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特許7529235カメラが組み込まれた車室外ワイパーブレードシステム
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  • 特許-カメラが組み込まれた車室外ワイパーブレードシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】カメラが組み込まれた車室外ワイパーブレードシステム
(51)【国際特許分類】
   B60J 1/02 20060101AFI20240730BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20240730BHJP
   G03B 17/08 20210101ALI20240730BHJP
   B60R 1/24 20220101ALI20240730BHJP
   B60R 1/26 20220101ALI20240730BHJP
【FI】
B60J1/02 L
G03B15/00 V
G03B17/08
B60R1/24
B60R1/26
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022547152
(86)(22)【出願日】2022-02-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 TR2022050087
(87)【国際公開番号】W WO2023055315
(87)【国際公開日】2023-04-06
【審査請求日】2023-08-16
(31)【優先権主張番号】2021/015303
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TR
(73)【特許権者】
【識別番号】521443232
【氏名又は名称】スタンダード プロフィール エーゲ オートモティヴ サナイ ヴェ ティカレット アノニム シルケティ
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オズデン ムラット カン
(72)【発明者】
【氏名】サフ オルクン
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0139799(US,A1)
【文献】特開2016-134226(JP,A)
【文献】特開2001-080412(JP,A)
【文献】特開2001-266618(JP,A)
【文献】特開2013-063748(JP,A)
【文献】特開2018-045837(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0143899(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 1/02
G03B 15/00
G03B 17/08
B60R 1/24
B60R 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車で使用するための車両室外ワイパーブレードシステムであって、以下の要素:
車両の室内と室外との間を封止する室外ガラス封止要素と、
前記室外ガラス封止要素上で一体の少なくとも1つのリザーバと、
前記リザーバ内の、前記車両の後ろの交通状況を瞬間表示するためのカメラと、
前記リザーバ内の、半透明の熱可塑性エラストマ(TPE)材料から作られた、前記車両の戻り信号を提供するサイド信号灯区分と、
前記リザーバ上で閉じていて、前記カメラを封止している上側カバーと、
送電のための高い導電性を有し、カメラとサイド信号灯区分との電気接続を提供する導電性ポリマーと、
前記カメラから転送されたスナップショットを、前記車両内で運転者が見ることを可能にするディスプレイと
を備える、車両室外ワイパーブレードシステム。
【請求項2】
前記室外ガラス封止要素がポリマー材料から作られている、請求項1に記載の車両室外ワイパーブレードシステム。
【請求項3】
前記リザーバがポリマー材料から作られている、請求項1または2に記載の車両室外ワイパーブレードシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車で使用するための、カメラ組込み型の半透明の熱可塑性エラストマ(TPE)信号領域を有する車両室外ワイパーブレードシステムに関する。
【0002】
特に、本発明は、車両を封止する室外ガラス封止要素で運転者が交通状況を監視できるようにする、透明な熱可塑性エラストマ(TPE)信号ゾーンを有し、カメラが組み込まれた、車両室外ワイパーブレードシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
車両の側部の室外撮像システムおよび室外ガラス封止システムが、本技術分野において個々の機能を実行するために使用される。車両の側部の室外撮像システムは、主に、車両ドアに装着された外部撮像システム(カメラ)と、前記撮像システムによって得られた画像が車両室内環境に転送されるディスプレイとから成る。室外ガラス封止システムは、封止条件に適した構造に高分子材料が設計された要素を含んでいる。これらの封止要素は、ガラスと室外環境との関係を取り除くことにより、室内環境の隔離をもたらす。
【0004】
車両の側部の室外撮像システムおよび室外ガラス封止システムは、それら自体の個々の機能を実行し、車両に別々に装着されている。撮像システムをドア組立体に装着するために、ドアの金属に加工が実施されている。加えて、2つ以上のプラスチック材料を互いに装着することにより、撮像システムの室外コーティング部分が形成されている。この理由のために、撮像システムが組み込まれたシステムが、既知の先行技術の室外ガラス封止システムに必要とされていた。
【0005】
文献について研究を行った結果、先行技術の例として、特許出願番号KR20200143840が示されてよい。前記文献は、安全運転のために、左右のドアパネルに取り付けられたカメラで、運転中にユーザが死角を制御できるようにする車両用のサイドカメラに関する。前記発明は、車両のドアパネルに隣接したフェンダの縁部に取り付けられるカメラ本体と、カメラ本体の下から得られ、外側に露出することなくフェンダとドアパネルとの間に入るケーブルと、カメラ本体に取り付けられるカメラモジュールとを備えたサイドカメラを参照している。したがって、前記発明においては、いかなる封止要素にも組み込まれることなく、ドアパネルに外部から取り付けられるカメラが、車両に導入される。
【0006】
文献について研究を行った結果、先行技術の別の例として、特許出願番号US2020139799が示されてよい。前記文献は、自動車封止モジュールに関する。封止モジュールは、少なくとも1つの長い形材と、車両のガラスとともに機能するように構成された少なくとも1つのガスケットとを備えている。さらに、前記形材は、カメラなどの少なくとも1つの電子機器を支持するための支持部を有している。しかし、封止モジュールは、信号領域における半透明材料、および送電における導電性を有するポリマー材料を有していない。
【0007】
その結果、前述の問題およびその不十分な解決策は、関連技術分野において改善する必要がある。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、前述の欠点をなくし、新規の利点を関連技術分野に提供するカメラ組込み型の車両室外ワイパーブレードシステムに関する。
【0009】
本発明の主な目的は、運転者が交通状況を監視できるようにするカメラを、車両を封止している室外ガラス封止要素に組み込み、そのカメラを使用するシステムを提供することである。
【0010】
本発明の目的は、撮像システムを封止要素に組み込むことによって2つ以上のプラスチック蓋部分の必要性をなくすことにより、車両組立てにおける2つの異なる主な組立て体の組立てに使用される組立て技量を低減することである。
【0011】
本発明の別の目的は、撮像システムおよび車両信号システムも、室外ガラス封止要素上のリザーバ内で、単一の製造工程によって実施されることを確保することである。
【0012】
本発明の別の目的は、車両の騒音発生源のうちの1つである風切音を最小化すること、および半透明の熱可塑性エラストマ(TPE)材料から車両信号システムを製造し、前記信号システムおよび撮像システムを収容するリザーバを、動作条件に応じて製造することにより、車両においてNVH(騒音、振動、およびハーシュネス)の特徴を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、電子部品の代わりに、導電性を有するポリマー材料で撮像システムと信号システムとの接続を行うことにより、製造において単一工程で生産効率を増大させることによって、部品の個数を減らすことである。
【0014】
本発明は、上述した説明および詳細な説明から生じることがある全ての目的を達成するために、自動車において使用される車両室外ワイパーブレードシステムであって、以下の要素:
前記車両の室内と室外との間を封止する室外ガラス封止要素と、
前記室外ガラス封止要素上で一体の少なくとも1つのリザーバと、
前記リザーバ内の、前記車両の後ろの交通状況を瞬間表示するためのカメラと、
前記リザーバ内の、半透明の熱可塑性エラストマ(TPE)材料から作られた、前記車両の戻り信号を提供するサイド信号灯区分と、
前記リザーバ上で閉じていて、前記カメラを封止している上側カバーと、
送電のための高い導電性を有し、カメラとサイド信号灯区分との電気接続を提供する導電性ポリマーと、
前記カメラから転送されたスナップショットを、前記車両内で運転者が見られるようにするディスプレイとを備えることを特徴とする、車両室外ワイパーブレードシステムに関する。
【0015】
本発明の構造的および特性的な特徴、ならびに全ての利点は、以下の図およびその詳細な説明を参照することにより、より明確に理解されよう。したがって、これらの図および詳細な説明を考慮することにより、評価がなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の車両室外ワイパーブレードシステムの代表的な斜視図である。
【0017】
図2】本発明の主題であり、車両室外ワイパーブレードシステムの代表的な上面図である。
【0018】
符号の説明
10 室外ガラス封止要素
20 リザーバ
30 カメラ
40 サイド信号灯区分
50 上側カバー
60 導体ポリマー
70 ディスプレイ
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の車両室外ワイパーブレードシステムの好ましい代替形態は、本発明の主題のより深い理解のために説明されるに過ぎず、この詳細な説明においていかなる限定も意図していない。
【0020】
本発明の車両室外ワイパーブレードシステムの代表的な図が、図1に与えられている。
したがって、車両室外ワイパーブレードシステムは、その最も基本的な形状において、車両の内側環境と車両の室外環境との間を封止する室外ガラス封止要素(10)と、室外ガラス封止要素(10)上の少なくとも1つのリザーバ(20)と、リザーバ(20)内の、車両の後ろの交通状態の瞬間表示を提供するカメラ(30)と、リザーバ(20)内の、車両の戻り信号を提供するサイド信号灯区分(40)と、リザーバ(20)上で閉じている上側カバー(50)と、カメラ(30)とサイド信号灯区分(40)との電気接続を提供する導電性ポリマー(60)と、カメラ(30)から転送された画像を運転者が見ることを可能にするディスプレイ(70)とを備えている。
【0021】
車両室外ワイパーブレードシステムの主構造を形成する室外ガラス封止要素(10)は、ポリマー材料から作られており、その上にリザーバ(20)を有している。室外ガラス封止要素(10)とリザーバ(20)とは、一体である。リザーバ(20)は、NVH(騒音、振動、およびハーシュネス)性能に応じて、車両の動作条件を考慮して設計されてきている。したがって、車両の騒音発生源のうちの1つである風切音が最小化される。
【0022】
リザーバ(20)は、車両の後ろの交通状況を瞬間表示するための少なくとも1つのカメラ(30)と、車両の戻り信号を送信するためのサイド信号灯区分(40)とを備えている。
サイド信号灯区分(40)は、半透明の熱可塑性エラストマ(TPE)材料から作られている。
【0023】
上側カバー(50)がリザーバ(20)に封止されて、リザーバ(20)において外部要因からカメラ(30)を保護している。
【0024】
リザーバ(20)内のカメラ(30)およびサイド信号灯区分(40)と車両との電気接続は、送電のために高い導電性を有する導電性ポリマー(60)によって提供されている。
【0025】
カメラ(30)を備えた車両の後ろの交通状況のスナップショットは、図2において見えるように、車両に配置されたディスプレイ(70)を通して運転者によって見られる。
【0026】
本発明の車両室外ワイパーブレードシステムの使用方法は、以下の通りである。リザーバ(20)と一体である室外ガラス封止要素(10)が、車両に装着される。カメラ(30)とサイド信号灯区分(40)との電気接続が、導電性ポリマー(60)によって仕上げられる。ディスプレイ(70)が車両に配置される。車両の回転信号の方向は、サイド信号灯区分(40)によって与えられ、カメラ(30)を備えた車両の後ろの交通状況のスナップショットが、車両の使用中にディスプレイ(70)を通して運転者によって監視される。
図1
図2