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特許7529086送信装置、送信方法、受信装置、及び受信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】送信装置、送信方法、受信装置、及び受信方法
(51)【国際特許分類】
   H04H 20/28 20080101AFI20240730BHJP
   H04H 20/95 20080101ALI20240730BHJP
   H04H 40/18 20080101ALI20240730BHJP
   H04B 7/0413 20170101ALI20240730BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20240730BHJP
   H04N 21/238 20110101ALI20240730BHJP
   H04N 21/438 20110101ALI20240730BHJP
【FI】
H04H20/28
H04H20/95
H04H40/18
H04B7/0413 320
H04L27/26 113
H04N21/238
H04N21/438
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023068388
(22)【出願日】2023-04-19
(62)【分割の表示】P 2018230975の分割
【原出願日】2018-12-10
(65)【公開番号】P2023099036
(43)【公開日】2023-07-11
【審査請求日】2023-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】阪井 塁
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/155544(WO,A1)
【文献】特開2015-095665(JP,A)
【文献】特開2019-201265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04H 20/28
H04H 20/95
H04H 40/18
H04B 7/0413
H04L 27/26
H04N 21/238
H04N 21/438
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方式に対応した第1のコンテンツの信号及び前記第1の方式の次世代方式である第2の方式に対応した第2のコンテンツの信号を含む第1の放送信号に、前記第1の方式に対応した第1の伝送制御信号を含めて第1の送信アンテナを介して送信するとともに、
前記第2のコンテンツの信号を含む第2の放送信号に、前記第2の方式に対応した第2の伝送制御信号を含めて第2の送信アンテナを介して送信する
送信部を備え、
前記送信部は、前記第1の送信アンテナ及び前記第2の送信アンテナを用いたMIMO方式に対応しており、
前記第1の放送信号は、水平偏波として送信され、
前記第2の放送信号は、垂直偏波として送信され
前記垂直偏波のキャリアにおいて、前記水平偏波における前記第1の伝送制御信号に対応したキャリア位置はNULLとされる
送信装置。
【請求項2】
前記第1の方式は、ISDB-T方式であり、
前記第2の方式は、前記ISDB-T方式の次世代方式であり、
前記第1のコンテンツの信号は、2K放送に対応した2K信号であり、
前記第2のコンテンツの信号は、4K放送に対応した4K信号であり、
前記第1の伝送制御信号は、前記ISDB-T方式の仕様に対応したTMCC信号であり、
前記第2の伝送制御信号は、前記ISDB-T方式の次世代方式の仕様に対応したTMCC信号である
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
第1の送信アンテナ及び第2の送信アンテナを用いたMIMO方式に対応している送信装置が、
第1の方式に対応した第1のコンテンツの信号及び前記第1の方式の次世代方式である第2の方式に対応した第2のコンテンツの信号を含む第1の放送信号に、前記第1の方式に対応した第1の伝送制御信号を含めて、前記第1の送信アンテナを介して水平偏波として送信するとともに、
前記第2のコンテンツの信号を含む第2の放送信号に、前記第2の方式に対応した第2の伝送制御信号を含めて、前記第2の送信アンテナを介して垂直偏波として送信し、
前記垂直偏波のキャリアにおいて、前記水平偏波における前記第1の伝送制御信号に対応したキャリア位置はNULLとされる
送信方法。
【請求項4】
第1の送信アンテナ及び第2の送信アンテナを用いたMIMO方式に対応している送信装置であって、第1の方式に対応した第1のコンテンツの信号及び前記第1の方式の次世代方式である第2の方式に対応した第2のコンテンツの信号を含む第1の放送信号に、前記第1の方式に対応した第1の伝送制御信号を含めて、前記第1の送信アンテナを介して水平偏波として送信するとともに、前記第2のコンテンツの信号を含む第2の放送信号に、前記第2の方式に対応した第2の伝送制御信号を含めて、前記第2の送信アンテナを介して垂直偏波として送信する送信部を備える前記送信装置
から送信されてくる前記第1の放送信号を第1の受信アンテナを介して受信する受信部を備え、
前記垂直偏波のキャリアにおいて、前記水平偏波における前記第1の伝送制御信号に対応したキャリア位置はNULLとされる
受信装置。
【請求項5】
受信した前記第1の放送信号に含まれる前記第1の伝送制御信号に基づいて、受信した前記第1の放送信号に含まれる前記第1のコンテンツの信号に対する復調及び復号を含む処理を行う第1の信号処理部をさらに備える
請求項4に記載の受信装置。
【請求項6】
前記受信部は、前記第1の放送信号を前記第1の受信アンテナを介して受信するとともに、前記第2の放送信号を第2の受信アンテナを介して受信し、
受信した前記第2の放送信号に含まれる前記第2の伝送制御信号に基づいて、受信した前記第1の放送信号及び前記第2の放送信号に含まれる前記第2のコンテンツの信号に対する復調及び復号を含む処理を行う第2の信号処理部をさらに備える
請求項4に記載の受信装置。
【請求項7】
前記第1の方式は、ISDB-T方式であり、
前記第2の方式は、前記ISDB-T方式の次世代方式であり、
前記第1のコンテンツの信号は、2K放送に対応した2K信号であり、
前記第2のコンテンツの信号は、4K放送に対応した4K信号であり、
前記第1の伝送制御信号は、前記ISDB-T方式の仕様に対応したTMCC信号であり、
前記第2の伝送制御信号は、前記ISDB-T方式の次世代方式の仕様に対応したTMCC信号である
請求項4に記載の受信装置。
【請求項8】
第1の送信アンテナ及び第2の送信アンテナを用いたMIMO方式に対応している送信装置であって、第1の方式に対応した第1のコンテンツの信号及び前記第1の方式の次世代方式である第2の方式に対応した第2のコンテンツの信号を含む第1の放送信号に、前記第1の方式に対応した第1の伝送制御信号を含めて、前記第1の送信アンテナを介して水平偏波として送信するとともに、前記第2のコンテンツの信号を含む第2の放送信号に、前記第2の方式に対応した第2の伝送制御信号を含めて、前記第2の送信アンテナを介して垂直偏波として送信する送信部を備える前記送信装置から送信されてくる放送信号を受信可能な受信装置が、
前記送信装置から送信されてくる前記第1の放送信号を第1の受信アンテナを介して受信し、
受信した前記第1の放送信号に含まれる前記第1の伝送制御信号に基づいて、受信した前記第1の放送信号に含まれる前記第1のコンテンツの信号に対する復調及び復号を含む処理を行い、
前記垂直偏波のキャリアにおいて、前記水平偏波における前記第1の伝送制御信号に対応したキャリア位置はNULLとされる
受信方法。
【請求項9】
第1の送信アンテナ及び第2の送信アンテナを用いたMIMO方式に対応している送信装置であって、第1の方式に対応した第1のコンテンツの信号及び前記第1の方式の次世代方式である第2の方式に対応した第2のコンテンツの信号を含む第1の放送信号に、前記第1の方式に対応した第1の伝送制御信号を含めて、前記第1の送信アンテナを介して水平偏波として送信するとともに、前記第2のコンテンツの信号を含む第2の放送信号に、前記第2の方式に対応した第2の伝送制御信号を含めて、前記第2の送信アンテナを介して垂直偏波として送信する送信部を備える前記送信装置から送信されてくる放送信号を受信可能な受信装置が、
前記送信装置から送信されてくる前記第1の放送信号を第1の受信アンテナを介して受信するとともに、前記第2の放送信号を第2の受信アンテナを介して受信し、
受信した前記第2の放送信号に含まれる前記第2の伝送制御信号に基づいて、受信した前記第1の放送信号及び前記第2の放送信号に含まれる前記第2のコンテンツの信号に対する復調及び復号を含む処理を行い、
前記垂直偏波のキャリアにおいて、前記水平偏波における前記第1の伝送制御信号に対応したキャリア位置はNULLとされる
受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、送信装置、送信方法、受信装置、及び受信方法に関し、特に、より確実に伝送制御信号を伝送することができるようにした送信装置、送信方法、受信装置、及び受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、日本では、地上デジタルテレビジョン放送の次世代化に向けた高度化の検討が行われ、様々な技術方式の検討がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-192052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、次世代の放送方式の運用を開始するにあたっては、現行の放送方式から次世代の放送方式への移行期間が設けられるが、その移行期間においては、現行方式に対応した受信装置と、次世代方式に対応した受信装置のそれぞれに対して、より確実に伝送制御信号を伝送することが求められる。
【0005】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、より確実に伝送制御信号を伝送することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の一側面の送信装置は、第1の方式に対応した第1のコンテンツの信号及び第2の方式に対応した第2のコンテンツの信号を含む第1の放送信号に、前記第1の方式に対応した第1の伝送制御信号を含めて第1の送信アンテナを介して送信するとともに、前記第2のコンテンツの信号を含む第2の放送信号に、前記第2の方式に対応した第2の伝送制御信号を含めて第2の送信アンテナを介して送信する送信部を備える送信装置である。
【0007】
本技術の一側面の送信方法は、送信装置が、第1の方式に対応した第1のコンテンツの信号及び第2の方式に対応した第2のコンテンツの信号を含む第1の放送信号に、前記第1の方式に対応した第1の伝送制御信号を含めて第1の送信アンテナを介して送信するとともに、前記第2のコンテンツの信号を含む第2の放送信号に、前記第2の方式に対応した第2の伝送制御信号を含めて第2の送信アンテナを介して送信する送信方法である。
【0008】
本技術の一側面の送信装置、及び送信方法においては、第1の方式に対応した第1のコンテンツの信号及び第2の方式に対応した第2のコンテンツの信号が含まれる第1の放送信号に、前記第1の方式に対応した第1の伝送制御信号が含められて第1の送信アンテナを介して送信されるとともに、前記第2のコンテンツの信号が含まれる第2の放送信号に、前記第2の方式に対応した第2の伝送制御信号が含められて第2の送信アンテナを介して送信される。
【0009】
本技術の一側面の受信装置は、第1の方式に対応した第1のコンテンツの信号及び第2の方式に対応した第2のコンテンツの信号を含む第1の放送信号に、前記第1の方式に対応した第1の伝送制御信号を含めて第1の送信アンテナを介して送信するとともに、前記第2のコンテンツの信号を含む第2の放送信号に、前記第2の方式に対応した第2の伝送制御信号を含めて第2の送信アンテナを介して送信する送信部を備える送信装置から送信されてくる前記第1の放送信号を第1の受信アンテナを介して受信する受信部を備える受信装置である。
【0010】
本技術の一側面の受信方法は、第1の方式に対応した第1のコンテンツの信号及び第2の方式に対応した第2のコンテンツの信号を含む第1の放送信号に、前記第1の方式に対応した第1の伝送制御信号を含めて第1の送信アンテナを介して送信するとともに、前記第2のコンテンツの信号を含む第2の放送信号に、前記第2の方式に対応した第2の伝送制御信号を含めて第2の送信アンテナを介して送信する送信部を備える送信装置から送信されてくる放送信号を受信可能な受信装置が、前記送信装置から送信されてくる前記第1の放送信号を第1の受信アンテナを介して受信し、受信した前記第1の放送信号に含まれる前記第1の伝送制御信号に基づいて、受信した前記第1の放送信号に含まれる前記第1のコンテンツの信号に対する復調及び復号を含む処理を行う受信方法である。
【0011】
また、本技術の一側面の受信方法は、第1の方式に対応した第1のコンテンツの信号及び第2の方式に対応した第2のコンテンツの信号を含む第1の放送信号に、前記第1の方式に対応した第1の伝送制御信号を含めて第1の送信アンテナを介して送信するとともに、前記第2のコンテンツの信号を含む第2の放送信号に、前記第2の方式に対応した第2の伝送制御信号を含めて第2の送信アンテナを介して送信する送信部を備える送信装置から送信されてくる放送信号を受信可能な受信装置が、前記送信装置から送信されてくる前記第1の放送信号を第1の受信アンテナを介して受信するとともに、前記第2の放送信号を第2の受信アンテナを介して受信し、受信した前記第2の放送信号に含まれる前記第2の伝送制御信号に基づいて、受信した前記第1の放送信号及び前記第2の放送信号に含まれる前記第2のコンテンツの信号に対する復調及び復号を含む処理を行う受信方法である。
【0012】
本技術の一側面の受信装置、及び受信方法においては、第1の方式に対応した第1のコンテンツの信号及び第2の方式に対応した第2のコンテンツの信号を含む第1の放送信号に、前記第1の方式に対応した第1の伝送制御信号を含めて第1の送信アンテナを介して送信するとともに、前記第2のコンテンツの信号を含む第2の放送信号に、前記第2の方式に対応した第2の伝送制御信号を含めて第2の送信アンテナを介して送信する送信部を備える送信装置から送信されてくる前記第1の放送信号が第1の受信アンテナを介して受信され、受信された前記第1の放送信号に含まれる前記第1の伝送制御信号に基づいて、受信した前記第1の放送信号に含まれる前記第1のコンテンツの信号に対する復調及び復号を含む処理が行われる。
【0013】
また、本技術の一側面の受信装置、及び受信方法においては、第1の方式に対応した第1のコンテンツの信号及び第2の方式に対応した第2のコンテンツの信号を含む第1の放送信号に、前記第1の方式に対応した第1の伝送制御信号を含めて第1の送信アンテナを介して送信するとともに、前記第2のコンテンツの信号を含む第2の放送信号に、前記第2の方式に対応した第2の伝送制御信号を含めて第2の送信アンテナを介して送信する送信部を備える送信装置から送信されてくる前記第1の放送信号が第1の受信アンテナを介して受信されるとともに、前記第2の放送信号が第2の受信アンテナを介して受信され、受信された前記第2の放送信号に含まれる前記第2の伝送制御信号に基づいて、受信された前記第1の放送信号及び前記第2の放送信号に含まれる前記第2のコンテンツの信号に対する復調及び復号を含む処理が行われる。
【0014】
なお、本技術の一側面の送信装置、及び受信装置は、独立した装置であってもよいし、1つの装置を構成している内部ブロックであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本技術を適用した伝送システムの一実施の形態の構成を示す図である。
図2】MIMO方式の伝送を模式的に表した図である。
図3】水平偏波のキャリア配置の例を示す図である。
図4】垂直偏波のキャリア配置の第1の例を示す図である。
図5】垂直偏波のキャリア配置の第2の例を示す図である。
図6】送信装置の構成の例を示すブロック図である。
図7】送信処理の流れを説明するフローチャートである。
図8】受信装置の構成の例を示すブロック図である。
図9】現行方式に対応した受信処理の流れを説明するフローチャートである。
図10】次世代方式に対応した受信処理の流れを説明するフローチャートである。
図11】コンピュータの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行うものとする。
【0017】
1.本技術の実施の形態
2.変形例
3.コンピュータの構成
【0018】
<1.本技術の実施の形態>
【0019】
(伝送システムの構成例)
図1は、本技術を適用した伝送システムの一実施の形態の構成を示す図である。なお、システムとは、複数の装置が論理的に集合したものをいう。
【0020】
図1において、伝送システム1は、地上デジタルテレビジョン放送等の放送方式に対応したシステムである。伝送システム1は、各放送局に関連する施設に設置されるデータ処理装置11-1乃至11-N(Nは1以上の整数)と、送信所に設置される送信装置10と、各ユーザにより所有される受信装置20-1乃至20-M(Mは1以上の整数)から構成される。
【0021】
また、この伝送システム1において、データ処理装置11-1乃至11-Nと、送信装置10とは、通信回線12-1乃至12-Nを介して接続されている。なお、通信回線12-1乃至12-Nは、例えば専用線とすることができる。
【0022】
データ処理装置11-1は、放送局Aにより制作された放送コンテンツ(例えば放送番組等)のデータにエンコード等の必要な処理を施し、その結果得られる伝送データを、通信回線12-1を介して送信装置10に送信する。
【0023】
データ処理装置11-2乃至11-Nにおいては、データ処理装置11-1と同様に、放送局Bや放送局Z等の各放送局により制作された放送コンテンツのデータが処理され、その結果得られる伝送データが、通信回線12-2乃至12-Nを介して送信装置10に送信される。
【0024】
送信装置10は、通信回線12-1乃至12-Nを介して、放送局側のデータ処理装置11-1乃至11-Nから送信されてくる伝送データを受信する。送信装置10は、データ処理装置11-1乃至11-Nからの伝送データに符号化や変調等の必要な処理を施し、その結果得られる放送信号を、送信所に設置された送信用のアンテナから送信する。
【0025】
これにより、送信所側の送信装置10からの放送信号は、所定の周波数帯の電波によって、受信装置20-1乃至20-Mにそれぞれ送信される。
【0026】
受信装置20-1乃至20-Mは、例えば、テレビ受像機やセットトップボックス(STB:Set Top Box)などの固定受信機として構成され、各ユーザの自宅等に設置される。
【0027】
受信装置20-1は、所定の周波数帯の電波によって、送信装置10から送信されてくる放送信号を受信して復調や復号、デコード等の必要な処理を施すことで、ユーザによる選局操作に応じた放送コンテンツ(例えば放送番組等)を再生する。
【0028】
受信装置20-2乃至20-Mにおいては、受信装置20-1と同様に、送信装置10からの放送信号が処理され、ユーザによる選局操作に応じた放送コンテンツが再生される。
【0029】
このようにして、受信装置20においては、放送コンテンツの映像がディスプレイに表示され、その映像に同期した音声がスピーカから出力されるため、ユーザは、放送番組等の放送コンテンツを視聴することができる。
【0030】
なお、伝送システム1において、M台の受信装置20には、現行方式に対応したものと、次世代方式に対応したものが混在している。そこで、以下の説明では、現行方式に対応した受信装置20を、現行受信装置20Lと称し、次世代方式に対応(すなわち、次世代方式にのみ対応、又は現行方式と次世代方式の両方式に対応)した受信装置20を、次世代受信装置20Nと称して区別する。ただし、現行受信装置20Lと次世代受信装置20Nとを、特に区別する必要がない場合には、単に受信装置20と称する。
【0031】
ところで、日本では、地上デジタルテレビジョン放送の次世代化に向けた高度化の検討が行われている。ここで、現行の放送方式(現行方式)から次世代の放送方式(次世代方式)への移行方法の1つとして、現行の周波数帯域を用いて、互換性のある次世代方式を導入することが検討されている。
【0032】
この放送方式の移行期間においては、現行方式の放送信号(以下、現行放送信号ともいう)と、次世代方式の放送信号(以下、次世代放送信号ともいう)を、複数の送受信用のアンテナを用いたMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式を採用して伝送する方式が想定される。
【0033】
具体的には、日本では、地上デジタルテレビジョン放送の現行方式として、ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial)方式が採用されている。ISDB-T方式では、1つのチャンネル(周波数帯域)に割り当てられる直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)が施された複数のサブキャリアの周波数帯域が13個のセグメントに分割されている。なお、OFDMは、デジタル変調の一種で、ある周波数帯域内に複数の異なるサブキャリア(副搬送波)を形成してそれらを同時に伝送することで多重化を行うものである。
【0034】
そして、13個のセグメントのうち、12個のセグメントが、固定受信機向けの放送に用いられ、残りの1セグメントがモバイル受信機向けの放送(いわゆるワンセグ放送)に用いられる。また、これらの13個のセグメントにおいて、同時に放送用のデータが送信される。
【0035】
このようなセグメントの構成を有する現行方式(ISDB-T方式)に対して、周波数帯域幅を増やすことなく、伝送容量を拡大する無線技術として、MIMO方式(偏波MIMO方式)の利用が想定される。すなわち、放送方式の移行期間において、MIMO方式(偏波MIMO方式)を用いることで、水平偏波で、現行放送信号と次世代放送信号を含む放送信号を伝送し、垂直偏波で、次世代放送信号を含む放送信号を伝送することができる。
【0036】
ここで、図2は、MIMO方式の伝送を模式的に表している。図2において、横軸は、周波数を表している。
【0037】
図2では、1つのチャンネルの周波数帯域を示しており、縦方向の破線で示すように、各周波数帯域は、複数のセグメント(例えば、現行方式(ISDB-T方式)の場合には13個のセグメント)から構成される。
【0038】
ここでは、MIMO方式を用いているため、図2のAに示すように、水平偏波によって、現行放送信号と次世代放送信号を含む放送信号、すなわち、現行2K放送及びワンセグ放送、並びに次世代4K放送が伝送される。
【0039】
具体的には、13個のセグメントのうち、中央の1セグメントがワンセグ放送に用いられ、その左右の3セグメントと2セグメントが次世代4K放送に用いられ、さらにその左右の3セグメントと4セグメントが現行2K放送に用いられる。
【0040】
なお、現行2K放送(の現行放送信号)では、2K映像に対応した2Kコンテンツが伝送される。また、次世代4K放送(の次世代放送信号)では、4K映像に対応した4Kコンテンツが伝送される。
【0041】
一方で、図2のBに示すように、垂直偏波によって、次世代放送信号を含む放送信号、すなわち、次世代4K放送が伝送される。
【0042】
具体的には、垂直偏波のセグメントの構成としては、上述の水平偏波に対応して、中央の1セグメントの左右の3セグメントと2セグメントに対応した5セグメントが、次世代4K放送に用いられる。
【0043】
このような水平偏波と垂直偏波からなる放送信号が送信装置10から送信されることで、現行受信装置20Lでは、水平偏波の放送信号が受信され、現行2K放送に対応した2Kコンテンツ等が視聴可能とされる。また、次世代受信装置20Nでは、水平偏波と垂直偏波の放送信号が受信され、次世代4K放送に対応した4Kコンテンツが視聴可能とされる。
【0044】
このように、現行方式(ISDB-T方式)のセグメント構成を拡張して、次世代4K放送の次世代放送信号を追加する方式として、MIMO方式があり、この方式を用いることで、次世代4K放送を現行方式(ISDB-T方式)の仕様で伝送可能となる。そのため、現行受信装置20Lに影響を与えずに、次世代受信装置20Nに向けて、一部のセグメントを利用して、次世代4K放送(の4Kコンテンツ)を伝送することができる。
【0045】
ここで、現行方式としてのISDB-T方式では、伝送制御信号として、TMCC(Transmission Multiplexing Configuration Control)が規定されている。TMCC信号は、各階層の変調方式や誤り訂正符号化率等の伝送パラメータなどの情報を含む。
【0046】
次世代4K放送で用いられるTMCC信号は、現行2K放送で用いられるTMCC信号とは異なるため、MIMO方式を用いる場合に、水平偏波の放送信号に、次世代4K放送(の次世代放送信号)を含めるとき、データキャリアは問題ないが、TMCC信号は、現行2K放送に対応したTMCC信号でないと、現行受信装置20Lに影響を及ぼすことになる。
【0047】
そこで、本技術では、現行方式から次世代方式への移行期間において、MIMO方式を用いる場合に、水平偏波の放送信号では、現行方式の仕様に対応したTMCC信号(以下、現行TMCC信号という)を伝送する一方で、垂直偏波の放送信号では、次世代方式の仕様に対応したTMCC信号(以下、次世代TMCC信号という)を伝送するようにする。
【0048】
これにより、水平偏波の放送信号を受信する現行受信装置20Lでは、水平偏波の放送信号に含まれる現行TMCC信号を受信でき、水平偏波と垂直偏波の放送信号を受信する次世代受信装置20Nでは、垂直偏波の放送信号に含まれる次世代TMCC信号を受信することができる。そのため、水平偏波の放送信号しか受信しない現行受信装置20Lに影響を及ぼすことなく、次世代受信装置20Nに対し、次世代TMCC信号を伝送することが可能となる。
【0049】
以下、移行期間において、MIMO方式を用いて、現行受信装置20Lに影響を与えずに、次世代受信装置20Nのみが、次世代TMCC信号を受信可能にした本技術を、図3乃至図10を参照しながら詳細に説明する。
【0050】
(水平偏波の配置例)
図3は、水平偏波のキャリア配置の例を示している。
【0051】
図3において、水平偏波の放送信号には、現行TMCC信号を含めている(図3のA)。また、この水平偏波のキャリア配置は、現行方式(ISDB-T方式)に準拠している(図3のB)。
【0052】
すなわち、図3のBは、横方向をキャリア番号(周波数軸)とし、縦方向をOFDMシンボル番号(時間軸)としたときの水平偏波のキャリアの構成を示し、縦横方向に配置された「S」又は「SP」である文字が記された各矩形が、変調シンボルを表している。
【0053】
図3のBにおいて、変調シンボルのうち、「S」である文字を記した変調シンボルが、データ伝送に用いるデータシンボルであり、「SP」である文字を記した変調シンボルがパイロットシンボル(パイロット信号)である。パイロットシンボルは、参照信号として用いられる。
【0054】
例えば、パイロットシンボルは、少ないパイロットシンボル数で時間及び周波数方向の分解能を持つために、時間及び周波数方向に離散的に配置されており、この様子から、スキャッタードパイロット(SP:Scattered Pilot)シンボル(SP信号)と呼ばれる。また、データシンボルに記されているSi,jの添字は、周波数方向にi番目で、時間方向にj番目のデータシンボルであることを意味している。
【0055】
また、図3のBにおいて、水平偏波のキャリアとして、TMCC信号を伝送するTMCCキャリアと、AC(Auxiliary Channel)信号を伝送するACキャリアが含まれる。TMCC信号は、伝送パラメータ等を含む伝送制御信号である。AC信号は、放送に関する付加情報が含まれる。
【0056】
ここで、本技術では、水平偏波のキャリア配置が、現行方式(ISDB-T方式)に準拠しており、さらにキャリア配置だけでなく、TMCCキャリアで伝送されるTMCC信号も、現行方式(ISDB-T方式)の仕様に対応した現行TMCC信号とされる。換言すれば、移行期間において、MIMO方式による水平偏波では、現行2K放送やワンセグ放送に対応した放送コンテンツとともに、現行TMCC信号が伝送されることになる。
【0057】
なお、現行受信装置20Lでは、TMCC信号を用いて通信路推定や伝送路品質を測定する場合が想定されるため、水平偏波の放送信号で伝送される現行TMCC信号は、現状と同品質であることが望ましい。
【0058】
(垂直偏波の配置例)
図4は、垂直偏波のキャリア配置の第1の例を示している。
【0059】
図4において、垂直偏波の放送信号には、次世代TMCC信号を含めている(図4のA)。また、この垂直偏波キャリア配置は、例えば、現行方式(ISDB-T方式)に準拠したものとする(図4のB)。
【0060】
すなわち、図4のBは、横方向をキャリア番号とし、縦方向をOFDMシンボルとしたときの垂直偏波のキャリアの構成を示し、図3のBに示した水平偏波のキャリア配置の構成に対応している。
【0061】
なお、ここでは、垂直偏波のキャリア配置(図4のB)が、水平偏波のキャリア配置(図3のB)に対応した場合を一例に説明するが、垂直偏波のキャリア配置は、次世代方式に準拠したものであって、水平偏波のキャリア配置と異なってもよい。
【0062】
ここで、本技術では、垂直偏波のキャリア配置が、次世代方式(ISDB-T方式の次世代方式)に準拠しており、さらにキャリア配置だけでなく、TMCCキャリアで伝送されるTMCC信号も、次世代方式の仕様に対応した次世代TMCC信号とされる。換言すれば、移行期間において、MIMO方式による垂直偏波では、次世代4K放送に対応した放送コンテンツとともに、次世代TMCC信号が伝送されることになる。
【0063】
このように、本技術では、MIMO方式による水平偏波(のTMCCキャリア)によって現行TMCC信号を伝送し、垂直偏波(のTMCCキャリア)によって次世代TMCC信号を伝送することで、水平偏波では、次世代4K放送に対応したセグメント(中央の1セグメントに対する左右の3セグメントと2セグメント)でも、現行2K放送及びワンセグ放送と同一の伝送制御信号(現行TMCC信号)が伝送されることになる。
【0064】
すなわち、TMCC信号は、雑音耐性強化のために、全てのセグメント(例えば、13個の全てのセグメント)で同一の情報を伝送する必要があり、仮に異なる情報を伝送すると、現行受信装置20L側で問題が起きる可能性がある。よって、本技術では、水平偏波(のTMCCキャリア)では、現行TMCC信号のみを伝送し、次世代TMCC信号は、垂直偏波(のTMCCキャリア)を用いて伝送しているのである。
【0065】
図5は、垂直偏波のキャリア配置の第2の例を示している。
【0066】
垂直偏波のキャリアにおいて、TMCCキャリアの位置は、図4のBに示した例に限らず、他のキャリア位置に配置してもよい。例えば、図5のBにおいて、現行TMCC信号に対応したキャリア位置は、NULL(図中の黒塗りの部分)とし、別のキャリア位置をTMCCキャリアとして、次世代TMCC信号を伝送する。
【0067】
すなわち、本技術では、水平偏波(のTMCCキャリア)では、現行TMCC信号のみを伝送し、次世代TMCC信号は、垂直偏波(のTMCCキャリア)を用いて伝送するが、現行受信装置20Lでは、TMCC信号の受信信号を用いて通信路推定等が行われる場合がある。
【0068】
ここで、MIMO方式を用いた場合には、搬送電波の回転やアンテナ信号の信号分離などにより、水平偏波と垂直偏波の干渉が発生する可能性があるが、本技術では、垂直偏波において、水平偏波における現行TMCC信号(を配置したキャリア位置)に対応したキャリア位置を、NULL(図中の黒塗りの部分)として、別のキャリア位置に、次世代TMCC信号を配置する。
【0069】
これにより、現行TMCC信号を伝送する水平偏波のTMCCキャリアの位置と、次世代TMCC信号を伝送する垂直偏波のTMCCキャリアの位置とが異なるため、垂直偏波による水平偏波への干渉を抑えることができる。
【0070】
また、水平偏波と垂直偏波とで、TMCCキャリアの位置を異ならせる場合に、水平偏波における現行方式のSP信号(スキャッタードパイロットシンボル)への影響を考慮して、垂直偏波におけるTMCCキャリアの位置が、水平偏波における現行方式のSP信号のキャリア位置と異なることが望ましい。
【0071】
このように、次世代TMCC信号を伝送する垂直偏波では、キャリア位置や信号フォーマットは、現行方式(ISDB-T方式)と同一である必要はなく、例えば、図5に示したように、水平偏波と垂直偏波とで、TMCCキャリアの位置を異ならせるなど、垂直偏波での次世代TMCC信号の伝送方式としては、様々な伝送方式を用いることができる。
【0072】
例えば、他の伝送方式として、垂直偏波で、次世代TMCC信号に含める情報や、キャリア位置などを、次世代方式の仕様に合わせることで、移行期間と移行後において、次世代受信装置20Nでの制御を共通化することができる。
【0073】
(送信装置の構成)
図6は、図1の送信装置10の構成の例を示すブロック図である。
【0074】
図6において、送信装置10は、FEC符号化変調・インタリーブ部111-1、FEC符号化変調・インタリーブ部111-2、OFDMフレーム構成部112-1、OFDMフレーム構成部112-2、TMCC生成部113-1、TMCC生成部113-2、パイロット生成部114、IFFT部115-1、IFFT部115-2、GI付加部116-1、及びGI付加部116-2から構成される。
【0075】
FEC符号化変調・インタリーブ部111-1は、現行方式の仕様に対応した前方誤り訂正(FEC)やインタリーブに関する処理を行う信号処理部である。FEC符号化変調・インタリーブ部111-1には、伝送データとして2Kコンテンツの信号(2K信号)が入力される。
【0076】
FEC符号化変調・インタリーブ部111-1は、そこに入力される2K信号に対して、例えば、前方誤り訂正符号化変調処理、時間インタリーブ、及び周波数インタリーブ等の処理を施し、その結果得られる2K FEC信号を、OFDMフレーム構成部112-1に供給する。
【0077】
また、FEC符号化変調・インタリーブ部111-2は、次世代方式の仕様に対応した前方誤り訂正(FEC)やインタリーブに関する処理を行う信号処理部である。FEC符号化変調・インタリーブ部111-2には、伝送データとして4Kコンテンツの信号(4K信号)が入力される。
【0078】
FEC符号化変調・インタリーブ部111-2は、そこに入力される4K信号に対して、例えば、前方誤り訂正符号化変調処理、時間インタリーブ、及び周波数インタリーブ等の処理を施し、その結果得られる4K FEC信号を、OFDMフレーム構成部112-1及びOFDMフレーム構成部112-2に供給する。
【0079】
TMCC生成部113-1は、現行方式に対応した伝送制御信号として、現行TMCC信号を生成し、OFDMフレーム構成部112-1に供給する。
【0080】
TMCC生成部113-2は、次世代方式に対応した伝送制御信号として、次世代TMCC信号を生成し、OFDMフレーム構成部112-2に供給する。
【0081】
なお、次世代TMCC信号には、現行TMCC信号と比べて、例えばFECブロックポインタ等の情報が追加されている。FECブロックポインタは、OFDMフレームの先頭に含まれるFECブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタである。
【0082】
パイロット生成部114は、パイロット信号(SP信号)を生成し、OFDMフレーム構成部112-1及びOFDMフレーム構成部112-2に供給する。
【0083】
OFDMフレーム構成部112-1は、現行方式の仕様に対応したOFDMフレームに関する処理を行う送信部(の一部)である。OFDMフレーム構成部112-1には、FEC符号化変調・インタリーブ部111-1からの2K FEC信号、FEC符号化変調・インタリーブ部111-2からの4K FEC信号、TMCC生成部113-1からの現行TMCC信号、及びパイロット生成部114からのパイロット信号が供給される。
【0084】
OFDMフレーム構成部112-1は、2K FEC信号、4K FEC信号、現行TMCC信号、及びパイロット信号に基づいて、現行方式に対応したOFDMフレームを構成し、その結果得られる変調信号を、IFFT部115-1に供給する。
【0085】
IFFT部115-1は、OFDMフレーム構成部112-1から供給される変調信号に対し、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)を施して、周波数領域の信号から時間領域の信号に変換し、その結果得られる時間領域の変調信号を、GI付加部116-1に供給する。
【0086】
GI付加部116-1は、IFFT部115-1から供給される時間領域の変調信号に対し、ガードインターバル(GI:Guard Interval)を付加する。このガードインターバルを付加した時間領域の変調信号は、送信アンテナ121-1を介して、水平偏波の放送信号として送出(送信)される。
【0087】
OFDMフレーム構成部112-2は、次世代方式の仕様に対応したOFDMフレームに関する処理を行う送信部(の一部)である。OFDMフレーム構成部112-2には、FEC符号化変調・インタリーブ部111-2からの4K FEC信号、TMCC生成部113-2からの次世代TMCC信号、及びパイロット生成部114からのパイロット信号が供給される。
【0088】
OFDMフレーム構成部112-2は、4K FEC信号、次世代TMCC信号、及びパイロット信号に基づいて、次世代方式に対応したOFDMフレームを構成し、その結果得られる変調信号を、IFFT部115-2に供給する。
【0089】
IFFT部115-2は、OFDMフレーム構成部112-2から供給される変調信号に対し、IFFTを施して周波数領域の信号から時間領域の信号に変換し、その結果得られる時間領域の変調信号を、GI付加部116-2に供給する。
【0090】
GI付加部116-2は、IFFT部115-2から供給される時間領域の変調信号に対し、ガードインターバル(GI)を付加する。このガードインターバルを付加した時間領域の変調信号は、送信アンテナ121-2を介して、垂直偏波の放送信号として送出(送信)される。
【0091】
以上のように構成される送信装置10では、MIMO方式を用いることで、送信アンテナ121-1を介して送信される水平偏波(図3の水平偏波)の放送信号により2K信号及び4K信号とともに現行TMCC信号が伝送され、送信アンテナ121-2を介して送信される垂直偏波(図4又は図5の垂直偏波)の放送信号により4K信号とともに次世代TMCC信号が伝送される。
【0092】
なお、図6に示した送信装置10においては、OFDMフレーム構成部112-1、IFFT部115-1、及びGI付加部116-1によって、送信アンテナ121-1を介して水平偏波の放送信号が送信され、OFDMフレーム構成部112-2、IFFT部115-2、及びGI付加部116-2によって、送信アンテナ121-2を介して垂直偏波の放送信号が送信される。そのため、図6に示した送信装置10では、OFDMフレーム構成部112-1、112-2、IFFT部115-1、115-2、及びGI付加部116-1、116-2によって、送信部が構成されるとも言える。
【0093】
また、ここでは、説明の簡略化のため、現行方式(ISDB-T方式)の放送サービスとして、現行2K放送についてのみ説明したが、実際には、ワンセグ放送も含まれる。すなわち、現行方式(ISDB-T方式)では、13個のセグメントのうち、12個のセグメントが、固定受信機向けの放送(現行2K放送)に用いられ、残りの1セグメントがモバイル受信機向けの放送(ワンセグ放送)に用いられる。
【0094】
(送信処理の流れ)
ここで、図7のフローチャートを参照して、図6の送信装置10により実行される送信処理の流れを説明する。
【0095】
ステップS101において、FEC符号化変調・インタリーブ部111-1は、そこに入力される2K信号に対し、前方誤り訂正符号化変調処理、時間インタリーブ、及び周波数インタリーブ等の処理を行う。
【0096】
ステップS102において、FEC符号化変調・インタリーブ部111-2は、そこに入力される4K信号に対し、前方誤り訂正符号化変調処理、時間インタリーブ、及び周波数インタリーブ等の処理を行う。
【0097】
ステップS103において、TMCC生成部113-1は、現行TMCC信号を生成する。また、ステップS104において、TMCC生成部113-2は、次世代TMCC信号を生成する。なお、このとき、パイロット生成部114によって、パイロット信号(SP信号)が生成される。
【0098】
ステップS105において、OFDMフレーム構成部112-1は、2K FEC信号、4K FEC信号、現行TMCC信号、及びパイロット信号に基づいて、現行方式に対応したOFDMフレームを構成(生成)する。
【0099】
ステップS106において、OFDMフレーム構成部112-2は、4K FEC信号、次世代TMCC信号、及びパイロット信号に基づいて、次世代方式に対応したOFDMフレームを構成(生成)する。
【0100】
このようにして生成されたOFDMフレームの変調信号に対しては、IFFTやガードインターバルが付加される。そして、2K信号及び4K信号とともに現行TMCC信号を含む放送信号が、送信アンテナ121-1を介して水平偏波として送出され(S107)、4K信号とともに次世代TMCC信号を含む放送信号が、送信アンテナ121-2を介して垂直偏波として送出される(S108)。
【0101】
ステップS107,S108の処理が終了すると、図7に示した送信処理は終了される。
【0102】
以上、送信処理の流れを説明した。
【0103】
(受信装置の構成)
図8は、図1の受信装置20の構成の例を示すブロック図である。
【0104】
図8において、受信装置20は、OFDM復調部211-1、OFDM復調部211-2、TMCC復調復号部212-1、TMCC復調復号部212-2、デインタリーブ・FEC復調復号部213-1、及びMIMO等化・デインタリーブ・FEC復調復号部213-2から構成される。
【0105】
なお、図8においては、現行方式と次世代方式の両方式に対応した受信装置20の構成を示しているが、現行受信装置20Lは、OFDM復調部211-1、TMCC復調復号部212-1、及びデインタリーブ・FEC復調復号部213-1を少なくとも含んで構成される。また、次世代受信装置20Nは、OFDM復調部211-1、OFDM復調部211-2、TMCC復調復号部212-2、及びMIMO等化・デインタリーブ・FEC復調復号部213-2を少なくとも含んで構成される。
【0106】
OFDM復調部211-1は、現行方式の仕様に対応したOFDMフレームに関する処理を行う受信部(の一部)である。OFDM復調部211-1は、受信アンテナ221-1を介して受信される水平偏波の放送信号に対してOFDM復調処理を施し、その結果得られる復調信号を、TMCC復調復号部212-1、デインタリーブ・FEC復調復号部213-1、及びMIMO等化・デインタリーブ・FEC復調復号部213-2に供給する。
【0107】
なお、OFDM復調部211-1によるOFDM復調処理としては、例えば、ガードインターバル(GI)を除去する処理や、時間領域の信号を周波数領域の信号に変換する高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)、OFDMフレームを復調する処理などを含む。
【0108】
TMCC復調復号部212-1は、OFDM復調部211-1から供給される復調信号に対してTMCC復調復号処理を施し、その結果得られる現行TMCC信号を、デインタリーブ・FEC復調復号部213-1に供給する。
【0109】
デインタリーブ・FEC復調復号部213-1は、現行方式の仕様に対応した前方誤り訂正(FEC)やデインタリーブに関する処理を行う信号処理部である。
【0110】
デインタリーブ・FEC復調復号部213-1は、TMCC復調復号部212-1から供給される現行TMCC信号に基づき、OFDM復調部211-1から供給される復調信号(2K FEC信号)に対して、例えば、周波数デインタリーブ、時間デインタリーブ、及び前方誤り訂正復調復号処理等の処理を施し、その結果得られる2K信号を、後段の回路(例えばデコーダ等)に出力する。
【0111】
OFDM復調部211-2は、次世代方式に対応したOFDMフレームに関する処理を行う受信部(の一部)である。OFDM復調部211-2は、受信アンテナ221-2を介して受信される垂直偏波の放送信号に対してOFDM復調処理を施し、その結果得られる復調信号を、TMCC復調復号部212-2、及びMIMO等化・デインタリーブ・FEC復調復号部213-2に供給する。
【0112】
なお、OFDM復調部211-2によるOFDM復調処理としては、例えば、ガードインターバル(GI)を除去する処理や、時間領域の信号を周波数領域の信号に変換する高速フーリエ変換(FFT)、OFDMフレームを復調する処理などを含む。
【0113】
MIMO等化・デインタリーブ・FEC復調復号部213-2は、水平偏波の受信信号と垂直偏波の受信信号とのMIMO等化を行い、次世代方式の仕様に対応した前方誤り訂正(FEC)やデインタリーブに関する処理を行う信号処理部である。
【0114】
MIMO等化・デインタリーブ・FEC復調復号部213-2は、TMCC復調復号部212-2から供給される次世代TMCC信号に基づき、OFDM復調部211-1及びOFDM復調部211-2からそれぞれ供給される復調信号(4K FEC信号)に対して、例えば、ゼロフォーシング(ZF:Zero Forcing)法によるMIMO等化、周波数デインタリーブ、時間デインタリーブ、及び前方誤り訂正復調復号処理等の処理を施し、その結果得られる4K信号を、後段の回路に出力する。
【0115】
以上のように構成される受信装置20のうち、現行受信装置20Lでは、MIMO方式による水平偏波(図3の水平偏波)の放送信号が受信アンテナ221-1を介して受信され、水平偏波の放送信号から得られる現行TMCC信号に基づき、水平偏波の放送信号から得られる2K信号が処理され、2Kコンテンツが視聴可能とされる。
【0116】
また、次世代受信装置20Nでは、MIMO方式による水平偏波(図3の水平偏波)及び垂直偏波(図4又は図5の垂直偏波)の放送信号が、受信アンテナ221-1及び受信アンテナ221-2を介してそれぞれ受信され、垂直偏波の放送信号から得られる次世代TMCC信号に基づき、水平偏波及び垂直偏波の放送信号から得られる4K信号が処理され、4Kコンテンツが視聴可能とされる。
【0117】
なお、図8に示した受信装置20においては、OFDM復調部211-1によって、受信アンテナ221-1を介して水平偏波の放送信号が受信され、OFDM復調部211-2によって、受信アンテナ221-2を介して垂直偏波の放送信号が受信される。そのため、図8に示した受信装置20では、OFDM復調部211-1及びOFDM復調部211-2によって、受信部が構成されるとも言える。
【0118】
また、ここでも、説明の簡略化のため、現行方式(ISDB-T方式)の放送サービスとして、ワンセグ放送を含めずに、現行2K放送についてのみ説明した。
【0119】
(現行方式に対応した受信処理の流れ)
ここで、図9のフローチャートを参照して、図8の現行受信装置20Lにより実行される受信処理の流れを説明する。
【0120】
ステップS201において、OFDM復調部211-1は、受信アンテナ221-1を介して受信される水平偏波の放送信号に対し、OFDM復調処理を行う。
【0121】
ステップS202において、TMCC復調復号部212-1は、水平偏波の復調信号に対し、TMCC復調復号処理を行う。このTMCC復調復号処理により、水平偏波の放送信号で伝送される現行TMCC信号が得られる。
【0122】
ステップS203において、デインタリーブ・FEC復調復号部213-1は、水平偏波の放送信号から得られる現行TMCC信号に基づき、水平偏波の復調信号のうち現行放送信号に対し、周波数デインタリーブ、時間デインタリーブ、及び前方誤り訂正復調復号処理等の処理を行う。これらの処理が行われることで、水平偏波の放送信号で伝送される2K信号が得られる。
【0123】
そして、現行受信装置20Lでは、水平偏波の放送信号から得られた2K信号に対して、デコードやレンダリング等の処理が行われることで、2K信号に応じた映像がディスプレイに表示され、その映像に同期した音声がスピーカから出力される。これにより、ユーザは、2Kコンテンツを視聴できる。
【0124】
ステップS203の処理が終了すると、図9に示した受信処理は終了される。
【0125】
(次世代方式に対応した受信処理の流れ)
次に、図10のフローチャートを参照して、図8の次世代受信装置20Nにより実行される受信処理の流れを説明する。
【0126】
ステップS231において、OFDM復調部211-1は、受信アンテナ221-1を介して受信される水平偏波の放送信号に対し、OFDM復調処理を行う。また、ステップS232において、OFDM復調部211-2は、受信アンテナ221-2を介して受信される垂直偏波の放送信号に対し、OFDM復調処理を行う。
【0127】
ステップS233において、TMCC復調復号部212-1は、水平偏波の復調信号に対し、TMCC復調復号処理を行う。このTMCC復調復号処理により、水平偏波の放送信号で伝送される現行TMCC信号を得るとともに、垂直偏波の復調信号(OFDM復調信号)との同期をとることができる。
【0128】
また、ステップS234において、TMCC復調復号部212-2は、垂直偏波の復調信号に対し、TMCC復調復号処理を行う。このTMCC復調復号処理により、垂直偏波の放送信号で伝送される次世代TMCC信号が得られる。
【0129】
ステップS235において、MIMO等化・デインタリーブ・FEC復調復号部213-2は、垂直偏波の放送信号から得られる次世代TMCC信号に基づき、水平偏波及び垂直偏波の復調信号のうち次世代放送信号に対し、MIMO等化、周波数デインタリーブ、時間デインタリーブ、及び前方誤り訂正復調復号処理等の処理を行う。これらの処理が行われることで、水平偏波及び垂直偏波の放送信号で伝送される4K信号が得られる。
【0130】
そして、次世代受信装置20Nでは、水平偏波及び垂直偏波の放送信号から得られた4K信号に対して、デコードやレンダリング等の処理が行われることで、4K信号に応じた映像がディスプレイに表示され、その映像に同期した音声がスピーカから出力される。これにより、ユーザは、4Kコンテンツを視聴できる。
【0131】
ステップS234の処理が終了すると、図10に示した受信処理は終了される。
【0132】
以上、現行方式と次世代方式に対応した受信処理の流れを説明した。
【0133】
<2.変形例>
【0134】
(他の放送方式の例)
上述した説明としては、地上デジタルテレビジョン放送の放送方式として、ISDB-T方式を説明したが、本技術は、他の放送方式に適用してもよい。また、地上波(地上波放送)に限らず、例えば、例えば、放送衛星(BS:Broadcasting Satellite)や通信衛星(CS:Communications Satellite)を利用した衛星放送、あるいは、ケーブルを用いた有線放送(CATV:Common Antenna TeleVision)などの放送方式に適用してもよい。
【0135】
(受信装置の他の構成)
また、上述した説明では、受信装置20(図1)は、テレビ受像機やセットトップボックス(STB)などの固定受信機として構成されるとして説明したが、固定受信機には、例えば、録画機、ゲーム機、パーソナルコンピュータ、ネットワークストレージなどの電子機器を含めてもよい。さらに、受信装置20(図1)としては、固定受信機に限らず、例えば、スマートフォンや携帯電話機、タブレット型コンピュータ等のモバイル受信機、車載テレビ等の車両に搭載される車載機器、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)等のウェアラブルコンピュータなどの電子機器を含めてもよい。
【0136】
さらに、図6に示した構成を有する送信装置10を、変調装置又は変調部(例えば変調回路)などとして捉えてもよい。同様に、図8に示した構成を有する受信装置20を、復調装置又は復調部(例えば復調回路や復調IC)などとして捉えてもよい。
【0137】
(通信回線を含む構成)
また、伝送システム1(図1)においては、図示していないが、インターネット等の通信回線に対し、各種のサーバが接続されるようにして、通信機能を有する受信装置20(図1)が、インターネット等の通信回線を介して、各種のサーバにアクセスして双方向の通信を行うことで、コンテンツやアプリケーション等の各種のデータを受信できるようにしてもよい。
【0138】
(その他)
なお、本開示において用いられる用語は、一例であって、他の用語が用いられるのを意図的に排除するものではない。例えば、上述した説明において、フレームは、例えば、パケットなどの他の用語で置き換えられる場合がある。
【0139】
また、本開示において、「2K映像」とは、概ね1920×1080ピクセル前後の画面解像度に対応した映像であり、「4K映像」とは、概ね3840×2160ピクセル前後の画面解像度に対応した映像である。また、上述した説明では、放送コンテンツとして、現行2K放送(現行方式)で伝送される2K映像の2Kコンテンツと、次世代4K放送(次世代方式)で伝送される4K映像の4Kコンテンツを説明したが、次世代方式で伝送される放送コンテンツとしては、8K映像等のさらに高画質のコンテンツであってもよい。ただし、「8K映像」とは、概ね7680×4320ピクセル前後の画面解像度に対応した映像である。
【0140】
<3.コンピュータの構成>
【0141】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。図11は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示す図である。
【0142】
コンピュータ1000において、CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003は、バス1004により相互に接続されている。バス1004には、さらに、入出力インターフェース1005が接続されている。入出力インターフェース1005には、入力部1006、出力部1007、記録部1008、通信部1009、及び、ドライブ1010が接続されている。
【0143】
入力部1006は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部1007は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部1008は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部1009は、ネットワークインターフェースなどよりなる。ドライブ1010は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体1011を駆動する。
【0144】
以上のように構成されるコンピュータ1000では、CPU1001が、ROM1002や記録部1008に記録されているプログラムを、入出力インターフェース1005及びバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0145】
コンピュータ1000(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブル記録媒体1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0146】
コンピュータ1000では、プログラムは、リムーバブル記録媒体1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インターフェース1005を介して、記録部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線又は無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記録部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記録部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0147】
ここで、本開示において、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に行われる必要はない。すなわち、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含む。また、プログラムは、1のコンピュータ(プロセッサ)により処理されてもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されてもよい。
【0148】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0149】
また、本技術は、以下のような構成をとることができる。
【0150】
(1)
第1の方式に対応した第1のコンテンツの信号及び第2の方式に対応した第2のコンテンツの信号を含む第1の放送信号に、前記第1の方式に対応した第1の伝送制御信号を含めて第1の送信アンテナを介して送信するとともに、
前記第2のコンテンツの信号を含む第2の放送信号に、前記第2の方式に対応した第2の伝送制御信号を含めて第2の送信アンテナを介して送信する
送信部を備える
送信装置。
(2)
前記送信部は、前記第1の送信アンテナ及び前記第2の送信アンテナを用いたMIMO方式に対応しており、
前記第1の放送信号は、水平偏波として送信され、
前記第2の放送信号は、垂直偏波として送信される
前記(1)に記載の送信装置。
(3)
前記第1の放送信号及び前記第2の放送信号は、OFDM変調が施されており、
前記水平偏波における前記第1の伝送制御信号を伝送するキャリアの位置と、前記垂直偏波における前記第2の伝送制御信号を伝送するキャリアの位置とは対応している
前記(2)に記載の送信装置。
(4)
前記第1の放送信号及び前記第2の放送信号は、OFDM変調が施されており、
前記水平偏波における前記第1の伝送制御信号を伝送するキャリアの位置と、前記垂直偏波における前記第2の伝送制御信号を伝送するキャリアの位置とは異なっている
前記(2)に記載の送信装置。
(5)
前記垂直偏波において、
前記水平偏波における前記第1の伝送制御信号を伝送するキャリアの位置に対応する対応位置のキャリアで、NULLが伝送され、
前記対応位置を除いた位置のキャリアで、前記第2の伝送制御信号を伝送する
前記(4)に記載の送信装置。
(6)
前記対応位置は、前記水平偏波におけるパイロット信号を伝送するキャリアの位置に対応する位置をさらに含む
前記(5)に記載の送信装置。
(7)
前記水平偏波は、前記第2のコンテンツの信号の一部を含み、
前記垂直偏波は、前記第2のコンテンツの信号の残りの一部を含む
前記(2)乃至(6)のいずれかに記載の送信装置。
(8)
前記第2の方式は、前記第1の方式の次世代方式を含み、
前記送信部は、前記第1の方式と前記第2の方式との移行期間に、前記第1の放送信号に前記第1の伝送制御信号を含めて前記第1の送信アンテナを介して送信するとともに、前記第2の放送信号に前記第2の伝送制御信号を含めて前記第2の送信アンテナを介して送信する
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の送信装置。
(9)
前記第1の方式は、ISDB-T方式を含み、
前記第2の方式は、前記ISDB-T方式の次世代方式を含む
前記(8)に記載の送信装置。
(10)
送信装置が、
第1の方式に対応した第1のコンテンツの信号及び第2の方式に対応した第2のコンテンツの信号を含む第1の放送信号に、前記第1の方式に対応した第1の伝送制御信号を含めて第1の送信アンテナを介して送信するとともに、
前記第2のコンテンツの信号を含む第2の放送信号に、前記第2の方式に対応した第2の伝送制御信号を含めて第2の送信アンテナを介して送信する
送信方法。
(11)
第1の方式に対応した第1のコンテンツの信号及び第2の方式に対応した第2のコンテンツの信号を含む第1の放送信号に、前記第1の方式に対応した第1の伝送制御信号を含めて第1の送信アンテナを介して送信するとともに、前記第2のコンテンツの信号を含む第2の放送信号に、前記第2の方式に対応した第2の伝送制御信号を含めて第2の送信アンテナを介して送信する送信部を備える送信装置
から送信されてくる前記第1の放送信号を第1の受信アンテナを介して受信する受信部を備える
受信装置。
(12)
受信した前記第1の放送信号に含まれる前記第1の伝送制御信号に基づいて、受信した前記第1の放送信号に含まれる前記第1のコンテンツの信号に対する復調及び復号を含む処理を行う第1の信号処理部をさらに備える
前記(11)に記載の受信装置。
(13)
前記受信部は、前記第1の放送信号を前記第1の受信アンテナを介して受信するとともに、前記第2の放送信号を第2の受信アンテナを介して受信し、
受信した前記第2の放送信号に含まれる前記第2の伝送制御信号に基づいて、受信した前記第1の放送信号及び前記第2の放送信号に含まれる前記第2のコンテンツの信号に対する復調及び復号を含む処理を行う第2の信号処理部をさらに備える
前記(11)に記載の受信装置。
(14)
前記第1の放送信号は、MIMO方式における水平偏波として送信され、
前記第2の放送信号は、MIMO方式における垂直偏波として送信される
前記(11)乃至(13)のいずれかに記載の受信装置。
(15)
前記第1の放送信号及び前記第2の放送信号は、OFDM変調が施されており、
前記水平偏波における前記第1の伝送制御信号を伝送するキャリアの位置と、前記垂直偏波における前記第2の伝送制御信号を伝送するキャリアの位置とは対応している
前記(14)に記載の受信装置。
(16)
前記第1の放送信号及び前記第2の放送信号は、OFDM変調が施されており、
前記水平偏波における前記第1の伝送制御信号を伝送するキャリアの位置と、前記垂直偏波における前記第2の伝送制御信号を伝送するキャリアの位置とは異なっている
前記(14)に記載の受信装置。
(17)
前記垂直偏波において、
前記水平偏波における前記第1の伝送制御信号を伝送するキャリアの位置に対応する対応位置のキャリアで、NULLが伝送され、
前記対応位置を除いた位置のキャリアで、前記第2の伝送制御信号を伝送する
前記(16)に記載の受信装置。
(18)
前記対応位置は、前記水平偏波におけるパイロット信号を伝送するキャリアの位置に対応する位置をさらに含む
前記(17)に記載の受信装置。
(19)
第1の方式に対応した第1のコンテンツの信号及び第2の方式に対応した第2のコンテンツの信号を含む第1の放送信号に、前記第1の方式に対応した第1の伝送制御信号を含めて第1の送信アンテナを介して送信するとともに、前記第2のコンテンツの信号を含む第2の放送信号に、前記第2の方式に対応した第2の伝送制御信号を含めて第2の送信アンテナを介して送信する送信部を備える送信装置から送信されてくる放送信号を受信可能な受信装置が、
前記送信装置から送信されてくる前記第1の放送信号を第1の受信アンテナを介して受信し、
受信した前記第1の放送信号に含まれる前記第1の伝送制御信号に基づいて、受信した前記第1の放送信号に含まれる前記第1のコンテンツの信号に対する復調及び復号を含む処理を行う
受信方法。
(20)
第1の方式に対応した第1のコンテンツの信号及び第2の方式に対応した第2のコンテンツの信号を含む第1の放送信号に、前記第1の方式に対応した第1の伝送制御信号を含めて第1の送信アンテナを介して送信するとともに、前記第2のコンテンツの信号を含む第2の放送信号に、前記第2の方式に対応した第2の伝送制御信号を含めて第2の送信アンテナを介して送信する送信部を備える送信装置から送信されてくる放送信号を受信可能な受信装置が、
前記送信装置から送信されてくる前記第1の放送信号を第1の受信アンテナを介して受信するとともに、前記第2の放送信号を第2の受信アンテナを介して受信し、
受信した前記第2の放送信号に含まれる前記第2の伝送制御信号に基づいて、受信した前記第1の放送信号及び前記第2の放送信号に含まれる前記第2のコンテンツの信号に対する復調及び復号を含む処理を行う
受信方法。
【符号の説明】
【0151】
1 伝送システム, 10 送信装置, 11,11-1乃至11-N データ処理装置, 20,20-1乃至20-M 受信装置, 20L 現行受信装置, 20N 次世代受信装置, 111-1,111-2 FEC符号化変調・インタリーブ部, 112-1,112-2 OFDMフレーム構成部, 113-1,113-2 TMCC生成部, 114 パイロット生成部, 115-1,115-2 IFFT部, 116-1,116-2 GI付加部, 121-1,121-2 送信アンテナ, 211-1,211-2 OFDM復調部, 212-1,212-2 TMCC復調復号部, 213-1 デインタリーブ・FEC復調復号部, 213-2 MIMO等化・デインタリーブ・FEC復調復号部, 221-1,221-2 受信アンテナ, 1000 コンピュータ, 1001 CPU
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11