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  • 特許-画像形成装置 図1
  • 特許-画像形成装置 図2
  • 特許-画像形成装置 図3A
  • 特許-画像形成装置 図3B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240730BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240730BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G03G21/00 370
B41J29/38 201
B41J29/38 202
G03G15/00 470
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023540307
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(86)【国際出願番号】 JP2022029233
(87)【国際公開番号】W WO2023013530
(87)【国際公開日】2023-02-09
【審査請求日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】P 2021129914
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹花 広輝
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-088232(JP,A)
【文献】特開2003-195585(JP,A)
【文献】特開2012-236345(JP,A)
【文献】特開2020-013025(JP,A)
【文献】特開2002-265135(JP,A)
【文献】特開2014-074763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
B41J 29/38
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されてくる前記記録媒体に、前記記録媒体についての印刷ジョブに従って画像を形成する画像形成部と、
予め定められた条件に従って前記記録媒体の搬送速度を決定し、決定された前記記録媒体の搬送速度で前記記録媒体を前記搬送部に搬送させる制御部と、
ユーザーの指示を受付ける入力部とを備え、
前記制御部は、
前記記録媒体を前記搬送部に搬送させた後、次に予め定められた挿入媒体を前記搬送部に搬送させる場合、決定された前記記録媒体の搬送速度と同じ速度で、前記挿入媒体を前記搬送部に搬送させ
前記記録媒体の搬送速度を決定する前に前記挿入媒体を前記搬送部に搬送させる場合であって、前記入力部を介して、前記記録媒体の搬送速度の変更を要する予め定められたモードを設定するための第1指示を受付けている場合は、前記第1指示が示す前記モードに応じた速度で、前記挿入媒体を前記搬送部に搬送させ、
前記予め定められたモードとして、前記記録媒体の搬送速度の半分の速度を示すモードを設定するための前記第1指示を受付けている場合は、前記記録媒体の搬送速度の半分の速度で、前記挿入媒体を前記搬送部に搬送させる、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、合紙の搬送速度を設定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷ジョブにおいて、予め定められた枚数の記録紙ごとに挿入される合紙の搬送速度を設定するための技術が知られている。例えば、特許文献1は、合紙を挿入する際、予め定められた経過時間が閾値に達する前に次の記録紙の印刷ジョブの出力パラメータが得られた場合には、合紙の搬送速度を記録紙の搬送速度と同じ速度に設定し、次の印刷ジョブの出力パラメータが得られる前に経過時間が閾値に達した場合には、合紙の搬送速度を最大搬送速度に設定する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-74763号公報
【発明の概要】
【0004】
特許文献1に開示されている技術では、記録紙の搬送後に合紙を搬送する際に、搬送速度を切替えるための制御を行なう必要が生じる場合があり、印刷の生産性が低下するおそれがある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、搬送速度を切替えるための制御の回数を減らすことで、印刷の生産性の低下を防ぐことを目的とする。
【0006】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、記録媒体を搬送する搬送部と、搬送部によって搬送されてくる記録媒体に、記録媒体についての印刷ジョブに従って画像を形成する画像形成部と、予め定められた条件に従って記録媒体の搬送速度を決定し、決定された記録媒体の搬送速度で記録媒体を搬送部に搬送させる制御部と、を備える。制御部は、記録媒体を搬送部に搬送させた後、次に予め定められた挿入媒体を搬送部に搬送させる場合、決定された記録媒体の搬送速度と同じ速度で、挿入媒体を搬送部に搬送させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、挿入媒体の搬送速度を、前に搬送された記録媒体の搬送速度と同じ速度に設定するので、記録媒体の搬送後に挿入媒体を搬送する際に、搬送速度を切替えるための制御を行なう必要がなくなる。したがって、搬送速度を切替えるための制御の回数を減らすことができ、その結果、印刷の生産性の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
図2】画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
図3A】搬送速度設定処理を示すフローチャートである。
図3B】搬送速度設定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。図2は、画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【0010】
図1及び図2を参照して、画像形成装置1は、コピー機能、送信機能、プリンター機能、及びファクシミリ機能等の複数の機能を備える複合機である。画像形成装置1の筐体には、画像形成装置1の様々な機能を実現するための複数の機器が収容されている。例えば、筐体には、画像読取部11、画像形成部12、定着部13、及び給紙部14等が収容されている。
【0011】
画像形成装置1は、制御ユニット100を含む。制御ユニット100は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を含む。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。RAMは、特許請求の範囲における記憶部の一例である。
【0012】
制御ユニット100は、ROM又はHDD18に記憶されている制御プログラムが上記プロセッサーによって実行されることにより、制御部10として機能する。なお、制御部10は、上記制御プログラムに基づく動作によらず、ロジック回路により構成されていてもよい。制御部10は、画像形成装置1の全体制御を司る。より詳細には、制御部10は、画像形成装置1の各部の動作、及び、ネットワークを介して接続されているPC(Personal Computer)23等との通信を制御する。
【0013】
制御部10はまた、後述する設定プログラムにしたがって動作することによって、予め定められた条件に従って記録紙P1の搬送速度S1を決定し、決定された記録紙P1の搬送速度S1で記録紙P1を搬送部17に搬送させるとともに、記録紙P1を搬送部17に搬送させた後、次に合紙P2を搬送部17に搬送させる場合に、決定された記録紙P1の搬送速度S1と同じ速度で、合紙P2を搬送部17に搬送させる搬送速度設定処理を実行する。
【0014】
制御ユニット100は、原稿搬送部6、画像読取部11、画像形成部12、定着部13、給紙部14、表示部15、操作部16、搬送部17、HDD18、画像処理部19、画像メモリー20、ファクシミリ通信部21、及び通信部22等と電気的に接続されている。
【0015】
画像読取部11は、原稿台に載置されている原稿を搬送する原稿搬送部6と、原稿搬送部6によって搬送されてくる原稿又はプラテンガラス7に載置されている原稿を光学的に読み取るスキャナーと、を含むADF(Auto Document Feeder)である。画像読取部11は、光照射部により原稿を照射し、その反射光をCCD(Charge-Coupled Device)センサーで受光することによって、原稿の画像を読取って、原稿画像を示す画像データを生成する。
【0016】
画像形成部12は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、及び転写装置を含む。画像形成部12は、画像読取部11によって生成された画像データ、又は、通信部22を介して入力された画像データ等に基づいて、搬送部17によって搬送路Tに沿って搬送されてくる記録紙P1に、記録紙P1についての印刷ジョブに従って、トナー像によって構成されている画像を形成する。
【0017】
定着部13は、画像形成部12によってトナー像が形成された記録紙P1を加熱及び加圧することによってトナー像を記録紙P1に定着させる。定着部13によってトナー像が定着された記録紙P1は、排出トレイ8に排出される。
【0018】
給紙部14は、手差しトレイ、給紙カセット14A、給紙カセット14B、及び給紙カセット14Cを備える。給紙部14は、給紙カセット14A乃至14C及び手差しトレイのそれぞれに収容されている記録紙P1又は合紙P2をピックアップローラーによって一枚ずつ引出して搬送路Tに給紙することで、記録紙P1又は合紙P2を搬送路Tに供給する。
【0019】
図1に示すように、本実施形態では、給紙カセット14Aは、画像形成の対象となる記録紙P1を収容しているものとする。給紙カセット14Bは、合紙P2を収容しているものとする。合紙P2は、特許請求の範囲における挿入媒体の一例である。
【0020】
表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイ等によって構成される表示装置である。表示部15は、制御部10の制御にしたがって、画像形成装置1によって実行可能な各機能についての各種の画面を表示する。
【0021】
操作部16は、各処理の実行開始を指示するためのスタートキー16A等の複数のハードキーを含む。操作部16はまた、表示部15に重ねて配置されているタッチパネル16Bを含む。ユーザーは、操作部16を介して、画像形成装置1によって実行可能な各機能についての指示等の各種の情報を入力する。操作部16は、特許請求の範囲における入力部の一例である。
【0022】
搬送部17は、搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等と、搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等と接続されている搬送モーターとを含む。制御部10は、搬送モーターを駆動させて搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等を回転させることによって、給紙部14によって給紙された記録紙P1又は合紙P2を搬送路Tに沿って搬送させる。
【0023】
HDD18は、画像読取部11によって生成された画像データ等の各種データを記憶するための大容量の記憶装置である。HDD18は、画像形成装置1の一般的な動作を実現するための各種制御プログラムを記憶する。HDD18は、各種制御プログラムの1つとして、本発明の一実施形態に係る搬送速度設定処理を実行するための設定プログラムを記憶する。
【0024】
HDD18は、記録紙P1及び合紙P2の紙種に対応する搬送速度の値を示す紙種情報を予め記憶している。ここでは、HDD18は、「普通紙」に対応付けて「100」mm/secという値を記憶し、「厚紙」に対応付けて「70」mm/secという値を記憶しているものとする。
【0025】
画像処理部19は、画像読取部11によって生成された画像データに対して、必要に応じて画像処理を実行する。画像メモリー20は、画像読取部11によって生成された画像データを一時的に記憶する領域を含む。ファクシミリ通信部21は、公衆回線への接続を行ない、公衆回線を介して画像データの送受信を行なう。
【0026】
通信部22は、LAN(Local Area Network)ボード等の通信モジュールを含む。画像形成装置1は、通信部22を介して、ネットワークを介して接続されているPC23等とデータ通信を行なう。
【0027】
画像形成装置1の各部には電源が接続されており、当該電源から電力が供給されることによって、画像形成装置1の各部が動作する。
【0028】
[画像形成装置1の動作]
図3A及び図3Bは、搬送速度設定処理を示すフローチャートである。以下、図3A及び図3B等を参照して、搬送速度設定処理の実行時における画像形成装置1の動作について説明する。以下の説明において、画像形成装置1は、電源が投入されている状態であるものとする。
【0029】
(1)記録紙P1の搬送後に合紙P2を搬送させる場合
ユーザーは、タッチパネル16Bを用いてコピー機能を選択するための指示を入力するとともに、原稿搬送部6の原稿台に10枚の原稿を載置したものする。ユーザーはさらに、タッチパネル16Bを用いて、印刷ジョブとして、「1」部という印刷部数と、「普通紙」という記録紙P1の紙種と、2枚の記録紙P1ごとに合紙P2を挿入するための指示と、「厚紙」という合紙P2の紙種とを少なくとも示す印刷情報を入力して、スタートキー16Aを押下したものとする。
【0030】
制御部10は、スタートキー16Aの押下を検出すると、画像読取部11に対し、原稿搬送部6によって1枚ずつ順に搬送されてくる原稿を読取らせて10頁の原稿画像を示す画像データを生成させるとともに、図3A及び図3Bに示す搬送速度設定処理の実行を開始する。搬送速度設定処理を開始すると、制御部10はまず、搬送部17による現在の搬送速度Sを「0」mm/secに設定する(ステップS10)。
【0031】
ステップS10の処理後、制御部10は、搬送対象が合紙P2であるか否かを判定する(ステップS11)。ここで、制御部10は、2枚の記録紙P1ごとに合紙P2を挿入するための指示を受付けているので、最初の、すなわち第1回目の給紙対象の給紙カセットとして、記録紙P1を収容している給紙カセット14Aを設定する。したがって、制御部10は、搬送対象は合紙P2ではないと判定し(ステップS11にてNO)、予め定められた条件に従って、記録紙P1の搬送速度S1を決定し、搬送部17による現在の搬送速度Sを、決定された搬送速度S1に設定する(ステップS12)。
【0032】
ここで、制御部10は、操作部16を介して、記録紙P1の搬送速度の変更を要する予め定められたモードを設定するための第1指示を予め受付けていない場合、記録紙P1についての印刷ジョブが示す印刷情報に従って、記録紙P1の搬送速度S1を決定する。
【0033】
印刷情報に従った記録紙P1の搬送速度S1の決定方法としては、一般的な方法であれば特に限定されないが、ここでは、制御部10は、紙種を示す印刷情報に従って記録紙P1の搬送速度S1を決定する。この場合、制御部10は、操作部16を介して第1指示を受付けていないため、HDD18に記憶されている紙種情報を用いて、記録紙P1の搬送速度S1を、「普通紙」に対応する「100」mm/secに決定する。
【0034】
なお、制御部10は、操作部16を介して第1指示を予め受付けている場合、記録紙P1の搬送速度S1を、第1指示が示すモードに応じた速度に決定する。上記した予め定められたモードとしては、特に限定されないが、ここでは、搬送速度Sを半速に設定するための半速モード、長尺紙を搬送する場合に搬送速度Sを半速に設定するためのバナーモード、機内温度が高くなった場合に冷却を目的として搬送速度Sを半速に設定するためのクーリングモード、静かな画像形成を目的として搬送速度Sを半速に設定するための静音モード、及び、画像の光沢感を向上させることを目的として搬送速度Sを半速に設定するためのグロスモードのうちのいずれかであるものとする。なお、半速とは、記録紙P1についての印刷ジョブが示す印刷情報に従って決定される記録紙P1の搬送速度S1の半分の速度を示す。
【0035】
ステップS12の処理後、制御部10は、設定された搬送速度S、すなわち記録紙P1の搬送速度S1で記録紙P1を搬送部17に搬送させる(ステップS13)。具体的には、制御部10は、給紙部14に対し、記録紙P1を給紙カセット14Aからピックアップローラーによって引出させて、搬送路Tに給紙させる。制御部10は、搬送部17に対し、設定された搬送速度S(この場合、「100」mm/sec)で、給紙された記録紙P1を搬送路Tに沿って搬送させる。
【0036】
ステップS13の処理後、制御部10は、画像形成部12等に対し、搬送されてくる記録紙P1に、原稿画像(この場合、第1頁目の原稿画像)を形成させる(ステップS14)。ステップS14の処理後、制御部10は、決定された記録紙P1の搬送速度S1の値をRAMに記憶させる(ステップS15)。ステップS15の処理後、この場合は第1頁目の原稿画像の形成後であるので、制御部10は、印刷ジョブに基づく全ての画像形成を完了していないと判定して(ステップS16にてNO)、ステップS11の処理に進む。
【0037】
制御部10はさらに、上記と同様にステップS11乃至ステップS15の処理を実行して、第2頁目の原稿画像を第2枚目の記録紙P1に形成させる。ステップS15の処理後、この場合は第2頁目の原稿画像の形成後であるので、制御部10は、印刷ジョブに基づく全ての画像形成を完了していないと判定して(ステップS15にてNO)、ステップS11の処理に進む。ここで、制御部10は、2枚の記録紙P1ごとに合紙P2を挿入するための指示を受付けているので、次の、すなわち第3回目の給紙対象の給紙カセットとして、合紙P2を収容している給紙カセット14Bを設定する。
【0038】
したがって、制御部10は、ステップS11において、搬送対象は合紙P2であると判定し(ステップS11にてYES)、搬送部17による現在の搬送速度Sを「0」mm/secに設定しているか否かを判定する(ステップS17)。この場合、制御部10は、搬送速度Sを記録紙P1の搬送速度S1である「100」mm/secに設定しているので、搬送速度Sを「0」mm/secに設定していないと判定し(ステップS17にてNO)、搬送速度Sを、RAMが記憶している記録紙P1の搬送速度S1と同じ値に設定する(ステップS18)。このようにして、制御部10は、RAMが記憶している記録紙P1の搬送速度S1に従って合紙P2の搬送速度を決定する。
【0039】
ステップS18の処理後、制御部10は、搬送部17に対し、設定された搬送速度Sで、すなわち、前に搬送された記録紙P1の搬送速度S1と同じ速度(この場合、「100」mm/sec)で、合紙P2を搬送部17に搬送させる(ステップS19)。なお、制御部10は、搬送部17に合紙P2を搬送させる際には、画像形成装置12等に対して画像形成処理を実行させない。
【0040】
合紙P2の搬送後、制御部10は、印刷ジョブに基づく全ての画像形成を完了していないと判定して(ステップS16にてNO)、ステップS11の処理に進む。その後、制御部10は、上記と同様にしてステップS11からステップS19までの処理を繰返して、最終的に、第1頁目から第10頁目までの原稿画像が第1枚目から第10枚目までの記録紙Pに形成され、かつ、2枚の記録紙P1ごとに合紙P2が挿入された印刷物を生成する。制御部10は、印刷ジョブに基づく全ての画像形成を完了したと判定すると(ステップS16にてYES)、搬送速度設定処理を終了する。
【0041】
(2)記録紙P1の搬送前、すなわち、最初に合紙P2を搬送させる場合
ユーザーは、タッチパネル16Bを用いてコピー機能を選択するための指示を入力するとともに、原稿搬送部6の原稿台に10枚の原稿を載置したものとする。ユーザーはさらに、タッチパネル16Bを用いて、印刷ジョブとして、「3」部という印刷部数と、「普通紙」という記録紙P1の紙種と、合紙P2を表紙として挿入するための指示と、「厚紙」という合紙P2の紙種とを少なくとも示す印刷情報を入力して、スタートキー16Aを押下したものとする。
【0042】
制御部10は、スタートキー16Aの押下を検出すると、画像読取部11に対し、原稿搬送部6によって1枚ずつ順に搬送されてくる原稿を読取らせて10頁の原稿画像を示す画像データを生成させるとともに、図3A及び図3Bに示す搬送速度設定処理の実行を開始する。搬送速度設定処理を開始すると、制御部10はまず、搬送部17による現在の搬送速度Sを「0」mm/secに設定する(ステップS10)。
【0043】
この場合、制御部10は、合紙P2を表紙として挿入するための指示を受付けているので、最初の給紙対象の給紙カセットとして、合紙P2を収容している給紙カセット14Bを設定する。したがって、ステップS11において、制御部10は、搬送対象は合紙P2であると判定するとともに(ステップS11にてYES)、搬送速度Sを「0」mm/secに設定していると判定し(ステップS17にてYES)、操作部16を介して上記した第1指示を受付けているか否かを判定する(ステップS20)。
【0044】
(2-1)第1指示を受付けている場合
ここで、制御部10は、タッチパネル16Bを介して、半速モードを設定するための第1指示を予め受付けているものとする。この場合、制御部10は、第1指示を受付けていると判定し(ステップS20にてYES)、搬送速度Sを、第1指示が示すモードに応じた速度に設定する(ステップS21)。この場合、制御部10は、搬送速度Sを、半速モードに応じた「50」mm/secに設定する。ステップS21の処理後、制御部10は、ステップS19の処理に進み、搬送部17に対し、設定された搬送速度S(この場合、「50」mm/sec)で、合紙P2を搬送させる。
【0045】
(2-2)第2指示を受付けている場合
制御部10は、第1指示を受付けていないと判定した場合(ステップS20にてNO)、操作部16を介して、合紙P2の搬送速度を指定するための第2指示を受付けているか否かを判定する(ステップS22)。ここで、制御部10は、タッチパネル16Bを介して、合紙P2の搬送速度を「150」mm/secに指定するための第2指示を予め受付けているものとする。
【0046】
この場合、制御部10は、第2指示を予め受付けていると判定し(ステップS22にてYES)、搬送速度Sを、第2指示に応じた速度に設定する(ステップS23)。この場合、制御部10は、搬送速度Sを、指定された「150」mm/secに設定する。ステップS23の処理後、制御部10は、ステップS19の処理に進み、搬送部17に対し、設定された搬送速度S(この場合、「150」mm/sec)で、合紙P2を搬送させる。
【0047】
(2-3)第1指示及び第2指示を受付けていない場合
制御部10は、第2指示を受付けていないと判定した場合(ステップS22にてNO)、合紙P2の紙種に従って搬送速度Sを設定する(ステップS24)。この場合、制御部10は、合紙P2についての印刷ジョブに含まれる「厚紙」という紙種を示す印刷情報に基づいて、HDD18に記憶されている紙種情報を用いて、搬送速度Sを、「厚紙」に対応する「70」mm/secに設定する。ステップS24の処理後、制御部10は、ステップS19の処理に進み、搬送部17に対し、設定された搬送速度S(この場合、「70」mm/sec)で、合紙P2を搬送させる。
【0048】
合紙P2の搬送後、制御部10は、印刷ジョブに基づく全ての画像形成を完了していないと判定して(ステップS16にてNO)、ステップS11の処理に進む。その後、制御部10は、上記と同様にしてステップS11からステップS19までの処理を繰返して、最終的に、第1頁目から第10頁目までの原稿画像が第1枚目から第10枚目までの記録紙Pにそれぞれ形成され、かつ合紙P2が表紙として挿入された印刷物を3部生成する。制御部10は、印刷ジョブに基づく全ての画像形成を完了したと判定すると(ステップS16にてYES)、搬送速度設定処理を終了する。
【0049】
上記実施形態によれば、制御部10は、予め定められた条件に従って記録紙P1の搬送速度S1を決定し、決定された記録紙P1の搬送速度S1で記録紙Pを搬送部17に搬送させる。制御部10は、記録紙P1を搬送部17に搬送させた後、次に合紙P2を搬送部17に搬送させる場合、決定された記録紙P1の搬送速度S1と同じ速度で、合紙P2を搬送部17に搬送させる。
【0050】
このように、合紙P2の搬送速度を、前に搬送された記録紙P1の搬送速度S1と同じ速度に設定するので、記録紙P1の搬送後に合紙P2を搬送する際に、搬送速度を切替えるための制御を行なう必要がなくなる。したがって、搬送速度を切替えるための制御の回数を減らすことができ、その結果、印刷の生産性の低下を防ぐことができる。
【0051】
また上記実施形態によれば、制御部10は、記録紙P1を搬送部17に搬送させた後、搬送で用いた記録紙P1の搬送速度S1をRAMに記憶させ、上記搬送の次に記録紙P1を搬送部17に搬送させる場合、印刷ジョブが示す印刷情報に従って当該記録紙P1の搬送速度S1を決定し、上記搬送の次に合紙P2を搬送部17に搬送させる場合、RAMが記憶している記録紙P1の搬送速度S1に従って合紙P2の搬送速度を決定する。
【0052】
これによって、合紙P2の搬送速度を前に搬送された記録紙P1の搬送速度S1に容易に決定できる。したがって、搬送速度を切替えるための制御の回数を容易に減らすことができ、その結果、印刷の生産性の低下を容易に防ぐことができる。
【0053】
また上記実施形態によれば、制御部10は、記録紙P1の搬送速度S1を決定する前に合紙P2を搬送部17に搬送させる場合であって、タッチパネル16Bを介して第1指示を受付けている場合、第1指示が示すモードに応じた速度で、合紙P2を搬送部17に搬送させる。
【0054】
このように、最初に、すなわち第1回目に合紙P2を搬送する場合には、合紙P2の搬送速度を、次に搬送される記録紙P1の搬送速度と同じ速度に設定するので、合紙P2の搬送後に記録紙P1を搬送する際に、搬送速度を切替えるための制御を行なう必要がなくなる。その結果、印刷の生産性の低下をより一層確実に防ぐことができる。
【0055】
また上記実施形態によれば、制御部10は、記録紙P1の搬送速度S1を決定する前に合紙P2を搬送部17に搬送させる場合であって、タッチパネル16Bを介して第2指示を受付けている場合、第2指示に応じた速度で、合紙P2を搬送部17に搬送させる。
【0056】
このように、最初に合紙P2を搬送する場合には、ユーザーは、操作部16を用いて合紙P2の搬送速度を指定できるので、ユーザーの利便性が向上する。
【0057】
(その他の変形例)
上記実施形態において、制御部10は、コピー処理を実行する際に搬送速度設定処理を実行したが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、制御部10は、プリント処理を実行する際に搬送速度設定処理を実行してもよい。この場合、制御部10は、PC23を用いて入力されるユーザーの指示にしたがって、通信部22を介して、第1指示又は第2指示を受付けてもよい。この場合、通信部22は、特許請求の範囲における入力部として機能する。
【0058】
また上記実施形態では、制御部10は、タッチパネル16Bを介して、合紙P2の搬送速度として、値(「150」mm/sec)を直接指定するための第2指示を受付けたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、制御部10は、タッチパネル16Bを介して、合紙P2の搬送速度として、「半速」又は「全速」を指定するための第2指示を受付けてもよい。なお、全速とは、記録紙P1についての印刷ジョブが示す印刷情報に従って設定される記録紙P1の搬送速度S1を示す。
【0059】
また上記実施形態では、画像形成部12等は、記録紙P1に画像を形成したが、本発明はそのような実施形態に限定されない。画像形成部12等は、記録紙P1に限らず、他の記録媒体に画像を形成してもよい。他の記録媒体としては、例えば、OHP(Overhead Projector)シートを例示できる。
【0060】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、画像形成装置1としてカラー複合機を用いているが、これは一例に過ぎず、モノクロ複合機、コピー機、又はファクシミリ装置等の他の画像形成装置が用いられてもよい。
【0061】
また、図1乃至図3Bを用いて示した上記実施形態の構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
図1
図2
図3A
図3B