IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ SMC株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-真空吸着シリンダ集合体 図1
  • 特許-真空吸着シリンダ集合体 図2
  • 特許-真空吸着シリンダ集合体 図3
  • 特許-真空吸着シリンダ集合体 図4
  • 特許-真空吸着シリンダ集合体 図5
  • 特許-真空吸着シリンダ集合体 図6
  • 特許-真空吸着シリンダ集合体 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】真空吸着シリンダ集合体
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/06 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
B25J15/06 B
B25J15/06 M
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021562467
(86)(22)【出願日】2020-09-24
(86)【国際出願番号】 JP2020035964
(87)【国際公開番号】W WO2021111709
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2023-07-21
(31)【優先権主張番号】P 2019220816
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】芳村 親一
(72)【発明者】
【氏名】三田 峰彦
(72)【発明者】
【氏名】森本 昌樹
【審査官】岩▲崎▼ 優
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-343692(JP,A)
【文献】特開2010-144802(JP,A)
【文献】特開2001-047385(JP,A)
【文献】特開平03-042433(JP,A)
【文献】特開平06-323456(JP,A)
【文献】特開平05-069365(JP,A)
【文献】特開2000-165094(JP,A)
【文献】特開平5-126663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の真空吸着シリンダが所定方向に連結されてなる真空吸着シリンダ集合体であって、前記複数の真空吸着シリンダは、各真空吸着シリンダのシリンダチューブの側壁を貫通する挿通孔と第1流路ブロックに設けられた挿通孔と第2流路ブロックに設けられた挿通孔とに挿通されるタイロッドを用いて、前記第1流路ブロックと前記第2流路ブロックとの間で挟持されることにより相互に連結され
前記各真空吸着シリンダは、ピストンによって区画される第1圧力室および第2圧力室を備えるとともに、前記ピストンに固定されたロッドの内部に設けられたロッド孔に連通する第3圧力室またはエジェクタ用圧力室を備え、前記各真空吸着シリンダは、前記第1圧力室に対するエアの給排を切り換えるシリンダ用第1電磁弁、前記第2圧力室に対するエアの給排を切り換えるシリンダ用第2電磁弁、および、前記第3圧力室または前記エジェクタ用圧力室に対するエアの給排を切り換えるエジェクタ用電磁弁を備え、前記シリンダ用第1電磁弁、前記シリンダ用第2電磁弁および前記エジェクタ用電磁弁は、前記真空吸着シリンダの前記シリンダチューブの側面に取り付けられる真空吸着シリンダ集合体。
【請求項2】
請求項1記載の真空吸着シリンダ集合体において、
記ロッドが外部に延出する端部にエジェクタボデイが連結される真空吸着シリンダ集合体。
【請求項3】
請求項記載の真空吸着シリンダ集合体において、
前記エジェクタ用圧力室のエアは、前記ロッドの側壁に設けられた横孔を通って前記ロッド孔に導入される真空吸着シリンダ集合体。
【請求項4】
請求項記載の真空吸着シリンダ集合体において、
前記各真空吸着シリンダの前記シリンダチューブの側壁には、前記シリンダ用第1電磁弁に接続されるシリンダ用第1横断排気路およびシリンダ用第1横断供給路と、前記シリンダ用第2電磁弁に接続されるシリンダ用第2横断供給路およびシリンダ用第2横断排気路と、前記エジェクタ用電磁弁に接続されるエジェクタ用横断供給路およびエジェクタ用横断排気路とが設けられる真空吸着シリンダ集合体。
【請求項5】
請求項記載の真空吸着シリンダ集合体において、
前記シリンダ用第1横断排気路、前記シリンダ用第1横断供給路、前記シリンダ用第2横断供給路、前記シリンダ用第2横断排気路、前記エジェクタ用横断供給路および前記エジェクタ用横断排気路は、前記シリンダチューブの長手方向と垂直な方向に延び、前記シリンダチューブの軸線と平行な向きに並んで互いに平行に配置される真空吸着シリンダ集合体。
【請求項6】
請求項記載の真空吸着シリンダ集合体において、
前記第1流路ブロックおよび前記第2流路ブロックは、エジェクタ用供給路、シリンダ用供給路および共通排気路を備える真空吸着シリンダ集合体。
【請求項7】
請求項記載の真空吸着シリンダ集合体において、
前記エジェクタ用供給路は、前記真空吸着シリンダの前記エジェクタ用横断供給路に接続されるエジェクタ用供給横流路と、前記エジェクタ用供給横流路に連通するエジェクタ用供給縦流路とからなり、
前記シリンダ用供給路は、前記真空吸着シリンダの前記シリンダ用第1横断供給路に接続されるシリンダ用第1供給横流路と、前記真空吸着シリンダの前記シリンダ用第2横断供給路に接続されるシリンダ用第2供給横流路と、前記シリンダ用第1供給横流路および前記シリンダ用第2供給横流路に連通するシリンダ用供給縦流路とからなり、
前記共通排気路は、前記真空吸着シリンダの前記シリンダ用第1横断排気路に接続されるシリンダ用第1排気横流路と、前記真空吸着シリンダの前記シリンダ用第2横断排気路に接続されるシリンダ用第2排気横流路と、前記真空吸着シリンダの前記エジェクタ用横断排気路に接続されるエジェクタ用排気横流路と、前記シリンダ用第1排気横流路、前記シリンダ用第2排気横流路および前記エジェクタ用排気横流路に連通する排気縦流路とからなる真空吸着シリンダ集合体。
【請求項8】
請求項記載の真空吸着シリンダ集合体において、
前記第1流路ブロックおよび前記第2流路ブロックの所定の面には、前記エジェクタ用供給路の前記エジェクタ用供給縦流路に接続されるエジェクタ用供給ポートと、前記シリンダ用供給路の前記シリンダ用供給縦流路に接続されるシリンダ用供給ポートと、前記共通排気路の前記排気縦流路に接続される排気ポートが設けられる真空吸着シリンダ集合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の真空吸着シリンダが連結される真空吸着シリンダ集合体に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品等を吸着搬送する装置において、シリンダにより上下動するピストンロッドの先端に吸着具を設け、該吸着具に真空を供給する技術が知られている。
【0003】
例えば、特開2000-165094号公報には、先端に設けられた吸着具に連通する真空案内路を有する中空のピストンロッドを往復動する空気圧シリンダと、該空気圧シリンダに取り付けられる給気ブロックおよび真空発生ブロックを備えた吸着搬送組立体が記載されている。また、同文献には、該吸着搬送組立体を積層することが記載されている。
【0004】
しかしながら、独立して制御可能な真空吸着シリンダを複数個連結する場合に、真空吸着シリンダの追加・抜去等取り扱いを容易にすることについては、十分な考慮がなされていない。また、各真空吸着シリンダの作動に必要な流量を少なくする等により応答性を良くするという観点からも、十分な考慮がなされていない。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、このような事情を背景としてなされたものであり、取り扱いが容易な真空吸着シリンダ集合体を提供することを目的とする。また、各真空吸着シリンダの作動に関し応答性が良い真空吸着シリンダ集合体を提供することを目的とする。
【0006】
本発明に係る真空吸着シリンダ集合体は、複数の真空吸着シリンダが所定方向に連結されてなるもので、複数の真空吸着シリンダは、各真空吸着シリンダのシリンダチューブの側壁を貫通する挿通孔と第1流路ブロックに設けられた挿通孔と第2流路ブロックに設けられた挿通孔とに挿通されるタイロッドを用いて、第1流路ブロックと第2流路ブロックとの間で挟持されることにより相互に連結される。
【0007】
上記真空吸着シリンダ集合体によれば、複数の真空吸着シリンダを容易に連結できるとともに、真空吸着シリンダ数の増減要求に対して容易に対応できる。また、各真空吸着シリンダに対するエアの給排を迅速に行うことができる。
【0008】
本発明に係る真空吸着シリンダ集合体は、各真空吸着シリンダのシリンダチューブと第1流路ブロックと第2流路ブロックとに挿通されるタイロッドを用いて、複数の真空吸着シリンダを第1流路ブロックと第2流路ブロックとの間で挟持するので、複数の真空吸着シリンダを容易に連結できるとともに、真空吸着シリンダ数の増減要求に対して容易に対応できる。また、複数の真空吸着シリンダの両側に流路ブロックが配置されているので、各真空吸着シリンダに対するエアの給排を迅速に行うことができ、応答性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る真空吸着シリンダ集合体の正面図である。
図2図1の真空吸着シリンダ集合体の側面図である。
図3図1の真空吸着シリンダ集合体のIII-III線に沿った断面を含む断面図である。
図4図2の真空吸着シリンダ集合体のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図1の真空吸着シリンダ集合体の作用を説明するための流体回路図である。
図6図1の真空吸着シリンダ集合体の組立てを説明するための図である。
図7図1の真空吸着シリンダ集合体における真空吸着シリンダの変形例を示す図であって、図3に対応するものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る真空吸着シリンダ集合体の基本構成について、好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向に関する言葉を用いたときは、便宜上、図面上での方向をいうものであって、部材等の実際の配置を限定するものではない。
【0011】
図1に示されるように、真空吸着シリンダ集合体10は、複数の真空吸着シリンダ12A~12Fを横方向に連結してなるもので、ロボットアームの先端に取り付けられ、例えば錠剤をピックアップして梱包位置まで搬送するために使用される。
【0012】
複数の真空吸着シリンダ12A~12Fは、第1流路ブロック58と第2流路ブロック60との間に配設される。本実施形態では、合計6個の真空吸着シリンダ12A~12Fが配設されている。各真空吸着シリンダ12A~12Fは同一構造であるので、以下それらを代表して、第1流路ブロック58に隣接する真空吸着シリンダ12Aについて説明する。
【0013】
図3に示されるように、真空吸着シリンダ12Aは、シリンダチューブ14およびピストン24を含むシリンダ部と、エジェクタボデイ82および吸着パッド84を含むエジェクタ部と、電磁弁部とから構成される。
【0014】
四角柱状のシリンダチューブ14は、上部シリンダチューブ16と下部シリンダチューブ18とに分割されている。中間カバー体20が上部シリンダチューブ16の下端部と下部シリンダチューブ18の上端部との間に設けられ、端部カバー体22が下部シリンダチューブ18の下端部に設けられている。
【0015】
ピストン24は、下部シリンダチューブ18の内部に摺動自在に設けられている。ピストン24の中央には、上部ロッド26の下端部と下部ロッド28の上端部が軸方向に突き合わされるようにして挿通固定されている。上部ロッド26には、その軸心方向に貫通する上部ロッド孔26aが設けられ、下部ロッド28には、その軸心方向に貫通する下部ロッド孔28aが設けられている。これら上部ロッド孔26aと下部ロッド孔28aは、相互に連通し、エジェクタ部に供給するエアの通路となっている。
【0016】
上部ロッド26は、ピストン24から上方に延びて中間カバー体20に挿通され、さらに上部シリンダチューブ16の内部にまで延びている。下部ロッド28は、ピストン24から下方に延びて端部カバー体22に挿通され、さらに外部に延出している。下部ロッド28が外部に延出する端部には、エジェクタボデイ82がねじ込みにより連結されている。中間カバー体20には、上部ロッド26に摺接する一対のロッドパッキン20cが装着され、端部カバー体22には、下部ロッド28に摺接するロッドパッキン22bが装着されている。
【0017】
下部シリンダチューブ18の内部に設けられたシリンダ孔18aは、ピストン24によって、下方の第1圧力室30と上方の第2圧力室32とに区画される。ピストン24の外周には、シリンダ孔18aに摺接するピストンパッキン24aが装着されている。下部シリンダチューブ18の側壁には、第1圧力室30に連通する第1通路30a、および、第2圧力室32に連通する第2通路32aが設けられている。これら第1通路30aと第2通路32aは、下部シリンダチューブ18の長手方向と垂直な方向に延び、下部シリンダチューブ18の一つの側面18bに開口する。
【0018】
上部ロッド26は、上部シリンダチューブ16の内部に設けられたシリンダ孔16aに収容される。このシリンダ孔16aの壁面と上部ロッド26の外周との間には、上部ロッド孔26aに連通する第3圧力室34が形成されている。第3圧力室34は、上部ロッド孔26aと下部ロッド孔28aを介してエジェクタボデイ82の内部に連通している。
【0019】
端部カバー体22には、第1圧力室30を外部からシールするシールリング22aが設けられている。中間カバー体20には、第2圧力室32を外部からシールするシールリング20aと、第3圧力室34を外部からシールするシールリング20bとが設けられている。
【0020】
上部シリンダチューブ16の側壁には、第3圧力室34に連通する第3通路34aが設けられている。この第3通路34aは、上部シリンダチューブ16の長手方向と垂直な方向に延び、上部シリンダチューブ16の一つの側面16bに開口する。第3通路34aが開口する上部シリンダチューブ16の側面16bは、第1通路30aと第2通路32aが開口する下部シリンダチューブ18の側面18bと整合する側面であり、両者は面一となっている。
【0021】
図1に示されるように、電磁弁部は、シリンダ用第1電磁弁36、シリンダ用第2電磁弁38およびエジェクタ用電磁弁40から構成される。シリンダ用第1電磁弁36は、第1圧力室30に対するエアの給排を切り換えるために設けられ、シリンダ用第2電磁弁38は、第2圧力室32に対するエアの給排を切り換えるために設けられる。エジェクタ用電磁弁40は、第3圧力室34に対するエアの給排を切り換えるために設けられる。
【0022】
シリンダ用第1電磁弁36は、第1通路30aの開口を覆うようにして、下部シリンダチューブ18の側面18bに取り付けられている。シリンダ用第2電磁弁38は、第2通路32aの開口を覆うようにして、下部シリンダチューブ18の側面18bと上部シリンダチューブ16の側面16bとに跨って取り付けられている。エジェクタ用電磁弁40は、第3通路34aの開口を覆うようにして、上部シリンダチューブ16の側面16bに取り付けられている。
【0023】
第1通路30aは、シリンダ用第1電磁弁36に接続され、第2通路32aは、シリンダ用第2電磁弁38に接続され、第3通路34aは、エジェクタ用電磁弁40に接続されている。
【0024】
図3および図4に示されるように、下部シリンダチューブ18の側面18bを構成する側壁には、シリンダ用第1横断排気路42、シリンダ用第1横断供給路44、シリンダ用第2横断供給路46およびシリンダ用第2横断排気路48が下方から上方にこの順で設けられている。これらの供給路44、46と排気路42、48は、下部シリンダチューブ18の側壁を横断して貫通し、その両端が外部に開口している。この両端開口部のうち、左方に位置する開口部には、溝部を介してシールリング54が装着されている(図4参照)。なお、図3は、図1において各電磁弁36、38、40を通るようにして屈曲するIII-III線に沿った断面を含む断面図であるが、便宜上、各電磁弁36、38、40の断面は省略してある。
【0025】
シリンダ用第1横断排気路42は、第1通路30aの下側に設けられ、シリンダ用第1横断供給路44は、第1通路30aの上側に設けられている。シリンダ用第1横断排気路42は、下部シリンダチューブ18の側面18bに開口する第1分岐路42aを介して、シリンダ用第1電磁弁36に接続されている。シリンダ用第1横断供給路44は、下部シリンダチューブ18の側面18bに開口する第2分岐路44aを介して、シリンダ用第1電磁弁36に接続されている。
【0026】
また、シリンダ用第2横断供給路46は、第2通路32aの下側に設けられ、シリンダ用第2横断排気路48は、第2通路32aの上側に設けられている。シリンダ用第2横断供給路46は、下部シリンダチューブ18の側面18bに開口する第3分岐路46aを介して、シリンダ用第2電磁弁38に接続されている。シリンダ用第2横断排気路48は、下部シリンダチューブ18の側面18bに開口する第4分岐路48aを介して、シリンダ用第2電磁弁38に接続されている。
【0027】
上部シリンダチューブ16の側面16bを構成する側壁には、エジェクタ用横断供給路50およびエジェクタ用横断排気路52が設けられている。エジェクタ用横断供給路50およびエジェクタ用横断排気路52は、上部シリンダチューブ16の側壁を横断して貫通し、その両端が外部に開口している。この両端開口部のうち、左方に位置する開口部には、溝部を介してシールリング54が装着されている(図4参照)。
【0028】
エジェクタ用横断供給路50は、第3通路34aの下側に設けられ、エジェクタ用横断排気路52は、第3通路34aの上側に設けられている。エジェクタ用横断供給路50は、上部シリンダチューブ16の側面16bに開口する第5分岐路50aを介して、エジェクタ用電磁弁40に接続されている。エジェクタ用横断排気路52は、上部シリンダチューブ16の側面16bに開口する第6分岐路52aを介して、エジェクタ用電磁弁40に接続されている。
【0029】
シリンダ用第1横断排気路42、シリンダ用第1横断供給路44、シリンダ用第2横断供給路46、シリンダ用第2横断排気路48、エジェクタ用横断供給路50およびエジェクタ用横断排気路52は、シリンダチューブ14の長手方向と垂直な方向に延び、上下方向(シリンダチューブ14の軸線と平行な向き)に並んで互いに平行に配置されている。
【0030】
図5に示されるように、シリンダ用第1電磁弁36は、通電時に第1圧力室30をシリンダ用第1横断排気路42に接続し、非通電時に第1圧力室30をシリンダ用第1横断供給路44に接続する。シリンダ用第2電磁弁38は、通電時に第2圧力室32をシリンダ用第2横断供給路46に接続し、非通電時に第2圧力室32をシリンダ用第2横断排気路48に接続する。エジェクタ用電磁弁40は、通電時に第3圧力室34をエジェクタ用横断供給路50に接続し、非通電時に第3圧力室34をエジェクタ用横断排気路52に接続する。
【0031】
下部シリンダチューブ18には、シリンダ用第1横断供給路44とシリンダ用第2横断供給路46との間に位置して、第1挿通孔56aと第2挿通孔56bが設けられている。第1挿通孔56aと第2挿通孔56bは、下部シリンダチューブ18の側壁を横断して貫通し、その両端が外部に開口している。
【0032】
上部シリンダチューブ16には、エジェクタ用横断供給路50の下方に位置して、第3挿通孔56cが設けられている。第3挿通孔56cは、上部シリンダチューブ16の側壁を横断して貫通し、その両端が上部シリンダチューブ16の外面に開口している。第1挿通孔56a、第2挿通孔56bおよび第3挿通孔56cは、前述のシリンダ用第1横断排気路42等とともに、シリンダチューブ14の長手方向と垂直な方向に延び、上下方向に並んで互いに平行に配置されている。
【0033】
エジェクタボデイ82は、下部シリンダチューブ18から下方に突出する下部ロッド28の端部に取り付けられる。第3圧力室34から上部ロッド孔26aおよび下部ロッド孔28aを経由してエジェクタボデイ82の内部にエアが供給されると、該エアは、エジェクタボデイ82内の図示しないノズルを通った後、外部に排出される。このとき、吸着パッド84内のエアが吸引されることで、吸着パッド84において真空圧(負圧)が生成される。
【0034】
次に、第1流路ブロック58の構成について説明する。なお、第2流路ブロック60は、第1流路ブロック58と同じ構造となっており、第2流路ブロック60の構成については、説明を省略する。
【0035】
図4に示されるように、第1流路ブロック58は、エジェクタ用供給路62、シリンダ用供給路64および共通排気路66を備える。エジェクタ用供給路62は、真空吸着シリンダ12Aのエジェクタ用横断供給路50に接続され横方向に延びるエジェクタ用供給横流路62aと、このエジェクタ用供給横流路62aに連通し第1流路ブロック58の上面に向かって延びるエジェクタ用供給縦流路62bとからなる。
【0036】
シリンダ用供給路64は、シリンダ用第1供給横流路64aと、シリンダ用第2供給横流路64bと、シリンダ用供給縦流路64cとからなる。シリンダ用第1供給横流路64aは、真空吸着シリンダ12Aのシリンダ用第1横断供給路44に接続され、横方向に延びる。シリンダ用第2供給横流路64bは、真空吸着シリンダ12Aのシリンダ用第2横断供給路46に接続され、横方向に延びる。シリンダ用供給縦流路64cは、これらシリンダ用第1供給横流路64aおよびシリンダ用第2供給横流路64bに連通し、第1流路ブロック58の上面に向かって延びる。
【0037】
共通排気路66は、シリンダ用第1排気横流路66aと、シリンダ用第2排気横流路66bと、エジェクタ用排気横流路66cと、排気縦流路66dとからなる。シリンダ用第1排気横流路66aは、真空吸着シリンダ12Aのシリンダ用第1横断排気路42に接続され、横方向に延びる。シリンダ用第2排気横流路66bは、真空吸着シリンダ12Aのシリンダ用第2横断排気路48に接続され、横方向に延びる。エジェクタ用排気横流路66cは、真空吸着シリンダ12Aのエジェクタ用横断排気路52に接続され、横方向に延びる。排気縦流路66dは、これらシリンダ用第1排気横流路66a、シリンダ用第2排気横流路66bおよびエジェクタ用排気横流路66cに連通し、第1流路ブロック58の上面に向かって延びる。
【0038】
第1流路ブロック58の上面には、エジェクタ用供給縦流路62bに接続されるエジェクタ用供給ポート68、シリンダ用供給縦流路64cに接続されるシリンダ用供給ポート70、および、排気縦流路66dに接続される排気ポート72が設けられている。エジェクタ用供給ポート68とシリンダ用供給ポート70には、図示しないエア供給源からエアが供給される。排気ポート72は、大気に開放されている。
【0039】
第1流路ブロック58には、シリンダ用第1供給横流路64aとシリンダ用第2供給横流路64bとの間に位置して、第1挿通孔59aと第2挿通孔59bが設けられている。これら第1挿通孔59aと第2挿通孔59bは、第1流路ブロック58を横断して貫通する。また、第1流路ブロック58には、シリンダ用第2排気横流路66bとエジェクタ用供給横流路62aとの間に位置して、第3挿通孔59cが設けられている。第3挿通孔59cは、第1流路ブロック58を横断して貫通する。
【0040】
図6に示されるように、複数の真空吸着シリンダ12A~12Fは、第1~第3タイロッド74a~74cを用いて、第1流路ブロック58と第2流路ブロック60との間で挟持されることにより、相互に連結される。第1タイロッド74aは、第1流路ブロック58の第1挿通孔59aと、各真空吸着シリンダ12A~12Fの第1挿通孔56aと、第2流路ブロック60の第1挿通孔59aにそれぞれ挿通され、両端にナット76が螺合されて固定される。
【0041】
同様に、第2タイロッド74bは、第1流路ブロック58の第2挿通孔59bと、各真空吸着シリンダ12A~12Fの第2挿通孔56bと、第2流路ブロック60の第2挿通孔59bにそれぞれ挿通され、ナット76により固定される。第3タイロッド74cは、第1流路ブロック58の第3挿通孔59cと、各真空吸着シリンダ12A~12Fの第3挿通孔56cと、第2流路ブロック60の第3挿通孔59cにそれぞれ挿通され、ナット76により固定される。なお、図6において、真空吸着シリンダ12A等の各横断供給路44、46、50と各横断排気路42、48、52、および、第1流路ブロック58の各供給横流路62a、64a、64bと各排気横流路66a、66b、66cは省略してある。
【0042】
第1流路ブロック58の外側には、第1エンドプレート78が配設され、第2流路ブロック60の外側には、第2エンドプレート80が配設されている。第1エンドプレート78および第2エンドプレート80にも、第1~第3タイロッド74a~74cが挿通される。第1流路ブロック58と第1エンドプレート78との接合面、および、第2流路ブロック60と第2エンドプレート80との接合面における所定の箇所にも図示しないシールリングが装着される。ただし、第1エンドプレート78および第2エンドプレート80は設けなくてもよい。
【0043】
本実施形態では、合計6個の真空吸着シリンダ12A~12Fが連結されているが、適宜数の真空吸着シリンダを追加ないし抜去することができる。この場合、異なる長さの第1~第3タイロッド74a~74cを用意しておき、真空吸着シリンダの連結数に応じて適切な長さの第1~第3タイロッド74a~74cを使用すればよい。
【0044】
複数の真空吸着シリンダ12A~12Fが連結されると、各真空吸着シリンダ12A~12Fのシリンダ用第1横断排気路42は、横方向に一直線上に並び、相互に連通する。同様に、各シリンダ用第1横断供給路44、各シリンダ用第2横断供給路46、各シリンダ用第2横断排気路48、各エジェクタ用横断供給路50、各エジェクタ用横断排気路52は、いずれも、横方向に一直線上に並び、相互に連通する。
【0045】
真空吸着シリンダ12Aのシリンダ用第1横断排気路42は、第1流路ブロック58のシリンダ用第1排気横流路66aに接続され、真空吸着シリンダ12Aのシリンダ用第1横断供給路44は、第1流路ブロック58のシリンダ用第1供給横流路64aに接続される。真空吸着シリンダ12Aのシリンダ用第2横断供給路46は、第1流路ブロック58のシリンダ用第2供給横流路64bに接続され、真空吸着シリンダ12Aのシリンダ用第2横断排気路48は、第1流路ブロック58のシリンダ用第2排気横流路66bに接続される。真空吸着シリンダ12Aのエジェクタ用横断供給路50は、第1流路ブロック58のエジェクタ用供給横流路62aに接続され、真空吸着シリンダ12Aのエジェクタ用横断排気路52は、第1流路ブロック58のエジェクタ用排気横流路66cに接続される。
【0046】
真空吸着シリンダ12Fのシリンダ用第1横断排気路42は、第2流路ブロック60のシリンダ用第1排気横流路66aに接続され、真空吸着シリンダ12Fのシリンダ用第1横断供給路44は、第2流路ブロック60のシリンダ用第1供給横流路64aに接続される。真空吸着シリンダ12Fのシリンダ用第2横断供給路46は、第2流路ブロック60のシリンダ用第2供給横流路64bに接続され、真空吸着シリンダ12Fのシリンダ用第2横断排気路48は、第2流路ブロック60のシリンダ用第2排気横流路66bに接続される。真空吸着シリンダ12Fのエジェクタ用横断供給路50は、第2流路ブロック60のエジェクタ用供給横流路62aに接続され、真空吸着シリンダ12Fのエジェクタ用横断排気路52は、第2流路ブロック60のエジェクタ用排気横流路66cに接続される。
【0047】
したがって、各真空吸着シリンダ12A~12Fのシリンダ用第1横断供給路44およびシリンダ用第2横断供給路46には、第1流路ブロック58のシリンダ用供給ポート70と第2流路ブロック60のシリンダ用供給ポート70の両方から同時にエアが供給可能となっている。また、各真空吸着シリンダ12A~12Fのエジェクタ用横断供給路50には、第1流路ブロック58のエジェクタ用供給ポート68と第2流路ブロック60のエジェクタ用供給ポート68の両方から同時にエアが供給可能となっている。さらに、各真空吸着シリンダ12A~12Fのシリンダ用第1横断排気路42、シリンダ用第2横断排気路48およびエジェクタ用横断排気路52は、第1流路ブロック58の排気ポート72と第2流路ブロック60の排気ポート72の両方を介して大気に開放されている。これにより、各真空吸着シリンダ12A~12Fのシリンダ用第1電磁弁36、シリンダ用第2電磁弁38およびエジェクタ用電磁弁40に対するエアの給排が迅速に行われ、応答性が向上する。
【0048】
本発明の実施形態に係る真空吸着シリンダ集合体10は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、その作用について説明する。
【0049】
複数の真空吸着シリンダ12A~12Fのいずれについても、シリンダ用第1電磁弁36、シリンダ用第2電磁弁38およびエジェクタ用電磁弁40への通電が停止されている状態を初期状態とする。
【0050】
シリンダ用第1電磁弁36への通電が停止されているので、各真空吸着シリンダ12A~12Fの第1圧力室30は、シリンダ用第1横断供給路44に接続されている。また、シリンダ用第2電磁弁38への通電が停止されているので、各真空吸着シリンダ12A~12Fの第2圧力室32は、シリンダ用第2横断排気路48に接続されている。
【0051】
このため、第1流路ブロック58または第2流路ブロック60のシリンダ用供給ポート70からのエアは、シリンダ用供給路64等を介して、各第1圧力室30に供給されるとともに、各第2圧力室32内のエアは、共通排気路66等を介して、第1流路ブロック58または第2流路ブロック60の排気ポート72から排気された状態となっている。したがって、各真空吸着シリンダ12A~12Fのピストン24は上昇した位置にあり、吸着パッド84も上昇した位置に保持されている。
【0052】
また、エジェクタ用電磁弁40への通電が停止されているので、各真空吸着シリンダ12A~12Fの第3圧力室34は、エジェクタ用横断排気路52に接続されている。このため、各エジェクタボデイ82内のエアは、共通排気路66等を介して、第1流路ブロック58または第2流路ブロック60の排気ポート72から排気された状態となっている。したがって、各吸着パッド84に真空圧は生成されていない。
【0053】
上記初期状態から、複数の真空吸着シリンダ12A~12Fのうち所定の真空吸着シリンダ、例えば、真空吸着シリンダ12A~12Cについて、シリンダ用第1電磁弁36、シリンダ用第2電磁弁38およびエジェクタ用電磁弁40に通電する。
【0054】
シリンダ用第1電磁弁36に通電がなされることにより、真空吸着シリンダ12A~12Cの第1圧力室30は、シリンダ用第1横断排気路42に接続され、シリンダ用第2電磁弁38に通電がなされることにより、真空吸着シリンダ12A~12Cの第2圧力室32は、シリンダ用第2横断供給路46に接続される。
【0055】
このため、第1流路ブロック58または第2流路ブロック60のシリンダ用供給ポート70からのエアは、シリンダ用供給路64等を介して、真空吸着シリンダ12A~12Cの第2圧力室32に供給される。また、真空吸着シリンダ12A~12Cの第1圧力室30内のエアは、共通排気路66等を介して、第1流路ブロック58または第2流路ブロック60の排気ポート72から排気される。これにより、真空吸着シリンダ12A~12Cのピストン24は下降し、吸着パッド84も下降する。
【0056】
また、エジェクタ用電磁弁40に通電がなされることにより、真空吸着シリンダ12A~12Cの第3圧力室34は、エジェクタ用横断供給路50に接続される。このため、第1流路ブロック58または第2流路ブロック60のエジェクタ用供給ポート68からのエアは、エジェクタ用供給路62等を介して、真空吸着シリンダ12A~12Cのエジェクタボデイ82内に供給される。これにより、真空吸着シリンダ12A~12Cの吸着パッド84に真空圧が生成される。
【0057】
このようにして、真空吸着シリンダ12A~12Cは、ピストン24および吸着パッド84が下降するとともに、吸着パッド84に真空圧が生成されるので、吸着パッド84の下方に存在する図示しない錠剤等のワークを吸着することができる。
【0058】
真空吸着シリンダ12A~12Cがワークを吸着した後に、これらの真空吸着シリンダ12A~12Cについて、エジェクタ用電磁弁40への通電は継続したまま、シリンダ用第1電磁弁36およびシリンダ用第2電磁弁38への通電を停止する。
【0059】
シリンダ用第1電磁弁36への通電を停止することにより、真空吸着シリンダ12A~12Cの第1圧力室30は、シリンダ用第1横断供給路44に接続される。また、シリンダ用第2電磁弁38への通電を停止することにより、真空吸着シリンダ12A~12Cの第2圧力室32は、シリンダ用第2横断排気路48に接続される。これにより、真空吸着シリンダ12A~12Cのピストン24および吸着パッド84は上昇する。
【0060】
一方、エジェクタ用電磁弁40への通電は継続されているので、真空吸着シリンダ12A~12Cの吸着パッド84に真空圧が生成された状態が維持される。そして、真空吸着シリンダ12A~12Cがワークを吸着保持した状態で、図示しないロボットアームを操作することにより、真空吸着シリンダ集合体10を移動させてワークを所定の場所まで搬送することが可能となる。
【0061】
真空吸着シリンダ集合体10が所定の場所まで移動した後、真空吸着シリンダ12A~12Cについて、シリンダ用第1電磁弁36およびシリンダ用第2電磁弁38に通電するとともに、エジェクタ用電磁弁40への通電を停止する。
【0062】
シリンダ用第1電磁弁36およびシリンダ用第2電磁弁38に通電がなされることにより、真空吸着シリンダ12A~12Cのピストン24は下降し、吸着パッド84も下降する。また、エジェクタ用電磁弁40への通電が停止されることにより、真空吸着シリンダ12A~12Cの吸着パッド84に生成されていた真空圧が消失する。したがって、真空吸着シリンダ12A~12Cの吸着パッド84に吸着されていたワークが解放される。
【0063】
本実施形態の真空吸着シリンダ集合体10によれば、複数の真空吸着シリンダ12A~12Fが第1~第3タイロッド74a~74cを用いて第1流路ブロック58と第2流路ブロック60との間で挟持され連結されるので、真空吸着シリンダ数の増減要求に対して容易に対応できる。
【0064】
また、シリンダ用第1電磁弁36、シリンダ用第2電磁弁38およびエジェクタ用電磁弁40がシリンダチューブ14の側面に取り付けられるので、第1圧力室30、第2圧力室32および第3圧力室34とそれぞれに対応する電磁弁との間の流路を可及的に短くすることができる。
【0065】
また、シリンダ用第1横断排気路42、シリンダ用第1横断供給路44、シリンダ用第2横断供給路46、シリンダ用第2横断排気路48、エジェクタ用横断供給路50およびエジェクタ用横断排気路52は、シリンダチューブ14の長手方向と垂直な方向に延び、上下方向に並んで互いに平行に配置されるので、シリンダチューブ14の側壁に多数の流路を可及的に短くしつつ効率良く配置することができる。
【0066】
また、ピストン24に固定された下部ロッド28が外部に延出する端部にエジェクタボデイ82がねじ込みにより連結されるので、吸着するワークの種類等に応じてエジェクタ部を容易に交換することができる。
【0067】
また、各真空吸着シリンダ12A~12Fに第1流路ブロック58と第2流路ブロック60の両方から同時にエアを供給できるほか、各真空吸着シリンダ12A~12Fから第1流路ブロック58と第2流路ブロック60の両方に向けてエアを排出できる構造となっているので、エアの給排が迅速に行われ、応答性が向上する。
【0068】
(真空吸着シリンダの変更例)
上述した真空吸着シリンダ12Aは、次の形態の真空吸着シリンダ12A´に置き換えることができる。以下、図7を参照しながら、真空吸着シリンダ12A´について説明する。なお、真空吸着シリンダ12Aと同一または同等の構成要素には同一の参照符号を付してある。
【0069】
真空吸着シリンダ12A´は、上部シリンダチューブ16の上側に取り付けられた保護カバー15を備える。上部ロッド26は、上部シリンダチューブ16に貫通孔として設けられたシリンダ孔16aに挿通され、保護カバー15に設けられたカバー孔15aの内部に延びている。保護カバー15には、上部ロッド26に摺接するロッドパッキン17が装着されている。
【0070】
上部ロッド26とカバー孔15aの壁面との間に形成される隙間は、ロッドパッキン17が上部ロッド26に摺接することによって、該摺接箇所の上方の部位と下方の部位とに互いに気密に隔てられる。このうち、上方の部位は、カバー孔15aの上端が外部に開口しているため、大気と連通する開放室33を形成している。また、下方の部位は、上部ロッド26と上部シリンダチューブ16のシリンダ孔16aの壁面との間に形成される空間と一体となって、エジェクタ用圧力室35を形成している。
【0071】
上部シリンダチューブ16に設けられた第3通路34aは、エジェクタ用圧力室35に連通している。また、上部ロッド26の側壁には、エジェクタ用圧力室35を上部ロッド孔26aに連通せしめる横孔26bが設けられている。さらに、上部ロッド26の上端には、上部ロッド孔26aを開放室33から気密に隔てるシール部37が設けられている。
【0072】
したがって、エジェクタ用圧力室35は、横孔26bと上部ロッド孔26aと下部ロッド孔28aを介してエジェクタボデイ82の内部に連通し、エジェクタ部に供給するエアの充填室として機能する。この場合、エジェクタ用圧力室35のエアは、上部ロッド26の側壁に設けられた横孔26bを通って上部ロッド孔26aに導入されるので、エジェクタ用圧力室35のエア圧が上部ロッド26を押し下げる向きに作用することはない。
【0073】
エジェクタ用電磁弁40に通電がなされることにより、真空吸着シリンダ12A´のエジェクタ用圧力室35は、エジェクタ用横断供給路50に接続される。このため、第1流路ブロック58または第2流路ブロック60のエジェクタ用供給ポート68からのエアは、エジェクタ用供給路62等を介して、真空吸着シリンダ12A´のエジェクタボデイ82内に供給される。これにより、真空吸着シリンダ12A´の吸着パッド84に真空圧が生成される。
【0074】
本発明に係る真空吸着シリンダ集合体は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することのない範囲で、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7