(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】基地局、端末、通信システム、及び通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20240730BHJP
H04W 4/08 20090101ALI20240730BHJP
H04W 8/24 20090101ALI20240730BHJP
H04W 68/00 20090101ALI20240730BHJP
【FI】
H04W52/02
H04W4/08
H04W8/24
H04W68/00
(21)【出願番号】P 2021508678
(86)(22)【出願日】2019-03-28
(86)【国際出願番号】 JP2019013910
(87)【国際公開番号】W WO2020194761
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-03-15
【審判番号】
【審判請求日】2023-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124844
【氏名又は名称】石原 隆治
(72)【発明者】
【氏名】武田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】武田 和晃
(72)【発明者】
【氏名】原田 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】五十川 貴之
【合議体】
【審判長】廣川 浩
【審判官】中木 努
【審判官】本郷 彰
(56)【参考文献】
【文献】Huawei,HiSilicon,UE-group wake-up signal,3GPP TSG RAN WG1 #96 R1-1901502,2019年02月16日アップロード,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_96/Docs/R1-1901502.zip>
【文献】Qualcomm Incorporated,Discussion on UE-group wake-up signal for NB-IoT,3GPP TSG RAN WG1 #94 R1-1809031,2018年08月11日アップロード,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_94/Docs/R1-1809031.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ページング機会のモニタのトリガとして端末に送信する起動信号である、前記端末のグループ毎にグループ分けされたグループ起動信号と複数の前記グループで共通の共通起動信号に関する設定情報を設定する制御部と、
前記設定情報をRRCシグナリングで前記端末に送信する送信部と、
を有し、
前記送信部は、前記起動信号を送信するためのリソースを用いて、前記共通起動信号を前記端末に送信する基地局。
【請求項2】
前記送信部は、複数の前記端末に共通の前記起動信号であるレガシ起動信号を前記共通起動信号として前記端末に送信する請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
ページング機会のモニタのトリガとして端末に送信する起動信号である、前記端末のグループ毎にグループ分けされたグループ起動信号と複数の前記グループで共通の共通起動信号に関する設定情報をRRCシグナリングで基地局から受信する受信部と、
前記設定情報に基づいて、前記起動信号に関する設定を行う制御部と、
を有し、
前記受信部は、前記起動信号を送信するためのリソースを用いて、前記共通起動信号を前記基地局から受信する端末。
【請求項4】
ページング機会のモニタのトリガとして端末に送信する起動信号である、前記端末のグループ毎にグループ分けされたグループ起動信号と複数の前記グループで共通の共通起動信号に関する設定情報を設定する制御部と、
前記設定情報をRRCシグナリングで前記端末に送信する送信部と、
を有し、
前記送信部は、前記起動信号を送信するためのリソースを用いて、前記共通起動信号を前記端末に送信する基地局と、
前記設定情報をRRCシグナリングで前記基地局から受信する受信部と、
前記設定情報に基づいて、前記起動信号に関する設定を行う制御部と、
を有し、
前記受信部は、前記起動信号を送信するためのリソースを用いて、前記共通起動信号を前記基地局から受信する端末と、
を有する通信システム。
【請求項5】
ページング機会のモニタのトリガとして端末に送信する起動信号である、前記端末のグループ毎にグループ分けされたグループ起動信号と複数の前記グループで共通の共通起動信号に関する設定情報を設定する制御ステップと、
前記設定情報をRRCシグナリングで端末に送信する送信ステップと、
を有し、
前記送信ステップは、前記起動信号を送信するためのリソースを用いて、前記共通起動信号を前記端末に送信する基地局の通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおける基地局装置、及びユーザ装置に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、システム容量の更なる大容量化、データ伝送速度の更なる高速化、無線区間における更なる低遅延化等を実現するために、5GあるいはNR(New Radio)と呼ばれる無線通信方式(以下、当該無線通信方式を「NR」という。)の検討が進んでいる。
【0003】
それに加えて、3GPPでは、IoT向けの技術についてもLTEをベースにその拡張が検討されている。例えば、IoT-UE(NB-IoT/eMTC)の省電力(power saving)を目的として、Rel.15のLTE-IoTにおいてWUS(Wake-up signal、起動信号と呼んでもよい)が導入されている(例えば非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】3GPP TS 36.211 V15.4.0(2018-12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
Rel.16では、UEの個々のグループに適用されるWUSと、複数のグループに共通に適用されるWUSを導入することが検討されている。しかし、UEが、個々のグループに適用されるWUSと、複数のグループに共通に適用されるWUSとの両方をモニタする場合、省電力効果が低減する可能性がある。つまり、UEが上記両方の起動信号をモニタすることが適切ではない場合がある。
【0006】
本発明は少なくとも上記の点に鑑みてなされたものであり、個々のグループに適用される起動信号と、複数のグループに共通に適用される起動信号が送信される無線通信ネットワークにおいて、ユーザ装置が適切に起動信号をモニタすることを可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の技術によれば、ページング機会のモニタのトリガとして端末に送信する起動信号である、前記端末のグループ毎にグループ分けされたグループ起動信号と複数の前記グループで共通の共通起動信号に関する設定情報を設定する制御部と、
前記設定情報をRRCシグナリングで前記端末に送信する送信部と、
を有し、
前記送信部は、前記起動信号を送信するためのリソースを用いて、前記共通起動信号を前記端末に送信する基地局が提供される。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、個々のグループに適用される起動信号と、複数のグループに共通に適用される起動信号が送信される無線通信ネットワークにおいて、ユーザ装置が適切に起動信号をモニタすることを可能とする技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態における無線通信システムを説明するための図である。
【
図2】Rel.15のWUSを説明するための図である。
【
図3】Rel.15のWUSを説明するための図である。
【
図4】WUSのリソース割り当ての例を示す図である。
【
図5】WUSのリソース割り当ての例を示す図である。
【
図6】WUSのリソース割り当ての例を示す図である。
【
図7】WUSのリソース割り当ての例を示す図である。
【
図8】WUSのリソース割り当ての例を示す図である。
【
図9】WUSのリソース割り当ての例を示す図である。
【
図10】WUSのリソース割り当ての例を示す図である。
【
図11】WUSのリソース割り当ての例を示す図である。
【
図12】WUSのリソース割り当ての例を示す図である。
【
図13】ユーザ装置20のWUSモニタのためのシーケンス例を示す図である。
【
図15】グループ共通WUSの有効化/無効化指示のシーケンス例を示す図である。
【
図16】UEグループID数が小さい場合の例を示す図である。
【
図17】UEグループID数が大きい場合の例を示す図である。
【
図18】グループ共通WUSを複数WUSリソースに配置する場合の例を示す図である。
【
図19】グループ共通WUSを1つのWUSリソースに配置する場合の例を示す図である。
【
図20】本発明の実施の形態における基地局装置10の機能構成の一例を示す図である。
【
図21】本発明の実施の形態におけるユーザ装置20の機能構成の一例を示す図である。
【
図22】本発明の実施の形態における基地局装置10又はユーザ装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例であり、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られない。
【0011】
また、本明細書では、PDCCH、RRC等の既存のNRあるいはLTEの仕様書で使用されている用語を用いているが、本明細書で使用するチャネル名、プロトコル名、信号名、機能名等で表わされるものが別の名前で呼ばれてもよい。
【0012】
また、以下の説明では、主に、LTE Rel.15、LTE Rel.16に関する説明をしているが、本発明はLTEに限らず、NRを含む他の無線方式にも適用可能である。
【0013】
(システム構成)
図1は、本発明の実施の形態における無線通信システムを説明するための図である。本発明の実施の形態における無線通信システムは、
図1に示されるように、基地局装置10及びユーザ装置20を含む。
図1には、基地局装置10及びユーザ装置20が1つずつ示されているが、これは例であり、それぞれ複数であってもよい。
【0014】
基地局装置10は、1つ以上のセルを提供し、ユーザ装置20と無線通信を行う通信装置である。無線信号の物理リソースは、時間領域及び周波数領域で定義され、時間領域はOFDMシンボル数で定義されてもよいし、周波数領域はサブキャリア数又はリソースブロック数で定義されてもよい。また、時間領域におけるTTI(Transmission Time Interval)がスロットであってもよいし、TTIがサブフレームであってもよい。
【0015】
基地局装置10は、同期信号及びシステム情報をユーザ装置20に送信する。同期信号は、例えば、PSS及びSSSである。システム情報は、例えば、PBCHあるいはPDSCHにて送信され、ブロードキャスト情報ともいう。
図1に示されるように、基地局装置10は、DL(Downlink)で制御信号又はデータをユーザ装置20に送信し、UL(Uplink)で制御信号又はデータをユーザ装置20から受信する。なお、ここでは、PUCCH、PDCCH等の制御チャネルで送信されるものを制御信号と呼び、PUSCH、PDSCH等の共有チャネルで送信されるものをデータと呼んでいるが、このような呼び方は一例である。
【0016】
ユーザ装置20は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット、ウェアラブル端末、M2M(Machine-to-Machine)用通信モジュール等の無線通信機能を備えた通信装置である。
図1に示されるように、ユーザ装置20は、DLで制御信号又はデータを基地局装置10から受信し、ULで制御信号又はデータを基地局装置10に送信することで、無線通信システムにより提供される各種通信サービスを利用する。なお、ユーザ装置20をUEと呼び、基地局装置10をeNB(あるいはgNB)と呼んでもよい。
【0017】
上記のようにユーザ装置20は様々な種類の端末であり得るが、本実施の形態でのユーザ装置20は主にLTEのRel.16(あるいはRel.16以降のリリース)のIoT-UEであることを想定している。ただし、ユーザ装置20は、LTEのRel.16(あるいはRel.16以降のリリース)のIoT-UEに限定されるわけではない。また、想定しているIoT-UEは、NB-IoTのUEであってもよいし、eMTCのUEであってもよい。
【0018】
(WUSについて)
本実施の形態における無線通信システムでは、基地局装置10がWUSを送信し、ユーザ装置20がWUSをモニタする。ここではまず、WUSについて説明する。
【0019】
WUSが導入される前において、Idle状態のユーザ装置20は、周期的に到来するPO(Paging Occasion、ページング機会)を毎回モニタする。なお、POをモニタすることを、ページングPDCCHをモニタする、又は、ページングサーチスペースをモニタすると言い換えてもよい。
【0020】
POのモニタにおいて、ユーザ装置20は、PDCCHで送信されるDCIを復調し、自分宛てのDCIであるかどうかをチェックする。そのため、自分宛てのDCIが送信されているか否かに関わらず、ユーザ装置20はPO毎に復調動作を行わなければならず、無駄な電力消費となってしまう可能性が高い。特に、ページングPDCCHが繰り返し送信される場合には、DCIの復調も繰り返し行う必要があり、無駄な電力消費が大きくなる可能性が高い。
【0021】
そこで、Rel.15_LTE-IoTにおいて、WUSが導入された。Rel.15_LTE-IoTにおけるWUS(LTE Rel.15の仕様で規定されたWUS)は、POと1対1に対応付けられている。WUSが送信されるリソースは、例えば、UE-ID(IMSI等)から算出される。また、WUSにおける1ビットで、ユーザ装置20へのページングがあることが通知される。また、WUSの系列は、例えば、非特許文献1(10.2.6B.1)に記載のように、セルID、POの時間位置等から算出される。
【0022】
ユーザ装置20は、WUSのリソースでWUSをモニタし、WUS(システム情報で通知されるWUSパラメータで規定される系列等)を検出した場合に、自分宛てのページングが有り得ることを知り、POにおいてページングPDCCHをモニタする。つまり、WUSは、ページング機会のモニタのトリガとなる起動信号である。
【0023】
Rel.15_LTE-IoTのWUSに関わる動作例を
図2、
図3を参照して説明する。
図2は、ページングPDCCHの繰り返し送信が行われない場合の例を示す。
図2に示すように、WUSをユーザ装置20が検出した場合、ユーザ装置20はページングPDCCHをモニタし、自分宛てのDCIを受信した場合はページングメッセージを読む。
【0024】
図3は、ページングPDCCHの繰り返し送信が行われる場合の例を示す。WUSをユーザ装置20が検出した場合、ユーザ装置20はページングPDCCHを繰り返しモニタする。
【0025】
Rel.15のWUSは、POと1対1に対応付けられる。一方、POは複数のユーザ装置に共通である。そのため、WUSを検出したIdle状態の複数の全てのユーザ装置が起動して、ページングPDCCHのモニタを行う。つまり、ページングの宛先ではない多くのユーザ装置が起動してしまう可能がある。
【0026】
そこで、LTE Rel.16に関わる本実施の形態では、UE-ID等に基づいて、ユーザ装置のグルーピングが行われる。つまり、基本的には、あるグループに属するユーザ装置は、当該グループのWUSのみをモニタする。これにより、ページングの宛先ではないにも関わらずに起動してしまうユーザ装置の数を減少させることができる。
【0027】
グループはUEグループIDにより識別される。また、Rel.16_WUSをサポートするユーザ装置は、Rel.15のWUSもサポートする。
【0028】
以下、基本的に、Rel.16のWUSをRel.16_WUSと記載し、Rel.15のWUSをレガシWUSと記載する。また、これらを特に区別しない場合には、WUSと記載する。レガシWUSをレガシ起動信号と呼んでもよい。
【0029】
また、UEグループIDはRel.16_WUSの系列の生成に使用される。UEグループの数は、基地局装置10からユーザ装置20に設定可能であり、例えば、SIBにより、基地局装置10からブロードキャストされる。
【0030】
Rel.16_WUSとレガシWUSとの多重は、例えば、次の方法のいずれかで行うことができる:TDM、FDM、single sequence CDM、single sequence CDM+TDM、single sequence CDM+FDM。
【0031】
また、複数のWUS間の多重は、例えば、次の方法のいずれかで行うことができる:single sequence CDM、FDM、single sequence CDM+TDM、single sequence CDM+FDM。
【0032】
なお、single sequence CDMとは、例えば、ベースとなるWUSの系列に対して、直交した符号すなわち相互相関が0または小さい符号を乗算することで、複数のWUS系列を生成し、生成したWUS系列のいずれか1つを選択して送信する手法である。
【0033】
(WUSのリソース割り当て)
本実施の形態において、基地局装置10がユーザ装置20にWUSを送信する際に使用するリソース(ユーザ装置20が、WUSのモニタを行うリソース)であるWUSリソース(時間・周波数リソース)の割り当て方法について説明する。
【0034】
本実施の形態では、時間ドメインと周波数ドメインの各ドメインのおいて、最大で、2つのWUSリソースが設定される。ここでの「設定」とは、各WUSリソースが基地局装置10からユーザ装置20に設定されることであってもよいし、基地局装置10が各WUSリソースを決定することであってもよい。後者の場合、ユーザ装置20は、後述する方法で、自分がWUSのモニタを行うWUSリソースのみを知ることになる。
【0035】
また、1つのWUSリソースの中で、CDM(例えば、single sequence CDM)を用いることで、複数のWUSが多重される。
【0036】
図4~
図6に、複数の直交するWUSリソースが設定される場合の例を示す。いずれの図においても縦軸が周波数であり、横軸が時間である。なお、「直交する」とは、リソースが重複しないという意味である。
【0037】
図4は、時間方向において、2つのWUSリソースが設定された例を示す。
図5は、周波数方向において、2つのWUSリソースが設定された例を示す。
図6は、4つのWUSリソースが設定された例を示す。
【0038】
図7~
図12に、上述したWUSリソースにより、Rel.16_WUSあるいはレガシWUSが基地局装置10から送信される場合の例を説明する。なお、
図7~
図12はそれぞれ、レガシWUSを含む場合を示しているが、レガシWUSが存在しないこととしてもよい。
【0039】
図7は、時間方向にWUSリソースAとWUSリソースBが配置された例を示す。
図7に示すとおり、WUSリソースAで、CDM多重された複数のRel.16_WUSが送信され、WUSリソースBでレガシWUSが送信される。
【0040】
図8は、周波数方向にWUSリソースCとWUSリソースDが配置された例を示す。
図8に示すとおり、WUSリソースCでレガシWUSが送信され、WUSリソースDでCDM多重された複数のRel.16_WUSが送信される。
【0041】
図9は、時間方向、周波数方向にWUSリソースE、WUSリソースF、WUSリソースG、WUSリソースHが配置された例を示す。
図9に示すとおり、WUSリソースE、GのそれぞれでRel.16_WUSが送信され、WUSリソースFでレガシWUSが送信される。
【0042】
図10は、時間方向、周波数方向にWUSリソースE、WUSリソースF、WUSリソースG、WUSリソースHが配置された他の例を示す。
図10に示すとおり、WUSリソースE、G、HのそれぞれでCDM多重された複数のRel.16_WUSが送信され、WUSリソースFでレガシWUSが送信される。
【0043】
図11は、時間方向にWUSリソースAとWUSリソースBが配置された他の例を示す。
図11に示すとおり、WUSリソースAで、CDM多重された複数のRel.16_WUSが送信され、WUSリソースBでCDM多重された複数のRel.16_WUSとレガシWUSが送信される。
【0044】
図12は、周波数方向にWUSリソースCとWUSリソースDが配置された他の例を示す。
図12に示すとおり、WUSリソースCでCDM多重された複数のRel.16_WUSとレガシWUSが送信され、WUSリソースDでCDM多重された複数のRel.16_WUSが送信される。
【0045】
(WUSの検出手順例)
省電力化(power saving)のために、本実施の形態では、原則として、ユーザ装置20は、WUS(1つ又は複数WUS)を1つのWUSリソースのみでモニタする。例えば、
図10等に示したように、基地局装置10から、複数のWUSリソースによりWUSが送信され得る場合でも、ユーザ装置20は、複数のWUSリソースのうち、自分のUEグループIDに対応する1つのWUSリソースのみをモニタする。
【0046】
図13に、ユーザ装置20がWUSリソースをモニタする場合における処理シーケンスの例を示す。
【0047】
S101において、基地局装置10が設定情報を送信し、ユーザ装置20が当該設定情報を受信する。当該設定情報は、ユーザ装置20に設定されるUEグループIDを含む。また、設定情報には、WUSとPOとの間のギャップ情報(時間)が含まれていてもよい。また、後述するように、設定情報の中に、UEグループの数、複数のグループで共通のWUSをモニタするか否かを指示する情報が含まれていてもよい。
【0048】
上記設定情報は、RRCシグナリンで送信されてもよいし、MAC CEで送信されてもよいし、DCIで送信されてもよいし、その他の方法で送信されてもよい。
【0049】
S102において、ユーザ装置20は、S101で設定されたUEグループIDに基づいて、モニタすべきWUSリソースの時間・周波数位置を決定する。例えば、1つのWUSリソースのサイズ(周波数方向長さ及び時間方向長さ)が予め定められていて、更に、UEグループIDからWUSリソースの時間・周波数位置を算出する式が予め定めらている場合において、ユーザ装置20は、UEグループIDから当該式でWUSリソースの時間・周波数位置を算出し、その位置における予め定められたサイズのWUSリソースをモニタすることを決定できる。
【0050】
また、例えば、複数のUEグループIDのそれぞれに対応するWUSリソースの時間・周波数位置がテーブル等により予め定められている場合(ユーザ装置20が当該テーブルを保持する場合)には、ユーザ装置20は、当該テーブルから、自身のUEグループIDに対応するWUSリソースの時間・周波数位置を決定することができる。
【0051】
ステップS103において、ユーザ装置20は、S102で決定したWUSリソースでWUSをモニタする。なお、WUSの系列もUEグループIDに対応付けられている。WUSのモニタにおいて、ユーザ装置20は、自身のUEグループIDに対応する系列のWUSがあるかどうかをサーチする。
【0052】
(グループ共通WUSについて)
本実施の形態では、Rel.16_WUSとして、グループ毎のWUSに加えて、WUSをサポートするセル内の全てのユーザ装置を起動することができるグループ共通WUS(Group common WUS)、及び、全てではないが複数のグループのユーザ装置を起動することができるマルチプルグループWUS(multiple group WUS)を使用することができる。
【0053】
なお、全てのユーザ装置を起動することができるグループ共通WUSと、全てではないが複数のグループのユーザ装置を起動することができるマルチプルグループWUSとを総称して「複数のグループに共通のWUS」と称してもよい。
【0054】
グループ共通WUS/マルチプルグループWUSが使用される場合において、ユーザ装置20は、自身が属するグループに対応するグループ個別のRel.16_WUSをモニタすることに加えて、グループ共通WUS/マルチプルグループWUSをモニタする必要がある。「グループ共通WUS/マルチプルグループWUS」は、グループ共通WUS、又は、マルチプルグループWUS、又は、グループ共通WUSとマルチプルグループWUSの両方、を意味する。
【0055】
例えば、
図14(b)に示すように、WUS ID(WUS系列ID)とUEグループIDとの対応が設定されていて、
図14(a)に示すように、WUSリソースAでWUS#1~#4が送信され、WUSリソースBでレガシWUSが送信される場合を想定する。
図14(b)に示すように、WUS#4はグループ共通WUSであり、WUS#1~#3は、グループ個別のWUSである。
【0056】
例えば、Idle状態のユーザ装置20がUEグループID#1のグループに属する場合において、ユーザ装置20は、UEグループID#1に対応するWUSリソースAで、UEグループID#1に対応するWUS#1をモニタするとともに、WUSリソースAで、グループ共通のWUS#4をモニタする。仮に、ユーザ装置20がWUS#1又はWUS#4を検出した場合、ユーザ装置20は起動して、対応するPOをモニタする。
【0057】
しかし、グループ個別のWUSに加えて、グループ共通WUSをモニタすることは、省電力効果の低下をもたらす可能性がある。特に、トラフィック負荷が低い場合において、省電力効果が低下する可能性が高い。
【0058】
(実施例1:グループ共通WUS/マルチプルグループWUSの有効化/無効化)
グループ個別のWUSに加えて、グループ共通WUS/マルチプルグループWUSをモニタすることは、省電力効果の低下をもたらす可能性があるという課題を解決するための技術を実施例1として説明する。
【0059】
実施例1では、システム情報(例:SIB1-BR、その他のシステム情報)、あるいは、上位レイヤシグナリング(例:RRCシグナリング、MAC CE等)により、ユーザ装置20がグループ共通WUS/マルチプルグループWUSをモニタすることを無効化(disabled)又は有効化(enabled)することを可能としている。なお、SIB1はSystemInformationBlockType1の略であり、BRはBandwidth-Reducedの略である。
【0060】
実施例1における動作例を
図15を参照して説明する。
図15は、グループ共通WUSに関する制御例を示す。S201において、基地局装置10は、システム情報又は上位レイヤシグナリングにより、ユーザ装置20に対し、グループ共通WUSの有効化又は無効化を指示する。
【0061】
S202において、ユーザ装置20は、S201で受信した指示に従って、WUSのモニタ方法を決定する。例えば、グループ共通WUSの無効化が指示された場合、グループ個別のWUSのみをモニタし、グループ共通WUSをモニタしないことを決定する。S203において、ユーザ装置20は、S202で決定した方法でWUSのモニタを実行する。
【0062】
なお、S201における設定は、
図13のS101の設定(UEグループID等の設定)とともに行ってもよいし、
図13のS101の設定とは別に行ってもよい。
【0063】
また、S201において、上記有効化/無効化の指示に加えて、WUSリソースの数と位置等の情報が送信されてもよい。
【0064】
また、
図15に示すように、グループ共通WUS/マルチプルグループWUSの有効化/無効化の指示を明示的に行うことに代えて、ユーザ装置20が自律的にグループ共通WUS/マルチプルグループWUSの有効化/無効化を判断してもよい。
【0065】
例えば、基地局装置10からユーザ装置20に対し、ユーザ装置20が在圏するセルで使用されているUEグループIDの数(UEグループの数)がシステム情報あるいは上位レイヤシグナリングにより通知される。ユーザ装置20は、UEグループIDの数に基づいて、グループ共通WUS/マルチプルグループWUSの有効化/無効化を判断する。なお、「UEグループIDの数」は、グループ共通WUS/マルチプルグループWUSのモニタを行うか否かを間接的に指示する情報の一例である。本実施の形態では、「UEグループIDの数」によりグループ共通WUS/マルチプルグループWUSの有効化/無効化を判断する例を示しているが、「UEグループIDの数」以外の「グループ共通WUS/マルチプルグループWUSのモニタを行うか否かを間接的に指示する情報」によりグループ共通WUS/マルチプルグループWUSの有効化/無効化を判断することとしてもよい。
【0066】
以下、「UEグループIDの数」に基づく判断の例として、例1~例3を説明する。
【0067】
例1:UEグループIDの数が小さい場合(例えば4の場合)、グループ共通WUSとマルチプルグループWUSの両方を無効化する。
【0068】
例2:UEグループIDの数が大きい場合(例えば8の場合)、グループ共通WUSとマルチプルグループWUSのうち、グループ共通WUSのみを有効化し、マルチプルグループWUSを無効化する。
【0069】
例3:UEグループIDの数が非常に大きい場合(例えば16の場合)、グループ共通WUSとマルチプルグループWUSの両方を有効化する。
【0070】
UEグループIDの数が小さい場合には、グループ共通WUSあるいはマルチプルグループWUSを使用するメリットが小さいので、例1のように、省電力化を優先してグループ共通WUSとマルチプルグループWUSの両方を無効化することとしている。
【0071】
一方、例3のように、UEグループIDの数が非常に大きい場合には、グループ共通WUS、マルチプルグループWUSのいずれも使用するメリットが大きいので、例3のように、グループ共通WUSとマルチプルグループWUSの両方を有効化することとしている。
【0072】
なお、例1~例3は一例であるので、例1~例3以外の判断を行うこととしてもよい。また、例1~例3のようなUEグループID数に基づく判断を基地局装置10が行うこととしてもよい。基地局装置10は、UEグループID数に基づく判断結果をユーザ装置20への指示(S201での指示)に用いてもよい。
【0073】
図16に、例1の「UEグループIDの数が小さい場合」を示し、
図17に、例2の「UEグループIDの数が大きい場合」を示す。
【0074】
なお、上記の例1の「UEグループIDの数が小さい」の判定においては、閾値を用いて、UEグループIDの数がその閾値以下であれば「UEグループIDの数が小さい」と判定してもよい。上記の例2の「UEグループIDの数が大きい」の判定においても、閾値を用いて、UEグループIDの数がその閾値以上であれば「UEグループIDの数が大きい」と判定してもよい。例3についても同様に閾値を用いることができる。
【0075】
また、例1~例3で説明したような判定方法が基地局装置10からユーザ装置20にシステム情報あるいは上位レイヤシグナリングにより設定されてもよいし、例1~例3で説明したような判定方法が仕様書に記載されて、ユーザ装置20/基地局装置10は仕様書の記載に従って動作することとしてもよい。
【0076】
個々のグループに適用される起動信号と、複数のグループに共通に適用される起動信号が送信される無線通信ネットワークにおいて、ユーザ装置が適切に起動信号をモニタすることが可能となる。
【0077】
(実施例2)
次に、実施例2を説明する。前述したように、複数のWUSリソースが設定される場合でも、ユーザ装置20は、1つのWUSリソースのみにおいてWUSをモニタする。
【0078】
ここで、例えば、WUSリソースAとWUSリソースBが使用される場合において、UEグループID#1に属するユーザ装置はWUSリソースAのWUSをモニタし、UEグループID#2に属するユーザ装置はWUSリソースBのWUSをモニタする場合を考える。
【0079】
このとき、基地局装置10が、セルにおける全ユーザ装置を起動させることを目的とするグループ共通WUSを仮にWUSリソースAのみで送信する場合、WUSリソースBをモニタするユーザ装置はグループ共通WUSをモニタしないので、グループ共通WUSを検出できない。
【0080】
よって、本実施の形態では、複数のWUSリソースが設定され、それぞれのWUSリソースでRel.16_WUSが送信される場合には、基地局装置10は、各WUSリソースでグループ共通WUSを送信することとしてよい。
【0081】
図18に例を示す。
図18の例では、WUSリソースGによりUEグループID#1~#3に対応するそれぞれのRel.16_WUSが送信され、WUSリソースEによりUEグループID#4~#6に対応するそれぞれのRel.16_WUSが送信される。そのため、WUSリソースGとWUSリソースEのそれぞれでグループ共通WUSが送信される。
【0082】
上記の手法により、全てのユーザ装置が適切にグループ共通WUSをモニタできる。ただし、同じ目的の信号であるグループ共通WUSを複数のWUSリソースで送信することは、無線リソースを圧迫することになり好ましくはない。できるだけ、送信すべきグループ共通WUSの数を少なくすることが望ましい。
【0083】
そこで、実施例2では、レガシWUSをグループ共通WUSとして使用することとしてもよい。つまり、レガシWUSの系列をグループ共通WUSの系列の1つとして使用することとしてもよい。
【0084】
図19に例を示す。
図19の例では、WUSリソースAによりUEグループID#1~#3に対応するそれぞれのRel.16_WUSとグループ共通WUSが送信され、WUSリソースBによりUEグループID#4~#6に対応するそれぞれのRel.16_WUSと、レガシWUSが送信される。Rel.16_WUSをサポートするユーザ装置20は、WUSリソースBをモニタする場合において、このレガシWUSをグループ共通WUSとしてモニタする。これにより、WUSリソースBにおいては、グループ共通WUSを送信する必要がなく、レガシWUSをグループ共通WUSとして利用できるので、無線リソースを有効利用できる。
【0085】
例えば、基地局装置10が、全ユーザ装置を起動させるためにグループ共通WUSを送信することを決定した場合、基地局装置10は、WUSリソースAでグループ共通WUSを送信し、WUSリソースBでレガシWUSを送信する。
【0086】
ユーザ装置20がUEグループID#1のグループに属する場合、ユーザ装置20は、WUSリソースAで送信されるWUS_ID#1のWUSをモニタするとともに、WUSリソースAで送信されるWUS_ID#4のグループ共通WUSをモニタする。ユーザ装置20はもしもグループ共通WUSを検出すれば、POをモニタする。
【0087】
また、ユーザ装置20がUEグループID#4のグループに属する場合、ユーザ装置20は、WUSリソースBで送信されるWUS_ID#5のWUSをモニタするとともに、WUSリソースBで送信されるWUS_ID#8のレガシWUSをモニタする。ユーザ装置20はもしもレガシWUSを検出すれば、POをモニタする。
【0088】
なお、レガシWUS(レガシ起動信号)は、「グループ共通WUS/マルチプルグループWUS」(第2起動信号)を送信するリソースとは別のリソースで送信する第3起動信号の一例である。レガシWUS以外の信号が第3起動信号として使用されてもよい。また、第3起動信号が「グループ共通WUS/マルチプルグループWUS」であってもよい。
【0089】
実施例2においても、個々のグループに適用される起動信号と、複数のグループに共通に適用される起動信号が送信される無線通信ネットワークにおいて、ユーザ装置が適切に起動信号をモニタすることができる。
【0090】
(装置構成)
次に、これまでに説明した処理及び動作を実行する基地局装置10及びユーザ装置20の機能構成例を説明する。基地局装置10及びユーザ装置20は上述した実施例1~2を実施する機能を含む。ただし、基地局装置10及びユーザ装置20はそれぞれ、実施例1~2に関して、実施例1~2のうちのいずれかの実施例の機能のみを備えることとしてもよい。
【0091】
<基地局装置10>
図20は、基地局装置10の機能構成の一例を示す図である。
図20に示されるように、基地局装置10は、送信部110と、受信部120と、設定部130と、制御部140とを有する。
図20に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0092】
送信部110は、ユーザ装置20側に送信する信号を生成し、当該信号を無線で送信する機能を含む。受信部120は、ユーザ装置20から送信された各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。
【0093】
設定部130は、予め設定される設定情報、及び、ユーザ装置20に送信する各種の設定情報を記憶装置に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。制御部140は、例えば、ユーザ装置のグループの数に基づいて、ユーザ装置に複数のユーザ装置に共通のWUSのモニタを行わせるか否かを決定する。なお、制御部140における信号送信に関する機能部を送信部110に含め、制御部140における信号受信に関する機能部を受信部120に含めてもよい。
【0094】
<ユーザ装置20>
図21は、ユーザ装置20の機能構成の一例を示す図である。
図21に示されるように、ユーザ装置20は、送信部210と、受信部220と、設定部230と、制御部240とを有する。
図21に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0095】
送信部210は、送信データから送信信号を作成し、当該送信信号を無線で送信する。受信部220は、各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する。
【0096】
設定部230は、受信部220により基地局装置10から受信した各種の設定情報を記憶装置に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。また、設定部230は、予め設定される設定情報も格納する。制御部240は、各種の制御を実行する。なお、制御部240における信号送信に関する機能部を送信部210に含め、制御部240における信号受信に関する機能部を受信部220に含めてもよい。
【0097】
(ハードウェア構成)
上記実施形態の説明に用いたブロック図(
図20及び
図21)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0098】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)あるいは送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0099】
例えば、本開示の一実施の形態における基地局装置10、ユーザ装置20等は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図22は、本開示の一実施の形態に係る基地局装置10及びユーザ装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局装置10及びユーザ装置20は、物理的には、プロセッサ1001、記憶装置1002、補助記憶装置1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0100】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニット等に読み替えることができる。基地局装置10及びユーザ装置20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0101】
基地局装置10及びユーザ装置20における各機能は、プロセッサ1001、記憶装置1002等のハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、記憶装置1002及び補助記憶装置1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0102】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の制御部140、制御部240等は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0103】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータ等を、補助記憶装置1003及び通信装置1004の少なくとも一方から記憶装置1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、
図20に示した基地局装置10の制御部140は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。また、例えば、
図21に示したユーザ装置20の制御部240は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0104】
記憶装置1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。記憶装置1002は、本開示の一実施の形態に係る通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール等を保存することができる。
【0105】
補助記憶装置1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等の少なくとも1つによって構成されてもよい。補助記憶装置1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、記憶装置1002及び補助記憶装置1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0106】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インターフェース等は、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0107】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプ等)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0108】
また、プロセッサ1001及び記憶装置1002等の各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0109】
また、基地局装置10及びユーザ装置20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0110】
(実施の形態のまとめ)
本実施の形態により、少なくとも下記の各項に記載された基地局装置及びユーザ装置及び通信方法が提供される。
(第1項)
ページング機会のモニタのトリガとなる起動信号である第1起動信号を、グループ分けされたユーザ装置のグループ毎に送信するとともに、複数のグループに共通の起動信号である第2起動信号を送信する送信部を備え、
前記送信部は、前記第2起動信号のモニタを行うか否かを指示する情報、又は、前記第2起動信号のモニタを行うか否かを間接的に指示する情報をユーザ装置に送信する
基地局装置。
(第2項)
ユーザ装置のグループの数に基づいて、ユーザ装置に前記第2起動信号のモニタを行わせるか否かを決定する制御部
を更に備える第1項に記載の基地局装置。
(第3項)
ページング機会のモニタのトリガとなる起動信号である第1起動信号を、グループ分けされたユーザ装置のグループ毎に送信するとともに、複数のグループに共通の起動信号である第2起動信号を送信する送信部を備え、
前記送信部は、前記第2起動信号を送信するリソースとは別のリソースで、複数のグループに共通の起動信号である第3起動信号を送信する
基地局装置。
(第4項)
前記第3起動信号は、レガシ起動信号である
第3項に記載の基地局装置。
(第5項)
基地局装置からグループIDを受信する受信部と、
前記グループIDに基づいて、ページング機会のモニタのトリガとなる起動信号である第1起動信号をモニタするためのリソースを決定する制御部と、を備え、
前記基地局装置から、複数のグループに共通の起動信号である第2起動信号が送信される場合において、前記受信部は、前記基地局装置から受信する情報に基づいて、前記リソースにおいて前記第2起動信号をモニタするか否かを決定する
ユーザ装置。
(第6項)
前記基地局装置から受信する情報は、前記第2起動信号のモニタを行うか否かを指示する情報、又は、前記第2起動信号のモニタを行うか否かを間接的に指示する情報である
第5項に記載のユーザ装置。
(第7項)
ページング機会のモニタのトリガとなる起動信号である第1起動信号を、グループ分けされたユーザ装置のグループ毎に送信するとともに、複数のグループに共通の起動信号である第2起動信号を送信する送信ステップを備え、
前記送信ステップの前に、前記第2起動信号のモニタを行うか否かを指示する情報、又は、前記第2起動信号のモニタを行うか否かを間接的に指示する情報をユーザ装置に送信する
基地局装置が実行する通信方法。
【0111】
第1項、第3項~第7項により、個々のグループに適用される起動信号と、複数のグループに共通に適用される起動信号が送信される無線通信ネットワークにおいて、ユーザ装置が適切に起動信号をモニタすることが可能となる。また、第2項により、適切に第2起動信号のモニタの可否を判断できる。
【0112】
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、基地局装置10及びユーザ装置20は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って基地局装置10が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従ってユーザ装置20が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD-ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
【0113】
また、情報の通知は、本開示で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージ等であってもよい。
【0114】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0115】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0116】
本明細書において基地局装置10によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局装置10を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、ユーザ装置20との通信のために行われる様々な動作は、基地局装置10及び基地局装置10以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GW等が考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局装置10以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、他のネットワークノードは、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0117】
本開示において説明した情報又は信号等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0118】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0119】
本開示における判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0120】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0121】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0122】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0123】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0124】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0125】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0126】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUSCH、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0127】
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「基地局装置」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0128】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0129】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0130】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0131】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0132】
また、本開示における基地局装置は、ユーザ装置で読み替えてもよい。例えば、基地局装置及びユーザ装置間の通信を、複数のユーザ装置20間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局装置10が有する機能をユーザ装置20が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0133】
同様に、本開示におけるユーザ装置は、基地局装置で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ装置が有する機能を基地局装置が有する構成としてもよい。
【0134】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0135】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0136】
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0137】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0138】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0139】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0140】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0141】
無線フレームは時間領域において1つ又は複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つ又は複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジ(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0142】
ニューメロロジは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジは、例えば、サブキャリア間隔(SCS:SubCarrier Spacing)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0143】
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジに基づく時間単位であってもよい。
【0144】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0145】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
【0146】
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0147】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ装置20に対して、無線リソース(各ユーザ装置20において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0148】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0149】
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0150】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0151】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0152】
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジに基づいて決定されてもよい。
【0153】
また、RBの時間領域は、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。
【0154】
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0155】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0156】
帯域幅部分(BWP:Bandwidth Part)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジ用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0157】
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
【0158】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0159】
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0160】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0161】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0162】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0163】
なお、本開示において、SSブロック又はCSI-RSは、同期信号又は参照信号の一例である。
【0164】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0165】
10 基地局装置
110 送信部
120 受信部
130 設定部
140 制御部
20 ユーザ装置
210 送信部
220 受信部
230 設定部
240 制御部
1001 プロセッサ
1002 記憶装置
1003 補助記憶装置
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置