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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】車両アップグレード方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20240730BHJP
【FI】
G06F8/65
【請求項の数】 38
(21)【出願番号】P 2023518995
(86)(22)【出願日】2020-09-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-20
(86)【国際出願番号】 CN2020118208
(87)【国際公開番号】W WO2022061843
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,ヨーン
(72)【発明者】
【氏名】マー,タオ
【審査官】児玉 崇晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-027633(JP,A)
【文献】特開2018-120503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両アップグレード方法であって、
サーバによって、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定することであって、各コンポーネントグループは、前記コンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成されるアップグレード制御コンポーネントを含む、決定することと、
前記サーバによって、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成することであって、前記第1のコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントが、第1のアップグレード制御コンポーネントである、生成することと、
前記サーバによって、前記第1のアップグレードパッケージを前記第1のアップグレード制御コンポーネントに送信することであって、前記第1のアップグレードパッケージは、前記第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードするために使用される、送信することと、を含む、
車両アップグレード方法。
【請求項2】
前記サーバによって、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成することの後に、当該車両アップグレード方法は、
前記サーバによって、前記第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のダウンロードアドレスを割り当てることと、
前記サーバによって、前記第1のダウンロードアドレスを前記車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信することと、をさらに含み、
前記サーバによって、前記第1のアップグレードパッケージを前記第1のアップグレード制御コンポーネントに送信することは、
前記サーバによって、前記第1のアップグレード制御コンポーネントと、前記第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のセキュアチャネルを確立することと、
前記サーバによって、前記第1のセキュアチャネルを通じて前記第1のアップグレードパッケージを前記第1のアップグレード制御コンポーネントに送信することと、を含む、
請求項1に記載の車両アップグレード方法。
【請求項3】
サーバによって、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定することは、前記サーバによって、前記OTAアップグレードマスタノードから、前記少なくとも2つのコンポーネントグループを示すグループ情報を受信することを含む、請求項に記載の車両アップグレード方法。
【請求項4】
サーバによって、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定することは、前記サーバによって、前記車両の識別子に基づいて、前記サーバ内の事前構成されたコンポーネントグループ情報を照会することと、照会結果に基づいて、前記車両内の前記少なくとも2つのコンポーネントグループを決定することと、を含む、請求項1または2に記載の車両アップグレード方法。
【請求項5】
前記サーバによって、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成することの前に、当該車両アップグレード方法は、
前記サーバによって、前記OTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信することをさらに含み、前記第1のメッセージは、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントを示すバージョン情報を含み、
前記サーバによって、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成することは、
前記サーバによって、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内の前記コンポーネントの前記バージョン情報に基づいて、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内の前記第1のコンポーネントグループのための前記第1のアップグレードパッケージを生成することを含む、
請求項2、請求項3、または請求項2を引用するときの請求項4に記載の車両アップグレード方法。
【請求項6】
OTAアップグレードマスタノードに適用される車両アップグレード方法であって、
前記OTAアップグレードマスタノードは、車両内に配備され、当該車両アップグレード方法は、
前記OTAアップグレードマスタノードによって、第1のメッセージをサーバに送信することであって、前記第1のメッセージは、前記車両内の前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用される、送信することと、
前記OTAアップグレードマスタノードによって、第1のダウンロードアドレスを受信することであって、前記第1のダウンロードアドレスは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用され、前記サーバによって送信され、前記第1のアップグレードパッケージは、前記車両内の前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループをアップグレードするために使用され、前記第1のコンポーネントグループは、前記第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される第1のアップグレード制御コンポーネントを含む、受信することと、
前記OTAアップグレードマスタノードによって、前記第1のダウンロードアドレスを前記第1のアップグレード制御コンポーネントに送信することと、を含む、
車両アップグレード方法。
【請求項7】
前記第1のメッセージは、前記少なくとも2つのコンポーネントグループのグループ情報を示すためにさらに使用される、請求項6に記載の車両アップグレード方法。
【請求項8】
当該車両アップグレード方法は、前記OTAアップグレードマスタノードによって、前記第1のアップグレード制御コンポーネントから前記第1のコンポーネントグループ内の前記コンポーネントのバージョン情報を受信することをさらに含む、請求項6または7に記載の車両アップグレード方法。
【請求項9】
車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントに適用される車両アップグレード方法であって、
前記第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成され、前記第1のコンポーネントグループは、前記車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループのうちの1つであり、当該車両アップグレード方法は、
前記第1のアップグレード制御コンポーネントによって、サーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信することであって、前記第1のアップグレードパッケージは、前記第1のコンポーネントグループ内の前記コンポーネントのためにOTAアップグレードを実行するために使用される、受信することと、
前記第1のアップグレード制御コンポーネントによって、前記第1のアップグレードパッケージに基づいて、前記第1のコンポーネントグループ内の前記コンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行することと、を含む、
車両アップグレード方法。
【請求項10】
前記第1のアップグレード制御コンポーネントによって、サーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信することの前に、当該車両アップグレード方法は、
前記第1のアップグレード制御コンポーネントによって、前記第1のコンポーネントグループ内の前記コンポーネントのバージョン情報を前記車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信することをさらに含む、
請求項9に記載の車両アップグレード方法。
【請求項11】
前記第1のアップグレード制御コンポーネントによって、サーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信することの前に、当該車両アップグレード方法は、
前記第1のアップグレード制御コンポーネントによって、第1のダウンロードアドレスを受信することであって、前記第1のダウンロードアドレスは、前記OTAアップグレードマスタノードによって送信され、前記第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用される、受信することと、
前記第1のアップグレード制御コンポーネントによって、前記第1のダウンロードアドレスに基づいて、前記サーバとの第1のセキュアチャネルを確立することであって、前記第1のセキュアチャネルは、前記第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用される、確立することと、をさらに含み、
前記第1のアップグレード制御コンポーネントによって、サーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信することは、
前記第1のアップグレード制御コンポーネントによって、前記第1のセキュアチャネルを通じて、前記サーバによって送信される前記第1のアップグレードパッケージを受信することを含む、
請求項10に記載の車両アップグレード方法。
【請求項12】
車両アップグレード方法であって、
当該車両アップグレード方法は、車両に適用され、前記車両は、少なくとも2つのコンポーネントグループを含み、前記少なくとも2つのコンポーネントグループの各々は、前記コンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される1つのアップグレード制御コンポーネントを含み、当該車両アップグレード方法は、
前記車両内のOTAアップグレードマスタノードによって、第1のメッセージをサーバに送信することであって、前記第1のメッセージは、前記車両内の前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用される、送信することと、
前記車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントによって、前記サーバから第1のアップグレードパッケージをダウンロードすることであって、前記第1のアップグレードパッケージは、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループをアップグレードするために使用され、前記第1のアップグレード制御コンポーネントは、前記第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される、ダウンロードすることと、を含む、
車両アップグレード方法。
【請求項13】
車両アップグレード方法であって、
サーバによって、車両内のOTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信することであって、前記第1のメッセージは、前記車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用され、前記少なくとも2つのコンポーネントグループの各々は、前記コンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される1つのアップグレード制御コンポーネントを含む、受信することと、
前記サーバによって、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内の前記コンポーネントの前記バージョン情報に基づいて、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成することと、
前記サーバによって、前記第1のアップグレードパッケージを前記車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントに送信することであって、前記第1のアップグレードパッケージは、前記第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためのOTAアップグレードを実行するために使用され、前記第1のアップグレード制御コンポーネントは、前記第1のコンポーネントグループ内の前記コンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される、送信することと、を含む、
車両アップグレード方法。
【請求項14】
OTAアップグレードマスタノードに適用される車両アップグレード方法であって、
前記OTAアップグレードマスタノードは、車両内に配備され、当該車両アップグレード方法は、
前記OTAアップグレードマスタノードによって、第1のアップグレード制御コンポーネントから第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を受信することであって、前記第1のコンポーネントグループは、前記車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループのうちの1つであり、前記第1のアップグレード制御コンポーネントは、前記第1のコンポーネントグループ内の前記コンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される、受信することと、
前記OTAアップグレードマスタノードによって、前記第1のアップグレード制御コンポーネントに、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のダウンロードアドレスを送信することであって、前記第1のアップグレードパッケージは、前記第1のコンポーネントグループ内の前記コンポーネントのためのOTAアップグレードを実行するために使用される、送信することと、を含む、
車両アップグレード方法。
【請求項15】
車両アップグレード方法であって、
当該車両アップグレード方法は、車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントに適用され、前記第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成され、前記第1のコンポーネントグループは、前記車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループのうちの1つであり、当該車両アップグレード方法は、
前記第1のアップグレード制御コンポーネントによって、前記第1のコンポーネントグループ内の前記コンポーネントのバージョン情報を前記車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信することと、
前記第1のアップグレード制御コンポーネントによって、第1のダウンロードアドレスを受信することであって、前記第1のダウンロードアドレスは、前記OTAアップグレードマスタノードによって送信され、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用され、前記第1のアップグレードパッケージは、前記第1のコンポーネントグループ内の前記コンポーネントのためのOTAアップグレードを実行するために使用される、受信することと、を含む、
車両アップグレード方法。
【請求項16】
処理ユニットと、
送信ユニットと、を含む、
車両アップグレード装置であって、
前記処理ユニットは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定するように構成され、各コンポーネントグループは、前記コンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される1つのアップグレード制御コンポーネントを含み、
前記処理ユニットは、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成するようにさらに構成され、前記第1のコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントが、第1のアップグレード制御コンポーネントであり、
前記送信ユニットは、前記第1のアップグレードパッケージを前記第1のアップグレード制御コンポーネントに送信するように構成され、前記第1のアップグレードパッケージは、前記第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードするために使用される、
車両アップグレード装置。
【請求項17】
前記処理ユニットは、前記第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のダウンロードアドレスを割り当てるようにさらに構成され、
前記送信ユニットは、前記第1のダウンロードアドレスを前記車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信するようにさらに構成され、
前記処理ユニットは、前記第1のダウンロードアドレスに基づいて、前記第1のアップグレード制御コンポーネントと、前記第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のセキュアチャネルを確立するようにさらに構成され、
前記送信ユニットは、前記第1のセキュアチャネルを通じて前記第1のアップグレードパッケージを前記第1のアップグレード制御コンポーネントに送信するようにさらに構成される、
請求項16に記載の車両アップグレード装置。
【請求項18】
当該車両アップグレード装置は、受信ユニットをさらに含み、前記処理ユニットは、前記受信ユニットを使用することによって、前記OTAアップグレードマスタノードから、前記少なくとも2つのコンポーネントグループを示すグループ情報を受信するようにさらに構成される、請求項17に記載の車両アップグレード装置。
【請求項19】
前記処理ユニットは、前記車両の識別子に基づいて、ーバ内で事前構成されたコンポーネントグループ情報を照会し、照会結果に基づいて、前記車両内の前記少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する、ようにさらに構成される、請求項16または17に記載の車両アップグレード装置。
【請求項20】
前記受信ユニットは、前記OTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信するようにさらに構成され、前記第1のメッセージは、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントを示すバージョン情報を含み、
前記処理ユニットは、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内の前記コンポーネントの前記バージョン情報に基づいて、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内の前記第1のコンポーネントグループのための前記第1のアップグレードパッケージを生成するようにさらに構成される、
請求項18、または請求項17を引用するときの請求項19に記載の車両アップグレード装置。
【請求項21】
車両アップグレード装置であって、
当該車両アップグレード装置は、車両内に配置され、当該車両アップグレード装置は、
送信ユニットと、
受信ユニットと、を含み、
前記送信ユニットは、第1のメッセージをサーバに送信するように構成され、前記第1のメッセージは、前記車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用され、
前記受信ユニットは、第1のダウンロードアドレスを受信するように構成され、前記第1のダウンロードアドレスは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用され、前記サーバによって送信され、前記第1のアップグレードパッケージは、前記車両内の前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループをアップグレードするために使用され、前記第1のコンポーネントグループは、前記第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される第1のアップグレード制御コンポーネントを含み、
前記送信ユニットは、前記第1のダウンロードアドレスを前記第1のアップグレード制御コンポーネントに送信するようにさらに構成される、
車両アップグレード装置。
【請求項22】
前記第1のメッセージは、前記少なくとも2つのコンポーネントグループのグループ情報を示すためにさらに使用される、請求項21に記載の車両アップグレード装置。
【請求項23】
前記受信ユニットは、前記第1のアップグレード制御コンポーネントから前記第1のコンポーネントグループ内の前記コンポーネントのバージョン情報を受信するようにさらに構成される、請求項21または22に記載の車両アップグレード装置。
【請求項24】
車両アップグレード装置であって、
当該車両アップグレード装置は、車両内で使用され、当該車両アップグレード装置は、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成され、前記第1のコンポーネントグループは、前記車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループのうちの1つであり、当該車両アップグレード装置は、
サーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信するように構成される、受信ユニットであって、前記第1のアップグレードパッケージは、前記第1のコンポーネントグループ内の前記コンポーネントのためにOTAアップグレードを実行するために使用される、受信ユニットと、
前記第1のアップグレードパッケージに基づいて、前記第1のコンポーネントグループ内の前記コンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される、処理ユニットと、を含む、
車両アップグレード装置。
【請求項25】
当該車両アップグレード装置は、前記第1のコンポーネントグループ内の前記コンポーネントのバージョン情報を前記車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信するように構成される送信ユニットを更に含む、請求項24に記載の車両アップグレード装置。
【請求項26】
前記受信ユニットは、第1のダウンロードアドレスを受信するようにさらに構成され、前記第1のダウンロードアドレスは、前記OTAアップグレードマスタノードによって送信され、前記第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用され、
前記処理ユニットは、前記第1のダウンロードアドレスに基づいて、前記サーバとの第1のセキュアチャネルを確立するようにさらに構成され、前記第1のセキュアチャネルは、前記第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用され、
前記受信ユニットは、前記第1のセキュアチャネルを通じて、前記サーバによって送信される前記第1のアップグレードパッケージを受信するようにさらに構成される、
請求項25に記載の車両アップグレード装置。
【請求項27】
車両であって、
当該車両は、OTAアップグレードマスタノードと、少なくとも2つのコンポーネントグループとを含み、前記少なくとも2つのコンポーネントグループの各々は、前記コンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される1つのアップグレード制御コンポーネントを含み、
前記車両内のOTAアップグレードマスタノードが、第1のメッセージをサーバに送信するように構成され、前記第1のメッセージは、前記車両内の前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用され、
前記車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントが、前記サーバから第1のアップグレードパッケージをダウンロードするように構成され、前記第1のアップグレードパッケージは、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループをアップグレードするために使用され、前記第1のアップグレード制御コンポーネントは、前記第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される、
車両。
【請求項28】
受信ユニットと、
処理ユニットと、
送信ユニットと、を含む、
車両アップグレード装置であって、
前記受信ユニットは、車両内のOTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信するように構成され、前記第1のメッセージは、前記車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用され、前記少なくとも2つのコンポーネントグループの各々は、前記コンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される1つのアップグレード制御コンポーネントを含み、
前記処理ユニットは、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内の前記コンポーネントの前記バージョン情報に基づいて、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成するように構成され、
前記送信ユニットは、前記第1のアップグレードパッケージを前記車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントに送信するように構成され、前記第1のアップグレードパッケージは、前記第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためのOTAアップグレードを実行するために使用され、前記第1のアップグレード制御コンポーネントは、前記第1のコンポーネントグループ内の前記コンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される、
車両アップグレード装置。
【請求項29】
車両アップグレード装置であって、
当該車両アップグレード装置は、車両内に配備され、当該車両アップグレード装置は、
受信ユニットと、
処理ユニットと、
送信ユニットと、を含み、
前記受信ユニットは、第1のアップグレード制御コンポーネントから第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を受信するように構成され、前記第1のコンポーネントグループは、前記車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループのうちの1つであり、前記第1のアップグレード制御コンポーネントは、前記第1のコンポーネントグループ内の前記コンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成され、
前記処理ユニットは、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、前記少なくとも2つのコンポーネントグループ内の前記第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成するように構成され、前記第1のコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントが、前記第1のアップグレード制御コンポーネントであり、
前記送信ユニットは、前記第1のアップグレード制御コンポーネントに、前記第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のダウンロードアドレスを送信するように構成され、前記第1のアップグレードパッケージは、前記第1のコンポーネントグループ内の前記コンポーネントのためのOTAアップグレードを実行するために使用される、
車両アップグレード装置。
【請求項30】
車両アップグレード装置であって、
当該車両アップグレード装置は、車両内に配備され、当該車両アップグレード装置は、
第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を前記車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信するように構成される送信ユニットと、
第1のダウンロードアドレスを受信するように構成される受信ユニットであって、前記第1のダウンロードアドレスは、前記OTAアップグレードマスタノードによって送信され、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用され、前記第1のアップグレードパッケージは、前記第1のコンポーネントグループ内の前記コンポーネントのためのOTAアップグレードを実行するために使用される、受信ユニットと、を含む、
車両アップグレード装置。
【請求項31】
サーバであって、当該サーバは、少なくとも1つのプロセッサと、通信インターフェースとを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、当該サーバが請求項1~5及び13のうちのいずれか1項に従った方法を実装するように、少なくとも1つのメモリに格納されるコンピュータプログラムを呼び出すように構成される、サーバ。
【請求項32】
OTAアップグレードマスタノードであって、当該OTAアップグレードマスタノードは、少なくとも1つのプロセッサと、通信インターフェースとを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、当該OTAアップグレードマスタノードが請求項6~8および14のうちのいずれか1項に従った方法を実装するように、少なくとも1つのメモリに格納されるコンピュータプログラムを呼び出すように構成される、OTAアップグレードマスタノード。
【請求項33】
アップグレード制御コンポーネントであって、当該アップグレード制御コンポーネントは、少なくとも1つのプロセッサと、通信インターフェースとを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、当該アップグレード制御コンポーネントが請求項9~11および15のうちのいずれか1項に従った方法を実装するように、少なくとも1つのメモリに格納されるコンピュータプログラムを呼び出すように構成される、アップグレード制御コンポーネント。
【請求項34】
車両であって、当該車両は、少なくとも1つのプロセッサと、通信インターフェースとを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、当該車両が請求項12に従った方法を実装するように、少なくとも1つのメモリに格納されるコンピュータプログラムを呼び出すように構成される、車両。
【請求項35】
コンピュータ読取可能な媒体であって、当該コンピュータ読取可能な媒体は、コンピュータプログラムを格納し、前記コンピュータプログラムが1つ以上のプロセッサで作動されるときに、請求項1~5及び13のうちのいずれか1項に従った方法が実装される、コンピュータ読取可能な媒体。
【請求項36】
コンピュータ読取可能な媒体であって、当該コンピュータ読取可能な媒体は、コンピュータプログラムを格納し、前記コンピュータプログラムが1つ以上のプロセッサで作動されるときに、請求項6~8及び14のうちのいずれか1項に従った方法が実装される、コンピュータ読取可能な媒体。
【請求項37】
コンピュータ読取可能な媒体であって、当該コンピュータ読取可能な媒体は、コンピュータプログラムを格納し、前記コンピュータプログラムが1つ以上のプロセッサで作動されるときに、請求項9~11及び15のうちのいずれか1項に従った方法が実装される、コンピュータ読取可能な媒体。
【請求項38】
コンピュータ読取可能な媒体であって、当該コンピュータ読取可能な媒体は、コンピュータプログラムを格納し、前記コンピュータプログラムが1つ以上のプロセッサで作動されるときに、請求項12に従った方法が実装される、コンピュータ読取可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、コネクテッド車両技術の分野に関し、特に、車両アップグレード方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線ネットワークを利用した通信(OTA:Over The Air)は、無線ネットワークを通じてデータをダウンロードするための技術であり、スマートテレビ、携帯電話、タブレットコンピュータ、およびセットトップボックスのようなデバイスのアップグレードに広く適用されている。OTA技術は、自動アップグレードために(Wi-Fi、3G、または4Gのような)ネットワークを通じてOTAアップグレードパッケージをダウンロードする(あるいはアップグレードのためにOTAアップグレードパッケージをSDカードにダウンロードする)ために主に使用される。OTAアップグレードは高速を有し、データに対する影響を殆ど有さない。従って、インテリジェントコネクテッド車両の開発に伴い、OTAアップグレードは、車両機能アップグレードのための主要な方法となる。車両ベンダー(すなわち、相手先商標製造会社(OEM,Original Equipment Manufacturer))は、OTA技術を使用することによって車両の関連ソフトウェアまたはファームウェアをアップグレードする。これはベンダーがリコールコストを削減し、要求に迅速に対応し、ユーザ経験を向上させるのを助ける。
【0003】
車両は、複数のノードを含み、複数のノードは、互いに関連付けられることがあり、互いに協働することがある。従って、車両のアップグレードは、通常、複数のコンポーネント(構成要素)のノードに関連し、OTAマスタ(マスタ)モジュールが、全てのノードのアップグレードを調整するために使用される。OTAマスタモジュールは、車両のノード(例えば、ゲートウェイ(ゲートウェイ,GW)またはテレマティクスボックスT-Box)の1つ(または1つよりも多く)で構成され、別のノードにおけるOTAスレーブ(スレーブ)モジュールを調整および制御して、車両アップグレードを共同で完了する。しかしながら、OTAマスタモジュールを使用してインストールパッケージをダウンロードし、他のノードのアップグレードを調整する方法において、OTAマスタモジュールは、複数のOTAスレーブモジュールのアップグレードパッケージをダウンロードし、配布する必要がある。これはOTAマスタモジュールの保管および負荷に大きな負荷をかけ、車両アップグレード効率および車両安定性に影響を及ぼす。例えば、アップグレードパッケージが大きいならば、OTAマスタモジュールの保管スペースは不十分であることがある。その結果、幾つかの車両コンポーネントは、時宜にかなった方法でアップグレードされることができない。別の例として、車両の構造がますます複雑になるにつれて、そのような方法で車両をアップグレードする効率はますます低くなり、ユーザの要求を満たすことができない。
【発明の概要】
【0004】
この出願の実施形態は、車両アップグレード効率及び車両安定性を改良する車両アップグレード方法及び装置を開示する。
【0005】
第1の態様によれば、本出願の一実施形態が、以下を含む車両アップグレード方法を開示する。
サーバが、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定し、各コンポーネントグループは、コンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される1つのアップグレード制御コンポーネントを含み、
サーバが、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成し、第1のコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレード制御コンポーネントであり、
そして、サーバが、第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信し、第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループのコンポーネントをアップグレードするために使用される。
【0006】
この出願のこの実施形態において、サーバは、車両内のコンポーネントグループのためにコンポーネントグループのアップグレードパッケージを生成し、次に、アップグレードパッケージをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントに対してアップグレード制御を実行する場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0007】
本出願の実施例において述べられるサーバは、1つのサーバであることがあり、あるいは、複数のサーバを含むサーバクラスタであることがある。具体的には、サーバは、アップグレードパッケージを集中的に格納するサーバを含むことがあり、あるいは、アップグレードパッケージ、グループ構成情報、またはアップグレードポリシー情報を分散的に格納する分散サーバクラスタを含むことがある。例えば、分散サーバが、複数のサーバを含むサーバクラスタであることがある。クラスタは、クラウドコンピューティングサーバ、コンテンツ配信ネットワーク(Content Delivery Network,CDN)サーバ、ネットワーク時間プロトコル(Network Time Protocol,NTP)サーバ、ドメインネームシステム(Domain Name System,DNS)サーバなどを含むことがある。サーバは、互いに協働して、コンピューティング、データストレージ、および通信のような機能を共同で完成させることがある。説明を簡単にするために、本出願の実施形態では、単一のサーバ、分散サーバおよびサーバクラスタを、サーバと総称する。
【0008】
本出願の実施形態において述べられるコンポーネントグループは、車両内の少なくとも1つのコンポーネントを含む。各コンポーネントグループは、コンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される1つのアップグレード制御コンポーネントを含み、車両内の別のコンポーネントをさらに含むことがある。コンポーネントグループが1つだけのコンポーネントを含むとき、そのコンポーネントは、コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントであるだけでなく、コンポーネントグループ内のアップグレードされるべきコンポーネントでもある。
【0009】
アップグレード制御コンポーネントは、コンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してアップグレードを完了するように構成され、車両内の独立したコンポーネントであることがあり、あるいは、コンポーネントのうちの1つにモジュールとして配備されることがある(例えば、ドメインコントローラおよび/または車両統合ユニット内に配備されることがある)。
【0010】
さらに、サーバは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第2のコンポーネントグループのための第2のアップグレードパッケージを生成し、その場合、第2のコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、第2のアップグレード制御コンポーネントである。
【0011】
サーバは、第2のアップグレードパッケージを第2のアップグレード制御コンポーネントに送信し、その場合、第2のアップグレードパッケージは、第2のコンポーネントグループのコンポーネントをアップグレードするために使用される。
【0012】
第1の態様の可能な実装では、サーバが少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成した後に、方法はさらに以下を含む。
サーバは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のダウンロードアドレスを割り当てる。
そして、サーバは、車両内のOTAアップグレードマスタノードに第1のダウンロードアドレスを送信する。
【0013】
サーバが第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信することは、以下を含む。
サーバは、第1のアップグレード制御コンポーネントと、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のセキュアチャネル(安全なチャネル)を確立する。
そして、サーバは、第1のセキュアチャネルを通じて第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信する。
【0014】
前述は、アップグレードデータパッケージをダウンロードする方法を説明する。サーバは、第1のアップグレードパッケージにダウンロードアドレスを割り当てることがある。ダウンロードアドレスは、先ず、OTAアップグレードマスタノードに送信され、次に、OTAアップグレードマスタノードは、アップグレードを完了するために第1のアップグレードパッケージを必要とする第1のアップグレード制御コンポーネントにダウンロードアドレスを配布する。ダウンロードアドレスのデータサイズは通常小さいので、ダウンロードアドレスは、先ず、アップグレードマスタノードに送信され、次に、各グループ内の対応するアップグレード制御コンポーネントに配布される。サーバがグループ内のアップグレード制御コンポーネントへの接続を直接確立してダウンロードアドレスを送信する場合と比較して、ネットワークリソースのオーバーヘッドを軽減することができ、複雑さを軽減することができ、アップグレード効率を向上させることができる。
【0015】
さらに、サーバは、ダウンロードアドレスに署名することがあり、OTAアップグレードマスタノードは、署名を検証して、ダウンロードアドレスの正確性を確保して、ダウンロードアドレスの改竄を回避し、車両アップグレードプロセスのセキュリティを確保することがある。
【0016】
本出願の実施形態において述べられるOTAアップグレードマスタノードは、OTA技術をサポートする電子デバイスである。OTAアップグレードマスタノードは、車両内の各コンポーネントのアップグレードの完了を支援するために、サーバおよび車両内の各アップグレード制御コンポーネントと通信することがある。任意に、OTAアップグレードマスタノードは、車両内の独立したコンポーネントであることがあり、あるいは、コンポーネントのうちの1つにモジュールとして配備されることがある。さらに、OTAアップグレードマスタノードは、ハードウェアモジュールであることがあり、あるいは、コンピュータプログラムであることがある。例えば、車両のT-Boxは、OTAモジュールを含むことがあり、OTAモジュールは、OTA技術をサポートする。従って、T-Boxは、OTAアップグレードマスタノードとみなされることがある。別の例として、OTA技術をサポートするコンポーネントが、車両内で予め組み立てられ、プロセッサ、集積回路などが、そのコンポーネントに統合される。OTA技術をサポートするコンポーネントは、OTAアップグレードマスタノードとみなされることがある。
【0017】
第1の態様の別の可能な実装において、第1のダウンロードアドレスは、具体的には、ダウンロードポリシーパッケージに含まれ、ダウンロードポリシーパッケージは、ダウンロードポリシー、アップグレード条件、アップグレードポリシー、または第1のダウンロードアドレスの有効時間のうちの1つ以上をさらに含む。ダウンロードポリシーは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするためのルールを定義し、アップグレード条件は、第1のアップグレードパッケージを使用することによってアップグレードを実行するための条件を示し、アップグレードポリシーは、第1のアップグレードパッケージに基づいてアップグレードを実行するためのルールを定義する。
【0018】
第1の態様の別の可能な実装において、第1のセキュアチャネルは、少なくともハイパーテキスト転送プロトコルセキュアHTTPSセキュアチャネル、トランスポートレイヤーセキュリティTLSセキュアチャネル、またはデータグラムトランスポートレイヤーセキュリティDTLSセキュアチャネルを含む。
【0019】
第1の態様の別の可能な実装において、サーバが車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定することは、以下を含む。すなわち、サーバは、OTAアップグレードマスタノードから、少なくとも2つのコンポーネントグループを示すグループ情報を受信する。
【0020】
前述の実装は、複数のコンポーネントグループを決定する方法を説明する。OTAアップグレードマスタノードは、車両内のコンポーネントのグループ情報をサーバに送信するので、サーバは、グループ情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。さらに、少なくとも2つのコンポーネントグループは、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、OTAアップグレードマスタノードによって決定されることがある。
【0021】
第1の態様の別の可能な実装において、サーバが車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定することは、以下を含む。すなわち、サーバは、車両の識別子に基づいてコンポーネントグループ情報を照会し、照会結果に基づいて車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。さらに、コンポーネントグループ情報は、サーバ内で事前構成されることがあり、あるいはネットワーク側デバイス内で事前構成されることがある。
【0022】
前述の実装は、複数のコンポーネントグループを決定する別の方法を説明する。サーバは、車両の識別子に基づいてグループ情報を照会することがある。特定のモデルの車両のコンポーネントグループ情報は、事前構成または事前定義されることがあるので、サーバは、車両の識別子(例えば、車両の車両識別番号または車両のモデル)に基づいてコンポーネントグループ情報を照会して、車両のコンポーネントグループを決定することがある。
【0023】
第1の態様の別の可能な実装において、サーバが少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成する前に、方法は、
サーバが、OTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信することをさらに含み、その場合、第1のメッセージは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントを示すバージョン情報を含む。
【0024】
サーバが少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成することは、
サーバが、少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成することを含む。
【0025】
コンポーネントのバージョン情報は、コンポーネントのソフトウェアバージョン情報、キャリブレーションデータのバージョン情報、ハードウェアバージョン情報(例えば、ハードウェアの仕様、モデル、ハードウェアの識別子などであり、その場合、異なるハードウェアのバージョン情報に基づいてアップグレードされる必要があるソフトウェアは、異なることがある)、コンポーネントの識別子(identity,ID)、コンポーネントのバージョン番号などの1つ以上を含むことがある。例えば、車両のカメラが、カメラプログラムを含み、カメラプログラムのプログラムバージョン番号「v12.5.8」が、カメラのバージョン情報であることがある。別の例として、カメラ内の主制御チップおよび感光チップの仕様およびモデルも、カメラのバージョン情報であることがある。
【0026】
サーバがコンポーネントのバージョン情報に基づいて第1のアップグレードパッケージを決定することがわかる。さらに、サーバは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、そのバージョンをアップグレードする必要があるコンポーネントが第1のコンポーネントグループ内に存在することを決定して、アップグレードデータをパッケージにして第1のアップグレードパッケージを取得することがある。
【0027】
第2の態様によれば、本出願の一実施形態が、以下を含む車両アップグレード方法を開示する。
OTAアップグレードマスタノードは、第1のメッセージをサーバに送信し、その場合、第1のメッセージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループのコンポーネントのバージョン情報を示すために使用される。
OTAアップグレードマスタノードは、第1のダウンロードアドレスを受信することがあり、第1のダウンロードアドレスは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用され、サーバによって送信され、その場合、第1のアップグレードパッケージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループの第1のコンポーネントグループをアップグレードするために使用され、第1のコンポーネントグループは、第1のコンポーネントグループのコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される第1のアップグレード制御コンポーネントを含む。
そして、OTAアップグレードマスタノードは、第1のダウンロードアドレスを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信する。さらに、OTAアップグレードマスタノードは、車両内に配置されることがある。
【0028】
この出願のこの実施形態において、OTAアップグレードマスタノードは、車両内のコンポーネントのバージョン情報をサーバに報告し、サーバは、バージョン情報に基づいて、アップグレードを必要とするコンポーネントを決定し、アップグレードパッケージを生成することがある。ダウンロードアドレスが、アップグレードパッケージに割り当てられ、OTAアップグレードマスタノードは、ダウンロードアドレスをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、対応するアップグレードパッケージをダウンロードして、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。このようにして、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージは同時にダウンロードされることがあるので、アップグレード制御コンポーネントは、アップグレードを同時に実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さは軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了させることができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0029】
第2の態様の可能な実装において、第1のダウンロードアドレスは、具体的には、ダウンロードポリシーパッケージに含まれ、ダウンロードポリシーパッケージは、ダウンロードポリシー、アップグレード条件、アップグレードポリシー、または第1のダウンロードアドレスの有効時間のうちの1つ以上をさらに含む。ダウンロードポリシーは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするためのルールを定義し、アップグレード条件は、第1のアップグレードパッケージを使用することによってアップグレードを実行するための条件を示し、アップグレードポリシーは、第1のアップグレードパッケージに基づいてアップグレードを実行するためのルールを定義する。
【0030】
第2の態様の別の可能な実装において、第1のメッセージは、少なくとも2つのコンポーネントグループのグループ情報を示すためにさらに使用される。
【0031】
OTAアップグレードマスタノードは、車両内のコンポーネントのグループ情報をサーバに送信することがあるので、サーバは、グループ情報に基づいて少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。さらに、グループ情報は、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、OTAアップグレードマスタノードによって決定されることがある。
【0032】
第2の態様の別の可能な実装において、方法は、さらに以下を含む。
OTAアップグレードマスタノードは、車両内の少なくとも1つのコンポーネントのバージョン情報を受け取り、バージョン情報は、報告ノードによって送信される。
【0033】
報告ノードは、車両内のドメインコントローラ、ゲートウェイ、分散ゲートウェイ、車両統合ユニットなどであることがある。報告ノードは、OTAアップグレードマスタノードに、報告ノードによって収集されるコンポーネントのバージョン情報を報告することがある。例えば、コクピットドメインコントローラ(Cockpit Domain Controller,CDC)が、コックピットドメイン内の複数のコンポーネント(例えば、マイクロホン、レーダ、スピーカ、およびキーレススタートモジュールのうちの1つ以上)のバージョン情報を収集することがあり、次に、バージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに送信することがある。引き続き、OTAアップグレードマスタノードは、バージョン情報をサーバに送信して、更新される必要があるコンポーネントを決定することがある。
【0034】
第2の態様の別の可能な実装において、方法は、さらに以下を含む。
OTAアップグレードマスタノードは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。
【0035】
さらに、少なくとも2つのコンポーネントグループは、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、OTAアップグレードマスタノードによって決定されることがある。例えば、OTAアップグレードマスタノードは、1つの領域に機能を持つ複数のコンポーネントを1つのコンポーネントグループにグループ化し、次に、コンポーネントグループ内の集中コンピューティング機能を持つ制御コンポーネント(例えば、ドメインコントローラDCおよび車両統合ユニットVIU)の負荷状態に基づいて、制御コンポーネントをアップグレード制御コンポーネントとして設定するかどうかを決定することがある。別の例として、アップグレード制御コンポーネントが、各コンポーネントの構成に基づいて先ず決定されることがあり、次に、アップグレード制御コンポーネントに近いコンポーネントが、コンポーネントグループとして使用される。具体的には、例えば、アップグレード制御コンポーネントは、セキュリティ証明書に基づいてサーバとのセキュアチャネルを確立する必要がある。この場合には、セキュリティ証明書が配備されるコンポーネントのみが、アップグレード制御コンポーネントとして決定される資格がある。別の例として、アップグレード制御コンポーネントは、サーバへの接続を確立する必要がある。従って、現在のノードの負荷が比較的高いならば、現在のノードは、アップグレード制御コンポーネントとして決定されるのに適さない。
【0036】
第2の態様の別の可能な実装において、方法は、さらに以下を含む。
OTAアップグレードマスタノードは、第1のアップグレード制御コンポーネントから第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を受信する。
【0037】
第1のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントのバージョン情報を収集し、そのバージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに送信することがあることがわかる。引き続き、OTAアップグレードマスタノードは、バージョン情報をサーバに送信して、更新される必要があるコンポーネントを決定することがある。
【0038】
第2の態様の別の可能な実装において、第1のアップグレード制御コンポーネントは、ドメインコントローラDCまたは車両統合ユニットVIUである。
【0039】
第2の態様の別の可能な実装において、第1のアップグレード制御コンポーネントの負荷が、第1の閾値以下であり、且つ/或いは、
セキュリティ証明書は、第1のアップグレード制御コンポーネント内に配備される。
【0040】
第3の態様によれば、本出願の一実施形態が、以下を含む車両アップグレード方法を開示する。
第1のアップグレード制御コンポーネントが、サーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信し、その場合、第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためにOTAアップグレードを実行するために使用される。
そして、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレードパッケージに基づいて、第1のコンポーネントグループのコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行する。さらに、方法は、車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントに適用され、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成され、第1のコンポーネントグループは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループのうちの1つである。
【0041】
この出願のこの実施形態において、サーバは、車両内のコンポーネントグループのためのコンポーネントグループのアップグレードパッケージを生成し、次に、アップグレードパッケージをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。このようにして、各アップグレード制御コンポーネントは、アップグレード制御コンポーネントが属するコンポーネントグループのためのアップグレードパッケージをダウンロードし、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージがさらに同時にダウンロードされるので、アップグレード制御コンポーネントは、アップグレードを同時に実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御してアップグレードを実行し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0042】
第1のアップグレード制御コンポーネントが、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御して、コンポーネントグループ内のチェック、解凍、デコード、データ配布、プログラムのダウンロード、プログラムのインストール、または第1のアップグレードパッケージ内のデータの設定のような、アップグレード関連の動作を実行することは、第1のアップグレード制御コンポーネントが、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してアップグレードを実行することと考えられてよい。
【0043】
第3の態様の可能な実装では、第1のアップグレード制御コンポーネントがサーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信する前に、方法は、さらに以下を含む。
第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信する。
【0044】
第1のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントのバージョン情報を収集し、バージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに送信することがあることがわかる。引き続き、OTAアップグレードマスタノードは、バージョン情報をサーバに送信して、更新される必要があるコンポーネントを決定することがある。
【0045】
第3の態様の別の可能な実装では、第1のアップグレード制御コンポーネントがサーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信する前に、方法は、さらに以下を含む。
第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のダウンロードアドレスを受信し、第1のダウンロードアドレスは、OTAアップグレードマスタノードによって送信され、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用される。
そして、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のダウンロードアドレスに基づいてサーバとの第1のセキュアチャネルを確立し、その場合、第1のセキュアチャネルは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用される。
【0046】
第1のアップグレード制御コンポーネントがサーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信することは、
第1のアップグレード制御コンポーネントが、第1のセキュアチャネルを通じて、サーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信することを含む。
【0047】
前述は、アップグレードデータパッケージをダウンロードする方法を説明する。OTAアップグレードマスタノードは、アップグレードを完了するために第1のアップグレードパッケージを必要とする第1のアップグレード制御コンポーネントにダウンロードアドレスを配布する。ダウンロードアドレスのデータサイズは、通常小さいので、ダウンロードアドレスは、先ずアップグレードマスタノードに送信され、次に、各グループ内の対応するアップグレード制御コンポーネントに配布される。サーバがグループ内の車両アップグレード装置への接続を直接確立してダウンロードアドレスを送信する場合と比較して、ネットワークリソースのオーバーヘッドを削減することができ、複雑さを軽減することができ、アップグレード効率を向上させることができる。
【0048】
第3の態様の別の可能な実装において、第1のアップグレードパッケージは、サーバによって署名され、第1のアップグレード制御コンポーネントが第1のアップグレードパッケージに基づいて第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行することは、以下を含む。
第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレードパッケージの署名を検証し、
そして、署名の検証が成功したことに応答して、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレードパッケージに基づいて、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行する。
【0049】
アップグレード前に、第1のアップグレード制御コンポーネントは、先ず、署名に基づいてデータパッケージのソースを検証して、信頼されていないサーバへの接続を確立することを回避し、それによって、車両アップグレードプロセスにおけるセキュリティを向上させることがわかる。
【0050】
第4の態様によれば、本出願の一実施形態は、以下を含む車両アップグレード方法を開示する。
車両内のOTAアップグレードマスタノードは、第1のメッセージをサーバに送信し、その場合、第1のメッセージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用される。
そして、車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントは、サーバから第1のアップグレードパッケージをダウンロードし、その場合、第1のアップグレードパッケージは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループをアップグレードするために使用され、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される。さらに、車両アップグレード方法は、車両に適用されることがあり、車両は、少なくとも2つのコンポーネントグループを含み、少なくとも2つのコンポーネントグループの各々は、コンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される1つのアップグレード制御コンポーネントを含む。
【0051】
この出願のこの実施形態において、サーバは、車両内のコンポーネントグループのためのコンポーネントグループのアップグレードパッケージを生成し、次に、アップグレードパッケージをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。このようにして、各アップグレード制御コンポーネントは、アップグレード制御コンポーネントが属するコンポーネントグループのためにアップグレードパッケージをダウンロードすることがあり、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージが、さらに同時にダウンロードされることがあるので、アップグレード制御コンポーネントは、アップグレードを同時に実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0052】
第4の態様の可能な実装において、方法は、さらに以下を含む。
車両内のOTAアップグレードマスタノードは、第1のダウンロードアドレスを受信し、第1のダウンロードアドレスは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用され、サーバによって送信され、その場合、第1のアップグレードパッケージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループをアップグレードするために使用され、第1のコンポーネントグループは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される第1のアップグレード制御コンポーネントが含み、
そして、車両内のOTAアップグレードマスタノードは、車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントに第1のダウンロードアドレスを送信する。
【0053】
第4の態様の可能な実装において、方法は、さらに以下を含む。
車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のダウンロードアドレスを受信し、第1のダウンロードアドレスは、OTAアップグレードマスタノードによって送信され、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用される
車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のダウンロードアドレスに基づいて、サーバとの第1のセキュアチャネルを確立する。
そして、車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のセキュアチャネルを通じて、サーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信する。
【0054】
前述は、アップグレードデータパッケージをダウンロードする方法を説明する。OTAアップグレードマスタノードは、アップグレードを完了するために第1のアップグレードパッケージを必要とする第1のアップグレード制御コンポーネントにダウンロードアドレスを配布する。ダウンロードアドレスのデータサイズは、通常小さいので、ダウンロードアドレスは、先ず、アップグレードマスタノードに送信され、次に、各グループ内の対応するアップグレード制御コンポーネントに配布される。サーバがグループ内の車両アップグレード装置への接続を直接確立してダウンロードアドレスを送信する場合と比較して、ネットワークリソースのオーバーヘッドを削減することができ、複雑さを軽減することができ、アップグレードの効率を向上させることができる。
【0055】
第4の態様の別の可能な実装において、第1のダウンロードアドレスは、具体的には、ダウンロードポリシーパッケージに含められ、ダウンロードポリシーパッケージは、ダウンロードポリシー、アップグレード条件、アップグレードポリシー、または第1のダウンロードアドレスの有効時間のうちの1つ以上をさらに含む。ダウンロードポリシーは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするためのルールを定義し、アップグレード条件は、第1のアップグレードパッケージを使用することによってアップグレードを実行するための条件を示し、アップグレードポリシーは、第1のアップグレードパッケージに基づいてアップグレードを実行するためのルールを定義する。
【0056】
第4の態様の別の可能な実装において、第1のメッセージは、少なくとも2つのコンポーネントグループのグループ情報を示すためにさらに使用される。
【0057】
OTAアップグレードマスタノードは、車両内のコンポーネントのグループ情報をサーバに送信することがあるので、サーバは、グループ情報に基づいて少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。さらに、グループ情報は、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、OTAアップグレードマスタノードによって決定されることがある。
【0058】
第4の態様の別の可能な実装において、方法は、さらに以下を含む。
車両内のOTAアップグレードマスタノードは、第1のアップグレード制御コンポーネントから第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を受信する。
【0059】
第1のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントのバージョン情報を収集し、バージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに送信することがあることがわかる。引き続き、OTAアップグレードマスタノードは、バージョン情報をサーバに送信して、更新される必要があるコンポーネントを決定することがある。
【0060】
第4の態様の別の可能な実装において、第1のアップグレードパッケージは、サーバによって署名され、方法は、さらに以下を含む。
車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレードパッケージの署名を検証する。
そして、署名の検証が成功したことに応答して、車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレードパッケージに基づいて、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御して、OTAアップグレードを実行する。
【0061】
アップグレード前に、アップグレード制御コンポーネントは、先ず、署名に基づいてデータパッケージのソースを検証して、信頼されていないサーバへの接続を確立することを回避し、それによって、車両アップグレードプロセスにおけるセキュリティを向上させることがわかる。
【0062】
第5の態様によれば、本出願の一実施形態は、以下を含む車両のアップグレード方法を開示する。
サーバは、車両内のOTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信し、その場合、第1のメッセージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用され、少なくとも2つのコンポーネントグループの各々は、コンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される1つのアップグレード制御コンポーネントを含む。
サーバは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成する。
そして、サーバは、第1のアップグレードパッケージを車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントに送信し、その場合、第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためにOTAアップグレードを実行するために使用され、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される。
【0063】
この出願のこの実施形態において、サーバは、車両内のコンポーネントグループのためにコンポーネントグループのアップグレードパッケージを生成し、次に、アップグレードパッケージをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。サーバは、車両内のコンポーネントグループのためにコンポーネントグループのアップグレードパッケージを生成し、次に、アップグレードパッケージをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントに対してアップグレード制御を行う場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0064】
第5の態様の可能な実装では、サーバが少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのために第1のアップグレードパッケージを生成した後に、方法は、さらに以下を含む。
サーバは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のダウンロードアドレスを割り当てる。
そして、サーバは、車両内のOTAアップグレードマスタノードに第1のダウンロードアドレスを送信する。
【0065】
サーバが車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントに第1のアップグレードパッケージを送信することは、以下を含む。
サーバは、車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントと、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のセキュアチャネルを確立する。
サーバは、第1のセキュアチャネルを通じて第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信する。
【0066】
前述は、アップグレードデータパッケージをダウンロードする方法を説明する。サーバは、第1のアップグレードパッケージにダウンロードアドレスを割り当てることがある。ダウンロードアドレスは、先ず、OTAアップグレードマスタノードに送信され、次に、OTAアップグレードマスタノードは、アップグレードを完了するために第1のアップグレードパッケージを必要とする第1のアップグレード制御コンポーネントにダウンロードアドレスを配布する。ダウンロードアドレスのデータサイズは、通常小さいので、ダウンロードアドレスは、先ず、アップグレードマスタノードに送信され、次に、各グループ内の対応するアップグレード制御コンポーネントに配布される。サーバがグループ内の車両アップグレード装置への接続を直接確立してダウンロードアドレスを送信する場合と比較して、ネットワークリソースのオーバーヘッドを削減することができ、複雑さを軽減することができ、アップグレード効率を向上させることができる。
【0067】
第5の態様の別の可能な実装において、第1のセキュアチャネルは、少なくともハイパーテキスト転送プロトコルセキュアHTTPSセキュアチャネル、トランスポートレイヤーセキュリティTLSセキュアチャネル、またはデータグラムトランスポートレイヤーセキュリティDTLSセキュアチャネルを含む。
【0068】
第5の態様の別の可能な実装において、サーバが車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定することは、サーバが、OTAアップグレードマスタノードから、少なくとも2つのコンポーネントグループを示すグループ情報を受信することを含む。
【0069】
前述の実装は、複数のコンポーネントグループを決定する方法を説明する。OTAアップグレードマスタノードは、車両内のコンポーネントのグループ情報をサーバに送信することがあるので、サーバは、グループ情報に基づいて少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。さらに、少なくとも2つのコンポーネントグループは、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、OTAアップグレードマスタノードによって決定されることがある。
【0070】
第5の態様の別の可能な実装において、サーバが車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定することは、サーバが、車両の識別子に基づいて、サーバ内に事前構成されたコンポーネントグループ情報を照会し、照会結果に基づいて車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定することを含む。
【0071】
前述の実装は、複数のコンポーネントグループを決定する別の方法を説明する。サーバは、車両の識別子に基づいてグループ情報を照会することがある。特定のモデルの車両のコンポーネントグループ情報は、事前構成または事前定義されることがあるので、サーバは、車両の識別子(例えば、車両の車両識別番号または車両のモデル)に基づいてコンポーネントグループ情報を照会して、車両のコンポーネントグループを決定することがある。
【0072】
第5の態様の別の可能な実装では、サーバが少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成する前に、方法は、さらに以下を含む。
サーバは、OTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信し、その場合、第1のメッセージは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントを示すバージョン情報を含む。
【0073】
サーバが少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成することは、以下を含む。
サーバは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成する。
【0074】
サーバは、コンポーネントのバージョン情報に基づいて第1のアップグレードパッケージを決定することがわかる。さらに、サーバは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、そのバージョンをアップグレードする必要があるコンポーネントが第1のコンポーネントグループに存在することを決定して、アップグレードデータをパッケージにして第1のアップグレードパッケージを取得することがある。
【0075】
第6の態様によれば、本出願の一実施形態が、以下を含む車両のアップグレード方法を開示する。
OTAアップグレードマスタノードが、第1のアップグレード制御コンポーネントから第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を受信し、その場合、第1のコンポーネントグループは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループのうちの1つであり、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される。
そして、OTAアップグレードマスタノードは、第1のアップグレード制御コンポーネントに、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のダウンロードアドレスを送信し、その場合、第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためのOTAアップグレードを実行するために使用される。さらに、OTAアップグレードマスタノードは、車両内に配備される。
【0076】
この出願のこの実施形態において、OTAアップグレードマスタノードは、車両内の複数のコンポーネントのバージョン情報を収集する。バージョン情報は、アップグレードされる必要があるコンポーネントを決定し、アップグレードパッケージを生成する、ために使用されることがある。ダウンロードアドレスが、アップグレードパッケージに割り当てられ、OTAアップグレードマスタノードは、ダウンロードアドレスをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、対応するアップグレードパッケージをダウンロードして、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。このようにして、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージは、同時にダウンロードされることがあるので、アップグレード制御コンポーネントは、アップグレードを同時に実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合に比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントが、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0077】
第6の態様の可能な実装において、第1のダウンロードアドレスは、具体的には、ダウンロードポリシーパッケージに含められ、ダウンロードポリシーパッケージは、ダウンロードポリシー、アップグレード条件、アップグレードポリシー、または第1のダウンロードアドレスの有効時間のうちの1つ以上を含さらに含む。ダウンロードポリシーは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするためのルールを定義し、アップグレード条件は、第1のアップグレードパッケージを使用することによってアップグレードを実行するための条件を示し、アップグレードポリシーは、第1のアップグレードパッケージに基づいてアップグレードを実行するためのルールを定義する。
【0078】
第6の態様の別の可能な実装において、第1のアップグレード制御コンポーネントは、ドメインコントローラDCまたは車両統合ユニットVIUである。
【0079】
第6の態様の別の可能な実装において、第1のアップグレード制御コンポーネントの負荷は、第1の閾値以下であり、且つ/或いは、
セキュリティ証明書が、第1のアップグレード制御コンポーネント内に配備される。
【0080】
第7の態様によれば、本出願の一実施形態が、以下を含む車両アップグレード方法を開示する。
第1のアップグレード制御コンポーネントが、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信する。
そして、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のダウンロードアドレスを受信し、第1のダウンロードアドレスは、OTAアップグレードマスタノードによって送信され、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用され、その場合、第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためにOTAアップグレードを実行するために使用される。さらに、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成され、第1のコンポーネントグループは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループのうちの1つである。
【0081】
この出願のこの実施形態において、各アップグレード制御コンポーネントは、OTAアップグレードマスタノードからダウンロードアドレスを受信し、ダウンロードアドレスに基づいて、アップグレード制御コンポーネントが属するコンポーネントグループのためのアップグレードパッケージをダウンロードし、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージが、同時にさらにダウンロードされることがあるので、アップグレード制御コンポーネントは、アップグレードを同時に実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0082】
第8の態様によれば、本出願の一実施形態が、以下を含む車両アップグレード装置を開示する。
車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定するように構成される処理ユニット。各コンポーネントグループは、コンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される1つのアップグレード制御コンポーネントを含む。
処理ユニットは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成するようにさらに構成され、その場合、第1のコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントが、第1のアップグレード制御コンポーネントである。
第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信するように構成される送信ユニット。第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードするために使用される。さらに、任意に、車両アップグレード装置は、サーバ内に配備されることがある。
【0083】
この出願のこの実施形態において、車両アップグレード装置は、車両内のコンポーネントグループのためのコンポーネントグループのアップグレードパッケージを生成し、次に、アップグレードパッケージをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントに対してアップグレード制御を行う場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0084】
第8の態様の可能な実装において、処理ユニットは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のダウンロードアドレスを割り当てるようにさらに構成される。
送信ユニットは、第1のダウンロードアドレスを車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信するようにさらに構成される。
処理ユニットは、第1のアップグレード制御コンポーネントと、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のセキュアチャネルを確立するようにさらに構成される。
送信ユニットは、第1のセキュアチャネルを通じて第1のアップグレード制御コンポーネントに第1のアップグレードパッケージを送信するようにさらに構成される。
【0085】
前述は、アップグレードデータパッケージをダウンロードする方法を説明する。車両アップグレード装置は、第1のアップグレードパッケージにダウンロードアドレスを割り当てることがある。ダウンロードアドレスは、先ず、OTAアップグレードマスタノードに送信されることがあり、次に、OTAアップグレードマスタノードは、アップグレードを完了するために第1のアップグレードパッケージを必要とする第1のアップグレード制御コンポーネントにダウンロードアドレスを配布する。ダウンロードアドレスのデータサイズは、通常小さいので、ダウンロードアドレスは、先ず、アップグレードマスタノードに送信され、次に、各グループ内の対応するアップグレード制御コンポーネントに配布される。車両アップグレード装置がグループ内のアップグレード制御コンポーネントへの接続を直接確立してダウンロードアドレスを送信する場合と比較して、ネットワークリソースのオーバーヘッドを削減することができ、複雑さを軽減することができ、アップグレードの効率を向上させることができる。
【0086】
第8の態様の別の可能な実装において、第1のセキュアチャネルは、少なくともハイパーテキスト転送プロトコルセキュアHTTPSセキュアチャネル、トランスポートレイヤーセキュリティTLSセキュアチャネル、またはデータグラムトランスポートレイヤーセキュリティDTLSセキュアチャネルを含む。
【0087】
第8の態様の別の可能な実装において、装置は、受信ユニットをさらに含み、受信ユニットは、受信ユニットを使用することによってOTAアップグレードマスタノードから、少なくとも2つのコンポーネントグループを示すグループ情報を受信するように構成される。
【0088】
前述の実装は、複数のコンポーネントグループを決定する方法を説明する。OTAアップグレードマスタノードは、車両内のコンポーネントのグループ情報を車両アップグレード装置に送信するので、車両アップグレード装置は、グループ情報に基づいて少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。さらに、少なくとも2つのコンポーネントグループは、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、OTAアップグレードマスタノードによって決定されることがある。
【0089】
第8の態様の別の可能な実装において、処理ユニットは、車両の識別子に基づいて、車両アップグレード装置内の事前構成されたコンポーネントグループ情報を照会し、照会結果に基づいて車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する、ようにさらに構成される。
【0090】
前述の実装は、複数のコンポーネントグループを決定する別の方法を説明する。車両アップグレード装置は、車両の識別子に基づいてグループ情報を照会することがある。特定のモデルの車両のコンポーネントグループ情報は、事前構成または事前定義されることがあるので、車両アップグレード装置は、車両の識別子(例えば、車両の車両識別番号または車両のモデル)に基づいてコンポーネントグループ情報を照会して、車両のコンポーネントグループを決定することがある。
【0091】
第8の態様の別の可能な実装において、受信ユニットは、OTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信するようにさらに構成され、その場合、第1のメッセージは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントを示すバージョン情報を含む。
そして、処理ユニットは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成するようにさらに構成される。
【0092】
車両アップグレード装置は、コンポーネントのバージョン情報に基づいて第1のアップグレードパッケージを決定することがわかる。さらに、車両アップグレード装置は、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、そのバージョンをアップグレードする必要があるコンポーネントが第1のコンポーネントグループ内に存在することを決定して、アップグレードデータをパッケージにして第1のアップグレードパッケージを取得することがある。
【0093】
第9の態様によれば、本出願の一実施形態が、以下を含む車両アップグレード装置を開示する。
第1のメッセージをサーバに送信するように構成された送信ユニット。第1のメッセージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用される。
第1のダウンロードアドレスを受信するように構成された受信ユニット。第1のダウンロードアドレスは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用され、サーバによって送信される。第1のアップグレードパッケージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループをアップグレードするために使用され、第1のコンポーネントグループは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される第1のアップグレード制御コンポーネントを含む。
【0094】
送信ユニットは、第1のダウンロードアドレスを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信するようにさらに構成される。さらに、車両アップグレード装置は、車両内に配備されることがある。
【0095】
この出願のこの実施形態において、車両アップグレード装置は、車両内のコンポーネントのバージョン情報をサーバに報告し、サーバは、バージョン情報に基づいて、アップグレードされる必要があるコンポーネントを決定し、アップグレードパッケージを生成することがある。ダウンロードアドレスが、アップグレードパッケージに割り当てられ、車両アップグレード装置は、ダウンロードアドレスをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、対応するアップグレードパッケージをダウンロードして、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。このようにして、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージが、同時にダウンロードされることがあるので、アップグレード制御コンポーネントは、アップグレードを同時に実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合に比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができまる。
【0096】
第9の態様の可能な実装において、第1のダウンロードアドレスは、具体的には、ダウンロードポリシーパッケージに含められ、ダウンロードポリシーパッケージは、ダウンロードポリシー、アップグレード条件、アップグレードポリシー、または第1のダウンロードアドレスの有効時間のうちの1つ以上をさらに含む。ダウンロードポリシーは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするためのルールを定義し、アップグレード条件は、第1のアップグレードパッケージを使用することによってアップグレードを実行するための条件を示し、アップグレードポリシーは、第1のアップグレードパッケージに基づいてアップグレードを実行するためのルールを定義する。
【0097】
第9の態様の別の可能な実装において、第1のメッセージは、少なくとも2つのコンポーネントグループのグループ情報を示すためにさらに使用される。
【0098】
車両アップグレード装置は、車両内のコンポーネントのグループ情報をサーバに送信することがあるので、サーバは、グループ情報に基づいて少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。さらに、グループ情報は、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、車両アップグレード装置によって決定されることがある。
【0099】
第9の態様の別の可能な実装において、受信ユニットは、車両内の少なくとも1つのコンポーネントであるバージョン情報を受信するようにさらに構成され、バージョン情報は、報告ノードによって送信される。
【0100】
報告ノードは、車両内のドメインコントローラ、ゲートウェイ、分散ゲートウェイ、車両統合ユニットなどであることがある。報告ノードは、車両アップグレード装置に、報告ノードによって収集されるコンポーネントのバージョン情報を報告することがある。例えば、コックピットドメインコントローラ(Cockpit Domain Controller,CDC)が、コックピットドメイン内の複数のコンポーネント(例えば、マイクロホン、レーダ、スピーカ、およびキーレススタートモジュールのうちの1つ以上)のバージョン情報を収集することがあり、次に、バージョン情報を車両アップグレード装置に送信することがある。引き続き、車両アップグレード装置は、バージョン情報をサーバに送信して、更新される必要があるコンポーネントを決定することがある。
【0101】
第9の態様の別の可能な実装において、装置は、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定するように構成された処理ユニットをさらに含む。
【0102】
さらに、少なくとも2つのコンポーネントグループは、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、車両アップグレード装置によって決定されることがある。例えば、車両アップグレード装置は、1つの領域に機能を持つ複数のコンポーネントを1つのコンポーネントグループにグループ化し、次に、そのコンポーネントグループ内で集中コンピューティング能力を持つ制御コンポーネント(例えば、ドメインコントローラDCおよび車両統合ユニットVIU)の負荷状態に基づいて、制御コンポーネントをアップグレード制御コンポーネントとして設定するかどうかを決定することがある。別の例として、アップグレード制御コンポーネントは、先ず、各コンポーネントの構成に基づいて決定されることがあり、次に、アップグレード制御コンポーネントに近いコンポーネントが、コンポーネントグループとして使用される。具体的には、例えば、アップグレード制御コンポーネントは、セキュリティ証明書に基づいてサーバとのセキュアチャネルを確立する必要がある。この場合、セキュリティ証明書が配備されるコンポーネントのみが、アップグレード制御コンポーネントとして決定される資格がある。別の例として、アップグレード制御コンポーネントは、サーバへの接続を確立する必要がある。従って、現在のノードの負荷が比較的高いならば、現在のノードは、アップグレード制御コンポーネントとして決定されるのに適さない。
【0103】
第9の態様の別の可能な実装において、受信ユニットは、第1のアップグレード制御コンポーネントから第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を受信するようにさらに構成される。
【0104】
第1のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントのバージョン情報を収集し、バージョン情報を車両のアップグレード装置に送信することがあることがわかる。引き続き、車両のアップグレード装置は、バージョン情報をサーバに送信して、更新される必要があるコンポーネントを決定することがある。
【0105】
第9の態様の別の可能な実装において、第1のアップグレード制御コンポーネントは、ドメインコントローラDCまたは車両統合ユニットVIUである。
【0106】
第9の態様の別の可能な実装において、第1のアップグレード制御コンポーネントの負荷は、第1の閾値以下であり、且つ/或いは、
セキュリティ証明書が、第1のアップグレード制御コンポーネント内に配備される。
【0107】
第10の態様によれば、本出願の一実施形態が、以下を含む車両アップグレード装置を開示する。
サーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信するように構成される受信ユニット。第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためのOTAアップグレードを実行するために使用される。
そして、第1のアップグレードパッケージに基づいて、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される処理ユニット。さらに、車両アップグレード装置は、車両内で使用され、車両アップグレード装置は、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成され、第1のコンポーネントグループは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループのうちの1つである。
【0108】
この出願のこの実施形態において、サーバは、車両内のコンポーネントグループのために第1のコンポーネントグループのアップグレードパッケージを生成し、次に、第1のアップグレードパッケージを車両アップグレード装置に送信するので、車両アップグレード装置は、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。このようにして、各グループ内の車両アップグレード装置は、車両アップグレード装置が属するコンポーネントグループのためのアップグレードパッケージをダウンロードすることがあり、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージは、さらに同時にダウンロードされることがあるので、全てのグループ内の車両アップグレード装置が、アップグレードを同時に実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、グループ内の近くの車両アップグレード装置によってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内の車両アップグレード装置は、グループ内のコンポーネントを制御してアップグレードを実行し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0109】
第10の態様の可能な実装において、装置は、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信するように構成される送信ユニットをさらに含む。
【0110】
車両アップグレード装置は、グループ内のコンポーネントのバージョン情報を収集し、バージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに送信することがあることがわかる。引き続き、OTAアップグレードマスタノードは、バージョン情報をサーバに送信して、更新される必要があるコンポーネントを決定することがある。
【0111】
第10の態様の別の可能な実装において、受信ユニットは、第1のダウンロードアドレスを受信するようにさらに構成され、第1のダウンロードアドレスは、OTAアップグレードマスタノードによって送信され、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用される。
処理ユニットは、第1のダウンロードアドレスに基づいて、サーバとの第1のセキュアチャネルを確立するようにさらに構成され、第1のセキュアチャネルは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用される。
そして、受信ユニットは、第1のセキュアチャネルを通じて、サーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信するようにさらに構成される。
【0112】
前述は、アップグレードデータパッケージをダウンロードする方法を説明する。OTAアップグレードマスタノードは、アップグレードを完了するために第1のアップグレードパッケージを必要とする車両アップグレード装置にダウンロードアドレスを配布する。ダウンロードアドレスのデータサイズは、通常小さいので、ダウンロードアドレスは、先ず、まずアップグレードマスタノードに送信され、次に、各グループ内の対応する車両アップグレード装置に配布される。サーバがグループ内の車両アップグレード装置への接続を直接確立してダウンロードアドレスを送信する場合と比較して、ネットワークリソースのオーバーヘッドを軽減することができ、複雑さを軽減することができ、アップグレードの効率を向上させることができる。
【0113】
第10の態様の別の可能な実装において、第1のアップグレードパッケージは、サーバによって署名され、そして、処理ユニットは、第1のアップグレードパッケージの署名を検証するようにさらに構成される。
処理ユニットは、署名の検証が成功したことに応答して、第1のアップグレードパッケージに基づいて、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するようにさらに構成される。
【0114】
アップグレードの前に、アップグレード制御装置は、先ず、署名に基づいてデータパッケージのソースを検証して、信頼されていないサーバへの接続を確立することを回避し、それによって、車両アップグレードプロセスにおけるセキュリティを向上させることがわかる。
【0115】
第11の態様によれば、本出願の実施形態が、車両を開示する。車両は、OTAアップグレードマスタノードと、少なくとも2つのコンポーネントグループとを含み、少なくとも2つのコンポーネントグループの各々は、コンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成された1つのアップグレード制御コンポーネントを含む。
【0116】
車両内のOTAアップグレードマスタノードは、第1のメッセージをサーバに送信するように構成され、第1のメッセージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用される。
【0117】
車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントは、サーバから第1のアップグレードパッケージをダウンロードするように構成され、第1のアップグレードパッケージは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループをアップグレードするために使用され、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される。
【0118】
この出願のこの実施形態において、サーバは、車両内のコンポーネントグループのためにコンポーネントグループのアップグレードパッケージを生成し、次に、アップグレードパッケージをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。このようにして、各アップグレード制御コンポーネントは、アップグレード制御コンポーネントが属するコンポーネントグループのためのアップグレードパッケージをダウンロードすることがあり、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージが、さらに同時にダウンロードさえることがあるので、アップグレード制御コンポーネントは、アップグレードを同時に実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0119】
第11の態様の可能な実装において、車両内のOTAアップグレードマスタノードは、さらに以下のように構成される。
第1のダウンロードアドレスを受信する。第1のダウンロードアドレスは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用され、サーバによって送信される。その場合、第1のアップグレードパッケージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループをアップグレードするために使用され、第1のコンポーネントグループは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成された第1のアップグレード制御コンポーネントを含む。
第1のダウンロードアドレスを車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントに送信する。
【0120】
第11の態様の可能な実装において、車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントは、さらに以下のように構成される。
第1のダウンロードアドレスを受信する。第1のダウンロードアドレスは、OTAアップグレードマスタノードによって送信され、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用される。
第1のダウンロードアドレスに基づいて、サーバとの第1のセキュアチャネルを確立する。
そして、第1のセキュアチャネルを通じて、サーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信する。
【0121】
前述は、アップグレードデータパッケージをダウンロードする方法を説明する。OTAアップグレードマスタノードは、アップグレードを完了するために第1のアップグレードパッケージを必要とする第1のアップグレード制御コンポーネントにダウンロードアドレスを配布する。ダウンロードアドレスのデータサイズは、通常小さいので、ダウンロードアドレスは、先ず、アップグレードマスタノードに送信され、次に、各グループ内の対応するアップグレード制御コンポーネントに配布される。サーバがグループ内の車両アップグレード装置への接続を直接確立してダウンロードアドレスを送信する場合と比較して、ネットワークリソースのオーバーヘッドを削減することができ、複雑さを軽減することができ、アップグレードの効率を向上させることができる。
【0122】
第11の態様の別の可能な実装において、第1のダウンロードアドレスは、具体的には、ダウンロードポリシーパッケージに含められ、ダウンロードポリシーパッケージは、ダウンロードポリシー、アップグレード条件、アップグレードポリシー、または第1のダウンロードアドレスの有効時間のうちの1つ以上をさらに含む。ダウンロードポリシーは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするためのルールを定義し、アップグレード条件は、第1のアップグレードパッケージを使用することによってアップグレードを実行するための条件を示し、アップグレードポリシーは、第1のアップグレードパッケージに基づいてアップグレードを実行するためのルールを定義する。
【0123】
第11の態様の別の可能な実装において、第1のメッセージは、少なくとも2つのコンポーネントグループのグループ情報を示すためにさらに使用される。
【0124】
OTAアップグレードマスタノードは、車両内のコンポーネントのグループ情報をサーバに送信することがあるので、サーバは、グループ情報に基づいて少なくとも2つのコンポーネントグループを決定することがわかる。さらに、グループ情報は、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、OTAアップグレードマスタノードによって決定されることがある。
【0125】
第11の態様の別の可能な実装において、車両内のOTAアップグレードマスタノードは、
第1のアップグレード制御コンポーネントから第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を受信する、
ようにさらに構成される。
【0126】
第1のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントのバージョン情報を収集し、バージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに送信することがあることがわかる。引き続き、OTAアップグレードマスタノードは、バージョン情報をサーバに送信して、更新される必要があるコンポーネントを決定することがある。
【0127】
第11の態様の別の可能な実装において、第1のアップグレードパッケージは、サーバによって署名され、車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントは、
第1のアップグレードパッケージの署名を確認し、
そして、署名の検証が成功したことに応答して、第1のアップグレードパッケージに基づいて、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行する、
ようにさらに構成される。
【0128】
アップグレードの前に、アップグレード制御コンポーネントは、先ず、署名に基づいて、データパッケージのソースを検証して、信頼されていないサーバへの接続を確立することを回避し、それによって、車両アップグレードプロセスにおけるセキュリティを向上させることわかる。
【0129】
第12の態様によれば、この出願の一実施形態が、以下を含む車両アップグレード装置を開示する。
車両内のOTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信するように構成された受信ユニット。第1のメッセージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用され、少なくとも2つのコンポーネントグループの各々は、コンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成された1つのアップグレード制御コンポーネントを含む。
少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成するように構成された処理ユニット。
そして、第1のアップグレードパッケージを車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントに送信するように構成された送信ユニット。第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためにOTAアップグレードを実行するために使用され、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される。さらに、任意に、車両アップグレード装置は、サーバ内に配備されることがある。
【0130】
この出願のこの実施形態において、車両アップグレード装置は、車両内のコンポーネントグループのためにコンポーネントグループのアップグレードパッケージを生成し、次に、コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントにアップグレードパッケージを配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントに対してアップグレード制御を行う場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0131】
第12の態様の可能な実装において、処理ユニットは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のダウンロードアドレスを割り当てるようにさらに構成される。
送信ユニットは、車両内のOTAアップグレードマスタノードに第1のダウンロードアドレスを送信するようにさらに構成される。
処理ユニットは、車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントと、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のセキュアチャネルを確立するようにさらに構成される。
そして、送信ユニットは、第1のセキュアチャネルを通じて第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信するようにさらに構成される。
【0132】
前述は、アップグレードデータパッケージをダウンロードする方法を説明する。車両アップグレード装置は、ダウンロードアドレスを第1のアップグレードパッケージに割り当てることがある。ダウンロードアドレスは、先ず、OTAアップグレードマスタノードに送信され、次に、OTAアップグレードマスタノードは、アップグレードを完了するために第1のアップグレードパッケージを必要とする第1のアップグレード制御コンポーネントにダウンロードアドレスを配布する。ダウンロードアドレスのデータサイズは、通常小さいので、ダウンロードアドレスは、先ず、アップグレードマスタノードに送信され、次に、各グループ内の対応するアップグレード制御コンポーネントに配布される。車両アップグレード装置がグループ内のアップグレード制御コンポーネントへの接続を直接確立してダウンロードアドレスを送信する場合と比較して、ネットワークリソースのオーバーヘッドを削減することができ、複雑さを軽減することができ、アップグレード効率を向上させることができる。
【0133】
第12の態様の別の可能な実装において、第1のセキュアチャネルは、少なくともハイパーテキスト転送プロトコルセキュアHTTPSセキュアチャネル、トランスポートレイヤーセキュリティTLSセキュアチャネル、またはデータグラムトランスポートレイヤーセキュリティDTLSセキュアチャネルを含む。
【0134】
第12の態様の別の可能な実装において、受信ユニットは、受信ユニットを使用することによってOTAアップグレードマスタノードから、少なくとも2つのコンポーネントグループを示すグループ情報を受信するようにさらに構成される。
【0135】
前述の実装は、複数のコンポーネントグループを決定する方法を説明する。OTAアップグレードマスタノードは、車両内のコンポーネントのグループ情報を車両アップグレード装置に送信するので、車両アップグレード装置は、グループ情報に基づいて少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。さらに、少なくとも2つのコンポーネントグループは、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、OTAアップグレードマスタノードによって決定される。
【0136】
第12の態様の別の可能な実装において、処理ユニットは、車両の識別子に基づいて、車両アップグレード装置内で事前構成されたコンポーネントグループ情報を照会し、照会結果に基づいて、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する、ようにさらに構成される。
【0137】
前述の実装は、複数のコンポーネントグループを決定する別の方法を説明する。車両アップグレード装置は、車両の識別子に基づいてグループ情報を照会することがある。特定のモデルの車両のコンポーネントグループ情報は、事前構成または事前定義されることがあるので、車両アップグレード装置は、車両の識別子(例えば、車両の車両識別番号または車両のモデル)に基づいてコンポーネントグループ情報を照会して、車両のコンポーネントグループを決定することがある。
【0138】
第12の態様の別の可能な実装において、受信ユニットは、OTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信するようにさらに構成され、第1のメッセージは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントを示すバージョン情報を含む。
そして、処理ユニットは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成するようにさらに構成される。
【0139】
車両アップグレード装置は、コンポーネントのバージョン情報に基づいて第1のアップグレードパッケージを決定することがわかる。さらに、車両アップグレード装置は、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、そのバージョンをアップグレードする必要があるコンポーネントが第1のコンポーネントグループ内に存在することを決定して、アップグレードデータをパッケージにして第1のアップグレードパッケージを取得することがある。
【0140】
第13の態様によれば、この出願の一実施形態が、以下を含む車両アップグレード装置を開示する。
第1のアップグレード制御コンポーネントから第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を受信するように構成された受信ユニット。第1のコンポーネントグループは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループのうちの1つであり、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される。
少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成するように構成された処理ユニット。第1のコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントが、第1のアップグレード制御コンポーネントである。
そして、第1のアップグレード制御コンポーネントに、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のダウンロードアドレスを送信するように構成された、送信ユニット。第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためのOTAアップグレードを実行するために使用される。さらに、車両アップグレード装置は、車両内に配備される。
【0141】
この出願のこの実施形態において、車両アップグレード装置は、車両内の複数のコンポーネントのバージョン情報を収集する。バージョン情報は、アップグレードされる必要があるコンポーネントを決定し、アップグレードパッケージを生成するために使用されることがある。ダウンロードアドレスが、アップグレードパッケージに割り当てられ、車両アップグレード装置は、コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントにダウンロードアドレスを配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、対応するアップグレードパッケージをダウンロードして、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。このようにして、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージが、同時にダウンロードされることがあるので、アップグレード制御コンポーネントは、アップグレードを同時に実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0142】
第13の態様の可能な実装において、第1のダウンロードアドレスは、具体的には、ダウンロードポリシーパッケージに含められ、ダウンロードポリシーパッケージは、ダウンロードポリシー、アップグレード条件、アップグレードポリシー、または第1のダウンロードアドレスの有効時間のうちの1つ以上をさらに含む。ダウンロードポリシーは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするためのルールを定義し、アップグレード条件は、第1のアップグレードパッケージを使用することによってアップグレードを実行するための条件を示し、アップグレードポリシーは、第1のアップグレードパッケージに基づいてアップグレードを実行するためのルールを定義する。
【0143】
第13の態様の別の可能な実装において、第1のアップグレード制御コンポーネントは、ドメインコントローラDCまたは車両統合ユニットVIUである。
【0144】
第13の態様の別の可能な実装では、第1のアップグレード制御コンポーネントの負荷が、第1の閾値以下であり、且つ/或いは
セキュリティ証明書が、第1のアップグレード制御コンポーネント内に配備される。
【0145】
第14の態様によれば、この出願の一実施形態が、以下を含む車両アップグレード装置を開示する。
第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信するように構成された送信ユニット。
そして、第1のダウンロードアドレスを受信するように構成された受信ユニット。第1のダウンロードアドレスは、OTAアップグレードマスタノードによって送信され、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用され、第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためのOTAアップグレードを実行するために使用される。
【0146】
この出願のこの実施形態において、車両アップグレード装置は、OTAアップグレードマスタノードからダウンロードアドレスを受信し、ダウンロードアドレスに基づいて、車両アップグレード装置が属するコンポーネントグループのためのアップグレードパッケージをダウンロードし、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージが、さらに同時にダウンロードされることがあるので、全てのグループ内の車両アップグレード装置が、アップグレードを同時に実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、グループ内の近くの車両アップグレード装置によってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内の車両アップグレード装置は、グループ内のコンポーネントを制御してアップグレードを実行し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0147】
第15の態様によれば、この出願の一実施形態が、サーバをさらに提供する。サーバは、少なくとも1つのプロセッサと、通信インターフェースとを含み、通信インターフェースは、データを送信/受信するように構成され、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのメモリに格納されたコンピュータプログラムを呼び出す(invoke)ように構成されるので、サーバは、第1の態様または第1の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法を実装し、あるいは第5の態様または第5の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法を実装する。
【0148】
第16の態様によれば、この出願の一実施形態が、OTAアップグレードマスタノードをさらに提供する。アップグレードマスタノードは、少なくとも1つのプロセッサと、通信インターフェースとを含み、通信インターフェースは、データを送信/受信するように構成され、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのメモリに格納されるコンピュータプログラムを呼び出すように構成されるので、アップグレードマスタノードは、第2の態様または第2の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法を実装する。
【0149】
第17の態様によれば、この出願の一実施形態が、第1のグループコントローラをさらに提供する。第1のグループコントローラは、少なくとも1つのプロセッサと、通信インターフェースとを含み、通信インターフェースは、データを送信/受信するように構成され、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのメモリに格納されるコンピュータプログラムを呼び出すように構成されるので、第1のグループコントローラは、第3の態様または第3の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法を実装する。
【0150】
第18の態様によれば、この出願の一実施形態が、車両アップグレードシステムをさらに提供する。車両アップグレードシステムは、サーバと、OTAアップグレードマスタノードと、第1のアップグレード制御コンポーネントとを含む。サーバは、第8の態様または第8の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った車両アップグレード装置を含む。OTAアップグレードマスタノードは、第9の態様または第9の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った車両アップグレード装置を含む。第1のアップグレード制御コンポーネントは、第10の態様または第10の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った車両アップグレード装置を含む。
【0151】
第19の態様によれば、この出願の一実施形態が、車両アップグレードシステムをさらに提供する。車両アップグレードシステムは、サーバと、車両とを含む。さらに、車両は、OTAアップグレードマスタノードと、第1のアップグレード制御コンポーネントとをさらに含む。サーバは、第12の態様または第12の態様の可能な実装のいずれか1つに従った車両アップグレード装置を含み、車両は、第11の態様または第11の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った車両である。
【0152】
第20の態様によれば、この出願の一実施形態が、車両アップグレードシステムをさらに提供する。車両アップグレードシステムは、OTAアップグレードマスタノードと、第1のアップグレード制御コンポーネントとを含む。OTAアップグレードマスタノードは、第13の態様または第13の態様の可能な実装のいずれか1つに従った車両アップグレード装置を含み、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第14の態様または第14の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った車両アップグレード装置を含む。
【0153】
第21の態様によれば、この出願の一実施形態が、コンピュータ読取可能な記憶媒体を開示する。コンピュータ読取可能な記憶媒体は、コンピュータプログラムを格納し、コンピュータプログラムが1つ以上のプロセッサ上で実行されるときに、第1の態様または第1の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装されるかあるいは第5の態様または第5の態様の可能な実装のうちのいずれかに1つ従った方法が実装され、第2の態様または第2の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装されるかあるいは第6の態様または第6の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装され、第3の態様または第3の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装されるかあるいは第7の態様または第7の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装され、あるいは第5の態様または第5の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装される。
【0154】
第22の態様によれば、この出願の一実施形態が、コンピュータプログラム製品を開示する。コンピュータプログラム製品は、1つ以上のプロセッサで動作するときに、第1の態様または第1の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装されるかあるいは第5の態様または第5の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装され、第2の態様または第2の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装されるかあるいは第6の態様または第6の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装され、第3の態様または第3の態様の可能な実装のいずれか1つに従った方法が実装されるかあるいは第7の態様または第7の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装され、あるいは第5の態様または第5の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装される。
【0155】
第23の態様によれば、この出願の一実施形態が、チップシステムを開示する。チップシステムは、少なくとも1つのプロセッサと、メモリと、インターフェース回路とを含む。インターフェース回路は、少なくとも1つのプロセッサのための情報入力/出力を提供するように構成され、メモリは、コンピュータプログラムを格納する。コンピュータプログラムが1つ以上のプロセッサで実行されるときに、第1の態様または第1の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装されるかあるいは第5の態様または第5の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装され、第2の態様または第2の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装されるかあるいは第6の態様または第6の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装され、第3の態様または第3の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装されるかあるいは第7の態様または第7の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装され、あるいは第5の態様または第5の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った方法が実装される。
【0156】
第24の態様によれば、この出願の一実施形態が、端末を開示する。端末は、スマートコックピット製品、車両などであることがある。端末は、第9の態様または第9の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った車両アップグレード装置を含む。さらに、第10の態様または第10の態様の可能な実装のうちのいずれか1つに従った車両アップグレード装置が含まれることがある。
【0157】
代替的に、車両は、インテリジェント端末またはドローンもしくはロボットのようなインテリジェント輸送車両に置き換えられることがある。
【0158】
以下は、本出願の実施態様において使用される添付の図面を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0159】
図1】本出願の一実施形態による車両アップグレードシステムのアーキテクチャの概略図である。
【0160】
図2】本出願の一実施形態による車両のアーキテクチャの概略図である。
【0161】
図3】本出願の実施形態による中央計算アーキテクチャに基づく車両のアーキテクチャの概略図である。
【0162】
図4】本出願の一実施形態による車両アップグレード方法の概略フローチャートである。
【0163】
図5】本出願の一実施形態による可能なコンポーネントグループの構造の概略図である。
【0164】
図6】本出願の一実施形態による別の可能なコンポーネントグループの構造の概略図である。
【0165】
図7】本出願の一実施形態による別の車両アップグレード方法の概略フローチャートである。
【0166】
図8】本出願の一実施形態による別の車両アップグレード方法の概略フローチャートである。
【0167】
図9】本出願の一実施形態による車両アップグレードシステム及び車両アップグレード方法の手順の概略図である。
【0168】
図10】本出願の一実施形態による車両アップグレードシステム及び車両アップグレード方法の手順の概略図である。
【0169】
図11】本出願の一実施形態による車両アップグレード装置の構造の概略図である。
【0170】
図12】本出願の一実施形態による車両の構造の概略図である。
【0171】
図13】本出願の一実施形態による別の車両アップグレード装置の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0172】
以下は、本出願の実施態様における添付図面を参照して、本出願の実施態様を記載する。本出願において、「例」または「例えば」のような語は、例、図示又は説明を与えることを表すために使用されることが留意されるべきである。本出願において「例」または「例えば」を使用することによって記載されるいかなる実施形態又は設計スキームも、別の実施形態又は設計スキームよりも好ましいと解釈されてならず、あるいはより有利であると解釈されてならない。「例」または「例えば」のような用語の使用は、関連する概念を特定の方法で提示することが意図されている。
【0173】
以下は、先ず、本出願の実施形態におけるシステムアーキテクチャおよびサービスシナリオを説明する。本出願に記載されるシステムアーキテクチャおよびサービスシナリオは、本出願中の技術的解決策をより明確に記述することが意図されているが、本出願で提供される技術的解決策に対する如何なる制限も構成しないことが留意されるべきである。当業者は、システムアーキテクチャが進化し、新しいサービスシナリオが出現するにつれて、本出願において提供される技術的解決策が類似の技術的課題にも適用可能であることがわかる。
【0174】
図1は、本出願の一実施形態による車両アップグレードシステムの概略図である。車両アップグレードシステムは、OTAサーバ(サーバ)101、OTAマスタモジュール(マスタ)102、およびOTAスレーブモジュール(スレーブ)103を含む。
【0175】
OTAサーバ101は、アップグレードデータパッケージをOTAマスタに送信するように構成される。特定の実装シナリオにおいて、OTAサーバは、OTAクラウドとも呼ばれる。
【0176】
OTAマスタモジュール(マスタ)102は、データ受信および送信能力を有する電子デバイスであり、OTAサーバ101によって送信されるアップグレードパッケージを受信し、アップグレードパッケージに基づいて車両のコンポーネントをアップデートすることがある。具体的には、OTAマスタモジュール102は、受信したアップグレードパッケージを車両内の1つ以上のOTAスレーブモジュール103に配布し、1つ以上のOTAスレーブモジュール103に命令してアップグレードパッケージをインストールしてアクティブ化(起動)する。
【0177】
図2は、本出願の一実施形態による車両の可能なアーキテクチャの概略図である。車両は、OTAクラウド201および車両202を含む。車両202は、車両電気/電子アーキテクチャ(電気/電子アーキテクチャ、E/E)に基づく車両である。エリア203に示されるように、車両202は、以下のコンポーネント、すなわち、モバイルデータセンタ(Mobile Data Center, MDC)、ヒューマンマシンインタラクション(Human-Machine Interaction,HMI)、ゲートウェイ(gateway,GW)、テレマティクスボックス(Telematics BOX,T-Box、またはTCUと呼ばれる)、電子制御ユニット(Electronic Control Unit,ECU)のようなモジュールを含むことがある。GWは、車両全体の電気/電子アーキテクチャにおける中核コンポーネントである。車両全体におけるネットワークのデータ相互作用ハブとして、GWは、異なるネットワークにおいて、コントローラエリアネットワーク(Controller Area Network,CAN)、ローカルインターコネクトネットワーク(Local Interconnect Network,LIN)、メディア指向システムトランスポート(Media Oriented System Transport,MOST)、およびFlexRayのようなネットワークのデータを経路指定(ルーティング)することある。MDCは、車両のインテリジェントな車載コンピューティングプラットフォームである。T-Boxは、車両の外側、バックグラウンドシステム、および携帯電話アプリケーション(application,APP)と通信するように主に構成される。HMIは、車両のインフォテインメント(infotainment)システムである。ECUは、車両特有のマイクロコントローラである。
【0178】
アップグレードマスタモジュール(OTAマスタと見なされることがあるアップデートマスタ)が車両202のGW内に配備され、アップグレードスレーブモジュール(OTAスレーブと見なされることがある更新スレーブ)が車両202の残りの各モジュールに配備される。GW内のアップグレードマスタモジュールは、OTAクラウドによって送信されるアップグレードパッケージを受信し、対応するコンポーネントのアップグレードスレーブモジュールにアップグレードパッケージを配布するので、アップグレードスレーブモジュールは、アップグレードパッケージをインストールし且つアクティブ化して、コンポーネントアップグレードを完了する。GW内のアップグレードマスタモジュールが車両全体においてアップグレードパッケージをダウンロードし且つ各コンポーネントに命令してインストールを実行させることに関与することがわかる。これは、アップグレードマスタモジュールの保管と負荷に大きな負担をもたらす。例えば、アップグレードパッケージが非常に大きいならば、アップグレードマスタモジュールの保管スペースは不十分であることがある。
【0179】
加えて、図2の車両202は、電気/電子アーキテクチャに基づく車両であり、GWは、車両全体の電気/電子アーキテクチャの中核コンポーネントであるので、アップグレードマスタモジュールは、ルーティングの複雑さを軽減することができるように、GW内に配備されることがある。しかし、別の車両アーキテクチャでは、コンポーネントの量が増えるにつれて、構造が複雑になる。アップグレードマスタモジュールが、長い距離を持つECUをアップグレードするならば(長い距離は、アップグレードマスタモジュールからアップグレード対象のECUに渡される必要がある大量のホップとして理解されてよい)、車両のアップグレード効率は影響を受ける。図3は、本出願の一実施形態による中央コンピューティングアーキテクチャに基づく車両のアーキテクチャの概略図である。車両30は、中央コンピューティングアーキテクチャ(Central Computing Architecture,CCA)に基づく車両である。CCAは、幾つかの車両統合ユニット(vehicle integrated/integration unit,VIU)および複数の車両コンポーネントを含む。複数のVIUが、リングネットワークを形成して、高帯域幅(高精細カメラと高精細ディスプレイ)、低遅延、および高信頼性処理能力を実装して、競争力を継続的に向上させ、車内ネットワーク構成を簡素化し、アップグレードおよび保守効率化を向上させる。(ECUまたはT-Boxのような)車両コンポーネントは、VIUに接続されることがあり、あるいは、コックピットドメインコントローラ(Cockpit Domain Controller,DC)、MDC、または車両ドメインコントローラ(Vehicle Domain Controller,VDC)のようなドメインコントローラに接続され、次に、DCを通じてVIUに接続されることがある。これは、車両内に電子制御機能を実装するための従来のシステムにおける各車両のコンポーネントがそれぞれのハーネスを使用することによってドメインコントローラDCに接続される必要がある場合を回避し、車両内に電子制御機能を実装するためのシステムにおいてハーネスの長さを短くすることを助ける。
【0180】
図3に示すように、図2の車両202によって使用される車両電気/電子アーキテクチャ(Electrical/Electronic Architecture,E/E)と比較すると、車両30の複数のコンポーネントにおいて、幾つかのコンポーネント(例えば、ECU2.1、ECU2.2、およびT-Box)がVIU1に接続され、幾つかのコンポーネント(例えば、ECU4.1およびECU4.2)がVIU2に接続され、幾つかのコンポーネントがVIU3に接続され、幾つかのコンポーネントがVIU4に接続される。この場合、アップグレードマスタモジュールがT-Boxに配備されるならば、アップグレードされる必要があるECU5.1について、分散アップグレードパッケージの経路は、VIU1、VIU2、およびVIU3のバスを通過し、次に、VIU3を通過して、ECU5.1に至る。アップグレードルートは、アップグレードパッケージがアップグレードマスタノードを使用して配布される方法において、複雑であるので(通過されるべき大量のホップとして理解されることがある)、車両のアップグレードの複雑さが増し、効率は影響を受けることがわかる。
【0181】
図3に示すアーキテクチャでは、各ノードの接続線は、イーサネットベースのバスであってよく、あるいは、コントローラエリアネットワーク(Controller Area Network,CAN)バス、ローカルインターコネクトネットワーク(Local Interconnect Network,LIN)バス、メディア指向システムトランスポート(Media Oriented System Transport,MOST)バス、FlexRayなどの1つ以上である場合があることが留意されるべきである。
【0182】
図4は、本出願の一実施形態による車両アップグレード方法の概略フローチャートである。この方法は、限定されるものではないが、以下のステップを含む。
【0183】
ステップS401:OTAアップグレードマスタノードが、車両内のコンポーネントのバージョン情報を取得する。
【0184】
具体的には、車両内のコンポーネントは、データ処理能力またはデータ送受信能力を持つ電子デバイスであってよく、例えば、車両内の様々なGW、Tボックス、VIU、DC、またはECUであってよく、あるいは、車両内のメディアデバイス、例えば、カメラまたはレーダであってよい。ECUは、プロセッサ、メモリ、入出力(I/O)インターフェース、アナログデジタル変換器(A/D)、およびシェイパー(shaper)または駆動装置(drive)のような大規模集積回路のうちの1つ以上を含み、様々な機能を実装することがある。
【0185】
OTAアップグレードマスタノードは、OTA技術をサポートする電子デバイスである。OTAアップグレードマスタノードは、車両内の各コンポーネントのアップグレードの完了を支援するために、サーバおよび車両内の各アップグレード制御コンポーネントと通信することがある。任意に、OTAアップグレードマスタノードは、車両内の独立したコンポーネントであることがあり、あるいは、コンポーネントのうちの1つにモジュールとして展開されることがある。さらに、OTAアップグレードマスタノードは、ハードウェアモジュールであることがあり、あるいは、コンピュータプログラムであることがある。例えば、車両のT-Boxが、OTAモジュールを含むことがあり、OTAモジュールは、OTA技術をサポートすることがある。従って、T-Boxは、OTAアップグレードマスタノードと見なされることがある。別の例として、OTA技術をサポートするコンポーネントが、車両内で予め組み立てられることがあり、プロセッサ、集積回路などが、そのコンポーネントに統合されることがある。OTA技術をサポートするコンポーネントは、OTAアップグレードマスタノードと見なされることがある。
【0186】
コンポーネントのバージョン情報は、コンポーネントのソフトウェアバージョン情報、キャリブレーションデータバージョン情報、ハードウェアバージョン情報(例えば、ハードウェアの仕様、モデル、ハードウェアの識別子など、異なるハードウェアのバージョン情報に基づいてアップグレードされる必要があるソフトウェアが異なる場合)、コンポーネントの識別子(identity,ID)、コンポーネントのバージョン番号などのうちの1つ以上を含むことがある。例えば、車両のカメラは、カメラプログラムを含み、カメラプログラムのプログラムバージョン番号「v12.5.8」は、カメラのバージョン情報であることがある。別の例として、カメラ内の主制御チップおよび感光チップの仕様およびモデルが、カメラのバージョン情報である場合もある。
【0187】
具体的には、OTAアップグレードマスタノードが車両内の複数のコンポーネントのバージョン情報を取得する以下の設計があることがある。
【0188】
設計1:OTAアップグレードマスタノードは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントであり、第1のアップグレード制御コンポーネントによって送信される、バージョン情報を受信する。具体的には、車両は、少なくとも2つのコンポーネントグループを含むことがあり、各コンポーネントグループは、1つのアップグレード制御コンポーネントを含む。アップグレード制御コンポーネントは、コンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してアップグレードを完了するように構成され、車両内の独立したコンポーネントであることがあり、あるいは、コンポーネントのうちの1つにモジュールとして配備されることがある(例えば、DCおよび/またはVIU内に配備されることがある)。第1のコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレード制御コンポーネントである。第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を収集し、次に、コンポーネントのバージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに送信することがある。相応して、OTAは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントであり、第1のアップグレード制御コンポーネントによって送信される、バージョン情報を受信する。
【0189】
設計2:OTAアップグレードマスタノードは、車両内のコンポーネントであり、報告ノードによって送信される、バージョン情報を受信する。
【0190】
報告ノードは、車両内のドメインコントローラ、ゲートウェイ、分散ゲートウェイ、車両統合ユニットなどであることがある。報告ノードは、報告ノードによって収集されるコンポーネントのバージョン情報を、OTAアップグレードマスタノードに報告することがある。例えば、CDCは、コックピットドメイン内の複数のコンポーネント(例えば、マイク、レーダ、スピーカ、およびキーレススタートモジュールのうちの1つ以上)のバージョン情報を収集することがあり、次に、バージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに送信することがある。引き続き、OTAアップグレードマスタノードは、バージョン情報をサーバに送信して、更新される必要があるコンポーネントを決定することがある。
【0191】
設計3:OTAアップグレードマスタノードは、少なくとも1つのコンポーネントによって送信される少なくとも1つのコンポーネントのバージョン情報を受信することがある。
【0192】
具体的には、車両内のコンポーネントは、コンポーネントのバージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに定期的または非定期的に送信することがある(あるいは、そのコンポーネントに格納される別のコンポーネントのバージョン情報を送信するかあるいは別のコンポーネントのバージョン情報を転送することがある)。相応して、OTAアップグレードマスタノードは、少なくとも1つのコンポーネントによって送信される少なくとも1つのコンポーネントのバージョン情報を受信する。任意に、車両内のコンポーネントは、バージョンがアップグレードされるたびに、コンポーネントのバージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに送信することがある。
【0193】
代替的に、車両内のコンポーネントのバージョン情報が、OTAアップグレードマスタノード内で赤字目構成されることがあり、あるいは、OTAアップグレードマスタノードは、管理インターフェースを使用することによって車両内のコンポーネントのバージョン情報を照会することがある。
【0194】
任意に、車両アップグレード方法は、ステップS402を更に含む。詳細は、次の通りである。
【0195】
ステップS402:OTAアップグレードマスタノードは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。任意に、ここでは、実際の処理プロセスにおいて、OTAアップグレードマスタノードは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定することがあり、あるいは車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定しないことがあると理解されてよい。例えば、車両内のコンポーネントグループは、事前構成されることがあり、あるいは事前定義されることがある。この場合、OTAアップグレードマスタノードは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを再決定する必要はない。これは、特に、OTAアップグレードマスタノードの実装、事前合意、または標準の定義に依存することがある。
【0196】
具体的には、車両のコンポーネントグループは、車両内の少なくとも1つのコンポーネントを含む。各コンポーネントグループは、OTAアップグレードを実行するためにコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御するように構成される1つのアップグレード制御コンポーネントを含み、車両内の別のコンポーネント、例えば、T-BoxまたはECUを更に含むことがある。コンポーネントグループが1つだけのコンポーネントを含むとき、そのコンポーネントは、コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントであるだけでなく、コンポーネントグループ内のアップグレード対象のコンポーネントでもある。
【0197】
任意に、少なくとも2つのコンポーネントグループは、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、および各ノードの構成または負荷のうちの少なくとも1つに基づいて、OTAアップグレードマスタノードによって決定されることがある。任意に、グループポリシーは、事前定義または事前設定されるグループ方法を使用することによって実装されることがあり、あるいは、アルゴリズム、モデルなどを使用することによって実装されることがある。
【0198】
例えば、OTAアップグレードマスタノードは、1つのエリア内に機能を持つ複数のコンポーネントを1つのコンポーネントグループにグループ化し、次に、コンポーネントグループ内のコンポーネント(例えば、ドメインコントローラDCおよび車両統合ユニットVIU)の負荷状態に基づいて、コンポーネントをアップグレード制御コンポーネントとして設定するかどうかを決定することがある。図5は、本出願の一実施形態による可能なコンポーネントグループの構造の概略図である。OTAアップグレードマスタノードは、1つのVIUおよびVIUに接続されたコンポーネントを1つのコンポーネントグループとして使用し、VIUをコンポーネントグループのアップグレード制御装置として使用する。エリア501に示されるように、第1のコンポーネントグループは、図示されるVIU1、CDC、ECU1.1、ECU1.2、ECU2.1、ECU2.2、およびT-Boxを含み、アップグレード制御コンポーネントは、VIU1である。エリア502に示されるように、第2のコンポーネントグループは、図示されるVIU2、MDC、ECU3.1、ECU4.1、ECU4.2、ECU4.3、およびVDCを含み、アップグレード制御コンポーネントは、VIU2である。エリア503に示されるように、第3のコンポーネントグループは、VIU3、ECU5.1、ECU5.2、およびECU5.3を含み、アップグレード制御コンポーネントは、VIU3である。エリア504に示されるように、第4のコンポーネントグループは、VIU4、ECU6.1、ECU6.2、およびECU6.3を含み、アップグレード制御コンポーネントは、VIU4である。表1に示されるグループ情報は、コンポーネントグループに含まれるコンポーネントおよびアップグレード制御コンポーネントに基づいて取得されることがある。
【表0001】
【0199】
図6は、本出願の一実施形態による別の可能なコンポーネントグループの構造の概略図である。OTAアップグレードマスタノードは、VIUまたはDCに接続されるコンポーネントを1つのコンポーネントグループとして使用し、VIUまたはDCをコンポーネントグループ内のアップグレード制御装置として使用する。エリア601に示されるように、第1のコンポーネントグループは、図示されるCDC、ECU1.1、およびECU1.2を含み、アップグレード制御コンポーネントは、CDCである。エリア602に示されるように、第2のコンポーネントグループは、VIU1、ECU2.1、ECU2.2、およびT-Boxを含み、アップグレード制御コンポーネントは、VIU1である。エリア603に示されるように、第3のコンポーネントグループは、図示されるMDCおよびECU3.1を含み、アップグレード制御コンポーネントは、VIU2である。エリア604に示されるように、第4のコンポーネントグループは、VIU2、ECU4.1、ECU4.2、およびECU4.3を含む。エリア605に示されるように、第5のコンポーネントグループは、VIU3、ECU5.1、ECU5.2、およびECU5.3を含み、アップグレード制御コンポーネントは、VIU3である。エリア606に示されるように、第6のコンポーネントグループは、VIU4、ECU6.1、ECU6.2、およびECU6.3を含み、アップグレード制御コンポーネントは、VIU4である。第7のコンポーネントグループは、VDCを含み、アップグレード制御コンポーネントは、VDCである。表2に示されるグループ情報は、コンポーネントグループに含まれるコンポーネントおよびアップグレード制御コンポーネントに基づいて取得されることがある。
【表0002】
【0200】
前記コンポーネントの構造および図示のECUの番号は、例として使用されるにすぎず、別のECUおよび別の構成要素が特定の実装プロセスにさらに含まれる場合があることが留意されるべきである。グループ情報を格納するフォーマットは、セット(例えば、情報サブセットまたは対応セット)、マッピングテーブル(例えば、リレーショナルデータベースのテーブル)、データテーブルなどであることがある。本明細書における説明を容易にするために、グループ情報はデータテーブルの形態において記載されるが、これは本出願におけるグループ情報が明確にテーブルの形態にあることに限定されることを意図しない。
【0201】
任意に、コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、特定の構成条件を満たすコンポーネントであることがある。例えば、アップグレード制御コンポーネントは、その負荷が第1の閾値以下のコンポーネントである。別の例として、アップグレード制御コンポーネントは、セキュリティ証明書が配備されるコンポーネントである。さらに、任意に、OTAアップグレードマスタノードは、各コンポーネントの構成に基づいてアップグレード制御コンポーネントを決定し、アップグレード制御コンポーネントに近いコンポーネントをコンポーネントグループとして使用することがある。
【0202】
可能な解決策において、OTAアップグレードマスタノードは、コンポーネントグループ内の中央コンピューティング能力を持つ制御コンポーネント(例えば、ドメインコントローラDCおよび車両統合ユニットVIU)の負荷状態に基づいて、制御コンポーネントをアップグレード制御コンポーネントとして設定するかどうかを決定する。アップグレード制御コンポーネントはサーバへの接続を確立する必要があるので、現在のノードの負荷が比較的高いならば、現在のノードはアップグレード制御コンポーネントとして決定されるのに適さない。従って、負荷閾値が、第1の閾値として決定される。第1の閾値は、事前定義された値、事前構成された値、またはプロトコルにおいて事前指定された値である。アップグレード制御コンポーネントは、アップグレードタスクを引き続き完了する必要があるので、その負荷が第1の閾値以下のコンポーネントが、アップグレード制御コンポーネントとして決定される。これは、コンポーネントに対する圧力を軽減できるので、後続のアップグレードおよびダウンロードタスクは、可能な限り早く完了されることができ、それによって、車両のアップグレード効率を保証することができる。別の可能な解決策において、アップグレード制御コンポーネントは、セキュリティ証明書に基づいてサーバとの安全なチャネルを確立する必要がある。この場合には、セキュリティ証明書が配備されるコンポーネントのみが、アップグレード制御コンポーネントとして決定される資格がある。
【0203】
ステップS403:OTAアップグレードマスタノードは、第1のメッセージをサーバに送信する。
【0204】
具体的には、第1のメッセージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用される。OTAアップグレードマスタノードが第1のメッセージをサーバに送信すると理解されてよい。相応して、サーバは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループのバージョン情報を取得するために、OTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信することがある。
【0205】
任意に、第1のメッセージは、車両の識別子をさらに含む。車両の識別子は、車両の車両識別番号(車両識別番号とも呼ばれる、Vehicle Identification Number,VIN)、車両のモデル(製造業者、モデル、生産バッチ番号などのうついの1つ以上を特に含むことがあり、例えば、benz-S350L-2020はBenz S350 L2020を表す)、車両の集積カード識別(Integrate circuit card identity,IC)、車両の製品シリアル番号(Serial Number,SN)などのうちの1つ以上であることがある。
【0206】
任意に、第1のメッセージは、車両のグループ情報をさらに含み、グループ情報は、少なくとも2つのコンポーネントグループを示すために使用される。例えば、グループ情報は、表1または表2であることがある。
【0207】
任意に、OTAアップグレードマスタノードとサーバとの間で情報を送受信するためのデータリンクは、様々なタイプの接続メディアを含むことがあり、具体的には、(光ファイバのような)有線リンク、無線リンク、有線リンクと無線リンクとの組み合わせなどを含むことがある。例えば、データリンクは、802.11b/g、ブルートゥース(Bluetooth)、シグビー(Zigbee)、車載短距離無線通信技術、モバイル通信のためのグローバルシステム(Global System for Mobile communication,GSM)、汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service,GPRS)、ユニバーサルモバイル通信システム(Universal Mobile Telecommunications System,UMTS)、超広帯域(Ultra Wideband,UWB)技術、または車載無線伝送技術を使用することがある。もちろん、アップグレードマスタノードとサーバとの間の通信をサポートするために使用できる別の技術があることがある。
【0208】
ステップS404:サーバは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。
【0209】
具体的には、本出願の実施形態において述べられるサーバは、1つのサーバであることがあり、あるいは、複数のサーバを含むサーバクラスタであることがある。例えば、分散サーバ(distributed server)が、複数のサーバを含むサーバクラスタであることがある。クラスタは、クラウドコンピューティングサーバ、コンテンツ配信ネットワーク(Content Delivery Network,CDN)サーバ、ネットワークタイムプロトコル(Network Time Protocol,NTP)サーバ、ドメインネームシステム(Domain Name System,DNS)サーバなどを含む。サーバは、互いに協働して、コンピューティング、データストレージ、および通信のような機能を共同で完成することがある。説明を簡単にするために、本出願の実施形態において、単一のサーバ、分散サーバ、およびサーバクラスタは、サーバと総称される。
【0210】
車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループの各々は、OTAアップグレードを実行するためにコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御するように構成される1つのアップグレード制御コンポーネントを含む。サーバが車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する少なくとも次の2つの実装がある。
【0211】
実装1:サーバは、OTAアップグレードマスタノードから、少なくとも2つのコンポーネントグループを示すグループ情報を受信する。例えば、OTAアップグレードマスタノードは、サーバに、少なくとも2つのコンポーネントグループを示すグループ情報を送信することがある。相応して、サーバは、グループ情報を受信し、次に、少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。別の例として、OTAアップグレードマスタノードは、第1のメッセージを使用して、少なくとも2つのコンポーネントグループを示すグループ情報を伝える。サーバは、第1のメッセージを受信し、第1のメッセージを構文解析して、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。
【0212】
実装2:サーバは、車両の識別子に基づいてコンポーネントグループ情報を照会し、照会結果に基づいて車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。車両モデルの車両内のコンポーネントグループは、事前構成または事前定義されることがあるので、サーバは、車両の識別子(例えば、車両の車両識別番号や車両のモデル)に基づいてコンポーネントグループ情報を照会して、車両内のコンポーネントグループを決定することがある。さらに、任意に、コンポーネントグループ情報は、サーバ内で事前構成されることがあり、あるいは、ネットワーク側デバイスで事前構成されることがある。例えば、グループ情報は、(具体的には分散データベースであることがある)データベースに格納されることがあり、あるいは、ネットワーク取り付けされたストレージ(network attached storage,NAS)デバイス内に格納されることがある。サーバは、データベースまたはNASデバイスに要求を送信して、車両のグループ情報を照会する。データベースまたはNASデバイスは、サーバに照会結果を返し、サーバは、照会結果に基づいて車両のグループ情報を決定することがある。
【0213】
ステップS405:サーバは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループの第1のアップグレードパッケージを生成する。
【0214】
具体的には、第1のコンポーネントグループは、アップグレードされる必要があるコンポーネントを含む。従って、サーバは、第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成する。第1のアップグレードパッケージは、更新されたデータをパッキングすること(packing)によって取得される(圧縮処理などが特定の実装中にさらに実行されることがある)。第1のコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレード制御コンポーネントである。
【0215】
さらに、サーバは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、アップグレードされる必要があるコンポーネントを決定することがある。バージョンがアップグレードされる必要があるコンポーネントは、第1のコンポーネントグループに存在する。従って、第1のコンポーネントグループ内でアップグレードされる必要があるコンポーネントによって使用されるアップグレードデータは、第1のアップグレードパッケージを取得するためにパッキングされる(packed)。
【0216】
車両内の複数のコンポーネントグループがアップグレードされる必要があるならば、サーバは、複数のコンポーネントグループのために複数のアップグレードパッケージを生成する場合があることが留意されるべきである。説明を簡単にするために、ここでは第1のコンポーネントグループが一例として使用されるが、これは1つのコンポーネントグループのみがアップグレードされる必要があることに制限することを意図しない。
【0217】
任意に、車両のアップグレード方法は、ステップS406をさらに含む。詳細は、以下の通りである。
【0218】
ステップS406:サーバは、第1のダウンロードアドレスをOTAアップグレードマスタノードに送信する。
【0219】
具体的には、第1のダウンロードアドレスは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用される。例えば、第1のダウンロードアドレスは、ユニフォームリソースロケータ(uniform resource locator,URL)であることがある。第1のアップグレードパッケージを生成した後に、サーバは、第1のアップグレードパッケージに第1のダウンロードアドレスを割り当てることがある。第1のアップグレードパッケージは、ダウンロードアドレスを使用することによって、第1のアップグレードパッケージを格納するデバイス(例えば、複数のサーバ内のCDNサーバ、NASデバイス、または分散データベース)からダウンロードされることがある。サーバは、第1のダウンロードアドレスをOTAアップグレードマスタノードに送信する。相応して、OTAは、サーバから第1のダウンロードアドレスを受信する。
【0220】
任意に、第1のダウンロードアドレスは、具体的には、ダウンロードポリシーパッケージ内に含まれることがある。サーバは、ダウンロードポリシーパッケージをOTAアップグレードマスタノードに送信し、OTAアップグレードマスタノードは、ダウンロードポリシーパッケージを受信して、第1のダウンロードアドレスを取得する。さらに、任意に、ダウンロードポリシーパッケージは、ダウンロードポリシー、アップグレード条件、アップグレードポリシー、アップグレードシーケンス、または第1のダウンロードアドレスの有効時間のうちの1つ以上を含む。ダウンロードポリシーは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするためのルールを定義する(例えば、ダウンロードのための特定の時刻、ダウンロードのために電源状態によって満たされるべき特定の条件、およびダウンロードを確認するためにユーザに通知する必要があるかどうかのうちの1つ以上を指定する)。アップグレード条件は、第1のアップグレードパッケージを使用することによってアップグレードを実行するための条件(例えば、バッテリレベル条件および負荷条件のうちの1つ以上)を示す。アップグレードポリシーは、第1のアップグレードパッケージ(例えば、複数のコンポーネントの並列アップグレード、シリアルアップグレード、ロールバックが開始されるかどうか、およびユーザが通知される必要があるかどうかのうちの1つ以上)に基づいてアップグレードを実行するルールを定義する。アップグレードシーケンスは、異なるコンポーネントをアップグレードするアップグレードシーケンス(例えば、ECU1が先ずアップグレードされ、次に、ECU2がアップグレードされる)、または同じコンポーネントの複数のアップグレードプログラムのアップグレードシーケンス(例えば、ECU内のシステムアプリケーションが先ずアップグレードされ、次に、ユーザによってインストールされるアプリケーションがアップグレードされる)を示すために使用される。さらに、任意に、ダウンロードポリシーパッケージは、データセキュリティ(安全性)を向上させるために、サーバのOTA証明書を含むことがある。
【0221】
任意に、第1のダウンロードアドレスは、サーバによって署名されることがある。この場合、OTAアップグレードマスタノードは、信頼されていないノードによって送信されるダウンロードアドレスを受信することを回避するように、サーバ署名を検証することがあり、それによって、アップグレードプロセスのセキュリティを向上させることがある。さらに、第1のダウンロードアドレスがダウンロードポリシーパッケージに含まれるならば、サーバは、ダウンロードポリシーパッケージに署名することがある。この場合、OTAアップグレードマスタノードは、ダウンロードポリシーパッケージの署名を検証し、署名検証が成功する場合にのみ、ダウンロードアドレス配布(download address distribution)のような後続のステップを実行する。
【0222】
車両内の複数のコンポーネントグループがアップグレードされる必要があるならば、サーバは、複数のコンポーネントグループのために複数のアップグレードパッケージを生成する場合があることが留意されるべきである。相応して、複数の割り当てられたダウンロードアドレスがある。説明を簡単にするために、ここでは第1のダウンロードアドレスが一例として使用されるが、これは1つだけのダウンロードアドレスがあることに制限することを意図しない。
【0223】
任意に、車両アップグレード方法は、ステップS407をさらに含む。詳細は、以下の通りである。
【0224】
ステップS407:OTAアップグレードマスタノードは、第1のダウンロードアドレスを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信する。
【0225】
具体的には、第1のダウンロードアドレスは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用され、第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードするために使用され、第1のコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレード制御コンポーネントである。従って、OTAアップグレードマスタノードは、第1のダウンロードアドレスを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信する。OTAアップグレードマスタノードは、第1のダウンロードアドレスを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信すると理解されてよい。相応して、第1のアップグレード制御コンポーネントは、OTAアップグレードマスタノードから第1のダウンロードアドレスを受信する。
【0226】
ダウンロードアドレスのデータサイズは、通常小さいので、ダウンロードアドレスは、先ず、アップグレードマスタノードに送信され、次に、各グループ内の対応するアップグレード制御コンポーネントに配布される(distributed)。サーバが直接グループ内のアップグレード制御コンポーネントへの接続を直接確立してダウンロードアドレスを送信する場合と比較して、ネットワークリソースのオーバーヘッドを削減することができ、複雑さを軽減することができ、アップグレード効率を向上させることができる。
【0227】
OTAアップグレードマスタノードと第1のアップグレード制御コンポーネントとの間の通信のためのリンクは、様々なタイプのメディアであることがあり、具体的には、有線リンク、無線リンク、有線リンクと無線リンクとの組み合わせなどがあることがある。有線リンクは、例えば、イーサネットベースのバスであり、或いは、CANバス、LINバス、MOSTバス、FlexRayなどのうちの1つ以上であることがある。例えば、無線リンクは、802.11b/g、ブルートゥース(Bluetooth)、ジグビー(Zigbee)、または車載短距離無線通信技術を含む、短距離接続技術である。別の例として、無線リンクは、GSM、GPRS、UMTS、LTE(Long Term Evolution、ロングタームエボリューション)ベースの通信技術、第5世代移動通信技術(第5世代モバイルネットワークまたは第5世代ワイヤレスシステム、略して、第5世代、5Gまたは5G技術)、または車載無線通信技術を含む、長距離接続技術であることがある。もちろん、OTAアップグレードマスタノードと第1のアップグレード制御コンポーネントとの間の通信をサポートするために使用できる別の技術があることがある。
【0228】
任意に、車両アップグレード方法は、ステップS408をさらに含む。詳細は、以下の通りである。
【0229】
ステップS408:第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のダウンロードアドレスに基づいてサーバと第1のセキュアチャネル(安全なチャネル)を確立する。任意に、ここでは、実際の処理プロセスにおいて、第1のアップグレード制御コンポーネントは、ダウンロードアドレスに基づいてサーバと第1のセキュアチャネルを確立することがあり、あるいは、第1のセキュアチャネルを確立しないことがあると理解されてよい。例えば、サーバは、通信リンクを通じて第1のアップグレード制御コンポーネントにデータを直接送信することがあり、データを送信するためにダウンロードアドレスを使用することによってセキュアチャネルを確立する必要はない。これは、特に、第1のアップグレード制御コンポーネントの実装、事前合意、または標準中の定義に依存することがある。
【0230】
具体的には、第1のセキュアチャネルは、セキュアソケットレイヤー(Secure Sockets Layer,SSL)ベースの伝送チャネルまたはトランスポートレイヤーセキュリティ(Transport Layer Security,TLS)ベースの伝送チャネルであり、データ伝送のために使用される。セキュアチャネルは、ハイパーテキスト転送プロトコルセキュアHTTPSセキュアチャネル、トランスポートレイヤーセキュリティTLSセキュアチャネル、データグラムトランスポートレイヤーセキュリティDTLSセキュアチャネルなどのうちの1つ以上を含む。
【0231】
例えば、クラウドコンピューティングサーバは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするためのURLを割り当てることがあり、第1のアップグレード制御コンポーネントは、そのURLに基づいてCDNサーバとHTTPSセキュアチャネルを確立して、第1のアップグレードパッケージをダウンロードすることがある。
【0232】
ステップS409:サーバは、第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信する。
【0233】
具体的には、サーバは、様々なタイプの接続メディア(例えば、無線通信リンク、有線通信リンク、または有線リンクと無線リンクとの組み合わせ)を使用することによって第1のアップグレード制御コンポーネントと通信して、第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信することがある。相応して、第1のアップグレード制御コンポーネントは、サーバから第1のアップグレードパッケージを受信する。
【0234】
さらに、第1のアップグレード制御コンポーネントが第1のダウンロードアドレスを使用することによってサーバとの第1のセキュアチャネルを確立するときに、サーバは、第1のセキュアチャネルを通じて、第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信することがある。さらに、第1のダウンロードアドレスは、OTAアップグレードマスタノードによって第1のアップグレード制御コンポーネントに送信されることがあり(詳細については、ステップS406およびステップ407における詳細な説明を参照のこと)、あるいは、サーバによって第1のアップグレード制御コンポーネントに送信されることがある。
【0235】
ステップS410:第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレードパッケージに基づいて、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御して、OTAアップグレードを実行する。
【0236】
具体的には、第1のアップグレード制御コンポーネントが、第1のアップグレードパッケージに基づいてアップグレードパッケージ内の各コンポーネントによって使用されるアップグレードデータをグループ内のコンポーネントに送信し、コンポーネントに指示してアップグレードを実行することなどは、第1のアップグレード制御コンポーネントが第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してアップグレードを実行することである考えられてよい。
【0237】
さらに、第1のアップグレード制御コンポーネントは、(サーバによってOTAアップグレードマスタノードに送信され、次に、OTAアップグレードマスタノードによって第1のアップグレード制御コンポーネントに送信されることがある)ダウンロードポリシーパッケージをサーバから受信することがある。ダウンロードポリシーパッケージは、アップグレード条件およびアップグレードポリシーを含む。第1のアップグレード制御コンポーネントは、アップグレード条件およびアップグレードポリシーに従って、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御して、アップグレード条件が満たされるときにアップグレードポリシーに従ってアップグレードを実行することがある。
【0238】
任意に、第1のアップグレードパッケージがサーバによって署名され、第1のアップグレード制御コンポーネントがサーバの署名を検証することがある。署名の検証が成功したことに応答して、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレードパッケージに基づいて、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御して、OTAアップグレードを実行する。
【0239】
図4に示される実施形態において、サーバは、車両内のコンポーネントグループのためにコンポーネントグループのアップグレードパッケージを生成し、次に、アップグレードパッケージをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。このようにして、各アップグレード制御コンポーネントは、アップグレード制御コンポーネントが属するコンポーネントグループのためのアップグレードパッケージをダウンロードすることがあり、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージは、さらに、同時にダウンロードされることがあるので、アップグレード制御コンポーネントは、同時にアップグレードを実行することがある。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合と比較して、車両のアップグレード効率が改良される。さらに、各コンポーネントは、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両アップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御してアップグレードを実行し、アップグレードを適時に監視し、検出し、且つ命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0240】
この解決策は、自動運転または先進運転支援システム(advanced driving assistance system(先進運転支援システム),ADAS)の能力を改良するためにさらに使用されることがあり、車両のインターネット、例えば、車両対全て(vehicle to everything,V2X)、ロングタームエボリューション(LTE-vehicle,LTE-V)、および車両対車両(vehicle to vehicle,V2V)に適用されることがある。
【0241】
図4に示される前述の方法の実施形態は、多くの可能な実装を含む。以下は、図7図8図9および図10を参照して、例を使用することによって、実装の一部を個別に説明する。なお、図7図8図9および図10で説明されていない関連する概念または動作または論理関係については、図4に示される実施形態中の対応する説明を参照のこと。従って、詳細は、再び説明されない。
【0242】
図7は、本出願の一実施形態による車両アップグレード方法の概略フローチャートである。この方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0243】
ステップS701:OTAアップグレードマスタノードは、車両内のコンポーネントのバージョン情報を取得する。
【0244】
具体的には、OTAアップグレードマスタノードが車両内の複数のコンポーネントのバージョン情報を取得する以下の解決策が特にあることがある。
【0245】
解決策1:OTAアップグレードマスタノードは、バージョン情報を受信し、バージョン情報は、車両内のコンポーネントであり、報告ノードによって送信される。報告ノードは、報告ノードによって収集されるコンポーネントのバージョン情報を、OTAアップグレードマスタノードに報告することがある。例えば、CDCは、コックピットドメイン内の複数のコンポーネント(例えば、マイクロホン、レーダ、スピーカ、およびキーレススタートモジュールのうちの1つ以上)のバージョン情報を収集することがあり、次に、バージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに送信することがある。引き続き、OTAアップグレードマスタノードは、バージョン情報をサーバに送信して、更新される必要があるコンポーネントを決定することがある。
【0246】
解決策2:OTAアップグレードマスタノードは、少なくとも1つのコンポーネントによって送信される少なくとも1つのコンポーネントのバージョン情報を受信することがある。具体的には、車両内のコンポーネントは、定期的または不定期的に、OTAアップグレードマスタノードに、コンポーネントのバージョン情報を送信する(あるいはコンポーネント内に格納される別のコンポーネントのバージョン情報を送信する、あるいは別のコンポーネントのバージョン情報を転送する)ことがある。相応して、OTAアップグレードマスタノードは、少なくとも1つのコンポーネントによって送信される少なくとも1つのコンポーネントのバージョン情報を受信する。任意に、車両内のコンポーネントは、バージョンがアップグレードされるたびに、コンポーネントのバージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに送信することがある。
【0247】
代替的に、OTAアップグレードマスタノードが位置する車両内のコンポーネントのバージョン情報が、OTAアップグレードマスタノードにおいて事前構成されることがあり、あるいは、OTAアップグレードマスタノードは、管理インターフェースを使用することによって車両内のコンポーネントのバージョン情報を照会することがある。
【0248】
ステップS702:OTAアップグレードマスタノードは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。
【0249】
詳細については、ステップS402における関連する説明を参照のこと。
【0250】
ステップS703:OTAアップグレードマスタノードは、第1のメッセージをサーバに送信する。
【0251】
具体的には、第1のメッセージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用され、第1のメッセージは、車両内のグループ情報をさらに含み、グループ情報は、少なくとも2つのコンポーネントグループを示すために使用される。例えば、グループ情報は、表1または表2であることがある。
【0252】
OTAアップグレードマスタノードは、第1のメッセージをサーバに送信すると理解されてよい。相応して、サーバは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報およびグループ情報を取得するために、OTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信することがある。
【0253】
ステップS704:サーバは、グループ情報に基づいて車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。
【0254】
具体的には、サーバは、OTAアップグレードマスタノードから、少なくとも2つのコンポーネントグループを示すグループ情報を受信して、少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。さらに、OTAアップグレードマスタノードは、第1のメッセージを使用して、少なくとも2つのコンポーネントグループを示すグループ情報を伝達する。サーバは、第1のメッセージを受信し、第1のメッセージを構文解析して、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。
【0255】
ステップS705:サーバは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのために第1のアップグレードパッケージを生成する。
【0256】
詳細については、ステップS405における詳細な説明を参照のこと。
【0257】
ステップS706:サーバは、第1のダウンロードアドレスをOTAアップグレードマスタノードに送信する。
【0258】
詳細については、ステップS406における詳細な説明を参照のこと。
【0259】
ステップS707:OTAアップグレードマスタノードは、第1のダウンロードアドレスを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信する。
【0260】
詳細については、ステップS407における詳細な説明を参照のこと。
【0261】
ステップS708:第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のダウンロードアドレスに基づいて、サーバとの第1のセキュアチャネルを確立する。
【0262】
詳細については、ステップS408における詳細な説明を参照のこと。
【0263】
ステップS709:サーバは、第1のセキュアチャネルを通じて、第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信する。
【0264】
具体的には、第1のアップグレード制御コンポーネントが第1のダウンロードアドレスを使用することによってサーバとの第1のセキュアチャネルを確立するとき、サーバは、第1のセキュアチャネルを通じて、第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信することがある。
【0265】
ステップS710:第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレードパッケージに基づいて、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御して、OTAアップグレードを実行する。
【0266】
詳細については、ステップS410における詳細な説明を参照のこと。
【0267】
図7に示される実施形態において、OTAアップグレードマスタノードは、車両内のコンポーネントのグループ情報をサーバに送信することがあるので、サーバは、グループ情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。サーバは、車両内でアップグレードされるべきコンポーネントグループのために、コンポーネントグループのアップグレードパッケージを生成し、次に、アップグレードパッケージをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントに対してアップグレード制御を行う場合と比較して、車両アップグレード効率は改良される。さらに、各コンポーネントは、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両アップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0268】
図8は、本出願の一実施形態による車両アップグレード方法の概略フローチャートである。この方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0269】
ステップS801:第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに送信する。
【0270】
具体的には、車両は、少なくとも2つのコンポーネントグループを含むことがあり、各コンポーネントグループは、1つのアップグレード制御コンポーネントを含む。第1のコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレード制御コンポーネントである。第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を収集し、次に、コンポーネントのバージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに送信することがある。相応して、OTAは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントであり、第1のアップグレード制御コンポーネントによって送信される、バージョン情報を受信する。
【0271】
ステップS802:OTAアップグレードマスタノードは、第1のメッセージをサーバに送信する。
【0272】
具体的には、第1のメッセージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用され、車両の識別子を更に含む。車両の識別子は、車両のVIN、車両のモデル、車両のICCID、車両のSNなどのうちの1つ以上であることがある。
【0273】
OTAアップグレードマスタノードは、第1のメッセージをサーバに送信すると理解されてよい。相応して、サーバは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループのバージョン情報および車両の識別子を取得するために、OTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信することがある。
【0274】
ステップS803:サーバは、車両の識別子に基づいて、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。
【0275】
具体的には、サーバは、車両の識別子に基づいてコンポーネントグループ情報を照会し、照会結果に基づいて車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。車両モデルの車両内のコンポーネントグループは、事前設定または事前定義されることがあるので、サーバは、車両の識別子(例えば、車両の車両識別番号または車両のモデル)に基づいて、コンポーネントグループ情報を照会して、車両内のコンポーネントグループを決定することがある。さらに、コンポーネントグループ情報は、サーバにおいて事前構成されることがあり、あるいはネットワーク側のデバイスにおいて事前構成されることがある。例えば、グループ情報は、(特に分散データベースであることがある)データベースに格納されることがあり、あるいはネットワーク取り付け記憶装置(network attached storage,NAS)デバイスに格納されることがある。
【0276】
ステップS804:サーバは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのために第1のアップグレードパッケージを生成する。
【0277】
詳細については、ステップS405における詳細な説明を参照のこと。
【0278】
ステップS805:サーバは、第1のダウンロードアドレスをOTAアップグレードマスタノードに送信する。
【0279】
詳細については、ステップS406における詳細な説明を参照のこと。
【0280】
ステップS806:OTAアップグレードマスタノードは、第1のダウンロードアドレスを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信する。
【0281】
詳細については、ステップS407における詳細な説明を参照のこと。
【0282】
ステップS807:第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のダウンロードアドレスに基づいて、サーバとの第1のセキュアチャネルを確立する。
【0283】
詳細については、ステップS408における詳細な説明を参照のこと。
【0284】
ステップS808:サーバは、第1のセキュアチャネルを通じて、第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信する。
【0285】
具体的には、第1のアップグレード制御コンポーネントが第1のダウンロードアドレスを使用することによってサーバとの第1のセキュアチャネルを確立するとき、サーバは、第1のセキュアチャネルを通じて、第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信することがある。
【0286】
ステップS809:第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレードパッケージに基づいて、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御して、OTAアップグレードを実行する。
【0287】
詳細については、ステップS410における詳細な説明を参照のこと。
【0288】
図9は、本出願の一実施形態による車両アップグレードシステムおよび車両アップグレード方法の概略フローチャートである。システムは、サーバと、車両とを含む。サーバと車両とを含む車両アップグレードシステムは、車両アップグレード方法を実行するように構成される。この方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0289】
ステップS901:車両は、第1のメッセージをサーバに送信する。
【0290】
具体的には、車両内のOTAアップグレードマスタノードは、第1のメッセージをサーバに送信する。OTAアップグレードマスタノードは、車両内でデータ処理能力およびデータ送受信能力を持つ電子デバイスであり、車両内で独立したコンポーネントであることがあり、あるいはコンポーネントのうちの1つに配備されることがある。
【0291】
第1のメッセージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用される。任意に、第1のメッセージは、車両の識別子および/または車両のグループ情報を更に含み、グループ情報は、少なくとも2つのコンポーネントグループを示すために使用される。詳細については、ステップS403における詳細な説明を参照のこと。
【0292】
車両内のOTAアップグレードマスタノードは、第1のメッセージをサーバに送信すると理解されてよい。相応して、サーバは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループのバージョン情報を取得するために、車両内のOTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信することがある。
【0293】
車両とサーバとの間で情報を送受信するためのデータリンクは、様々なタイプの接続メディアが含むことがあり、具体的には、(光ファイバのような)有線リンク、無線リンク、有線リンクと無線リンクとの組み合わせなどであることがある。
【0294】
ステップS902:サーバは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。
【0295】
詳細については、ステップS404における詳細な説明を参照のこと。
【0296】
ステップS903:サーバは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのために第1のアップグレードパッケージを生成する。
【0297】
詳細については、ステップS405における詳細な説明を参照のこと。
【0298】
任意に、車両アップグレード方法は、ステップS904をさらに含む。詳細は、以下の通りである。
【0299】
ステップS904:サーバは、第1のダウンロードアドレスを車両に送信する。
【0300】
具体的には、サーバは、第1のダウンロードアドレスを車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信する。第1のダウンロードアドレスは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用され、第1のダウンロードアドレスは、ダウンロードポリシーパッケージに明示的に含まれることがある。第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードするために使用され、第1のコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレード制御コンポーネントである。従って、車両内のOTAアップグレードマスタノードは、ダウンロードアドレスを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信することがある。
【0301】
具体的な実装プロセスについては、ステップS406およびステップS407における詳細な説明を参照のこと。
【0302】
任意に、車両アップグレード方法は、ステップS905をさらに含む。詳細は、以下の通りである。
【0303】
ステップS905:車両は、サーバとの第1のセキュアチャネルを確立する。
【0304】
具体的には、車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントは、サーバとの第1のセキュアチャネルを確立する。第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のダウンロードアドレスに基づいて、サーバとの第1のセキュアチャネルを確立する。具体的には、第1のセキュアチャネルは、SSLベースの伝送チャネルまたはTLSベースの伝送チャネルであり、データ伝送のために使用される。セキュアチャネルは、HTTPSセキュアチャネル、TLSセキュアチャネル、DTLSセキュアチャネルなどのうちの1つ以上を含む。
【0305】
例えば、クラウドコンピューティングサーバが、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするためのURLを割り当てることがあり、第1のアップグレード制御コンポーネントは、そのURLに基づいてCDNサーバとのHTTPSセキュアチャネルを確立して、第1のアップグレードパッケージをダウンロードすることがある。
【0306】
S906:サーバは、第1のアップグレードパッケージを車両に送信する。
【0307】
具体的には、サーバは、第1のアップグレードパッケージを車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントに送信する。相応して、車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレードパッケージをサーバからダウンロードする。
【0308】
詳細については、ステップS407における詳細な説明を参照のこと。
【0309】
図9に示される例において、サーバは、車両内のコンポーネントグループのためにコンポーネントグループのアップグレードパッケージを生成し、次に、アップグレードパッケージをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。このようにして、各アップグレード制御コンポーネントは、アップグレード制御コンポーネントが属するコンポーネントグループのためにアップグレードパッケージをダウンロードすることがあり、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージは、同時にさらにダウンロードされることがあるので、アップグレード制御コンポーネントは、同時にアップグレードを実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合と比較して、車両アップグレード効率は改良される。さらに、各コンポーネントは、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両アップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0310】
図10は、本出願の一実施形態による車両アップグレードシステムおよび車両アップグレード方法の概略図である。車両アップグレードシステムは、OTAアップグレードマスタノードと、第1のアップグレード制御コンポーネントとを含み、車両アップグレード方法を実行するように構成される。この方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0311】
ステップS1001:第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに送信する。
【0312】
具体的には、車両が、少なくとも2つのコンポーネントグループを含むことがあり、各コンポーネントグループは、1つのアップグレード制御コンポーネントを含む。第1のコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントが、第1のアップグレード制御コンポーネントである。第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を収集し、次に、コンポーネントのバージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに送信することがある。相応して、OTAは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントであり、第1のアップグレード制御コンポーネントによって送信される、バージョン情報を受信する。
【0313】
ステップS1002:OTAアップグレードマスタノードは、第1のアップグレード制御コンポーネントに、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のダウンロードアドレスを送信する。
【0314】
具体的には、第1のダウンロードアドレスは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用され、第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードするために使用され、第1のコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレード制御コンポーネントである。従って、OTAアップグレードマスタノードは、第1のダウンロードアドレスを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信する。OTAアップグレードマスタノードは、第1のダウンロードアドレスを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信すると理解されてよい。相応して、第1のアップグレード制御コンポーネントは、OTAアップグレードマスタノードから第1のダウンロードアドレスを受信する。さらに、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のダウンロードアドレスに基づいてサーバとのセキュアチャネルを確立し、セキュアチャネルを通じて第1のアップグレードパッケージをダウンロードすることがある。
【0315】
第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためのOTAアップグレードを実行するために使用される。さらに、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御して、OTAアップグレードを実行することがある。具体的には、第1のアップグレード制御コンポーネントが、第1のアップグレードパッケージに基づいて、アップグレードパッケージ内の各コンポーネントによって使用されるアップグレードデータをグループ内のコンポーネントに送信し、コンポーネントに指示してアップグレードを実行させることなどは、第1のアップグレード制御コンポーネントが第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してアップグレードを実行することのように考えられることがある。
【0316】
図10に示される実施形態において、OTAアップグレードマスタノードは、車両内の複数のコンポーネントのバージョン情報を収集する。バージョン情報を使用して、アップグレードされる必要があるコンポーネントを決定し、アップグレードパッケージを生成することがある。ダウンロードアドレスが、アップグレードパッケージに割り当てられ、OTAアップグレードマスタノードは、ダウンロードアドレスをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、対応するアップグレードパッケージをダウンロードして、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。このようにして、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージは、同時にダウンロードされることがあるので、アップグレード制御コンポーネントは、アップグレードを同時に実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合に比較して、車両アップグレード効率が改良される。さらに、各コンポーネントは、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両アップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードの適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0317】
以上は、本出願の実施形態における方法について詳述した。以下は、本出願の実施形態における装置を提供する。
【0318】
図11は、本出願の実施形態実施例による車両アップグレード装置110の構造の概略図である。車両アップグレード装置110は、前述の車両アップグレード方法、例えば、図4図7図8図9または図10に示されるいずれかの実施形態における車両アップグレード方法を実装するように構成される。
【0319】
なお、本出願の装置の実施形態において、複数のユニットやモジュールへの分割は、機能に基づく論理的な分割であるにすぎず、装置の特定の構造を制限することを意図しないことが理解されるべきである。特定の実装において、幾つかの機能モジュールは、より小さな機能モジュールに細分化されることがあり、あるいは、幾つかの機能モジュールは、1つの機能モジュールに結合されることがある。しかしながら、これらの機能モジュールが細分化されているかあるいは結合されているかにかかわらず、車両アップグレード処理において装置110によって実行される手順は、ほぼ同じである。例えば、代替的に、装置110内の受信ユニット1103および送信ユニット1102は結合されて、通信ユニットになることがある。通常、各ユニットは、そのユニットのプログラムコード(すなわち、プログラム命令)に対応する。ユニットに対応するプログラムコードがプロセッサ上で実行されるとき、ユニットは、対応する機能を実装するために対応する手順を実行することが可能にされる。
【0320】
幾つかの可能な実装において、車両アップグレード装置110は、図4図7または図8に示される実施形態におけるサーバ、またはサーバ内のコンポーネント、例えば、チップまたは集積回路であることがある。装置は、処理ユニット1101と、送信ユニット1102とを含む。ユニットは、以下に説明される。
【0321】
処理ユニット1101は、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定するように構成され、その場合、各コンポーネントグループは、OTAアップグレードを実行するためにコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御するように構成される1つのアップグレード制御コンポーネントを含む。
【0322】
処理ユニット1101は、さらに、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成するように構成され、その場合、第1のコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレード制御コンポーネントである。
【0323】
送信ユニット1102は、第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信するように構成され、その場合、第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードするために使用される。さらに、任意に、車両アップグレード装置は、サーバ内に配備されることがある。
【0324】
この出願のこの実施形態において、車両アップグレード装置110は、車両内のコンポーネントグループのためにコンポーネントグループのアップグレードパッケージを生成し、次に、アップグレードパッケージをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントに対してアップグレード制御を実行する場合と比較して、車両のアップグレード効率が向上する。さらに、各コンポーネントを近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードすることができるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0325】
可能な実装において、処理ユニット1101は、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のダウンロードアドレスを割り当てるようにさらに構成される。
送信ユニット1102は、第1のダウンロードアドレスを車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信するようにさらに構成される。
処理ユニット1101は、第1のアップグレード制御コンポーネントと、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1の安全なチャネルを確立するようにさらに構成される。
そして、送信ユニット1101は、第1のセキュアチャネルを通じて第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信するようにさらに構成される。
【0326】
前述は、アップグレードデータパッケージをダウンロードする方法を説明する。車両アップグレード装置110は、第1のアップグレードパッケージにダウンロードアドレスを割り当てることがある。ダウンロードアドレスは、先ず、OTAアップグレードマスタノードに送信され、次、にOTAアップグレードマスタノードは、第1のアップグレードパッケージを必要とする第1のアップグレード制御コンポーネントにダウンロードアドレスを配布して、アップグレードを完了する。ダウンロードアドレスのデータサイズは、通常小さいので、ダウンロードアドレスは、先ず、アップグレードマスタノードに送信され、次に、各グループ内の対応するアップグレード制御コンポーネントに配布される。車両アップグレード装置110が、グループ内のアップグレード制御コンポーネントに直接接続してダウンロードアドレスを送信する場合と比較して、ネットワークリソースのオーバーヘッドを低減することができ、複雑さを低減することができ、アップグレード効率を向上させることができる。
【0327】
別の可能な実装において、第1のセキュアチャネルは、少なくとも、ハイパーテキスト転送プロトコルセキュアHTTPSセキュアチャネル、トランスポートレイヤーセキュリティTLSセキュアチャネル、またはデータグラムトランスポートレイヤーセキュリティDTLSセキュアチャネルを含む。
【0328】
別の可能な実装において、装置は、受信ユニット1103をさらに含み、受信ユニット1103は、受信ユニットを使用することによってOTAアップグレードマスタノードから、少なくとも2つのコンポーネントグループを示すグループ情報を受信するように構成される。
【0329】
前述の実装は、複数のコンポーネントグループを決定する方法を説明する。OTAアップグレードマスタノードは、車両内のコンポーネントのグループ情報を車両アップグレード装置110に送信することがあるので、車両アップグレード装置110は、グループ情報に基づいて少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。さらに、少なくとも2つのコンポーネントグループは、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、OTAアップグレードマスタノードによって決定されることがある。
【0330】
別の可能な実装において、処理ユニット1101は、車両の識別子に基づいて、車両アップグレード装置110内に事前構成されるコンポーネントグループ情報を照会し、照会結果に基づいて、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する、ようにさらに構成される。
【0331】
前述の実装は、複数のコンポーネントグループを決定する別の方法を説明する。車両アップグレード装置110は、車両の識別子に基づいてグループ情報を照会することがある。特定のモデルの車両のコンポーネントグループ情報は、事前構成または事前定義されることがあるので、車両アップグレード装置110は、車両の識別子(例えば、車両の車両識別番号または車両のモデル)に基づいて、コンポーネントグループ情報を照会して、車両のコンポーネントグループを決定することがある。
【0332】
別の可能な実装において、受信ユニット1103は、OTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信するようにさらに構成され、その場合、第1のメッセージは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントを示すバージョン情報を含む。
そして、処理ユニット1101は、少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成するようにさらに構成される。
【0333】
車両アップグレード装置110は、コンポーネントのバージョン情報に基づいて、第1のアップグレードパッケージを決定することがわかる。さらに、車両アップグレード装置110は、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、そのバージョンをアップグレードする必要があるコンポーネントが第1のコンポーネントグループ内に存在すると決定して、アップグレードデータをパッケージにして、第1のアップグレードパッケージを取得することがある。
【0334】
なお、各ユニットの実装については、図4図7または図8に示される実施形態における対応する説明を参照する。
【0335】
幾つかの可能な実装において、車両アップグレード装置110は、図4図7または図8に示される実施形態におけるOTAアップグレードマスタノード、またはOTAアップグレードマスタノード内のコンポーネント、例えば、チップまたは集積回路であることがある。装置110は、送信ユニット1102と、受信ユニット1103とを含むことがある。ユニットは、以下の通り説明される。
【0336】
送信ユニット1102は、第1のメッセージをサーバに送信するように構成され、その場合、第1のメッセージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用される。
【0337】
受信ユニット1103は、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用され、サーバによって送信される、第1のダウンロードアドレスを受信するように構成され、その場合、第1のアップグレードパッケージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループをアップグレードするために使用され、第1のコンポーネントグループは、OTAアップグレードを実行するために第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御するように構成される第1のアップグレード制御コンポーネントを含む。
【0338】
送信ユニット1102は、第1のダウンロードアドレスを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信するようにさらに構成される。さらに、車両アップグレード装置110は、車両内に配備されることがある。
【0339】
この出願のこの実施形態において、車両アップグレード装置110は、車両内のコンポーネントのバージョン情報をサーバに報告し、サーバは、バージョン情報に基づいて、アップグレードが必要とされるコンポーネントを決定し、アップグレードパッケージを生成することがある。ダウンロードアドレスが、アップグレードパッケージには割り当てられ、車両アップグレード装置110は、ダウンロードアドレスをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、対応するアップグレードパッケージをダウンロードして、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。このようにして、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージが、同時にダウンロードされることがあるので、アップグレード制御コンポーネントは、アップグレードを同時に実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合と比較して、車両のアップグレード効率が向上する。さらに、各コンポーネントを近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードすることができるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0340】
可能な実装において、第1のダウンロードアドレスは、具体的には、ダウンロードポリシーパッケージに含まれ、ダウンロードポリシーパッケージは、ダウンロードポリシー、アップグレード条件、アップグレードポリシー、または第1のダウンロードアドレスの有効時間のうちの1つ以上をさらに含む。ダウンロードポリシーは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするためのルールを定義し、アップグレード条件は、第1のアップグレードパッケージを使用することによってアップグレードを実行するための条件を示し、アップグレードポリシーは、第1のアップグレードパッケージに基づいてアップグレードを実行するためのルールを定義する。
【0341】
別の実装において、第1のメッセージは、少なくとも2つのコンポーネントグループのグループ情報を示すためにさらに使用される。
【0342】
車両アップグレード装置110は、車両内のコンポーネントのグループ情報をサーバに送信することがあるので、サーバは、グループ情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。さらに、グループ情報は、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、車両アップグレード装置110によって決定されることがある。
【0343】
別の可能な実装において、受信ユニット1103は、車両内の少なくとも1つのコンポーネントであり、報告ノードによって送信される、バージョン情報を受信するようにさらに構成される。
【0344】
報告ノードは、車両内のドメインコントローラ、ゲートウェイ、分散ゲートウェイ、車両統合ユニットなどであることがある。報告ノードは、車両アップグレード装置110に、報告ノードによって収集されるコンポーネントのバージョン情報を報告することがある。例えば、コックピットドメインコントローラ(Cockpit Domain Controller,CDC)が、コックピットドメイン内の複数のコンポーネント(例えば、マイクロホン、レーダ、スピーカ、およびキーレススタートモジュールのうちの1つ以上)のバージョン情報を収集することがあり、次に、バージョン情報を車両アップグレード装置110に送信することがある。引き続き、車両アップグレード装置110は、バージョン情報をサーバに送信して、更新が必要とされるコンポーネントを決定することがある。
【0345】
別の可能な実装において、装置は、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定するように構成される処理ユニット1101をさらに含む。
【0346】
さらに、少なくとも2つのコンポーネントグループは、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、車両アップグレード装置110によって決定されることがある。例えば、車両アップグレード装置110は、1つの領域内に機能を持つ複数のコンポーネントを1つのコンポーネントグループにグループ化し、次に、そのコンポーネントグループ内で集中演算能力を持つ制御コンポーネント(例えば、ドメインコントローラDCおよび車両統合ユニットVIU)の負荷状態に基づいて、制御コンポーネントをアップグレード制御コンポーネントとして設定するかどうかを決定することがある。別の例として、アップグレード制御コンポーネントは、先ず、各コンポーネントの構成に基づいて決定されることがあり、次に、アップグレード制御コンポーネントに近いコンポーネントが、コンポーネントグループとして使用される。具体的には、例えば、アップグレード制御コンポーネントは、セキュリティ証明書に基づいて、サーバとのセキュアなチャネルを確立することを必要とする。この場合には、セキュリティ証明書が配備されるコンポーネントのみが、アップグレード制御コンポーネントとして決定される資格がある。別の例として、アップグレード制御コンポーネントは、サーバへの接続を確立することを必要とする。従って、現在のノードの負荷が比較的高いならば、現在のノードは、アップグレード制御コンポーネントとして決定されるのに適さない。
【0347】
別の可能な実装において、受信ユニット1103は、第1のアップグレード制御コンポーネントから第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を受信するようにさらに構成される。
【0348】
第1のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントのバージョン情報を収集し、バージョン情報を車両アップグレード装置110に送信する場合があることがわかる。引き続き、車両アップグレード装置110は、バージョン情報をサーバに送信して、更新されることを必要とするコンポーネントを決定することがある。
【0349】
別の可能な実装において、第1のアップグレード制御コンポーネントは、ドメインコントローラDCまたは車両統合ユニットVIUである。
【0350】
別の可能な実装では、第1のアップグレード制御コンポーネントの負荷が、第1の閾値以下である。
且つ/或いは、セキュリティ証明書が、第1のアップグレード制御コンポーネント内に配備される。
【0351】
なお、各ユニットの実装については、図4図7または図8に示される実施形態における対応する説明を参照する。
【0352】
幾つかの可能な実装において、車両アップグレード装置110は、図4図7または図8に示される実施形態における第1のアップグレード制御コンポーネント、または第1のアップグレード制御コンポーネント内のモジュール、例えば、チップまたは集積回路であることがある。装置110は、処理ユニット1101と、受信ユニット1103とを含むことがある。ユニットは、以下の通り説明される。
【0353】
受信ユニット1103は、サーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信するように構成され、その場合、第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためにOTAアップグレードを実行するために使用される。
【0354】
処理ユニット1101は、第1のアップグレードパッケージに基づいて、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御して、OTAアップグレードを実行するように構成される。さらに、車両アップグレード装置110は、車両内で使用され、車両アップグレード装置110は、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御して、OTAアップグレードを実行するように構成され、第1のコンポーネントグループは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループのうちの1つである。
【0355】
この出願のこの実施形態において、サーバは、車両内のコンポーネントグループのための第1のコンポーネントグループの第1のアップグレードパッケージを生成し、次に、第1のアップグレードパッケージを車両アップグレード装置110に送信するので、車両アップグレード装置110は、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。このようにして、各グループ内の車両のアップグレード装置110が、車両アップグレード装置が属するコンポーネントグループのためのアップグレードパッケージをダウンロードすることがあり、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージが、さらに同時にダウンロードされることがあるので、全てのグループ内の車両アップグレード装置110は、アップグレードを同時に実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合と比較して、車両のアップグレード効率が向上する。さらに、各コンポーネントをグループ内の近くの車両アップグレード装置110によってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内の車両アップグレード装置110は、グループ内のコンポーネントを制御してアップグレードを実行し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0356】
可能な実装において、装置は、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信するように構成される送信ユニット1102をさらに含む。
【0357】
車両アップグレード装置110は、グループ内のコンポーネントのバージョン情報を収集し、バージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに送信する場合があることがわかる。引き続き、OTAアップグレードマスタノードは、バージョン情報をサーバに送信して、更新される必要があるコンポーネントを決定することがある。
【0358】
別の可能な実装において、受信ユニット1103は、OTAアップグレードマスタノードによって送信され、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用される、第1のダウンロードアドレスを受信するようにさらに構成される。
処理ユニット1101は、第1のダウンロードアドレスに基づいて、サーバとの第1のセキュアチャネルを確立するようにさらに構成され、その場合、第1のセキュアチャネルは、第1のアップグレードパッケージがダウンロードするために使用される。
そして、受信ユニット1103は、第1のセキュアチャネルを通じて、サーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信するようにさらに構成される。
【0359】
前述は、アップグレードデータパッケージをダウンロードする方法を説明する。OTAアップグレードマスタノードは、第1のアップグレードパッケージを必要とする車両アップグレード装置110にダウンロードアドレスを配布して、アップグレードを完了する。ダウンロードアドレスのデータサイズは、通常小さいので、ダウンロードアドレスは、先ず、アップグレードマスタノードに送信され、次に、各グループ内の対応する車両アップグレード装置110に配布される。サーバがグループ内の車両アップグレード装置110への接続を直接確立してダウンロードアドレスを送信する場合と比較して、ネットワークリソースのオーバーヘッドを軽減することができ、複雑さを軽減することができ、アップグレード効率を向上させることができる。
【0360】
別の可能な実装において、第1のアップグレードパッケージは、サーバによって署名され、処理ユニット1101は、第1のアップグレードパッケージの署名を検証するようにさらに構成される。
【0361】
処理ユニット1101は、署名に対する検証が成功したことに応答して、第1のアップグレードパッケージに基づいて、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御して、OTAアップグレードを実行するようにさらに構成される。
【0362】
アップグレードの前に、アップグレード制御装置は、信頼されていないサーバへの接続を確立することを回避するために、署名に基づいてデータパッケージのソースを先ず検証し、それによって、車両アップグレードプロセスにおけるセキュリティを向上させることがわかる。
【0363】
なお、各ユニットの実装については、図4図7または図8に示される実施形態における対応する説明を参照する。
【0364】
図12は、本出願の一実施形態による車両120の構造の概略図である。車両120は、図9に示される実施形態における車両であることがある。車両120は、OTAアップグレードマスタノード1201と、第1のアップグレード制御コンポーネント1202とを含む。
【0365】
車両内のOTAアップグレードマスタノード1201は、第1のメッセージをサーバに送信するように構成され、その場合、第1のメッセージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用される。
【0366】
車両内の第1のアップグレード制御コンポーネント1202は、サーバから第1のアップグレードパッケージをダウンロードするように構成され、その場合、第1のアップグレードパッケージは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループをアップグレードするために使用され、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御して、OTAアップグレードを実行するように構成される。
【0367】
この出願のこの実施形態において、サーバは、車両内のコンポーネントグループのためにコンポーネントグループのアップグレードパッケージを生成し、次に、アップグレードパッケージをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。このようにして、各アップグレード制御コンポーネントは、アップグレード制御コンポーネントが属するコンポーネントグループのためのアップグレードパッケージをダウンロードし、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージは、同時にさらにダウンロードされることがあるので、アップグレード制御コンポーネントは、アップグレードを同時に実行することがある。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合と比較して、車両のアップグレード効率が向上する。さらに、各コンポーネントを近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードすることができるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0368】
可能な実装において、車両内のOTAアップグレードマスタノード1201は、
第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用され、サーバによって送信される、第1のダウンロードアドレスを受信するようにさらに構成され、ここで、第1のアップグレードパッケージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループをアップグレードするために使用され、第1のコンポーネントグループは、OTAアップグレードを実行するために第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御するように構成される第1のアップグレード制御コンポーネントを含み、且つ
第1のダウンロードアドレスを車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントに送信するように更に構成される。
【0369】
可能な実装において、車両内の第1のアップグレード制御コンポーネント1202は、
OTAアップグレードマスタノードから送信され、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用される、第1のダウンロードアドレスを受信し、
第1のダウンロードアドレスに基づいて、サーバとの第1のセキュアチャネルを確立し、且つ、
第1のセキュアチャネルを通じて、サーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信する、
ようにさらに構成される。
【0370】
前述は、アップグレードデータパッケージをダウンロードする方法を説明する。OTAアップグレードマスタノードは、アップグレードを完了するために第1のアップグレードパッケージを必要とする第1のアップグレード制御コンポーネントにダウンロードアドレスを配布する。ダウンロードアドレスのデータサイズは、通常小さいので、ダウンロードアドレスは、先ず、アップグレードマスタノードに送信され、次に、各グループ内の対応するアップグレード制御コンポーネントに配布される。サーバがグループ内の車両アップグレード装置110への接続を直接確立してダウンロードアドレスを送信する場合と比較して、ネットワークリソースのオーバーヘッドを軽減することができ、複雑さを軽減することができ、アップグレード効率を向上させることができる。
【0371】
別の可能な実装において、第1のダウンロードアドレスは、ダウンロードポリシーパッケージに具体的に含まれ、ダウンロードポリシーパッケージは、ダウンロードポリシー、アップグレード条件、アップグレードポリシー、または第1のダウンロードアドレスの有効時間のうちの1つ以上をさらに含む。ダウンロードポリシーは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするためのルールを定義し、アップグレード条件は、第1のアップグレードパッケージを使用することによってアップグレードを実行するための条件を示し、アップグレードポリシーは、第1のアップグレードパッケージに基づいてアップグレードを実行するためのルールを定義する。
【0372】
別の可能な実装において、第1のメッセージは、少なくとも2つのコンポーネントグループのグループ情報を示すためにさらに使用される。
【0373】
OTAアップグレードマスタノードは、車両内のコンポーネントのグループ情報をサーバに送信することがあるので、サーバは、グループ情報に基づいて少なくとも2つのコンポーネントグループを決定することがわかる。さらに、グループ情報は、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、OTAアップグレードマスタノードによって決定されることがある。
【0374】
別の可能な実装において、車両内のOTAアップグレードマスタノード1201は、
第1のアップグレード制御コンポーネントから第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を受信する、
ようにさらに構成される。
【0375】
第1のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントのバージョン情報を収集し、バージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに送信することがあることがわかる。引き続き、OTAアップグレードマスタノードは、バージョン情報をサーバに送信して、更新される必要があるコンポーネントを決定することがある。
【0376】
別の可能な実装において、第1のアップグレードパッケージは、サーバによって署名され、車両内の第1のアップグレード制御コンポーネント1202は、
第1のアップグレードパッケージの署名を確認し、且つ、
署名に対する検証が成功したことに応じて、第1のアップグレードパッケージに基づいて、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御して、OTAアップグレードを実行する、
ようにさらに構成される。
【0377】
アップグレード前に、アップグレード制御コンポーネントは、先ず、署名に基づいて、データパッケージのソースを検証して、信頼されていないサーバへの接続を確立することを回避し、それによって、車両アップグレードプロセスにおけるセキュリティを向上させることがわかる。
【0378】
なお、各ユニットの実装については、図9に示される実施形態における対応する説明を参照する。
【0379】
図11に示されるように、車両アップグレード装置110は、図9に示される実施形態におけるサーバであることがあり、或いは、サーバ内のモジュール、例えば、チップまたは集積回路であることがある。装置110は、処理ユニット1101と、送信ユニット1102と、受信ユニット1103とを含むことがある。ユニットは、以下の通り説明される。
【0380】
受信ユニット1103は、車両内のOTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信するように構成され、その場合、第1のメッセージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用され、少なくとも2つのコンポーネントグループの各々は、コンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される1つのアップグレード制御コンポーネントを含む。
【0381】
処理ユニット1101は、少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成するように構成される。
【0382】
送信ユニット1102は、第1のアップグレードパッケージを車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントに送信するように構成され、その場合、第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためにOTAアップグレードを実行するために使用され、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される。さらに、任意で、車両アップグレード装置110は、サーバ内に配備されることがある。
【0383】
この出願のこの実施形態において、車両アップグレード装置110は、車両内のコンポーネントグループのためにコンポーネントグループのアップグレードパッケージを生成し、次に、コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントにアップグレードパッケージを配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントに対するアップグレード制御を行う場合と比較して、車両のアップグレード効率が向上する。さらに、各コンポーネントを近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードすることができるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0384】
可能な実装において、処理ユニット1101は、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のダウンロードアドレスを割り当てるようにさらに構成される。
送信ユニット1102は、車両内のOTAアップグレードマスタノードに第1のダウンロードアドレスを送信するようにさらに構成される。
処理ユニット1102は、車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントと、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のセキュアチャネルを確立するようにさらに構成される。
そして、送信ユニット1102は、第1のセキュアチャネルを通じて第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信するようにさらに構成される。
【0385】
前述は、アップグレードデータパッケージをダウンロードする方法を説明する。車両アップグレード装置110は、ダウンロードアドレスを第1のアップグレードパッケージに割り当てることがある。ダウンロードアドレスは、先ず、OTAアップグレードマスタノードに送信され、次に、OTAアップグレードマスタノードは、第1のアップグレードパッケージを必要とする第1のアップグレード制御コンポーネントにダウンロードアドレスを配布して、アップグレードを完了する。ダウンロードアドレスのデータサイズは通常小さいので、ダウンロードアドレスは、先ず、アップグレードマスタノードに送信され、次に、各グループ内の対応するアップグレード制御コンポーネントに配布される。車両のアップグレード装置110がグループ内のアップグレード制御コンポーネントへの接続を直接確立してダウンロードアドレスを送信する場合と比較して、ネットワークリソースのオーバーヘッドを削減することができ、複雑さを軽減することができ、アップグレード効率を向上させることができる。
【0386】
別の可能な実装において、第1のセキュアチャネルは、少なくとも、ハイパーテキスト転送プロトコルセキュアHTTPSセキュアチャネル、トランスポートレイヤーセキュリティTLSセキュアチャネル、またはデータグラムトランスポートレイヤーセキュリティDTLSセキュアチャネルを含む。
【0387】
別の可能な実装において、受信ユニット1103は、受信ユニットを使用することによってOTAアップグレードマスタノードから、少なくとも2つのコンポーネントグループを示すグループ情報を受信するようにさらに構成される。
【0388】
前述の実装は、複数のコンポーネントグループを決定する方法を説明する。OTAアップグレードマスタノードは、車両内のコンポーネントのグループ情報を車両アップグレード装置110に送信することがあるので、車両アップグレード装置110は、グループ情報に基づいて少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。さらに、少なくとも2つのコンポーネントグループは、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、OTAアップグレードマスタノードによって決定されることがある。
【0389】
別の可能な実装において、処理ユニット1101は、車両の識別子に基づいて、車両アップグレード装置110において事前構成されたコンポーネントグループ情報を照会し、照会結果に基づいて、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する、ようにさらに構成される。
【0390】
前述の実装は、複数のコンポーネントグループを決定する別の方法を説明する。車両アップグレード装置110は、車両の識別子に基づいてグループ情報を照会することがある。特定のモデルの車両のコンポーネントグループ情報は、事前構成または事前定義されることがあるので、車両アップグレード装置110は、車両の識別子(例えば、車両の車両識別番号または車両のモデル)に基づいてコンポーネントグループ情報を照会して、車両のコンポーネントグループを決定することがある。
【0391】
別の可能な実装において、受信ユニット1103は、OTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信するようにさらに構成され、その場合、第1のメッセージは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントを示すバージョン情報が含む。
そして、処理ユニット1101は、少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのために第1のアップグレードパッケージを生成するようにさらに構成される。
【0392】
車両アップグレード装置110は、コンポーネントのバージョン情報に基づいて第1のアップグレードパッケージを決定することがわかる。さらに、車両アップグレード装置110は、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、バージョンをアップグレードする必要があるコンポーネントが第1のコンポーネントグループ内に存在することを決定して、アップグレードデータをパッケージにして第1のアップグレードパッケージを取得することがある。
【0393】
なお、各ユニットの実装については、図9に示される実施形態における対応する説明を参照する。
【0394】
図11に示されるように、車両アップグレード装置110は、図10に示される実施形態におけるOTAアップグレードマスタノード、またはOTAアップグレードマスタノード内のモジュール、例えば、チップまたは集積回路であることがある。装置110は、処理ユニット1101と、送信ユニット1102と、受信ユニット1103とを含むことがある。ユニットは、以下の通り説明される。
【0395】
受信ユニット1103は、第1のアップグレード制御コンポーネントから第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を受信するように構成され、その場合、第1のコンポーネントグループは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループのうちの1つであり、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される。
【0396】
処理ユニット1101は、少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのために第1のアップグレードパッケージを生成するように構成され、その場合には、第1のコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントが、第1のアップグレード制御コンポーネントである。
【0397】
送信ユニット1102は、第1のアップグレード制御コンポーネントに、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のダウンロードアドレスを送信するように構成され、その場合、第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためにOTAアップグレードを実行するように使用される。さらに、車両アップグレード装置110は、車両内に配備される。
【0398】
この出願のこの実施形態において、車両アップグレード装置110は、車両内の複数のコンポーネントのバージョン情報を収集する。バージョン情報は、アップグレードされる必要があるコンポーネントを決定し、アップグレードパッケージを生成するように使用されることがある。ダウンロードアドレスがアップグレードパッケージには割り当てられ、車両アップグレード装置110は、コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントにダウンロードアドレスを配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、対応するアップグレードパッケージをダウンロードして、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。このようにして、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージが同時にダウンロードされることがあるので、アップグレード制御コンポーネントはアップグレードを同時に実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントを近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードすることができるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0399】
可能な実装において、第1のダウンロードアドレスは、具体的には、ダウンロードポリシーパッケージ内に含まれ、ダウンロードポリシーパッケージは、ダウンロードポリシー、アップグレード条件、アップグレードポリシー、または第1のダウンロードアドレスの有効時間のうちの1つ以上をさらに含む。ダウンロードポリシーは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするためのルールを定義し、アップグレード条件は、第1のアップグレードパッケージを使用することによってアップグレードを実行するための条件を示し、アップグレードポリシーは、第1のアップグレードパッケージに基づいてアップグレードを実行するためのルールを定義する。
【0400】
別の実装において、第1のアップグレード制御コンポーネントは、ドメインコントローラDCまたは車両統合ユニットVIUである。
【0401】
別の実装において、第1のアップグレード制御コンポーネントの負荷は、第1の閾値以下である。
且つ/或いは、セキュリティ証明書は、第1のアップグレード制御コンポーネント内に配備される。
【0402】
なお、各ユニットの実装については、図10に示される実施形態における対応する説明を参照する。
【0403】
図11に示されるように、車両アップグレード装置110は、図10に示される実施形態における第1のアップグレード制御コンポーネント、または第1のアップグレード制御コンポーネント内のモジュール、例えば、チップまたは集積回路であることがある。装置110は、送信ユニット1102と、受信ユニット1103とを含むことがある。ユニットは、以下の通り説明される。
【0404】
送信ユニット1102は、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信するように構成される。
【0405】
受信ユニット1103は、OTAアップグレードマスタノードによって送信され、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用される、第1のダウンロードアドレスを受信するように構成され、その場合、第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためにOTAアップグレードを実行するために使用される。
【0406】
この出願のこの実施形態において、車両アップグレード装置110は、OTAアップグレードマスタノードからダウンロードアドレスを受信し、ダウンロードアドレスに基づいて、車両アップグレード装置が属するコンポーネントグループのためのアップグレードパッケージをダウンロードし、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージは、をさらに同時にダウンロードされることがあるので、全てのグループ内の車両アップグレード装置110は、アップグレードを同時に実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、グループ内の近くの車両アップグレード装置110によってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内の車両アップグレード装置110は、グループ内のコンポーネントを制御してアップグレードを実行し、アップグレードを適時に監視、検知、および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することでき、車両の安定性を向上させることができる。
【0407】
なお、各ユニットの実装については、図10に示される実施形態における対応する説明を参照する。
【0408】
図13は、本出願の実施形態による車両アップグレード装置130の構造の概略図である。装置130は、少なくとも1つのメモリ1301と、少なくとも1つのプロセッサ1302とを含むことがある。任意に、バス1303がさらに含まれることがある。さらに、任意に、通信インターフェース1304が含まれることがある。メモリ1301、プロセッサ1302、および通信インターフェース1304は、バス1303を使用することによって接続される。
【0409】
メモリ1301は、記憶空間を提供するように構成され、記憶空間は、オペレーティングシステムおよびコンピュータプログラムのようなデータを格納することがある。メモリ1301は、ランダムアクセスメモリ(random access memory,RAM)、読出し専用メモリ(read-only memory,ROM)、消去可能なプログラマブル読出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory,EPROM)、コンパクトディスク読出し専用メモリ(compact disc read-only memory,CD-ROM)などのうちの1つまたは組み合わせであることがある。
【0410】
プロセッサ1302は、算術演算および/または論理演算を実行するモジュールであり、具体的には、中央処理装置(central processing unit,CPU)、グラフィックス処理装置(graphics processing unit,GPU)、マイクロプロセッサユニット(microprocessor unit,MPU)、特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit,ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array,FPGA)、複合プログラマブルロジックデバイス(Complex programmable logic device,CPLD)のような処理モジュールのうちの1つまたは組み合わせであることがある。
【0411】
通信インターフェース1304は、外部から送信されたデータを受信し且つ/或いは外部にデータを送信するように構成され、イーサネットケーブルのような有線リンクのインターフェースであることがあり、無線リンク(Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、一般無線伝送など)のインターフェースであることがある。任意に、通信インターフェース1304は、インターフェースに結合された送信機(例えば、無線周波数送信機またはアンテナ)、受信機などをさらに含むことがある。
【0412】
装置130内のプロセッサ1302は、メモリ1301に格納されるコンピュータプログラムを読み取って、前述の車両アップグレード方法、例えば、図2図7図8図9、または図10に示されるいずれかの実施形態で説明される車両アップグレード方法を実行するように構成される。
【0413】
幾つかの可能な実装において、車両アップグレード装置130は、図4図7、または図8に示される実施形態におけるサーバ、またはサーバ内のモジュール、例えば、チップまたは集積回路であることがある。装置130内のプロセッサ1302は、メモリ1301に格納されるコンピュータプログラムを読み取って、以下の動作を実行するように構成される。
車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定することであって、各コンポーネントグループは、コンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される1つのアップグレード制御コンポーネントを含む、決定すること、
少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成することであって、第1のコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレード制御コンポーネントである、生成すること、および、
通信インターフェース1304を通じて第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信することであって、第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードするために使用される、送信すること。
さらに、任意に、車両アップグレード装置130は、サーバ内に配備されることがある。
【0414】
この出願のこの実施形態において、車両アップグレード装置130は、車両内のコンポーネントグループのためにコンポーネントグループのアップグレードパッケージを生成し、次に、アップグレードパッケージをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントに対してアップグレード制御を行う場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0415】
可能な実装において、プロセッサ1302は、
第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のダウンロードアドレスを割り当て、
通信インターフェース1304を通じて第1のダウンロードアドレスを車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信し、
通信インターフェース1304を通じて第1のアップグレード制御コンポーネントと、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のセキュアチャネルを確立し、
そして、通信インターフェース1304を使用することによって第1のセキュアチャネルを通じて第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信する、
ようにさらに構成される。
【0416】
前述は、アップグレードデータパッケージをダウンロードする方法を説明する。車両アップグレード装置130は、ダウンロードアドレスを第1のアップグレードパッケージに割り当てることがある。ダウンロードアドレスは、先ず、OTAアップグレードマスタノードに送信されることがあり、次に、OTAアップグレードマスタノードは、第1のアップグレードパッケージを必要とする第1のアップグレード制御コンポーネントにダウンロードアドレスを配布してアップグレードを完了する。ダウンロードアドレスのデータサイズは通常小さいので、ダウンロードアドレスは、先ず、アップグレードマスタノードに送信され、次に、各グループ内の対応するアップグレード制御コンポーネントに配布される。車両アップグレード装置130がグループ内のアップグレード制御コンポーネントへの接続を直接確立してダウンロードアドレスを送信する場合と比較して、ネットワークリソースのオーバーヘッドを削減することができ、複雑さを軽減することができ、アップグレード効率を向上させることができる。
【0417】
別の可能な実装において、第1のセキュアチャネルは、少なくとも、ハイパーテキスト転送プロトコルセキュアHTTPSセキュアチャネル、トランスポートレイヤーセキュリティTLSセキュアチャネル、またはデータグラムトランスポートレイヤーセキュリティDTLSセキュアチャネルを含む。
【0418】
別の可能な実装において、プロセッサ1302は、通信インターフェース1304を通じてOTAアップグレードマスタノードから、少なくとも2つのコンポーネントグループを示すグループ情報を受信するようにさらに構成される。
【0419】
前述の実装は、複数のコンポーネントグループを決定する方法を説明する。OTAアップグレードマスタノードは、車両内のコンポーネントのグループ情報を車両アップグレード装置130に送信することがあるので、車両アップグレード装置130は、グループ情報に基づいて少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。さらに、少なくとも2つのコンポーネントグループは、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、OTAアップグレードマスタノードによって決定されることがある。
【0420】
別の可能な実装において、プロセッサ1302は、車両の識別子に基づいて、車両アップグレード装置130において事前構成されるコンポーネントグループ情報を照会し、照会結果に基づいて、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する、ようにさらに構成される。
【0421】
前述の実装は、複数のコンポーネントグループを決定する別の方法を説明する。車両アップグレード装置130は、車両の識別子に基づいてグループ情報を照会することがある。特定のモデルの車両のコンポーネントグループ情報は、事前構成または事前定義されることがあるので、車両アップグレード装置130は、車両の識別子(例えば、車両の車両識別番号または車両のモデル)に基づいてコンポーネントグループ情報を照会して、車両のコンポーネントグループを決定することがある。
【0422】
別の可能な実装において、プロセッサ1302は、通信インターフェース1304を通じてOTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信するようにさらに構成され、その場合、第1のメッセージは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントを示すバージョン情報を含む。
そして、プロセッサ1302は、少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成するようにさらに構成される。
【0423】
車両アップグレード装置130は、コンポーネントのバージョン情報に基づいて第1のアップグレードパッケージを決定することがわかる。さらに、車両アップグレード装置130は、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、バージョンをアップグレードする必要があるコンポーネントが第1のコンポーネントグループ内に存在することを決定して、アップグレードデータをパッケージにして第1のアップグレードパッケージを取得することがある。
【0424】
なお、各ユニットの実装については、図4図7または図8に示される実施形態における対応する説明を参照する。
【0425】
幾つかの可能な実装において、車両アップグレード装置130は、図4図7または図8に示される実施形態におけるOTAアップグレードマスタノード、またはアップグレードノード内のモジュール、例えば、チップまたは集積回路であることがある。装置130内のプロセッサ1302は、メモリ1301に格納されるコンピュータプログラムを読み取って、以下の動作、すなわち、
通信インターフェース1304を通じてサーバに第1のメッセージを送信することであって、第1のメッセージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用される、送信すること、
第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用され、サーバによって送信される、第1のダウンロードアドレスを、通信インターフェース1304を通じて受信することであって、第1のアップグレードパッケージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループをアップグレードするために使用され、第1のコンポーネントグループは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するためにするように構成される第1のアップグレード制御コンポーネントを含む、受信すること、および、
通信インターフェース1304を通じて第1のダウンロードアドレスを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信すること
を実行するように構成される。
さらに、車両アップグレード装置130は、車両内に配備されることがある。
【0426】
この出願のこの実施形態において、車両アップグレード装置130は、車両内のコンポーネントのバージョン情報をサーバに報告し、サーバは、バージョン情報に基づいて、アップグレードされる必要があるコンポーネントを決定し、アップグレードパッケージを生成することがある。ダウンロードアドレスが、アップグレードパッケージには割り当てられ、車両アップグレード装置130は、ダウンロードアドレスをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、対応するアップグレードパッケージをダウンロードして、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。このようにして、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージが、同時にダウンロードされることがあるので、アップグレード制御コンポーネントは、アップグレードを同時に実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントを近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードすることができるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0427】
可能な実装において、第1のダウンロードアドレスは、具体的には、ダウンロードポリシーパッケージ内に含まれ、ダウンロードポリシーパッケージは、ダウンロードポリシー、アップグレード条件、アップグレードポリシー、または第1のダウンロードアドレスの有効時間のうちの1つ以上をさらに含む。ダウンロードポリシーは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするためのルールを定義し、アップグレード条件は、第1のアップグレードパッケージを使用することによってアップグレードを実行するための条件を示し、アップグレードポリシーは、第1のアップグレードパッケージに基づいてアップグレードを実行するためのルールを定義する。
【0428】
別の実装において、第1のメッセージは、少なくとも2つのコンポーネントグループのグループ情報を示すためにさらに使用される。
【0429】
車両アップグレード装置130は、車両内のコンポーネントのグループ情報をサーバに送信することがあるので、サーバは、グループ情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループを決定することがわかる。さらに、グループ情報は、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、車両アップグレード装置130によって決定されることがある。
【0430】
別の可能な実装において、プロセッサ1302は、通信インターフェース1304を通じて、車両内の少なくとも1つのコンポーネントであり、報告ノードによって送信される、バージョン情報を受信するようにさらに構成される。
【0431】
報告ノードは、車両内のドメインコントローラ、ゲートウェイ、分散ゲートウェイ、車両統合ユニットなどであることがある。報告ノードは、車両アップグレード装置130に、報告ノードによって収集されるコンポーネントのバージョン情報を報告することがある。例えば、コックピットドメインコントローラ(Cockpit Domain Controller,CDC)が、コックピットドメイン内の複数のコンポーネント(例えば、マイクロホン、レーダ、スピーカ、およびキーレススタートモジュールのうちの1つ以上)のバージョン情報を収集することがあり、次に、バージョン情報を車両アップグレード装置130に送信することがある。引き続き、車両アップグレード装置130は、バージョン情報をサーバに送信して、更新される必要があるコンポーネントを決定することがある。
【0432】
別の可能な実装において、プロセッサ1302は、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定するようにさらに構成される。
【0433】
さらに、少なくとも2つのコンポーネントグループは、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、車両アップグレード装置130によって決定されることがある。例えば、車両アップグレード装置130は、1つの領域において機能を持つ複数のコンポーネントを1つのコンポーネントグループにグループ化し、次に、そのコンポーネントグループ内で集中コンピューティング能力を持つ制御コンポーネント(例えば、ドメインコントローラDCおよび車両統合ユニットVIU)の負荷状態に基づいて、制御コンポーネントをアップグレード制御コンポーネントとして設定するかどうかを決定することがある。別の例として、アップグレード制御コンポーネントは、先ず、各コンポーネントの構成に基づいて決定されることがあり、次に、アップグレード制御コンポーネントに近いコンポーネントがコンポーネントグループとして使用される。具体的には、例えば、アップグレード制御コンポーネントは、セキュリティ証明書に基づいてサーバとのセキュアチャネルを確立する必要がある。このようにして、セキュリティ証明書が配備されているコンポーネントのみが、アップグレード制御コンポーネントとして決定される資格がある。別の例として、アップグレード制御コンポーネントが、サーバへの接続を確立する必要がある。従って、現在のノードの負荷が比較的高いならば、現在のノードは、アップグレード制御コンポーネントとして決定されるのに適さない。
【0434】
別の可能な実装において、プロセッサ1302は、通信インターフェース1304を通じて第1のアップグレード制御コンポーネントから第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を受信するようにさらに構成される。
【0435】
第1のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントのバージョン情報を収集し、バージョン情報を車両アップグレード装置130に送信することがあることがわかる。引き続き、車両アップグレード装置130は、バージョン情報をサーバに送信して、更新される必要があるコンポーネントを決定することがある。
【0436】
別の可能な実装において、第1のアップグレード制御コンポーネントは、ドメインコントローラDCまたは車両統合ユニットVIUである。
【0437】
別の可能な実装において、第1のアップグレード制御コンポーネントの負荷は、第1の閾値以下であり、且つ/或いは、
セキュリティ証明書が、第1のアップグレード制御コンポーネント内に配備される。
【0438】
なお、各ユニットの実装については、図4図7または図8に示される実施形態における対応する説明を参照のこと。
【0439】
幾つかの可能な実装において、車両アップグレード装置130は、図4図7または図8に示される実施形態における第1の制御コンポーネント、または第1の制御コンポーネント内のモジュール、例えば、チップまたは集積回路であることがある。装置130内のプロセッサ1302は、メモリ1301に格納されるコンピュータプログラムを読み取って、以下の動作、すなわち、
通信インターフェース1304を通じて、サーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信することであって、第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためにOTAアップグレードを実行するために使用される、受信すること、および、
第1のアップグレードパッケージに基づいて、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行すること、
を実行するように構成される。
さらに、車両アップグレード装置130は、車両内で使用され、車両アップグレード装置130は、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成され、第1のコンポーネントグループは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループのうちの1つである。
【0440】
この出願のこの実施形態において、サーバは、車両内のコンポーネントグループのために第1のコンポーネントグループの第1のアップグレードパッケージを生成し、次に、第1のアップグレードパッケージを車両アップグレード装置130に送信するので、車両アップグレード装置130は、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。このようにして、各グループ内の車両アップグレード装置130は、車両アップグレード装置が属するコンポーネントグループのためのアップグレードパッケージをダウンロードすることがあり、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージは、さらに同時にダウンロードされることがあるので、全てのグループ内の車両アップグレード装置130は、同時にアップグレードを実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両の全てのコンポーネントをアップグレードする場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、グループ内の近くの車両アップグレード装置130によってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内の車両アップグレード装置130は、グループ内のコンポーネントを制御してアップグレードを実行し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0441】
可能な実装において、プロセッサ1302は、通信インターフェース1304を通じて、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信するようにさらに構成される。
【0442】
車両アップグレード装置130は、グループ内のコンポーネントのバージョン情報を収集し、バージョン情報をOTAアップグレードマスタノードに送信することがあることがわかる。引き続き、OTAアップグレードマスタノードは、バージョン情報をサーバに送信して、更新される必要があるコンポーネントを判断決定することがある。
【0443】
別の可能な実装において、プロセッサ1302は、
通信インターフェース1304を通じて、OTAアップグレードマスタノードによって送信され、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用される、第1のダウンロードアドレスを受信し、
第1のダウンロードアドレスに基づいて、通信インターフェース1304を通じてサーバとの第1のセキュアチャネルを確立し(第1のセキュアチャネルは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用される)、
通信インターフェース1304を使用することによって、第1のセキュアチャネルを通じて、サーバによって送信される第1のアップグレードパッケージを受信する
ようにさらに構成される。
【0444】
前述は、アップグレードデータパッケージのダウンロードする方法を説明する。OTAアップグレードマスタノードは、アップグレードを完了するために第1のアップグレードパッケージを必要とする車両アップグレード装置130にダウンロードアドレスを配布する。ダウンロードアドレスのデータサイズは、通常小さいので、ダウンロードアドレスは、先ず、アップグレードマスタノードに送信され、次に、各グループ内の対応する車両アップグレード装置130に配布される。サーバがグループ内の車両アップグレード装置130への接続を確立してダウンロードアドレスを送信する場合と比較して、ネットワークリソースのオーバーヘッドを軽減することができ、複雑さを軽減することができ、アップグレード効率を向上させることができる。
【0445】
別の可能な実装において、第1のアップグレードパッケージは、サーバによって署名され、プロセッサ1302は、
第1のアップグレードパッケージの署名を確認し、且つ、
署名に対する検証が成功したことに応答して、第1のアップグレードパッケージに基づいて、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行する、
ようにさらに構成される。
【0446】
アップグレード前に、アップグレード制御装置は、先ず、署名に基づいてデータパッケージのソースを検証して、信頼されていないサーバへの接続を確立することを回避し、それによって、車両アップグレードプロセスにおけるセキュリティを向上させることがわかる。
【0447】
なお、各ユニットの実装については、図4図7または図8に示される実施形態における対応する説明を参照のこと。
【0448】
幾つかの可能な実装において、車両アップグレード装置130は、図4図7または図8に示された実施形態におけるサーバ、またはサーバ内のモジュール、例えば、チップまたは集積回路であることがある。装置130内のプロセッサ1302は、メモリ1301に格納されるコンピュータプログラムを読み取って、以下の動作、すなわち、
通信インターフェース1304を通じて車両内のOTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信することであって、第1のメッセージは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を示すために使用され、少なくとも2つのコンポーネントグループの各々は、コンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される1つのアップグレード制御コンポーネントを含む、受信すること、
少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成すること、および、
通信インターフェース1304を通じて車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントに第1のアップグレードパッケージを送信することであって、第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためにOTAアップグレードを実行するために使用され、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される、送信すること
を実行するように構成される。
さらに、任意に、車両アップグレード装置130は、サーバ内に配備されることがある。
【0449】
この出願のこの実施形態において、車両アップグレード装置130は、車両内のコンポーネントグループのためにコンポーネントグループのアップグレードパッケージを生成し、次に、アップグレードパッケージをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントに対してアップグレード制御を行う場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0450】
可能な実装において、プロセッサ1302は、
第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のダウンロードアドレスを割り当て、
通信インターフェース1304を通じて第1のダウンロードアドレスを車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信し、
車両内の第1のアップグレード制御コンポーネントと、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のセキュアチャネルを確立し、且つ、
通信インターフェース1304を使用することによって第1のセキュアチャネルを通じて第1のアップグレードパッケージを第1のアップグレード制御コンポーネントに送信する、
ようにさらに構成される。
【0451】
前述は、アップグレードデータパッケージをダウンロードする方法を説明する。車両アップグレード装置130は、第1のアップグレードパッケージにダウンロードアドレスを割り当てることがある。ダウンロードアドレスは、先ず、OTAアップグレードマスタノードに送信され、次に、OTAアップグレードマスタノードは、アップグレードを完了するために第1のアップグレードパッケージを必要とする第1のアップグレード制御コンポーネントにダウンロードアドレスを配布する。ダウンロードアドレスのデータサイズは、通常小さいので、ダウンロードアドレスは、先ず、アップグレードマスタノードに送信され、次に、各グループ内の対応するアップグレード制御コンポーネントに配布される。車両のアップグレード装置130がグループ内のアップグレード制御コンポーネントへの接続を直接確立してダウンロードアドレスを送信する場合と比較して、ネットワークリソースのオーバーヘッドを削減することができ、複雑さを軽減することができ、アップグレード効率を向上させることができる。
【0452】
別の可能な実装において、第1のセキュアチャネルは、少なくとも、ハイパーテキスト転送プロトコルセキュアHTTPSセキュアチャネル、トランスポートレイヤーセキュリティTLSセキュアチャネル、またはデータグラムトランスポートレイヤーセキュリティDTLSセキュアチャネルを含む。
【0453】
別の可能な実装において、プロセッサ1302は、通信インターフェース1304を通じて、OTAアップグレードマスタノードから、少なくとも2つのコンポーネントグループを示すグループ情報を受信するようにさらに構成される。
【0454】
前述の実装は、複数のコンポーネントグループを決定する方法を説明する。OTAアップグレードマスタノードは、車両内のコンポーネントのグループ情報を車両アップグレード装置130に送信することがあるので、車両アップグレード装置130は、グループ情報に基づいて少なくとも2つのコンポーネントグループを決定する。さらに、少なくとも2つのコンポーネントグループは、事前構成されたポリシー、車両内のノード接続関係、各ノードの構成、負荷などのうちの少なくとも1つに基づいて、OTAアップグレードマスタノードによって決定されることがある。
【0455】
別の可能な実装において、プロセッサ1302は、車両の識別子に基づいて、車両アップグレード装置130内で事前構成されたコンポーネントグループ情報を照会し、照会結果に基づいて、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループを決定するようにさらに構成される。
【0456】
前述の実装は、複数のコンポーネントグループを決定する別の方法を説明する。車両アップグレード装置130は、車両の識別子に基づいてグループ情報を照会することがある。特定のモデルの車両のコンポーネントグループ情報は、事前構成または事前定義されることがあるので、車両アップグレード装置130は、車両の識別子(例えば、車両の車両識別番号または車両のモデル)に基づいてコンポーネントグループ情報を照会して、車両のコンポーネントグループを決定することがある。
【0457】
別の可能な実装において、プロセッサ1302は、
通信インターフェース1304を通じてOTAアップグレードマスタノードから第1のメッセージを受信し(第1のメッセージは、少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントを示すバージョン情報が含む)、且つ、
少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成する、
ようにさらに構成される。
【0458】
車両アップグレード装置130は、コンポーネントのバージョン情報に基づいて第1のアップグレードパッケージを決定することがわかる。さらに、車両アップグレード装置130は、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、バージョンをアップグレードする必要があるコンポーネントが第1のコンポーネントグループ内に存在することを決定して、アップグレードデータをパッケージにして第1のアップグレードパッケージを取得することがある。
【0459】
なお、各ユニットの実装については、図9に示される実施形態における対応する説明を参照のこと。
【0460】
幾つかの可能な実装において、車両アップグレード装置130は、図10に示される実施形態におけるOTAアップグレードマスタノード、またはOTAマスタノード内のモジュール、例えば、チップまたは集積回路であることがある。装置130内のプロセッサ1302は、メモリ1301に格納されるコンピュータプログラムを読み取って、以下の動作、すなわち、
通信インターフェース1304を通じて第1のアップグレード制御コンポーネントから第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を受信することであって、第1のコンポーネントグループは、車両内の少なくとも2つのコンポーネントグループのうちの1つであり、第1のアップグレード制御コンポーネントは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントを制御してOTAアップグレードを実行するように構成される、受信すること、
少なくとも2つのコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報に基づいて、少なくとも2つのコンポーネントグループ内の第1のコンポーネントグループのための第1のアップグレードパッケージを生成することであって、第1のコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、第1のアップグレード制御コンポーネントである、生成すること、および、
通信インターフェース1304を通じて、第1のアップグレード制御コンポーネントに、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするための第1のダウンロードアドレスを送信することであって、第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためにOTAアップグレードを実行するために使用される、送信すること、
を実行するように構成される。
さらに、車両アップグレード装置130は、車両内に配備される。
【0461】
この出願のこの実施形態において、車両アップグレード装置130は、車両内の複数のコンポーネントのバージョン情報を収集する。バージョン情報は、アップグレードされる必要があるコンポーネントを決定し、アップグレードパッケージを生成する、ために使用されることがある。ダウンロードアドレスが、アップグレードパッケージに割り当てられ、車両アップグレード装置130は、ダウンロードアドレスをコンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントに配布するので、アップグレード制御コンポーネントは、対応するアップグレードパッケージをダウンロードして、コンポーネントグループ内のコンポーネントをアップグレードする。このようにして、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージが、同時にダウンロードされることがあるので、アップグレード制御コンポーネントは、アップグレードを同時に実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内の全てのコンポーネントをアップグレードする場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、近くのアップグレード制御コンポーネントによってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内のアップグレード制御コンポーネントは、グループ内のコンポーネントを制御し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了させることができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0462】
可能な実装において、第1のダウンロードアドレスは、具体的には、ダウンロードポリシーパッケージ内に含まれ、ダウンロードポリシーパッケージは、ダウンロードポリシー、アップグレード条件、アップグレードポリシー、または第1のダウンロードアドレスの有効時間のうちの1つ以上をさらに含む。ダウンロードポリシーは、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするためのルールを定義し、アップグレード条件は、第1のアップグレードパッケージを使用することによってアップグレードを実行するための条件を示し、アップグレードポリシーは、第1のアップグレードパッケージに基づいてアップグレードを実行するためのルールを定義する。
【0463】
別の可能な実装において、第1のアップグレード制御コンポーネントは、ドメインコントローラDCまたは車両統合ユニットVIUである。
【0464】
別の可能な実装において、第1のアップグレード制御コンポーネントの負荷は、第1の閾値以下であり、且つ/或いは、
セキュリティ証明書が、第1のアップグレード制御コンポーネント内に配備される。
【0465】
なお、各ユニットの実装については、図10に示される実施例における対応する説明を参照のこと。
【0466】
幾つかの可能な実装において、車両アップグレード装置130は、図10に示される実施形態における第1の制御コンポーネント、または第1の制御コンポーネント内のモジュール、例えば、チップまたは集積回路であることがある。装置130内のプロセッサ1302は、メモリ1301に格納されるコンピュータプログラムを読み取って、以下の動作、すなわち、
通信インターフェース1304を通じて、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのバージョン情報を車両内のOTAアップグレードマスタノードに送信すること、および、
通信インターフェース1304を通じて、OTAアップグレードマスタノードによって送信され、第1のアップグレードパッケージをダウンロードするために使用される、第1のダウンロードアドレスを受信することであって、第1のアップグレードパッケージは、第1のコンポーネントグループ内のコンポーネントのためのOTAアップグレードを実行するために使用される、受信すること、
を実行するように構成される。
【0467】
この出願のこの実施形態において、車両アップグレード装置130は、OTAアップグレードマスタノードからダウンロードアドレスを受信し、ダウンロードアドレスに基づいて、車両アップグレード装置が属するコンポーネントグループのためのアップグレードパッケージをダウンロードし、コンポーネントグループのためのアップグレードパッケージは、をさらに同時にダウンロードされることがあるので、全てのグループ内の車両アップグレード装置130は、アップグレードを同時に実行する。1つのOTAアップグレードマスタモジュールが車両内のノードをアップグレードする場合と比較して、車両のアップグレードの効率が向上する。さらに、各コンポーネントは、グループ内の近くの車両アップグレード装置130によってアップグレードされることがあるので、車両のアップグレードの複雑さが軽減される。加えて、各コンポーネントグループ内の車両アップグレード装置130は、グループ内のコンポーネントを制御してアップグレードを実行し、アップグレードを適時に監視、検出および命令することができる。従って、コンポーネントのアップグレードを可能な限り早く完了することができ、車両の安定性を向上させることができる。
【0468】
なお、各ユニットの実装については、図10に示される実施形態における対応する説明を参照のこと。
【0469】
本出願の一実施形態が、車両アップグレードシステムをさらに提供する。車両アップグレードシステムは、サーバと、OTAアップグレードマスタノードと、第1のアップグレード制御コンポーネントとを含む。サーバは、図4図7または図8において説明されるサーバである。OTAアップグレードマスタノードは、図4図7または図8において説明されるOTAアップグレードマスタノードである。第1のアップグレード制御コンポーネントは、図4図7または図8において説明される第1のアップグレード制御コンポーネントである。
【0470】
本出願の一実施形態が、車両アップグレードシステムをさらに提供する。車両アップグレードシステムは、サーバと、車両とを含む。さらに、車両は、OTAアップグレードマスタノードと、第1のアップグレード制御コンポーネントとを含む。サーバは、図9において説明されるサーバであり、車両は、図9において説明される車両である。
【0471】
本出願の一実施形態が、車両アップグレードシステムをさらに提供する。車両アップグレードシステムは、OTAアップグレードマスタノードと、第1のアップグレード制御コンポーネントとを含む。OTAアップグレードマスタノードは、図10において説明されるOTAアップグレードマスタノードであり、第1のアップグレード制御コンポーネントは、図10において説明される第1のアップグレード制御コンポーネントである。
【0472】
本出願の一実施形態が、コンピュータ読取可能な記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ読取可能な記憶媒体は、コンピュータプログラムを格納する。コンピュータプログラムが1つ以上のプロセッサで動作するとき、図4図7図8図9または図10に示される任意の実施形態における方法が実装される。
【0473】
本出願の一実施形態が、チップシステムをさらに提供する。チップシステムは、少なくとも1つのプロセッサと、メモリと、インターフェース回路とを含む。インターフェース回路は、少なくとも1つのプロセッサのための情報入力/出力を提供するように構成され、メモリは、コンピュータプログラムを格納する。コンピュータプログラムが1つ以上のプロセッサで実行されるとき、図4図7図8図9または図10に示される任意の実施形態における方法が実装される。
【0474】
本出願の一実施形態が、チップシステムをさらに提供する。チップシステムは、少なくとも1つのプロセッサと、メモリと、通信インターフェースとを含む。通信インターフェースは、データを受信/送信するように設定される。メモリは、コンピュータプログラムを格納する。コンピュータプログラムが1つ以上のプロセッサで実行されるとき、図4図7図8図9または図10に示される任意の実施形態における方法が実装される。
【0475】
本出願の一実施形態が、車両を開示する。車両は、OTAアップグレードマスタノードと、第1のアップグレード制御コンポーネントとを含む。OTAアップグレードマスタノードは、図4図7図8図9または図10において説明されるOTAアップグレードマスタノードである。第1のアップグレード制御コンポーネントは、図4図7図8図9または図10において説明される第1のアップグレード制御コンポーネントである。代替的に、車両は、インテリジェント端末、またはドローンもしくはロボットのような輸送車両と置き換えられることがある。
【0476】
本出願の一実施形態が、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品が1つ以上のプロセッサで動作するとき、図4図7図8図9または図10に示される任意の実施形態において説明される車両アップグレード方法が実装されることがある。
【0477】
前述の実施形態の全てまたは一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを使用して実装されることがある。ソフトウェアを使用して実施形態を実装するとき、実施形態の全てまたは一部は、コンピュータ命令製品の形態において実装されることがある。コンピュータ命令をコンピュータにロードして実行するとき、本出願の実施形態に従った手順または機能が全部または部分的に実装される。コンピュータは、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、コンピュータネットワーク、または別のプログラム可能な装置であることがある。コンピュータ命令は、コンピュータ読取可能な記憶媒体に格納されることがあり、あるいはコンピュータ読取可能な記憶媒体を使用することによって送信されることがある。コンピュータ読取可能な記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の使用可能な媒体、または1つ以上の使用可能な媒体を統合するサーバまたはデータセンターのようなデータ記憶デバイスであることがある。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスクまたは磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスク(solid state disk,SSD))などであることがある。
【0478】
シーケンス調整、組み合わせ、または削除は、実際の要件に基づいて本出願の方法の実施形態におけるステップで実行される。
【0479】
本出願の装置の実施形態におけるモジュールは、実際の要件に基づいて組み合わされ、分割され、あるいは削除されることがある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13