(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】インジケータ、電子楽器、発光制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G10H 1/00 20060101AFI20240730BHJP
G10H 1/18 20060101ALI20240730BHJP
H04S 7/00 20060101ALI20240730BHJP
G10K 15/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G10H1/00 Z
G10H1/18 Z
H04S7/00
G10K15/00 K
(21)【出願番号】P 2022100094
(22)【出願日】2022-06-22
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梶川 知哉
(72)【発明者】
【氏名】岡野 真吾
(72)【発明者】
【氏名】森山 修
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 健
【審査官】竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-241716(JP,A)
【文献】特開2013-088780(JP,A)
【文献】特開2007-212932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10F 1/00-5/06
G10G 1/00-7/02
G10H 1/00-7/12
H04S 7/00
G10K 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光部と、
第1期間毎に、入力信号に基づく複数の音量情報の中から音量が最大となる第1期間最大値を取得する第1取得部と、
複数の前記第1期間を含む第2期間毎に、複数の前記第1期間最大値のなかの最小値を第2期間最小値として取得するとともに、複数の前記第1期間最大値のなかの最大値を第2期間最大値として取得する第2取得部と、
前記第2取得部によって取得された前記第2期間最小値から前記第2期間最大値までの値に対する、
最新の前記第1期間最大値の相対比率に基づいて、前記複数の発光部の発光様態を制御する発光制御部と、を備える、
ことを特徴とするインジケータ。
【請求項2】
前記第2取得部によって取得された前記第2期間最小値から前記第2期間最大値までの値に対する、
最新の前記第1期間最大値に基づいて前記相対比率を算出する算出部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のインジケータ。
【請求項3】
前記算出部は、最新の所定数の前記相対比率を算出する毎に、前記所定数の相対比率の移動平均値を算出し、
前記発光制御部は、前記算出部によって算出された前記移動平均値に応じて前記複数の発光部の発光を制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載のインジケータ。
【請求項4】
前記発光制御部は、前記移動平均値と閾値との比較に基づいて、前記複数の発光部の発光数を決定する、
ことを特徴とする請求項3に記載のインジケータ。
【請求項5】
前記複数の発光部は、消灯状態、半点灯状態、点灯状態のうちいずれかの状態を取ることが可能であり、
前記発光制御部は、前記移動平均値と前記閾値との比較に基づいて、前記複数の発光部のそれぞれが、消灯状態、半点灯状態、点灯状態のうちいずれかの状態を取るように制御する、
ことを特徴とする請求項4に記載のインジケータ。
【請求項6】
前記入力信号は、第1入力信号及び第2入力信号を含み、
前記複数の発光部は、前記第1入力信号に対応する複数の発光部が第1方向に並べて配置された第1発光部と、前記第2入力信号に対応する複数の前記発光部が前記第1方向とは異なる第2方向に並べて配置された第2発光部と、を備え、
前記発光制御部は、前記第1入力信号に基づく前記移動平均値の増減に応じて前記第1発光部の前記第1方向への発光数が増減するように制御し、前記第2入力信号に基づく前記移動平均値の増減に応じて前記第2発光部の前記第2方向への発光数が増減するように制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載のインジケータ。
【請求項7】
前記入力信号は、第1入力信号及び第2入力信号を含み、
前記複数の発光部は、前記第1入力信号及び前記第2入力信号のそれぞれに対応する発光部を有し、
前記第2取得部は、前記第1入力信号及び前記第2入力信号の音量情報に基づく前記第2期間最小値の平均値を取得し、さらに前記第1入力信号及び前記第2入力信号の音量情報に基づく前記第2期間最大値の平均値を取得し、
前記算出部は、前記第2取得部により取得された前記第2期間最小値の平均値及び前記第2期間最大値の平均値と、前記第1入力信号及び前記第2入力信号のそれぞれについての前記第1期間最大値と、に基づいて、前記第1入力信号及び前記第2入力信号のそれぞれについての前記相対比率の移動平均値を算出し、
前記発光制御部は、前記第1入力信号及び前記第2入力信号のそれぞれの前記移動平均値に応じて、前記第1入力信号及び前記第2入力信号のそれぞれに対応する発光部の発光を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載のインジケータ。
【請求項8】
前記入力信号は、音源データであり、
前記インジケータは、前記音源データの再生時でない場合は操作部として操作を受け付けること、
を特徴とする請求項1に記載のインジケータ。
【請求項9】
前記複数の発光部は、互いに不連続な領域である複数の発光領域に対応して設けられること、
を特徴とする請求項1に記載のインジケータ。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のインジケータを備える電子楽器。
【請求項11】
コンピュータが実行する発光制御方法であって、
第1期間毎に、入力信号に基づく複数の音量情報の中から音量が最大となる第1期間最大値を取得する第1取得工程と、
複数の前記第1期間を含む第2期間毎に、複数の前記第1期間最大値のなかの最小値を第2期間最小値として取得するとともに、複数の前記第1期間最大値のなかの最大値を第2期間最大値として取得する第2取得工程と、
前記第2取得工程によって取得された前記第2期間最小値から前記第2期間最大値までの値に対する、
最新の前記第1期間最大値の相対比率に基づいて、複数の発光部の発光様態を制御する発光制御工程と、
を含むことを特徴とする発光制御方法。
【請求項12】
コンピュータを、
第1期間毎に、入力信号に基づく複数の音量情報の中から音量が最大となる第1期間最大値を取得する第1取得部、
複数の前記第1期間を含む第2期間毎に、複数の前記第1期間最大値のなかの最小値を第2期間最小値として取得するとともに、複数の前記第1期間最大値のなかの最大値を第2期間最大値として取得する第2取得部、
前記第2取得部によって取得された前記第2期間最小値から前記第2期間最大値までの値に対する、
最新の前記第1期間最大値の相対比率に基づいて、複数の発光部の発光様態を制御する発光制御部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インジケータ、電子楽器、発光制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子楽器やオーディオ機器などの電子機器には、音量レベルやベロシティを可視化するために、表示部(インジケータ)が設けられることがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の構成では、音量レベルとベロシティとが一つの表示領域に表示されるため、音量に関する情報が直感的にわかるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構成のインジケータでは、パート毎に音量レベルを表示しているが、例えば全体的に大音量の音楽であれば高い音量レベルの表示から殆ど変化を見せず、逆に音量が全体的に小さい音楽であれば低い音量レベルの表示から殆ど変化を見せないことがあるため、インジケータとしての表示の利便性が悪いことがあった。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、音量に関する情報を適切に反映した表示ができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のインジケータは、
複数の発光部と、
第1期間毎に、入力信号に基づく複数の音量情報の中から音量が最大となる第1期間最大値を取得する第1取得部と、
複数の前記第1期間を含む第2期間毎に、複数の前記第1期間最大値のなかの最小値を第2期間最小値として取得するとともに、複数の前記第1期間最大値のなかの最大値を第2期間最大値として取得する第2取得部と、
前記第2取得部によって取得された前記第2期間最小値から前記第2期間最大値までの値に対する、最新の前記第1期間最大値の相対比率に基づいて、前記複数の発光部の発光様態を制御する発光制御部と、を備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、音量に関する情報を適切に反映した表示をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明のインジケータを含む電子楽器の機能的構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明のインジケータを含む電子楽器の外観構成例を示す図である。
【
図3】
図1のCPUにより実行される発光制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されている。そのため、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0010】
[電子楽器100の構成]
図1は、本発明のインジケータを含む電子楽器100の機能的構成を示すブロック図である。
図2は、電子楽器100の外観構成例を示す図である。
電子楽器100は、
図1、2に示すように、CPU(Central Processing Unit)11等の少なくとも1つのプロセッサと、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、鍵盤14と、操作部15と、表示部16と、サウンドシステム17と、通信部18と、を備えて構成されており、各部はバス19により接続されている。
【0011】
CPU11は、ROM12に格納されたプログラム及びデータを読み出し、RAM13をワークエリアとして用いて各種処理を実行することにより、電子楽器100の各部を集中制御する。例えば、CPU11は、鍵盤14の押鍵された鍵の音高に応じて、サウンドシステム17によりピアノ等の楽器音を出力させたり、操作部15により選択された楽曲をサウンドシステム17により出力させたりする。また、CPU11は、通信部18を介して外部機器から入力された入力信号であるオーディオデータ(音源データ)に基づく音楽をサウンドシステム17により再生させるとともに、後述する発光制御処理により、入力信号に基づく音量レベル(音量情報)に応じて操作部15のインジケータ151の発光を制御する。
CPU11は、本発明の発光制御部、第1取得部、第2取得部、算出部、として機能する。
【0012】
ROM12は、プログラム及び各種データ等を記憶する。
RAM13は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時的にデータを記憶する。
【0013】
鍵盤14は、複数の鍵(操作子)を備えて構成され、押鍵/離鍵された鍵の情報をCPU11に出力する。
【0014】
操作部15は、静電容量の変化によってユーザの指を検出するタップ式の操作子を有し、ユーザによるタップ操作に応じた操作信号をCPU11に出力する。また、操作部15は、ユーザの指等によって物理的に押下する各種スイッチや操作ボタンを含んでいても良い。
【0015】
本実施形態において、操作部15は、ユーザによるタップ操作等を受け付けるだけでなく、インジケータ151としての機能も備えている。
図2に示すように、インジケータ151は、表示部16の左側にあるインジケータ151Lと、表示部16の右側にあるインジケータ151Rにより構成されている。インジケータ151Lは、サウンドシステム100に入力されるオーディオデータ(入力信号)が、第1入力信号としての左音源(左チャンネル)のオーディオデータと第2入力信号としての右音源(右チャンネル)のオーディオデータを含むステレオ音源のオーディオデータである場合、左音源の音量レベルを、発光部L1~L4を用いて示す。インジケータ151Rは、サウンドシステム100に入力されるオーディオデータがステレオ音源の場合の右音源の音量レベルを、発光部R1~R4を用いて示す。
【0016】
発光部L1~L4、R1~R4のそれぞれには、1又は複数のLED(Light Emitting Diode)が備えられている。隣り合う発光部同士のLEDの発光領域は、互いに不連続である(隣り合うLEDの発光領域は繋がっていない)。また、発光部L1~L4、R1~R4のそれぞれには、タップ式の1又は複数の操作ボタンBが設けられており、いずれかの操作ボタンBが操作されると、操作された操作ボタンBに応じた操作信号がCPU11に出力されるようになっている。
【0017】
本実施形態のインジケータ151は、CPU11の発光制御により、オーディオデータの左音源の音量レベルの相対比率の移動平均値(詳細後述)に応じて、インジケータ151Lの発光部L1~L4のうち、点灯する発光部の数が変化するように制御される(音量レベルの相対比率の移動平均値が大きいほど点灯数は多くなるように制御される)。具体的には、インジケータ151Lの発光部L1~L4は、表示部16から左方向に向かってL1、L2、L3、L4の順に並んで配置されており、点灯数(点灯列数・点灯グループ数)が1のときはL1が、点灯数が2のときはL1~L2が、点灯数が3のときはL1~L3が、点灯数が4のときはL1~L4が点灯するように制御される。すなわち、オーディオデータの左音源の音量レベルの相対比率の移動平均値の増減に応じて、インジケータ151Lは左方向への発光数が増減するように制御される。
【0018】
同様に、インジケータ151では、CPU11の発光制御により、オーディオデータの右音源の音量レベルの相対比率の移動平均値(詳細後述)に応じて、インジケータ151Rの発光部R1~R4のうち、点灯する発光部の数が変化するように制御される(音量レベルの相対比率の移動平均値が大きいほど点灯数は多くなるように制御される)。具体的には、インジケータ151Rの発光部R1~R4は、表示部16から右方向に向かってR1、R2、R3、R4の順に並んで配置されており、点灯数(点灯列数・点灯グループ数)が1のときはR1が、点灯数が2のときはR1~R2が、点灯数が3のときはR1~R3が、点灯数が4のときはR1~R4が点灯するように制御される。すなわち、オーディオデータの右音源の音量レベルの相対比率の移動平均値の増減に応じて、インジケータ151Rは右方向への発光数が増減するように制御される。
【0019】
すなわち、インジケータ151とCPU11により、本発明のインジケータが構成される。
【0020】
表示部16は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU11から入力される表示信号の指示に従って、表示を行う。
【0021】
サウンドシステム17は、音源部171、オーディオ回路172、スピーカ173を備えて構成されている。
音源部171は、CPU11からの制御指示に従い、ROM12に予め記憶された波形データ(オーディオデータ)を読み出すか又は波形データを生成してオーディオ回路172に出力する。
オーディオ回路172は、音源部171から出力された波形データ(オーディオデータ)をD/A変換して増幅し、スピーカ173は、増幅されたアナログ音声を出力する。スピーカ173は、電子楽器100の左右に設けられており(図示せず)、オーディオデータの左音源に基づく音声信号を左のスピーカから出力し、右音源に基づく音声信号を右のスピーカから出力する。オーディオデータがモノラルの場合は、オーディオデータに基づく音声信号を左右のスピーカから出力する。
【0022】
通信部18は、インターネット等の通信ネットワーク、Bluetooth(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等の通信インターフェースを介して接続された外部端末やUSBメモリ等の外部記録媒体などの外部機器と、オーディオデータ等のデータ送受信を行う。
【0023】
[インジケータ151の点灯動作]
次に、電子楽器100におけるインジケータ151の点灯動作について説明する。
CPU11は、通信部18を介してオーディオデータが入力されると、入力されたオーディオデータ(入力信号)に基づいて、サウンドシステム17により音楽を再生させるとともに、入力されたオーディオデータの音量レベルに基づいてインジケータ151の発光制御を行うことで、再生する音声の音量レベルに合わせてインジケータ151の表示を変化させる。
【0024】
ここで、上述のように、本実施形態におけるインジケータ151は、操作部15(操作子)としての機能を兼ねているため、入力信号の音量レベルを表現するのに利用可能な発光部の数が操作子の数に限られている。例えば、本実施形態では、左右それぞれ4箇所(4列・4グループ)に限られている。入力信号の音量レベルの値や変化の仕方は一定とは限らないため、単に一定期間ごとに入力信号に基づく音量レベルに比例した数の発光部を点灯させる手法を取ると、下記(1)、(2)の課題が生じる。
(1)全体的に小音量の曲では常に少ない数の発光部しか点灯せず,逆に大音量の曲ではほとんど全ての発光部が点灯しっぱなし状態になる可能性がある。つまり、点灯の様子に変化が起こりづらくなる。
(2)音量レベルを取得する期間が長いと音楽への追従性が低下し、逆に期間を短くすると点灯がチラついてしまうトレードオフが生じうる。
【0025】
そこで、CPU11は、例えば、サウンドシステム17で再生する曲のオーディオデータに基づいて後述する発光制御処理(
図3参照)を実行して、再生する曲の全体音量に関わらず、曲内での音量変化を適切にインジケータ151の発光部の点灯状態に反映できるようにする。また、音楽への追従性の低下や点灯のちらつきを起こすことなく、音量レベルを滑らかに表示できるようにする。
【0026】
図3は、CPU11において実行される発光制御処理の流れを示すフローチャートである。発光制御処理は、通信部18を介してサウンドシステム17により再生する曲のオーディオデータの入力が開始された際に、CPU11とROM12に記憶されているプログラムとの協働により実行される。なお、CPU11は、
図3に示す発光制御処理を、オーディオデータの左音源と右音源をそれぞれ入力信号として、別々に略同時に実行する。
【0027】
まず、CPU11は、通信部18を介して入力されたリアルタイムの入力信号(オーディオデータ)に基づく音量レベル(信号レベル:無次元量)を短期間毎に(例えば、1ms毎に)取得する(ステップS1)。
【0028】
次いで、CPU11は、音量レベルの取得を開始してから第1期間T1(例えば、30ms程度)が経過したか否かを判断する(ステップS2)。
音量レベルの取得を開始してから第1期間T1が経過していないと判断した場合(ステップS2;NO)、CPU11は、ステップS1に戻り、ステップS1~S2を繰り返し取得する。
【0029】
音量レベルの取得を開始してから第1期間T1が経過したと判断した場合(ステップS2;YES)、CPU11は、第1期間T1毎に、第1期間T1内に取得した複数の音量レベルの最大値(第1期間最大値)を取得し、RAM13に一時保存する(ステップS3)。ここで最大値を取得するのは、ドラムのビート等、瞬間的な音量レベルの上昇を発光部による発光に反映するためであり、平均値を取得するようにしてしまうと、値がならされ、後述する第2期間最大値と第2期間最小値との間に差ができにくくなり、発光部による点灯数に変化が生じにくくなるためである。
【0030】
次いで、CPU11は、現時点から所定時間(例えば、30ms×8周期=240ms)前までの第2期間T2において第1期間最大値がM個(Mは自然数。例えば、8)取得できたか否かを判断する(ステップS4)。
現時点から所定時間前までの第2期間T2において第1期間最大値がM個取得できていないと判断した場合(ステップS4;NO)、CPU11は、ステップS1に戻り、ステップS1~S4を繰り返し実行する。
【0031】
現時点から所定時間前までの第2期間T2において第1期間最大値がM個取得できたと判断した場合(ステップS4;YES)、CPU11は、現時点から所定期間前までの第2期間T2に取得した(保存した)M個の第1期間最大値の最小値(第2期間最小値)と最大値(第2期間最大値)を取得する(ステップS5)。
【0032】
次いで、CPU11は、第2期間最小値と第2期間最大値に対する第1期間最大値の相対比率(%)を算出する(ステップS6)。
相対比率(%)は、例えば、以下の(式1)により算出することができる。
相対比率=(第1期間最大値-第2期間最小値)/(第2期間最大値-第2期間最小値)…(式1)
ここで、(式1)における第1期間最大値は、現時点から所定時間前までの第2期間T2において取得した第1期間最大値のうち、最新の(すなわち、現時点又は直前の)第1期間最大値である。例えば、第2期間最大値が40、第2期間最小値が10、第1期間最大値が30である場合、相対比率は0.67(67%)である。つまり、この(式1)により、発光部の点灯を制御するのに用いる音量レベルのスケール(範囲)が決まるため、オーディオデータ全体の音量レベルにかかわらず、発光部による点灯の様子に変化が起こりやすくなる(動きが出る)。したがって上記課題(1)のように、全体的に小音量の曲では常に少ない数の発光部しか点灯せず、逆に大音量の曲ではほとんど全ての発光部が点灯しっぱなし状態になるという問題が起こりづらくなる。
【0033】
次いで、CPU11は、現時点から最新の相対比率の値をN個分(Nは自然数。例えば、4)取得し、相対比率の移動平均値を算出する(ステップS7)。
ここで、発光制御処理の開始時など、N個の相対比率が揃っていない場合は、不足分の相対比率の値を0とみなして移動平均値を算出する。移動平均値を用いて点灯数を決定する(後述)ことで、常に変動する音量レベルに対して発光部による点灯を滑らかに追従(同期)させることができる。
【0034】
そして、CPU11は、算出したN個分の相対比率の移動平均値と予め定められた閾値との比較に基づいて、インジケータ151Lの発光部L1~L4の点灯数又はインジケータ151Rの発光部R1~R4の点灯数を決定する(ステップS8)。
ここで、CPU11は、オーディオデータの左音源を入力信号としている処理では、ステップS8において、発光部L1~L4の点灯数を決定する。右音源を入力信号としている処理では、ステップS8において、発光部R1~R4の点灯数を決定する。
【0035】
例えば、N個分の相対比率の移動平均値と予め定められた閾値との比較に基づいて、以下のように点灯数(左音源を入力信号としている処理では発光部L1~L4のうち、右音源を入力信号としている処理では発光部R1~R4のうち、点灯する発光部の数)を決定する。ここで、δは、点灯数を0とするか否かを判定するための閾値である。
【0036】
N個分の相対比率の移動平均値がδ未満 :点灯数0(いずれも点灯しない)
N個分の相対比率の移動平均値がδ以上25%未満:点灯数1(発光部L1(R1)を点灯)
N個分の相対比率の移動平均値が25%以上50%未満:点灯数2(発光部L1~L2(R1~R2)を点灯)
N個分の相対比率の移動平均値が50%以上75%未満:点灯数3(発光部L1~L3(R1~R3)を点灯)
N個分の相対比率の移動平均値が75%以上:点灯数4(発光部L1~L4(R1~R4)を点灯)
【0037】
次いで、CPU11は、決定した点灯数に基づいて、インジケータ151の発光部L1~L4又は発光部R1~R4の発光を制御する(ステップS9)。
ここで、CPU11は、オーディオデータの左音源を入力信号としている処理では、ステップS9において、発光部L1~L4をそれぞれ点灯又は消灯する。右音源を入力信号としている処理では、ステップS9において、発光部R1~R4をそれぞれ点灯又は消灯する。
【0038】
図4(a)は、オーディオデータの左音源を入力信号としている処理において発光部L1~L4のうち点灯数が2に決定され、オーディオデータの右音源を入力信号としている処理において発光部R1~R4のうち点灯数が1に決定された場合のインジケータ151の表示例を示す図である。
図4(b)は、オーディオデータの左音源を入力信号としている処理において発光部L1~L4のうち点灯数が4に決定され、オーディオデータの右音源を入力信号としている処理において発光部R1~R4のうち点灯数が4に決定された場合のインジケータ151の表示例を示す図である。
【0039】
図4(a)、(b)に示すように、オーディオデータの左音源の音量レベル(相対比率の移動平均値)が大きくなるほど、左方向に多くの発光部が発光(点灯)する。オーディオデータの右音源の音量レベル(相対比率の移動平均値)が大きくなるほど、右方向に多くの発光部が発光(点灯)する。
【0040】
次いで、CPU11は、オーディオデータの入力が終了したか否かを判断する(ステップS10)。
オーディオデータの入力が終了していないと判断した場合(ステップS10;NO)、CPU11は、ステップS1に戻る。
オーディオデータの入力が終了したと判断した場合(ステップS10;YES)、CPU11は、発光制御処理を終了する。
【0041】
上記発光制御処理では、音量レベルの絶対値ではなく、音量レベルの第2期間最小値と第2期間最大値に対する入力信号の音量レベル(本実施形態では、最新の第1期間最大値)の相対比率を周期的に算出し、算出した相対比率に基づいて発光部の点灯数を決定するので、曲の全体的な音量レベルの大小に関わらず、曲内の音量変化をインジケータ151の点灯状態に反映させることができ、音量変化を適切に反映した表示をすることができる。
また、音量レベルの第2期間最小値と第2期間最大値に対する入力信号の音量レベルの相対比率を即時に発光部の点灯数に反映するのではなく、所定数の相対比率の移動平均値を発光部の点灯に反映させることで、音楽への追従性とちちらつき防止を両立することができ、滑らかな点灯とすることができる。
【0042】
なお、音楽への追従性とちちらつき防止を両立するため、実施形態のように、所定数の相対比率の移動平均値を発光部の点灯に反映させることが好ましいが、CPU11は、相対比率を算出するごとに、相対比率に基づいて(相対比率と予め定められた閾値とを比較して)発光部L1~L4の点灯数を決定して発光部の発光を制御することとしてもよい。そして、オーディオデータの左音源(第1入力信号)の音量レベルの相対比率の増減に応じて、インジケータ151Lは左方向への発光数が増減するように制御し、オーディオデータの右音源(第2入力信号)の音量レベルの相対比率の増減に応じて、インジケータ151Rは右方向への発光数が増減するように制御してもよい。
【0043】
以下、上記実施形態の変形例について説明する。
(変形例1)
例えば、ステレオ音源の左音源の音量レベルの第2期間最大値1000、第2期間最小値0に対して現在の左音源(第1入力信号)の音量レベル(本実施形態では、最新の第1期間最大値)が500であり、右音源の音量レベルの第2期間最大値500、第2期間最小値0に対して現在の右音源(第2入力信号)の音量レベル(本実施形態では、最新の第1期間最大値)が250である場合、どちらも相対比率としては50%なので発光部L1~L4と発光部R1~R4の点灯数は同じとなってしまい、左音源と右音源の音量レベルの差が表現できない。
そこで、上記発光制御処理のステップS6において相対比率を求める際の第2期間最大値と第2期間最小値は、それぞれ左音源と右音源で算出した値の平均値を用いることが好ましい。
例えば、左音源の音量レベルの第2期間最大値、第2期間最小値と、右音源の音量レベルの第2期間最大値、第2期間最小値が、それぞれ上述した値である場合、左音源と右音源の平均をとると第2期間最大値が750,第2期間最小値が0となり、左音源の入力信号の音量レベル500に対しては相対比率2/3(67%)に対応する数の発光部が点灯,右音源の入力信号の音量レベル250に対しては相対比率1/3(33%)に対応する発光部が点灯することになり、左音源と右音源の音量レベルの差が表現可能となる。
【0044】
(変形例2)
上記実施形態では、発光部L1~L4(発光部R1~R4)のそれぞれが消灯状態又は点灯状態のいずれかの状態を採る場合を例として説明したが、発光部L1~L4(発光部R1~R4)のそれぞれが、消灯状態、半点灯状態、点灯状態のいずれかの状態を採ることが可能な構成としてもよい。この場合、ステップS8においては、N個分の相対比率の移動平均値(又は相対比率)に基づいて、以下のように点灯数を決定することとしてもよい(「半点灯状態」とは、例えば「点灯状態」の半分の発光強度で点灯するときの状態である)。
【0045】
N個分の相対比率の移動平均値がδ未満 :点灯数0(いずれも点灯しない)
N個分の相対比率の移動平均値がδ以上12.5%未満:点灯数0.5(発光部L1(R1)を半点灯)
N個分の相対比率の移動平均値が12.5%以上25%未満 :点灯数1(発光部L1(R1)を点灯)
N個分の相対比率の移動平均値が25%以上37.5%未満:点灯数1.5(発光部L1を点灯しL2を半点灯(R1を点灯しR2を半点灯))
N個分の相対比率の移動平均値が37.5%以上50%未満 :点灯数2(発光部L1~L2(R1~R2)を点灯)
N個分の相対比率の移動平均値が50%以上62.5%未満:点灯数2.5(発光部L1~L2を点灯しL3を半点灯(R1~R2を点灯し、R3を半点灯))
N個分の相対比率の移動平均値が62.5%以上75%未満 :点灯数3(発光部L1~L3(R1~R3)を点灯)
N個分の相対比率の移動平均値が75%以上87.5%未満:点灯数3.5(発光部L1~L3を点灯しL4を半点灯(R1~R3を点灯し、R4を半点灯))
N個分の相対比率の移動平均値が87.5%以上:点灯数4(発光部L1~L4(R1~R4)を点灯)
これにより、より詳細に音量レベルを反映した表示とすることができる。
【0046】
以上説明したように、本実施形態の電子楽器100によれば、複数の発光部を有するインジケータ151と、入力信号に基づく音量レベルに応じて、複数の発光部を制御するCPU11と、を備え、CPU11は、第1期間毎に、短期間で取得した複数の音量レベルの中から音量が最大となる第1期間最大値を取得し、複数の第1期間を含む第2期間毎に、第2期間内に取得された複数の第1期間最大値のなかの最小値を第2期間最小値として取得するとともに、複数の第1期間最大値のなかの最大値を第2期間最大値として取得し、取得された第2期間最小値から第2期間最大値までの値に対する、第1期間最大値の相対比率を算出し、算出された相対比率に基づいて、複数の発光部の発光を制御する。
したがって、入力信号の全体的な音量の大小に関わらず、入力信号の音量変化をインジケータ151の発光部の点灯状態に反映させることができ、音量変化を適切に反映した表示をすることができる。
【0047】
また、CPU11は、最新の所定数の相対比率を算出する毎に、所定数の相対比率の移動平均値を算出し、算出された移動平均値に応じて複数の発光部の発光を制御する。
したがって、入力信号への追従性とちちらつき防止を両立することができ、発光部を滑らかに点灯することができる。
【0048】
また、例えば、CPU11は、算出された移動平均値と閾値との比較に基づいて、インジケータ151の複数の発光部の発光数を決定する。
したがって、入力信号への追従性とちちらつき防止を両立しながら、曲内の音量変化をインジケータ151の発光部の点灯状態に反映させることができる。
【0049】
また、インジケータ151は、入力信号に含まれる第1入力信号(左音源)に対応する複数の発光部が第1方向(左方向)に並べて配置された発光部151Lと、第2入力信号(右音源)に対応する複数の発光部が第2方向(右方向)に並べて配置された発光部151Rと、を備え、CPU11は、第1入力信号に基づく移動平均値の増減に応じて発光部151Lの第1方向への発光数が増減するように制御し、第2入力信号に基づく移動平均値の増減に応じて発光部151Rの第2方向への発光数が増減するように制御する。したがって、第1入力信号と第2入力信号のそれぞれの音量レベルをユーザが区別して容易に把握することができる。
【0050】
また、インジケータ151の複数の発光部は、第1入力信号及び第2入力信号のそれぞれに対応する発光部を有し、CPU11は、第1入力信号及び第2入力信号の音量レベルに基づく第2期間最小値の平均値を取得し、さらに第1入力信号及び第2入力信号の音量レベルに基づく第2期間最大値の平均値を取得し、第2期間最小値の平均値及び第2期間最大値の平均値と、第1入力信号及び第2入力信号のそれぞれについての第1期間最大値と、に基づいて、第1入力信号及び第2入力信号のそれぞれについての相対比率の移動平均値を算出し、第1入力信号及び第2入力信号のそれぞれの移動平均値に応じて、第1入力信号及び第2入力信号のそれぞれに対応する発光部の発光を制御する。
したがって、複数種類の入力信号(例えば、ステレオ音源の左音源の第1入力信号及び右音源の第2入力信号)の音量レベルの差を表現した表示とすることが可能となる。
【0051】
また、インジケータ151の複数の発光部は、消灯状態、半点灯状態、点灯状態のうちいずれかの状態を取ることが可能であり、CPU11は、算出した移動平均値と閾値との比較に基づいて、複数の発光部のそれぞれが、消灯状態、半点灯状態、点灯状態のうちいずれかの状態を取るように制御する。したがって、限られた数の発光部でより詳細に音量レベルを反映した表示とすることができる。
【0052】
また、入力信号は、音源データであるので、入力された音源データの全体的な音量の大小に関わらず、音源データ内の音量変化をインジケータ151の発光部の点灯状態に反映させることができ、音量変化を適切に反映した表示をすることができる。
【0053】
また、インジケータ151は、音源データ再生時でない場合は操作部15として操作を受け付ける。したがって、インジケータ151を用いてユーザ操作を入力することが可能となり、少ないスペースであっても、音量レベルの表示と操作部の配置が可能となる。
【0054】
また、インジケータ151の発光部は、互いに不連続な領域である複数の発光領域に対応して設けられている。したがって、音量レベルを分かり易く表示することが可能となる。
【0055】
なお、上記実施形態及び変形例における記述内容は、本発明に係るインジケータ、電子楽器、発光制御方法及びプログラムの好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0056】
例えば、上記実施形態では、電子楽器100内に本発明のインジケータを備える場合を例にとり説明したが、本発明のインジケータは、電子楽器に備えられることに限定されず、他の電子機器に操作部として備えられていることとしてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、通信部18を介して外部機器から入力されたオーディオデータを入力信号として、入力信号に基づく音量レベルをインジケータ151で表示する場合に本発明を適用した場合を例にとり説明したが、入力信号としては、これに限定されない。例えば、電子楽器100に記憶されている(例えば、ROM12やRAM13に記憶されている)オーディオデータ(録音データなど)を読み出して入力信号として、当該入力信号に基づく再生を行うとともに、当該入力信号の音量レベルをインジケータ151で表示する場合に本発明を適用してもよい。また、MIDIデータなどの演奏データを入力信号として、当該入力信号に基づく再生を行うとともに、当該入力信号の音量レベルをインジケータ151で表示する場合に本発明を適用してもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、入力信号が複数種類の入力信号(左音源の入力信号と右音源の入力信号)を含む入力信号(ステレオ音源の入力信号)である場合を例にとり説明したが、これに限定されない。例えば、入力信号が複数のパートの入力信号からなる音源データであり、インジケータ151が複数のパートのそれぞれに対応する発光部を有することとしてもよい。そして、CPU11は、それぞれのパートの入力信号のそれぞれについて上述の相対比率(相対比率の移動平均値)を算出し、算出した相対比率(相対比率の移動平均値)を用いて各パートに対応する発光部の発光制御を行うこととしてもよい。この場合、(変形例1)で説明したように、上記発光制御処理のステップS6において相対比率を求める際の第2期間最大値と第2期間最小値は、それぞれ複数種類の入力信号の音源情報に基づいて算出した値の平均値を用いることとしてもよい。
【0059】
また、上記実施形態で示したインジケータにおける発光部の配列や個数は一例であり、これに限定されない。
【0060】
また、上記実施形態では、インジケータ151の発光制御を、電子楽器100の全体を制御するCPU11により実施することとしたが、インジケータ151に上記発光制御処理を実施するCPU又はマイクロプロセッサが備えられていてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてROM等の半導体メモリを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、HDD、SSDや、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0062】
その他、インジケータの細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0063】
以上に本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載に基づいて定められる。更に、特許請求の範囲の記載から本発明の本質とは関係のない変更を加えた均等な範囲も本発明の技術的範囲に含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
複数の発光部と、
第1期間毎に、入力信号に基づく複数の音量情報の中から音量が最大となる第1期間最大値を取得する第1取得部と、
複数の前記第1期間を含む第2期間毎に、複数の前記第1期間最大値のなかの最小値を第2期間最小値として取得するとともに、複数の前記第1期間最大値のなかの最大値を第2期間最大値として取得する第2取得部と、
前記第2取得部によって取得された前記第2期間最小値から前記第2期間最大値までの値に対する、前記第1期間最大値の相対比率に基づいて、前記複数の発光部の発光様態を制御する発光制御部と、を備える、
ことを特徴とするインジケータ。
<請求項2>
前記第2取得部によって取得された前記第2期間最小値から前記第2期間最大値までの値に対する、前記第1期間最大値に基づいて前記相対比率を算出する算出部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のインジケータ。
<請求項3>
前記算出部は、最新の所定数の前記相対比率を算出する毎に、前記所定数の相対比率の移動平均値を算出し、
前記発光制御部は、前記算出部によって算出された前記移動平均値に応じて前記複数の発光部の発光を制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載のインジケータ。
<請求項4>
前記発光制御部は、前記移動平均値と閾値との比較に基づいて、前記複数の発光部の発光数を決定する、
ことを特徴とする請求項3に記載のインジケータ。
<請求項5>
前記複数の発光部は、消灯状態、半点灯状態、点灯状態のうちいずれかの状態を取ることが可能であり、
前記発光制御部は、前記移動平均値と前記閾値との比較に基づいて、前記複数の発光部のそれぞれが、消灯状態、半点灯状態、点灯状態のうちいずれかの状態を取るように制御する、
ことを特徴とする請求項4に記載のインジケータ。
<請求項6>
前記入力信号は、第1入力信号及び第2入力信号を含み、
前記複数の発光部は、前記第1入力信号に対応する複数の発光部が第1方向に並べて配置された第1発光部と、前記第2入力信号に対応する複数の前記発光部が前記第1方向とは異なる第2方向に並べて配置された第2発光部と、を備え、
前記発光制御部は、前記第1入力信号に基づく前記移動平均値の増減に応じて前記第1発光部の前記第1方向への発光数が増減するように制御し、前記第2入力信号に基づく前記移動平均値の増減に応じて前記第2発光部の前記第2方向への発光数が増減するように制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載のインジケータ。
<請求項7>
前記入力信号は、第1入力信号及び第2入力信号を含み、
前記複数の発光部は、前記第1入力信号及び前記第2入力信号のそれぞれに対応する発光部を有し、
前記第2取得部は、前記第1入力信号及び前記第2入力信号の音量情報に基づく前記第2期間最小値の平均値を取得し、さらに前記第1入力信号及び前記第2入力信号の音量情報に基づく前記第2期間最大値の平均値を取得し、
前記算出部は、前記第2取得部により取得された前記第2期間最小値の平均値及び前記第2期間最大値の平均値と、前記第1入力信号及び前記第2入力信号のそれぞれについての前記第1期間最大値と、に基づいて、前記第1入力信号及び前記第2入力信号のそれぞれについての前記相対比率の移動平均値を算出し、
前記発光制御部は、前記第1入力信号及び前記第2入力信号のそれぞれの前記移動平均値に応じて、前記第1入力信号及び前記第2入力信号のそれぞれに対応する発光部の発光を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載のインジケータ。
<請求項8>
前記入力信号は、音源データであり、
前記インジケータは、前記音源データの再生時でない場合は操作部として操作を受け付けること、
を特徴とする請求項1に記載のインジケータ。
<請求項9>
前記複数の発光部は、互いに不連続な領域である複数の発光領域に対応して設けられること、
を特徴とする請求項1に記載のインジケータ。
<請求項10>
請求項1~9のいずれか一項に記載のインジケータを備える電子楽器。
<請求項11>
第1期間毎に、入力信号に基づく複数の音量情報の中から音量が最大となる第1期間最大値を取得する第1取得工程と、
複数の前記第1期間を含む第2期間毎に、複数の前記第1期間最大値のなかの最小値を第2期間最小値として取得するとともに、複数の前記第1期間最大値のなかの最大値を第2期間最大値として取得する第2取得工程と、
前記第2取得工程によって取得された前記第2期間最小値から前記第2期間最大値までの値に対する、前記第1期間最大値の相対比率に基づいて、複数の発光部の発光様態を制御する発光制御工程と、
を含むことを特徴とする発光制御方法。
<請求項12>
コンピュータを、
第1期間毎に、入力信号に基づく複数の音量情報の中から音量が最大となる第1期間最大値を取得する第1取得部、
複数の前記第1期間を含む第2期間毎に、複数の前記第1期間最大値のなかの最小値を第2期間最小値として取得するとともに、複数の前記第1期間最大値のなかの最大値を第2期間最大値として取得する第2取得部、
前記第2取得部によって取得された前記第2期間最小値から前記第2期間最大値までの値に対する、前記第1期間最大値の相対比率に基づいて、複数の発光部の発光様態を制御する発光制御部、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0064】
100 電子楽器
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 鍵盤
15 操作部
151 インジケータ
16 表示部
17 サウンドシステム
171 音源部
172 オーディオ回路
173 スピーカ
18 通信部
19 バス