壁に相対向する一対のガイド溝を有し、
前記スライド部材は、前記ガイド溝に嵌まる一対のガイド部を有し、前記ガイド部が前記ガイド溝にガイドされることで前記第1方向及び前記第1反対方向にスライド移動可能とされ、
一対の前記ガイド部の内の一方の前記ガイド部のみが前記肉厚部とされ、
一方の前記ガイド溝は前記肉厚部が嵌まることが可能であり、他方の前記ガイド溝は前記肉厚部が嵌まることが不能である、
請求項10に記載の第1コネクタ。
【請求項12】
先端側が第1方向に向かって延びる第1端子部材と、
前記第1端子部材を保持する第1コネクタハウジングと、
前記第1コネクタハウジングに保持されるスライド部材と、
を備え、
前記第1コネクタハウジングは、
前記第1端子部材における前記第1方向と直交する方向の周囲の内の第2方向を除く部位を覆う保護部と、
前記保護部において前記第1方向に開口する第1開口部と、
前記保護部において前記第2方向に開口する第2開口部と、を有し、
前記スライド部材は、前記第2開口部を塞ぐ閉位置から前記第1方向とは反対方向である第1反対方向の開位置までの間でスライド移動可能であり、
前記スライド部材は、前記第1端子部材側に突出した突出部を有する、
第1コネクタ。
【請求項13】
前記スライド部材は、前記突出部を補強する補強リブを有する、
請求項12に記載の第1コネクタ。
【請求項14】
先端側が第1方向に向かって延びる第1端子部材と、
前記第1端子部材を保持する第1コネクタハウジングと、
前記第1コネクタハウジングに保持されるスライド部材と、
を備える第1コネクタであって
前記第1コネクタハウジングは、
前記第1端子部材における前記第1方向と直交する方向の周囲の内の第2方向を除く部位を覆う保護部と、
前記保護部において前記第1方向に開口する第1開口部と、
前記保護部において前記第2方向に開口する第2開口部と、を有し、
前記スライド部材は、前記第2開口部を塞ぐ閉位置から前記第1方向とは反対方向である第1反対方向の開位置までの間でスライド移動可能であり、
前記スライド部材は、前記第1コネクタに第2コネクタが嵌着される際に前記第2コネクタに設けられた押圧部に押圧される被押圧部を有し、前記被押圧部が前記押圧部に押圧されることで前記開位置までスライド移動し、
前記スライド部材は、前記第1コネクタから前記第2コネクタが外される際に前記第2コネクタに設けられた係合部に引っ張られる被係合部を有し、前記被係合部が前記係合部に引っ張られることで前記閉位置までスライド移動し、
前記スライド部材は、前記第1方向に延びて前記第1方向と直交する方向に可撓性を有する可撓片を有し、
前記被係合部は、前記可撓片に設けられており、
前記スライド部材は、一対の前記可撓片と、前記可撓片に沿って延びるとともに、一対の前記可撓片の間に設けられた中央片と、を有し、
前記中央片は、前記第1端子部材側に突出した突出部を有する、
第1コネクタ。
【請求項15】
第1コネクタは、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の第1コネクタであり、
前記第1コネクタに着脱可能な第2コネクタであって、
前記第2コネクタは、
前記第1コネクタに嵌着される際に前記スライド部材に設けられた被押圧部を押圧して前記スライド部材を前記開位置までスライド移動させる押圧部と、
前記第1コネクタから外される際に前記スライド部材に設けられた被係合部を引っ張ることで前記スライド部材を前記閉位置までスライド移動させる係合部と、を備えた、
第2コネクタ。
【請求項16】
前記第1コネクタと前記第2コネクタとの着脱方向と直交する平面に対して傾斜した第3傾斜面を有し、
前記第3傾斜面は、前記第1コネクタに前記第2コネクタが嵌着される際に、前記係合部を前記被係合部と係合可能な位置に案内する、
請求項15に記載の第2コネクタ。
【請求項17】
前記係合部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの着脱方向と直交する平面に対して傾斜した第4傾斜面を有し、
前記第4傾斜面は、前記第1コネクタから前記第2コネクタが外される際に、前記スライド部材が前記閉位置にある状態で前記係合部と前記被係合部とを非係合となるように案内する、
請求項15または請求項16に記載の第2コネクタ。
【請求項18】
第1コネクタと、前記第1コネクタに着脱可能な第2コネクタと、を備えたコネクタアセンブリであって、
前記第1コネクタは、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の第1コネクタであり、
前記第2コネクタは、
前記第1コネクタに嵌着される際に前記スライド部材に設けられた被押圧部を押圧して前記スライド部材を前記開位置までスライド移動させる押圧部と、
前記第1コネクタから外される際に前記スライド部材に設けられた被係合部を引っ張ることで前記スライド部材を前記閉位置までスライド移動させる係合部と、を備えた、
コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、第1コネクタ、第2コネクタ、及びコネクタアセンブリに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ハイブリッド車や電気自動車などの車両は、高圧バッテリやインバータ等の車載機器を備える。車載機器同士はワイヤハーネス及びコネクタを介して接続される。このようなコネクタのコネクタハウジングは、一般的に、端子の先端方向以外の周囲を覆う保護部を有するが、端子に接続される相手側コネクタの端子を直交方向に配索するために、保護部の一部が切り欠かれたものがある(例えば、特許文献1参照)。このようなコネクタでは、端子に指等が接触することによる感電を防止するために、端子の先端側だけでなく、端子において端子の延びる方向と直交する側にも樹脂製の保護部材が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2016-522550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなコネクタでは、端子において端子の延びる方向と直交する側にも保護部材が設けられる構成であるために、端子の形状と保護部材の形状とが複雑になる等の問題があった。
【0005】
本開示の目的は、感電防止対策を備えつつ端子の構成を簡素化可能とした第1コネクタ、第2コネクタ、及びコネクタアセンブリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1コネクタは、先端側が第1方向に向かって延びる第1端子部材と、前記第1端子部材を保持する第1コネクタハウジングと、前記第1コネクタハウジングに保持されるスライド部材と、を備え、前記第1コネクタハウジングは、前記第1端子部材における前記第1方向と直交する方向の周囲の内の第2方向を除く部位を覆う保護部と、前記保護部において前記第1方向に開口する第1開口部と、前記保護部において前記第2方向に開口する第2開口部と、を有し、前記スライド部材は、前記第2開口部を塞ぐ閉位置から前記第1方向とは反対方向である第1反対方向の開位置までの間でスライド移動可能である。
【0007】
本開示の第2コネクタは、第1コネクタに着脱可能な第2コネクタであって、前記第1コネクタは、先端側が第1方向に向かって延びる第1端子部材と、前記第1端子部材を保持する第1コネクタハウジングと、前記第1コネクタハウジングに保持されるスライド部材と、を備え、前記第1コネクタハウジングは、前記第1端子部材における前記第1方向と直交する方向の周囲の内の第2方向を除く部位を覆う保護部と、前記保護部において前記第1方向に開口する第1開口部と、前記保護部において前記第2方向に開口する第2開口部と、を有し、前記スライド部材は、前記第2開口部を塞ぐ閉位置から前記第1方向とは反対方向である第1反対方向の開位置までの間でスライド移動可能なものであり、前記第2コネクタは、前記第1コネクタに嵌着される際に前記スライド部材に設けられた被押圧部を押圧して前記スライド部材を前記開位置までスライド移動させる押圧部と、前記第1コネクタから外される際に前記スライド部材に設けられた被係合部を引っ張ることで前記スライド部材を前記閉位置までスライド移動させる係合部と、を備える。
【0008】
本開示のコネクタアセンブリは、第1コネクタと、前記第1コネクタに着脱可能な第2コネクタと、を備えたコネクタアセンブリであって、前記第1コネクタは、先端側が第1方向に向かって延びる第1端子部材と、前記第1端子部材を保持する第1コネクタハウジングと、前記第1コネクタハウジングに保持されるスライド部材と、を備え、前記第1コネクタハウジングは、前記第1端子部材における前記第1方向と直交する方向の周囲の内の第2方向を除く部位を覆う保護部と、前記保護部において前記第1方向に開口する第1開口部と、前記保護部において前記第2方向に開口する第2開口部と、を有し、前記スライド部材は、前記第2開口部を塞ぐ閉位置から前記第1方向とは反対方向である第1反対方向の開位置までの間でスライド移動可能なものであり、前記第2コネクタは、前記第1コネクタに嵌着される際に前記スライド部材に設けられた被押圧部を押圧して前記スライド部材を前記開位置までスライド移動させる押圧部と、前記第1コネクタから外される際に前記スライド部材に設けられた被係合部を引っ張ることで前記スライド部材を前記閉位置までスライド移動させる係合部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の第1コネクタ、第2コネクタ、及びコネクタアセンブリによれば、感電防止対策を備えつつ端子の構成を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態におけるコネクタアセンブリの分解斜視図である。
図2図2は、一実施形態におけるコネクタアセンブリの斜視図である。
図3図3は、一実施形態における第1コネクタの斜視図である。
図4図4は、一実施形態における第1コネクタの斜視図である。
図5図5は、一実施形態における第1コネクタの一部斜視図である。
図6図6は、一実施形態における第1コネクタの一部正面図である。
図7図7は、一実施形態におけるスライド部材の斜視図である。
図8図8は、一実施形態におけるスライド部材の斜視図である。
図9図9は、一実施形態におけるスライド部材の斜視図である。
図10図10は、一実施形態におけるスライド部材の斜視図である。
図11図11は、一実施形態における第1コネクタの一部断面図である。
図12図12は、一実施形態における第1コネクタの一部断面の斜視図である。
図13図13は、一実施形態における第2コネクタの一部斜視図である。
図14図14は、一実施形態におけるコネクタアセンブリの一部断面図である。
図15図15は、一実施形態におけるコネクタアセンブリの一部断面図である。
図16図16は、一実施形態におけるコネクタアセンブリの一部断面図である。
図17図17は、変更例におけるスライド部材の斜視図である。
図18図18は、変更例におけるスライド部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の第1コネクタは、
[1]先端側が第1方向に向かって延びる第1端子部材と、前記第1端子部材を保持する第1コネクタハウジングと、前記第1コネクタハウジングに保持されるスライド部材と、を備え、前記第1コネクタハウジングは、前記第1端子部材における前記第1方向と直交する方向の周囲の内の第2方向を除く部位を覆う保護部と、前記保護部において前記第1方向に開口する第1開口部と、前記保護部において前記第2方向に開口する第2開口部と、を有し、前記スライド部材は、前記第2開口部を塞ぐ閉位置から前記第1方向とは反対方向である第1反対方向の開位置までの間でスライド移動可能である。
【0012】
同構成によれば、第2方向に開口する第2開口部を塞ぐ閉位置から開位置までの間でスライド移動可能なスライド部材を備えるため、第1端子部材の第2方向に保護部材を設けるといった構成が不要となる。よって、感電防止対策を備えつつ第1端子部材の構成を簡素化することができる。
【0013】
[2]前記スライド部材は、スライド側抑制部を有し、前記第1コネクタハウジングは、前記スライド部材が前記閉位置にある状態で前記スライド側抑制部と係合することで、前記スライド部材の前記第1反対方向への移動を抑制するコネクタ側抑制部を有することが好ましい。
【0014】
同構成によれば、第1コネクタハウジングは、閉位置にあるスライド部材の第1反対方向への移動を抑制するコネクタ側抑制部を有するため、例えば、スライド部材が振動等によって簡単に開位置にスライド移動してしまうことが抑制される。よって、感電防止対策が良好となる。
【0015】
[3]前記スライド部材は、スライド側規制部を有し、前記第1コネクタハウジングは、前記スライド部材が前記閉位置にある状態で前記スライド側規制部と係合することで、前記スライド部材の前記第1方向への移動を規制するコネクタ側規制部を有することが好ましい。
【0016】
同構成によれば、第1コネクタハウジングは、閉位置にあるスライド部材の第1方向への移動を規制するコネクタ側規制部を有するため、スライド部材が第1コネクタハウジングから脱落してしまうことが規制される。よって、感電防止対策が良好となる。
【0017】
[4]前記スライド部材は、前記第1コネクタに第2コネクタが嵌着される際に前記第2コネクタに設けられた押圧部に押圧される被押圧部を有し、前記被押圧部が前記押圧部に押圧されることで前記開位置までスライド移動することが好ましい。
【0018】
同構成によれば、スライド部材は、第1コネクタに第2コネクタが嵌着される際に被押圧部が第2コネクタの押圧部に押圧されることで開位置までスライド移動するため、例えば、治具等によって開位置にスライド移動させる必要がない。すなわち、作業者は、第1コネクタに第2コネクタを嵌着させるだけで、別工程を必要とせずに、スライド部材を開位置までスライド移動させることができる。
【0019】
[5]前記スライド部材は、複数の前記被押圧部を有することが好ましい。
同構成によれば、スライド部材は複数の被押圧部を有するため、単一の被押圧部を有する構成に比べて、円滑に且つ安定してスライド部材を開位置までスライド移動させることができるようになる。
【0020】
[6]前記スライド部材は、前記第1コネクタから前記第2コネクタが外される際に前記第2コネクタに設けられた係合部に引っ張られる被係合部を有し、前記被係合部が前記係合部に引っ張られることで前記閉位置までスライド移動することが好ましい。
【0021】
同構成によれば、スライド部材は、第1コネクタから第2コネクタが外される際に被係合部が第2コネクタの係合部に引っ張られることで閉位置までスライド移動するため、例えば、治具等によって閉位置にスライド移動させる必要がない。すなわち、作業者は、第1コネクタから第2コネクタを外すだけで、別工程を必要とせずに、スライド部材を閉位置までスライド移動させることができる。また、例えば、ばね等の付勢部材によってスライド部材を第1方向に付勢しておく構成とすれば、別工程を必要とせずにスライド部材を閉位置までスライド移動させることができるが、この構成に比べて、付勢部材が不要となる。
【0022】
[7]前記スライド部材は、複数の前記被係合部を有することが好ましい。
同構成によれば、スライド部材は複数の被係合部を有するため、単一の被係合部を有する構成に比べて、円滑に且つ安定してスライド部材を閉位置までスライド移動させることができるようになる。
【0023】
[8]前記被押圧部と前記被係合部とは、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの着脱方向に並んでいることが好ましい。
同構成によれば、被押圧部と被係合部とは、第1コネクタと第2コネクタとの着脱方向に並んでいるため、例えば、幅方向にずれて設けられた場合に比べて、スライド部材を幅方向に小型化できる。
【0024】
[9]前記被係合部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの着脱方向と直交する平面に対して傾斜した第1傾斜面を有し、前記第1傾斜面は、前記第1コネクタから前記第2コネクタが外される際に、前記スライド部材が前記閉位置にある状態で前記係合部と前記被係合部とを非係合となるように案内することが好ましい。
【0025】
同構成によれば、被係合部は、第1コネクタから第2コネクタが外される際に、スライド部材が閉位置にある状態で係合部と被係合部とを非係合となるように案内する第1傾斜面を有するため、係合部と被係合部とを容易に非係合とすることができる。すなわち、第1コネクタから第2コネクタを容易且つ正常に取り外すことができる。
【0026】
[10]前記スライド部材は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの着脱方向と直交する平面に対して傾斜した第2傾斜面を有し、前記第2傾斜面は、前記第1コネクタに前記第2コネクタが嵌着される際に前記係合部を前記被係合部と係合可能な位置に案内することが好ましい。
【0027】
同構成によれば、スライド部材は、第1コネクタに第2コネクタが嵌着される際に、係合部を被係合部と係合可能な位置に案内する第2傾斜面を有するため、係合部と被係合部とを容易に係合させることができる。すなわち、第1コネクタに第2コネクタを容易且つ正常に嵌着することができる。
【0028】
[11]前記スライド部材は、前記第1方向に延びて前記第1方向と直交する方向に可撓性を有する可撓片を有し、前記被係合部は、前記可撓片に設けられることが好ましい。
同構成によれば、スライド部材は、第1方向に延びて第1方向と直交する方向に可撓性を有する可撓片を有し、被係合部は可撓片に設けられるため、可撓片が撓むことで、係合部と被係合部とを容易に係合させることができる。すなわち、第1コネクタに第2コネクタが嵌着される際に可撓片が撓むことで係合部と被係合部とを容易に係合させることができる。また、第1コネクタから第2コネクタが外される際に可撓片が撓むことで係合部と被係合部とを容易に非係合とすることができる。
【0029】
[12]前記可撓片は、基端部と、前記基端部と前記第1方向において反対側に設けられる先端部とを有し、前記被係合部は、前記可撓片の前記先端部に設けられており、前記可撓片の前記基端部は、前記第1方向と交差する方向に凹む凹部を有することが好ましい。
【0030】
同構成によれば、凹部を設けたことにより、可撓片の基端部が細くなる。このため、凹部が設けられていない場合に比べて、可撓片の可撓性を向上できる。すなわち、凹部が設けられていない場合に比べて、可撓片が撓みやすくなる。したがって、第1コネクタに第2コネクタが嵌着される際に可撓片が撓みやすくなることで係合部と被係合部とをより容易に係合させることができる。また、第1コネクタから第2コネクタが外される際に可撓片が撓みやすくなることで係合部と被係合部とをより容易に非係合とすることができる。
【0031】
[13]前記スライド部材は、前記可撓片よりも厚い肉厚部を有し、前記肉厚部は、前記第1コネクタに前記第2コネクタが嵌着される際に前記可撓片が撓む方向に突出していることが好ましい。
【0032】
同構成によれば、スライド部材は、可撓片よりも厚い肉厚部を有し、肉厚部は、第1コネクタに第2コネクタが嵌着される際に可撓片が撓む方向に突出しているため、可撓片が撓む際のスペースを容易に確保することができる。すなわち、可撓片が撓む方向の反対方向に肉厚部が突出している構成では、肉厚部の厚さの範囲とは別に可撓片が撓むスペースを確保する必要があるが、これを回避でき、可撓片が撓む際のスペースを容易に確保することができる。
【0033】
[14]前記第1コネクタハウジングは、前記第2開口部を構成する一対の側壁に相対向する一対のガイド溝を有し、前記スライド部材は、前記ガイド溝に嵌まる一対のガイド部を有し、前記ガイド部が前記ガイド溝にガイドされることで前記第1方向及び前記第1反対方向にスライド移動可能とされ、一対の前記ガイド部の内の一方の前記ガイド部のみが前記肉厚部とされ、一方の前記ガイド溝は前記肉厚部が嵌まることが可能であり、他方の前記ガイド溝は前記肉厚部が嵌まることが不能であることが好ましい。
【0034】
同構成によれば、一対のガイド部の内の一方のガイド部のみが肉厚部とされ、一方のガイド溝は肉厚部が嵌まることが可能であり、他方のガイド溝は肉厚部が嵌まることが不能であるため、スライド部材の誤組付けが防止される。
【0035】
[15]前記スライド部材は、前記第1端子部材側に突出した突出部を有することが好ましい。
同構成によれば、スライド部材は、第1端子部材側に突出した突出部を有するため、例えば、突出部が設けられた部位が第1端子部材側に大きく撓もうとしても突出部が第1端子部材と当接することで大きく撓んでしまうことが防止される。よって、例えば、突出部が設けられた部位が第1端子部材側に大きく撓むことで折れてしまうといったことが抑制される。
【0036】
[16]前記スライド部材は、前記突出部を補強する補強リブを有することが好ましい。
同構成によれば、スライド部材は、突出部を補強する補強リブを有するため、例えば、突出部が第1端子部材と衝突したとしても、突出部が折れてしまうといったことが抑制される。
【0037】
[17]前記スライド部材は、一対の前記可撓片と、前記可撓片に沿って延びるとともに、一対の前記可撓片の間に設けられた中央片と、を有し、前記中央片は、前記第1端子部材側に突出した突出部を有することが好ましい。
【0038】
同構成によれば、スライド部材は、一対の可撓片と、可撓片に沿って延びるとともに、一対の可撓片の間に設けられた中央片とを有するため、例えば、並んだ一対の可撓片と中央片とによって、第2開口部を隙間が少なくなるように塞ぐことができる。よって、感電防止対策が良好となる。そして、中央片は、第1端子部材側に突出した突出部を有するため、例えば、中央片が第1端子部材側に大きく撓もうとしても突出部が第1端子部材と当接することで大きく撓んでしまうことが防止される。よって、例えば、中央片が第1端子部材側に大きく撓むことで折れてしまうといったことが抑制される。
【0039】
本開示の第2コネクタは、
[18]第1コネクタは、先端側が第1方向に向かって延びる第1端子部材と、前記第1端子部材を保持する第1コネクタハウジングと、前記第1コネクタハウジングに保持されるスライド部材と、を備え、前記第1コネクタハウジングは、前記第1端子部材における前記第1方向と直交する方向の周囲の内の第2方向を除く部位を覆う保護部と、前記保護部において前記第1方向に開口する第1開口部と、前記保護部において前記第2方向に開口する第2開口部と、を有し、前記スライド部材は、前記第2開口部を塞ぐ閉位置から前記第1方向とは反対方向である第1反対方向の開位置までの間でスライド移動可能なものであり、前記第1コネクタに着脱可能な第2コネクタであって、前記第2コネクタは、前記第1コネクタに嵌着される際に前記スライド部材に設けられた被押圧部を押圧して前記スライド部材を前記開位置までスライド移動させる押圧部と、前記第1コネクタから外される際に前記スライド部材に設けられた被係合部を引っ張ることで前記スライド部材を前記閉位置までスライド移動させる係合部と、を備える。
【0040】
同構成によれば、第2コネクタは、第1コネクタに嵌着される際にスライド部材に設けられた被押圧部を押圧してスライド部材を開位置までスライド移動させる押圧部を有するため、例えば、治具等によってスライド部材を開位置にスライド移動させる必要がない。すなわち、作業者は、第1コネクタに第2コネクタを嵌着させるだけで、別工程を必要とせずに、スライド部材を開位置までスライド移動させることができる。また、第2コネクタは、第1コネクタから外される際にスライド部材に設けられた被係合部を引っ張ることでスライド部材を閉位置までスライド移動させる係合部を有するため、例えば、治具等によってスライド部材を閉位置にスライド移動させる必要がない。すなわち、作業者は、第1コネクタから第2コネクタを外すだけで、別工程を必要とせずに、スライド部材を閉位置までスライド移動させることができる。
【0041】
[19]前記第1コネクタと前記第2コネクタとの着脱方向と直交する平面に対して傾斜した第3傾斜面を有し、前記第3傾斜面は、前記第1コネクタに前記第2コネクタが嵌着される際に、前記係合部を前記被係合部と係合可能な位置に案内することが好ましい。
【0042】
同構成によれば、第1コネクタに第2コネクタが嵌着される際に、係合部を被係合部と係合可能な位置に案内する第3傾斜面を有するため、係合部と被係合部とを容易に係合させることができる。すなわち、第1コネクタに第2コネクタを容易且つ正常に嵌着することができる。
【0043】
[20]前記係合部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの着脱方向と直交する平面に対して傾斜した第4傾斜面を有し、前記第4傾斜面は、前記第1コネクタから前記第2コネクタが外される際に、前記スライド部材が前記閉位置にある状態で前記係合部と前記被係合部とを非係合となるように案内することが好ましい。
【0044】
同構成によれば、係合部は、第1コネクタから第2コネクタが外される際に、スライド部材が閉位置にある状態で係合部と被係合部とを非係合となるように案内する第4傾斜面を有するため、係合部と被係合部とを容易に非係合とすることができる。すなわち、第1コネクタから第2コネクタを容易且つ正常に取り外すことができる。
【0045】
本開示のコネクタアセンブリは、
[21]第1コネクタと、前記第1コネクタに着脱可能な第2コネクタと、を備えたコネクタアセンブリであって、前記第1コネクタは、先端側が第1方向に向かって延びる第1端子部材と、前記第1端子部材を保持する第1コネクタハウジングと、前記第1コネクタハウジングに保持されるスライド部材と、を備え、前記第1コネクタハウジングは、前記第1端子部材における前記第1方向と直交する方向の周囲の内の第2方向を除く部位を覆う保護部と、前記保護部において前記第1方向に開口する第1開口部と、前記保護部において前記第2方向に開口する第2開口部と、を有し、前記スライド部材は、前記第2開口部を塞ぐ閉位置から前記第1方向とは反対方向である第1反対方向の開位置までの間でスライド移動可能なものであり、前記第2コネクタは、前記第1コネクタに嵌着される際に前記スライド部材に設けられた被押圧部を押圧して前記スライド部材を前記開位置までスライド移動させる押圧部と、前記第1コネクタから外される際に前記スライド部材に設けられた被係合部を引っ張ることで前記スライド部材を前記閉位置までスライド移動させる係合部と、を備える。
【0046】
同構成によれば、第2方向に開口する第2開口部を塞ぐ閉位置から開位置までの間でスライド移動可能なスライド部材を備えるため、第1端子部材の第2方向に保護部材を設けるといった構成が不要となる。よって、感電防止対策を備えつつ第1端子部材の構成を簡素化することができる。
【0047】
また、第2コネクタは、第1コネクタに嵌着される際にスライド部材に設けられた被押圧部を押圧してスライド部材を開位置までスライド移動させる押圧部を有するため、例えば、治具等によってスライド部材を開位置にスライド移動させる必要がない。すなわち、作業者は、第1コネクタに第2コネクタを嵌着させるだけで、別工程を必要とせずに、スライド部材を開位置までスライド移動させることができる。また、第2コネクタは、第1コネクタから外される際にスライド部材に設けられた被係合部を引っ張ることでスライド部材を閉位置までスライド移動させる係合部を有するため、例えば、治具等によってスライド部材を閉位置にスライド移動させる必要がない。すなわち、作業者は、第1コネクタから第2コネクタを外すだけで、別工程を必要とせずに、スライド部材を閉位置までスライド移動させることができる。
【0048】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のコネクタアセンブリの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。本明細書における「平行」や「直交」は、厳密に平行や直交の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね平行や直交の場合も含まれる。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0049】
[コネクタアセンブリ11の構成]
図1及び図2に示すように、コネクタアセンブリ11は、第1コネクタ21と、第1コネクタ21に着脱可能な第2コネクタ71とを備える。コネクタアセンブリ11は、車両に設けられるものである。例えば、車両は、高圧バッテリやインバータ等の車載機器を備え、それら車載機器同士はワイヤハーネスを介して接続される。そして、コネクタアセンブリ11は、例えば、車載機器とワイヤハーネスとを接続するための部品として設けられるものである。
【0050】
[第1コネクタ21の構成]
図3及び図4に示すように、第1コネクタ21は、第1端子部材22と、第1コネクタハウジング23と、スライド部材24とを備える。本実施形態では、第1端子部材22が延びる方向を第1方向X1として説明する。すなわち、第1端子部材22は、先端側が第1方向X1に向かって延びている。第1コネクタハウジング23は、第1端子部材22を保持する。スライド部材24は、第1コネクタハウジング23に保持される。
【0051】
[第1端子部材22の構成]
第1端子部材22は、端子25と保護部材26とを備える。端子25は、板状である。端子25は、導電性の金属板材にて構成されている。保護部材26は、絶縁性の樹脂材にて構成されている。保護部材26は、端子25の先端側、つまり端子25の第1方向X1側に固定されている。第1端子部材22は、2つ設けられている。
【0052】
[第1コネクタハウジング23の構成]
第1コネクタハウジング23は、絶縁性の樹脂材にて構成されている。第1コネクタハウジング23は、基部27と、保護部28とを有する。
【0053】
基部27は、第1端子部材22の基端側を保持する。保護部28は、第1端子部材22における第1方向X1と直交する方向の周囲の内の第2方向Y1を除く部位を覆う。詳しくは、保護部28は、第1方向X1に延びる四角筒状における第2方向Y1の面において第1方向X1側が切り欠かれた形状とされている。この構成により、第1コネクタハウジング23は、保護部28において第1方向X1に開口する第1開口部29と、保護部28において第2方向Y1に開口する第2開口部30とを有する。保護部28は、第1端子部材22の数と対応して2つ設けられている。
【0054】
保護部28は、第2開口部30を構成する一対の側壁31によって、第1端子部材22の厚さ方向の両面を覆う。なお、第1端子部材22の厚さ方向の一方は、前記第1方向X1及び前記第2方向Y1と直交する第3方向Z1を向いており、第1端子部材22の厚さ方向の他方は、前記第3方向Z1の反対方向である第3反対方向Z2を向いている。
【0055】
また、図5及び図6に示すように、第1コネクタハウジング23は、第2開口部30を構成する一対の側壁31に相対向する一対のガイド溝32,33を有する。一方のガイド溝32と他方のガイド溝33とは、異なる形状である。本実施形態では、他方のガイド溝33は、第2方向Y1側に凸部34を有している。なお、図5は、スライド部材24が保持されていない状態の第1コネクタハウジング23の一部を図示している。
【0056】
[スライド部材24の構成]
図7図10に示すように、スライド部材24は、板状である。スライド部材24は、絶縁性の樹脂材にて構成されている。スライド部材24は、第2開口部30を塞ぐ閉位置(図3参照)から第1方向X1とは反対方向である第1反対方向X2の開位置(図4参照)までの間でスライド移動可能である。詳しくは、スライド部材24は、幅方向両側にガイド溝32,33に嵌まる一対のガイド部35,36を有する。そして、スライド部材24は、ガイド部35,36がガイド溝32,33にガイドされることで第1方向X1及び第1反対方向X2にスライド移動可能とされている。なお、上記した第2開口部30を塞ぐ閉位置とは、第2開口部30を通じて指が第1端子部材22に到達しない程度に第2開口部30を塞ぐことができる位置であればよく、スライド部材24は閉位置においても第2開口部30を密閉するとは限らない。
【0057】
図11及び図12に示すように、スライド部材24は、スライド側抑制部37を有する。また、第1コネクタハウジング23は、スライド部材24が閉位置にある状態でスライド側抑制部37と係合することで、スライド部材24の第1反対方向X2への移動を抑制するコネクタ側抑制部38を有する。
【0058】
詳述すると、図7に示すように、スライド部材24は、板状のベース部40と、ベース部40の中央で板厚方向、すなわち第2方向Y1に貫通する貫通部41と、貫通部41の内縁部から延びる係合片42とを有する。係合片42は、基部片43と、両側片44と、連結片45とを有する。基部片43は、貫通部41における第1反対方向X2の内縁部から第1方向X1に延びる。両側片44は、基部片43の先端部における両側から第2方向Y1に僅かに段差を有しつつ第1方向X1に延びる。連結片45は、両側片44の先端部同士を連結する。そして、図10に示すように、連結片45における第1反対方向X2の面がスライド側抑制部37とされている。
【0059】
図11及び図12に示すように、コネクタ側抑制部38は、保護部28における第2方向Y1の下壁46に設けられている。下壁46は、第2方向Y1と反対方向である第2反対方向Y2に突出する抑制凸部47を有する。そして、抑制凸部47における第1方向X1の面は、抑制凸部47の頂部に向かって第1反対方向X2に傾斜したコネクタ側抑制部38とされている。また、抑制凸部47における第1反対方向X2の面は、抑制凸部47の頂部に向かって第1方向X1に傾斜した傾斜面48とされている。
【0060】
スライド部材24は、閉位置にある状態から第1反対方向X2に力が加えられてもスライド側抑制部37がコネクタ側抑制部38と係合することで、設定値以上の力が加えられるまでは、第1反対方向X2への移動が抑制される。そして、スライド部材24は、閉位置にある状態から第1反対方向X2に設定値以上の力が加えられると、係合片42が撓んで連結片45が抑制凸部47を乗り越えて、スライド側抑制部37がコネクタ側抑制部38と非係合となり、第1反対方向X2へ移動する。
【0061】
スライド部材24は、スライド側規制部50を有する。また、第1コネクタハウジング23は、スライド部材24が閉位置にある状態でスライド側規制部50と係合することで、スライド部材24の第1方向X1への移動を規制するコネクタ側規制部51を有する。
【0062】
詳述すると、本実施形態のスライド側規制部50は、係合片42の両側片44における第1方向X1の面によって構成されている。また、コネクタ側規制部51は、下壁46に設けられている。コネクタ側規制部51は、スライド側規制部50と対応した位置に設けられている。下壁46は、第2反対方向Y2に突出する規制凸部52を有する。そして、コネクタ側規制部51は、規制凸部52における第1反対方向X2の面によって構成されている。また、規制凸部52における第1方向X1の面は、規制凸部52の頂部に向かって第1反対方向X2に傾斜した傾斜面53とされている。
【0063】
スライド部材24は、閉位置にある状態から第1方向X1に力が加えられてもスライド側規制部50がコネクタ側規制部51と係合することで、第1方向X1への移動が規制される。なお、スライド側規制部50とコネクタ側規制部51とは、第1方向X1と直交する平面同士で係合するため、係合片42が撓んで連結片45が規制凸部52を乗り越えてしまうことは抑制される。
【0064】
スライド部材24は、第1コネクタ21に第2コネクタ71が嵌着される際に第2コネクタ71に設けられた後述する押圧部72(図14及び図15参照)に押圧される被押圧部54を有する。スライド部材24は、被押圧部54が押圧部72に押圧されることで開位置までスライド移動する。
【0065】
詳述すると、スライド部材24は、一対の可撓片55と、一対の可撓片55の間に設けられた中央片56とを有する。可撓片55は、ベース部40に接続される基端部と、基端部と第1方向X1において反対側に設けられる先端部とを有する。可撓片55は、ベース部40から第1方向X1に延びて第1方向X1と直交する方向、詳しくは第2方向Y1に可撓性を有する。そして、被押圧部54は、可撓片55の先端面によって構成されている。被押圧部54は、それぞれの可撓片55に設けられることで2つ設けられている。
【0066】
スライド部材24は、第1コネクタ21から第2コネクタ71が外される際に第2コネクタ71に設けられた後述する係合部73(図15参照)に引っ張られる被係合部57を有する。スライド部材24は、被係合部57が係合部73に引っ張られることで閉位置までスライド移動する。
【0067】
詳述すると、可撓片55の先端部は、板厚方向、すなわち第2方向Y1に貫通する係合孔58を有する。そして、被係合部57は、係合孔58における第1方向X1の内壁面によって構成されている。被係合部57は、それぞれの可撓片55に設けられることで2つ設けられている。また、被押圧部54と被係合部57とは、第1コネクタ21と第2コネクタ71との着脱方向に並んでいる。また、被係合部57は、第1コネクタ21と第2コネクタ71との着脱方向と直交する平面に対して傾斜した第1傾斜面60を有する。本実施形態では、第1傾斜面60は、被係合部57の全面に設けられている。第1傾斜面60は、第1コネクタ21から第2コネクタ71が外される際に、スライド部材24が閉位置にある状態で係合部73と被係合部57とを非係合となるように案内する。
【0068】
スライド部材24は、第1コネクタ21と第2コネクタ71との着脱方向と直交する平面に対して傾斜した第2傾斜面61を有する。本実施形態では、第2傾斜面61は、被押圧部54の第2反対方向Y2側に設けられている。第2傾斜面61は、第1コネクタ21に第2コネクタ71が嵌着される際に係合部73を被係合部57と係合可能な位置に案内する。
【0069】
スライド部材24は、可撓片55よりも厚い肉厚部62を有する。肉厚部62は、第1コネクタ21に第2コネクタ71が嵌着される際に可撓片55が撓む方向であって第2方向Y1に突出して設けられている。
【0070】
詳述すると、肉厚部62は、ベース部40の両側に設けられている。また、図6及び図9に示すように、一対のガイド部35,36の内の一方のガイド部35のみが肉厚部62とされている。言い換えると、一方のガイド部35は、肉厚部62に応じた厚さとされ、他方のガイド部36は、ベース部40のみの厚さとされている。そして、図6に示すように、上述した一方のガイド溝32は肉厚部62が嵌まることが可能であり、他方のガイド溝33は前記凸部34を有することで肉厚部62が嵌まることが不能とされている。これにより、スライド部材24の第1コネクタハウジング23への誤組付けが防止されている。
【0071】
スライド部材24は、第1端子部材22側に突出した突出部63を有する。
詳述すると、突出部63は、中央片56の先端に設けられている。突出部63は、L字状である。詳しくは、突出部63は、中央片56の先端から第2反対方向Y2に突出した第1片64と、第1片64の先端から第1方向X1に延びる第2片65とを有する。また、スライド部材24は、突出部63を補強する補強リブ66を有する。補強リブ66は、第1片64の側部と中央片56とに渡って設けられている。
【0072】
[第2コネクタ71の構成]
図1及び図13に示すように、第2コネクタ71は、第2端子部材74と、第2コネクタハウジング75とを備える。第2コネクタハウジング75は、第2端子部材74を保持する。第2コネクタハウジング75は、第1コネクタハウジング23と着脱可能である。第2端子部材74は、先端側が第2反対方向Y2に向かって延びている。なお、第2コネクタ71における第2反対方向Y2を含む方向の説明は、第2コネクタ71が第1コネクタ21に嵌着された状態を基準として記載する。第2端子部材74は、第1コネクタ21の第1端子部材22の数と対応して2つ設けられている。
【0073】
図16に示すように、第2端子部材74の先端部は、第1コネクタ21に第2コネクタ71が嵌着された状態で、第1端子部材22の端子25と接触して電気的に接続される。また、第2端子部材74は、第1コネクタ21に第2コネクタ71が嵌着された状態で、第2開口部30を通るように配置される。
【0074】
第2コネクタ71は、前述した押圧部72と係合部73とを備える。
図14及び図15に示すように、押圧部72は、第2コネクタハウジング75においてスライド部材24の被押圧部54と対応した位置に設けられている。押圧部72は、第2コネクタ71が第1コネクタ21に嵌着される際に被押圧部54を押圧してスライド部材24を開位置までスライド移動させる。
【0075】
図15に示すように、係合部73は、第2コネクタハウジング75においてスライド部材24の被係合部57と対応した位置に設けられている。係合部73は、第2コネクタ71が第1コネクタ21から外される際に被係合部57を引っ張ることでスライド部材24を閉位置までスライド移動させる。
【0076】
詳述すると、第2コネクタハウジング75は、前記押圧部72と同一平面から第1反対方向X2に突出した凸部76を有する。また、第2コネクタハウジング75は、凸部76の先端において、被係合部57と対応した位置から第2方向Y1に突出する爪77を有する。そして、係合部73は、爪77における第1方向X1の面によって構成されている。また、第2コネクタハウジング75は、第1コネクタ21と第2コネクタ71との着脱方向と直交する平面に対して傾斜した第3傾斜面78を有する。第3傾斜面78は、爪77における第1反対方向X2の面によって構成されている。第3傾斜面78は、第1コネクタ21に第2コネクタ71が嵌着される際に、係合部73を被係合部57と係合可能な位置に案内する。また、係合部73は、第1コネクタ21と第2コネクタ71との着脱方向と直交する平面に対して傾斜した第4傾斜面79を有する。本実施形態では、第4傾斜面79は、係合部73の全面に設けられている。第4傾斜面79は、第1コネクタ21から第2コネクタ71が外される際に、スライド部材24が閉位置にある状態で係合部73と被係合部57とを非係合となるように案内する。
【0077】
次に、上記のように構成されたコネクタアセンブリ11の作用について説明する。
図3に示すように、第1コネクタ21に第2コネクタ71が嵌着される前の状態では、スライド部材24が第2開口部30を塞ぐ閉位置にあることで、例えば、第2開口部30を通じて作業者の指が第1端子部材22の端子25に接触することが抑制される。また、端子25の先端側には保護部材26が固定されているため、例えば、第1開口部29を通じて作業者の指が第1端子部材22の端子25に接触することが抑制される。
【0078】
第1コネクタ21に第2コネクタ71が嵌着される際、まず爪77がスライド部材24の被押圧部54と接触するが、第2傾斜面61と第3傾斜面78の作用によって可撓片55が第2方向Y1に撓むことで、爪77が係合孔58に嵌まる。これにより、図15に示すように、係合部73が被係合部57と係合可能な位置に配置される。そして、次に、被押圧部54は押圧部72に押圧される。これにより、スライド部材24は、開位置にスライド移動される。そして、第1コネクタ21に第2コネクタ71が嵌着された状態では、図16に示すように、第1端子部材22と第2端子部材74とは電気的に接続される。
【0079】
第1コネクタ21から第2コネクタ71が外される際、被係合部57は係合部73に引っ張られる。これにより、スライド部材24は、閉位置にスライド移動される。そして、次に、第1傾斜面60と第4傾斜面79の作用によって可撓片55が第2方向Y1に撓むことで、爪77が係合孔58から外れる。これにより、係合部73と被係合部57とは非係合となり、第2コネクタ71は第1コネクタ21から取り外される。そして、この状態では、スライド部材24が第2開口部30を塞ぐ閉位置に復帰していることで、例えば、第2開口部30を通じて作業者の指が第1端子部材22の端子25に接触することが抑制される。
【0080】
次に、上記実施形態の効果を以下に記載する。
(1)第2方向Y1に開口する第2開口部30を塞ぐ閉位置から開位置までの間でスライド移動可能なスライド部材24を備えるため、第1端子部材22の第2方向Y1に保護部材を設けるといった構成が不要となる。よって、感電防止対策を備えつつ第1端子部材22の構成を簡素化することができる。
【0081】
(2)第1コネクタハウジング23は、閉位置にあるスライド部材24の第1反対方向X2への移動を抑制するコネクタ側抑制部38を有するため、例えば、スライド部材24が振動等によって簡単に開位置にスライド移動してしまうことが抑制される。よって、感電防止対策が良好となる。また、本実施形態のように、爪77が係合孔58に嵌まる前にスライド部材24が第1反対方向X2にスライド移動してしまうことが抑制される。
【0082】
(3)第1コネクタハウジング23は、閉位置にあるスライド部材24の第1方向X1への移動を規制するコネクタ側規制部51を有するため、スライド部材24が第1コネクタハウジング23から脱落してしまうことが規制される。よって、感電防止対策が良好となる。
【0083】
(4)スライド部材24は、第1コネクタ21に第2コネクタ71が嵌着される際に被押圧部54が第2コネクタ71の押圧部72に押圧されることで開位置までスライド移動するため、例えば、治具等によって開位置にスライド移動させる必要がない。すなわち、作業者は、第1コネクタ21に第2コネクタ71を嵌着させるだけで、別工程を必要とせずに、スライド部材24を開位置までスライド移動させることができる。
【0084】
(5)スライド部材24は複数の被押圧部54を有するため、単一の被押圧部54を有する構成に比べて、円滑に且つ安定してスライド部材24を開位置までスライド移動させることができるようになる。
【0085】
(6)スライド部材24は、第1コネクタ21から第2コネクタ71が外される際に被係合部57が第2コネクタ71の係合部73に引っ張られることで閉位置までスライド移動するため、例えば、治具等によって閉位置にスライド移動させる必要がない。すなわち、作業者は、第1コネクタ21から第2コネクタ71を外すだけで、別工程を必要とせずに、スライド部材24を閉位置までスライド移動させることができる。また、例えば、ばね等の付勢部材によってスライド部材24を第1方向X1に付勢しておく構成とすれば、別工程を必要とせずにスライド部材24を閉位置までスライド移動させることができるが、この構成に比べて、付勢部材が不要となる。
【0086】
(7)スライド部材24は複数の被係合部57を有するため、単一の被係合部57を有する構成に比べて、円滑に且つ安定してスライド部材24を閉位置までスライド移動させることができるようになる。
【0087】
(8)被押圧部54と被係合部57とは、第1コネクタ21と第2コネクタ71との着脱方向に並んでいるため、例えば、幅方向にずれて設けられた場合に比べて、スライド部材24を幅方向に小型化できる。
【0088】
(9)被係合部57は、第1コネクタ21から第2コネクタ71が外される際に、スライド部材24が閉位置にある状態で係合部73と被係合部57とを非係合となるように案内する第1傾斜面60を有する。よって、係合部73と被係合部57とを容易に非係合とすることができる。すなわち、第1コネクタ21から第2コネクタ71を容易且つ正常に取り外すことができる。
【0089】
(10)スライド部材24は、第1コネクタ21に第2コネクタ71が嵌着される際に、係合部73を被係合部57と係合可能な位置に案内する第2傾斜面61を有するため、係合部73と被係合部57とを容易に係合させることができる。すなわち、第1コネクタ21に第2コネクタ71を容易且つ正常に嵌着することができる。
【0090】
(11)スライド部材24は、第1方向X1に延びて第1方向X1と直交する方向に可撓性を有する可撓片55を有し、被係合部57は可撓片55に設けられるため、可撓片55が撓むことで、係合部73と被係合部57とを容易に係合させることができる。すなわち、第1コネクタ21に第2コネクタ71が嵌着される際に可撓片55が撓むことで係合部73と被係合部57とを容易に係合させることができる。また、第1コネクタ21から第2コネクタ71が外される際に可撓片55が撓むことで係合部73と被係合部57とを容易に非係合とすることができる。
【0091】
(12)スライド部材24は、可撓片55よりも厚い肉厚部62を有し、肉厚部62は、第1コネクタ21に第2コネクタ71が嵌着される際に可撓片55が撓む方向に突出しているため、可撓片55が撓む際のスペースを容易に確保することができる。すなわち、可撓片55が撓む方向の反対方向に肉厚部62が突出している構成では、肉厚部62の厚さの範囲とは別に可撓片55が撓むスペースを確保する必要があるが、これを回避でき、可撓片55が撓む際のスペースを容易に確保することができる。
【0092】
(13)スライド部材24の一対のガイド部35,36の内の一方のガイド部35のみが肉厚部62とされる。そして、一方のガイド溝32は肉厚部62が嵌まることが可能であり、他方のガイド溝33は肉厚部62が嵌まることが不能であるため、スライド部材24の誤組付けが防止される。
【0093】
(14)スライド部材24は、第1端子部材22側に突出した突出部63を有するため、例えば、突出部63が設けられた部位が第1端子部材22側に大きく撓もうとしても突出部63が第1端子部材22と当接することで大きく撓んでしまうことが防止される。よって、例えば、突出部63が設けられた部位が第1端子部材22側に大きく撓むことで折れてしまうといったことが抑制される。
【0094】
(15)スライド部材24は、突出部63を補強する補強リブ66を有するため、例えば、突出部63が第1端子部材22と衝突したとしても、突出部63が折れてしまうといったことが抑制される。
【0095】
(16)スライド部材24は、一対の可撓片55と、可撓片55に沿って延びるとともに、一対の可撓片55の間に設けられた中央片56とを有する。よって、例えば、並んだ一対の可撓片55と中央片56とによって、第2開口部30を隙間が少なくなるように塞ぐことができる。よって、感電防止対策が良好となる。そして、中央片56は、第1端子部材22側に突出した突出部63を有するため、例えば、中央片56が第1端子部材22側に大きく撓もうとしても突出部63が第1端子部材22と当接することで大きく撓んでしまうことが防止される。よって、例えば、中央片56が第1端子部材22側に大きく撓むことで折れてしまうといったことが抑制される。
【0096】
(17)第2コネクタ71は、第1コネクタ21に嵌着される際にスライド部材24に設けられた被押圧部54を押圧してスライド部材24を開位置までスライド移動させる押圧部72を有する。よって、例えば、治具等によってスライド部材24を開位置にスライド移動させる必要がない。すなわち、作業者は、第1コネクタ21に第2コネクタ71を嵌着させるだけで、別工程を必要とせずに、スライド部材24を開位置までスライド移動させることができる。また、第2コネクタ71は、第1コネクタ21から外される際にスライド部材24に設けられた被係合部57を引っ張ることでスライド部材24を閉位置までスライド移動させる係合部73を有する。よって、例えば、治具等によってスライド部材24を閉位置にスライド移動させる必要がない。すなわち、作業者は、第1コネクタ21から第2コネクタ71を外すだけで、別工程を必要とせずに、スライド部材24を閉位置までスライド移動させることができる。
【0097】
(18)第2コネクタハウジング75は、第1コネクタ21に第2コネクタ71が嵌着される際に、係合部73を被係合部57と係合可能な位置に案内する第3傾斜面78を有する。よって、係合部73と被係合部57とを容易に係合させることができる。すなわち、第1コネクタ21に第2コネクタ71を容易且つ正常に嵌着することができる。
【0098】
(19)係合部73は、第1コネクタ21から第2コネクタ71が外される際に、スライド部材24が閉位置にある状態で係合部73と被係合部57とを非係合となるように案内する第4傾斜面79を有する。よって、係合部73と被係合部57とを容易に非係合とすることができる。すなわち、第1コネクタ21から第2コネクタ71を容易且つ正常に取り外すことができる。
【0099】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、第1コネクタハウジング23は、閉位置にあるスライド部材24の第1反対方向X2への移動を抑制するコネクタ側抑制部38を有するとしたが、コネクタ側抑制部38の構成は変更してもよい。例えば、閉位置でスライド部材24が圧入されることでスライド部材24の第1反対方向X2への移動を抑制するコネクタ側抑制部としてもよい。
【0100】
・上記実施形態では、第1コネクタハウジング23は、閉位置にあるスライド部材24の第1方向X1への移動を規制するコネクタ側規制部51を有するとしたが、コネクタ側規制部51の構成は変更してもよい。
【0101】
・上記実施形態では、スライド部材24は、第1コネクタ21に第2コネクタ71が嵌着される際に第2コネクタ71の押圧部72に押圧される被押圧部54を有するとしたが、被押圧部54の構成は変更してもよい。また、被押圧部54の数は、1つや3つ以上に変更してもよい。
【0102】
・上記実施形態では、スライド部材24は、第1コネクタ21から第2コネクタ71が外される際に第2コネクタ71の係合部73に引っ張られる被係合部57を有するとしたが、被係合部57の構成は変更してもよい。また、被係合部57の数は、1つや3つ以上に変更してもよい。
【0103】
・上記実施形態では、被押圧部54と被係合部57とは、第1コネクタ21と第2コネクタ71との着脱方向に並んでいるとしたが、これに限定されず、例えば、幅方向にずらして設けてもよい。
【0104】
・上記実施形態では、被係合部57は、第1傾斜面60を有するとしたが、これに限定されず、第1傾斜面60を有していない構成としてもよい。また、係合部73は、第4傾斜面79を有するとしたが、これに限定されず、第4傾斜面79を有していない構成としてもよい。なお、第1傾斜面60と第4傾斜面79の少なくとも一方は有した構成とすることが好ましい。
【0105】
・上記実施形態では、スライド部材24は、第2傾斜面61を有するとしたが、これに限定されず、第2傾斜面61を有していない構成としてもよい。また、第2コネクタハウジング75は、第3傾斜面78を有するとしたが、これに限定されず、第3傾斜面78を有していない構成としてもよい。なお、第2傾斜面61と第3傾斜面78の少なくとも一方は有した構成とすることが好ましい。
【0106】
・上記実施形態では、被係合部57は可撓片55に設けられるとしたが、これに限定されず、可撓性を有さない部位に設けてもよい。なお、この場合、係合部73を、可撓性を有する部位に設けることが好ましい。
【0107】
・上記実施形態では、スライド部材24は、可撓片55よりも厚い肉厚部62を有するとしたが、これに限定されず、肉厚部62を有していない構成としてもよい。
・上記実施形態では、スライド部材24の一対のガイド部35,36の内の一方のガイド部35のみが肉厚部62とされるとしたが、これに限定されず、例えば、一対のガイド部35,36を共に肉厚部62としてもよい。
【0108】
・上記実施形態では、スライド部材24は、第1端子部材22側に突出した突出部63を有するとしたが、これに限定されず、突出部63を有していない構成としてもよい。また、スライド部材24は、突出部63を補強する補強リブ66を有するとしたが、補強リブ66を有していない構成としてもよい。
【0109】
・例えば図17及び図18に示すように、可撓片55の基端部に凹部55Xを設けるようにしてもよい。凹部55Xは、第1方向X1と交差する方向に凹むように形成されている。本変更例の凹部55Xは、可撓片55の延びる第1方向X1と可撓片55が撓む方向である第2方向Y1との双方と直交する方向、詳しくは第3方向Z1又は第3反対方向Z2に凹むように形成されている。本変更例の凹部55Xは、可撓片55の幅方向両端面のうち中央片56から遠い端面から中央片56に向かって凹むように形成されている。
【0110】
この構成によれば、凹部55Xを設けたことにより、可撓片55の基端部が細くなる。このため、凹部55Xが設けられていない場合に比べて、可撓片55の可撓性を向上できる。すなわち、凹部55Xが設けられていない場合に比べて、可撓片55が第2方向Y1に撓みやすくなる。したがって、第1コネクタ21に第2コネクタ71が嵌着される際に可撓片55が撓みやすくなることで係合部73と被係合部57とをより容易に係合させることができる。また、第1コネクタ21から第2コネクタ71が外される際に可撓片55が撓みやすくなることで係合部73と被係合部57とをより容易に非係合とすることができる。
【0111】
図17に示した変更例では、可撓片55の幅方向の端面に凹部55Xを設けるようにしたが、これに限定されない。例えば、可撓片55の基端部における第2方向Y1の端面に凹部55Xを設けるようにしてもよい。この場合の凹部55Xは、例えば、可撓片55の延びる第1方向X1と可撓片55の幅方向である第3方向Z1との双方と直交する方向、詳しくは第2反対方向Y2に凹むように形成される。
【0112】
・上記実施形態の係合孔58の形状は特に限定されない。例えば図17及び図18に示すように、係合孔58を長孔に形成してもよい。本変更例の係合孔58は、可撓片55の幅方向に長い長孔に形成されている。すなわち、本変更例の係合孔58は、可撓片55の延びる第1方向X1よりも可撓片55の幅方向である第3方向Z1に長い長孔に形成されている。
【0113】
あるいは、係合孔58の貫通方向から見た係合孔58の平面形状を、例えば、円形状や楕円形状に変更してもよい。
・上記実施形態では、スライド部材24は、一対の可撓片55と、一対の可撓片55の間に設けられた中央片56とを有するとしたが、これに限定されず、他の構成としてもよい。例えば、可撓片55を1つのみ有した構成としてもよい。また、例えば、中央片56を有していない構成としてもよい。
【0114】
・上記実施形態では、第2コネクタ71は、第1コネクタ21に嵌着される際にスライド部材24に設けられた被押圧部54を押圧する押圧部72を有するとしたが、押圧部72の構成は変更してもよい。例えば、押圧部72は、第2端子部材74に設けられた構成としてもよい。
【0115】
・上記実施形態では、第2コネクタ71は、第1コネクタ21から外される際にスライド部材24に設けられた被係合部57を引っ張る係合部73を有するとしたが、係合部73の構成は変更してもよい。例えば、係合部73は、第2端子部材74に設けられた構成としてもよい。
【0116】
・上記実施形態では、第1コネクタ21は、2つの第1端子部材22を備えるとしたが、1つや3つ以上の第1端子部材22を備えた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0117】
11 コネクタアセンブリ
21 第1コネクタ
22 第1端子部材
23 第1コネクタハウジング
24 スライド部材
25 端子
26 保護部材
27 基部
28 保護部
29 第1開口部
30 第2開口部
31 側壁
32 ガイド溝
33 ガイド溝
34 凸部
35 ガイド部
36 ガイド部
37 スライド側抑制部
38 コネクタ側抑制部
40 第2先端部
41 貫通部
42 係合片
43 基部片
44 両側片
45 連結片
46 下壁
47 抑制凸部
48 傾斜面
50 スライド側規制部
51 コネクタ側規制部
52 規制凸部
53 傾斜面
54 被押圧部
55 可撓片
55X 凹部
56 中央片
57 被係合部
58 係合孔
60 第1傾斜面
61 第2傾斜面
62 肉厚部
63 突出部
64 第1片
65 第2片
66 補強リブ
71 第2コネクタ
72 押圧部
73 係合部
74 第2端子部材
75 第2コネクタハウジング
76 凸部
77 爪
78 第3傾斜面
79 第4傾斜面
X1 第1方向
X2 第1反対方向
Y1 第2方向
Y2 第2反対方向
Z1 第3方向
Z2 第3反対方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18