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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】棚札取付装置
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20240730BHJP
   G09F 7/06 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A47F5/00 E
G09F7/06 H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021042250
(22)【出願日】2021-03-16
(62)【分割の表示】P 2020130341の分割
【原出願日】2020-07-31
(65)【公開番号】P2022027429
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】赤羽 邦宏
(72)【発明者】
【氏名】中野 博光
(72)【発明者】
【氏名】大仁田 明彦
(72)【発明者】
【氏名】津田 隼輔
(72)【発明者】
【氏名】菅ヶ谷 啓希
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-040211(JP,A)
【文献】特表2002-500900(JP,A)
【文献】特開2008-151984(JP,A)
【文献】国際公開第2010/125692(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3139238(JP,U)
【文献】登録実用新案第3186408(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00
G09F 7/06
G09F 7/10
G09F 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1棚札を保持するための棚札保持部を備え、
前記棚札保持部は、
第1棚札が取り付けられる棚札取付部と、
前記棚札取付部の後方へ突き出すとともに、前記第1棚札の横方向に延びる保持板部と、
前記保持板部を前記棚札取付部から切り離し可能に接続する保持板接続部とを有する
棚札取付装置。
【請求項2】
前記保持板接続部は、前記保持板部の厚さ方向に貫通する貫通孔が複数設けられている
請求項1に記載の棚札取付装置。
【請求項3】
前記貫通孔の少なくとも1つは、前記横方向に長さを有する長孔である
請求項2に記載の棚札取付装置。
【請求項4】
前記保持板部は、前記棚札取付部に対して垂直に設けられる
請求項1から3のいずれか1項に記載の棚札取付装置。
【請求項5】
前記保持板部は、上面と下面とが互いに平行な平板状である
請求項1から4のいずれか1項に記載の棚札取付装置。
【請求項6】
前記保持板接続部の厚さは、前記保持板部の厚さよりも薄い
請求項1から5のいずれか1項に記載の棚札取付装置。
【請求項7】
第1の棚札から突き出す部位に取り付けられて前記棚札保持部を支持する支持部材をさらに備える
請求項1から6のいずれか1項に記載の棚札取付装置。
【請求項8】
前記支持部材は、前記横方向に延びる回転軸を中心として回転可能に前記棚札保持部を支持する
請求項に記載の棚札取付装置。
【請求項9】
前記第1棚札は、電子棚札である
請求項1から8のいずれか1項に記載の棚札取付装置。
【請求項10】
前記棚札保持部は、差し込まれた第2棚札を保持する差込部を有する
請求項1から9のいずれか1項に記載の棚札取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚札取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商品価格などを表示するための棚札を商品棚に取り付けるための棚札取付装置として、例えば特許文献1に記載のダブルフックハンガー用アダプター(以下、「アダプター」という。)が提案されている。
【0003】
特許文献1に記載のアダプターは、上方バー部材の先端に装着されるアダプターであって、価格表示具と、先端係合部材と、中間部材とからなる。
【0004】
価格表示具は、表面の価格表示手段支持部と裏面の後方係合部を備える。先端係合部材は、上方バー部材の先端に装着される左右一対の係合突起を有する。中間部材は、価格表示具の後方係合部に係合する第1係合部と先端係合部材の一対の係合突起と係合する第2係合部を有する。
【0005】
中間部材の第2係合部は、左右一対の上腕部と、内周部に2つ凹部で形成される山部を形成した左右一対の下腕部とからなる。左右一対の係合突起は略円形断面の短軸部材の下方前方部に前方斜め下方向に延びる突状部を有すると共に、上腕部と下腕部の内側に挟持される。
【0006】
特許文献1に記載のアダプターによれば、陳列された商品が抜き取られる際、商品又は人の手が価格表示具の裏面に当たることにより、価格表示具は先端係合部材の一対の係合突起を中心として表示面が斜め上を向く。そして、商品の抜き取りが完了し外力が除かれると、価格表示具は自重により先端係合部材の一対の係合突起を中心として元の姿勢に戻る方向に回転する。この回転は中間部材の背面と先端係合部材の前面との当接により終了するため、価格表示具の表示面は鉛直状となって元の陳列姿勢に戻る旨の記載が特許文献1にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実用新案登録第3137183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1によれば、上述の通り、価格表示具の自重による下方への回転は、中間部材の背面と先端係合部材の前面との当接によって予め定められた範囲に抑止される。詳細には、価格表示具の表示面が鉛直状よりも下方へ向くことは抑止される。
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載のアダプターでは、中間部材と先端係合部材との両者に、価格表示具の自重による下方への回転を抑止するために当接する構成が必要となり、アダプターの構造が複雑になる。
【0010】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、その目的の1つは、比較的簡易な構造の棚札取付装置によって、棚札の表示面が下方を向く方向へ予め定めた範囲を超えて回転することを抑止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る棚札取付装置は、
第1棚札を保持するための棚札保持部を備え、
前記棚札保持部は、
第1棚札が取り付けられる棚札取付部と、
前記棚札取付部の後方へ突き出すとともに、前記第1棚札の横方向に延びる保持板部と、
前記保持板部を前記棚札取付部から切り離し可能に接続する保持板接続部とを有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、比較的簡易な構造の棚札取付装置によって、棚札の表示面が下方を向く方向へ予め定めた範囲を超えて回転することを抑止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態に係る棚札取付装置の斜視図である。
図2】一実施の形態に係る電子棚札の斜視図である。
図3】一実施の形態に係る支持部材が第1の商品棚に取り付けられた状態の一例を示す図である。
図4】一実施の形態に係る電子棚札が取り付けられた棚札保持部を、前方の右斜め上から見た斜視図である。
図5】一実施の形態に係る電子棚札が取り付けられた棚札保持部を、後方の右斜め上から見た斜視図である。
図6】一実施の形態に係る棚札保持部の正面図である。
図7】一実施の形態に係る棚札保持部の背面図である。
図8】一実施の形態に係る棚札保持部の右側面図である。
図9】一実施の形態に係る棚札保持部の底面図である。
図10】一実施の形態に係る棚札取付装置が取り付けられる第2の商品棚の一例を示す図である。
図11A】一実施の形態に係る電子棚札を棚札取付部に押し付けた状態の第1の例を示す図である。
図11B】一実施の形態に係る電子棚札を棚札取付部に押し付けた状態の第2の例を示す図である。
図12】一実施の形態に係る電子棚札が棚札取付部に保持された状態を右方から見た図である。
図13】一実施の形態に係る電子棚札を保持した棚札保持部が、第1の商品棚に取り付けるためのアーム部に取り付けられた状態を左方から見た図である。
図14】一実施の形態に係る電子棚札を保持した棚札保持部を回転軸を中心として、表示部が上方を向くように回転させた状態の一例を示す図である。
図15A】一実施の形態に係る電子棚札を保持した棚札保持部が第2の商品棚に取り付けられた状態の第1の例を右方から見た図である。
図15B】一実施の形態に係る電子棚札を保持した棚札保持部が第2の商品棚に取り付けられた状態の第2の例を右方から見た図である。
図16】一実施の形態に係る棚札保持部を左右方向に概ね接触するような狭い間隔で配置した例を示す背面図である。
図17】変形例1に係る棚札保持部の正面図である。
図18】変形例2に係る棚札保持部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
<<棚札取付装置100の構成>>
本発明の一実施の形態に係る棚札取付装置100は、図1の斜視図に示すように、商品価格などを表示するための電子棚札101を商品棚に取り付けるための装置であって、電子棚札101と、支持部材102と、棚札保持部103とを備える。
【0016】
電子棚札101は、例えば液晶表示パネルによって構成される表示部104を表示面に有する棚札である。表示部104には、典型的には、商品名、価格、広告などが表示される。なお、電子棚札101は、第1棚札の一例であって、第1棚札は、紙製、樹脂板に保持された紙、樹脂製などであってもよい。
【0017】
本実施の形態では、表示部104に表示される文字や記号などの向きを上下方向に正しく向けて、表示部104(すなわち、表示面)を鉛直方向と平行に配置した場合に、表示部104が向く方向を前方とし、その逆方向を後方とする。また、この場合の上下方向は、鉛直上方とその逆の鉛直下方とに従う。左右方向は、正面から見て規定するものとし、横方向に相当する。なお、これらの方向は、本発明を説明するために用いるのであって、本発明を限定する趣旨ではない。
【0018】
電子棚札101は、図2の斜視図に示すように、概ね直方体をなし、上端に、横方向に延びる溝部105を有する。本実施の形態に係る電子棚札101の上端は平面状であり、溝部105は、電子棚札101の上端の後端近傍に設けられている。
【0019】
詳細には、溝部105は、前方の段差部106と、上方を向く上面部107と、上面部107の後端に間隔を空けて設けられた後壁部108とによって構成される。後壁部108が間隔(すき間)を空けて設けられることによって、溝部105は、横方向に間隔を空けて離散的に設けられている。そのため、溝部105は、後方へ開放する部分を有する。
【0020】
本実施の形態では、横方向に並ぶ3つの後壁部108が設けられ、中央の後壁部108と左右それぞれの後壁部108との間に間隔が設けられることによって、溝部105は、2カ所で後方へ開放している。
【0021】
ここでは、図2を参照して、電子棚札101の上端に設けられた溝部105(上方の溝部105)について説明したが、電子棚札101の下端にも、上端と同様の溝部105が設けられる。
【0022】
すなわち、電子棚札101の下端に設けられる溝部105(下方の溝部105)は、前方の段差部と、下方を向く下面部と、下面部の後端に間隔を空けて設けられた後壁部とによって構成される。下方の溝部105においても、横方向に並ぶ3つの後壁部108が間隔を空けて設けられる。これによって、下方の溝部105も、上方の溝部105と同様に、横方向に間隔を空けて離散的に設けられている。
【0023】
本実施の形態では、後方に開放する領域の左右方向の位置は、上下の溝部105で同じである。
【0024】
支持部材102は、電子棚札101が取り付けられた棚札保持部103を、電子棚札101の横方向に延びる回転軸Pを中心として回転可能に支持する部材であって、図3に一例を示すように、第1の商品棚MS1に取り付けられる。
【0025】
支持部材102は、図3に示すように、第1の商品棚MS1から前方に突き出す棒状体109の先端に取り付けられる。支持部材102と棒状体109とは、樹脂製、金属製などである。なお、支持部材102と棒状体109とは、異なる材料或いは同じ材料で個別に構成されてもよいが、一体に構成されてもよい。
【0026】
支持部材102は、左右対をなして設けられるアーム部110と、アーム部110を連結して棒状体109に固定するための連結固定部111とを有する。
【0027】
左右のアーム部110は、左右方向に間隔を空けて対置される平板状の部位であって、前後方向に細長い。アーム部110の各々の先端は、横方向から見て、概ね半円状である。
【0028】
左右のアーム部110の各々は、内面の先端近傍にて内方へ延びる第2嵌合部としての軸部112を有する。ここで、内面とは内方を向く面である。また、内方とは、左方のアーム部110では右方であり、右方のアーム部110では左方である。
【0029】
本実施の形態では、軸部112は、横方向から見た先端の外形がなす半円の中心を通って設けられる。
連結固定部111は、上下方向に平行であって左右方向に細長い平板状の部位であり、左右方向の概ね中央に棒状体109の先端が固定されている。連結固定部111の左右の端部には、アーム部110の後端が接続している。
【0030】
棚札保持部103は、図4及び5の斜視図に示すように、電子棚札101を保持するための部位であり、例えば樹脂製である。棚札保持部103は、図6~9の正面図、背面図、右側面図及び底面図に示すように、棚札取付部113と、上下のツバ部114と、上下各々に3つの突起部115と、バネ部116と、左右のクリップ部117と、左右の差込部118と、保持板部119と、保持板接続部120とを有する。
【0031】
棚札取付部113は、前後方向に厚さを有する略矩形平板状の部位である。本実施の形態では、棚札取付部113の上端及び下端は左右方向に延び、左端及び右端は上下方向に延びる。
【0032】
ツバ部114は、棚札取付部113の上端及び下端のそれぞれから前方へ突き出しており、横方向に連続している。
【0033】
上方の突起部115は、下方へ突き出しており、下方の突起部115は、上方へ突き出す。これにより、上方の突起部115は上方の溝部105に嵌まり、下方の突起部115は下方の溝部105に嵌まって、電子棚札101を保持する。
【0034】
詳細には、上方の突起部115は、上方のツバ部114から下方へ突き出ており、左右方向に離散的に並んで設けられている。本実施の形態では、左右に間隔(すき間)を空けて3つ並んで設けられている。
【0035】
下方の突起部115は、下方のツバ部114から上方へ突き出ており、左右方向に離散的に並んで設けられている。本実施の形態では、左右方向に間隔を空けて3つ並んで設けられている。
【0036】
本実施の形態では、突起部115がツバ部114の前端近傍に設けられることによって、棚札取付部113と突起部115との間には溝が形成される。そして、上方の突起部115と下方の突起部115とは、上述の通り左右方向に間隔を空けて並ぶため、棚札取付部113と突起部115との間の溝は、当該間隔を通じて前方に開放する。
【0037】
上方の突起部115に設けられる間隔と下方の突起部115に設けられる間隔とは、左右方向の位置が同じである。すなわち、前方に開放する領域の左右方向の位置は、上下の溝で同じである。
【0038】
バネ部116は、前方から見た場合に、棚札取付部113の概ね中央に設けられた片持ち梁状の部位であって、先端近傍に前方へ突き出す押圧突起121を有する。バネ部116は、電子棚札101が取り付けられた場合に、電子棚札101の背面によって押圧突起121が押圧され、弾性力によって電子棚札101を前方へ押す。
【0039】
クリップ部117は、棚札取付部113の背面に設けられており、棚としての第2の商品棚MS2に設けられた板を挟むための下方が開放した切れ込みを形成する。
【0040】
第2の商品棚MS2は、図10の斜視図に示すように、上述した第1の商品棚MSとは電子棚札101を取り付ける方法が異なる棚である。第2の商品棚MS2は、一般的に商品が並べられる棚122と、棚122の前方にて上下左右に延在する仕切り板123と、仕切り板123の前方及び棚122の下方に配設されるL字板124とを有する。
【0041】
L字板124は、左右方向から見てL字状に屈曲した板状の部材である。L字板124は、比較的狭いすき間を空けて仕切り板123の前方にて仕切り板123と概ね平行に配置される前板125と、棚122の下方にネジ止めなどによって固定される固定部126とを有する。クリップ部117は、下方から挿設される前板125を挟むための部位である。
【0042】
詳細には、左右のクリップ部117の各々は、棚札取付部113の背面から後方へ延びる延在部127と、延在部127の後端から下方へ垂下する垂下部128とを有する。延在部127を有することによって、垂下部128と棚札取付部113との間に、上述の通り前板125を挟むためのすき間が形成され、前板125が挟まれたときには前板125を挟んで保持するための弾性力を前板125に加えることができる。
【0043】
また、左右のクリップ部117の各々が棚札取付部113と接続する部分には、軸部112が嵌まる第1嵌合部としての軸受け部129が設けられている。本実施の形態に係る軸受け部129は、左右に延びる円柱状の貫通孔を形成しており、延在部127と垂下部128と棚札取付部113とに設けられる。
【0044】
左右のクリップ部117が有する垂下部128の上下方向の長さは異なっており、本実施の形態では左方の垂下部128の方が、右方の垂下部よりも上下方向に長い。左方の垂下部128には、その左端から左方へ突き出すピン状の部位であるストッパ130が設けられている。
【0045】
本実施の形態では、右方のクリップ部117の右端は、棚札取付部113の右端と面一に構成され、左方のクリップ部117の左端は、棚札取付部113の左端と面一に構成されている。そのため、ストッパ130は、左方の垂下部128の左端から左方へ突き出すことによって、棚札保持部103の側部(棚札取付部113の左端)から横方向へ突き出す。
【0046】
本実施の形態に係るストッパ130は、左方の垂下部128にのみ設けられており、右方の垂下部128には設けられておらず、ストッパ130の上下方向の位置は、右方の垂下部128の下端よりも下方である。
【0047】
差込部118は、棚札取付部113の背面に設けられており、第2棚札としての表示板131を保持するための上方が開放した切れ込みを形成する。表示板131は、商品の広告などを表示するための紙製、樹脂製などの比較的薄いシート状の部材である。
【0048】
保持板部119は、棚札取付部113の背面のうち、左右のクリップ部117の下方において後方へ突き出して横方向に延びる平板状の部位である。保持板部119は、上面と下面とが互いに平行な平板状であり、棚札取付部113の背面に対して概ね垂直であることが好ましい。これにより、金型から抜き易くなり、製造を容易にすることが可能になる。
【0049】
保持板接続部120は、保持板部119の基端と棚札取付部113とを接続する。保持板接続部120は、上下方向の長さである厚さについて保持板部119よりも薄く、上下方向に貫通する貫通孔H(本実施の形態では左右に長い長孔)が複数設けられている。
【0050】
このような保持板接続部120を介して、保持板部119が棚札取付部113の背面に接続することで、保持板部119を棚札取付部113から容易に切り離すことができる。例えば棚札取付部113を保持した状態で、保持板接続部120を中心に保持板部119を上下に何度か揺動させることで、保持板接続部120は容易に脆性破壊する。これにより、保持板部119を棚札取付部113から容易に切り離すことができる。
【0051】
なお、保持板接続部120は、保持板部119を棚札取付部113から切り離し可能に構成されればよく、保持板部119よりも薄ければ、貫通孔が設けられなくてもよい。上下方向の貫通孔が設けられる場合、貫通孔は、実施の形態のような左右方向に長い大きな長孔に限られず、概ね円柱状など左右方向の長さが実施の形態よりも短い比較的小さな孔であってもよい。小さい貫通孔が採用される場合、貫通孔が、比較的短い間隔で左右方向に並べて複数設けられることで、保持板接続部120は、ミシン目を入れられてもよい。
【0052】
<<電子棚札の着脱方法>>
これまで、棚札取付装置100の構成について説明した。ここから、電子棚札101を棚札保持部103に着脱する方法について説明する。
【0053】
電子棚札101が、棚札保持部103の前方から、後壁部108が突起部115のすき間を通過するように棚札取付部113に押し付けられる。
【0054】
詳細には、上方の後壁部108が上方の突起部115のすき間を通過し、下方の後壁部108が下方の突起部115のすき間を通過するように、電子棚札101が、棚札保持部103の前方から、棚札取付部113に押し付けられる。このとき、上方の突起部115は、上方の後壁部108のすき間を通過し、下方の突起部115は、下方の後壁部108のすき間を通過する。
【0055】
これにより、図11A又は11Bに示すように、突起部115と後壁部108とが位置づけられて、突起部115は溝部105に位置付けられ、後壁部108は、棚札取付部113と突起部115との間の溝に位置付けられる。図11A及び11Bは、電子棚札101を棚札保持部103に取り付けるために電子棚札101を棚札取付部113に押し付けた状態を正面から見た図であり、点線は電子棚札101の背面を示す。
【0056】
図11A又は11Bに示す状態では、突起部115は溝部105に沿って左右方向に移動することができ、後壁部108は、棚札取付部113と突起部115との間の溝に沿って左右方向に移動することができる。
【0057】
図11Aに示す状態からは、例えば電子棚札101を右方へスライド移動させることで、突起部115の各々は、後壁部108と段差部106との間に位置付けられて、前後に移動できないように係止される。図11Bに示す状態からは、例えば電子棚札101を左方へスライド移動させることで、突起部115の各々は、後壁部108と段差部106との間に位置付けられて、前後に移動できないように係止される。
【0058】
これにより、電子棚札101は、棚札保持部103に保持され、電子棚札101の取り付けが終了する。
【0059】
電子棚札101を棚札保持部103から取り外す場合には、上述した取付方法と逆の工程を行うとよい。
【0060】
すなわち、上方の後壁部108が上方の突起部115のすき間の後方に位置し、下方の後壁部108が下方の突起部115のすき間の後方へ位置するように、電子棚札101を左方又は右方へスライド移動させる。そして、棚札取付部113に対して電子棚札101を前方へ移動させることによって、電子棚札101は、棚札保持部103から取り外される。
【0061】
このように、本実施の形態に係る棚札取付装置100では、上方の溝部105及び当該溝部105に嵌まる突起部115の組み合わせと、下方の溝部105及び当該溝部105に嵌まる突起部115の組み合わせとの両方の組み合わせが、離散的に設けられる。
【0062】
これにより、電子棚札101を棚札保持部103に着脱する際に、電子棚札101の右端を棚札保持部103の左端にまで、或いは、電子棚札101の左端を棚札保持部103の右端にまでスライド移動させる必要がなくなる。このような左右方向のスライド移動の移動量よりも少ない移動量で、本実施の形態に係る電子棚札101は棚札保持部103に着脱することができる。
【0063】
従って、狭い作業スペースで電子棚札101を取り付けることを可能になる。
【0064】
また本実施の形態では、ツバ部114は、横方向に連続して設けられている。また、上方の突起部115は、上方のツバ部から下方へ突き出し、下方の突起部115は、棚札取付部113の下端から前方へ突き出すツバ部から上方へ突き出す
【0065】
これにより、ツバ部114がすき間を空けて離散的に設けられている場合よりも、電子棚札101が棚札保持部103に取り付けられた状態で、溝部105に粉塵が入り込み難くなる。そのため、溝部105に入り込んだ粉塵のために突起部115のスライド移動が阻害される可能性を低減することができる。
【0066】
従って、電子棚札101が棚札保持部103に取り付けられた状態で時間が経過しても、電子棚札101を棚札保持部103から容易に取り外すことが可能になる。
【0067】
さらに本実施の形態では、図12の側面図に示すように、バネ部116(押圧突起121)は、電子棚札101が棚札保持部103に取り付けられた場合に電子棚札101を前方へ押す。これにより、棚札保持部103は、取り付けられた電子棚札101を強固に保持することができる。従って、棚札保持部103に保持された電子棚札101を棚札保持部103から外れ難くすることが可能になる。なお、バネ部116は、電子棚札101を前方へ押すものであればよく、バネ部116に押圧突起121が設けられなくてもよい。
【0068】
特に本実施の形態では、上述の通り、比較的僅かなスライド移動によって電子棚札101は棚札保持部103から取り外される。電子棚札101が棚札保持部103から容易に外れて落下して損傷する可能性がある。バネ部116によって電子棚札101のスライド移動を抑制することで、このような電子棚札101の損傷の可能性を低減することが可能になる。
【0069】
さらに本実施の形態では、図12の側面図に示すように、電子棚札101の背面には、凹みを形成する凹部132が設けられている。この凹部132は、電子棚札101が棚札保持部103に取り付けられた場合にバネ部116(押圧突起121)によって押される位置に設けられる。これにより、棚札保持部103に保持された電子棚札101を棚札保持部103から、より一層外れ難くすることが可能になる。
【0070】
さらに本実施の形態では、表示板131を保持するための上方が開放した切れ込みを形成する差込部118を有する。これにより、図12に示すように、表示板131を取り付けることができる。表示板131を利用して商品の広告などを表示することで、商品を購入しようとする顧客により多くの情報を提供することが可能になる。
【0071】
<<第1の商品棚MS1への取付方法と第1の商品棚MS1に取り付けた場合の動作>>
左右の軸部112のそれぞれを、左右のアーム部110の間に左右方向から挟まれるように位置付けて、左右のクリップ部117のそれぞれの下方から挿入する。そして、アーム部110に対して下方へ棚札保持部103を押圧する。
【0072】
これにより、図13に示すように、左右の軸部112は、それぞれ、左右の軸受け部129に嵌まる。ここで、図13は、電子棚札101を保持した棚札保持部103がアーム部110に取り付けられた状態を左方から見た図であり、アーム部110を点線で示している。なお、第1の商品棚MS1へ取り付ける場合、保持板部119は保持板接続部120を介して棚札取付部113に接続したままであってもよいが、保持板部119は不要であるため、上述したように切り離されてもよい。図13では、保持板部119が切り離された状態を示しており、図14も同様である。
【0073】
アーム部110に取り付けられた棚札保持部103は、左右の軸部112の中心を通る回転軸Pを中心として回転することができる。特に本実施の形態では、アーム部110の先端が半円状であるので、棚札保持部103は、図14の円弧状の矢印で示すように、ストッパ130が前記アーム部の先端に沿って移動することによって、支持部材102に対して回転軸Pを中心として回転することができる。
【0074】
ここで、図14は、電子棚札101を保持した棚札保持部103を回転軸Pを中心として、表示部104が上方を向くように回転させた状態の一例を示す図である。図14に示すように、表示部104は、やや上方を向くように傾斜して配置された方が、商品を購入する顧客などが見易いことがある。そのため、表示部104が下方を向くように傾斜することは好ましくない。
【0075】
一般的に、商品を購入する顧客などの手に触れることによって、表示部104が下方を向くことがある。
【0076】
また、一般的に、電子棚札101は約30グラム程度であり、紙製や樹脂製の棚札に比べて重いため、電子棚札101を保持した棚札保持部103では、自重によって表示部104が下方を向くおそれがある。
【0077】
特に、一般的な電子棚札101の重心は、上下方向には概ね中央又は中央近傍に位置することが多く、図13に示すように、回転軸Pが、左方から見た場合に、電子棚札101を保持した棚札保持部103の重心Gよりも上方に設けられることもある。このような場合、図14に示すように表示部104がやや上方を向くように傾斜して電子棚札101を配置しても、自重によって表示部104が下方を向く可能性が高い。
【0078】
本実施の形態では、左方の垂下部128に、上述したように左方へ突き出すストッパ130が設けられている。そのため、回転軸Pよりも後方において、左方のアーム部110の下端に接触することによって、棚札保持部103は、表示部104が下方を向く方向へ予め定めた範囲を超えて回転しないように係止される。
【0079】
表示部104が下方を向く方向への回転とは、図13及び14では、回転軸Pを中心とした右回りの回転を意味する。
【0080】
図13を参照すると、本実施の形態では、表示部104が前方を向く方向を超えて、さらに下方を向く方向へ回転しないように、棚札保持部103は、ストッパ130とアーム部110との接触によって係止される。
【0081】
このように、本実施の形態によれば、横方向へ突き出すストッパ130を設けるだけで、電子棚札101の表示部104が下方を向く方向へ予め定めた範囲を超えて回転することを抑止することができる。従って、比較的簡易な構造の棚札取付装置100によって、電子棚札101の表示部104が下方を向く方向へ予め定めた範囲を超えて回転することを抑止することが可能になる。
【0082】
さらに本実施の形態では、ストッパは、左右方向には、前記棚札保持部の重心から離れた位置に設けられている。左右方向に重心Gから離れることで、比較的小さい力で、電子棚札101の表示部104が下方を向く方向へ予め定めた範囲を超えて回転することを抑止することができる。そのため、ストッパ130が比較的小さくても十分に回転を抑止できる。
【0083】
従って、簡易な構造の棚札取付装置100によって、電子棚札101の表示部104が下方を向く方向へ予め定めた範囲を超えて回転することを抑止することが可能になる。
【0084】
一般的に、電子棚札101の重心は、左右方向には概ね中央近傍に位置することが多く、そのため、電子棚札101を保持した棚札保持部103の重心Gも、左右方向には概ね中央近傍に位置することが多い。
【0085】
特に本実施の形態に係るストッパ130は、左方の垂下部128の左端から左方へ突き出す。このことは、電子棚札101を保持した棚札保持部103の重心Gから左右方向には最も離れた位置となることが多い箇所にストッパ130が設けられていることを意味する。
【0086】
そのため、本実施の形態では、極めて小さい力で、電子棚札101の表示部104が下方を向く方向へ予め定めた範囲を超えて回転することを抑止することができ、ストッパ130が小さくても十分に回転を抑止できる。
【0087】
従って、より一層簡易な構造の棚札取付装置100によって、電子棚札101の表示部104が下方を向く方向へ予め定めた範囲を超えて回転することを抑止することが可能になる。
【0088】
<<第2の商品棚MS2への取付方法>>
電子棚札101を保持した棚札保持部103を第2の商品棚MS2へ取り付ける場合、図15A及び15Bに示すように、長さL1と長さL2との関係に応じて2つの取付方法がある。長さL1は、前板125の上端と棚122の下面との上下方向の長さである。長さL2は、保持板部119の上面と軸受け部129との上下方向の長さである。
【0089】
第2の商品棚MS2への第1の取付方法は、長さL1が長さL2以下の場合であり、図15Aにこの場合の一例として、長さL1と長さL2とが概ね等しい例を示す。この場合、第2の商品棚MS2に設けられる前板125が、クリップ部117と棚札取付部113の背面との間に下方から挿入される。そして、保持板部119が棚122の下に配置される。
【0090】
図15Aの右側面図に示すように、第2の商品棚MS2に設けられる前板125がクリップ部117と棚札取付部113の背面との間に挟まれるとともに、保持板部119によって保持される。これによって、電子棚札101を保持した棚札保持部103は、第2の商品棚MS2に取り付けられる。取り外す場合には、ここで説明した工程と逆の工程を行えばよい。
【0091】
この場合、棚札保持部103を介して第2の商品棚MS2に取り付けられた電子棚札101は、上述の通り、前板125を挟むだけでなく、保持板部119によっても保持される。すなわち、表示部104が上方又は下方を向くように揺動する力又は上方へ移動する力が加わったとしても、保持板部119が第2の商品棚MS2(図15Aの例では、固定部126)の下面と接触することで、揺動又は移動の範囲が制限される。
【0092】
そのため、例えば第2の商品棚MS2の商品の購入者の手が触れることなどによって電子棚札101に力が加わったとしても、電子棚札101は、第2の商品棚MS2から外れ難くなる。従って、電子棚札101が落下して損傷する可能性を低減することが可能になる。
【0093】
第2の商品棚MS2への第2の取付方法は、長さL1が長さL2より長い場合であり、図15Bにこの場合の一例を示す。この場合、保持板部119が切り離される。そして、第2の商品棚MS2に設けられる前板125が、クリップ部117と棚札取付部113の背面との間に下方から挿入される。
【0094】
図15Bの右側面図に示すように、第2の商品棚MS2に設けられる前板125がクリップ部117と棚札取付部113の背面との間に挟まれることによって、前板125は自身の弾性によって撓み、電子棚札101を保持した棚札保持部103は、第2の商品棚MS2に取り付けられる。取り外す場合には、例えば電子棚札101を持って上方へ移動させることにより、クリップ部117と棚札取付部113の背面との間からクリップ部117を引き抜けばよい。
【0095】
本実施の形態に係る棚札取付装置100によれば、取付方法が異なる第1の商品棚MS1と第2の商品棚MS2とに電子棚札101を取り付けることができる。また、上述したように保持板部119を棚札取付部113から容易に切り離すことができるので、種々の第2の商品棚MS2に電子棚札101を取り付けることができる。
【0096】
これまで本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下のように変形されてもよい。
【0097】
例えば、実施の形態では、棚札保持部103が、支持部材102に対して回転軸Pを中心として回転するための軸部及び軸受け部の一方である第1嵌合部として、軸受け部129を有する例を説明した。また、支持部材102が、支持部材102に対して回転軸Pを中心として回転するための軸部及び軸受け部の他方である第2嵌合部として、軸部112を有する例を説明した。
【0098】
しかし、棚札保持部103が、第1嵌合部としての軸部を有し、支持部材102が、第2嵌合部としての軸受け部を有してもよい。これによっても、実施の形態と同様の効果を奏する。
【0099】
例えば、右方の垂下部128が左方の垂下部128よりも短く、ストッパ130は、長い左方の垂下部128のみに設けられ、右方の垂下部128の下端よりも下方に位置する例を説明した。これにより、図16に示すように、棚札保持部103を左右方向に概ね接触するような狭い間隔で配置することが可能になる。
【0100】
しかし、右方の垂下部128が左方の垂下部128と同じ長さで設けられ、ストッパ130が、左右の垂下部128の両方に設けられてもよい。
【0101】
また例えば、実施の形態では、ストッパ130が左方の垂下部128の左端から左方へ突き出すことによって、棚札保持部103の側部から突き出す例を説明した。しかし、棚札保持部103の側部から突き出さなくてもよい。
【0102】
例えば、左右のアーム部110の左右方向の外寸が、左右のクリップ部117の内方に収まり、アーム部110の軸部112が、実施の形態と異なり、外方へ延びてもよい。
【0103】
すなわち、左方のアーム部110の左端面から左方へ延びる軸部112と、右方のアーム部110の右端面から右方へ延びる軸部112とが設けられてもよい。この場合、左方のアーム部110に設けられる軸部112は、左方の軸受け部129に右方から挿設され、右方のアーム部110に設けられる軸部112は、右方の軸受け部129に左方から挿設されるとよい。
【0104】
このとき、左方のアーム部110は、左方の垂下部128の右方に位置することになるので、ストッパ130は、左方の垂下部128の右端から右方へ、すなわち、左右方向には棚札取付部113の中心へ向かって延びるとよい。ストッパ130の前後方向及び上下方向の位置は、実施の形態と同じでよい。
【0105】
これによっても実施の形態と同様に、表示部104が前方を向く方向を超えて、さらに下方を向く方向へ回転しないように、棚札保持部103は、ストッパ130とアーム部110との接触によって係止することができる。
【0106】
従って、比較的簡易な構造の棚札取付装置100によって、電子棚札101の表示部104が下方を向く方向へ予め定めた範囲を超えて回転することを抑止することが可能になる。
【0107】
(変形例1)
実施の形態では、上方の溝部105及び当該溝部105に嵌まる突起部115の組み合わせと、下方の溝部105及び当該溝部105に嵌まる突起部115の組み合わせとでは、すき間の横方向の位置が同じである例を説明した。
【0108】
しかし、上方の溝部105及び当該溝部105に嵌まる突起部115の組み合わせと、下方の溝部105及び当該溝部105に嵌まる突起部115の組み合わせとでは、すき間の横方向の位置が上下で互いに異なっていてもよい。
【0109】
図17は、本変形例に係る棚札保持部203の例を示す。棚札保持部203では、上方の溝部105及び当該溝部105に嵌まる突起部115の組み合わせが実施の形態と同じである。これに対して、下方の溝部205及び当該溝部205に嵌まる突起部215の組み合わせの設けられる位置が実施の形態とは異なる。
【0110】
下方の溝部205(後壁部208)は、上方の溝部105(後壁部108)のすき間の下方に設けられている。また、下方の突起部215は、上方の突起部115のすき間の下方に設けられている。
【0111】
同図では、電子棚札201を棚札保持部203に取り付けるために電子棚札201を棚札取付部113に押し付けた場合に、電子棚札201の背面が配置される位置の一例を点線で示す。
【0112】
同図から分かるように、本変形例によっても、実施の形態と同様に、突起部115,215は溝部105に沿って左右方向に移動することができ、後壁部108は、棚札取付部113と突起部115,215との間の溝に沿って左右方向に移動することができる。
【0113】
従って、実施の形態と同様の効果を奏する。
【0114】
また本変形例によれば、電子棚札201の上下を逆転させて、棚札保持部203に取り付けることができない。そのため、電子棚札201の上下方向を誤って逆にして、棚札保持部203に取り付けることを防止できる。
【0115】
(変形例2)
実施の形態では、上方の溝部105及び当該溝部105に嵌まる突起部115の組み合わせと、下方の溝部105及び当該溝部105に嵌まる突起部115の組み合わせとの両方の組み合わせが、離散的に設けられる例を説明した。
【0116】
しかし、上方の溝部105及び当該溝部105に嵌まる突起部の組み合わせと、下方の溝部105及び当該溝部105に嵌まる突起部115の組み合わせとの一方の組み合わせのみが、離散的に設けられてもよい。
【0117】
図18は、本変形例に係る棚札保持部303の正面図である。棚札保持部303では、下方の溝部105に嵌まる突起部315が連続的に設けられる。同図では、電子棚札101を棚札保持部303に取り付けるために電子棚札101を棚札取付部113に押し付けた場合に、電子棚札101の背面が配置される位置の一例を点線で示す。
【0118】
本変形例では、電子棚札101をやや傾斜させて、下方の突起部315を下方の溝部105にはめ込んだ後に、上方の後壁部108が上方の突起部115のすき間を通過するように、電子棚札101が、棚札保持部103の前方から棚札取付部113に押し付けられるとよい。
【0119】
これにより、実施の形態と同様に、突起部115,315は溝部105に沿って左右方向に移動することができ、後壁部108は、棚札取付部113と突起部115,315との間の溝に沿って左右方向に移動することができる。
【0120】
本変形例によっても、実施の形態と同様の効果を奏する。
【0121】
上記の実施の形態の一手段または全手段は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
【0122】
1.第1棚札を保持するための棚札保持部と、
前記第1棚札の横方向に延びる回転軸を中心として前記棚札保持部を回転可能に支持する支持部材とを備え、
前記棚札保持部は、前記支持部材に対して前記回転軸を中心として回転するための軸部及び軸受け部の一方である第1嵌合部を有し、
前記支持部材は、前記軸部及び前記軸受け部の他方である第2嵌合部が設けられ、前記第1嵌合部を前記横方向から挟むアーム部を有し、
前記棚札保持部は、前記アーム部に接触することによって、前記第1棚札の表示面が下方を向く方向へ予め定めた範囲を超えて回転しないように係止するストッパを有する
棚札取付装置。
【0123】
2.前記ストッパは、前記横方向へ突き出し、前記アーム部に下方から接触する
上記1に記載の棚札取付装置。
【0124】
3.前記回転軸は、前記横方向から見た場合に、前記第1棚札を保持した前記棚札保持部の重心よりも上方に設けられている
上記1又は2に記載の棚札取付装置。
【0125】
4.前記ストッパは、前記横方向には、前記第1棚札を保持した前記棚札保持部の重心から離れた位置に設けられている
上記1から3のいずれか1つに記載の棚札取付装置。
【0126】
5.前記ストッパは、前記棚札保持部の側部から突き出す
上記4に記載の棚札取付装置。
【0127】
6.前記ストッパは、前記棚札保持部の前記側部の一方のみから突き出す
上記5に記載の棚札取付装置。
【0128】
7.前記アーム部は、先端が半円状であり、
前記棚札保持部は、前記ストッパが前記アーム部の先端に沿って移動することによって、前記支持部材に対して前記回転軸を中心として回転する
上記1から6のいずれか1つに記載の棚札取付装置。
【0129】
8.前記第1棚札は、電子棚札である
上記1から7のいずれか1つに記載の棚札取付装置。
【0130】
9.前記棚札保持部は、差し込まれた第2棚札を保持する差込部を有する
上記1から8のいずれか1つに記載の棚札取付装置。
【0131】
10.前記棚札保持部は、
前記第1棚札が取り付けられる棚札取付部と、
前記棚札取付部の後方へ突き出して前記横方向に延びる保持板部と、
前記保持板部を前記棚札取付部から切り離し可能に接続する保持板接続部とを有する
上記1から9のいずれか1つに記載の棚札取付装置。
【0132】
11.前記保持板接続部は、前記保持板部の厚さ方向に貫通する貫通孔が複数設けられている
上記10に記載の棚札取付装置。
【0133】
12.前記保持板部は、前記棚札取付部に対して垂直に設けられる
上記10又は11に記載の棚札取付装置。
【0134】
13.前記棚札保持部は、
前記保持板部は、上面と下面とが互いに平行な平板状である
上記10から12のいずれか1つに記載の棚札取付装置。
【符号の説明】
【0135】
100 棚札取付装置
101,201 電子棚札
102 支持部材
103,203,303 棚札保持部
104 表示部
105,205 溝部
106 段差部
107 上面部
108,208 後壁部
109 棒状体
110 アーム部
111 連結固定部
112 軸部
113 棚札取付部
114 ツバ部
115,215,315 突起部
116 バネ部
117 クリップ部
118 差込部
119 保持板部
120 保持板接続部
121 押圧突起
122 棚
123 仕切り板
124 L字板
125 前板
126 固定部
127 延在部
128 垂下部
129 軸受け部
130 ストッパ
131 表示板
132 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18