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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】脱穀装置の扱胴
(51)【国際特許分類】
   A01F 12/22 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
A01F12/22 B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022207107
(22)【出願日】2022-12-23
(62)【分割の表示】P 2021192310の分割
【原出願日】2021-11-26
(65)【公開番号】P2023079222
(43)【公開日】2023-06-07
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】渡部 寛樹
(72)【発明者】
【氏名】二神 伸
(72)【発明者】
【氏名】上加 郁朗
(72)【発明者】
【氏名】内山 龍介
(72)【発明者】
【氏名】黒木 慎
【審査官】小林 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-254045(JP,A)
【文献】特開2010-011780(JP,A)
【文献】特開2014-233230(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111713270(CN,A)
【文献】中国実用新案第201078921(CN,Y)
【文献】中国実用新案第208370326(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 12/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延在する回転軸(30)の前部に円形状の第1プレート(41)を設け、該回転軸(30)の後部に円形状の第2プレート(36)を設け、
前記第1プレート(41)の後面に設けられた前側プレート(53)の外周部と第2プレート(36)の前面に設けられた後側プレート(54)の外周部に、周方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在するバーフレーム(50)と上手前後フレーム(55)と下手前後フレーム(56)とを設け、
前記バーフレーム(50)は、前記前側プレート(53)と前記後側プレート(54)と連結されており、
前記上手前後フレーム(55)と前記下手前後フレーム(56)には、ツース(58)を有して周方向に延伸して分割して構成されるリングフレーム(52)を設け、前記リングフレーム(52)の内周部を前記バーフレーム(50)の外周部に支持しており、
前記リングフレーム(52)の分割部の回転方向の上手部と下手部の端部はそれぞれ、前記上手前後フレーム(55)と前記下手前後フレーム(56)が連結されており、
前記上手前後フレーム(55)と前記下手前後フレーム(56)とを締結部材で連結して前記リングフレーム(52)の分割部が連結されるように構成されている、
ことを特徴とする脱穀装置の扱胴。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀装置の扱胴に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、扱胴の回転軸に前後方向に所定の間隔を隔てて設けられた複数の円形状のプレートに、左右方向の縦断面が六角形に形成されたドラムと、ドラムの外周部に周方向に所定の間隔を隔てて複数の扱歯が立設された前後方向に延在するバーフレームを架設する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-187327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術においては、多量の穀稈が搬送されてきた場合には、穀稈がドラムの外周部に滞留して穀稈の脱粒性能と穀稈の後方への送り性能が低下する恐れがあった。
【0005】
そこで、本発明の主たる課題は、穀稈の脱粒性能と穀稈の後方へ送り性能に優れる脱穀装置の扱胴を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
【0007】
すなわち、請求項1記載の発明は、前後方向に延在する回転軸(30)の前部に円形状の第1プレート(41)を設け、該回転軸(30)の後部に円形状の第2プレート(36)を設け、前記第1プレート(41)の後面に設けられた前側プレート(53)の外周部と第2プレート(36)の前面に設けられた後側プレート(54)の外周部に、周方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在するバーフレーム(50)と上手前後フレーム(55)と下手前後フレーム(56)とを設け、前記バーフレーム(50)は、前記前側プレート(53)と前記後側プレート(54)と連結されており、前記上手前後フレーム(55)と前記下手前後フレーム(56)には、ツース(58)を有して周方向に延伸して分割して構成されるリングフレーム(52)を設け、前記リングフレーム(52)の内周部を前記バーフレーム(50)の外周部に支持しており、前記リングフレーム(52)の分割部の回転方向の上手部と下手部の端部はそれぞれ、前記上手前後フレーム(55)と前記下手前後フレーム(56)が連結されており、前記上手前後フレーム(55)と前記下手前後フレーム(56)とを締結部材で連結して前記リングフレーム(52)の分割部が連結されるように構成されている、ことを特徴とする脱穀装置の扱胴である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、前記バーフレーム(50)は、前記前側プレート(53)と前記後側プレート(54)と連結されており、前記上手前後フレーム(55)と前記下手前後フレーム(56)には、ツース(58)を有して周方向に延伸して分割して構成されるリングフレーム(52)を設け、前記リングフレーム(52)の内周部を前記バーフレーム(50)の外周部に支持しており、前記リングフレーム(52)の分割部の回転方向の上手部と下手部の端部はそれぞれ、前記上手前後フレーム(55)と前記下手前後フレーム(56)が連結されており、前記上手前後フレーム(55)と前記下手前後フレーム(56)とを締結部材で連結して前記リングフレーム(52)の分割部が連結されるように構成されているので、扱胴に搬送されてきた穀稈を効率良く脱粒することができ、穀稈を後方に向かって効率良く搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】コンバインの正面図である。
図2】コンバインの左側面図である。
図3】コンバインの平面図である。
図4】脱穀装置の前後方向の縦断面図である。
図5】扱胴の斜視図である。
図6】扱胴の左側面図である。
図7】扱胴のロータの前部の背面図である。
図8】インペラとローラの前後フレームの説明図である。
図9】インペラとローラのリングレームの説明図である。
図10】リングフレームの(a)は背面図であり、(b)は径方向視の展開図であり、(c)は上手前後フレームの周方向視の側面図であり、(d)は下手前後フレームの周方向視の側面図である。
図11】リングフレームのツースと扱胴カバーの送塵板の説明図である。
図12】リングフレームのツースの背面図である。
図13】リングフレームの他のツースの背面図である。
図14】他の扱胴のロータの前部の背面図である。
図15】他のリングフレームの径方向視の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1~3に示すように、汎用コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を収穫する刈取前処理装置3が設けられ、刈取前処理装置3の後方左側に収穫された穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置4が設けられ、刈取前処理装置3の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部5が設けられている。
【0019】
操縦部5の下側にエンジンを内装するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側に脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク7が設けられ、グレンタンク7の後側に穀粒を外部に排出する排出オーガ8が設けられている。
【0020】
刈取前処理装置3は、圃場の穀稈を起立させながら後側に搬送する搬送装置3Aと、搬送装置3Aの後側下部に搬送された穀稈の株元を切断する刈刃装置3Bと、搬送装置3Aの後側に搬送された穀稈を左側に寄せ集めるオーガ装置3Cと、寄せ集められた穀稈を脱穀装置4に搬送するフィーダハウス3Dから構成されている。
【0021】
図4に示すように、脱穀装置4は、穀稈を脱穀する扱室10と、脱穀された穀粒を選別する選別室20から形成されている。
【0022】
扱室10の前後壁には、フィーダハウス3Dから搬送されてくる穀稈を脱穀する扱胴11が架設され、扱胴11の下側には、扱胴11の外周下部に沿って半円弧形状に形成された受網12が設けられている。また、扱胴11の上部は、開閉可能な扱胴カバー13で覆われており、扱胴カバー13の内周部には、穀稈を扱室10の後部に案内する送塵板14が設けられている。
【0023】
選別室20の上部には、扱室10から漏下してくる穀粒を選別処理する揺動選別装置21が設けられている。揺動選別装置21の下部には、前側から順に、揺動選別装置21に選別風を送風する唐箕25と、唐箕25の後方に選別風の送風方向を変更する風割26と、揺動選別装置21から漏下してくる穀粒をグレンタンク7に搬送する1番螺旋27と、揺動選別装置21の後部から漏下してくる枝梗等が付着した穀粒を揺動選別装置21の前部の選別棚に再搬送する2番螺旋28が設けられている。
【0024】
図5,6に示すように、扱胴11は、扱室10の前後壁に回転自在に架設される回転軸30と、回転軸30の前部に支持された円錐台形状のインペラ31とロータ32から形成されている。
【0025】
インペラ31は、円形状の前板40と、前板40よりも径が大きい円形状の後板41と、前板40と後板41の外周部を連結する側板42から形成されている。
【0026】
側板42の外周面には、インペラ31の前部に搬送された穀稈をインペラ31の後部に搬送する上下一対の搬送螺旋43が立設されている。これにより、インペラ31に移送されてきた穀稈をインペラ31の前部から後部に効率よく搬送してロータ32に移送することができる。
【0027】
搬送螺旋43の前面には、円周方向に所定角度を隔てて側板42と搬送螺旋43の前面下部を連結する略三角形状の補強リブ44が設けられている。これにより、搬送螺旋43の剛性を高めて、穀稈から搬送螺旋43に加わる負荷による搬送螺旋43の変形を抑制することができる。
【0028】
ロータ32は、前後方向に二分割されてインペラ31の後側に設けられたロータ32Aと、ロータ32Aの後側に設けられたロータ32Bから形成されている。なお、前後方向に二分割せず一体として形成することもできる。
【0029】
ロータ32Aは、インペラ31の後板(請求項の「第1プレート」)41と回転軸30の中間部に設けられた中間板35の間に設けられ、ロータ32Bは、回転軸30の中間板35と回転軸30の後板(請求項の「第2プレート」)36の間に設けられている。なお、中間板35は、回転軸30の前後方向の中間部に設けられた左右方向の縦断面が六角形状の中間支持部材34の外周面に立設している。
【0030】
ロータ32Aは、前後方向に延在する6本のバーフレーム50と、前後方向に延在する3本の前後フレーム51と、前後フレーム51に前後方向に所定の間隔を隔てて支持されたリングフレーム52から形成されている。
【0031】
同様に、ロータ32Bは、前後方向に延在する6本のバーフレーム50と、前後方向に延在する3本の前後フレーム51と、前後フレーム51に前後方向に所定の間隔を隔てて支持されたリングフレーム52から形成されている。
【0032】
ロータ32Aとロータ32Bは同一構造なので、以下ではロータ32Aを例に取って説明する。図7に示すように、ロータ32Aの前後フレーム51の前部は、周方向に三分割された分割プレート(請求項の「前側プレート」)53を介してインペラ31の後板41の後面に装着され、前後フレーム51の後部は、周方向に三分割された分割プレート(請求項の「後側プレート」)54を介して回転軸30の中間板35の前面に装着されている。なお、矢印は回転方向を示している。
【0033】
分割プレート53の外周部は、後板41の外周部に沿うように円弧状に形成され、分割プレート53の内周部は、中間支持部材34の外周部に沿うように頂角が120度に形成された三角形状の切欠き部が形成されている。
【0034】
分割プレート53の外周部には、周方向に所定の間隔を隔ててバーフレーム50を挿通させる外周部が開口された円状の開口部53Aが2個形成されている。これにより、分割プレート53とバーフレーム50の連結を強固に行うことができ、分割プレート53の外周部の外側にバーフレーム50が延出するのを抑制することができる。
【0035】
同様に、分割プレート54の外周部は、中間板35の外周部に沿うように円弧状に形成され、分割プレート54の内周部は、中間支持部材34の外周部に沿うように頂角が120度に形成された三角形状の切欠き部が形成されている。
【0036】
分割プレート54の外周部には、周方向に所定の間隔を隔ててバーフレーム50を挿通させる外周部が開口された円状の開口部54Aが2個形成されている。これにより、分割プレート54とバーフレーム50の連結を強固に行うことができ、分割プレート54の外周部の外側にバーフレーム50が延出するのを抑制することができる。
【0037】
分割プレート53と分割プレート54の回転方向の上手部には前後方向に延在する上手前後フレーム55が架設され、分割プレート53と分割プレート54の回転方向の下手部には前後方向に延在する下手前後フレーム56が架設連結されている。
【0038】
上手前後フレーム55の左右方向の縦断面形状はL字状に形成され、上手前後フレーム55の外周部は回転方向の上手方向に延在して形成されている。また、下手前後フレーム56の左右方向の縦断面形状はL字状に形成され、下手前後フレーム56の外周部は回転方向の上手方向に延在して形成されている。
【0039】
前後フレーム51は、分割プレート53と分割プレート54の下手側に架設された下手前後フレーム56と、この分割プレート53と分割プレート54の回転方向の下手側に隣接する分割プレート53と分割プレート54の上手側に架設された上手前後フレーム55をボルト等の締結部材によって連結して形成し、下手前後フレーム56の外周部の外周面に上手前後フレーム55の外周部の内周面を重ね合わせて形成している。これにより、上手前後フレーム55と下手前後フレーム56の連結部に穀稈が絡み付くのを抑制することができる。
【0040】
図8に示すように、前後フレーム51の外周部における前部は、後上がり傾斜に形成されている。側面視において、前後フレーム51の前部は、インペラ31の側板42と同一傾斜角度に形成され、前後フレーム51の前端部をインペラ31の側板42の後端部と同一位置に形成するのが好ましい。これにより、インペラ31からロータ32Aに搬送された穀稈が前後フレーム51の前部に絡み付くのを抑制することができる。
【0041】
図9に示すように、前側から1番目に位置するリングフレーム52の外周部は、インペラ31の側板42の後端部よりも径方向の外側に位置している。これにより、ツース58の背丈を短く形成することができツース58の破損を抑制することができる。また、前側から1番目に位置するリングフレーム52の外周部は、インペラ31の側板42を後方に延出した仮想線L1よりも径方向の内側に位置している。これにより、インペラ31からロータ32Aに搬送された穀稈が前側から1番目に位置するリングフレーム52に絡み付くのを抑制することができる。
【0042】
図10に示すように、上手前後フレーム55には、径方向の所定の位置に前後方向に所定の間隔を隔ててリングフレーム52を挿通する穴55Aが8個形成され、前側から1番目の穴55Aと8番目の穴55Aの内周部は開口して形成されている。また、上手前後フレーム55には、径方向の穴55Aよりも内周側の位置に前後方向に所定の間隔を隔てて締結部材を挿通する穴55Bが3個形成されている。
【0043】
下手前後フレーム56には、径方向の所定の位置に前後方向に所定の間隔を隔ててリングフレーム52を挿通する穴56Aが8個形成され、前側から1番目の穴56Aと8番目の穴55Aの内周部は開口して形成されている。なお、穴55Aと穴56Aは径方向と前後方向の同一位置に形成されている。また、下手前後フレーム56には、径方向の穴56Aよりも内周側の位置に前後方向に所定の間隔を隔てて締結部材を係合するウエルドナット等の係合部が3個形成されている。なお、穴55Bと係合部56Bは径方向と前後方向の同一位置に形成されている。これにより、リングフレーム52を上手前後フレーム55の穴55Aと下手前後フレーム56の穴56Aに容易に挿通することができ、上手前後フレーム55と下手前後フレーム56を締結部材で容易に連結することができる。
【0044】
図10では、リングフレーム52とこれに隣接するリングフレーム52の前後方向の間隔を同一間隔に形成しているが、広い間隔と狭い間隔を交互に形成しても良く、前側から7番目のリングフレーム52と8番目のリングフレーム52の間隔を他の、例えば前側から7番目のリングフレーム52と8番目のリングフレーム52の間隔等よりも広く形成することができる。これにより、リングフレーム52とリングフレーム52の間から内周部に入込んだ穀稈をリングフレーム52の外周部に効率良く排出することができる。
【0045】
リングフレーム52は、丸鋼、角鋼で形成することができるが、丸鋼で形成するのが好ましい。これにより、穀稈がリングフレーム52に絡まり付くのを防止することができる。
【0046】
リングフレーム52の外周部には、周方向に所定の間隔を隔てて、ツース58が外周部に向けて立設している。また、図11に示すように、平面視において、後方左側に向けて延在して設けられた送塵板14と、リングフレーム52とこれに隣接するリングフレーム52のツース58の中心部を結んだ仮想線L2の交差角度を90度に形成されている。これにより、穀稈をツース58で送塵板14に沿って後方左側に効率良く搬送することができる。
【0047】
ツース58は、丸鋼を所定の長さに切断したり、平鋼を打ち抜いて形成することができる。平鋼を打ち抜いて形成する場合には、図12に示すように、ツース58における回転方向の上手部と下手部を非対称に形成して、上手部と下手部のいずれかの部位に所定の後退角を形成して形成するのが好ましい。これにより、穀稈の種類に応じてツース58の装着姿勢を変更して高い脱粒性能を維持することができる。なお、矢印は回転方向を示している。
【0048】
平鋼を打ち抜いて形成する場合には、図13に示すように、ツース58における回転方向の上手部と下手部を非対称に形成して、上手部と下手部のいずれかの部位に所定の後退角を形成するとともに円弧状に形成するのが好ましい。これにより、穀稈の種類に応じてツース58の装着姿勢を変更して高い脱粒性能を維持することができる。なお、矢印は回転方向を示している。
【0049】
<他の前後フレーム>
次に、他の前後フレーム51について説明する。図14に示すように、分割プレート53と分割プレート54の回転方向の上手部には前後方向に延在する上手前後フレーム55が架設され、分割プレート53と分割プレート54の回転方向の下手部には前後方向に延在する下手前後フレーム56が架設連結されている。なお、矢印は回転方向を示している。
【0050】
分割プレート53の切欠き部の近位部には、周方向に所定の間隔を隔てて径方向に長軸を有する長穴53Bが2個形成されている。これにより、分割プレート53を径方向に移動させて穀稈の脱粒性能の調整を容易に行うことができる。また、分割プレート54の切欠き部の近位部には、周方向に所定の間隔を隔てて径方向に長軸を有する長穴54Bが2個形成されている。これにより、分割プレート54を径方向に移動させて穀稈の脱粒性能の調整を容易に行うことができる。
【0051】
上手前後フレーム55の左右方向の縦断面形状はL字状に形成され、上手前後フレーム55の外周部は回転方向の下手方向に延在して形成されている。また、下手前後フレーム56の左右方向の縦断面形状はL字状に形成され、下手前後フレーム56の外周部は回転方向の上手方向に延在して形成されている。これにより、分割プレート53と分割プレート54を径方向により容易に移動させることができる。
【0052】
前後フレーム51は、分割プレート53と分割プレート54の下手側に架設された下手前後フレーム56と、この分割プレート53と分割プレート54の回転方向の下手側に隣接する分割プレート53と分割プレート54の上手側に架設された上手前後フレーム55の間に、矩形状のシム57を介してボルト等の締結部材によって連結して形成されている。これにより、上手前後フレーム55と下手前後フレーム56の間に隙間が形成されるのを防止することができる。
【0053】
<他のロータ>
次に、他のロータ32Aについて説明する。図15に示すように、リングフレーム52Aは、リングフレーム52におけるツース58が設けられていない部位を切断して形成されている。これにより、ロータ32Aの軽量化することができる。なお、図15の形態では、前側から1番目と2番目のリングフレーム52Aは、図7の12時方向から反時計方向に数えて2番目のバーフレーム50と3番目のバーフレーム50の間が切断され、前側から3番目と4番目のリングフレーム52Aは、6番目のバーフレーム50と1番目のバーフレーム50の間が切断され、前側から5番目と6番目のリングフレーム52Aは、2番目のバーフレーム50と3番目のバーフレーム50の間が切断され、前側から7番目と8番目のリングフレーム52Aは、6番目のバーフレーム50と1番目のバーフレーム50の間が切断されている。
【符号の説明】
【0054】
30 回転軸
36 後板(第2プレート)
41 後板(第1プレート)
50 バーフレーム
51 前後フレーム
52 リングフレーム
53 分割プレート(前側プレート)
54 分割プレート(後側プレート)
55 上手前後フレーム
56 下手前後フレーム
57 シム
58 ツース
L2 仮想線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15