(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】災害救援支援システム
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20240730BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20240730BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H04M11/00 302
G08B21/02
G08B25/04 K
(21)【出願番号】P 2023012772
(22)【出願日】2023-01-31
(62)【分割の表示】P 2018113765の分割
【原出願日】2018-06-14
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】栗田 雅章
【審査官】山中 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-330982(JP,A)
【文献】特開2012-105129(JP,A)
【文献】特開2019-216393(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 11/00
G08B 21/02
G08B 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端末装置の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記第1の端末装置の所持者に関する属性情報を取得する属性情報取得手段と、前記第1の端末装置の位置情報、および、前記所持者に関する属性情報を含む所持者情報を生成する所持者情報生成手段と、第三者が所有する第2の端末装置へ前記所持者情報を送信する情報送信手段と、を備え、前記所持者情報生成手段は、所定のエリア内にいる被災者の、性別ごとの年代の割合を示す情報を、前記所持者情報として作成し、前記情報送信手段は、作成された前記情報を、前記第2の端末装置へ送信する情報処理装置と、
前記第1の端末装置の前記所持者に関する前記属性情報を記憶する属性情報記憶装置と、を備え、
前記第1の端末装置は、前記被災者が所有する携帯端末であり、
前記属性情報取得手段は、電気通信事業者のサーバから、前記第1の端末装置の前記所持者に関する前記属性情報を取得する
災害救援支援システム。
【請求項2】
前記所持者情報生成手段は、前記第1の端末装置の位置情報、および、前記所持者に関する属性情報と、避難所の範囲とを関連付けることによって、前記避難所にいる
前記被災者の、性別ごとの年代の割合を示す前記情報を、物資供給のための前記所持者情報として作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の
災害救援支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、災害の発生時に、被災者が所持する端末装置の位置情報を救援者に提供する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
災害の発生時に、被災者が所持する端末装置(例えば、携帯電話)が発信する位置情報を、救助活動に利用することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、災害の発生時に、被災者の端末装置が発信する位置情報から、その被災者のいる場所の危険度を評価し、評価結果に応じて、その被災者に対する支援または救助の優先度を決定することが記載されている。また、特許文献2には、複数の携帯端末を複数のグループに予め分けておき、携帯端末が発信する位置情報に基づいて、被災状況を示す情報をグループごとに生成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-181498号公報
【文献】特開2012-105129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
被災者が高齢者、病人、あるいは障がい者である場合とそうではない場合、あるいは、被災者が女性である場合と男性である場合とでは、適切な救助または支援の内容は異なる。しかしながら、救援者(例えば消防隊員、警察、医療関係者、ボランティア)は、携帯端末の位置情報のみから、被災者がどのような人物であるのかを知ることはできない。そのため、救援者は、被災者に対して具体的にどのような救助または支援を行えばよいのか、適切に判断できない場合がある。
【0006】
本発明の目的は、被災者が所持する端末装置から得られる情報に基づいて、被災者に適した救助または支援を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係わる情報処理装置は、第1の端末装置の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記第1の端末装置の所持者に関する属性情報を取得する属性情報取得手段と、前記第1の端末装置の位置情報、および、前記所持者に関する属性情報を含む所持者情報を生成する所持者情報生成手段と、第三者が所有する第2の端末装置へ前記所持者情報を送信する情報送信手段と、を備え、前記所持者情報生成手段は、所定の場所にいる被災者の、性別ごとの年代の割合を示す情報を、物資供給のための前記所持者情報として作成し、前記情報送信手段は、作成された前記情報を、前記第2の端末装置へ送信する。
【0008】
本発明の一態様に係わる情報処理方法は、第1の端末装置の位置情報を取得し、前記第1の端末装置の所持者に関する属性情報を取得し、前記第1の端末装置の位置情報、および、前記所持者に関する属性情報を含む所持者情報を生成し、第三者が所有する第2の端末装置へ前記所持者情報を送信する、ことを含み、所定の場所にいる被災者の、性別ごとの年代の割合を示す情報を、物資供給のための前記所持者情報として作成し、作成された前記情報を、前記第2の端末装置へ送信することを含む。
【0009】
本発明の一態様に係わるプログラムは、第1の端末装置の位置情報を取得することと、前記第1の端末装置の所持者に関する属性情報を取得することと、前記第1の端末装置の位置情報、および、前記所持者に関する属性情報を含む所持者情報を生成することと、第三者が所有する第2の端末装置へ前記所持者情報を送信することと、をコンピュータに実行させ、前記コンピュータに、所定の場所にいる被災者の、性別ごとの年代の割合を示す情報を、物資供給のための前記所持者情報として作成させ、作成された前記情報を、前記第2の端末装置へ送信させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、被災者に適した救助または支援を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1に係わる災害救援支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1に係わる災害救援支援システムに含まれる情報処理装置が実行する情報処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3】被災地における被災者端末の位置を示す分布図である。
【
図4】A学校内にいる被災者の、性別ごとの年代の割合を示す円グラフである。
【
図5】B学校内にいる被災者の、性別ごとの年代の割合を示す円グラフである。
【
図6】実施形態2に係わる情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】実施形態3に係わる情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
(災害救援支援システム1の構成)
図1は、本実施形態に係わる災害救援支援システム1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、災害救援支援システム1は、被災者端末100、情報処理装置200、救援者端末300、および属性情報記憶装置400を含む。なお、
図1には、1つの被災者端末100のみを図示しているが、災害救援支援システム1は、複数の被災者端末100を含んでいてもよい。
【0013】
災害救援支援システム1は、例えば地震または水害などの災害が発生したときに、被災地およびその周辺にいる被災者および救援者を支援する。ここで、救援者とは、被災者を救助または支援する人物、組織、または団体のことである。なお、救助または支援には、物質的な面(例えば物資供給や交通手段の提供)のほかに、精神的な面(例えば診療や相談)もある。
【0014】
(被災者端末100)
被災者端末100は、被災者が所持する端末装置である。被災者端末100は、例えば、スマートフォンなどの携帯端末である。近年では、個人による携帯端末の保有率が高いため、被災者のほとんどが携帯端末を所有していると考えられる。あるいは、被災者端末100は、ウェアラブル機器など、自機の位置情報を発信可能なその他の高機能端末であってもよい。例えば、被災者端末100は、自機の位置情報をGPS(Global Positioning System)衛星から取得する機能を有する。
【0015】
被災者端末100は、無線ネットワーク(例えばモバイルネットワーク)を介して、情報処理装置200と通信することができる。本実施形態に係わる被災者端末100は、第1の端末装置の一例である。
【0016】
(情報処理装置200)
情報処理装置200は、被災者端末100から、被災者端末100の位置情報を受信する。あるいは、被災者端末100は、自機の位置情報を基地局へ送信し、情報処理装置200は、基地局から、被災者端末100の位置情報を間接的に取得してもよい。
【0017】
情報処理装置200は、被災者の属性情報を受信する。情報処理装置200は、被災者の属性情報を、被災者端末100から直接的に受信してもよいし、被災者の属性情報を保存している電気通信事業者のサーバから受信してもよい。情報処理装置200は、法令が認める範囲内で、被災者個人を特定せずに、受信した被災者の属性情報を収集することができる。
【0018】
情報処理装置200は、被災者端末100の位置情報、および、被災者の属性情報を加工することによって、被災者情報を生成する。そして、情報処理装置200は、生成した被災者情報を、救援者端末300へ送信する。ここでいう被災者情報は、被災者端末100または被災者に関連する何らかの情報であってよい。例えば、被災者情報は、被災者端末100の位置を地図上にプロットして表した画像データであってもよいし、被災者を任意の属性(例えば年齢、性別、血液型、生年月日)ごとに分類した統計データであってもよい。なお、被災者情報の例を後述する。
【0019】
図1に示すように、情報処理装置200は、位置情報取得部210、属性情報取得部220、被災者情報生成部230、および情報送信部240を含む。
【0020】
本実施形態に係わる情報処理装置200の各部は、一つ以上のプロセッサとメモリとを備えたコンピュータ装置によって、ハードウェア機器として実現することができる。この構成では、コンピュータ装置のメモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行することによって、情報処理装置200の各部の機能を実現する。あるいは、情報処理装置200は、被災者端末100または救援者端末300に実装されたアプリケーションによって、ソフトウェアとして実現することもできる。
【0021】
(救援者端末300)
救援者端末300は、救援者が所持する端末装置である。救援者端末300は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末であってよい。救援者端末300は、無線ネットワーク(例えばモバイルネットワーク)を介して、情報処理装置200と通信することができる。
【0022】
救援者端末300は、情報処理装置200から被災者情報を受信して、救援者端末300が備えた図示しない表示部に、受信した被災者情報を表示する。救援者は、表示部に表示された被災者情報を参照して、被災者に対する救助または支援の内容、あるいは救助の要否を決定する。本実施形態に係わる救援者端末300は、第2の端末装置の一例である。
【0023】
(属性情報記憶装置400)
属性情報記憶装置400は、被災者が所持する被災者端末100を特定するための端末情報と、被災者の属性情報とを紐付けて記憶する。被災者の属性情報は、被災者がその被災者端末100を入手した際、例えば電気通信事業者によって、属性情報記憶装置400に登録される。属性情報は、例えば、被災者の性別、年齢、生年月日、住所、および家族などの情報を含む。属性情報は、被災者の常用薬や持病などの情報をさらに含んでいてもよい。
【0024】
(情報処理装置200の動作)
図2を参照して、情報処理装置200の動作を説明する。
図2は、情報処理装置200の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0025】
図2に示すように、まず、位置情報取得部210は、無線ネットワークを介して、被災者端末100から位置情報を受信する(S1)。
【0026】
次に、属性情報取得部220は、無線ネットワークを介して、被災者端末100から端末情報を受信する。端末情報とは、被災者端末100を識別するための情報である。端末情報を受信した後、属性情報取得部220は、属性情報記憶装置400にアクセスして、受信した端末情報と紐付けられている、被災者の属性情報を探索して取得する(S2)。
【0027】
被災者情報生成部230は、位置情報取得部210が受信した被災者端末100の位置情報、および、属性情報取得部220が取得した被災者の属性情報を用いて、被災者情報(後で参照する
図3~
図5参照)を生成する(S3)。
【0028】
情報送信部240は、救援者端末300のアドレス情報を、属性情報取得部220から取得する。そして、情報送信部240は、被災者情報生成部230が生成した被災者情報を、無線ネットワークを介して、救援者端末300へ送信する(S4)。あるいは、属性情報取得部220が被災者端末100から受信した端末情報が、アドレス情報を含む場合、情報送信部240は、属性情報取得部220から、端末情報に含まれるアドレス情報を取得してもよい。
【0029】
また、情報送信部240は、被災者情報生成部230が生成した被災者情報を出力する。例えば、被災者情報が画像データである場合、情報送信部240は、救援者端末300の表示部(図示せず)に、被災者情報の画像データを表示させる。あるいは、被災者情報が、被災者を任意の属性ごとに分類した統計データである場合、情報送信部240は、その統計データを救援者端末300へ送信する。この場合、救援者端末300は、情報送信部240から受信した統計データを加工してもよい。例えば、救援者端末300は、情報送信部240から受信した統計データを用いて、被災者の属性の分布図を作成して、表示部に表示する。
【0030】
ステップS4の後、所定時間が経過した後(S5でYes)、情報処理のフローはステップS1に戻り、位置情報取得部210は、被災者端末100から位置情報を再び受信する。そして、情報処理装置200は、上述したステップS1からS5までの処理を繰り返す。
【0031】
(変形例)
一変形例では、
図2に示すステップS4の代わりに、情報処理装置200は、被災者情報生成部230が生成した被災者情報に基づいて、救援者に対する指示情報を生成してもよい。具体的には、情報処理装置200は、所定のエリア内にいる全ての被災者の属性情報を解析することによって、それぞれの被災者または被災者のグループに対する最適な救援の内容を決定する。
【0032】
例えば、所定のエリア内に、多数の老人(被災者)がいるとする。この場合、情報処理装置200は、被災者情報に基づいて、多数の看護師または介護者をそのエリアへ派遣すべきであると決定する。そして、情報送信部240は、決定した最適な救援の内容を示す情報を、指示情報として、救援者端末300へ送信する。
【0033】
(被災者情報に基づく救助の例)
図3~
図5は、被災者情報の第1の例から第3の例を示す。被災者情報生成部230が、これらの例に示す画像を被災者情報として生成してもよいし、あるいは、救援者端末300が、被災者情報生成部230から受信した被災者情報を用いて、これらの例に示す画像を生成してもよい。以下で、各例について説明する。
【0034】
(第1の例)
図3は、被災者端末100の現在位置を示す分布図である。
図3に示す1つ1つの点が、それぞれ、1つの被災者端末100に対応する。被災者情報生成部230は、被災者情報に含まれる位置情報に基づいて、
図3に示す分布図を生成する。あるいは、救援者端末300は、被災者情報生成部230から、被災者情報として、被災者端末100の位置情報を受信して、地図上に被災者端末100の位置をプロットする。これにより、救援者端末300は
図3に示す分布図を生成する。
【0035】
図3では、A学校の敷地内のおおよその範囲と、B学校の敷地内のおおよその範囲とを、それぞれ円で表している。A学校およびB学校は、災害の発生時における避難所に指定されているとする。
図3に示す分布図は、地図に重畳されて、表示部に表示されてもよい。
【0036】
なお、
図3に示す1つ1つの点は、対応する被災者の属性に応じて、色分けされていてもよい。
【0037】
救援者は、救援者端末300を用いて、
図3に示す被災者情報を確認することにより、避難所(A学校およびB学校)にいる被災者数を知ることができる。
図3によれば、被災者(被災者端末100)の大多数が、A学校内およびB学校内に密集していることが分かる。また、A学校およびB学校の外側にも、わずかながら被災者がいることが分かる。救援者は、
図3に示す被災者情報を確認することにより、避難所に移動していない被災者が、どれぐらいいるのか、またどこにいるのかを、簡単に知ることができる。
【0038】
さらに、救援者は、確認した被災者情報に基づいて、様々な対応を決定することができる。
【0039】
例えば、救援者は、昼間に被災者の密集率が高い場所(避難所等)において、感染病を予防するための活動を行う。例えば、救援者は、避難所にトイレを配備したり、被災者に手洗いやうがいを奨励したりする。また、救援者は、夜に被災者の密集率が低い場所(自宅、車、宿泊地等)を重点的に巡回して、被災者の状況を確認する。
【0040】
さらに、救援者は、炊き出し等に関する情報を被災者端末100に通知してもよいし、あるいは被災者の健康状態を確認してもよい。
【0041】
前述したように、被災者情報は、リアルタイムにおける被災者端末100の位置情報を含む。したがって、救援者は、
図3に示す被災者情報を確認することにより、被災者の現在位置だけでなく、被災者の活発さも知ることができる。これにより、救援者は、被災者の健康状態を簡単に推測して、被災者の健康状態に応じた救援を決定することができる。
【0042】
例えば、救援者は、動きが少ない被災者の下へ、医師を派遣してもよいし、あるいはその被災者を病院へ搬送してもよい。また、救援者は、動きが多い被災者に対して、ガソリンなどの燃料やトラックなどの移動手段を提供したり、また避難生活に必要な物資を配給したりすることができる。
【0043】
(第2の例)
図4は、被災者情報の他の一例であり、A学校内にいる被災者の、性別ごとの年代の割合を示す円グラフである。被災者情報生成部230は、被災者情報に含まれる位置情報および属性情報に基づいて、
図4に示す円グラフを生成して、被災者端末100へ送信する。あるいは、救援者端末300は、被災者情報生成部230から、被災者情報として、被災者端末100の位置情報、および、被災者の年齢の情報を受信する。そして、救援者端末300は、受信した情報に基づいて、
図4に示す円グラフを生成する。
【0044】
図4によれば、A学校内には、20~30代の女性が多いことが分かる。
図4に示す被災者情報に基づいて、救援者は、A学校内に妊婦や乳幼児がいる可能性が高いと判断する。そして、救援者は、A学校に看護師を派遣したり、A学校内に育児所を設営したり、ミルクおよびオムツをA学校に優先的に配給したりする。
【0045】
(第3の例)
図5は、被災者情報の他の一例であり、B学校内にいる被災者の、性別ごとの年代の割合を示す円グラフである。被災者情報生成部230または救援者端末300は、第2の例と同様に、被災者端末100の位置情報および属性情報に基づいて、
図5に示す円グラフを生成する。
【0046】
図5によれば、B学校内には、60代以上の高齢者が多いことが分かる。したがって、救援者は、
図5に示す被災者情報に基づいて、身体または免疫機能の弱い被災者がB学校内に多数いる可能性が高いと判断する。そして、救援者は、B学校に医師等を派遣したり、高齢者向けの薬や物資をB学校へ優先的に配給したりする。
【0047】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、被災者端末のリアルタイムでの位置情報と、被災者の属性情報とを用いて、被災者情報を生成し、生成した被災者情報を救援者端末へ送信する。したがって、救援者は、情報処理装置から提供される被災者情報に基づいて、被災者に適した救助または支援を行うことができる。
【0048】
〔実施形態2〕
本実施形態では、情報処理装置の他の構成例を説明する。
【0049】
(情報処理装置500)
図6は、本実施形態に係わる情報処理装置500の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、情報処理装置500は、位置情報取得部510、属性情報取得部520、所持者情報生成部530、および情報送信部540を備えている。
【0050】
位置情報取得部510は、第1の端末装置(前記実施形態1の被災者端末100に対応)の位置情報を取得する。
【0051】
属性情報取得部520は、第1の端末装置の所持者に関する属性情報を取得する。
【0052】
所持者情報生成部530は、第1の端末装置の位置情報、および、所持者に関する属性情報を含む所持者情報を生成する。
【0053】
情報送信部540は、第三者が所有する第2の端末装置(前記実施形態1の救援者端末300に対応)へ所持者情報を送信する。
【0054】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、第1の端末装置に係わる所持者情報が、第2の端末装置へ送信される。第2の端末装置を所有する第三者は、情報処理装置から提供された所持者情報を確認することによって、第1の端末装置の現在位置、および、第1の端末装置の所持者の属性を知ることができる。
【0055】
例えば、第1の端末の所持者は被災者であり、第2の端末装置の所持者は救援者である。この場合、救援者は、所持者情報に基づいて、被災者に適した救助または支援を行うことができる。
【0056】
〔実施形態3〕
(ハードウェア構成について)
本開示の各実施形態において、各装置の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。各装置の各構成要素の一部又は全部は、例えば
図7に示すような情報処理装置900とプログラムとの任意の組み合わせにより実現される。
図7は、各装置の各構成要素を実現する情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0057】
図7に示すように、情報処理装置900は、一例として、以下のような構成を含む。
【0058】
・CPU(Central Processing Unit)901
・ROM(Read Only Memory)902
・RAM(Random Access Memory)903
・RAM903にロードされるプログラム904
・プログラム904を格納する記憶装置905
・記録媒体906の読み書きを行うドライブ装置907
・通信ネットワーク909と接続する通信インタフェース908
・データの入出力を行う入出力インタフェース910
・各構成要素を接続するバス911
各実施形態における各装置の各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム904をCPU901が取得して実行することで実現される。各装置の各構成要素の機能を実現するプログラム904は、例えば、予め記憶装置905やROM902に格納されており、必要に応じてCPU901がRAM903にロードして実行される。なお、プログラム904は、通信ネットワーク909を介してCPU901に供給されてもよいし、予め記録媒体906に格納されており、ドライブ装置907が当該プログラムを読み出してCPU901に供給してもよい。
【符号の説明】
【0059】
100 被災者端末
200 情報処理装置
210 位置情報取得部
220 属性情報取得部
230 被災者情報生成部
240 情報送信部
300 救援者端末
400 属性情報記憶装置
500 情報処理装置
510 位置情報取得部
520 属性情報取得部
530 所持者情報生成部
540 情報送信部
900 情報処理装置