(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】パラボラアンテナ調整システム
(51)【国際特許分類】
H01Q 19/12 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
H01Q19/12
(21)【出願番号】P 2021202471
(22)【出願日】2021-12-14
【審査請求日】2023-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】小林 良平
【審査官】赤穂 美香
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06293027(US,B1)
【文献】国際公開第2020/049613(WO,A1)
【文献】特開昭63-007004(JP,A)
【文献】特開平09-232860(JP,A)
【文献】米国特許第04899167(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラボラアンテナの背面側に設置され、可動することで設置箇所に対応する前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状を変化させるアクチュエータと、
前記パラボラアンテナの中心から反射鏡面側に所定の高さ位置まで延び、当該パラボラアンテナの中心位置を回転中心として回転する回転体と、
前記パラボラアンテナの中心から反射鏡面側の所定の高さ位置に設置される共に、前記回転体の所定箇所に設置されており、当該回転体の回転に応じて前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状を計測する計測装置と、
計測された前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状に基づいて、前記アクチュエータの可動を制御する制御装置と、
を備
え、
前記計測装置は、前記回転体が予め設定された角度毎に回転する度に、複数のパネルにて構成された前記パラボラアンテナのパネルごとにおける当該パラボラアンテナの形状を計測する、
パラボラアンテナ調整システム。
【請求項2】
請求項1に記載のパラボラアンテナ調整システムであって、
前記回転体は、1周を前記パネルの枚数で分割した角度である分割角度ずつ回転するよう構成されており、
前記計測装置は、前記回転体が前記分割角度毎に回転する度に、回転した角度の位置に対応する1枚の前記パネルにおける前記パラボラアンテナの形状を計測する、
パラボラアンテナ調整システム。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載のパラボラアンテナ調整システムであって、
前記アクチュエータは、前記パラボラアンテナの背面側に複数設置されており、
前記計測装置は、前記アクチュエータの設置箇所に対応する前記パラボラアンテナの反射鏡面側の箇所の形状を計測する、
パラボラアンテナ調整システム。
【請求項4】
請求項
3に記載のパラボラアンテナ調整システムであって、
前記アクチュエータは、複数のパネルにて構成された前記パラボラアンテナのパネルごとにそれぞれ複数設置されており、
前記計測装置は、前記回転体が予め設定された角度毎に回転する度に、前記パラボラアンテナのパネルごとに、当該パネルに設置された複数の前記アクチュエータの箇所にそれぞれ対応する前記パラボラアンテナの反射鏡面側の箇所の形状を計測する、
パラボラアンテナ調整システム。
【請求項5】
パラボラアンテナ自体に設置された計測装置にて、当該パラボラアンテナの反射鏡面の形状を計測
する際に、前記パラボラアンテナの中心から反射鏡面側の所定の高さ位置に設置される共に、前記パラボラアンテナの中心から反射鏡面側に所定の高さ位置まで延び、当該パラボラアンテナの中心位置を回転中心として回転する回転体の所定箇所に設置された前記計測装置にて、当該回転体の回転に応じて、当該回転体が予め設定された角度毎に回転する度に、複数のパネルにて構成された前記パラボラアンテナのパネルごとにおける当該パラボラアンテナの形状を計測し、
計測された前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状に基づいて、パラボラアンテナの背面側に設置されたアクチュエータの可動を制御装置にて制御することにより、当該アクチュエータの設置箇所に対応するパラボラアンテナの反射鏡面の形状を変化させる、
パラボラアンテナ調整方法。
【請求項6】
請求項5に記載のパラボラアンテナ調整方法であって、
前記回転体は、1周を前記パネルの枚数で分割した角度である分割角度ずつ回転するよう構成されており、
前記計測装置にて、前記回転体が前記分割角度毎に回転する度に、回転した角度の位置に対応する1枚の前記パネルにおける前記パラボラアンテナの形状を計測する、
パラボラアンテナ調整方法。
【請求項7】
パラボラアンテナ自体に設置された計測装置を用いて、当該パラボラアンテナのアンテナ面の形状を計測する計測部と、
計測された前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状に基づいて、パラボラアンテナの背面側に設置されたアクチュエータの可動を制御することにより、当該アクチュエータの設置箇所に対応するパラボラアンテナの反射鏡面の形状を変化させる制御部と、
を備
え、
前記計測部は、前記パラボラアンテナの中心から反射鏡面側の所定の高さ位置に設置される共に、前記パラボラアンテナの中心から反射鏡面側に所定の高さ位置まで延び、当該パラボラアンテナの中心位置を回転中心として回転する回転体の所定箇所に設置された前記計測装置を用いて、当該回転体の回転に応じて、当該回転体が予め設定された角度毎に回転する度に、複数のパネルにて構成された前記パラボラアンテナのパネルごとにおける当該パラボラアンテナの形状を計測する、
パラボラアンテナ調整装置。
【請求項8】
請求項7に記載のパラボラアンテナ調整装置であって、
前記回転体は、1周を前記パネルの枚数で分割した角度である分割角度ずつ回転するよう構成されており、
前記計測部は、前記計測装置を用いて、前記回転体が前記分割角度毎に回転する度に、回転した角度の位置に対応する1枚の前記パネルにおける前記パラボラアンテナの形状を計測する、
パラボラアンテナ調整装置。
【請求項9】
情報処理装置に、
パラボラアンテナ自体に設置された計測装置を用いて、当該パラボラアンテナの反射鏡面の形状を計測する計測部と、
計測された前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状に基づいて、パラボラアンテナの背面側に設置されたアクチュエータの可動を制御することにより、当該アクチュエータの設置箇所に対応するパラボラアンテナの反射鏡面の形状を変化させる制御部と、
を実現させる
と共に
前記計測部は、前記パラボラアンテナの中心から反射鏡面側の所定の高さ位置に設置される共に、前記パラボラアンテナの中心から反射鏡面側に所定の高さ位置まで延び、当該パラボラアンテナの中心位置を回転中心として回転する回転体の所定箇所に設置された前記計測装置を用いて、当該回転体の回転に応じて、当該回転体が予め設定された角度毎に回転する度に、複数のパネルにて構成された前記パラボラアンテナのパネルごとにおける当該パラボラアンテナの形状を計測する、
ことを実現させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムであって、
前記回転体は、1周を前記パネルの枚数で分割した角度である分割角度ずつ回転するよう構成されており、
前記計測部は、前記計測装置を用いて、前記回転体が前記分割角度毎に回転する度に、回転した角度の位置に対応する1枚の前記パネルにおける前記パラボラアンテナの形状を計測する、
ことを実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラボラアンテナ調整システム、パラボラアンテナ調整方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
大型パラボラアンテナの組立時には、反射鏡パネルの鏡面調整を行う必要がある。このとき、反射鏡パネルを支持する調整ネジを人力で回すことで、反射鏡パネルの位置・傾きを調整することとなる。
【0003】
ところが、上述したように人力で反射鏡パネルの鏡面調整を行う場合には、各調整ネジの調整量が不明であり、規定したパネルの位置・傾きを得られるまで調整に時間がかかり、多くの作業時間と人員を要する、という問題がある。また、パラボラアンテナが大型になるにつれてパネルを支持する箇所つまり調整箇所も増えるため、さらなる作業時間と人員の増加という問題が生じる。
【0004】
これに対して、特許文献1では、人力ではなく、アクチュエータを用いてアンテナの形状を変化させることが記載されている。具体的に、特許文献1では、主反射鏡及び副反射鏡を備えており、主反射鏡が当該主反射鏡に送られた送信を副反射鏡に収束させるよう反射するよう構成されたアンテナアセンブリにおいて、副反射鏡の外面に複数のアクチュエータを備えている。そして、アクチュエータにて副反射鏡の面を内側または外側に移動させることで、副反射鏡の鏡面を局所的に変形させている。このとき、特許文献1では、一例として、主反射鏡の内面の幾何学的形状を測定した結果に基づいて、副反射鏡のアクチュエータを駆動させることが記載されている。但し、これは主反射鏡の変形の補正を行うためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、計測した主反射鏡の形状に基づいて、別の反射鏡である副反射鏡の形状をアクチュエータで変形させているため、高精度にパラボラアンテナの形状を調整することが困難である、という問題が生じる。
【0007】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、高精度にパラボラアンテナの形状を調整することができない、ことを解決することができるパラボラアンテナ調整システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態であるパラボラアンテナ調整システムは、
パラボラアンテナの背面側に設置され、可動することで設置個所に対応する前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状を変化させるアクチュエータと、
前記パラボラアンテナ自体に設置され、当該パラボラアンテナの反射鏡面の形状を計測する計測装置と、
計測された前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状に基づいて、前記アクチュエータの可動を制御する制御装置と、
を備えた、
という構成をとる。
【0009】
また、本発明の一形態であるパラボラアンテナ調整方法は、
パラボラアンテナ自体に設置された計測装置にて、当該パラボラアンテナの反射鏡面の形状を計測し、
計測された前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状に基づいて、パラボラアンテナの背面側に設置されたアクチュエータの可動を制御装置にて制御することにより、当該アクチュエータの設置個所に対応するパラボラアンテナの反射鏡面の形状を変化させる、
という構成をとる。
【0010】
また、本発明の一形態であるパラボラアンテナ調整装置は、
パラボラアンテナ自体に設置された計測装置を用いて、当該パラボラアンテナのアンテナ面の形状を計測する計測部と、
計測された前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状に基づいて、パラボラアンテナの背面側に設置されたアクチュエータの可動を制御することにより、当該アクチュエータの設置個所に対応するパラボラアンテナの反射鏡面の形状を変化させる制御部と、
を備えた、
という構成をとる。
【0011】
また、本発明の一形態であるプログラムは、
情報処理装置に、
パラボラアンテナ自体に設置された計測装置を用いて、当該パラボラアンテナの反射鏡面の形状を計測する計測部と、
計測された前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状に基づいて、パラボラアンテナの背面側に設置されたアクチュエータの可動を制御することにより、当該アクチュエータの設置個所に対応するパラボラアンテナの反射鏡面の形状を変化させる制御部と、
を実現させる、
という構成をとる。
【0012】
また、本発明の一形態であるパラボラアンテナ装置は、
反射鏡面を有するパラボラアンテナと、
前記パラボラアンテナの背面側に設置され、可動することで設置個所に対応する前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状を変化させるアクチュエータと、
前記パラボラアンテナ自体に設置され、当該パラボラアンテナの反射鏡面の形状を計測する計測装置と、を備え、
前記アクチュエータは、前記計測装置により計測された前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状に基づいて可動を制御されるよう構成されている、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以上のように構成されることにより、高精度にパラボラアンテナの形状を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態1におけるパラボラアンテナ調整システムの全体構成を示す図である。
【
図2】
図1に開示したパラボラアンテナ装置の構成を示す図である。
【
図3】
図1に開示したパラボラアンテナ装置の構成を示す図である。
【
図4】
図1に開示したパラボラアンテナ装置及び制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図1に開示したパラボラアンテナ装置の形状を調整するときの様子を示す図である。
【
図6】
図1に開示した制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態2におけるパラボラアンテナ調整システムの全体構成を示す図である。
【
図8】
図7に開示した制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図9】
図7に開示した制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図10】
図7に開示したパラボラアンテナ調整システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、
図1乃至
図6を参照して説明する。
図1乃至
図5は、パラボラアンテナ調整システムの構成を説明するための図であり、
図6は、パラボラアンテナ調整システムの処理動作を説明するための図である。
【0016】
[構成]
本発明におけるパラボラアンテナ調整システムは、
図1に示すように、パラボラアンテナ装置10と、制御装置20と、を備えて構成されている。そして、本実施形態におけるパラボラアンテナ装置10は、例えば、直径が約6mほどの大型パラボラアンテナ本体を装備しており、また、人が訪れることが困難な場所に設置されているなどの理由により、反射鏡面の調整が困難である状況にありうる。このため、パラボラアンテナ装置10及び制御装置20が、自動的にパラボラアンテナ本体の形状を変化させる機能を有していることに特徴を有する。なお、制御装置20には、
図1に示すように、遠隔地に設置された指令装置30にネットワークを介して接続されており、かかる指令装置30からの指令に応じてパラボラアンテナの鏡面形状の調整を行ったり、予め設定された時間間隔など予め設定されたタイミングでパラボラアンテナの鏡面形状の調整を行うよう構成されている。以下、各装置について説明する。
【0017】
パラボラアンテナ装置10は、基台上に設置されたパラボラアンテナ本体11を備えている。ここで、パラボラアンテナ本体11を表面側である反射鏡面側から見た図を
図2の上図に示し、背面側から見た図を
図2の下図に示す。また、パラボラアンテナ本体11を側方から見た中央断面図の概略を
図3に示す。
【0018】
図2に示すように、パラボラアンテナ本体11は、外形が正八角形に形成されており、表面側に形成された反射鏡面が、外周側から内部側に向かうにつれて凹んだ椀状の曲面に形成されている。特に、本実施形態におけるパラボラアンテナ本体11は、8枚の略三角形形状の反射鏡パネル11Aが連結されて構成されている。但し、パラボラアンテナ本体11は、その外形が必ずしも正八角形に形成されていることに限定されず、正十二角形など他の数の多角形に形成されていてもよく、あるいは、円形に形成されていてもよい。また、パラボラアンテナ本体11は、いかなる数の反射鏡パネル11Aが連結されて構成されていてもよく、1つの反射鏡パネルにて形成されていてもよい。なお、パラボラアンテナ本体11を構成する反射鏡パネル11Aは、所定の剛性を有すると共に、形状の変形が可能な部材にて形成されている。
【0019】
また、
図2の下図及び
図3に示すように、パラボラアンテナ本体11の背面側には、反射鏡面の形状を変形させるアクチュエータ14を備えている。アクチュエータ14は、パラボラアンテナ本体11を構成する各反射鏡パネル11Aに対して、それぞれ複数設置されている。例えば、
図2の下図の例では、1枚の反射鏡パネル11Aに対して所定の間隔で8つのアクチュエータ14が設置されている。なお、
図2の下図では、特定の反射光パネル11Aに設置されているアクチュエータ14のみを図示しているが、図示したアクチュエータ14と同様の配置で、全ての反射鏡パネル11Aに対してそれぞれ複数のアクチュエータ14が設置されることとなる。但し、アクチュエータ14の設置個所と設置数は、
図2の例に限定されない。
【0020】
具体的に、アクチュエータ14は、
図3に示すように、先端が反射鏡パネル11Aの背面に連結しており、
図3の矢印D1に示すように、先端部分が反射鏡パネル11Aの反射鏡面に対して略垂直方向に沿って往復して可動するよう構成されている。なお、アクチュエータ14の後端側は、図示しないが、パラボラアンテナ本体11の背面側を覆う支持部材に固定されて設置されている。これにより、アクチュエータ14は、先端側が往復可動することで、反射鏡パネル11Aとの連結箇所において、パネル自体を鏡面に対して略垂直方向に沿って押したり引っ張ったりすることができ、パネル自体の反射鏡面の形状を変形させることができる。
【0021】
なお、
図2の上図に示すように、反射鏡パネル11Aの表面側である反射鏡面において、上述したように背面側におけるアクチュエータ14の設置個所に対応する箇所には、マーカー11aが形成されている。マーカー11aは、例えば、黒色の丸印で形成されており、反射鏡パネル11Aの反射鏡面にペイントされたり、貼付物が付されることにより形成される。但し、マーカー11aはいかなる色や形状、大きさであってもよい。但し、マーカー11aは形成されていなくてもよい。
【0022】
また、
図2及び
図3に示すように、パラボラアンテナ本体11の中心には、表面側つまり反射鏡面側に所定の高さまで延びるターンテーブル12を備えている。ターンテーブル12は、例えば、パラボラアンテナ本体11の中心から、当該パラボラアンテナ本体11の中心軸に沿って開口側に向かって延びるよう所定の長さを有して構成されており、矢印D2に示すように中心軸回りに回転する回転体、つまり、パラボラアンテナ本体11の中心位置を中心に回転する回転体として構成されている。ターンテーブル12は、後述するように制御装置20によって制御されることにより、予め設定された角度毎に回転することを繰り返す。本実施形態では、ターンテーブル12は、一例として、パラボラアンテナ本体11を構成する8枚の反射鏡パネル11Aの枚数に対応して1周を8分割した45度ずつ回転するよう制御される。但し、ターンテーブル12は、いかなる角度毎に回転してもよく、一定の速度で回転し続けてもよい。
【0023】
ターンテーブル12の先端部分には、パラボラアンテナ本体11の鏡面の形状を計測する計測器13(計測装置)が設置されている。計測器13は、例えば、パラボラアンテナ本体11の反射鏡面にレーザーを照射して距離を計測するよう構成されており、パラボラアンテナ本体11の反射鏡面上の計測点を計測することで、反射鏡面の形状を計測することができる。本実施形態では、計測器13は、各反射鏡パネル11Aの鏡面に形成されたマーカー11aまでの距離を計測することで、パラボラアンテナ本体11の反射鏡面の形状を計測する。但し、計測器13は、反射鏡面のマーカー11a箇所を計測することに限定されず、反射鏡面上の任意の箇所を測定点として計測することで、反射鏡面の形状を計測してもよい。また、計測器13は、レーザー照射にて反射鏡面の形状を計測することに限定されず、距離画像を用いるなど、いかなる方法で反射鏡面の形状を計測してもよい。
【0024】
ここで、本実施形態における計測器13は、パラボラアンテナ本体11の鏡面のうち、一部の部分領域の形状を順次計測することが可能である。このため、本実施形態における計測器13は、上述したようにターンテーブル12が予め設定された角度毎に回転する度に、パラボラアンテナ本体11の反射鏡面のうち、回転角度に対応する部分領域の形状を計測する。本実施形態では、ターンテーブル12は、パラボラアンテナ本体11を構成する8枚の反射鏡パネル11Aの枚数に対応して1周を8分割した45度ずつ回転するため、45度回転する度に、回転角度の位置に対応する1枚の反射鏡パネル11Aの形状を計測することとなる。これにより、ターンテーブル12が回転する度に、順次、計測器13が各反射鏡パネル11Aの鏡面の形状を計測し、一周回転することで、パラボラアンテナ本体11の反射鏡面の全体形状を計測することができる。
【0025】
なお、上述したターンテーブル12の回転動作と、かかる回転動作に連動した計測器13の計測動作とは、後述するように制御装置20に制御される。そして、計測器13にて計測されたパラボラアンテナ本体11の鏡面の形状は制御装置20に取得され、鏡面形状の調整に使用される。
【0026】
次に、制御装置20の構成について説明する。制御装置20は、後述するように計測器13にて計測されたパラボラアンテナ本体11の反射鏡面の形状に基づいて、アクチュエータ14の可動を制御することにより、鏡面形状の調整を行う。
【0027】
制御装置20は、演算装置と記憶装置とを備えた1台又は複数台の情報処理装置にて構成される。そして、制御装置20は、
図4に示すように、管理部21、計測部22、計算部23、駆動制御部24、を備える。管理部21、計測部22、計算部23、駆動制御部24の各機能は、演算装置が記憶装置に格納された各機能を実現するためのプログラムを実行することにより、実現することができる。また、制御装置20は、アンテナデータ記憶部25を備える。アンテナデータ記憶部25は記憶装置により構成される。以下、各構成について詳述する。
【0028】
アンテナデータ記憶部25は、管理者によって事前に登録されるパラボラアンテナ本体11の形状や構造に関するデータであるアンテナデータを記憶している。アンテナデータは、パラボラアンテナ本体11の反射鏡面の予め設定された理想曲面形状Cを表す理想曲面データを含む。例えば、理想曲面形状Cは、
図5の点線に示すような、パラボラアンテナ本体11の反射鏡面にて効率よく信号の送受信を行うことができる曲面形状を表すデータであり、理論的あるいは実験的に算出されたデータである。また、アンテナデータは、パラボラアンテナ本体11を構成する反射鏡パネル11Aの枚数や配置、大きさを表すデータを含む。さらに、アンテナデータは、各反射鏡パネル11Aに配置されたアクチュエータ14の位置、及び、これに対応する反射鏡パネル11Aの反射鏡面上のマーカー11aの位置を表すデータを含む。なお、アンテナデータは、さらにパラボラアンテナ本体11の鏡面調整に必要なデータを含んでいてもよい。
【0029】
管理部21は、パラボラアンテナ本体11の鏡面調整の動作を制御する。例えば、管理部21は、ネットワークを介して接続された指令装置30からの指令を受信して、かかる指令に応じて鏡面調整を開始する。あるいは、管理部21は、例えば、1カ月ごとといった予め設定された時間間隔や、送受信信号の監視結果に応じてといった予め設定されたタイミングで、パラボラアンテナの鏡面調整を開始する。なお、管理部21は、いかなるタイミングで鏡面調整を開始してもよい。
【0030】
計測部22は、パラボラアンテナ本体11の鏡面調整が開始されると、ターンテーブル12が回転するよう駆動すると共に、計測器13を用いてパラボラアンテナ本体11の鏡面の形状を計測し、当該計測器13から計測結果であるパラボラアンテナ本体11の鏡面形状データを取得する。具体的に、本実施形態では、計測部22は、まずターンテーブル12の回転位置を、予め設定された初期位置に位置するよう駆動する。例えば、計測部22は、ターンテーブル12に設置されている計測器13が、パラボラアンテナ本体11の特定方向、例えば、
図2の上図における真上方向を向くよう、ターンテーブル12の回転位置を設定する。なお、ターンテーブル12の初期位置は、例えば、アンテナデータとして記憶されていたり、計測部22が予め保持していることとする。
【0031】
続いて、計測部22は、初期位置に位置するターンテーブル12を、予め設定された回転角度毎に回転させると共に、回転させる度に、かかる回転角度に対応するパラボラアンテナ本体11の反射鏡面の部分領域の形状を、計測器13を用いて計測して、計測結果を取得する。本実施形態では、計測部22は、ターンテーブル12をまず45度回転させ、かかる回転角度の位置に対応する1枚目の反射鏡パネル11Aの鏡面形状を計測する。そして、計測部22は、1枚目の反射鏡パネル11Aの鏡面形状の計測が終了すると、さらに45度回転させ、かかる回転角度の位置に対応する2枚目の反射鏡パネル11Aの鏡面形状を計測する。計測部22は、ターンテーブル12の回転と計測器13を用いた鏡面形状の計測を順次行い、ターンテーブル12を一周回転させることで、パラボラアンテナ本体11の反射鏡面の全体形状を計測する。このとき、計測部22は、計測器13を用いて、パラボラアンテナ本体11の鏡面上の計測点、本実施形態では各反射鏡パネル11Aの鏡面に形成されたマーカー11aまでの距離を計測することで、パラボラアンテナ本体11の鏡面の形状を計測する。なお、計測部22は、アンテナデータとして記憶されているパラボラアンテナ本体11を構成する反射鏡パネル11Aの枚数、配置、大きさ、鏡面上のマーカー11aの位置などのデータ、計測した各反射鏡パネル11Aの鏡面上の計測点までの距離、を使用して、現在のパラボラアンテナ本体11の反射鏡面の形状を計測する。
【0032】
計算部23(制御部)は、計測部22にて計測した現在のパラボラアンテナ本体11の鏡面の形状と、アンテナデータとして記憶している理想曲面データで表される理想曲面形状Cと、を比較して、その差分である誤差量を計算する。例えば、計算部23は、各反射鏡パネル11Aに設置されたアクチュエータ14の設置個所つまり各マーカー11aの箇所における鏡面位置と、理想曲面形状Cにおけるマーカー11aの位置と、の誤差量を計算する。例えば、計算部23は、
図5に示すように、実線で示す計測した現在の反射鏡パネル11Aの形状と、点線で示す理想曲面形状Cと、におけるマーカー11a箇所での誤差量を算出する。
【0033】
駆動制御部24(制御部)は、計算部23で算出した誤差量に基づいて、アクチュエータ14の可動を制御する。例えば、駆動制御部24は、
図5の矢印に示すように、反射鏡パネル11Aの形状が、理想曲面形状Cよりも反射鏡面側(表面側)に位置している箇所においては、アクチュエータ14で反射鏡パネル11Aの背面側を引っ張るよう駆動制御する。また、駆動制御部24は、反射鏡パネル11Aの形状が、理想曲面形状Cよりも背面側に位置している箇所においては、アクチュエータ14で反射鏡パネル11Aの背面側を押すよう駆動制御する。このようにして、駆動制御部24は、アクチュエータ14の設置個所に対応する反射鏡パネル11Aの形状を、理想曲面形状Cに近づくよう変形させることができる。
【0034】
[動作]
次に、上述したパラボラアンテナ調整システムの動作を、主に
図6のフローチャートを参照して説明する。
【0035】
まず、制御装置20には、パラボラアンテナ本体11の形状や構造に関するデータであるアンテナデータが記憶されている。特に、制御装置20は、パラボラアンテナ本体11の反射鏡面の理想的な曲面形状を表す理想曲面データCを記憶している。そして、制御装置20は、ネットワークを介して接続された指令装置30から鏡面調整開始の指令を受信したり、定期的に鏡面調整を行う時期となるなど鏡面調整を行うタイミングとなると、パラボラアンテナの鏡面調整を開始する。
【0036】
制御装置20は、パラボラアンテナ本体11の鏡面調整が開始されると、ターンテーブル12が回転するよう駆動すると共に(ステップS1)、計測器13を用いてパラボラアンテナ本体11の反射鏡面の形状を計測する(ステップS2)。本実施形態では、制御装置20は、まずターンテーブル12の回転位置を、予め設定された初期位置に位置するよう駆動し、その後、予め設定された回転角度毎に回転させると共に、回転させる度に、かかる回転角度に対応するパラボラアンテナ本体11の鏡面の部分領域の形状を、計測器13を用いて計測する。具体的に、制御装置20は、ターンテーブル12をまず45度回転させ、かかる回転角度の位置に対応する1枚目の反射鏡パネル11Aの鏡面形状を計測する。
【0037】
続いて、制御装置20は、形状を計測していない反射鏡パネル11Aが残っており、全ての反射鏡パネル11Aの計測を収容していないため(ステップS3でNo)、ターンテーブル12をさらに45度回転させ(ステップS1)、かかる回転角度の位置に対応する2枚目の反射鏡パネル11Aの鏡面形状を計測する(ステップS2)。制御装置20は、ターンテーブル12の回転と計測器13を用いた鏡面形状の計測を順次行い、かかる計測を、ターンテーブル12を一周回転させ、全ての反射鏡パネル11Aが終了するまで行う(ステップS3でYes)。
【0038】
続いて、制御装置20は、計測した現在のパラボラアンテナ本体11の反射鏡面の形状と、アンテナデータとして記憶している理想曲面形状Cと、を比較して、その差分である誤差量を計算する(ステップS4)。例えば、制御装置20は、各反射鏡パネル11Aに設置されたアクチュエータ14の設置個所つまり各マーカー11aの箇所における鏡面位置と、理想曲面形状Cにおけるマーカー11aの位置と、の誤差量を計算する。
【0039】
そして、制御装置20は、計算した誤差量が予め設定された許容値以上であるパラボラアンテナ本体11の反射鏡面の箇所については(ステップS5でYes)、かかる箇所に対応して設定されているアクチュエータ14の可動を制御する。このとき、制御装置20は、誤差量に基づいてアクチュエータ14を駆動させる方向と駆動量を計算し(ステップS6)、計算した方向及び駆動量だけ、アクチュエータ14を駆動制御する(ステップS7)。例えば、制御装置20は、
図5の矢印に示すように、反射鏡パネル11Aの形状が理想曲面形状Cよりも鏡面側に位置している箇所においては、アクチュエータ14で反射鏡パネル11Aの背面側を誤差量に対応する距離だけ引っ張るよう駆動制御する。また、制御装置20は、反射鏡パネル11Aの形状が理想曲面形状Cよりも背面側に位置している箇所においては、アクチュエータ14で反射鏡パネル11Aの背面側を誤差量に対応する距離だけ押すよう駆動制御する。このようにして、制御装置20は、アクチュエータ14の設置個所に対応する反射鏡パネル11Aの形状を、理想曲面形状Cに近づくよう変形させ、鏡面調整を行う。
【0040】
以上のように、本実施形態では、パラボラアンテナ自体に設置された計測装置にてパラボラアンテナの反射鏡面の形状を計測し、計測した形状に基づいて、パラボラアンテナの背面側に設置したアクチュエータを駆動して、パラボラアンテナの反射鏡面の形状を変化させている。これにより、人手にて調整作業が困難なパラボラアンテナであっても、容易かつ高精度に、形状の調整を行うことができる。
【0041】
特に、本実施形態では、パラボラアンテナの中央に回転体と共に計測装置を設置しているため、パラボラアンテナの反射鏡面の形状の計測を、より容易かつ高精度に行うことができる。その結果、パラボラアンテナの鏡面形状の調整を、より容易かつ高精度に行うことができる。
【0042】
<実施形態2>
次に、本発明の第2の実施形態を、
図7乃至
図10を参照して説明する。
図7乃至
図9は、実施形態2におけるパラボラアンテナ調整システムの構成を示すブロック図であり、
図10は、パラボラアンテナ調整システムの動作を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、上述した実施形態で説明したパラボラアンテナ調整システム及びパラボラアンテナ調整方法の構成の概略を示している。
【0043】
まず、
図7を参照して、パラボラアンテナ調整システムの全体構成を説明する。パラボラアンテナ調整システムは、パラボラアンテナ200の背面側に設置され、可動することで設置個所に対応するパラボラアンテナ200の反射鏡面の形状を変化させるアクチュエータ210と、パラボラアンテナ200自体に設置され、当該パラボラアンテナ200の反射鏡面の形状を計測する計測装置220と、計測されたパラボラアンテナ200の反射鏡面の形状に基づいてアクチュエータ210の可動を制御するパラボラアンテナ調整装置100と、を備える。
【0044】
また、
図8を参照して、上述したパラボラアンテナ調整システムを構成するパラボラアンテナ調整装置100のハードウェア構成を説明する。パラボラアンテナ調整装置100は、一般的な情報処理装置にて構成されており、一例として、以下のようなハードウェア構成を装備している。
・CPU(Central Processing Unit)101(演算装置)
・ROM(Read Only Memory)102(記憶装置)
・RAM(Random Access Memory)103(記憶装置)
・RAM103にロードされるプログラム群104
・プログラム群104を格納する記憶装置105
・情報処理装置外部の記憶媒体110の読み書きを行うドライブ装置106
・情報処理装置外部の通信ネットワーク111と接続する通信インタフェース107
・データの入出力を行う入出力インタフェース108
・各構成要素を接続するバス109
【0045】
そして、パラボラアンテナ調整装置100は、プログラム群104をCPU101が取得して当該CPU101が実行することで、
図9に示す計測部121と制御部122とを構築して装備することができる。なお、プログラム群104は、例えば、予め記憶装置105やROM102に格納されており、必要に応じてCPU101がRAM103にロードして実行する。また、プログラム群104は、通信ネットワーク111を介してCPU101に供給されてもよいし、予め記憶媒体110に格納されており、ドライブ装置106が該プログラムを読み出してCPU101に供給してもよい。但し、上述した計測部121と制御部122とは、かかる手段を実現させるための専用の電子回路で構築されるものであってもよい。
【0046】
なお、
図8は、パラボラアンテナ調整装置100である情報処理装置のハードウェア構成の一例を示しており、情報処理装置のハードウェア構成は上述した場合に限定されない。例えば、情報処理装置は、ドライブ装置106を有さないなど、上述した構成の一部から構成されてもよい。
【0047】
そして、パラボラアンテナ調整装置100は、上述したようにプログラムによって構築された計測部121と制御部122との機能により、
図10のフローチャートに示すパラボラアンテナ調整方法を実行する。
【0048】
図10に示すように、パラボラアンテナ調整装置100は、
パラボラアンテナ200自体に設置された計測装置220にて、当該パラボラアンテナ200の反射鏡面の形状を計測し(ステップS101)、
計測されたパラボラアンテナ200の反射鏡面の形状に基づいて、パラボラアンテナ200の背面側に設置されたアクチュエータ210の可動を制御することにより、当該アクチュエータ210の設置個所に対応するパラボラアンテナ200の反射鏡面の形状を変化させる(ステップS102)、
という処理を実行する。
【0049】
本発明は、以上のように構成されることにより、パラボラアンテナ自体に設置された計測装置にてパラボラアンテナの反射鏡面の形状を計測し、計測した形状に基づいて、パラボラアンテナの背面側に設置したアクチュエータを駆動して、パラボラアンテナの反射鏡面の形状を変化させている。これにより、人手にて調整作業が困難なパラボラアンテナであっても、容易かつ高精度に、形状の調整を行うことができる。
【0050】
なお、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0051】
以上、上記実施形態等を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、上述した計測部121と制御部122との機能のうちの少なくとも一以上の機能は、ネットワーク上のいかなる場所に設置され接続された情報処理装置で実行されてもよく、つまり、いわゆるクラウドコンピューティングで実行されてもよい。
【0052】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明におけるパラボラアンテナ調整システム、パラボラアンテナ調整方法、パラボラアンテナ調整装置、プログラムの構成の概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
(付記1)
パラボラアンテナの背面側に設置され、可動することで設置個所に対応する前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状を変化させるアクチュエータと、
前記パラボラアンテナ自体に設置され、当該パラボラアンテナの反射鏡面の形状を計測する計測装置と、
計測された前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状に基づいて、前記アクチュエータの可動を制御する制御装置と、
を備えたパラボラアンテナ調整システム。
(付記2)
付記1に記載のパラボラアンテナ調整システムであって、
前記計測装置は、前記パラボラアンテナの中心から反射鏡面側の所定の高さ位置に設置されている、
パラボラアンテナ調整システム。
(付記3)
付記2に記載のパラボラアンテナ調整システムであって、
前記パラボラアンテナの中心から反射鏡面側に所定の高さ位置まで延び、当該パラボラアンテナの中心位置を回転中心として回転する回転体を備え、
前記計測装置は、前記回転体の所定箇所に設置されることで、当該回転体の回転に応じて前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状を計測する、
パラボラアンテナ調整システム。
(付記4)
付記3に記載のパラボラアンテナ調整システムであって、
前記計測装置は、前記回転体が予め設定された角度毎に回転する度に、前記パラボラアンテナの予め設定された部分領域毎における形状を計測する、
パラボラアンテナ調整システム。
(付記5)
付記4に記載のパラボラアンテナ調整システムであって、
前記計測装置は、前記回転体が予め設定された角度毎に回転する度に、複数のパネルにて構成された前記パラボラアンテナのパネルごとにおける当該パラボラアンテナの形状を計測する、
パラボラアンテナ調整システム。
(付記6)
付記1乃至5のいずれかに記載のパラボラアンテナ調整システムであって、
前記アクチュエータは、前記パラボラアンテナの背面側に複数設置されており、
前記計測装置は、前記アクチュエータの設置個所に対応する前記パラボラアンテナの反射鏡面側の箇所の形状を計測する、
パラボラアンテナ調整システム。
(付記7)
付記5に記載のパラボラアンテナ調整システムであって、
前記アクチュエータは、複数のパネルにて構成された前記パラボラアンテナのパネルごとにそれぞれ複数設置されており、
前記計測装置は、前記回転体が予め設定された角度毎に回転する度に、前記パラボラアンテナのパネルごとに、当該パネルに設置された複数の前記アクチュエータの箇所にそれぞれ対応する前記パラボラアンテナの反射鏡面側の箇所の形状を計測する、
パラボラアンテナ調整システム。
(付記8)
パラボラアンテナ自体に設置された計測装置にて、当該パラボラアンテナの反射鏡面の形状を計測し、
計測された前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状に基づいて、パラボラアンテナの背面側に設置されたアクチュエータの可動を制御装置にて制御することにより、当該アクチュエータの設置個所に対応するパラボラアンテナの反射鏡面の形状を変化させる、
パラボラアンテナ調整方法。
(付記8.1)
付記8に記載のパラボラアンテナ調整方法であって、
前記パラボラアンテナの中心から反射鏡面側の所定の高さ位置に設置された前記計測装置にて、前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状を計測する、
パラボラアンテナ調整方法。
(付記8.2)
付記8.1に記載のパラボラアンテナ調整方法であって、
前記パラボラアンテナの中心から反射鏡面側に所定の高さ位置まで延び、当該パラボラアンテナの中心位置を回転中心として回転する回転体の所定箇所に設置された前記計測装置にて、前記回転体の回転に応じて前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状を計測する、
パラボラアンテナ調整方法。
(付記8.3)
付記8.2に記載のパラボラアンテナ調整方法であって、
前記計測装置にて、前記回転体が予め設定された角度毎に回転する度に、前記パラボラアンテナの予め設定された部分領域毎における形状を計測する、
パラボラアンテナ調整方法。
(付記8.4)
付記8.3に記載のパラボラアンテナ調整方法であって、
前記計測装置にて、前記回転体が予め設定された角度毎に回転する度に、複数のパネルにて構成された前記パラボラアンテナのパネルごとにおける当該パラボラアンテナの形状を計測する、
パラボラアンテナ調整方法。
(付記8.5)
付記8乃至8.4のいずれかに記載のパラボラアンテナ調整方法であって、
前記アクチュエータは、前記パラボラアンテナの背面側に複数設置されており、
前記計測装置にて、前記アクチュエータの設置個所に対応する前記パラボラアンテナの反射鏡面側の箇所の形状を計測する、
パラボラアンテナ調整方法。
(付記8.6)
付記8.4に記載のパラボラアンテナ調整方法であって、
前記アクチュエータは、複数のパネルにて構成された前記パラボラアンテナのパネルごとにそれぞれ複数設置されており、
前記計測装置にて、前記回転体が予め設定された角度毎に回転する度に、前記パラボラアンテナのパネルごとに、当該パネルに設置された複数の前記アクチュエータの箇所にそれぞれ対応する前記パラボラアンテナの反射鏡面側の箇所の形状を計測する、
パラボラアンテナ調整方法。
(付記9)
パラボラアンテナ自体に設置された計測装置を用いて、当該パラボラアンテナのアンテナ面の形状を計測する計測部と、
計測された前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状に基づいて、パラボラアンテナの背面側に設置されたアクチュエータの可動を制御することにより、当該アクチュエータの設置個所に対応するパラボラアンテナの反射鏡面の形状を変化させる制御部と、
を備えたパラボラアンテナ調整装置。
(付記9.1)
付記9に記載のパラボラアンテナ調整装置であって、
前記計測部は、前記パラボラアンテナの中心から反射鏡面側の所定の高さ位置に設置された前記計測装置を用いて、前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状を計測する、
パラボラアンテナ調整装置。
(付記9.2)
付記9.1に記載のパラボラアンテナ調整装置であって、
前記計測部は、前記パラボラアンテナの中心から反射鏡面側に所定の高さ位置まで延び、当該パラボラアンテナの中心位置を回転中心として回転する回転体の所定箇所に設置された前記計測装置を用いて、前記回転体の回転に応じて前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状を計測する、
パラボラアンテナ調整装置。
(付記9.3)
付記9.2に記載のパラボラアンテナ調整装置であって、
前記計測部は、前記計測装置を用いて、前記回転体が予め設定された角度毎に回転する度に、前記パラボラアンテナの予め設定された部分領域毎における形状を計測する、
パラボラアンテナ調整装置。
(付記9.4)
付記9.3に記載のパラボラアンテナ調整装置であって、
前記計測部は、前記計測装置を用いて、前記回転体が予め設定された角度毎に回転する度に、複数のパネルにて構成された前記パラボラアンテナのパネルごとにおける当該パラボラアンテナの形状を計測する、
パラボラアンテナ調整装置。
(付記9.5)
付記9乃至9.4のいずれかに記載のパラボラアンテナ調整装置であって、
前記アクチュエータは、前記パラボラアンテナの背面側に複数設置されており、
前記計測部は、前記計測装置を用いて、前記アクチュエータの設置個所に対応する前記パラボラアンテナの反射鏡面側の箇所の形状を計測する、
パラボラアンテナ調整装置。
(付記9.6)
付記9.4に記載のパラボラアンテナ調整装置であって、
前記アクチュエータは、複数のパネルにて構成された前記パラボラアンテナのパネルごとにそれぞれ複数設置されており、
前記計測部は、前記計測装置を用いて、前記回転体が予め設定された角度毎に回転する度に、前記パラボラアンテナのパネルごとに、当該パネルに設置された複数の前記アクチュエータの箇所にそれぞれ対応する前記パラボラアンテナの反射鏡面側の箇所の形状を計測する、
パラボラアンテナ調整装置。
(付記10)
情報処理装置に、
パラボラアンテナ自体に設置された計測装置を用いて、当該パラボラアンテナの反射鏡面の形状を計測する計測部と、
計測された前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状に基づいて、パラボラアンテナの背面側に設置されたアクチュエータの可動を制御することにより、当該アクチュエータの設置個所に対応するパラボラアンテナの反射鏡面の形状を変化させる制御部と、
を実現させるためのプログラム。
(付記11)
反射鏡面を有するパラボラアンテナと、
前記パラボラアンテナの背面側に設置され、可動することで設置個所に対応する前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状を変化させるアクチュエータと、
前記パラボラアンテナ自体に設置され、当該パラボラアンテナの反射鏡面の形状を計測する計測装置と、を備え、
前記アクチュエータは、前記計測装置により計測された前記パラボラアンテナの反射鏡面の形状に基づいて可動を制御されるよう構成されている、
パラボラアンテナ装置。
【符号の説明】
【0053】
10 パラボラアンテナ装置
11 パラボラアンテナ本体
11A 反射鏡パネル
11a マーカー
12 ターンテーブル
13 計測器
14 アクチュエータ
20 制御装置
21 管理部
22 計測部
23 計算部
24 駆動制御部
25 アンテナデータ記憶部
30 指令装置
100 パラボラアンテナ調整装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 プログラム群
105 記憶装置
106 ドライブ装置
107 通信インタフェース
108 入出力インタフェース
109 バス
110 記憶媒体
111 通信ネットワーク
121 計測部
122 制御部
200 パラボラアンテナ
210 アクチュエータ
220 計測装置