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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】野菜収穫機
(51)【国際特許分類】
   A01D 27/04 20060101AFI20240730BHJP
   A01D 33/10 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A01D27/04
A01D33/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021076411
(22)【出願日】2021-04-28
(65)【公開番号】P2022170338
(43)【公開日】2022-11-10
【審査請求日】2023-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003834
【氏名又は名称】弁理士法人新大阪国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】黒瀬 英明
(72)【発明者】
【氏名】二宮 浩二
(72)【発明者】
【氏名】弓達 武志
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-210834(JP,A)
【文献】実開昭63-101028(JP,U)
【文献】特開2009-268357(JP,A)
【文献】特開2019-187297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 13/00-33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体を走行させる走行部(A)の前部に収穫部(B)を設け、走行部(A)の後部に収容部(D)を装備した野菜収穫機において、該収容部(D)に収穫物を収納するコンテナ(23)を吊り下げて圃場に降ろす作動アーム(21)を設けると共に、収穫作業時に作動アーム(21)に吊り下げられたコンテナ(23)の前部を載置する載置台(24)を機体後部に設け
収穫部(B)と収容部(D)の間に前部が機体左右方向の軸心で枢支されて後部が上下動する選別コンベア(18)を設け、該選別コンベア(18)に作動アーム(21)を設けたことを特徴とする野菜収穫機。
【請求項2】
作動アーム(21)によりコンテナ(23)を機体後方に降ろすことを特徴とする請求項1記載の野菜収穫機。
【請求項3】
作動アーム(21)を機体後方に延びる状態と機体側方に延びる状態に切り替え自在に設け、作動アーム(21)によりコンテナ(23)を機体後方と機体側方に降ろすことを特徴とする請求項1記載の野菜収穫機。
【請求項4】
作動アーム(21)に回動用アクチュエータにより機体から離れる方向に回動する回動アーム(21b)を設けたことを特徴とする請求項1~請求項3の何れか1項に記載の野菜収穫機。
【請求項5】
選別コンベア(18)の左右一側方を選別作業部とし他側方を操縦部としたことを特徴とする請求項に記載の野菜収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場から作物を採ってコンテナに収容する野菜収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、拾い上げ装置で圃場から玉葱を拾い上げて搬送し、収納箱に収容する野菜収穫機がある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平03-053805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、収納箱は機体に固定された構成であり、収納箱が収穫した玉葱で満杯になると収穫作業を中止して玉葱の保管場所等に移動して収納箱から機外に玉葱を移載しなければならず作業効率の悪いものであった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、作業効率の良い野菜収穫機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の本発明は、機体を走行させる走行部(A)の前部に収穫部(B)を設け、走行部(A)の後部に収容部(D)を装備した野菜収穫機において、該収容部(D)に収穫物を収納するコンテナ(23)を吊り下げて圃場に降ろす作動アーム(21)を設けると共に、収穫作業時に作動アーム(21)に吊り下げられたコンテナ(23)の前部を載置する載置台(24)を機体後部に設け、
収穫部(B)と収容部(D)の間に前部が機体左右方向の軸心で枢支されて後部が上下動する選別コンベア(18)を設け、該選別コンベア(18)に作動アーム(21)を設けたことを特徴とする野菜収穫機である。
第2の本発明は、作動アーム(21)によりコンテナ(23)を機体後方に降ろすことを特徴とする第1の本発明の野菜収穫機である。
第3の本発明は、作動アーム(21)を機体後方に延びる状態と機体側方に延びる状態に切り替え自在に設け、作動アーム(21)によりコンテナ(23)を機体後方と機体側方に降ろすことを特徴とする第1の本発明の野菜収穫機である。
第4の本発明は、作動アーム(21)に回動用アクチュエータにより機体から離れる方向に回動する回動アーム(21b)を設けたことを特徴とする第1~第3の何れかの本発明の野菜収穫機である。
第5の本発明は、選別コンベア(18)の左右一側方を選別作業部とし他側方を操縦部としたことを特徴とする第4の本発明の野菜収穫機である。
本発明に関連する第1の発明は、機体を走行させる走行部Aの前部に収穫部Bを設け、走行部Aの後部に収容部Dを装備した野菜収穫機において、該収容部Dに収穫物を収納するコンテナ23を吊り下げて圃場に降ろす作動アーム21を設けると共に、収穫作業時に作動アーム21に吊り下げられたコンテナ23の前部を載置する載置台24を機体後部に設けた野菜収穫機である。
【0007】
本発明に関連する第1の発明によれば、該収容部Dに収穫物を収納するコンテナ23を吊り下げて圃場に降ろす作動アーム21を設けると共に、収穫作業時に作動アーム21に吊り下げられたコンテナ23の前部を載置する載置台24を機体後部に設けたので、作動アーム21に吊り下げられたコンテナ23の前部が載置台24に載置された状態で収穫作業を行なうので、コンテナ23を機体後方に配置する形態に比して全長が短くなり、収穫作業時の前後バランスが向上して適切な収穫作業が行える。
【0008】
また、作動アーム21によりコンテナ23を吊り下げて載置台24に乗せたり圃場に降ろしたりすることができるので、収穫作業時にコンテナ23が満杯になれば、満杯のコンテナ23を降ろして、空のコンテナ23を載置台24に載せれば直ぐに収穫作業が続行できて作業効率が良い。
【0009】
本発明に関連する第2の発明は、作動アーム21によりコンテナ23を機体後方に降ろす本発明に関連する第1の発明の野菜収穫機である。
【0010】
本発明に関連する第3の発明は、作動アーム21を機体後方に延びる状態と機体側方に延びる状態に切り替え自在に設け、作動アーム21によりコンテナ23を機体後方と機体側方に降ろす本発明に関連する第1の発明の野菜収穫機である。
【0011】
本発明に関連する第4の発明は、作動アーム21に回動用アクチュエータにより機体から離れる方向に回動する回動アーム21bを設けた本発明に関連する第1~第3の何れかの発明の野菜収穫機である。
【0012】
本発明に関連する第5の発明は、収穫部Bと収容部Dの間に前部が機体左右方向の軸心で枢支されて後部が上下動する選別コンベア18を設け、該選別コンベア18に作動アーム21を設けた本発明に関連する第1~第4の何れかの発明の野菜収穫機である。
【0013】
本発明に関連する第6の発明は、選別コンベア18の左右一側方を選別作業部とし他側方を操縦部とした本発明に関連する第5の発明の野菜収穫機である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明における実施形態を示す玉葱収穫機の側面図である。
図2】本発明における実施形態を示す玉葱収穫機の平面図である。
図3】本発明における第2実施形態を示す玉葱収穫機の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態の一実施例として示す野菜収穫機の一種である玉葱収穫機を説明する。以下においては、機体の前進方向を基準に、前後、左右と謂う。
【0016】
<全体構成>
玉葱収穫機は、機体を走行させる走行部Aと、機体前部で圃場から玉葱を拾い上げて後方上側に搬送する収穫部Bと、該収穫部Bから玉葱を引き継いで搬送中の玉葱を作業者が選別する選別搬送部Cと、該選別搬送部Cから排出される玉葱を収容する収容部Dから構成される。
【0017】
<走行部A>
機体フレーム1の下方に機体前部側の左右駆動スプロケット2,2と機体後部側の左右従動輪3,3と、該左右駆動スプロケット2,2と左右従動輪3,3との間に取り付けた複数の転輪4の周りに左右ベルト5,5を巻き掛けて左右のクローラ6L,6Rを構成する。
【0018】
そして、該左右クローラ6L,6Rの左右駆動スプロケット2,2を、エンジンの動力が伝動されるミッションケースから左右両側に延出させた左右ドライブシャフトに取り付け、一定の左右間隔を設けて左右クローラ6L,6Rを該機体フレーム1に取り付ける。
【0019】
なお、エンジンやラジエータ等のパワーソースは、機体外側方に突出させてゴミや収穫飛散物がかからないようにしている。
【0020】
機体フレーム1の上面は、平坦な作業用ステップとなっており、選別搬送部Cの右側が操縦スペースで、前部右側上部に操縦台7を取り付け、該操縦台7の後方には操縦座席8を取り付けると共に、操縦台7上部に操縦パネル9を取り付ける。そして、該操縦パネル9に機体の前後進及び走行速度を切り換える変速操作レバー10及び機体の左右旋回操作及び収穫部Bの作業高さを操作する昇降操作レバー11を取り付けると共に、後述の十字方向操作レバー12bを設けている。
【0021】
そして、選別搬送部Cの左側が選別作業スペースで、作業者が選別搬送部Cで送られる玉葱から規格外のものや傷ついた玉葱等を選別して取り除く作業を行なう。
【0022】
<収穫部B>
収穫部Bは、圃場の玉葱を拾い上げる拾上げ装置12と、該拾上げ装置12にて機体後方に搬送される玉葱を受けて機体後上方に汲み上げる揚上装置13からなる。
【0023】
拾上げ装置12は、拾い上げた玉葱が落ちないように所定ピッチで配置したローラ14aを周回移動させるローラーコンベア14と、先端部に設けた玉葱を圃場より掬い上げる拾い上げ板15と、ローラーコンベア14の上方で周回移動してローラーコンベア14で移送される玉葱の土やゴミ等を払い落とす補助搬送コンベア16から構成される。
【0024】
揚上装置13は、ローラーコンベア14にて機体後方に搬送されてきた玉葱を受けて機体上後方に搬送するバケットコンベアである。
【0025】
収穫部Bは、昇降リンク機構17にて走行部Aの機体フレーム1前部に昇降自在に装着されており、前記昇降操作レバー11の操作にて機体フレーム1と昇降リンク機構17間に設けた油圧シリンダが作動して昇降する。
【0026】
従って、操縦座席8に着座した操縦者が昇降操作レバー11を操作して収穫部Bの拾い上げ板15先端を圃場上面から少し潜り込む位置に設定して、各部を駆動させて機体を前進させると、拾い上げ板15が圃場の玉葱を拾い上げ、ローラーコンベア14が機体後方に搬送し、該ローラーコンベア14の搬送中に補助搬送コンベア16の作用にてローラ14aの隙間から玉葱の土やゴミ等を払い落される。そして、揚上装置13が、ローラーコンベア14にて機体後方に搬送されてきた玉葱を受けて機体上後方に搬送する。
【0027】
<選別搬送部C>
選別搬送部Cは、玉葱を機体後方の収容部Dに搬送する選別コンベアとしてのローラーコンベア18と、ローラーコンベア18の機枠に基部が固定され先端を揚上装置13の玉葱排出部に臨ませたスライダー19から構成される。
【0028】
ローラーコンベア18は、前端部が左右横軸18aに枢支され後端側が上下回動自在に設けられている。そして、ローラーコンベア18の底部中途部に機体フレーム1に基部を枢支した油圧シリンダ20の上端を連結し、十字方向操作レバー12bを左方に操作すると油圧シリンダ20が伸長してローラーコンベア18後端が上動し、十字方向操作レバー12bを右方に操作すると油圧シリンダ20が縮小してローラーコンベア18後端が下動する。
【0029】
ローラーコンベア18の左側方には、作業座席が設けられており、該作業座席に着座した作業者がローラーコンベア18上を後方に搬送される玉葱のなかから商品にならないもの(小さい玉葱や異形の玉葱)を取り出して、適正な商品価値のある玉葱のみを収容部Dに送るようにする。
【0030】
スライダー19は、樋状に構成されていて揚上装置13の玉葱排出部から排出された玉葱を受けてローラーコンベア18の前部上面に案内する。
【0031】
<収容部D>
収容部Dは、機体フレーム1の後部に配置され、ローラーコンベア18の機枠に基部が固定された作動アーム21により上下動及び前後動する吊り下げハンガー22と、該吊り下げハンガー22に吊り下げられたコンテナ23を載置する載置台24により構成されている。
【0032】
作動アーム21は、ローラーコンベア18の機枠に基部が固定されているので、十字方向操作レバー12bを左方に操作すると油圧シリンダ20が伸長してローラーコンベア18の上動に伴って上動し、十字方向操作レバー12bを右方に操作すると油圧シリンダ20が縮小してローラーコンベア18の下動に伴って下動する。
【0033】
そして、作動アーム21は、ローラーコンベア18の機枠に基部が固定され先端側が機体後上方に向けて延設されている基部アーム21aと、該基部アーム21a先端に回動自在に枢支された回動アーム21bと、基部アーム21aと回動アーム21b間に配設された回動用アクチュエータとしての回動用電動シリンダから構成される。
【0034】
十字方向操作レバー12bを前方に操作すると回動用電動シリンダが縮小して回動アーム21bが前方に折り畳まれるように回動し、十字方向操作レバー12bを後方に操作すると回動用電動シリンダが伸長して回動アーム21bが後方に展開するように回動する。
【0035】
吊り下げハンガー22は、回動アーム21bの先端に設けられている。載置台24上方で、吊り下げハンガー22の4つのフック22aをコンテナ23の上端縁部の係止部26に各々引っ掛けてコンテナ23を吊下げ支持する。
【0036】
十字方向操作レバー12bの上端には、吊り下げハンガー22の4つのフック22aを開閉操作するフック開閉スイッチ12aが設けられている。
【0037】
フック開閉スイッチ12aは、一度押すと各フック22aの回動支点部に設けた電磁ソレノイド25を作動させて各フック22aを閉じ、再度、押すと電磁ソレノイド25を作動させて各フック22aを開く。なお、各フック22aを開く操作の時は、誤操作防止の為に、フック開閉スイッチ12aを0.5秒以上押していないと電磁ソレノイド25は作動せず各フック22aは開かない。
【0038】
載置台24は、機体フレーム1の後端部に設けられた水平な平板で、上面にテフロン(登録商標)材等の滑りやすい樹脂板が張られており、コンテナ23を吊り下げハンガー22で吊り上げて後方に移動する際又はコンテナ23を載置する際に接触してもコンテナ23の底面が樹脂板上を滑って滑らかに移動又は載置が行なえる。なお、滑りやすい樹脂板に換えて、載置台24上面に多数の遊転ローラを並べて配置しても良い。
【0039】
コンテナ23は、上方が開放された底面23a及び左右側壁23b及び前後側壁23cよりなる全体が長方形の容器でステンレス材にて形成されている。
【0040】
上端の四隅には、吊り下げハンガー22の4つのフック22aが係合する係止部26が設けられている。
【0041】
後側壁(後壁)23cは、上半分がスライド壁となっており、バネで上方に向けて付勢されており、通常は左右側壁23bと同じ高さになっている。コンテナ23を載置台24に載置し、十字方向操作レバー12bを右方に操作すると油圧シリンダ20が縮小してローラーコンベア18後端が下動してコンテナ23の後壁に接当して、後壁23cのスライド壁はバネの付勢力に抗して下降し、ローラーコンベア18が後壁23cに嵌まり込むようにローラーコンベア18後端は下動する。
【0042】
従って、ローラーコンベア18後端部は、コンテナ23に近づけて位置させることにより、ローラーコンベア18後端部から放出される玉葱が痛むことなくコンテナ23内に収容できる。また、コンテナ23内の玉葱の収容量が多くなれば、順次、十字方向操作レバー12bを左方に操作してローラーコンベア18後端を上動させるとコンテナ23の後壁のスライド壁はバネの付勢力により上動する。
【0043】
<玉葱の収穫作業>
操縦者は操縦座席8に着座して十字方向操作レバー12bを操作して、吊り下げハンガー22に吊り下げられた空のコンテナ23の前部を載置台24に載置した状態にし、次に、十字方向操作レバー12bを操作して、ローラーコンベア18がコンテナ23の後壁23cに嵌まり込むようにローラーコンベア18後端を下動する。作業者は、ローラーコンベア18左側方の作業座席に着座する。
【0044】
操縦者は、昇降操作レバー11を操作して収穫部Bの拾い上げ板15先端を圃場上面から少し潜り込む位置に設定して、各部を駆動させて機体を前進させる。
【0045】
拾い上げ板15が圃場の玉葱を拾い上げ、ローラーコンベア14が機体後方に搬送し、該ローラーコンベア14の搬送中に補助搬送コンベア16の作用にてローラ14aの隙間から玉葱の土やゴミ等を払い落される。そして、揚上装置13が、ローラーコンベア14にて機体後方に搬送されてきた玉葱を受けて機体上後方に搬送する。
【0046】
スライダー19は、揚上装置13の玉葱排出部から排出された玉葱を受けてローラーコンベア18の前部上面に案内する。
【0047】
ローラーコンベア18は、玉葱を機体後方に搬送し収容部Dのコンテナ23内に玉葱を放出して収容する。
【0048】
ローラーコンベア18左側方の作業座席に着座した作業者がローラーコンベア18上を後方に搬送される玉葱のなかから商品にならないもの(小さい玉葱や異形の玉葱)を取り出して、適正な商品価値のある玉葱のみを収容部Dに送るようにする。
【0049】
そして、コンテナ23内に収納された玉葱の量が多くなるにつれて、操縦者は、十字方向操作レバー12bを操作して、ローラーコンベア18後端を順次上動する。
【0050】
そして、コンテナ23内に玉葱が満杯になると、操縦者は機体の駆動を停止して停車する。
【0051】
そして、十字方向操作レバー12bを左に操作して、油圧シリンダ20を伸長させてローラーコンベア18を最上昇位置まで上昇させて、作動アーム21にてコンテナ23を載置台24上方に持ち上げる。
【0052】
そして、十字方向操作レバー12bを後方に操作して、回動用電動シリンダを伸長させて回動アーム21bを後方に展開するように回動して、コンテナ23を載置台24の後方まで移動させる。
【0053】
そして、十字方向操作レバー12bを右に操作して、油圧シリンダ20を縮小させてローラーコンベア18を最下降位置まで下降させて、コンテナ23を圃場に降ろす。
【0054】
そして、十字方向操作レバー12bのフック開閉スイッチ12aを押して各フック22aを開いて吊り下げハンガー22の各フック22aをコンテナ23の上端縁部の係止部26から外す。
【0055】
そして、圃場の適所においている空のコンテナ23を十字方向操作レバー12bの操作にて吊り下げハンガー22に吊り下げて、コンテナ23の前部を載置台24に載置し、以下同様にして、機体を進行させて収穫作業を再開する。
【0056】
従って、ローラーコンベア18に設けた作動アーム21により上下動及び前後動する吊り下げハンガー22に吊り下げられたコンテナ23は、前部が載置台24に載置された状態で収穫作業を行なうので、コンテナ23を機体後方に配置する形態に比して全長が短くなり、収穫作業時の前後バランスが向上して適切な収穫作業が行える。
【0057】
また、作動アーム21により上下動及び前後動する吊り下げハンガー22にてコンテナ23を吊り下げて載置台24に乗せたり圃場に降ろしたりすることができるので、収穫作業時にコンテナ23が満杯になれば、満杯のコンテナ23を降ろして、空のコンテナ23を載置台24に載せれば直ぐに収穫作業が続行できて作業効率が良い。
【0058】
なお、作動アーム21により上下動及び前後動する吊り下げハンガー22にて玉葱が満杯のコンテナ23を吊り下げて圃場に降ろす際に、圃場に既に降ろしている玉葱が満杯のコンテナ23の上に2段積み重ねで降ろすこともできる。
【0059】
<他の実施態様>
図3は、ローラーコンベア18及び作動アーム21が機体側方に向けて90度旋回する第2実施形態を示す。
【0060】
即ち、ローラーコンベア18前端部を枢支する左右横軸18a及び油圧シリンダ20を機体フレーム1に回転自在に設けた回転テーブル30上に設け、該回転テーブル30を回転するテーブル回転用電動モータを設け、操縦パネル9に設けた旋回ダイヤルにて該テーブル回転用電動モータを回転駆動してローラーコンベア18及び作動アーム21が機体後方に向いて延びる状態と機体左外側方に向いて延びる状態になるように旋回操作自在としている。
【0061】
従って、操縦パネル9に設けた旋回ダイヤルにてテーブル回転用電動モータを回転駆動してローラーコンベア18及び作動アーム21が機体後方に向いて延びる状態にすれば、前述の第1実施形態と同様に満杯になったコンテナ23を機体後方に降ろすことができる。
【0062】
また、操縦パネル9に設けた旋回ダイヤルにてテーブル回転用電動モータを回転駆動して機体左外側方に向いて延びる状態にすれば、満杯になったコンテナ23を機体左外側方に降ろすことができる。
【0063】
機体左外側方に降ろす場合は、回動アーム21bを折り畳まれるように回動したままでローラーコンベア18の下動のみで行って、コンテナ23を機体左外側方の機体側方近傍に降ろすことにより、機体左外側方への作動アーム21の張り出し量を減らして機体の左右重心変動を少なくし機体の左右方向への転倒を防止する。
【0064】
なお、ローラーコンベア18の作動アーム21が設けられている側と反対側にウエイトを設ければ、コンテナ23を機体左外側方に降ろす際に更に機体の左右方向への転倒防止となる。
【符号の説明】
【0065】
18 選別コンベア(ローラーコンベア)
21 作動アーム
21b 回動アーム
23 コンテナ
24 載置台
A 走行部
B 収穫部
D 収容部
図1
図2
図3