(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】ヒユ科の苗およびその生産方法
(51)【国際特許分類】
A01G 7/00 20060101AFI20240730BHJP
A01G 22/15 20180101ALI20240730BHJP
【FI】
A01G7/00 605Z
A01G22/15
(21)【出願番号】P 2020157666
(22)【出願日】2020-09-18
【審査請求日】2023-08-04
(31)【優先権主張番号】P 2019180015
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【微生物の受託番号】NITE AP-01933
(73)【特許権者】
【識別番号】504203572
【氏名又は名称】国立大学法人茨城大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 美聡
(72)【発明者】
【氏名】水島 邦具
(72)【発明者】
【氏名】成澤 一彦
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特許第6315195(JP,B2)
【文献】特開平8-191685(JP,A)
【文献】米国特許第4164405(US,A)
【文献】特開平5-213707(JP,A)
【文献】特公平7-061257(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 7/00
A01G 22/15
A01N 63/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒユ科の苗であって、
Veronaeopsis simplexに属する菌が根に接種されている、ヒユ科の苗。
【請求項2】
請求項1に記載のヒユ科の苗において、
前記菌が、NITE AP-01933の受領番号を有する菌株、MAFF番号240802を有する菌株、および、「CBS 588.66」のCBS番号を有する菌株の少なくともいずれか1つの菌株の菌を含む、ヒユ科の苗。
【請求項3】
ヒユ科の苗の生産方法であって、
前記苗の根に、Veronaeopsis simplexに属する菌を接種するステップを含む、生産方法。
【請求項4】
請求項3に記載の生産方法において、
前記ステップで、前記菌が培養された状態の所定の培養材を用いて育苗する処理を行う、生産方法
。
【請求項5】
請求項3に記載の生産方法において、
前記ステップで、前記菌を含む水溶液を前記苗の根に付着させる処理を行う、生産方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示する技術は、ヒユ科の苗(移植前の幼い植物)およびその生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食用として利用されているヒユ科の植物には、例えば、ホウレンソウやフダンソウ、アマランサス、甜菜などが有る。ホウレンソウは、食材として広く利用されており、フダンソウ、アマランサスも、ホウレンソウほどではないが、食材として利用されている。
【0003】
甜菜は、サトウダイコンとも言われるように、砂糖(甜菜糖)の原料として利用されている。甜菜は、サトウキビと異なり、比較的寒さに強いことから、主に寒冷地で栽培されている。ヒユ科の植物には、センニチコウやケイトウなどもある。
【0004】
ところで、土壌には、細菌や真菌などの多種多様な微生物が棲息している。そして、植物の多くは、これら微生物と互いに補完し合いながら共生していることが知られている。
【0005】
このような共生微生物の利用により、特定の植物の生長を促進させたり、病害や環境への耐性を付与したりすることが行われている。その代表例として、VA菌根菌が広く知られている。
【0006】
VA菌根菌が植物に感染すると、その植物にVA菌根が形成される。VA菌根の形成により、栄養素の吸収性の改善、病害や環境への耐性の発現などの効果が認められる。そのため、VA菌根菌の植物栽培への利用については、これまでも様々な検討が行われている(特許文献1、非特許文献1)。
【0007】
開示する技術に関し、トマト苗に、根部エンドファイト(NITE AP-01933の受領番号を有するVeronaeopsis simplexに属する菌に属する菌株)を接種することにより、放射性セシウムの吸収を抑制する技術が開示されている(特許文献2)。エンドファイトとは、特定の植物の生長を促進させたり、病害や環境への耐性を付与することができる共生微生物のことである。
【0008】
本出願人は、農業や園芸等に好適な木質培土について開発を行っており、これまでも様々な技術を開示している。例えば、特許文献3では、クエン酸鉄アンモニウムを含有させることで、植物が良好に生育できる木質培土(堆肥化していない木材を素材とした培土)が得られることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特公平7-61257号公報
【文献】特許第6315195号公報
【文献】特許第6469142号公報
【非特許文献】
【0010】
【文献】小川 眞著,「VA菌根とその働き」,森林立地XXX(2),1988,P57-65
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
VA菌根菌は、多くの植物に感染してVA菌根を形成するが、一部の限られた植物に対しては、ほとんど感染せずにVA菌根も形成しないことが知られている。
【0012】
例えば、特許文献1には、VA菌根菌が感染し難い植物として、アブラナ科、アカザ科の植物が挙げられている(現在、アカザ科はヒユ科に統合されており、ヒユ科アカザ亜科となっている)。
【0013】
また、非特許文献1には、VA菌根を作らない草本植物として、イラクサ科、タデ科、アカザ科、ヒユ科、ツルナ科、スベリヒユ科、ナデシコ科、アブラナ科が挙げられている。
【0014】
すなわち、上述したホウレンソウや甜菜などのヒユ科の植物は、VA菌根菌を有効活用できない。そのため、ヒユ科の苗は、その生育条件の影響により、生長が不安定になるおそれがある。例えば、土壌の塩類濃度の高い地域でホウレンソウの苗を栽培すると、塩類の濃度障害によって生長が阻害され易いし、異常気象等によって甜菜の苗が高温に曝されると、温度障害によって生長が阻害される場合がある。
【0015】
そこで、開示する技術の主たる目的は、安定して生長するヒユ科の苗を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
開示する技術の1つは、ヒユ科の苗に関するものであり、Veronaeopsis simplex属(V.simplex属ともいう)の菌が根に接種されていることを特徴とする。
【0017】
詳細は後述するが、ヒユ科の苗の根に、V.simplexに属する菌に属する菌を接種することで、生長が促進される効果が認められた。すなわち、ヒユ科の苗は、V.simplexに属する菌に属する菌を有効活用できる。ヒユ科の苗の根が、V.simplexに属する菌に属する菌に感染すれば、生長促進効果だけでなく、様々な耐性の付与効果も期待できる。従って、良好な生育を示さない生育条件でも、ヒユ科の苗を安定して生長させることが可能になる。
【0018】
前記菌は、NITE AP-01933の受領番号を有する菌株、MAFF番号240802を有する菌株、および、「CBS 588.66」のCBS番号を有する菌株の少なくともいずれか1つの菌株の菌を含むようにするとよい。
【0019】
これら菌株であれば、V.simplexに属する菌に属する菌として特定されており、所定の機関を通じて入手可能である。
【0020】
開示する技術の他の1つは、ヒユ科の苗の生産方法に関するものであり、前記苗の根に、V.simplexに属する菌を接種するステップを含むことを特徴とする。
【0021】
前記ステップでは、前記菌が培養された状態の所定の培養材を用いて育苗する処理を行ってもよいし、前記菌を含む水溶液を前記苗の根に付着させる処理を行ってもよいし、前記菌が培養された状態の所定の培養材を用いて育苗する処理を行ってもよい。
【0022】
いったん、これら苗の根にV.simplexに属する菌が感染してしまえば、その後は菌との共生により、生長促進や耐性付与などの有利な効果を得ることが可能になる。
【発明の効果】
【0023】
開示する技術によれば、不適切な生育条件でも、ヒユ科の苗を安定して生長させることができるので、甜菜等の農作物や、ケイトウ等の観葉植物の生育性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】通常の条件下における1回目の栽培試験の結果を示す表である。
【
図2】通常の条件下における2回目の栽培試験の結果を示すグラフである。
【
図3】過酷な条件下(高温)における栽培試験の結果を示すグラフである。
【
図4】過酷な条件下(高塩濃度)における栽培試験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、開示する技術の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限するものではない。
【0026】
<ヒユ科の苗、V.simplexに属する菌>
本発明者らは、V.simplexに属する菌に着目し、ヒユ科の苗に、V.simplexに属する菌を接種する試験を行った。その結果、V.simplexに属する菌に、通常の条件下はもとより、高温や高塩濃度の過酷な条件下においても、ヒユ科の苗の生長促進効果が認められた。その具体的な試験内容について説明する。
【0027】
(菌の準備)
V.simplexに属する菌は、真菌である。V.simplexに属する菌には、複数の菌株が存在する。そのうち、入手可能な菌株としては、例えば、NITE AP-01933の受領番号を有する菌株(Y34菌株)、株名がK45からなる菌株(K45菌株)、および、「CBS 588.66」のCBS番号を有する菌株(CBS588.66菌株、以下CBS菌株ともいう)がある。
【0028】
K45菌株は、農業生物資源ジーンバンクに、MAFF番号240802で登録されており、同ジーンバンクを通じて入手できる。そして、CBS菌株は、オランダのカルチャーコレクション機関(CBS-KNAW culture collection)に、CBS番号(CBS 588.66)で登録されており、同機関を通じて入手できる。
【0029】
(菌の調製)
コーンミールアガー:8.5g、麦芽エキス:10g、酵母エキス:1.0gを水1Lに溶解したものを、滅菌処理(121℃、20分)した後、20mlずつ滅菌シャーレに分注し、寒天培地を作製した。これら寒天培地に、各菌株の菌を接種し、培養チャンバーにて各菌株に適した温度下(Y34菌株は30℃、K45菌株およびCBS菌株は25℃)で2週間培養した。
【0030】
(培養材の調製)
代表的な真菌であるキノコ類は、針葉樹の「おがこ(切り屑)」に、米糠などを添加した培地を用いた菌床栽培によって量産化されている。ところが、本発明者らが試験したところ、堆肥化されていない針葉樹のおがこを用いた培養材では、菌床栽培と同様に配合しても、V.simplexに属する菌は良好に培養できなかった。
【0031】
そこで、本発明者らは、新たな培養材について検討した結果、針葉樹の木材を砕いて形成された木材砕片に、微量の硫酸鉄およびクエン酸を含有させて改質することで、V.simplexに属する菌の培養に好適な培養材が得られることを見出した。
【0032】
試験では、V.simplexに属する菌の培養に、その培養材をサンプルとして使用した(実施例)。すなわち、カッターミルを用いて、杉の端材を切削粉砕した。4mmのメッシュで篩に掛け、そのメッシュを通過した、4mm以下のサイズの木材の粉砕物(木材砕片)を試験に供した。なお、ここでのメッシュサイズの定義は、JIS Z 8801-1に規定される試験用ふるいの公称目開き同等のものをいう。
【0033】
得られた木材砕片に対し、改質処理を行い、上述した培養材を作製した。改質処理では、木材砕片の絶乾重量に対し、硫酸鉄七水和物0.15%、クエン酸0.02%、炭酸水素アンモニウム0.10%、炭酸カリウム0.10%、および界面活性剤0.30%を添加した。
【0034】
一方、改質処理を行わない、粉砕しただけの木材砕片もまたサンプルとした(比較例)。
【0035】
実施例および比較例の各サンプルに対し、所定量の栄養材(糠)および水分を添加することにより、培養材を試験用に調製した。具体的には、各サンプルに所定の割合で米糠、ふすま(小麦の糠)を混合し、所定量の水を加えた。
【0036】
詳細には、サンプル:米糠:ふすまが、8:1:1(体積比)となるよう混合した。これら混合物に加水することにより、含水率が絶乾重量に対して195%となるように水分調整した。そうして得た各サンプル(調製培養材)を、オートクレーブで滅菌処理(121℃40分)した後、40mlずつ滅菌シャーレに分取し、試験に供した。
【0037】
(菌の培養)
寒天培地での培養で形成されたコロニーから、柄付針で、直径約5mmの大きさで菌塊および寒天培地を切り出し、各サンプルの表面に載置することで菌を接種した。菌を接種した各サンプルを、培養チャンバーにて、各菌株に適した条件下で21日間、培養した。
【0038】
(ヒユ科の苗への菌の接種)
培養後の各サンプルを、滅菌したミルサーで十分に撹拌混合した後、サンプル(培養済み培養材)を得た。滅菌した所定の有機培養土を準備し、これに体積比で10%となるように、各サンプルを添加し、試験用の培養土を作製した。
【0039】
試験では、ヒユ科の植物として、フダンソウ(Beta vulgaris var. cicla (L.) K.Koch)、テンサイ(Beta vulgaris ssp.vulgaris)、ホウレンソウ(Spinacia oleracea)、アマランサス (Amaranthus cruentus)、および、ケイトウ(Celosia argentea)を使用した。なお、フダンソウおよびテンサイは、フダンソウ属の別品種である。
【0040】
フダンソウ、テンサイ、および、ホウレンソウは、無菌的に発根させた種子を準備し、その種子を培養土の各サンプルに移植することで、苗に菌を接種した。アマランサスおよびケイトウは、その種子を直接培養土の各サンプルに播くことで、菌を接種した。
【0041】
(通常の条件での栽培試験)
種子を移植した各サンプル(培養土)は、20℃の恒温条件下で、3週間栽培した。栽培期間中、栽培用のLEDライトを用いて点灯および消灯を定期的に繰り返すことで、日照時間が14時間となるように設定した。
【0042】
なお、本条件での栽培試験は2回行った。1回目の栽培試験では、V.simplexに属する菌としてY34菌株を使用し、ヒユ科の植物としてフダンソウを使用した。2回目の栽培試験では、V.simplexに属する菌として、Y34菌株、K45菌株、および、CBS菌株を使用し、ヒユ科の植物として、テンサイ、ホウレンソウ、アマランサス、および、ケイトウを使用した。
【0043】
(過酷な条件での栽培試験)
植物に、高温ストレスを与えた場合および高塩濃度ストレスを与えた場合からなる2条件の下で栽培試験を行った。
【0044】
高温ストレスを与える場合は、テンサイおよびホウレンソウを25℃の恒温条件下で栽培し発芽させた。そして、本葉が開葉した時点から、明期は33℃14時間の条件下で、暗期は28℃10時間の条件下で、それぞれ、さらに2週間栽培した。
【0045】
高塩濃度ストレスを与える場合は、フダンソウ、ホウレンソウ、アマランサス、および、ケイトウを、25℃の恒温条件下で栽培し発芽させた。そして、本葉が開葉した時点で、所定濃度の塩化ナトリウム水溶液(フダンソウはl5.8g/L,ホウレンソウ、アマランサス、および、ケイトウは17.5g/L)を50ml与えた。更に、本葉が開葉した時点の1週間後にも、先と同じ濃度の塩化ナトリウム水溶液を50ml与え、本葉の開葉から2週間栽培した。
【0046】
(栽培試験結果)
通常の条件下における1回目の栽培試験の結果を、
図1に示す。
図1に示す数値は、栽培後の各サンプルの苗の生長量を示している。具体的には、各サンプルにおける8つの個体において、最大の葉の長さを計測し、その平均値をもって生長量とした。
【0047】
実施例の生長量は23.7mmであり、比較例の生長量は15.0mmであった。この結果より、比較例よりも実施例の方が、フダンソウの苗の生長が促進されることが確認された。
【0048】
通常の条件下における2回目の栽培試験の結果を、
図2に示す。グラフに示す数値は、1回目の栽培試験と同様に、栽培後の各サンプルの苗の生長量を表している(以下同様)。
【0049】
試験に用いた、テンサイ、ホウレンソウ、アマランサス、および、ケイトウのいずれのヒユ科の植物においても、試験に用いた、Y34菌株、K45菌株、および、CBS菌株の全ての菌株において、比較例に比べて苗の生長が促進されることが確認された。
【0050】
過酷な条件下(高温ストレスを与えた場合)における栽培試験の結果を、
図3に示す。試験に用いた、テンサイおよびホウレンソウのいずれのヒユ科の植物においても、試験に用いた、Y34菌株、K45菌株、および、CBS菌株の全ての菌株において、比較例に比べて苗の生長が促進されることが確認された。
【0051】
過酷な条件下(高塩濃度ストレスを与えた場合)における栽培試験の結果を、
図4に示す。試験に用いた、フダンソウ、ホウレンソウ、アマランサス、および、ケイトウのいずれのヒユ科の植物においても、試験に用いた、Y34菌株、K45菌株、および、CBS菌株の全ての菌株において、比較例に比べて苗の生長が促進されることが確認された。
【0052】
このように、V.simplexに属する菌をヒユ科の苗の根に接種することにより、通常の条件下はもとより、高温や高塩濃度の過酷な条件下においても、ヒユ科の苗の生長を促進させることができる。すなわち、ヒユ科の苗の根がV.simplexに属する菌に感染すれば、生長促進効果だけでなく、様々な耐性の付与効果も期待できる。従って、不適切な生育条件でも、ヒユ科の苗を安定して生長させることが可能になる。
【0053】
<ヒユ科の苗の生産方法の具体例>
上述した試験結果に基づけば、栽培前や栽培中のタイミングで、ヒユ科の苗、例えば、ホウレンソウ、フダンソウ、アマランサス、テンサイ、センニチコウ、ケイトウなどの根にV.simplexに属する菌を接種すればよい。
【0054】
いったん、これら苗の根にV.simplexに属する菌が感染してしまえば、その後は菌との共生により、生長促進や耐性付与などの有利な効果を得ることが可能になる。苗の根にV.simplexに属する菌を接種する方法としては、様々考えられる。
【0055】
特に、上述した培養材の場合、その基材が木材砕片であるため、そのままの状態で栽培資材として利用できる利点がある。そして、苗は、ポットや育苗箱を用いて育苗する場合が多いので、ポットや育苗箱に、V.simplexに属する菌が培養された状態の培養材を単独で、または他の培養材とともに充填し、そこにヒユ科の苗を植えて育苗してもよい。そうすれば、従来と同じように育苗するだけで、V.simplexに属する菌をヒユ科の苗の根に接種することができる。
【0056】
例えば、上述した培養材を使用すれば、V.simplexに属する菌を、安価で大量に培養することが可能になる。大量に培養したV.simplexに属する菌を用いて、V.simplexに属する菌を高濃度で含む水溶液(菌液)を作製し、その菌液にヒユ科の苗の根を浸漬して、菌液をその根に付着させる処理を行えば、大量の苗であっても、簡単に菌を接種できる。