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特許7528897車両用表示制御装置、車両用表示装置、車両、車両用表示制御方法及び車両用表示制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】車両用表示制御装置、車両用表示装置、車両、車両用表示制御方法及び車両用表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/21 20240101AFI20240730BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B60K35/21
B60R16/02 640K
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021151587
(22)【出願日】2021-09-16
(65)【公開番号】P2023043787
(43)【公開日】2023-03-29
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 慧悟
(72)【発明者】
【氏名】浜辺 亮太
(72)【発明者】
【氏名】廣田 貴浩
(72)【発明者】
【氏名】村田 善則
【審査官】吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-086691(JP,A)
【文献】特開2021-094954(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00 - 37/20
B60K 23/00
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のシフトレンジを表示する第1表示領域と前記車両の車速を表示する第2表示領域との表示割合を、選択されたシフトレンジの種類に応じて変更して表示させる表示制御部を備え
前記表示制御部は、前記シフトレンジがパーキングポジション、ニュートラルポジション、又はリバースポジションの場合に、パーキングポジション、ニュートラルポジション、又はリバースポジションを表示する前記第1表示領域を、前記第2表示領域よりも大きくする車両用表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記シフトレンジがドライブポジションの場合に、前記第2表示領域を、前記ドライブポジションを表示する前記第1表示領域よりも大きくする請求項1に記載の車両用表示制御装置。
【請求項3】
前記車両の走行モードを取得する走行モード取得部を備え、
前記表示制御部は、前記走行モード取得部により取得された走行モードに応じて前記表示割合を含むレイアウトを変更する請求項1又は請求項2に記載の車両用表示制御装置。
【請求項4】
前記第1表示領域及び前記第2表示領域を表示する表示部と、
請求項1~請求項の何れか1項に記載の車両用表示制御装置と、
を備える車両用表示装置。
【請求項5】
請求項に記載の車両用表示装置を備える車両。
【請求項6】
車両のシフトレンジを表示する第1表示領域と前記車両の車速を表示する第2表示領域との表示割合を、選択されたシフトレンジの種類に応じて変更して表示させ、前記シフトレンジがパーキングポジション、ニュートラルポジション、又はリバースポジションの場合に、パーキングポジション、ニュートラルポジション、又はリバースポジションを表示する前記第1表示領域を、前記第2表示領域よりも大きくする車両用表示制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、
車両のシフトレンジを表示する第1表示領域と前記車両の車速を表示する第2表示領域との表示割合を、選択されたシフトレンジの種類に応じて変更して表示させ、前記シフトレンジがパーキングポジション、ニュートラルポジション、又はリバースポジションの場合に、パーキングポジション、ニュートラルポジション、又はリバースポジションを表示する前記第1表示領域を、前記第2表示領域よりも大きくする、ことを実行させる車両用表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示制御装置、車両用表示装置、車両、車両用表示制御方法及び車両用表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両の運転者の前方に配置されたメータディスプレイにシフトレバー設定位置情報すなわちシフトレンジを表示するように構成された車両運転支援装置が開示されている。特許文献1においては、シフトレンジが設定されてから所定時間の間、シフトレンジの表示を大きくすることにより、運転者がシフトレンジをより認識し易くしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-094954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術においては、シフトレンジは認識し易くなるものの、ディスプレイ上で必要な情報は各運転シーンによって異なっており、各運転シーンにおいて最も必要な情報をより認識し易くすることが望まれている。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、ユーザが意識することなく運転シーンにおいて必要な情報を視認することができる車両用表示制御装置、車両用表示装置、車両、車両用表示制御方法及び車両用表示制御プログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明に係る車両用表示制御装置は、車両のシフトレンジを表示する第1表示領域と前記車両の車速を表示する第2表示領域との表示割合を、選択されたシフトレンジの種類に応じて変更して表示させる表示制御部を備え、前記表示制御部は、前記シフトレンジがパーキングポジション、ニュートラルポジション、又はリバースポジションの場合に、パーキングポジション、ニュートラルポジション、又はリバースポジションを表示する前記第1表示領域を、前記第2表示領域よりも大きくする。
【0007】
請求項1に記載の本発明に係る車両用表示制御装置では、車両のシフトレンジを表示する第1表示領域と前記車両の車速を表示する第2表示領域との表示割合を、選択されたシフトレンジの種類に応じて変更して表示させている。そのため、より必要な情報をより大きく表示させることができるので、ユーザは意識することなく運転シーンにおいて必要な情報を視認することができる。
【0009】
請求項に記載の本発明に係る車両用表示制御装置では、表示制御部が、前記シフトレンジがパーキングポジション、ニュートラルポジション、又はリバースポジションの場合に、パーキングポジション、ニュートラルポジション、又はリバースポジションを表示する前記第1表示領域を、前記第2表示領域よりも大きくしている。そのため、パーキング
ポジション、ニュートラルポジション、又はリバースポジションの場合に、車速よりもシフトレンジが大きく表示されるので、ユーザは車速よりもシフトレンジの方が視認し易くなる。これによりユーザによるアクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違えを抑制することができる。
【0010】
請求項に記載の本発明に係る車両用表示制御装置は、請求項1に記載の構成において、前記表示制御部が、前記シフトレンジがドライブポジションの場合に、前記第2表示領域を、前記ドライブポジションを表示する前記第1表示領域よりも大きくする。
【0011】
請求項に記載の本発明に係る車両用表示制御装置では、表示制御部が、シフトレンジがドライブポジションの場合に、車両の車速を表示する第2表示領域を、ドライブポジションを表示する第1表示領域よりも大きくしている。そのため、車両の走行中に、ユーザはシフトレンジよりも車速の方が認識し易くなる。これにより、ユーザによるスピードの出し過ぎ等を抑制することができる。
【0012】
請求項に記載の本発明に係る車両用表示制御装置は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記車両の走行モードを取得する走行モード取得部を備え、前記表示制御部が、前記走行モード取得部により取得された走行モードに応じて前記表示割合を含むレイアウトを変更する。
【0013】
請求項に記載の本発明に係る車両用表示制御装置では、表示制御部が、走行モードに応じて表示割合を含むレイアウトを変更するので、走行モードに応じた最適なレイアウトが表示されることになり、ユーザは、走行モード毎のメータディスプレイ表示の切り替え等、表示設定の煩わしさを解消することができる。
【0014】
請求項に記載の本発明に係る車両用表示装置は、前記第1表示領域及び前記第2表示領域を表示する表示部と、請求項1~請求項の何れか1項に記載の車両用表示制御装置と、を備える。
【0015】
請求項に記載の本発明に係る車両用表示装置では、第1表示領域及び第2表示領域を表示する表示部と、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の車両用表示制御装置と、を備えている。この車両用表示制御装置は、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の車両用表示制御装置であるため、前述した作用及び効果が得られる。
【0016】
請求項に記載の本発明に係る車両は、請求項に記載の車両用表示装置を備える。
【0017】
請求項に記載の本発明に係る車両では、請求項に記載の車両用表示装置を備えている。この車両用表示装置は請求項に記載の車両用表示装置であり、この車両用表示制御装置は、請求項1~請求項の何れか1項に記載の車両用表示制御装置であるため、前述した作用及び効果が得られる。
【0018】
請求項に記載の本発明に係る車両用表示制御方法は、車両のシフトレンジを表示する第1表示領域と前記車両の車速を表示する第2表示領域との表示割合を、選択されたシフトレンジの種類に応じて変更して表示させ、前記シフトレンジがパーキングポジション、ニュートラルポジション、又はリバースポジションの場合に、パーキングポジション、ニュートラルポジション、又はリバースポジションを表示する前記第1表示領域を、前記第2表示領域よりも大きくする。
【0019】
請求項に記載の本発明に係る車両用表示制御方法では、車両のシフトレンジを表示する第1表示領域と前記車両の車速を表示する第2表示領域との表示割合を、選択されたシフトレンジの種類に応じて変更して表示させている。そのため、より必要な情報をより大きく表示させることができるので、ユーザは意識することなく運転シーンにおいて必要な
情報を視認することができる。
【0020】
請求項に記載の本発明に係る車両用表示制御プログラムは、コンピュータに、車両のシフトレンジを表示する第1表示領域と前記車両の車速を表示する第2表示領域との表示割合を、選択されたシフトレンジの種類に応じて変更して表示させ、前記シフトレンジがパーキングポジション、ニュートラルポジション、又はリバースポジションの場合に、パーキングポジション、ニュートラルポジション、又はリバースポジションを表示する前記第1表示領域を、前記第2表示領域よりも大きくする、ことを実行させる。
【0021】
請求項に記載の本発明に係る車両用表示制御プログラムでは、コンピュータに、車両のシフトレンジを表示する第1表示領域と前記車両の車速を表示する第2表示領域との表示割合を、選択されたシフトレンジの種類に応じて変更して表示させる、ことを実行させる。そのため、より必要な情報をより大きく表示させることができるので、ユーザは意識することなく運転シーンにおいて必要な情報を視認することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明に係る車両用表示制御装置、車両用表示装置、車両、車両用表示制御方法及び車両用表示制御プログラムは、ユーザが意識することなく運転シーンにおいて必要な情報を視認することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施形態に係る車両用表示装置が適用された車両における車室内の前部を車両後方側から見た概略図である。
図2】本実施形態に係る車両用表示装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る車両用表示制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態における表示部のノーマルモードの表示例を示す図である。
図5】Dレンジ時の表示部の一例を示す拡大図である。
図6】Pレンジ時の表示部の一例を示す拡大図である。
図7】本実施形態における表示部のスポーツモードの表示例を示す図である。
図8】スポーツモードにおけるDレンジ時の表示部の一例を示す図である。
図9】スポーツモードにおけるMレンジ時の表示部の一例を示す図である。
図10】ヘッドアップディスプレイの操作画面の一例を示す図である。
図11】ヘッドアップディスプレイの状態表示画面の一例を示す図である。
図12】本実施形態における表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の一実施形態に係る車両用表示装置10が搭載された車両12について、図面を参照して説明する。なお、図1に記載された矢印UPは車両上下方向の上方側を示し、矢印RHは車両幅方向の右方側を示す。以下の説明中の上下方向及び左右方向はそれぞれ、車両上下方向の上下及び車両幅方向の左右を意味する。
【0025】
図1に示されるように、車両12における車室13内の前部には、インストルメントパネル14が設けられている。インストルメントパネル14は、車両幅方向に」延在されており、このインストルメントパネル14の車両右側にはステアリングホイール16が設けられている。すなわち、本実施形態では一例として、右側にステアリングホイール16が設けられた、いわゆる右ハンドル車とされており、運転席が車両右側に設定されている。
【0026】
ステアリングホイール16は、略円環状のリム部16Aを備えており、リム部16Aの内周側には中央部を構成するハブ部16Bが設けられている。また、リム部16Aの右側とハブ部16Bとがスポーク部16Cによって連結されており、リム部16Aの左側とハブ部16Bとがスポーク部16Cによって連結されている。ステアリングホイール16は、ハブ部16Bがステアリングシャフト(図示省略)の車両後側端に固定されて、車体に回転可能に支持されている。車両12は、ステアリングホイール16(リム部16A)が回転操作されることで、ステアリングシャフトが回転されて操舵される。
【0027】
また、ステアリングホイール16には、スポーク部16Cに後述するステアリングスイッチ30が配置されており、ステアリングスイッチ30は乗員により操作可能とされている。なお、図1では、車両直進状態におけるステアリングホイール16が示されている。
【0028】
ステアリングスイッチ30は、右第1操作スイッチ34R、右第2操作スイッチ36R、右機能切替スイッチ38R、左第1操作スイッチ34L、左第2操作スイッチ36L、及び左機能切替スイッチ38Lを備えている。右第1操作スイッチ34R、右第2操作スイッチ36R、及び右機能切替スイッチ38Rは、右側のスポーク部16Cに設けられている。また、左第1操作スイッチ34L、左第2操作スイッチ36L、及び左機能切替スイッチ38Lは、左側のスポーク部16Cに設けられている。
【0029】
右第1操作スイッチ34Rは、略矩形状に形成されており、右側のスポーク部16Cにおける右上部分に配置されている。また、右第1操作スイッチ34Rは、上下左右の4方向に入力可能な構成となっており、それぞれに機能が割り当てられている。
【0030】
ここで、本実施形態では一例として、右第1操作スイッチ34Rには図示しない静電センサが搭載されており、乗員が右第1操作スイッチ34Rに触れるだけで触れた機能が選択される。また、機能が選択された状態で乗員が右第1操作スイッチ34Rを押下することで、選択された機能が実行される。同様の静電センサは、右第2操作スイッチ36R、右機能切替スイッチ38R、左第1操作スイッチ34L、左第2操作スイッチ36L及び左機能切替スイッチ38Lにも搭載されている。
【0031】
右第2操作スイッチ36Rは、上下方向を長手方向とする略長尺矩形状に形成されており、右第1操作スイッチ34Rの左側に配置されている。また、右第2操作スイッチ36Rは、上下の2方向に入力可能な構成となっており、それぞれに機能が割り当てられている。
【0032】
右機能切替スイッチ38Rは、左右方向を長手方向とする略長尺矩形状に形成されており、右第1操作スイッチ34R及び右第2操作スイッチ36Rの下側に配置されている。また、右機能切替スイッチ38Rは、機能の切替えを行うためのスイッチとなっている。具体的には、右機能切替スイッチ38Rを操作することで、右第1操作スイッチ34R及び右第2操作スイッチ36Rに割り当てられた機能が切替えられる。本実施形態では一例として、それぞれの操作スイッチに2つの機能が割り当てられており、右機能切替スイッチ38Rが操作されるたびに、機能が切替わるように構成されている。
【0033】
左第1操作スイッチ34Lは、右第1操作スイッチ34Rと左右対称な略矩形状に形成されており、左側のスポーク部16Cにおける左上部分に配置されている。また、左第1操作スイッチ34Lは、上下左右の4方向に入力可能な構成となっており、それぞれに機能が割り当てられている。
【0034】
左第2操作スイッチ36Lは、右第2操作スイッチ36Rと左右対称な略長尺矩形状に形成されており、左第1操作スイッチ34Lの右側に配置されている。また、左第2操作スイッチ36Lは、上下の2方向に入力可能な構成となっており、それぞれに機能が割り当てられている。
【0035】
左機能切替スイッチ38Lは、右機能切替スイッチ38Rと左右対称な略長尺矩形状に形成されており、左第1操作スイッチ34L及び左第2操作スイッチ36Lの下側に配置されている。また、左機能切替スイッチ38Lは、機能の切替えを行うためのスイッチとなっている。具体的には、左機能切替スイッチ38Lを操作することで、左第1操作スイッチ34L及び左第2操作スイッチ36Lに割り当てられた機能が切替えられる。
【0036】
また、インストルメントパネル14の前端部には、ウインドシールドガラス17が設けられている。ウインドシールドガラス17は、車両上下方向及び車両幅方向に延在されて車室内部と車室外部とを区画している。
【0037】
ウインドシールドガラス17の車両右側端部は、車両右側のフロントピラー18に固定されている。フロントピラー18は、車両上下方向に延在されており、このフロントピラー18の車両幅方向内側端部にウインドシールドガラス17が固定されている。また、フロントピラー18の車両幅方向外側端部にはフロントサイドガラス19の前端部が固定されている。なお、ウインドシールドガラス17の車両左側端部は、図示しない車両左側のフロントピラーに固定されている。
【0038】
ここで、インストルメントパネル14には、画像の表示領域V1を備えた第1表示部24が設けられている。画像の表示領域V1は、インストルメントパネル14の車両右側において、運転席の車両前方に設けられたメータディスプレイによって構成されている。第1表示部24は、車両12に搭載された各種メータ機器と接続されており、表示領域V1は運転者が車両前方へ視線を向けた状態で視界に入る位置に設けられている。
【0039】
ウインドシールドガラス17には、画像の表示領域V2を備えた第2表示部26が設けられている。表示領域V2は、表示領域V1の車両上方側に設定されており、表示領域V2は、ヘッドアップディスプレイ装置44(図2参照)によって投影された投影面によって構成されている。具体的には、インストルメントパネル14の車両前方側にヘッドアップディスプレイ装置44が設けられており、このヘッドアップディスプレイ装置44からウインドシールドガラス17の第2表示部26の表示領域V2へ画像が投影されるように構成されている。すなわち、表示領域V2は、ヘッドアップディスプレイ装置44の投影面とされたウインドシールドガラス17の一部とされている。
【0040】
(車両用表示装置10のハードウェア構成)
車両12には、車両用表示装置10の制御部である車両用表示制御装置としての表示制御ECU(Electronic Control Unit)28が設けられている。図2は、車両用表示装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0041】
この図2に示されるように、車両用表示装置10の表示制御ECU28は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)40A、ROM(Read Only Memory)40B、RAM(Random Access Memory)40C、ストレージ40D、通信インタフェース(通信I/F)40E及び入出力インタフェース(入出力I/F)40Fを含んで構成されている。各構成は、バス42を介して相互に通信可能に接続されている。
【0042】
CPU40Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU40Aは、ROM40B又はストレージ40Dからプログラムを読み出し、RAM40Cを作業領域としてプログラムを実行する。CPU40Aは、ROM40B又はストレージ40Dに記録されているプログラムに従って、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。
【0043】
ROM40Bは、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM40Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ40Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。本実施形態では、ROM40B又はストレージ40Dには、表示処理を行うためのプログラム、及び各種データなどが格納されている。
【0044】
通信I/F40Eは、車両用表示装置10が図示しないサーバ及び他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、LTE、FDDI、Wi-Fi(登録商標)などの規格が用いられる。
【0045】
入出力I/F40Fには、第1表示部24及びヘッドアップディスプレイ装置(HUD)44が接続されている。ヘッドアップディスプレイ装置44によって第2表示部26の表示領域V2へ画像が投影される。
【0046】
また、入出力I/F40Fは、車両12に配策されているシステムバス43に接続されている。システムバス43には、スイッチ制御装置45、シフトレンジ制御装置46、走行モード制御部47、車両制御装置48、及び車載機器49等が接続されている。
【0047】
スイッチ制御装置45は、ステアリングスイッチ30を含む、選択手段及び設定手段としての各種スイッチが接続されており、各種スイッチからの入力を制御する。本実施形態においては、スイッチ制御装置45は、ステアリングスイッチ30の操作状態を検知し、システムバス43を介して表示制御ECU28へ出力する。
【0048】
シフトレンジ制御装置46には、車両12のシフトレバー50が接続されており、シフトレンジ制御装置46は、シフトレバー50が設定されている位置、すなわちシフトレンジを検出し、検出したシフトレンジを表す信号を入出力I/F40Fに送信する。なお、シフトレバー50は、図1において図示は省略されているが、運転席に着座している運転者が操作可能な位置に設けられている。
【0049】
なお、本実施形態では一例として、シフトレバー50は、Pレンジ(パーキングポジション)、Rレンジ(リバースポジション)、Nレンジ(ニュートラルポジション)、及びDレンジ(ドライブポジション)に切り替えることができるように構成されている。なお、さらにSレンジ(セカンドポジション)及びLレンジ(ローポジション)に切り替えることができるように構成されていてもよい。また、後述する走行モードがスポーツモードであるとき等には、Mレンジ(マニュアルポジション)に切り替えることができるように構成されている。
【0050】
走行モード制御部47は、車両12の走行モードを制御する。車両12は、予め設定された複数の走行モードを有しており、本実施形態の複数の走行モードは、一例として、ノーマルモード、エコモード、及びスポーツモードの3つの走行モードで構成されている。ノーマルモードは、動力性能を引き出しつつ燃費の良い状態で運転可能であり、通常時に設定される。エコモードは、ノーマルモードと比較して動力性能よりも燃費性能を優先した状態で運転可能な低燃費の走行モードである。スポーツモードは、ノーマルモードと比較して燃費性能よりも動力性能を優先した状態で運転可能な高パワーの走行モードである。なお、車両12の始動直後の走行モードは、ノーマルモードに設定されている。走行モード制御部47は、一例としてステアリングスイッチ30による走行モードの選択操作に基づいて、選択された走行モードを表す信号を入出力I/F40Fに送信する。
【0051】
車両制御装置48は、走行制御を含む車両制御を担う車両制御ECU、エンジン制御を行うエンジンECU、操舵制御を行う操舵制御ECU、制動制御を行う制動制御ECU、及び変速機の制御を行う変速制御ECU等の各種の制御ECUが搭載されている。また、図示は省略するが、先行する車両から安全な距離を維持するための走行支援機能として、車速及び先行車との車間距離を維持する機能(ACC;アダプティブクルーズコントロール機能)、及び車線又は走路からの逸脱の可能性を警告するとともに、車線又は走路からの逸脱を避けるためのハンドル操作の一部を支援する機能(LKA;レーンキーピングアシスト機能)等のADAS(Advanced Driver-Assistance Systems;先進運転支援システム)装置が搭載されている。車両制御装置48は、各制御ECUと協働して動作し車両12の走行制御を行う。また、車両12では、ADAS装置が車両制御装置48と協働して運転支援装置として動作し、乗員の運転操作を支援する運転支援機能を実現させてもよい。
【0052】
車載機器49は、エアコンディショナー、オーディオシステム、カーナビゲーションシステム、及び音声入力システム等の各種機器、並びにカメラ、レーダ、ライダ(LIDAR;Light Detection and RangingまたはLaser Imaging Detection and Ranging)、GPS(global positioning system)センサなどの各種センサ機器等、車両12に搭載される各種機器である。
【0053】
(表示制御ECU28の機能構成)
表示制御ECU28は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。表示制御ECU28が実現する機能構成について図3を参照して説明する。
【0054】
図3に示されるように、表示制御ECU28は、機能構成として、走行モード取得部52、シフトレンジ取得部54、及び表示制御部56を含んで構成されている。なお、各機能構成は、CPU40AがROM40B又はストレージ40Dに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0055】
走行モード取得部52は、車両12の現在の走行モードを取得する。本実施形態の走行モード取得部52は一例として、走行モード制御部47により送信された走行モードを表す信号を、入出力I/F40Fを介して取得することにより、現在設定されている走行モードを取得する。
【0056】
シフトレンジ取得部54は、車両12の現在のシフトレンジ(シフトポジション)を取得する。本実施形態のシフトレンジ取得部54は一例として、シフトレンジ制御装置46により送信されたシフトレンジを表す信号を、入出力I/F40Fを介して取得することにより、現在設定されているシフトレンジを取得する。
【0057】
表示制御部56は、システムバス43を介して車両12の走行状態や操作状態に応じた情報を取得し、取得した情報に応じた画像を表示画面として第1表示部24の表示領域V1に表示すると共に、HUD44を介して第2表示部26の表示領域V2に表示する。表示制御ECU28においては、車両12の定常状態において、第1表示部24の表示領域V1に表示する情報及び該情報を表示するための画像のフォーマットが定まっている。
【0058】
図4に示されるように、第1表示部24の表示領域V1に表示される表示画面としての画像60は、略矩形とされている。画像60はエンジン回転数を示す画像であり、中央部には、エンジン回転数を示すためのタコメータ画像60Aが配置されている。タコメータ画像60Aには、円弧状とされた細幅の目盛バー60Bが、周方向に配列されている。そして、現在のエンジン回転数を示す色付きの数値バー60Cが目盛バー60Bに沿って配設されており、周方向の左側端を0rpmとしてエンジン回転数に応じて数値バー60Cの右側端が延びることによりエンジン回転数が表示される。
【0059】
また、画像60では、中心部が第1表示領域としてのシフト表示領域60Dとされており、シフト表示領域60Dでは、変速機のシフトポジションが表示され、変速機のシフトポジションが変更されることで表示が変更される。さらに、画像60では、シフト表示領域60Dの上側が第2表示領域としての車速表示領域60Eとされており、車速表示領域60Eは、車両12の車速に応じた数値が表示される。本実施形態においては、シフト表示領域60D及び車速表示領域60Eは、一例として、図において一点鎖線で示される矩形状の領域とする。
【0060】
また、画像60では、シフト表示領域60Dの下方に矩形状の表示領域60Fが配設されている。この表示領域60Fは第1表示部24の表示領域V1の一部に設定されており、表示制御部56は、車両12の車両制御装置48や各車載機器49等から報知すべき事象に関する情報又は情報画像を受け付けると、受け付けた情報に基づいて、表示領域60Fに表示するための表示画面を複数の表示画面から選択し、表示領域60Fに表示させる。なお、複数の表示画面は、各々の表示画面を表す画像データとして、例えばストレージ40Dに記憶されている。
【0061】
複数の表示画面は、一例として、通信I/F40Eを介して受信した交通情報、道路情報等を提供するためのドライブインフォメーション、車両12の燃費情報等を提供するためのドライブインフォメーション、タイヤ、バッテリ、及びエネルギの関係性を示す情報を提供するためのエネルギモニタ、オーディオの動作状況を提供するためのオーディオステータス画面等がある。表示制御部56は、これらの表示画面を切り替えて表示領域60Fに表示させる。なお、表示制御部56は、一例としてステアリングスイッチ30による操作に基づいて、複数の表示画面を切り替えて表示することもできる。なお、図4においては、表示領域60Fにエネルギモニタが表示されている。
【0062】
そして、本実施形態において表示制御部56は、シフト表示領域60Dと車速表示領域60Eとの表示割合を、選択されたシフトレンジの種類に応じて変更して表示させる。具体的には、図5に示されるように、表示制御部56は、シフトレバー50がDレンジに設定された場合、すなわちシフトレンジ取得部54がDレンジを取得した場合には、シフトレンジよりも車速の方が、表示内容が変化するので、ユーザにとって必要な情報である場合が多いため、車速表示領域60Eをシフト表示領域60Dよりも大きく表示させる。
【0063】
また、図6に示されるように、表示制御部56は、シフトレバー50がPレンジに設定された場合、すなわちシフトレンジ取得部54がPレンジを取得した場合には、車速の値は変化しないので、シフトレンジの方がユーザにとって必要な情報である場合が多いため、シフト表示領域60Dを車速表示領域60Eよりも大きく表示させる。なお、同様にして、シフトレバー50がNレンジ及びRレンジに設定された場合にも、表示制御部56は、車速の値は変化しないので、シフトレンジの方がユーザにとって必要な情報である場合が多いため、シフト表示領域60Dを車速表示領域60Eよりも大きく表示させる。
【0064】
具体的には、予めシフト表示領域60Dと車速表示領域60Eに表示される内容を表す画像が異なる大きさ毎に、一例としてストレージ40Dに記憶されている。表示制御部56は、シフトレンジ取得部54により取得されたシフトレンジの種類に応じてストレージ40Dから対応する画像を取得して、取得した画像が表す表示内容をシフト表示領域60D及び車速表示領域60Eに表示させる。
【0065】
なお、本実施形態においては、例えば、シフト表示領域60Dに表示されるシフトレンジが変更される際に、表示制御部56は、シフト表示領域60Dに表示される画像を反転させるアニメーション表示で表示することができる。同様に、車速表示領域60Eに表示される値が変更される際に、表示制御部56は、車速表示領域60Eに表示される画像を反転させるアニメーション表示で表示することができる。
【0066】
また、さらに表示制御部56は、走行モード取得部52により取得された走行モードに応じてシフト表示領域60Dと車速表示領域60Eとの表示割合を含むレイアウトを変更する。具体的には、走行モード取得部52がノーマルモード及びエコモードを取得した場合には、表示制御部56は、図4に示されるように、エンジン回転数を示すためのタコメータ画像60Aに、円弧状とされた細幅の目盛バー60Bが配列されたレイアウトのノーマルモード画像を表示する。なお、走行モード取得部52がエコモードを取得した場合には、表示制御部56は、表示領域60Fに車両12の燃費情報等を提供するためのドライブインフォメーションを表示させる。
【0067】
また、走行モード取得部52がスポーツモードを取得した場合には、表示制御部56は、第1表示部24の表示領域V1に画像70が表す表示画面を表示させる。画像70は、一例として図7に示されるように、エンジン回転数を示すためのタコメータ画像70Aが配置されている。タコメータ画像70Aには、直線状とされた細幅の目盛バー70Bが、水平方向に配列されている。そして、現在のエンジン回転数を示し、複数に区画された数値バー70Cが目盛バー70Bに沿って配設されており、左側端を0rpmとしてエンジン回転数に応じて区画された数値バー70Cの色を変更させる(図8参照)ことによりエンジン回転数が表示される。
【0068】
また、画像70では、中心部が第1表示領域としてのシフト表示領域70Dとされており、シフト表示領域70Dの上側が第2表示領域としての車速表示領域70Eとされている。本実施形態においては、シフト表示領域70D及び車速表示領域70Eは、一例として、図において一点鎖線で示される矩形状の領域とする。また、画像70でも、シフト表示領域70Dの下方に矩形状の表示領域70Fが配設されている。この表示領域70Fは上述した表示領域60Fと同様の機能を有する。
【0069】
上記のように、表示制御部56は、走行モードに応じて画像60又は画像70に示されるように表示領域V1のレイアウトを変更する。画像60及び画像70のどちらが表示された場合でも、表示制御部56は上述したように、シフト表示領域60D、70Dと車速表示領域60E、70Eとの表示割合を、選択されたシフトレンジの種類に応じて変更して表示させる。
【0070】
また、表示制御部56は、走行モード取得部52がスポーツモードを取得した場合で、かつシフトレンジ取得部54がDレンジを取得した場合には、図8に示されるように、シフトレンジよりも車速の方が、表示内容が変化するので、ユーザにとって必要な情報である場合が多いため、車速表示領域70Eをシフト表示領域70Dよりも大きく表示させる。
【0071】
一方、表示制御部56は、走行モード取得部52がスポーツモードを取得した場合で、かつシフトレンジ取得部54がMレンジを取得した場合には、図9に示されるように、車速表示領域70Eをシフト表示領域70Dよりも大きく表示させるとともに、車速表示領域70Eを画像70において右側に移動させ、シフト表示領域70Dを画像70において中央部に表示させる。なお、Mレンジが設定されている場合には、シフト表示領域70Dにはマニュアルモードを示す「M」の文字とともに、シフトを表す数字(図9においては「2」)が表示され、この数字が「M」の文字より大きく表示される。
【0072】
なお、本実施形態においては、図8及び図9に示されるように、前方車両との車間を示す画像70Gが表示される。Dレンジが設定されている場合には、一例として図8に示されるように、画像70Gは、シフト表示領域70Dの右側に表示される。Mレンジが設定されている場合には、一例として図9に示されるように、画像70Gは、シフト表示領域70Dの左側に表示される。
【0073】
また、表示制御部56は、ステアリングスイッチ30が操作されているときに、図10に示されるように画像80を表示領域V2に表示する。図10は、一例として、乗員が図1に示される右第1操作スイッチ34Rに触れている状態、すなわち機能の設定中の状態が図示されている。画像80では、左下側部分に車両12の現在の速度を示す速度画像80Mが表示される。速度画像80Mにおいては、一例として、速度と、速度の上部に配置された略円弧状のインジケータと、速度の左側に配置されたシフトレンジが表示される。
【0074】
また、画像80の右側には右操作画像80Sが表示される。右操作画像80Sは、右第1操作スイッチ34Rを模した形状の右第1操作スイッチ画像34RM、右第2操作スイッチ36Rを模した形状の右第2操作スイッチ画像36RM、及び右機能切替スイッチ38Rを模した形状の右機能切替スイッチ画像38RMを含んで構成されている。
【0075】
ここでは一例として、右第1操作スイッチ画像34RMの右部にはアイコンが表示されていない。このように、割り当てられた機能が無い場合には、アイコンが表示されない仕様となっている。
【0076】
右第1操作スイッチ画像34RMの左部には、車間設定に関する車間設定アイコン34RM1が表示されており、この車間設定アイコン34RM1を選択すると、車間設定を行うことができる。すなわち、右第1操作スイッチ34Rの左部には、車間設定の機能が割り当てられている。
【0077】
乗員が右第1操作スイッチ34Rの左部に触れると、現在設定中の機能として車間設定アイコン34RM1が他のアイコンよりも強調して表示され、画像80において速度画像80Mの上側には車間設定に関する車間設定画像80Gが表示される。この状態で、乗員が右第1操作スイッチ34Rの左部を押下することで、車間設定の機能が実行される。
【0078】
車間設定の機能が実行されると、図11に示されるように表示制御部56は、画像90を表示領域V2に表示する。画像90では、中央下側に、上記速度画像80Mを拡大した画像である速度画像90Mが表示される。また速度画像90Mの上側には、現在車間設定の機能が実行されていることを表す車間設定画像90Gが表示される。なお、車間設定の機能が実行中であることを示すために、表示制御部56は、車間設定画像80Gよりも強調した色で表された車間設定画像90Gを表示させる
【0079】
(表示処理)
次に表示制御ECU28において実行される車両用表示制御処理について、図12に示されるフローチャートを用いて説明する。この表示制御処理は、CPU40AがROM40B又はストレージ40Dから表示制御プログラムを読み出して、RAM40Cに展開して実行することによって実行される。なお、表示制御ECU28表示画面がONの指示がなされてから下記処理が開示される。
【0080】
図12に示されるように、表示制御ECU28は、ステップS11で第1表示部24の表示画面(表示領域V1)及びヘッドアップディスプレイ装置44(表示領域V2)をONにする。
【0081】
次に、走行モード取得部52は、ステップS12で現在の走行モードを取得する。そして表示制御部56は、ステップS13で走行モード取得部52により取得された走行モードに応じたレイアウトの画像を上述したようにして表示領域V1に表示させる。
【0082】
次に、シフトレンジ取得部54は、ステップS14で現在のシフトレンジを取得する。そして表示制御部56は、ステップS15でシフトレンジ取得部54により取得されたシフトレンジがDレンジであるか否かを判断する。シフトレンジがDレンジの場合(ステップS15;YES)には、表示制御部56は、ステップS16で車速表示領域60E、70Eをシフト表示領域60D、70Eよりも大きく表示する。一方、ステップS15にて、シフトレンジがDレンジでない場合、すなわちPレンジ、Nレンジ又はRレンジである場合(ステップS15;NO)、表示制御部56は、ステップS17でシフト表示領域60D、70Dを車速表示領域60E、70Eよりも大きく表示する。
【0083】
次に、CPU40Aは、ステップS18で表示画面のOFFの指示があるか否かを判定する。OFFの指示がなかった場合(ステップS18;NO)、CPU40AはステップS12へ処理を移行して、ステップS12以降の処理を繰り返し行う。一方、ステップS18でOFFの指示が有った場合(ステップS18;YES)、表示制御ECU28は、ステップS19で第1表示部24の表示画面(表示領域V1)及びヘッドアップディスプレイ装置44(表示領域V2)をOFFにして、一連の処理を終了する。
【0084】
このように、表示画面がOFFにされるまで、表示制御ECU28は、走行モードに応じて表示領域V1に表示される表示画面のレイアウトを変更するとともに、シフトレンジの種類に応じてシフト表示領域60D、70Dと車速表示領域60E、70Eとの表示割合を変更して表示領域V1に表示させる。
【0085】
(作用効果)
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0086】
本実施形態に係る車両用表示制御装置としての表示制御ECU28では、車両12のシフトレンジを表示するシフト表示領域60D、70Dと車両の車速を表示する車速表示領域60E、70Eとの表示割合を、選択されたシフトレンジの種類に応じて変更して表示させている。そのため、より必要な情報をより大きく表示させることができるので、ユーザは意識することなく運転シーンにおいて必要な情報を視認することができる。
【0087】
また、本実施形態に係る車両用表示制御装置としての表示制御ECU28では、表示制御部56が、シフトレンジがPレンジ、Nレンジ、又はRレンジの場合に、Pレンジ、Nレンジ、又はRレンジを表示するシフト表示領域60D、70Dを、車速表示領域60E、70Eよりも大きくしている。そのため、Pレンジ、Nレンジ、又はRレンジの場合に、車速よりもシフトレンジが大きく表示されるので、ユーザは車速よりもシフトレンジの方が視認し易くなる。これによりユーザによるアクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違えを抑制することができる。
【0088】
また、本実施形態に係る車両用表示制御装置としての表示制御ECU28では、表示制御部56が、シフトレンジがDレンジの場合に、車速表示領域60E、70Eを、シフト表示領域60D、70Dよりも大きくしている。そのため、車両12の走行中に、ユーザはシフトレンジよりも車速の方が認識し易くなる。これにより、ユーザによるスピードの出し過ぎ等を抑制することができる。
【0089】
また、本実施形態に係る車両用表示制御装置としての表示制御ECU28では、表示制御部56が、シフト表示領域60D、70E及び車速表示領域60E、70Eに表示される画像を反転させるアニメーション表示で表示している。これにより、ユーザは、表示が切り替わったこと、すなわちシフトレンジや車速が変わったことを視認し易くなる。
【0090】
また、本実施形態に係る車両用表示制御装置としての表示制御ECU28では、表示制御部56が、走行モードに応じて表示割合を含むレイアウトを変更するので、走行モードに応じた最適なレイアウトが表示されることになり、ユーザは、走行モード毎のメータディスプレイ表示の切り替え等、表示設定の煩わしさを解消することができる。
【0091】
また、本実施形態に係る車両用表示装置10は、シフト表示領域60D、70E及び車速表示領域60E、70Eが表示される第1表示部24と、表示制御ECU28とを備えているので、前述した表示制御ECU28と同様の作用及び効果が得られる。
【0092】
また、本実施形態に係る車両12は、車両用表示装置10を備えているので、車両用表示装置10と同様に、前述した表示制御ECU28と同様の作用及び効果が得られる。
【0093】
また、本実施形態に係る車両用表示制御方法及び車両用表示制御プログラムにおいても、前述した表示制御ECU28と同様の作用及び効果が得られる。
【0094】
以上説明した上記実施形態では、図4に示されるように、表示領域60Fに、タイヤ、バッテリ、及びエネルギの関係性を示す情報を提供するためのエネルギモニタが表示される車両12であるハイブリッド車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)等を例にしている。しかしながら、車両12は、燃料電池車(FCEV:Fuel Cell Electric Vehicle)や電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)などであってもよい。また、車両12は走行用の駆動源としてエンジン(レシプロエンジン)を備えた車両であってもよい。エンジンを備えた車両の場合には、エネルギモニタが表示される表示画面に替えて、例えばエコドライブ情報が表示される表示画面を表示させることができる。なお、表示制御ECU28は、搭載された車両に応じた表示を行えばよい。
【0095】
また、上記実施形態においては、表示制御部56が表示する表示画面として図4図11を一例として説明したが、本発明はこれに限られず、必要に応じて異なるレイアウトにすることができる。
【0096】
また、各操作スイッチ、各機能切替スイッチの個数及び形状については、特に限定されず、適宜変更してもよい。
【0097】
また、本実施形態で図2に示されるCPU40Aがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した各処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、各処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0098】
また、本実施形態で説明した各プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0099】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0100】
10 車両用表示装置
12 車両
24 第1表示部(表示部)
28 表示制御ECU(車両用表示制御装置)
52 走行モード取得部
56 表示制御部
60D シフト表示領域(第1表示領域)
60E 車速表示領域(第2表示領域)
70D シフト表示領域(第1表示領域)
70E 車速表示領域(第2表示領域)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12