(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】ベッド
(51)【国際特許分類】
A47C 19/04 20060101AFI20240730BHJP
A61G 7/05 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A47C19/04 A
A61G7/05
(21)【出願番号】P 2020101952
(22)【出願日】2020-06-12
【審査請求日】2023-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】390007870
【氏名又は名称】シーホネンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100166958
【氏名又は名称】堀 喜代造
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 健次
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-166122(JP,A)
【文献】実公昭41-021785(JP,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0230919(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 1/00-31/12
A47B 1/00-97/08
A61G 7/00-14
F16M 5/00-11/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に載置されるベースユニットと、
前記ベースユニットの上方に取付けられるボトムと、を備えるベッドであって、
前記ベースユニットは、平行に配置される一対の支持フレームを備え、
前記一対の支持フレームの両端部には、脚座が組付けられ、
前記脚座は、床面からの前記支持フレームの高さが大きくなる通常姿勢と、床面からの前記支持フレームの高さが小さくなる低姿勢と、を切り替え可能に、前記支持フレームに組付けられ、
前記脚座には、前記通常姿勢において前記支持フレームの先端部が挿入される通常位置挿入孔と、前記低姿勢において前記先端部が挿入される低位置挿入孔と、が開口される、ベッド。
【請求項2】
前記支持フレームには孔が開口され、
前記脚座には、前記先端部を前記通常位置挿入孔に挿入した際に前記孔と同じ個所に位置し、前記通常位置挿入孔の内面と外部とを連通する通常位置固定孔と、前記先端部を前記低位置挿入孔に挿入した際に前記孔と同じ個所に位置し、前記低位置挿入孔の内面と外部とを連通する低位置固定孔と、が開口され、
前記先端部を前記通常位置挿入孔に挿入した際に、前記通常位置固定孔と前記孔とに固定部材を挿入することにより前記脚座が前記支持フレームに固定され、
前記先端部を前記低位置挿入孔に挿入した際に、前記低位置固定孔と前記孔とに前記固定部材を挿入することにより前記脚座が前記支持フレームに固定される、請求項1に記載のベッド。
【請求項3】
前記脚座は、長手方向を有する柱体として形成され、
前記通常位置挿入孔は、前記脚座の長手方向と直交する方向に向けて開口され、
前記低位置挿入孔は、前記脚座の長手方向と同方向に向けて開口される、請求項2に記載のベッド。
【請求項4】
前記脚座は、通常姿勢とした際に前記低位置挿入孔の開口面が下方に向けて配置され、低姿勢とした際に前記通常位置挿入孔の開口面が下方に向けて配置される、請求項3に記載のベッド。
【請求項5】
前記ボトムは、昇降フレームを介して前記ベースユニットに組付けられ、
前記昇降フレームは、アクチュエータの駆動により前記ボトムの高さを変更可能とされる、請求項1から請求項4の何れか1項に記載のベッド。
【請求項6】
使用者の操作指示を受け付ける操作部と、
前記操作部によって受け付けられた操作指示に応じて前記アクチュエータの動作を制御する制御部と、を備え、
前記操作部は、床面からの前記ボトムの高さを表示する高さ表示部を備え、
前記高さ表示部は、前記脚座の姿勢の変更に伴って表示高さを変更可能とされる、請求項5に記載のベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床面からのボトムの高さを可変とするベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アクチュエータの駆動力により、使用者の体を支えるボトムについて床面からの高さを変更できるベッドが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献に記載のベッドにおいて、ボトムを最も低位置(低床位置)とした際のボトムの高さを変更するためには、フレームの構成を大幅に変更する必要がある。このため、従来技術に係るベッドにおいては、低床位置のボトムの高さの変更作業が煩雑になっていた。
【0005】
本発明の目的は、簡易な構成で低床位置のボトムの高さを変更することが可能となる、ベッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るベッドは、床面に載置されるベースユニットと、前記ベースユニットの上方に取付けられるボトムと、を備えるベッドであって、前記ベースユニットは、平行に配置される一対の支持フレームを備え、前記一対の支持フレームの両端部には、脚座が組付けられ、前記脚座は、床面からの前記支持フレームの高さが大きくなる通常姿勢と、床面からの前記支持フレームの高さが小さくなる低姿勢と、を切り替え可能に、前記支持フレームに組付けられ、前記脚座には、前記通常姿勢において前記支持フレームの先端部が挿入される通常位置挿入孔と、前記低姿勢において前記先端部が挿入される低位置挿入孔と、が開口される。
【0007】
この構成によれば、支持フレームの挿入先を通常位置挿入孔又は低位置挿入孔に切り替えるだけで、床面からのボトムの高さを変更できるため、簡易な構成で低床位置のボトムの高さを変更することが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
このような構成のベッドは、簡易な構成で低床位置のボトムの高さを変更することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電動ベッドの構成を示す斜視図。
【
図2】
図1に示す電動ベッドの昇降フレームを下降させ、ボトム、ヘッドボード、及びフットボードを取り外した状態を示す斜視図。
【
図4】(a)及び(b)はそれぞれ、通常姿勢における脚座を示した斜視図、及び、通常姿勢における脚座を支持フレームに組付けた状態を示した断面図。
【
図6】(a)及び(b)はそれぞれ、低姿勢における脚座を示した斜視図、及び、通常姿勢における脚座を支持フレームに組付けた状態を示した断面図。
【
図7】
図1に示す電動ベッドの電気的構成の一例を示すブロック図。
【
図9】(a)及び(b)はそれぞれ、手元スイッチにおける表示部における表示設定画面を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
図1は、本発明に係るベッドの一実施形態に係る電動ベッド1の構成を示す斜視図である。本明細書においては、各図中に示す矢印で電動ベッド1の方向を示している。なお、本発明は電動ベッドに限定されるものではなく、床面に載置されるベースユニットが支持フレームを備える構成であれば適用することが可能である。
【0011】
図1に示す如く、電動ベッド1は平面視で前後方向に長手方向を有する略矩形状に形成される。電動ベッド1は、大略的に、床面に載置されるベースユニット2、ベースユニット2に対して連結される昇降フレーム3、昇降フレーム3の駆動により低床位置と高床位置との間で昇降可能とされるボトム4、昇降フレーム3の前端部に組付けられるヘッドボード51、及び昇降フレーム3の後端部に組付けられるフットボード52を主な構成部品として備える。
【0012】
ボトム4は、頭ボトム41、背ボトム42、座ボトム43、膝ボトム44、及び脚ボトム45を含む。頭ボトム41は使用者の頭を支える位置に配置され、背ボトム42は使用者の背中を支える位置に配置され、座ボトム43は使用者の腰を支える位置に配置され、膝ボトム44は使用者の膝を支える位置に配置され、脚ボトム45は使用者の脚を支える位置に配置されている。
【0013】
電動ベッド1の使用者は、ボトム4の上面に図示しないマットレスを敷き、頭を前側に、足を後側にしてマットレスの上に横たわることにより電動ベッド1を使用する。
【0014】
図2は、
図1に示す電動ベッド1の昇降フレーム3が低床位置に下降した際に、ボトム4、ヘッドボード51、及びフットボード52を取り外した状態を示す斜視図である。電動ベッド1は、アクチュエータA1,A2,A3,A4、及びこれらの駆動を制御する制御ボックスCを備える。アクチュエータA1,A2,A3,A4は、伸縮ロッドRと、伸縮ロッドRを伸縮させるためのモータやギア機構を含む駆動部を備えている。アクチュエータA1は、本発明に係るアクチュエータの一実施態様である。
【0015】
ベースユニット2は電動ベッド1の全ての構成部品を直接的又は間接的に支持する基台部であり、平面視で前後方向に長手方向を有する矩形状に形成される。
図2に示す如く、ベースユニット2は前後方向に軸方向を有する支持フレーム21,21を左右に備える。
【0016】
支持フレーム21,21におけるそれぞれの前後両端部には、床面に載置される脚座22が組付けられる。脚座22は、
図3及び
図4に示す如く床面からの支持フレーム21の高さが大きくなる通常姿勢(脚座22H)と、
図5及び
図6に示す如く床面からの支持フレーム21の高さが小さくなる低姿勢(脚座22L)と、を切り替え可能に、支持フレーム21に組付けられる。
【0017】
具体的には
図4(a)及び
図6(a)に示す如く、脚座22は長手方向を有する柱体として形成されている。そして、脚座22における一の側面には、脚座22の長手方向と直交する方向に向けて、通常位置挿入孔221aが開口される。また、脚座22における一の底面には、脚座22の長手方向と同方向に向けて、低位置挿入孔222aが開口される。
【0018】
脚座22における他の底面には、通常位置挿入孔221aの内面と外部とを連通する通常位置固定孔221bが開口される。また、脚座22における一の側面の反対側の側面には、低位置挿入孔222aの内面と外部とを連通する低位置固定孔222bが開口される。
【0019】
そして、
図4(b)に示す如く、脚座22の通常姿勢において通常位置挿入孔221aに支持フレーム21が挿入される。この際、固定ねじSが通常位置固定孔221bと支持フレーム21とに螺入されることにより、脚座22は支持フレーム21に固定される。これにより、電動ベッド1は
図3に示す如く、ボトム4を低床位置とした際のボトム4の高さ(支持フレーム21の高さ)が大きい通常位置とされる。
【0020】
一方、
図6(b)に示す如く、脚座22の低姿勢において低位置挿入孔222aに支持フレーム21が挿入される。この際、固定ねじSが低位置固定孔222bと支持フレーム21とに螺入されることにより、脚座22は支持フレーム21に固定される。これにより、電動ベッド1は
図5に示す如く、ボトム4を低床位置とした際のボトム4の高さ(支持フレーム21の高さ)が小さい低位置とされる。
【0021】
上記の如く、本実施形態に係る電動ベッド1によれば、脚座22の姿勢を通常姿勢と低姿勢とに切り替えるだけで、床面からのボトム4の高さ(具体的には、ボトム4が低床位置と高床位置との間で遷移する高さ領域、
図9を参照)を変更できる。詳細には、脚座22における支持フレーム21の挿入先を、通常位置挿入孔221a又は低位置挿入孔222aに切り替えるだけで、床面からのボトム4の高さを変更できる。このため、電動ベッド1においては簡易な構成で低床位置のボトム4の高さを変更することが可能となる。
【0022】
また、本実施形態に係る電動ベッド1において、脚座22には長手方向と直交する方向に向けて通常位置挿入孔221aが開口され、脚座22の長手方向と同方向に向けて低位置挿入孔222aが開口される。これにより、
図4(b)に示す如く脚座22を通常姿勢とした場合でも、
図6(b)に示す如く脚座22を低姿勢にした場合でも、支持フレーム21の上端面と脚座22の上端面とを近づけることができる。即ち、脚座22を通常姿勢又は低姿勢の何れとした場合でも支持フレーム21の上側に脚座22が突出することがないため、電動ベッド1のデザイン性を維持することができる。
【0023】
また、本実施形態に係る電動ベッド1において、脚座22は
図4(b)に示す如く、通常姿勢とした際に低位置挿入孔222aの開口面が下方に向けて配置される。また、脚座22は
図6(b)に示す如く、低姿勢とした際に通常位置挿入孔221aの開口面が下方に向けて配置される。これにより、脚座22を通常姿勢又は低姿勢の何れにした場合でも、使用していない通常位置挿入孔221a又は低位置挿入孔222aの開口面が床面に当接することにより表出しない。即ち、電動ベッド1を通常位置又は低位置の何れとした場合でも、使用しない通常位置挿入孔221a又は低位置挿入孔222aが表出することがないため、電動ベッド1のデザイン性を維持することができる。
【0024】
支持フレーム21,21の間における、前部には支持柱23が、後部には支持柱24が左右方向に架け渡される。これにより、支持フレーム21,21が連結され、支持フレーム21,21、及び、支持柱23,24により、ベースユニット2は強固な枠体として構成される。
【0025】
また、支持フレーム21,21の間には、支持柱23と支持柱24との間の領域で、前後方向にスライド可能な支持柱25が左右方向に架け渡される。支持柱25の両端部には図略のローラが取り付けられている。支持フレーム21,21の内側に設けられたガイド部材によって、支持柱25両端のローラがガイドされることにより、支持柱25が前後方向にスライド可能とされている。
【0026】
昇降フレーム3は、大略的に、平面視で前後方向に長手方向を有する矩形状の枠体である。昇降フレーム3は、左右一対のX形リンク機構6によって、ベースユニット2に対して昇降可能に連結されている。X形リンク機構6は、同じ長さのリンク61とリンク62とが、略中央位置で左右方向に延びる軸63まわりに互いに回動可能に連結されて構成されている。
【0027】
一対のリンク61の下端は、支持柱23に対して左右方向に延びる軸まわりに揺動可能に連結されている。一対のリンク61の上端には、図略のローラが取り付けられている。一対のリンク61のローラが、昇降フレーム3に取り付けられたガイド部材31,31によってガイドされることにより、一対のリンク61の上端が、昇降フレーム3に対して前後方向にスライド可能に連結されている。
【0028】
一対のリンク62の下端は、支持柱25に連結されている。一対のリンク62の上端は、昇降フレーム3に対して左右方向に延びる軸まわりに揺動可能に連結されている。一対のリンク61の間には、軸63よりも上方位置で、連結棒64が架け渡されている。
【0029】
支持フレーム21,21の間には、連結棒27が架け渡されている。連結棒27の略中央部に、アクチュエータA1が揺動可能に連結されている。連結棒64の略中央部には、径方向に延出するブラケット65が取り付けられている。アクチュエータA1の伸縮ロッドRの先端は、ブラケット65の先端に、左右方向に延びる軸まわりに揺動可能に連結されている。
【0030】
これにより、アクチュエータA1の伸縮ロッドRが伸びると、X形リンク機構6が上下方向に延びて昇降フレーム3が上昇し、アクチュエータA1の伸縮ロッドRが縮むと、X形リンク機構6が上下方向に縮んで昇降フレーム3が下降するようになっている。
【0031】
昇降フレーム3には、頭ボトム41を構成する頭フレーム411と、背ボトム42を構成する背フレーム421と、膝ボトム44を構成する膝フレーム441と、脚ボトム45を支持する脚フレーム451とが連結されている。背ボトム42と膝ボトム44との間において、昇降フレーム3に座ボトム43が固定的に取り付けられる。
【0032】
背フレーム421は、その後方端部を支点にして左右方向に延びる軸まわりに揺動可能に、昇降フレーム3に対して連結されている。アクチュエータA2の駆動部が、昇降フレーム3に対して左右方向に延びる軸まわりに揺動可能に連結されている。アクチュエータA2の伸縮ロッドRの先端が、図示しないリンク機構を介して背フレーム421に連結されている。
【0033】
これにより、アクチュエータA2の伸縮ロッドRが伸びると、背フレーム421が立ち上がるように回動して上方へ姿勢変更し、背フレーム421の姿勢変更と連動して頭フレーム411とアクチュエータA3とが上方へ移動する。アクチュエータA2の伸縮ロッドRが縮むと、背フレーム421が倒れるように回動して下方へ姿勢変更し、背フレーム421の姿勢変更と連動して頭フレーム411とアクチュエータA3とが下方へ移動する。
【0034】
図4及び
図5に示す如く、背フレーム421の前方端部と、頭フレーム411の後方端部とは、左右方向に延びる軸まわりに揺動可能に連結されている。背フレーム421には背ボトム42が取り付けられ、頭フレーム411には頭ボトム41が取り付けられるので、アクチュエータA2の伸縮ロッドRが伸びると、頭ボトム41と背ボトム42とが連動して上方へ起き上がり、アクチュエータA2の伸縮ロッドRが縮むと、頭ボトム41と背ボトム42とが連動して下方へ倒れるようになっている。
【0035】
背ボトム42が下方へ姿勢変更して水平になると、背フレーム421の前方端又はリンク機構等と、昇降フレーム3とが干渉し、背ボトム42がこれ以上下方へ姿勢変更できなくなる。このときの背ボトム42の位置が、背ボトム42の姿勢の可動範囲の下限位置となる。このとき、背ボトム42及び頭ボトム41の荷重は昇降フレーム3によって受け止められている。昇降フレーム3は、背ボトム42に対する受止部材の一例に相当する。
【0036】
アクチュエータA3の伸縮ロッドRが伸びると、頭フレーム411が上方へ姿勢変更し、頭ボトム41が起き上がる。アクチュエータA3の伸縮ロッドRが縮むと、頭フレーム411が下方へ姿勢変更し、頭ボトム41が背ボトム42に対して平坦に近づく。即ち、アクチュエータA3は、その駆動により背ボトム42に対する頭ボトム41の角度を変更する。
【0037】
膝フレーム441は、その前方端部を支点にして左右方向に延びる軸まわりに揺動可能に、昇降フレーム3に対して連結されている。膝フレーム441の後方端部は、脚フレーム451の前方端部に対して、蝶番によって、左右方向に延びる軸まわりに揺動可能に連結されている。アクチュエータA4の駆動部は、昇降フレーム3に対して左右方向に延びる軸まわりに揺動可能に連結されている。アクチュエータA4の伸縮ロッドRの先端が、図示しないリンク機構を介して膝フレーム441に連結されている。
【0038】
これにより、アクチュエータA4の伸縮ロッドRが伸びると、膝フレーム441が立ち上がるように回動して上方へ姿勢変更し、膝フレーム441の姿勢変更と連動して脚フレーム451の前方端が持ち上がる。一方、アクチュエータA4の伸縮ロッドRが縮むと、膝フレーム441が水平に近づくように回動して下方へ姿勢変更し、膝フレーム441の姿勢変更と連動して脚フレーム451の前方端が下降する。
【0039】
膝フレーム441には膝ボトム44が取り付けられ、脚フレーム451には脚ボトム45が取り付けられるので、アクチュエータA4の伸縮ロッドRが伸びると、膝ボトム44と脚ボトム45とが、蝶番を頂上とする山形に隆起し、アクチュエータA4の伸縮ロッドRが縮むと、蝶番が下降し、膝ボトム44と脚ボトム45とが水平に近づく。
【0040】
蝶番が下降して膝ボトム44と脚ボトム45とが下方へ姿勢変更して水平になると、膝フレーム441の後端、脚フレーム451の前端、又は蝶番と、昇降フレーム3とが干渉し、膝ボトム44及び脚ボトム45がこれ以上下方へ姿勢変更できなくなる。このときの膝ボトム44及び脚ボトム45の位置が、膝ボトム44及び脚ボトム45の姿勢の可動範囲の下限位置となる。このとき、膝ボトム44及び脚ボトム45の荷重は昇降フレーム3によって受け止められている。昇降フレーム3は、膝ボトム44及び脚ボトム45に対する受止部材の一例に相当する。
【0041】
以下、アクチュエータA1によってボトム4を上昇させる動作、及びアクチュエータA2,A3,A4によって頭ボトム41、背ボトム42、膝ボトム44、及び脚ボトム45を上方へ姿勢変更させる動作を総称して、上向き動作と称し、アクチュエータA1によってボトム4を下降させる動作、及びアクチュエータA2,A3,A4によって頭ボトム41、背ボトム42、膝ボトム44、及び脚ボトム45を下方へ姿勢変更させる動作を総称して、下向き動作と称する。
【0042】
図7は、
図1に示す電動ベッド1の電気的構成の一例を示すブロック図である。
図7に示す如く、電動ベッド1は、アクチュエータA1,A2,A3,A4と、制御モジュールA1C,A2C,A3C,A4Cと、手元スイッチ8と、制御部7とを備えている。以下、アクチュエータA1,A2,A3,A4を総称してアクチュエータAと称し、制御モジュールA1C,A2C,A3C,A4Cを総称して制御モジュールACと称する。
【0043】
アクチュエータA1,A2,A3,A4は、制御モジュールA1C,A2C,A3C,A4Cを介して制御部7と接続されている。制御モジュールACは、制御部7からの制御信号に応じて、アクチュエータAを伸縮させる。
【0044】
アクチュエータAの伸縮ロッドRは、例えばスプライン軸とされている。アクチュエータAの図略のギア機構は、モータの回転駆動力により伸縮ロッドRを軸心回りに回転させることによって、伸縮ロッドRを伸縮させる。
【0045】
図8は、手元スイッチ8の一例を示す外観図である。手元スイッチ8は、頭下げボタン81D、頭上げボタン81U、背下げボタン82D、背上げボタン82U、足下げボタン83D、足上げボタン83U、高さ下げボタン84D、高さ上げボタン84U、電源スイッチ86、及び表示部87を備える。
【0046】
表示部87は、例えば液晶表示器等により構成され、各ボトム4の高さや姿勢等を表示する。
図8に示す如く、表示部87は、背ボトム42に対する頭ボトム41の相対角度を表示する頭角度表示部87a、座ボトム43に対する背ボトム42の相対角度を表示する背角度表示部87b、座ボトム43に対する膝ボトム44の相対角度を表示する足角度表示部87c、及び、昇降フレーム3の昇降による各ボトム4の高さを表示する高さ表示部87dを備える。手元スイッチ8は、使用者の操作指示を受け付ける操作部である。手元スイッチ8は、受け付けられた指示を示す信号を、制御部7へ出力する。
【0047】
頭下げボタン81D、及び、頭上げボタン81Uは、頭ボトム41について、それぞれ下向き動作及び上向き動作(アクチュエータA3の駆動)の操作指示を受け付ける。背下げボタン82D、及び、背上げボタン82Uは、背ボトム42について、それぞれ下向き動作及び上向き動作(アクチュエータA2の駆動)の操作指示を受け付ける。足下げボタン83D、及び、足上げボタン83Uは、膝ボトム44について、それぞれ下向き動作及び上向き動作(アクチュエータA4の駆動)の操作指示を受け付ける。高さ下げボタン84D、及び、高さ上げボタン84Uは、ボトム4全体の下向き動作及び上向き動作(アクチュエータA1の駆動)の操作指示を受け付ける。
【0048】
制御部7は、制御ボックスCに収容されている。制御部7は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、所定の制御プログラム等を記憶する不揮発性の記憶部、及びこれらの周辺回路等を備えて構成されている。制御部7は、手元スイッチ8によって受け付けられた操作指示に応じてアクチュエータAの動作を制御する。また、制御部7は、手元スイッチ8の表示部87における表示動作を制御する。
【0049】
本実施形態に係る電動ベッド1において、手元スイッチ8における表示部87は、昇降フレーム3の昇降による各ボトム4の高さを表示する高さ表示部87dを備える。そして、高さ表示部87dは、脚座22の姿勢(通常姿勢又は低姿勢)の変更に伴って、表示高さを変更可能とされる。
【0050】
具体的には
図9(a)及び(b)に示す如く、電動ベッド1の使用者が手元スイッチ8を操作することにより、表示部87に「ベッド高さの表示設定画面」を表示させる。ここで、「ベッド高さ」とは、床面からのボトム4の高さを意味する。
【0051】
図5及び
図6に示す如く、脚座22を低姿勢として電動ベッド1を低位置とした場合、電動ベッド1の使用者は、
図9(a)中の網掛け部に示す如くベッド高さの表示設定画面において低位置設定部87eを選択する。これにより、高さ表示部87dに表示される高さは、制御部7に制御されて、アクチュエータA1からの伸縮ロッドRの延出長さに伴う20cmから62cmの範囲で表示がなされる。
【0052】
一方、
図3及び
図4に示す如く、脚座22を通常姿勢として電動ベッド1を通常位置とした場合、電動ベッド1の使用者は、
図9(b)中の網掛け部に示す如くベッド高さの表示設定画面において通常位置設定部87fを選択する。これにより、高さ表示部87dに表示される高さは、制御部7に制御されて、アクチュエータA1からの伸縮ロッドRの延出長さに伴う25cmから67cmの範囲で表示がなされる。
【0053】
上記の如く、本実施形態に係る電動ベッド1によれば、昇降フレーム3の昇降による各ボトム4の高さの変更に応じて、操作部である手元スイッチ8における高さ表示を変更することができる。即ち、昇降フレーム3の昇降による各ボトム4の高さが変更された場合でも、実際のボトム4の高さを手元スイッチ8に表示することが可能となる。
【符号の説明】
【0054】
1 電動ベッド(ベッド) 1H 電動ベッド(通常位置)
1L 電動ベッド(低位置) 2 ベースユニット
3 昇降フレーム 4 ボトム
6 X形リンク機構 7 制御部
8 手元スイッチ(操作部)
21 支持フレーム 22 脚座
22H 脚座(通常姿勢) 22L 脚座(低姿勢)
23 支持柱 24 支持柱
25 支持柱 27 連結棒
31,31 ガイド部材 41 頭ボトム
42 背ボトム 43 座ボトム
44 膝ボトム 45 脚ボトム
51 ヘッドボード 52 フットボード
61,62 リンク 63 軸
64 連結棒 65 ブラケット
81D 頭下げボタン 81U 頭上げボタン
82D 背下げボタン 82U 背上げボタン
83D 足下げボタン 83U 足上げボタン
84D 高さ下げボタン 84U 高さ上げボタン
86 電源スイッチ 87 表示部
87a 頭角度表示部 87b 背角度表示部
87c 足角度表示部 87d 高さ表示部
87e 低位置表示設定部 87f 通常位置表示設定部
221a 通常位置挿入孔 221b 通常位置固定孔
222a 低位置挿入孔 222b 低位置固定孔
411 頭フレーム 421 背フレーム
441 膝フレーム 451 脚フレーム
A1,A2,A3,A4 アクチュエータ
AC,A1C,A2C,A3C,A4C 制御モジュール
C 制御ボックス R 伸縮ロッド
S 固定ねじ