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特許7529332人材共有システム、人材共有方法、及び人材共有プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】人材共有システム、人材共有方法、及び人材共有プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240730BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20240730BHJP
   G06Q 10/1053 20230101ALI20240730BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/06
G06Q10/1053
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2024021195
(22)【出願日】2024-02-15
【審査請求日】2024-02-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503309664
【氏名又は名称】高光産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】妹尾 八郎
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-157321(JP,A)
【文献】特開2003-076889(JP,A)
【文献】特開2004-054920(JP,A)
【文献】特開2021-026331(JP,A)
【文献】特開2004-199422(JP,A)
【文献】特開2021-179682(JP,A)
【文献】特開2019-125323(JP,A)
【文献】特開2021-103487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の企業により構成されるグループに属する一の前記企業である第1企業と、前記グループに属すると共に前記第1企業と異なる前記企業である第2企業との間で人材を共有するための人材共有システムであって、
前記第1企業に勤務する勤務者毎の人材プロファイルと、前記第1企業が自らの前記勤務者に要求する第1条件とに基づいて、前記第1企業にミスマッチなミスマッチ勤務者を示すミスマッチ情報を生成するミスマッチ情報生成部と、
前記第2企業が自らの勤務者に要求する第2条件の入力を受け付ける第2条件受付部と、
前記ミスマッチ勤務者の前記人材プロファイルと、前記第2条件とに基づいて、前記第2企業に推奨される前記ミスマッチ勤務者を示すレコメンド情報を生成するレコメンド情報生成部と、
前記レコメンド情報を前記第2企業に提供する提供部と、を備える、
人材共有システム。
【請求項2】
前記ミスマッチ情報生成部は、
前記第1企業の前記勤務者の前記人材プロファイルと、前記第1条件とに基づいて、前記第1企業と、前記第1企業に勤務する前記勤務者とのマッチングの度合いである第1マッチ度を算出し、
前記第1マッチ度が所定値未満である前記勤務者を前記ミスマッチ勤務者として抽出して前記ミスマッチ情報を生成する、
請求項1記載の人材共有システム。
【請求項3】
前記人材プロファイルは、前記勤務者の保有スキルを含み、
前記第1条件は、前記第1企業が前記勤務者に保有を求める第1要求スキルを含み、
前記ミスマッチ情報生成部は、前記保有スキルと前記第1要求スキルとに基づいて、前記第1マッチ度を算出する、
請求項2記載の人材共有システム。
【請求項4】
前記人材プロファイルは、前記勤務者の希望職種を含み、
前記ミスマッチ情報生成部は、前記第1企業における前記勤務者の現在の職種と、前記希望職種とに基づいて、前記希望職種が前記現在の職種と異なる前記勤務者を前記ミスマッチ勤務者として抽出する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の人材共有システム。
【請求項5】
前記人材プロファイルは、前記勤務者の転職希望の有無を含み、
前記ミスマッチ情報生成部は、前記転職希望の有無に基づいて、転職を希望する前記勤務者を前記ミスマッチ勤務者として抽出する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の人材共有システム。
【請求項6】
前記レコメンド情報生成部は、
前記ミスマッチ勤務者の前記人材プロファイルと、前記第2条件とに基づいて、前記第2企業と前記ミスマッチ勤務者とのマッチングの度合いである第2マッチ度を算出し、
前記第2マッチ度が所定値以上である前記ミスマッチ勤務者を抽出して前記レコメンド情報を生成する、
請求項2記載の人材共有システム。
【請求項7】
前記人材プロファイルは、前記勤務者の保有スキルを含み、
前記第2条件は、前記第2企業が前記勤務者に保有を求める第2要求スキルを含み、
前記レコメンド情報生成部は、前記保有スキルと前記第2要求スキルとに基づいて、前記第2マッチ度を算出する、
請求項6記載の人材共有システム。
【請求項8】
前記ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する前記第2企業が前記ミスマッチ勤務者に提示する雇用条件を受け付ける雇用条件受付部をさらに備え、
前記提供部は、前記雇用条件を前記第1企業に提供する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の人材共有システム。
【請求項9】
前記ミスマッチ勤務者の応募先を決定する応募先決定部をさらに備え、
前記応募先決定部は、前記ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する複数の前記第2企業が存在する場合、前記雇用条件に基づいて、オークション形式により前記複数の第2企業から前記ミスマッチ勤務者の前記応募先を決定する、
請求項8記載の人材共有システム。
【請求項10】
前記雇用条件は、前記第2企業が前記ミスマッチ勤務者に提示する年俸を含み、
前記応募先決定部は、前記年俸が最も高い前記第2企業を前記応募先として決定する、
請求項9記載の人材共有システム。
【請求項11】
前記ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する複数の前記第2企業が存在する場合、前記第1企業がオークション形式により応募先を決定するか否かを受け付けるオークション受付部をさらに備え、
前記応募先決定部は、前記第1企業が前記オークション形式により前記応募先を決定しない場合、前記ミスマッチ勤務者の希望に基づいて前記応募先を決定する、
請求項9記載の人材共有システム。
【請求項12】
前記ミスマッチ勤務者の応募先が前記ミスマッチ勤務者の転職先として決定したか否かを受け付ける成約受付部と、
前記第1マッチ度と前記第2マッチ度に基づいて、前記転職先から前記第1企業に支払われる移籍金の額を算出する算出部と、をさらに備える、
請求項6記載の人材共有システム。
【請求項13】
前記ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する前記第2企業が前記ミスマッチ勤務者に提示する雇用条件を受け付ける雇用条件受付部をさらに備え、
前記雇用条件は、前記第2企業が前記ミスマッチ勤務者に提示する年俸を含み、
前記算出部は、
前記第1マッチ度と前記第2マッチ度とに基づいて、前記移籍金の額を算出するための係数を算出し、
前記年俸に前記係数を乗じた値を前記移籍金の額として算出する、
請求項12記載の人材共有システム。
【請求項14】
前記第1企業により評価された前記ミスマッチ勤務者の保有スキルと、前記ミスマッチ勤務者の転職先である前記第2企業により評価された前記ミスマッチ勤務者の保有スキルとの比較に基づいて、前記第1企業に対する評価係数を算出する係数算出部と、
前記第1企業により評価された他の勤務者の保有スキルを前記評価係数に基づいて補正する補正部と、をさらに備える、
請求項12又は13に記載の人材共有システム。
【請求項15】
前記保有スキルは、前記第1企業の前記勤務者の主観に基づく主観評価と、前記第1企業による客観評価とを含む、
請求項3又は7に記載の人材共有システム。
【請求項16】
前記人材プロファイルは、
前記勤務者の保有スキルと、
前記第1企業が前記勤務者に保有を求める第1要求スキルと、
前記第2企業が前記勤務者に保有を求める第2要求スキルと、を含み、
前記第1要求スキル及び前記第2要求スキルのそれぞれは、1以上の評価項目を含み、
前記保有スキルは、
前記第1要求スキルに含まれる前記1以上の評価項目と、前記第1要求スキルに含まれていない1以上の評価項目とを含み、
前記第2要求スキルに含まれる前記1以上の評価項目と、前記第2要求スキルに含まれていない1以上の評価項目とを含む、
請求項2に記載の人材共有システム。
【請求項17】
複数の企業により構成されるグループに属する一の前記企業である第1企業と、前記グループに属すると共に前記第1企業と異なる前記企業である第2企業との間で人材を共有するための人材共有システムの動作方法である人材共有方法であって、
前記人材共有システムは、ミスマッチ情報生成部と、第2条件受付部と、レコメンド情報生成部と、提供部と、を備え、
前記ミスマッチ情報生成部が、前記第1企業に勤務する勤務者毎の、前記勤務者が保有する保有スキルと、前記第1企業が自らの前記勤務者に要求する第1要求スキルとに基づいて、前記第1企業にミスマッチなミスマッチ勤務者を示すミスマッチ情報を生成することと、
前記第2条件受付部が、前記第2企業が自らの勤務者に要求する第2要求スキルの入力を受け付けることと、
前記レコメンド情報生成部が、前記ミスマッチ勤務者の前記保有スキルと前記第2要求スキルとに基づいて、前記第2企業に推奨される前記ミスマッチ勤務者を示すレコメンド情報を生成することと、
前記提供部が、前記レコメンド情報を前記第2企業に提供することと、を備える、
人材共有方法。
【請求項18】
複数の企業により構成されるグループに属する一の前記企業である第1企業と、前記グループに属すると共に前記第1企業と異なる前記企業である第2企業との間で人材を共有するための人材共有プログラムであって、
前記第1企業に勤務する勤務者毎の、前記勤務者が保有する保有スキルと、前記第1企業が自らの前記勤務者に要求する第1要求スキルとに基づいて、前記第1企業にミスマッチなミスマッチ勤務者を示すミスマッチ情報を生成することと、
前記第2企業が自らの勤務者に要求する第2要求スキルの入力を受け付けることと、
前記ミスマッチ勤務者の前記保有スキルと前記第2要求スキルとに基づいて、前記第2企業に推奨される前記ミスマッチ勤務者を示すレコメンド情報を生成することと、
前記レコメンド情報を前記第2企業に提供することと、をコンピュータに実行させる、
人材共有プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人材共有システム、人材共有方法、及び人材共有プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の企業の間で人材を共有する技術として、特許文献1に記載された就職支援システムが知られている。この就職支援システムは、派遣社員の採用を求める求人企業と、派遣会社の採用を支援する就職支援企業と、派遣社員を派遣する人材派遣企業とから構成される。就職支援企業は、求人企業から受信した派遣社員依頼に応じて、派遣社員依頼を人材派遣企業に送信する。就職支援企業は、人材派遣企業から受信した派遣社員見積を求人企業に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-157321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、有益な人材共有を実現できる人材共有システム、人材共有方法、及び人材共有プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る人材共有システムは、複数の企業により構成されるグループに属する一の企業である第1企業と、グループに属すると共に第1企業と異なる企業である第2企業との間で人材を共有するための人材共有システムであって、第1企業に勤務する勤務者毎の人材プロファイルと、第1企業が自らの勤務者に要求する第1条件とに基づいて、第1企業にミスマッチなミスマッチ勤務者を示すミスマッチ情報を生成するミスマッチ情報生成部と、第2企業が自らの勤務者に要求する第2条件の入力を受け付ける第2条件受付部と、ミスマッチ勤務者の人材プロファイルと、第2条件とに基づいて、第2企業に推奨されるミスマッチ勤務者を示すレコメンド情報を生成するレコメンド情報生成部と、レコメンド情報を第2企業に提供する提供部と、を備える。
【0006】
この人材共有システムでは、第1企業にミスマッチなミスマッチ勤務者の人材プロファイルと、第2企業が自らの勤務者に要求する第2条件とに基づいてレコメンド情報を生成し、生成したレコメンド情報を第2企業に提供する。これにより、ミスマッチ勤務者を含む情報を第1企業以外の企業に提供できるので、勤務者との間でミスマッチが生じている第1企業から、ミスマッチ勤務者を転職させる誘因を生じさせることができる。また、第2企業に推奨されるミスマッチ勤務者を示すレコメンド情報を第2企業に提供するので、第2企業は、他企業における実績に基づく高い信頼性を有する転職候補者の情報を得ることができる。さらに、グループに属する各企業の勤務者に対して、1つの企業に縛られない解放感を与えることができる。以上より、第1企業、第2企業、及び各企業の勤務者の三方にとって有益な人材共有を実現できる。
【0007】
ミスマッチ情報生成部は、第1企業の勤務者の人材プロファイルと、第1条件とに基づいて、第1企業と、第1企業に勤務する勤務者とのマッチングの度合いである第1マッチ度を算出し、第1マッチ度が所定値未満である勤務者をミスマッチ勤務者として抽出してミスマッチ情報を生成してもよい。この場合、第1企業と勤務者との相性を第1マッチ度として数値化することにより、客観的な相性の評価が可能となる。
【0008】
人材プロファイルは、勤務者の保有スキルを含み、第1条件は、第1企業が勤務者に保有を求める第1要求スキルを含み、ミスマッチ情報生成部は、保有スキルと第1要求スキルとに基づいて、第1マッチ度を算出してもよい。この場合、例えば、勤務者が第1企業に求められる第1要求スキルを有しているか否かに応じて第1マッチ度を算出できる。これにより、第1企業と勤務者とのマッチ度を一層精度よく算出できる。
【0009】
人材プロファイルは、勤務者の希望職種を含み、ミスマッチ情報生成部は、第1企業における勤務者の現在の職種と、希望職種とに基づいて、希望職種が現在の職種と異なる勤務者をミスマッチ勤務者として抽出してもよい。この場合、勤務者の希望職種にさらに基づいてミスマッチ情報を生成することとなる。この結果、第1企業及び勤務者にとっては、現在の職種と希望職種との間にギャップが生じることによる勤務者のモチベーションの低下を抑制できる。また、第2企業にとっては、勤務者の希望職種に応じた採用を行うことが可能となり、勤務者のモチベーションを向上できる。この結果、第1企業、第2企業、及び各企業の勤務者の三方の満足度を向上させることができる。
【0010】
人材プロファイルは、勤務者の転職希望の有無を含み、ミスマッチ情報生成部は、転職希望の有無に基づいて、転職を希望する勤務者をミスマッチ勤務者として抽出してもよい。この場合、勤務者の転職希望にさらに基づいてミスマッチ情報を生成することとなる。この結果、第1企業及び勤務者にとっては、勤務継続を希望しない企業に勤め続けることによる勤務者のモチベーションの低下を抑制できる。
【0011】
レコメンド情報生成部は、ミスマッチ勤務者の人材プロファイルと、第2条件とに基づいて、第2企業とミスマッチ勤務者とのマッチングの度合いである第2マッチ度を算出し、第2マッチ度が所定値以上であるミスマッチ勤務者を抽出してレコメンド情報を生成してもよい。この場合、第2企業とミスマッチ勤務者との相性を第2マッチ度として数値化することにより、客観的な相性の評価が可能となる。
【0012】
人材プロファイルは、勤務者の保有スキルを含み、第2条件は、第2企業が勤務者に保有を求める第2要求スキルを含み、レコメンド情報生成部は、保有スキルと第2要求スキルとに基づいて、第2マッチ度を算出してもよい。この場合、例えば、ミスマッチ勤務者が第2企業に求められる第2要求スキルを有しているか否かに応じて第2マッチ度を算出できる。これにより、第2企業とミスマッチ勤務者とのマッチ度を一層精度よく算出できる。
【0013】
人材共有システムは、ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する第2企業がミスマッチ勤務者に提示する雇用条件を受け付ける雇用条件受付部をさらに備え、提供部は、雇用条件を第1企業に提供してもよい。この場合、第1企業に勤務するミスマッチ勤務者は、自らに提示された雇用条件に基づいて応募先を決定することができる。
【0014】
人材共有システムは、ミスマッチ勤務者の応募先を決定する応募先決定部をさらに備え、応募先決定部は、ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する複数の第2企業が存在する場合、雇用条件に基づいて、オークション形式により複数の第2企業からミスマッチ勤務者の応募先を決定してもよい。この場合、ミスマッチ勤務者の価値を評価する公正な機会を創出できる。これにより、第1企業、第2企業、及びミスマッチ勤務者のそれぞれの満足度を向上させることができる。
【0015】
雇用条件は、第2企業がミスマッチ勤務者に提示する年俸を含み、応募先決定部は、年俸が最も高い第2企業を応募先として決定してもよい。この場合、ミスマッチ勤務者の価値を評価する一層公正な機会を創出できる。
【0016】
人材共有システムは、ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する複数の第2企業が存在する場合、第1企業がオークション形式により応募先を決定するか否かを受け付けるオークション受付部をさらに備え、応募先決定部は、第1企業がオークション形式により応募先を決定しない場合、第1企業の希望に基づいて応募先を決定してもよい。これにより、ミスマッチ勤務者の公正な価値評価と、第1企業の希望とのバランスを図ることができる。
【0017】
人材共有システムは、ミスマッチ勤務者の応募先がミスマッチ勤務者の転職先として決定したか否かを受け付ける成約受付部と、第1マッチ度と第2マッチ度に基づいて、転職先から第1企業に支払われる移籍金の額を算出する算出部と、をさらに備えてもよい。例えば、算出した額の移籍金を第2企業が第1企業に支払うことにより、ミスマッチ勤務者が退職することにより第1企業が受ける不利益を補うことができる。また、ミスマッチ勤務者と第1企業とのマッチ度、及び、ミスマッチ勤務者と第2企業とのマッチ度とに応じて、納得感が高い移籍金の額を算出できる。
【0018】
人材共有システムは、ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する第2企業がミスマッチ勤務者に提示する雇用条件を受け付ける雇用条件受付部をさらに備え、雇用条件は、第2企業がミスマッチ勤務者に提示する年俸を含み、算出部は、第1マッチ度と第2マッチ度とに基づいて、移籍金の額を算出するための係数を算出し、年俸に係数を乗じた値を移籍金の額として算出してもよい。この場合、第1マッチ度及び第2マッチ度に加え、ミスマッチ勤務者の年俸を加味して移籍金の額を算出するので、一層納得感が高い移籍金の額を算出できる。
【0019】
人材共有システムは、第1企業により評価されたミスマッチ勤務者の保有スキルと、ミスマッチ勤務者の転職先である第2企業により評価されたミスマッチ勤務者の保有スキルとの比較に基づいて、第1企業に対する評価係数を算出する係数算出部と、第1企業により評価された他の勤務者の保有スキルを評価係数に基づいて補正する補正部と、をさらに備えてもよい。例えば、第1企業により評価されたミスマッチ勤務者の保有スキルが、第2企業により評価されたミスマッチ勤務者の保有スキルと乖離している場合、第1企業が自らの勤務者を必要以上に有利又は不利に評価している可能性がある。両方の企業により評価された保有スキルが所定以上乖離している場合に第1企業により評価された保有スキルを補正することにより、第1企業の勤務者の保有スキルに対する信頼性を向上できる。
【0020】
保有スキルは、第1企業の勤務者の主観に基づく主観評価と、第1企業による客観評価とを含んでもよい。この場合、保有スキルが主観評価のみならず客観評価を含むことで、勤務者の保有スキルの信頼性を向上できる。また、保有スキルが客観評価のみならず主観評価を含むことで、第1企業が把握していない勤務者のスキルを保有スキルに含めることができる。
【0021】
人材プロファイルは、勤務者の保有スキルと、第1企業が勤務者に保有を求める第1要求スキルと、第2企業が勤務者に保有を求める第2要求スキルと、を含み、第1要求スキル及び第2要求スキルのそれぞれは、1以上の評価項目を含み、保有スキルは、第1要求スキルに含まれる1以上の評価項目と、第1要求スキルに含まれていない1以上の評価項目とを含み、第2要求スキルに含まれる1以上の評価項目と、第2要求スキルに含まれていない1以上の評価項目とを含んでもよい。この場合、同一の評価項目を含む保有スキルを、第1企業のミスマッチ勤務者の抽出及び第2企業に推奨されるミスマッチ勤務者の抽出の双方に利用することができる。
【0022】
本開示の別の側面に係る人材共有方法は、複数の企業により構成されるグループに属する一の企業である第1企業と、グループに属すると共に第1企業と異なる企業である第2企業との間で人材を共有するための人材共有方法であって、第1企業に勤務する勤務者毎の、勤務者が保有する保有スキルと、第1企業が自らの勤務者に要求する第1要求スキルとに基づいて、第1企業にミスマッチなミスマッチ勤務者を示すミスマッチ情報を生成することと、第2企業が自らの勤務者に要求する第2要求スキルの入力を受け付けることと、ミスマッチ勤務者の保有スキルと第2要求スキルとに基づいて、第2企業に推奨されるミスマッチ勤務者を示すレコメンド情報を生成することと、レコメンド情報を第2企業に提供することと、を備える。
【0023】
本開示のさらに別の側面に係る人材共有プログラムは、複数の企業により構成されるグループに属する一の企業である第1企業と、グループに属すると共に第1企業と異なる企業である第2企業との間で人材を共有するための人材共有プログラムであって、第1企業に勤務する勤務者毎の、勤務者が保有する保有スキルと、第1企業が自らの勤務者に要求する第1要求スキルとに基づいて、第1企業にミスマッチなミスマッチ勤務者を示すミスマッチ情報を生成することと、第2企業が自らの勤務者に要求する第2要求スキルの入力を受け付けることと、ミスマッチ勤務者の保有スキルと第2要求スキルとに基づいて、第2企業に推奨されるミスマッチ勤務者を示すレコメンド情報を生成することと、レコメンド情報を第2企業に提供することと、をコンピュータに実行させる。
【0024】
この人材共有方法及び人材共有プログラムは、上記説明した人材共有システムと同様の作用効果が奏される。
【発明の効果】
【0025】
本開示によれば、有益な人材共有を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】一実施形態に係る人材共有システムを示す図である。
図2】サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係る人材共有システムを示すブロック図である。
図4】保有スキルの一例を示す表である。
図5】第1マッチ度を算出する処理の一例を示す表である。
図6】ミスマッチ情報の一例を示す表である。
図7】第2条件の受付画面の一例を示す図である。
図8】第2マッチ度を算出する処理の一例を示す表である。
図9】レコメンド情報の表示画面の一例を示す図である。
図10】ミスマッチ勤務者の詳細情報画面の一例を示す図である。
図11】雇用条件確認画面の一例を示す図である。
図12】移籍金の額を算出する処理の一例を示す表である。
図13】一実施形態に係る人材共有方法を示すフローチャートである。
図14図13に示される応募先決定処理の一例を示すフローチャートである。
図15】客観評価補正処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0028】
[人材共有システムの概略構成]
図1に示す人材共有システム1は、複数の企業2の間で人材を共有するためのシステムである。企業2は、例えば中小企業である。中小企業は、例えば、資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社、若しくは常時使用する従業員の数が300人以下の会社又は個人である。但し、企業2の種類は中小企業に限定されず、中小企業以外の企業でもよい。また、中小企業の定義は、上記説明したものに限定されない。
【0029】
複数の企業2は、グループGを構成している。グループGは、人材共有システム1により人材を共有される企業2を特定する単位である。言い換えれば、人材共有システム1は、グループGに属する複数の企業2の間で人材を共有する。グループGに属する企業2の数は、複数であればよく、特に限定されない。
【0030】
「人材を共有する」とは、例えば、グループGに属する一の企業2に勤務する勤務者を、グループGに属すると共に当該一の企業2とは異なる他の企業2に転職させることを含む。また、「人材を共有する」とは、上記の一の企業2に勤務する勤務者を、上記の他の企業2に一時的に貸し出すこと(以下、「レンタルする」と表現することがある)を含む。
【0031】
例えば、企業2が中小企業である場合、企業2は、規模の小ささから以下の課題を抱えている。例えば、企業2の勤務者にとっては、自らが企業2に適応できるか、及び、自らの保有スキルを活かすことができるかについて不安を抱えている。例えば、ミスマッチ勤務者を抱える企業2にとっては、ミスマッチ勤務者の配置転換を行おうとしても、ミスマッチ勤務者の保有スキルを活かすことができる部署がないことがある。この結果、ミスマッチ勤務者が勤務し続けることにより、ミスマッチ勤務者及び企業2の双方の満足度が低下している。例えば、自らにマッチする勤務者を求める企業2にとっては、採用面接において提示される履歴書、及び印象等のみでは、人となり及び能力の把握が難しいことがある。また、中小企業においては外部資源の活用も現状不十分であり、例えば事業において有益な情報の取得にも制限があると共に情報取得の機会にも恵まれていない。さらに、中小企業同士の交流が現状不十分であり、勤務者の教育環境の未整備も常態化している。本実施形態に係る人材共有システム1は、上記課題を解決すべく、以下に説明する構成を備える。以下、人材共有システム1を詳細に説明する。
【0032】
以下の実施形態では、人材共有システム1が一の企業2の勤務者を他の企業2へ転職させる例を説明する。以下、説明の便宜のため、当該一の企業2を第1企業21と称し、第1企業21の勤務者が転職する他の企業2を第2企業22と称することがある。第1企業21及び第2企業22を区別する必要がないときは、単に企業2と称する。
【0033】
人材共有システム1は、企業端末3と、管理サーバ4と、を備える。人材共有システム1は、例えば、企業2と同数以上の企業端末3を備える。企業端末3は、企業2に配置された端末である。例えば、複数の企業端末3が一の企業2に配置されていてもよい。企業端末3は、例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ、又はノートパソコンでもよい。企業端末3は、例えば、スマートフォン、又はタブレット端末等の携帯型の端末でもよい。企業端末3の種類は、特に限定されない。複数の企業端末3のそれぞれは、ネットワークNを介して管理サーバ4と通信可能である。ネットワークNは、例えば、インターネット、公衆回線網、又は専用回線網等である。なお、ネットワークNは、複数の異なる通信ネットワークを含んでもよい。
【0034】
[人材共有システムのハードウェア構成]
図2に示されるように、管理サーバ4は、物理的には、プロセッサである一以上のCPU(Central Processing Unit)101と、一以上のROM(Read Only Memory)102と、主記憶装置である一以上のRAM(Random Access Memory)103と、補助記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)104と、例えばネットワークNと通信を行うための通信インタフェース等の通信部105と、を含むコンピュータシステムとして構成され得る。例えば、CPU101が、HDD104に予め格納されているプログラムP(人材共有プログラム)をRAM103に読み出して実行することにより、CPU101の制御のもとで各ハードウェアが動作し、ROM102、RAM103及びHDD104におけるデータの読み出し及び書き込みが行われる。これにより、後述する管理サーバ4の各機能が実現される。なお、管理サーバ4は、図2に示したハードウェア構成以外にも、例えば、マウス及びキーボード等の入力装置、ディスプレイ及びスピーカ等の出力装置等を備えてもよい。
【0035】
[人材共有システムの機能構成]
図3に示されるように、人材共有システム1は、複数の企業2のそれぞれに配置された企業サーバ5を含む。企業サーバ5は、企業端末3と通信可能である。企業サーバ5は、企業2の勤務者の人材プロファイルを記憶している。人材プロファイルは、勤務者個人に係る情報である。企業サーバ5は、企業データベースDB1と、勤務者データベースDB2と、保有スキルデータベースDB3と、転職希望データベースDB4と、を記憶している。
【0036】
企業データベースDB1は、企業2に関する企業情報を記憶している。企業データベースDB1は、例えば、企業2の名称、企業2の業種、及び企業2のコードを企業情報として記憶している。企業2のコードは、例えば、企業2を一意に特定するためのID(identification)である。
【0037】
勤務者データベースDB2は、人材プロファイルとして、企業2の勤務者に関する勤務者情報を記憶している。勤務者データベースDB2は、企業2に勤務する勤務者毎に、勤務者の氏名、現在の職種、希望職種、性別、年齢、居住地、及び年俸を勤務者情報として記憶している。
【0038】
保有スキルデータベースDB3は、人材プロファイルとして、企業2の勤務者が保有する保有スキルを記憶している。保有スキルデータベースDB3は、例えば、企業2に勤務する勤務者毎に、保有スキルを記憶している。
【0039】
図4に示されるように、保有スキルは、複数の評価項目を含む。保有スキルは、第1要求スキル(後述)に含まれる1以上の評価項目と、第1要求スキルに含まれていない1以上の評価項目とを含む。保有スキルは、第2要求スキル(後述)に含まれる1以上の評価項目と、第2要求スキルに含まれていない1以上の評価項目とを含む。複数の評価項目は、所定数のカテゴリに分類されている。図4の例では、複数の評価項目は、定性項目、業種共通、運送業、情報処理、及び建設業のカテゴリに分類されている。
【0040】
定性項目に属する評価項目は、勤務者の性格に関するものである。定性項目のカテゴリは、例えば、勤務者の真面目さ、規律正しさ、作業の正確さ、及び慎重さを評価項目として含む。業種共通に属する評価項目は、業種によらず求められる業務スキルに関するものである。業種共通のカテゴリは、例えば、総務、経理、営業センス、及びIT(Information Technology)知識を評価項目として含む。
【0041】
運送業に属する評価項目は、運送業を営む企業2において求められるスキルに関するものである。運送業のカテゴリは、例えば、運転技能を評価項目として含む。情報処理に属する評価項目は、IT業を営む企業2において求められるスキルに関するものである。情報処理のカテゴリは、例えば、プログラミングスキル、プロマネスキル、データベース、OSミドルウェアを評価項目として含む。建設業に属する評価項目は、建設業を営む企業2において求められるスキルに関するものである。建設業のカテゴリは、例えば、CAD(Computer Aided Design)を評価項目として含む。
【0042】
保有スキルは、例えば、勤務者の主観に基づく主観評価と、企業2からの客観評価と、を含む。主観評価は、例えば、評価項目毎に勤務者自らが付けたスコアである。客観評価は、例えば、評価項目毎に企業2が付けたスコアである。主観評価及び客観評価のそれぞれは、例えば、所定の数値範囲内(例えば1以上且つ5以下)の自然数により表現される。
【0043】
例えば、企業2は、勤務者の業務等を評価することにより、評価項目毎に客観評価を付けると考えられる。したがって、保有スキルは、勤務者の現在又は過去の職種に係る評価項目のみについての客観評価を含むと考えられる。その反面、勤務者は、自らの業務等に加えて、自らの主観に基づいて評価項目毎に主観評価を付けると考えられる。したがって、保有スキルは、勤務者の現在又は過去の職種に係る評価項目のみならず、他の評価項目についての主観評価を含み得ると考えられる。したがって、保有スキルは、評価項目によっては主観評価のみを含み、客観評価を含まないことがある。
【0044】
保有スキルは、評価項目毎の保有スコアを含む。保有スキルが一の評価項目において客観評価を含む場合、当該一の評価項目における保有スコアは、客観評価の値である。保有スキルが一の評価項目において主観評価のみを含み、且つ客観評価を含まない場合、当該一の評価項目における保有スコアは、主観評価の値である。
【0045】
保有スキルは、カテゴリ毎の保有資格を含む。具体的には、保有資格は、例えば、運送業のカテゴリに関し、勤務者が有する普通自動車免許を含む。保有スキルは、勤務者のレンタルの可否を含む。上記説明した保有スキルの内容は、あくまで一例であり、適宜変更可能である。保有スキルは、主観評価を含んでいなくてもよい。
【0046】
転職希望データベースDB4は、人材プロファイルとして、企業2の勤務者毎の転職希望情報を記憶している。転職希望情報は、勤務者の転職の希望の有無を示す情報である。転職希望情報は、例えば、勤務者が転職を希望しているか否かを示すフラグでもよい。
【0047】
例えば、企業2が所定期間(例えば6ヶ月)毎に実施する人事評価のタイミング、及び、企業2に勤務者が入社したタイミング等において、企業2は、企業データベースDB1、勤務者データベースDB2、保有スキルデータベースDB3、及び転職希望データベースDB4の内容を更新する。企業2は、例えば、自らの企業端末3を介して、これらのデータベースに記憶された情報を入力及び更新する。上記説明した企業データベースDB1、勤務者データベースDB2、保有スキルデータベースDB3、及び転職希望データベースDB4の内容は、あくまで一例であり、適宜変更可能である。
【0048】
管理サーバ4は、人材共有システム1を管理するためのサーバである。管理サーバ4は、例えば、人材共有システム1の運営者のもとに配置されている。管理サーバ4は、その機能構成として、記憶部41と、ミスマッチ情報生成部42と、第2条件受付部43と、レコメンド情報生成部44と、提供部45と、雇用条件受付部46と、算出部47と、応募先決定部48と、オークション受付部49と、成約受付部50と、係数算出部51と、補正部52と、を備える。
【0049】
記憶部41は、種々の情報を記憶している。記憶部41は、ミスマッチ情報(後述)を記憶している。記憶部41は、企業2毎に、企業2が自らの勤務者に要求する条件を記憶している。当該条件は、企業2が勤務者に保有を求める要求スキルを含む。当該条件は、例えば、企業2により企業端末3を介して予め入力されている。企業端末3は、入力された条件を管理サーバ4に送信する。記憶部41は、受信した条件を記憶する。
【0050】
要求スキルは、1以上の評価項目を含む。要求スキルに含まれる評価項目は、保有スキルの複数の評価項目のいずれかと共通である。要求スキルは、評価項目毎のスコア(以下、「要求スコア」と称することがある)を含む。要求スコアは、企業2が自らの勤務者に要求する評価項目毎のスコアの下限値を意味する。
【0051】
要求スキルは、例えば、必須スキルと期待スキルとを含む。必須スキルは、企業2に勤務する勤務者に必須であるスキルである。例えば、企業2がタクシー会社である場合、必須スキルの例として運転技能が挙げられる。期待スキルは、企業2に勤務する勤務者に必須ではないものの、保有が期待されるスキルである。例えば、企業2がタクシー会社である場合、期待スキルの例として慎重さが挙げられる。
【0052】
記憶部41は、過去に第1企業21から転職したミスマッチ勤務者の保有スキルを記憶している。「過去」とは、例えば、人材共有システム1がミスマッチ情報(後述)を生成する前の時点である。
【0053】
記憶部41は、各種のマスター情報を記憶している。記憶部41は、例えば、企業2のコードのマスター情報、保有スキルのマスター情報、及び地域のマスター情報を記憶している。
【0054】
以下、説明の便宜のため、第1企業21が自らの勤務者に要求する条件を第1条件と称し、第2企業22が自らの勤務者に要求する条件を第2条件と称することがある。第1企業21が勤務者に保有を求める要求スキルを第1要求スキルと称し、第2企業22が勤務者に保有を求める要求スキルを第2要求スキルと称することがある。第2要求スキルに含まれる必須スキルを第2必須スキルと称し、第2要求スキルに含まれる期待スキルを第2期待スキルと称することがある。
【0055】
ミスマッチ情報生成部42は、企業サーバ5により記憶された第1企業21に勤務する勤務者毎の人材プロファイルと、記憶部41により記憶された第1条件とに基づいて、ミスマッチ情報を生成する。ミスマッチ情報は、第1企業21にミスマッチなミスマッチ勤務者を示す情報である。「ミスマッチである」とは、例えば、企業2の勤務者が、当該企業2が自らの勤務者に要求する条件を満たしていないことを含む。「ミスマッチである」とは、例えば、企業2に勤務する勤務者の現在の職種が、当該勤務者の希望職種と一致していないことを含む。「ミスマッチである」とは、例えば、勤務者が、自らが勤務する企業2からの転職を希望していることを含む。
【0056】
ミスマッチ情報生成部42は、例えば、企業サーバ5により記憶された第1企業21の勤務者の人材プロファイルと、記憶部41により記憶された第1条件とに基づいて第1マッチ度を算出する。第1マッチ度は、第1企業21と、第1企業21に勤務する勤務者とのマッチングの度合いである。第1マッチ度は、例えば、0以上且つ100以下の値により表現される。ミスマッチ情報生成部42は、例えば、企業サーバ5により記憶された保有スキルと、記憶部41により記憶された第1要求スキルとに基づいて、第1マッチ度を算出する。
【0057】
第1マッチ度を算出するにあたり、図5に示されるように、ミスマッチ情報生成部42は、保有スキルが第1要求スキルを含むか否かを判定する。より具体的には、ミスマッチ情報生成部42は、保有スキルの評価項目のうち、第1要求スキルの評価項目と共通の評価項目があるか否かを判定する。当該共通の評価項目がある場合、ミスマッチ情報生成部42は、保有スキルが第1要求スキルを含むと判定する。当該共通の評価項目がない場合、ミスマッチ情報生成部42は、保有スキルが第1要求スキルを含まないと判定する。
【0058】
保有スキルが第1要求スキルを含まない場合、ミスマッチ情報生成部42は、第1マッチ度を示す値として0を算出する。保有スキルが第1要求スキルを含む場合、ミスマッチ情報生成部42は、上記の共通の評価項目を特定する。
【0059】
ミスマッチ情報生成部42は、特定した共通の評価項目毎に、保有スコアが要求スコア以上であるか否かを判定する。保有スコアが要求スコア以上である場合、ミスマッチ情報生成部42は、所定の第1の値(例えば100)を、特定した評価項目におけるポイントとして算出する。保有スコアが要求スコアよりも小さい場合、ミスマッチ情報生成部42は、第1の値よりも小さい所定の第2の値(例えば50)を、特定した評価項目におけるポイントとして算出する。ミスマッチ情報生成部42は、特定した共通の評価項目毎にポイントを算出する。
【0060】
ミスマッチ情報生成部42は、特定した共通の評価項目毎に算出したポイントに基づいて第1マッチ度を算出する。例えば、ミスマッチ情報生成部42は、共通の評価項目毎のポイントの合計値を第1マッチ度として算出してよい。
【0061】
また、ミスマッチ情報生成部42は、共通の評価項目毎のポイントに基づき統計処理を実施することにより第1マッチ度を算出してもよい。例えば、ミスマッチ情報生成部42は、共通の評価項目毎のポイントの平均値を第1マッチ度として算出してもよい。例えば、ミスマッチ情報生成部42は、共通の評価項目毎のポイントの重みつき平均値を第1マッチ度として算出してもよい。例えば、ミスマッチ情報生成部42は、共通の評価項目毎のポイントの合計値を正規化した値を第1マッチ度として算出してもよい。ミスマッチ情報生成部42は、当該合計値に所定の係数を乗じて正規化してもよい。ミスマッチ情報生成部42が統計処理により第1マッチ度を算出する場合、共通の評価項目の数が勤務者毎に異なる場合でも、適切に第1マッチ度を算出できる。
【0062】
ミスマッチ情報生成部42は、例えば、算出した第1マッチ度が所定値未満である勤務者をミスマッチ勤務者として抽出する。
【0063】
ミスマッチ情報生成部42は、第1企業21における勤務者の現在の職種と、希望職種とに基づいて、希望職種が現在の職種と異なる勤務者をミスマッチ勤務者として抽出する。具体的には、ミスマッチ情報生成部42は、企業サーバ5により記憶された勤務者情報に基づいて、勤務者の現在の職種と希望職種とが一致しているか否かを判定する。ミスマッチ情報生成部42は、現在の職種と希望職種とが一致していない勤務者をミスマッチ勤務者として抽出する。
【0064】
ミスマッチ情報生成部42は、転職希望の有無に基づいて、転職を希望する勤務者をミスマッチ勤務者として抽出する。具体的には、ミスマッチ情報生成部42は、企業サーバ5により記憶された転職希望情報に基づいて、転職希望のフラグが立っているか否かを判定する。ミスマッチ情報生成部42は、転職希望のフラグが立っている勤務者をミスマッチ勤務者として抽出する。
【0065】
ミスマッチ情報生成部42は、例えば、算出した第1マッチ度が所定値未満であること、希望職種が現在の職種と異なっていること、及び転職を希望していることの少なくとも1つを満たした勤務者をミスマッチ勤務者として抽出する。
【0066】
ミスマッチ情報生成部42は、抽出したミスマッチ勤務者を示す情報をミスマッチ情報として生成する。ミスマッチ情報は、例えば、ミスマッチ情報生成部42により抽出されたミスマッチ勤務者を示すリストである。図6に示されるように、ミスマッチ情報生成部42は、企業サーバ5により記憶された企業情報、勤務者情報、保有スキル、及び転職希望情報に基づいて、ミスマッチ勤務者毎に、企業2のコード、企業2の名称、業種、職種、性別、年齢、居住地、転職希望の有無、保有スキル、及びレンタルの可否をまとめたリストをミスマッチ情報として生成する。
【0067】
第2条件受付部43は、第2条件の入力を受け付ける。第2企業22は、例えば、自らの企業端末3を介して第2条件を入力する。企業端末3は、入力された第2条件を管理サーバ4に送信する。第2条件受付部43は、受信した第2条件を受け付ける。
【0068】
第2条件受付部43は、例えば、第2条件の受付画面A1を企業端末3に表示する。図7に示されるように、受付画面A1は、例えば、スキル入力部A11と、条件入力部A12と、検索ボタンA10と、を含む。スキル入力部A11は、第2要求スキルの評価項目を入力するための部分である。スキル入力部A11は、第2必須スキルの評価項目を入力するための必須スキル入力部A13と、第2期待スキルの評価項目を入力するための期待スキル入力部A14と、を含む。
【0069】
条件入力部A12は、第2要求スキルの評価項目以外の条件(以下、「勤務者条件」と称することがある)を入力するための部分である。条件入力部A12は、例えば、勤務者の性別、年齢、及び勤務地を入力するための部分である。検索ボタンA10は、スキル入力部A11及び条件入力部A12に入力された内容に基づいて、レコメンド情報の生成を実行するためのボタンである。
【0070】
第2企業22は、例えば、受付画面A1を介して第2条件を入力する。第2企業22は、必須スキル入力部A13に第2必須スキルの評価項目を入力する。第2企業22は、期待スキル入力部A14に第2期待スキルの評価項目を入力する。第2企業22は、条件入力部A12に勤務者の性別、年齢、及び勤務地を入力する。その後、第2企業22は、検索ボタンA10を押下する。すると、企業端末3は、第2企業22により入力された第2条件を管理サーバ4に送信する。
【0071】
例えば、第2企業22が既に必須スキルを有している即戦力を求めている場合、第2企業22は、必須スキル入力部A13に第2必須スキルの評価項目を入力すると考えられる。例えば、第2企業22が将来的に活躍することが期待される未経験者を求めている場合、第2企業22は、必須スキル入力部A13に入力を行うことなく、期待スキル入力部A14に第2期待スキルの評価項目を入力することが考えられる。
【0072】
レコメンド情報生成部44は、ミスマッチ情報生成部42により生成されたミスマッチ情報により示されるミスマッチ勤務者の人材プロファイルと、第2条件受付部43により受け付けられた第2条件とに基づいて、レコメンド情報を生成する。レコメンド情報は、第2企業22に推奨されるミスマッチ勤務者を示す情報である。「推奨される」とは、例えば、ミスマッチ勤務者が第2条件を満たしていることを含む。
【0073】
レコメンド情報生成部44は、ミスマッチ情報生成部42により抽出されたミスマッチ勤務者の人材プロファイルと、第2条件受付部43により受け付けられた第2条件とに基づいて、人材抽出処理を実行する。人材抽出処理は、ミスマッチ情報生成部42により抽出されたミスマッチ勤務者から、勤務者条件を満たすミスマッチ勤務者を抽出する処理である。人材抽出処理では、レコメンド情報生成部44は、企業サーバ5により記憶された勤務者情報、及び、第2条件受付部43により受け付けられた勤務者条件に基づいて、勤務者条件を満たすミスマッチ勤務者を抽出する。
【0074】
レコメンド情報生成部44は、例えば、抽出したミスマッチ勤務者の人材プロファイルと、第2条件受付部43により受け付けられた第2条件とに基づいて第2マッチ度を算出する。第2マッチ度は、第2企業22とミスマッチ勤務者とのマッチングの度合いである。第2マッチ度は、例えば、0以上且つ100以下の値により表現される。レコメンド情報生成部44は、企業サーバ5により記憶されたミスマッチ勤務者の保有スキルと、第2条件受付部43により受け付けられた第2要求スキルとに基づいて、第2マッチ度を算出する。
【0075】
第2マッチ度を算出するにあたり、レコメンド情報生成部44は、保有スキルが第2必須スキルを含むか否かを判定する。より具体的には、レコメンド情報生成部44は、保有スキルの評価項目のうち、第2必須スキルの評価項目と共通の評価項目があるか否かを判定する。当該共通の評価項目がある場合、レコメンド情報生成部44は、保有スキルが第2必須スキルを含むと判定する。当該共通の評価項目がない場合、レコメンド情報生成部44は、保有スキルが第2必須スキルを含まないと判定する。
【0076】
保有スキルが第2必須スキルを含まない場合、レコメンド情報生成部44は、第2マッチ度を示す値として0を算出する。保有スキルが第2必須スキルを含む場合、レコメンド情報生成部44は、保有スキルの評価項目のうち、第2要求スキルの評価項目と共通の評価項目を特定する。レコメンド情報生成部44は、第2条件受付部43により受け付けられた第2条件に基づいて、特定した共通の評価項目を第2必須スキルの評価項目と第2期待スキルの評価項目とに分類する。
【0077】
図8に示されるように、レコメンド情報生成部44は、分類した第2必須スキルの評価項目毎に、保有スコアが所定の第3の値(例えば4)以上であるか否かを判定する。保有スコアが第3の値以上である場合、レコメンド情報生成部44は、所定の第4の値(例えば100)を評価項目におけるポイントとして算出する。保有スコアが第3の値未満である評価項目が存在する場合、レコメンド情報生成部44は、第2マッチ度を示す値として0を算出する。但し、保有スコアが第3の値未満である場合、レコメンド情報生成部44は、第4の値よりも小さい所定の第5の値(例えば0)を評価項目におけるポイントとして算出してもよい。
【0078】
レコメンド情報生成部44は、分類した第2期待スキルの評価項目毎に、保有スコアが所定の第6の値(例えば4)以上であるか否かを判定する。保有スコアが第6の値以上である場合、レコメンド情報生成部44は、所定の第7の値(例えば100)を評価項目におけるポイントとして算出する。保有スコアが第6の値未満である場合、レコメンド情報生成部44は、第7の値よりも小さい所定の第8の値(例えば50)を評価項目におけるポイントとして算出する。レコメンド情報生成部44は、特定した共通の評価項目毎にポイントを算出する。
【0079】
レコメンド情報生成部44は、特定した共通の評価項目毎に算出したポイントに基づいて第2マッチ度を算出する。例えば、レコメンド情報生成部44は、共通の評価項目毎のポイントの合計値を第2マッチ度として算出してよい。
【0080】
また、レコメンド情報生成部44は、共通の評価項目毎のポイントに基づき統計処理を実施することにより第2マッチ度を算出してもよい。例えば、レコメンド情報生成部44は、共通の評価項目毎のポイントの平均値を第2マッチ度として算出してもよい。例えば、レコメンド情報生成部44は、共通の評価項目毎のポイントの重みつき平均値を第2マッチ度として算出してもよい。例えば、レコメンド情報生成部44は、共通の評価項目毎のポイントの合計値に所定の係数を乗じて正規化した値を第2マッチ度として算出してもよい。レコメンド情報生成部44が統計処理により第2マッチ度を算出する場合、勤務者毎に共通の評価項目の数が異なる場合でも、適切に第2マッチ度を算出できる。レコメンド情報生成部44は、算出した第2マッチ度が所定値以上であるミスマッチ勤務者を、第2企業22に推奨されるミスマッチ勤務者として抽出する。レコメンド情報生成部44は、抽出したミスマッチ勤務者を示す情報をレコメンド情報として生成する。
【0081】
提供部45は、レコメンド情報生成部44により生成されたレコメンド情報を第2企業22に提供する。提供部45は、レコメンド情報を第2企業22の企業端末3に送信する。提供部45は、送信したレコメンド情報を当該企業端末3に表示する。
【0082】
提供部45は、レコメンド情報の表示画面A2を第2企業22の企業端末3に表示する。図9に示されるように、レコメンド情報は、例えば、レコメンド情報生成部44により抽出されたミスマッチ勤務者を示すリストである。表示画面A2は、ミスマッチ勤務者表示部A21と、選択ボタンA22と、を含む。ミスマッチ勤務者表示部A21は、ミスマッチ勤務者の情報を表示する部分である。ミスマッチ勤務者表示部A21は、ミスマッチ勤務者の業種、現在の職種、性別、年齢、居住地、及び転職希望の有無を表示する。選択ボタンA22は、選択されたミスマッチ勤務者の詳細な情報を表示するためのボタンである。
【0083】
レコメンド情報は、ミスマッチ勤務者を特定可能な情報を含まない。ミスマッチ勤務者を特定可能な情報とは、例えば、ミスマッチ勤務者の氏名である。一般的に、勤務者は、自分の企業2と自分とがミスマッチであることを他の企業2に知られたくないと考えられる。したがって、レコメンド情報がミスマッチ勤務者を特定可能な情報を含まないことにより、ミスマッチ勤務者のプライバシーを保護することができる。
【0084】
第2企業22は、例えば、ミスマッチ勤務者表示部A21を参照して、自らに入社させたいミスマッチ勤務者を探す。第2企業22は、例えば、自らが興味を持ったミスマッチ勤務者が存在する場合、選択ボタンA22を押下する。すると、企業端末3は、ミスマッチ勤務者の詳細情報を要求する要求指令を管理サーバ4に送信する。提供部45は、受信した要求指令に基づいて、要求指令により示されるミスマッチ勤務者の詳細情報を取得する。具体的には、提供部45は、企業サーバ5により記憶された企業情報、勤務者情報、保有スキル、及び転職希望情報に基づいて、要求指令により示されるミスマッチ勤務者の詳細情報を取得する。提供部45は、企業2のコード、企業2の名称、業種、現在の職種、年齢、居住地、転職希望の有無、年俸、及び保有スキルを詳細情報として取得する。
【0085】
提供部45は、ミスマッチ勤務者の詳細情報画面A3を第2企業22の企業端末3に表示する。図10に示されるように、詳細情報画面A3は、詳細情報表示部A31を含む。詳細情報表示部A31は、ミスマッチ勤務者の詳細情報を表示する部分である。提供部45は、取得した詳細情報を詳細情報表示部A31に表示する。
【0086】
提供部45は、雇用条件受付部46(後述)により受け付けられた雇用条件を第1企業21に提供する。提供部45は、雇用条件を第1企業21の企業端末3に送信する。提供部45は、送信した雇用条件を第1企業21の企業端末3に表示する。
【0087】
提供部45は、雇用条件確認画面A4を第1企業21の企業端末3に表示する。図11に示されるように、雇用条件確認画面A4は、雇用条件表示部A41を含む。雇用条件表示部A41は、第2企業22からミスマッチ勤務者に提示された雇用条件を表示する部分である。提供部45は、応募先決定部48(後述)により特定された第2企業22毎に、企業サーバ5に記憶された第2企業22のコード、及び第2企業22の名称を雇用条件表示部A41に表示する。提供部45は、特定された第2企業22毎に、雇用条件受付部46により受け付けられたレンタル希望の有無、年俸、及び担当職種を雇用条件表示部A41に表示する。
【0088】
提供部45は、算出部47(後述)により算出された移籍金の額を雇用条件表示部A41に表示する。移籍金とは、例えば、ミスマッチ勤務者が転職することにより第1企業21に生じる不利益を填補する目的で支払われる金銭である。提供部45は、雇用条件受付部46により雇用条件が受け付けられた入札日を雇用条件表示部A41に表示する。
【0089】
雇用条件受付部46は、ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する第2企業22がミスマッチ勤務者に提示する雇用条件を受け付ける。雇用条件は、例えば、第2企業22がミスマッチ勤務者に提示する年俸を含む。雇用条件は、例えば、第2企業22がミスマッチ勤務者に提示する担当職種、福利厚生、及び勤務地を含んでもよい。雇用条件の内容は、特に限定されない。第2企業22は、例えば、自らの企業端末3を介して雇用条件を入力する。企業端末3は、入力された雇用条件を管理サーバ4に送信する。雇用条件受付部46は、受信した雇用条件を受け付ける。
【0090】
図10に示されるように、詳細情報画面A3は、雇用条件入力部A32と、入札ボタンA33とを含む。雇用条件入力部A32は、第2企業22による雇用条件の入力を受け付けるための部分である。入札ボタンA33は、ミスマッチ勤務者に対して応募のオファーを行うためのボタンである。第2企業22は、例えば、雇用条件入力部A32を介して、レンタル希望の有無、ミスマッチ勤務者に提示する年俸、ミスマッチ勤務者に担当させる担当職種、及びミスマッチ勤務者に向けたコメントを雇用条件として入力する。コメントは、例えば、第2企業22が要求する人柄等を伝えるメッセージを含む。そして、第2企業22は、入札ボタンA33を押下する。すると、企業端末3は、入力された雇用条件を管理サーバ4に送信する。
【0091】
例えば、第2企業22は、詳細情報表示部A31を参照して、ミスマッチ勤務者の保有スキルを確認する。このとき、第2企業22は、ミスマッチ勤務者の主観評価のみならず、第1企業21がミスマッチ勤務者に与えた客観評価を参照して保有スキルを確認する。これにより、第2企業22は、一般的に採用面接で把握可能な主観評価のみならず、ミスマッチ勤務者が勤務する第1企業21がミスマッチ勤務者に対して与えた評価を把握できる。
【0092】
雇用条件受付部46は、オークション受付部49(後述)によりオークション希望が受け付けられた場合、ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する複数の第2企業22から、再度、雇用条件を受け付ける。
【0093】
第2企業22から再度雇用条件を受け付ける場合、雇用条件受付部46は、例えば、第2企業22の企業端末3に詳細情報画面A3を再度表示する。第2企業22は、例えば、雇用条件入力部A32を介して、雇用条件を再度入力する。第2企業22は、最初に入力した雇用条件と異なる雇用条件を入力してもよく、同一の雇用条件を入力してもよい。第2企業22は、雇用条件を雇用条件入力部A32に入力した後、入札ボタンA33を押下する。すると、企業端末3は、入力された雇用条件を管理サーバ4に送信する。雇用条件受付部46は、受信した雇用条件を再度受け付ける。
【0094】
算出部47は、転職先から第1企業21に支払われる移籍金の額を算出する。算出部47は、ミスマッチ情報生成部42により算出された第1マッチ度と、レコメンド情報生成部44により算出された第2マッチ度とに基づいて、移籍金の額を算出する。算出部47は、第1マッチ度と第2マッチ度とに基づいて、移籍金の額を算出するための係数を算出する。算出部47は、雇用条件受付部46により受け付けられた雇用条件に含まれる年俸に、算出した係数を乗じた値を移籍金の額として算出する。
【0095】
移籍金の額を算出するにあたり、図12に示されるように、算出部47は、第1マッチ度(第1企業21とミスマッチ勤務者とのマッチ度)が所定の第9の値以上であるか否かを判定する。算出部47は、第2マッチ度(第2企業22とミスマッチ勤務者とのマッチ度)が所定の第10の値以上であるか否かを判定する。第9の値は、第10の値と等しくてもよく、異なっていてもよい。
【0096】
第1マッチ度が第9の値以上であり、且つ、第2マッチ度が第10の値以上である場合(以下、「第1パターン」)、第1企業21とのマッチ度が高い勤務者が第1企業21から第2企業22に転職することとなる。このため、ミスマッチ勤務者の転職により第1企業21が受ける不利益は、他の場合と比較して大きいと考えられる。この場合、算出部47は、所定の第1係数(例えば2.5/12)を係数として算出する。算出部47は、年俸に第1係数を乗じた値を移籍金の額として算出する。
【0097】
なお、勤務者の第1マッチ度が所定値以上であるにも関わらず、ミスマッチ情報生成部42が当該勤務者をミスマッチ勤務者として抽出する場合とは、例えば、当該勤務者が第1企業21からの転職を希望している場合である。
【0098】
第1マッチ度が第9の値未満であり、且つ、第2マッチ度が第10の値以上である場合(以下、「第2パターン」)、第1企業21とのマッチ度が低い勤務者が第1企業21から第2企業22に転職することとなる。このため、ミスマッチ勤務者の転職により第1企業21が受ける不利益は、第1パターンと比較して小さいと考えられる。この場合、算出部47は、第1係数よりも小さい所定の第2係数(例えば2/12)を係数として算出する。算出部47は、年俸に第2係数を乗じた値を移籍金の額として算出する。
【0099】
第1マッチ度が第9の値以上であり、且つ、第2マッチ度が第10の値未満である場合(以下、「第3パターン」)、第2企業22とのマッチ度が低い勤務者が第1企業21から第2企業22に転職することとなる。このため、ミスマッチ勤務者が転職してくることにより第2企業22が受ける利益は、第1パターンと比較して小さいと考えられる。この場合、算出部47は、第1係数よりも小さい所定の第3係数(例えば1.5/12)を係数として算出する。算出部47は、年俸に第3係数を乗じた値を移籍金の額として算出する。
【0100】
第2企業22は、移籍金を第1企業21に支払う立場であるため、第3パターンでは、第2パターンよりも移籍金の額を小さくすることが合理的であると考えられる。したがって、上記の例では、第3係数は、第2係数よりも小さい。但し、第3係数は、第2係数以上でもよい。
【0101】
第1マッチ度が第9の値未満であり、且つ、第2マッチ度が第10の値未満である場合(以下、「第4パターン」)、第1企業21及び第2企業22とのマッチ度が低い勤務者が第1企業21から第2企業22に転職することとなる。このため、ミスマッチ勤務者の転職により第1企業21が受ける不利益は、第2パターンの場合と比較して小さいと考えられる。また、ミスマッチ勤務者が転職してくることにより第2企業22が受ける利益は、第3パターンの場合と比較して小さいと考えられる。この場合、算出部47は、第2係数及び第3係数よりも小さい所定の第4係数(例えば1/12)を係数として算出する。算出部47は、年俸に第4係数を乗じた値を移籍金の額として算出する。
【0102】
図10に示されるように、詳細情報画面A3は、移籍金表示部A34を含む。移籍金表示部A34は、移籍金の額を表示する部分である。算出部47は、雇用条件入力部A32に入力された年俸に、算出した係数を乗じた値を移籍金の額として算出する。算出部47は、算出した移籍金の額を移籍金表示部A34に表示する。
【0103】
算出部47は、応募先決定部48により決定されたミスマッチ勤務者の応募先がミスマッチ勤務者の転職先として決定した場合、最終的な移籍金の額を算出する。転職先とは、例えば、ミスマッチ勤務者が入社することが決定した第2企業22である。入社の決定とは、例えば、企業2がミスマッチ勤務者に内定を通知し、当該ミスマッチ勤務者が通知された内定を承諾したことを含む。最終的な移籍金とは、ミスマッチ勤務者が第2企業22に転職することが決定したときに、第2企業22から第1企業21に支払われる金銭である。
【0104】
雇用条件受付部46が一の第2企業22から雇用条件を再度受け付けた場合、算出部47は、雇用条件受付部46により最後に受け付けられた雇用条件に含まれる年俸に、算出した係数を乗じた値を最終的な移籍金の額として算出する。雇用条件受付部46が一の第2企業22から雇用条件を一度だけ受け付けた場合、算出部47は、当該受け付けた雇用条件に含まれる年俸に、算出した係数を乗じた値を最終的な移籍金の額として算出する。
【0105】
応募先決定部48は、レコメンド情報生成部44により生成されたレコメンド情報により示されるミスマッチ勤務者の応募先を決定する。応募先は、例えば、ミスマッチ勤務者が採用を求めて応募する第2企業22である。応募先決定部48は、例えば、ミスマッチ勤務者の応募先として1つの第2企業22を決定する。但し、応募先決定部48は、応募先として複数の第2企業22を決定してもよい。
【0106】
応募先決定部48は、ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する第2企業22を特定する。応募先決定部48は、例えば、雇用条件受付部46により雇用条件を受け付けた第2企業22を、ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する第2企業22として特定する。
【0107】
応募先決定部48は、ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する複数の第2企業22が存在するか否かを判定する。ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する複数の第2企業22が存在しない場合(すなわち、一の第2企業22のみがミスマッチ勤務者の受け入れを希望する場合)、応募先決定部48は、当該一の第2企業22を応募先として決定する。
【0108】
応募先決定部48は、オークション受付部49によりオークション希望が受け付けられた場合、雇用条件受付部46により再度受け付けられた雇用条件に基づいて、オークション形式により複数の第2企業22からミスマッチ勤務者の応募先を決定する。応募先決定部48は、例えば、年俸が最も高い第2企業22をミスマッチ勤務者の応募先として決定する。
【0109】
応募先決定部48は、第1企業21がオークション形式により応募先を決定しない場合、第1企業21の希望に基づいて応募先を決定する。具体的には、応募先決定部48は、オークション受付部49によりオークション非希望が受け付けられた場合、第1企業21による応募先の希望を受け付ける。応募先決定部48は、例えば、ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する複数の第2企業22を示す情報を第1企業21の企業端末3に送信する。第1企業21は、例えば、企業端末3を介して応募先の希望を入力する。企業端末3は、入力された応募先の希望を管理サーバ4に送信する。応募先決定部48は、応募先の希望を受信して受け付ける。
【0110】
第1企業21が応募先の希望を決定するにあたり、ミスマッチ勤務者が応募先の希望を決定してもよく、ミスマッチ勤務者以外の者がミスマッチ勤務者と相談することにより応募先の希望を決定してもよい。ミスマッチ勤務者以外の者は、例えば、第1企業21の社長、又は人事部長等の特定の役職を有する者でもよい。例えば、ミスマッチ勤務者の希望とミスマッチ勤務者以外の者の希望とが互いに異なる場合、ミスマッチ勤務者の希望を優先して決定する旨の取り決めが予めなされていてもよい。
【0111】
図11に示されるように、雇用条件確認画面A4は、選択ボタンA42を含む。選択ボタンA42は、ミスマッチ勤務者による応募先の希望の送信を指示するためのボタンである。ミスマッチ勤務者は、例えば、雇用条件表示部A41を参照して、自らに提示された雇用条件を確認し、自らの応募先を決定する。ミスマッチ勤務者は、例えば、自らの応募先を決定した後に選択ボタンA42を押下する。すると、第1企業21の企業端末3は、応募先の希望を管理サーバ4に送信する。応募先決定部48は、受信した応募先の希望に基づき、ミスマッチ勤務者が希望する第2企業22を応募先として決定する。
【0112】
オークション受付部49は、ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する複数の第2企業22が存在する場合、第1企業21がオークション形式により応募先を決定するか否かを受け付ける。オークション形式とは、例えば、複数の第2企業22がミスマッチ勤務者に提示する雇用条件のうち、最もミスマッチ勤務者に有利な雇用条件を提示した第2企業22をミスマッチ勤務者の応募先として決定する形式を含む。
【0113】
オークション受付部49は、オークション形式による応募先の決定を希望するオークション希望、及び、オークション形式による応募先の決定を希望しないオークション非希望のいずれかを第1企業21の企業端末3から受け付ける。第1企業21は、例えば、自らの企業端末3を介して、オークション希望及びオークション非希望のいずれかを管理サーバ4に送信する。オークション受付部49は、オークション希望及びオークション非希望のいずれかを受信して受け付ける。
【0114】
図11に示されるように、雇用条件確認画面A4は、オークション希望部A43を含む。オークション希望部A43は、オークション希望の送信を指示するための部分である。第1企業21は、例えば、オークション形式による応募先の決定を希望する場合、オークション希望部A43を押下する。すると、第1企業21の企業端末3は、オークション希望を管理サーバ4に送信する。オークション受付部49は、受信したオークション希望を受け付ける。第1企業21は、例えば、オークション形式による応募先の決定を希望しない場合、選択ボタンA42を押下する。すると、第1企業21の企業端末3は、オークション非希望を管理サーバ4に送信する。オークション受付部49は、受信したオークション非希望を受け付ける。
【0115】
第1企業21がオークション希望及びオークション非希望のいずれを入力するかを決定するにあたり、ミスマッチ勤務者が決定してもよく、ミスマッチ勤務者以外の者が決定してもよい。例えば、ミスマッチ勤務者の決定とミスマッチ勤務者以外の者の決定とが互いに異なる場合、ミスマッチ勤務者の決定が優先される旨の取り決めが予めなされていてもよい。
【0116】
成約受付部50は、応募先決定部48により決定されたミスマッチ勤務者の応募先が、ミスマッチ勤務者の転職先として決定したか否かを受け付ける。成約受付部50は、例えば、第2企業22の企業端末3にミスマッチ勤務者との採用面接の結果の入力画面(不図示)を表示する。第2企業22は、当該入力画面を介して、ミスマッチ勤務者の入社が決定したか否かを入力する。第2企業22の企業端末3は、入力された結果を管理サーバ4に送信する。成約受付部50は、当該結果を受信して受け付ける。
【0117】
係数算出部51は、第1企業21により評価されたミスマッチ勤務者の保有スキルと、ミスマッチ勤務者の転職先である第2企業22により評価されたミスマッチ勤務者の保有スキルとの比較に基づいて、第1企業21に対する評価係数を算出する。評価係数は、第1企業21による勤務者の評価の信頼性を必要に応じて補正するための係数である。
【0118】
評価係数を算出するにあたり、係数算出部51は、第1企業21により評価されたミスマッチ勤務者の保有スキルに基づいて、第1企業21による客観評価を含む評価項目を特定する。係数算出部51は、第2企業22により評価されたミスマッチ勤務者の保有スキルに基づいて、第2企業22による客観評価を含む評価項目を特定する。係数算出部51は、特定した第1企業21の評価項目のうち、特定した第2企業22の評価項目と共通の評価項目を特定する。
【0119】
係数算出部51は、特定した共通の評価項目毎に、第2企業22による客観評価から第1企業21による客観評価を差し引いた値を評価差として算出する。係数算出部51は、当該共通の評価項目毎に、算出した評価差が所定範囲内であるか否かを判定する。評価差が所定範囲内であるとは、例えば、評価差が所定の第11の値(例えば-2)以上、且つ、第11の値よりも大きい所定の第12の値(例えば2)以下であることを言う。第11の値は、例えば負の値であり、第12の値は、例えば正の値である。
【0120】
係数算出部51は、上記の共通の評価項目毎に評価係数を算出する。算出した評価差が第11の値未満である場合、係数算出部51は、所定の第13の値(例えば2/3)を評価係数として算出する。算出した評価差が第12の値よりも大きい場合、係数算出部51は、第13の値よりも大きい所定の第14の値(例えば3/2)を評価係数として算出する。
【0121】
補正部52は、第1企業21により評価された他の勤務者の保有スキルを、係数算出部51により算出された評価係数に基づいて補正する。当該他の勤務者は、ミスマッチ勤務者以外の第1企業21の勤務者である。補正部52は、企業サーバ5により記憶された客観評価に、係数算出部51により算出された評価係数を乗じた値を補正後の客観評価として算出する。補正部52は、上記の共通の評価項目毎に補正後の客観評価を算出する。補正部52は、企業サーバ5により記憶された客観評価を補正後の客観評価に更新することにより、保有スキルを補正する。
【0122】
[人材共有方法]
続いて、人材共有システム1の動作(人材共有方法の一例を含む)を説明する。人材共有システム1が図13に示される処理を実行する前において、企業サーバ5は、自らの企業2の企業情報、勤務者情報、保有スキル、及び転職希望情報を記憶している。例えば、企業情報、勤務者情報、保有スキル、及び転職希望情報の少なくとも1つの更新が必要となったときに、企業2は、自らの企業端末3を介して、これらの情報の更新を行う。具体的には、企業2は、自らの企業サーバ5により記憶された企業データベースDB1、勤務者データベースDB2、保有スキルデータベースDB3、及び転職希望データベースDB4の少なくとも1つを更新する。
【0123】
記憶部41は、企業2毎に、企業2が自らの勤務者に要求する条件を記憶している。例えば、当該条件の更新が必要となったときに、企業2は、自らの企業端末3を介して、当該条件の更新を行う。具体的には、企業2は、自らの企業端末3を介して、更新後の条件を管理サーバ4に送信する。記憶部41は、自ら記憶している当該条件を、受信した更新後の条件に更新する。
【0124】
まず、ミスマッチ情報生成部42は、企業サーバ5により記憶された第1企業21の勤務者の人材プロファイルと、記憶部41により記憶された第1条件とに基づいて、第1マッチ度を算出する(工程S1)。工程S1では、ミスマッチ情報生成部42は、例えば、企業サーバ5により記憶された保有スキルと、記憶部41により記憶された第1要求スキルとに基づいて、第1マッチ度を算出する。
【0125】
続いて、ミスマッチ情報生成部42は、企業サーバ5により記憶された第1企業21に勤務する勤務者毎の人材プロファイルと、記憶部41により記憶された第1条件とに基づいて、ミスマッチ情報を生成する(工程S2)。具体的には、工程S2では、ミスマッチ情報生成部42は、工程S1において算出した第1マッチ度が所定値未満である勤務者をミスマッチ勤務者として抽出する。工程S2では、ミスマッチ情報生成部42は、第1企業21における勤務者の現在の職種と、希望職種とに基づいて、希望職種が現在の職種と異なる勤務者をミスマッチ勤務者として抽出する。工程S2では、ミスマッチ情報生成部42は、転職希望の有無に基づいて、転職を希望する勤務者をミスマッチ勤務者として抽出する。ミスマッチ情報生成部42は、抽出したミスマッチ勤務者を示す情報をミスマッチ情報として生成する。
【0126】
続いて、第2条件受付部43は、第2条件の入力を受け付ける(工程S3)。工程S3では、第2条件受付部43は、第2企業22の企業端末3を介して、第2企業22による第2条件の入力を受け付ける。
【0127】
続いて、レコメンド情報生成部44は、工程S2において生成されたミスマッチ情報により示されるミスマッチ勤務者の人材プロファイルと、工程S3において受け付けられた第2条件とに基づいて、第2マッチ度を算出する(工程S4)。具体的には、工程S4では、レコメンド情報生成部44は、企業サーバ5により記憶された保有スキルと、記憶部41により記憶された第2要求スキルとに基づいて、第2マッチ度を算出する。
【0128】
続いて、レコメンド情報生成部44は、工程S2において生成されたミスマッチ情報により示されるミスマッチ勤務者の人材プロファイルと、工程S3において受け付けられた第2条件とに基づいて、レコメンド情報を生成する(工程S5)。具体的には、工程S5では、レコメンド情報生成部44は、工程S4において算出された第2マッチ度が所定値以上であるミスマッチ勤務者を抽出する。レコメンド情報生成部44は、抽出したミスマッチ勤務者を示す情報をレコメンド情報として生成する。
【0129】
続いて、提供部45は、工程S5において生成されたレコメンド情報を第2企業22に提供する(工程S6)。工程S6では、提供部45は、レコメンド情報を第2企業22の企業端末3に表示する。
【0130】
続いて、雇用条件受付部46は、ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する第2企業22がミスマッチ勤務者に提示する雇用条件を受け付ける(工程S7)。工程S7では、雇用条件受付部46は、第2企業22の企業端末3を介して、年俸を含む雇用条件を受け付ける。
【0131】
工程S7では、算出部47は、工程S1において算出された第1マッチ度と、工程S4において算出された第2マッチ度とに基づいて、移籍金の額を算出する。工程S7では、算出部47は、第1マッチ度と第2マッチ度とに基づいて、移籍金の額を算出するための係数を算出する。具体的には、算出部47は、雇用条件受付部46により受け付けられた年俸に、算出した係数を乗じた値を移籍金の額として算出する。算出部47は、算出した移籍金の額を第2企業22の企業端末3に表示する。
【0132】
続いて、提供部45は、工程S7において受け付けられた雇用条件を、第1企業21に提供する(工程S8)。工程S8では、提供部45は、雇用条件を第1企業21の企業端末3に表示する。
【0133】
続いて、応募先決定部48は、応募先決定処理を実行する(工程S9)。応募先決定処理は、ミスマッチ勤務者の応募先を決定する処理である。以下、応募先決定処理を詳細に説明する。
【0134】
図14に示されるように、まず、応募先決定部48は、ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する第2企業22を特定する(工程S21)。工程S21では、応募先決定部48は、工程S7において雇用条件を受け付けられた第2企業22を、ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する第2企業22として特定する。
【0135】
続いて、応募先決定部48は、工程S21において特定された受け入れを希望する複数の第2企業22が存在するか否かを判定する(工程S22)。受け入れを希望する複数の第2企業22が存在しない場合(工程S22:NO)、応募先決定部48は、受け入れを希望する第2企業22を応募先として決定する(工程S23)。受け入れを希望する複数の第2企業22が存在する場合(工程S22:YES)、オークション受付部49は、オークション形式により応募先を決定するか否かを判定する(工程S24)。
【0136】
工程S24では、オークション受付部49は、オークション希望又はオークション非希望を第1企業21の企業端末3から受信して受け付ける。オークション希望を受け付けた場合、オークション受付部49は、オークション形式により応募先を決定すると判定する。オークション非希望を受け付けた場合、オークション受付部49は、オークション形式により応募先を決定しないと判定する。
【0137】
オークション形式により応募先を決定しないと判定された場合(工程S24:NO)、応募先決定部48は、第1企業21の希望に基づいて応募先を決定する。具体的には、応募先決定部48は、応募先の希望を受け付ける(工程S25)。工程S25では、応募先決定部48は、ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する複数の第2企業22を示す情報を第1企業21の企業端末3に送信する。応募先決定部48は、企業端末3を介して入力された応募先の希望を受け付ける。応募先決定部48は、応募先の希望を受け付けた後、第1企業21が希望する第2企業22を応募先として決定する(工程S26)。
【0138】
オークション形式により応募先を決定すると判定された場合(工程S24:YES)、雇用条件受付部46は、再度、雇用条件を受け付ける(工程S27)。工程S27では、雇用条件受付部46は、第2企業22の企業端末3を介して、雇用条件の入力を再度受け付ける。
【0139】
続いて、応募先決定部48は、工程S27において受け付けられた雇用条件に基づいて、オークション形式により複数の第2企業22からミスマッチ勤務者の応募先を決定する。具体的には、応募先決定部48は、雇用条件に含まれる年俸が最も高い第2企業22を応募先として決定する(工程S28)。以上の処理を経て、人材共有システム1は、応募先決定処理を終了する。
【0140】
続いて、ミスマッチ勤務者は、工程S9において決定された応募先の第2企業22との採用面接を行う。第2企業22は、採用面接の結果を決定する。
【0141】
続いて、成約受付部50は、ミスマッチ勤務者の応募先がミスマッチ勤務者の転職先として決定したか否かを受け付ける(工程S10)。工程S10では、成約受付部50は、例えば、第2企業22の企業端末3を介して、応募先がミスマッチ勤務者の転職先として決定したか否かを受け付ける。
【0142】
工程S10において応募先がミスマッチ勤務者の転職先として決定した場合に、算出部47は、工程S1において算出された第1マッチ度と、工程S4において算出された第2マッチ度とに基づいて、最終的な移籍金の額を算出する(工程S11)。工程S11では、算出部47は、第1マッチ度と第2マッチ度とに基づいて、最終的な移籍金の額を算出するための係数を算出する。
【0143】
工程S27(図14参照)において第2企業22から雇用条件を再度受け付けられた場合、算出部47は、工程S27において受け付けられた年俸に、工程S7において算出した係数を乗じた値を最終的な移籍金の額として算出する。その他の場合、算出部47は、工程S7において算出した移籍金の額を最終的な移籍金の額として算出する。
【0144】
続いて、提供部45は、工程S11において算出された最終的な移籍金の額を出力する(工程S12)。工程S12では、提供部45は、最終的な移籍金の額を第1企業21及び第2企業22の双方に出力する。具体的には、提供部45は、最終的な移籍金の額を第1企業21の企業端末3、及び、第2企業22の企業端末3の双方に表示する。以上の処理を経て、人材共有システム1は、一連の動作を終了する。
【0145】
例えば、ミスマッチ勤務者が第2企業22に転職した後、第2企業22は、工程S12において出力された額の移籍金を第1企業21に支払う。第1企業21は、ミスマッチ勤務者が転職した後に、企業サーバ5に記憶されたミスマッチ勤務者の保有スキルを管理サーバ4に送信する。記憶部41は、受信したミスマッチ勤務者の保有スキルを記憶する。記憶部41により記憶されたミスマッチ勤務者の保有スキルは、後述する客観評価補正処理に利用される。その後、第1企業21は、企業サーバ5に記憶されたミスマッチ勤務者の保有スキルを削除してもよい。
【0146】
人材共有システム1は、客観評価補正処理を実行する。客観評価補正処理は、企業2による勤務者の客観評価の信頼性を評価すると共に、信頼性の評価結果に応じて企業2による客観評価を補正する処理である。勤務者の客観評価は、当該勤務者が勤務する企業2の考え方等に依存し得る。したがって、企業2によっては、勤務者にとって必要以上に有利又は不利な評価を行う可能性がある。上記説明したように、人材共有システム1は、第1企業21の勤務者の客観評価を考慮して、ミスマッチ勤務者の抽出及び推奨を行う。このため、客観評価の信頼性を評価し、評価結果に応じて企業2による客観評価を補正することが重要である。
【0147】
人材共有システム1は、例えば、ミスマッチ勤務者が第1企業21から第2企業22に転職してから所定期間(例えば1年)経過後に客観評価補正処理を実行する。当該所定期間としては、例えば、第2企業22による保有スキルの評価が行われてから、再度保有スキルの評価が行われるまでの期間よりも長い期間が設定され得る。
【0148】
図15に示されるように、まず、係数算出部51は、記憶部41により記憶されたミスマッチ勤務者の保有スキルに基づいて、第1企業21による客観評価を含む評価項目を特定する(工程S31)。続いて、係数算出部51は、第2企業22の企業サーバ5により記憶されたミスマッチ勤務者の保有スキルに基づいて、第2企業22による客観評価を含む評価項目を特定する(工程S32)。
【0149】
続いて、係数算出部51は、第1企業21による客観評価を含む評価項目のうち、第2企業22による客観評価を含む評価項目と共通の評価項目があるか否かを判定する(工程S33)。共通の評価項目がない場合、人材共有システム1は、客観評価補正処理を終了する。共通の評価項目がある場合、係数算出部51は、当該共通の評価項目を特定する。
【0150】
続いて、係数算出部51は、特定した共通の評価項目毎に評価差を算出する(工程S34)。工程S34では、係数算出部51は、工程S33において特定した共通の評価項目毎に、第2企業22による客観評価から第1企業21による客観評価を差し引いた値を評価差として算出する。
【0151】
続いて、係数算出部51は、共通の評価項目毎に、工程S34において算出した評価差が第11の値未満か否かを判定する(工程S35)。評価差が第11の値未満である場合(工程S35:YES)、係数算出部51は、第13の値を評価係数として算出する(工程S36)。評価差が第11の値以上である場合(工程S35:NO)、係数算出部51は、工程S34において算出した評価差が第12の値よりも大きいか否かを判定する(工程S37)。
【0152】
評価差が第12の値以下である場合(工程S37:NO)、人材共有システム1は、客観評価補正処理を終了する。評価差が第12の値よりも大きい場合(工程S37:YES)、係数算出部51は、第14の値を評価係数として算出する(工程S38)。
【0153】
係数算出部51が工程S36又は工程S38を実行した後、補正部52は、第1企業21により評価された他の勤務者の保有スキルを、工程S36又は工程S38において算出された評価係数に基づいて補正する(工程S39)。工程S39では、補正部52は、第1企業21の企業サーバ5に記憶された他の勤務者の客観評価に、工程S36又は工程S38において算出された評価係数を乗じた値を補正後の客観評価として算出する。その後、補正部52は、第1企業21の企業サーバ5に記憶された客観評価を補正後の客観評価に更新する。以上の処理を経て、人材共有システム1は、客観評価補正処理を終了する。
【0154】
[変形例]
上記実施形態では、レコメンド情報生成部44が第2マッチ度に基づいて、第2企業22に推奨されるミスマッチ勤務者を抽出する例を説明した。しかし、レコメンド情報生成部44は、第2マッチ度に加え、企業サーバ5により記憶されたミスマッチ勤務者の希望職種にも基づいて、レコメンド情報を生成してもよい。
【0155】
本変形例では、記憶部41は、職種一致度テーブルを予め記憶している。職種一致度テーブルは、互いに同一又は異なる2つの職種の一致度をまとめたテーブルである。一致度は、2つの職種の類似している度合いを示す値である。職種一致度テーブルに含まれる職種及び一致度は、例えば予め設定されている。一致度は、例えば、0以上且つ100以下の値により表現される。例えば、営業とプログラマとは、業務に求められる適性等において互いに相違すると考えられる。したがって、営業とプログラマとの職種の一致度は、相対的に低い値に設定される。一方で、例えばバスの運転者とタクシーの運転者とは、車両の運転という業務内容において共通しており、業務に求められる適性等において互いに類似すると考えられる。したがって、バスの運転者とタクシーの運転者との職種の一致度は、上記の営業とプログラマとの職種の一致度よりも高い値に設定される。また、2つの職種が互いに同一である場合、当該2つの職種の一致度は、2つの職種が互いに異なる場合よりも高い値に設定される。
【0156】
本変形例では、第2条件受付部43は、ミスマッチ勤務者に担当させる担当職種を第2条件として受け付ける。具体的には、第2条件受付部43は、例えば、受付画面A1の条件入力部A12に担当職種の項目を表示する。第2企業22は、条件入力部A12に担当職種を入力し、検索ボタンA10を押下する。すると、第2企業22の企業端末3は、担当職種を含む第2条件を管理サーバ4に送信する。第2条件受付部43は、受信した担当職種を受け付ける。なお、上記実施形態とは異なり、雇用条件受付部46は、雇用条件として担当職種を受け付けなくてもよい。
【0157】
本変形例では、レコメンド情報生成部44は、企業サーバ5により記憶されたミスマッチ勤務者の希望職種、第2条件受付部43により受け付けられた担当職種、及び記憶部41により記憶された職種一致度テーブルに基づいて、希望職種と担当職種との一致度を算出する。
【0158】
例えば、レコメンド情報生成部44は、算出した一致度が所定値以上であり、且つ、第2マッチ度が所定値以上であるミスマッチ勤務者を第2企業22に推奨されるミスマッチ勤務者として抽出してもよい。例えば、レコメンド情報生成部44は、算出した一致度と第2マッチ度との合計値が所定値以上であるミスマッチ勤務者を第2企業22に推奨されるミスマッチ勤務者として抽出してもよい。例えば、レコメンド情報生成部44は、算出した一致度が所定値以上である場合、第2マッチ度と所定の加算値との和を算出してもよい。この場合、レコメンド情報生成部44は、算出した和が所定値以上であるミスマッチ勤務者を第2企業22に推奨されるミスマッチ勤務者として抽出してよい。
【0159】
本変形例では、レコメンド情報生成部44が第2マッチ度に加え、ミスマッチ勤務者の希望職種にも基づいてレコメンド情報を生成する。この場合、ミスマッチ勤務者の希望職種も考慮して、ミスマッチ勤務者及び第2企業22の双方にとって納得感が高いレコメンド情報を生成できる。
【0160】
上記実施形態では、提供部45が企業2のコード、企業2の名称、業種、現在の職種、年齢、居住地、転職希望の有無、年俸、及び保有スキルを詳細情報として詳細情報表示部A31に表示する例を説明した。しかし、提供部45は、企業サーバ5により記憶されたミスマッチ勤務者の希望職種を詳細情報表示部A31に表示してもよい。この場合、第2企業22は、ミスマッチ勤務者の希望職種を踏まえて、応募のオファーを行うことができる。例えば、第2企業22は、自らが募集する担当職種と希望職種とが互いに一致(又は類似)するミスマッチ勤務者に対して、応募のオファーを行うことができる。これにより、第2企業22とミスマッチ勤務者との制約が成立する可能性を向上できる。
【0161】
上記実施形態では、オークション受付部49によりオークション希望が受け付けられた場合、雇用条件受付部46がミスマッチ勤務者の受け入れを希望する複数の第2企業22から、再度、雇用条件を受け付ける例を説明した。このとき、雇用条件受付部46が第2企業22の企業端末3に詳細情報画面A3を再度表示する例を説明した。しかし、雇用条件受付部46は、詳細情報画面A3に最高入札額表示部を含めて企業端末3に表示してもよい。最高入札額表示部は、最高入札額をリアルタイムに表示する部分である。雇用条件受付部46は、第2企業22の企業端末3を介して受け付けた雇用条件に基づいて、ミスマッチ勤務者に提示された年俸のうち最も高い年俸を最高入札額表示部に表示してもよい。
【0162】
この場合、ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する第2企業22の間で、ミスマッチ勤務者を落札するための競争を一層促すことができる。この結果、ミスマッチ勤務者の価値を評価する一層公正な機会を創出できる。
【0163】
上記実施形態では、レコメンド情報生成部44が第2マッチ度を算出する前に、ミスマッチ情報生成部42により抽出されたミスマッチ勤務者の人材プロファイルと、第2条件受付部43により受け付けられた第2条件とに基づいて、人材抽出処理を実行する例を説明した。しかし、レコメンド情報生成部44は、人材抽出処理を実行しなくてもよい。
【0164】
上記実施形態では、算出部47が第1マッチ度と第2マッチ度とに基づいて移籍金の額を算出する例を説明した。しかし、算出部47は、ミスマッチ勤務者の転職先として決定した第2企業22のレンタル希望の有無に基づいて、移籍金の額を算出してもよい。例えば、算出部47は、雇用条件受付部46により受け付けられたレンタル希望の有無に基づいて、転職先として決定された第2企業22のレンタル希望の有無を判定する。転職先として決定された第2企業22がミスマッチ勤務者のレンタルを希望している場合、算出部47は、上記の算出方法により算出した移籍金の額よりも小さい額を移籍金の額として算出してもよい。例えば、算出部47は、算出した移籍金の額に0以上且つ1未満の所定の係数(例えば1/2)を乗じた値を移籍金の額として算出してもよい。ミスマッチ勤務者が第1企業21から第2企業22にレンタルされる場合、ミスマッチ勤務者が再度第1企業21に戻るため、ミスマッチ勤務者が転職する場合と比較して第1企業21が受ける不利益は小さいと考えられる。ミスマッチ勤務者が第1企業21から第2企業22にレンタルされる場合に移籍金の額を減額することで、第1企業21にとって一層納得感が高い移籍金の額を算出できる。
【0165】
上記実施形態では、補正部52が、企業サーバ5により記憶された第1企業21の他の勤務者の客観評価を補正後の客観評価に更新する例を説明した。しかし、補正部52は、企業サーバ5により記憶された情報を更新しなくてもよい。例えば、補正部52は、人材共有システム1の処理に第1企業21による客観評価が用いられる都度、係数算出部51により算出した評価係数に基づいて、第1企業21による客観評価を補正してもよい。
【0166】
人材共有システム1は、係数算出部51により算出された評価差に基づいて、第1企業21にペナルティを付与するペナルティ付与部をさらに備えてもよい。ペナルティ付与部は、例えば、評価項目毎の評価差の履歴を予め記憶していてもよい。例えば、評価差の絶対値が所定値(例えば3)以上である期間が所定期間(例えば3年)以上続いた場合、ペナルティ付与部は、ペナルティを付与する第1企業21を特定する。
【0167】
ペナルティ付与部は、例えば、特定した第1企業21による人材共有システム1の利用を一時的に停止してもよい。ペナルティ付与部は、特定した第1企業21の名称を、グループGに属する複数の企業2に提示してもよい。ペナルティ付与部は、特定した第1企業21に違約金を請求してもよい。この場合、ペナルティ付与部は、違約金が生じる旨の情報を第1企業21の企業端末3に表示してもよい。この場合、勤務者に対して適切な評価を行うことを企業2に促すことができる。この結果、企業2による客観評価の信頼性を向上できる。
【0168】
上記実施形態では、ミスマッチ情報生成部42が第1企業21の勤務者の人材プロファイルと、第1条件とに基づいて、第1マッチ度を算出し、算出した第1マッチ度が所定値未満である勤務者をミスマッチ勤務者として抽出する例を説明した。しかし、ミスマッチ情報生成部42がミスマッチ勤務者を抽出する方法は、上記説明した方法に限定されない。例えば、ミスマッチ情報生成部42は、人材プロファイル、第1条件、及びミスマッチ情報を予め蓄積したビッグデータに基づき、ミスマッチ情報を生成してもよい。ミスマッチ情報生成部42は、勤務者の人材プロファイル、及び第1条件を説明変数とし、勤務者がミスマッチ勤務者として抽出されたか否かを示す結果を目的変数として機械学習された機械学習モデルでもよい。同様に、レコメンド情報生成部44は、ミスマッチ勤務者の人材プロファイル、第2条件、及びレコメンド情報を予め蓄積したビッグデータに基づき、レコメンド情報を生成してもよい。レコメンド情報生成部44は、ミスマッチ勤務者の人材プロファイル、及び第2条件を説明変数とし、ミスマッチ勤務者が第2企業22に推奨されるミスマッチ勤務者として抽出されたか否かを示す結果を目的変数として機械学習された機械学習モデル(例えばニューラルネットワーク)でもよい。
【0169】
人材共有システム1は、外部機関の共同利用サービスをグループGに属する複数の企業2に提供してもよい。共同利用サービスは、例えば、人材共有システム1の運営者がグループGに属する複数の企業2を代表して外部機関と契約し、複数の企業2による外部機関の共同利用を促すサービスである。外部機関は、例えば、弁護士、弁理士、及び社労士等の専門家でもよく、社員教育を専門とする企業でもよい。企業2が上記の専門家を利用する際には、高額の報酬を要し、且つ利用頻度が低いことがある。したがって、企業2が資金力に乏しい中小企業である場合、専門家との顧問契約を行うことが困難となり得る。また、大手企業においては定期的に社員教育が行われている一方で、中小企業においては時間的、又は金銭的な制約からそのような社員教育が難しい場合がある。本変形例によれば、企業2が外部機関を利用しやすくなるため、外部機関の利便性を向上できる。
【0170】
人材共有システム1は、商材の相互購買サービスを提供してもよい。相互購買サービスは、例えば、企業2が保有する商材を、グループGに属する複数の企業2により共同で購買することを促すサービスである。中小企業の中には、大手企業に劣らない技術力を有する企業が存在するにも関わらず、中小企業の商材が大手企業に適正とは言えない価格で購買されている場合がある。本変形例によれば、企業2の商材を適正な価格で他の企業2に購買してもらうことが可能となる。この結果、大手企業に比肩する商材の開発を企業2に促すことができる。
【0171】
人材共有システム1は、M&A(Mergers and Acquisitions)情報の共有サービスをグループGに属する複数の企業2に提供してもよい。M&A情報の共有サービスは、例えば、事業継承を求める企業2の情報を、グループGに属する複数の企業2間で共有するサービスである。中小企業の中には、経営者の高齢化等により事業の継続が困難となり、好調な事業でも廃業を選択するという問題(いわゆる事業承継問題)が生じている。このような企業が存在する一方、中小企業の中には事業拡大を模索する企業もあり、事業拡大を模索する企業と事業承継問題を抱える企業との調整が求められている。本変形例によれば、例えば、事業承継問題を抱える企業2の買収等を、事業拡大を模索する企業2に促すことができる。例えば、事業拡大を模索する企業2は、工場、及び事務所等の資本を勤務者ごと居ぬきで買い取ることが可能となる。また、例えば、事業承継問題を抱える企業2に対して他の企業2が勤務者の派遣を行うことにより、事業承継問題を解決し得る。以上のように、本変形例では、事業承継問題を抱える企業2が事業を継続するための解決策にバリエーションを与えることができる。
【0172】
上記実施形態では、各所定値(例えば、第1の値~第14の値、及び、第1係数~第4係数)の一例を説明したが、これらの値は本開示の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0173】
[まとめ]
以上の開示は、以下の構成を含む。
(1) 複数の企業2により構成されるグループGに属する一の企業2である第1企業21と、グループGに属すると共に第1企業21と異なる企業2である第2企業22との間で人材を共有するための人材共有システム1であって、第1企業21に勤務する勤務者毎の人材プロファイルと、第1企業21が自らの勤務者に要求する第1条件とに基づいて、第1企業21にミスマッチなミスマッチ勤務者を示すミスマッチ情報を生成するミスマッチ情報生成部42と、第2企業22が自らの勤務者に要求する第2条件の入力を受け付ける第2条件受付部43と、ミスマッチ勤務者の人材プロファイルと、第2条件とに基づいて、第2企業22に推奨されるミスマッチ勤務者を示すレコメンド情報を生成するレコメンド情報生成部44と、レコメンド情報を第2企業22に提供する提供部45と、を備える、人材共有システム1。
この人材共有システム1では、第1企業21にミスマッチなミスマッチ勤務者の人材プロファイルと、第2企業22が自らの勤務者に要求する第2条件とに基づいてレコメンド情報を生成し、生成したレコメンド情報を第2企業22に提供する。これにより、ミスマッチ勤務者を含む情報を第1企業21以外の企業2に提供できるので、勤務者との間でミスマッチが生じている第1企業21から、ミスマッチ勤務者を転職させる誘因を生じさせることができる。また、第2企業22に推奨されるミスマッチ勤務者を示すレコメンド情報を第2企業22に提供するので、第2企業22は、他の企業2における実績に基づく高い信頼性を有する転職候補者の情報を得ることができる。さらに、グループGに属する各企業2の勤務者に対して、1つの企業2に縛られない解放感を与えることができる。以上より、第1企業21、第2企業22、及び各企業2の勤務者の三方にとって有益な人材共有を実現できる。
【0174】
(2) ミスマッチ情報生成部42は、第1企業21の勤務者の人材プロファイルと、第1条件とに基づいて、第1企業21と、第1企業21に勤務する勤務者とのマッチングの度合いである第1マッチ度を算出し、第1マッチ度が所定値未満である勤務者をミスマッチ勤務者として抽出してミスマッチ情報を生成する、(1)記載の人材共有システム1。
第1企業21と勤務者との相性を第1マッチ度として数値化することにより、客観的な相性の評価が可能となる。
【0175】
(3) 人材プロファイルは、勤務者の保有スキルを含み、第1条件は、第1企業21が勤務者に保有を求める第1要求スキルを含み、ミスマッチ情報生成部42は、保有スキルと第1要求スキルとに基づいて、第1マッチ度を算出する、(2)記載の人材共有システム1。
例えば、勤務者が第1企業21に求められる第1要求スキルを有しているか否かに応じて第1マッチ度を算出できる。これにより、第1企業21と勤務者とのマッチ度を一層精度よく算出できる。
【0176】
(4) 人材プロファイルは、勤務者の希望職種を含み、ミスマッチ情報生成部42は、第1企業21における勤務者の現在の職種と、希望職種とに基づいて、希望職種が現在の職種と異なる勤務者をミスマッチ勤務者として抽出する、(1)~(3)のいずれかに記載の人材共有システム1。
勤務者の希望職種にさらに基づいてミスマッチ情報を生成することとなる。この結果、第1企業21及び勤務者にとっては、現在の職種と希望職種との間にギャップが生じることによる勤務者のモチベーションの低下を抑制できる。また、第2企業22にとっては、勤務者の希望職種に応じた採用を行うことが可能となり、勤務者のモチベーションを向上できる。この結果、第1企業21、第2企業22、及び各企業2の勤務者の三方の満足度を向上させることができる。
【0177】
(5) 人材プロファイルは、勤務者の転職希望の有無を含み、ミスマッチ情報生成部42は、転職希望の有無に基づいて、転職を希望する勤務者をミスマッチ勤務者として抽出する、(1)~(4)のいずれかに記載の人材共有システム1。
勤務者の転職希望にさらに基づいてミスマッチ情報を生成することとなる。この結果、第1企業21及び勤務者にとっては、勤務継続を希望しない企業2に勤め続けることによる勤務者のモチベーションの低下を抑制できる。
【0178】
(6) レコメンド情報生成部44は、ミスマッチ勤務者の人材プロファイルと、第2条件とに基づいて、第2企業22とミスマッチ勤務者とのマッチングの度合いである第2マッチ度を算出し、第2マッチ度が所定値以上であるミスマッチ勤務者を抽出してレコメンド情報を生成する、(2)記載の人材共有システム1。
第2企業22とミスマッチ勤務者との相性を第2マッチ度として数値化することにより、客観的な相性の評価が可能となる。
【0179】
(7) 人材プロファイルは、勤務者の保有スキルを含み、第2条件は、第2企業22が勤務者に保有を求める第2要求スキルを含み、レコメンド情報生成部44は、保有スキルと第2要求スキルとに基づいて、第2マッチ度を算出する、(6)記載の人材共有システム1。
例えば、ミスマッチ勤務者が第2企業22に求められる第2要求スキルを有しているか否かに応じて第2マッチ度を算出できる。これにより、第2企業22とミスマッチ勤務者とのマッチ度を一層精度よく算出できる。
【0180】
(8) ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する第2企業22がミスマッチ勤務者に提示する雇用条件を受け付ける雇用条件受付部46をさらに備え、提供部45は、雇用条件を第1企業21に提供する、(1)~(7)のいずれかに記載の人材共有システム1。
第1企業21に勤務するミスマッチ勤務者は、自らに提示された雇用条件に基づいて応募先を決定することができる。
【0181】
(9) ミスマッチ勤務者の応募先を決定する応募先決定部48をさらに備え、応募先決定部48は、ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する複数の第2企業22が存在する場合、雇用条件に基づいて、オークション形式により複数の第2企業22からミスマッチ勤務者の応募先を決定する、(8)記載の人材共有システム1。
ミスマッチ勤務者の価値を評価する公正な機会を創出できる。これにより、第1企業21、第2企業22、及びミスマッチ勤務者のそれぞれの満足度を向上させることができる。
【0182】
(10) 雇用条件は、第2企業22がミスマッチ勤務者に提示する年俸を含み、応募先決定部48は、年俸が最も高い第2企業22を応募先として決定する、(9)記載の人材共有システム1。
ミスマッチ勤務者の価値を評価する一層公正な機会を創出できる。
【0183】
(11) ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する複数の第2企業22が存在する場合、第1企業21がオークション形式により応募先を決定するか否かを受け付けるオークション受付部49をさらに備え、応募先決定部48は、第1企業21がオークション形式により応募先を決定しない場合、第1企業21の希望に基づいて応募先を決定する、(9)又は(10)記載の人材共有システム1。
ミスマッチ勤務者の公正な価値評価と、第1企業21の希望とのバランスを図ることができる。
【0184】
(12) ミスマッチ勤務者の応募先がミスマッチ勤務者の転職先として決定したか否かを受け付ける成約受付部50と、第1マッチ度と第2マッチ度に基づいて、転職先から第1企業21に支払われる移籍金の額を算出する算出部47と、をさらに備える、(6)記載の人材共有システム1。
例えば、算出した額の移籍金を第2企業22が第1企業21に支払うことにより、ミスマッチ勤務者が退職することにより第1企業21が受ける不利益を補うことができる。また、ミスマッチ勤務者と第1企業21とのマッチ度、及び、ミスマッチ勤務者と第2企業22とのマッチ度とに応じて、納得感が高い移籍金の額を算出できる。
【0185】
(13) ミスマッチ勤務者の受け入れを希望する第2企業22がミスマッチ勤務者に提示する雇用条件を受け付ける雇用条件受付部46をさらに備え、雇用条件は、第2企業22がミスマッチ勤務者に提示する年俸を含み、算出部47は、第1マッチ度と第2マッチ度とに基づいて、移籍金の額を算出するための係数を算出し、年俸に係数を乗じた値を移籍金の額として算出する、(12)記載の人材共有システム1。
第1マッチ度及び第2マッチ度に加え、ミスマッチ勤務者の年俸を加味して移籍金の額を算出するので、一層納得感が高い移籍金の額を算出できる。
【0186】
(14) 第1企業21により評価されたミスマッチ勤務者の保有スキルと、ミスマッチ勤務者の転職先である第2企業22により評価されたミスマッチ勤務者の保有スキルとの比較に基づいて、第1企業21に対する評価係数を算出する係数算出部51と、第1企業21により評価された他の勤務者の保有スキルを評価係数に基づいて補正する補正部52と、をさらに備える、(12)又は(13)に記載の人材共有システム1。
例えば、第1企業21により評価されたミスマッチ勤務者の保有スキルが、第2企業22により評価されたミスマッチ勤務者の保有スキルと乖離している場合、第1企業21が自らの勤務者を必要以上に有利又は不利に評価している可能性がある。両方の企業2により評価された保有スキルが所定以上乖離している場合に第1企業21により評価された保有スキルを補正することにより、第1企業21の勤務者の保有スキルに対する信頼性を向上できる。
【0187】
(15) 保有スキルは、第1企業21の勤務者の主観に基づく主観評価と、第1企業21による客観評価とを含む、(3)又は(7)に記載の人材共有システム1。
保有スキルが主観評価のみならず客観評価を含むことで、勤務者の保有スキルの信頼性を向上できる。また、保有スキルが客観評価のみならず主観評価を含むことで、第1企業21が把握していない勤務者のスキルを保有スキルに含めることができる。
【0188】
(16) 人材プロファイルは、勤務者の保有スキルと、第1企業21が勤務者に保有を求める第1要求スキルと、第2企業22が勤務者に保有を求める第2要求スキルと、を含み、第1要求スキル及び第2要求スキルのそれぞれは、1以上の評価項目を含み、保有スキルは、第1要求スキルに含まれる1以上の評価項目と、第1要求スキルに含まれていない1以上の評価項目とを含み、第2要求スキルに含まれる1以上の評価項目と、第2要求スキルに含まれていない1以上の評価項目とを含む、(2)記載の人材共有システム1。
同一の評価項目を含む保有スキルを、第1企業21のミスマッチ勤務者の抽出及び第2企業22に推奨されるミスマッチ勤務者の抽出の双方に利用することができる。
【0189】
(17) 複数の企業2により構成されるグループGに属する一の企業2である第1企業21と、グループGに属すると共に第1企業21と異なる企業2である第2企業22との間で人材を共有するための人材共有方法であって、第1企業21に勤務する勤務者毎の、勤務者が保有する保有スキルと、第1企業21が自らの勤務者に要求する第1要求スキルとに基づいて、第1企業21にミスマッチなミスマッチ勤務者を示すミスマッチ情報を生成することと、第2企業22が自らの勤務者に要求する第2要求スキルの入力を受け付けることと、ミスマッチ勤務者の保有スキルと第2要求スキルとに基づいて、第2企業22に推奨されるミスマッチ勤務者を示すレコメンド情報を生成することと、レコメンド情報を第2企業22に提供することと、を備える、人材共有方法。
【0190】
(18) 複数の企業2により構成されるグループGに属する一の企業2である第1企業21と、グループGに属すると共に第1企業21と異なる企業2である第2企業22との間で人材を共有するためのプログラムPであって、第1企業21に勤務する勤務者毎の、勤務者が保有する保有スキルと、第1企業21が自らの勤務者に要求する第1要求スキルとに基づいて、第1企業21にミスマッチなミスマッチ勤務者を示すミスマッチ情報を生成することと、第2企業22が自らの勤務者に要求する第2要求スキルの入力を受け付けることと、ミスマッチ勤務者の保有スキルと第2要求スキルとに基づいて、第2企業22に推奨されるミスマッチ勤務者を示すレコメンド情報を生成することと、レコメンド情報を第2企業22に提供することと、をコンピュータに実行させる、プログラムP。
【0191】
この人材共有方法及びプログラムPは、上記説明した人材共有システム1と同様の作用効果が奏される。
【符号の説明】
【0192】
1…人材共有システム、2…企業、21…第1企業、22…第2企業、42…ミスマッチ情報生成部、43…第2条件受付部、44…レコメンド情報生成部、45…提供部、46…雇用条件受付部、47…算出部、48…応募先決定部、49…オークション受付部、50…成約受付部、51…係数算出部、52…補正部、G…グループ、P…プログラム(人材共有プログラム)。
【要約】
【課題】有益な人材共有を実現できる。
【解決手段】人材共有システム1は、複数の企業2により構成されるグループに属する第1企業21と、グループに属する第2企業22との間で人材を共有するための人材共有システム1であって、第1企業21に勤務する勤務者毎の人材プロファイルと、第1企業21が自らの勤務者に要求する第1条件とに基づいて、第1企業21にミスマッチなミスマッチ勤務者を示すミスマッチ情報を生成するミスマッチ情報生成部42と、第2企業22が自らの勤務者に要求する第2条件の入力を受け付ける第2条件受付部43と、ミスマッチ勤務者の人材プロファイルと、第2条件とに基づいて、第2企業22に推奨されるミスマッチ勤務者を示すレコメンド情報を生成するレコメンド情報生成部44と、レコメンド情報を第2企業に提供する提供部45と、を備える。
【選択図】図3

図1
図2
図3
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図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15