IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 山下ゴム株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-防振装置 図1
  • 特許-防振装置 図2
  • 特許-防振装置 図3
  • 特許-防振装置 図4
  • 特許-防振装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】防振装置
(51)【国際特許分類】
   F16F 1/387 20060101AFI20240730BHJP
   F16F 15/08 20060101ALI20240730BHJP
   B60G 15/06 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
F16F1/387 F
F16F15/08 K
B60G15/06
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021049158
(22)【出願日】2021-03-23
(65)【公開番号】P2022147770
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000177900
【氏名又は名称】山下ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】門脇 宏和
【審査官】宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-174609(JP,A)
【文献】特開2005-155822(JP,A)
【文献】特開2010-255716(JP,A)
【文献】特開2020-142676(JP,A)
【文献】特開2017-043142(JP,A)
【文献】特開2009-293766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 1/387
F16F 15/08
B60G 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の取付穴が形成されたハウジングと、
前記取付穴内に設けられた防振部材と、を有し、
前記防振部材は、
前記取付穴内に嵌め合わされた外筒と、
前記外筒内に設けられた内筒と、
前記外筒と前記内筒との間に介設され、前記外筒と前記内筒とを弾性的に結合するゴム弾性体と、を備え、
前記ゴム弾性体には、
軸方向に貫通したすぐり部と、
前記すぐり部の前記内筒側の面から突出しているストッパ部と、が形成されており、
前記ハウジングには、前記取付穴の径方向において前記ストッパ部に間隔を空けて対峙する受け部が形成され
前記外筒の周壁部には、前記すぐり部に連通する連通部が開口しており、
前記受け部は、前記取付穴の内周面から突出し、前記連通部に挿入されていることを特徴とする防振装置。
【請求項2】
請求項1に記載の防振装置であって、
前記連通部は、前記周壁部の軸方向の一方の縁部から他方の縁部に亘って形成されていることを特徴とする防振装置。
【請求項3】
筒状の取付穴が形成されたハウジングと、
前記取付穴内に設けられた防振部材と、を有し、
前記防振部材は、
前記取付穴内に嵌め合わされた外筒と、
前記外筒内に設けられた内筒と、
前記外筒と前記内筒との間に介設され、前記外筒と前記内筒とを弾性的に結合するゴム弾性体と、を備え、
前記ゴム弾性体には、
軸方向に貫通したすぐり部と、
前記すぐり部の前記内筒側の面から突出しているストッパ部と、が形成されており、
前記ハウジングには、前記取付穴の径方向において前記ストッパ部に間隔を空けて対峙する受け部が形成されており、
前記ゴム弾性体には、複数の前記ストッパ部が形成されるとともに、
前記ハウジングには、前記各ストッパ部の少なくとも一つに対峙する前記受け部が形成されていることを特徴とする防振装置。
【請求項4】
請求項3に記載の防振装置であって、
前記取付穴には底部が形成され、
前記受け部は、前記底部から前記ゴム弾性体側に突出し、前記すぐり部に挿入されていることを特徴とする防振装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に用いられる防振装置は、サスペンションやエンジン等の振動部材と、車体フレーム等の支持部材との間に介設されることで振動部材の振動を吸収している。
このような防振装置は、外筒と、外筒内に設けられた内筒と、外筒と内筒との間に介設されたゴム弾性体と、を備えている。
【0003】
前記した防振装置としては、ゴム弾性体の軸方向にすぐり部を貫通させ、すぐり部の内筒側の面に設けたストッパ部と、すぐり部の外筒側の面に設けた受け部と、を対峙させているものがある(例えば、特許文献1参照)。
この構成では、内筒に振動が入力されて、ゴム弾性体が変位したときに、ストッパ部が受け部に当接することで、ゴム弾性体の変位を規制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-226532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記した防振装置では、所望の防振特性に調整するために、ストッパ部と受け部との隙間を小さくすること(例えば、1mm程度)、すなわち、ゴム弾性体の許容変位量を小さくすることが求められる場合がある。しかしながら、金型によって小さな隙間を成形することは難しい。そこで、防振装置を金型で成形した後に、外筒を縮径してストッパ部と受け部との隙間を小さくする方法もあるが、製造時の工数が増えるため、防振装置の製造コストが高くなるという問題がある。
【0006】
本発明は、前記した問題を解決し、製造コストを抑えつつ、ゴム弾性体の許容変位量を小さくすることができ、防振特性を調整し易い防振装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、防振装置であって、筒状の取付穴が形成されたハウジングと、前記取付穴内に設けられた防振部材と、を有している。前記防振部材は、前記取付穴内に嵌め合わされた外筒と、前記外筒内に設けられた内筒と、前記外筒と前記内筒との間に介設され、前記外筒と前記内筒とを弾性的に結合するゴム弾性体と、を備えている。前記ゴム弾性体には、軸方向に貫通したすぐり部と、前記すぐり部の前記内筒側の面から突出しているストッパ部と、が形成されている。前記ハウジングには、前記取付穴の径方向において前記ストッパ部に間隔を空けて対峙する受け部が形成されている。
【0008】
本発明の防振装置では、ストッパ部および受け部のうち、ストッパ部のみをゴム弾性体に形成している。そのため、防振部材を金型で成形するときに、ストッパ部と受け部との隙間の大きさが金型によって制約されなくなる。これにより、本発明の防振装置では、ストッパ部と受け部との隙間が小さくなるように、防振部材を金型で成形できるため、製造コストを抑えつつ、防振特性を要求に応じて的確に調整できる。
【0009】
前記した防振装置において、前記外筒の周壁部に前記すぐり部に連通する連通部を開口させるとともに、前記受け部を前記取付穴の内周面から突出させて、前記連通部に挿入した場合には、受け部の形状が複雑にならない。
【0010】
また、前記連通部を前記周壁部の軸方向の一方の縁部から他方の縁部に亘って形成した場合には、ストッパ部および受け部を軸方向に長くすることができる。
【0011】
前記した防振装置において、前記取付穴に底部を形成し、前記受け部を前記底部から前記ゴム弾性体側に突出させて、前記すぐり部に挿入した場合には、外筒の周壁部に開口部を形成する必要がない。
【0012】
前記した防振装置において、ゴム弾性体には、複数の前記ストッパ部を形成し、前記ハウジングには、前記各ストッパ部の少なくとも一つに対峙する前記受け部を形成することが好ましい。
この構成では、防振装置に対する振動の入力方向に応じて、ストッパ部および受け部の数や位置を調整することにより、防振装置の防振特性を的確に設定できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の防振装置では、ストッパ部および受け部のうち、ストッパ部のみをゴム弾性体に形成することで、ストッパ部と受け部との隙間が小さい場合でも、防振部材を金型で成形できるため、製造コストを抑えつつ、防振特性を要求に応じて的確に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一実施形態に係る防振装置を示した平面図である。
図2】本発明の第一実施形態に係る防振装置を示した図1のII-II断面図である。
図3】本発明の第一実施形態に係る防振装置を示した図1のIII-III断面図である。
図4】本発明の第二実施形態に係る防振装置を示した平面図である。
図5】本発明の第二実施形態に係る防振装置を示した図2のV-V断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
以下の説明において、上下方向、前後方向および左右方向は、各実施形態の防振装置を説明する上で便宜上設定したものであり、本発明の防振装置の構成や使用状態を限定するものではない。
【0016】
[第一実施形態]
第一実施形態の防振装置1Aは、図1に示すように、自動車等の車両のサスペンションSと、車両の車体フレームFとの間に介設されるダンパーマウントである。サスペンションSは、振動が発生する振動部材であり、車体フレームFは、サスペンションSを支持する支持部材である。
【0017】
防振装置1Aは、有底筒状の取付穴120が形成されたハウジング100と、取付穴120内に設けられた防振部材2と、を有している。
【0018】
ハウジング100は、車体フレームFに取り付けられる金属製の部材である。ハウジング100の中央部には、円筒状の取付穴120が形成されている。取付穴120は、図2に示すように、上面が開口し、下部に底部121が形成されている。底部121の中央部には、円形の開口部122が貫通している。
ハウジング100において取付穴120の周囲には、複数の締結部110が形成されている。第一実施形態の締結部110は、ハウジング100を上下方向に貫通した穴部であり、この締結部110に挿通させたボルトを車体フレームFのねじ穴に螺合させることで、ハウジング100を車体フレームFに固定できる。
【0019】
取付穴120の内周面には、図1に示すように、左右一対の第一受け部123,123が形成されている。第一受け部123は、取付穴120の内周面から内側に向けて突出している。第一受け部123は、図2に示すように、底部121の上面から取付穴120の上縁部に亘って、取付穴120の軸方向に沿って直線状に延びている。
【0020】
防振部材2は、図1に示すように、取付穴120内に嵌め合わされた外筒10と、外筒10内に設けられた内筒20と、外筒10と内筒20との間に介設されたゴム弾性体30と、を備えている。
【0021】
左右の第一受け部123,123は、取付穴120の周方向に180度の間隔で配置されている。そして、左右の第一受け部123,123は、取付穴120の中心点を挟んで左右対称な形状に形成されている。
【0022】
外筒10は、金属製または樹脂製の円筒状の部材である。外筒10は、図3に示すように、ハウジング100の取付穴120内に嵌め込まれている。外筒10の外周面は、取付穴120の内周面に圧接されている。また、外筒10の下縁部は、取付穴120の底部121の上面に当接している。
【0023】
外筒10の周壁部11には、図1に示すように、左右一対の連通部12,12が開口している。連通部12を通じて外筒10の内面側と外面側とが連通している。
連通部12は、周壁部11の上縁部から下縁部に亘って、外筒10の軸方向に沿って直線状に延びている。左右の連通部12,12は、周壁部11に180度の間隔で配置されている。第一実施形態の外筒10は、左右の連通部12,12によって、前後二つに分割されている。すなわち、外筒10は、連通部12,12を挟んで対峙する一対の半割円筒状の部材からなる。
【0024】
周壁部11の周方向における連通部12の幅は、取付穴120の第一受け部123の幅よりも大きく形成されている。左右の連通部12,12には、左右の第一受け部123,123がそれぞれ挿入されている。
【0025】
内筒20は、金属製または樹脂製の円筒状の部材である。内筒20は、外筒10内の中心部に配置されている。内筒20には、図2に示すように、サスペンションSのダンパーのピストンロッドS1が挿通されている。ピストンロッドS1は、内筒20に圧入されている。
【0026】
ゴム弾性体30は、図1に示すように、内筒20の外周面と外筒10の内周面との間に介設され、外筒10と内筒20とを弾性的に結合するゴム製の筒状の部材である。
ゴム弾性体30の内周部は、内筒20の外周部に加硫接着され、ゴム弾性体30の外周部は、外筒10の内周部に加硫接着されている。
【0027】
ゴム弾性体30には、左右一対の第一すぐり部40,40が軸方向に貫通するとともに、前後一対の第二すぐり部50,50が軸方向に貫通している。
左右の第一すぐり部40,40は、ゴム弾性体30の周方向に180度の間隔で配置され、前後の第二すぐり部50,50は、ゴム弾性体30の周方向に180度の間隔で配置されている。第一すぐり部40と第二すぐり部50とは、ゴム弾性体30の周方向に90度の間隔で配置されている。
【0028】
第一すぐり部40は、ゴム弾性体30の外周面に開口している。すなわち、第一すぐり部40は、ゴム弾性体30の外周部に形成された凹部である。第一すぐり部40は、外筒10の連通部12に連通している。
【0029】
第一すぐり部40の内筒20側の内面には、第一ストッパ部41が形成されている。第一ストッパ部41は、第一すぐり部40の内筒20側の内面から外側に向けて突出している。第一ストッパ部41は、図2に示すように、上下方向に延びている。
【0030】
図1に示すように、ゴム弾性体30の第一ストッパ部41の先端面と、取付穴120の第一受け部123の先端面とは、取付穴120の径方向において間隔を空けて対峙している。
防振装置1Aでは、内筒20に振動が入力されて、ゴム弾性体30が変位したときに、ゴム弾性体30の第一ストッパ部41が取付穴120の第一受け部123に当接することで、ゴム弾性体30の左右方向における変位が規制される。
【0031】
第二すぐり部50は、ゴム弾性体30を軸方向に貫通している穴部である。
第二すぐり部50の外筒10側の内面には、第二受け部52が形成されている。第二受け部52は、第二すぐり部50の外筒10側の内面から内側に向けて突出している。第二受け部52は、図3に示すように、上下方向に延びている。
【0032】
第二すぐり部50の内筒20側の内面には、図1に示すように、第二ストッパ部51が形成されている。第二ストッパ部51は、第二すぐり部50の内筒20側の内面から外側に向けて突出している。第二ストッパ部51は、図3に示すように、上下方向に延びている。
【0033】
図1に示すように、第二ストッパ部51の先端面と、第二受け部52の先端面とは、取付穴120の径方向において間隔を空けて対峙している。
防振装置1Aでは、内筒20に振動が入力されて、ゴム弾性体30が変位したときに、ゴム弾性体30の第二ストッパ部51が第二受け部52に当接することで、ゴム弾性体30の前後方向における変位が規制されている。
【0034】
なお、前記した防振装置1Aを製造するときには、金型内に外筒10および内筒20を設置し、金型内にゴム部材を充填することで防振部材2を形成する。その後、防振部材2をハウジング100の取付穴120内に挿入して、防振装置1Aの製造が完了する。
【0035】
以上のような第一実施形態の防振装置1Aでは、図1に示すように、ゴム弾性体30の左右の部位に配置された第一ストッパ部41および第一受け部123のうち、第一ストッパ部41のみがゴム弾性体30に形成されている。第一受け部123は、ハウジング100の取付穴120内に形成されている。
【0036】
この構成では、防振部材2を金型で成形するときに、第一ストッパ部41と第一受け部123との隙間の大きさが金型によって制約されなくなる。
これにより、第一実施形態の防振装置1Aでは、第一ストッパ部41と第一受け部123との隙間が小さくなるように、防振部材2を金型で成形できるため、製造コストを抑えつつ、防振特性を要求される車両特性に応じて的確に調整できる。
【0037】
また、第一実施形態の防振装置1Aでは、第一受け部123を取付穴120の内周面から突出させており、第一受け部123の形状が複雑にならないため、取付穴120を形成し易い。
【0038】
また、第一実施形態の防振装置1Aでは、外筒10の連通部12を周壁部11の上縁部から下縁部に亘って形成しているため、第一ストッパ部41および第一受け部123を軸方向に長くすることができる。
【0039】
以上、本発明の第一実施形態について説明したが、本発明は前記第一実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
第一実施形態の防振装置1Aでは、図1に示すように、左右に第一ストッパ部41および第一受け部123を配置するとともに、前後に第二ストッパ部51および第二受け部52を配置している。しかしながら、本発明の防振装置では、ストッパ部および受け部の数や配置は限定されるものではなく、要求される防振特性に応じて、適宜にストッパ部および受け部の数や配置を調整する。
【0040】
また、第一実施形態の防振装置1Aにおいて、前後に配置されるストッパ部および受け部を、第一ストッパ部41および第一受け部123と同様に、ストッパ部のみをゴム弾性体30に形成し、受け部は取付穴120に形成してもよい。
【0041】
また、第一実施形態の防振装置1Aでは、外筒10の連通部12が周壁部11の上縁部から下縁部に亘って形成されているが、連通部12の形状は限定されるものではない。例えば、外筒10の上縁部または下縁部から軸方向に窪ませた凹形状の連通部を形成してもよい。また、外筒10の周壁部11を貫通する穴形状に連通部を形成してもよい。
【0042】
第一実施形態の防振装置1Aは、自動車等の車両のサスペンションSと、車両の車体フレームFとの間に介設されるダンパーマウントであるが、本発明の防振装置を適用可能な防振の対象は限定されるものではない。例えば、防振の対象を車体の他にエンジンやモータ等の原動機、インバータ、電池等としてもよい。
【0043】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態の防振装置1Bについて説明する。
第二実施形態の防振装置1Bは、図4に示すように、第一実施形態の防振装置1A(図1参照)と略同様の構成であり、第一受け部124の構成が異なっている。
【0044】
第二実施形態の防振装置1Bでは、図5に示すように、取付穴120の底部121から第一受け部124が上方に向けて突出している。第二実施形態の第一受け部124は、板状に形成されており、取付穴120の深さと同じ高さに形成されている。
【0045】
第二実施形態のゴム弾性体30の第一すぐり部40は、ゴム弾性体30を軸方向に貫通している穴部である。
そして、取付穴120の底部121からゴム弾性体30側に突出した第一受け部124が第一すぐり部40に挿入されている。
【0046】
図4に示すように、ゴム弾性体30の第一ストッパ部41の先端面と、取付穴120の第一受け部124の先端面とは、取付穴120の径方向において間隔を空けて対峙している。
【0047】
以上のような第二実施形態の防振装置1Bでは、第一ストッパ部41および第一受け部124のうち、第一ストッパ部41のみをゴム弾性体30に形成している。これにより、第一ストッパ部41と第一受け部124との隙間が小さい場合でも、防振部材2を金型で成形できる。したがって、第二実施形態の防振装置1Bでは、製造コストを抑えつつ、防振特性を要求に応じて的確に調整できる。
【0048】
また、第二実施形態の防振装置1Bでは、外筒10の周壁部11に開口部を形成する必要がないため、外筒10の加工コストを低減できる。
【0049】
以上、本発明の第二実施形態について説明したが、本発明は前記第二実施形態に限定されることなく、前記第一実施形態と同様に、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
【符号の説明】
【0050】
1A 防振装置(第一実施形態)
1B 防振装置(第二実施形態)
10 外筒
11 周壁部
12 連通部
20 内筒
30 ゴム弾性体
40 第一すぐり部
41 第一ストッパ部
50 第二すぐり部
51 第二ストッパ部
52 第二受け部
100 ハウジング
110 締結部
120 取付穴
121 底部
122 開口部
123 第一受け部(第一実施形態)
124 第一受け部(第二実施形態)
F 車体フレーム
S サスペンション
S1 ピストンロッド
図1
図2
図3
図4
図5